(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(54)【発明の名称】排ガス浄化システムおよび排ガスを浄化する方法および排ガス浄化システムの使用
(51)【国際特許分類】
B01D 53/92 20060101AFI20221101BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20221101BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20221101BHJP
B03C 3/16 20060101ALI20221101BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20221101BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20221101BHJP
F01N 3/01 20060101ALI20221101BHJP
F01N 3/04 20060101ALI20221101BHJP
B63H 21/32 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B01D53/92 215
B01D53/92 331
B01D53/50 200
B01D53/78 ZAB
B03C3/16 Z
B01D53/14 200
B01D53/18 150
F01N3/01
F01N3/04 A
B63H21/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515742
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2020071495
(87)【国際公開番号】W WO2021047819
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セレン・メルガード
(72)【発明者】
【氏名】ルディー・クルーセ・モーテンセン
(72)【発明者】
【氏名】ニック・ヘイ・ハンセン
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
4D002
4D020
4D054
【Fターム(参考)】
3G091AA04
3G091AB11
3G091AB15
3G091BA01
3G091CA15
3G190AA05
3G190BA01
3G190CA21
3G190CA25
4D002AA02
4D002AC10
4D002BA02
4D002BA14
4D002CA01
4D002CA07
4D002CA13
4D002DA02
4D002DA12
4D002DA35
4D002DA36
4D002EA03
4D020AA06
4D020BA01
4D020BA08
4D020BA23
4D020BB03
4D020CB27
4D020CD02
4D054AA03
4D054BA01
4D054BA04
4D054BA11
4D054EA21
(57)【要約】
排ガス浄化システム(1、49、77、107)、方法、および使用が提供される。該排ガス浄化システムは、船舶上で排ガス(EG)を浄化するためのものであり、浄化される排ガスを受け入れるための排ガス入口(5、79)と、スクラバーのスクラブ洗浄区間(11、53、89)内で排ガスを汚染物質から浄化するように配設されている該スクラバー(9、51、83)とを含む。該スクラブ洗浄区間は、排ガスを受け入れるための排ガス入口(19)と、排ガスを排出するための排ガス出口(15、57)とを含む。排ガス浄化システムは、排ガスがスクラブ洗浄区間内で浄化された後、排ガスを汚染物質からさらに浄化するように配設されている湿式電気集塵装置(39)をさらに含む。該湿式電気集塵装置は、排ガスを受け入れるためにスクラブ洗浄区間の排ガス出口と連通して配置されている排ガス入口(40)と、排ガスを排出するための排ガス出口(42)と、湿式電気集塵装置の排ガス入口から排ガス出口まで排ガスを送るように配設されている少なくとも1つのチャネル(38)とを含む。また、排ガス浄化システムは、浄化された排ガスを排出するための排ガス出口(7、81)を含む。排ガス浄化システムは、スクラブ洗浄区間と前記少なくとも1つのチャネル(38)との間に配置されている1以上の第2の数の第1の噴出デバイス(43)をさらに含み、該第1の噴出デバイスの各々は湿式電気集塵装置(39)に対向しており、かつ排ガスが排ガス浄化システムを通って流動している場合、前記少なくとも1つのチャネルに向かって液体を噴出して、排ガスが前記少なくとも1つのチャネルを通して送られる時に排ガスにより堆積される汚染物質から少なくとも1つのチャネルを浄化するように配設されている噴出口を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶上で排ガス(EG)を浄化するための排ガス浄化システム(1、49、77、107)であって、
浄化される前記排ガス(EG)を受け入れるための排ガス入口(5、79)と、
スクラバー(9、51、83)のスクラブ洗浄区間(11、53、89)内で、汚染物質から前記排ガス(EG)を浄化するように配設された前記スクラバー(9、51、83)であって、前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)が、前記排ガス(EG)を受け入れるための排ガス入口(19)、および前記排ガス(EG)を排出するための排ガス出口(15、57)を含む、スクラバー(9、51、83)と、
前記排ガス(EG)が前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)内で浄化された後、前記排ガス(EG)を前記汚染物質からさらに浄化するように配設された湿式電気集塵装置(39)であって、前記排ガス(EG)を受け入れるために前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)の前記排ガス出口(15、57)と連通して配置されている排ガス入口(40)、前記排ガス(EG)を排出するための排ガス出口(42)、および前記湿式電気集塵装置(39)の前記排ガス入口(40)から前記排ガス出口(42)まで前記排ガス(EG)を送るように配設された少なくとも1つのチャネル(38)(41)を含む、湿式電気集塵装置(39)と、
前記浄化された排ガス(EG)を排出するための排ガス出口(7、81)と
を含む、排ガス浄化システム(1、49、77、107)において、
前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)は、
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)と前記少なくとも1つのチャネル(38)との間に配置されている、1以上の第2の数の第1の噴出デバイス(43)であって、前記第1の噴出デバイス(43)の各々は前記湿式電気集塵装置(39)に対向しており、かつ前記排ガス(EG)が前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)を通って流動している場合、前記少なくとも1つのチャネル(38)に向かって液体を噴出して、前記排ガス(EG)が前記少なくとも1つのチャネル(38)を通して送られる時に前記排ガス(EG)によって堆積される前記汚染物質から前記少なくとも1つのチャネルを浄化するように配設されている噴出口(43a)を含む、1以上の第2の数の第1の噴出デバイス(43)
をさらに含むことを特徴とする、
排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項2】
前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)は、前記湿式電気集塵装置(39)の前記排ガス出口(42)と前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)の前記排ガス出口(7、81)との間にデミスタを欠いている、請求項1に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項3】
前記スクラバー(51)は、前記排ガス(EG)を排出するための排ガス出口(59)を含み、前記排ガス出口(59)は、前記排ガス(EG)を転送するために、前記スクラブ洗浄区間(53)の前記排ガス出口(57)と連通して配置されており、前記湿式電気集塵装置(39)の前記排ガス入口(40)は、前記排ガス(EG)を受け入れるために、前記スクラバー(51)の前記排ガス出口(59)と連通して配置されている、請求項1または2に記載の排ガス浄化システム(49)。
【請求項4】
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)は、第1のサブスクラブ洗浄区間(23、93、109)と、前記第1のサブスクラブ洗浄区間(23、93、109)の内部に配置されている1以上の第3の数の第2の噴出デバイス(27、97)とを含み、前記第2の噴出デバイス(27、97)はスクラブ洗浄流体を前記排ガス(EG)中へ噴出して、前記排ガス(EG)を洗浄するように配設されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項5】
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)は、第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)と、1以上の第4の数の第3の噴出デバイス(29、99)と、前記第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)の内部に配置されている充填物(31、101)とを含み、前記第3の噴出デバイス(29、99)は前記充填物(31、101)にスクラブ洗浄流体を供給して、前記排ガス(EG)が前記充填物(31、101)を通過する時に前記排ガス(EG)を洗浄するように配設されており、前記第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)は前記湿式電気集塵装置(39)と前記第1のサブスクラブ洗浄区間(23、93、109)との間に配置されている、請求項4に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項6】
前記湿式電気集塵装置(39)を含む前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)の前記第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)とwESP区間(13、91)とは、前記第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)および前記wESP区間(13、91)の長手方向中心軸(C)に沿って本質的に類似した外形を有する、請求項5に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項7】
前記スクラブ洗浄流体は7超のpH値を有する、請求項4から6のいずれか一項に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項8】
前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)の前記排ガス出口(7、81)と前記少なくとも1つのチャネル(38)との間に配置されており、かつ前記排ガス(EG)が前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)を通って流動していない場合、前記少なくとも1つのチャネル(38)に向かって液体を噴出して、前記排ガス(EG)が前記少なくとも1つのチャネル(38)を通して送られる時に前記排ガス(EG)により堆積される前記汚染物質から前記少なくとも1つのチャネルを浄化するように配設されている、1以上の第5の数の第4の噴出デバイス(45)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項9】
前記湿式電気集塵装置(39)と前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)の少なくとも殆どとを通る排ガス流動方向は本質的に垂直である、請求項1から8のいずれか一項に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)。
【請求項10】
船舶上で排ガス(EG)を浄化する方法であって、
スクラバー(9、51、83)のスクラブ洗浄区間(11、53、89)内の汚染物質から前記排ガス(EG)を浄化するステップと、
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)内で前記排ガス(EG)が浄化された後、湿式電気集塵装置(39)内の前記汚染物質から前記排ガス(EG)をさらに浄化するステップであって、前記湿式電気集塵装置(39)は、前記湿式電気集塵装置(39)を通して前記排ガス(EG)を送るように配設されている少なくとも1つのチャネル(38)を含む、さらに浄化するステップと
を含む、方法において、
前記方法は、
前記排ガス(EG)が前記排ガス浄化システム(1、49、77、107)を通って流動している場合、前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)と前記少なくとも1つのチャネル(38)との間に配置されている1以上の第2の数の第1の噴出デバイス(43)のそれぞれの噴出口(43a)を通して、前記少なくとも1つのチャネル(38)に向かって液体を噴出して、前記排ガス(EG)が前記少なくとも1つのチャネル(38)を通して送られる時に前記排ガス(EG)により堆積される前記汚染物質から前記少なくとも1つのチャネルを浄化するように配設されているステップであって、前記噴出口(43a)は前記湿式電気集塵装置(39)に対向している、噴出するステップ
をさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記汚染物質から浄化する前記ステップおよびさらに浄化する前記ステップの後に、デミスタを通過させることなく、前記排ガス(EG)を大気中に放出するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記排ガス(EG)を前記汚染物質から浄化する前記ステップが前記スクラバー(51、83)の内部で起こり、一方、前記排ガスを前記汚染物質からさらに浄化する前記ステップは前記スクラバー(51、83)の外部で起こるように、前記湿式電気集塵装置(39)は前記スクラバー(51、83)の外部に配置されている、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)の第1のサブスクラブ洗浄区間(23、93、109)の内部でかつ前記排ガス(EG)中にスクラブ洗浄流体を噴出して、前記排ガス(EG)を洗浄するステップを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)の第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)の内部に配置されている充填物(31、101)に前記スクラブ洗浄流体を供給して、前記排ガス(EG)が前記充填物(31、101)を通過する時に前記排ガス(EG)を洗浄するステップであって、前記第2のサブスクラブ洗浄区間(25、95)は前記湿式電気集塵装置(39)と前記第1のサブスクラブ洗浄区間(23、93、109)との間に配置されている、供給するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スクラブ洗浄流体は7超のpH値を有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記湿式電気集塵装置(39)と前記スクラブ洗浄区間(11、53、89)の少なくとも殆どとを通して、本質的に垂直な排ガス流動方向に前記排ガスを給送するステップを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
船舶用の燃焼エンジン(3)、燃焼器またはボイラーからの排ガス(EG)中の汚染物質を低減するための、船舶上における請求項1から9のいずれか一項に記載の排ガス浄化システム(1、49、77、107)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば船舶用のエンジン、燃焼器またはボイラーからの、排ガスを船舶上で浄化するための排ガス浄化システムに関する。また、本発明は、そのような排ガス浄化システムを用いて、例えば船舶用のエンジン、燃焼器またはボイラーからの、排ガスを船舶上で浄化する方法に関する。さらに、本発明は、船舶用の燃焼エンジン、燃焼器またはボイラーからの排ガス中の汚染物質を低減するための、船舶上におけるそのような排ガス浄化システムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大型船舶は、通常、硫黄を含有する燃料、より詳細には高硫黄重油で動作するエンジンにより駆動される。そのような燃料の燃焼においては、硫黄酸化物(SOx)を含有する排ガスが形成される。該排ガスは、通常、煤煙、油、重金属、およびサブミクロンの元素状炭素粒子で主に構成されている黒色炭素(BC)などの粒子状物質も含有する。環境への排ガスの影響を低減するために、排ガスは、それが大気中に放出される前にこれらの汚染物質から浄化される必要がある。例えば、排ガスはスクラバーを通過させられて、排ガス中の汚染物質が中に捕捉されるスクラブ洗浄流体で洗浄されることが可能である。
【0003】
スクラバーはいわゆる開ループスクラバーとすることができ、それは、海水の自然アルカリ度を使用して、排ガスから硫黄酸化物を洗い流す。海水が海洋から供給され、排ガスからSOxおよび粒子状物質を吸収するためにスクラバーを通して送られ、その後排出されて海洋へ戻される。
【0004】
あるいは、スクラバーはいわゆる閉ループスクラバーとすることができると考えられ、それは、通常は水酸化ナトリウム(NaOH)または炭酸ナトリウム(Na2CO3)のようなアルカリ性剤と組み合わせて、循環する淡水または海水を使用して、排ガスから硫黄酸化物および粒子状物質を洗い流す。そのようなスクラバー内では、循環する淡水または海水中の含水亜硫酸、硫酸塩、および粒子状物質の量は漸増している。したがって、循環する淡水または海水の質を制御するために、そのうちの少量がきれいな淡水または海水と時々もしくは継続的に置き換えられるか、または粒子状物質から浄化された後に船舶上に貯留されるかもしくは船外に排出されるかしてよい。
【0005】
今日、この目的のために使用されるスクラバーは、排ガスから硫黄酸化物の殆どと粒子状物質のより少ないいくらかとを除去することができる。SOx排出がIMOにより既に世界的に規制されており、将来的に黒色炭素の規制が予想される。その観点から、船舶の排ガスからより多くの粒子状物質を除去することを可能にする排ガス浄化技術が必要である。
【0006】
SE540530は、スクラバーを通して排ガスを給送し、続いて、排ガスがスクラバーを通過した後に依然として排ガス中にある粒子状物質を収集するための湿式電気集塵装置(wet Electrostatic Precipitator)を通すことによる、排ガスの浄化のための機器を開示している。浄化された排ガスは、次いで、デミスタを通過させた後、該機器を離れる。該湿式電気集塵装置から粒子状物質を淡水で洗い流すためのノズルが湿式電気集塵装置と該デミスタとの間に配置されている。デミスタは、ノズルにより生成されかつ排ガスにより汚染されている液滴の、大気中への放出を最小限にするために設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、船舶上で排ガスを浄化するための改良された排ガス浄化システム、そのようなシステムにより船舶上で排ガスを浄化する改善された方法、および船舶上でのそのような排ガス浄化システムの改善された使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基本的コンセプトは、汚染された液滴の大気中への放出を最小限にする、湿式電気集塵装置を浄化するための手段の配置を伴う、wESPとも呼ばれる湿式電気集塵装置と組み合わせられたスクラバーによる排ガスの浄化を実現することである。本発明による排ガス浄化システム、方法、および使用は、添付の特許請求の範囲において定められており、以下で説明されている。
【0010】
本発明による排ガス浄化システムは、船舶上で排ガスを浄化するために配置される。該排ガス浄化システムは、浄化される排ガスを受け入れるための排ガス入口と、スクラバーのスクラブ洗浄区間内で汚染物質から排ガスを浄化するように配設されているスクラバーとを含む。該スクラブ洗浄区間は、浄化前の排ガスを受け入れるための排ガス入口と、浄化後の排ガスを排出するための排ガス出口とを含む。排ガス浄化システムは、排ガスがスクラブ洗浄区間内で浄化された後、汚染物質から排ガスをさらに浄化するように配設されている湿式電気集塵装置をさらに含む。したがって、該湿式電気集塵装置は、さらに浄化する前記ステップの前に排ガスを受け入れるための、スクラブ洗浄区間の排ガス出口と連通して配置されている排ガス入口と、さらに浄化する前記ステップの後に排ガスを排出するための排ガス出口とを含む。さらに、湿式電気集塵装置は、湿式電気集塵装置の排ガス入口から排ガス出口まで排ガスを送るように配設されている少なくとも1つのチャネルを含む。また、排ガス浄化システムは、浄化された排ガスを排出するための排ガス出口を含む。排ガス浄化システムは、スクラブ洗浄区間と前記少なくとも1つのチャネルとの間に配置されている、ノズルまたは噴霧器などの1以上の第2の数の第1の噴出デバイスをさらに含むことを特徴とする。該第1の噴出デバイスの各々は、排ガスが断続的にまたは継続的に排ガス浄化システムを通って流動している場合、湿式電気集塵装置に対向しており、かつ前記少なくとも1つのチャネルに向かって液体を噴出して、前記少なくとも1つのチャネルを通して排ガスが運ばれる時にそれにより堆積される汚染物質から排ガスを浄化するように配設されている噴出口、アパーチャ、または開口部を含む。
【0011】
第1の噴出デバイスにより噴出される前記液体はアルカリ性流体であってもよく、すなわち排ガスからのSOxの最適な除去を実現する7超のpH値を有する。例えば、前記液体は、海水、淡水とアルカリ性剤との混合物もしくは海水とアルカリ性剤との混合物、またはそれらの任意の組合せであってもよい。排ガス浄化システムは、搭載された船舶用エンジン、搭載された船舶用燃焼器、または搭載された船舶用ボイラーからの排ガスを浄化するために配置され得る。
【0012】
スクラバーは、スクラブ洗浄液の形のスクラブ洗浄流体で排ガスを洗浄するように配設されている湿式スクラバーであってもよい。
【0013】
排ガス浄化システムのスクラバーは開ループタイプであってもよく、スクラブ洗浄流体は海水であってもよい。次に、海水が海洋から採取され、一度スクラバーを通過させられ、その後、直ちにまたは浄化後、海洋に排出して戻される。
【0014】
あるいは、排ガス浄化システムのスクラバーは閉ループタイプであってもよく、スクラブ洗浄流体は、Mg(OH)2、MgO、Na2CO3、CaCO3、NaOH、もしくはCa(OH)2、またはそれらの組合せなどのアルカリ性剤と混合された海水または淡水のどちらかであってもよい。そのような閉ループスクラバーでは、スクラバーのスクラブ洗浄流体入口がスクラバーのスクラブ洗浄流体出口と連通して配置されて、スクラバーを通るスクラブ洗浄流体の再循環を可能にしてもよい。閉ループタイプのスクラバーを含む排ガス浄化システムが循環タンクをさらに含み得る。該循環タンクは、排ガス浄化後にスクラバーからスクラブ洗浄流体を受け入れるために、スクラバー、例えばそのスクラブ洗浄流体出口と連通していてもよい。さらに、循環タンクは、スクラブ洗浄流体をスクラバーに給送するために、スクラバー、例えばそのスクラブ洗浄流体入口と連通していてもよい。スクラブ洗浄流体のいくらかが、排出されるかまたは閉ループに給送し戻される前に、断続的にまたは継続的に閉ループから抜き取られて、浄化されてもよい。
【0015】
スクラブ洗浄流体が、開ループタイプのスクラバーから生じるか閉ループタイプのスクラバーから生じるかに関わらず、例えば、1つまたは複数の分離器および/またはフィルタにより浄化されてもよい。
【0016】
前記少なくとも1つのチャネルは、該チャネルを少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁により画定されている。前記少なくとも1つのチャネルに向かって液体を噴出する第1の噴出デバイスにより、汚染物質が前記少なくとも1つの壁から除去される。前記少なくとも1つのチャネルは、例として、湿式電気集塵装置の内部に延在している少なくとも1つのプレートにより形成され得ると考えられる。例えば、いくつかのチャネルが、湿式電気集塵装置の内部に平行に配置されている複数のプレートにより形成され得ると考えられる。別の例として、前記少なくとも1つのチャネルは、湿式電気集塵装置の内部に延在している管により形成され得ると考えられ、該管は、円形、長円形、または多角形、例えば六角形の横断面などの任意の適切な横断面を備えて設計され得ると考えられる。例えば、いくつかのチャネルが、湿式電気集塵装置の内部に配置されている一束の平行管により形成され得ると考えられる。
【0017】
本文全体を通して「連通している」および「連通」がそれぞれ、「直接または間接的に連通している」および「直接的なまたは間接的な連通」を意味することは、強調すべきであろう。同様に、本文全体を通して「受け入れる」、「給送する」、「排出する」等がそれぞれ、「直接または間接的に受け入れる」、「直接または間接的に給送する」、および「直接または間接的に排出する」を意味する。
【0018】
汚染物質は、硫黄酸化物ならびに煤煙、油、重金属、および黒色炭素などの粒子状物質を含み得る。スクラブ洗浄区間内で、排ガスは冷却され、硫黄酸化物の殆どと粒子状物質のより少ないいくらかとから浄化される。湿式電気集塵装置内で、排ガスは粒子状物質および残りの硫黄酸化物からさらに浄化される。
【0019】
本文全体を通して、噴出デバイスが、何かに向かって液体を噴出するように配設されていると言われる場合、該噴出デバイスはこの何かに向かって方向付けられている。すなわち噴出デバイスはこの何かに向かって噴出方向を有する。
【0020】
第1の噴出デバイスにより液体が噴出される場合、排ガスから粒子状物質および硫黄酸化物を吸収し、汚染された液滴が形成される。第1の噴出デバイスが、排ガス浄化システムを通る排ガスの流動方向に関して湿式電気集塵装置の前にまたは上流に配置されるので、液滴は該湿式電気集塵装置に入り、それにより収集されることになる。したがって、非常に少ない汚染された液滴が湿式電気集塵装置を通過することになる。したがって、湿式電気集塵装置は、液滴が排ガス浄化システムを脱出しないようにする「デミスタ機能」を実施する。それに対して、SE540530による機器では、湿式電気集塵装置を洗い流すためのノズルは、該機器を通る排ガスの流動方向に関して湿式電気集塵装置の後にまたは下流に配置される。したがって、ノズルにより生成されかつ排ガスにより汚染された液滴のうちの比較的軽いものが湿式電気集塵装置に到達せず、それにより捕捉されないことになる。
【0021】
SE540530におけるノズルの配置に因り、湿式電気集塵装置の下流にあるデミスタが、比較的軽い液滴を捕捉するのに不可欠であり、そうしなければそれらは排ガスと共に機器を離れる可能性がある。本発明の一実施形態によれば、排ガス浄化システムは、湿式電気集塵装置の排ガス出口と排ガス浄化システムの排ガス出口との間にデミスタを欠いている。その場合、湿式電気集塵装置の排ガス出口は排ガス浄化システムの排ガス出口と直接連通している。デミスタがないため、本発明による排ガス浄化システムはより小型にかつ空間効果的にされることが可能であり、それは、船舶に搭載された場合など空間が乏しい場合に特に有利である。
【0022】
排ガス浄化システムは、スクラブ洗浄区間および湿式電気集塵装置がスクラバーの内部に連続して配置されるように構築され得る。そのような実施形態によれば、スクラブ洗浄区間を包囲し画定している外殻構造またはハウジングはまた、湿式電気集塵装置を包囲し得る。それにより、スクラブ洗浄液の再使用を可能にし得かつ建設がより容易で安価であり得る特に小型の排ガス浄化システムが可能になる。そのようなシステムでは、こうした排ガスシステムの出口は、スクラバーの排ガス出口と一致する可能性がある。
【0023】
代替的実施形態によれば、排ガス浄化システムは、スクラバーが、前記浄化後に排ガスを排出するための排ガス出口を含むように構築され、該排ガス出口は、前記浄化後に排ガスを転送するために、スクラブ洗浄区間の排ガス出口と連通して配置される。さらに、湿式電気集塵装置の排ガス入口は、前記さらなる浄化の前に前記浄化後の排ガスを受け入れるために、スクラバーの排ガス出口と連通して配置される。これは、湿式電気集塵装置がスクラバーの外部に配置されていることを意味する。例えば、スクラブ洗浄ユニットを含むスクラバーと湿式電気集塵装置とは別々に配置され、適切な配管により接続されてもよい。本実施形態は、本発明によるシステムへの既存のスクラバーシステムの単純な改造を可能にするという点で有利である。
【0024】
排ガス浄化システムは、スクラブ洗浄区間が第1のサブスクラブ洗浄区間と、該第1のサブスクラブ洗浄区間の内部に配置されているノズルまたは噴霧器などの1以上の第3の数の第2の噴出デバイスとを含むようであってもよい。該第2の噴出デバイスは、スクラブ洗浄流体またはスクラブ洗浄液を排ガス中に噴出して、排ガスを洗浄するように配設されていてもよい。そのような第1のサブスクラブ洗浄区間は、湿式スクラバー内にいわゆるジェット区間または噴霧器区間を形成し得る。
【0025】
さらに、排ガス浄化システムは、スクラブ洗浄区間が、第2のサブスクラブ洗浄区間と、ノズルまたは噴霧器などの1以上の第4の数の第3の噴出デバイスと、該第2のサブスクラブ洗浄区間の内部に配置されているランダムなまたは構造化された、充填物または充填層とを含むようであってもよい。該第3の噴出デバイスは、スクラブ洗浄流体またはスクラブ洗浄液を該充填物に供給して、充填物を通過する時に排ガスを洗浄するように配設されていてもよい。第2のサブスクラブ洗浄区間は湿式電気集塵装置と第1のサブスクラブ洗浄区間との間に配置され得る。第3の噴出デバイスは充填物の粒子上に流体フィルムまたは液体フィルムを形成して、排ガスと該流体または液体との間の接触面積を増大させ、それにより第2のサブスクラブ洗浄区間の汚染物質吸収能力を高めるように配設されていてもよい。そのような第2のサブスクラブ洗浄区間は湿式スクラバー内にいわゆる充填物区間または充填層区間を形成し得る。
【0026】
スクラブ洗浄区間の第1のサブスクラブ洗浄区間および第2のサブスクラブ洗浄区間内で噴出されるスクラブ洗浄流体は同じタイプのスクラブ洗浄流体または異なるタイプのスクラブ洗浄流体であり得る。
【0027】
第1のサブスクラブ洗浄区間は、排ガスが内部で洗浄されるスクラバー室を含んでいてもよく、該スクラバー室は、その長手方向延長部の主要部に沿って、本質的に一定の横断面を有する。本実施形態は、例えばベンチュリタイプのスクラバー室またはベンチュリを備えたもしくは備えていないU字形スクラバー室と比較して、製造し易く小型でかつ低い背圧に関連する「一様な」スクラバー室を含む。
【0028】
湿式電気集塵装置を含む排ガス浄化システムの第2のサブスクラブ洗浄区間およびwESP区間は、該第2のスクラブ洗浄区間および該wESP区間の長手方向中心軸に沿って、本質的に類似した外形を有し得る。本実施形態により、小型で製造し易い排ガスシステムが可能になる。
【0029】
スクラブ洗浄流体はアルカリ性流体であってもよく、すなわち7超のpH値を有し、排ガスからのSOxの最適な除去を実現する。例えば、スクラブ洗浄流体は、海水、淡水とアルカリ性剤との混合物もしくは海水とアルカリ性剤との混合物、またはそれらの任意の組合せであってもよい。
【0030】
排ガス浄化システムは、排ガス浄化システムの排ガス出口と前記少なくとも1つのチャネルとの間に配置されているノズルまたは噴霧器などの1以上の第5の数の第4の噴出デバイスをさらに含み得る。これら第4の噴出デバイスは、排ガスが排ガス浄化システムを通って流動していない場合、前記少なくとも1つのチャネルに向かって液体を噴出して、排ガスが前記少なくとも1つのチャネルを通して送られる時に排ガスにより堆積される汚染物質から前記少なくとも1つのチャネルを浄化するように配設されていてもよい。したがって、第4の噴出デバイスは、例えば排ガス浄化システムの操業停止時の浄化またはメンテナンスのために、動作させられてもよい。
【0031】
排ガス浄化システムは、湿式電気集塵装置とスクラブ洗浄区間の少なくとも殆どとを通る排ガス流動方向が本質的に垂直、例えば上方、であるように設計され得る。例えば、湿式電気集塵装置は、スクラブ洗浄区間の前記少なくとも殆どの上方にまたは上に、真っ直ぐに配置され得る。そのような垂直排ガス浄化システムは比較的小さい設置面積を必要とする可能性があり、それは、空間が乏しい船舶上で有益である。さらに、垂直排ガス浄化システムにより、排ガス浄化システムの内部の排ガスおよびスクラブ洗浄流体の反対に方向付けられた流動すなわち平行向流が可能になる可能性がある。そのような平行向流は排ガスとスクラブ洗浄流体との間のより長い時間の接触、およびしたがって、水平排ガス浄化システムにおいて通常実現される、排ガスおよびスクラブ洗浄流体の直交流すなわち垂直流よりも効率的なスクラブ洗浄を可能にする可能性がある。
【0032】
本発明による方法は、前段で定義されている排ガス浄化システムにより、船舶上で排ガスを浄化するためのものである。本方法は、スクラバーのスクラブ洗浄区間内で汚染物質から排ガスを浄化するステップと、排ガスがスクラブ洗浄区間内で浄化された後、湿式電気集塵装置内で汚染物質から排ガスをさらに浄化するステップとを含む。該湿式電気集塵装置は、湿式電気集塵装置を通して排ガスを送るように配設されている少なくとも1つのチャネルを含む。本方法は、排ガスが排ガス浄化システムを通って流動している時に、スクラブ洗浄区間と前記少なくとも1つのチャネルとの間に配置されている1以上の第2の数の第1の噴出デバイスのそれぞれの噴出口を通して、前記少なくとも1つのチャネルに向かって液体を噴出して、排ガスが前記少なくとも1つのチャネルを通して運ばれる時に排ガスにより堆積される汚染物質から少なくとも1つのチャネルを浄化するステップであって、該噴出口は湿式電気集塵装置に対向している、噴出するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本方法では、第1の噴出デバイスにより噴出される前記液体はアルカリ性流体であってもよい。
【0034】
本方法は、船舶に搭載された船舶用エンジン、船舶に搭載された船舶用燃焼器、または船舶に搭載された船舶用ボイラーからの排ガスを浄化するために準備され得る。
【0035】
本方法は、湿式スクラブ洗浄のために、すなわちスクラブ洗浄液の形のスクラブ洗浄流体で排ガスを洗浄するために準備され得る。該スクラブ洗浄液はスクラバーを一度だけ通過させられるか、または再循環させられることが可能である。
【0036】
本方法は、汚染物質から浄化する前記ステップおよびさらに浄化する前記ステップの後に、デミスタを通過させることなく、排ガスを大気中へ解放するステップを含み得る。
【0037】
スクラブ洗浄区間と湿式電気集塵装置とは、汚染物質から排ガスを浄化する前記ステップおよびさらに浄化する前記ステップがスクラバーの内部で行われるように、スクラバーの内部に連続して配置され得る。
【0038】
あるいは、汚染物質から排ガスを浄化する前記ステップがスクラバーの内部で行われ、一方、汚染物質から排ガスをさらに浄化する前記ステップはスクラバーの外部で行われるように、湿式電気集塵装置はスクラバーの外部に配置されてもよい。
【0039】
本方法は、スクラブ洗浄区間の第1のサブスクラブ洗浄区間の内部でかつ排ガス中にスクラブ洗浄流体を噴出して、排ガスを洗浄するステップを含み得る。
【0040】
本方法は、スクラブ洗浄区間の第2のサブスクラブ洗浄区間の内部に配置されている充填物にスクラブ洗浄流体を供給して、排ガスが該充填物を通過する時に排ガスを洗浄するステップをさらに含む。第2のサブスクラブ洗浄区間は湿式電気集塵装置と第1のサブスクラブ洗浄区間との間に配置され得る。
【0041】
本方法は、排ガスが排ガス浄化システムを通って流動していない場合、前記少なくとも1つのチャネルに向けて、排ガス浄化システムの排ガス出口と湿式電気集塵装置の前記少なくとも1つのチャネルとの間に、すなわち湿式電気集塵装置の下流に配置されている1以上の第5の数の第4の噴出デバイスを通して液体を噴出して、排ガスが前記少なくとも1つのチャネルを通して送られる時に排ガスにより堆積される汚染物質から少なくとも1つのチャネルを浄化するステップをさらに含み得る。
【0042】
本方法は、スクラブ洗浄流体が7超のpH値を有するようであってもよい。
【0043】
本方法は、本質的に垂直な排ガス流動方向に、湿式電気集塵装置とスクラブ洗浄区間の少なくとも殆どとを通して排ガスを給送するステップを含み得る。
【0044】
本発明による、船舶上における前述されている排ガス浄化システムの使用は、船舶用の燃焼エンジン、燃焼器またはボイラーからの排ガス中の汚染物質の低減のためである。
【0045】
本発明による排ガス浄化システムの様々な実施形態の前段で説明されている利点は、本発明による、排ガスを浄化する方法および使用の、対応する様々な実施形態に関しても存在する。
【0046】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様、および利点が、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【0047】
ここで、本発明は、添付の概略的な図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明による排ガス浄化システムおよびエンジンの概略図である。
【
図2】
図1の排ガス浄化システムの概略横断面図である。
【
図3】本発明による別の排ガス浄化システムおよびエンジンの概略図である。
【
図4】さらに別の排ガス浄化システムの概略横断面図である。
【
図5】さらに別の排ガス浄化システムの概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、船舶(図示せず)内に設置されているエンジン3からの排ガス(EG)を、硫黄酸化物、および黒色炭素などの粒子状物質から浄化するための排ガス浄化システム1を示す。排ガスは、エンジン3から排ガス浄化システムの排ガス入口5を通して排ガス浄化システム1へ給送され、垂直上方の排ガス流動方向に、0.1~6m/s、好ましくは1~4m/sの速度で、該排ガス浄化システム1を通る。浄化された排ガスは、排ガス浄化システム1から、その排ガス出口7を通して、図示されていない煙突経由で大気中に給送される。
図2により詳細に示されている排ガス浄化システムは湿式スクラバー9を含み、該湿式スクラバーは、排ガスが内部で浄化されるスクラバー室4(
図2)を画定しているハウジング2を含む。該スクラバー室4は、その長手方向延長部の主要部に沿って本質的に一定の横断面を有する。排ガスシステムは、スクラブ洗浄区間11とwESP(湿式電気集塵装置)区間13とを含む。該スクラブ洗浄区間11と該wESP区間13とは、スクラブ洗浄区間11の排ガス出口15がwESP区間13の排ガス入口17に接続されている状態で、スクラバー9の内部に連続して一直線にされて配置されている。スクラブ洗浄区間11の排ガス入口19が排ガス浄化システム1の排ガス入口5に接続されているか、またはそれと実際に一致しており、一方、wESP区間13の排ガス出口21が排ガス浄化システム1の排ガス出口7に接続されている。したがって、浄化される排ガスは、硫黄酸化物の殆どおよび粒子状物質のいくらかの除去のために、最初にスクラブ洗浄区間11を通して、次に硫黄酸化物の残余物および残りの粒子状物質の殆どの除去のために、wESP区間13を通して、給送される。
【0050】
図2を参照すると、スクラブ洗浄区間11は、第1のサブスクラブ洗浄区間、より詳細にはいわゆるジェット区間23と、第2のサブスクラブ洗浄区間、より詳細にはいわゆる充填物区間25とを含み、該充填物区間25は該ジェット区間23とwESP区間13との間に配置されている。充填物区間25と該wESP区間13とは、充填物区間25およびwESP区間13の長手方向垂直中心軸Cに沿って類似した外形を有する。ジェット区間23は、ブリッジに沿って配置されている第3の数、例えば横断面積の平方メートル当たり約2~10個、の第2の噴出デバイスまたはノズル27を含み、
図2には9個が示されている。該ノズル27はジェット区間23の最上部に下向き方向に配置されている。すなわちノズル27のそれぞれの噴出口27aが下方に向いている。排ガス浄化システム1が動作中でありかつ排ガスがスクラバー9を通して給送されている場合、ノズル27は海水の形のスクラブ洗浄流体をジェット区間23内へ継続的に噴霧し、それにより排ガスは、該排ガスがジェット区間23を通過する時に浄化される。排ガスがジェット区間23を通過する時に浄化されるように、排ガス中の汚染物質がスクラブ洗浄流体中に吸収される。充填物区間25は、
図2には9個が示されている、ブリッジに沿って配置されている第4の数、例えば充填物区間のサイズに応じて14~60個、の第3の噴出デバイスまたはノズル29と、ステンレス鋼、プラスチック、または任意の他の適切な材料の、気体および液体透過性構造物の形の充填物31とを含む。該ノズル29は充填物区間25の最上部にかつ下向き方向に配置されている。すなわち、ノズル29のそれぞれの噴出口29aが下方を向いている。排ガス浄化システム1が動作中でありかつ排ガスがスクラバー9を通して給送されている場合、ノズル29は海水の形のスクラブ洗浄流体を充填物区間25内へ継続的に噴霧して、充填構造物の表面上に液体薄膜を形成する。排ガスが充填物区間25および充填物31を通過する時、排ガス中の汚染物質がスクラブ洗浄流体中に吸収され、それにより排ガスがさらに浄化される。
【0051】
図2において矢印33および35で示されている通り、スクラブ洗浄流体すなわち海水は、船舶のシーチェストからノズル27およびノズル29へ直接給送される。サブスクラブ洗浄区間23およびサブスクラブ洗浄区間25の一方または両方を一度通過した後、ノズル27から給送されるかまたはノズル29から給送されるかに応じて、矢印37で示されているように、海水はスクラバー9から排出され、場合により浄化後、海洋へ戻される。したがって、スクラバー9は開ループタイプである。
【0052】
wESP区間13は湿式電気集塵装置39を含み、該湿式電気集塵装置は一束の第1の数の管41、例えば横断面積の平方メートル当たり約10本の管、を含み、
図2には12本が示されている。管41の各々、より詳細にはその管壁36は、排ガスを湿式電気集塵装置39の排ガス入口40から排ガス出口42へ送るように配設されている六角形横断面を有するチャネル38を画定している。湿式電気集塵装置39の排ガス入口40および排ガス出口42はそれぞれ、wESP区間13の排ガス入口17および排ガス出口21に接続されている。排ガスが管41を通して送られる場合、排ガス中に残存して含有されている汚染物質が管41の壁にくっつき、それにより排ガスはさらに浄化される。湿式電気集塵装置の設計および機能は周知されており、本明細書において詳細に説明されない。
【0053】
排ガス浄化中に排ガスからの汚染物質が管41により収集されるので、湿式電気集塵装置39の動作に悪影響を及ぼす可能性がある、管の壁上への汚染物質層の堆積を回避するために、管41の浄化が必要である。この目的のために、wESP区間13は第2の数、例えば横断面積の平方メートル当たり約2~13個、の第1の噴出デバイスまたはノズル43を含み、
図2には6個が示されている。ノズル43はwESP区間13の底部に、より詳細にはスクラブ洗浄区間11と管41との間に配置されており、上方に方向付けられている。すなわちノズル43のそれぞれの噴出口43aが上方に、かつしたがって湿式電気集塵装置39に向いている。排ガス浄化システム1が動作中でありかつ排ガスがスクラバー9および湿式電気集塵装置39を通して給送されている場合、ノズル43は海水の形の浄化用流体を管41に向かって継続的に噴霧し、管を汚染物質から浄化する。
【0054】
ノズル29およびノズル43は、同一のブリッジに沿って配置されているが、それらは、代わりに、2つの異なるブリッジに沿って配置され得る。したがって、浄化用流体すなわち海水は、矢印35で示されているように、シーチェストからノズル43へ直接給送される。該浄化用流体はノズル43から上方にかつ管41内へ噴霧されて、管41の壁上で収集され、その後、浄化用流体が下方へ流動しかつ管壁から汚染物質を共に持ってくる。下方に流動する汚染された浄化用流体は、排ガスからのさらなる汚染物質の吸収中にサブスクラブ洗浄区間23および25の両方を通過する。したがって、浄化用流体は、スクラブ洗浄区間11を通過する時、スクラブ洗浄機能も実施する。最後に、汚染された浄化用流体は、スクラブ洗浄流体と共に、矢印37で示されているように、スクラバー9から排出されて、場合により浄化後、海洋に戻される。
【0055】
ノズル43からの浄化用流体の噴出中、浄化用流体液滴が形成される。僅かに、これらの浄化用流体液滴は排ガスから汚染物質を吸収する。したがって、本態様においても、浄化用流体はまた、wESP区間13の内部でスクラブ洗浄機能を実施する。液滴は管41内へ噴出され、それらの殆どは管41の壁上で収集されて、前述されている方法でそれらを浄化する。より詳細には、5%未満の液滴が湿式電気集塵装置を通過してしまう。液滴の殆どは管壁で収集されるので、湿式電気集塵装置39は、湿式電気集塵装置の後のまたは下流の別個のデミスタの必要を無くす「デミスタ機能」を実施する。
【0056】
排ガス浄化システム1は、ブリッジに沿って配置されている、第5の数、例えば横断面積の平方メートル当たり2~13個、の第4の噴出デバイスまたはノズル45をさらに含み、
図2には6個が示されている。ノズル45はwESP区間13の最上部にかつ下向き方向に配置されている。すなわちノズル45のそれぞれの噴出口45aが下方に向いている。排ガス浄化システム1が動作中でなくかつスクラバー9を通して排ガスが給送されていない場合、ノズル45は、海水の形の浄化用流体を噴霧して、湿式電気集塵装置39、特にノズル43により噴出される浄化用流体にそれほどさらされない管の上部の、完全な浄化を達成し得る。より詳細には、ノズル45は、浄化用流体を管41の壁上へ噴霧して、管の壁を汚染物質から浄化するように配設されている。浄化用流体すなわち海水は、矢印47で示されているように、シーチェストからノズル45へ直接給送される。浄化後、汚染された浄化用流体は、矢印37で示されているように排出されて、場合により浄化後、海洋へ戻され得る。
【0057】
したがって、
図1および
図2に示されている排ガス浄化システムは、船舶上で排ガスを浄化する方法を実施するために使用され得る。該排ガスを、スクラバーを通過させることにより、汚染物質から浄化され、かつ湿式電気集塵装置の管を通過させることにより、汚染物質からさらに浄化される。排ガスが排ガス浄化システムを通して垂直上方流動方向に給送され、かつスクラブ洗浄流体および浄化用流体が、とりわけ重力ばかりでなく下方に向くノズルの方向に因り、逆下方向に排ガス浄化システムを通って流動するので、排ガスは排ガス浄化システムの内部で効率的に浄化される。湿式電気集塵装置の適正な動作を確実にするために、管の上流に配置されているノズルにより浄化用流体を管に向かって噴出することにより、湿式電気集塵装置の管は排ガス浄化システムの動作中に浄化される。湿式電気集塵装置の下流でこれらの小さい汚染された液滴が漏れ出て大気中に解放されることを防ぐためにデミスタが必要でないように、管の上流にノズルを配置することにより、浄化用流体の汚染された液滴が湿式電気集塵装置により捕獲され得る。本発明の排ガス浄化システム、方法、および使用により、粒子状物質のおよそ70~99%、黒色炭素の70~99%、および硫黄酸化物の70~99%が排ガスから除去され得る。
【0058】
図3は、本発明による排ガス浄化システム49の異なる実施形態を示す。排ガス浄化システム1(
図1および
図2)と49とは非常に類似しており、少数の点においてのみ異なっている。以下、排ガス浄化システム1と49との間の差異を中心に説明する。
【0059】
排ガス浄化システム49は、湿式スクラバー51と、スクラブ洗浄区間53と、wESP(湿式電気集塵装置)区間55とを含む。該スクラブ洗浄区間53は該スクラバー51の内部に配置されており、一方、該wESP区間55はスクラバー51の外部に配置されている。したがって、スクラブ洗浄区間53の排ガス出口57はスクラバー51の排ガス出口59に接続されているか、またはそれと実際に一致している。さらに、wESP区間55の排ガス入口61が、(スクラバー51からwESP区間55まで伸びている矢印で概略的に示されている)適切な配管により、スクラバー51の排ガス出口59に接続されている。
【0060】
スクラブ洗浄区間11と同様に、スクラブ洗浄区間53は、ジェット区間23のようなジェット区間と、充填物区間25のような充填物区間とを含む。ここでの差異は、ジェット区間および充填物区間内のノズルが、淡水と、海水の代わりの水酸化ナトリウムとの混合物の形のスクラブ洗浄流体を噴霧することである。
図3に矢印63および65で示されているように、この混合物は、循環タンク67からジェット区間および充填物区間内のノズルへ給送される。ジェット区間および充填物区間の一方または両方を通過した後、混合物は、矢印69で示されているように、循環タンク67へ給送し戻される。したがって、スクラバー51は閉ループタイプである。継続的に、または一定の間隔でなど断続的に、混合物のいくらかは排ガス浄化システム49から抜き取られて、浄化され得る(図示せず)。該浄化された混合物は、排出されるか、または排ガス浄化システム49へ給送し戻される。
【0061】
wESP区間13と同様に、wESP区間55はその底部にノズルを含む。ここでの差異は、これらのノズルが、淡水と、海水の代わりの水酸化ナトリウムとの混合物の形の浄化用流体を噴霧することである。さらに、wESP区間55はスクラバー51の外部に配置されているので、wESP区間55の底部にあるノズルは充填物区間内のノズルと同じブリッジに沿って配置されていない。この混合物は、
図3に矢印71で示されているように、循環タンク67から、wESP区間55の底部にあるノズルへ給送され、wESP区間55から、矢印73で示されている適切な配管を通して、スクラブ洗浄区間53へ排水される。代替的実施形態では、混合物は、代わりに、破線矢印で示されているように、wESP区間55から循環タンク67へ給送され得る。
【0062】
排ガス浄化システム1と同様に、排ガス浄化システム49はwESP区間55の最上部にノズルを含む。ここでの差異は、これらのノズルが、淡水と、海水の代わりの水酸化ナトリウムとの混合物の形の浄化用流体を噴霧することである。この混合物は、矢印75で示されているように、循環タンク67からwESP区間55内のノズルへ給送され、wESP区間55から、矢印73で示されている適切な配管を通して、スクラブ洗浄区間53へ排水される。再び、代替的実施形態では、混合物は、代わりに、破線矢印で示されているように、wESP区間55から循環タンク67へ給送され得る。
【0063】
前述されている排ガス浄化システム1および49はいずれも、インラインタイプのスクラバー、すなわち第1のスクラブ洗浄区間と第2のスクラブ洗浄区間とが一直線にされているスクラバーを含む。排ガス浄化システム1および49では、湿式電気集塵装置およびスクラブ洗浄区間を通る排ガス流動方向は垂直上方である。当然、本発明は、Uタイプスクラバーなどの他のタイプのスクラバーを含む排ガス浄化システムにおいて、等しく適用可能である。
図4はそのような排ガス浄化システム77を示す。該排ガス浄化システム77では、排ガス流動方向は、最初は垂直下方であり、その後、再度方向付けられて垂直上方になる。したがって、排ガス浄化システム77の湿式電気集塵装置およびスクラブ洗浄区間の殆どを通して、排ガス流動方向は垂直である。排ガス浄化システム1および77(
図2および
図4)は非常に類似しており、僅かなさらなる点においてのみ異なっている。以下、排ガス浄化システム1と77との間のさらなる差異を中心に説明する。
【0064】
浄化される排ガスは、排ガス浄化システム77にその排ガス入口79を通って給送される。該浄化された排ガスは、排ガス浄化システム77から、その排ガス出口81を通って、図示されていない煙突経由で大気中に給送される。排ガス浄化システム77は湿式スクラバー83を含み、該湿式スクラバーは、排ガスが内部で浄化されるスクラバー室87を画定しているハウジング85を含む。該ハウジング85、およびしたがってスクラバー室87は本質的にU字形である。排ガスシステム77は、スクラバー83の内部に連続して配置されているスクラブ洗浄区間89とwESP区間91とを含む。次に、該スクラブ洗浄区間89は、第1のサブスクラブ洗浄区間、より詳細にはいわゆるジェット区間93と、第2のサブスクラブ洗浄区間、より詳細にはいわゆる充填物区間95とを含み、該充填物区間95は該ジェット区間93とwESP区間91との間に配置されている。さらに、スクラバー室87は本質的にU字形であるので、ジェット区間93と充填物区間95とは互いに傍らに配置されている。
【0065】
ジェット区間93は、該ジェット区間93の最上部にあるブリッジに沿ってかつ下方に方向付けられて配置されている第3の数の第2の噴出デバイスまたはノズル97を含む。排ガス浄化システム77が動作中でありかつ排ガスがスクラバー83を通して給送されている場合、ノズル97は海水の形のスクラブ洗浄流体を継続的に噴霧して、排ガスを浄化する。充填物区間95は、ブリッジおよび充填物101に沿って配置されている第4の数の第3の噴出デバイスまたはノズル99を含む。該ノズル99は充填物区間95の最上部にかつ下方に方向付けられて配置されている。排ガス浄化システム77が動作中でありかつ排ガスがスクラバー83を通して給送されている場合、ノズル99は海水の形のスクラブ洗浄流体を継続的に噴霧して、排ガスをさらに浄化する。
【0066】
図4に矢印103および35で示されている通り、スクラブ洗浄流体すなわち海水は、船舶のシーチェストからノズル97およびノズル99へ直接給送される。サブスクラブ洗浄区間93および95のうちの1つを一度通過した後、ノズル97またはノズル99から給送された場合に応じて、矢印105で示されているように、場合により浄化後、海水はスクラバー83から海洋へ排出し戻される。
【0067】
排ガス浄化システム1および77のwESP区間13と91とは類似した設計および機能を有する。排ガス浄化システム77のwESP区間91から下方に流動する浄化用流体は、充填物区間95を通過した後に矢印105で排出される。
【0068】
図5は、本発明による別の排ガス浄化システム107を示す。排ガス浄化システム77と107とは、1つの例外を有して、類似した設計を有する。排ガス浄化システム107は、ベンチュリタイプのジェット区間109、すなわち該ジェット区間の中心部で局所的に減少する横断面を有するジェット区間を含み、それは排ガス浄化システム77のジェット区間93に当てはまらない。ベンチュリタイプのスクラブ洗浄区間の設計および目的は周知されており、本明細書において説明されない。
【0069】
前述されている排ガス浄化システムの構成要素は、それらが前段で明記されている方法で連通することを可能にする適切な配管により接続されている。さらに、前述されている排ガスシステムは、ポンプ、弁、センサ、浄化機器、水質分析ユニット、制御ユニットなど、それの構成要素を適正に動作させる追加構成要素を含み得る。
【0070】
第1の噴出デバイス、第2の噴出デバイス、第3の噴出デバイス、および第4の噴出デバイスは類似したタイプまたは異なるタイプであり得る。前段で言及されている第1の数、第2の数、第3の数、第4の数、および第5の数は同じであるかまたは異なる可能性がある。
【0071】
本発明の前述されている実施形態は、単に例として見られるべきである。当業者は、説明されている実施形態が、本発明のコンセプトから逸脱することなく、多数の方法で変えられ得ることに気付くであろう。
【0072】
例として、
図1による排ガス浄化システムは、閉ループタイプのスクラバーと、場合により(省かれる可能性もある)循環タンクとを含み、かつ/あるいはスクラブ洗浄流体および/または浄化用流体としての、淡水もしくは海水とアルカリ性剤との混合物で動作させられ得る。さらに、
図3による排ガス浄化システムは、開ループタイプのスクラバーを含み、かつ/またはスクラブ洗浄流体および/もしくは浄化用流体としての海水で動作させられ得る。
【0073】
スクラブ洗浄流体と浄化用流体とは同一タイプである必要はないが、スクラブ洗浄流体が浄化用流体から常に分離された状態に保たれること、およびしたがって浄化用流体がスクラブ洗浄流体から分離されて、排ガス浄化システムから排水され、かつ前述されているようにスクラブ洗浄区間を通して排水されないことを必要とし得る、異なるタイプであり得る。
【0074】
本発明の前述されている実施形態のスクラブ洗浄区間は、ジェット区間と、関連するスクラバーをいわゆる充填層スクラバーにする充填物区間とを含む。しかし、代替的スクラブ洗浄区間が可能である。例として、充填物区間が省かれて、関連するスクラバーをいわゆる噴霧器ベースのスクラバーとする別のジェット区間に置き換えられるかまたは置き換えられないことが可能であり得る。別の例として、充填物区間は、トレイを含む区間に置き換えられることが可能であり得る。
【0075】
第1の、第2の、第3の等という限定詞は本明細書において単に区別目的で用いられており、いかなる種類の特定の順序も表現していないことは、強調すべきであろう。本発明に関連しない詳細の説明が省かれていること、および図面は概略的で、簡易化されており、縮尺に基づいて表現されていないことは、強調すべきであろう。
【符号の説明】
【0076】
1、49、77、107 排ガス浄化システム
2、85 ハウジング
3 エンジン
4、87 スクラバー室
5、79 排ガス浄化システムの排ガス入口
7、81 排ガス浄化システムの排ガス出口
9、51、83 スクラバー
11、53、89 スクラブ洗浄区間
13、55、91 wESP区間
15、57 スクラブ洗浄区間の排ガス出口
17、61 wESP区間の排ガス入口
19 スクラブ洗浄区間の排ガス入口
21 wESP区間の排ガス出口
23、93、109 第1のサブスクラブ洗浄区間、ジェット区間
25、95 第2のサブスクラブ洗浄区間、充填物区間
27、97 第2の噴出デバイス、ノズル
27a、29a、43a、45a、97a、99a 噴出口
29、99 第3の噴出デバイス、ノズル
31、101 充填物
33、35、37、47、63、65、69、71、75、103、105 矢印
36 壁
38 チャネル
39 湿式電気集塵装置
40 湿式電気集塵装置の排ガス入口
41 管
42 湿式電気集塵装置の排ガス出口
43 第1の噴出デバイス、ノズル
45 第4の噴出デバイス、ノズル
59 スクラバーの排ガス出口
67 循環タンク
73 配管
C 第2のスクラブ洗浄区間およびwESP区間の長手方向中心軸
【国際調査報告】