(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】無針注射器の注射ヘッド、無針注射器の本体と無針注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/307 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61M5/307
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021521357
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2020127824
(87)【国際公開番号】W WO2021218108
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010366995.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010367033.5
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521158657
【氏名又は名称】ベイジン キューエス メディカル テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ザン,ミン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C066GG06
(57)【要約】
本発明は、無針注射器の注射ヘッド、無針注射器の本体と無針注射器に係る。注射ヘッドは、薬液チューブとピストン付ロッドとを含む。薬液チューブは、後端が開口され且つ先端に注射微穴が備える。ピストン付ロッドのピストンは、キャビティ内で前後に移動でき、ピストン及び薬液チューブの側壁と前壁と共に薬液収容腔を限定し、ピストン付ロッド内に、薬液通路が設置される。注射ヘッドと貯薬瓶は、一緒に無針注射器の本体に装着可能であり、薬液が薬液通路を経由して薬液収容腔に進入でき、ピストン付ロッドが薬液収容腔内の薬液をプッシュして注射微穴を経由して外方へ射出させることが可能である。本発明で提供された方案によれば、例えばスナップ式の瓶である貯薬瓶を無針注射器の内に収容でき、一回使用されると薬の吸入と注射が完成し、このような操作プロセスが効率高く面倒せずに完成でき、且つ全過程において、貯薬瓶を取り出す必要がないし、薬液チューブと貯薬瓶が離れる必要がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯薬瓶(1)と組合わせて使用可能な無針注射器の注射ヘッドであって、前記注射ヘッド(2)は、
内部に後端が開口されたキャビティを備え、且つ先端に前記キャビティと外部を連通する注射微穴(211)が形成されている薬液チューブ(21)と、
前記キャビティ内に位置し前記キャビティ内で前後に移動でき、且つ前記薬液チューブの側壁と前壁と共に薬液収容腔(25)を限定できるピストン(221)と、前記ピストンの後端に固定的に接続されているロッド部(222)と、を含むピストン付ロッド(22)であって、使用の際に、前記注射ヘッドの前記ロッド部の後端が貯薬瓶に挿入可能であり且つ前記貯薬瓶内に進入するように延び、前記薬液収容腔と前記貯薬瓶を連通する薬液通路(222c)が内部に設置されているピストン付ロッド(22)と、を含み、
前記注射ヘッドと前記貯薬瓶は、一緒に前記無針注射器の本体に装着可能であり、前記ピストン付ロッドは、前記貯薬瓶における薬液が前記薬液通路を経由して前記薬液収容腔に進入できるように前記薬液チューブに対して後方に動けるとともに、前記薬液収容腔内の薬液をプッシュして前記注射微穴を経由して外方へ射出させるように前記薬液チューブに対して前方に動けると構成されることを特徴とする無針注射器の注射ヘッド。
【請求項2】
前記薬液通路が前記ピストン付ロッドの軸線方向に沿って延び、且つ前記ピストン付ロッドの先端に、薬液が前記貯薬瓶から前記薬液収容腔に進入することのみを許容する逆止弁が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の注射ヘッド。
【請求項3】
前記逆止弁は、前記ピストン内に嵌めて設けられ、前記ピストンに対して小幅で前後に移動可能な弁芯(223、224)を含み、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記弁芯と前記ピストンとの間の隙間を流れて前記薬液収容腔に進入することを特徴とする請求項2に記載の注射ヘッド。
【請求項4】
前記弁芯(223)は、球状構造であり、或いは、
前記弁芯(224)は、前部が円錐状構造(224a)であり、後部が円柱状構造(224b)であり、前記円柱状構造が前記円錐状構造の底面に接続され、且つ前記円錐状構造の底面の直径が、前記円柱状構造の直径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の注射ヘッド。
【請求項5】
前記ピストンには、前記軸線方向と平行する方向に沿って延びるピストン内通路(221c)が設置されており、前記ピストン内通路と前記ピストン付ロッドとの間には、前記軸線に関する径方向において間隔が存在し、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記ピストン内通路を流れて前記薬液収容腔に進入することを特徴とする請求項2に記載の注射ヘッド。
【請求項6】
前記ロッド部の後端は、前記貯薬瓶の密封膜を穿刺することに用いられる針先状構造(222b)であることを特徴とする請求項1に記載の注射ヘッド。
【請求項7】
前記注射ヘッドは、前記注射微穴を閉鎖することに用いられるように前記薬液チューブの先端に取り除き可能に位置するキャップ部(23)を、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の注射ヘッド。
【請求項8】
前記ピストン付ロッドは、使用中において前記貯薬瓶に対して固定されるように構成され、或いは、
前記ピストン付ロッドは、前記薬液チューブに対して後方に移動する過程においても、前記貯薬瓶における貯薬空間を圧縮するように前記貯薬瓶に対して後方に移動するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の注射ヘッド。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の注射ヘッド及び貯薬瓶と組合わせて使用されるための無針注射器の本体であって、
前記無針注射器の本体(3)は、
前向きの開口を備える台座(31)と、
後向きの開口を備えるとともに、前記台座との間に収容空間を形成するように前記台座の先端に装着され、薬液チューブを固定的に装着するように前部開口が設置されている外部ケース(32)と、
前記収容空間内に位置するとともに前向きの開口を備え、内部に前記貯薬瓶が固定的に収容され且つ前記前向きの開口にピストン付ロッドが固定されている内部押し子(33)と、を含み、
薬の吸入と注射を実現するために、前記外部ケースは、前記薬液チューブを連れて前記貯薬瓶と前記ピストン付ロッドに対して前後に移動させるように、前記内部押し子に対して前後に移動できることを特徴とする無針注射器の本体。
【請求項10】
前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子との間に接続されるロック機構(34)を、さらに含み、前記ロック機構は、薬の吸入の過程において前記内部押し子(33)を前記台座(31)に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、前記内部押し子(33)が前記外部ケース(32)に対して前方に動くようにロックを解除できるように構成されることを特徴とする請求項9に記載の無針注射器の本体。
【請求項11】
前記内部押し子の後端には、径方向に沿って外方に突出する後端フランジ(333)が設置されており、前記ロック機構は、
前記内部押し子が前方に移動することを制限するように、ロック状態で前記後端フランジの先端面に当接できると構成される位置制限メンバー(34)と、
前記台座の後端壁に装着されるとともに、前記台座に対して後方に突出する押しボタン(341)と、を含み、
前記押しボタンは、前記台座に対して前方に移動して直接的又は間接的に前記内部押し子の後端面に推力を加えるように、プッシュされることができると構成されており、前記内部押し子に対する前記ロック機構のロックが解除されるように、前記内部押し子の前記後端フランジが前記推力の作用で前記位置制限メンバーを超えることが可能であることを特徴とする請求項10に記載の無針注射器の本体。
【請求項12】
前記ロック機構は、
前記内部押し子の後端面と前記押しボタンの後端壁との間に設置され、後方に開口するスプリング収容腔を備えるスプリング収容部材(342)と、
前記スプリング収容腔内に位置し、後端が前記押しボタンと接触可能な押しボタンスプリング(343)と、をさらに含み、
前記押しボタンは、前記押しボタンスプリングと前記スプリング収容部材によって間接的に前記内部押し子に推力を加えるようにプッシュされることが可能であることを特徴とする請求項11に記載の無針注射器の本体。
【請求項13】
前記押しボタンは、後端壁と、前記後端壁から前方に延びるとともに前記軸線を囲む側壁とを備え、前記側壁の先端に、前記無針注射器の本体の軸線に向けて突出する凸起部(341c)が設置されるとともに、前記位置制限メンバーは、前記押しボタンに対して前記軸線に関する径方向に沿って移動できると構成されており、
ロック状態で前記凸起部が前記位置制限メンバーの径方向外側に当接することによって、当該位置制限メンバーが径方向に沿って外方へ移動することを制限しており、前記押しボタンがプッシュされると、前記凸起部が前記位置制限メンバーに対して前方に移動することによって、当該位置制限メンバーに対する径方向の位置制限を解除し、このとき、前記位置制限メンバーは、前記内部押し子に対するロックを解除するように、径方向に沿って外方に移動して前記後端フランジの先端面との接触を解放することができることを特徴とする請求項11に記載の無針注射器の本体。
【請求項14】
前記位置制限メンバーが球体であり、前記凸起部の後端面(341d)と前記後端フランジの先端面(333a)が何れも斜面であることによって、ロックを解除する過程において前記位置制限メンバーが前記斜面に転がり接触できることを特徴とする請求項13に記載の無針注射器の本体。
【請求項15】
前記ロック機構が電磁石であることを特徴とする請求項10に記載の無針注射器の本体。
【請求項16】
前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子との間に位置する弾性作動機構をさらに含み、前記弾性作動機構は、注射する前に、エネルギーを蓄積するように操作されるとともに、エネルギーを蓄積した後に、弾性力によって前記内部押し子を前方に作動させて注射を完成するように解放できると構成されることを特徴とする請求項9に記載の無針注射器の本体。
【請求項17】
前記内部押し子の先端に、径方向に沿って外方へ突出する先端フランジ(331a)が設置され、前記弾性作動機構は、前記先端フランジと前記台座との間に設置される作動スプリング(36)を含むことを特徴とする請求項16に記載の無針注射器の本体。
【請求項18】
前記作動スプリングは、前記内部押し子を囲むように前記内部押し子の外側に設けられることを特徴とする請求項17に記載の無針注射器の本体。
【請求項19】
前記内部押し子の先端フランジには、スプリング軸(37)が固定的に接続され、前記スプリング軸が前記内部押し子の軸線に平行し、前記作動スプリング(36′)が前記スプリング軸を囲むように設けられることを特徴とする請求項17に記載の無針注射器の本体。
【請求項20】
前記スプリング軸は複数あり、且つ前記スプリング軸ごとに、それぞれ、一つの前記作動スプリングが前記スプリング軸を囲むように設けられ、各前記スプリング軸が前記内部押し子の周囲に配列されていることを特徴とする請求項19に記載の無針注射器の本体。
【請求項21】
前記内部押し子の中間部に、その周方向に沿って設置される中間部フランジ(331b)が設置され、前記弾性作動機構は、前記中間部フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含むことを特徴とする請求項16に記載の無針注射器の本体。
【請求項22】
前記台座は後端部と台座側壁(312)とを含み、前記台座側壁の内面に雌ネジ(312a)が設置され、前記外部ケースの後部外面に、前記雌ネジに対応する雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの螺合によって、前記外部ケースが、前記作動スプリングを安定的に圧縮するように前記台座に対して後方に移動できることを特徴とする請求項17に記載の無針注射器の本体。
【請求項23】
前記貯薬瓶内の薬液容量を外部から視認できるように、前記外部ケースと前記内部押し子における径方向で前記貯薬瓶に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成されることを特徴とする請求項9に記載の無針注射器の本体。
【請求項24】
無針注射器(4)であって、請求項9乃至請求項23のいずれか一項に記載の無針注射器の本体と、前記無針注射器の本体と組合わせて使用される注射ヘッドとを含む無針注射器。
【請求項25】
前記無針注射器の本体における外部ケースの前部開口に、前記無針注射器の軸線に向ける雌ネジ(322a)が設置され、前記注射ヘッドの薬液チューブに雄ネジ(213)が設置され、前記雌ネジと前記雄ネジが螺合することによって前記薬液チューブを前記無針注射器の本体に着脱可能に装着できることを特徴とする請求項24に記載の無針注射器。
【請求項26】
貯薬瓶収容腔を備える瓶本体と前記瓶本体に対して前記貯薬瓶収容腔内にて前後に摺動できる瓶栓とを含む貯薬瓶、及び注射ヘッドと組合わせて使用されるための無針注射器の本体であって、
前記無針注射器の本体(3)は、
前向きの開口を備える台座(31)と、
後向きの開口を備えるとともに、前記台座との間に収容空間を形成するように前記台座の先端に装着され、薬液チューブを固定的に装着するように前部開口が設置されている外部ケース(32)と、
前記収容空間内に位置するとともに前向きの開口を備える内部押し子(33)を含み、前記内部押し子内に前記貯薬瓶が固定的に収容され且つ前記前向きの開口にピストン付ロッドが固定されている33内部押し子システム(334)と、
前記内部押し子の後端に装着され、且つ先端が前記貯薬瓶の瓶栓と接触可能な薬液補充押し子(8)と、
一部が前記薬液補充押し子(8)に繋がり、他の一部が前記台座(31)又は前記外部ケース(32)に直接的又は間接的に繋がることが可能な伝達装置と、を含み、
薬の吸入と注射を実現するために、前記外部ケースは、前記薬液チューブを連れて前記貯薬瓶と前記ピストン付ロッドに対して前後に移動させるように、前記内部押し子に対して前後に移動でき、
薬の吸入の過程において、前記台座又は前記外部ケースは、前記貯薬瓶における空間を圧縮するように、前記伝達装置によって前記薬液補充押し子を連れて前記瓶本体に対して前記貯薬瓶の瓶栓を前方にプッシュすることを特徴とする無針注射器の本体。
【請求項27】
前記無針注射器の本体は、前記台座(31)と前記内部押し子システム(334)との間に接続されるロック機構(34)を、さらに含み、前記ロック機構は、薬の吸入の過程において前記内部押し子システムを前後方向に前記台座(31)に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、前記内部押し子システムが前記外部ケース(32)に対して前方に動くようにロックを解除できるように構成されることを特徴とする請求項26に記載の無針注射器の本体。
【請求項28】
前記台座(31)と前記外部ケース(32)は、互いに回転可能に接合され、前記外部ケース(32)と前記台座(31)との相対的な回転によって、前記無針注射器の本体の軸線方向における前記外部ケース(32)と前記台座(31)との相対的な動きを実現することを特徴とする請求項27に記載の無針注射器の本体。
【請求項29】
前記内部押し子システム(334)は、伝達棒(335)をさらに含み、前記伝達棒は、先端が前記伝達装置に繋がり、後端(3351)が前記ロック機構との接合に用いられるとともに、前記伝達棒が前記ロック機構にロックされた時に、前記伝達棒が回転方向においても前記台座に対して固定されたことを特徴とする請求項28に記載の無針注射器の本体。
【請求項30】
前記伝達装置は、回転運動伝達装置を含み、前記回転運動伝達装置は、前記薬液補充押し子(8)を連れて回転させるように、前記伝達棒(335)の特定回転運動を前記薬液補充押し子(8)に伝達できると構成され、
前記無針注射器の本体内に運動変換機構が設置され、前記伝達棒(335)に伴う前記薬液補充押し子(8)の回転運動を前記無針注射器の本体の軸線方向に沿う前記内部押し子(33)に対する直線運動に変換するように、前記運動変換機構の一部が前記薬液補充押し子(8)に接合され、前記運動変換機構の他の一部が前記内部押し子(33)に直接的又は間接的に接合されることを特徴とする請求項29に記載の無針注射器の本体。
【請求項31】
薬の吸入の過程において、前記外部ケース(32)が前記台座(31)に対して回転することで前記台座(31)に対して前方に動き、
前記回転運動伝達装置は、一方向回転運動伝達装置を含み、前記一方向回転運動伝達装置は、前記外部ケース(32)が前記台座(31)に対して回転することによって前記台座に対して前方に動く過程において、前記伝達棒(335)の回転運動を前記薬液補充押し子(8)に伝達できるが、前記外部ケース(32)が前記台座に対して回転して前記台座(31)に対して後方に動く過程において、前記伝達棒の回転運動を前記薬液補充押し子に伝達できないと構成されることを特徴とする請求項30に記載の無針注射器の本体。
【請求項32】
前記一方向回転運動伝達装置は、一方向軸受(6)を含み、前記一方向軸受の外輪(61)が前記伝達棒(335)に固定的に繋がり、前記一方向軸受(6)の内輪(62)と前記薬液補充押し子(8)が前記無針注射器の本体の軸線周りの回転方向において固定されたように繋げることを特徴とする請求項31に記載の無針注射器の本体。
【請求項33】
前記運動変換機構は、前記内部押し子(33)の収容空間内に設置されるとともに前記内部押し子に固定的に繋がるナットメンバー(9)を含み、前記薬液補充押し子(8)が、ネジ螺合の形態で前記ナットメンバー(9)と接合されることを特徴とする請求項30に記載の無針注射器の本体。
【請求項34】
前記ナットメンバーは、互いに離れる少なくとも二つのナットメンバーを含み、前記少なくとも二つのナットメンバーが前記薬液補充押し子を囲んで配列され、且つ前記ナットメンバーが、前記薬液補充押し子と接合又は離脱するように、前記無針注射器の本体の径方向に沿って前記無針注射器の本体の軸線に接近又は離反して動くことができることを特徴とする請求項33に記載の無針注射器の本体。
【請求項35】
前記少なくとも二つのナットメンバー(9c)は、前記薬液補充押し子(8)が前記ナットメンバー(9c)に前記無針注射器の本体の軸方向に沿う作用力を加え且つ前記作用力が予定の閾値に達したときに、前記少なくとも二つのナットメンバー(9c)が前記径方向に沿って前記軸線から離反する方向に向けて動いて、前記薬液補充押し子との接合を外すように構成されることを特徴とする請求項34に記載の無針注射器の本体。
【請求項36】
前記ナットメンバー(9c)の周方向外面と前記内部押し子(33)の周方向内面との間に、弾性部材(91c)が装着され、前記二つのナットと前記薬液補充押し子との接合が離脱すると、前記弾性部材が圧縮されることを特徴とする請求項35に記載の無針注射器の本体。
【請求項37】
前記無針注射器の本体は、前記ナットメンバー(9a、9b)ごとの先端に設置されるナット位置制限メンバー(91a、91b)をさらに含み、前記ナットメンバーにおける前記ナット位置制限メンバーと接触する面が受力斜面であり、前記受力斜面の後端が、前記受力斜面の先端よりも径方向において前記無針注射器の軸線に離反し、前記ナット位置制限メンバーは、前記薬液補充押し子と接合するまで前記ナットメンバーを押し付けるように前記受力斜面を後方にプッシュできるように構成され、前記ナット位置制限メンバーが前記ナットメンバーへの施力を停止したときに、前記ナットメンバーが前記径方向に沿って互いに離反して前記薬液補充押し子との接合を外れると構成されることを特徴とする請求項34に記載の無針注射器の本体。
【請求項38】
前記貯薬瓶が前記内部押し子に装着された時に、前記瓶本体の後向きの作用力で前記ナットメンバーを持続的に押し付けることが可能であり、前記貯薬瓶が前記内部押し子から取り除かれた後に、前記ナット位置制限メンバーが前記ナットメンバーへの施力を停止するように、前記ナット位置制限メンバーの先端が前記貯薬瓶の前記瓶本体の後端と直接的に接触できることを特徴とする請求項37に記載の無針注射器の本体。
【請求項39】
前記ナット位置制限メンバー(91a)が楔形ブロックであり、楔形ブロックが前記受力斜面と接触する施力斜面を備えることを特徴とする請求項38に記載の無針注射器の本体。
【請求項40】
前記ナット位置制限メンバーが球状構造であり、且つ前記ナットメンバーの径方向外縁の先端位置に、球体運動溝が設置され、前記ナット位置制限メンバーが前記球体運動溝内に制限されてその中から外れられないことを特徴とする請求項38に記載の無針注射器の本体。
【請求項41】
前記ナット位置制限メンバー(91b)は、軸線が前記無針注射器の本体と共通である環状構造であり、且つ前記環状構造は、その軸線が位置する平面で切断された断面が円形であることを特徴とする請求項38に記載の無針注射器の本体。
【請求項42】
前記内部押し子システムの後端には、径方向に沿って外方に突出する後端フランジが設置されており、前記ロック機構は、
前記内部押し子システムが前方に移動することを制限するように、ロック状態で前記後端フランジの先端面に当接できると構成される位置制限メンバー(34)と、
前記台座の後端壁に装着されるとともに、前記台座に対して後方に突出する押しボタン(341)と、を含み、
前記押しボタンは、前記台座に対して前方に移動して直接的又は間接的に前記内部押し子システムの後端面に推力を加えるように、プッシュされることができると構成されており、前記内部押し子システムに対する前記ロック機構のロックが解除されるように、前記内部押し子システムの前記後端フランジが前記推力の作用で前記位置制限メンバーを超えることが可能であることを特徴とする請求項27に記載の無針注射器の本体。
【請求項43】
前記ロック機構は、
前記内部押し子システムの後端面と前記押しボタンの後端壁との間に設置され、後方に開口するスプリング収容腔を備えるスプリング収容部材(342)と、
前記スプリング収容腔内に位置し、後端が前記押しボタンと接触可能な押しボタンスプリング(343)と、をさらに含み、
前記押しボタンは、前記押しボタンスプリングと前記スプリング収容部材によって間接的に前記内部押し子システムに推力を加えるようにプッシュされることが可能であることを特徴とする請求項42に記載の無針注射器の本体。
【請求項44】
前記押しボタンは、後端壁と、前記後端壁から前方に延びるとともに前記軸線を囲む側壁とを備え、前記側壁の先端に、前記無針注射器の本体の軸線に向けて突出する凸起部(341c)が設置されるとともに、前記位置制限メンバーは、前記押しボタンに対して前記軸線に関する径方向に沿って移動できると構成されており、
ロック状態で前記凸起部が前記位置制限メンバーの径方向外側に当接することによって、当該位置制限メンバーが径方向に沿って外方へ移動することを制限しており、前記押しボタンがプッシュされると、前記凸起部が前記位置制限メンバーに対して前方に移動することによって、当該位置制限メンバーに対する径方向の位置制限を解除し、このとき、前記位置制限メンバーは、前記内部押し子システムに対するロックを解除するように、径方向に沿って外方に移動して前記後端フランジの先端面との接触を解放することができることを特徴とする請求項42に記載の無針注射器の本体。
【請求項45】
前記位置制限メンバーが球体であり、前記凸起部の後端面(341d)と前記後端フランジの先端面333が何れも斜面であることによって、ロックを解除する過程において前記位置制限メンバーが前記斜面に転がり接触できることを特徴とする請求項44に記載の無針注射器の本体。
【請求項46】
前記ロック機構が電磁石であることを特徴とする請求項27に記載の無針注射器の本体。
【請求項47】
前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子システムとの間に位置する弾性作動機構をさらに含み、前記弾性作動機構は、注射する前に、エネルギーを蓄積するように操作されるとともに、エネルギーを蓄積した後に、弾性力によって前記内部押し子システムを前方に作動させて注射を完成するように解放できると構成されることを特徴とする請求項26に記載の無針注射器の本体。
【請求項48】
前記内部押し子の先端に、径方向に沿って外方へ突出する先端フランジ(331a)が設置され、前記弾性作動機構は、前記先端フランジと前記台座との間に設置される作動スプリング(36)を含むことを特徴とする請求項47に記載の無針注射器の本体。
【請求項49】
前記作動スプリングは、前記内部押し子を囲むように前記内部押し子の外側に設けられることを特徴とする請求項48に記載の無針注射器の本体。
【請求項50】
前記内部押し子の先端フランジには、スプリング軸(37)が固定的に接続され、前記スプリング軸が前記内部押し子の軸線に平行し、前記作動スプリング(36′)が前記スプリング軸を囲むように設けられることを特徴とする請求項48に記載の無針注射器の本体。
【請求項51】
前記スプリング軸は複数あり、且つ前記スプリング軸ごとに、それぞれ、一つの前記作動スプリングが前記スプリング軸を囲むように設けられ、各前記スプリング軸が前記内部押し子の周囲に配列されていることを特徴とする請求項50に記載の無針注射器の本体。
【請求項52】
前記内部押し子の中間部に、その周方向に沿って設置される中間部フランジ(331b)が設置され、前記弾性作動機構が、前記中間部フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含むことを特徴とする請求項47に記載の無針注射器の本体。
【請求項53】
前記台座は後端部と台座側壁(312)とを含み、前記台座側壁の内面に雌ネジ(312a)が設置され、前記外部ケースの後部外面に、前記雌ネジに対応する雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの螺合によって、前記外部ケースが、前記作動スプリングを安定的に圧縮するように前記台座に対して後方に移動できることを特徴とする請求項38に記載の無針注射器の本体。
【請求項54】
前記貯薬瓶内の薬液容量を外部から視認できるように、前記外部ケースと前記内部押し子における径方向で前記貯薬瓶に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成されることを特徴とする請求項26に記載の無針注射器の本体。
【請求項55】
前記内部押し子の外周に、径方向に沿って外方に突出する内部押し子フランジが設置され、前記内部押し子フランジの周方向外面と前記外部ケースの周方向内面が接触し、且つ前記内部押し子フランジの周方向外面と前記外部ケースの周方向内面に、運動限制構造が設置され、前記運動限制構造は、前記内部押し子が前記外部ケースに対して回動することを制限できるが、前記内部押し子が前記外部ケースに対して前後方向に動くことを許容すると構成されることを特徴とする請求項26に記載の無針注射器の本体。
【請求項56】
前記運動限制構造は、前記内部押し子フランジの周方向外面と前記内部ハウジングの周方向内面に形成され前記無針注射器の本体の軸線方向に延びるキー溝又はガイドバーを含むことを特徴とする請求項55に記載の無針注射器の本体。
【請求項57】
無針注射器(4)であって、請求項26乃至請求項56のいずれか一項に記載の無針注射器の本体と、前記無針注射器の本体と組合わせて使用される注射ヘッドとを含む無針注射器。
【請求項58】
前記注射ヘッドが貯薬瓶(1)と組合わせて使用可能であり、前記注射ヘッド(2)は、
内部に後端が開口されたキャビティを備え、且つ先端に前記キャビティと外部を連通する注射微穴(211)が形成されている薬液チューブ(21)と、
前記キャビティ内に位置し前記キャビティ内で前後に移動でき、且つ前記薬液チューブの側壁と前壁と共に薬液収容腔(25)を限定できるピストン(221)と、前記ピストンの後端に固定的に接続されているロッド部(222)と、を含むピストン付ロッド(22)であって、使用の際に、前記注射ヘッドの前記ロッド部の後端が貯薬瓶に挿入可能であり且つ前記貯薬瓶の内に進入するように延び、前記薬液収容腔と前記貯薬瓶を連通する薬液通路(222c)が内部に設置されているピストン付ロッド(22)と、を含み、
前記注射ヘッドと前記貯薬瓶は、一緒に前記無針注射器の本体に装着可能であり、前記ピストン付ロッドは、前記貯薬瓶における薬液が前記薬液通路を経由して前記薬液収容腔に進入できるように前記薬液チューブに対して後方に動けるとともに、前記薬液収容腔内の薬液をプッシュして前記注射微穴を経由して外方へ射出させるように前記薬液チューブに対して前方に動けると構成されることを特徴とする請求項57に記載の無針注射器。
【請求項59】
前記薬液通路が前記ピストン付ロッドの軸線方向に沿って延び、且つ前記ピストン付ロッドの先端に、薬液が前記貯薬瓶から前記薬液収容腔に進入することのみを許容する逆止弁が設置されていることを特徴とする請求項58に記載の無針注射器。
【請求項60】
前記逆止弁は、前記ピストン内に嵌めて設けられ、前記ピストンに対して小幅で前後に移動可能な弁芯(223、224)を含み、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記弁芯と前記ピストンとの間の隙間を流れて前記薬液収容腔に進入することを特徴とする請求項59に記載の無針注射器。
【請求項61】
前記弁芯(223)は、球状構造であり、或いは、
前記弁芯(224)は、前部が円錐状構造(224a)であり、後部が円柱状構造(224b)であり、前記円柱状構造が前記円錐状構造の底面に接続され、且つ前記円錐状構造の底面の直径が、前記円柱状構造の直径よりも大きいことを特徴とする請求項60に記載の無針注射器。
【請求項62】
前記ピストンには、前記軸線方向と平行する方向に沿って延びるピストン内通路(221c)が設置されており、前記ピストン内通路と前記ピストン付ロッドとの間には、前記軸線に関する径方向において間隔が存在し、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記ピストン内通路を流れて前記薬液収容腔に進入することを特徴とする請求項58に記載の無針注射器。
【請求項63】
前記ロッド部の後端は、前記貯薬瓶の密封膜を穿刺することに用いられる針先状構造(222b)であることを特徴とする請求項58に記載の無針注射器。
【請求項64】
前記注射ヘッドは、前記注射微穴を閉鎖することに用いられるように前記薬液チューブの先端に取り除き可能に位置するキャップ部(23)を、さらに含むことを特徴とする請求項58に記載の無針注射器。
【請求項65】
前記無針注射器の本体における外部ケースの前部開口に、前記無針注射器の軸線に向ける雌ネジ(322a)が設置され、前記注射ヘッドの薬液チューブに雄ネジ(213)が設置され、前記雌ネジと前記雄ネジが螺合することによって前記薬液チューブを前記無針注射器の本体に着脱可能に装着できることを特徴とする請求項58に記載の無針注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体薬品を注射するための医療器具に関する。より具体的に、本発明は、無針注射器の注射ヘッド、無針注射器と無針注射組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
無針注射器は、針先を使用しないものであり、液体薬品に対して高圧をかけることによって、液体薬品が端部の微穴を通過して患者の皮下に注射される医療器具であるため、患者が針に刺され痛みを感じることを回避できる。一般的に、無針注射器は、薬液チューブとプッシュ機構とを含む。薬液チューブは、液体薬品を収容する機能を果たす。
【発明の概要】
【0003】
一般的に、無針注射器を使用する際には、まず、薬液チューブを無針注射器に装着する必要があり、そして、薬液チューブの先端の針先によって貯薬瓶内から薬品を吸い上げ、薬品を吸い上げた後、薬液チューブと貯薬瓶が離れないと、注射できないようになっている。これでわかりように、薬品を取得する操作が比較的に煩瑣である。
【0004】
この問題に対して、目前、薬液チューブと貯薬瓶を一体化して使い捨てのように使用されるという解決案が存在されているが、このような解決案では、コストが高く、且つ一体化された薬液チューブ/貯薬瓶の材質が、通常、薬品に長期間に渡って接触するという安全要求を満たすことができない。
【0005】
このため、上記の問題について、少なくとも一部を解決するために、無針注射器の注射ヘッド、無針注射器の本体、無針注射組立体を提供する必要がある。
【0006】
上記の欠陥を克服するために、本発明によれば、無針注射器の注射ヘッド、無針注射器の本体、無針注射器が提供された。本発明で提供された方案によれば、例えばスナップ式の瓶である貯薬瓶を無針注射器内に収容でき、一回使用されると薬の吸入と注射が完成し、このような操作プロセスが効率高く面倒せずに完成でき、且つ全過程において、貯薬瓶を取り出す必要がないし、薬液チューブと貯薬瓶が離れる必要がない。また、貯薬瓶を無針注射器内に収容することは、貯薬瓶の紛失や汚染などの問題の発生を回避できる。
【0007】
本発明の一面によれば、無針注射器の主体内において貯薬瓶と組合わせて使用可能な無針注射器主体の注射ヘッドが提供され、前記注射ヘッドは、
内部に後端が開口されたキャビティを備え、且つ先端に前記キャビティと外部を連通する注射微穴が形成されている薬液チューブと、
前記キャビティ内に位置し前記キャビティ内で前後に移動でき、且つ前記薬液チューブの側壁と前壁と共に薬液収容腔を限定できるピストンと、前記ピストンの後端に固定的に接続されているロッド部と、を含むピストン付ロッドであって、使用の際に、前記注射ヘッドの前記ロッド部の後端が貯薬瓶に挿入可能であり且つ前記貯薬瓶内に進入するように延び、前記薬液収容腔と前記貯薬瓶を連通する薬液通路が内部に設置されているピストン付ロッドと、を含み、
前記注射ヘッドと前記貯薬瓶は、一緒に前記無針注射器の本体に装着可能であり、前記ピストン付ロッドは、前記貯薬瓶における薬液が前記薬液通路を経由して前記薬液収容腔に進入できるように前記薬液チューブに対して後方に動けるとともに、前記薬液収容腔内の薬液をプッシュして前記注射微穴を経由して外方へ射出させるように前記薬液チューブに対して前方に動けると構成される。
【0008】
1つの実施形態では、前記薬液通路が前記ピストン付ロッドの軸線方向に沿って延び、且つ前記ピストン付ロッドの先端に、薬液が前記貯薬瓶から前記薬液収容腔に進入することのみを許容する逆止弁が設置されている。
【0009】
1つの実施形態では、前記逆止弁は、前記ピストン内に嵌めて設けられ、前記ピストンに対して小幅で前後に移動可能な弁芯を含み、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記弁芯と前記ピストンとの間の隙間を流れて前記薬液収容腔に進入する。
【0010】
1つの実施形態では、前記弁芯は、球状構造であり、或いは、
前記弁芯は、前部が円錐状構造であり、後部が円柱状構造であり、前記円柱状構造が前記円錐状構造の底面に接続され、且つ前記円錐状構造の底面の直径が、前記円柱状構造の直径よりも大きい。
【0011】
1つの実施形態では、前記ピストンには、ピストン内通路が設置されており、前記ピストン内通路と前記ピストン付ロッドとの間には、前記軸線に関する径方向において間隔が存在し、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記ピストン内通路を流れて前記薬液収容腔に進入する。
【0012】
1つの実施形態では、前記ロッド部の後端は、前記貯薬瓶の密封膜を穿刺することに用いられる針先状構造である。
【0013】
1つの実施形態では、前記注射ヘッドは、前記注射微穴を閉鎖することに用いられるように前記薬液チューブの先端に取り除き可能に位置するキャップ部を、さらに含む。
【0014】
1つの実施形態では、前記ピストン付ロッドは、使用中において前記貯薬瓶に対して固定されるように構成され、或いは、
前記ピストン付ロッドは、前記薬液チューブに対して後方に移動する過程においても、前記貯薬瓶における貯薬空間を圧縮するように前記貯薬瓶に対して後方に移動するように構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の一面によれば、上記の方案のいずれか一項に記載の注射ヘッド及び貯薬瓶と組合わせて使用されるための無針注射器の本体が提供され、前記無針注射器の本体は、
前向きの開口を備える台座と、
後向きの開口を備えるとともに、前記台座との間に収容空間を形成するように前記台座の先端に装着され、薬液チューブを固定的に装着するように前部開口が設置されている外部ケースと、
前記収容空間内に位置するとともに前向きの開口を備え、内部に前記貯薬瓶が固定的に収容され且つ前記前向きの開口にピストン付ロッドが固定されている内部押し子と、を含み、
薬の吸入と注射を実現するために、前記外部ケースは、前記薬液チューブを連れて前記貯薬瓶と前記ピストン付ロッドに対して前後に移動させるように、前記内部押し子に対して前後に移動できる。
【0016】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子との間に接続されるロック機構を、さらに含み、前記ロック機構は、薬の吸入の過程において前記内部押し子を前記台座に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、前記内部押し子が前記外部ケースに対して前方に動くようにロックを解除できるように構成される。
【0017】
1つの実施形態では、前記内部押し子の後端には、径方向に沿って外方に突出する後端フランジが設置されており、前記ロック機構は、
前記内部押し子が前方に移動することを制限するように、ロック状態で前記後端フランジの先端面に当接できると構成される位置制限メンバーと、
前記台座の後端壁に装着されるとともに、前記台座に対して後方に突出する押しボタンと、を含み、
前記押しボタンは、前記台座に対して前方に移動して直接的又は間接的に前記内部押し子の後端面に推力を加えるように、プッシュされることができると構成されており、前記内部押し子に対する前記ロック機構のロックが解除されるように、前記内部押し子の前記後端フランジが前記推力の作用で前記位置制限メンバーを超えることが可能である。
【0018】
1つの実施形態では、前記ロック機構は、
前記内部押し子の後端面と前記押しボタンの後端壁との間に設置され、後方に開口するスプリング収容腔を備えるスプリング収容部材と、
前記スプリング収容腔内に位置し、後端が前記押しボタンと接触可能な押しボタンスプリングと、をさらに含み、
前記押しボタンは、前記押しボタンスプリングと前記スプリング収容部材によって間接的に前記内部押し子に推力を加えるようにプッシュされることが可能である。
【0019】
1つの実施形態では、前記押しボタンは、後端壁と、前記後端壁から前方に延びるとともに前記軸線を囲む側壁とを備え、前記側壁の先端に、前記無針注射器の本体の軸線に向けて突出する凸起部が設置されるとともに、前記位置制限メンバーは、前記押しボタンに対して前記軸線に関する径方向に沿って移動できると構成されており、
ロック状態で前記凸起部が前記位置制限メンバーの径方向外側に当接することによって、当該位置制限メンバーが径方向に沿って外方へ移動することを制限しており、前記押しボタンがプッシュされると、前記凸起部が前記位置制限メンバーに対して前方に移動することによって、当該位置制限メンバーに対する径方向の位置制限を解除し、このとき、前記位置制限メンバーは、前記内部押し子に対するロックを解除するように、径方向に沿って外方に移動して前記後端フランジの先端面との接触を解放することができる。
【0020】
1つの実施形態では、前記位置制限メンバーが球体であり、前記凸起部の後端面と前記後端フランジの先端面が何れも斜面であることによって、ロックを解除する過程において前記位置制限メンバーが前記斜面に転がり接触できる。
【0021】
1つの実施形態では、前記ロック機構が電磁石である。
【0022】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子との間に位置する弾性作動機構をさらに含み、前記弾性作動機構は、注射する前に、エネルギーを蓄積するように操作されるとともに、エネルギーを蓄積した後に、弾性力によって前記内部押し子を前方に作動させて注射を完成するように解放できると構成される。
【0023】
1つの実施形態では、前記内部押し子の先端に、径方向に沿って外方へ突出する先端フランジが設置され、前記弾性作動機構は、前記先端フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含む。
【0024】
1つの実施形態では、前記作動スプリングは、前記内部押し子を囲むように前記内部押し子の外側に設けられる。
【0025】
1つの実施形態では、前記内部押し子の先端フランジには、スプリング軸が固定的に接続され、前記スプリング軸が前記内部押し子の軸線に平行し、前記作動スプリングが前記スプリング軸を囲むように設けられる。
【0026】
前記スプリング軸は複数であり、且つ前記スプリング軸ごとに、それぞれ、一つの前記作動スプリングが設けられ、各前記スプリング軸が前記内部押し子の周囲に均一的に配列されている。
【0027】
1つの実施形態では、前記内部押し子の中間部に、その周方向に沿って設置されてる中間部フランジが設置され、前記弾性作動機構が、前記中間部フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含む。
【0028】
1つの実施形態では、前記台座は後端部と台座側壁とを含み、前記台座側壁の内面に雌ネジが設置され、前記外部ケースの後部外面に、前記雌ネジに対応する雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの螺合によって、前記外部ケースが、前記作動スプリングを安定的に圧縮するように前記台座に対して後方に移動できる。
【0029】
1つの実施形態では、前記貯薬瓶内の薬液容量を外部から視認できるように、前記外部ケースと前記内部押し子における径方向で前記貯薬瓶に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成される。
【0030】
本発明のまた他の一面によれば、無針注射器が提供され、該無針注射器が、上記の方案のいずれか一項に記載の無針注射器の本体と、前記無針注射器の本体と組合わせて使用される注射ヘッドとを含む。
【0031】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体における外部ケースの前部開口に、前記無針注射器の軸線に向ける雌ネジが設置され、前記注射ヘッドの薬液チューブに雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジが螺合することによって前記薬液チューブを前記無針注射器の本体に着脱可能に装着できる。
【0032】
本発明のまた他の一面によれば、注射ヘッド及び貯薬瓶と組合わせて使用されるための無針注射器の本体が提供され、前記貯薬瓶が、貯薬瓶収容腔を備える瓶本体と、前記瓶本体に対して前記貯薬瓶収容腔内にて前後に摺動できる瓶栓と、を含み、前記無針注射器の本体は、
前向きの開口を備える台座と、
後向きの開口を備えるとともに、前記台座との間に収容空間を形成するように前記台座の先端に装着され、薬液チューブを固定的に装着するように前部開口が設置されている外部ケースと、
前記収容空間内に位置するとともに前向きの開口を備える内部押し子を含み、前記内部押し子内に前記貯薬瓶が固定的に収容され且つ前記前向きの開口にピストン付ロッドが固定されている内部押し子システムと、
前記内部押し子の後端に装着され、且つ先端が前記貯薬瓶の瓶栓と接触可能な薬液補充押し子と、
一部が前記薬液補充押し子に繋がり、他の一部が前記台座又は前記外部ケースに直接的又は間接的に繋がることが可能な伝達装置と、を含み、
薬の吸入と注射を実現するために、前記外部ケースは、前記薬液チューブを連れて前記貯薬瓶と前記ピストン付ロッドに対して前後に移動させるように、前記内部押し子に対して前後に移動でき、
そして、薬の吸入の過程において、前記台座又は前記外部ケースは、前記貯薬瓶における空間を圧縮するように、前記伝達装置によって前記薬液補充押し子を連れて前記瓶本体に対して前記貯薬瓶の瓶栓を前方にプッシュする。
【0033】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子システムとの間に接続されるロック機構を、さらに含み、前記ロック機構は、薬の吸入の過程において前記内部押し子システムを前後方向に前記台座に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、前記内部押し子システムが前記外部ケースに対して前方に動くようにロックを解除できるように構成される。
【0034】
1つの実施形態では、前記台座と前記外部ケースは、互いに回転可能に接合され、前記外部ケースと前記台座との相対的な回転によって、前記無針注射器の本体の軸線方向における前記外部ケースと前記台座との相対的な動きを実現する。
【0035】
1つの実施形態では、前記内部押し子システムは、伝達棒をさらに含み、前記伝達棒は、先端が前記伝達装置に繋がり、後端が前記ロック機構との接合に用いられるとともに、前記伝達棒が前記ロック機構にロックされた時に、前記伝達棒が回転方向においても前記台座に対して固定された。
【0036】
1つの実施形態では、前記伝達装置は、回転運動伝達装置を含み、前記回転運動伝達装置は、前記薬液補充押し子を連れて回転させるように、前記伝達棒の特定回転運動を前記薬液補充押し子に伝達できると構成され、
そして、前記無針注射器の本体内に運動変換機構が設置され、前記伝達棒に伴う前記薬液補充押し子の回転運動を前記無針注射器の本体の軸線方向に沿う前記内部押し子に対する直線運動に変換するように、前記運動変換機構の一部が前記薬液補充押し子に接合され、前記運動変換機構の他の一部が前記内部押し子に直接的又は間接的に接合される。
【0037】
1つの実施形態では、薬の吸入の過程において、前記外部ケースが前記台座に対して回転することで前記台座に対して前方に動き、
前記回転運動伝達装置は、一方向回転運動伝達装置を含み、前記一方向回転運動伝達装置は、前記外部ケースが前記台座に対して回転することによって前記台座に対して前方に動く過程において、前記伝達棒の回転運動を前記薬液補充押し子に伝達できるが、前記外部ケースが前記台座に対して回転することによって前記台座に対して後方に動く過程において、前記伝達棒の回転運動を前記薬液補充押し子に伝達できないと構成される。
【0038】
1つの実施形態では、前記一方向回転運動伝達装置は、一方向軸受を含み、前記一方向軸受の外輪が前記伝達棒に固定的に繋がり、前記一方向軸受の内輪と前記薬液補充押し子が前記無針注射器の本体の軸線周りの回転方向において固定されたように繋げる。
【0039】
前記運動変換機構は、前記内部押し子の収容空間内に設置されるとともに前記内部押し子に固定的に繋がるナットメンバーを含み、前記薬液補充押し子が、ネジ螺合の形態で前記ナットメンバーと接合される。
【0040】
1つの実施形態では、前記ナットメンバーは、互いに離れる少なくとも二つのナットメンバーを含み、前記少なくとも二つのナットメンバーが前記薬液補充押し子を囲んで配列され、且つ前記ナットメンバーが、前記薬液補充押し子と接合又は離脱するように、前記無針注射器の本体の径方向に沿って前記無針注射器の本体の軸線に接近又は離反して動くことができる。
【0041】
1つの実施形態では、前記少なくとも二つのナットメンバーは、前記薬液補充押し子が前記ナットメンバーに前記無針注射器の本体の軸方向に沿う作用力を加え且つ前記作用力が予定の閾値に達したときに、前記少なくとも二つのナットメンバーが前記径方向に沿って前記軸線から離反する方向に向けて動いて、前記薬液補充押し子との接合を外れる。
【0042】
1つの実施形態では、前記ナットメンバーの周方向外面と前記内部押し子の周方向内面との間に、弾性部材が装着され、前記二つのナットと前記薬液補充押し子との接合が離脱すると、前記弾性部材が圧縮される。
【0043】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体は、前記ナットメンバーごとの先端に設置されるナット位置制限メンバーをさらに含み、前記ナットメンバーにおける前記ナット位置制限メンバーと接触する面が受力斜面であり、前記受力斜面の後端が、前記受力斜面の先端よりも径方向において前記無針注射器の軸線に離反し、前記ナット位置制限メンバーは、前記薬液補充押し子と接合するまで前記ナットメンバーを押し付けるように前記受力斜面を後方にプッシュできるように構成され、前記ナット位置制限メンバーが前記ナットメンバーへの施力を停止したときに、前記ナットメンバーが前記径方向に沿って互いに離反して前記薬液補充押し子との接合を外れると構成される。
【0044】
1つの実施形態では、前記貯薬瓶が前記内部押し子に装着された時に、前記瓶本体の後向きの作用力で前記ナットメンバーを持続的に押し付けることが可能であり、前記貯薬瓶が前記内部押し子から取り除かれた後に、前記ナット位置制限メンバーが前記ナットメンバーへの施力を停止するように、前記ナット位置制限メンバーの先端が前記貯薬瓶の前記瓶本体の後端と直接的に接触できる。
【0045】
1つの実施形態では、前記ナット位置制限メンバーが楔形ブロックであり、楔形ブロックが前記受力斜面と接触する施力斜面を備える。
【0046】
1つの実施形態では、前記ナット位置制限メンバーが球状構造であり、且つ前記ナットメンバーの径方向外縁の先端位置に、球体運動溝が設置され、前記ナット位置制限メンバーが前記球体運動溝内に制限されてその中から外れられない。
【0047】
1つの実施形態では、前記ナット位置制限メンバーは、軸線が前記無針注射器の本体と共通である環状構造であり、且つ前記環状構造は、その軸線が位置する平面で切断された断面が円形である。
【0048】
前記内部押し子システムの後端には、径方向に沿って外方に突出する後端フランジが設置されており、前記ロック機構は、
前記内部押し子システムが前方に移動することを制限するように、ロック状態で前記後端フランジの先端面に当接できると構成される位置制限メンバーと、
前記台座の後端壁に装着されるとともに、前記台座に対して後方に突出する押しボタンと、を含み、
前記押しボタンは、前記台座に対して前方に移動して直接的又は間接的に前記内部押し子の後端面に推力を加えるように、プッシュされることができると構成されており、前記内部押し子に対する前記ロック機構のロックが解除されるように、前記内部押し子の前記後端フランジが前記推力の作用で前記位置制限メンバーを超えることが可能である。
【0049】
1つの実施形態では、前記ロック機構は、
前記内部押し子システムの後端面と前記押しボタンの後端壁との間に設置され、後方に開口するスプリング収容腔を備えるスプリング収容部材と、
前記スプリング収容腔内に位置し、後端が前記押しボタンと接触可能な押しボタンスプリングと、をさらに含み、
前記押しボタンは、前記押しボタンスプリングと前記スプリング収容部材によって間接的に前記内部押し子システムに推力を加えるようにプッシュされることが可能である。
【0050】
1つの実施形態では、前記押しボタンは、後端壁と、前記後端壁から前方に延びるとともに前記軸線を囲む側壁とを備え、前記側壁の先端に、前記無針注射器の本体の軸線に向けて突出する凸起部が設置されるとともに、前記位置制限メンバーは、前記押しボタンに対して前記軸線に関する径方向に沿って移動できると構成されており、
ロック状態で前記凸起部が前記位置制限メンバーの径方向外側に当接することによって、当該位置制限メンバーが径方向に沿って外方へ移動することを制限しており、前記押しボタンがプッシュされると、前記凸起部が前記位置制限メンバーに対して前方に移動することによって、当該位置制限メンバーに対する径方向の位置制限を解除し、このとき、前記位置制限メンバーは、前記内部押し子システムに対するロックを解除するように、径方向に沿って外方に移動して前記後端フランジの先端面との接触を解放することができる。
【0051】
1つの実施形態では、前記位置制限メンバーが球体であり、前記凸起部の後端面と前記後端フランジの先端面が何れも斜面であることによって、ロックを解除する過程において前記位置制限メンバーが前記斜面に転がり接触できる。
【0052】
1つの実施形態では、前記ロック機構が電磁石である。
【0053】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体は、前記台座と前記内部押し子システムとの間に位置する弾性作動機構をさらに含み、前記弾性作動機構は、注射する前に、エネルギーを蓄積するように操作されるとともに、エネルギーを蓄積した後に、弾性力によって前記内部押し子システムを前方に作動させて注射を完成するように解放できると構成される。
【0054】
1つの実施形態では、前記内部押し子の先端に、径方向に沿って外方へ突出する先端フランジが設置され、前記弾性作動機構は、前記先端フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含む。
【0055】
1つの実施形態では、前記作動スプリングは、前記内部押し子を囲むように前記内部押し子の外側に設けられる。
【0056】
前記内部押し子の先端フランジには、スプリング軸が固定的に接続され、前記スプリング軸が前記内部押し子の軸線に平行し、前記作動スプリングが前記スプリング軸を囲むように設けられる。
【0057】
1つの実施形態では、前記スプリング軸は、複数であり且つ前記スプリング軸ごとに、それぞれ、一つの前記作動スプリングが設けられ、各前記スプリング軸が前記内部押し子の周囲に配列されている。
【0058】
1つの実施形態では、前記内部押し子の中間部に、その周方向に沿って設置されてる中間部フランジが設置され、前記弾性作動機構が、前記中間部フランジと前記台座との間に設置される作動スプリングを含む。
【0059】
1つの実施形態では、前記台座は後端部と台座側壁とを含み、前記台座側壁の内面に雌ネジが設置され、前記外部ケースの後部外面に、前記雌ネジに対応する雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジとの螺合によって、前記外部ケースが、前記作動スプリングを安定的に圧縮するように前記台座に対して後方に移動できる。
【0060】
1つの実施形態では、前記貯薬瓶内の薬液容量を外部から視認できるように、前記外部ケースと前記内部押し子における径方向で前記貯薬瓶に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成される。
【0061】
1つの実施形態では、前記内部押し子の外周に、径方向に沿って外方に突出する内部押し子フランジが設置され、前記内部押し子フランジの周方向外面と前記外部ケースの周方向内面が接触し、且つ前記内部押し子フランジの周方向外面と前記外部ケースの周方向内面に、運動限制構造が設置され、前記運動限制構造は、前記内部押し子が前記外部ケースに対して回動することを制限できるが、前記内部押し子が前記外部ケースに対して前後方向に動くことを許容すると構成される。
【0062】
1つの実施形態では、前記運動限制構造は、前記内部押し子フランジの周方向外面と前記内部ハウジングの周方向内面に形成され前記無針注射器の本体の軸線方向に延びるキー溝又はガイドバーを含む。
【0063】
本発明の他の一面によれば、無針注射器が提供され、該無針注射器が、上記の方案のいずれか一項に記載の無針注射器の本体と、前記無針注射器の本体と組合わせて使用される注射ヘッドと、を含む。
【0064】
1つの実施形態では、前記注射ヘッドが貯薬瓶と組合わせて使用され、前記注射ヘッドは、
内部に後端が開口されたキャビティを備え、且つ先端に前記キャビティと外部を連通する注射微穴が形成されている薬液チューブと、
前記キャビティ内に位置し前記キャビティ内で前後に移動でき、且つ前記薬液チューブの側壁と前壁と共に薬液収容腔を限定できるピストンと、前記ピストンの後端に固定的に接続されているロッド部と、を含むピストン付ロッドであって、使用の際に、前記注射ヘッドの前記ロッド部の後端が貯薬瓶に挿入可能であり且つ前記貯薬瓶内に進入するように延び、前記薬液収容腔と前記貯薬瓶を連通する薬液通路が内部に設置されているピストン付ロッドと、を含み、
前記注射ヘッドと前記貯薬瓶は、一緒に前記無針注射器の本体に装着可能であり、前記ピストン付ロッドは、前記貯薬瓶における薬液が前記薬液通路を経由して前記薬液収容腔に進入できるように前記薬液チューブに対して後方に動けるとともに、前記薬液収容腔内の薬液をプッシュして前記注射微穴を経由して外方へ射出させるように前記薬液チューブに対して前方に動けると構成される。
【0065】
1つの実施形態では、前記薬液通路が前記ピストン付ロッドの軸線方向に沿って延び、且つ前記ピストン付ロッドの先端に、薬液が前記貯薬瓶から前記薬液収容腔に進入することのみを許容する逆止弁が設置されている。
【0066】
1つの実施形態では、前記逆止弁は、前記ピストン内に嵌めて設けられ、前記ピストンに対して小幅で前後に移動可能な弁芯を含み、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記弁芯と前記ピストンとの間の隙間を流れて前記薬液収容腔に進入する。
【0067】
1つの実施形態では、前記弁芯は、球状構造であり、或いは、
前記弁芯は、前部が円錐状構造であり、後部が円柱状構造であり、前記円柱状構造が前記円錐状構造の底面に接続され、且つ前記円錐状構造の底面の直径が、前記円柱状構造の直径よりも大きい。
【0068】
1つの実施形態では、前記ピストンには、前記軸線方向と平行する方向に沿って延びるピストン内通路が設置されており、前記ピストン内通路と前記ピストン付ロッドとの間には、前記軸線に関する径方向において間隔が存在し、前記貯薬瓶からの薬液が必ず前記ピストン内通路を流れて前記薬液収容腔に進入する。
【0069】
1つの実施形態では、前記ロッド部の後端は、前記貯薬瓶の密封膜を穿刺することに用いられる針先状構造である。
【0070】
1つの実施形態では、前記注射ヘッドは、前記注射微穴を閉鎖することに用いられるように前記薬液チューブの先端に取り除き可能に位置するキャップ部を、さらに含む。
【0071】
1つの実施形態では、前記無針注射器の本体における外部ケースの前部開口に、前記無針注射器の軸線に向ける雌ネジが設置され、前記注射ヘッドの薬液チューブに雄ネジが設置され、前記雌ネジと前記雄ネジが螺合することによって前記薬液チューブを前記無針注射器の本体に着脱可能に装着できる。
【0072】
本発明によれば、例えばスナップ式の瓶である貯薬瓶を長期間に渡って無針注射器の本体内に収容でき、一回使用されると薬の吸入と注射が完成し、このような操作プロセスが効率高く面倒せずに完成でき、且つ全過程において、貯薬瓶を取り出す必要がないし、薬液チューブと貯薬瓶が離れる必要がない。また、貯薬瓶を無針注射器内に収容することは、貯薬瓶の紛失や汚染などの問題の発生を回避できる。
【0073】
本発明の前記の目的、特徴、利点と機能及びそれ以外のものを、分かりやすく理解するために、図面に示された好適な実施の形態を参照することができる。図面において、同一又は類似の符号が、同一又は類似の部材に指す。当業者は、図面が本発明の好適な実施の形態を模式的に説明する旨に用いられるものであり、本発明の範囲を限定する機能を全然果たせず、図面における各部材が比例に従って書かれたものではない、と理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】
図1は、本発明の一つの好適な実施の形態による無針注射器の注射ヘッドの分解状態での断面図である。
【
図2】
図2は、
図1における注射ヘッドと貯薬瓶との接続状態での断面図である。
【
図3】
図3は、
図2における注射ヘッドの薬の吸入の過程の断面図である。
【
図4】
図4は、
図2における注射ヘッドの注射の過程の断面図である。
【
図5】
図5と
図6は、それぞれ、
図2における注射ヘッドの先端が予備状態と薬の吸入の状態である断面図である。
【
図6】
図5と
図6は、それぞれ、
図2における注射ヘッドの先端が予備状態と薬の吸入の状態である断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の一つの好適な実施の形態による無針注射器の本体の断面図である。
【
図12】
図12は、
図11における無針注射器の後部の断面図、その中、ロック機構がロック状態である。
【
図13】
図13は、
図11における無針注射器の後部の他の断面図、その中、ロック機構がアンロック状態である。
【
図14】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図15】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図16】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図17】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図18】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図19】
図14-
図19は、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図22】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図23】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図24】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図25】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図26】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図27】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図28】
図22-
図28は、もう一つの好適な実施の形態において、注射ヘッドと貯薬瓶が無針注射器の本体に装着する過程及び当該無針注射器を使用して薬の吸入と無針注射を行う過程における断面図である。
【
図29】
図29は、
図22-28における無針注射器の本体が無針注射を完成した後の断面図である。
【
図30A】
図30Aは、
図22-28における内部押し子システム、ナットメンバーと一方向軸受などの部材の組合状態での模式断面図である。
【
図31】
図31は、
図22-28の構成の一つの代替的な実施形態における内部押し子システム、ナットメンバーと一方向軸受などの部材の組合状態での模式断面図である。
【
図32A】
図32Aは、
図31における各メンバーのナットメンバーと薬液補充押し子との接合状態での模式図である。
【
図32B】
図32Bは、
図31における各メンバーのナットメンバーと薬液補充押し子との脱離状態での模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
これから、図面を参照しながら、本発明による無針注射器、無針注射器の本体と無針注射器の注射ヘッドを詳細的に説明する。下記のものは、本発明による好適な実施の形態だけであり、当業者が前記好適な実施の形態に基づき、本発明を実現可能な他の形態を想起でき、前記の他の形態が同様に本発明の範囲内に入る。
【0076】
本発明は、無針注射器の注射ヘッド、無針注射器の本体と無針注射器を提供した。
図1-
図34Bは、本発明によるいくつかの好適な実施の形態を示す。
【0077】
まず説明する必要なのは、本明細書に記載される「軸線方向」が、無針注射器の軸線Xの方向と理解されてもよく、当該軸線方向において、無針注射器が使用される時に患者に向かう方向が「前側」と称され、それと反対する方向が「後側」と称される。本明細書に記載される「径方向」が軸線方向に関する径方向であり、径方向が
図15においてX′で示されている。
【0078】
図1は、無針注射器の注射ヘッド2の一つの好適な実施の形態の分解模式図であり、該注射ヘッド2が貯薬瓶1と組合わせて使用され、貯薬瓶1が、例えば国家標準に基づくスナップ式の瓶である。
図2-
図4は、注射ヘッド2と貯薬瓶1との接続模式図を示し、注射ヘッド2と貯薬瓶1が正確的に接続されると、一緒に無針注射器の本体3(
図11参照)に装着された。
【0079】
図1-
図4に示されるように、注射ヘッド2は、ほぼ、軸線X回りの一つの回転対称構造であり、具体的に、薬液チューブ21とピストン付ロッド22とを含む。薬液チューブ21の内部に、後端が開口されたキャビティが備え、且つ薬液チューブ21の先端に、当該キャビティと外部を連通する注射細孔211が形成されている。ピストン付ロッド22は、ピストン221とロッド部222とを含み、ピストン221がキャビティ内に位置し、キャビティ内で前後に移動でき、ピストン221が薬液チューブ21の側壁と前壁と共に薬液収容腔215を限定でき、ロッド部222がピストン221の後端に固定的に接続され、貯薬瓶1の内に進入するまで延びる。そして、ピストン付ロッド22内に、薬液収容腔215と貯薬瓶1を連通する薬液通路222cが設置され、当該薬液通路222cが軸線Xに沿って延びることが好ましい。
【0080】
ロッド部222の後端は、貯薬瓶1の先端の密封膜を穿刺するために、針先状構造222bであることが好ましい。注射ヘッド2は、注射微穴211を閉鎖することに用いられるように薬液チューブ21の先端に取り除き可能に位置するキャップ部23をさらに含むことが同様に好ましい。キャップ部23にキャップ部凸起231が設置されてもよく、薬液チューブに薬液チューブ凹溝214が設置されてもよく、キャップ部23が薬液チューブ21に簡易に装着するようにキャップ部凸起231と薬液チューブ凹溝214が互いに係合できる。示されていない他の実施形態において、別にキャップ部23を設置しないで、注射微穴211の自身が開閉できるように薬液チューブ21を設置してもよい。
【0081】
図3に参照して、キャップ部23が薬液チューブ21の先端に装着されたときに、ピストン付ロッド22が薬液チューブ21に対して後方に動き、このとき、薬液収容腔215内に負圧が形成されることによって貯薬瓶1内の薬液を薬液通路222cを経由して薬液収容腔215に吸入できる。貯薬瓶1の貯薬空間の後端が移動可能な瓶栓12で閉鎖され、瓶栓12が気体圧の作用で瓶本体11に対して自由的に移動できるように構成されることが好ましい。すなわち、薬の吸入の過程において、瓶栓12は、貯薬空間内の圧力が低くならないことを保証するように、瓶本体11に対して前方に移動できるので、薬の吸入の全過程においても、薬の吸入の速さが比較的に安定になる。
図4に参照するように、薬の吸入を完成した後に、キャップ部23を取り除くとともに、ピストン付ロッド22が薬液チューブ21に対して前方に移動することを制御することによって、薬液収容腔215内の薬液を注射微穴211を経由して射出できる。
【0082】
薬の吸入と注射の過程において薬液が薬液収容腔215から貯薬瓶1に逆流することによって汚染されることを回避するために、ピストン付ロッド22の先端に、逆止弁が設置されてもよく、逆止弁が、薬液が貯薬瓶1から薬液収容腔215に進入することのみを許容するように構成される。
図5ないし
図10は、逆止弁の三つの具体的な実施形態が示されている。
【0083】
図5ないし
図8に示された二つの逆止弁は、ピストン221内に嵌めて設けられるとともにピストン221に対して小幅で前後に移動可能な弁芯を含み、弁芯は、軸線に対する回転対称構造に形成され、貯薬瓶1からの薬液が弁芯とピストン221との間の隙間を流れて薬液収容腔215に進入する。もちろん、示されていない他の実施形態において、弁芯は、非対称構造であってもよい。具体的に、本実施形態において、薬の吸入の過程において負圧が存在するので、ピストン221がひずみを生じ、弁芯が吸力の作用でピストン221に対しても少し前方に移動して、弁芯とピストン221との間に通路が形成される。薬の吸入が完成すると、ピストン付ロッド22の運動が停止し、このとき、薬液が既に通路を介して薬液収容腔に補充され、負圧が消失する。特に、キャップ部23が薬液チューブ21から取り除かれた後に、薬液チューブ21の先端に微穴211があるので、薬液収容腔は、内部圧が外部圧と同じくなる。このとき、弁芯が元位置に戻るようにプッシュされ、薬液の逆流を回避する。
【0084】
具体的に、
図5と
図6に示された一つの実施形態において、逆止弁は球状弁であり、弁芯223は球体であり、ピストン221は球体の外部輪廓に適応する収容構造が設置されている。
図5は、薬液が弁芯223を流れなかったときの模式図であり、
図6は、薬液が弁芯223を流れているときの模式図である。
図6に示されるように、薬液は、薬液通路222cを経由して弁芯223に到達して弁芯223とピストン221との間の隙間を流れて(つまり、弁芯223を迂回して)薬液収容腔215に進入する。
【0085】
図7と
図8に示された一つの実施形態において、逆止弁の弁芯224は、前部と後部の二つの部分を含み、前部が円錐状構造224aであり、後部が円柱状構造224bであり、円柱状構造224bが円錐状構造224aの底面に接続され、且つ円錐状構造224aの底面の直径が、円柱状構造224bの直径よりも大きい。ピストン221′の先端面221bがちょうど円錐状構造224aの後端面にマッチし、弁芯224がピストン221′に装着されたときに、弁芯224とピストン221′の全体構造の先端部が一つの錐形構造をちょうど形成することが好ましい。且つ、弁芯224は弾性材料で作成される。薬の吸入の過程において、薬液収容腔内の負圧(これに加えて、薬液の衝撃力が存在している)によって、円錐状構造224の先端が前向きの吸力を受けている。一方、円柱部分224bの後端は、ピストン221′に係合する小凸起224cを備え、弁芯224の先端に前向きの吸力が加えられるが、後端がピストン221′に対して固定されたので、弁芯224が多少弾性変形し、弁芯224の円錐部分224aがピストン221′に対して多少前方に移動することによって、弁芯224の円錐部分224aとピストン221′との間に隙間が現れて、薬液が必ず当該隙間を流れて薬液収容腔215に進入することになる。
【0086】
図9と
図10は、もう一つの実施形態の逆止弁構造が示されている。
図9と
図10における逆止弁は、弁芯が設置されておらず、ピストン221″にピストン内通路221cが設置され、当該ピストン内通路221cが軸線方向と平行してもよいし、軸線方向との間に一定の角度を呈してもよい。且つ、ピストン内通路221cとピストン付ロッド22との間には、軸線に関する径方向において間隔が存在している。貯薬瓶1からの薬液は、必ず順にロッド部222内の薬液通路222cとピストン221″内のピストン内通路221cを流れてから薬液収容腔215に進入する。
【0087】
図面に示された実施形態において、ピストン付ロッド22は、薬の吸入及び注射の何れの操作において、貯薬瓶1に対して固定され、薬の吸入の過程において、薬液収容腔215と貯薬瓶1内との圧差のみによって、薬液を貯薬瓶1から薬液収容腔215に吸入することを実現した。しかし、示されていない他の実施形態において、ピストン付ロッド22の後端は、貯薬瓶において移動できるピストンを設置してもよく、薬の吸入の過程において、ピストン付ロッド22が薬液チューブ21に対して後方に移動するだけでなく、同時に貯薬瓶1に対しても後方に移動することによって、貯薬瓶内のピストンで貯薬瓶内の空間を圧縮し、このような操作が薬の吸入の速さをさらに向上できる。
【0088】
図11は、前記の注射ヘッド2と貯薬瓶1に組合わせて使用するための無針注射器の本体3の一つの好適な実施形態が示されている。
図11に示されるように、無針注射器の本体3は、台座31と、外部ケース32と、内部押し子33とを含む。台座31は、前向きの開口を備え、外部ケース32は、後向きの開口を備えるとともに、台座31と外部ケース32との間に収容空間を形成するように台座31の先端に装着され、外部ケース32に、薬液チューブ21を固定的に装着するために前部開口が設置される。内部押し子33は、収容空間内に位置し前向きの開口を備え、貯薬瓶1が内部押し子33の内部に収容されて内部押し子33に伴って一緒に移動でき、且つピストン付ロッド22が前向きの開口に固定的に装着される。
【0089】
前記各部材の接続関係は、複数の選択肢が備える。例えば、外部ケース32と薬液チューブ21との間は、ネジ山によって接続されてもよく、
図14に参照されるように、薬液チューブ21の後部の外面に、薬液チューブの雄ネジ213が設置され、外部ケース32の前部開口に、ハウジングの雌ネジ322aが設置され、薬液チューブの雄ネジ213がハウジングの雌ネジ322aと螺合できることによって、薬液チューブ21と外部ケース32が互いに固定される。薬液チューブ21は、外部ケース32の先端面にちょうど係合するように、位置制限フランジ212が設置されてもよい。
【0090】
ピストン付ロッド22と内部押し子33との間の協動は、スナップ式の協動であってもよく、具体的に、
図14も参照されるように、ピストン付ロッド22の外面に、スナップ式の凸起222dが設置され、内部押し子33の対応位置に、スナップ式の凹溝33aが設置され、スナップ式の凸起222dが凹溝33a内に係合することによって、ピストン付ロッド22を内部押し子33に対して固定する。ピストン付ロッド22の後部222aは、内部押し子33にマッチするように大きい径方向寸法を備えてもよい。さらに、内部押し子33内部の空間には、貯薬瓶1に適応する寸法の空間が設置されてもよく、ピストン付ロッド22と内部押し子33が互いにスナップ式で固定された後に、貯薬瓶1が当該空間の中に適応的に置かれ、且つ当該空間において、貯薬瓶1が内部押し子33に対して動けることを許容するスペースがなくなる。
【0091】
このように、薬の吸入及び注射の全過程において、外部ケース32がいつも薬液チューブ21に対して固定され、内部押し子33がいつも貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して固定されるが、外部ケース32と内部押し子33と台座31との三方の間に、いつも互いに移動できる。そこで、外部ケース32は、薬液チューブ21を連れて移動でき、内部押し子33は、貯薬瓶1とピストン221を連れて移動できる。
【0092】
具体的に、薬の吸入と注射を実現するために、外部ケース32は、薬液チューブ21を連れて貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して前後に移動させるように、内部押し子33に対して前後に移動できる。より具体的に、薬の吸入の過程において(
図17参照)、内部押し子33が台座31に対して固定されており、外部ケース32が内部押し子33に対して前方に移動し、注射の過程において(
図19参照)、外部ケース32が台座31に対して固定されており、内部押し子33が外部ケース32に対して前方に移動する。具体的な薬の吸入と注射の過程ついて、後で詳細に説明する。
【0093】
無針注射器の本体3は、ロック機構34をさらに備え、ロック機構34が、台座31と内部押し子33との間に接続されて、薬の吸入の過程において内部押し子33を台座31に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、内部押し子33が外部ケース32に対して前方に動くようにロックを解除できるように用いられることが好ましい。
【0094】
図12と
図13は、ロック機構34の一つの好適な実施の形態が示されたが、図面に内部押し子33が示されていない。
図12に示された状態は、ロック機構34がロックされた状態であり、
図13に示された状態は、ロックが既に解除された状態である。
図16ないし
図19は、内部押し子33とロック機構34との協動の状態が示された。
【0095】
内部押し子33の後端には、径方向に沿って外方に突出する後端フランジ333が設置され(
図16参照)、後端フランジ333がロック機構34との協動に用いられる。
図12、
図13と
図16に参照されるように、ロック機構34は、位置制限メンバー344と、押しボタン341と、スプリング収容部材342と、押しボタンスプリング343とを含む。位置制限メンバー344は、内部押し子33が前方に移動することを制限するように、ロック状態で後端フランジ333の先端面333aに当接でき、押しボタン341は、台座31の後端壁に装着されるとともに、台座31に対して後方に突出し、スプリング収容部材342は、内部押し子33の後端面と押しボタン341の後端壁との間に設置され、そして、後方に開口するスプリング収容腔を備え、押しボタンスプリング343は、スプリング収容腔内に位置し、後端が押しボタン341と接触可能である。
【0096】
このように、押しボタン341は、押しボタンスプリング343とスプリング収容部材342をプッシュするように押されることによって、内部押し子33を間接的にプッシュし、それによって、内部押し子33の後端フランジ333は、内部押し子33に対するロック機構34のロックが解除されるように、位置制限メンバー344を超えられる。示されていない他の実施形態において、押しボタンスプリング343とスプリング収容部材342等の部材が設置しなくてもよく、押しボタン341が内部押し子33を直接的にプッシュすることによって、内部押し子33に対するロック機構34のロックが解除される。
【0097】
図12-
図19にも参照されるように、押しボタン341は、後端壁と、後端壁から前方に延びるとともに軸線Xを囲む側壁341bとを備え、側壁341bの先端に、無針注射器の本体3の軸線に向けて突出する凸起部341cが設置されるとともに、位置制限メンバー344は、押しボタン341に対して軸線に関する径方向に沿って移動できることが好ましい。
図12と、
図16-
図18に示されたロック状態において、凸起部341cが位置制限メンバー344の径方向外側に当接することによって、当該位置制限メンバー344が径方向に沿って外方へ移動することを制限しており、位置制限メンバー344が径方向外方へ移動できないため、位置制限メンバー344は、内部押し子33をロックするように、内部押し子33の後端フランジ333の先端面333aに安定的に当接でき、押しボタン341がプッシュされると、凸起部341cが位置制限メンバー344に対して前方に移動することによって、位置制限メンバー344に対する径方向の位置制限を解除し、位置制限メンバー344は、内部押し子33に対するロックを解除するように、径方向に沿って外方に移動して内部押し子33の後端フランジ333の先端面との接触を解放し、
図13と
図19は、ロック機構34がアンロックされた後の状態が示されている。
【0098】
位置制限メンバー344が軸線に対して対称的に設置される球体であり、凸起部341cの後端面34d(
図12参照)と内部押し子33の後端フランジ333の先端面333a(
図11参照)が何れも斜面であることによって、ロックを解除する過程において位置制限メンバー344が斜面に転がり接触できることがより好ましく、それによって、使用者は、押しボタン341に小さい推力を加えてもロックを解除できる。
【0099】
示されていない他の実施形態において、他のロック機構34が設置されてもよい。例えば、ロック機構34は、電磁石であってもよい。注射ヘッド2と貯薬瓶1が無針注射器の本体3内に装着されると、電磁石は、通電されて内部押し子33をロックしてもよく、その後、薬の吸入を行う。薬の吸入が完成した後に、電磁石を断電し、電磁石の磁性を解消してもよく、このとき、内部押し子33は、注射を完成するように、外部ケース32に対して前方に動ける。
【0100】
図11と、
図14-
図19に参照されるように、無針注射器の本体3は、台座31と内部押し子33との間に位置する弾性作動機構をさらに含み、弾性作動機構は、注射する前に、エネルギーを蓄積するように操作されるとともに、エネルギーを蓄積した後に、弾性力によって内部押し子33を前方に作動させるように解放されて、内部押し子33がピストン付ロッド22を連れて薬液チューブ21の薬液収容腔215における薬液をプッシュし、それによって、注射を完成できると構成されることが好ましい。示されていない他の実施形態において、弾性作動機構は、空気スプリング又はエアバッグであってもよい。
【0101】
具体的に、内部押し子33の先端に、径方向に沿って外方へ突出する先端フランジ331aが設置され、弾性作動機構は、先端フランジ331aと台座31との間に設置される作動スプリング36を含む。作動スプリング36は、内部押し子3333を囲むように内部押し子33の外側に設けられている。
【0102】
外部ケース32と台座31との間には、ネジ山が設置され、ネジ山の接触によって、外部ケース32が台座31に対して後方に移動することを実現することが好ましい。具体的に、
図11に参照されるように、台座31は、後端部と、後端部から前方に延びる台座側壁312とを含み、台座側壁312の内面に雌ネジ312aが設置される。外部ケース32の後部外面に、雄ネジが設置され、雌ネジと雄ネジとの協動によって、外部ケース32は、台座に対して後方に移動する過程において、作動スプリング36を安定的に圧縮できる。
【0103】
貯薬瓶1内の薬液容量を外部から視認できるように、外部ケース32と内部押し子33における径方向で貯薬瓶1に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成されることが、同様に好ましい。
【0104】
図14-
図20は、無針注射器4と貯薬瓶1が装着から注射の完成までの過程が示されており、当該過程は、順に、装着ステップと、増圧及びエネルギー蓄積ステップと、薬の吸入ステップと、注射ステップとのメインステップを含む。これから、図面に合わせて順番に各ステップを説明する。
【0105】
図14は、注射ヘッド2と貯薬瓶1が無針注射器の本体3に装着する過程の模式図が示された。図面に示されるように、注射ヘッド2のピストン付ロッド22は、まず、貯薬瓶1に挿入され、その後、注射ヘッド2と貯薬瓶1が一つの全体として無針注射器の本体3に装着される。貯薬瓶1が内部押し子33に進入し且つさらに移動できないまで後方に動くと、ピストン付ロッド22と内部押し子33は、ちょうど係合して一緒に固定され、薬液チューブ21と外部ケース32との間も、ちょうど、ネジ締結で固定される。
【0106】
装着が完成した後の各部材の状態は
図15で示され、このとき、無針注射器4は、予備使用状態である。当該状態において、薬液チューブ21が既に外部ケース32に対して固定されており、ピストン付ロッド22と貯薬瓶1が既に内部押し子33に対して固定されており、ロック機構34が自由状態であり、内部押し子33が台座31に対してロックされていない。
【0107】
図15ないし
図16に示された過程は、作動スプリング36に対する増圧及びエネルギー蓄積の過程である。具体的に、外部ケース32が台座31に対して後方に移動する(双方の間のネジ螺合によって実現する)ように外部ケース32を回転させ、外部ケース32の先端部322が内部押し子33の先端フランジ331aに加えられ、それによって、同時に内部押し子33を連れて後方に移動する。外部ケース32が台座31に対してネジ締結で固定されると、内部押し子33の後端フランジ333が、ちょうど、位置制限メンバー344の後部に係合し、このとき、位置制限メンバー344が後端フランジ333の前面に当接して内部押し子33をロックした。この過程において、作動スプリング36は、最後の注射ステップを準備するために、圧縮されてエネルギーを蓄積した。
【0108】
図16ないし
図17に示された過程は、薬の吸入ステップである。具体的に、外部ケース32が台座31に対して前方に移動する(双方の間のネジ螺合によって実現する)ように外部ケース32を回転させるが、内部押し子33がロック機構34でロックされたため、台座31に対して固定されることを保持しており、すなわち、当該過程において、外部ケース32が内部押し子33に対して前方に移動する。薬液チューブ21が外部ケース32に対して固定されており、貯薬瓶1とピストン付ロッド22が内部押し子33に対して固定されているので、薬液チューブ21が貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して前方に移動する。さらに、薬液チューブ21の注射微穴211がキャップ部23で閉鎖されるため、薬液チューブ21がピストン付ロッド22に対して前方に移動すると、薬液チューブ21内に薬液収容腔215が現れ、薬液収容腔215における圧力が小さくなるので、貯薬瓶1における液体をピストン付ロッド22における薬液通路222cを通過して薬液収容腔215に吸入でき、薬の吸入を完成できる。
【0109】
図18に示されたステップは、薬の吸入ステップと注射ステップとの前の注射予備ステップであり、当該ステップの目的とは、薬液チューブ21の中に混入される可能性がある気体を注射の前に排出することである。当該ステップにおいて、まず、キャップ部23を取り外し、注射微穴211を外部に暴露させる。その後、外部ケース32が台座31に対して少し後方に移動するように外部ケース32を回転させるが、当該過程において内部押し子33とピストン付ロッド22が、台座31に対して固定されることを保持している。このように、薬液チューブ21が実際にピストン付ロッド22に対して少し後方に動き、ピストン付ロッド22が薬液チューブ21における薬液収容腔215を軽く圧縮することだけによって、薬液収容腔215における気体が圧力の作用で注射微穴211から排出できる。
【0110】
図19に示された過程は注射ステップである。当該ステップにおいて、外部ケース32と薬液チューブ21が台座31に対して固定されており、内部押し子33と貯薬瓶1とピストン付ロッド22が台座31に対して前方に動くことによって、ピストン付ロッド22で薬液収容腔215における薬液をプッシュして注射を完成する。具体的に、注射ステップは、アンロックステップと弾性作動ステップとをさらに含む。
【0111】
注射を行う必要があるときに、台座31の後端にある押しボタン341をプッシュして、押しボタン341を前方に移動させ、押しボタン341の先端の凸起部341cが前方に移動することによって、位置制限メンバー344に対する径方向での制限が解除され、位置制限メンバー344が径方向に沿って外方に動けて内部押し子33の後端フランジ333に対するロックが解除され、そして、押しボタン341の前向きの動きは、押しボタンスプリング343とスプリング収容部によって内部押し子33もプッシュして前方に動かせ、内部押し子33が位置制限メンバー344を超えて、それによって、内部押し子33に対するロック機構34のロックが解除される。
【0112】
内部押し子33は、ロックが解除されると台座31に対して前方に動けるようになる。このとき、増圧及びエネルギー蓄積が既に行った作動スプリング36は、内部押し子33の先端フランジ331aに巨大な推力を加え、それによって、内部押し子33がピストン付ロッド22を連れて前に動くとともに薬液収容腔215における薬液をプッシュして、薬液が注射微穴211を経由して射出される。
【0113】
前記いくつのステップによれば、内部押し子33の先端フランジ331aが少なくとも二つの設置目的を備えることは分かった。一つの設置目的とは、増圧及びエネルギー蓄積ステップにおいて、外部ケース32が台座31に対して後方に動くときに、内部押し子33の先端フランジ331aに加えることによって、内部押し子33を連れて一緒に台座31に対して後方に動き、最終的に、内部押し子33をロック位置に到達させてロック機構34でロックすることであり、もう一つの設置目的とは、注射ステップにおいて、作動スプリング36が台座31と内部押し子33の先端フランジ331aとの間に当接しているので、スプリングは、先端フランジ331aに推力を加えることによって、内部押し子33を前方にプッシュして注射が完成する。
【0114】
図20は、前記実施形態の一つの変形が示された。
図20に示された無針注射器において、内部押し子33に中間部フランジ331bが設置され、作動スプリング36が台座31と中間部フランジ331bとの間に当接される。且つ、作動スプリング36が、充分な作動力を提供できるように充分に長くなるために、内部押し子33を適切に長くした。このような設置は、作動スプリング36が貯薬瓶1を遮ることを回避し、それによって、貯薬瓶1における容量を外部からハッキリと視認できる。
【0115】
図21は、前記実施形態のもう一つの変形が示された。
図21に示された無針注射器において、無針注射器の本体3の内部押し子33の先端フランジ331aには、スプリング軸37が固定的に接続され、スプリング軸37が先端フランジ331aから、軸線Xに平行する方向に沿って後方に延び、作動スプリング36がスプリング軸37に設けられる。内部押し子33に均一な推力を加えるために、スプリング軸37は、複数で設置され且つ複数のスプリング軸37に、それぞれ、一つの作動スプリング36が設けられ、各スプリング軸37が内部押し子33の周囲に配列されていることが好ましく、配列形態は、均一的に配列していてもよく、非均一的に配列していてもよい。
図21において、無針注射器の本体3において、二つのスプリング軸37が設置され、これらの二つのスプリング軸37が、それぞれ、方向Yと方向Zに沿って延び、方向Yと方向Zが軸線Xに対して対称である。
【0116】
【0117】
図22-
図28は、もう一つの実施形態において、注射ヘッド2と無針注射器の本体とが組合わせて使用される模式図である。
図22に示されるように、無針注射器の本体3は、台座31と、外部ケース32と、内部押し子システム334とを含む。台座31は、前向きの開口を備え、外部ケース32は、後向きの開口を備えるとともに、台座31と外部ケース32との間に収容空間を形成するように台座31の先端に装着され、外部ケース32は、薬液チューブ21を固定的に装着するために前部開口が設置される。内部押し子システム334は、内部押し子33を含み、内部押し子33が、収容空間内に位置し前向きの開口を備え、貯薬瓶21が内部押し子33の内部に収容され且つ内部押し子33と一緒に移動でき、ピストン付ロッド22が、前向きの開口に固定的に装着される。
【0118】
貯薬瓶1内の薬液容量を外部から視認できるように、外部ケース32と内部押し子33における径方向で貯薬瓶1に対応する部分は、少なくとも一部が透明又は透かし彫りであると構成されることが好ましい。
【0119】
前記の各部材の接続関係は、複数の選択肢が備える。例えば、外部ケース32と薬液チューブ21との間は、ネジ山によって接続されてもよく、
図22に参照されるように、薬液チューブ21の後部の外面に、薬液チューブの雄ネジ213が設置され、外部ケース32の前部開口に、ハウジングの雌ネジ322aが設置され、薬液チューブの雄ネジ213がハウジングの雌ネジ322aと螺合できることによって、薬液チューブ21と外部ケース32が互いに固定される。薬液チューブ21は、外部ケース32の先端面にちょうど係合するように、位置制限フランジ212が設置されてもよい。
【0120】
ピストン付ロッド22と内部押し子33との間の協動は、スナップ式の協動であってもよく、具体的に、
図22も参照されるように、ピストン付ロッド22の外面に、スナップ式の凸起222dが設置され、内部押し子33の対応位置に、スナップ式の凹溝33aが設置され、スナップ式の凸起222dが凹溝33a内に係合することによって、ピストン付ロッド22を内部押し子33に対して固定する。ピストン付ロッド22の後部222aは、内部押し子33にマッチするように大きい径方向寸法を備えてもよい。さらに、内部押し子33内部の空間には、貯薬瓶1に適応する寸法の空間が設置されてもよく、ピストン付ロッド22と内部押し子33が互いにスナップ式で固定された後に、貯薬瓶1が当該空間の中に適応的に置かれ、且つ当該空間において、貯薬瓶1が内部押し子33に対して動けることを許容するスペースがなくなる。
【0121】
このように、薬の吸入及び注射の全過程において、外部ケース32がいつも薬液チューブ21に対して固定され、内部押し子33がいつも貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して固定されるが、外部ケース32と内部押し子33と台座31との三方の間に、いつも互いに移動できる。そこで、外部ケース32は、薬液チューブ21を連れて移動でき、内部押し子33は、貯薬瓶1とピストン221を連れて移動できる。
【0122】
具体的に、薬の吸入と注射を実現するために、外部ケース32は、薬液チューブ21を連れて貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して前後に移動させるように、内部押し子システム334に対して前後に移動できる。より具体的に、薬の吸入の過程において(
図25参照)、内部押し子システム334が台座31に対して固定されており、外部ケース32が内部押し子33に対して前方に移動し、注射の過程において(
図27参照)、外部ケース32が台座31に対して固定されており、内部押し子システム334が外部ケース32に対して前方に移動する。具体的な薬の吸入と注射の過程ついて、後で詳細に説明する。
【0123】
無針注射器の本体3は、ロック機構34をさらに含み、ロック機構34が、台座31と内部押し子システム334との間に接続されて、薬の吸入の過程において内部押し子システム334を軸線方向で台座31に対してロックできるとともに、薬の吸入が終了した後に、内部押し子システム334が外部ケース32に対して前方に動くようにロックを解除できるように用いられることが好ましい。
【0124】
外部ケース32と台座31との相対的な回転運動を相対的な直線運動に変換することを実現するように、外部ケース32と台座31とがネジ螺合の形態で繋げる。具体的に、
図18に参照されるように、台座31は、後端部と、後端部から前方に延びる台座側壁312と、を含み、台座側壁312の内面に雌ネジ312aが設置される。外部ケース32の後部外面に、雄ネジが設置され、雌ネジと雄ネジとの協動によって、外部ケース32は、台座31に対して回転し、それによって、外部ケース32と台座31との双方の相対的な前後動きを実現する。
【0125】
薬の吸入過程における薬の吸入の速さを向上するために、無針注射器の本体3は、薬液補充押し子8をさらに含み、薬液補充押し子8が内部押し子33の後端に装着され、且つ薬液補充押し子8の先端が貯薬瓶の瓶栓に接触できる。外部ケース32と台座31との相対的な動きを薬液補充押し子8に伝達するために、無針注射器の本体3は、伝達装置をさらに含む。伝達装置は、一部が薬液補充押し子8に繋がり、他の一部が台座31又は外部ケース32に直接的又は間接的に繋がることによって、外部ケース32と台座31との特定の相対的な動きを薬液補充押し子8に伝達する。薬の吸入過程において、台座31又は外部ケース32は、伝達装置によって薬液補充押し子8を連れて貯薬瓶1の瓶本体に対して瓶栓12を前方にプッシュして貯薬瓶1内の空間を圧縮する。
【0126】
内部押し子システム334は、伝達装置との協動に用いられる伝達棒335をさらに含み、伝達棒335の先端が伝達装置に繋がり、伝達棒335の後端3351がロック機構34との接合に用いられるとともに、伝達棒335がロック機構34にロックされた時に、伝達棒335が回転方向においても台座31に対して固定されることが好ましい。伝達棒335と内部押し子33との間には、スラスト軸受7が装着されている。
【0127】
本実施形態において、伝達装置が伝達棒335によって間接的に台座31と繋げて、台座31の特定の動きを伝達装置に導いていることが見られる。しかし、示されていない他の実施形態において、伝達棒335を設置しないて、台座31を直接的に伝達装置に繋がってもよい。
【0128】
伝達棒335と薬液補充押し子7との軸線は、いずれも無針注射器の本体の軸線Xであることが好ましい。伝達棒335の内部には、軸線Xに沿って延びる薬液補充押し子収容腔332が設置されてもよく(
図29参照)、薬液補充押し子7が薬液補充押し子収容腔332内に適応的に装着される。そして、薬液補充押し子7の外面がネジ面であるが、薬液補充押し子収容腔332の面がスムーズな面であり、これによって、薬液補充押し子7が薬液補充押し子収容腔332の中で軸線方向に沿って動ける。
【0129】
本実施形態では、薬の吸入の過程において、台座31は、外部ケース32に対して回動することによって外部ケース32に対して前方に動き、伝達装置は、対応的に、回転運動伝達装置を含む。台座31は、このような回転運動を回転運動伝達装置によって薬液補充押し子8に伝達してそれを連れて一緒に回転させ、また、瓶栓12を前方にプッシュすることが実現するように、薬液補充押し子8の回転運動を直線運動に変換するために、内部押し子33の収容空間内に、さらに、運動変換機構が固定的に設置され、運動変換機構は、一部が薬液補充押し子8と接合され、他の一部が内部押し子33と接合され、それによって、薬液補充押し子8が台座31に従って外部ケース32(つまり、内部押し子33)に対して回転運動することを、軸線方向に沿って内部押し子33に対して直線運動することに変換する。
【0130】
例えば、運動変換機構は、ナットメンバー9を含んでもよく、ナットメンバー9がネジ螺合の形態で薬液補充押し子8と接合される。示されていない他の実施形態において、運動変換機構は、相対的な回転運動を相対的な直線運動に変換できる他の部材を含んでもよい。
【0131】
回転運動伝達装置は、一方向回転運動伝達装置を含むことがより好ましい。一方向回転運動伝達装置は、伝達棒335の一方向回転のみを薬液補充押し子8に伝達できる。具体的に、一方向回転運動伝達装置は、外部ケース32が台座31に対して第一回転方向に沿って回転することによって台座31に対して前方に動く過程において、伝達棒335の回転運動を薬液補充押し子8に伝達できるが、外部ケース32が台座31に対して第一回転方向と反対する方向に沿って回転することによって台座31に対して後方に動く過程において、伝達棒335の回転運動を薬液補充押し子8に伝達できない。
【0132】
例えば、一方向回転運動伝達装置は、
図22-34Bに示された一方向軸受を含む。
図30A-
図30Bに示されるように、一方向軸受3の外輪61が伝達棒335に固定的に繋がり、一方向軸受6の内輪62と薬液補充押し子8が回転方向において固定されたように繋げる。内輪62と薬液補充押し子8との接触面には、例えば、軸線Xの方向に沿って延びるガイドバー又はキー溝が設置されてもよく、それによって、内輪62と薬液補充押し子8との相対的な回動を制限するが、双方の軸線方向での相対的な直線運動を制限しない。
【0133】
薬の吸入の過程において、台座31は、外部ケース32に対して回動することによって外部ケース32を台座31に対して前方に動かせ、このような相対回転方向を備える回転運動において、一方向軸受6の外輪61が、回転運動を内輪62に伝達することによって薬液補充押し子8を連れて回転させることができる。薬液補充押し子8は、ナットメンバー9に対して回転し、よって、ナットメンバー9に対して、さらに、内部押し子33(このとき、全体の内部押し子システム334が軸線方向においてロック機構34でロックされる)に対して、前方に移動し、それによって、貯薬瓶1の瓶栓12をプッシュして、貯薬瓶1における薬液が圧力の作用で薬液チューブ21に進入することを促す。
【0134】
伝達棒335の後端には、径方向に沿って外方に突出する伝達棒335の後端3351が設置され(
図27参照)、伝達棒335の後端3351が、フランジ構造と形成され、後端3351がロック機構34との協動に用いられる。ロック機構34は、位置制限メンバー344と、押しボタン341と、スプリング収容部材342と、押しボタンスプリング343とを含む。位置制限メンバー344は、伝達棒335が前方に移動することを制限するように、ロック状態で伝達棒335の後端3351(それがフランジ構造と形成される)の先端面に当接でき、押しボタン341は、台座31の後端壁に装着されるとともに、台座31に対して後方に突出し、スプリング収容部材342は、伝達棒335の後端面と押しボタン341の後端壁との間に設置され、そして、後方に開口するスプリング収容腔を備え、押しボタンスプリング343は、スプリング収容腔内に位置し、後端が押しボタン341と接触可能である。
【0135】
このように、押しボタン341は、押しボタンスプリング343とスプリング収容部材342をプッシュするように押されることによって、伝達棒335を間接的にプッシュし、それによって、伝達棒335の後端3351(それがフランジ構造と形成される)は、伝達棒335に対するロック機構34のロックが解除されるように、位置制限メンバー344を超えられる。示されていない他の実施形態において、押しボタンスプリング343とスプリング収容部材342等の部材が設置しなくてもよく、押しボタン341が伝達棒335を直接的にプッシュすることによって、伝達棒335に対するロック機構34のロックが解除される。
【0136】
本実施形態において、内部押し子33の先端フランジ331の周方向外面と外部ケース32の周方向内面との間に、運動限制構造(図示せず)が設置され、運動限制構造は、内部押し子33が外部ケース32に対して回動することを制限できるが、内部押し子33が外部ケース32に対して軸線方向に沿って前後方向に動くことを許容すると構成される。運動限制構造は、例えば、先端フランジ331の周方向外面と内部ハウジング32の周方向内面に形成され軸線方向に延びるキー溝又はガイドバーであってもよい。
【0137】
運動限制構造の設置のため、増圧及び薬の吸入の過程において、内部押し子33は、外部ケース32に伴って一緒に回転できる。内部押し子システム334の全体がロック機構34でロックされたときに、内部押し子33は、外部ケース32に伴って一緒に回転することができるが、直線運動することができない。
【0138】
内部押し子33と伝達棒335との間に、特定の接続関係が備える。具体的に、伝達棒335の先端の伝達棒協動部3352の外周面と内部押し子33の内周面とが接触して協動し、双方の間に、大きい摺動摩擦(例えば、双方の粗い接触面)が備え、一方の部材が、外力を受けていないとき他方の部材に従って回転できるが、双方が何れも外力を受けていると、双方が互い回転できる。
【0139】
具体的に、伝達棒335がロック機構34でロックされていないときに、例えば、増圧の過程において、伝達棒335は、内部押し子33に伴って一緒に回動できるが、当該回動方向が一方向軸受6の伝達方向ではないので、このとき、一方向軸受6の外輪61が回転運動を内輪62に伝達しなく、このとき、薬液補充押し子8が、ナットメンバー9に連れられて(つまり、間接的に内部押し子33で連れられて)直線運動し、薬液補充押し子8と内部押し子33との間に相対的な変位を生じない。伝達棒335がロック機構34でロックされたときに、伝達棒335が、ロック機構34に従って回動することのみができ、例えば、薬の吸入の過程において、伝達棒335が台座31の回転方向と一致するが、内部押し子33が外部ケース32の回転方向と一致しなく、内部押し子33と伝達棒335との間に相対的な回動が存在し、しかし、内部押し子システム334の全体がロック機構34でロックされたので、内部押し子33が伝達棒335に対して回動しかしないが、それに対して平行に移動しない。
【0140】
図22-
図28は、無針注射器4と貯薬瓶1が装着から注射の完成までの過程が示されており、当該過程は、順に、装着ステップと、増圧及びエネルギー蓄積ステップと、薬の吸入ステップと、注射ステップとのメインステップを含む。これから、図面に合わせて順番に各ステップを説明する。
【0141】
図22は、注射ヘッド2と貯薬瓶1が無針注射器の本体3に装着する過程の模式図が示された。図面に示されるように、注射ヘッド2のピストン付ロッド22は、まず貯薬瓶1に挿入され、その後、注射ヘッド2と貯薬瓶1が一つの全体として無針注射器の本体3に装着される。貯薬瓶1が内部押し子33に進入し且つさらに移動できないまで後方に動くと、ピストン付ロッド22と内部押し子33は、ちょうど係合して一緒に固定され、薬液チューブ21と外部ケース32との間も、ちょうど、ネジ締結で固定される。
【0142】
装着が完成した後の各部材の状態は
図23で示され、このとき、無針注射器4は、予備使用状態である。当該状態において、薬液チューブ21が既に外部ケース32に対して固定されており、ピストン付ロッド22と貯薬瓶1が既に内部押し子33に対して固定されており、ロック機構34が自由状態であり、内部押し子33を台座31に対してロックしていない。
【0143】
図23ないし
図24に示された過程は、作動スプリング36に対する増圧及びエネルギー蓄積の過程である。具体的に、外部ケース32が台座31に対して後方に移動する(双方の間のネジ螺合によって実現する)ように外部ケース32を回転させ、外部ケース32の先端部322が内部押し子33を連れて一緒に回転し、それによって、同時に内部押し子33を連れて後方に移動する。外部ケース32が台座31に対してネジ締結で固定されると、伝達棒335の後端3351(それがフランジ構造と形成される)が、ちょうど、位置制限メンバー344の後部に係合し、このとき、位置制限メンバー344が伝達棒335の後端3351(それがフランジ構造と形成される)の前面に当接して内部押し子システム334をロックした。この過程において、作動スプリング36は、最後の注射ステップを準備するために、圧縮されてエネルギーを蓄積した。
【0144】
図24ないし
図25に示された過程は、薬の吸入ステップである。具体的に、外部ケース32が台座31に対して前方に移動する(双方の間のネジ螺合によって実現する)ように外部ケース32を回転させるが、内部押し子33がロック機構34でロックされたため、台座31に対して固定されることを保持しており、すなわち、当該過程において、外部ケース32が内部押し子33に対して前方に移動する(しかし、一緒に回転しない)。薬液チューブ21が外部ケース32に対して固定されており、貯薬瓶1とピストン付ロッド22が内部押し子33に対して固定されているので、薬液チューブ21が貯薬瓶1とピストン付ロッド22に対して前方に移動する。さらに、薬液チューブ21の注射微穴211がキャップ部23で閉鎖されるため、薬液チューブ21がピストン付ロッド22に対して前方に移動すると、薬液チューブ21の中に薬液収容腔215が現れ、薬液収容腔215における圧力が小さくなるので、貯薬瓶1における液体をピストン付ロッド22における薬液通路222cを通過して薬液収容腔215に吸入でき、薬の吸入を完成できる。
【0145】
薬の吸入の過程において、伝達棒335は、台座34に伴って一緒に外部ケース32に対して回動し、伝達棒335は、回転運動を一方向軸受6で薬液補充押し子8に伝達する。薬液補充押し子8がナットメンバー9に対して回動することによって、薬液補充押し子8がナットメンバー、つまり内部押し子33に対して前方に移動することが実現された。薬液補充押し子8の先端81(
図22参照)は、瓶栓12をプッシュしてさらに貯薬瓶1内の空間を圧縮し、それによって、薬液を薬液収容腔215に排入することを促す。
【0146】
図26に示されたステップは、薬の吸入ステップと注射ステップとの前の注射予備ステップであり、当該ステップの目的とは、薬液チューブ21の中に混入される可能性がある気体を注射の前に排出することである。当該ステップにおいて、まず、キャップ部23を取り外し、注射微穴211を外部に暴露させる。その後、外部ケース32が台座31に対して少し後方に移動するように外部ケース32を回転させるが、当該過程において内部押し子33とピストン付ロッド22が、台座31に対して固定されることを保持している。このように、薬液チューブ21が実際にピストン付ロッド22に対して少し後方に動き、ピストン付ロッド22が薬液チューブ21における薬液収容腔215を軽く圧縮することだけによって、薬液収容腔215における気体が圧力の作用で注射微穴211から排出できる。
【0147】
図27に示された過程は注射ステップである。当該ステップにおいて、外部ケース32と薬液チューブ21が台座31に対して固定されており、内部押し子33と貯薬瓶1とピストン付ロッド22が台座31に対して前方に動くことによって、ピストン付ロッド22で薬液収容腔215における薬液をプッシュして注射を完成する。具体的に、注射ステップは、アンロックステップと弾性作動ステップとをさらに含む。
【0148】
注射を行う必要があるときに、台座31の後端にある押しボタン341をプッシュして、押しボタン341を前方に移動させ、押しボタン341の先端の凸起部341cが前方に移動することによって、位置制限メンバー344に対する径方向での制限が解除され、位置制限メンバー344が径方向に沿って外方に動けて伝達棒335の後端3351(それがフランジ構造と構成される)に対するロックが解除され、そして、押しボタン341の前向きの動きは、押しボタンスプリング343とスプリング収容部によって内部押し子システム334もプッシュして前方に動かせ、伝達棒335が位置制限メンバー344を超えて、それによって、内部押し子システム334に対するロック機構34のロックが解除される。
【0149】
内部押し子システム334は、ロックが解除されると台座31に対して前方に動けるようになる。このとき、増圧及びエネルギー蓄積が既に行った作動スプリング36は、内部押し子33の先端フランジ331aに巨大な推力を加え、それによって、内部押し子33がピストン付ロッド22を連れて前に動くとともに薬液収容腔215における薬液をプッシュして、薬液が注射微穴211を経由して射出される。
【0150】
前記のいくつのステップによれば、内部押し子33の先端フランジ331aが少なくとも二つの設置目的を備えることは分かった。一つの設置目的とは、増圧及びエネルギー蓄積ステップにおいて、外部ケース32が台座31に対して後方に動くときに、内部押し子33の先端フランジ331aに加えることによって、内部押し子33を連れて一緒に台座31に対して後方に動き、最終的に、内部押し子33をロック位置に到達させてロック機構34でロックすることであり、もう一つの設置目的とは、注射ステップにおいて、作動スプリング36が台座31と内部押し子33の先端フランジ331aとの間に当接しているので、スプリングは、先端フランジ331aに推力を加えることによって、内部押し子33を前方にプッシュして注射が完成する。
【0151】
一回の注射を完成した後、貯薬瓶1を取り出さないで次回の注射を行ってもよい。すなわち、貯薬瓶1内の薬液は、多回の注射を供給できる。それでは、多回の注射の後に、貯薬瓶1の瓶栓12が薬液補充押し子8で継続的に(ここでの継続とは、空間における継続であって、時間における継続ではないことに指す)前方にプッシュされていると理解される。
図28と
図29には、多回の注射を完成した後の無針注射器の本体の構造が示された。
【0152】
それでは、もし、このとき薬液補充押し子8を初期位置まで後方にプッシュしようとしたら、薬液補充押し子8をナットメンバー9に対して回転させる操作を選択できる。当該操作を加速するために、ナットメンバー9が、薬液補充押し子8がナットメンバー9に対して回転しない条件で直接的にナットメンバー9に対して後方に動くことを許容するように、ナットメンバー9を設置することが好ましい。
【0153】
当該目的を実現するために、ナットメンバー9は、互いに離れる少なくとも二つのナットメンバーが設置されてもよく、少なくとも二つのナットメンバーは、特定の条件で径方向に沿って外方へ移動でき、それによって、薬液補充押し子8と接合又は離脱する。
図31ないし
図34Bは、その中の三つの例示が示された。
【0154】
図31ないし
図34Bに示された例示において、少なくとも二つのナットメンバーが薬液補充押し子8を囲んで配列され、且つ各ナットメンバーが、薬液補充押し子8と接合又は離脱するように、径方向に沿って軸線に接近又は離反して動くことができる。
【0155】
図31-
図32Bに示された例示において、二つのナットメンバー9aを備え、各ナットメンバー9aの先端に、ナット位置制限メンバー91aが設置され、ナットメンバー9aにおけるナット位置制限メンバー91aと接触する面が受力斜面である。受力斜面の後端が、その先端よりも径方向において無針注射器の軸線Xに離反する。ナット位置制限メンバー91aは、楔形ブロックであり、楔形ブロックが、受力斜面と接触する施力斜面を備える。
【0156】
図32Aに示されるように、貯薬瓶1が無針注射器の中に装着されるときに、貯薬瓶1が、ナット位置制限メンバー91aを後方にプッシュすることができ、ナット位置制限メンバー91aがナットメンバー9aの受力斜面に作用力を加えるが、受力斜面に受けられる圧力が当該斜面に垂直されているので、ナットメンバー9aに受けられる圧力は、無針注射器の本体の径方向に沿って内方に向ける作用力の分力を備え、当該作用力の分力が、ナットメンバー9aをしっかりと押し付けて薬液補充押し子8と接合される。
【0157】
図32Bに示されるように、貯薬瓶1が取り除かれた後に、ナット位置制限メンバー91aが前方に摺動し、ナットメンバー9aに加える圧力が減小し、ナットメンバー9aが径方向に沿って外方へ移動し、それによって、薬液補充押し子8と接合又は離脱する。このとき、直接的に薬液補充押し子8を初期位置まで後方にプッシュすることができる。
【0158】
ナット位置制限メンバー91aの後端には、ナット位置制限メンバー91aが後方に動く幅が大きすぎることによってナットメンバー9aに過大な作用力を加えることを阻止するように、第二の位置制限メンバー92aがさらに設置されることが好ましい。
【0159】
図33Aと
図33Bにおける例示は、
図32Aと
図32Bにおける例示と類似するが、楔形ブロックに代わって、環状構造に形成されるナット位置制限メンバー91bが使用されている。当該環状構造は、軸線が無針注射器の本体3と共通であり、且つ軸線Xが位置する平面で切断された断面(
図33Aと33Bに示されるように)が円形である。このような実施形態において、ナット位置制限メンバー91bとナットメンバー9bとの間の接触形態は、点接触である。
【0160】
図33Aに示された状態において、ナット位置制限メンバー91bは、貯薬瓶1が後方にプッシュすることの作用でナットメンバー9bを薬液補充押し子8と接合するまでしっかりと押し付け、
図33Bに示された状態において、貯薬瓶1が既に取り除かれ、ナット位置制限メンバーが前方に移動し、ナットメンバー9bが、径方向に沿って外方へ移動し、それによって、薬液補充押し子8と接合又は離脱する。
【0161】
また、図面に示されていない実施形態において、ナット位置制限メンバーを球状構造に設置してもよく、そして、ナットメンバーの径方向外縁の先端位置に、対応的に、球体運動溝が設置されるべきであり、ナット位置制限メンバーが球体運動溝内に制限されてその中から外れられない。
【0162】
図34Aと
図34Bにおける構造はより好適な構造である。当該例示において、薬液補充押し子8がナットメンバー9cに軸方向での作用力を加え(つまり、即薬液補充押し子8は、ナットメンバー9cに対して、相対的な回動しない場合における軸方向に沿う運動傾向があるとき)且つ当該作用力が予定の閾値に達したときに、ナットメンバー9cが径方向に沿って外方へ動いて、薬液補充押し子との接合を外すように構成される。
【0163】
すなわち、薬液補充押し子8を元位置まで押す必要があるときに、薬液補充押し子8を後方にプッシュすることだけによって、ナットメンバー9cが、自然に径方向に沿って外方へ移動して薬液補充押し子8が軸線に沿って平行移動することを許容するようになる。
【0164】
同時に、薬液補充押し子8が後向きの作用力を受けたときだけでなく、薬液補充押し子8が前向きの推力を受け且つ当該推力が予定の閾値に達したときにも、ナットメンバー9cが径方向に沿って外方へ動いて、薬液補充押し子との接合を外すように構成される。具体的に、使用の過程において、当薬液補充押し子8が受けられる推力が大きすぎるときに、ナットメンバー9cがそれとの接合を外し、それによって、貯薬瓶を保護する機能を果たす。
【0165】
本発明が提供された無針注射器の注射ヘッドと、無針注射器の本体と、無針注射器の本体組立体は、貯薬瓶を長期間に渡って無針注射器の本体内に収容でき、一回使用されると薬の吸入と注射が完成し、このような操作プロセスが効率高く面倒せずに完成でき、且つ全過程において、貯薬瓶を取り出す必要がないし、薬液チューブと貯薬瓶が離れる必要がない。また、貯薬瓶を無針注射器の内に収容することは、貯薬瓶の紛失や汚染などの問題の発生を回避できる。
【0166】
上記のような内容によれば、当業者は、本発明に開示された構造の代替構造を、実行可能な代替実施形態としてもよいし、本発明に開示された実施形態を組合わせて新たな実施形態を作り出すことができるし、それらも添付された特許請求の範囲に入ることを、容易に理解できる。
【国際調査報告】