(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】マルチリンク端末及びそのアドレス割り当て方法、ネットワークアクセス装置及び媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 8/26 20090101AFI20221102BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20221102BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20221102BHJP
【FI】
H04W8/26
H04W28/06 110
H04W76/15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554404
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(85)【翻訳文提出日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2020108686
(87)【国際公開番号】W WO2022027719
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202010764629.9
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521406639
【氏名又は名称】チョントゥー ジミー テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Building 4, Zone A, Tianfu Software Park, No. 1129 Century City Road, High-tech Zone, Chengdu, Sichuan, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー ハオ
(72)【発明者】
【氏名】シエ ファン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ ヤン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067HH24
(57)【要約】
本願は、無線通信分野に関し、マルチリンク端末及びそのアドレス割り当て方法、ネットワークアクセス装置及び媒体を開示する。マルチリンク端末アドレス割り当て方法は、マルチリンク端末の論理エンティティ1がマルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信することと、論理エンティティ1がネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信することと、を備え、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれ、論理エンティティのアドレスにはリンク情報ビットが含まれている。本願は、リンク標識子及び端末のMACアドレスに基づいて端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、論理エンティティに対してアドレスを動的に割り当てる方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチリンク端末の論理エンティティ(1)が、マルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信することと、
論理エンティティ(1)が、ネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信することと
を備え、
関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれており、論理エンティティのアドレスにはリンク情報ビットが含まれている、
ことを特徴とするマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項2】
関連リクエストメッセージには、マルチリンク端末の利用を要求するリンクを指示するために用いられるパラメータPreferred Linksがさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項3】
関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信する前に、さらに、
マルチリンク端末が1本のリンクを選択し、当該リンクにおいて操作される論理エンティティ(1)により、ブロードキャストメッセージ又はプローブ応答メッセージからネットワークアクセス装置の操作可能なリンクメッセージを取得することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項4】
論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットがリンク識別子である、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項5】
ネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信した後、さらに、
マルチリンク端末が、論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットに基づいて、それぞれ、論理エンティティのアドレスを、リンク情報ビットに対応するリンクでデータを送受信することを支持するか又は所望する論理エンティティに割り当てることを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項6】
マルチリンク端末において操作リンクを交換する必要がある第1の論理エンティティが、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージをターゲットリンクに送信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージには第1の論理エンティティのアドレスが含まれていることと、
第1の論理エンティティが、ネットワークアクセス装置が送信した接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージを受信し、接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージには、ネットワークアクセス装置が更新した第1の論理エンティティのアドレス及び第1の論理エンティティに割り当てられた関連識別子が含まれていることと、
マルチリンク端末が、ローカルの第1の論理エンティティのアドレスを接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージにおける第1の論理エンティティのアドレスに設定することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項7】
マルチリンク端末のMACアドレスにはリンク情報ビットが含まれ、且つMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項8】
リンク情報ビットはMACアドレスの第25ビットから第48ビットまでの連続ビットであり、且つリンク情報ビットのビット数は2以上であり且つ5以下である、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項9】
ネットワークアクセス装置の論理エンティティ(2)がマルチリンク端末から送信された関連リクエストメッセージを受信し、関連リクエストメッセージにはマルチリンク端末のMACアドレスが含まれ、MACアドレスにはリンク情報ビットが含まれていることと、
ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることと、
論理エンティティ(2)が関連応答メッセージをマルチリンク端末に送信し、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれていることと、
備える、
ことを特徴とするマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項10】
関連リクエストメッセージには、マルチリンク端末の利用を要求するリンクを指示するために用いられるパラメータPreferred Linksがさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項9に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項11】
ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、
マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す場合、リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、リンク識別子はネットワークアクセス装置の操作可能なリンクに対応する識別子であることと、
アドレスが割り当てられた論理エンティティに対して関連識別子を割り当てることと、
を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項12】
ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、
マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す場合、リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、リンク識別子はパラメータPreferred Linksにより指示されたリンクに対応する識別子であることと、
アドレスが割り当てられた論理エンティティに対して関連識別子を割り当てることと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項13】
ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、
マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示すものでない場合、マルチリンク端末の論理エンティティの接続を許可することを決定した後、マルチリンク端末の論理エンティティに関連識別子を割り当てることを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項14】
リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当てることは、
マルチリンク端末のMACアドレスのリンク情報ビットをリンク識別子に設定することを含む、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項15】
ターゲットリンクでマルチリンク端末から送信された接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージを受信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージにはマルチリンク端末における操作リンクを交換する必要がある第1の論理エンティティのアドレスが含まれていることと、
接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージの第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットがターゲットリンクのリンク識別子と異なる場合、第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットをターゲットリンクのリンク識別子に設定し、かつ更新された第1の論理エンティティのアドレス及び第1の論理エンティティに割り当てられた関連識別子を接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージに含めて第1の論理エンティティに送信することと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項16】
リンク情報ビットは、MACアドレスの第25ビットから第48ビットまでの連続ビットであり、かつリンク情報ビットのビット数は2以上であり且つ5以下である、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法。
【請求項17】
マルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信し、ネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信する論理エンティティ(1)を備え、
関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれており、論理エンティティアドレスにはリンク情報ビットが含まれている、
ことを特徴とするマルチリンク端末。
【請求項18】
マルチリンク端末から送信された関連リクエストメッセージを受信し、関連応答メッセージをマルチリンク端末に送信する論理エンティティ(2)と、
マルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることに用いられるアドレス割り当て手段と、
を備え、
関連リクエストメッセージにはマルチリンク端末のMACアドレスが含まれ、MACアドレスにはリンク情報ビットが含まれ、関連応答メッセージにはネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれている、
ことを特徴とするネットワークアクセス装置。
【請求項19】
プログラムを記憶するためのメモリと、
前記メモリに結合され、前記プログラムを実行する場合、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するプロセッサと、
を備える、
ことを特徴とするマルチリンク端末。
【請求項20】
プログラムを記憶するためのメモリと、
前記メモリに結合され、前記プログラムを実行する場合、請求項9乃至16のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するプロセッサと、
を備える、
ことを特徴とするネットワークアクセス装置。
【請求項21】
端末で実行される場合、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するコンピュータ命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信分野に関し、特に、マルチリンク端末及びそのアドレス割り当て方法、ネットワークアクセス装置及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
802.11beネットワークは、Extremely High Throughput(EHT)ネットワークとも呼ばれ、一連のシステム特性及び複数のメカニズム増強機能により極めて高いスループットを実現する。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の利用が持続的に増加することに伴い、多くの環境(例えば家庭、企業及びホットスポット)において無線データサービスを提供することがますます重要になる。特に、ビデオトラフィックは、依然として多くのWLAN配置における主要なトラフィックタイプである。4k及び8kビデオ(20Gbpsの未圧縮レート)が登場しているため、これらのアプリケーションのスループットに対する要求は、絶えず発展している。例えば仮想現実又は拡張現実、ゲーム、遠隔オフィス及びクラウドコンピューティングのような新たな高スループット、且つ低遅延のアプリケーションプログラムが急激に増加している(例えば、リアルタイムゲームの遅延が5ミリ秒より少ない)。
【0003】
これらのアプリケーションプログラムの高スループット及び厳しいリアルタイム遅延要求に鑑み、ユーザは、WLANにより当該アプリケーションプログラムを支持する場合、スループットがより高く、信頼性がより高く、遅延及びジッタがより少なく、電源効率がより高いことを望んでいる。ユーザは、タイム・センシティブ・ネットワーキング(TSN)との統合を改善することにより、異種イーサネット及び無線LAN上のアプリケーションプログラムを支持することを望んでいる。802.11beネットワークは、総スループットをさらに向上させ且つ遅延をさらに低下させることにより、WLANの競争力を確保すると共に、旧バージョン技術標準との後方互換性及び共存を確保することを目的とする。2.4GHz、5GHz及び6GHz周波数帯で動作する802.11においてデバイスとの互換性がある。
【0004】
802.11beネットワークにおいて、上記目標を実現するために、端末とアクセスポイントとの間に複数のデータ伝送リンクを確立することができ、複数のリンクにより同時に伝送することで、伝送速度を向上させることを提出する。
【発明の概要】
【0005】
マルチリンクシーンにおいて、一つの物理端末は複数の論理エンティティにより複数のリンクで操作する。装置が出荷される時、メーカーは、装置に唯一に識別するためのMACアドレスを設定するが、マルチリンク端末のMACアドレスと呼ばれる。無線ローカルエリアネットワークの通信過程において、各マルチリンク端末において、複数の論理エンティティが異なるリンクでデータ伝送を行い、マルチリンク端末が物理エンティティとしてMACアドレスを設定する必要がある以外、各論理エンティティはいずれもマルチリンク端末と異なるMACアドレスを有する必要がある。しかしながら、マルチリンク端末において、実際に、いくつの論理エンティティが操作しているかは確定されておらず、端末の現在のサービス及び無線ローカルエリアネットワークのアクセスポイントの能力、節電需要があるか否かなどに依存するため、静的MACアドレスを割り当てることに適しない。これに鑑みて、本願は、マルチリンク端末及びそのアドレス割り当て方法、ネットワークアクセス装置及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0006】
第1の態様において、本願は、マルチリンク端末の論理エンティティ1が、マルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信することと、論理エンティティ1がネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信することとを備え、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれており、論理エンティティのアドレスにはリンク情報ビットが含まれているマルチリンク端末アドレス割り当て方法を提供する。
【0007】
一種の可能な実施形態において、関連リクエストメッセージには、マルチリンク端末の利用を要求するリンクを指示するために用いられるパラメータPreferred Linksがさらに含まれている。
【0008】
一種の可能な実施形態において、関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信する前に、さらに、マルチリンク端末が1本のリンクを選択し、当該リンクにおいて操作される論理エンティティ1により、ブロードキャストメッセージ又はプローブ応答メッセージからネットワークアクセス装置の操作可能なリンクメッセージを取得することを含む。
【0009】
一種の可能な実現形態において、論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットがリンク識別子である。
【0010】
一種の可能な実施形態において、ネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信した後、さらに、マルチリンク端末が、論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットに基づいて、それぞれ、論理エンティティのアドレスを、リンク情報ビットに対応するリンクでデータを送受信することを支持するか又は所望する論理エンティティに割り当てることを含む。
【0011】
一種の可能な実施形態において、マルチリンク端末において操作リンクを交換する必要がある第1の論理エンティティが、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージをターゲットリンクに送信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージには第1の論理エンティティのアドレスが含まれていることと、第1の論理エンティティが、ネットワークアクセス装置が送信した接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージを受信し、接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージには、ネットワークアクセス装置が更新した第1の論理エンティティのアドレス及び第1の論理エンティティに割り当てられた関連識別子が含まれていることと、マルチリンク端末が、ローカルの第1の論理エンティティのアドレスを接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージにおける第1の論理エンティティのアドレスに設定することと、をさらに含む。
【0012】
一種の可能な実施形態において、マルチリンク端末のMACアドレスにはリンク情報ビットが含まれ、且つMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す。
【0013】
一種の可能な実施形態において、リンク情報ビットはMACアドレスの第25ビットから第48ビットまでの連続ビットであり、且つリンク情報ビットのビット数は2以上であり且つ5以下である。
【0014】
第2の態様において、本願は、ネットワークアクセス装置の論理エンティティ2がマルチリンク端末から送信された関連リクエストメッセージを受信し、関連リクエストメッセージにはマルチリンク端末のMACアドレスが含まれ、MACアドレスにはリンク情報ビットが含まれていることと、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることと、論理エンティティ2が関連応答メッセージをマルチリンク端末に送信し、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれていることと、を備えるマルチリンク端末アドレス割り当て方法を提供する。
【0015】
一種の可能な実施形態において、関連リクエストメッセージには、マルチリンク端末の利用を要求するリンクを指示することに用いられるパラメータPreferred Linksがさらに含まれている。
【0016】
一種の可能な実施形態において、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットは、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す場合、リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、リンク識別子はネットワークアクセス装置の操作可能なリンクに対応する識別子であることと、アドレスが割り当てられた論理エンティティに対して関連識別子を割り当てることと、を含む。
【0017】
一種の可能な実施形態において、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットが、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示す場合、リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、リンク識別子はパラメータPreferred Linksにより指示されたリンクに対応する識別子であることと、アドレスが割り当てられた論理エンティティに対して関連識別子を割り当てることと、を含む。
【0018】
一種の可能な実施形態において、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることは、マルチリンク端末のMACアドレスにおけるリンク情報ビットが、当該アドレスがマルチリンク端末のアドレスであることを示すものでない場合、マルチリンク端末の論理エンティティの接続を許可することを決定した後、マルチリンク端末の論理エンティティに関連識別子を割り当てることを含む。
【0019】
一種の可能な実施形態において、リンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当てることは、マルチリンク端末のMACアドレスのリンク情報ビットをリンク識別子に設定することを含む。
【0020】
一種の可能な実施形態において、ネットワークアクセス装置はターゲットリンクでマルチリンク端末から送信された接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージを受信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージにはマルチリンク端末における操作リンクを交換する必要がある第1の論理エンティティのアドレスが含まれていることと、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージの第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットがターゲットリンクのリンク識別子と異なる場合、第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットをターゲットリンクのリンク識別子に設定し、かつ更新された第1の論理エンティティのアドレス及び第1の論理エンティティに割り当てられた関連識別子を接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージに含めて第1の論理エンティティに送信することと、をさらに含む。
【0021】
一種の可能な実施形態において、リンク情報ビットは、MACアドレスの第25ビットから第48ビットまでの連続ビットであり、かつリンク情報ビットのビット数は2以上であり且つ5以下である。
【0022】
第3の態様において、本願は、マルチリンク端末を提供し、物理装置であり、複数の論理エンティティにより異なるリンクにおいて独立的にてデータの送受信を行い、各論理エンティティは、独立したデータ送受信モジュールを含む。マルチリンク端末は、マルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信し、ネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信する論理エンティティ1を備え、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれており、論理エンティティアドレスにはリンク情報ビットが含まれている。
【0023】
第4の態様において、本願は、マルチリンク端末を提供し、物理装置であり、複数の論理エンティティにより異なるリンクにおいて独立的にデータの送受信を行い、各論理エンティティは、独立したデータ送受信モジュールを含む。ネットワークアクセス装置は、マルチリンク端末から送信された関連リクエストメッセージを受信し、関連応答メッセージをマルチリンク端末に送信する論理エンティティ2と、マルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てることに用いられるアドレス割り当て手段と、を備え、関連リクエストメッセージにはマルチリンク端末のMACアドレスが含まれ、MACアドレスにはリンク情報ビットが含まれ、関連応答メッセージにはネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれている。
【0024】
第5の態様において、本願は、プログラムを記憶するためのメモリと、前記メモリに結合され、前記プログラムを実行する場合、第1の態様又は第1の態様の可能な実現方式のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するプロセッサと、を備えるマルチリンク端末を含む。
【0025】
第6の態様において、本願は、プログラムを記憶するためのメモリと、前記メモリに結合され、前記プログラムを実行する場合、第2の態様又は第2の態様の可能の実現方式のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するプロセッサと、を備えるネットワークアクセス装置を含む。
【0026】
第7の態様において、本願は、端末で実行される場合、第1の態様又は、第1の態様の可能の実現方式、又は第2の態様又は、第2の態様の可能の実現方式のいずれか一項に記載のマルチリンク端末アドレス割り当て方法を実現するコンピュータ命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0027】
説明すべきことは、本願の第3の態様及び第5の態様に記載のマルチリンク端末は、上記第1の態様で提供する方法を実行するために用いられ、第4の態様及び第6の態様に記載のネットワークアクセス装置は、上記第2の態様で提供する方法を実行するために用いられ、第7の態様に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記第1の態様又は第2の態様の提供する方法を実行するために用いられ、従って、第1の態様又は第2の態様に記載の方法と同様の有益な効果を達成することができ、本願の実施例はここでは説明を省略する。
【0028】
本願は、端末のMACアドレスにリンク情報ビットを定義することにより、リンク識別子及び端末のMACアドレスに基づいて端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、論理エンティティにアドレスを動的に割り当てる方法を提供し、アドレスを柔軟に割り当てると共にアドレスの唯一性を保証し、通信過程に保証を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本願は、実施例及び図面を参照することにより説明する。
【
図1】は、本願の実施例に係るマルチリンク端末アドレス割り当て方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者が本願における技術案をよりよく理解するように、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなことは、説明される実施例は、本願の一部の実施例のみであり、全ての実施例ではない。理解すべきことは、ここで説明される具体的な実施例は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するべきである。また、本願に開示された内容は、例示的な一つ又は複数の実施例に応じて説明されるが、理解すべきことは、これらの開示された内容の様々な態様が単独で一つの完全な技術案を構成することもできる。矛盾がない場合、下記実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0031】
本願の実施例において、「例示的」、「例えば」などの用語は、例、例証又は説明を示すために用いられる。本願において、「例示」と記載された如何なる実施例又は設計案は、他の実施例又は設計案よりも好ましい又はより優れた利点を有すると解釈されるべきではない。具体的には、例示を用いる単語は、具体的な方式で概念を表示することを目的とする。
【0032】
特に定義しない限り、本願に使用される技術用語又は科学用語は、本願の属する分野において一般的な技能を有する人が理解できる一般的な意味である。本願で使用される「第1」、「第2」及び類似した単語は、いかなる順序、数量又は重要性を示すものではなく、単に区別して説明するために用いられる。「備える」又は「含む」などの類似した用語は、当該用語の前の素子又は物品が当該用語の後の素子又は物品及びその均等なものをカバーするが、他の素子又は物品を排除するものではないことを意味する。用語「及び/又は」は、一つ又は複数の関連する列挙された項目の任意及び全ての組み合わせを含む。
【0033】
以下に、図面を参照しながら、本願の技術案を説明する。
【0034】
以下の実施例において、マルチリンク端末は、複数の論理エンティティを含み、各論理エンティティは、それぞれが一本のリンクを介してネットワークアクセス装置とデータ伝送を行う。リンクは、データを送信するための無線リソースである。
【0035】
図1は、本願の実施例のマルチリンク端末アドレス割り当て方法のフローチャートである。
図1に示すように、マルチリンク端末アドレス割り当ての方法は、以下を含む。
【0036】
マルチリンク端末の論理エンティティ1は、マルチリンク端末のMACアドレスを含む関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置のピアツーピア論理エンティティに送信し、MACアドレスにはリンク情報ビットが含まれる。いくつかの実施例において、関連リクエストメッセージは、マルチリンク端末がマルチリンクを支持するか否かを指示するために用いられるパラメータMulti-Link capabilityをさらに含む。いくつかの実施例において、関連リクエストメッセージは、マルチリンク端末が利用を要求するリンクを指示するために用いられるパラメータPreferred Linksをさらに含む。
【0037】
ネットワークアクセス装置のピアツーピア論理エンティティがマルチリンク端末から送信された関連リクエストメッセージを受信した後、ネットワークアクセス装置は、マルチリンク端末の論理エンティティにアドレス及び関連識別子を割り当てる。例示的には、関連リクエストメッセージにパラメータPreferred Linksが含まれない場合、ネットワークアクセス装置の操作可能なリンクに対応するリンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当て、関連リクエストメッセージにパラメータPreferred Linksが含まれる場合、パラメータPreferred Linksにより指示されたリンクに対応するリンク識別子及びマルチリンク端末のMACアドレスに基づいてマルチリンク端末の論理エンティティにアドレスを割り当てる。
【0038】
ネットワークアクセス装置のピアツーピア論理エンティティは、関連応答メッセージをマルチリンク端末の論理エンティティ1に送信し、関連応答メッセージには、ネットワークアクセス装置がマルチリンク端末の論理エンティティに割り当てたアドレス及び関連識別子が含まれている。
【0039】
マルチリンク端末の論理エンティティ1は、ネットワークアクセス装置のピアツーピアツーピア論理エンティティから送信された関連応答メッセージを受信する。
【0040】
いくつかの実施例において、マルチリンク端末の論理エンティティ1が関連リクエストメッセージをネットワークアクセス装置に送信する前に、さらに、マルチリンク端末が一つのリンクを選択し、当該リンクで操作する論理エンティティ1によりブロードキャストメッセージ又はプローブ応答メッセージからネットワークアクセス装置の操作可能なリンクメッセージを取得することを含む。
【0041】
いくつかの実施例において、マルチリンク端末の論理エンティティ1がネットワークアクセス装置から送信された関連応答メッセージを受信した後、マルチリンク端末は、さらに、論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットに基づいて、それぞれ論理エンティティのアドレスを、リンク情報ビットに対応するリンクでデータを送受信することを支持するか又は所望する論理エンティティに割り当てる。
【0042】
いくつかの実施例において、業務の変化などの状況のため、マルチリンク端末の論理エンティティは操作リンクを交換する必要がある。この場合、マルチリンク端末において操作リンクを交換する必要がある第1の論理エンティティは、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージをターゲットリンクに送信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージには第1の論理エンティティのアドレスが含まれている。ネットワークアクセス装置は、ターゲットリンクによりマルチリンク端末から送信された接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージを受信した後、第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットをチェックし、リンク情報ビットがターゲットリンクのリンク識別子と異なる場合、第1の論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットをターゲットリンクのリンク識別子に設定し、かつ、更新された第1の論理エンティティのアドレス及び第1の論理エンティティに割り当てられた関連識別子を接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージに含めて第1の論理エンティティに送信する。第1の論理エンティティがネットワークアクセス装置から送信された接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージを受信した後、マルチリンク端末は、ローカルの第1の論理エンティティのアドレスを、受信された第1の論理エンティティのアドレスに設定する。
【0043】
以下に具体的な実施例により本願をさらに説明する。
【0044】
以下の具体的な実施例において、STA MLDはマルチリンク端末を示し、STAはマルチリンク端末の論理エンティティを示し、AP MLDはネットワークにおけるアクセスポイントを示し、ネットワークアクセス装置のうちの一種である。他の実施例において、ネットワークアクセス装置は他の装置であってもよく、例えばルータ等であり、以下にAP MLDのみを例示的な実施例として説明する。
【0045】
マルチリンク端末STA MLDのMACアドレスは、合計48bitに設定される。前の24ビットは、ネットワークハードウェアメーカーの番号を示し、IEEE(電気・電子エンジニア協会)によって割り当てられ、IEEEの登録管理機構が異なるメーカーに割り当てたコードであり、異なるメーカーを区別する。後ろの24bitは、メーカーにより割り当てられる。当該後ろの24bitのうちの連続的な3bit(例えば、アドレスの第25、26、27ビットであり、本願において、マルチリンク情報ビットと呼ばれる)を000に設定し、他の21bitは制限しないか、又は、当該後ろの24個のbitのうちの連続的な2bit(例えば、アドレスの第25、26個のビット)を00に設定し、他の22bitを制限しない。当該後ろの24bitのうちのいくつを特別設定に用いるかは、リンクの数に依存し、例えば、3本のリンクがあれば、2bitを特別設定ビットに設定することができ、5本のリンクがあれば、3bitを特別設定ビットに設定する必要があり、マルチリンク情報ビットと呼ばれてもよい。
【0046】
以下、三本のリンク(link1、link2及びlink3)を例として説明する。すなわち、マルチリンク情報ビットは2ビットを含み、STA MLDは3つの論理エンティティSTA1、STA2及びSTA3を含み、AP MLDは3つの論理エンティティAP1、AP2及びAP3を含む。ただし、本願は、実施プロセスが2本又は3本以上のリンクに応用されるシーンに限定れらない。
【0047】
当該具体的な実施例において、マルチリンク端末アドレス割り当ての方法は以下のステップを含む。
【0048】
1.マルチリンク端末STA MLDは一本のリンクを選択し、当該リンクで操作する論理エンティティSTA1によりブロードキャストメッセージ(Beaconメッセージ)又はプローブ応答(Probe response)メッセージからマルチリンクネットワークアクセスポイントAP MLDの操作可能なリンク情報を取得し、例示的に、操作可能なリンク情報は、中心周波数、操作可能な帯域幅又は空間分割多重化情報等を含む。
【0049】
2.STA1は、関連リクエスト(Association request)メッセージを、AP MLDにおける当該リンクで操作を行う論理エンティティAP1に送信する。ここで、AP1は、STA1のピアツーピアツーピア論理エンティティである。例示的に、関連リクエスト(Association request)メッセージには、STA MLDのMACアドレスに設定されるSA又はTAが含まれている。例示的に、STA MLDのMACアドレスは、表1に示すようであり、ここで、OUI(Organization ally unique identifier)は、仕組の唯一の識別子を示す。
【表1】
【0050】
中間は、「リンク情報ビット」であり、「00」に設定され、当該アドレスが物理的装置アドレスであることを示す。その他の値は、リンク情報を設定するために用いられる。
【0051】
例示的に、「リンク情報ビット」は、MACアドレスの第25ビットから第48ビットまでの連続のビット(MACアドレスのbitが1から始まる)であり、且つそのbitの数が2以上であり、5以下である。
【0052】
Multi-Link capabilityは、STA MLDがマルチリンクを支持するか否かを指示するために用いられる。
【0053】
Preferred Linksは、STA MLDが利用を要求する1本又は複数のリンクを指示するために用いられる。いくつかの実施例において、STA MLDが利用を要求する1本又は複数のリンクの情報を、能力パラメータ又は操作パラメータ等の他のパラメータに含めてもよく、独立したPreferred Linksパラメータで指示する必要がない。この場合に、パラメータPreferred Linksを暗黙的に設定されたものとする。例えば、STA MLDは、それが2.4GHz及び5GHzを支持する情報を能力パラメータに含めてAP MLDに送信し、AP MLDが能力パラメータにおけるこれらの情報を読み取ることで、STA MLDが利用を要求するのは2.4GHz及び5GHzに対応するリンクであることを知ることができる。
【0054】
3.AP1が関連リクエスト(Association request)メッセージを受信した後、AP MLDは、STA MLDのMACアドレスにおける「リンク情報ビット」が「00」であるか否かをチェックする。「00」であれば、STA MLDが複数のリンクを使用できると特定した後、リンク識別子及びSTA MLDのMACアドレスに基づいてSTA MLDの論理エンティティにアドレスを割り当て、関連リクエスト(Association request)メッセージにパラメータPreferred Linksが含まれているか、又はSTA MLDにパラメータPreferred Linksが暗黙的に設定されている場合に、リンク識別子はパラメータPreferred Linksが指示するリンクに対応するリンク識別子であり、当該場合でなければ、リンク識別子はネットワークアクセス装置の操作可能なリンクに対応するリンク識別子である。「00」でなければ、STA MLDの論理エンティティの接続を許可すると決定した後、STA MLDの論理エンティティに関連識別子(AID)を割り当てる。
【0055】
AID(Association IDentifier)のパラメータは、STAに別名を与えることに相当する。AP MLDローカルにassociation ID tableがあり、その中の、各AIDはいずれもそれに対応するSTAのMacAddrとバインディングされている。AIDの範囲が0~2007であるため、プロトコルにおいて、一つのAP MLDが最大2007個のノードに関連付けることができることを説明する。AID=0の位置は予約済みフィールドであり、ノードに割り当てられず、全てのマルチキャスト及びブロードキャストを代表することに用いられる。
【0056】
当該具体的な実施例において、AP MLDのリンク情報は表2に示すとおりである。
【表2】
【0057】
対応する、リンクを使用可能なSTA MLDの論理エンティティにアドレスを割り当てる方法は以下を含む。
【0058】
リンク識別子及びSTA MLDのMACアドレスに基づいて当該STA MLDの各STAのアドレスを設定し、即ち、STA MLDのMACアドレスのリンク情報ビットをリンク識別子に設定し、各STAのアドレスを構成し、例示的に、以下のとおりである。
【0059】
操作がリンク「1」で行われ、そのアドレスが表3に示すとおりである。
【表3】
【0060】
操作がリンク「2」で行われ、そのアドレスが表4に示すとおりである。
【表4】
【0061】
操作がリンク「3」で行われ、そのアドレスが表5に示すとおりである。
【表5】
【0062】
4.AP MLDは、STA MLD内の既にアドレスが割り当てられた論理エンティティに、それぞれ、AIDを割り当てる。
【0063】
5.AP1は、関連応答(Association response)メッセージをSTA1に送信し、Association responseメッセージには、論理エンティティに割り当てられたアドレス、及び論理エンティティに割り当てられたAIDが含まれている。
【0064】
6.STA1が関連応答(Association response)メッセージを受信した後、STA MLDは、論理エンティティのアドレスにおけるリンク情報ビットに基づいて、それぞれ、論理エンティティのアドレスを、リンク情報ビットに対応するリンクでデータを送受信することを支持するか又は所望する論理エンティティに割り当てる。例えば、STA MLDのSTA1が2.4GHz、5GHz及び6GHz周波数帯域(すなわちlink1、link2及びlink3)での操作を支持し、STA2が2.4GHz及び5GHz周波数帯域(すなわちlink1及びlink2)での操作を支持し、STA3が6GHz周波数帯域(すなわちlink3)での操作を支持し、STA1がlink1を使用してデータを伝送することを望み、STA2がlink2を使用してデータを伝送することを望むと、STA MLDは、表3に示すアドレスをSTA1に割り当て、表4に示すアドレスをSTA2に割り当て、表5に示すアドレスをSTA3に割り当てる。STA1がlink2を使用してデータを伝送することを望み、STA2がlink1を使用してデータを伝送することを望むと、STA MLDは、表4に示すアドレスをSTA1に割り当て、表3に示すアドレスをSTA2に割り当てる。このように、論理エンティティのアドレス割り当てをより柔軟にさせる。
【0065】
7.STA MLD中のSTAが操作リンクを交換する必要がある場合、例えば、STA1が操作リンクを交換する必要があり、かつ目標リンクがlink3であると、STA1は接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージをlink3に送信し、接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージにはSTA1のアドレスが含まれている。
【0066】
8.AP MLDは、link3で接続確立要求メッセージ又はリンク交換要求メッセージを受信した後、STA1のアドレスにおけるリンク情報ビットをチェックし、リンク情報ビットがlink3のリンク識別子と異なる場合、STA1のアドレスにおけるリンク情報ビットをlink3のリンク識別子に設定し、かつ更新されたSTA1のアドレス及びSTA1に割り当てられたAIDを、接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージに含めてSTA1に送信する。
【0067】
9.STA1がAP MLDのピアツーピア論理エンティティから送信された接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージを受信した後、STA MLDはローカルのSTA1のアドレスを接続確立応答メッセージ又はリンク交換応答メッセージにおけるSTA1のアドレスに設定する。
【0068】
本願の実施例は、マルチリンク端末をさらに提供し、当該マルチリンク端末は上記実施例に係るマルチリンク端末の実行方法を実現することに用いられ、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することで実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上記機能に対応する一つ又は複数の手段を含み、例えば、論理エンティティ1などである。
【0069】
本願の実施例は、ネットワークアクセス装置をさらに提供し、当該ネットワークアクセス装置は上記実施例に係るネットワークアクセス装置の実行方法を実現することに用いられ、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することで実現されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上記機能に対応する一つ又は複数の手段を含み、例えば、論理エンティティ2、アドレス割り当て手段などである。
【0070】
本願の実施例は、マルチリンク端末をさらに提供し、マルチリンク端末は、プログラムを記憶するためのメモリと、上記メモリに結合されるプロセッサと、備え、上記プロセッサは、上記プログラムを実行することで、上記実施例に係るマルチリンク端末の実行方法を実現する。
【0071】
本願の実施例は、ネットワークアクセス装置をさらに提供し、ネットワークアクセス装置は、プログラムを記憶するためのメモリと、上記メモリに結合されるプロセッサと、備え、上記プロセッサは、上記プログラムを実行することで、上記実施例に係るマルチリンク端末の実行方法を実現する。
【0072】
本願の実施例は、コンピュータ命令を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ命令が端末で実行される場合、上記実施例に係るマルチリンク端末又はネットワークアクセス装置の実行方法を実現する。
【0073】
理解すべきことは、本願の様々な実施例において、上記各プロセスの番号の大きさは実行順序の前後を意味するものではなく、一部又は全部のステップを並列に実行するか又は前後に実行することができる。各プロセスの実行順序はその機能及び固有論理で決定されるべきであり、本願の実施例の実施プロセスに如何なる限定も構成しない。
【0074】
当業者であれば、本明細書に開示された実施例を参照して説明された各例の手段及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現されることができると理解できる。これらの機能がハードウェアで実行されるか又はソフトウェアで実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計制約条件に依存する。専門技術者は、各特定のアプリケーションに対して異なる方法を用いて説明された機能を実現することができるが、このような実現は本願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0075】
当業者であれば、説明の利便性及び簡潔のために、上記説明されたシステム、装置及び手段の具体的な動作過程に対して、上述の方法の実施例における対応する過程を参照することができるので、ここでは繰り返し説明しない。
【0076】
本願が提供するいくつかの実施例において、理解すべきことは、開示されたシステム、装置及び方法は、他の方式により実現されることができる。例えば、以上に説明された装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば、上記手段の分割は、論理機能の分割に過ぎず、実際に実現する時に他の分割方式を有してもよい。例えば、複数の手段又はアセンブリが結合してもよく又は他のシステムに統合されてもよく、或いは、いくつかの特徴を無視してもよく、或いは実行しなくてもいい。また、表示される又は議論される相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又は手段の間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0077】
前記分離部材として説明された手段は、物理的に分離されてもよく、物理的に分離されなくてもよい。手段として示された部材は、物理的手段であってもよく、又は物理的手段でなくてもよく、つまり一つの場所に位置してもよく、又は複数のネットワーク手段に分布されてもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全部の手段を選択して本実施例の解決手段の目的を達成することができる。
【0078】
また、本願の各実施例における各機能手段は、1つの処理手段に統合されてもよく、各手段が単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上の手段が1つの手段に統合されてもよい。
【0079】
前記機能は、ソフトウェア機能手段の形式で実現されかつ独立した製品として販売されるか又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。このような理解に基づいて、本願の技術案の本質又は従来技術に寄与する部分又は当該技術案の一部は、ソフトウェア製品の形式で表らすことができる。当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワーク装置又は端末装置などであってもよい)に本願の各実施例に記載された方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。上記の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0080】
本願の実施例において使用される用語は、特定の実施例を説明する目的のみであり、本発明を限定することを意図するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲に使用される単数の形式の「一種」、「上記」及び「当該」は、コンテキストに他の意味が明確に示されている場合を除いて、複数の形式を含む。さらに理解すべきことは、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、一つ又は複数の関連する、挙げられた項目の任意又は全ての可能な組み合わせを示しかつ含む。本明細書における符号「/」は、一般的に前後関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0081】
コンテキストに依存して、例えばここで使用された単語「~ば」又は「~と」は、「~時に」や「~場合に」や「決定に応答する」や「検出に応答する」と解釈される。類似に、コンテキストに依存して、フレーズ「決定すると」又は「検出すると(記述された条件又はイベント)」は、「決定した場合」又は「決定に応答する」又は「検出した場合(記述された条件又はイベント)」又は「検出に応答する(記述された条件又はイベント)」と解釈される。
【0082】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法における全部又は一部のステップの実現はプログラムにより関連ハードウェアを命令して完成することができ、上記プログラムは一つの装置の読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができ、当該プログラムは実行される時、上記全部又は一部のステップを含み、上記記憶媒体は、例えばFLASH(登録商標)、EEPROMなどである。
【0083】
上記のように、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲はこれに限定されるものではない。本願に開示された技術的範囲内で、任意の本技術分野に精通する当業者が容易に想到できる変更又は置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は、請求項の保護範囲を基準とすべきである。
【国際調査報告】