IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マックマスター、ユニバーシティーの特許一覧

特表2022-546932キメラ共刺激受容体ならびにその方法および使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】キメラ共刺激受容体ならびにその方法および使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20221102BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20221102BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20221102BHJP
   C07K 14/715 20060101ALI20221102BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20221102BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20221102BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221102BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20221102BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20221102BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221102BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C12N15/12
C07K19/00
C07K14/715
C07K14/705
C12N5/0783
C12N5/10
C12N15/63 Z
A61K35/17 A
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022508991
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 CA2020051245
(87)【国際公開番号】W WO2021051195
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/900,911
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】594073439
【氏名又は名称】マックマスター、ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】MCMASTER UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ブランソン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】マーヴィン,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA94X
4B065AB01
4B065AC20
4B065BA02
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB37
4C087NA14
4C087ZB26
4C087ZB27
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA51
4H045EA22
4H045EA28
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に記載されているのは、腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバーの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーからの細胞質共刺激シグナル伝達ドメインを有するキメラ共刺激受容体(CCR)分子である。CCRを発現するT細胞を有する医薬組成物、ならびに癌を治療するためのそのようなT細胞の方法および使用もまた提供される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項2】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第3のポリヌクレオチドが、TNFRSFの異なるメンバーに由来する、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項3】
前記第1のポリヌクレオチドが、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項4】
前記第1のポリヌクレオチドが、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項5】
前記第1のポリヌクレオチドがTNFR1の細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項6】
前記第1のポリヌクレオチドがTNFR2の細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項7】
前記第1のポリヌクレオチドがFasの細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項8】
前記第1のポリヌクレオチドがDR4の細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項9】
前記第1のポリヌクレオチドがDR5の細胞外ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項10】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項11】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項12】
前記第3のポリヌクレオチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項13】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項14】
前記第3のポリヌクレオチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項15】
前記第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項16】
前記第3のポリヌクレオチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項17】
前記第3のポリヌクレオチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項18】
前記第3のポリヌクレオチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項19】
前記第3のポリヌクレオチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項20】
前記第3のポリヌクレオチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項21】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項22】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項23】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項24】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項25】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項26】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項27】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項28】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第2のポリヌクレオチドが前記第3のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項29】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第3のポリヌクレオチドが前記第2のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項30】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第2のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第3のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項31】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第3のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第2のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項1に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項32】
キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項33】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項34】
前記第3のポリヌクレオチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項35】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項36】
前記第3のポリヌクレオチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項37】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項38】
前記第3のポリヌクレオチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項39】
前記第3のポリヌクレオチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項40】
前記第3のポリヌクレオチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項41】
前記第3のポリヌクレオチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項42】
前記第3のポリヌクレオチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項43】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項44】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項45】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項46】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項47】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項48】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項49】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項50】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第2のポリヌクレオチドが前記第3のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項51】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第3のポリヌクレオチドが前記第2のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項52】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第2のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第3のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項53】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第3のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第2のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項32に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項54】
キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項55】
前記第3のポリヌクレオチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項56】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項57】
前記第3のポリヌクレオチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項58】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項59】
前記第3のポリヌクレオチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項60】
前記第3のポリヌクレオチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項61】
前記第3のポリヌクレオチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項62】
前記第3のポリヌクレオチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項63】
前記第3のポリヌクレオチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項64】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項65】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号4に対して、オリゴペプチドを少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一である、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項66】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項67】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項68】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項69】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項70】
前記膜貫通ドメインおよび前記共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項71】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第2のポリヌクレオチドが前記第3のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項72】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第3のポリヌクレオチドが前記第2のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項73】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第2のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第3のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項74】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第3のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第2のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項54に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項75】
キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー6(TNFRSF6;Fas)の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項76】
前記第1のポリヌクレオチドが、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項77】
前記第3のポリヌクレオチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項78】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項79】
前記第3のポリヌクレオチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項80】
前記第3のポリヌクレオチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項81】
前記第3のポリヌクレオチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項82】
前記第3のポリヌクレオチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項83】
前記第3のポリヌクレオチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項84】
前記第3のポリヌクレオチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項85】
前記第3のポリヌクレオチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項86】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項87】
前記第3のポリヌクレオチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項88】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項89】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項90】
前記第2のポリヌクレオチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項91】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項92】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項93】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第2のポリヌクレオチドが前記第3のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項94】
前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第3のポリヌクレオチドが前記第2のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項95】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第2のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第3のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項96】
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または前記第3のポリヌクレオチドが、リンカーによって前記第2のポリヌクレオチドに間接的に結合されている、請求項75に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項97】
キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドであって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインを含む第1のオリゴペプチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドを含む第2のオリゴペプチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む第3のオリゴペプチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項98】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第3のオリゴペプチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項99】
前記第1のオリゴペプチドが、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項100】
前記第1のオリゴペプチドが、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項101】
前記第1のオリゴペプチドがTNFR1の細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項102】
前記第1のオリゴペプチドがTNFR2の細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項103】
前記第1のオリゴペプチドが、Fasの細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項104】
前記第1のオリゴペプチドがDR4の細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項105】
前記第1のオリゴペプチドがDR5の細胞外ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項106】
前記第1のオリゴペプチドが、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項107】
前記第1のオリゴペプチドが、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項108】
前記第3のオリゴペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項109】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項110】
前記第3のオリゴペプチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項111】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項112】
前記第3のオリゴペプチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項113】
前記第3のオリゴペプチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項114】
前記第3のオリゴペプチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項115】
前記第3のオリゴペプチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項116】
前記第3のオリゴペプチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項117】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項118】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項119】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、前記腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項120】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項121】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項122】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項123】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項124】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第2のオリゴペプチドが、前記第3のポリヌクレオチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項125】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第3のオリゴペプチドが、前記第2のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項126】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第2のオリゴペプチドが、リンカーによって前記第3のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項127】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第3のオリゴペプチドが、リンカーによって前記第2のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項97に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項128】
キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドであって、(a)腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)の細胞外ドメインを含む第1のオリゴペプチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドを含む第2のオリゴペプチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む第3のオリゴペプチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項129】
前記第1のオリゴペプチドが、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項130】
前記第3のオリゴペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項131】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項132】
前記第3のオリゴペプチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項133】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項134】
前記第3のオリゴペプチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項135】
前記第3のオリゴペプチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項136】
前記第3のオリゴペプチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項137】
前記第3のオリゴペプチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項138】
前記第3のオリゴペプチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項139】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項140】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項141】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項142】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項143】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項144】
前記膜貫通ドメインポリペプチドおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項145】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項146】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第2のオリゴペプチドが前記第3のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項147】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第3のオリゴペプチドが前記第2のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項148】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第2のオリゴペプチドは、リンカーによって前記第3のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項149】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第3のオリゴペプチドが、リンカーによって前記第2のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項128に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項150】
キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドであって、(a)腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)の細胞外ドメインを含む第1のオリゴペプチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドを含む第2のオリゴペプチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む第3のオリゴペプチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項151】
前記第3のオリゴペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項152】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項153】
前記第3のオリゴペプチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項154】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項155】
前記第3のオリゴペプチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項156】
前記第3のオリゴペプチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項157】
前記第3のオリゴペプチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項158】
前記第3のオリゴペプチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項159】
前記第3のオリゴペプチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項160】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項161】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項162】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項163】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項164】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項165】
前記膜貫通ドメインポリペプチドおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項166】
前記膜貫通ドメインおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項167】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第2のオリゴペプチドが前記第3のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項168】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第3のオリゴペプチドが前記第2のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項169】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第2のオリゴペプチドが、リンカーによって前記第3のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項170】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第3のオリゴペプチドが、リンカーによって前記第2のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項150に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項171】
キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドであって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー6(TNFRSF6;Fas)の細胞外ドメインを含む第1のオリゴペプチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドを含む第2のオリゴペプチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドを含む第3のオリゴペプチドを含む、キメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項172】
前記第1のオリゴペプチドが、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項173】
前記第3のオリゴペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項174】
前記第3のオリゴペプチドが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項175】
前記第3のオリゴペプチドが、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項176】
前記第3のオリゴペプチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項177】
前記第3のオリゴペプチドが、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項178】
前記第3のオリゴペプチドが、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項179】
前記第3のオリゴペプチドが、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項180】
前記第3のオリゴペプチドが、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項181】
前記第3のオリゴペプチドが、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインを含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項182】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項183】
前記第3のオリゴペプチドが、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項184】
前記膜貫通ドメインポリペプチドが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項185】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項186】
前記第2のオリゴペプチドが、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一の配列を含む、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸。
【請求項187】
前記膜貫通ドメインポリペプチドおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項188】
前記膜貫通ドメインポリペプチドおよび前記細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項189】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第2のオリゴペプチドが前記第3のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項190】
前記第1のオリゴペプチドおよび前記第3のオリゴペプチドが、前記第2のオリゴペプチドに直接的におよび/または間接的に結合されている、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項191】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第2のオリゴペプチドは、リンカーによって前記第3のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項192】
前記第1のオリゴペプチドおよび/または前記第3のオリゴペプチドは、リンカーによって前記第2のオリゴペプチドに間接的に結合されている、請求項171に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項193】
配列番号7に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項194】
配列番号8に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項195】
配列番号9に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項196】
配列番号10に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチド。
【請求項197】
請求項1~96のいずれか一項に記載の核酸を含むT細胞。
【請求項198】
前記T細胞が細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である、請求項197に記載のT細胞。
【請求項199】
操作されたT細胞受容体(TCR)または標的特異的リガンドを認識できる合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸をさらに含む、請求項197に記載のT細胞。
【請求項200】
前記標的特異的リガンドが癌性細胞上の抗原に結合する、請求項197に記載のT細胞。
【請求項201】
合成抗原受容体ポリヌクレオチドがキメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTEである、請求項197に記載のT細胞。
【請求項202】
合成抗原受容体ポリヌクレオチドがT細胞抗原カプラー(TAC)である、請求項197に記載のT細胞。
【請求項203】
請求項97~194のいずれか一項に記載のポリペプチドを含むT細胞。
【請求項204】
前記T細胞が細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である、請求項203に記載のT細胞。
【請求項205】
標的特異的リガンドを認識できる操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをさらに含む、請求項203に記載のT細胞。
【請求項206】
標的特異的リガンドが癌性細胞上の抗原に結合する、請求項203に記載のT細胞。
【請求項207】
合成抗原受容体ポリペプチドがキメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTEである、請求項203に記載のT細胞。
【請求項208】
合成抗原受容体ポリペプチドがT細胞抗原カプラー(TAC)である、請求項203に記載のT細胞。
【請求項209】
請求項197~208のいずれか一項に記載のT細胞を個体に投与する工程を含む、治療を必要とする個体の癌を治療する方法。
【請求項210】
前記癌が白血病またはリンパ腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項211】
前記癌が混合系統白血病(MLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、または濾胞性リンパ腫に起因する大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項212】
前記癌が、肺癌、乳癌、結腸癌、多発性骨髄腫、膠芽細胞腫、胃癌(gastric cancer)、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、または黒色腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項213】
前記癌が肺癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項214】
前記癌が乳癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項215】
前記癌が結腸癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項216】
前記癌が多発性骨髄腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項217】
前記癌が膠芽細胞腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項218】
前記癌が胃癌(gastric cancer)である、請求項209に記載の方法。
【請求項219】
前記癌が卵巣癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項220】
前記癌が胃癌(stomach cancer)である、請求項209に記載の方法。
【請求項221】
前記癌が結腸直腸癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項222】
前記癌が尿路上皮癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項223】
前記癌が子宮内膜癌である、請求項209に記載の方法。
【請求項224】
前記癌が黒色腫である、請求項209に記載の方法。
【請求項225】
(a)請求項197~208のいずれか一項に記載のT細胞、および(b)薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項226】
(a)請求項1~96のいずれか一項に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸、および(b)哺乳動物細胞において機能するプロモーターを含む、ベクター構築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/900,911号からの優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
分野
本出願は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに由来するキメラ受容体に関する。特に、本出願は、免疫細胞を共刺激することができるキメラ腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー受容体、ならびにそれらに関連する方法および癌治療への使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
免疫監視は、形質転換された細胞について身体を継続的にモニターする免疫系の能力である。癌はこのシステムを回避し、免疫制御から逃れることができる。T細胞は、免疫監視と癌制御の主要な要因であると考えられている。過去数十年にわたって、腫瘍に応答して根絶するためにT細胞の生来の能力を利用することを試みる治療法が開発されてきた。最初のアプローチでは、自己の天然に存在する腫瘍浸潤リンパ球を使用し、これらのリンパ球は、インビトロで増殖させて多くの数を得て、患者に再注入された。これらのアプローチに対して、末梢血単核細胞(PBMC)からT細胞を分離すること、およびこれらを操作して改変されたT細胞受容体を発現することによって、改善が行われた。他のアプローチは、限られた有効性で、標的化された二重特異性抗体を用いてインビボでT細胞を刺激または再方向付けすることに焦点を合わせてきた。
【0004】
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は、T細胞受容体(TCR)、細胞傷害性エフェクター分子および分泌されたサイトカインを介して、形質転換細胞および/またはウイルス感染細胞の同定およびクリアランスを媒介する。自然のTCR成熟は、MHC依存性TCR相互作用を通して抗原を認識するために、複数ラウンドの選択を受ける。MHC-TCR相互作用は、T細胞の活性化を開始し、腫瘍細胞に作用するエフェクター分子の放出を引き起こして、アポトーシスを感作および誘導する。癌性細胞は、しばしばMHCペプチド提示機構に障害があり、抗原提示のダウンレギュレーションを生じる。抗原の喪失、したがって形質転換細胞の認識の喪失は、適応免疫応答を弱める。非MHC制限合成抗原受容体を有する操作されたT細胞の使用は、適応免疫系が負担をクリアするために十分な強力な応答を生成していない腫瘍を標的とする戦略を提供する。非MHC制限合成抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)、三機能抗原受容体(TAC)、および抗原結合後にT細胞を活性化できる他の受容体を含む新しいクラスのT細胞活性化受容体を包含する。これらの新規合成抗原受容体を発現するように設計されたT細胞は、ネイティブTCRに加えて、新規抗原を標的とする能力を獲得し、腫瘍-抗原相互作用時に、認識およびT細胞活性化を媒介する。興味深いことに、これらの受容体は、天然のTCRレパートリーを超えてエピトープを標的とする能力を可能にし、炭水化物および糖脂質などの分子まで抗原選択を拡大する。操作T細胞療法は、MHCに制限されていない腫瘍抗原を標的とする能力、PBMCの入手の容易さ、およびアゴニスト抗体の全身投与を超えた安全性の向上により、癌治療への魅力的なアプローチを提供する。CARで操作されたT細胞の臨床的成功は、この新たなクラスの細胞薬物の実現可能性および治療効力を確立した。
【0005】
共刺激/共抑制シグナルは、TCRライゲーションと同時に起こり、T細胞機能を調節するシグナルである。共刺激/共抑制シグナルのタイプおよび強度は、適応免疫応答の進行を決定付ける。腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)およびリガンドは、鍵となる共刺激/共抑制分子である。TNFRSFのメンバーは、複数の方法でT細胞の応答を媒介する。炎症環境に依存して、TNFRSFによって伝播されるシグナルは、抗原に応答して、および記憶応答中に、ナイーブT細胞から生成されるメモリーT細胞へのエフェクターの分化を刺激または抑制する可能性がある。T細胞は、ナイーブ、エフェクター、記憶の各段階を含む、応答の各段階で固有の活性化または生存シグナルを受け取り、共刺激シグナルは、これらの応答を駆動する主要な構成要素である。興味深いことに、共刺激シグナルが使用されて、共抑制シグナルを制限しながらT細胞応答を駆動することができる。しかし、これらの応答がどのように調整されるかは完全には理解されていない。いくつかのTNFRSFの発現は、T細胞の活性化に続いて誘導されることが示され、これらの分子の発現は遍在しないことから、これらの分子がさまざまな集団の免疫応答を調節する役割を果たしている可能性が示唆されている。また、さまざまな刺激が、抗原提示細胞(APC)によるTNFRSFリガンドの発現を促進する可能性があり、これには、先天性(細菌性リガンド)および適応シグナル(炎症性サイトカイン)が含まれる。したがって、TNFRSFは、適応免疫応答の各段階で、T細胞上の受容体の発現と他の免疫細胞でのリガンド発現の両方を介してT細胞免疫を調節するために役立つ。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明者らは、様々な腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)受容体からの機能的ドメインから構成されるキメラ共刺激受容体(CCR)が、T細胞刺激応答を含む所望の応答に対するTNFRSFリガンドによって引き起こされるシグナル伝達を再プログラムできることを実証した。
【0007】
したがって、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)のメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)、腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)、Fas受容体、デスドメイン4(DR4)、デスドメイン5(DR5)、デスドメイン3(DR3)、デスドメイン6(DR6)、外胚葉異形成受容体(EDAR)、。A2受容体(XEDAR)、TROY、または神経成長因子受容体(NGFR)の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR2の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、Fasの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR4の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR5の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。第1のポリヌクレオチドは、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインポリペプチドは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。
【0008】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体1の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含むキメラ共刺激受容体(CCR)核酸である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、配列番号1に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインポリペプチドは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。
【0009】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体2の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド。(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド;(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含む、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸である。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインポリペプチドは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。第2のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。
【0010】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー6(TNFRSF6;Fas)の細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含むキメラ共刺激受容体(CCR)核酸である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、配列番号2に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインである。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号3に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインポリペプチドは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号5に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。第2のポリヌクレオチドは、配列番号6に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的におよび/または間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。
【0011】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、本明細書に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸によってコードされるポリペプチドである。
【0012】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、配列番号7に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドである。
【0013】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、配列番号8に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドである。
【0014】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、配列番号9に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドである。
【0015】
本明細書でさらに開示されるのは、特定の実施形態において、配列番号10に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%同一であるキメラ共刺激受容体(CCR)ポリペプチドである。
【0016】
さらに、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、本明細書に記載のキメラ共刺激受容体(CCR)核酸を発現するか、または本明細書に開示されるポリペプチドを含むT細胞である。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。
【0017】
また、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(例えば、治療を必要とする対象における癌を治療するための)T細胞であって、(a)本明細書に開示されるキメラ共刺激受容体(CCR)核酸、(b)標的特異的リガンドを認識できる操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸を含むT細胞である。いくつかの実施形態において、標的特異的リガンドは、癌性細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTE(二重特異性T細胞エンゲージャー)である。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、T細胞抗原カプラー(TAC)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。
【0018】
また、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(例えば、治療を必要とする対象における癌を治療するための)T細胞であって、上記T細胞は、(a)(i)腫瘍壊死因子受容体1からの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(ii)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(iii)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)含むキメラ共刺激受容体(CCR)核酸、ならびに(b)標的特異的リガンドを認識できる、操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、標的特異的リガンドは、癌性細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTE(二重特異性T細胞エンゲージャー)である。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、T細胞抗原カプラー(TAC)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。
【0019】
また、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(例えば、治療を必要とする対象における癌を治療するための)T細胞であって、上記T細胞は、(a)(i)腫瘍壊死因子受容体2からの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(ii)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(iii)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含むキメラ共刺激受容体(CCR)核酸、ならびに(b)標的特異的リガンドを認識できる操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、標的特異的リガンドは、癌性細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTE(二重特異性T細胞エンゲージャー)である。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、T細胞抗原カプラー(TAC)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。
【0020】
また、本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(例えば、治療を必要とする対象における癌を治療するための)T細胞であって、上記T細胞は、(a)(i)Fas受容体からの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(ii)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(iii)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含むキメラ共刺激受容体(CCR)核酸、ならびに(b)標的特異的リガンドを認識できる操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸の第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、標的特異的リガンドは、癌性細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞抗原カプラー(TAC)、またはBiTE(二重特異性T細胞エンゲージャー)である。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、T細胞抗原カプラー(TAC)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。
【0021】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、治療を必要とする個体における癌を治療する方法であって、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸を含む免疫細胞を個体に投与する工程を含み、上記免疫細胞は、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、免疫細胞はT細胞である。いくつかの実施形態において、T細胞は、操作されたT細胞である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はナチュラルキラー細胞(NK細胞)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はマクロファージである。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は単球である。いくつかの実施形態では、免疫細胞はB細胞である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、本明細書に開示される免疫細胞である。いくつかの実施形態では、癌は白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は、混合系統白血病(MLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、または濾胞性リンパ腫に起因する大細胞型B細胞リンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌、乳癌、結腸癌、多発性骨髄腫、膠芽細胞腫、胃癌(gastric cancer)、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、または黒色腫である。いくつかの実施形態では、癌は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は乳癌である。いくつかの実施形態では、癌は結腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、癌は膠芽細胞腫である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌(gastric cancer)である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は胃癌(stomach cancer)である。いくつかの実施形態では、癌は尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。
【0022】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、医薬組成物であって、(a)(i)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(ii)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(iii)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)、ならびに(b)薬学的に許容可能な担体を含む、免疫細胞を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROYまたはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR2の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、Fasの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、T細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、単球、またはB細胞である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、本明細書に開示される免疫細胞である。
【0023】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(a)本明細書に開示されるキメラ共刺激受容体(CCR)、および(b)哺乳動物細胞において機能するプロモーターを含むベクター構築物である。
【0024】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、本明細書に開示されるベクター構築物でトランスフェクトされた、単離もしくは操作されたTリンパ球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、腫瘍浸潤リンパ球または単球である。
【0025】
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、出願の実施形態を示すが、例示としてのみ与えられ、特許請求の範囲は、これらの実施形態によって限定されるべきではなく、全体としての説明と一致する最も広い解釈が与えられるべきであることを理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここで、本出願の実施形態を、以下の添付の図面を参照してより詳細に説明する。
図1】TNFR1-4-1BBキメラ共刺激受容体の原理である。ネイティブT細胞受容体(TCR)との関連におけるTNFR1-4-1BBキメラ共刺激受容体(CCR)の仮想生物学を図解する。TCRのライゲーション後に活性化T細胞によって分泌されるTNFαはTNFαの産生をもたらし、これがCCRをライゲーションし、生存率の向上につながる下流経路の活性化を促進する。
図2A】キメラ共刺激受容体(CCR)の設計である。図2Aは、ネイティブTNFR1の細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両方を含むTNF-ブロッカー受容体である、全長ネイティブTNFR1受容体(a)を、切断された非シグナル伝達細胞質ドメイン(b)、ならびに、4-1BBの細胞質共刺激シグナル伝達ドメインに結合したTNFR1の細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインを含むキメラ共刺激受容体(c)と比較する。
図2B】キメラ共刺激受容体(CCR)の設計である。図2Bは、ネイティブFasの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両方を含むFas-TRUNC受容体である、全長ネイティブFas受容体(a)を、切断された非シグナル伝達細胞質ドメイン(b)、ならびに、4-1BBまたはBAFFRの細胞質共刺激シグナル伝達ドメインに結合したFasの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインを含むFasキメラ(c)と比較する。
図3】TNFR1-4-1BBはNFκBプロモーターの発現を増強する図である。TNFR融合受容体シグナル伝達活性は、3×NFκBエンハンサーエレメントの制御下で、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を使用して評価された。図2AからのTNFR融合受容体は、NFκB-ルシフェラーゼレポータープラスミドとともにHEK293TM細胞株に個別に導入された。ルシフェラーゼ活性は、TNFR融合受容体のリガンドであるTNFαの濃度を上げながら測定した。ネイティブTNFR1受容体を有するHEK293TM細胞は、NFκBレポーター活性の用量依存的な増加を示した。TNF-ブロッカー受容体は、TNFαリガンドの増加に応答して、レポーター活性の無効化を示した。TNFR1-4-1BB CCRは、すべての濃度のTNFαでNFκBレポーター活性を増強することを実証した。
図4】CCR刺激によるIκBαの時間依存性分解である。IκBαの分解は、活性NFκBの放出をもたらす。ジャーカット細胞株を形質導入して、シグナル伝達ドメインを含まないTNFR1-4-1BB CCRまたはTNF-ブロッカー受容体を発現させた(図2Aを参照)。ジャーカット細胞を20ng/ml TNFαで0、5、15、30、45分間刺激した。CCRで操作されたジャーカット細胞は、操作されていない野生型細胞と比較して、IκBαの分解が増加している。TNF-ブロッカー受容体は、評価されたすべての時点でIκBα分解を無効にした(n=4)。
図5】p38の時間依存性リン酸化である。p38 MAPKのリン酸化および活性化は、p38遺伝子のアップレギュレーションをもたらす。ジャーカット細胞株は、シグナル伝達ドメインを含まないCCRまたはTNF-ブロッカー受容体を発現するように形質導入された(図2Aを参照)。ジャーカット細胞を20ng/ml TNFαで0、5、15、30、45分間刺激した。CCRで操作されたジャーカット細胞では、操作されていない野生型細胞と比較して、p38のリン酸化が増加している。TNF-ブロッカー受容体は、評価されたすべての時点でp38リン酸化を妨害し無効にした(n=1)。
図6図6Aおよび6Bは、初代ヒトT細胞サブセットにおけるTNFR1-4-1BB CCRの表面発現である。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたヒトPBMCは、TNFR1-4-1BB CCRで操作された。培養の14日目に、操作された細胞をCCRについて染色し、フローサイトメトリーによって評価した。図6AはCD4+T細胞を表し、図6BはCD8+T細胞を表す。
図7】インビトロでのTNFR1-4-1BB CCR形質導入初代ヒトT細胞の増殖速度である。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたヒトPBMCは、TNFR1-4-1BB CCRで操作された。生細胞数は、14日間の培養期間にわたって記録された。
図8図8Aおよび図8Bは、サイトカイン除去後のTNFR1-4-1BB CCRを発現するT細胞の生存を示す。図8Aは、成長因子を補充せずに抗CD3単独で刺激されたT細胞を示す。図8Bは、サイトカインを補充せずにTNFα単独で刺激されたT細胞を示す。
図9】TNFR1-4-1BB CCR刺激がサイトカインプロファイルを変化させる図である。TNFR1-4-1BB CCRで操作されたT細胞は、抗CD3刺激後のサイトカイン産生について培養の14日目に試験された。細胞を、ゴルジ輸送阻害剤(GolgiPlug(登録商標))の存在下で、抗CD3コートしたプレート上で4時間インキュベートした。細胞を染色し、細胞内サイトカイン産生についてフローサイトメトリーで評価した。
図10】2A発現系で操作されたTAC+CCR T細胞の表現型。T細胞は、0日目に抗CD3/抗CD28ビーズで活性化された。1日後、T細胞に、骨髄腫タンパク質、BCMAに対するTAC受容体を有するレンチウイルス、またはピコルナウイルス2A配列によって分離されたTNFR1-4-1BB CCRを伴う、同じTAC受容体(TAC+CCR)をコードするレンチウイルスのいずれかを形質導入した。細胞は、IL2およびIL7を有する培養中で、2日ごとに新鮮な培地を添加して維持した。フローサイトメトリーによる表面TACおよびCCRの染色および検出は、培養の14日目に実行した。2AシステムにおけるTACの表面タンパク質レベルは、単一発現系よりも低かった。TNFR1-4-1BB CCRタンパク質は、2A操作T細胞の表面で検出された。
図11】TAC+CCR T細胞はBCMA+腫瘍細胞標的の溶解を実証する。インビトロ腫瘍標的のT細胞媒介性溶解。T細胞は、ルシフェラーゼ酵素を発現するKMS11腫瘍標的とともに24時間共インキュベートされた。ルシフェラーゼ活性は、腫瘍細胞溶解の尺度として使用された。UT(非操作)T細胞は、KMS11腫瘍標的の検出不可能な腫瘍崩壊を実証した。TACまたはTAC+CCRで操作されたT細胞は、図10に記載される通りである。両方の操作されたT細胞集団は、24時間のアッセイにわたって腫瘍標的の同様の溶解を実証した。
図12】CCRで操作されたTAC T細胞は、刺激による炎症性サイトカインの産生が少ない。操作されたT細胞は、ゴルジ輸送阻害剤(Golgi Plug)の存在下でKMS11腫瘍標的と共インキュベートされた。4時間の共インキュベーション後、細胞内サイトカイン産生について細胞を染色した。サイトカインIL2、TNFα、およびIFNγを評価した。TAC T細胞は、同族のリガンドを認識した後、TNFαとIFNγを容易に産生する。TNFR1-4-1BB CCRを共発現するTAC T細胞は、サイトカイン分泌細胞の産生が少ないようである。
図13図13A-Bは、TAC+CCR操作T細胞の増殖および富化である。図13Aは、増殖する操作されたT細胞の希釈ピークを示すCellTrace(商標)Violetヒストグラムを示す。図13Bは、CD4およびCD8 T細胞の分裂指数および増殖指数の定量化を示す。データ点は、対の増殖アッセイを示す。分裂指数は、分裂細胞となったT細胞の平均数を表す。増殖アッセイは、最初の細胞T細胞となった平均数を表す。BCMA特異的TACおよびTNFR1-4-1BB CCRを発現するように設計されたCD8+およびCD4+T細胞(TAC+COSTIM)は、BCMA特異的TAC単独を発現するT細胞(TAC)と比較して高い分裂指数値を示した。BCMA特異的TACおよびTNFR1-4-1BB CCRを発現するように設計されたCD4+T細胞(TAC+COSTIM)は、BCMA特異的TACのみを発現するCD4+T細胞(TAC)よりも高い増殖指数値を示した(*p<0.05)。
図14】TNFRSFスクリーニングのための抗CD3刺激増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、TNFR1-4-1BB CCR、TNF-ブロッカー、およびNGFR(形質導入対照)で操作された。培養の14日目に、操作された細胞は、プレート結合抗CD3刺激を5日間行った後、増殖について評価した。細胞をCellTrace(商標)Violetで標識し、生成ピークをフローサイトメトリーで評価した。プレート結合抗CD3は、すべてのグループにおいて、CD4とCD8T細胞の両方で増殖を刺激した。TNFR1-4-1BB CCRで操作されたCD4+およびCD8+T細胞は、NGFRまたはTNF-ブロッカーで操作された細胞よりも増殖性が高かった。
図15】CD4+およびCD8+T細胞のTNFRSF CCR操作効率。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、Y軸に列挙されたTNFRSF CCR構築物で操作された。培養の14日目に、バルク細胞集団の操作効率を評価した。遺伝子カセットに含まれる形質導入マーカーであるNGFRについて細胞を染色した。細胞はリンパ球/単一細胞/CD4+またはCD8+/NGFR+でゲートされた(N=1-5)。
図16】CCRの平均蛍光強度。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、Y軸に列挙されたTNFRSF CCRスクリーニング構築物で操作された。培養の14日目に、操作された細胞のCCR表面発現について評価した。細胞を、CCR(TNFR1)の細胞外部分について染色した。CCR MFIは、集団ゲートリンパ球/単一細胞/CD4+またはCD8+/NGFR+に対して計算された。CCR MFIは、実験間のバッチ効果を修正するために、元のTNFR1-4-1BB CCR(OG4-1BB)MFIに正規化されて報告される(N=1-5)。
図17】CCR T細胞の増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、Y軸に列挙されたTNFRSF CCRスクリーニング構築物で操作された。培養物には、2日ごとに新鮮な培地とサイトカインを供給した。培養14日目に、バルク細胞集団について生細胞数を記録した。培養は10個のPBMCで開始された。NGFRで形質導入された対照は赤色でマークされる(N=1-5)。
図18】CD4 CCR T細胞増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、Y軸に列挙されたTNFRSF CCRスクリーニング構築物で操作された。培養の14日目に、プレートに結合した抗CD3で5日間刺激した後、操作された細胞を増殖について評価した。細胞をCellTrace(商標)Violetで標識し、生成ピークをフローサイトメトリーで評価した。増殖はFCS Express(登録商標)増殖モデリングによって定量化され、増殖指数によって表される。NGFR形質導入マーカー単独で操作された対照細胞が識別される(赤色の線)。細胞集団は、生細胞/リンパ球/単一細胞/CD4+/NGFR+でゲートされた。NGFRで形質導入された対照は赤色でマークされる。
図19】CD8 CCR T細胞増殖スクリーニング。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、Y軸に列挙されたTNFRSF CCRスクリーニング構築物で操作された。培養の14日目に、プレートに結合した抗CD3で5日間刺激した後、操作された細胞を増殖について評価した。細胞をCellTrace(商標)Violetで標識し、生成ピークをフローサイトメトリーで評価した。増殖はFCS Express(登録商標)増殖モデリングによって定量化され、増殖指数によって表される。NGFR形質導入マーカーの単独で操作された対照細胞が識別される(赤色の線)。細胞集団は、生細胞/リンパ球/単一細胞/CD8+/NGFR+でゲートされた。NGFRで形質導入された対照は赤色でマークされる。
図20】CCRスクリーニング構築物のクラスタリング重心の相関ヒートマップ。TNFRSF CCR操作されたT細胞の表現型および機能的データは、主成分分析(PCA)およびK-meansクラスタリングによって分析された。クラスタリング重心の相関ヒートマップは、類似した属性を有するCCRをグループ化する。異なる膜貫通ドメインとシグナル伝達ドメインは、樹状図でのグループ化を示すために異なる色で示される。分析で特定されたグループは、さらなる調査に重要なCCRを強調するのに役立つ。
図21図21A-Bは、CCR T細胞の増殖を示す。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激され、IL2およびIL7中で増殖されたPBMCは、TNFR1-4-1BB、TNFR1-BAFFR、TNF-ブロッカー、またはNGFR(形質導入対照)で操作された。培養の14日目に、プレートに結合した抗CD3で5日間刺激した後、操作された細胞を増殖について評価した。細胞をCellTrace(商標)Violetで標識し、生成ピークをフローサイトメトリーで評価した。増殖はFCS Express(登録商標)増殖モデリングによって定量化され、増殖指数によって表される。示される値は、ドナー内でNGFR(形質導入対照)に正規化される。すべての条件において、プレートに結合した抗CD3刺激は、CD4とCD8Tの両方の細胞サブセットで増殖をもたらした。図21Aは、TNFR-BAFFRおよびTNFR1-4-1BBC CRで操作されたCD4T細胞が、NGFRまたはTNF-ブロッカーで操作された細胞よりも5日間にわたって増殖性が高かったことを示す。図21Bにおいて、TNFR-BAFFRおよびTNFR1-4-1BB CCRで操作されたCD8T細胞は、NGFRまたはTNF-ブロッカーで操作された細胞よりも、5日間にわたって増殖性が高かった(*=p<0.05)。
図22図22A-Bは、CCR操作T細胞の細胞内サイトカイン産生を示す。CCR受容体で操作されたT細胞は、抗CD3刺激後のサイトカイン産生について、培養の14日目に試験された。細胞を、ゴルジ輸送阻害剤(GolgiPlug(登録商標))の存在下で、抗CD3コートされたプレート上で4時間インキュベートした。細胞を染色し、細胞内サイトカイン産生についてフローサイトメトリーによって評価した。図22Aは、刺激時に高いパーセンテージのT細胞がIFNγを分泌することを示す。4-1BB/BAFFR CCRまたはTNF-ブロッカーのいずれかで操作されたT細胞は、NGFR形質導入対照と比較してIFNγ産生を変化させなかった。図22Bは、高いパーセンテージの531(NGFR形質導入対照)操作されたT細胞が、抗CD3刺激時にTNFαを産生することを示す。TNF-ブロッカー、BAFFR、または4-1BB CCRで操作された細胞は、CD4+とCD8+T細胞の両方のサブセットで刺激を受けた後、TNFαを発現するT細胞の量が減少する。
図23図23A-CはTNFR融合構築物を示す。PCRおよびpCCLベクターへのライゲーションのためのTNFR融合構築物の代表的な図である。図23Aは、全長TNFR1ネイティブ受容体が、TNFR融合物の特徴付けにおける対照受容体としての使用のためにクローニングされたことを例証する。図23Bは、TNFR1受容体の細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両方を、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインに融合することによってCCR受容体がクローニングされ、共刺激TNFR1-4-1BB CCR受容体を作製したことを示す。図23Cは、ドミナントネガティブ受容体としての使用を例証しており、ネイティブTNFR1受容体は、細胞質シグナル伝達ドメインを除去するために短縮化され、TNFブロッカー受容体と称した。
図24】Fas-キメラT細胞の操作効率。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCを、図2Bに記載されるような、短縮型Fas(FasR-TRUNC)をコードするレンチウイルス、またはFasの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインならびに4-1BBまたはBAFF-Rの細胞質ドメインを含むFasキメラのいずれか(それぞれ、Fas-41BBおよびFas-BAFFR)で形質導入した。対照として、PBMCにNGFRをコードするレンチウイルスを形質導入した。細胞をIL2/IL7中で増殖させ、2日ごとに新鮮な培地を添加した。培養の14日目に、細胞を収集し、フローサイトメトリーを介する形質導入効率のために染色した。プロットのX軸は、指定された受容体を発現するように設計されたT細胞を示す(n=3、独立した実験)。
図25図25A-Bは、Fasキメラ操作T細胞の表面発現を示す。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCを、図2Bに記載されるような、短縮型Fasをコードするレンチウイルス(FasR-TRUNC)、またはFasの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインならびに4-1BBまたはBAFF-Rの細胞質ドメインを含むFasキメラ(それぞれ、Fas-41BBおよびFas-BAFFR)のいずれかを形質導入した。対照として、PBMCにNGFRをコードするレンチウイルスを形質導入した。細胞をIL2/IL7中で増殖させ、2日ごとに新鮮な培地を添加した。培養の14日目に、細胞を収集し、フローサイトメトリーを介してFasについて染色した。図25Aは、ベースライン発現を超えるFasを示すNGFR陽性細胞%として示される、Fasキメラ操作T細胞におけるFasおよびNGFR発現のドットプロットである。図25Bは。操作されたT細胞におけるFas発現(MFI)の棒グラフである。NGFRを超えるFas発現は、修飾されたFas受容体の間接的な尺度である。X軸は、指定された受容体を発現するように設計されたT細胞を示す。((n=3)、独立した実験)。
図26】初期拡大中のFasキメラT細胞の増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCを、図2Bに記載されるような、短縮型Fas(FasR-TRUNC)をコードするレンチウイルス、またはFasの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインならびに4-1BBまたはBAFF-Rの細胞質ドメインを含むFasキメラ(それぞれ、Fas-41BBおよびFas-BAFFR)のいずれかで形質導入した。対照として、PBMCにNGFRをコードするレンチウイルスを形質導入した。細胞は、2日ごとに新鮮な培地を補充したIL2/IL7中で増殖させた。培養の14日目に細胞拡大を総生細胞数として測定した。x軸は、指定された受容体を発現するように操作されたT細胞を示す(n=3、独立した実験)。
図27A】Fas操作されたT細胞の増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCは、改変されたFas受容体を発現するか(Fas-TRUNC、Fas-4-1BB、Fas-BAFFR)、または受容体を発現しない(NGFR)ように操作された。操作されたT細胞はCell Trace Violetで標識され、抗CD3で刺激され、そして4日間培養された。増殖はFCS Express(登録商標)増殖モデリングによって定量化され、操作されていないものに対して正規化された増殖指数によって表される。x軸は、CD8(図27A)またはCD4(図27B)を発現するように操作された刺激されたT細胞を示す(n=3、独立した実験)。
図27B】Fas操作されたT細胞の増殖。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCは、改変されたFas受容体を発現するか(Fas-TRUNC、Fas-4-1BB、Fas-BAFFR)、または受容体を発現しない(NGFR)ように操作された。操作されたT細胞はCell Trace Violetで標識され、抗CD3で刺激され、そして4日間培養された。増殖はFCS Express(登録商標)増殖モデリングによって定量化され、操作されていないものに対して正規化された増殖指数によって表される。x軸は、CD8(図27A)またはCD4(図27B)を発現するように操作された刺激されたT細胞を示す(n=3、独立した実験)。
図28】FasLの存在下でのFasキメラT細胞の生存率を示す。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCは、改変されたFas受容体(Fas-TRUNC、Fas-4-1BB、Fas-BAFFR)を発現するか、または受容体を発現しない(NGFR)ように操作された。操作されたT細胞は、増加濃度のFasLの存在下で培養された。生存率は、AlamarBlueによって48時間後に測定された(n=3回の反復、3回の独立した実験を表す図)。
図29】増殖しているFas操作T細胞のAlamarBlueアッセイを示す。抗CD3/抗CD28ビーズで活性化されたヒトPBMCは、改変されたFas受容体(Fas-TRUNC、Fas-4-1BB、Fas-BAFFR)を発現するか、またはまたは受容体を発現しない(NGFR)ように操作された。操作されたT細胞はCell Trace Violetで標識され、抗CD3で刺激され、増加濃度のFasLの存在下または非存在下で(x軸)、4日間培養された。増殖はAlamarBlueによって測定された。凡例:指定された受容体で操作されたT細胞。(n=3回の反復、3回の独立した実験を表す)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
定義
本明細書で使用される「細胞」という用語は、単一の細胞ならびに複数の細胞を含む。
【0028】
本明細書で使用される「T細胞」という用語は、細胞性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球のタイプを指す。Tリンパ球とも呼ばれるT細胞は、細胞表面にT細胞受容体(TCR)が存在することにより、B細胞やナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球と区別できる。Tヘルパー細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞、制御性T細胞、ナチュラルキラーT細胞を含むがこれらに限定されない、異なる機能を有するT細胞のサブセットがいくつか存在する。いくつかの実施形態において、T細胞は、操作されたT細胞である。
【0029】
「操作されたTCR」または「操作されたT細胞受容体」という用語は、その天然に存在する形態から改変された任意のTCRを意味する。操作されたTCRは、TCRが特定の抗原(例えば、新抗原)を認識できるようにするアルファおよび/またはベータ鎖、あるいはガンマおよび/またはデルタ鎖(前述の鎖のいずれかの置き換えを含む)に対する改変を有し得る。操作されたTCRは、抗原認識ドメイン(例えば、抗体、scFv、DARPin)の追加を含む、任意のCD3サブユニット(例えば、TRuC受容体の場合のようにCD3ε)への改変を有し得る。操作されたTCRは、アルファおよび/またはベータ鎖、あるいはガンマおよび/またはデルタ鎖の膜貫通ドメインに結合された抗原認識ドメイン(例えば、抗体、scFv、DARPin)を有し得る。
【0030】
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」および/または「核酸配列」および/または「核酸」という用語は、塩基、糖および糖間(骨格)結合からなるヌクレオシドまたはヌクレオチドモノマーの配列を指す。この用語はまた、天然に存在しないモノマーまたはその一部を含む修飾または置換された配列を含む。本出願の核酸配列は、デオキシリボ核酸配列(DNA)またはリボ核酸配列(RNA)であり得、そしてアデニン、グアニン、シトシン、チミジン、およびウラシルを含む天然に存在する塩基を含み得る。これらの配列はまた、修飾された塩基を含み得る。そのような修飾された塩基の例には、アザおよびデアザ アデニン、グアニン、シトシン、チミジンおよびウラシル、キサンチンおよびヒポキサンチンが含まれる。本開示の核酸は、生物から単離することができ、遺伝子組換えの実験室的方法によって形成されるか、または化学合成もしくは核酸を作製するための他の既知のプロトコルによって得られる。
【0031】
本明細書で使用される「単離されたポリヌクレオチド」または「単離された核酸配列」という用語は、組換えDNA技術によって生成される場合には細胞材料もしくは培養培地を実質的に含まない核酸を指し、または化学的に合成される場合には化学前駆体もしくは他の化学物質を指す。単離された核酸はまた、その核酸が由来する核酸に自然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’ 末端および3’末端に位置する配列)を実質的に含まない。「核酸」という用語は、DNAおよびRNAを含むことを意図しており、二本鎖または一本鎖のいずれかであり得、センス鎖またはアンチセンス鎖を表す。さらに、「核酸」という用語は、相補的な核酸配列を含む。
【0032】
本明細書で使用される「組換え核酸」または「操作された核酸」という用語は、生物において見出されない核酸またはポリヌクレオチドを指す。例えば、組換え核酸は、遺伝子組換えの実験室的方法(分子クローニングなど)によって形成され、他の方法では自然界には見られない配列を作成することができる。組換え核酸はまた、核酸を作成するための化学合成または他の既知のプロトコルによって作成され得る。別段の指示がない限り、このセクションおよび他のセクションで説明される定義および実施形態は、当業者によって理解されるように適切である、本明細書で説明される本出願のすべての実施形態および態様に適用可能であることが意図される。
【0033】
本明細書で使用される「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、核酸によってコードされるものに対応するアミノ酸の鎖を説明する。本開示のポリペプチドまたはタンパク質は、通常2から約30アミノ酸のアミノ酸の鎖を説明するペプチドであり得る。本明細書で使用されるタンパク質という用語はまた、30アミノ酸を超えるアミノ酸の鎖を説明し、タンパク質または全長タンパク質のフラグメントまたはドメインであり得る。さらに、本明細書で使用される場合、タンパク質という用語は、アミノ酸の直鎖を指すことができ、またはそれは、機能性タンパク質にプロセシングされて折りたたまれたアミノ酸の鎖を指すことができる。しかしながら、30は、ペプチドおよびタンパク質を区別することに関して任意の数であり、これらの用語は、アミノ酸の鎖について交換可能に使用することができることが理解される。本開示のタンパク質は、それらが自然に産生される細胞からのタンパク質の単離および精製によって、酵素的(例えば、タンパク質分解)切断によって、および/または本開示のタンパク質またはフラグメントをコードする核酸の発現によって組換え的に得ることができる。本開示のタンパク質および/またはフラグメントはまた、化学合成、またはタンパク質およびフラグメントを生成するための他の既知のプロトコルによって得ることができる。
【0034】
「単離されたポリペプチド」という用語は、組換えDNA技術によって産生される場合は細胞材料または培養培地を実質的に含まないポリペプチド、または化学的に合成される場合は化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まないポリペプチドを指す。
【0035】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、核酸を細胞の内部に送達するために使用することができるポリヌクレオチドを指す。一実施形態では、ベクターは、細胞内で発現される核酸に作動可能に連結された発現制御配列(例えば、プロモーター)を含む発現ベクターである。当技術分野で知られているベクターには、プラスミド、ファージ、コスミド、およびウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、および「患者」という用語は、本明細書では互換的に使用され、診断、治療、または治療が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを指す。治療の目的での「哺乳動物」とは、ヒト、家畜および農業用動物、ならびに実験動物、動物園の動物、競技用動物、またはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サルなどを含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。これらの用語はいずれも、医療関係者の監督を必要としない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療すること」などの用語は、いくつかの実施形態において、効果を得る目的のために、薬剤を投与すること、または手順を実行することを指す。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防するという点で予防的であり得、ならびに/あるいは疾患および/または疾患の症状の部分的または完全な治癒に影響を与えるという点で治療的であり得る。本明細書で使用される「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患または障害(例えば、癌)の治療を含み得、以下を含む:(a)疾患の素因があるかもしれないが、まだその疾患であると診断されていない(例えば、原発性疾患に関連するか、またはその疾患によって引き起こされる可能性のある疾患を含む)対象において疾患または疾患の症状が発生するのを予防すること、(b)疾患を阻害すること、すなわちその発症を阻止すること、および(c)疾患を緩和すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすこと。治療とは、軽減、寛解、症状の減少、または疾患の症状を患者にとってより耐えられる状態にすること、変性または衰退の速度を低下させること、または変性の最終点の衰弱を少なくすることなどの客観的または主観的なパラメーターを含む、癌の治療または改善または予防における成功の何らjかの兆候を指す場合がある。症状の治療または改善は、1つ以上の客観的または主観的なパラメーターに基づいており、これには、医師による検査の結果が含まれる。したがって、「治療することに」という用語は、疾患(例えば、癌)に関連する症状または状態の発症を予防、遅延、緩和、阻止または阻害するための本発明の化合物または薬剤の投与が含まれる。「治療効果」という用語は、対象における疾患、疾患の症状、または疾患の副作用の軽減、排除、または予防を指す。
【0038】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「抗体」への言及は、複数の抗体を含み、いくつかの実施形態における「抗体」への言及は、複数の抗体などを含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、すべての数値または数値範囲は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、そのような範囲内にあるかまたはそのような範囲を含む整数全体、およびこれらの値または範囲内にあるかもしくは範囲を含む整数の一部を含む。したがって、たとえば、90~100%の範囲との言及には、91%、92%、93%、94%、95%、95%、96%、97%など、ならびに91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%など、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%などが含まれる。別の例において、1~5,000倍の範囲への言及には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1819、20倍など、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5倍など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5倍などが含まれる。
【0040】
本明細書で使用される「約」数値は、その数を含み、その数より10%下からその数より10%上までの範囲を指す。「約」範囲は、範囲の下限を10%下回り、範囲の上限の10%上までにわたる範囲を指す。
【0041】
「同一性パーセント(%)」とは、2つの配列(ヌクレオチドまたはアミノ酸)がアラインメントの同じ位置に同じ残基を有する程度を指す。例えば、「アミノ酸配列が配列番号YとX%同一である」とは、配列番号Yに対するアミノ酸配列の同一性%を指し、アミノ酸配列中の残基のX%が配列番号Yに開示される配列の残基と同一であるものとして述べられる。一般に、コンピュータープログラムがそのような計算に使用される。配列の対を比較および整列させる例示的なプログラムには、ALIGN(Myers and Miller,1988)、FASTA(Pearson and Lipman,1988;Pearson,1990)およびギャップ付きBLAST(Altschul et al.,1997)、BLASTP、BLASTN、またはGCGが含まれる(Devereux et al.,1984)。
【0042】
本出願の範囲を理解する上で、本明細書で使用される「含む」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、構成要素、群、整数、および/または工程を特定するオープンエンドの用語であることを意図しているが、他の記述されていない機能、要素、構成要素、群、整数、および/または工程の存在を除外しない。上記はまた、「含む」、「有する」という用語およびそれらの派生語などの同様の意味を有する単語にも適用される。本明細書で使用される「からなる」という用語およびその派生語は、述べられた特徴、要素、構成要素、群、整数、および/または工程の存在を特定するが、他の述べられていない特徴、要素、構成要素、群、整数、および/または工程の存在を除外する閉じた用語を意図する。本明細書で使用される「から本質的になる」という用語は、記載された特徴、要素、構成要素、群、整数、および/または工程の存在、ならびに、機能、要素、構成要素、群、整数、および/または工程の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を及ぼさないものの存在を特定することを意図する。
【0043】
本明細書で使用される「実質的に」、「約」および「およそ」などの程度の用語は、最終結果が大幅に変更されないような、修正された用語の合理的な量の逸脱を意味する。程度のこれらの用語は、この逸脱が変更する単語の意味を否定しない場合、変更された用語の少なくとも±5%の逸脱を含むと解釈されるべきである。
【0044】
本明細書で使用される「および/または」という用語は、リストされたアイテムが、個別にまたは組み合わせて存在する、または使用されることを意味する。事実上、この用語は、列挙された品目の「少なくとも1つ」または「1つ以上」が使用されるかまたは存在することを意味する。
【0045】
キメラ共刺激受容体(CCR)
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸であって、これは、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)のメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFRSFのメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR2の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、Fasの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR4の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR5の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR3の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、DR6の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、EDARの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、XEDARの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TROYの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、NGFRの細胞外ドメインをコードする。
【0047】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)は、細胞外システインリッチドメインを介して腫瘍壊死因子(TNF)に結合する能力を特徴とするサイトカイン受容体のタンパク質スーパーファミリーである。TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRを含むTNFRスーパーファミリーの27のメンバーが存在する。
【0048】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1A(TNFRSF1A)およびCD120aとしても知られる腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)は、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)に結合する膜結合受容体である。TNFR1は転写因子NF-κBを活性化し、アポトーシスを媒介し、そして炎症の調節因子として機能する。
【0049】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNFRSF1B)およびCD120bとしても知られる腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)は、腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)に結合する膜結合受容体である。
【0050】
Fas、FasR、アポトーシス抗原1(APO-1またはAPT)、分化クラスター95(CD95)または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー6(TNFRSF6)としても知られるFas受容体は、ヒトにおけるFAS遺伝子によってコードされるそのタンパク質である。Fasの複数のスプライスシングバリアントが同定されており、これらはタンパク質の7つのアイソフォームに変換される。アポトーシスを誘導するFas受容体はアイソフォーム1と呼ばれ、1型膜貫通型タンパク質である。他のアイソフォームの多くは、通常、疾患の状態に関連するまれなハプロタイプである。Fasの任意の適切なアイソフォームが、本明細書に開示される実施形態と共に使用するために企図される。
【0051】
TRAIL受容体1(TRAILR1)および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10A(TNFRSF10A)としても知られるデスドメイン4(DR4)は、TRAILに結合し、アポトーシスを媒介するTNF受容体スーパーファミリーの細胞表面受容体である。
【0052】
TRAIL受容体2(TRAILR2)および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10B(TNFRSF10B)としても知られるデスドメイン5(DR5)は、TRAILに結合し、アポトーシスを媒介するTNF受容体スーパーファミリーの細胞表面受容体である。
【0053】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー25(TNFRSF25)としても知られるデスドメイン3(DR3)は、アポトーシスシグナル伝達および分化を媒介する腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの細胞表面受容体である。その唯一の既知のTNFSFリガンドはTNF様タンパク質1A(TL1A)である。
【0054】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー21(TNFRSF21)としても知られるデスドメイン6(DR6)は、JNKおよびNF-κB経路を活性化する腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの細胞表面受容体である。
【0055】
外胚葉異形成受容体(EDAR)は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。これは外胚葉分化の過程で重要な役割を果たす。
【0056】
エクトジスプラシンA2受容体(XEDAR;腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー27)は、ヒトにおいてEDA2R遺伝子によってコードされるタンパク質である。EDA-A1およびEDA-A2は、無汗性外胚葉異形成症(EDA)遺伝子によってコードされるエクトジスプラシンの2つのアイソフォームである。
【0057】
TROY(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー19、TNFRSF19)は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。この受容体は、胚発生の間に高度に発現する。これは、TNF受容体関連因子(TRAF)ファミリーのメンバーと相互作用し、細胞中で過剰発現するときにc-Jun N末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達経路を活性化することが示されている。この受容体は、カスパーゼに依存しないメカニズムでアポトーシスを誘導することができ、胚発生に必須の役割を果たしていると考えられている。
【0058】
NGFR(低親和性神経成長因子受容体、神経成長因子受容体、TNFRスーパーファミリーメンバー16、LNGFR、p75ニューロトロフィン受容体)は、腫瘍壊死因子受容体(TNF受容体)スーパーファミリーのメンバーである。これは、神経細胞が生き残り、分化するように刺激するタンパク質成長因子のファミリーであるニューロトロフィンの2つの受容体タイプのうちの1つである。
【0059】
いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、配列番号1に記載の配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、このポリヌクレオチドは、配列番号1に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、配列番号2に記載の配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、このポリヌクレオチドは、配列番号2に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。
【0060】
【表1】
【0061】
いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD28、CD28T、OX-40、4-1BB/CD137、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、プログラムされた細胞死(Programmed Death)-1(PD-1)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD1-CD18)、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT、(TNFSF14)、NKG2C、Ig alpha(CD79a)、DAP-10、ICAM-1、B7-H3、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8alpha、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1 ld、ITGAE、CD 103、ITGAL、CD1 la、LFA-1、ITGAM、CD1 lb、ITGAX、CD1 lc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD 160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、またはCD19aからの細胞質共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする。
【0062】
いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、CD27からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、HVEMからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、OX40からの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、GITRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、TACIからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。
【0063】
いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号3に記載の配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、このポリヌクレオチドは、配列番号3に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に記載の配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、配列番号4に記載の配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有するオリゴペプチドをコードする。
【0064】
【表2】
【0065】
いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、TNFRスーパーファミリーのメンバーからの膜貫通ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの膜貫通ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインは、細胞質ゾルの共刺激シグナル伝達ドメインとは異なる分子に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインは、細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインと同じ分子に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、およびTWEAKから選択される同じ共刺激分子に由来する。
【0066】
いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号5に記載の配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、このポリヌクレオチドは、配列番号5に記載の配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、配列番号6に記載の配列に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有するオリゴペプチドをコードする。
【0067】
【表3】
【0068】
単一分子
いくつかの実施形態において、CCRは単一分子である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。本明細書に開示される分子と共に使用するために、任意の適切なリンカーが企図される。いくつかの実施形態において、リンカーは小分子である。いくつかの実施形態において、リンカーは、ペプチドリンカーである。
【0069】
いくつかの実施形態において、CCRは、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、配列番号7に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴヌクレオチドをコードする。いくつかの実施形態において、CCRは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、CCRは、配列番号9に記載のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、配列番号9に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、CCRは、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、配列番号10に記載の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、または99%の同一性を有する配列を有するオリゴペプチドをコードする。
【0070】
【表4】
【0071】
免疫細胞
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸を含む免疫細胞であって、以下を含む:(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)をコードする第3のポリヌクレオチド。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、ガンマ-デルタT細胞)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、操作されたT細胞である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はナチュラルキラー細胞(NK細胞)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はマクロファージである。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は単球である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はB細胞である。
【0072】
T細胞
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸を含むT細胞であって、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)をコードする第3のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする。
【0073】
いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、またはガンマ-デルタT細胞である。いくつかの実施形態において、T細胞は、標的特異的リガンドを認識し得る、操作されたT細胞受容体(TCR)または合成抗原受容体ポリペプチドをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、キメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの実施形態において、合成抗原受容体ポリヌクレオチドは、T細胞抗原カプラー(TAC)をコードする。
【0074】
いくつかの実施形態において、CARは、抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、共刺激ドメインおよび/または一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン)を含む。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファまたはベータ、CD28、CD3イプシロン、CD3ゼータ、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154からなる群より選択される幕貫通ドメインである。いくつかの実施形態において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD28、CD28T、OX-40、4-1BB/CD137、CD2、CD7、CD27、CD30、CD40、プログラムされた細胞死(Programmed Death)-1(PD-1)、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD1-CD18)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT、(TNFSF14)、NKG2C、Igアルファ(CD79a)、DAP-10、Fcガンマ受容体、MHCクラス1分子、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリンタンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、活性化NK細胞受容体、BTLA、Tollリガンド受容体、ICAM-1、B7-H3、CDS、ICAM-1、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1 ld、ITGAE、CD 103、ITGAL、CD1 la、LFA-1、ITGAM、CD1 lb、ITGAX、CD1 lc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD 160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、またはCD19aに由来するシグナル伝達ドメインである。
【0075】
いくつかの実施形態において、TACは、抗原結合ドメイン、TCR複合体に関連するタンパク質に結合するドメイン、および細胞質ゾルドメインおよび膜貫通ドメインを含むT細胞補助受容体ドメインを含む。いくつかの実施形態において、TCR複合体に関連するタンパク質は、CD3である。いくつかの実施形態において、TACは、共刺激ドメインおよび/または活性化ドメインを含まない。いくつかの実施形態において、細胞質ゾルドメインは、CD4細胞質ゾルドメインであり、膜貫通ドメインは、CD4膜貫通ドメインである。いくつかの実施形態において、TACは、抗原結合ドメイン、CD3結合ドメイン、ならびにCD4細胞質ゾルドメインおよびCD4膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態において、CD3抗原結合ドメインは、UCHT1に由来する。
【0076】
いくつかの実施形態において、操作されたTCRは、T細胞受容体(TCR)融合タンパク質(TFP)である。いくつかの実施形態において、TFPは、少なくとも1つの操作されたCD3鎖を含み、この操作されたCD3鎖は、(a)細胞外ドメインの少なくとも一部、(b)細胞内シグナル伝達ドメインからの刺激ドメインを含む細胞内ドメイン、および(c)抗原結合ドメイン(例えば、scFv)を含む。いくつかの実施形態において、細胞外ドメインおよび細胞内ドメインは、CD3α、CD3β、CD3γ、CD3δ、またはCD3εに由来する。いくつかの実施形態において、操作されたCD3鎖は、膜貫通ドメインをさらに含む。いくつかの実施形態において、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメインは、CD3εに由来する。いくつかの実施形態において、操作されたCD3鎖は、TCRの少なくとも1つの天然に存在するCD3ε鎖を置き換える。
【0077】
いくつかの実施形態において、操作されたTCRは、キメラ抗体-T細胞受容体(TCR)構築物(caTCR)である。いくつかの実施形態において、caTCRは、標的抗原に特異的に結合する抗原結合モジュール、および少なくとも1つのTCR関連シグナル伝達分子を動員することができるT細胞受容体モジュール(TCRM)を含む。いくつかの実施形態において、TCRMは、第1のTCR膜貫通ドメイン(TCR-TM)を含む第1のTCRドメイン(TCRD)、および第2のTCR-TMを含む第2のTCRDを含み、ここで、TCR-TMは、少なくとも1つのTCR関連シグナル伝達分子の動員を促進する。いくつかの実施形態において、第1のTCR-TMは、T細胞受容体(αβTCR、またはγδTCRなど)の膜貫通ドメインの1つに由来し、第2のTCR-TMは、T細胞受容体の他方の膜貫通ドメインに由来する。いくつかの実施形態において、TCRは、αβTCRであり、第1および第2のTCR-TMは、TCR aおよびβサブユニット膜貫通ドメインに由来する。いくつかの実施形態において、TCRはγδTCRであり、第1および第2のTCR-TMは、TCRγおよびδサブユニット膜貫通ドメインに由来する。いくつかの実施形態において、TCRDおよびTCR-TMは、抗体に由来するF(ab)に融合される。いくつかの実施形態において、TCRDおよびTCR-TMは、抗体のF(v)部分に由来する単鎖抗体(scFv)に融合される。
【0078】
いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインは、癌性細胞上の抗原に結合する。いくつかの実施形態において、抗原は、癌性細胞上で差次的に発現される。いくつかの実施形態において、抗原は、癌性細胞上で上方制御される。いくつかの実施形態において、抗原は表面抗原であり、MHCによって提示されない。いくつかの実施形態において、抗原は、MHC/ペプチド複合体である。
【0079】
いくつかの実施形態において、抗原は、HER2(erbB-2)、B細胞成熟抗原(BCMA)、CD19、アルファフェトプロテイン(AFP)、癌胚性抗原(CEA)、CA-125、MUC-1、上皮腫瘍抗原である。(ETA)、チロシナーゼ、メラノーマ関連抗原(MAGE)、前立腺特異的抗原(PSA)、グリオーマ関連抗原、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸のカルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロスタイン、PSMA、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、ELF2M、好中球エラスターゼ、CD22、インスリン増殖因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体およびメソセリン。いくつかの実施形態において、抗原は、HER2、BCMA、またはCD19である。いくつかの実施形態において、抗原はHER2である。いくつかの実施形態において、抗原はBCMAである。いくつかの実施形態において、抗原は、CD19である。
【0080】
使用の方法
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、治療を必要とする個体の癌を治療する方法であり、キメラ共刺激受容体(CCR)核酸を含む免疫細胞を個体に投与することを含み、上記核酸は、(a)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(b)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(c)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)をコードする第3のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞、ガンマ-デルタT細胞)である。いくつかの実施形態において、T細胞は、操作されたT細胞である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はナチュラルキラー細胞(NK細胞)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はマクロファージである。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。いくつかの実施形態において、免疫細胞は単球である。いくつかの実施形態において、免疫細胞はB細胞である。
【0081】
いくつかの実施形態において、癌は、固形癌または液状癌である。いくつかの実施形態において、癌は、癌腫、芽細胞腫、黒色腫、肉腫、血液癌、またはリンパ性悪性腫瘍である。
【0082】
いくつかの実施形態において、癌は、白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態において、癌は、混合系統白血病(MLL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、高悪性度Bである-細胞性リンパ腫、または濾胞性リンパ腫から生じる大細胞型B細胞リンパ腫である。
【0083】
いくつかの実施形態において、癌は、肺癌、乳癌、結腸癌、多発性骨髄腫、膠芽細胞腫、胃癌(gastric cancer)、卵巣癌、胃癌(stomach cancer)、結腸直腸癌、尿路上皮癌、子宮内膜癌、または黒色腫である。いくつかの実施形態において、癌は肺癌である。いくつかの実施形態において、癌は乳癌である。いくつかの実施形態において、癌は結腸癌である。いくつかの実施形態において、癌は多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態において、癌は膠芽腫である。いくつかの実施形態において、癌は胃癌(gastric cancer)である。いくつかの実施形態において、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態において、癌は胃癌(stomach cancer)である。いくつかの実施形態において、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態において、癌は尿路上皮癌である。いくつかの実施形態において、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態において、癌は黒色腫である。
【0084】
医薬組成物
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、(a)(i)腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーの細胞外ドメインをコードする第1のポリヌクレオチド、(ii)膜貫通ドメインポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、および(iii)細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインポリペプチド(例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)メンバーから)をコードする第3のポリヌクレオチドを含む免疫細胞、ならびに、(b)薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、TNFRSFの異なるメンバーに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、デスドメインを有するTNFRSFメンバーの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1、TNFR2、Fas、DR4、DR5、DR3、DR6、EDAR、XEDAR、TROY、またはNGFRの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR1の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、TNFR2の細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドは、Fasの細胞外ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、BAFFRからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、第3のポリヌクレオチドは、4-1BBからの細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインをコードする。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび細胞質ゾル共刺激シグナル伝達ドメインは、同じ共刺激シグナル伝達タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、BAFFR、OX40、CD27、CD40、GITR、HVEM、OX40、RELT、TACI、TROY、またはTWEAKに由来する。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第3のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、第1のポリヌクレオチドおよび第3のポリヌクレオチドは、直接的にまたは間接的に(例えば、リンカーを介して)第2のポリヌクレオチドに結合される。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、調節性T細胞、ガンマ-デルタT細胞)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、単球、またはB細胞である。
【0085】
本明細書に開示される医薬組成物は、有効量の免疫細胞が、薬学的に許容可能な担体との混合中で組み合わされるように、対象に投与される薬学的に許容可能な組成物の調製のためのそれ自体公知の方法によって調製される。適切な担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,USA,2000)に記載される。これに基づいて、組成物は、排他的ではないが、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または希釈剤が付随する物質の溶液を含み、これは、適切なpHを有する緩衝溶液に含まれ、生理学的液体と等浸透圧である。
【0086】
適切な薬学的に許容可能な担体には、医薬組成物の生物学的活性の有効性に干渉しない、本質的に化学的に不活性でかつ毒性のない組成物が含まれる。適切な医薬担体の例には、水、食塩水、グリセロール溶液、N-(1(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)N、N、N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジオレシルホスホチジル-エタノールアミン(DOPE)、およびリポソームが含まれるがこれらに限定されない。。いくつかの実施形態において、そのような組成物は、患者への直接投与のための形態を提供するために、適切な量の担体とともに、治療有効量の化合物を含む。
【0087】
医薬組成物は、治療される(または予防される)疾患に適切な様式で投与される。投与の量と頻度は、患者の状態、ならびに患者の疾患の型および重症度などの要因によって決定されるが、適切な投与量は臨床試験によって決定される。「免疫学的有効量」、「抗腫瘍有効量」、「腫瘍抑制有効量」、または「治療有効量」が示される場合、投与される本発明の組成物の正確な量は、年齢、体重、腫瘍の大きさ、感染または転移の程度、および患者(対象)の状態の個人差を考慮して、医師によって決定される。
【0088】
医薬組成物が「実質的に含まれていない」とは、例えば、エンドトキシン、マイコプラズマ、複製コンピテントレンチウイルス(RCL)、p24、VSV-G核酸、HIVgag、残留抗CD3/抗CD28コーティングビーズ、マウス抗体、プールされたヒト血清、ウシ血清アルブミン、ウシ血清、培地成分、ベクターパッケージング細胞またはプラスミド成分、細菌、真菌、マイコプラズマ、IL-2、およびIL-7からなる群より選択される、例えば、検出可能なレベルの汚染物質が存在しないことを示す。
【0089】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、単回または複数回、例えば、毎日、毎週、隔週、もしくは毎月、1時間ごとに投与されるか、または医薬組成物は、治療される癌の再発、逆戻り、または進行時に投与される。
【0090】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される医薬組成物は、静脈内または注入によるものを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法によって投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される医薬組成物は、免疫療法において一般的に知られている注入技術を使用して投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される医薬組成物は、腫瘍、リンパ節、または感染部位に直接注射される。
【実施例
【0091】
以下の非限定的な例は、本出願の例示である。
【0092】
実施例1.キメラ共刺激受容体
以前に述べたように、共刺激および共抑制は、T細胞の活性化、増殖および持続性を調節するために、TCRシグナル伝達と並行して作用する。TNFRSFシグナル伝達を介してT細胞応答を調節することは、各受容体が独自の生物学的効果を与えるため、T細胞治療にとって魅力的である。さらに、TNFRSFの構造生物学の類似性を考えると、TNFRSFに基づくキメラ共刺激受容体(CCR)の作成を通じて、TNFRSFによる共抑制(すなわち抑制シグナル伝達)を共刺激(すなわち刺激シグナル伝達)に向け直すことが可能であるはずである。実際、以前の報告において、TNFRSFメンバーは、シグナル伝達を再方向付けするために交換できるモジュラードメインを有することが確立されている。
【0093】
抗腫瘍T細胞は高レベルのTNFαを産生するが、実験データは、天然のTNFαシグナル伝達がT細胞免疫を制限することを示唆している。TNFR1が媒介するTNFαシグナル伝達は、T細胞の拡大および機能を制限する細胞死を引き起こす。したがって、抗原刺激に応答してTNFαを生成した後、T細胞機能を増強するキメラTNFR1を通してTNFα生物学を再方向付けすることを検討することは興味深いことである。T細胞刺激に向けたTNFR1シグナル伝達の再方向付けは、別のTNFRSFからの共刺激ドメインのためのTNFR1細胞内シグナル伝達ドメインを切り替えることによって達成することができた。原則として、このようなキメラ共刺激受容体(CCR)の刺激は、同族の抗原の認識後にT細胞によって産生されるTNFαを介してオートクリンおよびパラクリンで送達される。しかし、TNFαが局所環境の他の細胞(マクロファージなど)によって産生され得る可能性もある。CAR分野における共刺激ドメインを用いる最近の成功は、T細胞において最も有望な特性を有するものとして4-1BBの共刺激シグナル伝達ドメインを指摘している。4-1BB共刺激ドメインを有するCAR操作されたT細胞は、記憶マーカーの増加、高い持続性、およびアネルギーに対する耐性を示す。CD19抗原に対する4-1BB CARを利用した臨床試験は、患者への注入の際の印象的な増殖、および6か月間の高レベルの持続性を実証した。したがって、TNFαに結合するTNFR1の細胞外ドメインを有し、共刺激シグナル伝達を提供する4-1BBの細胞質ドメインに結合したCCRは、強力な概念実証を提供するはずである(図1)。もちろん、TNFR1ベースのCCRは4-1BBの細胞質ドメインに限定されず、他のTNFRSFの細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせは、さらに強力な結果を提供する可能性がある。
【0094】
TNFR1-4-1BB CCRがTNFαシグナル伝達を再方向付けできるという仮説に取り組むために、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインに結合したTNFR1受容体の細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインに結合するTNFαから構成される融合受容体を構築した(図2A)。対照として、サイトカインに結合するがシグナルを伝達しないTNF-ブロッカー受容体もまた生成された(図2A)。
【0095】
実験方法
クローニング
全長TNFR1コード配列は、gBlocks遺伝子フラグメント(IDT)としてオーダーされ、PCRによって増幅されて、制限部位AscIおよびNheIを追加して、pCCL転移ベクターにライゲーションした。共刺激性TNFR1-4-1BB融合物は、PCRプライマーによって追加されたTNFR細胞外ドメインおよび4-1BB細胞間ドメインの重複する末端を使用するステッチPCR増幅を通して作成された。制限部位AscIおよびNheIを追加するためのプライマーを用いたこの産物の増幅は、pCCL転移ベクターへのライゲーションが可能になった。
【0096】
実施例2.キメラ共刺激受容体の特徴付け
TNFRSF共刺激ドメインの活性化は、炎症、生存および増殖を含むNFκB関連遺伝子の転写を増強するためのNFκB経路の下流の活性化をもたらす。TNFR1-4-1BB CCRがNFκB関連遺伝子の転写を増強するかどうかを決定するために、ホタルルシフェラーゼ遺伝子の転写が2つのNFκBエンハンサー領域によって制御されるレポーターシステムを利用した。HEK293TM細胞は、リポフェクタミンを介して、NF-κB駆動型ルシフェラーゼレポーター、および(i)完全長TNFR1、(ii)TNF-ブロッカー、(iii)TNFR1-4-1BB CCRのいずれかでトランスフェクトした(図2A))。続いて、トランスフェクトされた細胞を組換えヒトTNFαで刺激した。ルシフェラーゼ基質であるD-ルシフェリンを培養物に添加し、ルシフェラーゼの存在量の直接的な尺度である発光をルミノメトリーによって定量化した。これらのデータは、ルシフェラーゼレポーター活性の増加によって実証されるように、TNFR1-4-1BB CCRの発現(図3、実線)が野生型TNFR1(図3、大きな破線)と比較してNFκBトランス活性化の増強をもたらしたことを示す。ドミナントネガティブTNF-ブロッカー(図2B)受容体の発現は、TNFαを介したNFκBシグナル伝達を無効にする(図3、短い破線)。しかし、これらのデータはまた、TNFαの非存在下でNF-κBトランス活性化が観察されたため、TNFR1-4-1BBがHEK293TM細胞中で構成的に活性であることも示唆する。
【0097】
NFκB経路の活性化は、ユビキチン-プロテアソーム経路の活性化を媒介することに関与するいくつかのキナーゼの活性化を含む複雑なシグナル伝達カスケードに起因する。NFκBシグナル伝達の鍵となる阻害剤であるκB阻害剤(IκB)は、重要なNFκB因子を隔離し、NFκBの活性化により、ユビキチン-プロテアソーム経路を介した分解の標的とされる。IκBの分解はNFκB転写因子を活性化して遺伝子転写を増強する。CCRの活性化がIκBの分解をもたらすかどうかを決定するために、ウエスタンブロットを実施した。TNFR1-4-1BB CCRの見かけの構成的活性化は、HEK293TM細胞における発現に起因する可能性があるため、これらの実験では、TNFR1およびバリアントTNFR1受容体を、レンチウイルス形質導入を介してT細胞株、ジャーカットに導入した。TNFαで刺激すると、TNFR1-4-1BB CCRが形質導入されたジャーカット細胞は、IκBの時間依存性分解を明らかにし、その分解速度は、親の操作されていない(非操作)(WT)ジャーカット細胞と比較して増強されており、このことは、TNFR1-4-1BB CCRの強力な効果を示す(図4)。切断された非シグナル伝達細胞質ドメインを有するTNF-ブロッカー受容体は、TNFαを刺激してIκBα分解を無効にし(図4)、このことは、TNFR1-4-1BB CCRによるIκBの分解の増強が細胞質ドメインに起因するものであることを示す。野生型TNFR1の毒性作用に起因して、ジャーカット細胞中では、野生型TNFR1を過剰発現させることができなかった。
【0098】
4-1BBシグナル伝達は、MAPKシグナル伝達経路を活性化することが示されてきた。p38 MAPKのリン酸化および活性化は、下流の転写因子の活性化をもたらす。ホスホ-p38タンパク質レベルは、TNFR1-4-1BB CCRおよびTNF-ブロッカー操作ジャーカット細胞のTNFα刺激後に評価した。TNFαによる刺激は、非操作のWT細胞とTNFR1-41BB CCRで操作された細胞の両方でホスホ-p38レベルの誘導を誘導した。ホスホ-p38レベルは、刺激後5分でピークに達した。ピーク応答は、非操作(WT)ジャーカット細胞と比較して、TNFR1-4-1BB CCRで操作されたジャーカット細胞でより高かった(図5)。IκBで観察された結果と同様に、TNF-ブロッカー受容体の発現、TNF-ブロッカー受容体は、p38リン酸化を無効にした(図5)。
【0099】
これらの結果は、TNFR1-4-1BB CCRが、T細胞における増強されたNF-κBシグナル伝達に向けてTNFαシグナル伝達を再方向付けすることができることを明確に示す。
【0100】
第三世代の自己不活化レンチウイルス発現系を使用して、初代T細胞を操作して、図2A-Cの受容体の1つを安定に発現させた。形質導入されたT細胞は、染色およびフローサイトメトリーを介して受容体の表面発現について評価した。TNFR1-4-1BB CCRの発現は、CD8+とCD4+の両方のT細胞サブセットで明白であり、CD4+T細胞でより高い形質導入率が認められた(図6A-B)。T細胞の活性化および形質導入に続いて、初代培養物の増殖を14日間にわたって追跡した。T細胞におけるTNFR1-4-1BB CCRの発現は、インビトロでの細胞の増殖に影響を及ぼさず、このことは、形質導入されたT細胞がTNFR1-4-1BB CCRの導入を許容したことを示唆する(図7)。
【0101】
TNFRSF共刺激は、持続性を改善するためにT細胞における生存シグナル伝達を増強することが示されてきた。TNFR1-4-1BB CCRによって提供される4-1BB共刺激は、形質導入されたT細胞に強化された生存特性を提供することが期待される。初代ヒトT細胞にTNFR1-4-1BBCCRを形質導入し、IL2およびIL7成長因子で14日間増殖させた。14日目に、細胞をサイトカインから取り出し、シグナル1(抗CD3)またはシグナル2(TNFα)のいずれかで刺激し、生細胞数を4日間追跡した。T細胞からの成長因子の除去は、対照T細胞培養物のアポトーシスおよび死滅をもたらす。しかし、TNFR1-4-1BB CCRで形質導入されたT細胞は、両方の刺激条件でより良好な生存を示し(図8A-B)、このことは、TNFR1-4-1BBCCRのTNFα刺激が、抗アポトーシス経路をアップレギュレートする操作されたT細胞への生存シグナル伝達を増強したことを示唆する。これらのデータはまた、抗CD3刺激T細胞が、TNFR1-4-1BB CCR生存シグナル伝達を刺激するために十分なレベルのTNFαを分泌することを示唆する。
【0102】
シグナル1(抗CD3)で刺激されたTNFR1-4-1BB CCR形質導入T細胞は、活性化されて、TNFαとIFNγの両方を分泌するようになる。CCR T細胞のサイトカインプロファイルは、対照細胞と比較してIFNγ産生に偏っている(図9)。
【0103】
TNFR1-4-1BB CCRの有望な機能を考えて、次に、CCRの発現が、合成抗原受容体を介したT細胞活性化の状況において共刺激活性を提供するかどうかを決定した。この目的のために、CCRはBCMAに特異的なTAC受容体(BCMA-TAC)と共発現させた。TNFR1-4-1BB CCRまたは2Aペプチドによって分離されたTNF-ブロッカーのいずれかでTAC受容体を発現するレンチウイルスを構築した(図10)。
【0104】
2A発現系下でのBCMA-TACおよびTNFR1-4-1BB CCRの発現がTAC機能に干渉しないことを確実にするために、抗腫瘍活性を評価するための機能的アッセイを実施した。TACおよびTAC+CCRで操作されたT細胞は、ルシフェラーゼを発現するBCMA陽性KMS11細胞と24時間共培養した。殺傷活性は、KMS11標的の発光の減少によって測定した。TAC+CCR T細胞は、TAC T細胞と同様の殺傷活性を示し(図11)、2A発現系が機能的受容体発現をもたらすことを示す。T細胞の活性化および細胞毒性はTAC受容体のみを介して媒介されるため、4-1BB-CCRによって提供される追加のシグナルが、インビトロでの殺傷アッセイに影響を与えるとは予想されていなかった。
【0105】
活性化されたT細胞は、分泌されたサイトカインを含むいくつかの可溶性メディエーターを通して細胞毒性および炎症誘発性シグナル伝達を媒介する。IFNγおよびTNFαの発現は、抗原陽性腫瘍細胞標的との共培養後のインビトロ細胞内サイトカインアッセイにおいて評価された。抗原が関与すると、TAC操作されたT細胞とTAC+CCRで操作されたT細胞の両方が、IFNγおよびTNFαを発現した。CD4+ T細胞と、CD8+TAC+CCR T細胞の両方でサイトカイン発現の減少が観察されたことは興味深い(図12)。クリニックでは、CARで操作されたT細胞の使用は、サイトカインストームを通して部分的に媒介される、患者への毒性の高いリスクを示す。CCRの発現と並行して抗原が関与した後のT細胞分泌サイトカインの減少は、抗腫瘍活性を維持しながらCAR T細胞毒性を軽減する効果的な手段である可能性がある。
【0106】
TAC操作されたT細胞におけるCCR発現の機能的結果を決定するために、増殖アッセイを実施して、抗原陽性腫瘍標的との共培養後のT細胞分裂を追跡した。抗原の関与とT細胞の活性化により、T細胞は急速な分裂と増殖を起こし、抗腫瘍活性を媒介する娘細胞を産生する。TAC単独、TAC+CCR、およびTAC+TNF-ブロッカーで操作されたT細胞を増殖アッセイで比較した。7日間の増殖アッセイに続いて、4-1BB-CCRで操作されたCD4+T細胞と、CD8+TAC T細胞の両方が、増強された増殖を示した(図13A-B)。この効果は、CD8+T細胞と比較して、CD4+でより顕著である。TNF-ブロッカーで操作されたT細胞は、TAC単独と比較して、増殖にネガティブな影響を及ぼした。データは、CCRの発現がTAC T細胞の増殖能を増強するためのシグナルを媒介していることを示唆する。TACと、操作されたTAC+CCRの間で増殖指数および分裂指数を比較すると、TAC+CCRがTAC T細胞の増殖を促進することが観察された。これらの値はまた、平均して、TAC+CCRがTAC T細胞単独よりも30~50%多い増殖細胞を生成することも示す。
【0107】
TNFRSFは、増殖、生存および記憶発達を増強することができる4-1BB、OX40、およびCD27を含む、T細胞を共刺激することが知られているいくつかの分子を含む。プロトタイプのTNFR1-4-1BB CCRを用いて有望な結果が得られたため、他の共刺激ドメインが同等以上の活性を有するかどうかを決定することが求められた。代替のTNFRSF共刺激シグナルは、抗腫瘍活性を改善するための独自の特性を備えたTAC操作T細胞を誘導する可能性がある。評価するために18の細胞内ドメインが選択され(表5に記載)、膜貫通ドメインがTNFR1またはそれぞれのTNFRSFに由来する一連のTNFRSF CCRを設計した(表5を参照)。
【0108】
TNFRSF CCRの有用性をスクリーニングするために、プレート結合抗CD3(OKT3)による刺激後の操作されたT細胞の増殖を増強するそれらの能力について、CCRを評価した。
【0109】
スクリーニングの有用性を確認するために、T細胞を元のTNFR1-4-1BB、TNF-ブロッカー、または対照受容体(短縮型NGFR)で操作し、プレート結合抗CD3で活性化した(図14)。以前のデータと一致して、スクリーニングは、対照(短縮型NGFR)と比較して、TNFR1-4-1BBCCRによる増殖増強およびTNF-ブロッカーの阻害効果を同定した。したがって、プレート結合CD3は、TNFRSF共刺激受容体のスクリーニングのために有効なアッセイである。
【0110】
表5に記載される合成TNFR1-CCRのcDNAは、GenScriptによって合成し、レンチウイルスベクターにサブクローニングした。抗CD3/抗CD28ビーズで刺激されたPBMCは、CCRでレンチウイルス操作され、IL2およびIL7中で14日間増殖され、その時点で、プレート結合した抗CD3による刺激後の全体的な増殖、操作効率、受容体発現、および増殖についてT細胞が評価された。すべてのレンチウイルスに含まれる形質導入マーカー(NGFR)によって評価されるように、CCRを使用したヒトPBMCの操作効率は、15~85%の範囲であった(図15)。表面の受容体の量を評価するために、操作された細胞を細胞外TNFR1ドメインに対する抗体で染色した。CCRの表面発現はバックグラウンドより0~1500%高い範囲であった(図16)。バルクCCR操作培養物の倍率拡大は、対照の50~450%の範囲であった(図17)。14日目の操作されたT細胞は、抗CD3刺激後の5日間の増殖アッセイにおいて評価した。CCR操作T細胞の増殖は、CD4(図18)とCD8(図19)の両方のT細胞サブセットで1(増殖なし)から15(平均15細胞が単一細胞から生成された)の範囲であった。CCRの増殖スクリーニングのポジティブヒット閾値は、共刺激シグナルを受け取らなかったNGFR形質導入制御の増殖指数に設定した。CCRで操作されたCD4 T細胞の増殖は、CD8 T細胞よりも増殖に対してより顕著な効果を実証した。最も増殖性の高いCCR CD4細胞は、NGFR操作細胞よりも75%増殖性が高かったのに対し、最も増殖性の高いCCR CD8 T細胞は、対応するNGFR操作細胞よりも60%増殖性が高かった。
【0111】
設計された構築物からの多因子スクリーニング結果は、CCR操作されたT細胞間の類似性を評価するためにクラスタリングアルゴリズムを使用して分析した。クラスタリングアルゴリズムに含まれるデータは、表面発現、操作効率、およびCD4+とCD8+T細胞の両方のサブセットの増殖であった。データの次元は、主成分分析を使用して最初に削減され、重心はK-meansクラスタリング法を使用して計算した。相関ヒートマップは、構築物間の類似性を説明する(図20)。樹状図のグループ化により、同様の属性を有する受容体を同定する。上のグループには、より高い表面発現、培養物の成長の改善、および増殖の増強を実証した4-1BBおよびBAFFRCCRが含まれている。中央のグループには、CCR発現がなく、増殖への影響が最小限で、増殖の増強がないNGFR形質導入対照が含まれている。中央のグループにはまた、CCRの発現がほとんどなく、増殖の改善が最小限で、増殖の強化がいくらかある元々の4-1BBCCRも含まれている。下のグループには、TNF-ブロッカー、LIGHT、およびFASの共刺激ドメインが含まれており、これらのドメインは、培養物の増殖を遅らせ、増殖にネガティブな影響を与えることが実証されている。これらのグループがマルチパラメータークラスタリングに基づいて形成されたことは興味深いことであり、これは、共刺激ドメインへの洞察を提供し、増殖スクリーニングからのポジティブヒットとともにクラスター化された上位グループのメンバーを強調する。このグループのすべての受容体が増殖を促進したわけではないが、それでも追求する価値があるかもしれない。共刺激受容体は、増殖を促進するだけでなく、細胞毒性機能ならびに生存および持続性も促進する。この共刺激グループ化における受容体は、増殖以外の他の共刺激特性の可能性を秘めているかもしれない。
【0112】
重心のクラスター化から作成されたTNFRSF CCRのグループ化を評価することにより、望ましい機能的属性を有する操作されたT細胞が明らかになった。4-1BBおよびBAFFR共刺激シグナル伝達ドメインを有するCCRは、PBMCの拡大の改善、高い操作効率、および増殖能力の改善を実証した。4-1BBおよびBAFFRドメインの有用性を検証するために、TNFR1-4-1BBおよびTNFR-BAFFR構築物を3人のPBMCドナーを用いた増殖アッセイで実行した(図21A-B)。選択された構築物は、スクリーニング結果と同等に機能し、対照受容体よりも増殖が増強されることを実証する。これらのデータは、スクリーニングデータの信頼性を提供しただけでなく、操作されたT細胞の共刺激に4-1BBおよびBAFFRシグナル伝達ドメインを使用する際の可能性を確認する。細胞傷害性T細胞の重要な機能は、活性化後のサイトカインの分泌である。TNFR1-4-1BBおよびTNFR-BAFFR操作T細胞は、抗CD3刺激後のサイトカイン産生について評価し(図22A-B)、同等レベルのIFN-γ産生細胞が観察されたが、TNF-α産生細胞のレベルの低下が観察され、これはおそらく、TNF-αがCCRに結合しているためである。
【0113】
考察
T細胞活性化は、複雑で十分に組織化されたシグナル伝達カスケードの結果である。TCR複合体、補助受容体、アダプター分子の完全な動員、ならびに共刺激分子と共抑制分子の統合により、受容体シグナル強度が合計され、活性化T細胞プログラミングの誘導をもたらす。TCRはこの回路の重要な構成要素である。TCRは、T細胞の細胞傷害性の焦点を病原体の固有のエピトープに向けて方向付ける。T細胞抗原カプラー(TAC)を含む合成抗原受容体の開発により、T細胞の細胞毒性の特質を新しい標的に向ける能力をもたらし、強化された腫瘍監視および抗腫瘍活性を用いてヒトの免疫システムを転用する。TAC分子は、2シグナル仮説のシグナル1を提供する。操作された細胞内でシグナル2を関与させると、T細胞の活性化に対してより強い刺激が誘発され得る。T細胞活性化キメラ受容体の成功は、操作された細胞に独特の特徴を誘発するための新規キメラ共刺激受容体を開発するというアイデアを想像させる。CD28、4-1BB、およびOX40を含む共刺激受容体は、活性化、増殖、および細胞毒性機能を促進する活性化T細胞に第2のシグナルを提供する、よく説明されている受容体である。上記のように、活性化されたT細胞分泌リガンドTNFαの制御下で共刺激を提供することができるキメラ共刺激受容体(CCR)が開発された。この設計手法の背後にあるインスピレーションは、T細胞の活性化後にのみ共刺激を提供することであった。これらの研究により、活性化されたT細胞が豊富なTNFαを分泌することがわかった。原理的には、分泌されたTNFαは、CCRに結合しかつ刺激するはずである。初期のCCR構築物の設計には、TNFRSFの共刺激分子である4-1BBが含まれていた。CCRは、共刺激シグナルを別個の受容体として操作し、あらゆる型のT細胞治療(例えば、操作されたT細胞、TIL)む、NK細胞の応用、および操作された単球療法を含む、多くの細胞療法にわたってその有用性をもたらす。CCRは、このプロジェクトで、単独で発現した場合とTAC受容体と組み合わせて発現した場合の両方で、増殖能の増強およびサイトカイン産生の変化を示す。CCRで操作されたT細胞において観察される増殖の増強は、養子T細胞移植の分野に課題を提示し続ける、定着した腫瘍塊の抑制的な微小環境を克服するために必要な適応エッジを提供し得る。CCR T細胞のサイトカイン産生プロファイルの変化は、増殖、細胞毒性、または生存に障害をもたらさないようである。サイトカイン産生の低下は、操作されたT細胞の投与後の患者への毒性が低いことさえ証明するかもしれない。現在、患者におけるCAR T細胞の注入および拡大は、サイトカイン産生プロファイルが変化したT細胞を操作することに伴って軽減される可能性のあるサイトカインストームに起因する毒性をもたらす。
【0114】
4-1BB CCRを含むときに見出されるT細胞増殖の改善は、操作されたT細胞の共刺激のためのTNFRSFの幅広いファミリーに由来する他の共刺激ドメインの有用性の分析をもたらす。TNFR1-キメラプラットフォーム内のTNFRSF共刺激シグナル伝達ドメインの増殖スクリーニングは、T細胞機能を増強する可能性のあるCCRのさまざまな特性を明らかにした。注目すべきことに、このスクリーニングは、BAFF-R共刺激ドメインの有用性を明らかにし、これは、通常、T細胞の共刺激因子とは考えられていない。重要なことに、これらのさまざまなCCRの有用性は、用途によって異なる場合があり、これによって、生成されたCCRのコレクション全体に価値が生まれる。目的は、インビボでの抗腫瘍活性が強化されたTAC+CCR T細胞製品を生成することである。今後の方向性には、操作されたT細胞に対するCCRの効果を評価することを継続することが含まれる。実際、これらのデータの結果は、本明細書に記載のCCR設計を使用して、T細胞への抑制性および/または細胞死のシグナルを媒介するTNFRSFのいずれかを通してのシグナル伝達を再方向付けできることを示唆する。さらなる反復の例として、活性化後にFasLとTRAILの両方がT細胞死を促進できるように、FASの細胞外ドメイン(TNFRSF6)を使用してFasL(TNFSF6)またはDR4/DR5(TNFRSF10A/B)からの細胞死のシグナル伝達を破壊し、TRAIL(TNFSF10)からの細胞死のシグナル伝達を破壊するCCRを設計することができる。CCR操作されたT細胞は、増殖が増強されることが実証され、今後の作業により、これらの共刺激されたT細胞のサイトカイン産生プロファイルが決定される。CCRシグナル伝達によって変化する遺伝子経路を調査し、ヒトT細胞における増殖の調節因子を発見することは興味深い。
【0115】
実験方法
T細胞増殖
末梢血単核細胞は、健康なドナーから受容し、IL-2(100U/ml)およびIL-7(10ng/ml)が補充されたRPMI培養培地中の抗CD3および抗CD28磁気ビーズで刺激される。1日後、第3世代レンチウイルスベクターとパッケージング系を使用して細胞を形質導入した。T細胞培養は2日ごとにIL-2およびIL-7を添加して1×10細胞/mlに維持する。培養14日後、T細胞はCD4/CD8、キメラ受容体、NGFR(形質導入マーカー)について特徴付ける。
【0116】
レンチウイルス産生
レンチウイルスは、パッケージングプラスミドpRSV-Rev、pMDLg-pRRE、pMD2.G、およびLipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Life Technologies)によるpCCL転移プラスミドを用いたHEK293T細胞のトランスフェクションによって調製した。粒子は、28,000RPMでの超遠心分離によって濃縮した。ウイルス力価は、ウイルスの希釈およびHEK293T細胞の形質導入によって決定した。形質導入されたHEK293T細胞は、フローサイトメトリーによってNGFR+(形質導入マーカー)%について定量化し、力価は形質導入単位(TU/ml)で計算した。
【0117】
タンパク質レベルの決定(ウエスタンブロット)
T細胞を、溶解緩衝液(150mM NaCl、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1% SDS、50mM Tris、1%Triton X100、pH8.0)中で、組織ホモジナイザーを使用して、プロテアーゼ阻害剤カクテル(1:100)(Sigma Aldrich)と共に氷上で均質化し、続いて4℃で15分間9,000×gで遠心分離した。サンプルタンパク質濃度は、ビシンコニン酸アッセイ(Sigma Aldrich)によって決定した。2-メルカプトエタノールを含むLaemmli緩衝液をサンプルに添加した後、95℃で5分間熱変性を行った。サンプルを10% SDS-PAGEゲルで電気泳動し、定常350mAで90分間ニトロセルロースメンブレンに湿式転写した。TBST中の5%(w/v)スキムミルクブロッカーを使用して、メンブレンを4℃で一晩ブロックした。一次抗体(2%ブロッカーを含むTBST中で1:1000)とともに室温で2時間振とうしながら、メンブレンをインキュベートした。メンブレンをTBST中で3回洗浄し、蛍光結合体化二次抗体(2%スキムミルクブロッカーを含むTBST中1:5000)とともに1時間インキュベートした。メンブレンをTBSTで3回洗浄した。
【0118】
フローサイトメトリー表面染色
T細胞を収集し、1500rpmでペレット化し、原形質膜タンパク質に対する蛍光標識抗体と共に30分間インキュベートした。T細胞をFACS緩衝液(1%BSA、1×PBS、2.5mM EDTA)中で洗浄し、ペレット化した。T細胞を300μlのFACS緩衝液に懸濁し、ろ過した後、フローサイトメーターで泳動した。フローサイトメーターは、標識抗体について、前方散乱、側方散乱、および適切な蛍光チャネルを記録する。FlowJo V10ソフトウェアを使用してサイトメーターデータを分析し、散布図として表示した。
【0119】
インビトロ細胞内サイトカイン産生
T細胞を収集し、抗原陽性腫瘍細胞株で37℃にて4時間刺激した。サイトカインのT細胞分泌を妨害するために、GolgiPlugおよびGolgiStop試薬(BDBioscience)を加えた。4時間後、0.02M EDTAを添加して刺激を停止し、室温で15分間インキュベートする。細胞を収集して洗浄した後、遠心分離および染色を行った。細胞内サイトカインは、細胞を固定および透過処理した後、TNF-アルファ、IFN-ガンマ、およびIL-2に対する蛍光標識抗体を用いて染色することにより評価する。蛍光はフローサイトメトリーによって評価し、FlowJo V10ソフトウェア上で分析する。
【0120】
インビトロ細胞毒性
T細胞を収集し、ルシフェラーゼ発現抗原陽性腫瘍細胞株と、8から0.25までのエフェクター対標的比で、16~18時間共インキュベートした。インキュベーション後、D-ルシフェリンを培養物に添加し、室温で10分間インキュベートする。輝度はプレートリーダーで読み取る。輝度の量は、ウェル内の腫瘍細胞の生存率と相関する。データは、エフェクターと標的の比率にわたってプロットする。
【0121】
増殖アッセイ
T細胞を収集し、1500rpmでペレット化し、PBS中の1:1000CellTrace(商標)Violet染色液に37℃で20分間再懸濁し、1×10細胞/mlで細胞を染色する。T細胞培地を4:1の量の染色液で添加し、37℃でインキュベートして残りのCellTrace(商標)色素をクエンチする。染色した細胞を1500rpmでペレット化し、T細胞培地に再懸濁して、サイトカインを含まない24ウェルプレートに0.5×10細胞/mlで播種する。腫瘍標的は、1:2のエフェクター:標的比でウェルに加える。CCRを単発現させるために、10μg/mlの抗CD3(OKT3クローン)でコーティングしたプレートで細胞を刺激する。T細胞を5日間または7日間のいずれかで追跡し、細胞数と生存率を記録する。5日目または7日目に細胞を収集し、フローサイトメトリー用に染色する。CellTrace(商標)Violet希釈ピークは分裂したT細胞を表しており、これから増殖の測定値を計算できる。
【0122】
実施例3:Fasキメラ共刺激受容体
TNFRSF、FasまたはCD95は、T細胞アポトーシスの重要な調節因子である。FasLの発現はT細胞および腫瘍で実証されてきた。Fas-FasL相互作用は、FasL発現T細胞とFas発現T細胞の相互作用を介して活性化T細胞の細胞死を促進することができ、フラトリサイド(fratricide)をもたらす。腫瘍上のFasLとFas発現T細胞との間の相互作用はまた、腫瘍特異的T細胞の細胞死にも関連している。デスシグナルは、アダプタータンパク質、FADDと相互作用するFas受容体、またはデスドメインを有するFas関連タンパク質の細胞質ドメインを介して媒介され、カスパーゼ-8およびカスパーゼ-10を動員して細胞死誘導シグナル伝達複合体(DISC)を形成する。DISCは、カスパーゼ-8/カスパーゼ-10を切断および活性化して、エフェクターカスパーゼをトリガーしてアポトーシスを媒介する。
【0123】
Fasの細胞質領域の除去は、細胞死シグナルを弱めると予想されるドミナントネガティブ受容体をもたらす。Fas細胞質ドメインを4-1BBまたはBAFFRのいずれかの細胞質ドメインで置き換えると、細胞死のシグナルを抑え込み、それをT細胞の生存を増強できる共刺激シグナルに置き換えることが期待される。
【0124】
Fasキメラは、Fas受容体の細胞外ドメインが、図2Bに示されるように、4-1BBまたはBAFFRのいずれかの細胞質ドメインに結合された場合に生成された。
【0125】
Fas-キメラ共刺激受容体の操作および発現
初代ヒトT細胞に、Fas-キメラまたはFas-TRUNCを発現するレンチウイルスを形質導入した。対照として、初代ヒトT細胞にFas受容体(NGFR)をコードしない対照レンチウイルスを形質導入した。すべてのレンチウイルスベクターはNGFRを発現し、NGFRの発現に基づいて形質導入効率を決定することができた。操作されたT細胞のすべての構築物は、NGFR形質導入マーカーの発現に基づいて40~50%の間の効率を示し、これは対照ウイルスに匹敵した(図24)。
【0126】
Fasキメラは、ネイティブFasに対する抗体を用いて細胞表面上で検出された。上記のように、操作されていない(非操作)T細胞は、培養期間の14日目に高レベルのFasを発現する。4-1BBおよびBAFFR共刺激ドメインを含むFasキメラを発現するように形質導入されたT細胞は、平均蛍光強度によって評価されるように、ネイティブFasレベルよりも高いFas発現レベルを実証した(図25)。Fas-4-1BBおよびFas-BAFFRキメラの細胞表面発現は、平均蛍光強度で評価した場合、NGFR対照の1.35×10と比較して、4.9×10および7.9×10であった。興味深いことに、Fas-TRUNC受容体の発現は、NGFRレベル(MFI=2.0×10)よりもわずかに上であった。
【0127】
Fasキメラを発現するように操作されたT細胞は、NGFR対照と比較して、製造プロセスの間に同等の速度で増殖し、このことは、修飾Fas受容体の発現が製造期間の間のT細胞増殖に影響を及ぼさないことを示す(図26)。
【0128】
改変されたFas受容体は増殖を増強する
改変されたFas受容体の発現がT細胞増殖に影響を与えるかどうかを決定するために、初代ヒトT細胞を、Fas-TRUNC、Fas-4-1BB、またはFas-BAFFRのいずれかを発現するレンチウイルスで操作した。対照T細胞は、NGFRのみを発現するレンチウイルスで操作された。操作されたT細胞は、T細胞受容体の代理刺激としてアゴニストCD3抗体で刺激された。改変されたFas受容体で操作されたすべてのT細胞は、対照のNGFRT細胞と比較して増強された増殖を示した。Fas-4-1BBまたはFas-BAFFRで操作されたT細胞は、Fas-TRUNCと同等に増殖し、このことは、Fasシグナルを抑え込むことが、追加の共刺激シグナル伝達を必要とせずに増殖を促進するために十分であることを示す(図27)。
【0129】
Fas-キメラは、外因性のFasLシグナル伝達を克服する
Fasキメラは、FasLのアポトーシスシグナルを再方向付けするように設計された。FasキメラがFasLからのアポトーシスをブロックできるかどうかを決定するために、操作されたT細胞を可溶性三量体FasLで刺激し、48時間後に代謝色素AlamarBlueを使用して生存率を評価した。対照細胞をFasLに曝露すると、濃度の増加に伴いT細胞の生存率が低下した。対照T細胞(NGFR)は、外因性FasLの存在下で生存率の用量依存的な喪失を示した。改変されたFas受容体で操作されたすべてのT細胞は、外因性FasLの存在下で対照細胞と比較して増強された生存率を示した。Fas-BAFFRで操作されたT細胞は、外因性FasLに対して最大の耐性を示し、このことは、T細胞の生存に対する共刺激ドメインの利点を示す(図28)。
【0130】
Fasキメラは、FasLの存在下で増殖を増強する
改変されたFas受容体で操作されたT細胞は、サイトカイン除去後のFasL媒介細胞死から保護されたので、改変されたFas受容体で操作されたT細胞の増殖に対する外因性FasLの影響を決定することが求められた。抗CD3で活性化された、改変Fas受容体で操作されたT細胞および細胞密度は、3日後にAlamarBlueを介して評価された。外因性FasLの存在は、対照T細胞の密度を低下させた(図29)。Fas-TRUNC受容体で操作されたT細胞でも同様の細胞密度の低下が観察された。しかしながら、共刺激シグナル伝達ドメインを含むFasキメラを発現するように操作されたT細胞は、NGFR対照操作されたT細胞と比較して、500および1000ng/ml FasLの存在下で増強された増殖を実証した(図29)。Fas-BAFFRを発現するように操作されたT細胞は、FasLの濃度の上昇に伴って増殖を増強する能力を実証したが、Fas-4-1BBで操作されたT細胞は外因性FasLの影響を受けなかった(図29)。
【0131】
本出願は実施例を参照して説明されてきたが、特許請求の範囲は、実施例に記載された実施形態によって限定されるべきではなく、全体として説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきであることが理解されるべきである。。
【0132】
すべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、参照によりその全体が組み込まれることが具体的かつ個別に示されるのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願の用語が、参照により本明細書に組み込まれる文書において異なって定義されることが見出される場合、本明細書で提供される定義は、その用語の定義として機能することである。
【0133】
【表5】
【0134】
表5は、キメラ共刺激受容体スクリーニングの構築物設計を示す。TNFR融合受容体は、インビトロで操作されたT細胞の機能強化を実証したため、TNFRスーパーファミリー内の新しい共刺激ドメインを追求することは魅力的である。共刺激スクリーニングは、TNFR1細胞外ドメインとTNFRSFメンバーの共刺激シグナル伝達ドメインとの間の融合物のT細胞共刺激機能を評価するように設計されている。この表は、スクリーニング内での各構築物のために使用される膜貫通ドメインと共刺激ドメインを示す。この表にはまた、設計されたCCRにカスパーゼカスケードのシグナル伝達で知られる古典的なデスドメインが含まれているかどうかもリストされている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図28
図29
【国際調査報告】