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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】授乳婦のための食品組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/155 20160101AFI20221102BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20221102BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20221102BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20221102BHJP
【FI】
A23L33/155
A23L33/15
A23L33/16
A23L33/125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513195
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2020074559
(87)【国際公開番号】W WO2021043882
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】19195641.6
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】フライト, マティルド
(72)【発明者】
【氏名】ドレイパー, コリーン フォガティ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル, ティヌ マリー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ダントン
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB07
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018MD02
4B018MD05
4B018MD09
4B018MD10
4B018MD11
4B018MD12
4B018MD23
4B018MD24
4B018MD25
4B018MD26
4B018MD47
4B018ME14
(57)【要約】
本発明は、高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦における栄養素不足の予防における使用のための食品組成物に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維並びにDHA及びEPA、からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む、高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦の栄養素不足の予防における使用のための、食品組成物。
【請求項2】
1食当たり少なくとも500μgの量のビタミンA、
1食当たり少なくとも10μgの量のビタミンD、
1食当たり少なくとも7mgの量のビタミンE、
1食当たり少なくとも190μgの量の葉酸、
1食当たり少なくとも1.5mgの量のパントテン酸、
1食当たり少なくとも35mgの量のビタミンC、
1食当たり少なくとも2.5mgの量の亜鉛、
1食当たり少なくとも3mgの量の鉄、
1食当たり少なくとも1100mgの量のカリウム、
1食当たり少なくとも6gの量の繊維、
1食当たり少なくとも60μgの量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で少なくとも160mgのDHA及びEPA、
からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、
前記食品組成物が、1日1回投与用である、請求項1に記載の使用のための食品組成物。
【請求項3】
1食当たり500μg~3000μgの範囲の量のビタミンA、
1食当たり10μg~100μgの範囲の量のビタミンD、
1食当たり7~800mgの範囲の量のビタミンE、
1食当たり190μg~1000μgの範囲の量の葉酸、
1食当たり1.5mg~20mgの範囲の量のパントテン酸、
1食当たり35~1800mgの範囲の量のビタミンC、
1食当たり2.5~34mg、例えば1食当たり2.5~25mgの範囲の量の亜鉛、
1食当たり3~45mgの範囲の量の鉄、
1食当たり1100~4000mgの範囲の量のカリウム、並びに
1食当たり6000~32000mg、例えば1食当たり6500~20000mgの範囲の量の繊維、
1食当たり60μg~900μg、例えば1食当たり60μg~600μgの範囲の量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で170mg~5.0gの範囲のDHA及びEPA、
からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、
前記食品組成物が、1日1回投与用である、請求項1又は2に記載の使用のための食品組成物。
【請求項4】
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維、並びにDHA及びEPAを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための食品組成物。
【請求項5】
1食当たり500μg~600μgの範囲の量のビタミンA、
1食当たり10μg~20μgの範囲の量のビタミンD、
1食当たり7~300mg、例えば1食当たり7~60mgの範囲の量のビタミンE、
1食当たり190μg~200μgの範囲の量の葉酸、
1食当たり1.5mg~7mgの範囲の量のパントテン酸、
1食当たり35~360mgの範囲の量のビタミンC、
1食当たり2.5~5mgの範囲の量の亜鉛、
1食当たり3~9mgの範囲の量の鉄、
1食当たり1100~2000mgの範囲の量のカリウム、
1食当たり6000~6500mgの範囲の量の繊維、
1食当たり60μg~120μgの範囲の量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で170mg~1.0gの範囲のDHA及びEPAを含み、
前記食品組成物が、1日1回投与用である、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項6】
1食当たり少なくとも500μgの量のビタミンA、
1食当たり少なくとも10μgの量のビタミンD、
1食当たり少なくとも7mgの量のビタミンE、
1食当たり少なくとも190μgの量の葉酸、
1食当たり少なくとも1.5mgの量のパントテン酸、
1食当たり少なくとも35mgの量のビタミンC、
1食当たり少なくとも2.5mgの量の亜鉛、
1食当たり少なくとも3mgの量の鉄、
1食当たり少なくとも1100mgの量のカリウム、
1食当たり少なくとも6gの量の繊維、
1食当たり少なくとも60μgの量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で少なくとも160mgのDHA及びEPA、
を含む、食品組成物であって、
前記食品組成物が、1日1回投与用である、食品組成物。
【請求項7】
1食当たり500μg~3000μgの範囲の量のビタミンA、
1食当たり10μg~100μgの範囲の量のビタミンD、
1食当たり7~800mgの範囲の量のビタミンE、
1食当たり190μg~1000μgの範囲の量の葉酸、
1食当たり1.5mg~20mgの範囲の量のパントテン酸、
1食当たり35~1800mgの範囲の量のビタミンC、
1食当たり2.5~34mg、例えば1食当たり2.5~25mgの範囲の量の亜鉛、
1食当たり3~45mgの範囲の量の鉄、
1食当たり1100~4000mgの範囲の量のカリウム、
1食当たり6000~32000mg、例えば1食当たり6500~20000mgの範囲の量の繊維、
1食当たり60μg~900μg、例えば1食当たり60μg~600μgの範囲の量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で170mg~5.0gの範囲のDHA及びEPAを含む、請求項6に記載の食品組成物。
【請求項8】
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維、並びに、DHA及びEPAからなる栄養素の混合物を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物。
【請求項9】
高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦の栄養素不足を予防するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物の使用。
【請求項10】
高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦の栄養素の不足を予防する方法であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の食品組成物を、それを必要とする女性に投与することを含む、方法。
【請求項11】
高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦の栄養素不足を予防するための食品組成物の製造における、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維並びにDHA及びEPA、からなる群から選択される少なくとも1つの成分の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養不足を補うための食品組成物に関する。特に、本発明は、高ナトリウム食の摂取パターンを有する授乳婦における食事の不足を予防するのに有用な食品組成物に関する。
【0002】
[背景技術]
授乳期は重要なライフステージであり、授乳婦には更なる栄養課題がもたらされる。EFSAは、この要求の増加に対処するための特別な推奨栄養摂取量を授乳婦に提供している。
【0003】
1日当りの食物摂取量が1日当りの食物栄養摂取量を決定する。様々な群に関し、食事パターンに反映され得る長期的な食習慣が、各群に含まれる人々の栄養状態を決定する。したがって、食事パターンに基づいて栄養必要量を評価することができる。現在、授乳婦の食習慣又は特定の食事パターンに関する報告はない。授乳婦の食事パターンを特定及び理解することで、それぞれの食事パターンに結び付けられる栄養必要量に取り組むための、推奨、及びテーラーメイドのサービス、及び製品を提供することができる。
【0004】
したがって、本発明の目的は、規定の食習慣及び関連する食物摂取食事パターンを有する授乳婦における栄養素不足を予防する、食品組成物を提供することである。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、特許請求の範囲に記載されているような上記の問題に対する解決策を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施例1に記載されるように特定されたクラスター(クラスター1)の食事パターンの食物摂取量の特徴を図式的に表す。
図2図2は、実施例1に記載されるように特定されたクラスター(クラスター2)の食事パターンの食物摂取量の特徴を図式的に表す。
図3図3は、実施例1に記載されるように特定されたクラスター(クラスター3)の食事パターンの食物摂取量の特徴を図式的に表す。
図4図4は、実施例1に記載されるように特定されたクラスター(クラスター4)の食事パターンの食物摂取量の特徴を図式的に表す。
【0007】
X軸は、各群(各「クラスター」)の参加者の個別摂取量と全参加者の平均摂取量との差のzスコアを示す。Y軸は、食品群を示す。
【0008】
[発明を実施するための形態]
定義
本発明を更に詳細に議論する前に、以下の用語及び約束事を最初に定義する。
【0009】
本明細書で使用される数値の範囲には、明確に開示されるかどうかに関わらず、この範囲内に含まれる全ての数字及び数字の部分集合を含むことが意図されている。更に、これらの数値の範囲は、この範囲内の任意の数字又は数字の部分集合を対象とする請求項をサポートするために与えられていると解釈すべきである。例えば、1~10という開示は、1~10(1及び10を含む)、2~8、3~7、1~9、3.6~4.6、3.5~9.9などの範囲をサポートするものと解釈されたい。特別の定めのない限り、又は言及された文脈によって相容れないものと明確に暗示されていない限り、本発明の単一の特徴又は単一の制限へのあらゆる言及は、それに対応する複数の特徴又は複数の制限を含むものとし、複数の特徴又は複数の制限へのあらゆる言及は、それに対応する単一の特徴又は単一の制限を含むものとする。
【0010】
「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」又は「Y」、又は「X及びY」として解釈すべきである。
【0011】
別段の定義がされていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって通常理解されているものと同じ意味を持つ。
【0012】
本発明の文脈において、「高ナトリウム型食事パターンを有する」という表現は、食品群の1日当たりの食事摂取量が、the Centre d’information sur la qualite des aliments(Ciqual)(France)のフランス食品組成データベース2013年版に従って以下の範囲内にある対象、具体的には授乳婦を指すものと理解すべきである。
【0013】
【表1】
【0014】
本発明の文脈において、「栄養素」という用語は、人体にとっての主要栄養素(例えば、炭水化物、タンパク質又は脂肪)及び微量栄養素(例えば、ミネラル類又はビタミン類)の両方を含むことが意図される。
【0015】
本発明の文脈において、「成分」という用語は、人体にとっての栄養素を含む、又は本質的に含む、食用物質又は物質の混合物を示す。
【0016】
本発明の一実施形態では、「成分」という用語は、人体にとっての栄養素を本質的に含む食用物質を示す。
【0017】
本発明の文脈において、「成分X」又は「(栄養素)X」という用語は、特定の栄養素Xを人体に送達することができる少なくとも1つの物質を含む、又は本質的に含む、食用物質又は物質の混合物を示す。
【0018】
一実施形態では、「成分X」又は「(栄養素)X」という用語は、特定の栄養素Xを人体に送達することができる物質を本質的に含む食用物質を示す。
【0019】
本発明の文脈において、「栄養素Xを提供する成分」という用語は、特定の栄養素Xを人体に送達することができる少なくとも1つの物質を含む、又は本質的に含む、食用物質及び/又は物質の混合物を示す。
【0020】
本発明の文脈において、「栄養素XをYの量で提供する成分」という用語は、特定の栄養素Xを特定の量Yで人体に送達することができる少なくとも1つの物質を含む、又は本質的に含む、食用物質及び/又は物質の混合物を示す。
【0021】
本発明の文脈において「繊維」又は「食物繊維」という表現は、植物に由来する食物に関し、小腸において難消化性である部分を示し、2つの主要な構成成分、すなわち水に溶解する可溶性繊維と、不溶性繊維とを含む。複数の繊維の混合物は、上記の用語の範囲内に含まれる。可溶性繊維は、結腸内で容易に発酵を受けガス及び生理学的に活性な副生成物となり、プレバイオティクス及び粘性であり得る。不溶性繊維は水に溶解せず、代謝を受けず、かさ増しをもたらし、又は大腸においてプレバイオティクスとなり、代謝による発酵を受け得る。化学的には、食物繊維は、(1)非デンプン性多糖類(NSP)、例えば、アラビノキシラン、セルロース、βグルカン、及び、イヌリン、ペクチン又はガムなどのその他の多くの植物構成成分、(2)難消化性オリゴ糖、例えば、難消化性デキストリンなど、(3)レジスタントスターチ、並びに(4)リグニン又はキチンなどの植物由来の関連物質、を含む。食物繊維の非限定的な例は、プレバイオティクス繊維であり、例えば、フラクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、果実繊維、豆果繊維、植物繊維、穀物繊維、及び、高アミローストウモロコシデンプンなどの難消化性デンプンである。繊維は消化不能なものであるため、利用できる炭水化物を含有しない。
【0022】
食品組成物の総繊維含有量は、レシピに使用される全ての成分中に天然に存在する(例えば、全粒穀粉由来、果物又は野菜由来)繊維の量の合計によって提供される。当業者には明らかであるように、本発明による穀物製品、パン、朝食用シリアル、ジャガイモ、野菜、マメ科植物及び果物は、本発明の食品組成物にある程度の量の繊維をもたらし得る。
【0023】
本発明の文脈において、「栄養素の不足」又は「食事の不足」という用語は、授乳中のある対象における栄養素の1日当りの総食事摂取量が、授乳婦に対するEFSAの「1日当りの推奨摂取量」を下回ること、及び/又は授乳のために十分に確立した栄養要件を下回ることを示す。
【0024】
本発明の文脈において、「栄養素の不足を予防する」という表現は、授乳婦における栄養素の不足の予防に加え、栄養素の不足のリスクの低減を含むと理解されるべきである。
【0025】
本明細書に記載の多くの実施形態を含む本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分(essential elements)及び本発明の制限に加え、本明細書に記載の任意の追加の若しくは任意選択的な成分、構成成分、又は制限を含む、構成する(consist of)、又は本質的に含むことができる。
【0026】
食品組成物
一実施形態では、本発明による食品組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維並びにDHA及びEPAを含む。
【0027】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、例えば、成分及び任意選択的に添加剤を混合することによって調製される、合成に由来するものである。
【0028】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、
1食当たり少なくとも500μgの量のビタミンA、
1食当たり少なくとも10μgの量のビタミンD、
1食当たり少なくとも7mgの量のビタミンE、
1食当たり少なくとも190μgの量の葉酸、
1食当たり少なくとも1.5mgの量のパントテン酸、
1食当たり少なくとも35mgの量のビタミンC、
1食当たり少なくとも2.5mgの量の亜鉛、
1食当たり少なくとも3mgの量の鉄、
1食当たり少なくとも1100mgの量のカリウム、
1食当たり少なくとも6gの量の繊維、
1食当たり少なくとも60μgの量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で少なくとも160mgのDHA及びEPA、を含み、
食品組成物は、1日1回の投与を意図している。
【0029】
別の実施形態では、本発明による食品組成物は、
1食当たり500μg~3000μgの範囲の量のビタミンA、
1食当たり10μg~100μgの範囲の量のビタミンD、
1食当たり7~800mgの範囲の量のビタミンE、
1食当たり190μg~1000μgの範囲の量の葉酸、
1食当たり1.5mg~20mgの範囲の量のパントテン酸、
1食当たり35~1800mgの範囲の量のビタミンC、
1食当たり2.5~34mg、例えば1食当たり2.5~25mgの範囲の量の亜鉛、
1食当たり3~45mgの範囲の量の鉄、
1食当たり1100~4000mgの範囲の量のカリウム、並びに
1食当たり6~32g、例えば1食当たり6.~20gの範囲の量の繊維、
1食当たり60μg~900μg、例えば1食当たり60μg~600μgの範囲の量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で170mg~5.0gの範囲のDHA及びEPA、を含み、
食品組成物は、1日1回の投与を意図している。
【0030】
別の実施形態では、本発明による食品組成物は、
1食当たり500μg~600μgの範囲の量のビタミンA、
1食当たり10μg~20μgの範囲の量のビタミンD、
1食当たり7~300mg、例えば1食当たり7~60mgの範囲の量のビタミンE、
1食当たり190μg~200μgの範囲の量の葉酸、
1食当たり1.5mg~7mgの範囲の量のパントテン酸、
1食当たり35~360mgの範囲の量のビタミンC、
1食当たり2.5~5mgの範囲の量の亜鉛、
1食当たり3~9mgの範囲の量の鉄、
1食当たり1100~2000mgの範囲の量のカリウム、
1食当たり6~6.5gの範囲の量の繊維、
1食当たり60μg~120μgの範囲の量のヨウ素、並びに
1食当たり合計量で170g~1.0gの範囲のDHA及びEPA、を含み、
食品組成物は、1日1回の投与を意図している。
【0031】
本発明による食品組成物は、タンパク質、脂肪、炭水化物、プレバイオティクス、プロバイオティクス、他のビタミン類、及び/又はミネラル類などの追加の栄養源である成分を含み得る。母体用食品組成物は、食事の一部として、又は栄養補助食品として女性に受け入れられる任意の形態を有し得る。例えば、本発明による食品組成物は、乳若しくは水で再構成される粉末栄養組成物、乳若しくは水で再構成される単回使用カプセル又はポッドに保存された粉末栄養組成物、栄養剤、シリアルベース製品、飲料、バー、栄養補助食品、栄養強化目的のためのプレミックス(例えば、ミネラル類及びビタミン類)、ニュートラシューティカルズ、ヨーグルト、乳製品、食品用スプリンクル(food sprinkler)、グミ、食事代替物、丸剤、又は錠剤からなる群から選択され得る。
【0032】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、乳製品、例えば、液体乳製品ベースの製品又は乳若しくは水で再構成される粉末乳製品ベースの製品である。
【0033】
一実施形態では、消費者によって特によく受け入れられるのは、乳又は水で再構成される粉末栄養組成物である。
【0034】
別の実施形態では、またよく受け入れられるのは、例えば、錠剤又はグミの形態の栄養補助食品である。
【0035】
一実施形態では、食品組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、パントテン酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、繊維並びにDHA及びEPAのみからなる栄養素の混合物を含む。一実施形態では、栄養補助食品は、選択された栄養素を提供するが、対象の総合的な栄養必要量に占める割合は多くなく、かつ/又は対象の1日当たりのエネルギー必要量の0.1%、1%、5%、10%、若しくは20%超を占めてはいない。
【0036】
ビタミンA
本発明の一実施形態では、ビタミンAを含む食品組成物が提供される。
【0037】
ビタミンAは、そのまま、又は塩などの生理学的に許容される誘導体の形態で、及び/又はビタミンAを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、ニンジン、赤パプリカ、カブ、オレンジジュース、オレンジ、トマト、濃緑葉野菜(dark green leafy vegetables)(ホウレンソウ、ブロッコリー及びケールなど)、カンタロープ、オレンジ、トマト、アプリコット、プランテン、マンゴー、パッションフルーツ、カボチャ、黄色トウモロコシ、大豆、ピスタチオ、卵黄、バター、乳、肝臓、タラ肝油、及びこれらの混合物からなる群で選択され得る。栄養強化目的のためのビタミンプレミックスも含まれる。
【0038】
一実施形態では、ビタミンAは、食品組成物にそのまま提供される。
【0039】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のビタミンAを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するビタミンA量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0040】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも500μg、例えば1食当たり少なくとも550μgの量のビタミンAを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり500~3000μgの範囲の量のビタミンAを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり500~600μgの範囲の量のビタミンAを含む。
【0041】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのビタミンA量の全量を送達する。
【0042】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのビタミンA量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。そのような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるビタミンAの量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0043】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0044】
ビタミンD
本発明の一実施形態では、ビタミンDを含む食品組成物が提供される。
【0045】
ビタミンDは、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又はビタミンDを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、牛乳、卵黄、肝臓、魚肝油、脂肪の多い魚(fatty fish)、キノコ、及びこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0046】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のビタミンDを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するビタミンD量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0047】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも10μgの量のビタミンDを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり10~100μg mgの範囲の量のビタミンDを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり10~20μgの範囲の量のビタミンDを含む。
【0048】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのビタミンD量の全量を送達する。
【0049】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのビタミンD量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるビタミンDの量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0050】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回消費されることが意図される。
【0051】
ビタミンE
本発明の一実施形態では、ビタミンEを含む食品組成物が提供される。
【0052】
ビタミンEは、そのまま、又は生理学的に許容される誘導体の形態で、及び/又はビタミンEを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、植物油、穀物穀粒、ナッツ、種子、並びに果物、野菜、及び穀粒の脂肪質の部分、肉、並びにこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0053】
ビタミンEは、例えば、1種のトコフェロールの形態、又は複数種の異なるトコフェロールの混合物の形態であり得る。例えば、ビタミンEは、α-トコフェロール及び/又はγ-トコフェロールであり得、かつ/又はトコフェロール濃縮混合物、L-ビタミンE、D,L-ビタミンE、純粋なトコフェロールの混合物(tocopherols mixed pure)、D,L-α-トコフェロール、D,L-α酢酸トコフェロール、トコフェロールの豊富な抽出物若しくはこれらの混合物の形態で含まれ得る。
【0054】
一実施形態では、ビタミンEは、α-トコフェロールである。
【0055】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のビタミンEを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するビタミンE量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0056】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも7mgの量のビタミンEを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり7~800mg、例えば1食当たり7~300mgの範囲の量のビタミンEを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり7~60mgの範囲の量のビタミンEを含む。
【0057】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのビタミンE量の全量を送達する。
【0058】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのビタミンE量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるビタミンEの量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0059】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0060】
パントテン酸(ビタミンB5)
本発明の一実施形態では、パントテン酸(ビタミンB5)を含む食品組成物が提供される。
【0061】
パントテン酸は、そのまま、又は塩などの生理学的に許容される誘導体の形態で、及び/又はパントテン酸を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、酵母、内臓肉(肝臓、腎臓)、卵、乳、ヨーグルト、全粒穀粉、野菜(ブロッコリー、キノコ、サツマイモ、レンズマメ、エンドウマメ、マメ、アボカド)、鶏肉、ステーキ、シチメンチョウ、ヒマワリ種子、豚肉、及びこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0062】
一実施形態では、パントテン酸は、食品組成物にそのまま提供される。
【0063】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のパントテン酸を本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するパントテン酸量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0064】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも1.5mgの量のパントテン酸を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり1.5~20mgの範囲の量のパントテン酸を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり1.5~7mgの範囲の量のパントテン酸を含む。
【0065】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのパントテン酸量の全量を送達する。
【0066】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのパントテン酸量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるパントテン酸の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0067】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0068】
葉酸
本発明の一実施形態では、葉酸を含む食品組成物が提供される。
【0069】
葉酸は、葉酸として、又は塩などの生理学的に許容される誘導体の形態で、及び/又は葉酸を含む任意の原料を介して、又は緑葉野菜(ホウレンソウ、ブロッコリー及びレタスなど)、マメ、エンドウマメ、レンズマメ、及び果物(レモン、バナナ、及びメロンなど)などのこれらの任意の混合物を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。一実施形態では葉酸は、食品組成物にそのまま提供される。
【0070】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量の葉酸を本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求する葉酸量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0071】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも190μg、例えば1食当たり少なくとも190μgの量の葉酸を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり190~1000μgの範囲の量の葉酸を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり190~300μgの範囲の量の葉酸を含む。
【0072】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりの葉酸量の全量を送達する。
【0073】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりの葉酸量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有される葉酸の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0074】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0075】
ビタミンC
本発明の一実施形態では、ビタミンCを含む食品組成物が提供される。
【0076】
ビタミンCは、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又はビタミンCを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、ブロッコリー、芽キャベツ、及びカリフラワー、緑パプリカ及び赤パプリカ、緑葉野菜、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0077】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のビタミンCを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するビタミンC量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0078】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも35mgの量のビタミンCを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり35~1800mgの範囲の量のビタミンCを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり35~360mgの範囲の量のビタミンCを含む。
【0079】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのビタミンC量の全量を送達する。
【0080】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのビタミンC量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるビタミンCの量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0081】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0082】
亜鉛
本発明の一実施形態では、亜鉛を含む食品組成物が提供される。
【0083】
亜鉛は、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又は亜鉛を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0084】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される成分の性質及び量に応じて、本発明による組成物中に異なる量の亜鉛を提供し得る。但し、特許請求する亜鉛量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0085】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも2.5mgの量の亜鉛を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり2.5~34mg、例えば1食当たり2.5~25mgの範囲の量の亜鉛を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり2.5~5mgの範囲の量の亜鉛を含む。
【0086】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりの亜鉛量の全量を送達する。
【0087】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりの亜鉛量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有される亜鉛の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0088】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0089】

本発明の一実施形態では、鉄を含む食品組成物が提供される。
【0090】
鉄は、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又は鉄を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、硫酸鉄、クエン酸鉄、クエン酸鉄コリン、クエン酸鉄アンモニウム、塩化鉄、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、ピロリン酸鉄、又はこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0091】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量の鉄を本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求する鉄量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0092】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも3mgの量の鉄を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり3~45mgの範囲の量の鉄を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり7~9mgの範囲の量の鉄を含む。
【0093】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりの鉄量の全量を送達する。
【0094】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりの鉄量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有される鉄の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0095】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0096】
カリウム
本発明の一実施形態では、カリウムを含む食品組成物が提供される。
【0097】
カリウムは、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又はカリウムを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、リン酸カリウム、硫酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、アスパラギン酸カリウム、重炭酸カリウム、グルコン酸カリウム、又はこれらの混合物からなる群で選択され得る。
【0098】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のカリウムを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するカリウム量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0099】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも1100mgの量のカリウムを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり1100~4000mgの範囲の量のカリウムを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり1100~2000mgの範囲の量のカリウムを含む。
【0100】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのカリウム量の全量を送達する。
【0101】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのカリウム量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるカリウムの量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0102】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0103】
繊維
本発明の一実施形態では、繊維を含む食品組成物が提供される。
【0104】
繊維は、そのまま、又は生理学的に許容される誘導体の形態で、及び/又は繊維を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、果物、野菜、マメ科植物、穀物及びアブラナ科野菜からなる群で選択され得る。
【0105】
一実施形態では、食物繊維は、難消化性オリゴ糖(難消化性デキストリン、ポリデキストロース又はFOSなど)、NSP(例えば、ペクチン、イヌリン、部分加水分解グアーガム(PHGG)、アカシアガム)、難消化性デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0106】
一実施形態では、繊維を提供する成分は、天然又は合成に由来する繊維を提供することができ得る。
【0107】
一実施形態では、合成に由来する繊維は、例えば、スクロースからのFOSである。
【0108】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量の繊維を本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求する繊維量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0109】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも6000mgの量の繊維を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり6000~32000mg、例えば1食当たり6000~20000mgの範囲の量の繊維を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり6000~6500mgの範囲の量の繊維を含む。
【0110】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりの繊維量の全量を送達する。
【0111】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりの繊維量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有される繊維の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0112】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0113】
ヨウ素
本発明の一実施形態では、ヨウ素を含む食品組成物が提供される。
【0114】
ヨウ素は、そのまま、又は生理学的に許容される塩の形態で、及び/又はヨウ素を含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。
【0115】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のヨウ素を本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するヨウ素量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0116】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも60μgの量のヨウ素を含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり60μg~900μgの範囲の量のヨウ素を含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり60~120μgの範囲の量のヨウ素を含む。
【0117】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのヨウ素量の全量を送達する。
【0118】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのヨウ素量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるヨウ素の量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0119】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0120】
DHA及びEPA
本発明の一実施形態では、DHA及びEPAを含む食品組成物が提供される。
【0121】
DHA及びEPAは、そのまま、又は生理学的に許容される前駆体の形態で、並びに/又はDHA及びEPAを含む任意の原料を介して本発明の組成物に組み込まれ得る。例えば、成分は、魚油、卵黄、又はアンチョビ、オヒョウ、ニシン、サバ、カキ、サケ、イワシ、マス、マグロを含む海産物からなる群で選択され得る。
【0122】
当業者には明らかであるように、異なる成分は、使用される前記成分の性質及び量に応じて異なる量のDHA及びEPAを本発明の組成物に提供し得る。但し、特許請求するDHA量及びEPA量を提供するために、供給元によって提供される具体的な成分規格に基づき必要な成分量を計算することは、当業者にとって日常的な作業であろう。
【0123】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり少なくとも160mgの量のDHA及びEPAを含む。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり170mg~5gの範囲の量のDHA及びEPAを含む。更なる実施形態では、本発明の食品組成物は、1食当たり170mg~1gの範囲の量のDHA及びEPAを含む。
【0124】
このような実施形態では、本発明の食品組成物は、特定された授乳婦群の栄養素の欠乏に対処するために必要と考えられる1日当たりのDHA量及びEPA量の全量を送達する。
【0125】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、上記の1日当たりのDHA量及びEPA量の全量を提供するために、1日1食、2食、3食、又は4食で投与され得る。このような実施形態では、当業者には明らかであるように、本発明による食品組成物の各食に含有されるDHA量及びEPA量は、それぞれ1、2、3、又は4で除算されたものになる。
【0126】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、1日1回又は2回の消費を意図している。
【0127】
健康上の利益
本発明は、授乳婦における栄養素不足の予防における使用のための食品組成物を提供する。
【0128】
一実施形態では、本発明による食品組成物は、授乳中の母親の栄養必要量を維持するために、十分な栄養素を摂取するのを助けることによって栄養素の不足のリスクを低減する。
【0129】
別の実施形態では、本発明による食品組成物は、授乳中の母体に蓄えられている栄養素の枯渇を回避し、母体の蓄えを損なわずに栄養素を乳児に運ぶのを助けることによって、栄養素不足のリスクを低減する。
【0130】
一実施形態では、本発明の食品組成物は、出産後24カ月又は18カ月間の授乳婦への投与を意図している。
【0131】
別の実施形態では、本発明の食品組成物は、出産後12カ月間の授乳婦への投与を意図している。別の実施形態では、本発明の食品組成物は、出産後6カ月間の授乳婦への投与を意図している。
【0132】
一態様では、本発明は、高ナトリウム型食事パターンを有する授乳婦の栄養素不足の予防のために、食品組成物の製造における、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、葉酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、繊維、EPA+DHA、及び/又はこれらの混合物の使用を提供する。
【0133】
実験項
実施例1
食事パターンの分析に基づく女性のクラスターの特定
この分析に使用されるデータは、欧州6カ国からのものである。参加者は、登録時に18~40歳であり、妊娠前のBMIは19~29であり、出生から最長4カ月の月齢まで新生児を母乳だけで育てることを決めている場合に資格がある。
【0134】
食事摂取量の評価
食事摂取量は、3日間の食事日誌を使用して推定し、3日間の平均として計算した。出産後に授乳期の4カ月までで6回食事日誌を回収した。詳細には、参加者は、出産直前の最後の訪問(V0)から観察され、次いで、出産後の6回のフォローアップ訪問、すなわち2日目(V1)、17日目(V2)、30日目(V3)、60日目(V4)、90日目(V5)、及び120日目(V6)で観察された。各訪問時に、参加者には訪問日前の3日間の参加者の食事摂取に関する情報を提供するように求めた。次いで、全ての国からの参加者の食事情報を、フランスの食品群分類及び栄養組成データベース「the Ciqual Table de composition nutritionnelle des aliments」を使用して、摂取データ、食品群データ及び1日当たりの栄養摂取量データに変換した。
【0135】
統計解析
180人の参加者セットのV2~V6サブセットについて、CIQUAL2013データベースに従って29個の食品群変数の分析を実施した。V1のデータは、通常は女性がまだ入院しており、普段の食習慣を反映していないため除外した。各訪問について、各参加者の栄養摂取量は、CIQUAL2017データベースの食品品目の記録及び食品組成値を使用して計算した。
【0136】
CIQUALデータベース2013に基づき、分析に含まれる主な食品群は、「果物」、「マメ科植物」、「デンプン質の塊茎」、「ナッツ及び種子」、「パン及びロール」、「朝食用シリアル及びシリアルバー」、「穀物及びパスタ」、「ペーストリー及びビスケット」、「卵及び卵製品」、「乳及び乳製品」、「チーズ」、「ミックスサラダ」、「ミックスディッシュ」、「サンドイッチ」、「魚介類」、「甲殻類及び軟体類」、「肉製品」、「家禽類」、「赤身肉」、「コーヒー・紅茶・ココア飲料」、「ソフトドリンク」、「ジュース及びネクター」、「油脂」、「調味料及びソース」、「スープ及びストック」である。「ベビーフード」、「ダイエタリーサプリメント」、「内臓類」、「特別な栄養目的のための食品」などのいくつかの食品群は、大きな影響を与える量を摂取していたのがごく少数の女性のみであったため、除外された。食事パターンの更なる分析のためのデータセットを作成する際に、外れ値(1日当たり1074.8kcal未満又は4776.9kcal超)の食事を有する参加者を除外した(Meltzer HM,Brantsaeter AL,Ydersbond TA et al.2008,Methodological challenges when monitoring the diet of pregnant women in a large study:experiences from the Norwegian Mother and Child Cohort Study(MoBa).Matern Child Nutr 4,14-27)。
【0137】
食事パターンの分析で一般的に使用されているK-平均クラスタリング法を適用して、授乳期の初期から4カ月までの食事パターンを特定した。3~5個のクラスターについて分析を実施した。基本的に、解によって説明される変動量、各クラスターの大きさ及び解釈性、並びに解の安定性を考慮して、ギャップ統計アプローチを使用して4つのクラスター解を選択し、線形判別分析を使用して評価した。
【0138】
クラスター分析は、1組の品目群を、如何にして重複しない複数の群へと、すなわち、あるクラスター内の品目群がそれ以外のクラスターに含まれる品目群よりも互いに類似するような複数のクラスターへと、分割するかについての検定である。結果として、4つのクラスターが見出された。
【0139】
表1は、クラスターの各々において、2013年のCiqualデータベース食品群に基づき分析された全ての食品群についての平均摂取量(平均)及び標準偏差(std)を報告する。
【0140】
【表2】
【0141】
図1図4は、特定された各クラスター(それぞれ、クラスター1~4)の食物摂取量の特徴を図式的に表す。Y軸は食品群を示し、x軸は、各群(すなわち、各「クラスター」)における個別摂取量と、総集団の平均摂取量との差の、zスコアを示す。
【0142】
各クラスターの栄養摂取量を計算した。以下の表1は、各クラスター中の対象について、栄養素の1日当たりの平均摂取量(平均)及び標準偏差(std)を報告する。
【0143】
【表3-1】

【表3-2】
【0144】
実施例2
クラスターにおける栄養素の不足の特定
特定されたクラスターに属する授乳婦の、栄養素の1日当りの食事摂取量を、授乳婦のためのEFSAの食事推奨と比較した。結果として、各クラスターの栄養素不足が特定された。
【0145】
結果を以下の表3に報告する。
【0146】
【表4】
【0147】
例えば、高ナトリウム型の食事パターンを有する授乳婦のクラスターとしても参照されるクラスター4では、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、葉酸、ビタミンC、亜鉛、鉄、カリウム、ヨウ素、DHA、EPA、及び繊維の摂取における不足が特定された。
【0148】
実施例3
ダイエタリーサプリメント組成物
本発明によるダイエタリーサプリメントの形態の食品組成物は、以下の栄養素を提供するカプセル成分へと組み込むことによって調製され得る。
ビタミンA 600μg
ビタミンD 10μg
ビタミンE 9mg
パントテン酸 2mg
葉酸 200μg
ビタミンC 40mg
亜鉛 2.5mg
鉄 4mg
カリウム 1150mg
繊維 6g
ヨウ素 60μg
DHA及びEPA 2000mg
【0149】
生成物は、高ナトリウム型の食事パターンを有する授乳婦による毎日の摂取(1日当たり1回)を意図しており、このようなタイプの食事摂取を有する授乳婦において生じる栄養素不足を予防することができる。
【0150】
本明細書で述べる現在の好ましい実施形態に対する様々な変更及び変形が、当業者には明らかとなる点を理解されたい。そのような変更及び変形は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつその付随する利点を減じることなく、実施することができる。それゆえ、そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】