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特表2022-546971高周波伝送用のパターンを有しているペイン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】高周波伝送用のパターンを有しているペイン
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20221102BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01Q15/14 B
B60J1/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513278
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2020071382
(87)【国際公開番号】W WO2021037467
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19193994.1
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100186912
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 淳浩
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ドロステ
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA06
5J020BA01
(57)【要約】
本発明は、外側面(III)及び内側面(IV)を有している、少なくとも一つの第一ペイン(1.1)、前記第一ペイン(1.1)の前記外側面(III)及び/又は前記内側面(IV)に配置されている、少なくとも一つの透明導電性コーティング(3)、並びに透明導電性コーティング内の脱コーティングされている線状の領域(4.1)で形成されており、それによって、線状の前記領域(4.1)が、互いに部分的に接触しており、その結果、前記コーティング(3)内で、複数の電気的絶縁ゾーン(6)を形成している、少なくとも一つのパターン(4)を備えているペイン(10)、特に乗物ペインに関し、脱コーティングされている線状の前記領域(4.1)が、正弦曲線形状を有しており、前記ペイン(10)が、正弦曲線の脱コーティングされている前記領域(4.1)について、異なる振幅及び/又は周波数を有している複数領域を備えている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を備えているペインであり:
-外側面(III)及び内側面(IV)を有している、少なくとも一つの第一ペイン(1.1)、
-前記第一ペイン(1.1)の前記外側面(III)及び/又は前記内側面(IV)に配置されている、少なくとも一つの透明導電性コーティング(3)、並びに
-透明導電性コーティング内の脱コーティングされている線状の領域(4.1)で形成されており、それによって、線状の前記領域(4.1)が、互いに部分的に接触しており、その結果、前記コーティング(3)内で、複数の電気的絶縁ゾーン(6)を形成している、少なくとも一つのパターン(4)、
脱コーティングされている線状の前記領域(4.1)が、正弦曲線形状を有しており、
前記ペイン(10)が、正弦曲線の脱コーティングされている前記領域(4.1)について、異なる振幅及び/又は周波数を有している複数領域を備えている、
ペイン。
【請求項2】
エッジ領域においてよりも、中央領域において、正弦曲線の脱コーティングされている前記複数領域(4.1)が、大きな振幅及び/又は低い周波数を有している、請求項1に記載のペイン。
【請求項3】
ウインドシールド又はウインドシールドの部品であり、その中央領域が、ECE-R43に従う、視野A、視野B、又は視野Iである、請求項2に記載のペイン。
【請求項4】
前記ペイン(10)が、正弦曲線の脱コーティングされている前記領域(4.1)について、異なる振幅を有している領域を備えており、かつ、小さい振幅を有している領域においてよりも、大きい振幅を有している領域において、正弦曲線の脱コーティングされている前記複数領域(4.1)の数が少ない、請求項1~3のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項5】
正弦曲線の脱コーティングされている前記領域(4.1)が、その領域それぞれ内で、均一の振幅及び/又は周波数を有している、請求項1~4のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項6】
脱コーティングされている前記領域(4.1)の線幅が、5μm~500μm、好ましくは10μm~140μである、請求項1~5のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項7】
前記透明導電性コーティング(3)が、少なくとも4ゾーン(6)、好ましくは10~150ゾーン(6)を有しており、前記ゾーン(6)が、好ましくは水平及び/又は垂直に配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項8】
前記ゾーン(6)の面積が、前記ペイン(10)の面積の25%~95%の割合を有している、請求項1~7のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項9】
前記第一ペイン(1.1)及び/又は第二ペイン(1.2)が、ガラス、好ましくは板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ソーダライムガラス、又はポリマー、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、及び/又はそれらの混合物を含んでいる、請求項1~8のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項10】
前記透明導電性コーティング(3)が、少なくとも一つの金属、好ましくは、銀、ニッケル、クロム、ニオブ、錫、チタン、銅、パラジウム、亜鉛、金、カドミウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、若しくはそれらの合金、並びに/又は少なくとも一つの金属酸化物層、好ましくは、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO、SnO:F)、アンチモンドープ酸化錫(ATO、SnO:Sb)、並びに/又はカーボンナノチューブ、並びに/又は光学的に透明な導電性ポリマー、好ましくは、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(4,4-ジオクチルシクロペンタジチオフェン)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン、それらの混合物及び/若しくはコポリマーを含んでおり、かつ/あるいは、透明導電性コーティング(3)が、0.35オーム/平方~200オーム/平方、好ましくは0.6オーム/平方~30オーム/平方のシート抵抗を有している、請求項1~9のいずれか一項に記載のペイン。
【請求項11】
少なくとも下記を備えている、積層ペイン(1):
-請求項1~10のいずれか一項に記載のペイン(10)、
-少なくとも一つの中間層(2)を介して、前記ペイン(10)に層状に結合されている第二ペイン(1.2)。
【請求項12】
少なくとも下記である、ペイン(10)の製造方法:
(a)透明導電性コーティング(3)を、第一ペイン(1.1)の外側面(I)及び/又は内側面(IV)に適用し、かつ
(b)少なくとも二つの線状の脱コーティングされている複数領域(4.1)を有している、少なくとも一つの電気的絶縁ゾーン(6)を、前記透明導電性コーティング(3)に導入して、前記少なくとも二つの複数領域(4.1)が、互いに部分的に接触し、正弦曲線形状を有する。
【請求項13】
脱コーティングされているパターン(4)を、レーザーパターンニングで、透明導電性コーティング(3)に導入する、請求項12に記載のペイン(10)の製造方法。
【請求項14】
ステップ(a)で、前記透明導電性コーティング(3)を、キャリア層に適用し、かつ、前記キャリア層を、前記第一ペイン(1.1)に、好ましくは中間層(2)を介して、層状に結合する、請求項12又は13に記載のペイン(10)の製造方法。
【請求項15】
高周波電磁放射の透過減衰が低いグレージングとして、陸上、水上、若しくは空中の移動手段の車体若しくは乗物ドア内で、好ましくはウインドシールドとして、建物内で、ファサード若しくは建物窓として、並びに/又は家具若しくは電化製品内の組み込み部品として、請求項1~10のいずれか一項に記載のペイン(10)又は請求項11に記載の積層ペイン(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペイン、特に乗物ペインに関し、ペインは、透明導電性コーティングを有しており、高周波範囲の電磁放射に対する透過減衰が低い。本発明は、さらに、そのようなペインの製造方法及び使用に関する。
【0002】
現在の自動車は、電磁放射を送受信するための多数の技術デバイスを必要としており、それは基本的サービスの運用であり、そのサービスとは、例えば、好ましくはAM、FM、又はDABバンドでのラジオ受信、GSM(登録商標)900及びDCS1800、UMTS及びLTE、並びに5Gバンドでの携帯電話、そして、衛星支援ナビゲーション(GPS)及びWLANである。
【0003】
同時に、現代の乗物グレージングは、可視光に対して透明な全側及び全面導電性コーティングを備えていることが増加している。これらの透明導電性コーティングは、例えば、太陽光による過熱から、あるいは、冷却から内部を保護し、これは、入射熱放射の反射によるものであり、このことは、EP378917Aから周知である。透明な導電性コーティングは、電圧の印加によって、ペインの選択的な加温を生じることができ、このことは、WO2010/043598A1から周知である。
【0004】
透明導電性のコーティングに共通しているのは、高周波範囲の電磁放射に対しても不透過性であることである。透明導電性コーティングを有している、乗物の全側及び全面グレージングによって、内部での電磁放射の送受信は、もはや可能ではない。雨センサー、カメラシステム、又は固定アンテナ等のセンサーの運用のため、導電性の透明コーティングの一つ又は二つの局所領域が脱コーティングされる。これらの脱コーティングされている領域は、所謂「通信ウインドウ」又は「データ送信ウインドウ」を形成しており、このことは、例えば、EP1605729A2から周知である。透明導電性コーティングは、ペインの色及び反射率に影響を与えるため、通信ウインドウは光学的に非常に目立つ。運転者の視界の乱れは、運転の安全性を損ない、絶対に回避しなければならず、その乱れは、脱コーティングされている領域に起因している可能性がある。その結果、通信ウインドウは、ペインの目立たない位置に配置されており、その位置は、例えば、ウインドシールドのバックミラーの内側領域等であり、通信ウインドウは、黒のインプリントとプラスチックスクリーンで覆われている。
【0005】
このような通信ウインドウは小さすぎるため、高周波電磁放射の送受信ができず、高周波電磁放射は、例えば、携帯電話及び衛星支援ナビゲーションに必要なものである。それにもかかわらず、ユーザーは、乗物の任意の位置で、携帯電話を運用できることを期待している。
【0006】
EP0717459A1、US2003/0080909A1、及びDE19817712C1から、金属コーティングを有しているペインが周知であり、これらはすべて、金属コーティングのグリッド形成されている脱コーティングを有している。グリッド形成されている脱コーティングは、入射する高周波電磁放射のローパスフィルターとして機能する。グリッド要素間の距離は、高周波電磁放射の波長と比較して小さいため、コーティングの比較的大きな割合がパターン化され、ペインを通じての視界が比較的大きく損なわれる。層の比較的大きな割合の除去は、面倒であり、費用を要する。
【0007】
公報US6,922,175B2、EP1614325B1、及びWO2014/060203A1はまた、そのようなグリッド形成されている脱コーティングを開示しており、それらは、角があるか、あるいは、直線的な、いずれかの脱コーティングパターンを有しているという、共通点がある。さらに、脱コーティングは、通常、乗物ウインドシールドのエッジ領域、とりわけ、運転者の主要な視界ではないところに位置する領域のみで行われる。
【0008】
WO2012/066324A1から、正弦曲線又は波状の形状を有している脱コーティング線状領域とともに形成されているコーティングも周知である。このようなデコーティングは、視覚的に比較的目立たず、レーザー脱コーティングによって、容易かつ迅速に製造できるため、有利である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、透明な導電性コーティングを有している、さらに改良されたペインを提供することにある。ペインは、高周波電磁放射を充分に送信可能であり、視覚的に魅力的で、ペイン全体の視界を実質的に制限することはなく、そして、何よりも、迅速かつ経済的に製造できる必要があり、高周波電磁放射は、GSM(登録商標)900及びDCS1800、UMTS、並びにLTEバンドの携帯電話、そして、衛星支援ナビゲーション(GPS)及びISM周波数の運用を充分に送信可能にするものであり、ISM周波数での運用は、例えば、WLAN、ガレージドアオープナー周波数、Bluetooth(登録商標)、Car2Car通信、又はCBラジオである。これら及び他の目的は、独立請求項の特徴を有しているペインによる本発明の提案に従って達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の特徴によって示されている。高周波送信を伴うペインの製造方法、及びそのようなペインの使用は、他の独立請求項に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のペインは、外側面及び内側面を有している少なくとも一つの第一ペイン、前記第一ペインの前記外側面及び/又は前記第一ペインの前記内側面、並びに透明導電性コーティング内の脱コーティングされている線状の領域で形成されており、それによって、線状の前記領域が、互いに部分的に接触しており、その結果、前記コーティング内で、複数の電気的絶縁領域を形成している、少なくとも一つのパターンを備えており、脱コーティングされている線状の前記領域が、正弦曲線形状を有している。
【0011】
本発明によれば、脱コーティングされている領域が正弦曲線形状を有するように準備がなされている。本発明の文脈において、「正弦曲線形状」という用語は、特に、線形領域の線が曲率を有するか、あるいは、それぞれの場合において、少なくともいくつかのセクションのコースにおいて、交互に異なる曲率を有することを意味しており、従来技術のように、直線的ではない。曲率、あるいは、脱コーティングされている領域の曲率は、一定の曲率角と可変の曲率角の両方で実現できる。特に、この用語は、「完全な」正弦曲線形状を有している湾曲した線状領域と、「不完全な」正弦曲線形状を有している、すなわち、任意の波形を有している湾曲した線状領域の両方を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明によれば、正弦曲線形状又は任意の波形を有している脱コーティングされている線状領域は、コーティング内に複数の電気的に絶縁されているゾーンを形成している。これらのゾーンの領域のサイズは、特定の波長の電磁放射の透過性を決定する要因であり、特定の波長の電磁放射とは、例えば、GSM(登録商標)900及びDCS1800、UMTS、LTE、および5Gのバンドでの携帯電話、そして、衛星支援ナビゲーション(GPS)及びその他のISM周波数での運用のための放射であり、ISM周波数での運用は、例えば、WLAN、ガレージドアオープナー周波数、Bluetooth(登録商標)、Car2Car通信、又はCBラジオである。本発明によれば、ゾーンの領域のサイズは、一方では、正弦曲線状の脱コーティングされている領域の振幅及び周波数を選択することによって、大きく変えることができる。他方では、本発明のパターンは、正弦曲線の脱コーティングされている線の配向、重なり合う領域の選択、及び事前に導入された線に対する正弦曲線の線のオフセット、特に水平方向によって、さらなる変化を可能にする。このようにして、同時に複数の周波数バンドに対しても、透過率の最適化を容易にすることができる。
【0013】
本発明は、非直線状に脱コーティングされているパターンを有している本発明のペインが、高周波電磁放射に対して充分に高い透過性を有しているという知見に基づいている。透明導電性コーティングを広い領域で脱コーティングする必要はない。細い線幅のみの脱コーティングされているパターンで充分であり、それによって、ペインを通じての光学的視覚及びペインの美的外観を実質的に損なうことはない。有利なことに、非直線的な正弦曲線パターンは、干渉電界誘導電流の発生を少なくすることができるという事実をもたらすことができる。また、高周波電磁放射の高い透過性は、極僅かなパターニング作業で達成することができる。同時に、処理時間及び処理コストを低く抑えることができる。これは主に、パターニング中、つまり、ペインの導電性コーティングに脱コーティングされた線状領域を導入する際に、多くのオフセットポイント及び関連する再配置なしで、レーザーの連続的かつ流動的な動きを実行できることによる。このようにして、数倍速い処理時間を達成することができる。正弦曲線又は波状のパターンは、直線的なパターンよりも、視聴者にとって、見た目の邪魔にならない。これは、特に、正弦曲線又は波状のパターンの場合、パターン内の角、特に、直角又は鋭角の角が少ないことによる。
【0014】
この目的のために、本発明のペインは、透明導電性コーティングを有している第一ペインを備えている単一のペインとして実装することができる。
【0015】
あるいは、本発明のペインは、積層ペインとして実装することができる。本発明の積層ペインは、好ましくは、第一ペイン、中間層、及び第二ペイン、並びに少なくとも一つの透明導電性コーティングを備えており、透明導電性コーティングは、中間層と第一ペインとの間及び/又は中間層と第二ペインとの間に配置されている。透明導電性コーティングは、キャリアフィルムに配置されていてもよく、キャリアフィルムは、好ましくは、第一及び第二ペイン内のさらなる中間層を介して積層されている。
【0016】
第一ペイン及び/又は第二ペインは、単一のペインの場合及び積層ペインの場合の両方において、単一のペイン又は既に積層済の複合ペインであってよく、複合ペインは、二つ以上のペインから構成されており、積層の結果として、固定的に結合されたユニットを形成している。
【0017】
本発明の有利な実施形態では、正弦曲線の脱コーティングされている領域は、少なくともいくつかのセクションにおいて、均一な振幅及び/又は周波数を有している。このようにして、個々のゾーンは、均一なグリッドパターンを形成することができる。このような均一なグリッドパターンは、特定の波長に対する透過性について、最適化されていてよい。本発明によれば、この最適化、及び複数の高周波信号の同時最適化でさえ、振幅、周波数、波線間の距離、重なり合う領域の設計、及び隣接するラインの周波数オフセットの選択の点で、パターンニングを幅広く変化させるためになされていてよい。さらに、均一なパターンは、特に、乗物のウインドシールド全体がコーティングされている場合に、非常に高い美観を提供する。波状または正弦曲線の脱コーティングされている領域と、その結果として生じる視覚的に流れる遷移のため、グリッドパターンは、直線的な脱コーティングされている領域によって形成されるパターンよりも、目障りであることが少なく、これは、直線的な脱コーティングされている領域は、特に直角の角を有することが多いためである。正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び/又は周波数は均一であるため、製造プロセスで非常に高いプロセス速度を実現できる。
【0018】
正弦曲線の脱コーティングされている領域の「振幅」及び「周波数」という用語は、特に、水平方向の波の長さ(周波数)及び垂直方向の波のピッチ又はピッチ深さ(振幅)を意味する。「水平」及び「垂直」という用語は、例えば、乗物又は建物における、本発明のペインの実装状況を示す。
【0019】
本発明のグリッドパターンは、ローパスフィルターとして機能し、すなわち、それらは、カットオフ周波数よりも低い周波数を通過させ、それを超えるとカットオフ周波数よりも高い周波数の伝送が悪化するカットオフ周波数に最適化されていてよい。グリッドパターンを形成している正弦曲線の脱コーティングされている線の振幅及び周波数の寸法は、当業者に一般的に知られている方法で、カットオフ周波数の選択から生じる。電磁伝送は、各方向でそれらの影響を受け、すなわち、各方向のライン間の最大距離が小さいほど、伝送が影響を受けないままになるカットオフ周波数が高くなる。例えば、脱コーティングされている領域間の垂直方向の最大距離が2.0mmで、水平方向の最大距離が5.0mmの場合、結果として得られるカットオフ波長は、これらの値の最大20倍と見積もることができる。したがって、カットオフ波長は、垂直方向に最大で約40mm、水平方向に最大で約100mmであり、それに対応して、偏波の方向に応じて、カットオフ波長の周波数は、7.5GHz又は3GHzになる。関連する相関関係と推定値については、DE19508042A1の記載を参照することができる。ただし、原則として、任意の偏波を送信することができる。
【0020】
あるいは、しかしまた有利には、正弦曲線の脱コーティングされている領域は、少なくともいくつかのセクションにおいて、可変の振幅及び/又は周波数を有していてもよい。このようにして、不均一なグリッドパターンは、可変の振幅及び/又は周波数を有している個々のゾーンによって形成されていてよい。様々な実施形態が考えられる。例えば、異なる振幅及び/又は周波数の規則的なシーケンスを使用して、異なる波長に対しても透過性の最適化を実現できる。振幅又は周波数の変化の不規則なシーケンスを使用して、例えば、ウインドシールドの特定の領域で、それぞれの場合に、一つの波長に対して最適化された透過性を実現できる。特に運転者の視界の領域において、正弦曲線の脱コーティングされている領域で、大幅に増加した振幅及び/又は周波数を提供して、この領域に対して、さらに改善された視界及び目障りなものが一層少ないパターン線を提供することも可能である。それにもかかわらず、コーティングステップ及び脱コーティングの導入でのプロセス中に、全体として又は非常に広い領域にわたって、ウインドシールドを処理することができ、その結果、コーティングされない領域をマスキングするための費用のかさむ事前準備と、脱コーティングの絶え間ない除去及び再配置を省略することができる。
【0021】
ペインには、正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び/又は周波数が異なる領域(ゾーン)がある。これは、ペインの少なくとも二つのサブ領域が存在し、第一サブ領域の正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び/又は周波数が、第二サブ領域の正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び/又は周波数と異なることを意味する。ペインは、振幅や周波数が異なる、二つを超えるサブ領域を有していてもよい。サブ領域内では、振幅お予備周波数は、均一かつ一定であることが好ましい。異なる周波数及び/又は振幅を有している異なるサブ領域によって、異なる周波数範囲の電磁放射に対する透過性を、ペインに提供することが可能である。
【0022】
異なるが本質的に一定の振幅及び/又は周波数を持つ領域が互いに直接隣接することによって、振幅及び/又は周波数の変化が突然発生してもよい。しかし、領域が遷移ゾーンによって互いに分離されることが好ましいことがあり、二つの領域間では、振幅及び/又は周波数が連続的に変化して、(正弦曲線の脱コーティングされている線の振幅及び/又は周波数に関して)滑らかな遷移を生じている。その場合、脱コーティングされている線のパターンは、特に目立たなくなる。
【0023】
ペインの中央領域(スルービジョン領域)で振幅が大きくなること、及び/又はペインの中央領域の周波数がエッジ領域よりも小さいことは、特に有利である。中央領域は、エッジ領域よりも、ペインのサイドエッジからの距離が大きくなっている。振幅が大きく、周波数が低いと、脱コーティングされている線の密度が低くなるため、脱コーティングされている線は、中央領域で視覚的に目立たなくなり、目障りなく視認される。ペインを通じてのスルービジョンは、主に中央のスルービジョン領域で発生するため、これは有利である。
【0024】
国連欧州経済委員会(UN/ECE)の規則第43号(ECE-R43、「安全グレージング材料の承認と車両への実装に関する統一規定」)は、様々な乗物のウインドシールドの中心視野を定義している。乗用車も含むカテゴリーM1(運転席に加えて最大8席の旅客輸送乗物)の乗物については、視野Aとそれを含むより広い視野Bが定義されている。M1以外のカテゴリーMの乗物(旅客輸送用のその他の車両)、及びカテゴリーNの乗物(貨物輸送用の乗物)の場合、視野Iが定義されている。中央視野では、ペインの品質について、特に高い要件が課せられており、特に、その透過率、可能な限り最も歪みのない視界、及び透視による干渉を最小限にするという点である。その結果、有利な実施形態では、脱コーティングされている線の、より大きな振幅及び/又はより低い周波数を有している中心視野は、
-ECE-R43に準拠した視野A又は視野Bであり(ペインがカテゴリーM1の乗物、特に、乗用車のウインドシールド、又はウインドシールドのコンポーネントである場合)、
-ECE-R43に順序した視野Iである(ペインがM1以外のカテゴリーM、又はカテゴリーNの乗物のウインドシールド、又はウインドシールドのコンポーネントである場合)。
これにより、中央の透視領域の脱コーティングされている線の視覚的な目立ちやすさが最小限に抑えられる。これらの中心視野の外側の領域では、完全に又は部分的に、より小さい振幅又はより高い周波数の、脱コーティングされている線がある。M1(特に乗用車)の乗物のためのウインドシールドの場合、視野Bにおいてよりも、視野Aにおいて、より大きな振幅及び/又はより低い周波数が存在するように準備されていてよく、視野Bは視野Aの周囲にあり、そして、視野Bの外側においてよりも、視野Bのこの領域において、より大きな振幅及び/又はより低い周波数が存在するように準備されていてよい。
【0025】
特に有利な実施形態では、ペインは、正弦曲線の脱コーティングされている線状領域の、異なる振幅を有しているサブ領域を備えている。好ましくは、エッジ領域においてよりも、中央領域において、振幅は、より大きく、それによって、ウインドシールドの場合、中央領域は、特に好ましくは、ECE-R43に準拠する、前述の視野の一つである。振幅が大きい領域では、振幅が小さい領域よりも、脱コーティングされている線状領域の数が少なくなる。前記領域が二つより多い場合、脱コーティングされている線の数は、それらの振幅が小さいほど、多いことが好ましい。特に、より大きな振幅を有している領域において、そのような線状領域が部分的に互いに接触しており、より小さな振幅を有している領域において、それらの延長部が互いに接触せず、挿入されたさらなる脱コーティングされた線によって互いに分離されており、そして、それらが部分的に接触している場合、有利である。挿入されたさらなる脱コーティングされている線は、より大きな振幅を有している領域では継続されず、その結果、脱コーティングされた線の数が減少する。
【0026】
本発明によるペインの別の有利な実施形態では、脱コーティングされている領域の線幅dは、5μm~500μm、好ましくは10μm~140μmである。線幅は、例えば、25μm~500μm、又は30μm~140μmであってよい。このような線幅は、た例えば、レーザーパターニングによって技術的に簡単に生成できる。さらに、それらは、ペインを通じての光学的視野を、ほとんど損なわない。
【0027】
本発明のペインの別の有利な実施形態では、透明導電性コーティングは、少なくとも四つのゾーン、好ましくは10~150のゾーンを有しており、ゾーンは、好ましくは水平及び/又は垂直に配置されている。脱コーティングされている線の、そのような分布により、特に低い透過減衰と、ペインの背後での受信及び送信電力の好ましい分布とを達成することができる。水平及び/又は垂直に配置されている、脱コーティングされているパターンを有している領域は、その全体でも、水平に対して、例えば、10°~80°、好ましくは30°~50°の角度αを有していてよい。
【0028】
本発明のペインの有利な実施形態では、ゾーンの面積は、ペインの面積に対して、25%~95%の割合を有している。あるいは、しかし、同様に有利には、ゾーンの面積割合も95%より大きく、好ましくは100%であってもよく、言い換えれば、ゾーンは、ペインの全面積に及ぶ。この面積割合により、特に低い透過減衰と、ペインの背後での送受信電力の良好な分配を実現できる。同時に、脱コーティングのための処理コストに対して、透過率の好ましい改善割合を達成することができるのは、コーティングされない領域の形成に、おそらく必要になるマスキングを省略可能であるためである。
【0029】
ウインドシールドとしての本発明の有利な実施形態では、脱コーティングされているパターンを有している領域は、運転者の視界Aの外側に配置されている。運転者の視界Aは、たとえば、Annex18 ECER43に従って定義されている。本発明の脱コーティングされているパターンの線幅は、非常に細く、その結果、視覚的に目立たないが、運転者の視界への干渉を回避するために重要である。
【0030】
領域の数と脱コーティングされているパターンは、透過減衰要件とペインの寸法に支配される。ウインドシールドの場合、内部のサイズと構成を考慮に入れる必要がある。
【0031】
本発明によるペインの有利な実施形態では、第一ペイン及び/又は第二ペインは、ガラス、好ましくは板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ソーダライムガラス、又はポリマー、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、及び/又はそれらの混合物を含む。適切なタイプのガラスは、例えば、EP0847965B1から周知である。
【0032】
ペインの厚さは非常に様々であるため、個々のケースの要件に理想的に適合させることができる。好ましくは1.0mm~25mm、より好ましくは1.4mm~2.1mmの標準的な厚さのペインが使用される。ペインのサイズは非常に様々であるため、本発明の使用のサイズによって支配される。
【0033】
本発明の有利な実施形態では、ペインは、誘電特性及び2~8の比誘電率を有している。ポリマーでできているペインは、好ましくは2~5の比誘電率を有している。ガラスでできているペインは、比誘電率が6~8、特に約7であることが好ましい。
【0034】
ペインは、任意の三次元形状を有していてよい。三次元形状はシャドウゾーンを有しておらず、それによって、例えば、陰極スパッタリングでコーティングすることができることが好ましい。好ましくは、ペインは、平面であるか、あるいは、一つ又は複数の空間方向に、僅かに又は大きく湾曲している。ペインは無色であってもよいし、着色されていてもよい。
【0035】
本発明の透明導電性コーティングは、電磁放射、好ましくは300~1300nmの波長の電磁放射、特に可視光に対して透過性である。「透過性」という用語は、積層ペインの全透過率が、ウインドシールド及びフロントサイドウインドウの法的要件に準拠し、特に可視光に対して、透過率が、好ましくは>70%、特に>75%であることを意味する。リアサイドウィンドウ及びリアウィンドウの場合には、「透過性」は、10%~70%の光透過率を意味してもよい。
【0036】
透明導電性のコーティングは、好ましくは機能性コーティングであり、特に好ましくは、抗日射保護を有している機能性コーティングである。抗日射保護を有しているコーティングは、赤外線範囲、したがって日射範囲で、反射特性を有している。これにより、日射の結果としての乗物又は建物の内部加熱が、有利に低減される。そのようなコーティングは当業者に周知であり、典型的には、少なくとも一つの金属、特に銀又は銀含有合金を含有する。透明導電性コーティングは、複数の個々の層、特に少なくとも一つの金属層と、例えば、少なくとも一つの金属酸化物を含む誘電体層とのシーケンスを含んでいてよい。金属酸化物は、好ましくは、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等、並びにそれらの一つ又は複数の組み合わせを含む。誘電体材料は、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又は窒化アルミニウムを含んでいてもよい。
【0037】
この層構造は、一般に、真空法によって実行される一連の堆積手順によって得られ、真空法は、磁場増強陰極スパッタリング等である。特にチタン又はニオブを含む、非常に微細な金属層も、銀層の両面に提供されていてもよい。下部の金属層は、接着及び結晶化層として機能する。上部の金属層は、他のプロセスステップでの銀の変化を防ぐための保護層及びゲッター層として機能する。
【0038】
別の有利な実施形態では、透明導電性コーティングは、少なくとも一つの金属、好ましくは銀、ニッケル、クロム、ニオブ、錫、チタン、銅、パラジウム、亜鉛、金、カドミウム、アルミニウム、シリコン、タングステン、若しくはそれらの合金、及び/又は少なくとも一つの金属酸化物層、好ましくは錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO、SnO:F)、アンチモンドープ酸化錫(ATO、SnO:Sb)、及び/又はカーボンナノチューブ、及び/又は光学的に透明な導電性ポリマー、好ましくはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホネート、ポリ(4,4-ジオクチルシクロペンタジチオフェン)、2,3-ジクロロ-5、6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン、それらの混合物、及び/又はコポリマーを含んでおり、そして/あるいは、透明導電性コーティングは、0.35オーム/平方~200オーム/平方、好ましくは0.6オーム/平方~30オーム/平方のシート抵抗を有している。
【0039】
透明導電性のコーティングの厚さは非常に様々であるため、個々のケースの要件に適合させることができる。透明で導電性のコーティングの厚さが、電磁放射、好ましくは波長300~1300nmの電磁放射、特に可視光に対して不透過性になるほど厚くないことが重要である。透明導電性コーティングは、好ましくは10nm~5μmの層厚を有しており、特に好ましくは30nm~1μmの層厚を有している。
【0040】
透明導電性コーティングのシート抵抗は、好ましくは0.35オーム/平方~200オーム/平方、好ましくは0.5オーム/平方~200オーム/平方、最も特に好ましくは0.6オーム/平方~30オーム/平方であり、特に、2オーム/平方~20オーム/平方である。透明で導電性のコーティングは、原則として、0.35オーム/平方よりもさらに低いシート抵抗を有していてよく、特に、その使用において、低い光透過率のみが必要な場合は、そうである。透明導電性のコーティングは、好ましくは、良好な赤外線反射特性及び/又は特に低い放射率(低E)を有している。
【0041】
本発明はさらに、少なくとも以下を含む積層ペインに関する:上述した本発明によるペインと、少なくとも一つの中間層を介して、少なくともいくつかのセクションでペインに層状に結合されている第二ペイン。積層ペインとしての本発明のペインの好ましい実施形態では、ペインの少なくとも一つはガラスを含み、ペインの少なくとも一つはプラスチックを含む。特に、本発明の車両ペインとしての使用の場合、外側ペインはガラスを含み、内側ペインはプラスチックを含む。
【0042】
積層ペインのペインは、少なくとも一つの中間層によって、互いに結合されている。中間層は、好ましくは熱可塑性樹脂を含み、熱可塑性樹脂は、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PTET)、又はそれらの多層を含み、好ましくは0.3mm~0.9mmの厚さを有している。
【0043】
本発明の積層ペインの有利な実施形態では、少なくとも1つの透明な導電性層が、ペインの内側の少なくとも一つに配置されている。二つのペインでできている複合ペインの場合、透明な導電性層が、一方又は他方のペインの内側に配置されていてよい。あるいは、透明な導電性層が、それぞれの場合において、二つの内側のそれぞれに配置されていてよい。二つを超えるペインでできている複合ペインの場合、複数の透明導電性コーティングが、ペインの複数の内側に配置されていてよい。その場合、コーティングされていないパターンを有する領域は、異なるコーティングに一致して配置されており、低い透過減衰を確実にすることが好ましい。
【0044】
本発明は、さらに、少なくとも下記のペインの製造方法に関する:
a.透明導電性コーティングを、第一ペインの外側面及び/又は内側面に適用すること、及び
b.少なくとも二つの線状の脱コーティングされている複数領域を有している、少なくとも一つの電気的絶縁ゾーンを、前記透明導電性コーティングに導入して、前記少なくとも二つの複数領域が、互いに部分的に接触し、正弦曲線形状であること。
【0045】
プロセスステップ(a)での透明導電性コーティングの適用を、それ自体が知られている方法を使用して、好ましくは磁場増強陰極スパッタリングによって行ってもよい。これは、第一ペインの、簡便、迅速、経済的で、均一なコーティングに関して、特に有利である。しかし、透明導電性のコーティングを、例えば、蒸着、化学蒸着(CVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、又は湿式化学法によって適用してもよい。
【0046】
第一ペインを、プロセスステップ(a)の後で、温度処理に供してもよい。導電性コーティングを有している第一ペインを、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも300℃の温度で加熱する。温度処理によって、透明導電性コーティングについて、透過率を高め、及び/又はシート抵抗を低減することができる。
【0047】
第一ペインを、プロセスステップ(a)の後で、典型的には、500℃~700℃の温度で曲げることができる。平坦なペインをコーティングする方が技術的に簡単であるため、このアプローチは、第一ペインを曲げる場合に有利である。しかし、これに代えて、例えば、透明導電性のコーティングが、損傷なしに、曲げプロセスに耐えるのに適していない場合、第一ペインを、プロセスステップ(a)の前に曲げてもよい。
【0048】
透明導電性コーティングにおいて、脱コーティングされるパターンの脱コーティングは、好ましくは、レーザービームによって行われる。金属薄膜をパターン化するための方法は、例えば、EP2200097A1又はEP2139049A1から周知である。脱コーティングの幅は、好ましくは5μm~500μm、特に好ましくは10μm~300μm、最も特に好ましくは10μm~140μm、特に70μm~140μmである。この範囲では、レーザービームを使用して、特にクリーンで残留物のないデコーティングが行われる。レーザービームによる脱コーティングは、脱コーティングされた線が視覚的に非常に目立たず、ペインを通じての外観及び視界がほとんど損なわれないため、特に有利である。レーザーカットの幅よりも広い幅dのラインの脱コーティングは、レーザービームでラインを複数回通過させることによって行われる。その結果、プロセス時間とプロセスコストは、線幅の増加とともに上昇する。あるいは、脱コーティングは、機械的アブレーション、又は化学的若しくは物理的エッチングによって行うことができる。
【0049】
本発明の方法の有利な実施形態では、脱コーティングされたパターンを、レーザーパターニングによって、透明導電性コーティングに導入する。
【0050】
特にレーザーパターニングの場合、本発明の正弦曲線又は波状のデコーティングの導入により、大幅な時間の節約を達成することができる。これは、特に、本発明の脱コーティング領域の正弦波線が、レーザーの再配置を大幅に少なくする必要がある、という事実に基づいている。特に、デコーティング経路の鋭角の角がなくなるため、レーザー経路のスキャナーミラーの速度を、従来のパターンと比較して、上昇させることができ、これは、それぞれの場合で、導入するコーナーで速度を大幅に落とすことによって、急激な方向転換を円滑に行うことができるためである。さらに、本発明の方法のさらなる利点として、簡単な方法で、非常に正確かつ多様に透過率の最適化を達成できることであり、これは、正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び周波数、並びに脱コーティングされている線の間それぞれの距離、そして、既に導入されている線に対する後続する線のオフセットについての変動及び適応が、プロセス技術の観点から、非常に簡単に実現可能であるためである。従来から周知の印象的なパターンの場合、このような変動及び適応の手順は、レーザーアブレーションプロセスで実現するには、非常に複雑であり、従来から周知の印象的なパターンとは、同心の六角形パターン、あるいは、ひし形パターン等である。
【0051】
本方法の別の有利な実施形態では、ステップa)において、透明導電性コーティングを、キャリア層に適用し、かつ、そのキャリア層を、第一ペインに、好ましくは中間層を介して、層状に結合する。
【0052】
本発明の方法のこの実施形態では、透明導電性コーティングを、キャリアフィルム、例えば、PETフィルムに適用することができる。キャリアフィルムを、直接又は少なくとも一つの中間層を介して、第一ペインに結合することができる。脱コーティングされているパターンを有している領域を、第一ペインへの結合の前又は後に、透明導電性コーティングに導入することができる。
【0053】
本発明の方法の別の実施形態では、透明導電性コーティングを、二つの熱可塑性中間層の間に埋め込んでもよい。その場合、透明導電性のコーティングを、好ましくは、キャリアフィルム又はキャリアペインに適用する。キャリアフィルム又はキャリアペインは、好ましくは、ポリマー、特に、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0054】
本発明はさらに、高周波電磁放射の透過減衰が低いグレージングとして、陸上、水上、若しくは空中の移動手段の車体若しくは乗物ドア内で、好ましくはウインドシールドとして、建物内で、ファサード若しくは建物窓として、並びに/又は家具若しくは電化製品内の組み込み部品として、上述のペイン又は対応する積層ペインの使用に及ぶ。
【0055】
ウインドシールドとしての本発明のペインの使用は、特に有利である。携帯電話の送信局は、例えば、ハイウェイ又は高速道路に沿って設置されている。そして、高周波の電磁放射は、本発明のウインドシールドを通って自動車の内部に前方から駆動方向に到達することができる。都市では、携帯電話の送信局は、通常、屋根又は高い位置に設置されており、上からビームダウンする。衛星ナビゲーション信号も同様に、上から乗物に向かって放射される。空力を改善するため、ウインドシールドは、鋭く傾斜した設置位置を有しており、携帯電話信号又は衛星ナビゲーション信号もまた、本発明のペインを通じて、特に、上から乗物内に入ることができる。
【0056】
本発明は、図面及び実施例を参照して、以下に詳細に説明される。図面は、完全に正確な縮尺ではない。本発明は、図面によって制限されることはない。図面は、次を示す。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1A図1Aは、本発明のペインを模式的に示す平面図である。
図1B図1Bは、本発明のペインの代替の実施形態を模式的に例示する平面図である。
図1C図1Cは、本発明のペインの代替の実施形態を模式的に例示する平面図である。
図1D図1Dは、本発明のペインの代替の実施形態を模式的に例示する平面図である。
図2A図2Aは、図1Aに係る発明のペインの詳細Yを示す拡大図である。
図2B図2Bは、図1Bに係る発明のペインの詳細Zを示す拡大図である。
図3図3は、本発明の積層ペインの実施形態を例示する断面図である。
図4図4は、本発明のペインの別の実施形態を模式的に例示する平面図である。
図5図5は、本発明のペインの別の実施形態を模式的に例示する平面図である。
【0058】
図1A、1B、1C、及び1Dは、それぞれの場合で、本発明のペイン10を模式的に示している。ペイン10は、第一ペイン1.1を備えており、その外側面は、透明導電性コーティング3が配置されている。透明導電性コーティング3は、図1Aに示されているように、グリッドパターンを有しており、グリッドパターンは、正弦曲線の脱コーティングされている領域4.1によって形成されている。脱コーティングされているパターン4.1に沿って、透明導電性コーティング3が存在しないか、あるいは、透明な導電性コーティング3が、例えば、レーザーパターニングによって除去されている。正弦曲線の脱コーティングされている領域の振幅及び周波数が一定であるため、非常に規則的又は均一なグリッドパターンが形成されている。脱コーティングされている線状領域4.1は、領域4.2において部分的に互いに接触し、これによって、コーティング3内に複数電気的絶縁ゾーン6を形成し、これらは一緒になって、ペインのほぼ全領域にわたって、湾曲した流れる線を有しているグリッドに光学的印象を与える。脱コーティングされているパターン4.1の結果として、そうでなければ高周波電磁放射に対して不透過性である透明導電性コーティング3が、透過性になる。脱コーティングされているパターン4.1、4.2は、例えば、レーザーパターニングによって脱コーティングされており、例えば、0.1mmの非常に細い線幅しかない。本発明によるペイン10を通る透視は著しく損なわれず、脱コーティングされたパターン4.1、4.2はほとんど識別できない。本発明のペイン10を通じての透視は著しく損なわれず、脱コーティングされたているパターン4.1、4.2はほとんど識別できない。
【0059】
図1Bは、本発明のペイン10に関し、代替の、しかし非常に類似した実施形態を模式的に示している。図1Aの変形とは対照的に、正弦曲線の脱コーティングされている線状領域4.1及び接触領域4.2並びにその結果として生じるゾーン6は、透明導電性コーティング3において、脱コーティングされている線4.1が、より大きな振幅を有している。
【0060】
図1Cは、本発明のペイン10に関し、別の代替の実施形態を模式的に示している。図1A及び1Bの変形とは対照的に、正弦曲線の脱コーティングされている線状領域4.1及びその結果として生じるゾーン6は、透明導電性コーティング3において、脱コーティングされている線4.1が、連続波パターンを有している。接触領域4.2は、脱コーティングされている線状領域4.1が互いに接触しており、接触領域4.2は、前の実施形態においてよりも、この実施形態において大きく、前の実施形態では、接触領域4.2が、より点状である。正弦曲線の脱コーティングされている線4.1の極大及び極小は、それぞれの場合において、ペインの水平軸及び垂直軸に対して、ある角度で配向されている線上に配置されている。その結果、特定の波長、例えば標準化された移動無線周波数に対して最適化された伝送を実現できる。そして、これにより、破壊的な電界誘導電流の形成を確実に減らすことができる。
【0061】
図1Dは、本発明のペイン10に関し、別の代替の実施形態を概略的に示している。図1A及び1Bの変形とは対照的に、正弦曲線の脱コーティングされている線状領域4.1は、異なる重なり合うパターンを有しており、これにより、より多くの接触領域4.2を有している。異なるパターンの結果として、特に重なり合いと接触点に関し、この場合のパターン化は、互いに電気的に絶縁されている二つの異なるサイズのタイプのゾーン6を備えている。この変形により、電気的に誘導される電流を減らすことができる。同時に、導電性コーティング3に導入される正弦曲線の脱コーティングされている領域4.1の数を、同じ効果を維持しながら減らすことができる。その結果、プロセス速度をさらに上げることができる。
【0062】
図2Aは、図1Aの詳細Yの拡大図を模式的に示している。本発明に従って提供される正弦曲線形状を有している線状脱コーティング領域4.1は、導電性コーティング3に導入されている。すなわち、領域4.1には導電性コーティングがなく、したがって、これらの領域は電気絶縁性である。線形の脱コーティングされている領域4.1は、領域4.2において、互いに接触している。結果として、電気的に絶縁された島状のゾーン6が、導電性コーティング3に形成されており、そして、このゾーンは、それらの領域内に導電性コーティング3を有している。
【0063】
図2Bは、図1Bの詳細Zの拡大図を模式的に示している。図2Aに示される実施形態とは対照的に、正弦曲線の脱コーティングされている領域4.1に、より少ない顕著な重なりが、水平に形成されている接触領域に提供されている。それにもかかわらず、依然として、導電性コーティング3が存在する電気的に絶縁されたゾーン6が保持されている。
【0064】
図3は、積層ペインとして乗物ウインドシールドを例に使用した、本発明のペイン10を模式的に示した断面図である。ペイン10は、本発明を制限することなく、GSM(登録商標)900バンドでの移動無線放射の送信のために最適化されている。ペイン10は、二つの個々のペイン、すなわち、固定されている第一ペイン1.1及び固定されている第二ペイン1.2から構成されている積層ペイン1を備えており、これらは、熱可塑性中間層2を介して互いに固定的に結合されている。個々のペイン1.1、1.2は、ほぼ同じサイズであり、例えば、ガラス、特に、フロートガラス、キャストガラス、及びセラミックガラスでできており、同じように非ガラス材料、例えば、プラスチック、特に、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリエステル(PE)、塩化ポリビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMA)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)でできていてよい。一般に、適切な透明性、十分な耐薬品性、並びに形状及びサイズについての適切な安定性を備えている任意の材料を使用できる。別のタイプの使用、例えば、装飾部品として、第一ペイン1.1及び第二ペイン1.2を、可撓性及び/又は不透明材料から製造してもよい。第一ペイン1.1及び第二ペイン1.2それぞれの厚さは、用途に応じて様々であってよく、ガラスの場合、例えば、1~24mmの範囲であってよい。この例では、第一ペイン1.1の厚さは2.1mmであり、第二ペイン1.2の厚さは1.8mmである。
【0065】
ペインの面はローマ数字のI~IVで識別され、積層ペイン1において、面Iは第二ペイン1.2の外側面に、面IIは第二ペイン1.2の内側面に、面IIIは第一ペイン1.1の外側面に、そして、面IVは第一ペイン1.1の内側面に対応する。本発明の意味するところにおいて、「外側面」は、乗物の外部に面しているペインの側面であり、「内側面」とは、乗物の内部に面しているペインの側面である。ウインドシールドとして使用する場合、面Iは外部環境に面しており、面IVは自動車の内部に面している。もちろん、面IVが外側を面していてもよく、面Iが自動車の内部に面していてもよい。
【0066】
第一ペイン1.1と第二ペイン1.2を結合するための中間層2は、接着性プラスチックを含んでおり、好ましくは、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、又はポリウレタン(PU)に基づいている。
【0067】
積層ペイン1は、例えば、350nm~800nmの波長範囲の可視光に対して透明であり、「透明性」という用語は、50%を超える、好ましくは70%を超える、特に好ましくは75%を超える光透過性を意味すると解される。
【0068】
積層ペイン1のペイン1.1、1.2の比誘電率は、フロートガラスでできているペインの場合、6~8、例えば、7である。
【0069】
提示された例では、透明導電性コーティング3が、中間層2に面している内側の第一ペイン1.1の面IIIに適用されている。透明導電性コーティング3は、例えば、積層ペイン1の赤外線反射層として機能する。これは、入射太陽光の熱放射の割合が大きく反射されることを意味する。乗物にラミネートペイン1を使用することで、太陽光による内部の加熱を減らすことができる。透明導電性コーティング3は、例えば、EP0847965B1から周知であり、それぞれの場合に、複数の金属層と金属酸化物層との間に埋め込まれている二つの銀層を含んでいる。透明導電性コーティング3は、約4オーム/平方のシート抵抗を有している。透明導電性のコーティング3はまた、電気的に加熱可能なコーティングとして機能することができ、既知のバスバーによって接触されていてよく、電圧源に接続されていてよい。透明導電性コーティング3は、例えば、所謂「低E」層であってよく、赤外線放射に対する放射率が低い。その場合、透明導電性コーティング3は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)層を含むか、あるいは、それでできており、20オーム/平方のシート抵抗を有している。インジウム錫酸化物層は、環境の影響に対して不活性で、引っかき傷に強いように実装されており、例えば、インジウム錫酸化物層は、自動車内部に面している自動車サイドウィンドウの表面に配置されていてよい。あるいは、引っかき傷及び腐食に敏感なコーティング3、又は電流が流れる加熱可能な透明で導電性のコーティング3は、例えば、ポリマーフィルムで保護されていてよく、ポリマーフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリフッ化ビニル(PVF)等である。あるいは、透明導電性のコーティング3は、無機酸化物の絶縁性で引っかき傷に強いカバー層を有していてよく、向き酸化物は、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、五酸化タンタル、又はそれらの組み合わせ等である。
【0070】
上記にかかわらず、透明導電性コーティング3は、熱可塑性中間層2に面している外側の第二ペイン1.2の面II、又はペインの内側の二つの面II及びIIIに配置されていてもよい。透明導電性コーティング3は、積層ペイン1の外側面I及びIVの一方、あるいは、外側面I及びIVの両方に、追加的又は排他的に配置されていてよい。
【0071】
透明導電性のコーティング3は、第一ペイン1.1全体から、エッジの脱コーティングされている領域5を除いたものに適用されている。領域5のエッジの脱コーティングは、透明導電性のコーティング3の接触を防ぎ、これは、腐食に敏感なコーティングに有利である。さらに、第二ペイン1.2は、例えば、面IIに適用されており、図には詳細に示されていないフレーム状の周辺マスキングストリップを形成している、不透明インク層を備えている。インク層は、好ましくは、非導電性の黒色材料からなり、これは、第一ペイン1.1又は第二ペイン1.2に焼成されていてよい。一方では、マスキングストリップは、積層ペイン1が車体に接着されている接着ストランドの視界を遮っており、他方では、それは使用される接着剤のUV保護として機能している。
【0072】
脱コーティングされているパターン4.1、4.2の脱コーティングの線幅は、本質的に一定であり、例えば、100μmである。そのよう細い線幅は、目ではほとんど知覚できず、ペイン10を通しての視覚を損なうことはなく、それにより、ペイン10は、乗物のウンドシールドに適している。
【0073】
線状の脱コーティングされている領域4.1の本発明の正弦曲線構成、及びそれに関連する視野への低い光学的影響のため、パターン及びそれに起因する孤立ゾーンは、ECE-R43付属書18準拠の運転者の視野Aを含むウインドシールドのほぼ全領域にわたって配置されていてよい。その結果、直線状の脱コーティングを有している従来周知のパターンと比較して、乗物内部での本発明の電磁放射に対する透過性を増加させることができる。特に、ペイン10の下端で透過性を向上させることができるため、移動無線信号の透過性に加えて、ダッシュボードに設置されたGPSセンサー等、センサーの送受信電力を向上させることができる。
【0074】
図4は、本発明の別の実施形態を示している。ペイン10は、本発明の正弦曲線の脱コーティングされている線形領域4.1が導入されている導電性コーティング3を備えている。灰色の破線で示されているペイン10の中央領域では、線状領域4.1は、エッジ領域よりも大きな振幅を有しており、この例では、特に、振幅が約2倍である。異なる振幅を有している二つの領域の結果として、ペイン10は、より広い周波数範囲の電磁放射に対して透過性になる。線状領域4.1の数は、エッジ領域よりも中央領域の方が少ない。中央領域では、エッジ領域の連続が、それぞれの場合で、二つの挿入されている線状領域4.1によって互いに分離されている線状領域4.1が、互いに接触している。これらの挿入されている線形領域4.1は、中央領域のエッジで終了している。残りの線状領域4.1の、より大きな振幅の結果として、不連続線状領域4.1のゾーンは、いわば、ブリッジされている。線状領域4.1の数が少なく、それらの振幅が大きいため、線状領域4.1の密度は、ペイン10の中央領域では、より低い。その結果、中央領域の透視は、エッジ領域よりも乱れにくく、これは特に有利である。図に示すように、振幅の変化は、中央領域の境界で急激に発生する必要はない。振幅が連続的に増加する遷移領域が提供されていてよい。ペイン10が乗用車のウインドシールドである場合、より大きな振幅を有する中央領域は、例えば、ECE-R43準拠の視野Bであってよい。
【0075】
図5は、本発明の別の実施形態を示している。ペイン10は、本発明の正弦曲線の脱コーティングされている線状領域4.1が導入されている導電性コーティング3を備えている。灰色の破線で示されているペイン10の中央領域では、線状領域4.1は、エッジ領域よりも周波数が小さい。異なる周波数を有している二つの領域の結果として、ペイン10は、より広い周波数範囲の電磁放射に対して透過性になる。正弦曲線の線状領域4.1の周波数がより低いため、線状領域4.1の密度は、ペイン10の中央領域において、より低い。その結果、中央領域の透視はエッジ領域よりも乱れにくく、これは特に有利である。図に示すように、周波数の変化は中央領域の境界で急激に発生する必要はない。周波数が連続的に小さくなる遷移領域を設けてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10 ペイン
1.1 第一ペイン
1.2 第二ペイン
2 中間層
3 導電性コーティング
4 パターン
4.1、4.2 線状領域
5 脱コーティングエッジ
6 孤立ゾーン
I 外側面
IV 内側面
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】