(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】スクーターを共有するためのIoTのアンテナ設計
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20221102BHJP
B62K 17/00 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
B62K17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022513360
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 SG2019050422
(87)【国際公開番号】W WO2021040611
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518236797
【氏名又は名称】グラブタクシー ホールディングス プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRABTAXI HOLDINGS PTE. LTD.
【住所又は居所原語表記】6 Shenton Way, #38-01 OUE Downtown, Singapore 068809 SG
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シキアン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, グオドン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ルンファ
(72)【発明者】
【氏名】ユ, ジシン
【テーマコード(参考)】
3D212
5J046
【Fターム(参考)】
3D212BB05
3D212BB13
3D212BB24
3D212BB44
3D212BB53
3D212BB73
3D212BB96
5J046AA03
5J046AB13
5J046MA09
(57)【要約】
一態様において、スクーターが提供される。スクーターは、ステアリング柱を含む。スクーターは、ステアリング柱に結合されたライダーサポートプラットフォームを含む。スクーターは、ステアリング柱に取り付けられたアンテナを含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成される。アンテナは、ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有する。別の態様において、スクーターを提供する方法が提供される。この方法は、スクーターのステアリング柱を提供する工程を含む。この方法は、ライダーサポートプラットフォームをステアリング柱に連結する工程を含む。この方法は、アンテナをステアリング柱に取り付ける工程を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング柱と、
前記ステアリング柱に連結されたライダーサポートプラットフォームと、
前記ステアリング柱に取り付けられ、無線通信を実行するように構成されたアンテナと、を含み、
前記アンテナは、前記ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有することを特徴とするスクーター。
【請求項2】
前記スクーターは、電動スクーターである請求項1に記載のスクーター。
【請求項3】
前記ステアリング柱は、前記ライダーサポートプラットフォームの表面に対して第2の傾斜角を有する請求項1に記載のスクーター。
【請求項4】
前記アンテナは、前記スクーターが使用されているとき、前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面に対して第3の傾斜角を有する請求項3に記載のスクーター。
【請求項5】
前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面は、前記スクーターが使用されているとき、水平面に実質的に平行である請求項3に記載のスクーター。
【請求項6】
前記第2の傾斜角は、前記第1の傾斜角と前記第3の傾斜角との合計に等しい請求項4に記載のスクーター。
【請求項7】
前記第3の傾斜角は、45°~60°の範囲である請求項4に記載のスクーター。
【請求項8】
前記アンテナは、前記スクーターが地面に置かれたとき、水平面に対して第4の傾斜角を有する請求項4に記載のスクーター。
【請求項9】
前記第4の傾斜角は、前記第1の傾斜角に実質的に等しい請求項8に記載のスクーター。
【請求項10】
前記アンテナの厚さは、閾値よりも大きい請求項1に記載のスクーター。
【請求項11】
スクーターを提供する方法であって、前記方法は、
前記スクーターのステアリング柱を提供する工程と、
ライダーサポートプラットフォームを前記ステアリング柱に連結する工程と、
無線通信を実行するように構成されアンテナを前記ステアリング柱に取り付ける工程と、を含み、
前記アンテナは、前記ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記スクーターは、電動スクーターである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステアリング柱は、前記ライダーサポートプラットフォームの表面に対して第2の傾斜角を有する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アンテナは、前記スクーターが使用されているとき、前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面に対して第3の傾斜角を有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面は、前記スクーターが使用されているとき、水平面に実質的に平行である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の傾斜角は、前記第1の傾斜角と前記第3の傾斜角との合計に等しい請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第3の傾斜角は、45°~60°の範囲にある請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記アンテナは、前記スクーターが地面に置かれたとき、水平面に対して第4の傾斜角を有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第4の傾斜角は、前記第1の傾斜角に実質的に等しい請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アンテナの厚さは、閾値よりも大きい請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の態様は、一般に、無線通信に関し、より詳細には、スクーター用のアンテナ設計(design)に関する。
【背景技術】
【0002】
物のインターネット(IoT)は、車両および家電などのデバイスのネットワークである。これらのデバイスは、電子機器、ソフトウェア、アクチュエータ、およびこれらの物を接続し、相互作用させ、データを交換することを可能にする接続性を含む。IoTは、標準デバイス(例えば、デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、およびタブレットなど)を超えて、任意の範囲の従来のインターネット非対応の物理的デバイスおよび日常的なオブジェクトにインターネット接続を拡張することに関与する。技術が組み込まれているため、これらのデバイスは、インターネットを介して通信および相互作用することができ、リモートでモニターおよび制御することができる。
【0003】
モバイルデバイスシェアリングは、都市全体で急速に成長している交通イノベーションである。本発明は、混雑した都市において、自動車よりも良好な推定到着時間(ETA)および良好な価格でユーザに代替デバイスを提供することによって、「ラストマイル」課題を解決し、炭素排出量を低減し、世界中の都市によりスマートな輸送ネットワークを提供する。将来の都市の移動性は、共有化され、シームレスで、スマートで、環境的に持続可能である。電動スクーター(e‐スクーターとも呼ばれる)は、アクティブモビリティランドスケープへの良好な追加となる。これにより、ファーストマイルラストマイル(FMLM)移動セグメントにおいて、満たされていない需要を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IoTソリューションを共有する従来のe-スクーターは、IoT能力に限界がある。例えば、従来の全地球測位システム(GPS)のアンテナ設計は、e-スクーターIoTのコンポーネントには適していない。バイクと比較すると、e-スクーターは、はるかに小型のデバイスである。その結果、多くのe-スクーターは、非常に限られたスペースで、あらゆる角度で、地面上または壁に対して置かれていることが分かる。これにより、従来のGPSのアンテナの垂直または水平設計に大きな課題が生じている。GPS信号受信性能は、デバイス追跡に関する規制要件を満たすために、またはスクーターを探す際の最適なユーザ体験を満たすために十分に良好ではない。
【0005】
以下は、開示される発明の様々な態様の基本的な理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。この発明の概要は、すべての企図された態様の広範な概観ではなく、すべての態様の重要なキーまたは重大な要素を識別することも、任意のまたはすべての態様の範囲を画定することも意図されていない。唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様では、スクーターが提供される。スクーターは、ステアリング柱を含む。スクーターは、ステアリング柱に連結されたライダーサポートプラットフォームを含む。スクーターは、ステアリング柱に取り付けられたアンテナを含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成されている。アンテナは、ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有する。
【0007】
本開示の別の態様では、スクーターを提供する方法が提供される。この方法は、スクーターのステアリング柱を提供する工程を含む。この方法は、ライダーサポートプラットフォームをステアリング柱に連結する工程を含む。この方法は、アンテナをステアリング柱に取り付ける工程を含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成される。アンテナは、ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、スクーターは、電動スクーターである。いくつかの実施形態では、ステアリング柱は、ライダーサポートプラットフォームの上面に対する第2の傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、スクーターが使用されているとき、アンテナは、ライダーサポートプラットフォームの上面に対して第3の傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、ライダーサポートプラットフォームの上面は、スクーターが使用されているとき、水平面に対して実質的に平行である。いくつかの実施形態では、第2の傾斜角は、第1の傾斜角と第3の傾斜角との合計に等しい。いくつかの実施形態では、第3の傾斜角は、45度~60度の範囲である。いくつかの実施形態では、アンテナは、スクーターが地面に配置される(例えば、横たわる)とき、水平面に対して第4の傾斜角を有する。いくつかの実施態様において、第4の傾斜角は、第1の傾斜角と実質的に等しい。いくつかの実施形態では、アンテナの厚さは、閾値よりも大きい。
【発明の効果】
【0009】
前述の目的および関連する目的を達成するために、開示される態様は、以下で十分に説明され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を含む。以下の説明および添付の図面は、本開示の態様の特定の特徴を詳細に示す。しかしながら、これらの特徴は、種々の態様の原理が採用される種々の方法のうちのほんのいくつかを示すものであり、この説明は、すべてのそのような態様およびそれらの均等物を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【0011】
【
図2】
図2は、スクーター用のアンテナ設計の一例の断面図を示す図である。
【0012】
【
図3】
図3は、道路で乗車または道路に停車しているスクーターの一例を示す図である。
【0013】
【
図4】
図4は、地面に置かれたスクーターの一例を示す図である。
【0014】
【
図5】
図5は、スクーターを提供する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な可能な構成の説明として意図されており、本明細書で説明される概念が実施される唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念は、これらの特定の詳細なしに実施されてもよいことは当業者には明らかである。いくつかの例では、周知の構造およびコンポーネントは、そのような概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図形式で示される。
【0016】
ここで、スクーター用のアンテナ設計のいくつかの態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。装置および方法は、以下の詳細な説明で説明され、様々なブロック、コンポーネント、回路、プロセス、アルゴリズムなど(まとめて「要素」と呼ばれる)によって添付の図面に示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装される。このような要素がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課される特定のアプリケーションおよび設計上の制約に依存する。
【0017】
図1は、スクーター100の一例を示す図である。様々な実施形態によれば、スクーター100は、ライダーサポートプラットフォーム106と、ライダーサポートプラットフォーム106に結合されたステアリング柱104とを含む本体110を含む。様々な実施形態によれば、ライダーサポートプラットフォーム106は、ライダーサポートプラットフォーム106の上に直接立つライダーを支持するように構成される。例えば、ライダーサポートプラットフォーム106は、ライダーが立つように構成された電気キックスクーターのデッキである。様々な実施形態によれば、ライダーサポートプラットフォーム106は、ライダーが着座するライダーサポートプラットフォーム106上のシート構造を介して、ライダーを支持するように構成される。様々な実施形態によれば、ライダーサポートプラットフォーム106は、地面に対して水平に整列される。様々な実施形態によれば、ステアリング柱104は、ライダーサポートプラットフォーム106に対して上方向に延びている。様々な実施形態によれば、ステアリング柱104は、ライダーサポートプラットフォーム106に対して実質的に垂直であっても、直立であってもよい。様々な実施形態によれば、ステアリング柱104は、ライダーがスクーター100の移動方向を操舵するように構成される。様々な実施形態によれば、ステアリング柱104は、ライダーサポートプラットフォーム106に旋回可能に連結される。様々な実施形態によれば、ステアリング柱104は、ライダーが保持することができるハンドルを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、スクーター100は、IoT通信モジュール102を装備した電動スクーターである。IoT通信モジュール102は、ステアリング柱104に取り付けられた外部ボックスである。IoT通信モジュール102は、性能が達成されるように、電動スクーターの操作またはメンテナンスの最適化を可能にする。例えば、クイックレスポンス(QR)コードをスキャンすることによって、電動スクーターをロック解除/ロックすることができる。ロック解除時間は5秒未満であり、成功率は90%より高い。いくつかの実施形態では、ユーザ乗車データ(例えば、乗っているとき、乗っている場所、乗っている時間など)は、リアルタイムで収集される。いくつかの実施形態では、電動スクーターのリアルタイムデータ(例えば、速度、電力量、すでにどこまで乗っているか、地面に倒れているか、または倒れていないかなど)は、収集される。いくつかの実施形態では、カスタマイズされたヒューマンマシンインターフェース(例えば、ロック解除またはロックリマインダ、アラームなど)をユーザに提供することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、IoT通信モジュール102は、任意の所与の時間にスクーターのサービス状態および位置を追跡する役割を果たす。また、IoT通信モジュール102は、クラウドサーバを介して、スクーターに命令を送信することができる。さらに、IoT通信モジュール102は、動作効率を向上させるために、指示をロック解除/ロックし、検出された異常な動き(例えば、転倒、異常な動きなど)をセンサーに警告するための内部スピーカを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、IoT通信モジュール102のアンテナの設計は、シナリオを共有するために最適化される。いくつかの実施形態では、スクーター100の電子機器は、電気的故障およびバッテリーの安全性のためにフェールセーフである。スクーター100の設計は、ユーザ体験(例えば、ロック解除、ロック)を最適化することにフォーカスされる。それにより、ユーザは、アプリとの対話にできるだけ時間を費やさない。製品は特に、盗難および妨害の状況のために設計される。これは、共有デバイス産業において知られている問題である。
【0021】
様々な実施形態によれば、スクーター100は、本体110を支持するホイール配列を含む。ホイール配列は、少なくとも1つの前輪124と、少なくとも1つの後輪122とを含む。様々な実施形態によれば、ホイール配列は、本体110が地面よりも高くなるような態様で、本体110を支持している。従って、少なくとも1つの前輪124および少なくとも1つの後輪122のみが接地される。したがって、スクーター100は、少なくとも1つの前輪124および少なくとも1つの後輪122の回転または旋回によって、地面に対して移動する。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの前輪124は、ステアリング柱114によって操作可能であるように構成される。様々な実施形態によれば、少なくとも1つの前輪124は、ステアリング柱114に結合される。様々な実施形態によれば、ステアリング柱114は、少なくとも1つの前輪124を保持する前輪フォークを含む。
【0022】
図2は、スクーターのためのアンテナ設計の一例の断面図を示す
図200である。この例では、IoT通信モジュール206をスクーターのステアリング柱204に取り付ける。いくつかの実施形態では、IoT通信モジュール206は、
図1を参照して上述したIoT通信モジュール102である。いくつかの実施形態では、ステアリング柱204は、
図1を参照して上述したステアリング柱104である。いくつかの実施形態では、ステアリング柱204は、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、垂直軸に対して傾斜角αを有する。ステアリング柱204は、スクーターのライダーサポートプラットフォームに対して、傾斜角δを有する。傾斜角αおよびδは、余角(complementary angles)であり、すなわち、合計で90°である。いくつかの実施形態では、ライダーサポートプラットフォームは、地面に実質的に平行であってもよく、または水平面に実質的に平行であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、ステアリング柱204はライダーサポートプラットフォームに対して、実質的に垂直または直立であってもよい。従って、傾斜角αは小さく、傾斜角δは90°に近い。
【0024】
IoT通信モジュール206は、アンテナ208を含む。アンテナ208は、IoT通信モジュール206の保護カバー210内に収容される。いくつかの実施形態では、アンテナ208は、アンテナ208がステアリング柱204に対して傾斜角βを有するように、IoT通信モジュール206に取り付けられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、アンテナ208は、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、スクーターの前輪の前の地面に対して傾斜角γを有する。また、アンテナ208は、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、スクーターのライダーサポートプラットフォームに対して傾斜角εを有する。傾斜角γよびεは補角(supplementary angles)であり、すなわち、合計で180°である。
【0026】
いくつかの実施形態では、傾斜角α、β、εは、余角であってもよい。いくつかの実施態様において、傾斜角αおよびβの合計は、傾斜角γから90°を引いたものに等しい。いくつかの実施態様において、傾斜角βおよびεの合計は、傾斜角δに等しい。
【0027】
いくつかの実施形態では、傾斜角γは、120°~135°の範囲にある。したがって、傾斜角εは、45°~60°の範囲にある。
【0028】
いくつかの実施形態では、アンテナ208は、厚さdを有する。アンテナ208の性能を高めるために、アンテナ208の厚さを増大させることができる。いくつかの実施形態では、アンテナ208の厚さは、所定の閾値(例えば、2mm、3mm、または5mm)を超えてもよい。アンテナ設計のために、スクーターが地面上に、または壁に対してどのような角度で横たわるかにかかわらず、IoT通信モジュールは、良好な信号を受信する。
【0029】
図3は、道路で乗車しているまたは道路に停車しているスクーター300の一例を示す図である。この例では、スクーター300は、ライダーサポートプラットフォーム306と、ライダーサポートプラットフォーム306に結合されたステアリング柱304とを含む。いくつかの実施形態では、スクーター300は、IoT通信モジュール302を装備した電動スクーターである。このIoT通信モジュール302は、ステアリング柱304に取り付けられた外部ボックスである。
【0030】
いくつかの実施形態では、スクーター300は、
図1を参照して上述したスクーター100、または
図2を参照して上述したスクーターである。いくつかの実施形態では、IoT通信モジュール302は、
図1または
図2をそれぞれ参照して上述したIoT通信モジュール102または206である。いくつかの実施形態では、ステアリング柱304は、
図1または
図2をそれぞれ参照して上述したステアリング柱104または204である。ライダーサポートプラットフォーム306は、
図1を参照して上述したライダーサポートプラットフォーム106である。
【0031】
いくつかの実施形態では、ステアリング柱304は、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、垂直軸に対して傾斜角αを有する。ステアリング柱304は、スクーター300のライダーサポートプラットフォーム306に対して傾斜角δを有する。傾斜角αおよびδは余角であり、すなわち、合計で90°である。いくつかの実施形態では、ライダーサポートプラットフォーム306は、地面に実質的に平行であってもよく、または水平面に実質的に平行であってもよい。
【0032】
IoT通信モジュール302は、アンテナ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、アンテナは、アンテナがステアリング柱304に対して傾斜角βを有するように、IoT通信モジュール302に取り付けられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、アンテナは、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、スクーター300の前輪の前の地面に対して傾斜角γを有する。また、アンテナは、スクーターが使用されているとき(例えば、ライダーがスクーターに乗っているとき)、スクーター300のライダーサポートプラットフォーム306に対して傾斜角εを有する。傾斜角γおよびεは補角であり、すなわち、合計で180°である。
【0034】
いくつかの実施形態では、傾斜角度α、β、εは余角である。いくつかの実施態様において、傾斜角αおよびβの合計は、傾斜角γから90°を引いたものに等しい。いくつかの実施態様において、傾斜角βおよびεの合計は、傾斜角δに等しい。
【0035】
いくつかの実施形態では、傾斜角γは、120°~135°の範囲にある。したがって、傾斜角εは、45°~60°の範囲にある。
【0036】
図4は、地面に置かれたスクーター400の一例を示す図である。この例では、スクーター400は、ライダーサポートプラットフォーム406と、ライダーサポートプラットフォーム406に結合されたステアリング柱404とを含む。いくつかの実施形態では、スクーター400は、IoT通信モジュール402を装備した電動スクーターである。このIoT通信モジュール402は、ステアリング柱404に取り付けられた外部ボックスである。
【0037】
いくつかの実施形態では、スクーター400は、
図1を参照して上述したスクーター100、または
図2を参照して上述したスクーター、または
図3を参照して上述したスクーター300である。いくつかの実施形態では、IoT通信モジュール402は、
図1、
図2、または
図3をそれぞれ参照して上述したIoT通信モジュール102、206、または302である。いくつかの実施形態では、ステアリング柱404は、
図1、
図2、または
図3をそれぞれ参照して上述したステアリング柱104、204、または304である。ライダーサポートプラットフォーム406は、それぞれ
図1または
図3を参照して上述したライダーサポートプラットフォーム106または306である。
【0038】
IoT通信モジュール402は、アンテナ408を含む。いくつかの実施形態では、アンテナ408は、アンテナ408がステアリング柱404に対して傾斜βを有するように、IoT通信モジュール402に取り付けられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナ408は、スクーター400が地面に配置された場合に、傾斜角βに実質的に等しい、地面に対する傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、傾斜角βは、30°~40°の範囲にある。
【0040】
スクーターは、多くの異なる方法で配置される。例えば、スクーターは屋内または屋外に配置されてもよく、スクーターは走行時または停止時に地面に立っていてもよく、スクーターは地面に倒れて置かれてもよい。
図2~4を参照して上述したアンテナ設計により、スクーターがどのように配置されても、アンテナは、地面に対して傾斜角を有する。その結果、アンテナは、水平に配置されもしないし、垂直に配置されもしない。その結果、アンテナは、常に高品質の通信チャネルを確立する。
【0041】
図5は、スクーターを提供する方法のフローチャート500である。いくつかの実施形態では、この方法によって提供されるスクーターは、
図1~4を参照して上述したスクーターである。いくつかの実施形態では、スクーターは、電動スクーターである。502において、この方法は、スクーターのステアリング柱を提供する工程を含む。
【0042】
504において、この方法は、ライダーサポートプラットフォームをステアリング柱に連結する工程を含む。いくつかの実施形態では、ライダーサポートプラットフォームの上面は、スクーターが使用されているとき、水平面に対して実質的に平行である。
【0043】
506において、この方法は、アンテナをステアリング柱に取り付ける工程を含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成される。アンテナは、ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、アンテナの厚さは、閾値よりも大きい。
【0044】
一部の実施形態では、ステアリング柱は、ライダーサポートプラットフォームの上面に対する第2の傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、スクーターが使用されているときに、アンテナは、ライダーサポートプラットフォームの上面に対して第3の傾斜角を有する。いくつかの実施形態では、第3の傾斜角は、45度~60度の範囲にある。いくつかの実施形態では、第2の傾斜角は、第1の傾斜角と第3の傾斜角との合計に等しい。
【0045】
いくつかの実施形態では、アンテナは、スクーターが地面に配置されたとき、水平面に対して第4の傾斜角を有する。いくつかの実施態様において、第4の傾斜角は、第1の傾斜角と実質的に等しい。
【0046】
以下、本開示の様々な態様が例示される。
【0047】
実施例1は、スクーターである。スクーターは、ステアリング柱と、ステアリング柱に連結されたライダーサポートプラットフォームと、ステアリング柱に取り付けられたアンテナとを含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成される。アンテナは、ステアリング柱に対して、第1の傾斜角(例えば、β)を有する。
【0048】
実施例2において、実施例1の主題は、スクーターが電動スクーターであることを任意に含む。
【0049】
実施例3において、実施例1または2の主題は、ステアリング柱がライダーサポートプラットフォームの上面に対して、第2の傾斜角(例えば、δ)を有することを任意に含む。
【0050】
実施例4において、実施例3の主題は、スクーターが使用されているときに、アンテナがライダーサポートプラットフォームの上面に対して、第3の傾斜角(例えば、ε)を有することを任意に含む。
【0051】
実施例5において、実施例3または4の主題は、スクーターが使用されているとき、ライダーサポートプラットフォームの上面が水平面に実質的に平行であることを任意に含む。
【0052】
実施例6において、実施例4~5のいずれか1つの主題は、第2の傾斜角(例えば、δ)が第1の傾斜角(例えば、β)と、第3の傾斜角(例えば、ε)との合計に等しいことを任意に含む。
【0053】
実施例7において、実施例4~6のいずれか1つの主題は、第3の傾斜角(例えば、ε)が45度~60度の範囲にあることを任意に含む。
【0054】
実施例8において、実施例4~7のいずれか1つの主題は、スクーターが地面に置かれたときに、アンテナが水平面に対して、第4の傾斜角(例えば、β)を有することを任意に含む。
【0055】
実施例9において、実施例8の主題は、第4の傾斜角が第1の傾斜角に実質的に等しいことを任意に含む。
【0056】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つの主題は、アンテナの厚さが閾値よりも大きいことを任意に含む。
【0057】
実施例11は、スクーターを提供する方法である。この方法は、ステアリング柱を提供する工程と、ライダーサポートプラットフォームをステアリング柱に連結する工程と、アンテナをステアリング柱に取り付ける工程とを含む。アンテナは、無線通信を実行するように構成される。アンテナは、ステアリング柱に対して、第1の傾斜角(例えば、β)を有する。
【0058】
実施例12において、実施例11の主題は、スクーターが電動スクーターであることを任意に含む。
【0059】
実施例13において、実施例11または12の主題は、ステアリング柱がライダーサポートプラットフォームの上面に対して、第2の傾斜角(例えば、δ)を有することを任意に含む。
【0060】
実施例14において、実施例13の主題は、スクーターが使用されているときに、アンテナがライダーサポートプラットフォームの上面に対して、第3の傾斜角(例えば、ε)を有することを任意に含む。
【0061】
実施例15において、実施例13または14の主題は、スクーターが使用されているときに、ライダーサポートプラットフォームの上面が水平面に実質的に平行であることを任意に含む。
【0062】
実施例16において、実施例14~15のいずれか1つの主題は、第2の傾斜角(例えば、δ)が第1の傾斜角(例えば、β)と第3の傾斜角(例えば、ε)との合計に等しいことを任意に含む。
【0063】
実施例17において、実施例14~16のいずれか1つの主題は、第3の傾斜角(例えば、ε)が45度~60度の範囲にあることを任意に含む。
【0064】
実施例18において、実施例14~17のいずれか1つの主題は、スクーターが地面に置かれたときに、アンテナが水平面に対して、第4の傾斜角(例えば、β)を有することを任意に含む。
【0065】
実施例19において、実施例18の主題は、第4の傾斜角が第1の傾斜角に実質的に等しいことを任意に含む。
【0066】
実施例20において、実施例11~19のいずれか1つの主題は、アンテナの厚さが閾値よりも大きいことを任意に含む。
【0067】
当業者であれば、本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していないことを理解する。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段の明確な指示をしない限り、複数形も含むことを意図する。さらに、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、工程、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、工程、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことを理解されたい。
【0068】
開示されたプロセス/フローチャートにおけるブロックの特定の順序または階層は、例示的なアプローチの例であることが理解される。好ましい設計に基づいて、プロセス/フローチャートにおけるブロックの特定の順序または階層が再配置されることが理解される。また、一部のブロックを組み合わせてもよいし、省略してもよい。添付の方法クレームは、様々なブロックの要素をサンプル的な順序で提示し、提示された特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0069】
前述の説明は、当業者が本明細書で説明される様々な態様を実施することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかである。本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様に適用される。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲と文言上一致する完全な範囲に与えられるべきである。単数形の要素への言及は、特にそのように述べられていない限り、「1つのみ」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味することを意図するものである。「例示的」という語は、「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために本明細書で使用される。「例となる」として本明細書で使用される態様は、他の態様で好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されない。特に明記しない限り、用語「いくつかの」は、1つまたは複数を示す。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つまたは複数」、「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」は、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含む。また、それらは、複数のA、複数のB、または複数のCを含む。具体的に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、またはCのうちの1つまたは複数」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つまたは複数」、「A、B、C、またはそれらの任意の組合せ」のような組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、または、AおよびBおよびCである。そのような任意の組み合わせは、A、B、またはCの1つまたは複数のメンバーまたは複数のメンバーを含む。当業者に知られている、または後に知られるようになる、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、一般に専用であることを意図するものではない。「モジュール」、「メカニズム」、「要素」、「デバイス」等の語は、「手段」という語の代わりとならない。したがって、そのような要素が「手段」という語句を用いて明示的に記載されない限り、クレーム要素は、ミーンズプラスファンクションとして解釈されない。
【手続補正書】
【提出日】2020-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング柱と、
前記ステアリング柱に連結されたライダーサポートプラットフォームと、
前記ステアリング柱に取り付けられ
た通信モジュールに取り付けられ、無線通信を実行するように構成されたアンテナと、を含み、
前記アンテナは、前記ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有することを特徴とするスクーター。
【請求項2】
前記スクーターは、電動スクーターである請求項1に記載のスクーター。
【請求項3】
前記ステアリング柱は、前記ライダーサポートプラットフォームの表面に対して第2の傾斜角を有する請求項1に記載のスクーター。
【請求項4】
前記アンテナは、前記スクーターが使用されているとき、前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面に対して第3の傾斜角を有する請求項3に記載のスクーター。
【請求項5】
前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面は、前記スクーターが使用されているとき、水平面に実質的に平行である請求項3に記載のスクーター。
【請求項6】
前記第2の傾斜角は、前記第1の傾斜角と前記第3の傾斜角との合計に等しい請求項4に記載のスクーター。
【請求項7】
前記第3の傾斜角は、45°~60°の範囲である請求項4に記載のスクーター。
【請求項8】
前記アンテナは、前記スクーターが地面に置かれたとき、水平面に対して第4の傾斜角を有する請求項4に記載のスクーター。
【請求項9】
前記第4の傾斜角は、前記第1の傾斜角に実質的に等しい請求項8に記載のスクーター。
【請求項10】
前記アンテナの厚さは、閾値よりも大きい請求項1に記載のスクーター。
【請求項11】
スクーターを提供する方法であって、前記方法は、
前記スクーターのステアリング柱を提供する工程と、
ライダーサポートプラットフォームを前記ステアリング柱に連結する工程と、
無線通信を実行するように構成されアンテナを
通信モジュールに取り付け、前記通信モジュールを前記ステアリング柱に取り付ける工程と、を含み、
前記アンテナは、前記ステアリング柱に対して第1の傾斜角を有することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記スクーターは、電動スクーターである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステアリング柱は、前記ライダーサポートプラットフォームの表面に対して第2の傾斜角を有する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アンテナは、前記スクーターが使用されているとき、前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面に対して第3の傾斜角を有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ライダーサポートプラットフォームの前記表面は、前記スクーターが使用されているとき、水平面に実質的に平行である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の傾斜角は、前記第1の傾斜角と前記第3の傾斜角との合計に等しい請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第3の傾斜角は、45°~60°の範囲にある請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記アンテナは、前記スクーターが地面に置かれたとき、水平面に対して第4の傾斜角を有する請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第4の傾斜角は、前記第1の傾斜角に実質的に等しい請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アンテナの厚さは、閾値よりも大きい請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】