(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】信頼性の高い血圧測定の検出
(51)【国際特許分類】
A61B 5/021 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61B5/021
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514219
(86)(22)【出願日】2020-09-01
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2020074256
(87)【国際公開番号】W WO2021043729
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】スワヘル エマ ホルドリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ホシュ エリナ
(72)【発明者】
【氏名】ラニウス ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】エシェルマン ラリー ヤメス
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AC01
4C017AD01
4C017FF08
(57)【要約】
患者の血圧を決定するための方法及びシステム。該システムは、該患者の第1の複数の血圧測定値を収集するよう構成された第1の装置と、該患者の第2の複数の血圧測定値を収集するよう構成された第2の装置と、該第1の複数の血圧測定値と該第2の複数の血圧測定値との相違を識別し、メモリから、臨床事象を取得し、該第1の複数の血圧測定値及び該第2の複数の血圧測定値を該臨床事象と比較し、該比較に基づいて、該第1の複数の血圧測定値が該第2の複数の血圧測定値よりも正確であることを決定するよう構成された、プロセッサと、を含んでも良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血圧を決定するための方法であって、前記方法は、
第1の装置を用いて、前記患者の第1の複数の血圧測定値を収集するステップと、
第2の装置を用いて、前記患者の第2の複数の血圧測定値を収集するステップと、
プロセッサを用いて、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別するステップと、
メモリから、臨床事象を取得するステップと、
前記プロセッサを用いて、前記第1の複数の血圧測定値及び前記第2の複数の血圧測定値を前記臨床事象と比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記第1の複数の血圧測定値が前記第2の複数の血圧測定値よりも正確であることを決定するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別するステップは、プロセッサを用いて、所定の継続時間よりも長い間継続する、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別するステップは、プロセッサを用いて、所定の値を超える前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記臨床事象は、血圧変化薬の投与である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記血圧測定値を前記少なくとも1つの臨床事象と比較するステップは、
前記第1の複数の血圧測定値における変化を識別するステップと、
前記識別された変化の時間を、前記臨床事象の時間と比較するステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するステップは、前記第1の複数の血圧測定値における前記識別された変化の時間が、前記臨床事象の時間と概ね一致することを決定するステップを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血圧測定値を前記少なくとも1つの臨床事象と比較するステップは更に、前記第1の複数の血圧測定値における変化の方向性を、前記臨床事象から予測される方向性と比較するステップを更に有する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するステップは、前記第1の複数の血圧測定値における前記識別された変化の方向性が、前記臨床事象の予測される方向性と概ね一致することを決定するステップを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の複数の血圧測定値及び前記第2の複数の血圧測定値を前記臨床事象と比較するステップは、
前記第1の複数の血圧測定値、前記第2の複数の血圧測定値及び前記臨床事象を、トレーニングされた機械学習モデルに供給するステップと、
前記トレーニングされた機械学習モデルから、前記第2の複数の血圧測定値が前記第1の複数の血圧測定値よりも正確でないとの示唆を受信するステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別するステップは、規則ベースの信号品質指標、信号処理手法、及び機械学習アルゴリズムの少なくとも1つを使用するステップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
血圧評価システムであって、前記システムは、
患者の第1の複数の血圧測定値を収集するよう構成された、第1の装置と、
前記患者の第2の複数の血圧測定値を収集するよう構成された、第2の装置と、
前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別し、
前記第1の複数の血圧測定値及び前記第2の複数の血圧測定値を臨床事象と比較し、
前記比較に基づいて、前記第1の複数の血圧測定値が前記第2の複数の血圧測定値よりも正確であることを決定する
よう構成されたプロセッサと、
を有するシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは更に、所定の継続時間よりも長い間継続する、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別することにより、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別するよう構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは更に、所定の値を超える前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別することにより、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との相違を識別するよう構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記臨床事象は、血圧変化薬の投与である、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサは更に、
前記第1の複数の血圧測定値及び前記第2の複数の血圧測定値の少なくとも一方における変化を識別し、
前記識別された変化の時間を、前記臨床事象の時間と比較する
ことにより、前記血圧測定値を前記臨床事象と比較するよう構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは更に、前記第1の複数の血圧測定値における前記識別された変化の時間が、前記臨床事象の時間と概ね一致することにより、前記第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するよう構成された、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは更に、前記第1の複数の血圧測定値における変化の方向性を、前記臨床事象から予測される方向性と比較することにより、前記血圧測定値を前記臨床事象と比較するよう構成された、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサは更に、前記第1の複数の血圧測定値における前記識別された変化の方向性が、前記臨床事象の予測される方向性と概ね一致することを決定することにより、前記第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するよう構成された、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは更に、
前記第1の複数の血圧測定値、前記第2の複数の血圧測定値及び前記臨床事象を、トレーニングされた機械学習モデルに供給し、
前記トレーニングされた機械学習モデルから、前記第2の複数の血圧測定値が前記第1の複数の血圧測定値よりも正確でないとの示唆を受信する
ことにより、前記第1の複数の血圧測定値及び前記第2の複数の血圧測定値を前記臨床事象と比較するよう構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサは更に、規則ベースの信号品質指標、信号処理手法、及び機械学習アルゴリズムの少なくとも1つを用いて、前記第1の複数の血圧測定値と前記第2の複数の血圧測定値との差を識別するよう構成された、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに記載される実施例は、一般的には、患者の血圧を決定するためのシステム及び方法に関し、更に詳細には、限定されるものではないが、正確な血圧測定値を決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院環境では、1人の患者について複数のタイプの血圧が利用できる場合がある。血圧測定は、侵襲的又は非侵襲的測定から得られることがある。例えば、集中治療室への患者の滞在の大部分を通じて、動脈血圧と非侵襲的血圧が同時に測定され、2つの測定値は概ね一致する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、入院中、異なるタイプの血圧測定値は、単一の患者に対して異なる血圧値を提示することがある。このことは、誤解を招きかねない平均化を用いて、又はどの血圧測定に依存するかを決定するために臨床判断を用いて、臨床医が対処することがある。これらの主観的な決定は、不正確な測定をもたらし、不正確な診断、手順の推奨、及び投薬量につながる可能性がある。
【0004】
それ故、既存の血圧測定技術の上記の欠点を克服する方法及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本概要は、以下の詳細な説明の部分で更に説明される概念の選択を簡略化された形成で紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は本質的な特徴を識別又は排除することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。
【0006】
一態様においては、実施例は、患者の血圧を決定するための方法に関する。本方法は、第1の装置を用いて、患者の第1の複数の血圧測定値を収集するステップと、第2の装置を用いて、患者の第2の複数の血圧測定値を収集するステップと、プロセッサを用いて、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の相違を識別するステップと、臨床事象をメモリから取り出すステップと、プロセッサを用いて、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値とを臨床事象と比較するステップと、比較に基づいて、第1の複数の血圧測定値が第2の複数よりも正確であると決定するステップと、を含む。
【0007】
幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の相違を識別することは、プロセッサによって、所定の期間よりも長く持続する第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の差を識別することを含む。
【0008】
幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の相違を識別することは、プロセッサを用いて、第1の血圧測定値と第2の血圧測定値との間の差が所定の値を超えることを識別することを含む。
【0009】
幾つかの実施例においては、臨床事象は、血圧変化薬の投与である。
【0010】
幾つかの実施例においては、血圧測定値を少なくとも1つの臨床事象と比較することは、第1の複数の測定値の変化を識別することと、識別された変化の時間を臨床事象の時間と比較することとを含む。幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定することは、第1の複数の血圧測定値における識別された変化の時間が、臨床事象の時間とほぼ一致すると決定することを含む。幾つかの実施例においては、血圧測定値を少なくとも1つの臨床事象と比較することは、第1の複数の測定値の変化の方向性を、臨床事象から予想される方向性と比較することを含む。幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定することは、第1の複数の血圧測定値における識別された変化の方向性が、臨床事象の予想される方向性とほぼ一致すると決定することを含む。
【0011】
幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値及び第2の複数の血圧測定値を臨床事象と比較することは、第1の複数の血圧測定値、第2の複数の血圧測定値、及び臨床事象をトレーニングされた機械学習モデルに供給することと、トレーニングされた機械学習モデルから、第2の複数の血圧測定値が第1の複数の血圧測定値よりも正確でないという示唆を受信することとを含む。
【0012】
幾つかの実施例においては、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の差を識別することは、規則ベースの信号品質指標、信号処理手法及び機械学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用することを含む。
【0013】
他の態様によれば、実施例は、血圧評価システムに関する。該システムは、患者の第1の複数の血圧測定値を収集するように構成された第1の装置と、患者の第2の複数の血圧測定値を収集するように構成された第2の装置と、第1の複数の血圧測定値及び第2の複数の間の相違を識別し、第1の複数の血圧測定値及び第2の複数の血圧測定値を臨床事象と比較し、該比較に基づいて第1の複数の血圧測定値が第2の複数よりも正確であると決定するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0014】
幾つかの実施例においては、プロセッサは、所定の期間よりも長く持続する第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の差を識別することによって、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の相違を識別するように更に構成される。
【0015】
幾つかの実施例においては、プロセッサは、所定の値を超える第1の血圧測定値と第2の血圧測定値との間の差を識別することによって、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値との間の相違を識別するように更に構成される。
【0016】
幾つかの実施例においては、臨床事象は、血圧変化薬の投与である。
【0017】
幾つかの実施例においては、プロセッサは、第1の複数の血圧測定値及び第2の複数の血圧測定値の少なくとも1つの測定値の変化を識別し、識別された変化の時間を臨床事象の時間と比較することによって、血圧測定値を臨床事象と比較するように更に構成される。幾つかの実施例においては、プロセッサは、第1の複数の血圧測定値における識別された変化の時間が臨床事象の時間と概ね一致すると決定することによって、第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するように更に構成される。幾つかの実施例においては、プロセッサは、第1の複数の測定値の変化の方向性を、臨床事象から予想される方向性と比較することによって、血圧測定値を臨床事象と比較するように更に構成される。幾つかの実施例においては、プロセッサは、第1の複数の血圧測定値における識別された変化の方向性が、臨床事象の予想される方向性と概ね一致すると決定することによって、第1の複数の血圧測定値がより正確であると決定するように更に構成される。
【0018】
幾つかの実施例においては、プロセッサは、トレーニングされた機械学習モデルを使用して第1の複数の血圧測定値、第2の複数の血圧測定値、及び臨床事象を処理し、トレーニングされた機械学習モデルから、第2の複数の血圧測定値が第1の複数よりも正確でないという指示を受信することによって、第1の複数の血圧測定値及び第2の複数の血圧測定値を臨床事象と比較するように更に構成される。
【0019】
幾つかの実施例においては、プロセッサは、更に、規則ベースの信号品質指標、信号処理手法、及び機械学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを使用して、第1の複数の血圧測定値と第2の複数の血圧測定値の間の差を識別するように構成される。
【0020】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施例は、以下の図面を参照して記載され、ここで同様の参照番号は、特に指定されない限り、種々の図を通して同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施例による、入院中の患者の血圧測定値のチャートを示す。
【
図2】一実施例による、病院患者の相違する血圧測定値のチャートを示す。
【
図3】一実施例による、患者の血圧を測定するための方法を示す。
【
図4】一実施例による、患者の信頼性の高い血圧測定値を検出するための方法を示す。
【
図5】一実施例による、所与の特徴のセットを用いて血圧を予測するようにトレーニングされた反復ニューラルネットワークアーキテクチャの模式的な表現を示す。
【
図6】一実施例による、相違する動脈血圧測定値及び非侵襲的血圧測定値のチャートを示す。一実施例による、動脈血圧と非侵襲的血圧との間の血圧プラトーのチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
種々の実施例が、本明細書の一部を形成し、特定の例示的な実施例を示す添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本開示の概念は、多くの異なる形態で実装されても良く、ここに記載された実施例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示の概念、技術、及び実装の範囲を当業者に完全に伝えるために、完全な開示の一部として提供される。実施例は、方法、システム、又は装置として実施することができる。従って、実施例は、ハードウェア実装、完全なソフトウェア実装、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実装の形態をとることができる。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0023】
本明細書における「一実施例」又は「一実施例」への言及は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本開示による少なくとも1つの例示的な実装又は技術に含まれることを意味する。本明細書の種々の箇所における「一実施例において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施例を参照しているわけではない。本明細書の種々の箇所における「幾つかの実施例において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施例を参照しているわけではない。
【0024】
以下の説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内に記憶された非一時的信号に対する業務の記号表現に関して提示される。これらの説明及び表現は、データ処理技術分野の当業者が自分の仕事の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される。斯かる動作は、典型的には、物理量の物理的操作を必要とする。通常、必ずしも必要ではないが、これらの量は、格納、転送、結合、比較及びその他の操作が可能な電気信号、磁気信号又は光信号の形をとる。これらの信号を、ビット、値、素子、記号、文字、用語、数等と呼ぶことは、主に一般的な用法のために、時には便利である。更に、一般性を失うことなく、物理量の物理的操作を必要とするステップの特定の構成をモジュール又はコード装置と呼ぶことも時には便利である。
【0025】
しかしながら、これらの用語及び類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される便利なラベルにすぎない。以下の説明から特に明記しない限り、説明全体を通して、「処理する」又は「計算する」又は「計算する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ内の物理(電子)量として表されるデータ又は他の斯かる情報記憶装置、伝送装置又は表示装置を操作及び変換するコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及びプロセスを指すことが理解される。本開示の一部は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで具現することができ、ソフトウェアで具現化する場合、種々のオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上に常駐し、異なるプラットフォームから動作するようにダウンロードすることができるプロセス及び命令を含む。
【0026】
本開示は、ここでの動作を実行するための装置にも関する。該装置は、必要な目的のために特別に構成されても良く、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される汎用コンピュータを含んでも良い。斯かるコンピュータプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光カード、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、それぞれをコンピュータシステムバスに結合することができるが、これらに限定されない。更に、本明細書において言及されるコンピュータは、単一のプロセッサを含んでも良く、又は増加された計算能力のために複数のプロセッサ設計を採用するアーキテクチャであっても良い。
【0027】
ここで提示されるプロセッサ及びディスプレイは、本質的に、任意の特定のコンピュータ又は他の装置に関連するものではない。種々の汎用システムを、ここでの教示によるプログラムと共に使用することもでき、又は、1つ又は複数の方法ステップを実行するために、より特殊化された装置を構築することが便利であることが分かる場合がある。種々のこれらのシステムのための構造は、以下の説明で論じられる。更に、本開示の技術及び実装を達成するのに十分である任意の特定のプログラミング言語を使用することができる。種々のプログラミング言語を使用して、ここで議論される本発明を実施することができる。
【0028】
更に、本明細書で使用される言語は、主に、読みやすさ及び説明目的のために選択されたものであり、開示された主題を描写又は限定するために選択されたものではない。従って、本開示は、本明細書で説明される概念の範囲を例示するものであり、限定するものではないことが意図される。
【0029】
前述したように、医師、医師、看護師、他のタイプの医療従事者などの臨床医は、患者から複数の種類の血圧を受け取ることが多い。病院のデータの多くの既存のデータベースにおいては、1人の患者に複数のタイプの血圧が利用可能である。幾つかの実施例においては、血圧測定は、侵襲性血圧測定又は非侵襲性血圧測定であり得る。幾つかの実施例においては、複数のタイプの侵襲性血圧測定値が、患者について同時に取得されても良い。ときには、血圧測定用のカフと1本以上の動脈ラインの両方を患者が持っている可能性があるため、複数の種類の血圧測定を同時に行うことがある。
【0030】
幾つかの実施例においては、複数のタイプの血圧測定値が、異なる手段を介して同じ量を測定するために使用される。例えば、動脈血圧は、侵襲的及び非侵襲的の両方で測定され得る。測定値間のいかなる相違も、臨床的に関連する事象の指標であり得、その自動的な正しい識別は、臨床医がより迅速かつより効果的な行動をとることを可能にし得る。
【0031】
先に説明したように、複数の血圧測定値が異なる手段を介して同じ量を測定するために使用される場合、分析者は、典型的には、患者の真の血圧を決定するために、単一の測定値を選択するか、又は平均化を介して複数の測定値を組み合わせなければならない。不正確な血圧測定値を排除することは、血行動態の不安定性又は急性腎損傷などの疾患を検出するために他のアルゴリズムを適用する前に、しばしば適切である。幾つかの実施例においては、この方法は、分析前に電子医療記録からのデータを前処理するために、疾患検出アルゴリズムと併せて使用され得る。幾つかの実施例においては、この方法の適用は、患者の疾患のリスクに関連する偽陽性警告の数を減少させることができる。
【0032】
幾つかの実施例においては、該装置は、リアルタイムモニタリングを使用して、相違血圧信号をリアルタイムで識別することができる。幾つかの実施例においては、システムは、予測方法を使用して、血圧信号の相違が患者にとって起こりそうであることを警告することができる。幾つかの実施例においては、システムは、どの血圧信号が正確である可能性が最も高いかを医療専門家が決定するのを助けることができる。次いで、システムは、医療専門家が患者に関する正確な血圧データを得ることができるように、不正確であると決定された血圧を破棄することができる。
【0033】
幾つかの実施例においては、システムは、診断目的で複数の血圧波形から血圧波形を選択するために、電子医療記録からの追加情報を使用することができる。電子医療記録は、複数の患者に関する履歴情報及び/又は医療統計を提供することができる。例えば、幾つかの実施例においては、電子医療記録は、患者の薬物使用、患者の以前の血圧変動、及び任意の血圧変動の持続時間を含み得る。幾つかの実施例においては、複数の他の患者による薬物の使用及びそれらの薬物の効果はまた、一種の血圧測定の精度を決定するためにシステムによって使用されても良い。
【0034】
幾つかの実施例においては、システムは、不正確であると決定された血圧を無視しても良く、幾つかの実施例においては、患者の医療記録から不正確な血圧測定値を削除しても良い。幾つかの実施例においては、不正確であると決定された血圧測定値は、不正確な血圧を記録した後にシステムによって補正されても良い。幾つかの実施例においては、全てのタイプの血圧測定値が記録されるが、患者の将来の治療のためには最も正確な測定値のみが使用されても良い。幾つかの実施例においては、システムは、患者の血圧及び1つのタイプの血圧測定値を選択する理由に関して臨床医に助言することができる。幾つかの実施例においては、次いで、臨床医は、システムから患者に情報を伝達することができる。
【0035】
図1は、一実施例による、入院中の患者の血圧測定値の例示的なチャート100を示す。幾つかの実施例においては、収縮期血圧測定値102、104は、病院に滞在する過程の間中、単一の患者から取得されても良い。幾つかの実施例においては、収縮期血圧測定値は、非侵襲性血圧測定値104及び動脈血圧測定値102である。幾つかの実施例においては、病院での患者の滞在中、動脈血圧測定値102と非侵襲性血圧測定値104の両方が相関し得る。
図1では、動脈血圧測定値102が非侵襲性血圧104よりも高い、患者の来院106の開始時にプラトー(plateau)を観察することができる。後述するように、プラトー106は、患者の血圧の分析中に予想することができ、幾つかの実施例においては、無視することができる。
【0036】
図2は、一実施例による相違する血圧測定値202、204の例示的なチャート200を示す。図示されているように、動脈血圧測定値202は、数日間の監視の過程に亘って非侵襲的血圧測定値204よりも低い。幾つかの実施例においては、動脈血圧測定値202は、非侵襲性血圧測定値202よりも高くても良い。チャート200から推測され、かつ上記で議論されるように、非侵襲的血圧204と動脈血圧202を平均することによって患者の「真の」血圧を見出そうとすると、誤解を招くデータが生じる可能性がある。場合によっては、測定された血圧のうちの少なくとも1つは、他の血圧よりも正確である。測定された血圧202、204の両方を等しく重み付けすることによって、平均化計算は不正確な結果をもたらすことがある。
【0037】
上述したように、臨床医は、動脈血圧測定202及び非侵襲的血圧測定204の相対的精度を決定するために臨床的判断を用いることができる。単純に2つの時系列を平均化すると、不正確な結果につながる可能性がある。このことは、例えば、時系列測定の1つが不正確になる可能性があるためである。
【0038】
幾つかの実施例においては、データベースからの情報を使用して、信頼性の高い血圧測定値を決定することができる。該情報は、患者の状態、投薬の時間、及び患者に行われる医療手順を含み得る。幾つかの実施例においては、複数の血圧測定値のうちのどれが患者にとって最も正確であり得るかは、医師又は他の医療専門家には明らかでない場合がある。
【0039】
幾つかの実施例においては、2つの血圧測定値は、システムが患者の血圧を決定するためにただ1つの血圧測定値を使用する前に、或る長さの時間に亘って相違することとなる。幾つかの実施例においては、該時間の長さは、1時間と6時間との間であっても良い。幾つかの実施例においては、該時間の長さは、5分と30分との間であっても良い。幾つかの実施例においては、相違の監視は、2つの血圧測定値が患者から同時に取得されるときに開始することができる。幾つかの実施例においては、相違の監視は、圧力評価の開始時における血圧測定値の潜在的なプラトー及び予想される相違を考慮するために、設定された時間量の後に開始する。
【0040】
幾つかの実施例において相違が検出されると、該システムは、種々のタイプの血圧測定値の信頼性を評価するために追加の情報を使用することができる。
図3は、一実施例による、追加情報を使用して患者の血圧を測定するための方法300を示す。
【0041】
幾つかの実施例においては、該システムは、患者302の血圧タイプ間の大きな差を検出することができる。幾つかの実施例においては、大きな差異は、有意な長さの時期に亘って生じない場合がある。該システムが、患者302における血圧タイプ間の大きな差が有意であると判断した場合、該システムは、変化又は差を臨床事象304に帰することを試みても良い。
【0042】
幾つかの実施例においては、薬剤の投与、行われる手順、及び患者の活動に関する外部情報を使用して、血圧測定304の信頼性を評価しても良い。例えば、システムは、相違の時期に患者が昇圧剤又は血管拡張剤を使用したか否かについての情報を収集しても良い。更に、該システムは、2つの測定値間の相違の時間の長さに関する情報を収集することができる。幾つかの該実施例においては、システムは、2つの測定値間の相違の大きさに関する情報を収集しても良い。
【0043】
次いで、収集された情報を使用して、どの収集された血圧タイプが臨床事象と一致するかを決定することができる。例えば、患者が血管拡張剤を受けたときに相違が生じた場合、患者の血圧は減少すると予想される。相違が、一方の血圧測定値が減少し、他方が安定したままであることを示す場合、該システムは、減少した血圧測定値を維持し、使用するように進むことができる。幾つかの実施例においては、安定したままであった血圧測定を考慮することができる。該システムが、血圧タイプ間の差を既知の臨床事象に関連付けることができる場合、システムは、臨床事象に最も一致する血圧タイプを維持することができる(306)。幾つかの実施例においては、差異が臨床事象に起因し得ない場合、患者は、手動レビューのためにフラグを立てられ得る(308)。
【0044】
図4は、一実施例による、患者の信頼性の高い血圧測定値を検出するための方法400を示す。幾つかの実施例においては、医療施設402内の患者のセットから、システムは、同時に複数の血圧測定値を有する患者のサブセットを検出することができる(404)。幾つかの実施例においては、該システムは、1つ又はゼロの血圧測定値406を有する患者のサブセット、及び大部分が一致する血圧測定値を有する患者を無視することができる(410)。
【0045】
幾つかの実施例においては、一部の患者は、相違する血圧測定値を有し得る(408)。幾つかの実施例においては、これら患者は、異なる血圧型を有する患者と呼ばれても良い。幾つかの実施例においては、異なる血圧タイプを有する患者は、血圧に影響を及ぼす投薬を服用し得る(412)。幾つかの実施例においては、相違した血圧タイプを有する患者に、それらの血圧が相違した期間内に血圧に影響を及ぼす投薬が与えられ(416)、それらの投薬が同様に血圧に影響を及ぼす場合(420)、システムは、幾つかの実施例においては、予想される血圧変化と一致する血圧タイプを選択することができる(424)。幾つかの実施例においては、これにより、システムは、患者の血圧の変化又は差を少なくとも1つの臨床事象に帰することができる(428)。
【0046】
幾つかの実施例においては、異なる血圧タイプを有する患者は、手動レビューのためにフラグを立てられても良い(432)。幾つかの実施例においては、患者が血圧に影響を及ぼすいかなる投薬も受けていないため、異なる血圧タイプを有する患者は、手動レビューのためにフラグを立てられても良い(414)。幾つかの実施例において、患者が血圧変化の方向と一致しない薬剤を受け取っているために、相違する血圧タイプを有する患者は、手動レビューのためにフラグを付けることができる(422)。例えば、患者に血管拡張薬を与え、次いで血圧を上昇させた場合、幾つかの実施例においては、患者に手動レビューのためのフラグを立てることができる。更に、幾つかの実施例においては、患者は、血圧タイプが相違した後に投薬を受けた場合、又は相違検出の前に投薬を受け過ぎた場合、手動レビューのためにフラグを立てられ得る(418)。
【0047】
幾つかの実施例においては、対象者iの時刻tにおける血圧タイプbがxb
itである場合、システムは、ある時間量の間、血圧タイプ間に大きな差を有する全ての対象者を見出し得る。幾つかの実施例においては、これらの患者はt∈[ti1,ti2]について|xb1
it-xb2
it|≧Ciとなる患者であり、ここでCiは(場合によっては対象者特有の)カットオフで、[ti1,ti2]は少なくとも継続時間Tiの間隔である。幾つかの実施例においては、継続時間Tiは、2つの血圧タイプ測定値が相違した時間間隔であっても良い。幾つかの実施例においては、患者は、Tiに亘って相違する3つ以上の血圧タイプ測定値を有しても良い。
【0048】
幾つかの実施例において、相違型を有する患者の中で、システムは、患者に与えられる血圧、患者への投与時間、及び患者に対する血圧の変化の予想される方向に影響する任意の薬物を同定することができる。
【0049】
例えば、昇圧薬は血圧を上昇させることを意味する薬物であり、血管拡張薬は血圧を低下させることを意味する薬物である。昇圧薬は血管を収縮させることにより血圧を上昇させ、血管拡張薬は血管を拡張させることにより血圧を低下させる。患者が血管拡張薬を与えられ、次いで、患者が1つの血圧測定における血圧が増加した相違血圧タイプを有していた場合、幾つかの実施例において、患者は、手動のレビューのためにフラッグ付けされるであろう。更に、異なる血圧タイプの患者が、2つ以上の薬剤を与えられ、或る薬剤が血圧上昇につながる可能性があるが、他のものは血圧低下につながる可能性がある場合、患者は、幾つかの実施例における手動レビューのためにフラグ付けされるであろう。
【0050】
幾つかの実施例においては、システムは、血圧に影響を及ぼす薬剤のデータベースを含む。幾つかの実施例においては、データベースは、臨床協力者によって更新され、維持されても良い。
【0051】
数学的用語では、幾つかの実施例においては、対象者iについての時間tにおける投薬mの予想血圧方向は、ym
it(+1は増加を示し、-1は減少を示す)である。各薬剤m及び各対象者iについて、システムは、薬剤が投与される時間のセットである{tm
i1,…,tm
iK}を見出し得る。幾つかの実施例においては、Kは、投与の回数であっても良く、このセットは、患者が薬物を受け取らない場合、空のセットであっても良い。
【0052】
次に、幾つかの実施例においては、システムは、患者への薬物投与と患者の血圧測定とを整合させることができる。幾つかの実施例においては、薬剤が患者に投与されなかった場合、より信頼性の高い測定を示すために他の因子が存在し得るため、更なる調査が必要とされ得る。
【0053】
幾つかの実施例においては、全ての投薬mについて、全ての投薬が対象者iにおいてti1の後に投与される(tm
i1>ti1)場合、結論を引き出すことができず、相違後に投薬が投与されたため、更なる調査が必要とされる。
【0054】
幾つかの実施例においては、ti1(相違の時間)の前のいずれかの薬品投与について、システムは、ti1:{ym
it|t∈[ti0,ti1]}の前の特定の時間間隔内の方向情報を収集しても良い。ここで、[ti0,ti1] は、事前に決められた長さ(例えば3時間)の時間間隔である。
【0055】
幾つかの実施例においては、システムは、結果として得られる方向情報を使用して、どの血圧が最も信頼性が高いかを決定することができる。幾つかの実施例においては、単一の薬物が与えられる場合、システムは、ym
itが+1である場合、より高い血圧測定値を使用することができ、ym
itが-1である場合、より低い血圧測定値を使用することができる。幾つかの実施例においては、システムは、ym
itが+1である場合には、より高い血圧測定値を使用し、患者が全て同じ方向を有する複数の薬剤を受けた場合には、ym
itが-1である場合には、より低い血圧測定値を使用することができる。
幾つかの実施例においては、相反する効果を有する複数の薬物が患者に与えられた場合、追加の情報を確認する必要があり得る。
【0056】
幾つかの実施例においては、薬剤の効果の強さ、その効果がどのくらい長く持続するか、及び患者の他の診断を含むが、これらに限定されない、他の因子が、血圧測定の精度を決定するのに役立ち得る。幾つかの実施例においては、付加的な因子は、システムに自動的に入力され、自動的に分析されても良い。幾つかの実施例においては、付加的な因子を手動で評価する必要があり得る。
【0057】
幾つかの実施例においては、信頼性の高い血圧測定値を検出するために、機械学習手法を使用することができる。幾つかの実施例においては、血圧タイプ間に大きな差を有する患者を識別するために、システムは、規則ベースの信号品質指標、標準的な信号処理手法、及び/又は機械学習アルゴリズムを使用することができる。幾つかの実施例において、変化又は相違を臨床事象に帰するために、システムは、投薬、患者の動き、又は予定された手順などの臨床事象による血圧信号を予測するために、追加のデータを抽出し、神経ネットワークをトレーニングすることができる。幾つかの実施例においては、システムは、患者の血圧測定に影響を及ぼす可能性がある潜在的要因を識別するために、検査値、薬物療法、及び介入に関する情報などの同時臨床事象を抽出することができる。
【0058】
幾つかの実施例においては、データは、長期短期記憶(LSTM)を有する再帰型ニューラルネットワーク(RNN)をトレーニングするために、血圧測定値の時系列と整列されても良い。幾つかの実施例においては、LSTMは標準的な忘却ゲートを含むことができ、システムは、予測される将来の血圧測定値を計算するときに保持し、信頼するために過去のデータの量を決定することができる。幾つかの実施例においては、システムは、薬剤及び検査の時間的効果を捕捉し、その捕捉された効果を使用して、将来の血圧測定値を予測し、相違する血圧測定値の精度を決定しても良い。
【0059】
幾つかの実施例においては、システムは、臨床事象の所与のセットについて血圧信号を予測するようにトレーニングされても良い。
図5は、一実施例による、所与の特徴のセットを使用して血圧を予測するようにトレーニングされた、反復ニューラルネットワークアーキテクチャ500を概略的に示す。幾つかの実施例においては、予測された信号524は、どれが予想される傾向により良く一致するかを決定するために、記録された信号と比較されても良い。幾つかの実施例においては、システムは、患者の血圧測定値の相違を予測しても良い。
【0060】
幾つかの実施例においては、入力処理ブロック510は、複数の血圧信号502を受信することができる。幾つかの実施例においては、入力処理ブロック510は、血圧信号をウィンドウ504に分割することによって、血圧信号を離散化することができる。次いで、幾つかの実施例においては、離散化された血圧信号は、血圧506に影響を及ぼす因子と整列される(508)。例えば、幾つかの実施例においては、血圧の相違が生じる時間ウィンドウは、患者が血管拡張薬を服用した時間と整列されても良い(508)。幾つかの実施例においては、この情報は、複数の再帰型ニューラルネットワーク520に供給されても良い。幾つかの実施例においては、各反復ニューラルネットワーク520は、患者の予測血圧測定値を提供することができる(522)。幾つかの実施例においては、システムは、予測に基づいて血圧傾向予想を生成することができる(524)。
【0061】
幾つかの実施例においては、再帰型ニューラルネットワーク520は、他の再帰型ニューラルネットワーク520に情報を送ることができ、後続のニューラルネットワーク520は、患者の血圧を予測するために追加の情報を使用することができる。
【0062】
幾つかの実施例においては、血圧測定値に相違が生じると、システムは、相違を検出し、血圧測定値の任意の不一致を統合しようと試みることができる。幾つかの実施例においては、システムは、2つ以上の血圧測定値間の精度の可能性を決定することができる。幾つかの実施例においては、システムは、血圧測定の精度の可能性を予測することができる。幾つかの実施例においては、システムは、複数の血圧測定値のうちのどれを最初に手動でチェックすることができるかを決定することができる。
【0063】
幾つかの実施例においては、システムは、収集された血圧タイプの迅速な終了を検出することができる。幾つかの実施例においては、血圧は、医師又は他の医療専門家がそれを測定するのをやめる前に、数時間だけ測定されても良い。
図6に示されるように、1つの血圧タイプ604の迅速な終了は、医療専門家が、収集された血圧タイプが信頼できないと考えたことを示し得る(600)。幾つかの実施例においては、複数の血圧602乃至606が相違し、1つが中断される場合(604)、システムは、或る時間の間、継続する血圧タイプ602、606の相違測定値を無視しても良い。
【0064】
幾つかの実施例においては、血圧タイプ604の相違は、特に病院訪問の開始時に、短くプラトーであり得る。幾つかの実施例においては、プラトー604は、医師又は他の医療専門家がシステムに調整を行ったことを示しても良い。また、
図7に示すように、プラトー702は、血圧タイプが収束する700前に、患者に対して数時間しか生じない。幾つかの実施例においては、動脈血圧タイプ702は、最初に、非侵襲性血圧タイプ704よりも高くなり得る。チャート700から分かるように、特定の長さの時間の後、プラトーは解消され得る。斯かる場合、幾つかの実施例においては、装置は、プラトーが解消される前に血圧測定値のうちの1つを無視することができ、プラトーが解消された後に両方の血圧測定値を使用し続けることができる。上述の方法、システム、及び装置は、例である。種々の構成は、必要に応じて、種々の手順又はコンポーネントを省略、置換、又は追加することができる。例えば、代替の構成では、方法は、説明されたものとは異なる順序で実行されても良く、種々のステップが追加され、省略され、又は組み合わされても良い。また、特定の構成に関して説明した特徴は、種々の他の構成で組み合わせることができる。構成の異なる態様及び要素は、同様の方法で組み合わされても良い。また、技術は発展するものであり、従って要素の多くは例であり、開示又は特許請求の範囲を限定しない。
【0065】
本開示の実施例は、例えば、本開示の実施例による方法、システム、及びコンピュータプログラム製品のブロック図及び/又は動作図を参照して上述されている。ブロックに記載された機能/動作は、任意のフロー図に示された順序とは異なる順序で行われても良い。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されても良く、又は、ブロックは、含まれる機能/動作に応じて、時には逆の順序で実行されても良い。更に、又は代替として、任意のフロー図に示されるブロックの全てが実行及び/又は実行される必要はない。例えば、所与のフローチャートが、機能/動作を含む5つのブロックを有する場合、5つのブロックのうちの3つのみが実行及び/又は実行される場合がある。この例では、5つのブロックのうちの3つのうちのいずれかを実行及び/又は実行することができる。
【0066】
或る値が第1の閾値を超える(又は超える)という言及は、その値が第1の閾値よりわずかに大きい第2の閾値を満たす、又は超えるという言及に等しく、例えば、第2の閾値は、関連するシステムの解像度において第1の閾値より1つ高い値である。或る値が第1の閾値より小さい(又はその中にある)という言及は、その値が第1の閾値よりわずかに低い第2の閾値以下であるという言及に等しく、例えば、第2の閾値は、関連するシステムの解像度において第1の閾値より1つ低い値である。
【0067】
具体的な詳細は、構成例(実装を含む)を完全に理解するために、本明細書に記載されている。しかしながら、これらの特定の詳細なしに設定を実施することができる。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技術は、構成を曖昧にすることを避けるために、不必要な詳細なしに示されている。この説明は、例示的な構成のみを提供し、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、説明された手法を実施するための可能な説明を当業者に提供するであろう。本開示の精神又は範囲から相違することなく、要素の関数及び装置に種々の変更を加えることができる。
【0068】
幾つかの例示的な構成を説明してきたが、本開示の精神から相違することなく、種々の修正、代替構成、及びその同等のものを使用することができる。例えば、上記の要素は、より大きなシステムの構成要素であっても良く、他の規則が、本開示の種々の実装形態又は技術の適用を優先するか、又はそうでなければ修正しても良い。また、上記の要素が考慮される前、考慮されている間、又は考慮された後に、幾つかのステップが実行されても良い。
【0069】
本出願の説明及び例示を提供してきたが、当業者は、以下の特許請求の範囲から相違しない、本出願で論じられる一般的な発明概念内に入る変形、修正及び代替実施例を想定することができる。
【国際調査報告】