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特表2022-547035磁気流量計用の負荷平準化昇圧供給器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】磁気流量計用の負荷平準化昇圧供給器
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/60 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
G01F1/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514246
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020024656
(87)【国際公開番号】W WO2021045800
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/896,130
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/727,357
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンター、カーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】ドライエル、ジャレッド ジェームズ
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035CA02
2F035CA07
2F035CB05
(57)【要約】
流体の流れを測定するための磁気流量計(100)は流れを受け入れ、コイル電流を受け入れ、それに応答して磁場を生成するための第1および第2のコイルワイヤを有するコイル(104)を有する流管アセンブリ(102)を含み、それによって、流量を表す流体にEMFを生成する。EMFセンサ(107)はEMFを感知し、流量を示す出力を生成するように配置される。電流供給回路(128)は、電流供給信号をコイル(104)に印加する。負荷平準化昇圧供給器(120)は、電流供給回路(128)に電力を供給する。別の態様では、電力掃気回路(C2)がコイル(104)から電力を回復する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れを測定するための磁気流量計であって、
流れを受け取る流管アセンブリであって、コイル電流を受け取り、応答して磁場を生成し、それにより流量を表すEMFを流体内に生成するための第1のコイルワイヤおよび第2のコイルワイヤを有するコイルを有する、流管アセンブリと、
前記EMFを感知し、流量を示す出力を生成するように構成されたEMFセンサと、
電流供給信号を前記コイルに印加するように構成された電流供給回路と、
前記電流供給回路に電力を供給し、DC源からの入力電流を略一定にするように構成された負荷平準化昇圧供給器と、を備える、
磁気流量計。
【請求項2】
前記電流供給回路が、前記第1のコイルワイヤおよび前記第2のコイルワイヤをそれぞれ第1の供給導体に結合する第1のスイッチおよび第2のスイッチと、
前記第1のコイルワイヤおよび前記第2のコイルワイヤをそれぞれ第2の供給導体に結合する第3のスイッチおよび第4のスイッチと、を含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項3】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルを通る前記電流供給信号の方向が反転したときに、前記コイルから電力を掃気するように構成された電力貯蔵要素を含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項4】
前記電力貯蔵要素は、キャパシタを含む、請求項3に記載の磁気流量計。
【請求項5】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルに流れる電流を感知し、前記感知された電流に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御するように構成された電流センサを含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項6】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルから流出する電流を感知し、前記感知された電流に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御するように構成された電流センサを含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項7】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルに流れる電流と前記コイルから流れ出る電流との間の差を感知し、前記感知された電流差に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御するように構成された電流感知回路を含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項8】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルの両端の電圧に関連する電圧を感知し、前記感知された電圧に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御する、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項9】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルに流入する電流と前記コイルから流出する電流との間の差を決定し、当該差に基づいて前記電流供給信号をさらに応答的に制御する、請求項8に記載の磁気流量計。
【請求項10】
前記負荷平準化昇圧供給器は、入力電圧に結合され、前記入力電圧よりも大きい電圧を前記コイルに印加するように構成される、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項11】
前記負荷平準化昇圧供給器はインダクタを電気接地に選択的に結合し、これにより前記入力電圧よりも大きい電圧を生成するように構成されたスイッチを含む、請求項10に記載の磁気流量計。
【請求項12】
前記負荷平準化昇圧供給器は前記コイルに印加される前記電流供給信号の方向が反転したときに、前記コイルからの電流が前記負荷平準化昇圧供給器の構成要素に流れ込むのを防止するためのダイオードを含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項13】
前記負荷平準化昇圧供給器は、前記コイルを流れる前記電流供給信号の方向の反転による前記コイルから前記負荷平準化昇圧供給器に流れる逆起電力を感知する電圧センサを含む、請求項1に記載の磁気流量計。
【請求項14】
前記負荷平準化昇圧供給器は、前記感知された逆起電力の関数として前記電流供給信号を制御するように構成されたスイッチを含む、請求項13に記載の磁気流量計。
【請求項15】
流体の流れを測定するための磁気流量計であって、
流れを受け取る流管アセンブリであって、コイル電流を受け取り、応答して磁場を生成し、それにより流量を表すEMFを流体内に生成するための第1のコイルワイヤおよび第2のコイルワイヤを有するコイルを有する、流管アセンブリと、
前記EMFを感知し、流量を示す出力を生成するように構成されたEMFセンサと、
前記コイルに電流供給信号を印加するように構成された電流供給回路と、
前記コイルから電力を回復するように構成された電力掃気回路と、を備える、
磁気流量計。
【請求項16】
前記電力掃気回路が電力貯蔵要素を含む、請求項15に記載の磁気流量計。
【請求項17】
前記電力貯蔵要素はキャパシタを含む、請求項16に記載の磁気流量計。
【請求項18】
前記コイルに流れる電流を感知し、前記感知された電流に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御するように構成された電流センサを有する負荷平準化昇圧供給器を含む、請求項15に記載の磁気流量計。
【請求項19】
前記コイルから流出する電流を感知し、前記感知された電流に基づいて前記電流供給信号を応答的に制御するように構成された電流センサを有する負荷平準化昇圧供給器を含む、請求項15に記載の磁気流量計。
【請求項20】
前記負荷平準化昇圧供給器は、前記感知された逆起電力の関数として前記電流供給信号を遮断するように構成されたスイッチを含む、
請求項15に記載の磁気流量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は磁気流量計に関し、より具体的には、流量測定において使用される磁場を生成するために使用される電流を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
正確かつ正確な流量制御はバルク流体のハンドリング、食品および飲料調製、化学および医薬品、水および空気分配、炭化水素抽出および処理、環境制御、ならびに、例えば、熱可塑性樹脂、薄膜、接着剤、樹脂および他の流体材料を利用する一連の製造技術を含む、広範囲の流体処理用途にとって重要である。各特定の用途で使用される流量測定技術は、関係する流体、および関連するプロセス圧力、温度、および流量に依存する。
【0003】
例示的な流量測定技術は、機械的回転の関数として流量を測定するタービン装置、ベルヌーイ効果の関数として流量を測定するピトーセンサおよび差圧装置、振動効果の関数として流量を測定する渦およびコリオリ装置、ならびに熱伝導率の関数として流量を測定する質量流量計を含む。磁気流量計は、機械的または熱力学的効果よりもむしろ電磁的相互作用に依存するファラデーの法則に基づいて流れを特徴付けることによって、これらの技術とは区別される。特に、磁気流量計はプロセス流体の導電性に依存し、流体が磁場の領域を流れるときに誘起される起電力(EMF)に依存する。
【0004】
従来の磁気流量計は、センサ(またはパイプ)部および送信器部を含む。送信器部はセンサ部のコイルを通して電流を駆動し、パイプ部を横切る磁界を生成するコイルドライバを含む。磁場は、流れの速度に比例する流れを横切るEMFまたは電位差(電圧)を誘導する。磁気流量計は電圧差に基づいて流量を測定し、率をセンサ部で検出する。
【0005】
磁気流量計は大きな誘導性スイッチング負荷で作動する必要がある。これらの誘導負荷は、負荷を流れる電流に大きなスイングを引き起こす。これは、内部電源に極端な課題を引き起こす。動的負荷が適切に管理されていないと、トランスミッタに入力電流サージが発生し、磁気流量計に電力を供給するために使用される電力システムに潜在的な供給課題が発生する可能性がある。
【0006】
流量測定の精度は多くの因子に依存し、その一つは流れを横切る磁場の正確な発生である。動作設定値はコイルドライバに、流れを横切る所望の磁界を生成する電流を生成させるように指示する。電流はそれが動作設定点に一致することを保証するために、周期的にサンプリングされてもよい。
【発明の概要】
【0007】
流体の流れを測定するための磁気流量計はその流れを受け入れ、コイル電流を受け入れ、それに応答して磁場を生成し、それによって流量を示すEMFを流体内に生成するための第1および第2のコイルワイヤを備えたコイルを有する流管アセンブリを含む。EMFセンサを配置して、EMFを感知し、流量を示す出力を生成する。電流供給回路は、コイルに電流供給信号を印加する。負荷平準化昇圧電源は、電流供給回路に電力を供給する。別の態様では、電力掃気回路がコイルから電力を回復する。
【0008】
この概要は、以下の「発明を実施するための形成」でさらに説明される概念の選択を簡略化された形成で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術で言及される任意のまたはすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定システムの簡略化された図である。
図2】磁気流量計の簡略回路図である。
図3図1の電力制御装置の回路図である。
図4図1の電源の波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。同一または類似の参照文字を使用して識別される要素は、同一または類似の要素を参照する。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が完全かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0011】
具体的な詳細は実施形態の完全な理解を提供するために、以下の説明で与えられる。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしに実施形態を実施できることを理解するのであろう。例えば、回路、システム、ネットワーク、プロセス、フレーム、サポート、コネクタ、モータ、プロセッサ、および他の構成要素は実施形態を不必要な詳細で曖昧にすることを回避するために、図示されず、またはブロック図の形態で示されてもよい。
【0012】
磁気流量計は磁界を発生させるためにセンサ(コイル)を流れる電流を利用し、導電性流体がこの界を通過すると、ファラデーの法則に従って、流量に比例する電界が発生する。システム内のオフセットをキャンセルするために、電流は周期的に反転され(コイル周波数として知られている)、最も単純な場合には、平均電圧が得られて流量が決定される。電流反転中に、流量センサ内のコイルの電流とインダクタンスに比例する逆起電力が発生する。この逆起電力によって、センサに電力を供給する調整された電源は、出力電圧を調整する能力を一瞬失う。逆起電力の大きさが大きくなると、実際に電源がオフになることがある。この場合、システムを調整したままにして、電流の反転を完了させるためには、電源装置を非常に迅速にオンに戻し、大電流を供給する必要がある。電源システムの電流サージは極端なものとなる可能性があり、一般的な電力システムでは十分にサポートされていない。本発明は、電流を一定値に調節する技術および回路を含む。一態様では、本発明が動的電流サージを除去/低減するために、負荷平準化回路を昇圧供給に一体化する。さらに、回路は誘導負荷に蓄積されたカウンタEMFエネルギーを捕捉し、次のスイッチングサイクルでこのエネルギーを再利用する。
【0013】
一態様では、本発明が負荷平準化昇圧電源回路を含む磁気流量計を含む。別の態様では、本発明が電流反転サイクルに続いて流管コイル内で生成される逆起電力を再利用するように構成された掃気回路を含む。
【0014】
図1は、本開示の実施形態による、例示的な工業プロセス測定システム98の簡略図である。システム98は材料(例えば、処理媒体)の処理に使用されて、材料をより価値の低い状態から、石油、化学薬品、紙、食品などのより価値があり有用な製品に変換することができる。例えば、システム98は、原油をガソリン、燃料油、および他の石油化学物質に加工することができる工業プロセスを実施する石油精製所で使用することができる。
【0015】
システム98は、例えばパイプ又は流管102を通るようなプロセス流体流101の流量を感知するように構成されたパルス直流磁気流量計100を含む。磁気流量計100は、起電力(EMF)センサ(図2の107)および流量計電子機器(送信器)106を含む。センサは一般に、流体流101の流量を測定または感知するように構成される。電子機器106は一般に、流量を測定するために印加磁場を制御するように構成され、任意に、測定された流量を、システム98の制御室113内などの流量計100から遠隔に配置され得るコンピュータ制御ユニットなどの外部計算装置111に通信する。
【0016】
電子機器106は、適切なプロセス制御ループを介して外部計算装置111と通信することができる。いくつかの実施形態では、プロセス制御ループが2線式制御ループ115などの物理的通信リンク、または無線通信リンクを含む。外部計算装置111と流量計100との間の通信は、従来のアナログおよび/またはデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ115を介して実行され得る。いくつかの実施形態では2線式制御ループ115が4~20ミリアンペアの制御ループを含み、処理量は2線式制御ループ115を流れるループ電流Iの水準によって表すことができる。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格に従うような、2線式制御ループ115のアナログ電流レベルへのデジタル信号の変調を含む。FieldBusおよびProfibus通信プロトコルを含む、他の純粋にデジタル技法を使用することもできる。プロセス制御ループの例示的なワイヤレスバージョンは例えば、WirelessHART(登録商標)(IEC 62591)またはISA 100.11a(IEC 62734)などのワイヤレスメッシュネットワークプロトコル、またはWiFi、LoRa、Sigfox、BLE、または任意の他の適切なプロトコルなどの別のワイヤレス通信プロトコルを含む。
【0017】
電力は、任意の適切な電源から磁気流量計100に供給されてもよい。例えば、磁気流量計100は、制御ループ115を流れるループ電流Iによって完全に電力供給されてもよい。また、1つ以上の電源を利用して、内部バッテリまたは外部バッテリなどのプロセス磁気流量計100に電力を供給することもできる。発電機(例えば、太陽電池パネル、風力発電機など)もまた、磁気流量計100に電力を供給するために、または磁気流量計100によって使用される電源を充電するために使用されてもよい。しかしながら、大部分の流量計は、通常、プロセス制御ループ115を提供するために2つのワイヤが使用され、流量計に電力を供給するために第2のワイヤ対が使用される「4線式」構成として知られているもので動作する。電力は局所DC電源によって供給することができ、プロセス流体の流れにおいて強力な磁場を生成するために必要とされる比較的大量の電力を供給する際に有用である。
【0018】
図2は、磁気流量計100の簡略ブロック図である。磁気流量計100は、そこを通るプロセス流体の流れを受け入れるように構成された流管(フローチューブ)102を含む。コイル104は、流管102内に位置決めされ、移動プロセス流体に磁場を印加するように構成される。電極107は、流管102内に担持され、プロセス流体に曝される。これらの電極107は、移動プロセス流体に印加される磁界に応答して発生するEMFを感知する。上述したように、このEMFは、プロセス流体の流量に比例する。
【0019】
図2に示す構成では、差動増幅器108が2つの電極107の間で生成された電圧差を感知して増幅するように構成されている。一構成では、差動増幅器108が感知されたEMFに関連するデジタル出力を提供するアナログ-デジタル変換器を含む。いずれの場合も、要素108からの出力は感知されたEMFに関連し、次いで、プロセス流体の流量に比例する。
【0020】
測定回路110は差動増幅器108からの出力を受け取り、プロセス流体の流れに関連した出力を提供する。測定回路110はデジタルおよび/またはアナログ回路で実施することができ、マイクロプロセッサなどを含むことができる。1つの構成において、測定回路110からの出力は、プロセス制御環境において使用されるタイプのものである。例えば、上述のように、出力は、例えば4~20mAプロセス制御ループを含む2線プロセス制御ループ上の出力を含むことができる。制御ループは、HART(登録商標)通信プロトコル、Fieldbusプロトコル、または他のハードワイヤードプロトコルに従って動作することができる。更に、プロセス制御ループは、信号が無線で通信される無線制御ループを含むこともできる。いくつかの構成では、同じプロセス制御ループが磁気流量計100に電力を供給するために使用される。
【0021】
磁気流管102のコイル104に印加される電流は、電流供給回路120によって制御される。本明細書で論じられるように、電流供給回路120は、負荷平準化昇圧電源として動作する。
【0022】
電源回路120は、入力VInと、インダクタL1に印加される入力電流IINとを供給する電源122を含む。インダクタL1の出力は、ゲートドライバ124およびトランジスタスイッチ126によって形成されるスイッチSW1を使用して電気的接地に選択的に短絡させることができる。電源122は、装置の内部または外部に装填することができる。回路は、電源122から引き出される電流サージを低減または除去することができる。インダクタL1、ダイオードD1、キャパシタC1はスイッチSW1と共に、直流入力電圧VINがより高い電圧V1に昇圧される昇圧電源構成を提供するように動作する。インダクタを通る過渡電流によって、電圧は、電源122によって提供されるものを超えて増加する。コンデンサC1は、電圧スパイクを平滑化するように動作する。電圧V1は、ダイオードD2を通してHブリッジドライバ128に接続される。ダイオードD1及びD2は、それぞれコンデンサC1及びC2を介して電気接地に接続されている。また、制御部130は、抵抗R1、R2を用いて帰還VFBを感知するように構成される。Hブリッジ・ドライバ128は、既知の技術に従って測定回路110によって制御されるスイッチ140を含む。より具体的には、Hブリッジ128の両側のスイッチの交互動作によって、ローパスフィルタ142を介してコイル104に印加される電流の方向を切り替えることができる。
【0023】
制御装置130はローパスフィルタ150を通る電流センサ132を使用してHブリッジに印加される電流(IIn)を感知するとともに、ローパスフィルタ152を通る電流センサ134を使用してHブリッジ(IOut)の電流を感知するように構成されている。コントローラ130の一例の構成は、増幅器160、162および164を含む図3に示されている。差動増幅器160は、入力電流と出力電流との間の差に関連した出力を提供する。アンプ162は、この電流差分を基準電位Vrefに基づいて増幅する。アンプ162からの増幅された出力は、帰還電位Vfbと比較され、制御出力がスイッチSW1に印加される。
【0024】
動作中、負荷平準化昇圧電源120は入力電圧VINをとる昇圧スイッチング電源構成で動作し、それをより高い出力電圧V1またはV2に昇圧(ブースト)する。入力電流IINを水平にするには、正味の出力電流IOUTを決定する必要がある。サイクルの大部分では、昇圧回路から電流が流れている。しかし、コイル104を流れる電流の方向が反転する逆起電力時間の間、電流は昇圧回路に逆流する。実際の昇圧負荷電流は、これら2つの電流の時間平均和(正味の負荷電流)である。ローパスフィルタ152は、複数のコイル周波数遷移にわたる正味の負荷電流を平均化するために使用される。このように、非常に低い周波数のフィルターである。
【0025】
逆起電流が昇圧回路120に逆流すると、出力電圧V2が増加し、コントローラ130は、電圧V2が高すぎることを検出する。これが発生すると、コントローラ130は、スイッチSW1のデューティサイクルを低下させて出力を制御する。ブロッキングダイオードD2はこの逆電流を「吸収」するために、回路の出力上に追加のキャパシタC2と共に使用される。余分な電流はキャパシタC2に蓄積され、Hブリッジ128の次のサイクルの間に再利用される。出力電圧V2は、コイル周波数サイクル(Coil Frequency cycle)全体にわたって増加できる必要があることに注意する。したがって、出力電圧V2は、十分に調整された電圧ではない。
【0026】
ここで、正味負荷電流(ILOAD)が決定されると、昇圧回路120のコントローラ130は、必要な負荷電流ILOADを供給するために昇圧を強制的にオンのままにする。これは、通常昇圧がオフになる間に出力電圧V2を増加させ、それによって入力電流を一定に保つことによって行われる。正味の負荷電流を使用せず、出力電流のみを監視すると、システムに蓄積される正味のエネルギーはサイクルごとに増加し続け、電圧は制御不能になる。
【0027】
図4図2のV、V、感度2、IINの大きさと経時変化を示す図であり、上述した制御部130の動作を示す。電源Vinからの昇圧の入力電流は、一定の出力負荷が与えられると、電源電圧と共に間接的に変化する。スイッチSW1 126がオンになると、インダクタL1 に電流が流れる。この電流によって、エネルギーがインダクタL1に蓄積される。インダクタL1およびSW1 126がオンになる時間をオン時間と呼び、スイッチングサイクルの残りをオフ時間と呼ぶ。ダイオードD1は逆バイアスされ、したがって導通しない。オフ時間の間、ダイオードD1は順方向バイアスされ、インダクタL1に蓄積されたエネルギーは、出力および充電キャパシタC1に流れることが許される。D1を流れるこの電流の平均は、昇圧供給の負荷電流(電流センス1)である。負荷電流は入力電源電圧Vin とは無関係である。負荷電流(電流感知2)を感知し、正味電流を電流感知2で感知された負荷電流と同じにすることによって、電源(Iin)への電流は継続し、図4に示すようにほぼ一定になる。
【0028】
この構成では、入力IIN電流を積極的に制御して、ゼロ(0)アンペア入力からミリ秒単位で多数のアンペア入力までの大電流サージを低減または除去する。これは、DC力率補正回路と見なすことができる。
【0029】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、様々な変更が本発明の精神および範囲から逸脱することなく形状および細部になされてもよいことは認識できる。ここに示す構成では、キャパシタCが駆動電流の向きが逆になったときに、巻線からの電力を蓄積するための電力捕捉回路を提供する。しかしながら、インダクタ又はバッテリであるものを含む他の電力貯蔵及び掃気技術を使用することができる。本明細書に記載される構成により、インダクタL1、ダイオードD1、スイッチSW1、およびキャパシタC1によって、昇圧電源が供給される。ローパスフィルタ152を用いて負荷電流の時間平均が提供される。昇圧電源からの出力電流も感知され、ローパスフィルタ152よりも短い時定数を有するローパスフィルタ150に印加される。制御装置130はこれら2つのフィルタリングされた信号を比較し、図4に示すように、比較的一定の電流IINを維持するようにスイッチSW1の動作を制御する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】