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特表2022-547046無段階コリメーションを備えたミニCアーム撮像システム
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  • 特表-無段階コリメーションを備えたミニCアーム撮像システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】無段階コリメーションを備えたミニCアーム撮像システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
A61B6/00 300D
A61B6/00 300X
A61B6/00 300G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514527
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020050531
(87)【国際公開番号】W WO2021050971
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/899,627
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522081886
【氏名又は名称】オーソスキャン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】グリーン アンディ ウェブスター
(72)【発明者】
【氏名】シモンセン カイル レイ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA34
4C093EA14
4C093EB17
4C093EC04
4C093EC16
4C093FA16
4C093FA54
(57)【要約】
本開示は、直線的に平行移動しX線不透過性であるプレート(2)のペアを用いて調整可能な無段階コリメーティング装置を含有するミニCアームアセンブリで構築されている可搬型蛍光透視デバイスに関する。プレートの各ペアは、モーター(3)と、ギア(4、6)と、ラック(5)とを含む駆動機構によって動作されて、X線ビームの断面積をX線センサーの表面積に対して相対的に増大または減少させることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線ビーム発生器と;
受像器と;
湾曲した構造支持アセンブリと;
該受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたって該X線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置と
を具備する、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイス。
【請求項2】
コリメーティング装置が、直線レールに沿った平行移動を容易にするように構成されたラックに連結された複数の可動プレートを具備する、請求項1記載の撮像デバイス。
【請求項3】
コリメーティング装置が、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすように構成された駆動ギアを具備する、請求項2記載の撮像デバイス。
【請求項4】
コリメーティング装置が、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすように構成されたアイドルギアをさらに具備する、請求項2または3記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記複数の可動プレートを互いに対して動かすために駆動ギアを駆動するよう構成された1つまたは複数のモーターをさらに具備する、請求項3記載の画像デバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数のモーターがコリメーティング装置の上方にポジショニングされる、請求項5記載の画像デバイス。
【請求項7】
前記複数の可動プレートが、プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとを具備し;駆動ギアの回転の結果として、プレートの該第一ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動き、かつ/または、プレートの該第二ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動く;請求項3~6のいずれか一項記載の画像デバイス。
【請求項8】
前記複数の可動プレートが、400 cm2であるX線照射野を作り出すように構成されている、請求項2~7のいずれか一項記載の画像デバイス。
【請求項9】
前記複数の可動プレートが、閉じてX線ビームを妨げるように構成されている、請求項2~8のいずれか一項記載の画像デバイス。
【請求項10】
X線ビーム発生器と;
受像器と;
構造支持アセンブリと;
該受像器における視野を増強するため、連続的な範囲にわたって該X線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置と
を具備する、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイス。
【請求項11】
請求項2~9のいずれか一項記載の特徴をさらに具備する、請求項10記載の撮像デバイス。
【請求項12】
X線ビーム発生器と;
受像器と;
支持アセンブリと;
該受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたって該X線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置であって、プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとを具備する、コリメーティング装置と
を具備する、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイス。
【請求項13】
プレートの第一ペアの1つのプレートを平行移動させるように構成された第一駆動ギアをさらに具備する、請求項12記載の撮像デバイス。
【請求項14】
プレートの第一ペアの別のプレートを平行移動させるように構成された第一アイドルギアをさらに具備する、請求項13記載の撮像デバイス。
【請求項15】
第一駆動ギアと第一アイドルギアとが、プレートの第一ペアを互いに向かって引き寄せる、請求項14記載の撮像デバイス。
【請求項16】
プレートの第二ペアの1つのプレートを平行移動させるように構成された第二駆動ギアをさらに具備する、請求項12~15のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項17】
プレートの第二ペアの別のプレートを平行移動させるように構成された第二アイドルギアをさらに具備する、請求項16記載の撮像デバイス。
【請求項18】
第二駆動ギアと第二アイドルギアとが、プレートの第二ペアを互いに向かって引き寄せる、請求項17記載の撮像デバイス。
【請求項19】
プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとが垂直である、請求項12~18のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項20】
第一モーターと第二モーターとをさらに具備し、第一モーターと第二モーターとが、使用中にコリメーティング装置の上方にポジショニングされる、請求項12~19のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項21】
プレートの第一ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動き、かつ、プレートの第二ペアが、プレートの該第一ペアの動きとは独立に、互いに近づくかもしくは遠ざかるように動く、請求項12~20のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項22】
前記複数の可動プレートが、400 cm2であるかまたはそれより小さいX線照射野を作り出すように構成されている、請求項12~21のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項23】
プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとが、閉じてX線ビームを妨げるように構成されている、請求項12~22のいずれか一項記載の撮像デバイス。
【請求項24】
本開示の任意の数の特徴を具備する、撮像デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2019年9月12日に提出された米国特許仮出願第62/899,627号に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本開示はいくつかの局面において、撮像中のX線ビームを制限するためのモーター式無段階コリメーティング装置を含むミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスに関する。
【発明の概要】
【0003】
概要
蛍光透視オペレーション中にX線ビームの曝露エリアを縮小させることが望ましい可能性がある。関心対象エリアを隔離するため、および非関心対象エリアへの曝露量を低減するために、エリアの調整が用いられる可能性がある。
【0004】
いくつかの態様において、本明細書に開示するミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、ミニCアーム蛍光透視デバイスのX線の「線源受像面間距離(source to image distance)」(SID)に関するFDA要件の物理的制約に対応できる。本明細書に開示するミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、300平方センチメートル未満および300平方センチメートル超のいずれの受像器とも併用できる。いくつかの態様において、本明細書に開示するミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、約100平方センチメートル、約200平方センチメートル、約300平方センチメートル、約400平方センチメートル、約500平方センチメートル、約600平方センチメートル、100平方センチメートル未満、200平方センチメートル未満、300平方センチメートル未満、400平方センチメートル未満、500平方センチメートル未満、600平方センチメートル未満、100平方センチメートル超、200平方センチメートル超、300平方センチメートル超、400平方センチメートル超、500平方センチメートル超、600平方センチメートル超、または前述した値の任意の範囲の面積を有する受像器と併用できる。
【0005】
いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスはX線ビーム発生器を含む。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは受像器を含む。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、湾曲した構造支持アセンブリを含む。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスはコリメーティング装置を含む。コリメーティング装置は、受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズをユーザー制御式に無段階調整することを可能にしてもよい。コリメーティング装置は、受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたってX線ビームの形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にしてもよい。コリメーティング装置は、受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にしてもよい。コリメーティング装置は、本明細書に説明するようなユーザー制御式の無段階調整を可能にしてもよい。
【0006】
いくつかの態様において、コリメーティング装置は複数の可動プレートを含んでもよい。可動プレートはラックに連結されてもよい。ラックは、直線レールに沿った平行移動を容易にするように構成されてもよい。
【0007】
いくつかの態様において、コリメーティング装置は1つまたは複数の駆動ギアを具備する。前記1つまたは複数の駆動ギアは、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすように構成されてもよい。いくつかの態様において、1つの駆動ギアが可動プレートのうち1つを動かす。いくつかの態様において、1つの駆動ギアが可動プレートのうち2つを動かす。いくつかの態様において、1つの駆動ギアが可動プレートのうち2つを反対方向に動かす。コリメーティング装置は、駆動ギアを回転させることにより可動プレートを動かすことによってユーザー制御式の無段階調整を可能にしてもよい。駆動ギアは、可動プレートに連結されたラックと相互作用してもよい。
【0008】
いくつかの態様において、コリメーティング装置が1つまたは複数のアイドルギアを含んでもよい。前記1つまたは複数のアイドルギアは、前記複数の可動プレートが互いに対して動くことを容易にしてもよい。前記1つまたは複数のアイドルギアは回転を伝えてもよいが、動きを駆動するわけではない。前記1つまたは複数のアイドルギアは動きの方向を変えてもよい。前記1つまたは複数のアイドルギアは、ある距離に沿って回転を伝えてもよい。
【0009】
いくつかの態様において、コリメーティング装置が1つまたは複数のモーターを含んでもよい。前記1つまたは複数のモーターは、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすために駆動ギアを駆動してもよい。モーターは駆動ギアに直接的に接続されてもよい。モーターは駆動ギアに間接的に接続されてもよい。モーターは単一の駆動ギアを駆動してもよい。モーターは1つまたは複数の駆動ギアを駆動してもよい。
【0010】
いくつかの態様において、前記1つまたは複数のモーターは、コリメーティング装置の上方にポジショニングされてもよい。いくつかの態様において、前記1つまたは複数のモーターは、コリメーティング装置の下方にポジショニングされてもよい。いくつかの態様において、前記1つまたは複数のモーターは、使用中のコリメーティング装置に対して相対的にポジショニングされてもよい。
【0011】
いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは任意の数のプレートを含んでもよい。前記複数の可動プレートがプレートの第一ペアを含んでもよい。プレートの第一ペアは使用中に水平であってもよい。プレートの第一ペアは使用中に平行であってもよい。いくつかの態様において、プレートの第一ペアが第一駆動ギアに連結されてもよい。第一駆動ギアの回転の結果として、第一駆動ギアの回転の方向に応じて、プレートの第一ペアが互いに近づくかまたは遠ざかるように動いてもよい。前記複数の可動プレートがプレートの第二ペアを含んでもよい。プレートの第二ペアは使用中に水平であってもよい。プレートの第二ペアは使用中に平行であってもよい。プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとは互いに垂直であってもよい。いくつかの態様において、プレートの第二ペアが第二駆動ギアに連結されてもよい。第二駆動ギアの回転の結果として、第一駆動ギアの回転の方向に応じて、プレートの第二ペアが互いに近づくかまたは遠ざかるように動いてもよい。使用中に、駆動ギアの回転の結果として、プレートの第一ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動いてもよく、かつ/または、プレートの第二ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動いてもよい。
【0012】
いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、400 cm2であるX線照射野を作り出すように構成される。いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、約100平方センチメートル、約200平方センチメートル、約300平方センチメートル、約400平方センチメートル、約500平方センチメートル、約600平方センチメートル、100平方センチメートル未満、200平方センチメートル未満、300平方センチメートル未満、400平方センチメートル未満、500平方センチメートル未満、600平方センチメートル未満、100平方センチメートル超、200平方センチメートル超、300平方センチメートル超、400平方センチメートル超、500平方センチメートル超、600平方センチメートル超、または前述した値の任意の範囲の面積を有するX線照射野を作り出すように構成される。
【0013】
いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、閉じてX線ビームを妨げるように構成される。プレートの第一ペアが引き寄せられて閉じてもよい。プレートの第一ペアが隣接してもよい。プレートの第二ペアが引き寄せられて閉じてもよい。プレートの第二ペアが隣接してもよい。いくつかの態様において、1つのプレートペアのみが閉じる。いくつかの態様において、両方のプレートペアが閉じる。
【0014】
いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスがX線ビーム発生器を含んでもよい。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスが受像器を含んでもよい。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスが構造支持アセンブリを含んでもよい。いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスがコリメーティング装置を含んでもよい。コリメーティング装置は、受像器における視野を増強するため(それには増大および/または低減が含まれうる)、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスが提供される。可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、X線ビーム発生器と;受像器と;湾曲した構造支持アセンブリと;受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置とを含んでもよい。
【0016】
いくつかの態様において、コリメーティング装置は、直線レールに沿った平行移動を容易にするように構成されたラックに連結された、複数の可動プレートを具備する。いくつかの態様において、コリメーティング装置は、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすように構成された駆動ギアを具備する。いくつかの態様において、コリメーティング装置は、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすように構成されたアイドルギアをさらに具備する。いくつかの態様において、コリメーティング装置は、前記複数の可動プレートを互いに対して動かすために駆動ギアを駆動するよう構成された1つまたは複数のモーターをさらに具備する。いくつかの態様において、前記1つまたは複数のモーターはコリメーティング装置の上方にポジショニングされる。いくつかの態様において、前記複数の可動プレートはプレートの第一ペアとプレートの第二ペアとを具備し、ここで、駆動ギアの回転の結果として、プレートの第一ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動き、かつ/または、プレートの第二ペアが互いに近づくかもしくは遠ざかるように動く。いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、400 cm2であるX線照射野を作り出すように構成される。いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、閉じてX線ビームを妨げるように構成される。
【0017】
いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスが提供される。可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、X線ビーム発生器と;受像器と;構造支持アセンブリと;受像器における視野を増強するため、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置とを含んでもよい。いくつかの態様において、撮像デバイスは、本明細書に説明する諸特徴をさらに具備する。
【0018】
いくつかの態様において、可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスが提供される。可搬型ミニCアーム蛍光透視/放射線撮像デバイスは、X線ビーム発生器と;受像器と;支持アセンブリと;受像器における視野を最適化するため、連続的な範囲にわたってX線ビームのサイズおよび形状をユーザー制御式に無段階調整することを可能にするように構成されたコリメーティング装置とを含んでもよい。いくつかの態様において、コリメーティング装置はプレートの第一ペアとプレートの第二ペアとを具備する。
【0019】
いくつかの態様において、撮像デバイスは、プレートの第一ペアの1つのプレートを平行移動させるように構成された第一駆動ギアをさらに具備する。いくつかの態様において、撮像デバイスは、プレートの第一ペアの別のプレートを平行移動させるように構成された第一アイドルギアをさらに具備する。いくつかの態様において、第一駆動ギアおよび第一アイドルギアは、プレートの第一ペアを互いに向かって引き寄せる。いくつかの態様において、撮像デバイスは、プレートの第二ペアの1つのプレートを平行移動させるように構成された第二駆動ギアをさらに具備する。いくつかの態様において、撮像デバイスは、プレートの第二ペアの別のプレートを平行移動させるように構成された第二アイドルギアをさらに具備する。いくつかの態様において、第二駆動ギアおよび第二アイドルギアは、プレートの第二ペアを互いに向かって引き寄せる。いくつかの態様において、プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとは垂直である。いくつかの態様において、撮像デバイスは、使用中にコリメーティング装置の上方にポジショニングされる第一モーターと第二モーターとをさらに具備する。いくつかの態様において、プレートの第一ペアは互いに近づくかもしくは遠ざかるように動き、かつ、プレートの第二ペアは、プレートの第一ペアの動きとは独立に、互いに近づくかもしくは遠ざかるように動く。いくつかの態様において、前記複数の可動プレートは、400 cm2であるかまたはそれより小さいX線照射野を作り出すように構成される。いくつかの態様において、プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとは、閉じてX線ビームを妨げるように構成される。
【0020】
いくつかの態様において、システムまたは方法が、本開示の任意の数の特徴を具備するか、本質的にそれら特徴からなるか、それら特徴からなるか、またはそれら特徴を具備しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
さまざまな態様は、例示の目的で添付の図面に描写されるのであり、決して諸態様の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、異なる開示態様のさまざまな特徴が組み合わされて追加的態様が形成されてもよく、それらは本開示の一部となる。
【0022】
図1】無段階コリメーティング装置の1つの態様を詳しく図示する。
図2】照射野拡大状態にある無段階コリメーティング装置を含む、ミニCアーム撮像デバイスの例を図示する。
図2b】照射野拡大状態にある無段階コリメーティング装置の詳細を図示する。
図3】約5 cm x 5 cmまたはそれ未満であってもよい照射野縮小状態にある無段階コリメーティング装置を含む、ミニCアーム撮像デバイスの例を図示する。
図3b】照射野縮小状態にある無段階コリメーティング装置の1つの態様の詳細を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
図1に無段階コリメーティング装置(20)の1つの態様の等角図を提示する。無段階コリメーティング装置(20)は概して、X線不透過性であるプレート(2)のペアを具備する。無段階コリメーティング装置(20)は4つのプレートを含んでもよい。無段階コリメーティング装置(20)は、プレートの第一ペアとプレートの第二ペアという2セットのプレートを具備してもよい。図1に示すように、プレートの第一ペアは概ね垂直に配向したものとして示されている。プレートの第一ペアは使用中に平行であってもよい。図1に示すように、プレートの第二ペアは概ね水平に配向したものとして示されている。プレートの第二ペアは使用中に平行であってもよい。4つのプレートが示されているが、任意の数のプレートが企図される。2セットのプレートが示されているが、任意のセット数のプレートが企図される。
【0024】
いくつかの態様において、プレートのセットの動きは連動している。プレートの第一ペアが、互いに向かって動いてもよく、互いから離れて動いてもよい。プレートの第一ペアが同時に動いてもよい。プレートの第二ペアが、互いに向かって動いてもよく、互いから離れて動いてもよい。プレートの第二ペアが同時に動いてもよい。いくつかの態様において、プレートのセット内のプレートの動きは連動していない。プレートの第一ペアの各プレートが独立に動いてもよい。プレートの第二ペアの各プレートが独立に動いてもよい。いくつかの態様において、プレートのペアが互いに対して相対的に動いてもよい。プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとが互いに独立に動いてもよい。プレートの第一ペアとプレートの第二ペアとが同時に動いてもよい。
【0025】
プレート(2)はラック(5)に連結される。各プレート(2)がラック(5)に連結されてもよい。プレート(2)とラック(5)とが別々に形成されそして連結されてもよい。プレート(2)とラック(5)とが一体的に形成されてもよい。ラック(5)が、直線レールに沿ったプレート(2)の平行移動を容易にしてもよい。本明細書に説明するように、ラック(5)が駆動された時にプレート(2)が直線レールに沿って自由にスライドできてもよい。
【0026】
無段階コリメーティング装置(20)が1つまたは複数のモーター(3)を含んでもよい。 モーター(3)はユーザーインターフェース制御式のモーターであってもよい。モーター(3)は駆動ギア(4)に組み付けられるかまたはこれに機能的に連結される。モーター(3)は駆動ギア(4)に直接的に連結されてもよい。モーターは駆動ギア(4)に間接的に連結されてもよい。各モーター(3)は単一の駆動ギア(4)を駆動してもよい。各モーター(3)は2つまたはそれ以上の駆動ギア(4)を駆動してもよい。無段階コリメーティング装置(20)が1つまたは複数のアイドルギア(6)を含んでもよい。 モーター(3)は、アイドルギア(6)と併用される駆動ギア(4)に組み付けられるかまたはこれに機能的に連結される。アイドルギア(6)は駆動ギア(4)から間隔が空けられていてもよい。アイドルギア(6)が駆動ギア(4)の方向を変えてもよい。本明細書に説明するように、アイドルギア(6)は、プレートのペアの各プレート(2)の、互いに向かう動きおよび互いから離れる動きを容易にしてもよい。ラック(5)と駆動ギア(4)とがラックアンドピニオン駆動システムとして機能してもよい。ラック(5)と駆動ギア(4)とが、駆動ギア(4)の回転運動をラック(5)の平行移動に変換してもよい。駆動ギア(4)は円形のギアであってもよい。ラック(5)が一連の直線ギアを含んでもよい。駆動ギア(4)を回転させるとラック(5)が直線的に駆動される。ラック(5)は、駆動ギア(4)によって横方向に操縦可能であってもよい。
【0027】
無段階コリメーティング装置(20)は、プレート(2)が「無限の(limitless)」様式で開閉することを可能にしてもよい。無段階コリメーティング装置(20)は、プレート(2)が全開状態から全閉状態まで動くことを可能にしてもよい。無段階コリメーティング装置(20)は、プレート(2)が全開状態まで戻ることを可能にしてもよい。
【0028】
図1内の右下にある駆動ギア(4)を取り上げて、プレートの第一ペアの動きを説明する。駆動ギア(4)の回転がラック(5)を平行移動させる。ラック(5)はプレート(2)の第一ペアの右端のプレートに連結されている。駆動ギア(4)はラック(5)に対するピニオンとして作用する。駆動ギア(4)が第一ラック(5)を第一の方向に操縦する。駆動ギア(4)は回転の方向に応じて第一ラック(5)を概ね右または左に平行移動させる。プレート(2)の第一ペアの右端のプレートに連結されたラック(5)がアイドルギア(6)を回転させる。アイドルギア(6)が回転の方向を変える。アイドルギア(6)が、プレート(2)の第一ペアの左端のプレートの第二ラック(5)に接触する。アイドルギア(6)はラック(5)に対するピニオンとして作用する。アイドルギア(6)が第二ラック(5)を第二の方向に操縦する。アイドルギア(6)の回転が第二ラック(5)を第二の方向に動かす。第二の方向は第一の方向と反対である。駆動ギア(4)およびアイドルギア(6)が動くと、結果として、プレート(2)の第一ペアが共に近づくかまたは遠ざかるように動く。図1に見られるように、駆動ギア(4)およびアイドルギア(6)が動くと、結果として、プレートの第一ペアの1つのプレートが右に動き、かつプレートの第一ペアの他方のプレートが左に動く。
【0029】
プレートの第二ペアも、同様の、互いに向かう動きおよび互いから離れる動きを有してもよい。図1において、プレートの第二ペアは概ね水平に配向したものとして示されている。駆動ギア(4)は右上角の近くにある。駆動ギア(4)の回転が第三ラック(5)を平行移動させる。第三ラック(5)はプレート(2)の第二ペアの上端のプレートに連結されている。駆動ギア(4)が第三ラック(5)を第三の方向に操縦する。駆動ギア(4)は回転の方向に応じて第三ラック(5)を概ね上または下に平行移動させる。プレート(2)の第一ペアの上端のプレートに連結されたラック(5)がアイドルギア(6)を回転させる。アイドルギア(6)が回転の方向を変える。アイドルギア(6)が、プレート(2)の第二ペアの下端のプレートの第四ラック(5)に接触する。アイドルギア(6)が第四ラック(5)を第二の方向に操縦する。アイドルギア(6)の回転が第四ラック(5)を第四の方向に動かす。第三の方向は第四の方向と反対である。駆動ギア(4)およびアイドルギア(6)が動くと、結果として、プレート(2)のペアが共に近づくかまたは遠ざかるように動く。図1に見られるように、駆動ギア(4)およびアイドルギア(6)が動くと、結果として、プレートの第二ペアの1つのプレートが上に動き、かつプレートの第一ペアの他方のプレートが下に動く。いくつかの態様において2つのモーター(3)が提供される。いくつかの態様において、プレート(2)の第一ペアは、プレート(2)の第二ペアとは独立に動く。
【0030】
換言すると、モーター(3)が駆動ギア(4)を駆動してもよい。モーター(3)はアイドルギア(6)に補助されてプレート(2)のペアの動きを生じさせてもよい。モーター(3)と、駆動ギア(4)と、アイドルギア(6)とは、異なるポジションの連続体に沿ってプレート(2)の2つのペアを操縦してもよい。モーター(3)と、駆動ギア(4)と、アイドルギア(6)とは、プレート(2)の2つのペアを近づけるように、および遠ざけるように、操縦してもよい。モーター(3)と、駆動ギア(4)と、アイドルギア(6)とは、プレート(2)の2つのペアを操縦して、最大サイズと最小サイズとの間でX線照射野サイズの連続体を提供してもよい。X線照射野サイズの連続体を提供することは、X線照射野サイズを最大サイズと最小サイズとの間にある無限の数の可能性のうち1つにすることを可能にする点で有利である。X線照射野サイズの連続体を提供することは、限定された数の不連続なX線照射野サイズを有する段階的または不連続なシステムと比較して、より大きな柔軟性とより多くのユーザー選択肢とをもたらす点で有利である。
【0031】
本明細書に説明する無段階コリメーティング装置(20)は、拡大されたX線照射野を作り出すようにプレート(2)を操縦してもよい。いくつかの態様において、無段階コリメーティング装置(20)は最大サイズ、すなわち、20 cm × 20 cmの400 cm2であってもよい、拡大されたX線照射野を作り出すようにプレート(2)を操縦してもよい。いくつかの態様において、無段階コリメーティング装置(20)は、100平方センチメートルの最大サイズ、200平方センチメートルの最大サイズ、300平方センチメートルの最大サイズ、400平方センチメートルの最大サイズ、500平方センチメートルの最大サイズ、600平方センチメートルの最大サイズ、100平方センチメートル未満、200平方センチメートル未満、300平方センチメートル未満、400平方センチメートル未満、500平方センチメートル未満、600平方センチメートル未満、100平方センチメートル超、200平方センチメートル超、300平方センチメートル超、400平方センチメートル超、500平方センチメートル超、600平方センチメートル超、または前述した値の任意の範囲を有する、拡大されたX線照射野を作り出してもよい。いくつかの局面において、プレート(2)は、400 cm2より大きいかまたは小さい、拡大されたX線照射野を作り出すように操縦されてもよい。本明細書に説明する無段階コリメーティング装置(20)は、プレート(2)を全閉した0 cm × 0 cmの最小サイズであってもよい、閉じたX線照射野を作り出すようにプレート(2)を操縦してもよい。本明細書に説明する無段階コリメーティング装置(20)は、最大と最小との間でサイズが変動するX線照射野を作り出すようにプレート(2)を操縦してもよく、それには0 cm2~400 cm2のX線照射野サイズが含まれてもよい。いくつかの態様において、無段階コリメーティング装置(20)は、0~100平方センチメートルの範囲、0~200平方センチメートルの範囲、0~300平方センチメートルの範囲、0~400平方センチメートルの範囲、0~500平方センチメートルの範囲、0~600平方センチメートルの範囲、または前述した値の任意の範囲を有する、拡大されたX線照射野を作り出してもよい。いくつかの局面において、プレート(2)がモーター(3)で作動されてもよい。いくつかの局面において、プレート(2)がモーター式のリードスクリューステッパーで作動されてもよい。いくつかの局面において、プレート(2)が、直線作動を実現する任意の機械的手段で作動されてもよい。いくつかの局面において、プレート(2)が、任意のタイプの電気モーター、ブラシレスモーター、ブラシ式モーター、直接駆動モーター、直線駆動モーター、サーボモーター、ステッパーモーターで作動されてもよく、または本明細書に説明する別の作動技法と組み合わせられてもよい。
【0032】
図2にミニCアームアセンブリの等角図を提示する。ミニCアームアセンブリは、湾曲した構造支持アセンブリ(70)を含んでもよい。ミニCアームアセンブリはX線ビーム発生器(10)を含んでもよい。ミニCアームアセンブリは、本明細書に説明する無段階コリメーティングデバイス(20)を含んでもよい。ミニCアームアセンブリは受像器(30)を含んでもよい。湾曲した構造支持アセンブリ(70)は、X線ビーム発生器(10)と、無段階コリメーティングデバイス(20)と、受像器(30)との平行な取り付けを提供してもよい。X線ビーム発生器(10)は、受像器(30)の上方にポジショニングされる無段階コリメーティングデバイス(20)の上方にポジショニングされてもよい。無段階コリメーティングデバイス(20)は使用中に水平であってもよい。受像器(30)は使用中に水平であってもよい。いくつかの態様において、X線ビーム発生器(10)および受像器(30)は、湾曲した構造支持アセンブリ(70)の両端に固定的に取り付けられるかまたはその他連結される。湾曲した構造支持アセンブリ(70)は、いくつかの態様においてCまたはUの形態を取ってもよい。いくつかの態様において、X線ビーム発生器(10)および受像器(30)は、湾曲した構造支持アセンブリ(70)の可動延長部に取り付けられる。ミニCアームアセンブリはまた、例えば参照によりその全体が本明細書に組み入れられるEavesの米国特許第8,708,561号に開示されているように、ミニCアームアセンブリに機能的に接続されたアームアセンブリおよび関節式アーム(articulating arm)の特徴を組み込んでいてもよい。オペレーション中、X線ビーム発生器(10)によって生成されたX線ビーム(60)が無段階コリメーティング装置(20)を通過する。図示するように、無段階コリメーティング装置(20)は、拡大された開状態または全開状態にある。X線ビーム(60)が無段階コリメーティング装置(20)から出る際に、拡大されたまたは最大の検出器照射野サイズ(40)を生成するようにビーム形状(50)が調整される。
【0033】
検出器照射野サイズ(40)はプレート(2)のペアのポジションに依存する。プレート(2)のペアは、検出器照射野サイズ(40)をより小さくするために引き寄せられてもよい。プレート(2)のペアは、検出器照射野サイズ(40)をより大きくするために引き離されてもよい。プレート(2)の第一ペアは、図1において見たときの左右方向に検出器照射野サイズを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、図1において見たときの上下方向に検出器照射野サイズを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)のペアは、検出器照射野サイズを無限数のサイズまたは表面積に変化させてもよい。ビーム形状(50)はプレート(2)のペアのポジションに依存する。プレート(2)の第一ペアは、図1において見たときの左右方向にビーム形状を変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、図1において見たときの上下方向にビーム形状を変化させるために動かされてもよい。プレート(2)のペアは、ビーム形状を、正方形から不定の数の長方形まで変化させてもよい。プレート(2)のペアは、ビーム形状(50)の多角形を変化させてもよい。
【0034】
いくつかの態様において、無段階コリメーティングデバイス(20)は、低減された厚さまたは高さを有してもよい。いくつかの態様において、コリメーティング装置(20)の上方に(above)、これに重ねて(on top of)、かつ/またはその上(upon)にモーター(3)をマウントすることで、全体的な厚さまたは高さを低減させてもよい。いくつかの態様において、ラック(5)、アイドルギア(6)、および/または駆動ギア(4)の利用により、全体的な厚さまたは高さを低減させてもよい。いくつかの態様において、無段階コリメーティングデバイス(20)は、全体的な厚さまたは高さをモーター(3)のサイズによって低減させることによって、低減された厚さまたは高さを有してもよい。いくつかの態様において、モーター(3)は上部にマウントされる。このことは、直線的な様式で作動するモーターを実施する設計と比較して、全体的な厚さまたは高さをより小さくすることを可能にしうる。厚さまたは高さが低減されていることは、X線発生器(10)と受像器(30)との間の有効距離の向上を促す可能性がある点で有利である。このことは、X線ビーム発生器(10)と、無段階コリメーティング装置(20)の下側、無段階コリメーティング装置(20)の出口、ならびに/または、X線ビームが無段階コリメーティング装置(20)から出るポイント、ポジション、および/もしくは位置のうち、1つまたは複数との間についての、規制上の距離要件を維持しながら実現されうる。例えば、X線ビーム発生器(10)と、X線ビームがコリメーティング装置(20)から出るポイント、ポジション、および/または位置との間について、規制上の最小距離が存在する。したがって、無段階コリメーティング装置(20)は、厚さまたは高さが低減されていることによって、X線ビーム発生器(10)と、X線ビームがコリメーティング装置(20)から出るポイント、ポジション、および/または位置との間について、規制上の最小距離を満たしながら、一方で、X線ビームがコリメーティング装置(20)から出るポイント、ポジション、および/または位置と、受像器(30)との間の、有効距離または動作可能距離を、増大または向上させることができる。
【0035】
図2bに無段階コリメーティング装置(20)の底面図を提示する。図示するように、無段階コリメーティング装置(20)は、X線不透過性であるプレート(2)の各ペアがユーザーインターフェース制御式のモーター(3)を介して外側または最外側の大きさまで動かされて、拡大状態または全開状態にある。駆動ギア(4)を駆動する2つのモーター(3)が示されている。1つのモーターがプレート(2)の第一ペアを駆動し、かつ他方のモーターがプレート(2)の第二ペアを駆動する。ラック(5)が、それぞれのプレート(2)に連結された状態で示されている。ラック(5)は任意の細長い形状を有してもよい。ラック(5)がギアのセットを含んでもよい。駆動ギア(4)は、ピニオンとして作用して、駆動ギア(4)が回転する際にラック(5)の平行移動を生じさせる。プレート(2)のペアはコリメーティング装置(20)上にマウントされてもよい。プレート(2)のペアは1つまたは複数のレール上にマウントされてもよい。レールは、プレート(2)のペアが低摩擦でスライドすることを可能にして、駆動ギア(4)による動きを容易にする。プレート(2)の第一ペアの2つのプレートは正反対に対向する。プレート(2)の第一ペアの2つのプレートは概ね平行である。プレート(2)の第一ペアの2つのプレートは互いに向かって同量ずつ動くことができる。プレート(2)の第二ペアの2つのプレートは正反対に対向する。プレート(2)の第二ペアの2つのプレートは概ね平行である。プレート(2)の第二ペアの2つのプレートは互いに向かって同量ずつ動くことができる。図1に示すように、プレート(2)の第一ペアがプレート(2)の第二ペアの上方にポジショニングされてもよい。図2bに示すように、プレート(2)の第二ペアがプレート(2)の第一ペアの下方にポジショニングされてもよい。プレート(2)のペアが、プレート(2)が動いている間の干渉を回避するようにポジショニングされてもよい。無段階コリメーティング装置(20)は使用中に概ね水平である。ブレード(2)のペアはスタックされた構成を有する。ブレード(2)のペアは薄型の構成を有する。ブレードの1つのペアはブレードの別のペアの上にある。
【0036】
図3に、図2のミニCアームアセンブリの等角図を提示する。図示するように、無段階コリメーティング装置(20)は、縮小されたまたは最小の開状態にある。X線ビームが無段階コリメーティング装置(20)から出る際に、ビーム形状(50)が、縮小されたまたは最小の検出器照射野サイズ(40)に調整される。検出器照射野サイズ(40)はプレート(2)のペアのポジションに依存する。図2図3とを比較すると、図3に示すように検出器照射野サイズ(40)をより小さくするためにプレート(2)のペアが引き寄せられてもよい。プレート(2)の第一ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの左右方向に検出器照射野サイズを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの上下方向に検出器照射野サイズを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第一ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの左右方向にビームの形状とサイズとを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの上下方向にビームの形状とサイズとを変化させるために動かされてもよい。
【0037】
図3bに無段階コリメーティング装置(20)の底面図を提示する。図示するように、無段階コリメーティング装置(20)は、X線不透過性であるプレート(2)の各ペアがユーザーインターフェース制御式のモーター(3)を介して内側または最内側の大きさまで動かされて、縮小されたまたは最小の開状態にある。図2b図3bとを比較すると、プレート(2)のペアが引き寄せられてもよい。プレート(2)の第一ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの左右方向に動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、無段階コリメーティング装置(20)を図1に示すように見たときの上下方向に動かされてもよい。プレート(2)の第一ペアは、左右方向にビームの形状とサイズとを変化させるために動かされてもよい。プレート(2)の第二ペアは、上下方向にビームの形状とサイズとを変化させるために動かされてもよい。ビーム形状(50)の多角形は、例えばより大きい正方形または長方形からより小さい正方形または長方形に変化するなど、図2b図3bとの間で変化している。検出器照射野サイズが、より大きい表面積からより小さい表面積に変化している。いくつかの調整において、プレート(2)の第一ペアを互いに近づけるかまたは遠ざけることによって、左右方向のみが変化する。いくつかの調整において、プレート(2)の第二ペアを互いに近づけるかまたは遠ざけることによって、上下方向のみが変化する。いくつかの態様において、プレート(2)の両方のペアが動かされる。いくつかの態様において、ビームのサイズまたは形状をより小さくするためにプレート(2)の両方のペアが動かされる。いくつかの態様において、ビームのサイズまたは形状をより大きくするためにプレート(2)の両方のペアが動かされる。いくつかの態様において、ビームの形状とサイズとを変化させるためにプレート(2)の両方のペアが動かされる。
【0038】
無段階コリメーティング装置がさらに調整されてもよい。プレート(2)の第一ペアが互いに接触してもよい。プレートの第二ペアが互いに接触してもよい。X線ビーム発生器(10)によって生成されたX線ビーム(60)が無段階コリメーティング装置(20)を通過することを防ぐようにプレート(2)のペアがポジショニングされてもよい。ビーム形状(50)が存在しないようにプレート(2)のペアがポジショニングされてもよい。検出器照射野サイズ(40)が存在しないようにプレート(2)のペアがポジショニングされてもよい。プレート(2)のペアが閉じられてもよい。無段階コリメーティング装置が、任意の開ポジションから閉ポジションまで調整されてもよい。プレートのペアが動いた際に、無段階コリメーティング装置が閉ポジションから任意の開ポジションまで調整されてもよい。
【0039】
いくつかの態様において、本発明のミニ撮像装置が任意の好適なX線キャプチャ技術を具備してもよい。いくつかの態様において、本発明のミニ撮像装置はイメージインテンシファイアを具備する。イメージインテンシファイアは、例えば手および膝など解剖学的構造の出力画像を作り出すため、診断用X線を増幅するように構成されてもよい。いくつかの態様において、本発明のミニ撮像装置がフラットパネル検出器を具備してもよい。フラットパネル検出器は、現在公知であるかまたは今後考案される、X線を検出しかつ診断用画像をキャプチャするための任意のセンサーであってもよい。フラットパネル検出器は任意の好適なタイプのものであってよく、それには、アモルファスシリコン検出器、アモルファスセレン検出器、およびプラズマベースの検出器が含まれる。いくつかの態様において、フラットパネル検出器はX線源から放出されたX線をキャプチャするように構成され、それはデジタル画像またはデジタルビデオに変換される。いくつかの態様において、より低線量の照射を患者に提供するために、ミニ撮像システムにおいてイメージインテンシファイアまたはフラットパネル検出器が使用されてもよい。
【0040】
いくつかの態様において、1つまたは複数のシステム、およびその中に含有される電気的サブシステムが、フットスイッチコントロール、X線源の外部ハウジング上に位置する一連のコントロール、それに関連するキーボード、および/または任意のユーザー入力によって動作されてもよい。電気的サブシステムは本体部分内に含有されていてもよい。例えばイメージインテンシファイアおよび/またはフラットパネル検出器などの受像器が、現在公知であるかまたは今後考案される任意の方法またはシステムによって、X線源から光子を受け取る。受像器はX線を操作可能な電気信号に変換し、それが画像処理ユニットに伝送される。画像処理ユニットは、電気信号を受け取りそしてその信号を画像に変換するように構成された、現在公知であるかまたは今後考案される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアシステムであってもよい。いくつかの態様において、画像処理ユニットは受像器からの電気信号を解釈し、そして、高解像度の動画を生成すること、およびその動画をモニター上に表示することができる。画像処理ユニットは、以下の段階のうち1つまたは複数によって画像を操作するように構成されてもよい:画像からノイズを除去する段階;複数フレームの平均化を通じてモーションブラー(motion-blur)を低減する段階;画像を時計回りもしくは反時計回りに回転させる段階;ならびに/または、画像の明るさおよびコントラストを増大もしくは低減させる段階。画像処理ユニットはX線源に対する自動制御を提供するように構成されてもよい。画像処理ユニットは、後処理された画像を、業界標準の電子通信プロトコルを介して、または外部接続された固体メディアデバイスを介して、プリンターに記録するかまたは遠隔のワークステーションもしくはストレージサーバーに直接記録するように構成されてもよい。
【0041】
以上の教示に照らして、他のさまざまな改変、適合形態、および代替的設計も無論可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本明細書において具体的に説明したものとは別段に本発明が実施されうることがこの際に理解されるべきである。以上に開示した諸態様の具体的な特徴および局面のさまざまな組み合わせまたは下位組み合わせを作ることが可能であり、かつそれらは本発明のうち1つまたは複数の範疇に入りうることが企図される。さらに、1つの態様との関連における、特定の特徴、局面、方法、特性、特質、品質、属性、または要素などについての、本明細書における開示内容が、本明細書に記載する他のすべての態様において用いられてもよい。したがって、本開示の発明のさまざまなモードを形成するために、本開示態様のさまざまな特徴および局面が互いに組み合わされまたは置換されてもよいことが理解されるべきである。ゆえに、本明細書に開示する本発明の範囲は、上述した特定の開示態様によって限定されるべきでないことが意図されている。さらに、本発明にはさまざまな改変および代替的形態が可能であるが、それらの具体例を図面に示しており、本明細書においても詳しく説明している。ただし理解されるべき点として、本発明は開示される特定の形態または方法に限定されるわけではなく、それとは反対に、本発明は、説明されるさまざまな態様ならびに添付の特許請求の範囲の精神および範囲の範疇に入るすべての改変物、等価物、および代替物に及ぶ。本明細書に開示する方法が、具陳される順序で行われなくてもよい。本明細書に開示する方法には、実施者によって行われる特定の行為が含まれるが、第三者によるそれら行為の指示もまた、明示的にまたは含意により含まれうる。例えば、「無段階コリメータのプレートを作動させる(actuating plates of a stepless collimator)」などの行為には、「無段階コリメータのプレートを作動させることを指示する(instructing the actuating of plates of a stepless collimator)」も含まれる。本明細書に開示する範囲には、あらゆるオーバーラップ、部分範囲、およびそれらの組み合わせもまた包含される。「最大で(up to)」、「少なくとも(at least)」、「~超(greater than)」、「~未満(less than)」、および「~の間(between)」などの言葉は、具陳される数字を含む。本明細書において用いる、「約(approximately)」、「約(about)」、および「実質的に(substantially)」などの用語に先行される数字は、具陳される数字を含み(例えば、約10% = 10%)、かつ、明言された量に近い量であって、望ましい機能を行うかまたは望ましい結果をなお実現する量もまた表す。例えば、「約(approximately)」、「約(about)」、および「実質的に(substantially)」という用語は、明言された量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内、および0.01%未満内である量を指す可能性がある。
図1
図2
図2b
図3
図3b
【国際調査報告】