(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】排気管装置およびそれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
F01N 13/08 20100101AFI20221102BHJP
F01N 5/02 20060101ALI20221102BHJP
F01N 5/04 20060101ALI20221102BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20221102BHJP
B63H 21/32 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
F01N13/08 B
F01N5/02 J
F01N5/04 Z
F01N5/02 A
F01N13/08 Z
B01D53/92 240
B01D53/92 ZAB
B01D53/92 331
B63H21/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514825
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 KR2020011571
(87)【国際公開番号】W WO2021045455
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0110767
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514250621
【氏名又は名称】サムスン ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンウク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェグワン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ムン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,スンジェ
【テーマコード(参考)】
3G004
4D002
【Fターム(参考)】
3G004AA05
3G004BA06
3G004BA09
3G004DA03
3G004DA24
4D002AA09
4D002AC10
4D002BA02
4D002BA16
4D002DA07
4D002DA31
4D002EA01
4D002EA02
4D002EA05
4D002EA08
4D002FA01
4D002GA01
4D002GB02
4D002GB03
4D002HA08
(57)【要約】
本発明の一実施例によって排気管装置が提供される。本発明の一実施例に係る排気管装置は、燃焼機関で排出する排気ガスを直接外部に排出する第1排気管と、第1排気管と並列に連結され、一側に分岐管が連結されて排気ガスを直接外部に排出するか分岐管を通じて排出する第2排気管、および第2排気管に設置されて直接外部に排出されるか分岐管を通じて排出される排気ガスの流動を制御する第1ダンパー部を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の燃焼機関で排出する排気ガスを直接外部に排出する第1排気管;
前記第1排気管と並列に連結され、一側に分岐管が連結されて前記排気ガスを直接外部に排出するか前記分岐管を通じて排出する第2排気管、および
前記第2排気管に設置されて直接外部に排出されるか前記分岐管を通じて排出される前記排気ガスの流動を制御する第1ダンパー部を含む、排気管装置。
【請求項2】
前記第1排気管と前記第2排気管は一体からなる排気管の内部が区画されて形成された、請求項1に記載の排気管装置。
【請求項3】
前記第1排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換してスチームを生成する第1エコノマイザをさらに含むものの、
前記分岐管に排出された前記排気ガスと、前記スチームは二酸化炭素捕集装置に供給される、請求項1に記載の排気管装置。
【請求項4】
前記第1排気管と前記第2排気管のうち少なくとも一つに設置されて前記第1排気管と前記第2排気管を通じて排出される前記排気ガスの流動量を調節する第2ダンパー部をさらに含む、請求項1に記載の排気管装置。
【請求項5】
前記第2ダンパー部前端の前記第1排気管と前記第2排気管の間、または前記第2ダンパー部と前記第1ダンパー部の間の前記第1排気管と前記第2排気管の間のうち少なくとも一つに設置され、前記排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成する第2エコノマイザをさらに含むものの、
前記第1補助スチームは二酸化炭素捕集装置に供給される、請求項4に記載の排気管装置。
【請求項6】
前記第1ダンパー部後端の前記第2排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換して第2補助スチームを生成する第3エコノマイザをさらに含む、請求項3に記載の排気管装置。
【請求項7】
船体;
前記船体に設置された燃焼機関で排出する排気ガスを直接外部に排出する第1排気管;
前記第1排気管と並列に連結され、一側に分岐管が連結されて前記排気ガスを直接外部に排出するか前記分岐管を通じて排出する第2排気管;
前記第2排気管に設置されて直接外部に排出されるか前記分岐管を通じて排出される前記排気ガスの流動を制御する第1ダンパー部;
前記第1排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換してスチームを生成する第1エコノマイザ、および
前記分岐管に排出された前記排気ガスと、前記スチームの供給を受けて前記排気ガスに含まれた二酸化炭素を除去する二酸化炭素捕集装置を含む、船舶。
【請求項8】
前記二酸化炭素捕集装置は、
前記排気ガスに二酸化炭素を吸収する吸収剤を噴射する吸収部と、
前記吸収部から二酸化炭素が吸収された前記吸収剤の供給を受けて前記吸収剤から二酸化炭素を分離する再生部、および
前記スチームを利用して前記再生部に供給される前記吸収剤を加熱するリボイラーを含む、請求項7に記載の船舶。
【請求項9】
前記第1エコノマイザで生成された前記スチームを前記リボイラーに供給する第1供給管をさらに含む、請求項8に記載の船舶。
【請求項10】
前記第1排気管と前記第2排気管の間に設置され、前記排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成する第2エコノマイザと、
前記第1補助スチームを前記リボイラーに供給する第2供給管をさらに含む、請求項9に記載の船舶。
【請求項11】
前記燃焼機関の排気ガス排出量に対応して前記リボイラーに供給されるスチーム量を調節する制御部をさらに含む、請求項8に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排気管装置およびそれを含む船舶に関し、さらに詳細には、排気ガスを分岐して排出できる排気管装置、および二酸化炭素が吸収された吸収剤から二酸化炭素を分離するために吸収剤の温度を上げるのに消耗するエネルギーを節減できる船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、船舶に設置される各種エンジンは燃料を燃焼して動力を生成し、燃料の燃焼過程で発生する排気ガスは窒素酸化物、硫黄酸化物、二酸化炭素などを含んでいる。大気汚染が増加するにつれて排気ガスに含まれた各種有害物質に対する規制が厳しくなっているのが実情であり、窒素酸化物と硫黄酸化物だけでなく二酸化炭素も国際連合の傘下機関である国際海事機構(IMO;International Maritime Organization)から排出規制を受けている。排気ガスに含まれた二酸化炭素を捕集する方法としては大きく、吸収剤を利用した湿式捕集方法と、メンブレンを利用した乾式捕集方法と、がある。このうち湿式捕集方法は、吸収剤が存在する吸収部に排気ガスを通過させて排気ガスに含まれた二酸化炭素を吸収剤に吸収させ、再生部に二酸化炭素を吸収した吸収剤を通過させて二酸化炭素と吸収剤を分離する方式である。
【0003】
一方、再生部は吸収剤の温度を約150~200℃に上げて吸収剤から二酸化炭素を分離する。吸収剤の温度を上げるためには高温のスチームが必要であり、スチーム生成のためにボイラーを稼動するため多くのエネルギーが消耗するだけでなく、さらに他の二酸化炭素が生成する問題がある。このため、従来には、再生部に供給される吸収剤を加熱するリボイラーに排気ガスを先に供給して熱を提供するようにした後に吸収部に移動させたが、この場合、排気ガスに差圧が多くかかることになってエンジンの効率が低下する問題がある。
【0004】
したがって、排気ガスを分岐して排出できる構造の排気管装置、および吸収剤の温度を上げるのに消耗するエネルギーを低減させ得る構造の船舶が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする技術的課題は、排気ガスを分岐して排出できる排気管装置を提供することである。
【0006】
本発明が達成しようとする他の技術的課題は、二酸化炭素が吸収された吸収剤から二酸化炭素を分離するために吸収剤の温度を上げるのに消耗するエネルギーを節減できる船舶を提供することである。
【0007】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を達成するための本発明の実施例に係る排気管装置は、船舶の燃焼機関で排出する排気ガスを直接外部に排出する第1排気管と、前記第1排気管と並列に連結され、一側に分岐管が連結されて前記排気ガスを直接外部に排出するか前記分岐管を通じて排出する第2排気管、および前記第2排気管に設置されて直接外部に排出されるか前記分岐管を通じて排出される前記排気ガスの流動を制御する第1ダンパー部を含む。
【0009】
前記第1排気管と前記第2排気管は一体からなる排気管の内部が区画されて形成され得る。
【0010】
前記排気管装置は、前記第1排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換してスチームを生成する第1エコノマイザをさらに含むものの、前記分岐管に排出された前記排気ガスと、前記スチームは二酸化炭素捕集装置に供給され得る。
【0011】
前記排気管装置は、前記第1排気管と前記第2排気管のうち少なくとも一つに設置されて前記第1排気管と前記第2排気管を通じて排出される前記排気ガスの流動量を調節する第2ダンパー部をさらに含むことができる。
【0012】
前記排気管装置は、前記第2ダンパー部前端の前記第1排気管と前記第2排気管の間、または前記第2ダンパー部と前記第1ダンパー部の間の前記第1排気管と前記第2排気管の間のうち少なくとも一つに設置され、前記排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成する第2エコノマイザをさらに含むものの、前記第1補助スチームは二酸化炭素捕集装置に供給され得る。
【0013】
前記排気管装置は、前記第1ダンパー部後端の前記第2排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換して第2補助スチームを生成する第3エコノマイザをさらに含むことができる。
【0014】
前記他の技術的課題を達成するための本発明の実施例に係る船舶は、船体と、前記船体に設置された燃焼機関で排出する排気ガスを直接外部に排出する第1排気管と、前記第1排気管と並列に連結され、一側に分岐管が連結されて前記排気ガスを直接外部に排出するか前記分岐管を通じて排出する第2排気管と、前記第2排気管に設置されて直接外部に排出されるか前記分岐管を通じて排出される前記排気ガスの流動を制御する第1ダンパー部と、前記第1排気管に設置され、前記排気ガスと熱交換してスチームを生成する第1エコノマイザ、および前記分岐管に排出された前記排気ガスと、前記スチームの供給を受けて前記排気ガスに含まれた二酸化炭素を除去する二酸化炭素捕集装置を含む。
【0015】
前記二酸化炭素捕集装置は、前記排気ガスに二酸化炭素を吸収する吸収剤を噴射する吸収部と、前記吸収部から二酸化炭素が吸収された前記吸収剤の供給を受けて前記吸収剤から二酸化炭素を分離する再生部、および前記スチームを利用して前記再生部に供給される前記吸収剤を加熱するリボイラーを含むことができる。
【0016】
前記船舶は、前記第1エコノマイザで生成された前記スチームを前記リボイラーに供給する第1供給管をさらに含むことができる。
【0017】
前記船舶は、前記第1排気管と前記第2排気管の間に設置され、前記排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成する第2エコノマイザと、前記第1補助スチームを前記リボイラーに供給する第2供給管をさらに含むことができる。
【0018】
前記船舶は、前記燃焼機関の排気ガス排出量に対応して前記リボイラーに供給されるスチーム量を調節する制御部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、燃焼機関で排出される排気ガスのうち一部を第1エコノマイザに供給してスチームを生成するのに活用し、残りの一部だけ二酸化炭素除去工程を経るようにし、分岐された排気ガスで生成されたスチームをリボイラーに供給することができる。したがって、スチーム生成のための別途のボイラー稼動を最小化してエネルギー消耗を減らすことができ、さらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。
【0020】
また、排気ガスの廃熱を利用してスチームを生成するため、全体的なシステム効率が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る排気管の多様な形態を図示した図面である。
【0022】
【
図2】本発明の実施例に係る船舶を図示した図面である。
【0023】
【0024】
【
図4】本発明の他の実施例に係る船舶を図示した図面である。
【0025】
【0026】
【
図6】本発明の実施例に係る排気ガス浄化装置の構成を図示した図面である。
【0027】
【
図7】排気ガス浄化装置の動作を説明するための作動図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
【0029】
以下、
図1を参照して、本発明の実施例に係る排気管装置について詳細に説明する。
【0030】
本発明の実施例に係る排気管装置は、排気ガスを分岐して一部は外部に排出し、残りの一部は外部に排出するか分岐して二酸化炭素除去工程を経るようにすることができる。特に、排気ガスの廃熱を回収して生成したスチームを二酸化炭素除去工程で活用するため、スチーム生成のための別途のボイラー稼動を最小化してエネルギー消耗を減らすことができ、さらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。
【0031】
以下、
図1を参照して、排気管装置100について具体的に説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施例に係る排気管の多様な形態を図示した図面である。
【0033】
本発明に係る排気管装置100は第1排気管110と第2排気管120、および第1ダンパー部130を含む。
【0034】
第1排気管110は燃焼機関Eで排出する排気ガスを直接外部に排出するものであり、脱窒(SCR;Selective Catalytic Reduction)設備、集塵設備、および脱硫設備などの排気ガス前処理設備を経た排気ガスを外部に排出することができる。第1排気管110には
図1の(a)に図示された通り、第1エコノマイザ150が設置されるため、第1排気管110を流動する排気ガスは第1エコノマイザ150を通過した後に外部に排出され得る。第1エコノマイザ150は排気ガスと水を熱交換してスチームを生成するものであり、第1排気管110上には少なくとも一つの第1エコノマイザ150が設置され得る。
図1の(b)に図示された通り、第1排気管110に複数個の第1エコノマイザ150が設置される場合、複数個の第1エコノマイザ150は第1排気管110に沿って一列に配置され得る。第1排気管110に複数個の第1エコノマイザ150が設置されると、排気ガスの廃熱をより効率的に回収してより多くの量のスチームを生成することができ、これによって、装置の効率がさらに向上し得る。第1エコノマイザ150で水と熱交換した排気ガスは外部に排気され、排気ガスと水の熱交換によって生成されたスチームは別途の配管を通じて後述する二酸化炭素捕集装置170に供給され得る。
【0035】
第2排気管120は第1排気管110と並列に連結され、一側に分岐管121が連結されて排気ガスを直接外部に排出するか分岐管121を通じて排出することができる。この時、第2排気管120を流動する排気ガスは、第1排気管110を流動する排気ガスのように、排気ガス前処理設備を経た状態であり得、分岐管121で排出された排気ガスは二酸化炭素捕集装置170に供給されて二酸化炭素除去工程を経ることができる。第1排気管110と第2排気管120は一体からなる排気管の内部が区画されて形成され得、横方向の断面積の面積比が30:70~70:30であり得る。
【0036】
また、図面に図示されてはいないが、第1排気管110と第2排気管120は互いに離隔配置されてそれぞれの排気管110、120の一端部が燃焼機関Eに連結されるように並列に配置され得る。
【0037】
第2排気管120には第1ダンパー部130が設置される。第1ダンパー部130は直接外部に排出されるか分岐管121を通じて排出される排気ガスの流動を制御するものとであり、第2排気管120または分岐管121のうち少なくとも一つに設置され得る。図面上には第2排気管120と分岐管121にそれぞれ第1ダンパー部130が設置されたものとして図示したが、これに限定されるものではなく、第1ダンパー部130の配置および設置個数は多様に変形され得る。例えば、一つの第1ダンパー部130で外部に排出される排気ガスの流動と分岐管121で排出される排気ガスの流動を同時に制御してもよい。
【0038】
また、第1排気管110と第2排気管120のうち少なくとも一つには第2ダンパー部140が設置され得る。第2ダンパー部140は第1排気管110と第2排気管120を通じて排出される排気ガスの流動を制御するものであり、
図1の(a)、(b)、(c)に図示された通り、第1排気管110と第2排気管120にそれぞれ設置されてもよく、
図1の(d)に図示された通り、第1排気管110と第2排気管120の境界部分に設置されてもよい。
【0039】
一方、第1排気管110と第2排気管120の間には第2エコノマイザ160が設置され得る。第2エコノマイザ160は第2ダンパー部140前端の第1排気管110と第2排気管120の間、または第2ダンパー部140と第1ダンパー部130の間の第1排気管110と第2排気管120の間のうち少なくとも一つに設置され、排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成することができる。
図1の(c)に図示された通り、第2エコノマイザ160が第2ダンパー部140と第1ダンパー部130の間の第1排気管110と第2排気管120の間に設置される場合、第1排気管110を流動する排気ガスは第2エコノマイザ160と第1エコノマイザ150を順に通過した後に外部に排気され、第2排気管120を流動する排気ガスは第2エコノマイザ160を通過した後に外部に排出されるか分岐管121を通じて二酸化炭素捕集装置170に供給され得る。第2エコノマイザ160で生成された第1補助スチームは別途の配管を通じて二酸化炭素捕集装置170に供給され得る。この時、第1エコノマイザ150で生成されたスチームと、第2エコノマイザ160で生成された第1補助スチームは合流して二酸化炭素捕集装置170に供給されてもよく、それぞれ別途に二酸化炭素捕集装置170に供給されてもよい。
【0040】
また、第2排気管120には第3エコノマイザ160aが設置され得る。第3エコノマイザ160aは第1ダンパー部130後端の第2排気管120に設置され、排気ガスと熱交換して第2補助スチームを生成することができる。第3エコノマイザ160aで生成された第2補助スチームは二酸化炭素捕集装置170が稼動されない場合、船舶内の他のスチーム需要先(図示されず)に供給され得る。図面上には第1エコノマイザ150と第2エコノマイザ160、および第3エコノマイザ160aがすべて設置されたものとして図示したが、これに限定されるものではなく、必要に応じていずれか一つのみ設置されてもよい。
【0041】
以下、
図2および
図3を参照して、本発明の実施例に係る船舶について具体的に説明する。
【0042】
図2は本発明の実施例に係る船舶を図示した図面であり、
図3は
図2のAを拡大して図示した図面である。
【0043】
本発明に係る船舶2は船体3と、第1排気管110と、第2排気管120と、第1ダンパー部130と、第1エコノマイザ150、および二酸化炭素捕集装置170を含む。
【0044】
船体3は船舶2の本体をなすものであり、外側面が流線型に形成され得る。船体3は内部に第1排気管110と、第2排気管120と、第1ダンパー部130と、第1エコノマイザ150、および二酸化炭素捕集装置170が設置される。
【0045】
第1排気管110、第2排気管120、第1ダンパー部130、第1エコノマイザ150の構成は前述した通りである。
【0046】
図面に図示されてはいないが、第1排気管110と第2排気管120は互いに離隔配置されてそれぞれの排気管110、120の一端部が燃焼機関Eに連結されるように並列に配置され得る。
【0047】
二酸化炭素捕集装置170は分岐管121で排出された排気ガスと、スチームの供給を受けて排気ガスに含まれた二酸化炭素を除去するものであり、冷却部174、吸収部171、再生部172、およびリボイラー173を含む。
【0048】
冷却部174は分岐管121を通じて供給される排気ガスを冷却するものであり、排気ガスに冷却水を噴射して排気ガスを冷却させることができる。船舶に設置された燃焼機関Eで排出される排気ガスは約150~400℃の高温であるので、このような排気ガスを後述する吸収部171にそのまま供給する場合、二酸化炭素が吸収剤にまともに吸収されなくなる。すなわち、吸収部171で噴射される吸収剤は約30~50℃で二酸化炭素の吸収効率が高いので、冷却部174であらかじめ排気ガスを冷却させるのである。冷却部174に供給された排気ガスは冷却水と熱交換を通じて適正温度に冷却され、排気ガスと熱交換して温度が増加した冷却水は冷却部174で排出された後に一連の冷却過程を経て再び冷却部174に循環される。例えば、冷却部174で排出された冷却水はポンプ174aで加圧された後、熱交換器174bで冷却媒体と熱交換して冷却された後に冷却部174に循環され得る。冷却部174で冷却された排気ガスは吸収部171に供給される。
【0049】
吸収部171は冷却部174から供給される排気ガスに二酸化炭素を吸収する吸収剤を霧化または微粒化して噴射するものであり、ここで、吸収剤とは、二酸化炭素を吸収する性質がある溶液、例えば、アミン(amine)化合物またはアンモニアの水溶液であり得る。吸収部171は船舶の揺動に容易に対処できるように気体接触方式の吸収塔で形成され得る。排気ガスは吸収部171の下部に供給されて吸収部171の上部で噴射される吸収剤と接触することになり、これによって、排気ガスに含まれた二酸化炭素が吸収剤に吸収されて排気ガスから除去され得る。二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収部171上部を通じて外部に排気され得る。吸収部171で二酸化炭素が吸収剤に吸収される時に発熱反応が起きるため、二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収部171上部で別途の冷却過程を経た後に外部に排気され得る。例えば、二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収部171上部で噴射される清水などの冷却媒体と接触して冷却された後に排気され得、排気ガスと接触した冷却媒体は集水されて吸収部171外部に排出された後に加圧および冷却過程を経て再び吸収部171に循環され得る。吸収部171で二酸化炭素を吸収した吸収剤は供給ライン171aを通じて再生部172に供給される。
【0050】
供給ライン171aは一端が吸収部171下部に連結され他端が再生部172上部に連結されて、吸収部171で排出された二酸化炭素を吸収した吸収剤を再生部172上部に供給することができる。供給ライン171a上には二酸化炭素を吸収した吸収剤を加圧するポンプ171bと、供給ライン171aと後述する第2循環ライン172bを熱交換する熱交換器171cが設置され得る。熱交換器171cは吸収部171で排出された約40~50℃の二酸化炭素を吸収した吸収剤を、再生部172で排出された約80~150℃の二酸化炭素が分離された吸収剤と熱交換して加熱する。すなわち、熱交換器171cは供給ライン171aを通じて吸収部171から再生部172に供給される吸収剤と、第2循環ライン172bを通じて再生部172から吸収部171に循環する吸収剤を熱交換して、再生部172に供給される吸収剤の温度は上げ吸収部171に循環される吸収剤の温度は下げる。したがって、吸収部171で二酸化炭素が吸収剤に容易に吸収され得、再生部172で二酸化炭素が吸収剤から容易に分離され得る。熱交換器171cで加熱された二酸化炭素を吸収した吸収剤は再生部172上部に流入し得る。
【0051】
再生部172は吸収部171から二酸化炭素が吸収された吸収剤の供給を受けて吸収剤から二酸化炭素を分離する。より具体的には、熱交換器171cで加熱された後に再生部172の上部に供給された二酸化炭素を吸収した吸収剤は、再生部172の上部から下部に流れながら熱エネルギーによって二酸化炭素が分離される。この時、再生部172内の吸収剤のうち一部は第1循環ライン172aを通じてリボイラー173に流入して加熱され、リボイラー173の加熱によって吸収剤から発生した二酸化炭素と蒸気は第1循環ライン172aを通じて再生部172に供給されて熱エネルギーを追加で提供しながら二酸化炭素の分離効率を高めることができる。前述した通り、再生部172に供給される二酸化炭素が吸収された吸収剤は熱交換器171cで加熱された状態であり、リボイラー173で加熱された吸収剤から発生した二酸化炭素と蒸気が熱エネルギーを追加で提供するため、二酸化炭素が吸収剤から容易に分離され得る。吸収剤から分離された高濃度の二酸化炭素は、再生部172上部に排出されて凝縮器172cと還流ドラム172dを順に通過しながら水分が除去され、別途の圧縮過程を経て必要先に供給され得る。二酸化炭素から分離された水分は加圧されて再び再生部172に循環される。再生部172の一側には再生部172で排出される二酸化炭素の量を測定するセンサ部190が設置され得、センサ部190で測定された結果は後述する制御部180に伝送され得る。
【0052】
リボイラー173は第1エコノマイザ150から供給されたスチームを利用して再生部172に供給される吸収剤を加熱し、再生部172から排出された吸収剤を再び再生部172に循環させる第1循環ライン172a上に設置され得る。換言すると、リボイラー173は第1循環ライン172a上に設置されて第1循環ライン172aを通じて流動する吸収剤を第1エコノマイザ150で供給されるスチームで加熱して二酸化炭素と蒸気を生成し、これを再生部172に供給する。この時、スチームは第1供給管151を通じて供給され得、リボイラー173に供給されるスチーム量は制御部180により調節され得る。制御部180は燃焼機関Eの排気ガス排出量に対応してリボイラー173に供給されるスチーム量を調節したり、前述したセンサ部190で測定された二酸化炭素の量に対応して第1ダンパー部130と第2ダンパー部140の動作を制御することができる。例えば、燃焼機関Eの排気ガス排出量が増加して二酸化炭素を除去すべき排気ガスの量が多い場合、制御部180はリボイラー173に供給されるスチーム量を増加させることができる。この時、第1エコノマイザ150で生成されたスチームだけでリボイラー173で必要なスチーム量を満足させることができない場合、制御部180は船舶に設置されたボイラーなどからリボイラー173にスチームが供給されるように制御することができる。また、センサ部190で測定された二酸化炭素の量が基準値以上である場合、制御部180は冷却部174で供給される排気ガスの量が減少するように第2ダンパー部140の動作を制御することができる。排気ガスの廃熱で生成したスチームをリボイラー173に供給して熱源として使うことによって、全体的なシステム効率が向上するだけでなくスチーム生成のための別途のボイラー稼動を最小化してエネルギー消耗を減らすことができ、ボイラーの稼動によるさらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。
【0053】
一方、再生部172には第2循環ライン172bも連結され得る。第2循環ライン172bは再生部172で排出される吸収剤を吸収部171に循環させるものであり、前述した熱交換器171cと、ポンプ721、および冷却器722が設置され得る。第2循環ライン172bを通じて再生部172で排出された約80~150℃の二酸化炭素が分離された吸収剤は、熱交換器171cで供給ライン171aを流動する吸収剤と熱交換して一次的に冷却され、ポンプ721で加圧された後に冷却器722で2次的に冷却されて約30~50℃で吸収部171に供給され得る。
【0054】
以下、
図4および
図5を参照して、本発明の他の実施例に係る船舶2aについて具体的に説明する。
【0055】
図4は本発明の他の実施例に係る船舶を図示した図面であり、
図5は
図4のBを拡大して図示した図面である。
【0056】
本発明の他の実施例に係る船舶2aは、第1排気管110と第2排気管120の間に第2エコノマイザ160が設置され、冷却部174前端に圧縮機174cが設置され、吸収部171上部にブロアー171dが設置される。本発明の他の実施例に係る船舶2aは、第1排気管110と第2排気管120の間に第2エコノマイザ160が設置され、冷却部174前端に圧縮機174cが設置され、吸収部171上部にブロアー171dが設置されることを除いては、前述した実施例と実質的に同一である。したがって、これを重点的に説明するものの、別途の言及がない限り残りの構成部に対する説明は前述したもので代替する。
【0057】
第1排気管110と第2排気管120の間には第2エコノマイザ160が設置され得る。より具体的には、第2エコノマイザ160は第2ダンパー部140前端の第1排気管110と第2排気管120の間、または第2ダンパー部140と第1ダンパー部130の間の第1排気管110と第2排気管120の間のうち少なくとも一つに設置され、排気ガスと熱交換して第1補助スチームを生成することができる。図示された通り、第2エコノマイザ160が第2ダンパー部140と第1ダンパー部130の間の第1排気管110と第2排気管120の間に設置される場合、第1排気管110を流動する排気ガスは第2エコノマイザ160と第1エコノマイザ150を順に通過した後に外部に排気され、第2排気管120を流動する排気ガスは第2エコノマイザ160を通過した後に外部に排出されるか分岐管121を通じて二酸化炭素捕集装置170に供給され得る。第2エコノマイザ160で生成された第1補助スチームは第2供給管161を通じてリボイラー173に供給され得、リボイラー173は第2エコノマイザ160と第1エコノマイザ150からそれぞれ供給された第1補助スチームとスチームを利用して再生部172に供給される吸収剤を加熱することができる。図面上には第1供給管151と第2供給管161が合流してリボイラー173に連結されるものとして図示したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1供給管151と第2供給管161はそれぞれリボイラー173に連結されてもよい。
【0058】
冷却部174前端には圧縮機174cが設置され得る。圧縮機174cは冷却部174に供給される排気ガスを加圧するものであり、冷却部174前端に少なくとも一つが設置され得る。圧縮機174cが冷却部174に供給される排気ガスを加圧することによって、冷却部174で排気ガスの冷却が容易になされ得る。
【0059】
また、吸収部171上部にはブロアー171dが設置され得る。ブロアー171dは吸収部171で排出される排気ガスの排出を助けるものであり、吸収部171上部に少なくとも一つが設置され得る。吸収部171上部にブロアー171dが設置されることによって、二酸化炭素が分離された排気ガスの排出が容易であるだけでなく冷却部174から吸収部171に排気ガスが円滑に流動することができる。
【0060】
以下、
図6および
図7を参照して、本発明の実施例に係る排気ガス浄化装置について詳細に説明する。
【0061】
本発明の実施例に係る排気ガス浄化装置は、排気ガスに含まれた二酸化炭素を除去する装置であり、船舶に設置され得る。
【0062】
排気ガス浄化装置は排気ガスを外部に排出する第1排気管上に外部に排出される排気ガスと、吸収塔で排出される二酸化炭素が吸収された吸収剤を熱交換する熱交換器が設置されて吸収剤の温度を上げることができる。したがって、吸収剤の温度を上げるためのスチームを生成するボイラーの稼動が中断されるため、ボイラーで消耗していたエネルギーを節減することができ、ボイラーの稼動によるさらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。また、吸収剤から二酸化炭素を分離する従来の再生塔が省略され得るため設置および維持費用が減少し、船舶内空間活用度も増加し得る特徴がある。
【0063】
以下、
図6を参照して、排気ガス浄化装置200について具体的に説明する。
【0064】
図6は、本発明の実施例に係る排気ガス浄化装置の構成を図示した図面である。
【0065】
本発明に係る排気ガス浄化装置200は第1排気管210と、第2排気管220と、吸収塔230と、熱交換器240、および分離器250を含む。
【0066】
第1排気管210は船舶の燃焼機関Eで排出される排気ガスを直接外部に排出する管であり、脱窒(SCR;Selective Catalytic Reduction)設備、集塵設備、および脱硫設備などの排気ガス前処理設備(図示されない)を通過した排気ガスを外部に排出することができる。
【0067】
第2排気管220は燃焼機関Eと直接連結されるか第1排気管210から分岐されて排気ガスを二酸化炭素除去工程に移動させる管であり、排気ガス前処理設備を通過した排気ガスを二酸化炭素除去工程に移動させることができる。第2排気管220が第1排気管210から分岐される場合、第2排気管220は後述する熱交換器240前端の第1排気管210上で分岐され得る。第2排気管220は吸収塔230に連結される。
【0068】
吸収塔230は第2排気管220を通じて供給される排気ガスに二酸化炭素を吸収する吸収剤を霧化または微粒化して噴射するものであり、船舶の揺動に容易に対処できるように気体接触方式の吸収塔で形成され得る。ここで、吸収剤とは、二酸化炭素を吸収する性質がある溶液、例えば、アミン(amine)化合物またはアンモニアの水溶液であり得る。排気ガスは吸収塔230の下部に供給されて吸収塔230の上部で噴射される吸収剤と接触することになり、これによって、排気ガスに含まれた二酸化炭素が吸収剤に吸収されて排気ガスから除去され得る。二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収塔230上部を通じて外部に排気され得る。吸収塔230で二酸化炭素が吸収剤に吸収される時に発熱反応が起きるため、二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収塔230上部で別途の冷却過程を経た後に外部に排気され得る。例えば、二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収塔230上部で噴射される清秀などの冷却媒体と接触して冷却された後に排気され得、排気ガスと接触した冷却媒体は集水されて吸収塔230外部に排出された後に加圧および冷却過程を経て再び吸収塔230に循環され得る。このような吸収塔230前端の第2排気管220上には冷却塔270が設置される。
【0069】
冷却塔270は第2排気管220に沿って吸収塔230に供給される排気ガスを冷却するものであり、排気ガスに冷却水を噴射して排気ガスを冷却させることができる。例えば、冷却塔270は排気ガスに洗浄水を噴射するスクラバーであり得る。船舶に設置された燃焼機関Eで排出される排気ガスは約400℃の高温であるため、このような排気ガスを前述した吸収塔230にそのまま供給する場合、二酸化炭素が吸収剤にまともに吸収されなくなる。すなわち、吸収塔230で噴射される吸収剤は約30~50℃で二酸化炭素の吸収効率が高いので、冷却塔270であらかじめ排気ガスを冷却させるのである。冷却塔270に供給された排気ガスは冷却水と熱交換を通じて適正温度に冷却され、排気ガスと熱交換して温度が増加した冷却水は冷却塔270で排出された後、一連の冷却過程を経て再び冷却塔270に循環される。例えば、冷却塔270で排出された冷却水はポンプ271で加圧された後、熱交換部272で冷却媒体と熱交換して冷却された後に冷却塔270に循環され得る。冷却塔270で冷却された排気ガスは第2排気管220を通じて吸収塔230に供給されて前述した一連の過程を通じて二酸化炭素が除去され、吸収塔230で二酸化炭素を吸収した吸収剤は後述する循環ライン260を通じて熱交換器240に供給される。
【0070】
熱交換器240は第1排気管210を流動する排気ガスと、吸収塔230から排出される二酸化炭素が吸収された吸収剤を熱交換するものであり、排気ガス前処理設備後端の第1排気管210上に設置され得る。すなわち、吸収塔230で排出されて熱交換器240に供給された二酸化炭素を吸収した吸収剤は第1排気管210を流動する高温の排気ガスと熱交換を通じて加熱され、吸収剤と熱交換して冷却された排気ガスは第1排気管210を通じて外部に排出される。熱交換器240が二酸化炭素を吸収した吸収剤と排気ガスを熱交換することによって、吸収剤の温度が上がって後述する分離器250で二酸化炭素が吸収剤から容易に分離され得、高温の排気ガスを冷却して排出するための別途の冷却過程が省略され得る。また、吸収剤の温度を上げるためのスチームを生成するボイラーを稼動する必要がないためボイラーで消耗するエネルギーを節減することができ、ボイラーの稼動によるさらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。また、吸収剤から二酸化炭素を分離する従来の再生塔が省略され得るため設置および維持費用を減少させることができ、システム構成が簡素化されて船舶内の空間活用度も増加し得る。熱交換器240で加熱された吸収剤は循環ライン260を通じて分離器250に供給される。
【0071】
分離器250は吸収剤から二酸化炭素を分離するものであり、熱交換器240後端の循環ライン260上に設置され得る。熱交換器240で加熱された二酸化炭素を吸収した吸収剤は分離器250内部で熱エネルギーによって二酸化炭素が分離される。吸収剤は第1排気管210を流動する約400℃の排気ガスと熱交換して加熱された状態であるので、分離器250に追加で熱エネルギーを供給せずとも二酸化炭素が容易に分離され得る。吸収剤から分離された高濃度の二酸化炭素は分離器250外部に排出されて水分が除去された後に別途の圧縮過程を経て必要先に供給され得る。
【0072】
循環ライン260は一端が吸収塔230下端に連結され他端が熱交換器240と分離器250を順に経由しながら吸収塔230上端に連結され、二酸化炭素が分離された吸収剤を吸収塔230に循環させることができる。換言すると、吸収塔230で二酸化炭素を吸収した吸収剤は、循環ライン260を通じて熱交換器240を通過した後に分離器250に供給されて二酸化炭素が分離され、分離器250で二酸化炭素が分離された吸収剤は循環ライン260を通じて吸収塔230に循環される。分離器250後端の循環ライン260上には少なくとも一つのクーラー261が設置されるため、吸収塔230に循環される吸収剤を冷却することができる。クーラー261が吸収剤を冷却して温度を下げることによって、吸収塔230で二酸化炭素が吸収剤に容易に吸収され得る。また、循環ライン260上には少なくとも一つの加圧ポンプ262が設置されて吸収剤が円滑に循環することができる。
【0073】
以下、
図7を参照して、排気ガス浄化装置200の動作についてより具体的に説明する。
【0074】
図7は、排気ガス浄化装置の動作を説明するための作動図である。
【0075】
本発明に係る排気ガス浄化装置200は、排気ガスを外部に排出する第1排気管210上に外部に排出される排気ガスと、吸収塔230で排出される二酸化炭素が吸収された吸収剤を熱交換する熱交換器240が設置されて吸収剤の温度を上げることができる。したがって、吸収剤の温度を上げるためのスチームを生成するボイラーの稼動が中断されるため、ボイラーで消耗していたエネルギーを節減でき、ボイラーの稼動によるさらに他の二酸化炭素の生成も防止することができる。また、吸収剤から二酸化炭素を分離する従来の再生塔が省略され得るため設置および維持費用が減少し、船舶内の空間活用度も増加し得る。
【0076】
図7を参照して説明すると、燃焼機関Eで排出された排気ガスは一部が第1排気管210を通じて排出され、一部が第2排気管220を通じて排出される。
【0077】
第2排気管220を通じて排出された排気ガスは冷却塔270に供給され、冷却塔270で噴射される冷却水によって適正温度に冷却された後に冷却塔270上部に連結された第2排気管220を通じて吸収塔230に供給される。冷却塔270で排気ガスと熱交換して温度が増加した冷却水は冷却塔270下部に排出されてポンプ271で加圧された後、熱交換部272で冷却媒体と熱交換して冷却された後に再び冷却塔270に循環される。
【0078】
吸収塔230下部に供給された排気ガスは吸収塔230上部で噴射される吸収剤と接触することになり、これによって、排気ガスに含まれた二酸化炭素が吸収剤に吸収されて排気ガスから除去される。排気ガスは冷却塔270で冷却された状態であるので、排気ガスに含まれた二酸化炭素が吸収剤に容易に吸収され得る。二酸化炭素が除去された排気ガスは吸収塔230上部に移動して別途の冷却過程を経た後に外部に排気される。
【0079】
二酸化炭素を吸収した吸収剤は循環ライン260を通じて熱交換器240に供給されて第1排気管210を流動する高温の排気ガスと熱交換し、これによって、外部に排出される排気ガスは冷却されて二酸化炭素を吸収した吸収剤は加熱される。熱交換器240で加熱された二酸化炭素を吸収した吸収剤は循環ライン260を通じて分離器250に供給されて二酸化炭素が分離され、吸収剤から分離された二酸化炭素は分離器250外部に排出されて必要先に供給される。
【0080】
二酸化炭素が分離された吸収剤は、循環ライン260を通じてクーラー261に供給されて冷却された後に吸収塔230上部に循環される。以上添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得るということが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。
【国際調査報告】