(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】データ再送信方法及び装置、データ受信応答方法及び装置、並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 1/16 20060101AFI20221102BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20221102BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221102BHJP
H04L 69/14 20220101ALI20221102BHJP
H04W 84/12 20090101ALN20221102BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04 110
H04W72/04 111
H04L69/14
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514841
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2020077691
(87)【国際公開番号】W WO2021042686
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910842314.9
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519364624
【氏名又は名称】展訊通信(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Spreadtrum Communications (Shanghai) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Spreadtrum Center, Building No. 1, Lane 2288 Zuchongzhi Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100189544
【氏名又は名称】柏原 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】徐 彦超
(72)【発明者】
【氏名】趙 育仁
(72)【発明者】
【氏名】余 慶華
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014AA01
5K014CA06
5K014DA02
5K014FA03
5K067AA01
5K067DD24
5K067HH28
(57)【要約】
方法は、送信リンク上で受信エンドから確認応答フレームを受信する工程であって、各確認応答フレームは、確認応答フレームの送信の時点にて全ての送信リンク上で同じブロック確認応答セッションに属するAMPDUの受信情報を含む、受信する工程と、確認応答フレームが第1の送信リンク上で正常に受信されない場合、第1の送信リンクを除く他の送信リンク上で確認応答フレームが正常に受信されたかを検出し、他の送信リンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に従って再送信を行うかを判定する工程と、再送信が判定された場合、他の送信リンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に従って再送信内容を判定し、いずれかの送信リンク上で再送信内容を再送信する工程を含む。マルチリンクシステム下で同一のA-MPDUブロック確認応答セッションのブロック確認応答フレームの受信に失敗した場合の再送メカニズムを実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ再送信方法において、
複数のリンク上の確認応答フレームを受信機から受信するステップであって、前記確認応答フレームの各々は、前記複数のリンク上の前記確認応答フレームの送信の時点において同一のブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含んでいる、受信するステップと、
確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定するステップであって、前記複数のリンクは、前記第1のリンクと前記少なくとも1つの他のリンクとを含む、判定するステップと、
再送信すると判定したことに基づいて、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定し、前記複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出することは、
前記第1のリンクの確認応答タイムアウトの時点において、前記確認応答フレームが前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出すること、若しくは、
前記第1のリンクが次にチャネルにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点に、前記確認応答フレームが前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリセットオフセットは、所定のタイムスロット数を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定することは、
前記第1のリンク上の前記AMPDUが前記受信機によって正常に受信されたことを示す、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された前記確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信しないと判定することを
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信情報は、前記AMPDUが前記受信機によって受信されたかどうかを示し、
更に、
前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された前記確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定することは、
前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された前記確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、前記受信機で正常に受信されていない前記AMPDUを、再送信するMPDUとして判定することを
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記確認応答フレームは、即時ブロック確認応答合意、又は、遅延ブロック確認応答合意の、いずれかに基づくブロック確認応答フレームである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
データ応答方法であって、
複数のリンク上で送信される必要のある確認応答フレームに基づいて、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点にて、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定するステップと、
前記送信時点に前記複数のリンク上で前記確認応答フレームを送信するステップと
を含み、
ここで、前記確認応答フレームの各々は前記受信情報を含み、このことにより、
前記確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機は、前記確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、
更に、再送信すると判定することに基づいて、前記送信機は、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された前記確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、前記複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信し、
前記複数のリンクは、前記第1のリンクと前記少なくとも1つの他のリンクを含む、
データ応答方法。
【請求項8】
前記受信情報は、前記複数のリンク上で前記AMPDUが完全に受信されたことを示す受信ステータス、又は、前記複数のリンク上で前記AMPDUが部分的に受信されたことを示す受信ステータスを
含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
データ再送信デバイスであって、
複数のリンク上で確認応答フレームを受信機から受信するように構成された確認応答フレーム受信回路であって、前記確認応答フレームの各々は、前記複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点にて同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む、確認応答フレーム受信回路と、
前記確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、前記確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定する
ように構成された検出回路であって、前記複数のリンクは前記第1のリンクと前記少なくとも1つの他のリンクを含む、検出回路と、
再送信すると判定することに基づいて、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定し、前記複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信する
ように構成された再送信回路と
を含む、データ再送信デバイス。
【請求項10】
データ応答デバイスであって、
複数のリンク上で送信される必要のある確認応答フレームに基づいて、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点にて同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定する
ように構成された受信情報判定回路と、
前記送信時点にて前記複数のリンク上で前記確認応答フレームを送信する
ように構成された確認応答フレーム送信回路と
を含み、
ここで、前記確認応答フレームの各々は前記受信情報を含み、このことにより、
前記確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機は、前記確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、
更に、再送信すると判定することに基づいて、前記送信機は、前記少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された前記確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、前記複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信し、
前記複数のリンクは、前記第1のリンクと前記少なくとも1つの他のリンクを含む、
データ応答デバイス。
【請求項11】
内部に記憶されたコンピュータ命令を有する記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が実行されると、請求項1~6のいずれか一に記載の方法、又は、請求項7若しくは8に記載の方法が、実行される、
記憶媒体。
【請求項12】
メモリとプロセッサとを備え、送信機に適用されるデバイスであって、
前記メモリは、内部に記憶されたコンピュータ命令を有し、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法が実行される、
デバイス。
【請求項13】
メモリとプロセッサを含み、受信機に適用されるデバイスあって、
前記メモリは、内部に記憶されたコンピュータ命令を有し、前記プロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、請求項7又は8に記載の方法が実行される、
デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月6日に出願された中国特許出願番号201910842314.9、発明の名称「DATA RETRANSMISSION METHOD AND DEVICE, DATA RESPONSE METHOD AND DEVICE, AND STORAGE MEDIUM」の優先権の利益を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、通信技術分野に関し、より詳細には、データ再送信方法及び装置、データ応答方法及び装置、並びに、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)システムでは、1つのメディアアクセス制御(MAC)層と1つの(無線周波数(RF)を含む)ポート物理層(PHY)が存在するだけである。デュアルバンド(2.4GHz及び5GHz)をサポートする典型的なWiFiシステムの場合、一般に、単に1つのRFがデータを受信するために有効である。これは、シングルリンクのWLAN(Wireless Local Area Network)システムの一例である。WLAN規格の進展に伴い、マルチバンド(2.4GHz、5GHz、60GHz)やマルチリンクの機能がIEEE 802.11 be (EHT)やRTA TIGで議論されている。したがって、実際には、マルチリンクをサポートするWLAN製品(例えば、マルチバンド・マルチパラレル機能をサポートする製品)が増えている。
【0004】
MACプロトコルデータユニット(MPDU)を、許可された全てのリンクを使用して受信することができるマルチリンクシステムアーキテクチャが提案されており、これは、待ち時間を減らし、各リンクを動的にうまく利用し、それによってMPDU交換効率を改善するのに有利なものである。さらに、ピークスループットを向上させるために、同じトラフィック識別子(TID)に属する集約MPDU(A-MPDU)ブロック確認(Ack)合意下のMPDUパケットは、任意のリンクを介して送信されることができる。即時ブロック確認(BA)を使用する場合のA-MPDUブロックAck合意では、いずれのリンクでも、AMPDU送信終了後の短フレーム間空間(SIFS)において、AMPDU内の各サブMPDUの受信ステータスを示す確認応答フレーム応答が予想される。
【0005】
A-MPDUの既存の再送信メカニズムおよび応答BAフレームメカニズムは、IEEE 802.11標準プロトコルに基づくものである。従来のIEEE 802.11では、受信機は、単に現在のリンク上で受信したA-MPDUの受信ステータスに基づいてBAフレームを返信し、BAフレームは、単に現在のリンク上のMPDUの受信情報を伝送するのみである。送信機は、即時BA合意の下、A-MPDUを送信してからAckTimeoutの時間内に対応するBAフレームを受信するのを待ち、AckTimeoutの時間内に対応するBAフレームを受信しない場合、対応するA-MPDUを再送信する必要がある。依然として従来のIEEE 802.11では、送信機は、遅延BA合意の下、AMPDUを送信した後、BlockAckRequest(BAR)を送信してからAckTimeoutの時間内に対応するBAフレームを受信するのを待ち、対応するBAフレームがAckTimeoutの時間内に受信されなければ、対応するBARまたはA-MPDUを再送信する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マルチリンクシステムの下では、送信機が複数のリンクで同じA-MPDU BlockAck Agreementに属するA-MPDUを送信する場合、受信機は応答したBAフレームをいずれかのリンクで返信し、送信機は単にBAフレームが一つのリンクで正しく受信されたかどうかに基づいて再送信を行うかどうかを判定する。実際に受信機があるリンクでMPDUの全部または一部を正しく受信し、応答したBAフレームも対応するMPDUの受信ステータスを伝えるが、送信機がBAフレームを正しく受信しなかった場合、送信機はA-MPDU全体を正常に送信できていないと判定してA-MPDU全体を再送信し、データ伝送効率を低下させてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態は、マルチリンクシステムにおけるA-MPDUブロック確認応答合意下でのブロック確認応答フレームの受信失敗の発生に特化した再送信メカニズムを提供し、伝送効率を向上させ得るものである。
【0008】
本開示の実施形態では、データ再送信方法が提供され、以下のステップを含む。複数のリンク上の受信機から確認応答フレームを受信するステップであって、確認応答フレームの各々は、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点に、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む、受信するステップと、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレームの受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定するステップであって、複数のリンクは第1のリンクと少なくとも1つの他のリンクとを含む、判定するステップと、再送信することを判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定し、再送信すべきMPDUを複数のリンクのうちのいずれか1つ上で再送信するステップと、である。
【0009】
任意選択で、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出することは、第1のリンクの確認応答タイムアウト時点に確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出すること、若しくは、第1のリンクが次にチャネルにアクセスする時の前のプリセットオフセットの時点に確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出すること、を含む。
【0010】
任意選択で、プリセットオフセットは、所定の数のタイムスロットを含む。
【0011】
任意選択で、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定することは、第1のリンク上のAMPDUが受信機によって正常に受信されたことを示す少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信しないことを判定することを含む。
【0012】
任意選択で、受信情報は、AMPDUが受信機によって受信されたかどうかを示し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定することは、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレームの受信情報に基づいて、受信機によって正常に受信されていないAMPDUを再送信すべきMPDUとして判定することを含む。
【0013】
任意選択で、確認応答フレームは、即時BA合意または遅延BA合意のいずれかの下でのブロック確認応答フレームである。
【0014】
本開示の実施形態では、データ応答方法が提供され、以下を含む。確認応答フレームが複数のリンク上で送信される必要があるとき、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点に、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定するステップと、送信時点に複数のリンク上で確認応答フレームを送信するステップとを含む。ここで、確認応答フレームの各々は受信情報を含む。このことにより、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機は、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、更に、再送信すると判定することに基づいて、送信機は、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信する。複数のリンクは、第1のリンクと少なくとも1つの他のリンクを含む。
【0015】
任意選択で、受信情報は、AMPDUが複数のリンク上で完全に受信されたことを示す受信ステータス、またはAMPDUが複数のリンク上で部分的に受信されたことを示す受信ステータスを含む。
【0016】
本開示の実施形態では、データ再送信デバイスが提供され、データ再送信デバイスは、複数のリンク上で確認応答フレームを受信機から受信するように構成された確認応答フレーム受信回路であって、確認応答フレームの各々は、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点にて同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む、確認応答フレーム受信回路と、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定するように構成された検出回路と、再送信すると判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定し、複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信するように構成された再送信回路と、を含む。
【0017】
本開示の実施形態では、データ応答デバイスが提供され、データ応答デバイスは、確認応答フレームが複数のリンク上で送信される必要のあるとき、複数のリンク上の確認応答フレームの送信時点にて同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定するように構成された受信情報判定回路と、送信時点にて複数のリンク上で確認応答フレームを送信するように構成された確認応答フレーム送信回路と、を含む。ここで、確認応答フレームの各々は受信情報を含む。このことにより、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機は、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、更に、再送信すると判定することに基づいて、送信機は、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、複数のリンクのいずれか1つ上で再送信すべき前記MPDUを再送信する。複数のリンクは、第1のリンクと少なくとも1つの他のリンクを含む。
【0018】
本開示の実施形態において、内部に記憶されたコンピュータ命令を有する記憶媒体が提供され、コンピュータ命令が実行されると、上記データ再送信方法または上記データ応答方法が実行される。
【0019】
本開示の実施形態において、メモリとプロセッサとを含み、送信機に適用されるデバイスが提供され、メモリは、内部に記憶されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行するとき、上記データ再送信方法が実行される。
【0020】
本開示の実施形態において、メモリとプロセッサとを含み、受信機に適用されるデバイスが提供され、メモリは、内部に記憶されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、上記データ応答方法が実行される。
【0021】
本開示の実施形態は、以下の利点を提供し得る。本開示の実施形態において、受信機によって送信される確認応答フレームは、複数のリンクの全てにおける確認応答フレームの送信時点において、同一のブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む。したがって、第1のリンク上の送信機によって確認応答フレームが正常に受信されないことに基づいて、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレームの受信情報に基づき再送信の有無および再送信すべきMPDUを判定することができ、これにより、判定された再送信すべきMPDUに再送信が必要なAMPDUが確実に含まれるので、不必要なデータの再送信が避けられ伝送効率が改善される。
【0022】
さらに、少なくとも1つの他のリンクで確認応答フレームが正常に受信されたかどうかは、第1のリンクの確認応答タイムアウトの時点、または第1のリンクが次にチャネルにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点に判定される。本開示の実施形態では、送信機は、特定の時点において、少なくとも1つの他のリンクで確認応答フレームが正常に受信されたかどうかを判定してよい。特定の時点は、第1のリンクの確認応答タイムアウトの時点であってもよく、または、次にチャネルにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点であってもよい。このようにして、データ再送信メカニズムが改善され、再送信されるMPDUが時間的に判定されるので、タイムリーな再送信が保証され、伝送効率がさらに改善される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデータ再送信方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、実施形態に係るアプリケーションシナリオ図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るアプリケーションシナリオ図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るデータ応答方法のフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係るアプリケーションシナリオ図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るデータ再送信装置の構造図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るデータ応答装置の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
背景で述べたように、マルチリンクシステムの下では、送信機が複数のリンク上で同一のA-MPDU BlockAck Agreementに属するA-MPDUを送信すると、受信機は任意のリンク上で応答済みBAフレームを返信し、送信機は単にBAフレームが単一のリンクで正しく受信されたかどうかに基づいて再送信を行うかどうかを判定する。実際に受信機があるリンク上でMPDUの全部または一部を正しく受信し、応答したBAフレームも対応するMPDUの受信ステータスを伝えるが、送信機がBAフレームを正しく受信しなかった場合、送信機はA-MPDU全体を正常に送信しなかったと判定し、A-MPDU全体を再送信するので、データ伝送効率が低下する可能性がある。
【0025】
本開示の実施形態において、受信機によって送信される確認応答フレームは、複数のリンクのすべてにおける確認応答フレームの送信の時点において、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む。したがって、確認応答フレームが第1のリンク上の送信機によって正常に受信されないことに基づき、少なくとも1つの他のリンクにて正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信の有無及び再送信すべきMPDUを判定でき、これにより、判定された再送信すべきMPDUに、再送信が必要なAMPDUが確実に含まれるので、不必要なデータの再送信が避けられ伝送効率が改善される。
【0026】
本開示の実施形態の目的、特徴及び利点を明確にするために、本開示の実施形態が添付図面と共に詳細に説明される。
【0027】
図1を参照すると、
図1は、実施形態によるデータ再送信方法のフローチャートである。
【0028】
データ再送信方法は、送信機において適用されてもよく、すなわち、
図1に示す方法のステップは、スマートフォンまたはルータなどの送信機における装置によって実行されてもよい。
【0029】
本方法は、S101、S102及びS103を含む。
【0030】
S101において、複数のリンク上の受信機から確認応答フレームが受信され、確認応答フレームの各々は、複数のリンク上の確認応答フレームの送信の時点において同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む、確認応答フレームが受信される。
【0031】
S102において、確認応答フレームが第1のリンクで正常に受信されないことに基づいて、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンクで正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレームの受信情報に基づいて、再送信するかどうかを判定する。
【0032】
S103では、再送信することを判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するMPDUを判定し、再送信するMPDUを複数のリンクのうちのいずれか1つで再送信する。
【0033】
実施形態におけるステップの通し番号は、ステップの実行順序に対する制限を表すものではないことに留意されたい。
【0034】
いくつかの実施形態において、確認応答フレームは、ブロック確認応答(BA)フレームであってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、送信機および受信機は、携帯電話、コンピュータ、またはタブレット型コンピュータなどの端末機器であってもよく、またはルータなどの中継機器であってもよい。
【0036】
送信機は、複数のリンク上でAMPDUを受信機に送信し、受信機は、複数のリンク上でAMPDUを受信し、各リンク上でAMPDUが正常に受信されたかどうかを示す確認応答フレームを送信してもよい。受信機によって送信される各確認応答フレームは、複数のリンクの全てにおける確認応答フレームの送信の時点において、同一のブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む。
【0037】
図2を参照すると、特定のアプリケーションシナリオにおいて、送信機は、リンクLink1およびリンクLink2上でAMPDUを送信することができる。送信機は、シーケンス番号(SN)が1、2、および3のMPDUを含むAMPDU1をリンクLink1上で送信した後、送信機は、シーケンス番号が4および5のMPDUを含むAMPDU2をリンクLink2上で送信もする。時点T1において、受信機は、シーケンス番号が1、2、3、4及び5のMPDUの受信情報、すなわちシーケンス番号が1、2、3、4及び5のMPDUが正常に受信されたか否かの情報を含む確認応答フレームBA1をリンクLink1上に送信している。同様に、受信機は、シーケンス番号が1、2、3、4、5及び6のMPDUの受信情報、すなわちシーケンス番号が1、2、3、4、5及び6のMPDUが正常に受信されたかどうかの情報を含む確認応答フレームBA2をリンクLink2上に送信する。
【0038】
いくつかの実施形態では、S101において、送信機は、複数のリンクの各々で受信機から確認応答フレームを受信してもよい。各リンク上の確認応答フレームは、送信機によって正常に受信されてもよく、または送信機によって正常に受信されなくてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、S102において、送信機が第1のリンク上で確認応答フレームを正常に受信しなかったことに基づいて、送信機は、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出し得る。確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンクで正常に受信されたことに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信するかどうかが判定される。
【0040】
AMPDUが第1のリンク上の受信機によって正常に受信されていないことを示す、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信が必要であると判定される。
【0041】
いくつかの実施形態では、S103において、再送信が判定されると、再送信されるMPDUが、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて判定される。再送信されるMPDUは、第1のリンク上で受信機によって正常に受信されなかったAMPDUを含んでもよい。
【0042】
送信機は、複数のリンクのうちの任意の1つで再送信されるMPDUを再送信してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、S102は、第1のリンク上のAMPDUが受信機によって正常に受信されたことを示す、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信しないことを判定することを含んでもよい。
【0044】
なお
図2を参照すると、特定のアプリケーションシナリオでは、送信機がリンクLink1上で確認応答フレームBA1を正常に受信しなかったことに基づいて、送信機は、確認応答フレームBA2がリンクLink2上で正常に受信されたかどうかを検出することができる。送信機が確認応答フレームBA2を正常に受信し、確認応答フレームBA2の受信情報に基づいてリンクLink1上のシーケンス番号が1及び2のMPDUが正常に受信されたと判定することに応答して、送信機は再送信することを判定し、AMPDU1内のシーケンス番号が3のMPDUを単に再送信するのみである。
【0045】
あるいは、送信機が確認応答フレームBA2を正常に受信し、確認応答フレームBA2の受信情報に基づいて受信機がリンクLink1上の全てのAMPDUを正常に受信したと判定することに応答して、送信機は再送信が不要であると判定する。
【0046】
いくつかの実施形態において、S102は、第1のリンクの確認応答タイムアウトの時点にて少なくとも1つの他のリンクで確認応答フレームが正常に受信されたかどうかを検出すること、または第1のリンクが次にチャネルにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点に少なくとも1つの他のリンクで確認応答フレームが正常に受信されたかどうかを検出することを含むことができる。
【0047】
本開示の実施形態において、送信機は、確認応答フレームが特定の時点において少なくとも1つの他のリンクで正常に受信されたかどうかを判定し得る。特定の時点は、第1のリンクの確認応答タイムアウトの時点、または第1のリンクが次にチャネルにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点であってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、送信機は、送信されたAMPDUの送信終了の時点から始まるタイマを設定する。BAフレームがタイマの持続時間内に受信されない場合、送信されたAMPDUは、送信に失敗したとみなされる。確認応答タイムアウトの時点とは、その時間帯が終了する時点を指す。
【0049】
いくつかの実施形態では、送信機がチャネルを競合するとき、ランダムなバックオフ値が生成される。バックオフ値が0に減少したとき、チャネル検出がまだアイドルであれば、送信機がチャネルにアクセスしたものとみなされる。バックオフ値が0に減少する時点は、送信機がチャネルにアクセスした時点として機能する。
【0050】
図3を参照すると、特定のアプリケーションシナリオにおいて、送信機は、AMPDU1がリンクLink1上で送信された後、確認応答タイムアウトの時点(AckTimeout、すなわち、
図3に示す時点T2)にて確認応答フレームBA2がリンクLink2上で正常に受信されたかどうかを検出することができる。あるいは、送信機は、リンクLink1が次のチャネルリソースにアクセスする時点の前のプリセットオフセットの時点、すなわち、AMPDU3の送信を開始する時点の前のプリセットオフセットの時点T3に、確認応答フレームBA2がリンクLink2上で正常に受信されたかどうかを検出することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、プリセットオフセットは、所定の数のタイムスロットを含む。
【0052】
プリセットオフセットの特定の値は、本開示の実施形態において限定されないが、実用的なアプリケーションシナリオに基づいて判定されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、確認応答フレームは、即時BA合意または遅延BA合意のいずれかに基づくブロック確認応答フレームである。
【0054】
確認応答フレームが遅延BA合意の下にある場合、AMPDUを送信した後、送信機はBARを送信する必要があり、BARを送信した後、AckTimeoutの時間内に対応するBAフレームを受信するのを待つ。
【0055】
確認応答フレームが即時BA合意の下にある場合、送信機はBARを送信してBAフレームを勧誘する必要はない。
【0056】
図4は、実施形態に係るデータ応答方法のフローチャートである。
【0057】
データ応答方法は、受信機において適用されてもよく、すなわち、
図4に示す方法のステップは、スマートフォンやルータなどの受信機における装置によって実行されてもよい。
【0058】
本方法は、S401及びS402を含む。
【0059】
S401では、複数のリンクで確認応答フレームを送信する必要がある場合、複数のリンクでの確認応答フレームの送信の時点における同一のブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報が判定される。
【0060】
S402において、確認応答フレームは、送信の時点にて複数のリンク上で送信される。確認応答フレームの各々は、受信情報を含み、このことにより、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機が、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、再送信すると判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、複数のリンクのいずれか1つ上に再送信すべきMPDUを再送信する。複数のリンクには第1のリンクと少なくとも1つの他のリンクが含まれる。
【0061】
送信機は、複数のリンク上でAMPDUを受信機に送信することができ、受信機は、複数のリンク上でAMPDUを受信することができるので、受信機は、AMPDUが各リンク上で正常に受信されたかどうかを知ることができる。したがって、受信機は、複数のリンク上で確認応答フレームを送信する必要がある場合、複数のリンク上の確認応答フレームの送信の時点にて、同一のブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定することができる。
【0062】
異なるタイプの確認応答フレームについて、確認応答フレームの送信の時点は異なる。具体的には、確認応答フレームが遅延BA合意の下にある場合、送信機がAMPDUを送信した後にBARを送信する必要があり、受信機はBARが送信された後にAckTimeoutの時間内にBAフレームを送信する。
【0063】
確認応答フレームが即時BA合意の下にある場合、送信機は、BAフレームを勧誘するためにBARを送信する必要はない。
【0064】
いくつかの実施形態では、受信情報は、AMPDUが複数のリンク上で完全に受信されることを示す受信ステータス、またはAMPDUが複数のリンク上で部分的に受信されることを示す受信ステータスを含む。
【0065】
図2を参照すると、特定のアプリケーションシナリオにおいて、受信機は、シーケンス番号が1、2、3、4および5のMPDUの受信情報を含む確認応答フレームBA1をリンクLink1上に送信し、ここで、シーケンス番号が4および5のMPDUは、リンクLink2上のAMPDU2のデータの一部であり、確認応答フレームBA1がリンクLink2上のAMPDU2が部分受信成功であることを示す。その上、受信機は、シーケンス番号が1、2、3、4、5、6のMPDUの受信情報を含む確認応答フレームBA2をリンクLink2上に送信する。送信機は、確認応答フレームBA1を正常に受信しなかったが、確認応答フレームBA2を正常に受信したことに基づき、確認応答フレームBA2に基づいて、シーケンス番号が3のMPDUがリンクLink1上で正常に受信されていないと判定し、シーケンス番号が3のMPDUをAMPDU3においてリンクLink1上に再送信することができる。さらに、AMPDU3は、シーケンス番号が3の再送信されるMPDUのみを含んでもよいし、シーケンス番号が3の再送信されるMPDUと、シーケンス番号が7や8のMPDUなどAMPDU3で本来送信されるべきデータとを含んでもよい。
【0066】
図5を参照すると、別の具体的なアプリケーションシナリオでは、送信機と受信機の間で遅延BA合意が設定される。AMPDU1の送信を終えた後、送信機はBAR1を送信し、受信機はBAR1が送信されてからAckTimeoutの時間内にBA1確認応答フレームを送信することができる。このとき、受信機はシーケンス番号が1、2、3、4、5のMPDUを完全に受信しているので、シーケンス番号が1、2、3、4、5のMPDUの受信情報を含む確認応答フレームBA1をリンクLink1上に送信する。AMPDU2の送信終了後、送信機はBAR2を送信し、受信機はBAR2が送信されてからAckTimeoutの時間内にBA2確認応答フレームを送信することができる。リンクLink2上で受信機が送信する確認応答フレームBA2は、シーケンス番号が1、2、3、4、5、6のMPDUの受信情報を含み、リンクLink1及びLink2のAMPDUが完全に正常に受信されたことを示す。送信機は、確認応答フレームBA1を正常に受信せず、確認応答フレームBA2を正常に受信したことに基づいて、受信機がシーケンス番号が1、2及び3のMPDUを正常に受信したと判定し、送信機は、AMPDU1のMPDUを再送信しないと判定することが可能である。すなわち、その後、リンクLink1でAMPDU3が送信され、リンクLink2でAMPDU4が送信される場合、AMPDU3及びAMPDU4のいずれもAMPDU1のMPDUを含んでいない。
【0067】
図6を参照すると、
図6は、実施形態によるデータ再送信装置50の構造図である。
【0068】
データ再送信装置50は、
複数のリンク上の確認応答フレームを受信機から受信するように構成された確認応答フレーム受信回路501であって、確認応答フレームの各々は、複数のリンク上の確認応答フレームの送信の時点にて同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む、確認応答フレーム受信回路501と、
検出回路502であって、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されるかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定する、ように構成された検出回路502と、並びに、
再送信回路503であって、再送信することを判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、複数のリンクのうちの任意の1つ上で再送信すべきMPDUを再送信する、ように構成された再送信回路503と
を含む。
【0069】
本開示の実施形態において、受信機によって送信される確認応答フレームは、複数のリンク上の全てにおける確認応答フレームの送信の時点において、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を含む。したがって、確認応答フレームが第1のリンクの送信機によって正常に受信されないことに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて、再送信の有無及び再送信すべきMPDUを、判定することができ、これにより、判定された再送信すべきMPDUに再送信が必要なAMPDUが確実に含まれるので、不必要なデータの再送信が避けられ伝送効率が改善される。
【0070】
データ再送信装置50の動作原理および動作モードの詳細は、
図1~
図4の上記説明で知ることができ、ここでは説明しない。
【0071】
図7を参照すると、
図7は、実施形態によるデータ応答装置60の構造図である。
【0072】
データ応答装置60は、確認応答フレームが複数のリンク上で送信される必要がある場合、複数のリンク上の確認応答フレームの送信の時点にて、同じブロック確認応答合意に属するAMPDUの受信情報を判定するように構成された受信情報判定回路601と、確認応答フレームを送信の時点にて複数のリンク上で送信するように構成された確認応答フレーム送信回路602とを含む。ここで、確認応答フレームの各々は受信情報を含む。このことにより、確認応答フレームが第1のリンク上で正常に受信されないことに基づいて、送信機が、確認応答フレームが少なくとも1つの他のリンク上で正常に受信されたかどうかを検出し、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信するかどうかを判定し、再送信すると判定することに基づいて、少なくとも1つの他のリンクで正常に受信された確認応答フレーム内の受信情報に基づいて再送信すべきMPDUを判定し、複数のリンクのいずれか1つ上に再送信すべきMPDUを再送信する。複数のリンクには第1のリンク及び少なくとも1つの他のリンクが含まれる。
【0073】
データ応答装置60の動作原理および動作モードの詳細は、
図1~
図5の上記の説明で見ることができ、ここでは説明しない。
【0074】
本開示の実施形態では、そこに記憶されたコンピュータ命令を有する記憶媒体が提供され、コンピュータ命令が実行されると、
図1または
図4に示されるような上記の方法が実行される。記憶媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクを含んでもよい。記憶媒体は、不揮発性メモリまたは非一過性メモリを含んでもよい。
【0075】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含み、送信機に適用される装置が提供され、メモリはそこに記憶されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行すると、
図1に示されるような上記の方法が実行される。送信機において適用される装置は、携帯電話、コンピュータまたはタブレット型コンピュータなどの端末装置、またはルータなどの中継装置を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0076】
本開示の実施形態では、メモリとプロセッサとを含み、受信機において適用される装置が提供され、メモリは、その中に格納されたコンピュータ命令を有し、プロセッサがコンピュータ命令を実行するとき、
図4に示されるような上記の方法が実行される。受信機において適用される装置は、携帯電話、コンピュータまたはタブレット型コンピュータなどの端末装置、またはルータなどの中継装置を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0077】
以上、本開示をその好ましい実施形態を参照して開示したが、本開示は例示としてのみ提示され、限定するものではないことを理解されたい。当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、実施形態を修正及び変更することができる。
【国際調査報告】