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特表2022-547117AGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】AGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20221102BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20221102BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60L53/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514859
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2020111724
(87)【国際公開番号】W WO2021043056
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910844634.8
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519059292
【氏名又は名称】杭州海康机器人股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Hikrobot Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 304, Unit B, Building 2, 399 Dangfeng Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】黄 巨明
(72)【発明者】
【氏名】白 寒
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA17
3D235BB24
3D235CC15
3D235HH09
3D235HH63
5H125AA11
5H125AC13
5H125BC26
5H125BE02
5H125FF06
(57)【要約】
本公開は、AGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置を提供する。前記方法は、バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップと、AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップと、古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップと、古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップと、新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップと、を含む。前記装置は、リフトフレームと、リフトフレーム昇降機構と、バッテリ着脱機構とを含み、リフトフレーム昇降機構は、リフトフレームを昇降させるために用いられ、バッテリ着脱機構は、AGVの下方に位置するときに、バッテリモジュールとドッキングしてバッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除又は確立するために用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップと、
AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップと、
古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップと、
古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップと、
新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップと、を含む、AGVのバッテリ交換方法。
【請求項2】
請求項1に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップにおいて、バッテリ着脱機構とドッキングするまで、AGV全体を下方に移動させ、
及び/又は、
前記古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップにおいて、古いバッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱するまで、AGVを上方に移動させ、
及び/又は、
前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置するステップにおいて、バッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリア内に位置するまで、AGV全体を下方に移動させる、
方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップにおいて、AGVを初期位置から上方に持ち上げ、バッテリ着脱機構をAGVの下方まで水平移動させ、
及び/又は、
前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップの後は、さらに、
新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から離脱させることと、
バッテリ着脱機構をAGVの下方から水平に移動させ、AGVを初期位置まで下降させることとを含む
方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップと、前記古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップと、前記古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップと、前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップとを実行する過程において、AGVは、常にプリチャージ状態である、
方法。
【請求項5】
請求項4に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、さらに、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップの前に、AGVをプリチャージ線路に接続することと、
新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップの後に、AGVをプリチャージ線路から切断することと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1又は2のいずれか1項に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップは、
当接台に再びバッテリモジュールがあるか否かを検出し、当接台に再びバッテリモジュールがあることを検出した場合、前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップを実行すること、を含む、
方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップは、さらに、古いバッテリモジュールの水平位置を位置決めするステップを含み、
前記古いバッテリモジュールの水平位置を位置決めするステップは、
AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行うステップと、
AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うステップと、
を含み、
前記AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行うステップは、
バッテリモジュールが鉛直方向に沿ってその下方に位置するバッテリ着脱機構の当接台の当接面に対して相対的に移動して接近する過程において、粗位置決めピンを下方からバッテリモジュールの粗位置決め穴に挿入し、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行い、かつ、バッテリモジュールが水平方向の粗位置決めを完成した時に当接面に当接すること、を含み、
前記AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うステップは、
精密位置決めピンを当接面の下方から当接面に突出する方向に移動して、バッテリモジュールの精密位置決め穴に挿入し、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うこと、を含み、
前記精密位置決めピンと精密位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅は、前記粗位置決めピンと粗位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅より小さく、
バッテリモジュールが鉛直方向に沿ってその下方に位置するバッテリ着脱機構の当接台の当接面に対して相対的に移動して接近する過程において、バッテリモジュールは、当接台を下方に押圧して、当接台に接続された弾性バッファ支持モジュールを弾性変形させ、当接台が所定の位置に押圧されたことを検出したと、バッテリモジュールと当接台との相対移動を停止する。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のAGVのバッテリ交換方法であって、
前記バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップは、AGVの水平位置を位置決めするステップを含み、
前記AGVの水平位置を位置決めするステップは、
AGVの車輪を位置決めすることで、AGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置を位置決めすることを実現するステップと、
AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めし、かつ、AGVが第2水平方向に沿って位置決めする過程において、AGVの第1水平方向における位置が変化しないことを常に保持するステップと、を含み、
前記AGVの車輪を位置決めすることで、AGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置を位置決めすることを実現するステップは、
AGVの車輪が第2水平方向に沿って、第2水平方向に伸びる1つの位置決め溝に転がって、重力によって車輪を位置決め溝に嵌め込ませることで、AGVの第1水平方向における位置を位置決めするステップを含み、
前記AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めし、かつ、AGVが第2水平方向に沿って位置決めする過程において、AGVの第1水平方向における位置が変化しないことを常に保持するステップにおいて、
AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを検出したあと、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置に対する位置決めを開始し、
前記AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを検出したステップにおいて、
AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを判定する方法は、位置決め溝にAGVの車輪があることを検出したことを含む、
方法。
【請求項9】
リフトフレームと、リフトフレーム昇降機構と、バッテリ着脱機構とを備え、
前記リフトフレームは、AGVを搭載することに用いられ、
前記リフトフレーム昇降機構は、前記リフトフレームを昇降させることに用いられ、
前記バッテリ着脱機構は、前記AGVの下方に位置する時に、バッテリモジュールとドッキングして、バッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除又は確立することに用いられる、
AGVのバッテリ交換装置。
【請求項10】
請求項9に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記バッテリ着脱機構は、ロック解除モジュールを備え、
前記ロック解除モジュールは、ロック解除動力手段と、AGVのバッテリモジュールにおけるロックモジュールの位置に対応するロック解除ロッドとを含み、前記ロック解除ロッドは、前記ロック解除動力手段の駆動によって突出し又は引っ込め、かつ、前記ロック解除ロッドが突出すると、ロックモジュールのロックを解除することができる、
装置。
【請求項11】
請求項9に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記バッテリ着脱機構は、走行モジュールを含み、前記走行モジュールは、前記バッテリ着脱機構を携帯してAGVのバッテリモジュールの下方まで水平移動させることに用いられる、
装置。
【請求項12】
請求項11に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記バッテリ着脱機構は、2つの前記走行モジュールを含み、2つの前記走行モジュールは相対的に移動し、各前記走行モジュールは、それぞれ前記バッテリ着脱機構の一部を携帯して水平移動させる、
装置。
【請求項13】
請求項9に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記リフトフレームは、AGVを搭載するための支持台を含み、前記支持台には、AGVのバッテリモジュールが鉛直方向に沿って通過するための回避エリアが設けられており、前記回避エリアは、前記支持台の一方側まで伸びて開口を形成する、
装置。
【請求項14】
請求項13に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記リフトフレームは、さらに、サブフレームリフト機構と、支持フレームとを含み、
前記支持フレームは、本体部と、延在部とを含み、前記本体部は、前記支持台に固定接続されており、前記延在部は、前記本体部から前記支持台の一方側まで伸びており、前記サブフレーム押上機構は、前記延在部に固定されて前記開口に対向されており、前記サブフレーム押上機構は、前記開口へ張り出してAGVを持ち上げることができる、
装置。
【請求項15】
請求項9~14のいずれか1項に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記リフトフレームは、前記リフトフレームに位置決められたAGVに電力を供給するプリチャージ機構をさらに含む、
装置。
【請求項16】
請求項9~14のいずれか1項に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記リフトフレームは、前記AGVの位置を位置決めする位置決め機構をさらに含み、
前記位置決め機構は、第1位置決めモジュールと、第2位置決めモジュールとを含み、
前記第1位置決めモジュールは、AGVの車輪を位置決めすることでAGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置に対して位置決めすることを実現するためのものであり、
前記第2位置決めモジュールは、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めするためのものである
装置。
【請求項17】
請求項9~14のいずれか1項に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
前記バッテリ交換装置は、フレームをさらに含み、前記リフトフレーム昇降機構と前記バッテリ着脱機構とは、いずれも前記フレームに集積されており、前記リフトフレームは、前記フレームで囲まれた空間にある、
装置。
【請求項18】
請求項17に記載のAGVのバッテリ交換装置であって、
誘導スロープをさらに含み、前記誘導スロープは、前記フレームの前方に設置されており、AGVを前記リフトフレームに誘導することに用いられる、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年09月06日に中国特許局に提出した、出願番号は201910844634.8であり、発明名称は「AGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置」である中国特許出願に基いて優先権を主張し、それらの内容の全ては、援用により本願に組み込まれる。
【0002】
本公開は、物流搬送の技術分野に関し、特にAGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置に関する。
【背景技術】
【0003】
社会の発展に伴い、物流システムの自動化・知能化が進んでいる。従来の物流仕分け及び搬送の作業では、多数のAGV(AutomatedGuidedVehicleの略称で、「無人搬送車」を意味する)が使われている。AGVは、所定の誘導経路に従って走行し、安全保護及び各種移載機能を有する搬送車である。
【0004】
AGVは、通常、自体に搭載されているバッテリによって電力が供給され、バッテリの電力が不足しそうになると、直ちに補充する必要があるため、システムにおいて、AGVに自動的に電力を供給するデバイスを配備する必要がある。
【0005】
関連技術では、一般に、自動充電装置を用いて、AGVのバッテリの充電を行う。しかしながら、このような自動充電装置は、AGVへの充電の際に、バッテリが満充電になるまで、AGV全体を充電装置内に保持する必要がある。充電中に、AGVが動作できないため、多くの時間を無駄にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本公開の実施例は、上記の課題を解決するように、AGVのバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本公開の実施例は、以下の技術案が採用される。
【0008】
第1の態様では、本公開実施例は、
バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップと、
AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップと、
古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱するステップと、
古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップと、
新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップと、を含む
AGVのバッテリ交換方法を提供する。
【0009】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップにおいて、バッテリ着脱機構とドッキングするまで、AGV全体を下方に移動させ、
及び/又は、
前記古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップにおいて、古いバッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱するまで、AGVを上方に移動させ、
及び/又は、
前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置するステップにおいて、新しいバッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリア内に位置されるまで、AGV全体を下方に移動させること、を含む。
【0010】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップにおいて、AGVを初期位置から上方に持ち上げ、バッテリ着脱機構をAGVの下方まで水平移動させ、
及び/又は、
前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップの後は、さらに、
新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から離脱させることと、
バッテリ着脱機構をAGVの下方から水平に移動させ、AGVを初期位置まで下降させることとを含む。
【0011】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップと、前記古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させるステップと、前記古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップと、前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップとを実行する過程において、AGVは、常にプリチャージ状態である。
【0012】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除するステップの前に、AGVをプリチャージ線路に接続することと、
新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップの後に、AGVをプリチャージ線路から切断することと、を含む。
【0013】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップは、
当接台に再びバッテリモジュールがあるか否かを検出し、当接台に再びバッテリモジュールがあることを検出した場合、前記新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立するステップを実行すること、を含む。
【0014】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングするステップは、さらに、
古いバッテリモジュールの水平位置を位置決めするステップを含む。
【0015】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記古いバッテリモジュールの水平位置を位置決めするステップは、具体的に、
AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行うステップと、
AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うステップと、を含む。
【0016】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行うステップは、具体的に、バッテリモジュールが鉛直方向に沿ってその下方に位置するバッテリ着脱機構の当接台の当接面に対して相対的に移動して接近する過程において、粗位置決めピンを下方からバッテリモジュールの粗位置決め穴に挿入し、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行い、かつ、バッテリモジュールが水平方向の粗位置決めを完成した時に当接面に当接することを含む。
前記AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うステップは、具体的に、精密位置決めピンを当接面の下方から当接面に突出する方向に移動して、バッテリモジュールの精密位置決め穴に挿入し、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うことを含む。
前記精密位置決めピンと精密位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅は、前記粗位置決めピンと粗位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅より小さい。
【0017】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
バッテリモジュールが鉛直方向に沿ってその下方に位置するバッテリ着脱機構の当接台の当接面に対して相対的に移動して接近する過程において、バッテリモジュールは、当接台を下方に押圧して当接台に接続された弾性バッファ支持モジュールを弾性変形させ、当接台が所定の位置に押圧されたことを検出したと、バッテリモジュールと当接ステーとの相対移動を停止する。
【0018】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置するステップは、AGVの水平位置を位置決めするステップを含む。
【0019】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVの水平位置を位置決めするステップは、具体的に、
AGVの車輪を位置決めすることで、AGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置を位置決めすることを実現するステップと、
AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めし、かつ、AGVが第2水平方向に沿って位置決めする過程において、AGVの第1水平方向における位置が変化しないことを常に保持するステップと、を含む。
【0020】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
車輪AGVの車輪を位置決めすることで、AGV車輪軸線に垂直な第1水平方向の位置を位置決めすることを実現するステップは、具体的に、
AGVの車輪が第2水平方向に沿って、第2水平方向に伸びる1つの位置決め溝に転がって、重力によって車輪を位置決め溝に嵌め込ませることで、AGVの第1水平方向における位置を位置決めするステップを含む。
【0021】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めし、かつ、AGVが第2水平方向に沿って位置決めする過程において、AGVの第1水平方向における位置が変化しないことを常に保持するステップは、
AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを検出したと、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置に対する位置決めを開始するステップを含む。
【0022】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換方法では、
前記AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを検出したステップにおいて、AGVの第1水平方向における位置に対する位置決めが完成したことを判定する方法は、具体的に、
位置決め溝にAGVの車輪があることを検出したことを含む。
【0023】
第2の態様では、本公開実施例は、AGVのバッテリ交換装置を提供する。
前記装置は、リフトフレームと、リフトフレーム昇降機構と、バッテリ着脱機構とを備え、
前記リフトフレームは、AGVを搭載することに用いられ、
前記リフトフレーム昇降機構は、前記リフトフレームを昇降させることに用いられ、
前記バッテリ着脱機構は、前記AGVの下方に位置する時に、バッテリモジュールとドッキングして、バッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除又は確立することに用いられる。
【0024】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記バッテリ着脱機構は、ロック解除モジュールを備え、
前記ロック解除モジュールは、ロック解除動力手段と、AGVのバッテリモジュールにおけるロックモジュールの位置に対応するロック解除ロッドとを含み、前記ロック解除ロッドは、前記ロック解除動力手段の駆動によって突出し又は引っ込め、かつ、前記ロック解除ロッドが突出すると、ロックモジュールのロックを解除することができる。
【0025】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記バッテリ着脱機構は、走行モジュールを含み、前記走行モジュールは、前記バッテリ着脱機構を携帯してAGVのバッテリモジュールの下方まで水平移動させることに用いられる。
【0026】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記バッテリ着脱機構は、2つの前記走行モジュールを含み、2つの前記走行モジュールは相対的に移動し、各前記走行モジュールは、それぞれ前記バッテリ着脱機構の一部を携帯して水平移動させる。
【0027】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記リフトフレームは、AGVを搭載するための支持台を含み、前記支持台には、AGVのバッテリモジュールが鉛直方向に沿って通過するための回避エリアが設けられており、前記回避エリアは、前記支持台の一方側まで伸びて開口を形成する。
【0028】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記リフトフレームは、さらに、サブフレームリフト機構と、支持フレームとを含み、
前記支持フレームは、本体部と、延在部とを含み、前記本体部は、前記支持台に固定接続されており、前記延在部は、前記本体部から前記支持台の一方側まで伸びており、前記サブフレーム押上機構は、前記延在部に固定されて前記開口に対向されており、前記サブフレーム押上機構は、前記開口へ張り出してAGVを持ち上げることができる。
【0029】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記リフトフレームは、前記リフトフレームに位置決められたAGVに電力を供給するプリチャージ機構、をさらに含む。
【0030】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記リフトフレームは、前記AGVの位置を位置決めする位置決め機構をさらに含み、
前記位置決め機構は、第1位置決めモジュールと、第2位置決めモジュールとを含み、
前記第1位置決めモジュールは、AGVの車輪を位置決めすることでAGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置に対して位置決めすることを実現するためのものであり、
前記第2位置決めモジュールは、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めするためのものである。
【0031】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
前記バッテリ交換装置は、フレームをさらに含み、前記リフトフレーム昇降機構と前記バッテリ着脱機構とは、いずれも前記フレームに一体化されており、前記リフトフレームは、前記フレームで囲まれた空間にある。
【0032】
ある実施例において、上述したAGVのバッテリ交換装置では、
誘導スロープをさらに含み、前記誘導スロープは、前記フレームの前方に配置されており、AGVを前記リフトフレームに誘導することに用いられる。
【0033】
本公開実施例に係る上述した少なくとも1つの技術案を用いて、以下の有利な効果を得ることができる。
【0034】
本公開実施例に開示されたAGVに適用されるバッテリ交換方法及びバッテリ交換装置は、AGVのバッテリモジュールを迅速に交換でき、AGVの電力補充による無駄な時間を削減できる。
【0035】
ここで説明される図面は、本開示をさらに理解するためのものであり、本開示の一部を構成することを意図する。本開示における例示的な実施例及びその説明は、本開示を説明するためのものであり、本開示を制限するものではない。図面には、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本開示の実施例におけるバッテリ交換ステーションの全体構成図である。
図2】本開示の実施例におけるバッテリ交換装置の構成の斜視図である。
図3】本開示の実施例におけるバッテリ交換装置の構成の正面図である。
図4】本開示の実施例におけるAGVの具体的構成図である。
図5】本開示の実施例におけるバッテリモジュールの具体的構成図である。
図6】本開示の実施例におけるバッテリモジュールの底部構成図である。
図7】本開示の実施例におけるロックとロックモジュール及びロック解除ロッドとの嵌め合いの断面図である。
図8】本開示の実施例におけるリフトフレームとメインフレーム及びサブフレームとの嵌め合いの構成図である。
図9】本開示の実施例におけるリフトフレームの具体的構成図である。
図10】本開示の実施例における支持台及び位置決め機構の構成の上視図である。
図11】本開示の実施例における第1位置決めモジュールの具体的構成図である。
図12】本開示の実施例における第2位置決めモジュールの具体的構成図である。
図13】本開示の実施例におけるバッテリ着脱機構及びスロープの具体的構成図である。
図14】本開示の実施例におけるバッテリ着脱機構の具体的構成図である。
図15】本開示の実施例におけるバッテリ収容システムの具体的構成図である。
図16】本開示の実施例におけるバッテリピックアンドプレイス装置の具体的構成図である。
図17】本開示の実施例におけるバッテリピックアンドプレイス装置の構成の上視図である。
図18】本開示の実施例における充電装置の具体的構成図である。
図19】本開示の実施例における充電スタンドの具体的構成図である。
図20】本開示の実施例における消防装置の具体的構成図である。
図21】本開示の実施例におけるバッテリモジュール載置機構及びセンサーの具体的構成図である。
図22】本開示の実施例におけるAGVのバッテリ交換方法のフローチャートである。
図23】本開示の実施例におけるAGVのバッテリ取外し方法のフローチャートである。
図24】本開示の実施例におけるAGVの位置決め方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本開示の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、対応する図面を参照しながら本開示の具体的な実施例を挙げることで、本開示の技術案をさらに詳細に説明する。無論、説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な働きをせずに得られるすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0038】
以下、図面を参照して、本開示における各実施例に係る技術案について、詳細的に説明する。
【0039】
本開示の実施例は、AGVに適用されるバッテリ交換ステーションを提供する。図1は、本開示のバッテリ交換ステーションが適用できる二輪駆動のAGVの構造を示す。本開示の実施例では、当該AGVを例として説明する。なお、本開示に記載されるAGV9は、図4に示す二輪駆動のAGVに限定されず、四輪駆動又はバイオニック歩行のAGVでもよい。このAGV9が自動ナビゲーションで走行及び停止でき、且つ該AGV9の下側からバッテリモジュール93を取外し及び取付けることができればよい。図4に示すAGV9は、メインフレーム90とサブフレーム91を含む。図4に示す実施例において、メインフレーム90とサブフレーム91がAGV9の進行方向に沿って前後に設置されるが、サブフレーム91は、鉛直方向に沿ってAGV9のメインフレーム90と固定的に接続され、外部に接続可能な構成として設置されてもよく、メインフレーム90及びサブフレーム91に外力を与えることによってAGV9の本体の姿勢を変更できればよい。
【0040】
本開示におけるバッテリモジュール93は、サブフレーム91に取り付けられ、充電式ニッケル水素バッテリでもよいし、リチウムバッテリでもよいし、非充電式バッテリでもよい。また、バッテリモジュール93は、図4に示す形状に限定されず、本開示におけるバッテリ交換ステーションに合わせて、AGV9のサブフレームの下側から取り外し及び取り付けを行うことができればよい。勿論、他のいくつかの実施例において、バッテリモジュール93はメインフレーム90に取り付けられる場合もある。本実施例では、サブフレーム91に取り付けられることを例として、バッテリ交換ステーションに関連する構成を説明する。本開示の他のいくつかの実施例において、バッテリモジュール93は、メインフレーム90又は他の箇所に取り付けられてもよい。
【0041】
本実施例におけるバッテリ交換ステーションは、図1に示すように、バッテリ交換装置1とバッテリ収容システム2を含む。図1に示す実施例において、バッテリ交換装置1とバッテリ収容システム2とを組み合わせて使用するが、具体的な実施時に、バッテリ交換装置1とバッテリ収容システム2は、それぞれ独立して使用されることもできる。
【0042】
まず、以下には、バッテリ交換装置1について詳細的に説明する。
【0043】
本実施例におけるバッテリ交換装置1は、バッテリモジュール93をAGV9から取外し及び取付けるためのものである。
【0044】
本実施例において、AGV9の下側からバッテリを交換するために、バッテリ交換装置1は、リフトフレーム10と、リフトフレーム昇降機構11と、バッテリ着脱機構12とを含む。具体的な使用時に、リフトフレーム10とリフトフレーム昇降機構11は、図3に示すように互いに接続されてよい。リフトフレーム昇降機構11は、リフトフレーム10をその内部に上昇及び降下させるように、フレーム式の昇降機構として設置されてよい。
【0045】
リフトフレーム10と、リフトフレーム昇降機構11と、バッテリ着脱機構12との協働により、バッテリ着脱機構12をAGV9の下方に配置して、または、バッテリ着脱機構12をAGV9の下方から取り出すことができる。バッテリ着脱機構12は、AGV9における古いバッテリモジュールとドッキングし、古いバッテリモジュールとAGV9との接続関係を解除して、古いバッテリモジュールをAGV9のバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させると共に、新しいバッテリモジュールをAGV9に対して相対的に移動させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGV9との接続関係を確立することにより、バッテリモジュール93への着脱を実現することができる。
【0046】
リフトフレーム10は支持台100を含む。AGV9が支持台100の上に走行した後、リフトフレーム昇降機構11は、リフトフレーム10を持ち上げ、更にAGV9を上昇させる。バッテリ着脱機構12は、リフトフレーム10が持ち上げられた後に、リフトフレーム10の下方に位置している。そのため、リフトフレーム昇降機構11は、AGV9の底部とバッテリ着脱機構12との垂直間隔を調整し、さらに、底部からバッテリモジュール93を着脱することができる。リフトフレーム昇降機構11は、リフトフレーム10を支持するジャッキ等の構成として設置されてもよく、必要に応じてリフトフレーム10を上昇及び降下できればよい。通常、リフトフレーム10の支持台100が地面に密着できないので、AGV9が支持台100に走行するのを容易にするように、リフトフレーム10の前にスロープ13を設置してもよい。
【0047】
以下、リフトフレーム10における各部分をそれぞれ説明する。図9図10に示すように、リフトフレーム10は、第1位置決めモジュール1010と、第2位置決めモジュール1011と、サブフレーム押下機構102と、サブフレーム押上機構103と、メインフレーム押下機構104となどを含む。実際的に応用されると、リフトフレーム10の各部分は、独立して使用されてもよく、様々なプロセス要求に応じて、任意的に組み合わせて使用されてもよい。本実施例における上記の全部または一部を使用する技術案に限定されず、バッテリモジュール93をAGV9から順調に取外せればよい。リフトフレーム10における各部分はそれぞれ異なる機能を有するとともに、いくつかの部分を組み合わせて使用する場合、他の付加機能も有する可能性がある。以下、リフトフレーム10の各部分をそれぞれ説明する。
【0048】
まず、バッテリモジュール93を取外しまたは取付ける時、各装置の嵌め合い精度が極めて重要である。嵌め合い精度が低すぎると、各装置の相対位置に大きなずれが発生することで、装置が設定動作を完了できなくなる。
【0049】
本実施例では、バッテリ着脱機構12がバッテリモジュール93を順調に着脱することを容易いするために、リフトフレーム10は位置決め機構101を含む。位置決め機構101は、AGV9とリフトフレーム10とを位置決めし、主にAGV9と支持台100との相対姿勢及び相対位置をすることができる。具体的には、AGV9が支持台100上に直接に駐車できるので、AGV9と支持台100との鉛直方向の位置を考慮しなくてもよい。図9に示すように、位置決め機構101は、通常、水平面内のAGV9の駐車位置のみを考慮する必要がある。位置決め機構101は、AGV9の車輪軸線に垂直な第1水平方向aの位置と、車輪軸線に沿う第2水平方向bの位置とを位置決めすることによって、AGV9の位置決めを実現する。
【0050】
AGV9の車輪軸線に垂直な第1水平方向aの位置を位置決めするために、図9に示すように、位置決め機構101は、AGV9の車輪を位置決めすることによって、AGV9の車輪軸線に垂直な第1水平方向aの位置を位置決めすることを実現するための第1位置決めモジュール1010を含む。AGV9の車輪軸線に沿う第2水平方向bの位置を位置決めするために、位置決め機構101は、AGV9の車輪軸線に沿う第2水平方向bの位置を位置決めするための第2位置決めモジュール1011を含む。このように、第1位置決めモジュール1010と第2位置決めモジュール1011の位置決め機能により、AGV9の水平方向の位置を固定でき、これによりバッテリ着脱機構12のバッテリモジュール93への位置決めおよび着脱が容易になる。
【0051】
具体的には、本実施例において、図10図11に示すように、第1位置決めモジュール1010は、位置決めスライダー1010aとガイドレール1010bを含む。AGV9の第1水平方向aに沿った位置を位置決めするために、位置決めスライダー1010aには第2水平方向bに沿って延びる位置決め溝1010cが設置される。位置決め溝1010cは、図11に示すように、V字形に設置されてもよい。このように、AGV9の車輪がV字形の位置決め溝1010c内に自動的に引っ掛かる。勿論、位置決め溝1010cは、AGV9の車輪を好適に収容できる長方形、逆台形、半円形または他の形状に設置されてもよい。AGV9の車輪が位置決め溝1010cを通過すると、位置決め溝1010cに沈下して固定されればよい。このように、AGV9の車輪を位置決めすることにより、AGV9の第1水平方向aの位置決めを実現できる。
【0052】
支持台100の上面に、支持面1000が設置される。支持面1000は、図10に示すように、完全の平面として設置されてもよく、格子状の表面として設置されてもよく、AGV9を支持してAGV9を走行させることができればよい。AGV9の車輪が位置決め溝1010cに円滑に沈下させて位置決めされるように、本実施例では、支持面1000には、支持面1000から下方に窪む収容空間1000aが設けられる。収容空間1000aは、第1位置決めモジュール1010を収納することができるため、第1位置決めモジュール1010の大部の構成が支持面1000に対して下方に位置するようにする。このように、位置決め溝1010cは支持面1000とほぼ平行であり、AGV9の車輪は、支持面1000から位置決めスライダー1010aの位置決め溝1010c内に容易に走行できる。
【0053】
位置決めスライダー1010aには、さらに、ガイド斜面1010dが設けられる。図11に示すように、ガイド斜面1010dの一方側は支持面1000と同じ高さであり、ガイド斜面1010dの他方側は位置決め溝1010cの一方側と同じ高さであり、すなわち、位置決め溝1010cの一方側と隣接する。このように、AGV9の車輪は、支持面1000から、ガイド斜面1010dによって、位置決め溝1010c内に容易に案内される。
【0054】
位置決め機構101は、AGV9を第1水平方向a及び第2水平方向bの両方に位置決めする必要があるので、AGV9が第1位置決めモジュール1010により第1水平方向aの位置に位置決めされた後、第2位置決めモジュール1011により第2水平方向bに位置決めされる場合には、AGV9の当該方向の位置を調整する必要がある。AGV9の位置を調整すると、車輪も当該方向に沿って移動する。
【0055】
AGV9が第2水平方向bの位置に位置決めされる時に、第1水平方向aの位置を保持することを保証するとともに、AGV9が第2水平方向bに沿って移動する難しさを低減するために、図10及び図11に示すように、本実施例では、位置決め溝1010c及びガイドレール1010bがいずれも第2水平方向bに沿って延在し、位置決めスライダー1010aをガイドレールに摺動嵌合させることで、位置決めスライダー1010aを第2水平方向bに摺動可能にする。このように、AGV9が第2水平方向bに移動する時、位置決めスライダー1010aは、ガイドレール1010bによる案内により、AGV9と共に第2水平方向bに沿って移動できる。AGV9をより容易に第2水平方向bに沿って移動させることができるとともに、AGV9の第1水平方向aの位置が変化しないことを確保することもできる。
【0056】
第1位置決めモジュール1010は、さらにリセット弾性部材1010eを含む。リセット弾性部材1010eは、位置決めスライダー1010aに接続される。位置決めスライダー1010aをリセット位置に安定的に保持させるように、リセット弾性部材1010eを調整する。位置決めスライダー1010aがリセット位置にあると、リセット弾性部材1010eが受けた力がバランス状態になる。位置決めスライダー1010aが、第2水平方向に沿って、リセット位置から他の位置に摺動すると、リセット弾性部材1010eは圧縮、引張又は他の弾性変形を受けて弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する。一方、外力がなくなると、リセット弾性部材1010eの弾性ポテンシャルエネルギーが解放され、位置決めスライダー1010aを第2水平方向bに沿って自動的にリセット位置に復帰させることができる。1台目のAGV9がリフトフレーム10から離れると、位置決めスライダー1010aは、次のAGV9を迎えて位置決めすることを準備するように、自動的に初期位置に復帰することができる。リセット弾性部材1010eは、バネ、弾片、高弾性のゴムバンド等であってもよく、弾性を有し、且つ位置決めスライダー1010aをリセット位置に弾性的に押すことができればよい。本実施例では、図10に示すように、リセット位置は、通常、収容空間1000aの中央部に設けられるので、、位置決めスライダー1010aが、収容空間1000aの両側から移動するための一定の隙間を離れる。位置決めスライダー1010aの両側には、位置決めスライダー1010aの移動をより安定させるために、リセット弾性部材1010eを1つずつ設けてもよい。
【0057】
第1位置決めモジュール1010は、さらに、車輪検出センサー1010fを含む。車輪検出センサー1010fは位置決めスライダー1010aに設けられてもよく、位置決め溝1010c内にAGVの車輪が存在するか否かを検出することに用いられる。車輪検出センサー1010fは、図11に示すように、位置決めスライダー1010aの上側の面に嵌め込んでもよく、位置決めスライダー1010aの一方側に突設されてもよい。車輪検出センサー1010fは、光電センサーとして設置されてもよく、圧力センサー等として設置されてもよい。AGV9の車輪が位置決め溝1010cに到達するか否かを検知できればよい。ここでは贅言しない。
【0058】
上記のような設置によって、AGV9は、支持台100に自動的に走行し、2つの車輪を第1位置決めモジュール1010における位置決めスライダー1010a上に進入させて、AGV9の車輪及びAGV9の第1水平方向aの位置を自動的に位置決めすることができる。このとき、車輪検出センサー1010fは、車輪を同期に検出して、中央処理装置等の中央制御機構に、AGV9がバッテリ交換装置1に到達したことを通知する。中央処理装置は、第2位置決めモジュール1011に指令を発して、AGV9の第2水平方向bの位置に対する位置決めを継続する。
【0059】
本実施例において、第2位置決めモジュール1011によって、AGV9の第2水平方向bの位置を位置決めする。第2位置決めモジュール1011は、水平押しアセンブリ1011aを含む。水平押しアセンブリ1011aは、第2水平方向bに沿って支持台100の両側に対称に設けられ、AGV9を第2水平方向bに沿って押すようにAGV9の第2水平方向bの位置を位置決めする。
【0060】
本実施例では、第2位置決めモジュール1011は、AGV9の車輪軸線に沿う第2水平方向bの位置を位置決めするためのものであり、且つAGV9が第2水平方向bに沿って位置決めされる間に、常にAGV9の第1水平方向aの位置が変化しないように保持する。図9及び図12に示すように、AGV9の第1水平方向aの位置が第1位置決めモジュール1010により位置決めされた後、第2位置決めモジュール1011は動作を開始する。水平押しアセンブリ1011aは、第2水平方向bに沿って突出して、AGV9の側面に当接する。上方から見ると、水平押しアセンブリ1011aがAGV9を挟むことに相当する。このようにして、AGV9は、水平押しアセンブリ1011aの移動に伴って移動でき、さらに第2水平方向bの位置決めが実現される。
【0061】
図12に示すように、本実施例では、水平押しアセンブリ1011aは、固定ブラケット1011a1と、移動ブラケット1011a2と、水平押し動力手段1011a3と、押しガイド手段1011a4とを含む。
【0062】
固定ブラケット1011a1は、支持台100に固定され、水平押しアセンブリ1011aの他の機構を固定して支持するためのものである。図12に示す実施例において、固定ブラケット1011a1は、板状に設けられるが、上方に突出する支持ピンとして設けられてもよく、固定及び支持の機能を有すればよい。固定ブラケット1011a1と移動ブラケット1011a2は、押しガイド手段1011a4により接続される。図12に示す実施例において、押しガイド手段1011a4は、ガイドレールとして設けられてもよく、ガイドバーまたはガイドピンとして設けられてもよく、移動ブラケット1011a2を第2水平方向bに沿って案内すればよい。水平押し動力手段1011a3は、図12に示すように、油圧ロッドとして設けられてもよく、ロボットアーム、サーボモータ等として設けられてもよく、移動ブラケット1011a2を第2水平方向bに沿って押して、AGV9を位置決め位置まで押すことができればよい。移動ブラケット1011a2は第2水平方向bに沿って移動するため、一対の移動ブラケット1011a2が突出して同時にAGV9を押すと、AGV9の両側に均一な力を受けることが実現でき、受けた力の不均一によるAGV9のねじれを避けることができる。
【0063】
移動ブラケット1011a2によるクリップ中にAGV9の外面を傷つけることを避けるために、移動ブラケット1011a2には、可撓性クリップブロック1011a5が設けられる。可撓性クリップブロック1011a5は、図12に示すように、移動ブラケット1011a2のAGV9に向ける面から突出する小さなブロックとして設けられてもよく、移動ブラケット1011a2のAGV9に向ける面を覆うように設けられてもよく、移動ブラケット1011a2が可撓性クリップブロック1011a5によりAGV9を押す際に、移動ブラケット1011a2とAGV9との間の応力を軽減すればよい。
【0064】
本実施例において、第2位置決めモジュール1011の位置決めデータは、第2水平方向bにおけるAGV9と支持台100との相対位置を観察できるカメラまたは他のタイプの識別装置により提供される。本実施例では、図10に示すように、支持台100に基準標識1012を設けてもよい。基準標識1012は、支持台100におけるの1つの十字線標識、QRコード(登録商標)等の形態で設けられ、AGV9における識別装置によって識別されることができる。AGV9が基準標識1012を識別すると、第2水平方向bにおける現在のAGV9と基準標識1012との位置差を算出し、中央処理装置等の中央制御装置に通知する。その後、中央制御装置は、第2位置決めモジュール1011を制御して、AGV9を押して、AGV9を基準標識1012に対面する位置まで移動させ、AGV9の本体の水平方向の位置決めを完成する。
【0065】
AGV9の本体の位置決めが完了した後、次のバッテリモジュール93の取外しまたは取付けを準備するために、AGV9を固定する必要もある。
【0066】
図4に示すAGV9では、メインフレーム90とサブフレーム91とが固定的に接続されてもよく、ヒンジにより可動接続されてもよい。メインフレーム90とサブフレーム91とがヒンジにより可動接続される構成を用いる場合、メインフレーム90とサブフレーム91とが相対的に回転して角度を変えるので、位置決め精度に悪い影響を与える可能性がある一方、バッテリモジュールの取付けまたは取外しの過程において、AGV9の構成が力によって変化され、作業の難しさを増す可能性がある。
【0067】
バッテリモジュール93がサブフレーム91に設けられるので、上記問題を避けるために、本実施例におけるリフトフレーム10は、さらに、図12に示すサブフレーム押下機構102と、図9に示すサブフレーム押上機構103とを含む。この時、支持台100、サブフレーム押下機構102及びサブフレーム押上機構103は、AGV9のサブフレーム固定アセンブリを構成する。ここで、サブフレーム押下機構102は、AGV9のサブフレーム91を下方に押圧するためのものであり、サブフレーム押上機構103は、AGV9のサブフレーム91を上方に押し上げるためのものである。鉛直方向における反対の両側に同時にサブフレーム91を付勢することによって、少なくともAGVのサブフレーム91を強固に固定する。
【0068】
本実施例では、図12に示すように、サブフレーム押下機構102が1つの水平押しアセンブリに設けられてもよい。なお、いくつかの実施例において、ここでいう水平押しアセンブリは、第2位置決めモジュール1011における水平押しアセンブリ1011aと異なるほかの独立した水平押し構成であってもよい。また、これらの実施例では、位置決め機構101を含んでもよく、位置決め機構101を含まなくてもよい。または、位置決め機構101を含む実施例では、位置決め機構101は、第2位置決めモジュール1011を含んでもよく、第2位置決めモジュール1011を含まなくてもよい。または、第2位置決めモジュール1011を含む実施例では、第2位置決めモジュール1011は、水平押しアセンブリ1011aを含んでもよく、水平押しアセンブリ1011aを含まなくてもよい。
【0069】
リフトフレーム10が第2位置決めモジュールに属する水平押しアセンブリ1011aを備える場合、構成を簡略化するために、サブフレーム押下機構102は水平押しアセンブリ1011aに設けられてもよい。独立した水平押しアセンブリである場合でも、第2位置決めモジュールに属する水平押しアセンブリ1011aである場合でも、サブフレーム押下機構102の位置はAGV9のサブフレーム91に対応する必要がある。本実施例におけるサブフレーム押下機構102の具体的な位置は、AGV9の構成及び受圧面の位置に従って設計することができる。異なるAGV9について、サブフレーム押下機構102は異なる位置に設置され得る。しかし、サブフレーム押下機構102がどこに設置されても、水平押しアセンブリ1011aが第2水平方向bにそってAGV9を押す時、サブフレーム押下機構102を携帯して、サブフレーム91のある受圧面の上方に移動させることが保証すべきである。その後、サブフレーム押下機構102は、当該受圧面を下方に押圧することができる。
【0070】
勿論、サブフレーム押下機構102は、サブフレーム91の受圧面の上方に移動させることができる他の構成に設けられてもよい。
【0071】
サブフレーム91が押下力を均一に受け、受けた力の不均一を避けるために、サブフレーム押下機構102は、第2水平方向bに沿って水平押しアセンブリ1011aに対称に設けられる。
【0072】
AGV9をさらに固定するために、本実施例では、リフトフレーム10はメインフレーム押下機構104も含む。図9及び図10に示すように、メインフレーム押下機構104と前記サブフレーム押下機構102とは、第1水平方向aに沿って水平押しアセンブリ1011aに配列される。メインフレーム押下機構104は、AGV9のメインフレーム90を下方に押圧できるため、メインフレーム90とサブフレーム91を同時に押下することができ、受けた力の不均一によるAGV9の姿勢の不安定を避けることができる。
【0073】
本実施例において、安定的に押下することを実現するために、図12に示すように、サブフレーム押下機構102は、押下動力手段1020と、押下部材1021とを含む。押下部材1021は押下動力手段1020に接続され、押下部材1021は前記第2水平方向に沿って延びる。図12に示すように、押下部材1021は第2方向に伸びるピンとして設置される。それに対応して、AGV9には、受圧面を有するピン穴92が設けられる。押下部材1021は第2方向に沿って延びる凸条として設置されてもよい。その場合、それに対応して、AGV9に、受圧面を有する溝を設置すればよい。押下部材1021は、水平押しアセンブリ1011aによって、AGV9の受圧面の上方に移動され、すなわち、ピンがピン穴92に挿入される。このとき、押下動力手段1020が押下部材1021を押して、下方に移動させると、押下部材1021は受圧面を下方に押圧し、さらに、AGV9に下向きの押圧力を加える。同様に、メインフレーム押下機構104は、押下動力手段1040と押下部材1041を含む。その構成および動作原理はサブフレーム押下機構102と同様であるから、ここでは贅言しない。
【0074】
本実施例では、サブフレーム押上機構103は、単独で、又は支持台100とともに、AGV9に対して上向きの押上力を提供する。特に、いくつかの実施例では、バッテリモジュール93がAGV9から下方に円滑に取外すために、支持台100には、バッテリモジュール93が鉛直方向に沿って通過するための回避エリア1001が設けられる。回避エリア1001は、支持台100上の閉鎖的な中空領域であってもよく、支持台100の一方側に延びて開口1002を形成する切欠であってもよい。図10に示す回避エリア1001の形状は、図18に示すバッテリモジュール93の鉛直方向の投影とほぼ一致してもよく、一致しなくてもよく、バッテリモジュール93が鉛直方向に沿って通過できればよい。
【0075】
この回避エリア1001の存在によって、サブフレーム91が支持台100により押上されない可能性があるため、この場合、サブフレーム押上機構103を設置することでサブフレーム91を独立で押上することがより重要である。
【0076】
サブフレーム押上機構103を固定するために、リフトフレーム10は支持フレーム105を含む。支持フレーム105は支持台100に固定的に接続される。また、支持フレーム105は、サブフレーム押上機構103を固定するためにも用いられる。支持フレーム105は、本体部1050と延在部1051とを含む。図8に示すように、本体部1050は支持台100に固定的に接続される。延在部1051は、本体部1050から支持台100の一方側まで延在する。サブフレーム押上機構103は、延在部1051に固定されてもよい。これにより、より大きな設置空間と、より良い押上位置が得られる。
【0077】
回避エリア1001が開口1002を備える場合、サブフレーム押上機構103は開口1002に対向してもよい。サブフレーム押上機構103は、AGV9が支持台100上の所定の位置にあるときに、開口1002へ張り出して、サブフレーム91を持ち上げることができる。
【0078】
図9に示すように、サブフレーム押上機構103は、押上部材1030と押上動力手段1031とを含む。押上動力手段1031は延在部1051に固定的に接続される。押上部材1030は、押上動力手段1031の駆動により、サブフレーム91の下方に移動する。サブフレーム91を持ち上げる必要があると、押上部材1030は、上方に移動して、サブフレーム91を押し上げることができる。図9に示す実施例では、押上部材1030は、押し上げ面を有し且つサブフレーム91の底面に符合するように設けられてもよく、突出した先端当接部を備え且つ当接するようにサブフレーム91を持ち上げるように設けられる。
【0079】
上記の支持台100と、位置決め機構101と、サブフレーム押下機構102と、サブフレーム押上機構103と、メインフレーム押下機構104との協働により、AGV9の位置決め及び固定を実現できる。
【0080】
AGV9は、バッテリモジュール93の交換中に、一定期間内にバッテリモジュール93がない状態になるため、この時、AGV9は完全に電源が切れる可能性がある。しかし、このような状況は、AGV9の後続制御に支障をきたす可能性がある。そのため、AGV9を常にオン状態に保つために、図9に示すように、本実施例のリフトフレーム10は、プリチャージ機構106をさらに備えてもよい。AGV9が所定の位置に位置決めされた後、プリチャージ機構106は、AGV9に設けられたプリチャージ協動装置と協動して、AGV9をプリチャージする。プリチャージ機構106は、プリチャージ協動装置と電気的に接続するためのプリチャージ電気接続部材1060を含んでもよい。プリチャージ電気接続部材1060は、プリチャージ協動装置と互いに協動できる充電コイルであってもよく、プリチャージ協動装置と互いに電気的に接続できるプラグ、または電気的に接続して充電できる他の構成であってもよい。ここで、贅言しない。その以外に、プリチャージ機構106は、さらに、シリンダ、回動フレーム、または他の形態のプリチャージ動力手段1061を含む。プリチャージ動力手段1061は、延在部1051またはリフトフレーム10の他の部材に固定されてもよい。プリチャージ電気接続部材1060はプリチャージ動力手段1061により駆動される。AGV9が所定の位置に位置決めされると、そのプリチャージ協動装置は、ちょうどプリチャージ電気接続部材1060の移動経路内にある。AGVをプリチャージする必要がある場合、プリチャージ動力手段1061は、プリチャージ電気接続部材1060を駆動して移動させ、プリチャージ協動装置と電気的に接続される。プリチャージ状態を解除する必要がある場合、プリチャージ動力手段1061を逆駆動するだけで、プリチャージ電気接続部材1060をプリチャージ協動装置との電気的接続から切り離すことができる。この技術案を用いる場合、AGV9がバッテリモジュール93の交換中に電源が切れることを避けることができ、AGV9を常にオン状態に保つことができる。
【0081】
AGV9がリフトフレーム10での位置決め及び固定を完了した後、中央処理装置によりリフトフレーム10を制御して、AGV9を携帯して昇降させることで、バッテリ着脱機構12に対するAGV9の相対位置を調整することができる。
【0082】
本実施例において、バッテリモジュール93は、図5に示すロックモジュール930を備える。ロックモジュール930は錠掛けまたはほかの構成であってもよい。また、サブフレーム91にはロック910が設けられる。ロック910は、クイックドロー構成として設置されてもよい。図7に示すように、ロック910は、ロック解除レバー9100と、U字形ロックヘッド9101と、ロック本体9102とを含む。ロック解除レバー9100及びU字形ロックヘッド9101はいずれもロック本体9102に回転可能に接続される。U字形ロックヘッド9101は、自然な状態であると、その開口が下向きになる。ロックモジュールが上方に向けてU字形ロックヘッド9101の開口に挿入されると、U字形ロックヘッド9101は、ロックモジュール930の携帯により水平方向を向くように回動されて、ロック解除レバー9100に重ね固定されることで、ロックモジュール930のロックを実現できる。その後、外力によりロック解除レバー9100を押し上げて、ロック解除レバー9100を回動させることで、ロック解除レバー9100とU字形ロックヘッド9101との当接固定構成を分解して、U字形ロックヘッド9101が回動自由な状態に戻して、ロックモジュール930を解放する。勿論、ロックモジュール930及びロック910は、例えばロック解除ボタンのような自動的にロックし且つロックを容易に解除するほかの構成として設置されてもよい。
【0083】
図13及び図14に示すように、バッテリ着脱機構12は、当接台120と、粗位置決めモジュール121と、精密位置決めモジュール122と、ロック解除モジュール123を含む。図6に示すように、バッテリモジュール93には、粗位置決めモジュール121及び精密位置決めモジュール122に対応する位置決め穴931が設けられる。粗位置決めモジュール121と、精密位置決めモジュール122と、ロック解除モジュール123とが、いずれも当接台120に設けられる。
【0084】
バッテリモジュール93を載置するために、図14に示すように、当接台120は当接面1200を備える。本実施例における粗位置決めモジュール121は、粗位置決めピン1210を含んでもよい。これらの粗位置決めピン1210は、当接面1200から突出し、バッテリモジュール93上のいくつかの位置決め穴931の位置に対応する。本実施例では、これらの粗位置決めピン1210に対応する位置決め穴931を粗位置決め穴と呼んでもよい。本実施例における精密位置決めモジュール122は、精密位置決めピン1220と精密位置決め動力手段1221とを含む。これらの精密位置決めピン1220は、バッテリモジュール93上のほかの位置決め穴931の位置に対応する。本実施例では、これらの精密位置決めピン1220に対応する位置決め穴931を精密位置決め穴と呼んでもよい。なお、本実施例における粗位置決め穴及び精密位置決め穴は、異なる対応関係を区別するためにのみ用いられるが、両方の構成、形状、寸法等について何ら制限はない。例えば、粗位置決め穴と精密位置決め穴との形状、構造が全く同一であってもよく、粗位置決め穴の直径が精密位置決め穴の直径より小さい等であってもよい。また、本実施例における他の位置決め穴931は、いずれも同一又は異なる構成、形状又は寸法であってもよく、制限はない。これらの精密位置決めピン1220は、通常、当接面1200の下方に引っ込められ、精密位置決め動力手段1221の駆動により当接面1200から突出することができる。精密位置決め動力手段1221は、油圧油圧ロッドとして設けられてもよく、電動伸縮ロッドとして設けられてもよい。
【0085】
AGV9のバッテリモジュール93が、リフトフレーム10の携帯により当接面1200に当接すると、まず、粗位置決めピン1210が対応する位置決め穴931内に挿入することができる。これによって、バッテリ着脱機構12とバッテリモジュール93との粗位置決めを実現することができる。位置決め穴931の寸法に対して、粗位置決めピン1210がより細いため、粗位置決めピン1210と位置決め穴931との間に形成される環状隙間の幅が大きい。その目的は、粗位置決めピン1210が、両方の位置差が大きい場合でも、位置決め穴931内に円滑に挿入して位置決めを完了できるようにすることである。
【0086】
粗位置決めピン1210が位置決め穴931内に挿入した後、精密位置決め動力手段1221を起動して、精密位置決めピン1220を対応する位置決め穴931内に挿入し、又は対応する位置決め穴931から退出する。図14に示すように、粗位置決めピン1210に比べて、精密位置決めピン1220と位置決め穴931との間に形成される環状隙間の幅はより小さく、位置決め穴931をほぼ穴埋めることができる。そのため、精密位置決めピン1220は、位置決め穴931とは高度に適合している。精密位置決めピン1220が位置決め穴931内に円滑に挿入すると、バッテリモジュール93とバッテリ着脱機構12との精密位置決めを実現できる。
【0087】
粗位置決めでも、精密位置決めでも、バッテリモジュール93の位置決め穴931と、粗位置決めピン1210または精密位置決めピン1220の位置は大きな位置ズレが生じる可能性がある。粗位置決めピン1210及び精密位置決めピン1220が、位置決め穴931と一定のズレがある場合でも、円滑に挿入してバッテリモジュール93を移動させることで位置決め機能を実現できるために、位置決めピン1210及び精密位置決めピン1220のヘッダ部または位置決め穴931のエッジにはガイド面を設けてもよく、ガイド面は傾斜面または円弧面であってもよい。
【0088】
上記のように、粗位置決めピン1210、精密位置決めピン1220と位置決め穴931との嵌合によりバッテリモジュール93を位置決めする過程において、バッテリモジュール93は移動する。このとき、当接台120とバッテリモジュール93との間に大きな摩擦力が存在すると、バッテリモジュール93の移動効果に影響を及ぼし、摩耗を招くこともある。
【0089】
上記問題を避けるために、本実施例では、図14に示すように、当接面1200の表面にボール手段1201が突設される。バッテリモジュール93が当接台120に載置されると、バッテリモジュール93はボール手段1201と転動嵌合することで、摩擦が大きすぎることを避け、摩耗を低減する。
【0090】
粗位置決めピン1210、精密位置決めピン1220と位置決め穴931との相互嵌合により、バッテリ着脱機構12に対してバッテリモジュール93を精密位置決めした後、ロック解除モジュール123を用いてロックモジュール930のロックを解除する条件を備えている。本実施例におけるロック解除モジュール123は、具体的に、ロック解除動力手段1231と、ロックモジュール930の位置に対応するロック解除ロッド1230とを含む。即ち、各ロックモジュール930は、それぞれ対応するロック解除ロッド1230によりロックを解除し、漏れは発生しない。ロック解除ロッド1230は、ロック解除動力手段1231の駆動により、当接面1200から突出し、または当接面1200の下方に引っ込める。
【0091】
上記説明のように、本実施例におけるロック910はロック解除レバー9100を備え、外力によりロック解除レバー9100を押し上げて、ロック910の開口を回動させ、ロックモジュール930を解放することで、ロックモジュール930のロック解除を実現できる。そのため、本実施例においては、ロック解除ロッド1230は、実際には、各ロックモジュール930と嵌合ロックしたロック910上のロック解除レバー9100に、下方から位置合わせする必要がある。
【0092】
ロック解除ロッド1230は、ロック解除動力手段1231の駆動により当接面1200から突出すると、ロック解除レバー9100を上方へ押し上げて、ロックモジュール930のロック解除を実現することができる。全てのロックモジュール930のロックが解除されると、バッテリモジュール93はサブフレーム91から取外されることができる。その後、リフトフレーム10を再び上昇させて、AGV9はリフトフレーム10とともに上昇するが、バッテリモジュール93はバッテリ着脱機構12に残る。勿論、いくつかの実施例において、ロック解除レバー9100を上方へ押し上げることができる他のロック解除構成を使用することもできる。ここで贅言しない。
【0093】
粗位置決め効率及び粗位置決め精度を向上するために、図14に示すように、本開示の実施例におけるバッテリ着脱機構12は複数の粗位置決めモジュール121を含む。複数の粗位置決めモジュール121は、バッテリモジュール93の一方の対角線に沿って配置されることが好ましく、距離が遠いほど位置決め精度が高い。同時に、精密位置決め効率及び精密位置決め精度を向上するために、本開示の実施例におけるバッテリ着脱機構12は複数の精密位置決めモジュール122を含む。複数の精密位置決めモジュール122は、バッテリモジュール93の他方の対角線に沿って配置されることが好ましい。両方の設置は、独立して使用してもよく、共同で使用してもよい。
【0094】
自動制御効率を向上するために、バッテリ着脱機構12は、さらに、バッテリモジュール検出センサー124を含む。バッテリモジュール検出センサー124は当接台120に設置され、当接台120にはバッテリモジュール93があるか否かを検出することに用いられる。本実施例におけるバッテリモジュール検出センサー124は光電センサーであるが、他の実施例では、圧力センサー等を用いてもよく、バッテリモジュール93がバッテリ着脱機構12に載置されているか否かの状態を判断できればよい。
【0095】
バッテリモジュール93を取外す過程において、バッテリモジュール93は、サブフレーム91に引っ掛かったことにより、サブフレーム91から分離できない問題が発生するおそれがある。そのため、本実施例では、図14に示すように、バッテリモジュール93は、さらに、牽引モジュール125を含む。牽引モジュール125は、牽引フック1250と牽引フック動力手段1251を含む。牽引フック1250は当接面1200から突出し、牽引フック動力手段1251の携帯により回転してバッテリモジュール93を引っ掛ける動作を完成できる。本実施例において、バッテリモジュール93の周辺には、引っ掛かられることができる凸縁が1周備えられる。牽引フック1250は回転してこれらの凸縁を引っ掛けることができる。これによって、リフトフレーム10の駆動によりAGV9が再び上昇する時、バッテリモジュール93が一緒に上昇することを阻止して、両方を分離させる。このように、バッテリモジュール93は、サブフレーム91に引っかかって、サブフレーム91から分離できない状況を避ける。
【0096】
図14に示すように、バッテリモジュール93の底面の面積が大きいため、プラスチック等の耐久性が悪い材料を用いて製造すると、使用中に変形しやすくなるため、一部のロック解除ロッド1230が突出しても、ロックモジュール930のロックを解除することができなくなる。そのため、本実施例では、各ロックモジュール930に対応して、それぞれ1つの当接台120と1つのロック解除モジュール123を設けてもよい。また、バッテリモジュール93の底面の変形に適応するために、各当接台120の底部に、いずれも弾性バッファ支持モジュール126が設けられる。
【0097】
リフトフレーム10の携帯により、AGV9が、全ての当接台120を同時に押圧できる位置まで降下する。この時、弾性バッファ支持モジュール126は、各当接台120を突き上げて、バッテリモジュール93に密着する。これにより、各ロック解除ロッド1230を対応するロックモジュール930に、できるだけ近づけることができる。このように、バッテリモジュール93の底部の変形により、ロック解除ロッド1230がロックモジュール930ロックを解除できない問題を効果的に避けることができる。本実施例では、図14に示すように、弾性バッファ支持モジュール126は、バネとして設けられてもよく、弾性材料ブロック等の他の構成として設けられてもよく、弾性を有し且つ当接台120を突き上げることができればよい。
【0098】
各当接台120が突き上げられ、所定の位置までに押圧されることを更に確保するために、本実施例におけるバッテリ着脱機構12は、バッファ支持リミットセンサー127をさらに含む。バッファ支持リミットセンサー127は、少なくとも1つの当接台120が所定の位置まで押圧されたか否かを判断することができる。図14に示すように、バッファ支持リミットセンサー127は、圧力センサーとして設けられてもよく、距離測定センサーとして設けられてもよく、当接台120が配置されている位置を判断できればよい。
【0099】
本実施例におけるバッテリ着脱機構12は、常にリフトフレーム10の下方に設けられてもよい。例えば、リフトフレーム10の初期位置を半空にしたり、バッテリ着脱機構12を収容するためにバッテリ交換装置1の下方に凹穴を形成したりする。しかし、この両方の態様のうちの前者の場合は、AGV9がリフトフレーム10に進入しにくくなり、後者の場合は、バッテリモジュール93の搬送が困難になる可能性がある。
【0100】
AGV9のリフトフレーム10への進入及びバッテリモジュール93の搬送を容易にするために、本実施例では、バッテリ着脱機構12の初期位置をリフトフレーム10の側部に設ける。AGV9とリフトフレーム10との相対位置が位置決めされた後、リフトフレーム10が上昇して、バッテリモジュール93の着脱のための空間を提供する。また、バッテリ着脱機構12を側部からAGV9の下側まで移動させるために、このときのバッテリ着脱機構12は、さらに、走行モジュール128を含む。図13に示すように、走行モジュール128は、クローラベルト、スクリューロッド、ギアセット、または他の動力構成として設置されることができる。走行モジュール128は、当接台120と、粗位置決めモジュール121と、精密位置決めモジュール122と、ロック解除モジュール123と、弾性バッファ支持モジュール126等を含む各モジュールを携帯して、初期位置からバッテリモジュール93の下方までに水平移動させることができる。
【0101】
具体的な実施中には、実際の状況に応じて、複数の走行モジュール128を使用して、当接台120の一部をそれぞれ携帯して移動することができる。図13に示す実施例のように、バッテリ着脱機構12の他のモジュールを2つの部分に分けて、それぞれリフトフレーム10の両側に設ける。2つの部分のモジュールは、2つの走行モジュール128を用いてバッテリモジュール93の下方に移動する。
【0102】
本実施例では、走行モジュール128ごとに1つの基体129を配置することができる。当該基体129上には、当該走行モジュール128が携帯すべき部分における当接台120と、粗位置決めモジュール121と、精密位置決めモジュール122と、ロック解除モジュール123と、弾性バッファ支持モジュール126等は、統合的に設置されることができる。このように、走行モジュール128は、対応する基体129を携帯することによって、対応する一部分のモジュールを携帯して移動することができる。
【0103】
バッテリモジュール93の取外しの場合、走行モジュール128は、当接台120を携帯して、バッテリモジュール93の下方まで移動し、その後、当接台120は、弾性バッファ支持モジュール126およびリフトフレーム10との協働により、バッテリモジュール93に互いに当接する。粗位置決めモジュール121及び精密位置決めモジュール122の位置決め機能により、ロック解除モジュール123がバッテリモジュール93上のロックモジュール930に合わせてロック解除動作が完了する。このとき、リフトフレーム10はリフトフレーム昇降機構11によって上昇され、バッテリモジュール93は自重と牽引モジュール125との協働作用により、サブフレーム91から離脱し、バッテリモジュール93の取り外しが完了する。
【0104】
バッテリモジュール93の取付けの場合、バッテリモジュール93は、粗位置決めモジュール121の位置決め機能のみにより、取付け可能な位置に位置決めされる。AGV9は、リフトフレーム10の降下とともにバッテリモジュール93に近づく。そして、ロックモジュール930を、サブフレーム91に設けられるロック910の開口内に挿入させて、開口を回転して、自動的にロックする。バッテリモジュール93の取付けが完了する。
【0105】
バッテリ着脱機構12とリフトフレーム10、リフトフレーム昇降機構11との協働により、バッテリモジュール93を一定の自動化ステップでAGV9から取外しまたは取付けることができることで、AGV9のバッテリ自動交換過程のためのサポート基礎を提供する。
【0106】
次に、バッテリ収容システム2について詳細に説明する。
【0107】
バッテリモジュール93の取外し及び取付けステップが完了した後、電力が尽きたバッテリモジュール93をバッテリ収容システム2に移行して収容する必要がある。さらに、バッテリ収容システム2は、バッテリモジュール93を収容しながらバッテリモジュール93を充電し、充電完了したバッテリモジュール93をバッテリ着脱機構12に移行して取付け準備を行う。そのため、バッテリ交換ステーションは、さらに、バッテリ収容システム2を含む。
【0108】
バッテリモジュール93を移行、収容、充電するために、図16に示すように、バッテリ収容システム2は、バッテリピックアンドプレイス装置20と収納装置21とを含む。その中、収納装置21は、バッテリモジュール93を収容する機能のみを備え、充電機能を備えない。または、収納装置21は収容及び充電機能を同時に備えてもよい。本実施例は後者を例として説明する。
【0109】
本開示の実施例において、バッテリピックアンドプレイス装置20は、古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構12から取り外し、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構12とドッキングする。例えば、バッテリピックアンドプレイス装置20は、必要に応じて、バッテリ着脱機構12または収納装置21からバッテリモジュール93を取り外したり入れたりして、バッテリ着脱機構12と収納装置21との間にバッテリモジュール93を移送する。収納装置21の内部には、複数の充電スタンド211が設置されており、バッテリモジュール93を収納すること、及びバッテリモジュール93に充電することに用いられる。複数の充電スタンド211は、充電スタンドブラケット210に設置されてよい。
【0110】
本実施例において、図17に示すように、バッテリピックアンドプレイス装置20は、載置台200と、移載機構201と、バッテリ昇降機構202とを含む。載置台200は、図17に示すように、平板状として構成されてもよく、バッテリクリップ等として構成されてよい。バッテリピックアンドプレイス装置20は、バッテリモジュール93を搭載できるとともに、鉛直方向の運動によってバッテリモジュール93を、載置台200とバッテリ着脱機構12との間に、または載置台200と充電スタンド211との間に移送できればよい。
【0111】
移載機構201と載置台200とは接続されており、両者の間は、図17に示すように直接に固定接続されてもよく、接続部材によって互いに接続されてもよい。移載機構201は、載置台200を動かしてバッテリモジュール93をバッテリ着脱機構12または収納装置21に移動できればよい。移載機構201は、水平面で移動してもよく、より複雑な移動方式であってもよい。
【0112】
本実施例において、移載機構201は、図15に示すように、伸縮モジュール2010と回転モジュール2011とを含むように構成されてよい。回転モジュール2011は、図15に示すような回転軸構造として構成されてよく、円環状レールとして構成されてもよく、載置台200を動かして水平に回転させるとともに載置台200の水平方向を変更できればよい。伸縮モジュール2010は、図15に示すようなレールを備える伸縮アームとして構成されてよく、油圧によって制御される伸縮アームとして構成されてもよく、水平面を直線に沿って伸縮できればよい。このように、回転モジュール2011と伸縮モジュール2010との協働により、回転と伸縮によって載置台200に配置されるバッテリモジュール93の位置と姿勢を変更可能になり、バッテリ着脱機構12または充電スタンド211とのマッチングを実現し、移送の目的を実現する。
【0113】
載置台200は、鉛直方向の移動を完成できるとともに、バッテリモジュール93を載置台200とバッテリ着脱機構12との間または載置台200と充電スタンド211との間の移送操作を完成できるために、本実施例において、バッテリ昇降機構202を用いて移載機構201に接続する。バッテリ昇降機構202は、図17に示すように、昇降チェーンとして構成されてよく、移載機構201は、昇降チェーンとの固定接続によって昇降を実現する。バッテリ昇降機構202は、鉛直方向に沿って延びる油圧ロッドまたは他の昇降機能を有する構造として構成されてもよい。
【0114】
まず、載置台200はバッテリ昇降機構202によってバッテリモジュール93より低い位置に移動される。そして、移載機構201は、載置台200をバッテリモジュール93の下方まで水平移動させるように制御し、このとき、載置台200が当接台120よりやや低く、当接台120とはそれぞれバッテリモジュール93の異なるエリアを位置合わす。その後、バッテリ昇降機構202は載置台200を上昇させ、載置台200は、バッテリモジュール93がバッテリ着脱機構12から完全に離脱するまで、バッテリモジュール93を下方から持ち上げる。これにより、バッテリモジュール93のバッテリ着脱機構12から載置台200への移送を完成する。
【0115】
満充電されたバッテリモジュール93を載置台200からバッテリ着脱機構12に移送する場合、逆操作をすればよい。まず、バッテリモジュール93が載置されている載置台200をバッテリ着脱機構12より高い位置に移動し、当接台120をバッテリモジュール93に位置合わせさせる。次に、バッテリモジュール93がバッテリ着脱機構12の当接台120によって持ち上げられ、載置台200から完全に離脱するまで、バッテリ昇降機構202を下方に移動するように制御する。これで、バッテリモジュール93の載置台200からバッテリ着脱機構12までの移送過程を完成する。
【0116】
本実施例において、バッテリ昇降機構202の接続をし易くするために、移載機構201を固定フレーム206に設置して、バッテリ昇降機構202と固定フレーム206とを接続してもよい。
【0117】
本実施例において、バッテリモジュール93の載置台200における水平移動を制限し、バッテリモジュール93を移送する際に意図せずに落下することを避けるために、載置台200には、バッテリモジュール固定部材2000が設置されてよい。図15図5及び図6に示すように、バッテリモジュール固定部材2000は、バッテリモジュール93のいくつかの位置決め穴931に挿入できる上向きの固定ピンとして構成されてよく、バッテリモジュール93を係止する係止板、係止爪等の構造として構成されてもよい。バッテリモジュール93がバッテリ着脱機構12から取り外される前に、粗位置決めピン1210と精密位置決めピン1220とに対応する位置決め穴931が常に占用されるため、載置台200の固定ピンに対応する位置決め穴931は、バッテリ着脱機構12における粗位置決めピン1210及び精密位置決めピン1220に対応する位置決め穴931と異なるべきである。
【0118】
本実施例において、バッテリモジュール93の載置台200における相対鉛直移動を制限し、バッテリモジュール93を移送する際に、揺れることによるバウンド、ひいてはバッテリモジュール固定部材2000から離脱して意図せずに落下することを避けるために、載置台200には、位置制限機構2001がさらに設置されてもよい。図18に示すように、位置制限機構2001は、バッテリモジュール93が上方へ移動しバッテリモジュール93から離脱することを制限する位置制限部材2001aと、位置制限部材2001aを駆動する位置制限動力手段2001bとを含む。位置制限部材2001aは、図18に示すように、位置制限動力手段2001bの駆動により、バッテリモジュール93の上方まで移動し、バッテリモジュール93を制限できる、位置制限ロッド、位置制限板等の構造として構成されてよく、バッテリモジュール93が鉛直方向に沿って載置台200から離脱することを防止できればよいが、ここで説明を省略する。そして、位置制限部材2001aの移動方式は、伸縮、回転、平行移動等の各種方式であってよい。
【0119】
本実施例において、図17に示すように、バッテリモジュール93がバッテリピックアンドプレイス装置20からバッテリ交換装置1及び収納スペースや収納装置21に到達できることを可能にするために、バッテリピックアンドプレイス装置20は、バッテリ交換口203及び少なくとも1つのバッテリ収納口204を備える必要がある。バッテリ交換口203とバッテリ収納口204とは、いずれも載置台200が水平に通過可能なものであり、バッテリ交換装置1はバッテリ交換口203に対面し、収納装置21はバッテリ収納口204に対面する。
【0120】
図17において、設計の簡略化及び製造し易くために、バッテリピックアンドプレイス装置20は、メイン支持フレーム207を含んでよい。バッテリ交換口203とバッテリ収納口204とは、いずれもメイン支持フレーム207に設置されている。同時に、メイン支持フレーム207は、さらに、メイン支持フレーム207の4つのピラーによって形成される空間エリアである昇降通路2070を備え、バッテリ昇降機構202は、メイン支持フレーム207に設置されており、載置台200と移載機構201とは、いずれも昇降通路2070内に設置されており、バッテリ昇降機構202によって昇降通路2070に沿って鉛直方向に移動できる。
【0121】
本実施例において、バッテリ収納口204とバッテリ交換口203とは隣接して設置されてよい。図17に示すように、バッテリピックアンドプレイス装置20のメイン支持フレーム207は、直方体フレーム構造であってよく、バッテリ交換口203に隣接する両側には、それぞれ1つのバッテリ収納口204が設置されている。これにより、バッテリモジュール93の移動距離が減少可能であり、途中時間を節約できる。無論、バッテリの収納量が大きい場合、本実施例において、バッテリ交換口203に対向する一方側にバッテリ収納口204を設置してもよい。この場合、バッテリ収納口204はバッテリ交換口203に遠いが、バッテリピックアンドプレイス装置20の周りの空間が利用可能という利点がある。バッテリピックアンドプレイス装置20のメイン支持フレーム207は、他の構造、例えば六角柱構造を採用すると、バッテリ収納口204の数を、さらには、バッテリ交換口203の数をより多めに設置できる。
【0122】
そして、床面積を節約するために、各バッテリ収納口204には、いずれも鉛直方向に沿って複数の充電スタンド211が配列されてもよい。充電スタンドブラケット210の構造は、バッテリ交換口203の位置、充電スタンド211の数、及び鉛直方向に沿って配列される数によって設計されてよい。かつ、充電スタンドブラケット210は、一体的な構造であってよく、いくつかの単独の構造に分けて、それぞれ一部の充電スタンド211を固定してもよい。
【0123】
図19に示すように、充電スタンド211は、充電台2110と、充電スタンド粗位置決めモジュール2111と、充電スタンド精密位置決めモジュール2112と、コネクターモジュール2113とを含んでよい。充電スタンド粗位置決めモジュール2111と、充電スタンド精密位置決めモジュール2112とは、いずれも充電台2110に設置されている。
【0124】
バッテリモジュール93を載置するために、図19に示すように、充電台2110は受け面2110aを含み、充電スタンド粗位置決めモジュール2111は充電スタンド粗位置決めピン2111aを含む。これらの充電スタンド粗位置決めピン2111aは、受け面2110aから突出し、バッテリモジュール93におけるいくつかの位置決め穴931の位置に対応する。本実施例において、これらの充電スタンド粗位置決めピン2111aに対応する位置決め穴931を、充電スタンド粗位置決め穴と称してもよい。本実施例における充電スタンド精密位置決めモジュール2112は、充電スタンド精密位置決めピン2112aと充電スタンド精密位置決め動力手段とを含む。これらの充電スタンド精密位置決めピン2112aは、バッテリモジュール93における他のいくつかの位置決め穴931位置に対応する。本実施例において、これらの充電スタンド精密位置決めピン2112aに対応する位置決め穴931を、充電スタンド精密位置決め穴と称してもよい。なお、粗位置決め穴及び精密位置決め穴と同様に、本実施例における充電スタンド粗位置決め穴と充電スタンド精密位置決め穴とは、異なる対応関係を区別するためのものに過ぎず、両者の構造、形状、サイズ等については制限しない。充電スタンド精密位置決めピン2112aは、充電スタンド精密位置決め動力手段の駆動により、これらの位置決め穴931に挿入することができる。充電スタンド精密位置決め動力手段は、油圧プッシュロッドとして構成されてよく、電動伸縮ロッド等の構造として構成されてもよい。
【0125】
バッテリモジュール93が載置台200から取り外される前に、載置台200の固定ピンに対応する位置決め穴931が常に占用されるため、充電スタンド粗位置決めピン2111aと充電スタンド精密位置決めピン2112aとに対応する位置決め穴931は、載置台200の固定ピンに対応する位置決め穴931と異なるべきである。そして、充電スタンド粗位置決めピン2111aと充電スタンド精密位置決めピン2112aとに対応する位置決め穴931は、粗位置決めピン1210と精密位置決めピン1220とに対応する位置決め穴931と全部同じであり、一部同じであり、または全く異なるであってよい。
【0126】
バッテリモジュール93が載置台200によって充電台2110まで移送されると、充電スタンド粗位置決めピン2111aは、まず、それに対応する位置決め穴931内に挿入可能であることで、充電スタンド211とバッテリモジュール93との粗位置決めを実現する。位置決め穴931のサイズに対して、充電スタンド粗位置決めピン2111aは遥かに細いため、充電スタンド粗位置決めピン2111aと位置決め穴931との間に形成された環状隙間の幅が大きい。それは、両者の位置の差が大きい場合でも、充電スタンド粗位置決めピン2111aを位置決め穴931内に順調に挿入させ、粗位置決めを完成できるようにためである。
【0127】
充電スタンド粗位置決めピン2111aが位置決め穴931に挿入した後、充電スタンド精密位置決め動力手段を起動して、充電スタンド精密位置決めピン2112aをそれに対応する位置決め穴931内に挿入する。充電スタンド粗位置決めピン2111aに対して、充電スタンド精密位置決めピン2112aは、位置決め穴931との間に形成された環状隙間の幅は遥かに小さく、位置決め穴931をほぼ埋めることができる。このため、充電スタンド精密位置決めピン2112aと位置決め穴931との一致度が高く、充電スタンド精密位置決めピン2112aが位置決め穴931内に順調に挿入される場合、バッテリモジュール93と充電スタンド211との精密な位置決めすることを実現できる。
【0128】
類似的に、粗位置決めと精密位置決めとのどちらも、バッテリモジュール93における位置決め穴931は、充電スタンド粗位置決めピン2111aまたは充電スタンド精密位置決めピン2112aとの位置が大きいズレが存在することがある。パッド粗位置決めピン2111a及び充電スタンド精密位置決めピン2112aは、位置決め穴931と一定のズレが存在する場合でも順調に挿入され、バッテリモジュール93を移動させて位置決めの機能を実現するために、充電スタンド粗位置決めピン2111aと充電スタンド精密位置決めピン2112aのヘッドまたは位置決め穴931の辺縁にガイド面を設置してよく、ガイド面は斜面または弧面であってよい。
【0129】
上記のように、充電スタンド粗位置決めピン2111a、充電スタンド精密位置決めピン2112aが位置決め穴931と協働してバッテリモジュール93を位置決めする過程において、バッテリモジュール93が移動されることがある。この場合、充電台2110とバッテリモジュール93との間に大きい摩擦力があると、バッテリモジュール93の移動效果に影響をもたらす、さらに摩耗の原因になる。
【0130】
上記問題を避けるために、本実施例において、図19に示すように、充電スタンドボール手段2114が受け面2110aの表面から突出して設置される。充電台2110にバッテリモジュール93が配置されている場合、バッテリモジュール93は、充電スタンドボール手段2114で転がすことで、過大な摩擦を回避し、摩耗を減少させる。
【0131】
粗位置決めの効率及び粗位置決めの精度を向上するために、図19に示すように、本開示実施例に係る充電スタンド211は、複数の充電スタンド粗位置決めモジュール2111を含んでよい。複数の充電スタンド粗位置決めモジュール2111は、好ましく、バッテリモジュール93の一方の対角線に沿って配置されており、距離が遠くなるほど位置決めの精度が高くなる。同時に、精密位置決めの効率及び精密位置決めの精度を向上するために、本開示実施例に係る充電スタンド211は、複数の精密位置決めモジュール122を含んでもよい。複数の充電スタンド粗位置決めモジュール2111は、バッテリモジュール93の他方の対角線に沿って配置されている。この2種の配置は、単独で使用されてもよく、協働されてもよい。
【0132】
充電スタンド粗位置決めピン2111a、充電スタンド精密位置決めピン2112a及び位置決め穴931との相互協働により、充電スタンド211に対するバッテリモジュール93の精密位置決めを実現した後、コネクターモジュール2113を用いてバッテリモジュール93と電気導通して充電する条件を備えた。
【0133】
本実施例において、コネクターモジュール2113とバッテリモジュール93との電気導通操作を完成するために、コネクターモジュール2113は、コネクター2113aとコネクター動力手段とを含んでよい。コネクター動力手段は、伸縮ロッドとして配置されてよく、ロボットアーム等の他の動力機構として配置されてもよく、コネクター2113a及びバッテリモジュール93の対応する電気ソケットを動かして電気導通操作を完成できればよい。実用において、コネクター2113aの形状は、バッテリモジュール93における電気ソケットに対応して設置され、例えば、一方はソケットである場合、他方はプラグであることなど、ここで説明を省略する。
【0134】
本実施例において、自動化効率を向上するために、充電台2110には、さらに、充電スタンドバッテリモジュール検出センサー2115が設定された。充電スタンドバッテリモジュール検出センサー2115は、バッテリモジュール93が充電台2110に配置されいてるか否かを検出するためのものである。本実施例に使用される充電スタンドバッテリモジュール検出センサー2115はマイクロスイッチであってよい。バッテリモジュール93は、充電台2110に配置されている場合、マイクロスイッチに触れると、精密位置決め及び電気導通操作を実行し始める。無論、充電スタンドバッテリモジュール検出センサー2115は、光電センサー等の他のセンサスイッチとして構成されてよく、バッテリモジュール93が充電台に配置されていることを判断できればよい。
【0135】
本実施例において、バッテリモジュール93を載置台200と充電スタンド211との間に移送し易くするため、充電台2110は、図19に示すようなU字構造として構成されてよい。充電スタンド精密位置決めピン2112aとコネクター2113aとは、いずれも充電台2110の上方に位置し、U字構造の中空エリアに対面する。この場合、充電スタンド精密位置決めピン2112aの突出方向は、充電スタンド粗位置決めピン2111aの突出方向と逆であり、即ち下方に突出する。充電スタンド精密位置決め動力手段は、充電スタンド精密位置決めピン2112aを駆動して鉛直方向に沿って移動させる。
【0136】
このように、充電台2110と充電スタンド精密位置決めピン2112a及びコネクター2113aとの間には、一定の隙間が形成される。電力が切れたバッテリモジュール93を載置台200から充電スタンド211に移送しようとする場合、載置台200は、移載機構201によってバッテリモジュール93を上記隙間から挿入して、バッテリモジュール93を充電台2110と充電スタンド精密位置決めピン2112a及びコネクター2113aとの間に配置される。その後、バッテリ昇降機構202によって高さを下げることで、バッテリモジュール93が充電台2110によって持ち上げられるとともに、載置台200がU字構造の中空エリアに通過し、バッテリモジュール93と充電スタンド211との間の移送を完成する。なお、本実施例における充電台2110は、他の載置台200が下方から通過できる構造を採用してもよく、ここで説明を省略する。
【0137】
バッテリモジュール93の移送を完成する際に、粗位置決めも同期で完成する。その後、充電スタンド精密位置決めモジュール2112の充電スタンド精密位置決め動力手段は、充電スタンド精密位置決めピン2112aを駆動して下降させ、対応する位置決め穴931内に挿入して、精密位置決めを完成する。最後に、コネクター動力手段は、またコネクター2113aを駆動してバッテリモジュール93に電気導通させる。
【0138】
類似的に、充電スタンド211から満充電されたバッテリモジュール93を取り外す必要がある場合、逆操作をすればよい。まず、充電スタンド精密位置決めピン2112a及びコネクター2113aを、バッテリモジュール93との合致状態から離脱する。その後、載置台200をバッテリモジュール93の下方まで移動して、上方に上昇する。載置台200が上昇される過程において、バッテリモジュール93を持ち上げて、充電台2110及び充電スタンド粗位置決めモジュール2111との合致状態から離脱する。これで取り外す過程を完成する。
【0139】
本実施例において、コネクター2113aの向きは、充電スタンド精密位置決めピン2112aの突出方向と同じでよく、充電スタンド精密位置決めピン2112aの突出方向と異なってもよい。充電スタンド精密位置決めピン2112aの突出方向と充電スタンド粗位置決めピン2111aとは逆であり、即ち下方に突出し、且つコネクター2113aの向きは充電スタンド精密位置決めピン2112aの突出方向が同じである場合、コネクター動力手段は、コネクター2113aを駆動して鉛直方向に沿って移動させる。即ち、この場合、コネクター2113aと充電スタンド精密位置決めピン2112aとの移動方向は同じである。
【0140】
本実施例において、充電スタンド精密位置決めモジュール2112及びコネクターモジュール2113を固定するために、充電スタンド211は、さらに、支持フレーム2116を含んでよい。支持フレーム2116は、U字構造の底部から上に伸ばして、充電スタンド精密位置決めモジュール2112とコネクターモジュール2113とのいずれも支持フレーム2116に設置されてよい。
【0141】
上記の分析から分かるように、異なる操作の過程において、コネクター2113aと充電スタンド精密位置決めピン2112aとの移動方向は同じである。このため、空間の節約と効率の向上のために、本実施例において、取付台2117を用いて充電スタンド精密位置決めピン2112aとコネクター2113aとを同時に固定できとともに、充電スタンド精密位置決め動力手段とコネクター動力手段とは、集積され、一体型動力手段2118として構成されてよい。図19に示すように、一体型動力手段2118は、支持フレーム2116に固設され、取付台2117が一体型動力手段2118の駆動で鉛直方向に沿って移動できる。これにより、充電スタンド精密位置決めピン2112aとコネクター2113aとを一緒に移動させ、精密位置決め及び電気導通操作を同期で完成する。
【0142】
バッテリモジュール93は、充電中に、過負荷電流、過熱等の問題により、火事、さらに爆発することがある。この場合、火勢を速やかに抑制しないと、他のバッテリモジュールに延焼して、重大な結果を招く恐れがある。このため、上記問題が発生した場合、速やかに事故となるバッテリモジュール93を他のバッテリモジュール93から離して、消防活動を行う必要がある。
【0143】
このため、本実施例において、図1図17及び図20に示すように、バッテリ交換ステーションは、消防装置3をさらに含んでよい。バッテリピックアンドプレイス装置20は消防廃物排出口205をさらに備え、消防装置3と消防廃物排出口205とは対面する。本実施例において、消防廃物排出口205は、バッテリ交換口203と対向して設置されてもよい。この場合、バッテリ交換装置1、バッテリ収容システム2及び消防装置3は順次に配列されてよい。
【0144】
本実施例において、図20に示すように、消防装置3は、バッテリモジュール載置機構30と、消防箱31と、消防材料収納箱32と、材料排出弁33とを含む。バッテリモジュール載置機構30は、消防の必要があるバッテリモジュール93を載置することに用いられ、バッテリモジュール93を消防箱31内に輸送できる。消防材料収納箱32は、消防材料、例えば砂を収納することに用いられる。消防材料収納箱32は材料排出口320を備え、材料排出口320は消防箱31に対面すべきであり、材料排出弁33は材料排出口320に設置されている。消防箱31内のバッテリモジュール93に対して消火操作を行う場合、材料排出弁33を開け、消防材料収納箱32内に収納されている消防材料を消防箱31内に入れることで、消防活動を実現する。本実施例において、さらに、図20に示すような消防ブラケット34を備えてよい。上記各デバイスは、いずれも消防ブラケット34に固定されている。
【0145】
本実施例において、消防箱31は、バッテリモジュール載置機構30の下方に設置されてよい。この場合、バッテリモジュール載置機構30は、バッテリモジュール93を落下させて消防箱31に輸送する。図20に示すように、バッテリモジュール93がバッテリモジュール載置機構30に配置されている場合、バッテリモジュール載置機構30は、予め設定されたステップに従って載置力を撤去することで、バッテリモジュール93を落下させる。
【0146】
本実施例において、バッテリモジュール93は、バッテリピックアンドプレイス装置 20によりバッテリモジュール載置機構30に移送されてよい。移送の原理は、バッテリモジュール93が載置台200から充電スタンド211に移送されることと同じであり、いずれも鉛直方向の移動によって実現される。ここで説明を省略する。
【0147】
本実施例において、図20及び図21に示すように、バッテリモジュール載置機構30は、対向に設置された2つの伸縮支持モジュール300を備えてよい。一般的に、伸縮支持モジュール300は、張り出す姿勢にある時のみ、バッテリモジュール93を持ち上げことができる。伸縮支持モジュール300が引っ込める姿勢にある時に、バッテリモジュール93は落下する。一般的に、2つの伸縮支持モジュール300の張り出す方向が対向であれば、上記技術案を実現できる。中部に大きい内空エリアを有するいくつかのバッテリモジュールについては、伸縮支持モジュール300が互いに反対方向に張り出す場合で上記技術案を実現できることもある。
【0148】
図21に示すように、伸縮支持モジュール300は、固定部3000と、支持部3001と、伸縮動力手段3002とを含んでよい。伸縮支持モジュール300は、固定部3000によって消防ブラケット34または他の部品に固定されてよい。同時に、伸縮動力手段3002は、固定部3000に固定されている。伸縮動力手段3002は、支持部3001を駆動して伸縮動作を完成することに用いられり。伸縮動力手段3002は、伸縮アームとして構成されてよく、伸縮ロッドとして構成されてもよく、水平方向に沿って張り出す状態と引っ込める状態を有することを実現できればよい。
【0149】
支持部3001をスムーズに伸縮できるように、伸縮支持モジュール300は、さらに、伸縮ガイドレール3003を設置されてよい。支持部3001と固定部3000とは、伸縮ガイドレール3003によって接続されており、支持部3001は、伸縮の際に伸縮ガイドレール3003によってガイドされることができる。
【0150】
上記伸縮支持モジュール300を採用することに加えて、バッテリモジュール載置機構30は、耐火コンベア等の形態として構成されてよく、バッテリモジュール93を載置し、バッテリモジュール93を消防箱31に輸送できればよい。
【0151】
本実施例における消防材料収納箱32、材料排出弁33、バッテリモジュール載置機構30及び消防箱31は、上から順に設置されてよい。これにより、バッテリモジュール93の消防箱31への移送と消防材料の消防箱31への移送とは、いずれも重力によって実現でき、他の動力を設置する必要がない。
【0152】
消防装置の自動化の向上を検出するために、本実施例における消防装置3は、検出器35をさらに含んでよい。検出器35は、バッテリモジュール載置機構30にバッテリモジュール93が載置されているかを検出できる。検出器35は熱センサであってよく、マイクロスイッチ等の他のタイプであってもよく、バッテリモジュール載置機構30にバッテリモジュール93が存在するか否かを検出できればよい。
【0153】
検出器35は、バッテリモジュール載置機構30にバッテリモジュール93が載置されていることを検出した後、中央処理装置に検出信号を送信してよい。中央処理装置は、信号を受信した後、バッテリモジュール載置機構30にコマンドを送信し、バッテリモジュール93を消防箱31内に移送するようにバッテリモジュール載置機構30を制御する。その後、材料排出弁33を開けように制御して、消防材料収納箱32内の消防材料を放出することで、消防箱31内のバッテリモジュール93の危険状況が抑制され、消防操作が完成される。
【0154】
以上より、本開示実施例に提供されるAGVに適用するバッテリ交換ステーションは、バッテリ交換時間の節約、AGVの稼働効率の向上、バッテリ交換の高速化、高精度化、高自動化等の多くの利点を有する。
【0155】
本開示の別の実施例は、AGVのバッテリ交換方法をさらに提供する。この方法は、上記AGVのバッテリ交換ステーションによって実施されてよく、他のデバイスによって実施されてもよい。
【0156】
具体的に、図22に示すように、当該AGVのバッテリ交換方法は以下のステップを含む。
【0157】
ステップS10:バッテリ着脱機構をAGVの下方に配置する。
【0158】
ステップS20:AGVにおける古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングして、AGVとの接続関係を解除する。
【0159】
ステップS30:古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱させる。
【0160】
ステップS40:古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外して、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングする。
【0161】
ステップS50:新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させて接近させ、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置して、AGVとの接続関係を確立する。
【0162】
バッテリモジュール組み立てエリアは、AGVのバッテリモジュールを取り付けるためのエリアであると理解されてよい。例えば、このバッテリモジュール組み立てエリアは、サブフレーム91の内部エリアである。
【0163】
上記5つのステップにより、AGVにおける既存の電力が切れたバッテリモジュールを取り外して、満充電された新しいバッテリモジュールをAGVに交換することで、バッテリモジュールの交換過程を全部完成した。このような交換バッテリの方法は、充電を待つことに比べて、大量な時間を節約できる。なお、上記ステップS10からステップS50において、あるステップの実施は他のステップの結果に依存する必要がある状況以外、他のいくつかのステップに厳密な前後順序(例えば、ステップS10及びステップS20)がないことがある。採用されたデバイスの構造及び制御プログラムによっては、これらのステップのうちの任意2つ以上のステップが同時に実行可能であり、または、1つのステップのある段階中、他のステップを実行し始めて、後のステップが前のステップより先に終了することもある。最後に5つのステップを全部実行完了することで、AGVのバッテリモジュールを更新できればよい。
【0164】
以下、各ステップのそれぞれを説明する。
【0165】
ステップS10は、AGVにおけるバッテリモジュールの交換を準備するステップであり、前記バッテリ着脱機構は、上記したバッテリ交換ステーションにおけるバッテリ着脱機構12、またはバッテリを着脱するための別の機構であってよい。
【0166】
バッテリ着脱機構が最初から既にAGVが載置されるデバイス(例えば上記バッテリ交換ステーションにおけるリフトフレーム10)の下方に位置する場合、AGVを自らの移動又は他のデバイスの支援による移動等の方式により載置デバイスに移動することで、このステップを自然に実現できる。
【0167】
バッテリ着脱機構が最初にAGVが載置されるデバイスの下方に位置することでなく、当該載置デバイスの両側に位置する場合、AGVを載置デバイスに移動したことは、AGVを初期位置にすることに過ぎず、その後、バッテリ着脱機構をAGVの下方まで水平移動させるように、AGVを初期位置から一定の高さでさらに持ち上げる必要がある。AGVを持ち上げた後、さらに、バッテリ着脱機構をAGVの下方まで水平移動する必要がある。上記したバッテリ交換ステーションにとって、AGVを持ち上げる過程は、リフトフレーム10を動かすリフトフレーム昇降機構11によって実現してよい。バッテリ着脱機構12自身にも、水平移動のための対応する走行モジュール128が設置されている。バッテリ着脱機構の水平移動の過程は、AGVの持ち上げが停止した後、AGVの一定時間の持ち上げの後、またはAGVの持ち上げ過程と同時に始めてもよい。そして、バッテリ着脱機構水平移動する過程は、AGVが停止する前で又はその後で終了してよく、或いは、2つの過程は同時に終了してもよい。
【0168】
一般的に、AGVは他の位置からバッテリ着脱機構の上方に移動する必要があり、且つ、上記バッテリ交換ステーションまたは他の類似的なデバイスに対して、AGVはリフトフレーム10により動かして上下に移動する必要がある。このため、AGV全体の水平位置は、ステップS20をスムーズに実行することに対しても一定の影響をもたらす。AGV全体の位置を決めることも、ステップS20の実行成功率の向上に寄与する。このため、ステップS10を実行する過程において、AGVの水平位置に対する位置決めを同期で行ってよい。
【0169】
本実施例において、AGVの水平位置に対して位置決め行うことは、2つの段階に分けてもよい。1つ目の段階において、AGVの車輪を位置決めすることで、AGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向aにおける位置に対して位置決めすることを実現する。2つ目の段階において、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向bにおける位置を位置決めし、かつ、第1段階の位置決めの失効を避けるために、AGVが第2水平方向bに沿って位置決めする際に、AGVの第1水平方向aにおける位置が変化しないことを常に保持する必要がある。上記2つの段階により、AGV全体の水平位置を位置決めすることを実現できる。
【0170】
第1段階について、位置決め溝を用いてAGVを位置決めする。その具体的な過程は、AGVの車輪が第2水平方向bに沿って、第2水平方向に伸びる1つの位置決め溝に転がって、重力によって車輪を位置決め溝に嵌め込ませることで、AGVを第1水平方向aにおける位置を位置決めする。位置決め溝に関する構造は、上記実施例におけるバッテリ交換ステーションを参考してよい。
【0171】
第2段階を実行すると、AGVが第2水平方向bに沿って移動する際に、車輪を常に位置決め溝に嵌め込ませてよい。これによりAGVの第1水平方向の位置を保持する。位置決め溝は第2水平方向bに沿って延びる。このため、位置決め溝は第2水平方向bに沿って移動する際にも位置決め溝に対して移動しても、位置決め溝が常に車輪とAGV全体の第1水平方向の位置を拘束できることを保証できる。
【0172】
より好ましい技術案において、AGVは第2水平方向bに沿って移動する過程において、車輪は摩擦力により位置決め溝を動かして水平方向bに沿って移動させる。これにより、第2段階を実行する際に、位置決め溝を車輪保持と相対静止に保持させることで、より高い位置決め精度が得られる。上記技術案は、上記実施例におけるバッテリ交換ステーションによって実施されてよく、バッテリ交換ステーションに説明された対応する構造と異なる別の構造またはデバイスで実施されてもよい。
【0173】
自動化効率及び位置決め精度を向上するために、第1段階を実行する過程において、AGVの状態を同期で検出してよい。AGVが第1水平方向aにおける位置に対する位置決めが完成されたことを検出したときに、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向bにおける位置対する位置決めを始める。AGVが第1水平方向aにおける位置に対する位置決めが完成されたことを判断する方法はたくさんある。例えば、AGVのあるマーカの位置が所定範囲内であるか否かを検出し、所定範囲である場合、第1水平方向での位置決めを完成したと考えられること、または、AGVが静止状態である時間は所定閾値を超えたか否かを検出し、所定閾値を超えた場合、第1水平方向での位置決めを完成したと考えられることなどがある。
【0174】
本実施例では、位置決め溝で位置決めする特徴と合わせて、より簡単な判断方式を提供し、即ち、位置決め溝にAGVの車輪が存在するか否かを検出することである。位置決め溝に車輪が存在することを検出した場合、第1水平方向での位置決めは完成されたと考えられる。関連する実施形態は、上記実施例におけるバッテリ交換ステーションに説明されたように、位置決め機構101の第1位置決めモジュール1010に車輪検出センサー1010fを設置してもよい。ここで説明を省略する。
【0175】
本実施例では、第2段階を実行する際に、得られた第2方向におけるAGVと基準標識の位置との差により、AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向bにおける位置を位置決めする。この基準標識は、刻み目、二次元バーコード、ある指定構造の輪郭等の各種形式であってよく、本実施例に限定しない。
【0176】
かつ、第2水平方向bに沿ってAGVを位置決めする際に、AGVに対して第2水平方向bに沿う付勢力を付与して移動させる必要がある。一方側のみからAGVに対して付勢力を付与する場合、付勢力の付与を停止すると、AGVは、慣性によって前にある程度の距離で移動し続けることがあるため、位置決め精度が低下する。この問題を避けるために、本実施例では、AGVの第2水平方向bにおける位置を位置決めする過程において、第2水平方向bに沿って同時にAGVの両側に付勢力を付与し、AGVがクランプ状態で位置決め位置まで押される。このような方法によれば、AGVの慣性による移動した距離を効果的に抑えることで、位置決め精度を向上する。上記バッテリ交換ステーションの実施例において、第2位置決めモジュール1011が水平押しアセンブリ1011aを水平に動かすことで、上記機能を実現できる。関連構造および原理は、当該実施例に詳しく説明したので、ここで繰り返し説明しない。
【0177】
ステップS20の目的は、AGVにおける古いバッテリモジュールをAGVの本体部分との接続関係を解除することである。ステップS10において、一般的に、AGV全体とバッテリ着脱機構12とは直接に接続しなく、ある程度の間隔がある。このため、このステップにおいて、バッテリ着脱機構が古いバッテリモジュールを操作しようとすると、古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングする必要がある。
【0178】
古いバッテリモジュールとバッテリ着脱機構とのドッキング方式について、その1つは、バッテリ着脱機構を上方へ移動して、AGVに接近させ、最後に両者間のドッキングを実現することである。もう1つの方式は、逆に、AGV全体をバッテリ着脱機構とドッキングする位置まで下方へ移動する。それ以外には、両者を同時に対向移動させてよく、両者を異なる速度で同方向へ移動し接近させてもよく、最終とドッキングすることを実現する。上記実施例におけるバッテリ交換ステーションにとって、第2種の方式であり、即ち、バッテリ交換装置1におけるリフトフレーム昇降機構11により、リフトフレーム10及びAGV全体を下方へ移動させて、バッテリ着脱機構12とドッキングする。
【0179】
バッテリ着脱機構に対して、古いバッテリモジュールとAGVとの接続関係を順調に、迅速に解除しようとすると、一般的に、両者間に高い位置決め精度を有する必要かある。このため、古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングする際に、さらに、古いバッテリモジュールの水平位置を位置決めしてよい。当該位置決めする過程は、ドッキングが開始される前に、ドッキング中、さらには、ドッキングが完成された後に始めてよい。そして、当該位置決めする過程は、ドッキングが完成された前、完成された時に、または完成された後に完成してよい。上記のバッテリ交換ステーションにとって、その位置きめ過程は、一般的に、ドッキングする過程の実行中に始めて、ドッキングが完成された後で終了する。
【0180】
具体的に、本実施例において、バッテリモジュールの水平位置を位置決めする過程は、2つの段階がある。1つ目の段階は、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決め、即ち低精度の誤差が大きい位置決めを行う。2つ目の段階は、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決め、即ち高精度の誤差が小さい位置決めを行う。
【0181】
1つ目の段階について、本実施例では、粗位置決めピンを下方からバッテリモジュールの粗位置決め穴に挿入する方式によって、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の粗位置決めを行う。2つ目の段階について、本実施例では、同時に、精密位置決めピンを下方からバッテリモジュールの精密位置決めに穴挿入して、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行う。そして、精密位置決めピンと精密位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅は、所述粗位置決めピンと粗位置決め穴とによって形成された環状隙間の幅より小さい。即ち、環状隙間の大きさを精度の基準として、環状隙間が大きいほど精度が低く、逆に、環状隙間が小さいほど精度が高い。
【0182】
上記したバッテリ交換ステーションにおけるバッテリ着脱機構12の構造から見ると、粗位置決めピン1210を下方からバッテリモジュールの粗位置決め穴に挿入する過程は、バッテリモジュール93がその下方にあるバッテリ着脱機構12の当接台120の当接面1200へ移動する過程と同期に完成し、かつ、バッテリモジュール93は、水平方向の粗位置決めを完成した時に、当接面1200に当接された状態である。
【0183】
精密位置決めピン1220を下方からバッテリモジュール93の精密位置決め穴に挿入する過程に、具体的に、精密位置決めピン1220を当接面1200の下方から当接面1200に突出する方向へ移動して、バッテリモジュール93の精密位置決め穴に挿入し、AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の精密位置決めを行うことであってよい。具体的な位置決め部品の構造、及び関連する位置決めする原理は、いずれも上記バッテリ交換ステーションの実施例において説明されたので、ここで説明を省略する。
【0184】
バッテリモジュールの水平位置決めを完成した、またはほぼ完成した場合、バッテリ着脱機構はバッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除し始めてよい。バッテリモジュールとAGVの本体との間に、例えば、上記バッテリ交換ステーションの実施例に説明された、ロックモジュール930と、AGVのサブフレーム91のロック910との接続関係を設定してよい。このため、バッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除することは、実際に、ロックモジュール930とロック910との接続関係を解除して、ロックモジュール930をロック解除することである。本実施例に提供されるAGVにとって、ロック解除モジュールによりAGVのバッテリモジュールをロック解除してよい。ロック解除モジュールの構造は上記バッテリ交換ステーションの関連説明を参照すればよい。当該ロック解除モジュール123はロック解除ロッド1230を備える。ロックモジュール930は、ロック解除モジュール123のロック解除ロッド1230が当接面1200の下方から当接面1200に突出する方向へ移動する過程において、ロック解除されることができる。関連するロック解除の構造及び原理は、上記バッテリ交換ステーションの実施例において詳細に説明されたので、ここで説明を省略する。
【0185】
1つのバッテリモジュール93に対して、異なる方位で複数のロックモジュール930を設置することが必要な場合がある。バッテリモジュール93の底面の面積が大きいため、プラスチック等の非耐久性材料で作製する場合、使用中に変形し易く、変形した底面によるロックモジュール930とロック解除ロッド1230との相対位置が変化されることがあるため、一部ロック解除ロッド1230を張り出してもロックモジュール930をロック解除できない。
【0186】
上記問題を回避または改善するために、本実施例では、バッテリモジュール93が鉛直方向に沿ってその下方にある当接台120の当接面1200に対して相対的に移動させて接近する過程において、バッテリモジュール93は、当接台120を下方に押圧して当接台120に接続した弾性バッファ支持モジュール126を弾性変形させる。この過程は、当接台120が予定位置に押圧されたことを検出した後に停止する。つまり、バッテリモジュール93と当接台120との相対移動を停止する。このような弾性押圧により、当接面1200をバッテリモジュール93の底面と密着させることで、ロックモジュール930とロック解除ロッド1230との相対位置精度を確保する。
【0187】
ステップS20により、古いバッテリモジュールとAGVとの接続関係を解除できるが、このとき、古いバッテリモジュールが依然としてAGVのバッテリモジュール組み立てエリア(例えば、サブフレーム91の内部エリア)にあるため、両者の空間位置に限られ、古いバッテリモジュールを直接に移送することが困難である。このため、ステップS30を実行して、古いバッテリモジュールをAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱する必要がある。
【0188】
ステップS30を実行する過程において、ステップS20で古いバッテリモジュールを下方のバッテリ着脱機構とドッキングしたので、一般的に、バッテリ着脱機構がAGVの本体の載置デバイスに対して鉛直方向に沿って互いに離れる。古いバッテリモジュールとバッテリ着脱機構とがドッキングされているため、両者は相対静止に保持できる。AGVが載置デバイスに搭載され、両者が相対静止に保持することで、古いバッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱することを実現できる。類似的に、AGVと古いバッテリモジュールとの離脱は、一方が動かず、他方が鉛直方向に沿って離れること、または、両者が同時に互いに離れる方向へ移動すること、さらには、両者が異なる速度で同方向へ移動し互いに離れることであってよい。上記バッテリ交換ステーションにとって、一般的には、リフトフレーム昇降機構11とリフトフレーム10との協働により、古いバッテリモジュールがAGVのバッテリモジュール組み立てエリアから離脱するまで、AGVを上方に移動させる。
【0189】
いくつかのAGVの着脱する過程において、AGV自身とバッテリモジュールのサイズ精度の原因で、両者がロックモジュールのロック関係を解除した場合でも、他の固定構造を形成すべきでない位置に、過充填、スクイーズなどによる一時的な固定構造を形成する可能性がある。これらの固定構造があるため、バッテリ着脱機構及びその載置台が、AGVが載置されているデバイス及びAGV全体から鉛直方向に互いに離れても、バッテリモジュールは、離れることがなく、AGVと一体に固定されているままのことがある。
【0190】
この場合、自動化デバイスによって改善するために、ステップS30には、以下のステップを含んでよい。
【0191】
鉛直方向に当接台とAGVとを互いに離し、当接台にバッテリモジュールが存在するか否かを検出する。当接台にバッテリモジュールが存在することを検出した場合、ステップS30を終了する。当接台にバッテリモジュールが存在しない場合、以下のステップを行う。
【0192】
バッテリモジュールが鉛直方向に沿ってその下方にある当接台の当接面に対して相対的に移動させて再び当接させる。
【0193】
牽引フックをバッテリモジュールに引っ掛ける。
【0194】
再び鉛直方向に当接台とAGVとを互いに離す。
【0195】
再び互いに離れる過程において、バッテリモジュールが牽引フックによって引っ掛けられ、AGVとともに移動できない。そのため、互いに離れる過程において、前述した一時的な固定構造が壊されるので、バッテリモジュールとAGVとを順調に離脱させる。上記したバッテリ交換ステーションの実施例において、当接台120にバッテリモジュール93が存在するか否かを検出する過程は、バッテリモジュール検出センサー124により実現できる。牽引フック1250がバッテリ着脱機構12に設置されているが、他のデバイスにおいては、牽引フックが他のAGVとともに移動しない構造またはデバイスに設置されることもある。
【0196】
AGVが順調に移送または輸送可能な状態になった後、ステップS40を実行し始めて、古いバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から取り外し、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングしてよい。この過程は、人工で完成してよく、上記バッテリ交換ステーションを用いて完成してもよい。新しいバッテリモジュールとバッテリ着脱機構とのドッキングを完成した後、ステップS50を実行して、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置させ、AGVとの接続関係を確立して、バッテリ交換の全ての過程を完成してよい。
【0197】
自動化効率を向上するために、ステップS40を実行する過程において、当接台に再びバッテリモジュールが存在するか否かを検出し、当接台に再びバッテリモジュールが存在することを検出した場合、ステップS50を実行する。当接台に再びバッテリモジュールが存在するか否かを判断する方式はたくさんあり、例えばカウンターまたはカウンターソフトとバッテリモジュール検出センサー124との組み合わせなどを採用する。
【0198】
ステップS30において、バッテリ着脱機構とAGVとの間の距離が遠い場合もあるため、ステップS40において、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構とドッキングした後、新しいバッテリモジュールとAGVとの間の距離が遠くて、直接に組み立てることができない。このため、ステップS50において、新しいバッテリモジュールをAGVに対して相対的に移動させて接近させ、両者間の距離を短縮することで、新しいバッテリモジュールをバッテリモジュール組み立てエリアに配置させる。この接近する過程は、AGV全体を下方へ移動する方式によって実現され、AGVの下方への移動とともに、新しいバッテリモジュールが少しずつAGVのバッテリモジュール組み立てエリアに進入することができる。これにより、新しいバッテリモジュールとAGVとの接続関係の確立方式は、設置された機構によりロックモジュールが再びロックされることができ、当該機構の形態及びロック原理は、ロックモジュールとその嵌め合い構造の異なりに応じて調整される。
【0199】
例えば、ロックモジュールのロック解除操作動作とロック操作動作とが同じである場合、ロック解除モジュール123は、同時にロック解除機構及びロック機構として構成されてもよい。ロック解除ロッド1230の1回目の張り出しによって、ロックモジュールがロック解除され、バッテリモジュールとAGVとの接続関係が解除される。ロック解除ロッド1230の2回目の張り出しによって、ロックモジュールが再びロックされ、バッテリモジュールとAGVとの接続関係が確立される。また、例えば、ロックモジュールのロック解除操作動作とロック操作動作とが全く逆である場合、ロック解除モジュール123の制御動作と逆の機構により、ロック動作を実行することがきる。上記実施例に提供されるロックモジュール930とロック910との嵌め合い構造にとって、より迅速なロック方法もある。即ち、バッテリモジュール93は、バッテリモジュールの組み立てエリアに移動するとともに、自らロックモジュール930とロック910とのロックを実現でき、余計なステップが不要である。
【0200】
AGVの各システムは、稼働状態で複数のコマンドまたは他の情報を常時に受信、送信、記録及び呼び出す必要があるため、AGVの電源が一旦切ると、これらの機能が失い、さらには、その内部に記録されている情報も失う場合もある。このため、一般的に、AGVの各システムは、常時に通電状態に保持される必要があり、バッテリを交換する際にも同じである。普段、AGVは、電気エネルギーがそのバッテリモジュールによって提供される。しかし、上記ステップS20~ステップS50の4つのステップにおいて、特に古いバッテリモジュールとAGVとの接続関係が解除される直前から、新しいバッテリモジュールとAGVとの接続関係が確立されるまでの期間に、AGVは、バッテリモジュールに接続されていないこともあるため、バッテリモジュールの電気エネルギーを利用できない。このため、上記4つのステップを実行する過程において、AGVの電源が遮断されないことを保証するために、本実施例では、上記ステップS20~ステップS50の4つのステップを実行する過程において、AGVが常にプリチャージ状態である。プリチャージ状態とは、外部から一時的な接続によってAGVに一時的に給電することを意味します。
【0201】
本実施例において、プリチャージ線路は、ステップS20を実行する前にAGVとの接続を完成した。具体に、プリチャージ線路は、ステップS10を実行する前にAGVとの接続と完成して、ステップS10を実行してよい。または、プリチャージ線路は、ステップS10を実行する過程において、AGVとの接続を完成してよい。例えば、上記したバッテリ交換ステーションの実施例において、プリチャージ線路の接続は、AGVの水平位置に対する位置決めを実行する過程において、同期に行ってよい。無論、他のいくつかの実施例において、プリチャージ線路は、AGVの位置決めを開始する前または完成後で実行してよい。また、本実施例において、ステップS50を実行した後、AGVをプリチャージ線路から切断してよい。プリチャージ回路とAGVとの接続構成は、上記したバッテリ交換ステーションのプリチャージ機構106の関連構成を参照すればよく、ここで説明を省略する。なお、プリチャージ線路は、ステップS10を実行した後、ステップS20を実行する前に、AGVとの接続を完成してよい。
【0202】
AGVを初期位置から持ち上げ、バッテリ着脱機構をAGVの下方まで水平移動するステップの実施例について、ステップS50を完成した後、さらに、新しいバッテリモジュールをバッテリ着脱機構から離脱して、バッテリ着脱機構をAGVの下方から水平移動し、AGVを初期位置まで下降することで、デバイスを初期状態に復帰させる。それは、AGVが初期位置から離れることも、次のAGVが進入することに対しても有利である。この過程は、同様に、上記したバッテリ交換ステーションによって実施されてよく、関連する実施形態については、上記実施例で説明されている。
【0203】
図23に示すように、本開示の実施例に提供されるAGVのバッテリ着脱方法は、以下のステップS60~ステップS80を含む。
【0204】
ステップS60:AGVのバッテリモジュールに対して水平方向の位置決めを行う。
【0205】
ステップS70:ロック解除モジュールによりAGVのバッテリモジュールにおけるロックモジュールのロックを解除する。
【0206】
ステップS80:鉛直方向にバッテリモジュールとAGVとを互いに離して、バッテリモジュールをAGVの下方から離脱させる。
【0207】
図24に示すように、本開示実施例に提供されるAGVの位置決め方法は、以下のステップS90とステップS100とを含む。
【0208】
ステップS90:AGVの車輪を位置決めすることで、AGVの車輪軸線に垂直な第1水平方向における位置を位置決めすることを実現する。
【0209】
ステップS100:AGVの車輪軸線に沿う第2水平方向における位置を位置決めし、かつ、AGVが第2水平方向に沿って位置決めする過程において、AGVの第1水平方向における位置が変化しないことを常に保持する。
【0210】
以上より、本開示実施例に提供されるAGVのバッテリ交換方法は、バッテリ交換時間の節約、AGVの稼働効率の向上、バッテリ交換の高速化、高精度化、高自動化等の多くの利点を有する。
【0211】
本開示の上記実施例において、各実施例間の差異を重点的に説明したが、各実施例間の異なる好適な特徴が互いに矛盾しない限り、いずれもより好適な実施例を組み合わせて形成でき、文脈の簡潔上、ここで説明を省略する。
【0212】
以上の記載は、本開示的実施例に過ぎず、本開示を制限することを意図しない。当業者にとって、本開示は、種々の変更、改変があり得る。本開示の旨及び原理の範囲内で行われた変更、同等の交換、改良などは、本開示の請求項の範囲に含むべきである。
【符号の説明】
【0213】
1 バッテリ交換装置
10 リフトフレーム
100 支持台
1000 支持面
1000a 収容空間
1001 回避エリア
1002 開口
101 位置決め機構
1010 第1位置決めモジュール
1010a 位置決めスライダー
1010b ガイドレール
1010c 位置決め溝
1010d ガイド斜面
1010e リセット弾性部材
1010f 車輪検出センサー
1011 第2位置決めモジュール
1011a 水平押しアセンブリ
1011a1 固定ブラケット
1011a2 移動ブラケット
1011a3 水平押し動力手段
1011a4 押しガイド手段
1011a5 可撓性クリップブロック
1012 基準標識
102 サブフレーム押下機構
1020 押下動力手段
1021 押下部材
103 サブフレーム押上機構
104 メインフレーム押下機構
1040 押下動力手段
1041 押下部材
105 支持フレーム
1050 本体部
1051 延在部
106 プリチャージ機構
1060 プリチャージ電気接続部材
1061 プリチャージ動力手段
11 リフトフレーム昇降機構
12 バッテリ着脱機構
120 当接台
1200 当接面
1201 ボール手段
121 粗位置決めモジュール
1210 粗位置決めピン
122 精密位置決めモジュール
1220 精密位置決めピン
1221 精密位置決め動力手段
123 ロック解除モジュール
1230 ロック解除ロッド
1231 ロック解除動力手段
124 バッテリモジュール検出センサー
125 牽引モジュール
1250 牽引フック
1251 牽引フック動力手段
126 弾性バッファ支持モジュール
127 バッファ支持リミットセンサー
128 走行モジュール
129 基体
13 スロープ
2 バッテリ収容システム
20 バッテリピックアンドプレイス装置
200 載置台
2000 バッテリモジュール固定部材
2001 位置制限機構
2001a 位置制限部材
2001b 位置制限動力手段
201 移載機構
2010 伸縮モジュール
2011 回転モジュール
202 バッテリ昇降機構
203 バッテリ交換口
204 バッテリ収納口
205 消防廃物排出口
206 固定フレーム
207 メイン支持フレーム
2070 昇降通路
21 収納装置
210 充電スタンドブラケット
211 充電スタンド
2110 充電台
2110a 受け面
2111 充電スタンド粗位置決めモジュール
2111a 充電スタンド粗位置決めピン
2112 充電スタンド精密位置決めモジュール
2112a 充電スタンド精密位置決めピン
2113 コネクターモジュール
2113a コネクター
2114 充電スタンドボール手段
2115 充電スタンドバッテリモジュール検出センサー
2116 支持フレーム
2117 取付台
2118 一体型動力手段
3 消防装置
30 バッテリモジュール載置機構
300 伸縮支持モジュール
3000 固定部
3001 支持部
3002 伸縮動力手段
3003 ガイドレール
31 消防箱
32 消防材料収納箱
320 材料排出口
33 材料排出弁
34 消防ブラケット
35 検出器
9 AGV
90 メインフレーム
91 サブフレーム
910 ロック
9100 ロック解除レバー
9101 U字形ロックヘッド
9102 ロック本体
92 ピン穴
93 バッテリモジュール
930 ロックモジュール
931 位置決め穴
a 第1水平方向
b 第2水平方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】