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  • 特表-車両用クラッチ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】車両用クラッチ
(51)【国際特許分類】
   F16D 21/00 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
F16D21/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515047
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 CN2020137891
(87)【国際公開番号】W WO2021129553
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911355968.5
(32)【優先日】2019-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086788
【氏名又は名称】泰安晟泰汽▲車▼零部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIAN SHENGTAI AUTO PARTS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲曉▼琴
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲傳▼昌
(72)【発明者】
【氏名】郭 幸昌
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲徳▼福
【テーマコード(参考)】
3J056
【Fターム(参考)】
3J056AA03
3J056AA11
3J056AA60
3J056BB44
3J056BE06
3J056GA02
3J056GA12
(57)【要約】
車両用クラッチであって、一次クラッチ(1)を備え、一次クラッチ(1)の他側に第1のアクチュエーター(2)と第2のアクチュエーター(3)が設けられ、一次クラッチ内(1)に第1の二次クラッチユニットと第2の二次クラッチユニットが設けられ、第1のアクチュエーター(2)は第1の二次クラッチユニットに動力的に連結され、第2のアクチュエーター(3)は第2の二次クラッチユニットに動力的に連結され、第1の二次クラッチユニットは、第1の二次クラッチ(4)と、第1の二次クラッチ(4)と嵌合して設けられた摩擦ユニット(5)と、を備え、第2の二次クラッチユニットは、第2の二次クラッチ(6)と、第2の二次クラッチ(6)と嵌合して設けられた摩擦ユニット(5)とを備え、第1の二次クラッチ(4)と第2の二次クラッチ(6)との間には、さらにシンクロナイザー(7)が設けられ、シンクロナイザー(7)は、第1の二次クラッチ(4)と第2の二次クラッチ(6)が分離する場合、シンクロナイザー(7)によって第1の二次クラッチ(4)と第2の二次クラッチ(6)を一体的にロックアップするように設けられる。該車両用クラッチは、2つの二次クラッチユニットを設けることにより、様々な作業条件に応じて単一クラッチを採用して受けるか、2つのクラッチを採用して共に受けるかを選択することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用クラッチであって、一次クラッチを備え、一次クラッチの他側に第1のアクチュエーターと第2のアクチュエーターが設けられ、一次クラッチ内に第1の二次クラッチユニットと第2の二次クラッチユニットが設けられ、前記第1のアクチュエーターは、第1の二次クラッチユニットに動力的に連結され、前記第2のアクチュエーターは、第2の二次クラッチユニットに動力的に連結され、前記第1の二次クラッチユニットは、第1の二次クラッチと、第1の二次クラッチと嵌合して設けられた摩擦ユニットとを備え、前記第2の二次クラッチユニットは、第2の二次クラッチと、第2の二次クラッチと嵌合して設けられた摩擦ユニットとを備え、第1の二次クラッチと第2の二次クラッチとの間には、さらにシンクロナイザーが設けられ、前記シンクロナイザーは、第1の二次クラッチと第2の二次クラッチが分離する場合、前記シンクロナイザーによって第1の二次クラッチと第2の二次クラッチを一体的にロックアップするように設けられることを特徴とする車両用クラッチ。
【請求項2】
前記摩擦ユニットは、第1の二次クラッチ又は第2の二次クラッチに連結されるクラッチ摩擦ライニングと、一次クラッチに固定連結される鋼板とを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用クラッチ。
【請求項3】
前記第1の二次クラッチは、クラッチ摩擦ライニングに連結される第1の縦板を備え、前記第1の縦板は第1の横板を介して第1の連結板に連結され、前記第2の二次クラッチはクラッチ摩擦ライニングに連結される第2の縦板を備え、前記第2の縦板は第2の横板を介して第2の連結板に連結され、前記第1の連結板に第1の係止リングが設けられ、前記第2の連結板に第2の係止リングが設けられ、前記シンクロナイザーは、第1の係止リング、第2の係止リングの片側に設けられ、前記シンクロナイザーはシンクロナイジングリングを備え、前記シンクロナイジングリングの側部に復帰リングが設けられ、前記復帰リングは弾性部材を介して第1の横板及び/又は第2の横板に当接するように設けられ、前記第1の係止リング、第2の係止リング及びシンクロナイザーは隣接して当接するように設けられ、前記弾性部材は、復帰リングと第2の横板との間に設けられ、前記弾性部材はばねであり、前記第2の連結板には、第2の係止リングに連結されるサイドリングが設けられ、前記シンクロナイザーにスプラインが設けられ、前記第1の係止リング及び第2の係止リングに、スプラインに係止して設けられた係止キーが設けられ、前記係止キーに斜め方向に設けられたテーパ歯が設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両用クラッチ。
【請求項4】
前記第1のアクチュエーターは、第1の分離軸受と嵌合して設けられる第1の分離レバーを備え、前記第1の分離軸受は第1の連結ロッドに連結され、前記第1の連結ロッドは一次クラッチを通過して第1の二次クラッチに連結されることを特徴とする請求項3に記載の車両用クラッチ。
【請求項5】
前記第1の連結ロッドは第1の分離軸受に連結される第1の横方向分離ロッドを備え、前記第1の横方向分離ロッドは第1の横方向分離ロッドの移動方向に延びる第1の縦方向分離ロッドに連結され、前記第1の縦方向分離ロッドは第1の伝動分離ロッドに連結され、前記第1の伝動分離ロッドは一次クラッチを通過するように設けられ、第1の二次クラッチに連結されることを特徴とする請求項4に記載の車両用クラッチ。
【請求項6】
前記第1の縦方向分離ロッドは一次クラッチ内に嵌め込まれていることを特徴とする請求項5に記載の車両用クラッチ。
【請求項7】
前記第2のアクチュエーターは、第2の分離軸受と嵌合して設けられる第2の分離レバーを備え、前記第2の分離軸受は第2の連結ロッドに連結され、前記第2の連結ロッドは一次クラッチを通過して第2の二次クラッチに連結されることを特徴とする請求項3に記載の車両用クラッチ。
【請求項8】
前記第2の連結ロッドは、第2の分離軸受に連結される第2の横方向分離ロッドを備え、前記第2の横方向分離ロッドは、第2の横方向分離ロッドの移動方向に延びる第2の縦方向分離ロッドに連結され、前記第2の縦方向分離ロッドは第2の伝動分離ロッドに連結され、前記第2の伝動分離ロッドは一次クラッチを通過するように設けられ、第2の二次クラッチに連結されることを特徴とする請求項7に記載の車両用クラッチ。
【請求項9】
前記第2の縦方向分離ロッドは一次クラッチ内に嵌め込まれていることを特徴とする請求項8に記載の車両用クラッチ。
【請求項10】
クラッチ押付板をさらに備え、前記クラッチ押付板は第1の二次クラッチユニット又は第2の二次クラッチユニットに当接するように設けられ、クラッチ押付板と一次クラッチとの間に押付ばねが設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用クラッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は車両用クラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデュアルクラッチオートマチックトランスミッションでは、その単一クラッチは動力源の全てのトルクを受ける。例えばモータピークトルクが200ニュートンメートルであると、単一クラッチの耐荷能力は200ニュートンメートルである。現在、2つのクラッチをロックするいくつかの方式もあるが、そのロック構造の信頼性が低く、且つ操作が不便であり、実用性が要件を満たすにはほど遠い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現段階では、一般的にはロックリング式慣性シンクロナイザーを採用し、リングギヤ及びロックリングは摩擦力により同期を保持するが、このような方式は車両用クラッチの組み合わせにとって、操作が不便であり、車両用クラッチの結合及び分離の際にいずれも非常に多くの不適切な点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本願は、車両用クラッチを提供し、該車両用クラッチは一次クラッチを備え、一次クラッチの他側に第1のアクチュエーターと第2のアクチュエーターが設けられ、一次クラッチ内に第1の二次クラッチユニットと第2の二次クラッチユニットが設けられ、前記第1のアクチュエーターは、第1の二次クラッチユニットに動力的に連結され、前記第2のアクチュエーターは、第2の二次クラッチユニットに動力的に連結され、前記第1の二次クラッチユニットは、第1の二次クラッチと、第1の二次クラッチと嵌合して設けられた摩擦ユニットとを備え、前記第2の二次クラッチユニットは、第2の二次クラッチと、第2の二次クラッチと嵌合して設けられた摩擦ユニットとを備え、第1の二次クラッチと第2の二次クラッチとの間には、さらにシンクロナイザーが設けられ、前記シンクロナイザーは、第1の二次クラッチと第2の二次クラッチが分離する場合、前記シンクロナイザーによって第1の二次クラッチと第2の二次クラッチを一体的にロックアップするように設けられる。本願は2つの二次クラッチユニットを設けることにより、様々な作業条件に応じて単一クラッチを採用して受けるか、2つのクラッチを採用して共に受けるかを選択することができ、使用時に、一般的には1つの二次クラッチを利用して定格トルクを受け、ピークトルクの状態で、シンクロナイザーにより2つのクラッチをロックアップし、それによりピークトルクをよりよく受け、且つクラッチを採用してロックアップした後、2つのクラッチの間の同期性がより高く、そのピークトルクを受ける信頼性を向上させる。
【0005】
好ましくは、前記摩擦ユニットは、第1の二次クラッチ又は第2の二次クラッチに連結されるクラッチ摩擦ライニングと、一次クラッチに固定連結される鋼板とを備える。
【0006】
好ましくは、前記第1の二次クラッチは、クラッチ摩擦ライニングに連結される第1の縦板を備え、前記第1の縦板は第1の横板を介して第1の連結板に連結され、前記第2の二次クラッチはクラッチ摩擦ライニングに連結される第2の縦板を備え、前記第2の縦板は第2の横板を介して第2の連結板に連結され、前記第1の連結板に第1の係止リングが設けられ、前記第2の連結板に第2の係止リングが設けられ、前記シンクロナイザーは、第1の係止リング、第2の係止リングの片側に設けられ、前記シンクロナイザーはシンクロナイジングリングを備え、前記シンクロナイジングリングの側部に復帰リングが設けられ、前記復帰リングは弾性部材を介して第1の横板及び/又は第2の横板に当接するように設けられ、前記第1の係止リング、第2の係止リング及びシンクロナイザーは隣接して当接するように設けられ、前記弾性部材は、復帰リングと第2の横板との間に設けられ、前記弾性部材はばねであり、前記第2の連結板には、第2の係止リングに連結されるサイドリングが設けられ、前記シンクロナイザーにスプラインが設けられ、前記第1の係止リング及び第2の係止リングに、スプラインに係止して設けられた係止キーが設けられ、前記係止キーに斜め方向に設けられたテーパ歯が設けられる。本願の二次クラッチ部分では、スプライン、テーパ歯との結合、及びばねとの嵌合により、本願は、結合されていない場合に、ばねの作用下で、第1の二次シンクロナイザーと第2の二次シンクロナイザーとの結合を完了することができ、結合される場合に、その回転中、シンクロナイザーの復帰動作が完了する。
【0007】
好ましくは、前記第1のアクチュエーターは、第1の分離軸受と嵌合して設けられる第1の分離レバーを備え、前記第1の分離軸受は第1の連結ロッドに連結され、前記第1の連結ロッドは一次クラッチを通過して第1の二次クラッチに連結される。
【0008】
好ましくは、前記第1の連結ロッドは第1の分離軸受に連結される第1の横方向分離ロッドを備え、前記第1の横方向分離ロッドは第1の横方向分離ロッドの移動方向に延びる第1の縦方向分離ロッドに連結され、前記第1の縦方向分離ロッドは第1の伝動分離ロッドに連結され、前記第1の伝動分離ロッドは一次クラッチを通過するように設けられ、第1の二次クラッチに連結される。
【0009】
好ましくは、前記第1の縦方向分離ロッドは一次クラッチ内に嵌め込まれている。
【0010】
好ましくは、前記第2のアクチュエーターは、第2の分離軸受と嵌合して設けられる第2の分離レバーを備え、前記第2の分離軸受は第2の連結ロッドに連結され、前記第2の連結ロッドは一次クラッチを通過して第2の二次クラッチに連結される。
【0011】
好ましくは、前記第2の連結ロッドは、第2の分離軸受に連結される第2の横方向分離ロッドを備え、前記第2の横方向分離ロッドは、第2の横方向分離ロッドの移動方向に延びる第2の縦方向分離ロッドに連結され、前記第2の縦方向分離ロッドは第2の伝動分離ロッドに連結され、前記第2の伝動分離ロッドは一次クラッチを通過するように設けられ、第2の二次クラッチに連結される。
【0012】
好ましくは、前記第2の縦方向分離ロッドは一次クラッチ内に嵌め込まれている。本願は一次クラッチの外面に伝動機構を設けることにより、第1のアクチュエーター及び第2のアクチュエーターの作用を内部に伝導し、それによりクラッチ自体の動作を実現し、ここでは、一次クラッチは機能アセンブリとしてもよく、内部調整アセンブリに対する保護の役割を果たしてもよく、集積化構造を実現し、製造コストを削減すると同時に、構造の信頼性を向上させる。
【0013】
好ましくは、クラッチ押付板をさらに備え、前記クラッチ押付板は第1の二次クラッチユニット又は第2の二次クラッチユニットに当接するように設けられ、クラッチ押付板と一次クラッチとの間に押付ばねが設けられる。
【発明の効果】
【0014】
本願が生じる有益な効果は、以下のとおりである。
【0015】
1、本願は2つの二次クラッチユニットを設けることにより、様々な作業条件に応じて単一クラッチを採用して受けるか、2つのクラッチを採用して共に受けるかを選択することができ、使用時に、一般的には1つの二次クラッチを利用して定格トルクを受け、ピークトルクの状態で、シンクロナイザーにより2つのクラッチをロックアップし、それによりピークトルクをよりよく受け、且つクラッチを採用してロックアップした後、2つのクラッチの間の同期性がより高く、そのピークトルクを受ける信頼性を向上させる。
【0016】
2、本願の二次クラッチ部分では、スプライン、テーパ歯との結合、及びばねとの嵌合により、本願は、結合されていない場合に、ばねの作用下で、第1の二次シンクロナイザーと第2の二次シンクロナイザーとの結合を完了することができ、結合される場合に、その回転中、シンクロナイザーの復帰動作が完了する。
【0017】
3、本願は一次クラッチの外面に伝動機構を設けることにより、第1のアクチュエーター及び第2のアクチュエーターの作用を内部に伝導し、それによりクラッチ自体の動作を実現し、ここでは、一次クラッチは機能アセンブリとしてもよく、内部調整アセンブリに対する保護の役割を果たしてもよく、集積化構造を実現し、製造コストを削減すると同時に、構造の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで説明される図面は、本願をさらに理解するために提供され、本願の一部となり、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願を不適切に限定するものではない。図面において、
図1】本願の原理構造概略図である。
図2】本願の一実施形態の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本技術案の技術的特徴をより明らかに説明するために、以下、図面と具体的な実施形態を組み合わせて本願を詳細に説明する。
【0020】
図に示すように、本願の全体構想をより明らかに説明するために、以下、明細書の図面を参照して例示的に詳細に説明する。
【0021】
また、本願の説明では、次のように理解されるべきである。「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等という用語で指示する方位または位置関係は図面に示される方位または位置関係に基づくもので、本願を容易に説明し、説明を簡素化するためだけのものであり、言われる装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作する必要があることを指示したり暗示したりするものではなく、したがって、本願を限定するものとして理解されるべきではない。
【0022】
本明細書における各実施例は漸進的に説明されており、各実施例の間の同じまたは類似の部分を互いに参照することができ、各実施例は他の実施例との違いに焦点を合わせて説明される。
【0023】
なお、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的のみに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。それにより、「第1」、「第2」で定義された特徴は、1つまたは複数のこの特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本願の説明では、「複数」は、特に明記しない限り、2つまたは2つ以上を意味する。
【0024】
本願では、特に明確に指定および限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」等の用語は広い意味で理解すべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体接続であってもよいし、機械的接続、電気的接続または通信であってもよいし、直接接続、または中間媒体を介した間接接続であってもよいし、2つの素子内部の連通または2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な場合によって本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0025】
本願では、特に明確に指定および制限されていない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」に位置するのは、第1及び第2の特徴の直接接触であってもよいし、第1及び第2の特徴の中間媒体による間接接触であってもよい。本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などという参照用語の説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれる。本明細書において、上記の用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例又は例を指す必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0026】
第1の実施例では、図1に示すように、車両用クラッチであって、一次クラッチ1を備え、一次クラッチ1の他側に第1のアクチュエーター2と第2のアクチュエーター3が設けられ、一次クラッチ1内に第1の二次クラッチユニットと第2の二次クラッチユニットが設けられ、第1のアクチュエーター2は、第1の二次クラッチユニットに動力的に連結され、第2のアクチュエーター3は、第2の二次クラッチユニットに動力的に連結され、第1の二次クラッチユニットは、第1の二次クラッチ4と、第1の二次クラッチ4と嵌合して設けられる摩擦ユニット5とを備え、第2の二次クラッチユニットは、第2の二次クラッチ6と、第2の二次クラッチ6と嵌合して設けられる摩擦ユニット5とを備え、第1の二次クラッチ4と第2の二次クラッチ6との間には、さらにシンクロナイザー7が設けられ、シンクロナイザー7は、第1の二次クラッチ4と第2の二次クラッチ6が分離する場合、シンクロナイザー7によって第1の二次クラッチ4と第2の二次クラッチ6を一体的にロックアップするように設けられる。
【0027】
使用する時に、第1のアクチュエーター2及び/又は第2のアクチュエーター3を手動でトリガし又は自動的にトリガし、第1のアクチュエーター2は第2の二次クラッチユニットを駆動し、第2のアクチュエーター3は第2の二次クラッチユニットを駆動し、所定の条件を満たす場合、シンクロナイザー7が2つの二次クラッチをロックアップ又は結合し、所定の条件は、トルクが一定の値に達した後、電気制御の方式でシンクロナイザー7の動作を制御して両者を結合することであり得、同時に第1のアクチュエーター2と第2のアクチュエーター3をトリガした後、両者が機械的構造の作用下でシンクロナイザー7によりロックアップを完了することであり得る。ここで言われるシンクロナイザー7は第1の二次クラッチ4及び第2の二次クラッチ6を同期させることができる素子であり、一般的な機械的シンクロナイザー7であってもよく、電子式のシンクロナイザー7であってもよく、第1の二次クラッチ4及び第2の二次クラッチ6が同期を完了することを満たすことができればよい。
【0028】
第2の実施例では、図2に示すように、摩擦ユニット5は、第1の二次クラッチ4又は第2の二次クラッチ6に連結されるクラッチ摩擦ライニング8と、及び一次クラッチ1に固定連結される鋼板(鋼片)9とを備える。第1の二次クラッチ4はクラッチ摩擦ライニング8に連結される第1の縦板10を備え、第1の縦板10は第1の横板11を介して第1の連結板12に連結され、第2の二次クラッチ6はクラッチ摩擦ライニング8に連結される第2の縦板13を備え、第2の縦板13は第2の横板14を介して第2の連結板15に連結され、第1の連結板12に第1の係止リング16が設けられ、第2の連結板15に第2の係止リング17が設けられ、シンクロナイザー7は、第1の係止リング16、第2の係止リング17の片側に設けられ、シンクロナイザー7はシンクロナイジングリング18を備え、シンクロナイジングリング18の側部に復帰リング19が設けられ、復帰リング19は弾性部材20を介して第1の横板11及び/又は第2の横板14に当接するように設けられ、第1の係止リング16、第2の係止リング17及びシンクロナイザー7は隣接して当接するように設けられ、弾性部材20は、復帰リング19と第2の横板14との間に設けられ、弾性部材20はばねであり、第2の連結板15には、第2の係止リング17に連結されるサイドリング21が設けられ、シンクロナイザー7にスプラインが設けられ、第1の係止リング16及び第2の係止リング17にスプラインに係止して設けられた係止キーが設けられ、係止キーに斜め方向に設けられたテーパ歯が設けられる。第1のアクチュエーター2は第1の分離軸受23と嵌合して設けられる第1の分離レバー22を備え、第1の分離軸受23は第1の連結ロッド24に連結され、第1の連結ロッド24は一次クラッチ1を通過して第1の二次クラッチ4に連結される。第1の連結ロッド24は、第1の分離軸受23に連結される第1の横方向分離ロッド25を備え、第1の横方向分離ロッド25は第1の横方向分離ロッド25の移動方向に延びる第1の縦方向分離ロッド26に連結され、第1の縦方向分離ロッド26は第1の伝動分離ロッド27に連結され、第1の伝動分離ロッド27は一次クラッチ1を通過するように設けられ、第1の二次クラッチ4に連結される。第1の縦方向分離ロッド26は一次クラッチ1内に嵌め込まれている。第2のアクチュエーター3は、第2の分離軸受29と嵌合して設けられる第2の分離レバー28を備え、第2の分離軸受29は第2の連結ロッド30に連結され、第2の連結ロッド30は一次クラッチ1を通過して第2の二次クラッチ6に連結される。第2の連結ロッド30は第2の分離軸受29に連結される第2の横方向分離ロッド31を備え、第2の横方向分離ロッド31は第2の横方向分離ロッド31の移動方向に延びる第2の縦方向分離ロッド32に連結され、第2の縦方向分離ロッド32は第2の伝動分離ロッド33に連結され、第2の伝動分離ロッド33は一次クラッチ1を通過するように設けられ、第2の伝動分離ロッド33は第2の二次クラッチ6に連結される。第2の縦方向分離ロッド32は一次クラッチ1内に嵌め込まれている。クラッチ押付板34をさらに備え、クラッチ押付板34は第1の二次クラッチユニット又は第2の二次クラッチユニットに当接するように設けられ、クラッチ押付板34と一次クラッチ1との間に押付ばね35が設けられる。
【0029】
該実施例では、選択されるのは、第1の実施例に基づく純粋な機械の実施形態である。具体的な連動方式として、第1の二次クラッチユニットは第2の二次クラッチユニットとほぼ同じである。従って、第1の二次クラッチユニットのみで連動方式を説明し、他は第1の実施例と同じである。第1のアクチュエーター2は第1の連結ロッド24が動作するように駆動し、第1の連結ロッド24は鋼板9を分離するように駆動し、その後、第1の縦板10が動作し、第1の縦板10は第1の横板11が動作するように駆動し、第1の横板11は第1の連結板12が動作するように駆動し、その後、摩擦部分の結合又は分離を完了する。カプラーについて、まず、第2の縦板13の摩擦ライニングが鋼板との分離を完了し、その後、第2の横板14は第2の係止リング17が動作するように駆動し、それに伴って第1の縦板の摩擦ライニングが鋼板との分離を完了し、その後、第1の横板は第1の係止リング16が動作するように駆動し、この時に第1の係止リング16及び第2の係止リング17が同時に分離するため、シンクロナイザー7が第1の係止リング16及び第2の係止リング17に入って係止ロックアップ作業を完了する。
【0030】
本明細書における各実施例は漸進的に説明されており、各実施例の間の同じまたは類似の部分を互いに参照することができ、各実施例は他の実施例との違いに焦点を合わせて説明される。特に、システム実施例について、方法実施例とほぼ同じであるため、簡単に説明され、関連する点について、方法実施例の一部の説明を参照すればよい。
【0031】
以上は、本願の実施例に過ぎず、本願を限定するためのものではない。当業者にとって、本願は様々な変形と変化が可能である。本願の精神と原理から逸脱しない限り、行われたいずれの修正、等価置換、改善等は、本願の請求項の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
好ましくは、前記第1の二次クラッチは、クラッチ摩擦ライニングに連結される第1の縦板を備え、前記第1の縦板は第1の横板を介して第1の連結板に連結され、前記第2の二次クラッチはクラッチ摩擦ライニングに連結される第2の縦板を備え、前記第2の縦板は第2の横板を介して第2の連結板に連結され、前記第1の連結板に第1の係止リングが設けられ、前記第2の連結板に第2の係止リングが設けられ、前記シンクロナイザーは、第1の係止リング、第2の係止リングの片側に設けられ、前記シンクロナイザーはシンクロナイジングリングを備え、前記シンクロナイジングリングの側部に復帰リングが設けられ、前記復帰リングは弾性部材を介して第1の横板及び/又は第2の横板に当接するように設けられ、前記第1の係止リング、第2の係止リング及びシンクロナイザーは隣接して当接するように設けられ、前記弾性部材は、復帰リングと第2の横板との間に設けられ、前記弾性部材はばねであり、前記第2の連結板には、第2の係止リングに連結されるサイドリングが設けられ、前記シンクロナイザーにスプラインが設けられ、前記第1の係止リング及び第2の係止リングに、スプラインに係止して設けられた係止キーが設けられ、前記係止キーに斜め方向に設けられたテーパ歯が設けられる。本願の二次クラッチ部分では、スプライン、テーパ歯との結合、及びばねとの嵌合により、本願は、結合されていない場合に、ばねの作用下で、第1の二次クラッチ第2の二次クラッチとの結合を完了することができ、結合される場合に、その回転中、シンクロナイザーの復帰動作が完了する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
2、本願の二次クラッチ部分では、スプライン、テーパ歯との結合、及びばねとの嵌合により、本願は、結合されていない場合に、ばねの作用下で、第1の二次クラッチ第2の二次クラッチとの結合を完了することができ、結合される場合に、その回転中、シンクロナイザーの復帰動作が完了する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
使用する時に、第1のアクチュエーター2及び/又は第2のアクチュエーター3を手動でトリガし又は自動的にトリガし、第1のアクチュエーター2は第の二次クラッチユニットを駆動し、第2のアクチュエーター3は第2の二次クラッチユニットを駆動し、所定の条件を満たす場合、シンクロナイザー7が2つの二次クラッチをロックアップ又は結合し、所定の条件は、トルクが一定の値に達した後、電気制御の方式でシンクロナイザー7の動作を制御して両者を結合することであり得、同時に第1のアクチュエーター2と第2のアクチュエーター3をトリガした後、両者が機械的構造の作用下でシンクロナイザー7によりロックアップを完了することであり得る。ここで言われるシンクロナイザー7は第1の二次クラッチ4及び第2の二次クラッチ6を同期させることができる素子であり、一般的な機械的シンクロナイザー7であってもよく、電子式のシンクロナイザー7であってもよく、第1の二次クラッチ4及び第2の二次クラッチ6が同期を完了することを満たすことができればよい。
【国際調査報告】