(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】機器の壁に固定する熱交換器機構
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20221102BHJP
【FI】
F24F5/00 101Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515063
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2020074956
(87)【国際公開番号】W WO2021044057
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】102019124005.0
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511074350
【氏名又は名称】アンドレアス ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Andreas Hettich GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エベール,クラウス-ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリング,フランク・カール
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BF02
(57)【要約】
本発明は、機器の壁に固定される熱交換器機構(10)であって、ハウジング(12)を備え、そのハウジング内に主流路(18)が形成され、その主流路内に液体熱交換器(20)が配置され、空気ファン(16)が、主流路(18)内にさらに配置され、その空気ファンが、液体熱交換器(20)を通して空気流を導く、熱交換器機構に関する。本発明は、過圧フラップ(50)が設けられ、その過圧フラップが、過剰圧力の場合に液体熱交換器(20)および空気ファン(16)の前方を開放することを可能にし、それによって主流路(18)にバイパスを形成することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の壁に取り付けられる熱交換器機構(10)であって、ハウジング(12)を備え、前記ハウジング(12)内に主流路(18)が形成され、前記主流路(18)内に液体熱交換器(20)が配置され、送風装置(16)が、前記主流路(18)内にさらに配置され、前記送風装置(16)が、前記液体熱交換器(20)を通して空気を流すように働く、熱交換器機構(10)において、過圧フラップ(50)が設けられ、前記過圧フラップが、過剰圧力の場合に前記液体熱交換器(20)および前記送風装置(16)の上流を開放することを可能にし、それによって前記主流路(18)からのバイパスを形成することを特徴とする、熱交換器機構。
【請求項2】
前記液体熱交換器(20)に生じる凝縮水を取り込むように適合されたドリップ・トレイ(40)が設けられ、前記液体熱交換器(20)の上流から空気を枝分かれさせ、前記ドリップ・トレイ(40)上を通過させ、それによって前記ドリップ・トレイ(40)内のあらゆる水分を前記空気流に吸収させる空気案内要素(42)が、さらに設けられることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器機構。
【請求項3】
前記ハウジング(12)が、工具を使用することなく前記ハウジング(12)を機器の壁に取外し可能に固定することができる固定手段(54)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱交換器機構。
【請求項4】
前記固定手段が、フック(54)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の熱交換器機構。
【請求項5】
前記固定手段が、面ファスナー要素を備えることを特徴とする、請求項3または4に記載の熱交換器機構。
【請求項6】
前記空気案内要素(42)が、開口を有する金属薄板であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器機構。
【請求項7】
前記開口と前記主流路(18)と前記送風装置(16)とが、前記主流路(18)の体積流量の20%未満の体積流量が前記ドリップ・トレイ(42)上に導かれるように互いに適合されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器機構。
【請求項8】
前記過圧フラップ(50)が、前記送風装置(16)が作動していないときに昂じる動圧に対応する圧力で開くことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器機構。
【請求項9】
前記送風装置(16)と前記液体熱交換器(20)とが、前記液体熱交換器(20)が前記送風装置(16)の吸い込み側に位置するように配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の熱交換器機構。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換器機構と、前記液体熱交換器(74a、74b、74c)を通って流れる冷却流体を冷却する冷却ユニット(100)と、前記液体熱交換器(74a、74b、74c)を前記熱交換器機構(10)に接続する接続ライン(80)とを備える冷却システム。
【請求項11】
前記接続ライン(80)が、前記冷却流体を導く少なくとも1つの流体導管(82a、82b)を備え、前記熱交換器機構(10)の前記液体熱交換器(74a、74b、74c)に接続するための接続部品を備える接続ターミナル(84a、84b、84c)が、前記流体導管(82a、82b)に接続されることを特徴とする、請求項10に記載の冷却システム。
【請求項12】
前記接続ライン(80)が、供給ライン(82a)および戻しライン(82b)を備え、前記両ラインが前記冷却ユニット(100)に接続され、前記接続ターミナル(84a、84b、84c)が、複数の液体熱交換器(74a、74b、74c)を並列に接続するように設計され、各熱交換器機構(70a、70b、70c)に1つの接続ターミナル(84a、84b、8ac)が割り当てられることを特徴とする、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
複数の熱交換器機構(70a、70b、70c)が、室(120)内に配置され、接続ターミナル(202、204、206、208)を介して前記冷却ユニットに接続され、前記冷却ユニットが、排出空気を前記室の外部に排出し、または、とりわけ、前記冷却ユニットが、前記熱交換器機構(70a、70b、70c)を収容する前記室(120)の外部に配置され、温度センサ(88)が、前記室内に配置され、前記センサが、室温を測定し、前記室温を前記冷却ユニット(100)の制御部(90)に送ることを特徴とする、請求項12に記載の冷却システム。
【請求項14】
湿度センサが、前記室(120)内に設けられることを特徴とする、請求項13に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記接続ライン(80)が、前記温度センサ(88)および/または前記湿度センサを収装する基礎ターミナル(86)を備え、前記センサが、前記基礎ターミナル(86)を介して前記冷却ユニット(100)の制御部(90)に接続されることを特徴とする、請求項13または14に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記基礎ターミナル(86)が、電源(110)からの入力用の接点を有することを特徴とする、請求項15に記載の冷却システム。
【請求項17】
前記接続ターミナル(200)が、前方および/または後方の接続ターミナル(200)あるいは基礎ターミナル(86)に接続するための電力コネクタ(212、214)を有することを特徴とする、請求項16に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記接続ターミナル(200)が、前記送風装置(16、76a、76b、76c)に接続するための電気接点(210)を有することを特徴とする、請求項17に記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の壁に取り付ける熱交換器機構に関する。
【背景技術】
【0002】
室内環境は、特にある一定の箇所で、室内に存在する機器から加わる温度によって影響を受けることが知られている。
【0003】
DE202016105077U1は、機器用、特に実験設備用の熱交換器機構を開示する。その明細書の開示によると、ホースを使用して熱交換器を実験装置の排気領域に接続し、それによって、その後室内に導入される排出空気を冷却する。同様な設計が、DE4111333A1でも開示され、その場合、機器の排出空気は、ダクトシステムを介して排出され、冷却された後に部屋に再導入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、コンパクトな設計から成り、特に容易に取り付けることができる熱交換器機構を提供し、それによって、機器、特に実験装置から出てくる温かい排出空気によって室温が熱せられるのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。
【0006】
従属請求項は、本発明のさらに別の有利な実施形態に関する。
【0007】
本発明によれば、熱交換器機構は、主流路がその中に形成されるハウジングを備え、その主流路内に液体熱交換器が配置される。既知のように、液体熱交換器は、冷却流体の入口と、排出空気によって加熱された冷却流体の出口とを有する。好ましくは、加熱された冷却流体は、実験室の外部で冷やされる。さらに、送風装置が主流路内に配置され、その送風装置は、液体熱交換器を介して空気流を通すように働く。さらに、過圧フラップが設けられて、それによって、主流路内が過剰圧力の場合に、流れ方向において熱交換器および送風装置の上流で、主流路を開放することを可能にする。過圧フラップによって、主流路からバイパスが形成され、それによって、送風装置および液体熱交換器をバイパスすることが可能になる。この能動的圧力設定は、送風装置が故障しても、機器からの排出空気を室内に安全に排出することを確実にし、これによって、機器に直接的に分散型使用が可能になる。その理由は、送風装置の故障の場合でも、機器内の熱蓄積を確実に回避することができ、機器を、熱交換器機構を起動させずに作動させるときと同様に、作動させることができるからである。
【0008】
さらに、熱交換器を機器の壁に固定する固定手段が設けられる。固定手段およびハウジングは、1つの熱交換器機構がそれぞれ実験装置の空気出口領域および/または空気入口領域に割り当てられるように、設計される。
【0009】
これによって、機器が複数の空気排出領域を有している場合でも、各熱交換器によって処理される熱量が最小化される。その結果、液体熱交換器による冷却は、最小量のエネルギーしか必要としない。それによって、冷却中の凝縮水の形成を、可能な最大限度まで防止することができる。
【0010】
本発明の有利な実施形態では、液体熱交換器に生じる凝縮水を取り込むように適合されたドリップ・トレイを設けることができ、空気案内要素をさらに設けて、液体熱交換器の上流から空気を枝分かれさせ、ドリップ・トレイの上を通過させ、それによってドリップ・トレイ内のあらゆる水分を空気流に吸収させ、室内空気中に放し戻す。
【0011】
これにより、室内の機器からの排出空気を分散式に冷却する手段が創出され、その手段は、既存の設備に後付けすることができ、また、その手段は、上記の解決策が空気の湿度に影響しないので、クリティカルな環境に使用することができる。
【0012】
好ましくは、ハウジングは、工具を使用せずに該ハウジングを機器の壁に取外し可能に固定することができる固定手段を有する。これは、熱交換器機構を付けて使用するときの機器全体の再検証の必要性を無くす。
【0013】
特に有利な実施形態によれば、固定手段は、少なくとも部分的にフックとして形成される。そのようなフックは、実験装置に頻繁に提供される検査開口部に吊り下げられ得る。
【0014】
固定手段は、また、面ファスナー要素として設計された固定手段を備え得る。これによって、熱交換器機構は、必要に応じて容易に取付けまたは取り外すことが可能になる。
【0015】
空気案内要素は、好ましくは、穿孔された金属薄板から形成され、その金属薄板は、主流路に対して傾けて設定され、それによって、空気流の分布が改善される。好ましくは、ドリップ・トレイは、搭載すると液体冷却器の下に配設されるように設計することができる。これによって、生じ得るあらゆる滴下水を収集することが極めて容易になる。
【0016】
ドリップ・トレイは、熱交換器機構の出口の方向に空気バッフルを有し得、そのバッフルは、詳細には出口の下流を終端とし、それによって、ドリップ・トレイ上に導かれた空気流は、主空気流と再合流させられる。
【0017】
開口と主流路と送風装置とが、主流路の体積流量の20%未満の体積流量がドリップ・トレイ上に導かれるように互いに適合されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の熱交換器機構。このようにして、生じ得るあらゆる凝縮水は、室内空気によって確実に吸収することができ、それによって、確実に、排出空気が可能な最大限まで冷却される。
【0018】
過圧フラップは、好ましくは、送風装置が作動していないときの動圧に対応する圧力で開くように設定される。これによって、機器の故障の場合でも、過圧フラップによって排出空気を信頼性高く確実に放出することができる。
【0019】
過圧フラップは、詳細には、軸周りに回転し、所望の過剰圧力で流入する空気によってフラップが自動的に開くが、作動中は実質的に封止を行うように選択された流入面および重量を有するように設計される。
【0020】
過圧フラップは、好ましくは、主流路に斜めに対向して配置された空気出口プレートに載り、その結果、過圧フラップは、重力作用の下に空気出口プレートを蓋う。
【0021】
さらに、本発明は、上述のタイプの少なくとも1つの熱交換器機構と、接続ラインを介して熱交換器機構に接続された液体冷却器とを備える、室内空気を分散式に冷却する機構に関する。
【0022】
詳細には、送風装置と液体熱交換器とは、液体熱交換器が送風装置の吸い込み側に位置するように配置される。この結果、奥行に関してコンパクトな設計になり、それは、既存の実験装置に取り付けるのに有利である。
【0023】
さらに、本発明は、少なくとも1つの、特に複数の上記のタイプの熱交換器機構と、液体熱交換器を通って流される冷却流体を冷却する冷却ユニットと、液体熱交換器を熱交換器機構に接続する接続ラインとを備える冷却システムに関し、少なくとも1つの熱交換器機構が室内に配置され、冷却ユニットが、温かい排出空気を室外へ排出し、特に、冷却ユニットが室外に配置される。
【0024】
より詳細には、接続ラインは、冷却流体を導く少なくとも1つの流体導管と、熱交換器機構の液体熱交換器に接続するための接続部品を有する少なくとも1つの接続ターミナルとを備える。その結果、本発明による熱交換器機構の液体熱交換器を、必要に応じ、少なくとも1つの接続ターミナルに接続することができる。接続部品は、好ましくは、チェック・バルブを有し、その結果、液体熱交換器は、作動に影響することなく容易に接続および分離することができる。好ましくは、接続部品は、簡易脱着式流体コネクタとして設計される。
【0025】
接続ラインは、実験室内に既に存在し得る冷却回路でもよく、その冷却回路に、熱交換器機構の液体熱交換器が接続される。それによって、既存の基盤設備を使用して、室冷却のエネルギー効率を、従来の冷却に比較して著しく向上させることができる。
【0026】
接続ラインは、さらに好ましくは、供給ラインおよび戻しラインを備え、その両ラインは、接続ターミナルを介して冷却ユニットに接続される。そのとき、複数の熱交換器機構が接続ラインに接続され、複数の液体熱交換器が並列に接続されるようになされ、各熱交換器機構に接続ターミナルが割り当てられる。これは、全ての接続された熱交換器機構が、本質的に同じ流れ温度を有するという利点を有する。
【0027】
本発明の一実施形態では、複数の熱交換器機構が、室内に配設され、接続ターミナルを介して冷却ユニットに接続され、その冷却ユニットが、熱交換器機構を収容する室の外部に配置される。さらに、温度センサが、熱交換器機構が位置している室内に配置され、そのセンサが、室温を計測し、検出された温度を冷却ユニットの制御部に送る。
【0028】
好ましくは、湿度センサ、詳細には湿度計を、温度センサに加えて設けることができる。
【0029】
冷却ユニットの制御部は、流れ温度が露点以上の温度になるように設定される。湿度60%では、流れ温度は、24℃の室温より8℃以上低くはならない。このようにして、複数の分散型熱交換器機構の冷却容量を容易に一元的に調節することができる。これによって、機器からの排出空気は、凝縮液の形成が最小限になる程度までしか冷却されないことが確実になる。
【0030】
冷却ユニットによって回収された熱エネルギーは、好ましくは、熱を再利用するように加熱回路に供給することができ、または他の方法でエネルギー回収のために利用することができる。
【0031】
好ましくは、接続ラインは、温度センサが収納されている基礎ターミナル(base terminal)をさらに備え、温度センサは、基礎ターミナルを介して冷却ユニットの制御部に接続される。
【0032】
基礎ターミナルは、電源からの入力用の接点をさらに有し得、その接点は、送風装置、特に電気ファンとして設計された送風装置に一元的に電力を供給するために、接続ターミナルに電力を供給するのに使用することができる。
【0033】
本発明の別の好ましい実施形態では、接続ターミナルは、前方および/または後方接続ターミナルあるいは基礎ターミナルに接続するための電力コネクタ(power connector)をさらに備え得る。特に、そのとき、接続ターミナルは、送風装置、特に電気ファンに接続するための電気接点を有する。
【0034】
基礎ターミナルは、接続された送風装置の送風能力を調節することができるように電源に作用するために使用される調節手段を備え得る。
【0035】
これによって、全ての熱交換器機構の空気供給流量を、簡単に一元的に調節し、機器の排出空気状態および冷却流体の流れ温度に適合させることが可能になる。
【0036】
熱交換器機構同士は、好ましくは、同一の設計である。
【0037】
本発明のさらに別の利点、特徴、および可能な用途が、後続の説明から明らかになり、その説明では、図面に示された実施形態を参照する。
【0038】
説明、特許請求の範囲、および図面を通して、後記の符号の説明に列挙された用語および関連参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明による熱交換器機構の機能上の構成要素の後視斜視図である。
【
図3a】本発明による熱交換器機構の、作動状態の概略断面図である。
【
図3b】本発明による熱交換器機構の、故障の場合の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明による熱交換器機構10の機能上の構成要素の後視斜視図である。
熱交換器機構(Heat exchanger arrangement)10は、熱交換器機構10の空気入口を形成するフレーム14を有するハウジング12を備える。この図には示されていない固定手段を介して、熱交換器機構10は、機器(図示せず)、詳細には実験装置に、特に工具を使用することなく、取外し可能に固定することができる。好ましくは、一旦搭載されると、フレーム14は、実験装置の排気開口を取り囲む。
【0041】
フレーム14を通る空気は、本事例では並べて配置された2つの個々のファン16a、16bによって形成された送風装置16によって、流れの方向で見たとき送風装置16の上流に位置する液体熱交換器20を通って流される。液体熱交換器20は、空気の主流路18(
図3a参照)が液体熱交換器20を通って延在するように、壁によって囲まれている。
液体熱交換器20は、冷却流体用の入口接続部および出口接続部を有する。
【0042】
主流路18の上流には、作動中は過圧フラップによって閉じられる(
図1には示されず)空気出口30がある。過圧フラップ50は、より詳細に
図2に示される。
【0043】
ドリップ・トレイ40が、液体熱交換器20の下に配置され、冷却中に生じるあらゆる凝縮液を集める働きをする。主流路18の上流には、別の空気案内要素42が設けられ、その案内要素は、排出空気の一部を枝分かれさせ、ドリップ・トレイ40上に導く。空気案内要素42は、主流路18に対してある角度で延在するスロット付き金属板によって形成されている。この案内要素は、ドリップ・トレイ40に集められた凝縮液をすべて室内空気中に解放するために温かい排出空気を枝分かれさせ、それによって、冷却中に水分が発生し続けることを防止する。
【0044】
図2は、開放状態の過圧フラップ50の斜視図であり、そのフラップは、閉じられると空気出口30に載ってその空気出口を塞ぐ。最も単純な形態では、過圧フラップ50は、ソリッド・ジョイントを有するプラスチック板/フィルムである。これは、誤作動の場合の開放に関して十分な感度を発揮する。
【0045】
図3aは、本発明による熱交換器機構10の概略断面図であり、その熱交換器機構は、概略的にのみ示された実験装置60に連結されている。実験装置60は、温かい排出空気が実験装置からそこを通って吹き出される空気出口領域を有する多孔板62を備える。
【0046】
取付のために、熱交換器機構10は、フック54の形態の固定手段を備え、そのフックは、多孔板62の検査または取扱い開口部に吊り下げられるようになっている。これは、必要に応じて熱交換器機構10を実験装置60の背後に容易に配置することを可能にする。
【0047】
図3aは、作動状態における熱交換器機構10を示す。実験装置60からの排出空気は、過圧フラップ50が閉じた状態で、主として主流路18に分流され、主流路では、空気は、液体熱交換器20によって冷却され、それによって、室温に近い温度で室内に排出される。
熱交換器での凝縮によって生じることのあるあらゆる水分を回収するために、空気案内要素42が、主流路18の上流で排出空気の一部を枝分かれさせる。空気案内要素42は、開口断面が、固定されるようにも、または調節できるようにも構成することができる。
【0048】
図3bは、本発明による熱交換器機構10の不具合、すなわち送風装置16の不具合の場合の概略断面図である。作動上の安全性を確保するために、その場合、過圧フラップ50が空気流のみによって開放されて、実験装置60からの排出空気は、大きく妨害されることなく、空気出口30を通って熱交換器機構から流れ出る。
【0049】
これは、過圧フラップ50を制御する必要をなくし、不具合の場合であっても、機器からの温かい排出空気を常に確実に信頼性高く除去する。
【0050】
図4は、本発明による冷却システム130を示し、そのシステムは、実験装置72の3つの排気出口から吊り下げられ、工具を使用せずにそれら排気出口から取外し可能な本発明による3つの熱交換器機構70a、70b、70cを備える。熱交換器機構70a、70b、70cは、それぞれ、液体熱交換器74a、74b、74cを備え、それぞれの液体熱交換器は、接続ライン80を介して室120外に配置された冷却ユニット100に接続されている。接続ライン80は、2つのホース・ライン82a、82bを備え、それらホース・ラインには接続ターミナル84a、84b、84cが設置され、それによって、液体熱交換器74a、74b、74cを冷却ユニット100に流体接続することが可能になる。基礎ターミナル86がさらに設けられ、その基礎ターミナルは、室温を感知する温度センサ88を備える。温度センサ88は、冷却ユニット100の制御部90に接続される。制御部90は、冷却流体の流れ温度が、室温より8℃低くなるように設計されている。
【0051】
基礎ターミナル86は、さらに、電源110に接続され、その電力が基礎ターミナル86を介して接続ターミナル84a、84b、84cに分配される。接続ターミナル84a、84b、84cは、電気ファン76a、76b、76cを電源110に接続するのに使用することができる電力接点を有する。あるいは、電源を冷却ユニットの一部とすることもでき、その場合、ファンへの電源は、冷却ユニットが作動しているか否かの分散型検証(decentralized verification)に使用することができる。これは、好ましくは、基礎ターミナル86に組み込まれていることが好ましい少なくとも1つのLEDを使用して行われる。
【0052】
これが、接続ライン80の基礎ターミナル86および冷却ユニット100を介して分散型熱交換器機構70a、70b、70cの挙動を調節する簡単な方法であり、そのとき分散型熱交換器機構は、実験装置72の排出空気に必要な冷却を及ぼす。
【0053】
図5は、本発明による接続ターミナル200の例示図である。接続ターミナル200は、冷却ユニット側の流れラインを接続する流体継ぎ手202、および別の接続ターミナルへの流れラインをさらに接続する継ぎ手206を有する。
簡易脱着式コネクタの形態の接続部品216が、継ぎ手202と継ぎ手206との間から枝分かれして、流体冷却器へ繋がる。同様に、戻り側が、継ぎ手204、208および接続部品218によって形成される。さらに、ターミナル200は、電源インプット214、電源アウトプット212、および接続端子210を備え、その接続端子210は、電気ファンを作動させるために使用することができる。
1つの熱交換器機構それぞれを、それぞれのそのような各接続ターミナル200に接続することができる。接続ターミナル200は、接続ラインに収装することができ、それによって室内を柔軟に引き回すことができ、熱交換器機構70a、70b、70cは、必要に応じてそれぞれの接続ターミナル200に接続することができる。これら接続ターミナル200は、また、必要に応じて既存の接続ラインに挿入することもできる。
【符号の説明】
【0054】
10 熱交換器機構
12 バルブ本体
14 フレーム
16 送風装置
18 主流路
20 液体熱交換器
30 空気出口
40 ドリップ・トレイ
42 空気案内要素
50 過圧フラップ
54 フック
60 実験装置
62 多孔板
70a、b、c 熱交換器機構
72 実験装置
74a、b、c 液体熱交換器
76a、b、c 電気ファン
80 接続ライン
82a、b ホース・ライン
84a、b、c 接続ターミナル
86 基礎ターミナル
88 温度センサ
90 制御部
100 冷却ユニット
110 電源
120 室
130 冷却システム
200 接続ターミナル
202 流体継ぎ手
204 継ぎ手
206 継ぎ手
208 継ぎ手
210 接続端子
212 電源アウトプット
214 電源インプット
216 接続部品
【国際調査報告】