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特表2022-547172作物の監視及び管理ためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】作物の監視及び管理ためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20221102BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20221102BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20221102BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20221102BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20221102BHJP
   B64D 1/18 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
A01G7/00 603
A01G13/00 Z
B64C27/08
B64C39/02
B64D47/08
B64D1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515546
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 IL2020050987
(87)【国際公開番号】W WO2021048848
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/898,727
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522089402
【氏名又は名称】ガドット アグロ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズール、エフード
【テーマコード(参考)】
2B024
【Fターム(参考)】
2B024AA01
2B024AA10
(57)【要約】
所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視サブシステムと、上記所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリを含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステムと、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つから出力を受信し、上記作物成長パラメータ及び上記フィールド・パラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジンと、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータとを含む作物管理システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定中に静的な位置にあり、多数の植物の少なくとも温度特性を検出し、個々の植物又は植物のグループの解像度を有し得るセンサと、
前記センサの出力を受信し、第1の特定の植物又は植物のグループと第2の特定の植物又は植物のグループとの間における少なくとも温度の経時変化率の差の出力指示を1日未満の時間区間に亘って提供するように稼働する、センサ出力プロセッサと
を含む、作物管理のためのシステム。
【請求項2】
前記センサ出力プロセッサは、更に、前記第1の特定の植物又は植物のグループと、空間的に隣接する前記第2の特定の植物又は植物のグループとの間の温度の差の出力指示を提供するように稼働する、請求項1に記載の作物管理のためのシステム。
【請求項3】
前記出力指示は、前記第1の特定の植物又は植物のグループの位置を特定する空間出力位置指示を含む、請求項1又は2に記載の作物管理のためのシステム。
【請求項4】
前記空間出力位置はGIS座標で表される、請求項3に記載の作物管理のためのシステム。
【請求項5】
前記センサは、通常直立するシャフトに回転可能に取り付けられたカメラを含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の作物管理のためのシステム。
【請求項6】
前記通常直立するシャフトは、移動可能な支持体に取り付けられた、選択可能に直立させることが可能なシャフトであり、前記支持体は、前記センサの動作中は通常動かない、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記出力指示から前記差の考えられる原因を確認するように稼働する人工知能分析機能を更に含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
更に、前記人工知能分析機能は、前記差を植物の成長異常と関連付けるように稼働する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記植物の成長異常の改善を推奨するための勧告機能を更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
複数の位置における複数の前記差を植物の成長異常と関連付けるための積分機能を更に含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視サブシステムと、
前記所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリを含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステムと、
前記少なくとも1つの作物監視サブシステム及び前記少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つから出力を受信し、前記作物成長パラメータ及び前記フィールド・パラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジンと、
前記少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータと
を含む、作物管理システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの異常を改善するための少なくとも1つの作物プロテクション・サブシステムを更に含む、請求項11に記載の作物管理システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの作物監視サブシステム及び前記少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの異常の改善を監視する、請求項12に記載の作物管理システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの作物監視サブシステム及び前記少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つは、前記異常を明白に示す可能性のあるサンプルを集めるためのサンプル・コレクタを含む、請求項11から13までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項15】
前記サンプルを分析し、サンプル分析出力を提供するように稼働するサンプル・アナライザを更に含む、請求項14に記載の作物管理システム。
【請求項16】
前記分析エンジンは、前記サンプル分析出力を受信して、前記少なくとも1つの異常を識別する際に前記分析出力を使用する、請求項15に記載の作物管理システム。
【請求項17】
少なくとも前記分析エンジンは、人工知能に基づく分析を使用して前記異常を識別する、請求項11から16までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項18】
前記所定の領域における少なくとも1つの環境パラメータを検出するための少なくとも1つの環境パラメータ検出サブシステムを更に含む、請求項11から17までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの作物成長パラメータは、作物成長影響パラメータ及び作物成長指示パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項11から18までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの環境パラメータは、周囲温度、湿度、日射、土壌温度、風速、高度、気圧、及び、雨量のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の作物管理システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの作物成長指示パラメータは、植物サイズ、植物UVスペクトル、植物可視スペクトル、植物IRスペクトル、及び、植物温度のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の作物管理システム。
【請求項22】
少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームと、
前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームの各々に着脱自在に取り付けられた少なくとも1つの作物監視ペイロードとを更に含み、前記作物監視ペイロードは、
所定の領域における少なくとも作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視サブシステム、
前記所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリを含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステム、
前記少なくとも1つの作物監視サブシステム及び前記少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つからの出力を受信し、様々の前記パラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジン、及び
前記少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項11から21までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、方位スキャナを含む、請求項22に記載の作物管理システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン及び傾斜する能力を含む、請求項22又は23に記載の作物管理システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、前記プラットホームから半径400メートル内の作物を監視するように稼働する、請求項22から24までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成するように稼働する無線異常出力ジェネレータを含む、請求項22から25までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのペイロードを前記少なくとも1つのプラットホーム上に位置させるように稼働するドローンを更に含む、請求項22から26までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項28】
前記ドローンは、前記少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で前記少なくとも1つのペイロードを移動するように稼働する、請求項27に記載の作物管理システム。
【請求項29】
前記ドローンは、前記少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために前記少なくとも1つの位置における前記作物に処置を提供するための前記少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムの位置を定めるように稼働する、請求項27又は請求項28に記載の作物管理システム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームは、互いに間隔を置かれた複数の高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを含み、前記少なくとも1つのペイロードは複数のペイロードを含む、請求項22から29までのいずれか一項に記載の作物管理システム。
【請求項31】
少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームと、
前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームのうちの少なくとも1つに着脱自在に取り付けられた少なくとも1つの作物監視ペイロードとを含み、前記少なくとも1つの作物監視ペイロードのうちの少なくとも1つは、
前記ペイロードの近傍で成長する作物の特性を検出するセンサ・アセンブリと、
前記センサ・アセンブリからの出力を受信し、前記作物の前記特性の少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジンと、
前記少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータと
を含む、作物監視システム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために前記少なくとも1つの位置における前記作物に処置を提供するための少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムを更に含む、請求項31に記載の作物監視システム。
【請求項33】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、方位スキャナを含む、請求項31又は32に記載の作物監視システム。
【請求項34】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン及び傾斜する能力を含む、請求項33に記載の作物監視システム。
【請求項35】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、前記プラットホームから半径400メートル内の作物を監視するように稼働する、請求項31から34までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項36】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成するように稼働する無線異常出力ジェネレータを含む、請求項31から35までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項37】
前記少なくとも1つのペイロードを前記少なくとも1つのプラットホーム上に位置させるように稼働するドローンを更に含む、請求項31から36までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項38】
前記ドローンは、前記少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で前記少なくとも1つのペイロードを移動するように稼働する、請求項37に記載の作物監視システム。
【請求項39】
前記ドローンは、前記少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために前記少なくとも1つの位置における前記作物に処置を提供するための前記少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムの位置を定めるように稼働する、請求項37又は38に記載の作物監視システム。
【請求項40】
前記ドローンは、前記異常ロケータから前記少なくとも1つの位置の前記空間座標を受信する、請求項39に記載の作物監視システム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームは、互いに間隔を置かれた複数の高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを含み、前記少なくとも1つのペイロードは複数のペイロードを含む、請求項31から40までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項42】
前記複数のペイロードは、複数の異なる作物に特有のペイロードを含む、請求項41に記載の作物監視システム。
【請求項43】
前記複数のペイロードの複数のプラットホームに関連して動作するドローンを更に含む、請求項41又は42に記載の作物監視システム。
【請求項44】
前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームは、その動作中は静止している、請求項41から43までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項45】
前記ペイロードは、その動作中は固定位置にある、請求項44に記載の作物監視システム。
【請求項46】
前記センサ・アセンブリは、植物応力センサを含み、前記少なくとも1つの異常は植物応力異常である、請求項31から45までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項47】
前記センサ・アセンブリは温度センサを含み、前記少なくとも1つの異常は熱異常である、請求項31から46までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項48】
前記センサ・アセンブリは光センサを含み、前記少なくとも1つの異常は視覚的に知覚できる異常である、請求項31から47までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項49】
前記異常を示している前記作物の画像を送信するためのイメージ・トランスミッタを更に含む、請求項31から48までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項50】
少なくとも、異常及び異常位置データを格納するデータベースを更に含む、請求項31から49までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項51】
前記分析エンジンは、複数の環境及び植物の成長パラメータを使用するアルゴリズムを使用する、請求項31から50までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項52】
前記分析エンジンは、複数の植物の成長パラメータ及び複数のフィールド・パラメータを使用するアルゴリズムを使用する、請求項31から50までのいずれか一項に記載の作物監視システム。
【請求項53】
前記アルゴリズムは、更に、前記センサ・アセンブリから受信される、検出された熱パラメータを使用する、請求項51又は52に記載の作物監視システム。
【請求項54】
前記アルゴリズムは、検出された熱パラメータを、所定の時間区間に亘って複数のセンサ・アセンブリから受信された平均熱パラメータと比較する、請求項53に記載の作物監視システム。
【請求項55】
所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出し、少なくとも1つの作物成長パラメータ出力を提供することと、
前記所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出し、少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力を提供することと、
前記少なくとも1つの作物成長パラメータ出力及び前記少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力のうちの少なくとも1つを受信することと、
前記少なくとも1つの作物成長パラメータ出力及び前記少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力のうちの前記少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別することと、
前記少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供することと
を含む、作物管理方法。
【請求項56】
前記少なくとも1つの異常を改善することを更に含む、請求項55に記載の作物管理方法。
【請求項57】
前記少なくとも1つの異常の改善を監視することを更に含む、請求項56に記載の作物管理方法。
【請求項58】
前記異常を明白に示す可能性のあるサンプルを集めることを更に含む、請求項55から57までのいずれか一項に記載の作物管理方法。
【請求項59】
前記サンプルを分析して、サンプル分析出力を提供することを更に含む、請求項58に記載の作物管理方法。
【請求項60】
前記サンプル分析出力を受信することと、
前記少なくとも1つの異常を識別する際に前記分析出力を使用することとを更に含む、請求項59に記載の作物管理方法。
【請求項61】
前記異常を識別するために人工知能に基づく分析を使用することを更に含む、請求項55から60までのいずれか一項に記載の作物管理方法。
【請求項62】
前記所定の領域における少なくとも1つの環境パラメータを検出することを更に含む、請求項55から61までのいずれか一項に記載の作物管理方法。
【請求項63】
前記少なくとも1つの環境パラメータは、周囲温度、湿度、日射、土壌温度、風速、高度、気圧、及び、雨量のうちの少なくとも1つを含む、請求項62に記載の作物管理方法。
【請求項64】
前記少なくとも1つの作物成長パラメータは、作物成長影響パラメータ及び作物成長指示パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項55から63までのいずれか一項に記載の作物管理方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つの作物成長指示パラメータは、植物サイズ、植物UVスペクトル、植物可視スペクトル、植物IRスペクトル、及び、植物温度のうちの少なくとも1つを含む、請求項64に記載の作物管理方法。
【請求項66】
少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを提供することと、
少なくとも1つの作物監視ペイロードを前記少なくとも1つの高い位置に持ち上げられたプラットホームのうちの少なくとも1つに着脱自在に取り付けることであって、前記少なくとも1つの作物監視ペイロードのうちの少なくとも1つは、前記ペイロードの近傍で成長する作物の特性を検出するセンサ・アセンブリを含む、前記取り付けることと、
前記センサ・アセンブリから出力を受信することと、
前記作物の前記特性において少なくとも1つの異常を識別することと、
前記少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供することと
を含む、作物監視方法。
【請求項67】
前記少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために前記少なくとも1つの位置において前記作物に処置を自動的に提供することを更に含む、請求項66に記載の作物監視方法。
【請求項68】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは方位スキャナを含む、請求項66又は67に記載の作物監視方法。
【請求項69】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン及び傾斜する能力を含む、請求項68に記載の作物監視方法。
【請求項70】
前記少なくとも1つの作物監視ペイロードを用いて、前記プラットホームから半径400メートル内の作物を監視することを更に含む、請求項66から69までのいずれか一項に記載の作物監視方法。
【請求項71】
ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成することを更に含む、請求項66から70までのいずれか一項に記載の作物監視方法。
【請求項72】
前記少なくとも1つのプラットホーム上に前記少なくとも1つのペイロードの位置を定めることを更に含む。請求項66から71までのいずれか一項に記載の作物監視方法。
【請求項73】
前記少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で前記少なくとも1つのペイロードを移動することを更に含む、請求項72に記載の作物監視方法。
【請求項74】
前記異常を示している前記作物の画像を送信することを更に含む、請求項66から73までのいずれか一項に記載の作物監視方法。
【請求項75】
少なくとも前記異常及び異常位置データを格納することを更に含む、請求項66から74までのいずれか一項に記載の作物監視方法。
【請求項76】
多数の植物の少なくとも温度特性を検出して、個々の植物又は植物のグループの解像度を有するための測定の間は静的位置にセンサを提供することと、
前記センサの出力を受信し、1日未満の時間区間に亘る第1の特定の植物又は植物のグループと第2の特定の植物又は植物のグループとの間の少なくとも温度の経時変化率の差の出力指示を提供することと
を含む、作物管理のための方法。
【請求項77】
前記第1の特定の植物又は植物のグループと、空間的に隣接する前記第2の特定の植物又は植物のグループとの間の温度の差の出力指示を提供することを更に含む請求項76に記載の作物管理のための方法。
【請求項78】
前記出力指示は、前記第1の特定の植物又は植物のグループの位置を特定する空間出力位置指示を含む、請求項76又は77に記載の作物管理のための方法。
【請求項79】
前記空間出力位置はGIS座標で表される、請求項78に記載の作物管理のための方法。
【請求項80】
前記センサは、前記センサの動作中は通常動かず、選択可能に直立させることが可能で、通常直立するシャフトに取り付けられる、請求項76から79までのいずれか一項に記載の作物管理のための方法。
【請求項81】
前記出力指示から、前記差の考えられる原因を確認することを更に含む、請求項76から80までのいずれか一項に記載の作物管理のための方法。
【請求項82】
前記差を植物の成長の異常と関連付けることを更に含む請求項76から81までのいずれか一項に記載の作物管理のための方法。
【請求項83】
前記植物の成長の異常の改善を推奨することを更に含む、請求項76から82までのいずれか一項に記載の作物管理のための方法。
【請求項84】
複数の位置における複数の差を植物の成長異常に関連付けることを更に含む、請求項76から82までのいずれか一項に記載の作物管理のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の成長の自動的な、管理、監視、改善、及び、評価のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作物の成長の、管理、監視、改善、及び、評価のためには様々のシステム及び方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、作物の成長の自動的な、管理、監視、改善、及び、評価のための改良されたシステム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
こうして、本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理のためのシステムが提供される。このシステムは、測定中に静的な位置にあり、多数の植物の少なくとも温度特性を検出し、個々の植物又は植物のグループを見分けるために十分な解像度を有し得るセンサと、センサの出力を受信し、第1の特定の植物又は植物のグループと、空間的に隣接する第2の特定の植物又は植物のグループとの間における少なくとも温度の経時変化率の差の出力指示を1日未満の時間区間に亘って提供するように稼働する、センサ出力プロセッサとを含む。
【0005】
好適には、センサ出力プロセッサは、更に、第1の特定の植物又は植物のグループと、空間的に隣接する第2の特定の植物又は植物のグループとの間の温度の差の出力指示を提供するように稼働する。
【0006】
好適には、出力指示は、第1の特定の植物又は植物のグループの位置を特定する空間出力位置指示を含む。空間出力位置指示は、好適にはGIS座標において表される。
【0007】
本発明の1つの好適な実施例によれば、センサは、通常直立するシャフトに回転可能に取り付けられたカメラを含む。好適には、通常直立するシャフトは移動可能な支持体に取り付けられた、選択可能に直立させることが可能なシャフトであり、支持体は、センサの動作中は通常動かない。
【0008】
好適には、システムは、出力指示から上記差の考えられる原因を確認するように稼働する人工知能分析機能を更に含む。
【0009】
更に、本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理システムが提供される。この作物管理システムは、所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視サブシステムと、所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリを含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステムと、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つから出力を受信し、上記作物成長パラメータ及び上記フィールド・パラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジンと、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータ(locator)とを含む。
【0010】
好適には、作物管理システムは、少なくとも1つの異常を改善するための少なくとも1つの作物プロテクション・サブシステムを更に含む。加えて、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つは、上記少なくとも1つの異常の改善を監視する。
【0011】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つは、上記異常を明白に示す可能性のあるサンプルを集めるためのサンプル・コレクタを含む。加えて、作物管理システムは、サンプルを分析し、サンプル分析出力を提供するように稼働するサンプル・アナライザを更に含む。好適には、分析エンジンは、サンプル分析出力を受信して、少なくとも1つの異常を識別する際に分析出力を使用する。
【0012】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも分析エンジンは、人工知能に基づく分析を使用して上記異常を識別する。
【0013】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理システムは、上記所定の領域における少なくとも1つの環境パラメータを検出するための少なくとも1つの環境パラメータ検出サブシステムを更に含む。
【0014】
好適には、少なくとも1つの作物成長パラメータは、作物成長影響パラメータ及び作物成長指示パラメータのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの環境パラメータは、周囲温度、湿度、日射、土壌温度、風速、高度、気圧、及び、雨量のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
好適には、少なくとも1つの作物成長指示パラメータは、植物サイズ、植物UVスペクトル、植物可視スペクトル、植物IRスペクトル、及び、植物温度のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理システムは、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームと、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームのうちの少なくとも1つに着脱自在に取り付けられた少なくとも1つの作物監視ペイロード(payload)とを更に含む。作物監視ペイロードは、所定の領域における少なくとも複数の作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視サブシステム、上記所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリを含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステム、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つからの出力を受信し、上記様々のパラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジン、及び、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータのうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、方位スキャナを含む。それに加えて、或いは、その代わりに、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン(pan)及び傾斜する能力を含む。好適には、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、上記プラットホームから半径400メートル内の作物を監視するように稼働する。
【0019】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成するように稼働する無線異常出力ジェネレータを含む。
【0020】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理システムは、少なくとも1つのペイロードを少なくとも1つのプラットホーム上に位置させるように稼働するドローンを更に含む。加えて、ドローンは、少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で少なくとも1つのペイロードを移動するように稼働する。それに加えて、或いは、その代わりに、ドローンは、少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために少なくとも1つの位置における作物に処置を提供するための前述の少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムの位置を定めるように稼働する。
【0021】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームは、互いに間隔を置かれた複数の高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを含み、少なくとも1つのペイロードは複数のペイロードを含む。
【0022】
更に、本発明の他の1つの好適な実施例によれば、作物監視システムが提供される。この作物監視システムは、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームと、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームのうちの少なくとも1つに着脱自在に取り付けられた少なくとも1つの作物監視ペイロードとを含む。少なくとも1つの作物監視ペイロードのうちの少なくとも1つは、ペイロードの近傍で成長する作物の特性を検出するセンサ・アセンブリと、センサ・アセンブリからの出力を受信し、作物の特性の少なくとも1つの異常を識別するように稼働する分析エンジンと、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータとを含む。
【0023】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物監視システムは、少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために少なくとも1つの位置における作物に処置を提供するための少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムを更に含む。
【0024】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視ペイロードは方位スキャナを含む。加えて、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン及び傾斜する能力を含む。
【0025】
好適には、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、プラットホームから半径400メートル内の作物を監視するように稼働する。
【0026】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成するように稼働する無線異常出力ジェネレータを含む。
【0027】
好適には、作物監視システムは、少なくとも1つのペイロードを少なくとも1つのプラットホーム上に位置させるように稼働するドローンを更に含む。加えて、ドローンは、少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で少なくとも1つのペイロードを移動するように稼働する。
【0028】
本発明の1つの好適な実施例によれば、ドローンは、少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために少なくとも1つの位置における作物に処置を提供するための前述の少なくとも部分的に自動化された異常改善サブシステムの位置を定めるように稼働する。加えて、ドローンは、異常ロケータから少なくとも1つの位置の空間座標を受信する。
【0029】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームは、互いに間隔を置かれた複数の高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを含み、少なくとも1つのペイロードは複数のペイロードを含む。加えて、複数のペイロードは、複数の異なる作物に特有のペイロードを含む。それに加えて、或いは、その代わりに、作物監視システムは、複数のペイロードのうちの複数のプラットホームに関連して動作するドローンを更に含む。
【0030】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームはその動作中は静止している。加えて、ペイロードは、その動作中は固定位置にある。
【0031】
好適には、センサ・アセンブリは植物応力センサを含み、少なくとも1つの異常は植物応力異常である。それに加えて、或いは、その代わりに、センサ・アセンブリは温度センサを含み、少なくとも1つの異常は熱異常である。それに加えて、或いは、その代わりに、センサ・アセンブリは光センサを含み、少なくとも1つの異常は視覚的に知覚できる異常である。
【0032】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物監視システムは、異常を示している作物の画像を送信するためのイメージ・トランスミッタを更に含む。
【0033】
好適には、作物監視システムは、少なくとも、異常及び異常位置データを格納するデータベースを更に含む。
【0034】
本発明の1つの好適な実施例によれば、分析エンジンは、複数の環境及び植物の成長パラメータを使用するアルゴリズムを使用する。それに加えて、或いは、その代わりに、分析エンジンは、複数の植物の成長パラメータ及び複数のフィールド・パラメータを使用するアルゴリズムを使用する。加えて、アルゴリズムは、センサ・アセンブリから受信される、検出された熱パラメータをも使用する。好適には、アルゴリズムは、検出された熱パラメータを、所定の時間区間に亘って複数のセンサ・アセンブリから受信された平均熱パラメータと比較する。
【0035】
更に、本発明の1つの好適な実施例に従って、作物管理のための方法が提供される。この方法は、多数の植物の少なくとも温度特性を検出して、個々の植物又は植物のグループの解像度を有するための測定の間は静的位置にセンサを提供することと、センサの出力を受信し、1日未満の時間区間に亘る第1の特定の植物又は植物のグループと第2の特定の植物又は植物のグループとの間の少なくとも温度の経時変化率の差の出力指示を提供することとを含む。
【0036】
好適には、方法は、第1の特定の植物又は植物のグループと、空間的に隣接する第2の特定の植物又は植物のグループとの間の温度の差の出力指示を提供することを含む。
【0037】
好適には、方法は、特定の植物又は植物のグループの(好適にはGIS座標において表される)位置を特定することを更に含む。
【0038】
好適には、センサは、センサの動作中は通常動かず、選択可能に直立させることが可能な、通常直立するシャフトに取り付けられる。
【0039】
好適には、方法は、出力指示から、上記差の考えられる原因を確認すること、この差を植物の成長の異常と関連付けること、植物の成長の異常の改善を推奨することのうちの1つ又は複数を含む。
【0040】
好適には、方法は、複数の位置における複数の差を植物の成長異常に関連付けることを更に含む。
【0041】
更に、本発明の他の更なる1つの好適な実施例に従って、作物管理方法が提供される。この作物管理方法は、所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出し、少なくとも1つの作物成長パラメータ出力を提供することと、この所定の領域における少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出し、少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力を提供することと、少なくとも1つの作物成長パラメータ出力及び少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力のうちの少なくとも1つを受信することと、少なくとも1つの作物成長パラメータ出力及び少なくとも1つのフィールド・パラメータ出力のうちの上記少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別することと、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供することとを含む。
【0042】
好適には、作物管理方法は、少なくとも1つの異常を改善することを更に含む。加えて、作物管理方法は、少なくとも1つの異常の改善を監視することを更に含む。それに加えて、或いは、その代わりに、作物管理方法は、異常を明白に示す可能性のあるサンプルも集めることを更に含む。
【0043】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理方法は、サンプルを分析して、サンプル分析出力を提供することを更に含む。加えて、作物管理方法は、サンプル分析出力を受信することと、少なくとも1つの異常を識別する際にこの分析出力を使用することとを更に含む。
【0044】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物管理方法は、上記異常を識別するために人工知能に基づく分析を使用することを更に含む。それに加えて、或いは、その代わりに、作物管理方法は、所定の領域における少なくとも1つの環境パラメータを検出することを更に含む。
【0045】
好適には、少なくとも1つの環境パラメータは、周囲温度、湿度、日射、土壌温度、風速、高度、気圧、及び、雨量のうちの少なくとも1つを含む。
【0046】
本発明の1つの好適な実施例によれば、上記少なくとも1つの作物成長パラメータは、作物成長影響パラメータ及び作物成長指示パラメータのうちの少なくとも1つを含む。加えて、少なくとも1つの作物成長指示パラメータは、植物サイズ、植物UVスペクトル、植物可視スペクトル、植物IRスペクトル、及び、植物温度のうちの少なくとも1つを含む。
【0047】
本発明の他の更なる1つの好適な実施例に従って、作物監視方法が提供される。この作物監視方法は、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられた監視プラットホームを提供することと、そのうちの少なくとも1つがその近傍で成長する作物の特性を検出するセンサ・アセンブリを含む少なくとも1つの作物監視ペイロードを、少なくとも1つの高い位置に持ち上げられたプラットホームのうちの少なくとも1つに着脱自在に取り付けることと、センサ・アセンブリから出力を受信することと、作物の特性において少なくとも1つの異常を識別することと、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供することとを含む。
【0048】
好適には、作物監視方法は、上記少なくとも1つの異常を引き起こしている少なくとも1つの状態を改善するために上記少なくとも1つの位置において作物に処置を自動的に提供することを更に含む。
【0049】
本発明の1つの好適な実施例によれば、上記少なくとも1つの作物監視ペイロードは方位スキャナを含む。加えて、少なくとも1つの作物監視ペイロードは、パン及び傾斜する能力を含む。
【0050】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物監視方法は、上記少なくとも1つの作物監視ペイロードを用いて、このプラットホームから半径400メートル内の作物を監視することを更に含む。それに加えて、或いは、その代わりに、作物監視方法は、ワイヤレス・ネットワークを介して無線の異常出力指示を生成することを更に含む。
【0051】
好適には、作物監視方法は、上記少なくとも1つのプラットホーム上に上記少なくとも1つのペイロードの位置を定めることを更に含む。加えて、作物監視方法は、少なくとも1つのプラットホームのうちの複数のプラットホームの間で上記少なくとも1つのペイロードを移動することを更に含む。
【0052】
本発明の1つの好適な実施例によれば、作物監視方法は、上記異常を示している作物の画像を送信することを更に含む。それに加えて、或いは、その代わりに、作物監視方法は、少なくとも上記異常及び異常位置データを格納することを更に含む。
【0053】
本発明は、以下の図面と共に考慮される、後続の詳細な説明から、より完全に理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する、作物管理システムの概略図である。
図2】本発明の他の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する、作物管理システムの概略図である。
図3】本発明の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する、植物の成長を監視するためのシステムの概略図である。
図4図3に示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムにおいて、予め高い位置に持ち上げられた支持体上に監視ペイロードをドッキングさせる1つの例の概略図である。
図5図3及び図4に示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムにおける、監視ペイロードの動作の1つの例の概略図である。
図6A図3から図5までのいずれかに示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムにより提供される、自動の植物の成長改善の概略図である。
図6B図3から図5までのいずれかに示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムにより提供される半自動の植物の成長改善の概略図である。
図7】様々の作物を有する、図2から図6Bまでのいずれかに示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムの動作の概略図である。
図8図2から図7までのいずれかに示されるタイプの植物の成長を監視するためのシステムにおける、高い位置に持ち上げられた支持体の配置及び再配置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
先ず、図1を参照する。図1は、本発明の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する作物管理システム10の概略図である。
【0056】
図1に示されるように、作物管理システム10は、成長する植物の所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリ20を含む少なくとも1つの作物監視サブシステムを含む。好適には、この所定の領域は、センサ・アセンブリ20から半径400メートルまで伸びる。好適には、センサ・アセンブリ20は、好適には、400~1000nm及び8000~14,000nmの範囲に亘る、可視及び非可視スペクトル域をカバーする、マルチ・スペクトル・センサ・アセンブリを含む。センサ・アセンブリ20の1つの好適な実施例は、(Flir Systems,Inc.of Wilsonville,OR,USAから市販されている)FLIR 700である。これは摂氏0.05度の熱偏差解像度(thermal deviation resolution)を有する。作物センサ・アセンブリ20の他の1つの好適な実施例は、(Micasense,Inc of Seattle,WA,USAから市販されている)Altum(商標)センサである。
【0057】
好適には、センサ・アセンブリ20は、高い位置に固定されたプラットホーム・アセンブリ30に取り付けられ、好適には、垂直軸周りに360度の回転を提供する。固定されたプラットホーム・アセンブリ30の1つの好適な実施例は、(Gyro-Stabilized Systems LLC of Nevada City,CA,USAから市販されている)CINEMA PROである。
【0058】
固定されたプラットホーム・アセンブリ30は、好適には、持ち上げることが可能なプラットホーム40に固定して取り付けられ、地上約30メートルの高さに維持される。持ち上げることが可能なプラットホーム40の1つの好適な実施例は、(Will-Burt Company of Orrville,OH,USAから市販されている)QEAM-HD、又は、(Bossltg,Inc.of Baton Rouge,LA,USAから市販されている)BOSS 100’である。これらは、持ち運び可能で望遠鏡式に伸縮可能に持ち上げられたプラットホーム(portable telescopic raised platforms)である。或いは、プラットホーム40の1つの好適な実施例は、(Total Mast Solutions Ltd of Leicestershire,UKから市販されている)持ち運び可能なマストである。
【0059】
好適には、センサ・アセンブリ20の出力は、クラウドを介して又は他の任意の方法で、分析及び報告エンジン50(例えば、サーバ)に供給される。分析及び報告エンジン50は、センサ・アセンブリの出力を分析して、前述の所定の領域内における植物の成長異常の出力指示を提供する。好適には、このような異常の出力指示は、隣接する植物の間における経時的な温度変化の、所定の閾値を超える変動を示すものを含む。
【0060】
好適には、出力指示は、携帯型通信機60に伝達される。携帯型通信機60は、例えば、適当なアプリがインストールされたスマートフォンであって、異常に関するアラートを表示することを可能にするものである。アラートは、異常及びその位置(好適にはGIS座標で)の表示を含む。したがって、スマートフォンは、直接に異常の位置へ歩いて行って植物を調べる資格を与えられた栽培者によって携帯され得る。
【0061】
図1は、略リアルタイムで報告され得る温度変化異常の3つの実例を示す。
【0062】
Aにおいて、3本の隣接するブドウのつるの中の1本が午前6時00分と午前6時40分との間に摂氏0.5度の温度変化を有するが、隣接する2本のつるは摂氏0.2度以下の温度変化を有するということがわかる。このことは、給水問題又は初期の疾患を示す可能性がある。異常な温度変化及び問題の植物の位置を示す出力指示が、栽培者のスマートフォン60上にアラートとして現れる。
【0063】
Bにおいて、R1及びR2で示される2本の隣接するブドウのつるの列は、午前11時10分と午後1時50分との間に摂氏1.5度の温度変化を有するが、R3及びR4で示される更に2本の隣接するブドウのつるの列は午前11時10分と午後1時50分との間に摂氏0.5度の温度変化を有するということがわかる。このことは、給水問題又は初期の疾患を示す可能性がある。異常な温度変化及び問題の植物の位置を示す出力指示が、栽培者のスマートフォン60上にアラートとして現れる。
【0064】
Cにおいて、P1、P3、及び、P5で示される他のブドウのつるの列が午前11時10分と午後13時50分との間に摂氏1.5度の温度変化を有するが、それらの間にあるP2、及び、P4で示される列は午前11時10分と午後13時50分との間に摂氏0.5度の温度変化を有するということがわかる。このことは、給水問題を示す可能性がある。異常な温度変化及び問題の植物の位置を示す出力指示が、栽培者のスマートフォン60上にアラートとして現れる。
【0065】
他の実例では、トウモロコシの列の温度が周囲温度に対して監視される。一般にトウモロコシの健康な列の温度は周囲温度より低いことが知られている。トウモロコシの列の温度を監視して、温度が所定の閾値(典型的には、摂氏1.0から1.5度)未満で周囲温度より低い場合は、給水問題又は初期の疾患を示す可能性がある。異常な温度及び問題の植物の位置を示す出力指示は、栽培者のスマートフォン60上にアラートとして現れるようにできる。
【0066】
更なる1つの実例において、アボカド又はマンゴーの木の健康状態は、周囲温度及び周囲の木に対する芽及び葉の温度を測定することによって監視される。芽及び葉の温度を監視して、温度が所定の閾値(典型的には、摂氏1.0から1.5度)未満で周囲温度より低い場合、又は、温度が所定の閾値を超える差で周囲の木と異なる場合は、給水問題又は初期の疾患又は初期の侵入(infestation)を示す可能性がある。異常な温度及び問題の植物の位置を示す出力指示は、栽培者のスマートフォン60上にアラートとして現れることができる。
【0067】
分析及び報告エンジン50は、異常の原因を示唆し、異常を改善するためのステップを推奨するための人工知能分析機能を含み得ると理解される。
【0068】
例えば、上述のように、様々の温度パターン変化は、異なる問題を示す可能性がある。問題は、(例えば、給水システムの問題を示す可能性がある乾燥のような)システム問題、(例えば、土壌塩分又は土壌栄養分の問題のような)環境問題、(例えば、空気又は土壌からの菌の攻撃のような)生物学的問題、及び、侵入の問題のうちの1つ又は複数である可能性がある。
【0069】
ここで、図2を参照する。図2は、本発明の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する作物管理システム100の概略図である。
【0070】
図2に示されるように、作物管理システム100は、所定の領域における少なくとも1つの作物成長パラメータを検出するための少なくとも1つの作物センサ・アセンブリ102を含む少なくとも1つの作物監視サブシステムを含む。好適には、所定の領域は、センサ・アセンブリ102から半径400メートルまで伸びる。好適には、センサ・アセンブリ102は、可視及び非可視のスペクトル域をカバーしており、好適には400から1000nmまで、及び、8000から14,000nmまでの範囲全体に及ぶマルチ・スペクトル感応性センサ・アセンブリを含む。センサ・アセンブリの1つの好適な実施例は、(Flir(登録商標) Systems,Inc.of Wilsonville,OR,USAから市販されている)FLIR 700である。これは摂氏0.05度の熱偏差解像度を有する。センサ・アセンブリ102の他の1つの好適な実施例は、(Micasense(登録商標),Inc of Seattle,WA,USAから市販されている)Altum(商標)センサである。
【0071】
センサ・アセンブリ102は、空中車両(例えば、ドローン108)による動作中は、参照付号109で示されるように固定プラットホーム104に移動可能に取り付けられ得、又は、参照符号110で示されるようにドローン108に取り付けられ得る。作物監視サブシステムはサンプル・コレクタ112を含むこともできる。サンプル・コレクタ112はドローン108に取り付けられ得る。図2は、作物成長領域内に分散配置された、複数の固定された高い位置に持ち上げられたプラットホーム104を示す。
【0072】
好適には、作物管理システム100は、更に、上記所定の領域内において少なくとも1つのフィールド・パラメータを検出するための少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリ114を含む少なくとも1つのフィールド監視サブシステムをも含む。フィールド・センサ・アセンブリ114の1つの実例は、ヒト又は動物の侵入者、車両、及び、雨の検出のため、そして、ドローン108の監視活動のための、好適には作物管理システム100の一部をなす、走査型レーダ・アセンブリである。フィールド・センサ・アセンブリ114は、作物センサ・アセンブリ102と共に組み立てられ得る。加えて、フィールド・センサ・アセンブリ114及び作物センサ・アセンブリ102は、固定された高い位置に持ち上げられた同じプラットホーム104に取り付けられ得る。
【0073】
加えて、作物管理システム100は、参照符号116で示されるように、好適には、少なくとも1つの環境監視サブシステム(例えば、気象観測ステーション)及び土壌プローブを含む。環境監視サブシステムは、(例えば、周囲温度、湿度、風速、日射、気圧のような)データを提供する。土壌プローブは、土壌温度、並びに、土壌の化学的及び生物学的分析に関するデータを提供する。
【0074】
好適には、作物管理システム100は、また、分析エンジン120を含む。そして、少なくとも1つの作物監視サブシステム及び少なくとも1つのフィールド監視サブシステムのうちの少なくとも1つから出力を受信し、前述のパラメータのうちの少なくとも1つにおける少なくとも1つの異常を識別するように稼働する。
【0075】
作物管理システムによって検出され得、好適には改善され得る異常の実例は、好適には、以下のものを含む:
(例えば、うどん粉病のような)菌性病、(例えば、西洋ナシの火傷病のような)細菌病、(例えば、トマト黄色葉ウイルス(TYLV)のような)ウィルス病、(例えば、トマトのコナジラミのような)昆虫侵襲、及び、線虫を含む作物の成長異常;
(例えば、注水不足、過剰注水、施肥不足、鳥、及び、ウッドチャックのような)フィールド異常;及び、
(例えば、霜、極度の高温、及び、極度の高湿度のような)環境異常。
【0076】
好適には、分析エンジン120は、管理されるフィールドから隔れて位置し、好適には、作物管理システムの残り野部分と無線で通信し得るサーバ122上に備えられる。作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114が、前述の検出されたパラメータの分析を実行し、その中の異常を検出するように稼働し得ると理解される。
【0077】
分析エンジン120は、異常を検出するための複数の異なる方法を含むことができると理解される。これらの方法は、所与の時刻において作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114のうちの複数から受信されたデータを相関させることと、経時的に作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114のうちの1つからのデータを相関させることと、経時的に作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114のうちの複数のものからのデータを相関させることとを含む。一旦分析エンジン120が異常が存在すると判断すると、その異常の性質及び適切な改善プロセスを定めるために分析エンジン120は人工知能によって動作するツールを含む様々な解析ツールを使用し得ると理解される。更に、分析エンジン120は、同じフィールドに、又は、複数のフィールドに位置する作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114うちの複数のものから受信されるデータを相関させることができると理解される。
【0078】
好適には、作物管理システム100は、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標の出力指示を提供するように稼働する異常ロケータを更に含む。好適には、異常ロケータは、少なくとも1つの作物センサ・アセンブリ102及び少なくとも1つのフィールド・センサ・アセンブリ114のうちの少なくとも1つと関連付けられた1つ又は複数のエンコーダ、並びに、ドローン108と関連付けられたGPS座標インジケータによって実現される。
【0079】
好適には、作物管理システム100は、例えば、前述のような、異常の改善のための様々の改善サブシステムをも含む。改善サブシステムの1つの実例は、参照符号130で示されもののような噴霧又は散布アセンブリである。噴霧又は散布アセンブリは、ドローン108に取り付けられ得、(例えば、作物の損傷のような)異常に対処するための殺菌剤又は殺真菌薬又は防カビ剤(fungicide)、殺菌剤(bactericide)、殺虫剤、或いは、他の物質を施すために用いられ得る。改善サブシステムの他の実例は、例えば、参照符号132で示されるような、鳥ハラスメント・システムである。
【0080】
図2に示される実施例では、監視されるべき領域内に複数のプラットホーム104が描かれている。これらのうちの幾つかには、例えば、作物センサ・アセンブリ102及びフィールド・センサ・アセンブリ114のようなセンサ・アセンブリが取り付けられており、参照符号140によって示されている。これらのうちの幾つかにはセンサ・アセンブリが取り付けられておらず、参照符号150によって示されている。以下に図4を参照して更に記述されているように、センサ・アセンブリは、ドローン108によってのように、移動可能であり得る。
【0081】
次に、図3を参照する。図3は、本発明の1つの好適な実施例に従って構成され稼働する、植物の成長を監視するためのシステム200を示す。1つの好適な実施例によれば、図3に示されるように、システムは、作物が成長しているフィールド内の又はフィールドに隣接した、所定の又は選択可能な位置で固定される、或いは、着脱自在に装着可能である、少なくとも1つの、且つ、好適には複数の、高い位置に持ち上げられた監視プラットホーム201を含む。作物は、例えば、畑作物、及び、果樹のような、任意の適当な作物でよい。プラットホーム201は、異なる作物が成長しており複数の異なる作物のリアルタイム又は略リアルタイムの監視を可能にする複数のフィールドの間に位置し得る。
【0082】
高い位置に持ち上げられた監視プラットホーム201は、予め設置された土台部品202に取り付けられ得るが、プラットホームとは別の土台部品を必ずしも必要とするというわけではない。土台部品は、照明、灌漑注水、送電、又は、通信のために用いられる既存のポストを含むことができる。好適には、各プラットホーム201は、太陽光発電パネル204、無線通信アンテナ206、及び、ペイロード・ドック208を含む。加えて、各プラットホーム201は、好適には、予備電力を提供する充電可能なバッテリ(図示せず)を含む。
【0083】
本発明の1つの好適な実施例によれば、監視プラットホーム201は、土台部品202に着脱自在にはめ込み可能であってもよく、図8を参照して以下に更に記述されているように、監視プラットホーム201は1つの土台部品202から外されて異なる土台部品202に挿入され得るようにできる。
【0084】
本発明の1つの好適な実施例によれば、少なくとも1つの作物監視ペイロード・アセンブリ210は、好適にはドローン211によって、図4を参照して以下に記述されているように、高い位置に持ち上げられたプラットホーム201の各々に着脱自在に取り付けられる。好適には、作物監視ペイロード・アセンブリ210は、作物監視ペイロード・アセンブリ210の付近で生育中の作物の特性を検出するためのセンサ・アセンブリ212を含む。好適には、センサ・アセンブリ212は、少なくとも1つのセンサ、及び、少なくとも1つの撮像装置を含み、更に、少なくとも1つの機能提供アセンブリを含むことができる。上記少なくとも1つのセンサは、好適には以下のセンサの一部又は全部を含む:温度センサ、風センサ、赤外線センサ、光センサ、UVセンサ、湿度センサ、生物学的センサ、及び、化学センサ。上記少なくとも1つの撮像装置は、好適には以下の撮像装置の1つを含む:可視画像撮像装置、熱画像撮像装置、及び、マルチ・スペクトル感応性撮像装置。上記少なくとも1つの機能提供アセンブリは、好適には以下の機能の1つ又は複数を提供するように稼働する:鳥ハラスメント機能、(例えば、レーダのような)セキュリティ機能、中継局機能、及び、ドローンバッテリ充電機能。
【0085】
1つの好適な実施例において、ペイロード・アセンブリ210はピント合わせ及び照準装置を含み、作物センサ・アセンブリ102にも存在するピント合わせ及び照準装置と同様に、このピント合わせ及び照準装置は、センサ・アセンブリ212が成長する植物のフィールドの所与の区画の特性を検出することを可能にし、ならびにペイロード・アセンブリ210は方位及び傾斜検出装置を含み、方位及び傾斜検出装置は、ペイロード・アセンブリ210が(例えば、不十分な給水又は害虫侵入のような)異常を有するフィールドの所与の領域を正確に指摘することを可能にする。好適には、ペイロード・アセンブリの空間的分解能は1メートル×1メートルであり、より好適には、0.5メートル×0.5メートルであり、最も好適には、0.05メートル×0.05メートルである。
【0086】
好適には、単一のペイロード・アセンブリ210は、10ヘクタールの作物成長領域を監視することが可能である。より好適には、ペイロード・アセンブリ210は、30ヘクタールの作物成長領域を監視することが可能である。最も好適には、ペイロード・アセンブリは、50ヘクタールの作物成長領域を監視することが可能である。
【0087】
好適には、システム200は、センサ・アセンブリ212からの出力を受信し、ペイロード・アセンブリ210の監視領域内で成長中の作物の特性において少なくとも1つの異常を識別するように稼働する、分析エンジン220をも含む。システム200を用いて識別され得る異常の幾つかの実例は、図2を参照して上述したものを含む。
【0088】
好適には、システム200は、分析エンジン220からの出力を受信し、成長中の作物において検出された1つ又は複数の異常の出力指示、及び、少なくとも1つの異常の少なくとも1つの位置の空間座標を提供する異常ロケータをも含む。異常ロケータは、好適にはエンコーダ及びGPSデータのうちの少なくとも1つを使用する。
【0089】
好適には、分析エンジン220は、管理されているフィールドから隔れて位置し、好適には、作物管理システムの残りの部分と無線で通信し得るサーバ230上に存在すると理解される。センサ・アセンブリ212が、検出されたパラメータの分析を実行し、その中の異常を検出するように稼働し得ると理解される。
【0090】
次に図4を参照する。図4は、図3に示されるタイプの、植物の成長を監視するためのシステム200において予め配置され高い位置に持ち上げられたプラットホーム201上のペイロード210のドッキングの1つの実例の概略図である。図4に示されるように、ドローン240は、好適には複数の、選択可能な異なるペイロード・アセンブリ210のうちの選択された1つを、複数の高い位置に持ち上げられた監視プラットホーム201のうちの選択された1つへ輸送するために、そして、選択されたペイロード・アセンブリ210を、選択された、高い位置に持ち上げられた監視プラットホーム201上にドッキングさせるために使用され得る。ドッキング装置は、機械インタフェース及び電気的インタフェースを備えている。ペイロードが固定され、電気的インタフェースを形成している電気的コネクタに接続されているように、機械インタフェースがペイロードを要求された位置に誘導する。好適には、電気的コネクタはシステムへ電力を供給し、システム200の(分析エンジン220及び異常ロケータを含む)他のコンポーネントと通信するための通信インタフェースへの接続を提供することもできる。或いは、その代わりに、選択されたペイロード・アセンブリ210が、システム200の他のコンポーネントと通信するための通信インタフェースを含む。ペイロード・ドック208は、環境要求事項に基づいてペイロード・アセンブリ210のためにハウジングを提供することもできる。好適には、ペイロード・ドック208は、高い位置に持ち上げられた監視プラットホーム201上に取り付けられた太陽光発電パネル204から電力を受け取る。好適には、予備電力は充電可能なバッテリにより供給される。好適には、バッテリは日中に充電され、夜間の動作のために電力を供給する。
【0091】
次に図5を参照する。図5は、図3及び図4に示されるタイプの、植物の成長を監視するためのシステム200のペイロード・アセンブリ210の動作の1つの実例の概略図である。図5に示されるように、ペイロード・アセンブリ210は好適には領域(例えば、フィールド又はその一部分)を走査して、領域の一部において異常(ここでは、例えば、菌性病侵入)を検出すると、ペイロード・アセンブリ210は、その異常を示す画像を、荒らされた領域の座標、成長パラメータ、及び、フィールド・パラメータと共に、自動的に、好適にはリアルタイム又は略リアルタイムに、伝達する。
【0092】
1つの好適な実施例においては、ペイロード・アセンブリ210は、日中及び夜間の両方に、連続的に全フィールドを探査し、異常を検出するためにオペレーティング・パラメータに基づいて異なるアルゴリズムを使用する。1つの実例において、ペイロード・アセンブリ210は、成長パラメータ及びフィールド・パラメータを考慮に入れつつ、検出された熱特性をフィールドの異なる部分の経時的な熱測定値の平均の履歴情報と比較する。
【0093】
前述のように、異常を検出すると、ペイロード・アセンブリ210は、好適には、それに関する情報をコンピュータ化された改善センター245に、好適には無線通信リンクを介して、任意の適切な媒体(例えば、ラインオブサイト、RF、衛星、インターネット、又は、他のリンク)を介して、伝達する。図6Aを参照して以下に記載されているように、コンピュータ化された改善センター245は、リアルタイム又は略リアルタイムの報告、又は、(例えば、噴霧のような)改善を提供し得る。伝達は、クラウドを介して、或いは、直接の、コンピュータからコンピュータへのリンク、コンピュータから人間へのリンクを介して行われ得る。或いは、その代わりに、コンピュータ化された改善センター245への伝達は、分析エンジン220を介して行われ得る。
【0094】
図6Aは、完全に自動の改善の1つの実例を示す。ここでは、ドローン260に取り付けられた、ドローン搭載のコンピュータ制御の噴霧器アセンブリ250を使用して、異常ロケータで特定された位置において損傷を受けている植物に噴霧することによって、検出された異常は自動的に改善される。
【0095】
図6Bは、図2から図5までのシステムを使用する、部分的に自動の改善を示す。ここでは、改善を制御又は承認するために人間のオペレータを使用する。
【0096】
次に、図7を参照する。図7は、(例えば、トウガラシ、ニンジン、トウモロコシ、及び、ジャガイモのような)様々な異なる作物を有する図2から図6Bのいずれかに示されるタイプの、植物の成長を監視するためのシステムの動作の概略図である。例えば、温度センサ300、マルチ・スペクトル感応性センサ310、又は、レーダ・センサ312のような、様々のタイプのセンサ又はペイロードが使用され得るということがわかる。図7において矢印によって示されるように、センサは、完全な360°回転で走査するように稼働し得る。走査は、1つの方向に連続して走査しても、又は、1つの方向から逆方向へと往復するように走査してもよい。或いは、実施例に示すように、(例えば120°の弧のような)任意の部分をカバーするように1つの方向から逆方向へと往復するように走査してもよい。
【0097】
次に、図8を参照する。図8は、図2から図7のいずれかに示されるタイプの、植物の成長を監視するためのシステムにおける、高い位置に持ち上げられた支持体の配置及び再配置の概略図である。様々の季節における様々の作物の成長の様々の段階で、必要に応じて1つの位置から別の位置へプラットホーム201を移動させるために、好適には高い持ち上げ能力を有するドローン320が使用され得ると理解される。
【0098】
本発明が以上本明細書において図と共に記述した内容によって限定されるものではないことは、当業者には理解されるであろう。むしろ、本発明は、本明細書で記述した、先行技術にはない様々の特徴のコンビネーション及びサブコンビネーションの両方を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】