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特表2022-547216真空遮断器用の接点監視装置、及びこれを有する真空遮断器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(54)【発明の名称】真空遮断器用の接点監視装置、及びこれを有する真空遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/666 20060101AFI20221102BHJP
   H01H 33/66 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01H33/666 Z
H01H33/66 X
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515688
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 KR2020006166
(87)【国際公開番号】W WO2021049733
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0112048
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0112049
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ミンギュ
(57)【要約】
本発明は、真空遮断器用の接点監視装置を提供する。前記接点監視装置は、絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリ、とを備えた真空遮断器に備えられる。また、本発明は、前記接点監視装置を有する真空遮断器も提供する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリ、とを備えた真空遮断器において、
前記プッシュロッドアセンブリのロッドハウジングの外周に形成され、前記ロッドハウジングの外周面から段差を有する鑑別部材と、
前記鑑別部材に隣接して設置され、前記ロッドハウジングの外周面と、前記鑑別部材の外側面との段差の有無を感知するセンサアセンブリ、
とを含むことを特徴とする、真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項2】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周に付着して、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項3】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、
設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項4】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周から設定された深さを成す溝で形成され、
前記溝は、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成すことを特徴とする、
請求項1に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項5】
前記長さは、
前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されることを特徴とする、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項6】
前記センサアセンブリは、
前記鑑別部材の外側面までの距離値と、前記ロッドハウジングの外周面との距離値が、一定以上の差異が生じることにより前記段差の有無を判断するフォトセンサモジュールを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項7】
前記フォトセンサモジュールを収容して支持するセンサホルダーと、前記センサホルダーを、前記真空インタラプタを収容するハウジングに結合させるセンサブラケットをさらに含むことを特徴とする、
請求項6に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項8】
絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、
前記真空インタラプタを収容するハウジングを備えた主回路部と、
前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリと、
前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周に形成され、
前記ロッドハウジングの外周面から段差を有する鑑別部材と、
前記鑑別部材に隣接して設置され、前記鑑別部材の外側面までの距離値と、前記ロッドハウジングの外周面との距離値が、一定以上の差異が生じることにより前記段差の有無を判断するセンサアセンブリ、
とを含むことを特徴とする、真空遮断器。
【請求項9】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周に付着して、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項8に記載の真空遮断器。
【請求項10】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、
設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項8に記載の真空遮断器。
【請求項11】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周から設定された深さを成す溝で形成され、
前記溝は、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成すことを特徴とする、
請求項8に記載の真空遮断器。
【請求項12】
前記長さは、
前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されることを特徴とする、
請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の真空遮断器。
【請求項13】
絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリ、とを備えた真空遮断器において、
前記プッシュロッドアセンブリのロッドハウジングの外周に形成され、外側面に、前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って設定された傾斜角を成す傾斜面が形成された鑑別部材と、
前記鑑別部材に隣接して設置され、前記傾斜面との距離値を測定するセンサアセンブリ、とを含むことを特徴とする、
真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項14】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周に付着して、前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に厚くなる厚さを形成する前記傾斜面を含み、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項13に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項15】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、
前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に厚くなる厚さを形成する前記傾斜面を含み、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項13に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項16】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周において、前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に深くなる溝で形成され、
前記溝は、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成すことを特徴とする、
請求項13に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項17】
前記長さは、
前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されることを特徴とする、
請求項14乃至請求項16のいずれか一項に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項18】
前記センサアセンブリは、
前記傾斜面との距離値が、既に設定される基準距離値から外れるか否かを判断するフォトセンサモジュールを含むことを特徴とする、
請求項13に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項19】
前記フォトセンサモジュールを収容して支持するセンサホルダーと、前記センサホルダーを、前記真空インタラプタを収容するハウジングに結合させるセンサブラケットをさらに含むことを特徴とする、
請求項18に記載の真空遮断器用の接点監視装置。
【請求項20】
絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、
前記真空インタラプタを収容するハウジングを備えた主回路部と、
前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリと、
前記プッシュロッドアセンブリの円筒状に形成されるロッドハウジングの外周に形成され、外側面に前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って設定された傾斜角を成す傾斜面が形成された鑑別部材と、
前記鑑別部材に隣接して設置され、前記傾斜面との距離値が、既に設定される基準距離値から外れるか否かを判断するフォトセンサモジュールを有するセンサアセンブリ、
とを含むことを特徴とする、真空遮断器。
【請求項21】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周に付着して、前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に厚くなる厚さを形成する前記傾斜面を含み、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項20に記載の真空遮断器。
【請求項22】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、
前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に厚くなる厚さを形成する前記傾斜面を含み、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むことを特徴とする、
請求項20に記載の真空遮断器。
【請求項23】
前記鑑別部材は、
前記ロッドハウジングの外周において、前記ロッドハウジングの上端から下端に沿って徐々に深くなる溝で形成され、
前記溝は、
前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成すことを特徴とする、
請求項20に記載の真空遮断器。
【請求項24】
前記長さは、
前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されることを特徴とする、
請求項21乃至請求項23のいずれか一項に記載の真空遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空インタラプタの内部の接点摩耗量を監視することのできる真空遮断器用の接点監視装置、及びこれを有する真空遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
真空遮断器は、真空の絶縁耐力を利用して、電気回路で発生する短絡や地絡等の事故時、事故電流から負荷機器及び線路を保護する電気保護機である。
【0003】
真空遮断器は、電力輸送を制御し、かつ電力系統を保護する役割を果たす。真空遮断器は、遮断容量が大きくて、信頼性及び安全性が高い。のみならず、小さな設置空間にも据え置くことができ、中電圧から高電圧に至るまで、その適用範囲が広がりつつある。
【0004】
真空遮断器は、電流を遮断する核心部品である真空インタラプタと、真空インタラプタに動力を伝達する動力伝達装置、動力伝達装置によって上下往復運動を行い、真空インタラプタ内の接点を投入又は遮断するプッシュロッド等を含む。真空遮断器の核心部品である真空インタラプタの一例は、韓国特許登録第10-1860348号(登録日:2018年5月16日)に開示されている(以下、従来の真空インタラプタに関する説明で引用される図面符号は、従来技術の説明にだけ適用される符号である)。
【0005】
従来の真空インタラプタ100は、絶縁容器190と、固定電極110と、可動電極150と、アークシールド210、とを含めてなる。固定電極110と可動電極150は、それぞれ固定接点130及び可動接点170を備える。可動電極150の上下移動によって、可動接点170が固定接点130に接触するか分離される。
【0006】
固定接点130及び可動接点170は、電流遮断動作の繰り返しに伴い、接点の摩耗が行われる問題がある。接点が一定以上摩耗していると、補修又は取り替えが必要である。接点の補修又は取り替えが適宜な時間に行われなければ、真空インタラプタの短時間性能、短絡性能及び通電性能が低下する原因となる。よって、正確な接点の摩耗状態を感知する方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、真空インタラプタの内部の接点摩耗量を監視することのできる真空遮断器用の接点監視装置、及びこれを有する真空遮断器を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的は、水平方向のセンシング方向を有するフォトセンサを用いて、垂直方向の変位である接点摩耗量を感知することのできる真空遮断器用の接点監視装置、及びこれを有する真空遮断器を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明は、真空遮断器用の接点監視装置を提供する。
【0011】
前記接点監視装置は、絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリ、とを備えた真空遮断器に備えられる。
【0012】
前記接点監視装置は、前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周に形成され、前記ロッドハウジングの外周面から段差を有する鑑別部材と、前記鑑別部材に隣接して設置され、前記ロッドハウジングの外周面と、前記鑑別部材の外側面との段差の有無を感知するセンサアセンブリ、とを含む。
【0013】
ここで、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングの外周に付着して、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むのが好ましい。
【0014】
そして、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含んでいてもよい。
【0015】
また、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングの外周から設定された深さを成す溝で形成され、
前記溝は、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成してもよい。
【0016】
また、前記長さは、前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されるのが好ましい。
【0017】
また、前記センサアセンブリは、前記鑑別部材の外側面までの距離値と、前記ロッドハウジングの外周面との距離値が、一定以上の差異が生じることにより前記段差の有無を判断するフォトセンサモジュールを含むのが好ましい。
【0018】
また、前記フォトセンサモジュールを収容して支持するセンサホルダーと、前記センサホルダーを、前記真空インタラプタを収容するハウジングに結合させるセンサブラケットをさらに含むのが好ましい。
【0019】
他の実施形態において本発明は、接点監視装置を有する真空遮断器を提供する。
【0020】
前記真空遮断器は、絶縁容器内に固定されて、一端に固定接点が備えられた固定電極と、前記絶縁容器内に昇降可能に設置される可動電極とを有し、昇降するにつれて、前記固定接点に接触又は分離される可動接点が一端に備えられる真空インタラプタと、前記真空インタラプタを収容するハウジングを備えた主回路部と、前記可動電極の他端に結合して、前記可動電極を昇降させるプッシュロッドアセンブリと、前記プッシュロッドアセンブリの円筒状のロッドハウジングの外周に形成され、前記ロッドハウジングの外周面から段差を有する鑑別部材と、前記鑑別部材に隣接して設置され、前記鑑別部材の外側面までの距離値と、前記ロッドハウジングの外周面との距離値が、一定以上の差異が生じることにより前記段差の有無を判断するセンサアセンブリ、とを含む。
【0021】
ここで、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングの外周に付着して、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を含むのが好ましい。
【0022】
そして、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングと一体になって、外側に突出するように形成されるものの、設定された厚さを成し、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さを含むのが好ましい。
【0023】
また、前記鑑別部材は、前記ロッドハウジングの外周から設定された深さを成す溝で形成され、
前記溝は、前記可動電極の昇降する昇降軸線に沿って設定された長さ及び幅を成すのが好ましい。
【0024】
また、前記長さは、前記固定接点と前記可動接点それぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジングの垂直変位に相応するように設定されるのが好ましい。
【0025】
また、前記フォトセンサモジュールを収容して支持するセンサホルダーと、前記センサホルダーを、前記真空インタラプタを収容するハウジングに結合させるセンサブラケットをさらに含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明による真空遮断器用の接点監視装置は、フォトセンサを用いて接点摩耗量をリアルタイムで監視して、適宜なメンテナンス時点を判断することができる。
【0027】
また、本発明による真空遮断器用の接点監視装置は、フォトセンサを用いて、接点摩耗量が限界値以上に進められる前に、接点摩耗量を判断することができるため、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
【0028】
また、本発明による真空遮断器用の接点監視装置は、水平方向のセンシング方向を有するフォトセンサを用いて、垂直方向の変位を有する接点摩耗量を感知することができる。よって、接点摩耗量を正確に感知して、適宜なメンテナンス時点を判断することができる。
【0029】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の接点監視装置を有する真空遮断器を示した部分断面図。
図2】本発明による接点監視装置の第1例が適用された設置状態を示す斜視図。
図3図1による接点監視装置のフォトセンサモジュールを示す分解斜視図。
図4】本発明の鑑別部材の第1例を示す斜視図。
図5】本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の外側面領域に含まれる例を示す図面。
図6】本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の下端から外れたロッドハウジングの外周面領域に含まれる例を示す図面。
図7】本発明による鑑別部材の第2例を示す図面。
図8】本発明による鑑別部材の第3例を示す図面。
図9】本発明の鑑別部材の第3例を示す斜視図。
図10】本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の傾斜面の正常区間に含まれる例を示す図面。
図11】本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の傾斜面の異常区間に含まれる例を示す図面。
図12】本発明による鑑別部材の第4例を示す図面。
図13】本発明による鑑別部材の第5例を示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0031】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説する。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0032】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0033】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか又は接続されていてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0034】
図1は、本発明の接点監視装置を有する真空遮断器を示した部分断面図である。
【0035】
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態による真空遮断器用の接点監視装置(B)は、真空遮断器(A)の主回路部100の下側に設置されて、真空インタラプタ130の接点の摩耗を監視する。
【0036】
真空遮断器(A)の主な構成について簡単に説明すれば、次のとおりである(真空遮断器の構成は、本発明の説明に要する構成についてのみ簡単に説明することとする)。
【0037】
真空遮断器(A)は、真空インタラプタ130を含む主回路部100と、真空インタラプタ130の接点に動力を伝達するためのプッシュロッドアセンブリ200と、メインシャフト300と、駆動力を発生し、メインシャフト300に連結されて、駆動力を伝達するメカニズムアセンブリ400、とを含む。
【0038】
主回路部100は、ハウジング110の内部に真空インタラプタ130が設置される。真空インタラプタ130は、収容空間を形成する絶縁容器132と、絶縁容器132の内側上部に固定される固定電極134と、固定電極134の端部に備えられた固定接点134aと、絶縁容器132の内側下部に上下移動可能に設置される可動電極136と、可動電極136の端部に備えられた可動接点136a、とを備える。絶縁容器132の内部には、真空を形成するアークシールド132aが収容され、アークシールド132aは、固定電極134と固定接点134a、可動電極136と可動接点136aの周辺を囲う。可動接点136aは、可動電極136によって固定接点134aに接触(投入状態)するか、固定接点134aから分離(遮断状態)される。可動電極136は、プッシュロッドアセンブリ200によって上昇又は下降する。
【0039】
プッシュロッドアセンブリ200は、可動電極136を投入又は遮断する。プッシュロッドアセンブリ200は、メインシャフト300の動力を可動電極136に伝達する複数の軸及びバネ等から構成される。プッシュロッドアセンブリ200のロッドハウジング210上に、後述する接点監視装置(B)の一部構成が設置される。プッシュロッドアセンブリ200の下端にメインシャフト300が連結される。
【0040】
メインシャフト300は、メカニズムアセンブリ400に連結されて、メカニズムアセンブリ400から発生した動力をプッシュロッドアセンブリ200に伝達する。
【0041】
図2は、本発明による接点監視装置の第1例が適用された設置状態を示す斜視図である。図3は、図1による接点監視装置のフォトセンサモジュールを示す分解斜視図である。
【0042】
図2及び図3を参照すれば、本発明の第1実施形態に従う接点監視装置のプッシュロッドアセンブリ200の円筒状のロッドハウジング210の外周に形成され、前記ロッドハウジング210の外周面から段差を有する鑑別部材700と、前記鑑別部材700に隣接して設置され、前記ロッドハウジング210の外周面と、前記鑑別部材700の外側面との段差の有無を感知するセンサアセンブリ500、とを含む。
【0043】
前記センサアセンブリ500は、主回路部100の下側に設置される。
【0044】
先ず、センサアセンブリ500は、鑑別部材700の位置を感知するためのフォトセンサモジュール510と、フォトセンサモジュール510を収容するセンサホルダー530と、センサホルダー530を主回路部100の下側に結合させるセンサブラケット550、とを含む。
【0045】
フォトセンサモジュール510は、発光部512と、受光部514と、発光部512及び受光部514の信号を処理する回路部516、とを含む。発光部512及び受光部514は、回路部516の一面に揃って設置される。
【0046】
前記フォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514は、プッシュロッドアセンブリ200のロッドハウジング110の外側周面に向けるように配置される。フォトセンサモジュール510の設置方向の意味は、後述することとする。
【0047】
前記発光部512は、光を出射する。前記受光部514は、発光部512から出射して、ロッドハウジング210の外周面で反射した光を受光する。
【0048】
前記回路部516は、発光部512から光が出射し、出射した光が、ロッドハウジング210の外周面で反射して受光されるまでの時間と、既に設定された光の速度情報に基づいて、フォトセンサモジュール510とロッドハウジング210の外周面との間の距離値を算出することができる。他の例によれば、本発明による回路部516は、受光部514で感知した光の強さに比例する光電流が流れるため、反射して戻った光量が大きいほど、発生する電流量が大きくなる。フォトセンサモジュール510は、発光部512で発光した光が反射して入射する光量を感知するため、フォトセンサモジュール510から遠くなるほど、反射して受光部514に入射する光量が減少する。入射する光量が減少すると、光電流が弱くなるため、フォトセンサモジュール510からの距離が分かる。
【0049】
よって、フォトセンサモジュール510は、光を発光して、反射光の反射する方向がセンシング方向となる。フォトセンサモジュール510は、センシング方向と同じ方向の移動変位を感知することができる。
【0050】
回路部516では、光電流を処理して、外部へ信号を出力することができる。出力信号は、センシングした光量によって小さくなるか大きくなり、光量は、変位によって変わる。よって、回路部516で出力された信号を処理すれば、結果として、移動変位を計算することができる。回路部516で出力された信号は、図面に示していない外部データ処理処置や管理者のスマート端末等に伝送され得る。
【0051】
前述した判断部は、回路の部内に備えることもでき、外部データ処理処置やスマート端末内に備えることもできる。判断部における回路部516の出力信号を処理して、予め貯蔵された基準値と比較した後、真空インタラプタ130の接点摩耗量を判断することができる。これによって、本発明によるフォトセンサモジュール510は、昇降するロッドハウジング210の外周面までの距離値を算出することができる。
【0052】
一方、センサホルダー530は、フォトセンサモジュール510を収容する。センサホルダー530は、一面の開放されたボックス状を有し得る。センサホルダー530の開放された一側に、フォトセンサモジュール510の発光部512及び受光部514が露出する。センサホルダー530は、開放された一側と反対側の他側又は側面部に、センサブラケット550に結合する結合部532を備えることができる。結合部532は、ボルトの挿入される孔状に備えることができる。
【0053】
センサホルダー530は、フォトセンサモジュール510が挿入して、離脱しなければ、ボックス状ではない「¬」字、「L」字、「[」字状等のフレーム状も有し得る。
【0054】
センサブラケット550は、主回路部100の外観を形成するハウジング110の下部一側に取り付けられる。センサブラケット550は、センサホルダー530を支持できれば、その形状に制限されるものではない。ただし、本発明では、フォトセンサモジュール510の設置位置がロッドハウジング210に向かっていなければならない。よって、センサブラケット550は、逆「¬」字状を有し、主回路部100のハウジング110の下側に延びた面に、センサホルダー530が結合される。センサブラケット550の板面には、センサホルダー530の締結のため複数の締結孔と、ハウジング110との締結のため複数の締結孔が形成され得る。センサブラケット550は、ボルティング結合等により、センサホルダー530及びハウジング110に結合し得る。
【0055】
上述した例では、センサホルダー530とセンサブラケット550とが別途備えられたことを例にして説明した。しかし、フォトセンサモジュール510を収容して、主回路部100のハウジング110に結合することができれば、一つの固定手段を使っても構わない。
【0056】
また、本発明によるフォトセンサモジュール510は、ロッドハウジング210に隣接した位置に固定されて、前記ロッドハウジング210の外周面までの距離値を算出できる他の測定方式のセンサであってもよい。
【0057】
本発明による鑑別部材の第1例を説明する。
【0058】
図4は、本発明の鑑別部材の第1例を示す斜視図である。
【0059】
図2に示されるように、本発明による鑑別部材700は、ロッドハウジング210の外周面に別途部材で形成されて、付着又は設置される。付着する場合、鑑別部材700は、別途接着材を介して付着されてもよく、設置される場合、スクリューボルトのような結合部材を介して着脱可能に設置されてもよい。
【0060】
前記鑑別部材400は、設定された厚さと、上下に沿う長さ及び幅を有する。
【0061】
よって、鑑別部材700は、ロッドハウジング210の外側面から一定厚さ(t)を成して突出する。
【0062】
前記鑑別部材700は、円筒状のロッドハウジング210の外周面に、別途接着材を介して付着することができる。前記鑑別部材400は、柔軟性を有する部材で形成されても、一定の硬度を有する部材で形成されてもよい。
【0063】
前記鑑別部材700が厚さ(t)を成すことにより、一定位置で、前記ロッドハウジング210の外周面と、鑑別部材700の外側面との間は、段差を成す。
【0064】
上記のような鑑別部材700の外側面は、発光部512及び受光部514を含むフォトセンサモジュール510に対向するように配置される。
【0065】
ここで、前記鑑別部材700の長さ(l)は、前記固定接点134aと前記可動接点136aそれぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジング210の垂直変位又は昇降行程変位に相応するように設定される。
【0066】
このため、接点の摩耗により、固定接点134aと可動接点136aのうちいずれか又はいずれもが、一定厚さに厚さが薄くなる場合、固定接点134aと可動接点136aが接触する状態での全厚さは、上述した基準厚さ以下を成し得る。前記基準厚さは、接点摩耗量の限界値である。
【0067】
かかる場合、ロッドハウジング210は、一定位置にさらに上昇して、垂直変位が増加する。
【0068】
このため、フォトセンサモジュール510のセンシング領域は、鑑別部材700の下端外側に外れる。前記センシング領域は、光が出射して反射する領域である。
【0069】
すなわち、フォトセンサモジュール510のセンシング領域が、鑑別部材700の下端外側に外れる場合、センシング領域は、鑑別部材700の下端外側領域であるロッドハウジング210の外周面に形成される。
【0070】
図5は、本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の外側面領域に含まれる例を示す図面である。図6は、本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の下端から外れたロッドハウジングの外周面領域に含まれる例を示す図面である。
【0071】
図5及び図6を参照して、本発明による接点監視装置の作用を説明する。
【0072】
前述した構成を有する本発明の接点監視装置のフォトセンサモジュールを用いて、接点摩耗量を感知する方法について詳説すれば、次のとおりである。
【0073】
プッシュロッドアセンブリ200は、図5の上下方向である垂直方向に作動するため、オープン状態では、フォトセンサモジュール510の感知位置が常に同じ位置を維持する。初期投入状態におけるプッシュロッドアセンブリ200は、鑑別部材700の長さ(l)内で一定量の垂直方向変位を示す。その後、接点の投入が繰り返されると、プッシュロッドアセンブリ200は、摩耗量だけ垂直方向に沿って上昇することになる。すなわち、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位の増加量が、接点摩耗量となる。
【0074】
プッシュロッドアセンブリ200の移動量を測定するためには、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知しなければならない。このため、プッシュロッドアセンブリ200の下側に垂直変位を感知することのできるセンサを設置するのが好ましい。しかし、プッシュロッドアセンブリ200の下側には、メインシャフト300が結合し、真空遮断器(A)の下部構成品が存在するため、センサを設置するに足る空間の確保が難しい。
【0075】
よって、本発明のフォトセンサモジュール510は、ロッドハウジング210の外周面に隣接して設置されるものの、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に平行な一側に設置される。このとき、フォトセンサモジュール510のセンシング方向は、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に垂直な方向である。また、周辺部との干渉を最小とするために、フォトセンサモジュール510は、主回路部100のハウジング110の下端から外側に近い部分に設置される。
【0076】
プッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向への変位のみ有するだけであり、水平方向には移動しないため、一側にフォトセンサモジュール510を設置しても、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知することができない。かかる問題を解決するために本発明では、鑑別部材700を適用して、プッシュロッドアセンブリ200の垂直方向変位を水平方向変位に変換するのと同様の効果を生じさせ、フォトセンサモジュール510を使用できるようにすることである。
【0077】
図5を参照すれば、鑑別部材700は、設定された長さを成す。固定接点134aと可動接点136aが接触するように、ロッドハウジング210は、上昇する。
【0078】
固定接点134aと可動接点136aが接触する状態で、全体接点の厚さが設定された基準厚さを成す場合、ロッドハウジング210は、鑑別部材700の長さ内で垂直変位を成す。
【0079】
これと同時に、発光部512は、鑑別部材700の外側面に光を出射し、出射した光は、鑑別部材700の外側面から反射して、発光部514で受光される。
【0080】
回路部516は、光が出射して反射するまでの時間と光の速度に基づいて、鑑別部材500の外側面までの第1距離値(La)を算出する。
【0081】
上述したように、ロッドハウジング210の垂直変位が、鑑別部材700の長さ(l)内で進められる場合、測定される第1距離値(La)は、同一である。かかる場合、固定接点134aと可動接点136aそれぞれの厚さは、基準厚さを成して、正常厚さを成すことである。
【0082】
他方、図6に示されるように、固定接点134aと可動接点136aそれぞれ又は両方の一部が損傷して、厚さが基準厚さ以下を成す場合、すなわち、接点摩耗量が臨界値以上を成す場合、ロッドハウジング210の垂直変位は、増加する。
【0083】
このため、固定接点134aと可動接点136aが接触する場合、ロッドハウジング210は、一定高さにさらに上昇する。
【0084】
これと同時に、センシング領域は、鑑別部材700の下端外側領域に外れる。
【0085】
よって、回路部516は、鑑別部材700の下端外側面から、段差を有するロッドハウジング210の外周面までの第2距離値(Le)を算出する。
【0086】
そして、回路部516は、測定される第2距離値(Le)が第1距離値(La)よりも大きな値を成す場合、段差が形成されると認知して、サーバーで外部に接点の損傷を知らせることができる。
【0087】
ここに本発明では、フォトセンサモジュール510のセンシング領域が鑑別部材700の外側面下方に外れて、段差を有するロッドハウジング210の外周面領域に位置する場合、接点摩耗量が限界値以上に至っていると判断する。
【0088】
一方、本実施形態における接点が、上述した基準厚さ又は基準厚さの範囲を維持する場合、ロッドハウジングの垂直変位は、鑑別部材の長さに含まれる。よって、センサモジュールは、鑑別部材の外側面で反射する光を受光して、第1光量を算出する。
【0089】
他方、繰り返した接点の投入によって、接点摩耗量が限界値に至る場合、ロッドハウジングの垂直変位は、増加する。
【0090】
このため、センサモジュールは、鑑別部材の下端外側に、段差を有して位置するロッドハウジングの外周面で反射する光を受光して、第2光量を算出する。
【0091】
上記のように測定される第1、2光量は、相異する反射率により相違する値を有する。
【0092】
このため、回路部は、第1光量の反射率と相違する第2光量が測定されることによって、鑑別部材の下端外側での段差を認識することができる。
【0093】
そして、判断部は、接点摩耗量が予め設定された限界値になったか否かを、フォトセンサモジュール510から出力される信号を分析することで分かる。
【0094】
フォトセンサモジュール510は、センシング方向に垂直となる垂直方向変位を直接に感知することはできないが、鑑別部材700の外側面又はロッドハウジング210の外周面までの距離を測定することによって、垂直変位を水平変位に変換することができる。よって、フォトセンサモジュール510を適用して、接点摩耗量を間接に監視及び感知することができる。
【0095】
フォトセンサモジュール510により監視される接点摩耗量は、リアルタイム又は予め設定された時間周期で監視することができる。これによって、接点摩耗量が限界値以上に進められる前に、接点摩耗量を判断することができるため、適宜なメンテナンス時点が分かる。また、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
【0096】
図7は、本発明による鑑別部材の第2例を示す図面である。
【0097】
図7を参照すれば、本発明による鑑別部材701は、ロッドハウジング210の外周から突出するものの、ロッドハウジング210と一体になるように形成されてもよい。
【0098】
前記鑑別部材701は、ロッドハウジング210の一部であってもよい。前記鑑別部材701の下端は、ロッドハウジング210の外周面と段差を形成する。
【0099】
前記鑑別部材700は、フォトセンサモジュール510のセンシング領域に含まれるように、発光部512及び受光部514に対向するように配置される。
【0100】
このため、フォトセンサモジュール510から測定される鑑別部材700の外側面までの距離値(第1距離値(La))と、ロッドハウジング210の外周面までの距離値(第2距離値(Le))は、相違する。前記鑑別部材700がロッドハウジング210の外周面から突出する形状に形成されるため、第2距離値(Le)は、第1距離値(La)よりも大きい値を成す。
【0101】
よって、フォトセンサモジュール510は、測定された距離値が相違することを測定することによって、段差が形成されるか否かを判断することができる。
【0102】
前記鑑別部材701の幅、長さ及び厚さは、上述した第1例と同様であってもよいため、説明を省略することとする。
【0103】
ただし、前記鑑別部材701の長さ(l)は、接点摩耗量の限界値の設定によって可変的に形成することができる。
【0104】
図8は、本発明による鑑別部材の第3例を示す図面である。
【0105】
図8を参照すれば、本発明による鑑別部材702は、ロッドハウジング210の外周から一定深さを成す溝で形成されるものの、ロッドハウジング210と一体になるように形成されてもよい。
【0106】
前記鑑別部材702は、ロッドハウジング210の一部であってもよい。前記鑑別部材702の下端は、ロッドハウジング210の外周面と段差を形成する。
【0107】
前記鑑別部材702は、フォトセンサモジュール510のセンシング領域に含まれるように、発光部512及び受光部514に対向するように配置される。
【0108】
このため、フォトセンサモジュール510から測定される溝状の鑑別部材702の溝内側面までの距離値(第1距離値(La))と、ロッドハウジング210の外周面までの距離値(第2距離値(Le))は、相違する。前記鑑別部材702は、ロッドハウジング210の外周面から一定深さを成す溝状に形成されるため、第2距離値(Le)は、第1距離値(La)よりも小さい値を成す。
【0109】
よって、フォトセンサモジュール510は、測定された距離値が相違することを測定することによって、段差が形成されるか否かを判断することができる。
【0110】
前記鑑別部材702の幅、長さは、上述した第1、2例と同様であってもよく、ただし、鑑別部材702は、溝状に形成される。
【0111】
ここで、前記鑑別部材702の溝の長さは、接点摩耗量の限界値の設定によって可変的に形成することができる。
【0112】
前述した例において、フォトセンサモジュールが、プッシュロッドアセンブリのロッドハウジングと平行な位置に設置されたことを例にして説明した。しかし、周辺部との干渉を避けることができれば、プッシュロッドアセンブリの下側に設置されてもよい。この場合、フォトセンサモジュールのセンシング方向と、プッシュロッドアセンブリの移動方向とが同一であるため、鑑別部材なしにも、垂直方向の移動変位である接点摩耗量をフォトセンサを介して直接に感知することができる。
【0113】
次いで、本発明による鑑別部材の第3例を説明する。
【0114】
図9は、本発明の鑑別部材の第3例を示す斜視図である。
【0115】
図9に示されるように、本発明による鑑別部材700は、ロッドハウジング210の外周面に別途部材で形成されて、付着又は設置される。付着する場合、鑑別部材702は、別途接着材を介して付着されてもよく、設置される場合、スクリューボルトのような結合部材を介して着脱可能であるように設置されてもよい。
【0116】
前記鑑別部材702は、設定された厚さと、上下に沿う長さ及び幅を有する。
【0117】
よって、鑑別部材702は、ロッドハウジング210の外周上端から下端に沿って厚さ(t)が徐々に増加するにつれて、傾斜角を有する傾斜面(S)を形成する。
【0118】
これによって、本発明による鑑別部材702の傾斜面(S)は、その上端から下端に沿って側方に徐々に突出する形状を成す。
【0119】
前記鑑別部材702は、円筒状のロッドハウジング210の外周面に別途接着材を介して付着し得る。前記鑑別部材702は、柔軟性を有する部材で形成されても、一定の硬度を有する部材で形成されてもよい。
【0120】
上記のような形状を成す鑑別部材702の傾斜面(S)は、発光部512及び受光部514を含むフォトセンサモジュール510に対向するように配置される。
【0121】
ここで、前記鑑別部材の傾斜面とフォトセンサモジュールとの間の距離値は、傾斜面の上端から下端に沿って徐々に増加する。
【0122】
前記鑑別部材の傾斜面において、上下に沿う一定位置に限界位置が設定されてもよい。すなわち、前記傾斜面の上端から限界位置まで(正常区間)は、前記固定接点134aと前記可動接点136aそれぞれが、予め設定された基準厚さを成して接触する状態で形成される、前記ロッドハウジング210の垂直変位又は昇降行程変位に相応し得る。
【0123】
そして、限界位置から傾斜面の下端までの位置(異常区間)は、上述した基準厚さ以下を成す状態でのロッドハウジング210の垂直変位又は昇降行程変位に相応し得る。
【0124】
このため、接点の摩耗により、固定接点134aと可動接点136aのうちいずれか又はいずれもが、一定厚さに厚さが薄くなる場合、固定接点134aと可動接点136aが接触する状態での全厚さは、上述した基準厚さ以下を成し得る。前記基準厚さは、接点摩耗量の限界値である。
【0125】
かかる場合、ロッドハウジング210は、一定位置にさらに上昇して、垂直変位が増加する。
【0126】
このため、フォトセンサモジュール510のセンシング領域は、鑑別部材700の傾斜面(S)における限界位置を含む前記異常区間に至ることができる。前記センシング領域は、光が出射して反射する領域である。
【0127】
すなわち、フォトセンサモジュール510のセンシング領域が異常区間に、フォトセンシング領域は、鑑別部材700の下端外側領域であるロッドハウジング210の外周面に形成される。
【0128】
図10は、本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の傾斜面の正常区間に含まれる例を示す図面である。図11は、本発明によるセンシング領域が、鑑別部材の傾斜面の異常区間に含まれる例を示す図面である。
【0129】
図10及び図11を参照して、本発明による接点監視装置の作用を説明する。
【0130】
前述した構成を有する本発明の接点監視装置のフォトセンサモジュールを用いて、接点摩耗量を感知する方法について詳説すれば、次のとおりである。
【0131】
プッシュロッドアセンブリ200は、図10の上下方向である垂直方向に作動するため、オープン状態では、フォトセンサモジュール510の感知位置が、常に同じ位置を維持する。初期投入状態におけるプッシュロッドアセンブリ200は、鑑別部材702の長さ(l)内で一定量の垂直方向変位を示す。その後、接点の投入が繰り返されると、プッシュロッドアセンブリ200は、摩耗量だけ垂直方向に沿って上昇することになる。すなわち、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位の増加量が接点摩耗量となる。
【0132】
プッシュロッドアセンブリ200の移動量を測定するためには、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知しなければならない。このため、プッシュロッドアセンブリ200の下側に垂直変位を感知することのできるセンサを設置するのが好ましい。しかし、プッシュロッドアセンブリ200の下側にはメインシャフト300が結合し、真空遮断器(A)の下部構成品が存在するため、センサを設置するに足る空間の確保が難しい。
【0133】
よって、本発明のフォトセンサモジュール510は、ロッドハウジング210の外周面に隣接して設置されるものの、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に平行な一側に設置される。このとき、フォトセンサモジュール510のセンシング方向は、プッシュロッドアセンブリ200の垂直移動方向に垂直な方向である。また、周辺部との干渉を最小とするために、フォトセンサモジュール510は、主回路部100のハウジング110の下端から外側に近い部分に設置される。
【0134】
プッシュロッドアセンブリ200は、垂直方向への変位のみ有するだけであり、水平方向には移動しないため、一側にフォトセンサモジュール510を設置しても、プッシュロッドアセンブリ200の垂直変位を感知することができない。かかる問題を解決するために本発明では、鑑別部材702を適用して、プッシュロッドアセンブリ200の垂直方向変位を水平方向変位に変換するのと同様な効果を生じさせ、フォトセンサモジュール510を使用できるようにすることである。
【0135】
図10を参照すれば、鑑別部材702は、設定された長さを成し、上端から下端に沿って外側に徐々に突出する傾斜面(S)を形成する。
【0136】
次いで、固定接点134aと可動接点136aが接触するように、ロッドハウジング210は、上昇する。
【0137】
固定接点134aと可動接点136aが接触する状態で、全体接点の厚さが設定された基準厚さを成す場合、ロッドハウジング210は、鑑別部材700の傾斜面(S)において、上述した正常区間に該当する垂直変位を成す。
【0138】
これと同時に、発光部512は、鑑別部材702の傾斜面(S)に光を出射し、出射した光は、鑑別部材700の外側面から反射して、発光部514で受光される。
【0139】
回路部516は、光が出射して反射するまでの時間と光の速度に基づいて、正常区間での鑑別部材500の傾斜面(S)までの第1距離値(La)を算出する。
【0140】
前記算出される第1距離値は、正常区間内で傾斜面(S)の上端から下端に沿って徐々に増加する。
【0141】
かかる場合、固定接点134aと可動接点136aそれぞれの厚さは、基準厚さを成し、正常厚さを成すものである。
【0142】
ここで、回路部516には、傾斜面(S)に設定される限界位置までの距離値である基準距離値が設定される。
【0143】
このため、測定される傾斜面(S)までの距離値が、基準距離値以上を成す場合、センシング領域は、正常区間に含まれ、基準距離値以下を成す場合、センシング領域は、異常区間に含まれる。
【0144】
他方、図11に示されるように、固定接点134aと可動接点136aそれぞれ又は両方の一部が損傷して、厚さが基準厚さ以下を成す場合、すなわち、接点摩耗量が臨界値以上を成す場合、ロッドハウジング210の垂直変位は、増加する。
【0145】
このため、固定接点134aと可動接点136aが接触する場合、ロッドハウジング210は、一定高さにさらに上昇する。
【0146】
これと同時に、センシング領域は、鑑別部材702の傾斜面(S)の異常区間に含まれる。
【0147】
よって、回路部516は、上述した異常区間に含まれる傾斜面(S)までの第2距離値(Le)を算出する。
【0148】
そして、回路部516は、測定される第2距離値(Le)が基準距離値以下を成す場合、サーバーで外部に接点の損傷を知らせることができる。
【0149】
ここに本発明では、フォトセンサモジュール510のセンシング領域が、鑑別部材702の傾斜面(S)において限界位置を外れた異常区間に至ると、接点摩耗量が限界値以上に至ったものと判断する。
【0150】
一方、本実施形態において、接点が、上述した基準厚さ又は基準厚さの範囲を維持する場合、ロッドハウジングの垂直変位は、鑑別部材の長さに含まれる。よって、センサモジュールは、鑑別部材の外側面で反射する光を受光して、第1光量を算出する。
【0151】
他方、繰り返した接点の投入によって、接点摩耗量が限界値に至る場合、ロッドハウジングの垂直変位は、増加する。
【0152】
このため、センサモジュールは、鑑別部材の下端外側に、段差を有して位置されるロッドハウジングの外周面で反射する光を受光して、第2光量を算出する。
【0153】
上記のように測定される第1、2光量は、相異する反射率により相違する値を有する。
【0154】
このため、回路部は、第1光量の反射率と相違する第2光量が測定されることによって、鑑別部材の下端外側での段差を認識することができる。
【0155】
そして、判断部は、接点摩耗量が予め設定された限界値になったか否かを、フォトセンサモジュール510から出力される信号を分析することで分かる。
【0156】
フォトセンサモジュール510は、センシング方向に垂直となる垂直方向変位を直接に感知することはできないが、鑑別部材702の傾斜面(S)との距離値を測定することによって、垂直変位を水平変位に変換することができる。よって、フォトセンサモジュール510を適用して、接点摩耗量を間接に監視及び感知することができる。
【0157】
フォトセンサモジュール510によって監視される接点摩耗量は、リアルタイム又は予め設定された時間周期で監視することができる。これによって、接点摩耗量が限界値以上に進められる前に、接点摩耗量を判断することができるため、適宜なメンテナンス時点が分かる。また、真空遮断器の信頼性及び性能を向上させることができる。
【0158】
図12は、本発明による鑑別部材の第4例を示す図面である。
【0159】
図12を参照すれば、本発明による鑑別部材703は、ロッドハウジング210の外周から突出するものの、ロッドハウジング210と一体になるように形成されてもよい。
【0160】
前記鑑別部材701は、ロッドハウジング210の一部であってもよい。前記鑑別部材703は、外側に突出する傾斜面(S)を有する。前記傾斜面(S)は、鑑別部材703の厚さ(t)が上端から下端に沿って徐々に増加するにつれて、傾斜角を形成する。
【0161】
前記鑑別部材701の傾斜面(S)は、フォトセンサモジュール510のセンシング領域に含まれるように、発光部512及び受光部514に対向するように配置される。
【0162】
このため、フォトセンサモジュール510から測定される鑑別部材701の傾斜面(S)までの距離値は、下方に沿って徐々に減少する。すなわち、前記鑑別部材703の傾斜面は、ロッドハウジング210の上端から下端に沿って徐々に突出する形状に形成されるため、測定される傾斜面までの距離値は、減少するのである。
【0163】
よって、フォトセンサモジュール510は、測定された距離値が、設定された基準距離値以下を成す場合、接点摩耗量が限界値以上を成すと判断することができる。
【0164】
前記鑑別部材703の幅、長さ及び厚さは、上述した第1例と同様であってもよいため、説明を省略することとする。
【0165】
ただし、前記鑑別部材703の傾斜面(S)の限界位置は、接点摩耗量の限界値の設定によって回路部516に可変的に形成することができる。
【0166】
図13は、本発明による鑑別部材の第5例を示す図面である。
【0167】
図13を参照すれば、本発明による鑑別部材704は、ロッドハウジング210の外周において、上端から下端に沿って深さが徐々に深くなる溝で形成される。前記溝で形成される鑑別部材704は、徐々に深くなることにより、傾斜面(S)を有する。
【0168】
前記鑑別部材704は、フォトセンサモジュール510のセンシング領域に含まれるように、発光部512及び受光部514に対向するように配置される。
【0169】
前記鑑別部材704の傾斜面(S)は、フォトセンサモジュール510のセンシング領域に含まれるように、発光部512及び受光部514に対向するように配置される。
【0170】
このため、フォトセンサモジュール510から測定される鑑別部材702の傾斜面(S)までの距離値は、下方に沿って徐々に増加する。すなわち、前記鑑別部材702の傾斜面(S)は、ロッドハウジング210の外周上端から下端に沿って徐々に深くなる傾斜面(S)を成す溝状に形成されるため、測定される傾斜面(S)までの距離値は、増加するのである。
【0171】
よって、フォトセンサモジュール510は、測定された距離値が、設定された基準距離値以上を成す場合、接点摩耗量が限界値以上を成すと判断することができる。
【0172】
前記鑑別部材704の幅、長さ及び厚さは、上述した第1例と同様であってもよいため、説明を省略することとする。
【0173】
ただし、前記鑑別部材702の傾斜面(S)の限界位置は、接点摩耗量の限界値の設定によって回路部516に可変的に形成することができる。
【0174】
前述した例において、フォトセンサモジュールがプッシュロッドアセンブリのロッドハウジングと平行な位置に設置されたことを例にして説明した。しかしながら、周辺部との干渉を避けることができれは、プッシュロッドアセンブリの下側に設置されてもよい。この場合、フォトセンサモジュールのセンシング方向と、プッシュロッドアセンブリの移動方向とが同様であるため、鑑別部材なしにも、垂直方向の移動変位である接点摩耗量をフォトセンサを介して直接に感知することができる。
【0175】
前述した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるため、前述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】