(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】周辺を包囲する音声溝および音響ポートを含む表示デバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20221104BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H04R1/02 102Z
H04R1/02 101Z
H04N5/64 571
H04N5/64 541N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577436
(86)(22)【出願日】2020-08-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 US2020047553
(87)【国際公開番号】W WO2021050250
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】デービス, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】トリゴー, キャサリン スージー
(72)【発明者】
【氏名】スコウ, ウルリク
(72)【発明者】
【氏名】ビンガム, ジョシュア ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ボー
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AD40
5D017AE24
(57)【要約】
表示デバイスが、(i)表示パネルと、(ii)表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングと、(iii)表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、フレーム領域と周辺領域との間のハウジングの表側面に溝開口部を含む、音声溝と、(iv)表示パネルとハウジングの裏側面との間に配置された少なくとも1つのスピーカドライバであって、少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされた音放射表面を含む、少なくとも1つのスピーカドライバと、を具備することができ、音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間に、チャンバ開口部が位置する。様々な他のシステム、デバイス、組立体、および方法も開示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、
前記ハウジングの側方側面を含む周辺領域、
前記表示パネルと前記周辺領域との間に位置するフレーム領域を含む表側面、および
裏側面
を備える、ハウジングと、
前記表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、前記フレーム領域と前記周辺領域との間の前記表側面に溝開口部を含む、音声溝と、
前記表示パネルと前記裏側面との間に配置された少なくとも1つのスピーカドライバであって、前記少なくとも1つのスピーカドライバと前記表示パネルとの間に画定された音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされた音放射表面を含む、少なくとも1つのスピーカドライバと、
を備え、前記音響チャンバの側方周辺部と前記音声溝との間にチャンバ開口部が位置する、表示デバイス。
【請求項2】
音声溝が、前記表示パネルの大部分を側方から包囲する、請求項1に記載の表示デバイス。
【請求項3】
前記音声溝が、前記溝開口部と前記溝開口部から内方に配置されたより狭い部分との間で先細りになっている、請求項1または2に記載の表示デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスピーカドライバが、1対のスピーカドライバを含み、
前記対のスピーカドライバのそれぞれが、1対の音響チャンバの別々の音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示デバイス。
【請求項5】
前記音声溝が、前記対の音響チャンバのうちの第1の音響チャンバに隣接する領域から、前記対の音響チャンバのうちの第2の音響チャンバに隣接する別の領域まで、前記表示パネルの前記側方周辺部の周りに延在し、好ましくは、少なくとも1つの第1のチャンバ開口部が、前記第1の音響チャンバと前記音声溝との間に音響通路を提供し、少なくとも1つの第2のチャンバ開口部が、前記第2の音響チャンバと前記音声溝との間に別の音響通路を提供する、請求項4に記載の表示デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングが、実質的に矩形の周辺輪郭を形成する4つの側方側面を備え、
前記対のスピーカドライバのうちの第1のスピーカドライバが、前記4つの側方側面のうちの第1の側方側面と第2の側方側面との交差部に最接近して位置し、
前記対のスピーカドライバのうちの第2のスピーカドライバが、前記4つの側方側面のうちの第3の側方側面と第4の側方側面との交差部に最接近して位置し、
好ましくは、前記ハウジング内に配置されかつ前記4つの側方側面の前記第1の側方側面と前記第3の側方側面との交差部に最接近して位置するカメラをさらに備える、
請求項4または5に記載の表示デバイス。
【請求項7】
前記音声溝が、前記ハウジングの第1の側方側面に対して平行に延在する第1のセクションと、前記第1のセクションに対して実質的に直角にかつ前記ハウジングの第2の側方側面に対して実質的に平行に延在する第2のセクションと、を備え、
好ましくは、1次チャンバ開口部が、前記音響チャンバと前記音声溝の前記第1のセクションとの間に音響通路を提供し、2次チャンバ開口部が、前記音響チャンバと前記音声溝の前記第2のセクションとの間に別の音響通路を提供する、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示デバイス。
【請求項8】
前記スピーカドライバが、前記ハウジングの前記表側面に対して実質的に垂直に延在するスピーカ軸を中心とし、好ましくは、前記音波が、前記スピーカ軸に対して実質的に直角な方向において前記音響チャンバから前記音声溝に向けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、前記ハウジングの前記裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面および前記ハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、
前記表示パネルと前記ハウジングの前記裏側面との間に配置された音響ポートであって、前記内部空洞に開口しているポート入口から前記ハウジングの前記裏側面を貫通して延在しているポート出口まで前記低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在する、音響ポートと、
をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の表示デバイス。
【請求項10】
表示パネルと、
前記表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、
表側面、
裏側面、および
前記表側面と前記裏側面との間に延在する側方側面
を含む、ハウジングと、
前記ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、前記ハウジングの前記裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面および前記ハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、
前記表示パネルと前記ハウジングの前記裏側面との間に配置された音響ポートであって、前記低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在し、かつ、前記内部空洞に開口しているポート入口から、前記ハウジングの前記裏側面にある開口部まで延在しているポート出口まで延在する、音響ポートと、
を備える、表示デバイス。
【請求項11】
前記音響ポートが、前記ハウジングの前記表側面または前記裏側面のうちの少なくとも一方に対して実質的に平行に延在する、請求項10に記載の表示デバイス。
【請求項12】
前記音響ポートが、前記ハウジングの前記表側面または前記裏側面のうちの少なくとも一方に対してそれぞれ実質的に平行である前面および背面を備え、
前記ポート入口が、前記音響ポートの第1の端部において前記前面と前記背面との間に画定され、
前記ポート出口が、前記音響ポートの前記背面と第2の端部との間に画定される、
請求項11に記載の表示デバイス。
【請求項13】
前記音響ポートが、前記ポート入口においてフレア状となっている、請求項12に記載の表示デバイス。
【請求項14】
表示デバイスにおいて音声データを音声信号に変換することであって、前記表示デバイスが、
表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、前記表示パネルと周辺領域との間に位置するフレーム領域を有する表側面を含む、ハウジングと、
前記表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、前記フレーム領域と前記周辺領域との間の前記表側面に溝開口部を含む、音声溝と、
前記表示パネルの後ろに配置された少なくとも1つのスピーカドライバと、
前記少なくとも1つのスピーカドライバと前記表示パネルとの間に画定された音響チャンバと、
を備える、音声データを音声信号に変換することと、
前記音響チャンバから前記音響チャンバの側方周辺部と前記音声溝との間に位置するチャンバ開口部を介して前記音声溝まで伝播する音波を作り出すために前記少なくとも1つのスピーカドライバに前記音声信号を送信することと、
を含む、方法。
【請求項15】
低周波スピーカドライバに追加の音声信号を送信することをさらに含み、前記低周波スピーカドライバが、前記ハウジングによって少なくとも部分的に包囲され、前記低周波スピーカドライバが、前記追加の音声信号に応答して前記ハウジングの裏側面から音波を向かわせる振動板を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、最小限に抑えられた収容空間から強化された音質を有する音声を提供するための音声構成要素および構造を有する、対話型ディスプレイおよびスマートディスプレイを含むディスプレイを対象とする。
【発明の概要】
【0002】
本発明の実施形態によれば、表示パネルと、表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、ハウジングの側方側面(lateral side)を含む周辺領域、表示パネルと周辺領域との間に位置するフレーム領域を含む表側面(front side)、および裏側面(back side)を備える、ハウジングと、表示パネルの少なくとも一部分の周囲を包囲する音声溝であって、フレーム領域と周辺領域との間の表側面に溝開口部を含む、音声溝と、表示パネルと裏側面との間に配置された少なくとも1つのスピーカドライバであって、少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされた音放射表面を含む、少なくとも1つのスピーカドライバと、を備え、音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間にチャンバ開口部が位置する、表示デバイスが提供される。
【0003】
いくつかの実施形態では、音声溝は、表示パネルの大部分を側方から包囲する。
【0004】
いくつかの実施形態では、音声溝は、溝開口部と溝開口部から内方に配置されたより狭い部分との間で先細りになっている。
【0005】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスピーカドライバは、1対のスピーカドライバを含み、対のスピーカドライバのそれぞれは、1対の音響チャンバの別々の音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされる。
【0006】
いくつかの実施形態では、音声溝は、対の音響チャンバのうちの第1の音響チャンバに隣接する領域から、対の音響チャンバのうちの第2の音響チャンバに隣接する別の領域まで、表示パネルの側方周辺部の周りに延在する。
【0007】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のチャンバ開口部が、第1の音響チャンバと音声溝との間に音響通路を提供し、少なくとも1つの第2のチャンバ開口部が、第2の音響チャンバと音声溝との間に別の音響通路を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、実質的に矩形の周辺輪郭を形成する4つの側方側面を備え、対のスピーカドライバのうちの第1のスピーカドライバが、4つの側方側面のうちの第1の側方側面と第2の側方側面との交差部に最接近して位置し、対のスピーカドライバのうちの第2のスピーカドライバが、4つの側方側面のうちの第3の側方側面と第4の側方側面との交差部に最接近して位置する。
【0009】
いくつかの実施形態では、表示デバイスは、ハウジング内に配置されかつ4つの側方側面のうちの第1の側方側面と第3の側方側面との交差部に最接近して位置するカメラをさらに備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、音声溝は、ハウジングの第1の側方側面に対して平行に延在する第1のセクションと、第1のセクションに対して実質的に直角にかつハウジングの第2の側方側面に対して実質的に平行に延在する第2のセクションと、を備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、1次チャンバ開口部が、音響チャンバと音声溝の第1のセクションとの間に音響通路を提供し、2次チャンバ開口部が、音響チャンバと音声溝の第2のセクションとの間に別の音響通路を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、スピーカドライバは、ハウジングの表側面に対して実質的に垂直に延在するスピーカ軸を中心とする。
【0013】
いくつかの実施形態では、音波は、スピーカ軸に対して実質的に直角な方向において音響チャンバから音声溝に向けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、表示デバイスは、ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、ハウジングの裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面およびハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、表示パネルとハウジングの裏側面との間に配置された音響ポートであって、内部空洞に開口しているポート入口からハウジングの裏側面を貫通して延在しているポート出口まで低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在する、音響ポートと、をさらに備える。
【0015】
本発明の実施形態によれば、表示パネルと、表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、表側面、裏側面、および表側面と裏側面との間に延在する側方側面を含む、ハウジングと、ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、ハウジングの裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面およびハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、表示パネルとハウジングの裏側面との間に配置された音響ポートであって、低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在し、かつ、内部空洞に開口しているポート入口から、ハウジングの裏側面にある開口部まで延在しているポート出口まで延在する、音響ポートと、を備える、表示デバイスが提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、音響ポートは、ハウジングの表側面または裏側面のうちの少なくとも一方に対して実質的に平行に延在する。
【0017】
いくつかの実施形態では、音響ポートは、ハウジングの表側面または裏側面のうちの少なくとも一方に対してそれぞれ実質的に平行である前面および背面を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、ポート入口は、音響ポートの第1の端部において前面と背面との間に画定され、ポート出口は、音響ポートの背面と第2の端部との間に画定される。
【0019】
いくつかの実施形態では、音響ポートは、ポート入口においてフレア状となっている。
【0020】
本発明の実施形態によれば、表示デバイスにおいて音声データを音声信号に変換することであって、表示デバイスが、表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、表示パネルと周辺領域との間に位置するフレーム領域を有する表側面を含む、ハウジングと、表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、フレーム領域と周辺領域との間の表側面に溝開口部を含む、音声溝と、表示パネルの後ろに配置された少なくとも1つのスピーカドライバと、少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバと、を備える、音声データを音声信号に変換することと、音響チャンバから音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間に位置するチャンバ開口部を介して音声溝まで伝播する音波を作り出すために少なくとも1つのスピーカドライバに音声信号を送信することと、を含む方法が提供される。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、低周波スピーカドライバに追加の音声信号を送信することをさらに備え、低周波スピーカドライバは、ハウジングによって少なくとも部分的に包囲され、低周波スピーカドライバは、追加の音声信号に応答してハウジングの裏側面から音波を向かわせる振動板を含む。
【0022】
本発明の1つまたは複数の態様もしくは実施形態への組込みに適するものとして本明細書において説明される特徴は、本開示のあらゆる態様および実施形態にわたって一般化可能であるように意図されていることが、理解されるであろう。
【0023】
添付の図面は、複数の例示的な実施形態を示すものであり、かつ、本明細書の一部である。これらの図面は、以下の説明とともに本開示の様々な原理を明示しかつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による例示的な表示システムの正面斜視図である。
【
図2】いくつかの実施形態による
図1の表示システムの後面斜視図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるいくつかの内部音声構成要素を示す、例示的な表示システムの正面図である。
【
図4】いくつかの実施形態による例示的な表示システムの一部分の正面斜視図である。
【
図5】いくつかの実施形態による例示的な表示システムの底面正面斜視図である。
【
図6】いくつかの実施形態による例示的な表示システムの一部分の断面正面斜視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による
図6に示された表示システムの一部分の断面正面斜視図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による例示的な表示システムの一部分の左側断面図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による
図8Aの表示システムの一部分の右側断面図である。
【
図9】いくつかの実施形態による例示的な表示システムのスピーカドライバ、音声ポート、およびスピーカグリルを示す斜視図である。
【
図10】いくつかの実施形態による例示的な表示システムのスピーカドライバおよび音声ポートを示す斜視図である。
【
図11】いくつかの実施形態による例示的な表示システムの後面図である。
【
図12】いくつかの実施形態による表示システムにおいて音声を生成するための例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面にわたって、同一の参照文字および記述は、同様の、しかし必ずしも同一ではない要素を示す。本明細書において説明される例示的な実施形態は、様々な修正および代替形態を受け入れる余地があるが、特定の実施形態が、例として図面に示されており、かつ、本明細書において詳細に説明される。しかし、本明細書において説明される例示的な実施形態は、開示される具体的な形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲に含まれる全ての修正形態、均等物、および代替形態に及ぶものである。
【0026】
本開示は一般に、最小限に抑えられた収容空間から強化された音質を有する音声を提供するための音声構成要素および構造を有する、対話型ディスプレイおよびスマートディスプレイを含むディスプレイを対象とする。様々な対話特徴を含む表示システムが、家庭および会社においてますます一般的になっている。人々はスマートディスプレイなどの対話型ディスプレイを普通に使用し、そのような対話型ディスプレイは、容易にアクセス可能であり、かつ、オンライン世界へのハンズフリーアクセス、および、他の遠隔のユーザとの表現に富んだ双方向コミュニケーション体験を提供することができる。対話型ディスプレイは一般に、ユーザがボイスコマンドを使用してデバイスと容易に対話しかつ家族、友人、および同僚と遠隔的にコミュニケーションを取ることを可能にする、マイクロホンを含む。そのようなデバイスはまた、画像および映像を共有して、他の参加者と対話しているときに強化された水準の対話操作およびコミュニケーションを提供することを可能にするために、カメラおよびスピーカを含むことが多い。しかし、そのようなデバイスによって提供される音声性能は、空間的な制約のために比較的低い場合がある。したがって、改善されたユーザリスニング体験を提供するために、より嵩張る対話型デバイス、または外部のスピーカアクセサリへの接続が必要とされ得る。以下でより詳細に説明されるように、本開示の実施形態は、最小限の収容空間内での高品質音声の生成を促進する音声発生および伝達特徴を有する、対話型表示システムを提供し得る。
【0027】
本明細書において説明される実施形態のいずれかからの特徴は、本明細書において説明される一般原理に従って互いに組み合わされて使用され得る。上記その他の実施形態、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面および特許請求の範囲と併せて読めば、より詳細に理解されるであろう。
【0028】
下記は、
図1~12を参照しながら、内部音声システムを含む表示システムおよびデバイスならびに対応する方法に関する詳細な説明を提供する。
【0029】
図1~3は、様々な実施形態による例示的な対話型表示システムを示す。これらの図に示されるように、表示システム100は、対話型の視覚体験および/または音声体験をユーザに提供するように構成された表示デバイス102を含み得る。表示デバイス102は、オンライン環境を介した他のユーザとのコミュニケーションの目的で、表示デバイス102とのユーザ対話操作を促進するための様々な特徴を含み得る。いくつかの例では、表示デバイス102はまた、ユーザが様々なアプリケーションおよび/またはオンラインコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。表示デバイス102は、少なくとも1つの物理プロセッサおよび少なくとも1つのメモリデバイスを含む、任意の適切なハードウェア構成要素と、そのような対話操作を促進するためのソフトウェアツールとを含み得る。少なくとも1つの例では、表示デバイス102は、例えばWi-Fi、セルラー、ブルートゥース、および/または有線接続を介して、オンラインおよび/または他のネットワーク環境に接続され得る。
【0030】
様々な実施形態では、表示デバイス102は、例えば
図3に示されるように、制御装置135を含み得る。制御装置135は、表示デバイス102の1つまたは複数の構成要素の動作を制御する1つまたは複数のコンピューティングデバイスを有する、任意の適切なシステムを含み得る。例えば、制御装置135は、表示デバイス102のカメラ133および/または1つもしくは複数のマイクロホン129と通信しかつそれらの動作を制御し得る。いくつかの例では、制御装置135はまた、表示面104上に見られるコンテンツを表示する表示パネル105、表示デバイス102内のラウドスピーカによって放出される音を作り出す音声システム、および/または表示システム100の任意の他の適切な構成要素などの、様々な他の構成要素の動作を制御し得る。制御装置135は、任意の適切な場所に配置され得る。例えば、制御装置135は、ハウジング103内に配置されてよく、また、いくつかの実施形態では、プリント回路板上に配置され得る。制御装置135は、少なくとも1つの物理プロセッサ、および少なくとも1つのメモリデバイスを含むことができ、かつ、カメラ133および/または1つもしくは複数のマイクロホン129などの様々な構成要素と(例えば、表示デバイス102内の電気配線および/または電気回路を介して)通信可能に結合されて、信号が構成要素に送信されること、および、信号が構成要素から受信されることを可能にすることができる。
【0031】
表示デバイス102は、矩形のまたは実質的に矩形の周辺部を有する形状などの任意の適切な外部表面形状を有するハウジング103を含み得る。いくつかの実施形態では、
図1~3に示されるように、ハウジング103は、例えば角のある、丸み付けされた、および/または勾配付きの接合部において交わる、平面的なもしくは実質的に平面的な表面および/または表面部分を有する、外側面(exterior side)を含み得る。例えば、表示デバイス102のハウジング103は、表側面106、裏側面108、頂側面112、底側面114、左側面116、および右側面118を含み得る。表側面106、裏側面108、頂側面112、底側面114、左側面116、および/または右側面118の少なくとも一部分は、示されたX軸、Y軸、およびZ軸のうちの少なくとも2つに対して平行にまたは実質的に平行に延在し得る。
【0032】
表示デバイス102の表側面106は、ユーザに視覚コンテンツを提供する表示面104を含む表示パネル105を具備し得る。様々な実施形態によれば、表示パネル105は、表示面104を介して見ることができる画像および/またはビデオ映像を表示するための画素のアレイを含み得る。例えば、表示パネル105は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、無機発光ダイオード(ILED)ディスプレイ、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、または任意の他の適切なディスプレイ技術を含み得る。いくつかの例では、表示パネル105は、相互キャパシタンス接触センサ、自己キャパシタンス接触センサ、誘導接触センサ、または表示面104を介したユーザ接触ベースの対話操作を可能にする任意の他の適切な接触センサ技術などの、組み入れられたまたは隣接する接触センサを、表示面104にまたは表示面104の近くに含み得る。
【0033】
様々な実施形態では、表示面104は、矩形のまたは実質的に矩形の周辺部を有し得る。表示デバイス102は、例えばランドスケープ配向およびポートレート配向を含む任意の配向で表示面104上に画像および/またはビデオ映像を表示するように構成され得る。いくつかの例では、表示デバイス102は、その現在の配向を(例えば、少なくとも1つのジャイロスコープおよび/もしくは他の適切な配向センサを使用して、または手動入力を介して)検出し、かつ、表示デバイス102の配向に関係なく視聴者に対して正しい配向で画像が表示されるように、表示面104の上部に画像の上部が表示された状態で画像を自動的に表示することができる。
【0034】
少なくとも1つの実施形態では、表示デバイス102の表側面106は、表示面104の周辺を包囲するフレーム領域120を含み得る。表示デバイス102内のカメラ133(
図3参照)のためのカメラ開口部122が、フレーム領域120の隅部にまたは隅部の近くにおいて、フレーム領域120内に画定され得る。例えば、カメラ開口部122は、表示デバイス102の頂側面112と左側面116との交差部近くに配置され得る。カメラ開口部122は、局所環境からの画像および/またはビデオ映像をキャプチャするために、カメラ133への光の通過を可能にし得る。本明細書において、カメラは一般に、表示デバイス102の周囲の環境から写真画像および/またはビデオ画像などの画像をキャプチャするのに適した任意のカメラデバイスを意味し得る。カメラの例には、限定されることなしに、電荷結合素子(CCD)画像センサを有するカメラ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサを有するカメラ、および/または任意の他の適切なカメラデバイスなどの、キャプチャした光をデジタル信号に変換するデジタルカメラが含まれ得る。カメラ133は、画像センサアレイ、画像センサアレイ上に光を集中させるためのレンズまたはレンズアレイ、および、光がカメラに入ることを可能にする開口を含み得る。画像センサアレイは、ディスプレイの様々な部分から発せられた光をキャプチャしかつ測定する、複数の画素センサ(例えば、光検知フォトダイオード素子(light-sensing photodiode element)を含み得る。いくつかの例では、カメラ133はまた、画素センサ上に光をさらに集中させるために、マイクロレンズアレイを含み得る。
【0035】
図1および2に示されるように、表示デバイス102はまた、表示デバイス102のフレーム領域120と周囲の周辺領域126との間に配置された音声溝124を含み得る。音声溝124は、表側面106を介して高品質の音声コンテンツをユーザに提供するために、表示デバイス102内に隠されたスピーカからの音の伝播を促進し得る。いくつかの例では、表示デバイス102は、例えば音声溝124および/または裏側面108を介して聞き取れる音を生成するための1つまたは複数のスピーカドライバを含み得る。スピーカは、例えば、示されるように裏側面108から突出するスピーカグリル146(例えば、メッシュ、スクリーン、連続気泡発泡体、など)によって覆われ得るウーファ、ならびに/または音声溝124を介して音を放出する1対のツイータおよび/もしくはミッドレンジスピーカなどの、ハウジング103内に配置され得る1つまたは複数のスピーカを含み得る。1つの例では、表示デバイス102はまた、保持タブ147を含むことができ、この保持タブ147は、例えば、スピーカグリル146を表示デバイス102に固定するのを支援するために、スピーカグリル146に対抗する力を提供する。さらに、またはその代わりに、保持タブ147は、1つまたは複数のケーブル(例えば、USBケーブル、HDMIケーブル、など)を接続するためのポートを覆うことができる。表示デバイス102はまた、例えば左側面116上(例えば、
図2参照)および/または任意の他の適切な場所に位置する音量ボタン114などの、様々な他の構成要素を含み得る。音量ボタン114は、表示デバイス102によって作り出される音声の音量を調整するためにユーザによって利用され得る。
【0036】
いくつかの例では、表示デバイス102は、ハウジング103内に1つまたは複数のマイクロホン129を含むことができ、このマイクロホン129は、例えば頂側面112、表側面106、および/または裏側面108に画定された1つまたは複数の対応するマイクロホン開口部128を介して周囲環境から音声を受け取る。マイクロホン129は、表示デバイス102の周りの局所環境において様々な方向から音を拾うように位置決めされかつ構成され得る。本明細書において、マイクロホンは一般に、音(すなわち、音波の空気圧変動)を受け取って電気信号に変換するのに適した任意の変換器デバイスを意味することができ、この電気信号は、(例えば、前置増幅器を使用して)増幅され、かつ、(例えば、デジタル-アナログ変換器(DAC)を使用して)アナログ信号からデジタル信号に変換され得る。マイクロホンの例には、限定されることなしに、ダイナミックマイクロホン、コンデンサマイクロホン、圧電マイクロホン、光ファイバマイクロホン、微小電気機械システム(MEMS)マイクロホン、および/または任意の他の適切なタイプのマイクロホンが含まれ得る。
【0037】
様々な例では、表示デバイス102の周辺領域126は、頂側面112、底側面114、左側面116、右側面118、ならびに表示デバイス102の表側面106および/または裏側面108の周辺部分を含み得る。いくつかの例では、周辺領域126の少なくとも一部分は、使用中に表示デバイス102が滑るのを防止するために、様々な表面タイプに関して適切な度合いの静止摩擦力を提供する材料を含み得る。そのような材料はまた、ディスプレイ音声システムによって生じる音響振動を吸収するために、振動減衰特性を有し得る。例えば、周辺領域126は、(例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などのポリウレタンポリマー、および/または任意の他の適切なエラストマを含む)緩衝用エラストマ層を含み得る。
【0038】
様々な実施形態によれば、表示システム100は、統合位置決めおよび給電組立体として機能することができる支持スタンド110を含み得る。
図1および2に示されるように、支持スタンド110は、機械的な支持および電力を表示デバイス102に提供するために、表示デバイス102に結合され得る。支持スタンド110は、ランドスケープ配向およびポートレート配向の両方において表示デバイス102を支持するために、例えば底側面114と右側面118との交差部の近くで裏側面108(
図2参照)において表示デバイス102に取り付けられ得る。カメラ133(
図3参照)は、表示パネル105上に表示されたコンテンツをユーザが視聴しかつそれと対話操作しているときのユーザおよびその周囲のキャプチャを促進するために、表示デバイスがランドスケープ配向およびポートレート配向のいずれかに位置決めされているときにカメラ133が表示面104の上縁部に近接近して配置されるように、頂側面112と左側面116との交差部(
図1参照)の近くで表側面106に隣接して位置決めされ得る。支持スタンド110は、外部表面上で選択された配向において表示デバイス102を物理的に支持するための細長い支持部材132をさらに含み得る。表示デバイス102に電力を供給するための電気配線が、表示デバイス102から支持部材132の内部を通って延在し得る。表示デバイス102に電力を提供するための電気コード134が、支持部材132の一部分(例えば、遠位端部)から突出し得る。
【0039】
少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイス102はまた、例えば頂側面112においてアクセス可能であるプライバシースイッチ130を含み得る。プライバシースイッチ130は、表示デバイス102のカメラおよび/もしくはマイクロホンが有効または無効とされる様々なプライバシーモードからユーザが選択することを可能にし得る。いくつかの例では、カメラシャッタが、カメラ開口部122の少なくとも一部分を覆うことによりカメラ133の視界を物理的に遮ってユーザプライバシーを強化するために、プライバシースイッチ130によって位置決め可能とされ得る。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、表示デバイス102の1つもしくは複数の物理プロセッサおよび/または表示デバイス102の外部の1つもしくは複数の物理プロセッサによって実効される、少なくとも1つのコンピュータ実装アプリケーション(computerーimplemented application)が、1人もしくは複数人のユーザおよび/または1つもしくは複数のユーザ特徴(例えば、顔の特徴、手、など)の存在を識別することができ、また、カメラ133の視界内でのそれらの位置を位置付けかつ/または追跡することができる。いくつかの例では、少なくとも1つのアプリケーションは、キャプチャした画像の1つもしくは複数の部分をズーム、パン、クロップ、および/または他の方法で修正して、そのような画像を受信する他のユーザ(例えば、表示デバイス102のユーザと遠隔でコミュニケーションを取っている他のユーザ)のために視聴体験をデジタル処理で強化することができる。様々な例では、少なくとも1つのアプリケーションは、カメラ133によってキャプチャされた画像に画像要素を追加することができ、かつ/あるいは、キャプチャした画像の一部を不明瞭にして、強化現実画像もしくは仮想現実画像を生成しかつ/またはカメラ133の視界内の選択された物体の出現を阻止することができる。そのようなアプリケーションは、表示デバイス102上のユーザおよび/または例えば接続網を介して表示デバイス102とコミュニケーションを取っている他のユーザの目に見える画像を作り出すために利用され得る。
【0041】
さらに、またはその代わりに、少なくとも1つのアプリケーションは、表示デバイス102上で様々な動作を行うために利用され得る。例えば、表示デバイス102は、オン状態で動作されてよく、このオン状態中、カメラ133の視界の少なくとも一部分内で個人が検出されたときに、画像および/または音声が、表示デバイス102によってキャプチャされかつ/または提示され得る。表示デバイス102は、カメラ133の視界の少なくとも一部分内で個人が検出されないときに(例えば、閾時間にわたって視界から個人が不在であった後で)、待機状態またはオフ状態に切り替えられ得る。いくつかの例では、カメラ133によってキャプチャされた画像は、個人の身体的特徴(例えば、顔の特徴)を識別しかつ認可されたユーザのみを許可するようにアクセスを制限するために、生体測定目的に利用され得る。さらに、またはその代わりに、表示デバイス102の様々な動作(例えば、音量制御、画像調整、オン/オフ状態、など)を制御するためのユーザジェスチャ(例えば、手、腕、および/または顔のジェスチャ)が、カメラ133によってキャプチャされた画像を介して検出され得る。いくつかの例では、少なくとも1つのアプリケーションは、表示デバイス102のマイクロホン129によってキャプチャされた音声と併せてカメラ133によってキャプチャされた画像を使用して、上記の1つまたは複数の動作などの様々な機能を実行し得る。
【0042】
図3は、表示デバイス102のハウジング103内に位置決めされた音声構成要素を含むいくつかの内部構成要素を示す、表示デバイス102の正面図である。いくつかの実施形態では、表示デバイス102は、表示パネル105の少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝124を含み得る。例えば、
図3に示されるように、音声溝124は、表示パネル105の少なくとも一部分の周りに配置されてよく、かつ、フレーム領域120と周辺領域126との間の表側面106内に画定された溝開口部125を含み得る。音声溝124は、表示パネル105の大部分を側方から包囲することができ、また、いくつかの例では、示されているように、表示パネル105を完全に包囲することができる。
【0043】
様々な実施形態では、表示デバイス102はまた、表示パネル105とハウジング103の裏側面108との間に配置された少なくとも1つのスピーカドライバを含み得る。例えば、
図3に示されるように、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bなどの1対のスピーカドライバが、表示パネル105と第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bのそれぞれとの間に画定されたそれぞれの第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138B内へ音波を向かわせるように、ハウジング103内に位置決めされ得る。音声溝124は、第1の音響チャンバ138Aに隣接する領域から第2の音響チャンバ138Bに隣接する別の領域まで、表示パネル105の側方周辺部の周りに延在し得る。以下でより詳細に説明されるように、少なくとも1つの開口部が、第1の音響チャンバ138Aと音声溝124との間に音響通路を提供することができ、また、少なくとも1つの追加の開口部が、第2の音響チャンバ138Bと音声溝124との間に別の音響通路を提供することができる。
【0044】
上記のように、ハウジング103は、頂側面112、底側面114、左側面116、および右側面118を含むハウジング103の側方側面によって形成された実質的に矩形の周辺輪郭を有し得る。さらに、音声溝124は、頂側面112および/または底側面113に対して平行にもしくは実質的に平行に延在する第1のセクションと、第1のセクションに対して直角にもしくは実質的に直角に延在しかつハウジング103の左側面116および/または右側面118に対して平行にもしくは実質的に平行に延在する第2のセクションと、を含み得る。
【0045】
図3に示されるように、ハウジング103の4つの隅部領域の外では、第1のスピーカドライバ136Aが、頂側面112などの第1の側方側面と右側面118などの第2の側方側面との交差部における隅部領域に最接近して位置し得る。さらに、第2のスピーカドライバ136Bが、左側面116などの第3の側方側面と底側面114などの第4の側方側面との交差部における別の隅部領域に最接近して位置し得る。第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bは、ステレオ聴音体験を提供するために、別々に駆動され得る。いくつかの例では、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bのそれぞれによって個別に出力される音量は、ユーザによって聞かれたときに認識される出力音声源が、表示パネル105上に表示されたコンテンツの位置に対応するように、選択され得る。例えば、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bは、ユーザによって認識されたときの可聴コンテンツ源が、表示パネル105上に示された別の遠隔ユーザの画像などの同時に表示された画像コンテンツの位置に対応するように、制御され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、スピーカドライバは、表側面106と裏側面108との間のハウジング103の全厚を(例えば、スピーカドライバと構成要素間の重なりを回避することにより)減少させるために、ならびに/または構成要素との望ましくない電気的な干渉および/もしくは振動的な干渉を防ぐために、様々な他の構成要素から離れて位置決めされ得る。例えば、
図3に示されるように、カメラ133は、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bから隔てられた位置においてハウジング103内に配置され得る。カメラ133は、例えば、頂側面112と左側面116との交差部に隣接するハウジング103の上隅部領域にまたはその近くに位置し得る。少なくとも1つの例では、制御装置135は、第2のスピーカドライバ136Bとカメラ133との間に位置し得る。様々な例では、第1のスピーカドライバ136Aは、支持スタンド110(例えば、
図1および2参照)を介して電力を受け取るためのハウジング103内の構成要素と重ならないように、上部ディスプレイ隅部領域にまたはその近くに配置され得る。
【0047】
少なくとも1つの実施形態によれば、表示デバイス102はまた、表示パネル105と裏側面108との間で少なくとも部分的にハウジング103内に配置された低周波スピーカドライバ(例えば、ウーファ、サブウーファ、など)を含み得る。例えば、
図3に示されるように、表示デバイス102は、主にハウジング103の裏側面108から音波を向かわせるように位置決めされた低周波スピーカドライバ140を含み得る。低周波スピーカドライバ140は、ハウジング103内の内部空洞143内に音圧を作り出すように、ハウジング103内に位置決めされ得る。ハウジング103内に含まれた音響ポート142が、低周波スピーカドライバ140によって出力される音量および/または音質を強化するために、低周波スピーカドライバ140と併せて利用され得る。例えば、音響ポート142が、表示パネル105とハウジング103の裏側面108との間に配置されてよく、この音響ポート142は、低周波スピーカドライバ140の円周部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在する。以下でより詳細に説明されるように、音響ポート142は、内部空洞143に開口しているポート入口と、ハウジング103の裏側面108を介して表示デバイス102の外部に開口しているポート出口と、を有し得る。いくつかの例では、第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bは、内部空洞143内で低周波スピーカドライバ140によって生成された音圧が第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bに入ること、およびその逆のことを抑制または防止する障壁により、少なくとも部分的に内部空洞143から隔てられ得る。
【0048】
図4および5は、表示デバイス102の一部分の拡大された上部-右側図および下部-左側図を示す。図は、音声溝124および音声溝124を包囲する表示デバイス102の部分の詳細を示す。示されるように、音声溝124は、少なくとも部分的にまたは完全に表示パネル105の周辺部の周りに延在し得る。例えば、音声溝124は、表側面106において表示パネル105およびフレーム領域120を取り囲み得る。音声溝124は、フレーム領域120と周辺領域126の周囲部分との間に画定された溝開口部125から後方に向かって表示デバイス102内に延在し得る。
【0049】
様々な実施形態において、第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bは、以下でより詳細に説明されるように、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bによって作り出された音を、音声溝124の一部分に沿った開口部を介して、音声溝124内へ向かわせ得る。少なくとも1つの例では、そのような開口部は、保護層によって覆われ得る。例えば、
図4および5は、音声溝124と第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bのそれぞれとの間の対応する開口部を覆うように音声溝124の内側周辺表面領域内にかつ/または内側周辺表面領域に隣接して配置された保護被覆148aおよび148bを示す。保護被覆148aおよび148bは、任意の適切な単層または多層の材料(例えば、メッシュ、ファブリック、連続気泡発泡体、など)を含むことができ、そのような材料は、開口部の回路網を含み、かつ、そこを音が通過することをほとんどまたは全く干渉することなく可能にしながら、塵および粒子などの異物が第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bに入るのを防止または抑制するための障壁として機能する。さらに、保護被覆148aおよび148bは、音声溝124に沿った開口部の外観を視覚的に遮断し得る。
【0050】
図6および7は、音声溝124の右上隅部に隣接する(すなわち、
図4および5に示されたような頂側面112と右側面118との交差部近くの)表示デバイス102の拡大された隅部分の断面図を示す。これらの図は、第1のスピーカドライバ136A、第1の音響チャンバ138A、および表示デバイス102のいくつかの周囲の特徴を示すが、同じまたは類似の特徴および構成が、第2のスピーカドライバ136Bおよび第2の音響チャンバ138B内に存在しかつ/またはそれらを包囲し得る。
図6に示されるように、1次保護被覆148aが、音声溝124の第1のセクションに沿って(すなわち、示されるように右側面118の近くに延在する音声溝124の一部分に沿って)位置する1次取付け表面149a上に配置され、2次保護被覆148bが、音声溝124の第2のセクションに沿って(すなわち、示されるように頂側面112の近くに延在する音声溝124の一部分に沿って)位置する2次取付け表面149b上に配置され得る。保護被覆148aおよび148bは、任意の適切な態様で(例えば、接着結合、機械的締付け、などを介して)取付け表面149aおよび149bにそれぞれ取り付けられ得る。1次保護被覆148aおよび2次保護被覆148bは、
図7に示された1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bをそれぞれ覆うことができ、
図7は、例示の目的のためにチャンバ開口部158aおよび158bから取り除かれた保護被覆148aおよび148bを示す。
【0051】
図6および7に示されるように、第1のスピーカドライバ136Aは、第1のスピーカドライバ136Aの前方振動板表面150などの音放射表面が第1の音響チャンバ138Aに面するように、スピーカ凹部152内に配置され得る。第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bは、それぞれ、約200Hzから約20kHzの範囲内の周波数を有する可聴音波を作り出す、ダイナミックミッドレンジスピーカ、ツイータ、ミッドウーファ、またはフルレンジスピーカなどの任意の適切なタイプのスピーカドライバであってよい。様々な例では、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bは、振動板151の前方振動板表面150を介して(例えば、
図3に示された制御装置135からの)電気信号を音に変換する、電気音響変換器であり得る。いくつかの例では、例えば制御装置135からの電気信号は、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bに到達するのに先立って、増幅器によって増幅され得る。電気信号は、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bのボイスコイルを永久磁石の極間で急速に前後に移動させて、振動板151の急速な運動と、第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bのそれぞれにおける前方振動板表面150によって生成される空気圧からの音波の発生とをもたらし得る。
【0052】
第1の音響チャンバ138Aおよび第2の音響チャンバ138Bは、それぞれ、表側面106および/または表示パネル105と第1のスピーカドライバ136Aおよび/または第2のスピーカドライバ136Bのそれぞれとの間に位置し得る。音響チャンバ138Aおよび138Bは、それぞれ、任意の適切な形状および体積を有し得る。例えば、
図6および7に示されるように、第1の音響チャンバ138Aは、チャンバ後面154とチャンバ前面(例えば、
図8に示されたチャンバ前面155参照)との間で、示されたZ軸に沿って最も狭くなっていてよい。さらに、第1の音響チャンバ138Aは、第1の音響チャンバ138Aの内側部分を画定するチャンバ側表面156から、第1の音響チャンバ138Aの側方周辺部において音声溝124(例えば、音声溝124の上側セクションおよび右側セクション)にそれぞれ開口している1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bまで、Y方向およびX方向に延在し得る。1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bは、それぞれ、
図7に示されるように、第1の音響チャンバ138Aと音声溝124との間に音波160のための音響通路を提供し得る。1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bは、示されたような音声溝124の隣接部分に対して平行にまたは実質的に平行に延在する丸み付けされた端部領域を含む細長い形状などの、任意の適切なサイズおよび形状を有し得る。いくつかの例では、1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bは、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124まで先細りになっているおよび/または広くなっている、勾配付きのまたは曲線状のエッジ部分を有し得る。
【0053】
いくつかの例では、チャンバ後面154からチャンバ前面155(
図8A参照)まで延在する支持セクション157が、1次チャンバ開口部158aと2次チャンバ開口部158bとの間に位置し得る。支持セクション157は、第1の音響チャンバ138Aの隅部領域において構造上の支持を提供することができ、かつ/または、保護被覆148aおよび148bの隣接する端部分をしっかりと取り付けるための表面領域を提供することができる。
図7では2つの開口部158aおよび158bが示されているが、単一の開口部(例えば、支持セクション157を含まない)、または3つ以上の開口部などの、任意の適切な数の開口部が、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124に音波を送るために、第1の音響チャンバ138Aと音声溝124との間に位置し得る。したがって、第1の音響チャンバ138Aは、第1のスピーカドライバ136Aからチャンバ開口部158aおよび158bを介して音声溝124の上側セクションおよび右側セクションなどの音声溝124の隣接部分へ音波の流れを向かわせるように、成形されかつ構成され得る。第2の音響チャンバ138Bは、第2のスピーカドライバ136Bから対応するチャンバ開口部(すなわち、
図5に示された保護被覆148aおよび148bによって覆われたチャンバ開口部)を介して音声溝124の下側セクションおよび左側セクションなどの音声溝124の隣接部分へ音波を向かわせるように、同様に成形されかつ構成され得る。
【0054】
図8Aは、
図6および7に示された第1のスピーカドライバ136Aおよび第1の音響チャンバ138Aを含む表示デバイス102の一部分の左側断面図であり、
図8Bはその右側断面図である。
図8Aは、第1の音響チャンバ138Aにわたって延在する断面を示し、
図8Bは、音響溝124の右側部分にわたって延在する断面を示す。
図8Aおよび8Bに示されるように、第1の音響チャンバ138Aは、前方振動板表面150/チャンバ後面154とチャンバ前面155との間に延在する比較的狭い空間を含み得る。示されるように、表示パネル105は、第1の音響チャンバ138Aの少なくとも一部分と表示面104との間に配置され得る。チャンバ前面155の後方に配置された第1のスピーカドライバ136Aの部分は、裏側面108と第1の音響チャンバ138Aとの間でハウジング103内に配置され得る。様々な実施形態では、第1のスピーカドライバ136Aは、ハウジング103の表側面106および/または表示面104に対して実質的に垂直に延在するスピーカ軸166を中心とし得る。第1のスピーカドライバ136Aは、前方振動板表面150から後部スピーカ板167まで、スピーカ軸に沿って延在し得る。いくつかの例では、使用中に第1のスピーカドライバ136Aによって生じる振動を弱めるために、緩衝層168などの緩衝用部材が、後部スピーカ板167に隣接して配置され得る。例えば、緩衝層168は、後部スピーカ板167と裏側面108におけるハウジング103の内部表面との間に配置され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のスピーカドライバ136Aによって作り出される音波は、スピーカ軸166に対して概ねまたは実質的に直角な(すなわち、
図6~8BにおけるX軸およびY軸によって画定された平面に対して概ねまたは実質的に平行な)方向において、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124へ向けられ得る。
図8Aおよび8Bは、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124へと2次チャンバ開口部158bを通過する音波160の例示的な経路を示す。音波は、同様に、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124へと1次チャンバ開口部158aを通過し得る。
【0056】
音声溝124は、溝開口部125から内方に延在する任意の適切な断面形状を有し得る。いくつかの例では、音声溝124は、溝開口部125と溝開口部125から内方に配置されたより狭い領域との間で先細りになり得る。音声溝124は、第1の音響チャンバ138Aからの音波の通過を許容するのに十分な溝開口部125からの任意の適切な深さまで延在し得る。例えば、
図8Aおよび8Bに示されるように、音声溝124は、音声溝124内でのならびに音声溝124に沿った音波の反響および分配を促進し、それにより音声溝124からのより大きな音響反射の領域を作るために、より大きな空間体積を提供するように、裏側面108に向かって1次チャンバ開口部158aおよび2次チャンバ開口部158bを越えて延在する。そのような構成は、表示パネル105のより大きな領域の周りからの音響反射を提供し、かつ、ハウジング103の右上領域に位置する第1のスピーカドライバ136Aおよびハウジング103の左下領域に位置する第2のスピーカドライバ136Bによって放出される音の左右バランスをさらに高めることにより、ユーザの音声体験を強化することができる。
【0057】
放出音波164は、フレーム領域120と周辺領域126との間で表側面106内に画定された溝開口部125を介して、音声溝124から外部環境へ進むことができる。いくつかの例では、放出音波164は、第1の音響チャンバ138Aから音声溝124へ進む音波160に対して概ね直角な方向において、音声溝124から出て行くことができる。したがって、音声溝124から出て行く放出音波164は、表示パネル105上に表示されたコンテンツを視聴しかつ/またはコンテンツと対話操作するユーザにより、明瞭に聞き取られ得る。
【0058】
図9~11は、いくつかの実施形態による、表示デバイス102内に配置される例示的な低周波スピーカドライバ140および音響ポート142を示す。低周波スピーカドライバ140および音響ポート142は、表示デバイス102内で互いに関連して配置されているものとして、これらの図のそれぞれにおいて示されている。
図9および10は、例示の目的のために表示デバイス102の他の部分から分離された低周波スピーカドライバ140および音響ポート142を示し、
図11は、表示デバイス102内に取り付けられた低周波スピーカドライバ140および音響ポート142を示す。
【0059】
低周波スピーカドライバ140は、表示パネル105と裏側面108との間で少なくとも部分的にハウジング103内に配置され得る。低周波スピーカドライバ140は、
図10および11に示された前方振動板表面150などの音放射表面を有する振動板173を含むことができ、音放射表面は、ハウジング103の裏側面108から音波を向かわせるように位置決めされかつ配向される。さらに、振動板173は、ハウジング103内の内部空洞143内で音圧を作り出すように位置決めされた、
図9に示されるような後部振動板表面176を有し得る。少なくとも1つの例では、後部振動板表面176は、振動板173を包囲するスピーカフレーム174内のフレーム開口部175を介して、空洞143に開口し得る。低周波スピーカドライバ140は、約10Hzから約5kHzの範囲内の周波数を有する可聴音波を作り出す、標準的なウーファ、ミッドウーファ、またはサブウーファなどの任意の適切なタイプのスピーカドライバであり得る。様々な例では、低周波スピーカドライバ140は、振動板173を介して(例えば、
図3に示された制御装置135からの)電気信号を音に変換する、電気音響変換器であり得る。少なくとも1つの実施形態によれば、低周波スピーカドライバ140は、前方振動板表面190から後部スピーカ表面172までハウジング103の裏側面108に対して実質的に垂直の方向に延在するスピーカ軸170(
図9参照)を中心とし得る。
【0060】
いくつかの例では、例えば制御装置135からの電気信号は、低周波スピーカドライバ140に到達するのに先立って、増幅器によって増幅され得る。さらに、いくつかの例では、表示デバイス102のオーディオクロスオーバ(audio crossover)が、制御装置135からの電気信号を少なくとも2つの周波数範囲に分割することができ、より高い周波数範囲内の周波数は、第1のスピーカドライバ136Aおよび第2のスピーカドライバ136Bに送られ、より低い周波数範囲内の周波数は、低周波スピーカドライバ140に送られる。低周波スピーカドライバ140によって受信される電気信号は、低周波スピーカドライバ140のボイスコイルを永久磁石の極間で急速に前後に移動させて、振動板173の急速な運動と、前方振動板表面190および後部振動板表面176の両方からの音波の発生とをもたらし得る。いくつかの例では、使用中に低周波スピーカドライバ140によって生じる熱を散逸させるために、熱伝導性部材(例えば、銅テープの層などの銅部材)が、後部スピーカ表面172に隣接して配置され得る。さらに、またはその代わりに、低周波スピーカドライバ140の後方においてスピーカ軸170の周りに位置する中央表面171が、動作中に低周波スピーカドライバ140によって生じる熱をさらに散逸させかつ振動を減衰させる緩衝用熱スタック(cushioning thermal stack)に当接し得る。少なくとも1つの例では、緩衝用熱スタックは、中央表面171と緩衝用熱スタックとの間の熱伝達を促進するために、例えば、伝導性ファブリック層、銅テープ層、および熱伝導材料(thermal interface material)(TIM)を含み得る。
【0061】
図11に示されるように、低周波スピーカドライバ140は、ハウジング103の裏側面108上の取付け表面196に取り付けられ得る。例えば、低周波スピーカドライバ140の部分をハウジング103内に収容するために、穴が、取付け表面196を貫通して延在し得る。低周波スピーカドライバ140は、取付け部材188を介して低周波スピーカドライバ140に取り付けられてよく、取付け部材188は、取付け表面196にねじ留めされ、ボルト留めされ、かつ/または機械的に固定され得る。示されるように、低周波スピーカドライバ140の前方振動板表面190は、表示パネル105によって表示されかつ/またはハウジング103内に配置されたスピーカドライバ(例えば、スピーカドライバ136Aおよび136B)によって再生されるコンテンツを視聴しかつ/またはコンテンツと対話操作するユーザに聞こえる音を作り出すために、裏側面108から外方に面し得る。低周波スピーカドライバ140の他の部分は、表示パネル105の内部空洞143内に配置され得る。
【0062】
図9に示されるように、低周波スピーカドライバ140は、スピーカグリル146によって覆われてよく、このスピーカグリル146は、任意の適切な態様で、ハウジング103の裏側面108上の低周波スピーカ開口部194内に位置決めされ得る。例えば、スピーカグリル146は、スピーカグリル146の周辺縁部が低周波スピーカ開口部194内に配置された状態で、ハウジング103に機械的に固着され得る。少なくとも1つの例では、スピーカグリル146は、ユーザによるスピーカグリル146の容易な付着および取外しを可能にするために、ハウジング103の裏側面108上の対応する付着突出部163と位置合わせされ得る付着突出部162を含み得る。例えば、付着突出部162および付着突出部163は、スピーカグリル146を低周波スピーカ開口部194内に置き、付着突出部163が対応する付着突出部162と重なって噛み合うまでスピーカグリル146を時計方向または反時計方向に回転させることにより、互いに固定され得る。いくつかの例では、コネクタソケット(例えば、USBポート、HDMIポート、など)も、スピーカグリル146を取り外すことによりアクセス可能になるように、低周波スピーカドライバ140の近くに配置され得る。
【0063】
スピーカグリル146は、低周波スピーカドライバ140から外部環境への実質的に無妨害の音波の伝達を可能にすると同時に、低周波スピーカドライバ140を視覚的に隠すためにならびに/または外部環境内の物体および/もしくは粒子(例えば、塵など)との接触を防ぐことにより低周波スピーカドライバ140を損傷から保護するために、低周波スピーカドライバ140を覆う、任意の適切な材料および構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、スピーカグリル146は、剛体部材(例えば、プラスチック、金属、など)を含むことができ、この剛体部材は、剛体部材を通る音波の伝播を促進する穴のパターンを有する。いくつかの例では、スピーカグリル146はまた、スピーカグリル146によって覆われる構成要素の外観を視覚的に不明瞭にするために、剛体部材上に配置されるファブリック層を含み得る。
【0064】
様々な例では、内部空洞143は、低周波スピーカドライバ140の後部振動板表面176から放出される音波と前方振動板表面190から放出される音波との間の望ましくない干渉を防止するまたは抑制するのに適した体積および内部レイアウトを有するエンクロージャ空間として機能し得る。内部空洞143はまた、低周波スピーカドライバ140の動作中に発達する(例えば、低周波スピーカドライバのフレーム174および/もしくは他の部分の振動に起因し、かつ/または、内部空洞143内での空気塊の移動に起因する)振動ならびに/または熱生成の影響を最小限に抑えるように機能し得る。
【0065】
いくつかの例では、音響ポートが、低周波スピーカドライバ140によって出力される音量および/または音質を強化するために利用され得る。例えば、音響ポート142が、表示パネル105とハウジング103の裏側面108との間に配置されてよく、この音響ポート142は、低周波スピーカドライバ140の一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在する。
図9および10に示されるように、例示的な侵入音波191が、ハウジング103の内部空洞143(
図3参照)に開口しているポート入口178を介して音響ポート142に入り、かつ、音響ポート142内に画定されたポート内部182を通過し得る。音響ポート142は、ポート入口178からポート出口180まで延在することができ、ポート出口180は、ハウジング103の裏側面108を貫通して延在する開口部を通して、退出音波192を放出する。
図11に示されるように、ポート出口180は、スピーカグリル146によって覆われ得る領域において、低周波スピーカドライバ140の近くに位置し得る。音響ポート142は、振動板173の後部振動板表面176からの音圧がポート入口178を越えて向かわされるときに、ヘルムホルツ共鳴器を介して音響ポート142内に空気共鳴(air resonance)を作り出し得る。音響ポート142から出力される対応する音声は、音声品質を維持しながら、低周波スピーカドライバ140によって作り出される全体的な音量を増大させかつ強め、それにより、ハウジング103内の利用可能な比較的限られた空間を使用して、低周波スピーカドライバ140の音声能力を高めることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、音響ポート142は、ハウジング103の表側面106または裏側面108の少なくとも一方に対して実質的に平行な平面(例えば、
図11に示されたX軸方向およびY軸方向に実質的に延在する平面)に沿って延在し得る。例えば、音響ポート142は、それぞれがハウジング103の表側面106または裏側面108のうちの少なくとも一方に対して実質的に平行である、前ポート表面184および後ポート表面185を含み得る。さらに、いくつかの例では、音響ポート142は、前ポート表面184と後ポート表面185との間の曲線状経路に沿って延在する、外側側部ポート表面186aおよび内側側部ポート表面186bを含む、概ね弓状の側面部分を有し得る。
【0067】
少なくとも1つの例では、ポート入口178は、音響ポート142の第1の端部において、前ポート表面184と後ポート表面185との間に画定され得る。さらに、ポート出口180は、後ポート表面185とポート入口178の反対側の音響ポート142の端部との間に画定され得る(例えば、
図10参照)。音響ポート142は、比較的低い可聴周波数範囲(例えば、約10Hzから約2kHzまで)内で強化された最適なおよび/または実質的に最適な音質を提供するように定められた任意の適切な形状を有し得る。様々な例では、音響ポート142は、ポート入口178およびポート出口180におけるまたはその近くのより幅広の領域から、ポート入口178とポート出口180との間の音響ポート142の中央部分におけるまたはその近くのより狭い中央ポート領域189まで、先細りになり得る。いくつかの例では、音響ポート142は、ポート入口178にフレア状領域187(例えば、非直線状に先細りになる全体的にベル形状の領域)を含むことができ、このフレア状領域187は、低周波スピーカドライバ140により内部空洞143内で発達する音圧に起因して音響ポート142に入るおよび/または音響ポート142を通過する乱気流の発達を防止または抑制する。さらに、音響ポート142の長さに沿った音響ポート142の形状は、音響ポート142のポート内部182を通る乱気流を防止または抑制し、音質への干渉および音質の低下を最小限に抑えて、音響ポート142を通る音波の最適なまたは実質的に最適な伝達を促進し得る。
【0068】
様々な実施形態では、ポート出口180は、従来の音声ポート設計に従って音響ポート142の曲線状経路に概ね合わせられた方向に音波を放出するように構成されるのではなく、退出音波192を先行する経路方向の方向から実質的にそれる方向に押しやるように、後ポート表面185を貫通して延在し得る。例えば、
図10に示されるように、退出音波192は、音響ポート142を通る直接先行する経路方向に対して概ね直角な方向において、ポート出口180から放出され得る。したがって、音響ポート142の形状は、音響ポート142のポート内部182内へのおよびポート内部182を通る音波の通過を最適化すると同時に、周囲の内部空洞143の厚さおよび表側面106と裏側面108との間の表示デバイス102の全厚を減少させるために音響ポート142の全体サイズおよび/または空間要求を抑えるように構成され得る。さらに、音響ポート142は、得られる音質にほとんどまたは全く影響を与えずに、ハウジング103の裏側面108を通る退出音波192を向かわせ得る。
【0069】
図12は、いくつかの実施形態による表示システムにおいて音声を作り出すための例示的な方法1200の流れ図である。
図12に示されるように、ステップ1210では、方法は、表示デバイスにおいて音声データを音声信号に変化することを含み得る。例えば、表示デバイス102によって受信されたまたは表示デバイス102に記憶されたデジタル音声データが、例えば制御装置135(例えば、
図3参照)により、音声信号に変換され得る。いくつかの例では、信号は、(例えば、増幅器を介して)さらに増幅され、かつ/または、第1のスピーカドライバ136Aおよび/または第2のスピーカドライバ136Bに送られる周波数範囲とは異なる周波数範囲を低周波スピーカドライバ140に提供するために(例えば、オーディオクロスオーバを使用して)少なくとも2つの周波数範囲に分割され得る。
【0070】
少なくとも1つの実施形態では、表示デバイスは、(i)表示パネル105の少なくとも一部分を包囲するハウジング103であって、表示パネル105と周辺領域126との間に位置するフレーム領域120を有する表側面106を含む、ハウジング103と、(ii)表示パネル105の少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝124であって、フレーム領域120と周辺領域126との間の表側面106に溝開口部125を含む、音声溝124と、(iii)表示パネル105の後ろに配置された少なくとも1つのスピーカドライバ(例えば、第1のスピーカドライバ136A、第2のスピーカドライバ136B)と、(iv)少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバ(例えば、第1の音響チャンバ138A、第2の音響チャンバ138B)と、を含み得る(例えば、
図1~8B参照)。
【0071】
ステップ1220では、音声信号は、音響チャンバから音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間に位置するチャンバ開口部を介して音声溝へ伝播する音波を作り出すために、少なくとも1つのスピーカドライバに送信され得る。例えば、制御装置135によって生成された音声信号が、音響チャンバ第1の音響チャンバ138Aおよび/または第2の音響チャンバ138Bから音響チャンバの側方周辺部と音声溝124の隣接部分(例えば、
図6~8B参照)に位置するチャンバ開口部(例えば、1次チャンバ開口部158a、2次チャンバ開口部158b)を介して音声溝124へ移動する音波を作り出すために、第1のスピーカドライバ136Aおよび/または第2のスピーカドライバ136Bに送信され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、追加の音声信号が、低周波スピーカドライバ140に送信され得る。低周波スピーカドライバ140は、ハウジング103によって少なくとも部分的に包囲されてよく、低周波スピーカドライバ140は、追加の音声信号に応答してハウジング103の裏側面108から音波を向かわせる振動板173を含む(例えば、
図9~11参照)。
【0073】
本明細書において説明されるように配置されかつ利用される音声構成要素を含む表示デバイスは、表示デバイスが強化された音質をユーザに届けると同時にサイズおよび物理的な輪郭を縮小されることを可能にし得る。したがって、開示される表示デバイスは、より大型のメディアデバイス、または追加の周辺ラウドスピーカデバイスへの接続を必要とすることなしに、改善されたマルチメディア体験をユーザに提供することができる。さらに、音声構成要素は、ユーザの視点からの音声構成要素の可視性を低減するまたは排除するために、表示デバイスハウジング内に配置され得る。様々な実施形態では、表示デバイスの対向する側および/または隅部に収容された複数のスピーカドライバが、魅力のある没入型の音声体験を届けるために、互いに連動して動作され得る。
【0074】
例示的な実施形態
【実施例1】
【0075】
表示デバイスが、(i)表示パネルと、(ii)表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、(a)ハウジングの側方側面を含む周辺領域、(b)表示パネルと周辺領域との間に位置するフレーム領域を含む表側面、および(c)裏側面を含む、ハウジングと、を具備する。表示デバイスは、(iii)表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、フレーム領域と周辺領域との間の表側面に溝開口部を含む、音声溝と、(iv)表示パネルと裏側面との間に配置された少なくとも1つのスピーカドライバであって、少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされた音放射表面を含む、少なくとも1つのスピーカドライバと、をさらに具備し、音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間に、チャンバ開口部が位置する。
【実施例2】
【0076】
音声溝が、表示パネルの大部分を側方から包囲する、実施例1に記載の表示デバイス。
【実施例3】
【0077】
音声溝が、溝開口部と溝開口部から内方に配置されたより狭い部分との間で先細りになっている、実施例1または2に記載の表示デバイス。
【実施例4】
【0078】
少なくとも1つのスピーカドライバが、1対のスピーカドライバを含み、対のスピーカドライバのそれぞれが、1対の音響チャンバの別々の音響チャンバ内へ音波を向かわせるように位置決めされる、実施例1~3のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例5】
【0079】
音声溝が、対の音響チャンバのうちの第1の音響チャンバに隣接する領域から、対の音響チャンバのうちの第2の音響チャンバに隣接する別の領域まで、表示パネルの側方周辺部の周りに延在する、実施例4に記載の表示デバイス。
【実施例6】
【0080】
少なくとも1つの第1のチャンバ開口部が、第1の音響チャンバと音声溝との間に音響通路を提供し、少なくとも1つの第2のチャンバ開口部が、第2の音響チャンバと音声溝との間に別の音響通路を提供する、実施例5に記載の表示デバイス。
【実施例7】
【0081】
(i)ハウジングが、実質的に矩形の周辺輪郭を形成する4つの側方側面を含み、(ii)対のスピーカドライバのうちの第1のスピーカドライバが、4つの側方側面のうちの第1の側方側面と第2の側方側面との交差部に最接近して位置し、(iii)対のスピーカドライバのうちの第2のスピーカドライバが、4つの側方側面のうちの第3の側方側面と第4の側方側面との交差部に最接近して位置する、実施例4~6のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例8】
【0082】
ハウジング内に配置されかつ4つの側方側面のうちの第1の側方側面と第3の側方側面との交差部に最接近して位置するカメラをさらに含む、実施例7に記載の表示デバイス。
【実施例9】
【0083】
音声溝が、ハウジングの第1の側方側面に対して平行に延在する第1のセクションと、第1のセクションに対して実質的に直角にかつハウジングの第2の側方側面に対して実質的に平行に延在する第2のセクションと、を含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例10】
【0084】
1次チャンバ開口部が、音響チャンバと音声溝の第1のセクションとの間に音響通路を提供し、2次チャンバ開口部が、音響チャンバと音声溝の第2のセクションとの間に別の音響通路を提供する、実施例9に記載の表示デバイス。
【実施例11】
【0085】
スピーカドライバが、ハウジングの表側面に対して実質的に垂直に延在するスピーカ軸を中心とする、実施例1~10のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例12】
【0086】
音波が、スピーカ軸に対して実質的に直角な方向において音響チャンバから音声溝に向けられる、実施例11に記載の表示デバイス。
【実施例13】
【0087】
(i)ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、ハウジングの裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面およびハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、(ii)表示パネルとハウジングの裏側面との間に配置された音響ポートであって、内部空洞に開口しているポート入口からハウジングの裏側面を貫通して延在しているポート出口まで低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在する、音響ポートと、をさらに含む、実施例1~12のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例14】
【0088】
(i)表示パネルと、(ii)表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、(a)表側面、(b)裏側面、および(c)表側面と裏側面との間に延在する側方側面を含む、ハウジングと、を具備する表示デバイス。表示デバイスは、(iii)ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される低周波スピーカドライバであって、ハウジングの裏側面から音波を向かわせるように位置決めされた外部表面およびハウジング内の内部空洞内に音圧を作り出すように位置決めされた内部表面を有する振動板を含む、低周波スピーカドライバと、(iv)表示パネルとハウジングの裏側面との間に配置された音響ポートであって、低周波スピーカドライバの一部分の周辺を包囲する弓状経路に沿って延在し、かつ、内部空洞に開口しているポート入口から、ハウジングの裏側面にある開口部まで延在しているポート出口まで延在する、音響ポートと、をさらに含む。
【実施例15】
【0089】
音響ポートが、ハウジングの表側面または裏側面のうちの少なくとも一方に対して実質的に平行に延在する、実施例14に記載の表示デバイス。
【実施例16】
【0090】
音響ポートが、ハウジングの表側面または裏側面のうちの少なくとも一方に対してそれぞれ実質的に平行である前面および背面を備える、実施例15に記載の表示デバイス。
【実施例17】
【0091】
(i)ポート入口が、音響ポートの第1の端部において前面と背面との間に画定され、(ii)ポート出口が、音響ポートの背面と第2の端部との間に画定される、実施例16に記載の表示デバイス。
【実施例18】
【0092】
音響ポートが、ポート入口においてフレア状となっている、実施例14~17のいずれか1つに記載の表示デバイス。
【実施例19】
【0093】
方法が、表示デバイスにおいて音声データを音声信号に変換することを含み、表示デバイスは、(i)表示パネルの少なくとも一部分を包囲するハウジングであって、表示パネルと周辺領域との間に位置するフレーム領域を有する表側面を含む、ハウジングと、(ii)表示パネルの少なくとも一部分の周辺を包囲する音声溝であって、フレーム領域と周辺領域との間の表側面に溝開口部を含む、音声溝と、(iii)表示パネルの後ろに配置された少なくとも1つのスピーカドライバと、(iv)少なくとも1つのスピーカドライバと表示パネルとの間に画定された音響チャンバと、を含む。方法はまた、音響チャンバから音響チャンバの側方周辺部と音声溝との間に位置するチャンバ開口部を介して音声溝まで伝播する音波を作り出すために少なくとも1つのスピーカドライバに音声信号を送信することを含む。
【実施例20】
【0094】
低周波スピーカドライバに追加の音声信号を送信することをさらに含み、低周波スピーカドライバが、ハウジングによって少なくとも部分的に包囲され、低周波スピーカドライバが、追加の音声信号に応答してハウジングの裏側面から音波を向かわせる振動板を含む、実施例19に記載の方法。
【0095】
例示された表示デバイスに含まれるものなどの、本明細書において説明されかつ/または例示されたコンピューティングデバイスおよびシステムは、本明細書において説明されるモジュール内に含まれるものなどの、コンピュータ可読命令を実行することができる任意のタイプまたは形態のコンピューティングデバイスもしくはシステムを広範に表すものである。これらのコンピューティングデバイスは、その最も基本的な構成では、それぞれ、少なくとも1つのメモリデバイス、および少なくとも1つの物理プロセッサを含み得る。
【0096】
いくつかの例では、「メモリデバイス」という用語は一般に、データおよび/またはコンピュータ可読命令を記憶することが可能な、任意のタイプあるいは形態の揮発性または非揮発性の記憶デバイスもしくは記憶媒体を意味する。1つの例では、メモリデバイスは、本明細書において説明されるモジュールのうちの1つもしくは複数を記憶し、ロードし、かつ/または維持し得る。メモリデバイスの例には、限定されることなしに、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光学ディスクドライブ、キャッシュ、それらのうちの1つまたは複数の変形形態もしくは組合せ、あるいは任意の他の適切な記憶メモリが含まれる。
【0097】
いくつかの例では、「物理プロセッサ」という用語は一般に、コンピュータ可読命令を解釈しかつ/または実行することができる、任意のタイプまたは形態のハードウェアを意味する。1つの例では、物理プロセッサは、上記のメモリデバイスに記憶された1つもしくは複数のモジュールにアクセスし、かつ/または1つもしくは複数のモジュールを変更することができる。物理プロセッサの例には、限定されることなしに、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、ソフトコアプロセッサを実装するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、それらのうちの1つまたは複数の部分、それらのうちの1つまたは複数の変形形態もしくは組合せ、あるいは任意の他の適切な物理プロセッサが含まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、「コンピュータ可読媒体」という用語は一般に、コンピュータ可読命令を記憶または搬送することができる、任意の形態のデバイス、キャリヤ、または媒体を意味する。コンピュータ可読媒体の例には、限定されることなしに、搬送波などの伝達タイプの媒体と、磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピーディスク)、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびブルーレイディスク)、電子記憶媒体(例えば、ソリッドステートドライブ、およびフラッシュ媒体)、および他の分配システムなどの、一時的でないタイプの媒体と、が含まれる。
【0099】
本明細書において説明されかつ/または例示されたステップのプロセスパラメータおよび順序は、単なる例として挙げられたものであり、所望に応じて変更され得る。例えば、本明細書において例示されかつ/または説明されたステップは、特定の順番で示されるかまたは論じられている場合があるが、これらのステップは、必ずしも例示されたまたは論じられた順番で行われる必要はない。本明細書において説明されかつ/または例示された様々な例示的な方法はまた、本明細書において説明または例示されたステップのうちの1つまたは複数を省略するか、あるいは、開示されたステップに加えて追加のステップを含むことができる。
【0100】
前述の説明は、本明細書において開示された例示的な実施形態の様々な態様を当業者が最も良く利用することを可能にするために提供された。この例示的な説明は、包括的であること、または開示されたいずれかの正確な形態に限定されることを意図されていない。多くの修正および変形が、特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく可能である。本明細書において開示された実施形態は、あらゆる点で、説明に役立つものであって制限的なものではないと見なされるべきである。本開示の範囲を定めるにあたって、添付の特許請求の範囲およびその均等物が参照されるべきである。
【0101】
本明細書および特許請求の範囲において使用される、「~に接続された(connected to)」および「~に結合された(coupled to)」という用語(および、それらの派生形)は、特に断りのない限り、直接的な接続および間接的な(すなわち、他の要素または構成要素を介した)接続の両方を許容するものと解釈されるべきである。さらに、本明細書および特許請求の範囲において使用される、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」を意味するものと解釈されるべきである。最後に、使いやすさのために、本明細書および特許請求の範囲において使用される、「含んでいる(including)」および「有している(having)」という用語(および、それらの派生形)は、「備えている(comprising)」という語と置き換え可能であり、かつ、それと同じ意味を有する。
【国際調査報告】