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特表2022-547277放射性微粒子及び非放射性微粒子の組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】放射性微粒子及び非放射性微粒子の組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/02 20060101AFI20221104BHJP
   A61K 51/06 20060101ALI20221104BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221104BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221104BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221104BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20221104BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61K51/02 100
A61K51/06 100
A61K45/00
A61K51/02 200
A61K51/06 200
A61P1/16
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513626
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 CA2020051240
(87)【国際公開番号】W WO2021051192
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/901,159
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/031,109
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519169580
【氏名又は名称】エービーケー バイオメディカル インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】Unit 32-155 Chain Lake Dr.,Halifax,Nova Scotia B3S 1B3(CA)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴワール,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヘドリー,ジュニア.,エフ.アンソニー
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C084AA12
4C084AA17
4C084MA05
4C084MA17
4C084MA41
4C084MA56
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA751
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZC711
4C085HH01
4C085HH03
4C085HH05
4C085JJ01
4C085KA29
4C085KA30
4C085KB01
4C085KB05
4C085KB07
4C085KB09
4C085KB10
4C085KB11
4C085KB12
4C085KB15
4C085KB18
4C085KB67
4C085LL18
(57)【要約】
本開示は、(i)放射性微粒子及び(ii)非放射性微粒子の混合物を含む組成物を提供する。前記放射性微粒子は、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生される腫瘍の治療に適合し得る。前記放射性組成物及び前記非放射性組成物は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じであり得る。本開示は、さらに、微粒子の混合物を作製方法及び使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)放射性微粒子と、(ii)非放射性微粒子との混合物を含み、
前記放射性微粒子は、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生される腫瘍の治療に適合し、
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである、組成物。
【請求項2】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、相対的な抗力比が約0.95:1~約1:0.95の粒子となるサイズ、表面積、形状、粒子密度、及び表面状態を有し、前記相対的な抗力比は、前記放射性微粒子の落下時間を前記非放射性微粒子の落下時間で割ることによって計算される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、実質的に同じサイズ、表面積、形状、粒子密度、及び表面状態を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子の粒子密度における違いは、2つの粒子密度の平均の30%以内であり、好ましくは15%以内である、請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子の平均サイズにおける違いは、2つの平均サイズの平均の40%以内である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記放射性微粒子は、前記組成物における微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、無機ポリマー微粒子である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記放射性微粒子は、同一の非放射性微粒子の中性子活性化から形成された微粒子である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、水に対する比重が約3.3~約3.9であり、且つ、平均径が約20~約40ミクロンである、請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
前記放射性微粒子は、イットリウム-90を含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記非放射性微粒子は、イットリウム-89を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記非放射性微粒子は、ジルコニウム-90を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば、120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば、120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記非放射性微粒子は、Ga、SiO、SrO、及び選択的にYを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90である、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90であり、
前記非放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムのいずれもがイットリウム-90でない、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記放射性組成物及び前記非放射性組成物は、樹脂系微粒子である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記放射性微粒子は、放射性元素と前記非放射性微粒子に対応する粒子とのイオン結合で形成された微粒子である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
放射性元素は、イットリウム-90である、請求項17又は18に記載の組成物。
【請求項20】
前記非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば、120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば、120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、濡れているとき、水に対する比重が約1.0~約1.2であり、且つ、平均径が約30~約35ミクロンである、請求項17乃至20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
第1の複数の非放射性微粒子を中性子の束に曝露して複数の放射性微粒子を形成すること、及び、
所望の全体的な比放射能となるように、好ましくは前記放射性微粒子の放射性レベルが初期の放射性レベルの35%に減衰する前に、複数の放射性微粒子の少なくとも一部と第2の複数の非放射性微粒子とを混合することを備える、方法。
【請求項23】
前記第1の複数の非放射性微粒子は、イットリウム-89又はジルコニウム-90を含む粒子を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の複数の非放射性微粒子は、イットリウム-89を含む粒子を含み、且つ、前記中性子の活性化は、公称上1014個の中性子/cm/秒の束に前記微粒子を曝露することを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の複数の非放射性微粒子は、ジルコニウム-90を含む微粒子を含み、且つ、前記微粒子に中性子を当てることは、約4.7MeV~約12.1MeVのエネルギーレベルを有する中性子線を前記微粒子に照射することを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
溶液からイットリウム-90を第1の複数の樹脂系の非放射性微粒子に沈殿させて、複数の放射性微粒子を形成すること、及び、
所望の全体的な比放射能となるように、好ましくは前記放射性微粒子の放射性レベルが初期の放射性レベルの35%に減衰する前に、前記複数の放射性微粒子の少なくとも一部と第2の複数の樹脂系の非放射性微粒子とを混合することを備える、方法。
【請求項27】
前記放射性微粒子の放射性レベルが初期の放射性レベルの50%に減衰する前に、例えば、前記放射性微粒子の放射性レベルが初期の放射性レベルの90%に減衰する前に、前記放射性微粒子の一部と前記非放射性微粒子とを混合する、請求項22乃至26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の複数の非放射性微粒子及び前記第2の複数の非放射性微粒子は、相対的な抗力比が約0.95:1~約1:0.95の粒子となるサイズ、表面積、形状、粒子密度、及び表面状態を有し、前記相対的な抗力比は、前記放射性微粒子の落下時間を前記非放射性微粒子の落下時間で割ることによって計算される、請求項22乃至27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の複数の非放射性微粒子及び前記第2の複数の非放射性微粒子は、実質的に同じサイズ及び実質的に同じ粒子密度を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記混合は、約4:1~約1:9、例えば約1:3の放射性微粒子対非放射性微粒子の質量比で前記微粒子を混合することを備える、請求項22乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の複数の非放射性微粒子を形成する微粒子は、前記第2の複数の非放射性微粒子を形成する微粒子と同一である、請求項22乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の複数の非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば、120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば、120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項22乃至29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生される腫瘍に放射線を送達する方法であって、
請求項1乃至21のいずれか1項に記載の組成物を患者の肝動脈に注射する、方法。
【請求項34】
前記組成物は、請求項13又は20に記載の組成物であり、
前記方法は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、又は蛍光透視によって投与された微粒子をイメージングすることをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
さらに、組織に吸収された放射線量を計算することを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記患者における前記放射性微粒子の分布が、前記患者における前記非放射性微粒子の分布と実質的に同じである、請求項33乃至35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記放射性微粒子は、非放射性微粒子の非存在下で投与される等量の放射性微粒子よりも、血管が新生される腫瘍において均一に分布する、請求項33乃至36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
患者の肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生する腫瘍に放射線を送達するための請求項1乃至21のいずれか1項に記載の組成物の使用であって、
前記組成物は、患者への動脈注射用に処方される、使用。
【請求項39】
前記組成物は、請求項13又は20に記載の組成物である、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
付加的に、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、又は蛍光透視イメージに基づいて、組織へ吸収された放射線量を計算する、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記患者への投与後において、該患者における前記放射性微粒子の分布が、該患者における前記非放射性微粒子の分布と実質的に同じである、請求項38乃至40のいずれか1項に記載の使用。
【請求項42】
前記患者への投与後において、前記放射性微粒子が、非放射性微粒子の非存在下で投与される等量の放射性微粒子よりも、血管が新生される腫瘍において均一に分布する、請求項38乃至41のいずれか1項に記載の使用。
【請求項43】
(i)放射性微粒子と、(ii)非放射性微粒子との混合物を含む、治療用又は診断用組成物。
【請求項44】
前記放射性微粒子は、約1.0g/cm~約4.5g/cmの平均密度、例えば約3.3g/cm~約3.9g/cmの平均密度を有し、且つ、前記非放射性微粒子は、約1.0g/cm~約4.5g/cmの平均密度、例えば約3.3g/cm~約3.9g/cmの平均密度を有する、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、粒子密度において、2つの粒子密度の平均の30%以内、好ましくは15%以内で異なっている、請求項43又は44に記載の組成物。
【請求項46】
前記放射性微粒子は、約10~約1200ミクロンの平均径、例えば約20~約40ミクロンの平均径を有し、且つ、前記非放射性微粒子は、約10~約1200ミクロンの平均径、例えば約20~約40ミクロンの平均径を有する、請求項43乃至45のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、平均サイズにおいて、2つの平均サイズの平均の40%以内で異なっている、請求項43乃至46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである、請求項43乃至47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
前記放射性微粒子は、前記組成物における微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する、請求項43乃至48のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
前記放射性微粒子は、生体吸収性の微粒子であり、及び/又は、前記非放射性微粒子は、生体吸収性の微粒子である、請求項43乃至49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
前記放射性微粒子は、ポリマー微粒子、ガラス微粒子、又は樹脂微粒子であり、及び/又は、前記非放射性微粒子は、ポリマー微粒子、ガラス微粒子、又は樹脂微粒子である、請求項43乃至50のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
前記放射性微粒子は、診断用放射性微粒子である、請求項43乃至51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
前記放射性微粒子は、治療用放射性微粒子である、請求項43乃至51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
前記放射性微粒子は、銅-67、ホルミウム-166、インジウム-111、ヨウ素-131、ルテチウム-177、モリブデン-99、リン-32、ルビジウム-82、テクネチウム-99m、及びタリウム-201からなる群より選択される1以上の放射性同位体を含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項55】
前記放射性微粒子は、アクチニウム-225、ビスマス-213、銅-67、インジウム-111、ヨウ素-131、ヨウ素-125、ガドリニウム-157、ホルミウム-166、鉛-212、ルテチウム-177、パラジウム-103、リン-32、ラジウム-223、レニウム-186、レニウム-188、サマリウム-153、ストロンチウム-89、及びタングステン-188からなる群より選択される1以上の放射性同位体を含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
前記非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項43乃至55のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項57】
前記非放射性微粒子は、治療活性化合物を含み、前記治療活性化合物が、生理学的に関連する条件下で前記微粒子から溶出する、請求項43乃至56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、無機ポリマー微粒子である、請求項43乃至49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
前記放射性微粒子は、これと同一の非放射性微粒子の中性子活性化から形成された微粒子である、請求項58に記載の組成物。
【請求項60】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、水に対する比重が約3.3~約3.9であり、且つ、平均径が約20~約40ミクロンである、請求項58又は59に記載の組成物。
【請求項61】
前記放射性微粒子は、イットリウム-90を含む、請求項43乃至49及び58乃至60のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項62】
前記非放射性微粒子は、イットリウム-89を含む、請求項43乃至49及び58乃至61のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項63】
前記非放射性微粒子は、ジルコニウム-90を含む、請求項43乃至49及び58乃至61のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項64】
前記非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば、120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項58乃至63のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項65】
前記非放射性微粒子は、Ga、SiO、SrO、及び選択的にYを含む、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90である、請求項58乃至65のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項67】
前記放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90であり、
前記非放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムのいずれもがイットリウム-90でない、請求項58乃至64のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項68】
前記放射性組成物及び前記非放射性組成物は、樹脂系微粒子である、請求項43乃至49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項69】
前記放射性微粒子は、放射性元素と前記非放射性微粒子に対応する粒子とのイオン結合で形成された微粒子である、請求項68に記載の組成物。
【請求項70】
前記放射性元素は、イットリウム-90である、請求項68又は69に記載の組成物。
【請求項71】
前記非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である、請求項68乃至70のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項72】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、濡れているとき、水に対する比重が約1.0~約1.2であり、且つ、平均径が約30~約35ミクロンである、請求項68乃至71のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項73】
患者に請求項43乃至72のいずれか1項に記載の組成物を投与することを備え、
前記投与は、血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものである、方法。
【請求項74】
患者への放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物の血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達のための送達デバイスであって、
前記送達デバイスは、混合輸送媒体に流体的に結合可能であり、
前記送達デバイスは、
前記混合輸送媒体に流体的に結合可能な流体入口と、
流体出口と、
前記流体入口及び前記流体出口に流体的に結合した流体ミキサーと、
前記流体ミキサーに流体的に結合した放射性微粒子源と、
前記流体ミキサーに流体的に結合した非放射性微粒子源とを備え、
前記放射性微粒子源は、前記非放射性微粒子源とは区別されるものであり、
前記流体ミキサーは、放射性微粒子と前記非放射性微粒子とを混合し、放射性及び非放射性微粒子の前記混合物を、前記混合輸送媒体を利用して前記流体出口の外へ送達する、送達デバイス。
【請求項75】
患者への放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物の血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達のための送達デバイスであって、
前記送達デバイスは、
輸送媒体に流体的に結合可能な少なくとも1つの流体入口と、
前記少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した放射性微粒子源と
前記少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した非放射性微粒子源と、
前記放射性微粒子源に流体的に結合した第1の流体出口と、
前記非放射性微粒子源に流体的に結合した第2の流体出口とを備え、
前記放射性微粒子源は、前記非放射性微粒子源とは区別されるものである、送達デバイス。
【請求項76】
前記送達デバイスは、前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子を単一の処置セッションで送達する、請求項75に記載の送達デバイス。
【請求項77】
前記第1の流体出口及び前記第2の流体出口は、互いに近接している、請求項75に記載の送達デバイス。
【請求項78】
前記放射性微粒子及び/又は前記非放射性微粒子は、請求項44乃至48及び50乃至72のうちのいずれか1項で定義されるものである、請求項74乃至77のいずれか1項に記載の送達デバイス。
【請求項79】
前記放射性微粒子は、前記送達デバイスにおける微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する、請求項74乃至78のいずれか1項に記載の送達デバイス。
【請求項80】
(i)放射性微粒子の第1の集合体と、(ii)非放射性微粒子の第2の集合体とを混合することと、
治療用又は診断用に適切な量の混合物を患者に投与することと、を備える、方法。
【請求項81】
前記放射性微粒子及び/又は前記非放射性微粒子は、請求項44乃至48及び50乃至72のいずれか1項で定義されるものである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記放射性微粒子は、前記混合物における微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する、請求項80又は81に記載の方法。
【請求項83】
前記投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものである、請求項80乃至82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
治療用又は診断用に適切な量の微粒子を患者に投与する方法であって、
前記方法は、非放射性微粒子を前記患者に投与することと、前記非放射性微粒子を初めに検出することなく放射性微粒子を前記患者に投与することとを備え、
前記投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであり、
前記非放射性微粒子の投与経路は、前記放射性微粒子の投与経路と同じである、方法。
【請求項85】
前記方法は、前記非放射性微粒子及び前記放射性微粒子の同時投与を備える、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記方法は、前記非放射性微粒子及び前記放射性微粒子の連続投与を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
治療用又は診断用に適切な量の微粒子を患者に投与する方法であって、
前記方法は、放射性微粒子を前記患者に投与することと、前記放射性微粒子を初めに検出することなく非放射性微粒子を前記患者に投与することとを備え、
前記投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであり、
前記非放射性微粒子の投与経路は、前記放射性微粒子の投与経路と同じである、方法。
【請求項88】
前記方法は、前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子の同時投与を備える、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記方法は、前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子の連続投与を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
治療用又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法であって、該方法は、
(i)放射性微粒子の第1の集合体及び(ii)非放射性微粒子の第2の集合体の患者への同時投与を備える、方法。
【請求項91】
放射性微粒子の前記第1の集合体は、非放射性微粒子の前記第2の集合体とは区別されるものである、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
放射性微粒子の前記第1の集合体及び非放射性微粒子の前記第2の集合体は、混合物として投与される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
治療用又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法であって、該方法は、
非放射性微粒子及び放射性微粒子の患者への単一の処置セッションにおける連続投与を備える、方法。
【請求項94】
(i)治療用の放射性微粒子、次いで、
(ii)非放射性微粒子の、患者への連続投与を備える、方法。
【請求項95】
前記連続投与は、前記非放射性微粒子及び前記放射性微粒子の間欠投与を含む、請求項86、89、93、又は94のいずれかに記載の方法。
【請求項96】
前記間欠投与は、前記非放射性微粒子及び前記放射性微粒子の交互投与を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記連続投与は、前記放射性微粒子のいずれかの投与前の前記非放射性微粒子のすべての投与を含む、請求項86又は93に記載の方法。
【請求項98】
前記連続投与は、前記非放射性微粒子のいずれかの投与前の前記放射性微粒子のすべての投与を含む、請求項89又は94に記載の方法。
【請求項99】
前記方法は、治療用に適切な量の放射線を前記患者に送達する、請求項80乃至97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記方法は、診断用に適切な量の前記非放射性微粒子を前記患者に送達する、請求項80乃至98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものである、請求項90乃至100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記放射性微粒子及び/又は前記非放射性微粒子は、請求項44乃至48及び50乃至72のうちのいずれか1項で定義されるものである、請求項80乃至101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
送達される微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%が放射性微粒子である、請求項80乃至101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記放射性微粒子は、診断的に検出可能な放射性同位体を含み、
前記非放射性微粒子は、生理学的に関連する条件下で前記微粒子から溶出する治療活性化合物を含み、
前記方法は、診断的に適切な量の前記放射性微粒子を前記患者に送達し、且つ、治療的に適切な量の前記非放射性組成物を前記患者に送達する、請求項80乃至93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
前記放射性微粒子及び/又は前記非放射性微粒子は、請求項44乃至48及び50乃至72のいずれか1項で定義されるものである、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
送達される微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%が放射性微粒子である、請求項104又は105に記載の方法。
【請求項107】
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じであり、及び/又は、
前記放射性微粒子及び前記非放射性微粒子は、血管が新生する腫瘍への投与に適合している、
請求項43乃至72のいずれか1項に記載の組成物、請求項74乃至79のいずれか1項に記載の送達デバイス、又は、請求項73及び80乃至106のうちのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/901,159号明細書、及び、2020年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/031,109号明細書の利益を主張する。これらの出願は、参照によって全体の内容が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物、及び、該混合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の段落は、その中で論じられている何れもが先行技術であること、又は当業者の知識の一部であることを認めるものではない。
【0004】
選択的内部放射線療法(SIRT)は、原発性又は転移性の肝悪性腫瘍の治療に用いられることがある。SIRTでは、イットリウム-90(90Y)放射性標識微粒子を患者の肝動脈に注射し、血管新生の増加をともなう肝腫瘍に優先的に局在化させる。放射性イットリウム-90標識微粒子は、崩壊して周囲の組織に放射線を送達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の序文は、本明細書を読者に紹介することを意図したものであって、発明を定義するものではない。1以上の発明は、下記の又は本文書の他の部分に記載された、装置要素又は方法のステップのコンビネーション又はサブコンビネーションに属し得る。本発明者らは、単に、特許請求の範囲に他の一発明又は複数の発明の記述がないことによっては、本明細書に開示されたあらゆる発明に対する権利を放棄せず又は権利の主張を撤回しない。
【0006】
放射性微粒子は、少数の場所でのみ製造されており、世界中の病院へ届けるために準備されている。微粒子の比放射能は、投与における計画された時間に所望の活性を提供するように較正される。例えば、TheraSphereたるイットリウム-90のガラス微粒子は、較正時に約110GBq/gの公称比放射能を有する微粒子を生成するために、イットリウム-89含有ガラス微粒子の中性子による放射化(neutron activation)によって調製され、典型的には、バイアルあたり約120万個の微粒子(約27mg中に約3GBq)から800万個の微粒子(約180mg中に約20GBq)の量で提供される。較正と投与との間の遅れに依存して、送達される有効な放射能の量は、1バイアルあたり0.17GBq(較正から9日後に注射される120万個の微粒子)から18GBq(較正から1日後に注射される800万個の微粒子)までの範囲であり得る。
【0007】
所与の量の放射能の送達では、より低い比放射能を有するより多くの微粒子を投与することが望ましいと考えられる。微粒子の数を増加させることで、より高い比放射能でより少ない微粒子を投与することと比較して、より良好な腫瘍への有効範囲(tumor coverage)が得られるからである。例えば、患者に3GBqの放射能を投与するためには、22GBq/gの全体的な比放射能を有する微粒子を600万個投与されることが、88GBq/gで150万個の微粒子が投与されるよりも、腫瘍への有効範囲において良好な結果が得られると考えられる。理論に拘束されることは望まれないが、本開示の著者らは、微粒子は、それらが遭遇する血管内の最初の有効な局在スポットに留まることになると考えている。投与された粒子の大部分と相互作用するのに十分な局在スポットが存在する場合には、少量の微粒子の投与は、一部の粒子を腫瘍の一部分に濃縮させ得る。これに対して、低い比放射能の粒子をより多く投与すると、有効な局在スポットの飽和度が高くなり、腫瘍への有効範囲がより均一になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくともいくつかの腫瘍のサイズ及び/又は血管新生の程度に対して、(i)放射性微粒子及び(ii)本開示による放射線不透過性の非放射性微粒子の混合物を患者に投与することによって、個々の放射性微粒子がより高い比放射能であっても、より低い比放射能でより多くの微粒子を投与することに伴う利点の少なくともいくつかが提供され得る。
【0009】
一態様では、本開示は、(i)放射性微粒子、及び(ii)非放射性微粒子の混合物を含む治療用組成物又は診断用組成物を提供する。
【0010】
一態様では、本開示は、(i)放射性微粒子、及び(ii)非放射性微粒子の混合物を含む組成物を提供する。放射性微粒子は、血管が新生される腫瘍、例えば、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍の治療に適合している。放射性微粒子及び非放射性微粒子は、血管などの導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである。
【0011】
理論に拘束されることは望まれないが、本開示の著者らは、導管を通って液体中を流れるときに実質的に同じ抵抗を有する放射性微粒子及び非放射性微粒子は、腫瘍の血管にわたって実質的に同じように分配されることとなると考えている。したがって、少なくともいくつかの腫瘍サイズ及び/又は血管新生の程度に対して、本開示に係る微粒子の混合物は、改善された腫瘍の有効範囲を提供することができ、該有効範囲は非放射性微粒子の非存在下で投与される同数の放射性微粒子を超えるものとなり得る。例えば、(i)88GBq/gの150万個の微粒子と、(ii)450万個の非放射性微粒子(すなわち、合計600万個の微粒子)の混合物を投与すると、88GBq/gの150万個の微粒子のみを投与するよりも良好な有効範囲が提供されると期待され、22GBq/gの600万個の微粒子を投与するのと同様の腫瘍への有効範囲が提供され得る。
【0012】
放射性微粒子は、投与時に140GBq/g~4GBq/gの比放射能を有するように処方され得る。非放射性微粒子を含む混合物では、混合物の全体的な比放射能は、約110GBq/g(放射性ピーク時の質量に対して80%の放射性微粒子を含む混合物において)から約0.4GBq/g(いったん減衰して実用的な放射能の最低レベルの質量に対して10%の放射性微粒子を含む混合物において)であり得る。
【0013】
放射性微粒子は、混合物を構成する非放射性微粒子と同一の非放射性微粒子から作製され得る。例えば、混合物中の非放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含むことができ、ここで、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-89であり、イットリウムのいずれもがイットリウム-90ではない。混合物中の放射性微粒子は、同一の非放射性微粒子の中性子活性化によって作製され得る。得られる放射性微粒子は、約40質量%のY、約20重質量%のAl、及び約40質量%のSiOであり、ここで、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90である。かかる混合物では、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときに実質的に等しい抵抗を有し得る。かかる放射性微粒子及び非放射性微粒子は、実質的に同一の密度、及び実質的に同一のサイズ分布を有する。かかる放射性微粒子及び非放射性微粒子は、腫瘍中に等しく分布すると予想される。
【0014】
放射性微粒子は、典型的には、X線イメージングによっては可視化されない。本開示によるいくつかの例では、混合物中の非放射性微粒子の少なくとも一部は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出されるのに十分に放射線不透過性であり得る。かかる微粒子の混合物の治療的な量の投与は、(i)投与後にリアルタイムでX線イメージングを行うこと、及び/又は、(ii)組織内の非放射性のイメージング可能な粒子の測定された分布に基づいて、イメージング不可能な放射性微粒子による組織への放射線の送達量を計算することを可能にする。
【0015】
別の態様では、本開示は、第1の複数の非放射性微粒子を中性子活性化に曝露して複数の放射性微粒子を形成することと、複数の放射性微粒子の少なくとも一部と第2の複数の非放射性微粒子とを混合して所望の全体的な比放射能とすることとを含む。特定の例では、この方法は、放射性微粒子の放射性レベルが35%に減衰する前に放射性粒子と非放射性粒子とを混合することを含む。
【0016】
別の態様では、本開示は、患者において、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生される腫瘍に放射線を送達するための方法を提供する。この方法は、本開示による組成物を患者の肝動脈に注射することを含む。非放射性微粒子がX線イメージングによって検出可能に十分に放射線不透過性である場合、該方法は、さらに、投与された微粒子をイメージングすることと、必要に応じて、組織内の非放射性のイメージング可能な粒子の測定された分布に基づいて、イメージング不可能な放射性微粒子による組織への放射線の送達量を計算することとを含んでもよい。
【0017】
理論に拘束されることは望まれないが、本開示の著者らは、放射性微粒子及び非放射性微粒子を別々に投与することによって、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を投与することに関連する利点の少なくとも一部を得ることができると考えている。
【0018】
一態様では、本開示は、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を患者に血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達するための送達デバイスを提供する。送達デバイスは、混合輸送媒体に流体的に結合可能である。送達デバイスは、混合輸送媒体に流体的に結合可能な流体入口と、流体出口と、該流体入口及び該流体出口に流体的に結合した流体ミキサーと、該流体ミキサーに流体的に結合した放射性微粒子の供給源と、前記流体ミキサーに流体的に結合した非放射性微粒子の供給源とを含む。放射性微粒子の供給源は、非放射性微粒子の供給源とは区別されるものである。流体ミキサーは、放射性微粒子と非放射性微粒子とを混合し、混合輸送媒体を利用して、放射性微粒子および非放射性微粒子の混合物を流体出口の外へ送達する。
【0019】
別の態様では、本開示は、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を患者に血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達するための送達デバイスを提供する。送達デバイスは、輸送媒体に流体的に結合可能な少なくとも1つの流体入口と、少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した放射性微粒子の供給源と、少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した非放射性微粒子の供給源と、放射性微粒子の供給源に流体的に結合した第1の流体出口と、非放射性微粒子の供給源に流体的に結合した第2の流体出口とを含む。放射性微粒子の供給源は、非放射性微粒子の供給源とは区別されるものである。
【0020】
本開示の文脈では、微粒子の1つの集合体は、2つの集合体が混合されない場合には、他の微粒子の集合体とは区別されるものと理解されるべきである。例えば、2つのシリンジが流体的に結合されて混合物を形成するために微粒子をともに排出することが可能であっても、1つのシリンジの筒内の放射性微粒子は、第2のシリンジの筒内の非放射性微粒子とは区別されるものと理解されるべきである。
【0021】
さらに別の態様では、本開示は、(i)放射性微粒子の第1の集合体と、(ii)非放射性微粒子の第2の集合体とを混合すること、及び、治療用又は診断用に適切な量の混合物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0022】
さらに別の態様では、本開示は、治療用又は診断用に適切な量の微粒子を患者に投与する方法を提供する。該方法は、非放射性微粒子を患者に投与することと、非放射性微粒子を最初に検出することなく放射性微粒子を患者に投与することとを含む。投与は、血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであり、非放射性微粒子の投与経路は、放射性微粒子の投与経路と同じである。
【0023】
さらに別の態様では、本開示は、治療用に又は診断用に適切な量の微粒子を患者に投与する方法を提供する。該方法は、放射性微粒子を患者に投与することと、放射性微粒子を最初に検出することなく非放射性微粒子を患者に投与することとを含む。投与は、血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであり、非放射性微粒子の投与経路は、放射性微粒子の投与経路と同じである。
【0024】
さらに別の態様では、本開示は、治療用に又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法を提供する。該方法は、(i)放射性微粒子の第1の集合体と、(ii)非放射性微粒子の第2の集合体との患者への同時投与を含む。
【0025】
さらに別の態様では、本開示は、治療用に又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法を提供する。該方法は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の患者への単一の処置セッションにおける連続投与を含む。
【0026】
さらに別の態様では、本開示は、(i)治療用の放射性微粒子、次いで、(ii)非放射性微粒子の患者への連続投与を含む方法を提供する。
【0027】
さらに別の態様では、本開示は、患者への放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物の血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達のための送達デバイスを提供する。該送達デバイスは、WO2020/082168に開示される送達デバイスであってもよく、これは参照により本明細書に組み込まれる。WO2020/082168に開示される送達デバイスは、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を投与するために使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一態様では、本開示は、(i)放射性微粒子及び(ii)非放射性微粒子の混合物を提供し、放射性微粒子は、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生する腫瘍を治療することに適合しており、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである。本開示の文脈において、導管は、血管又は腫瘍血管系であり得る。
【0029】
本開示に関連して、所与の混合物中の放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が十分に同じであり、患者への注射後に実質的に同じように挙動することが理解されるべきである。
【0030】
当業者は、導管を通る液体中を流れる物体の抵抗は、抗力係数によって反映され、抗力係数は、表面摩擦及び形状抗力の関数であることを理解するであろう。従って、導管を通る液体中を流れる微粒子の抵抗は、例えば、微粒子のサイズ、表面積、形状、密度、及び/又は微粒子の表面状態によって影響され得る。当業者は、さらに、抗力を増加させるために特徴を変化させることは、抗力を減少させるために別の特徴を変化させることによって相殺され得るので、導管を通って液体中を流れる2つの異なる粒子は実質的に同じ抵抗を有し得ることを容易に理解するであろう。例えば、第1の粒子の表面状態が第2の粒子の表面状態よりも十分に滑らかである場合、第1の粒子が第2の粒子より大きいとしても、2つの粒子は、なお実質的に同じ抗力係数を有し得る。
【0031】
本開示の文脈では、液体を通る微粒子のボーラス(bolus)が設定距離落下するのに要する時間は、導管を通る液体中を流れる微粒子の抵抗を表し得る。この時間は、蒸留水を充填した透明カラムに既知数の微粒子を充填することによって測定することができる。微粒子のボーラスの高さがカラムの内径の2~5倍になるように、微粒子の数を選択すべきである。いったん微粒子をカラムの底部に沈降させ、カラムを反転させ、重力に対抗する抗力によって微粒子を蒸留水中に落下させる。微粒子が遷移点(transition point)を落下して通過するのに要する総時間を測定する。遷移点は、微粒子のボーラスの頂点から測定され、カラムの内径の少なくとも100倍とされる。例えば、内径0.5cmのカラムでは、沈降した微粒子は、1.5cmの高さであってもよく、微粒子のボーラスが落下する総時間は、すべての微粒子が、沈降した微粒子の頂点から50cm離れた点を落下して通過するのに要する時間である。
【0032】
この総落下時間は、同じ条件下(すなわち、同じ液体、同じカラム、同じ遷移点)で試験された実質的に等しい数の異なる微粒子群の総落下時間と比較される。相対的な抗力比は、第1の微粒子群の落下時間を、第2の微粒子群の落下時間で割ることによって計算される。本開示の文脈では、第1及び第2の微粒子は、相対的な抗力比が約0.95:1~約1:0.95である場合に、導管を通る液体中を流れる際、実質的に同じ抵抗を有すると考える。
【0033】
所定の混合物における放射性微粒子及び非放射性微粒子は、実質的に同じ密度を有する。用語“粒子密度”は、単位体積あたりの個々の粒子の質量を意味する。これは、総体積あたりの多数の粒子の質量を意味する用語“かさ密度”とは対照的である。粒子密度は、材料の固有の特性であり、かさ密度は、全体積における材料の特性に依存して変化する。
【0034】
用語「非放射性微粒子」は、混合物の治療効果又は診断効果に実質的に寄与しない放射能レベルの微粒子に言及することを理解されるべきである。いくつかの例では、非放射性微粒子は、0.15GBq/g未満であり、例えば、非放射性微粒子は、放射性同位体としてY-90を含み得、0.15GBq/g未満の非放射性微粒子である。いくつかの好ましい例では、非放射性微粒子は0GBq/gである。
【0035】
放射性粒子及び非放射性粒子の粒子密度は、平均の約30%以内、好ましくは約15%以内であってもよい。例えば、放射性微粒子の粒子密度は3.3g/cmであり、非放射性微粒子の粒子密度は3.9g/cmである。2つタイプの微粒子間の0.6g/cmの差は、2つの値の平均の16.7%である。粒子密度は、物質の密度と対照物質の密度との比である比重で論じられる。本開示の文脈において、比重は水に対する。
【0036】
本開示の組成物に使用される放射性及び非放射性微粒子は、正常組織よりも腫瘍の血管において優先的に分布するように選択される。微粒子の大きさは、この分布に影響を与えることがある。本開示による組成物、例えば、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生する腫瘍の治療に有用な組成物は、約15ミクロン~約45ミクロンの平均径を有し得る。特定の例では、微粒子は、約20~約35ミクロンの平均径を有し得る。
【0037】
所与の混合物中の放射性微粒子及び非放射性微粒子は、実質的に同じサイズであってもよい。放射性及び非放射性微粒子の平均サイズは、2つの平均サイズの平均の40%以内であってもよい。例えば、放射性微粒子は平均直径が20ミクロンであってもよく、非放射性微粒子は平均直径が30ミクロンであってもよい。2つのタイプの微粒子間の10ミクロンの差は、2つの値の平均の40%である。
【0038】
腫瘍への有効範囲の改善、例えば、微粒子のより均一な分布は、組成物中の微粒子の総質量の約80%~約10%(w/w)の量の放射性微粒子を有する混合物を用いて達成することができる。本開示の文脈において、任意の改良についての言及は、追加の非放射性微粒子の非存在下での同数の放射性微粒子との比較であることが理解されるべきである。
【0039】
140GBq/gのような高い比放射能を有する放射性微粒子では、混合物は、より少ない放射性微粒子(約10質量%など)を有していてもよい。対照的に、4GBq/gのような低い比放射能を有する放射性微粒子では、混合物は、より多くの放射性微粒子(約80質量%など)を有していてもよい。特定の例において、例えば約88GBq/gの比放射能を有する放射性微粒子では、混合物は、約25質量%の放射性微粒子を有していてもよい。
【0040】
“比放射能”とは、放射性微粒子の単位質量あたりの放射能を意味し、一方で“全体比放射能”とは、放射性及び非放射性微粒子の混合物の単位質量あたりの放射能を意味すると理解されるべきである。例えば、10GBq/gの比放射能を有する放射性微粒子1gを取り、これらの微粒子を1gの非放射性微粒子と混合すると、全体として5GBq/gの全体比放射能を有する微粒子の混合物が得られる。
【0041】
放射性及び非放射性粒子の混合物は、所望の放射能で、種々の数の総微粒子を処方することによって調製され得る。微粒子の総数は、腫瘍サイズ及び/又は血管の新生の程度に基づいて選択され得る。例えば、0.5グラムの微粒子中に10GBqの放射能を有する処方は、特定の程度の血管の新生で腫瘍を治療するのに望ましく、一方、1g中に10GBqの放射能を有する処方は、血管の新生された腫瘍を治療するのにより望ましい場合がある。このように異なる処方は、同じ量の放射性微粒子を取り、異なる量の非放射性微粒子を添加することによって調製することができる。
【0042】
本開示による微粒子は、無機ポリマー微粒子であってもよい。本明細書では、無機ポリマー微粒子は、「ガラス微粒子」として言及され得る。放射性ガラス微粒子は、混合物を構成する非放射性ガラス微粒子と同一の微粒子の中性子活性化から形成され得る。例えば、非放射性ガラス微粒子の第1の部分は、中性子活性化を介して放射性ガラス微粒子に変換され得る。得られた放射性ガラス微粒子は、非放射性ガラス微粒子の第2の部分と混合されて、本開示による組成物を形成する。非放射性ガラス微粒子の第1の部分と第2の部分とは、同一であってもよく、その結果、放射性及び非放射性微粒子が導管を通って液体中を流れるときに実質的に同一の抵抗、実質的に同一の密度、及び実質的に同一のサイズ分布を有することとなる。
【0043】
本開示による放射性ガラス微粒子は、放射性元素としてイットリウム-90を含んでいてもよい。本開示による非放射性ガラス微粒子は、イットリウム-89又はジルコニウム-90を含んでいてもよい。ホルミウム、サマリウム、ヨウ素、イリジウム、リン、又はレニウム等の放射性同位体などの他の放射性核種が、イットリウム-90の代わりに、又はイットリウム-90に加えて使用されてもよい。
【0044】
イットリウム-89は、微粒子が含むイットリウム-89を中性子の束に曝露することによってイットリウム-90に変換することができる。得られた微粒子の比放射能は、束のレベル及び曝露時間に依存する。例えば、イットリウム-89は、公称上1014中性子/cm/秒の束に数日間曝された結果として150GBq/gより大きい比放射能を達成することができる。
【0045】
ジルコニウム-90は、WO/2017/004088(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、約4.7MeV~約12.1MeVのエネルギーレベルの中性子線を微粒子に当てることによってイットリウム-90に変換され得る。
【0046】
特定の例では、放射性微粒子はガラス微粒子であり、該ガラス微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを有し、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90である。放射性微粒子は、イットリウム-89酸化物を超純アルミニウム酸化物及びシリコーン二酸化物と混合し、約1,600℃の温度の炉内で混合物を溶融し、混合物を冷却してイットリウム-89を埋め込んだガラスを生成し、ガラスを粉砕し、粉砕したガラスを火炎噴射器に通過させることによって形成することができる。得られた球体は、ふるいを通して濾過され、平均径が20~40ミクロンのものが選択され得る。次いで、非放射性微粒子を中性子の束に曝露すると、埋め込まれたイットリウム-89の少なくとも一部がイットリウム-90に変換され得る。
【0047】
本開示によるいくつかの例では、放射性微粒子は、ガラス微粒子であり、該ガラス微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAlO、及び約40質量%のSiOを有し、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90であり、且つ、非放射性微粒子は、ガラス微粒子であり、該ガラス微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAlO、及び約40質量%のSiOを有し、イットリウムのいずれもがイットリウム-90ではない。放射性ガラス微粒子は、非放射性微粒子の第1の部分から形成され、非放射性ガラス微粒子の第2の部分と混合され得る。非放射性ガラス微粒子の第1の部分と第2の部分とは、同一であってもよく、その結果、放射性及び非放射性微粒子が導管を通って液体中を流れるときに実質的に同一の抵抗、実質的に同一の密度、及び実質的に同一のサイズ分布を有することとなる。
【0048】
本開示の組成物に使用される放射性ガラス微粒子及び非放射性ガラス微粒子は、水に対する比重が約3.3~約3.9であり、平均径が約20~約40ミクロンである。
【0049】
代替的には、本開示による微粒子は、樹脂系微粒子であってもよい。樹脂系の放射性微粒子は、これと同一の樹脂系の非放射性微粒子の粒子への放射性元素のイオン結合で形成され得る。例えば、樹脂系の放射性微粒子は、イオン交換プロセスにおいて溶液中の放射性カチオンへの樹脂系の微粒子に結合した非放射性カチオンのイオン交換によって形成され得る。樹脂系の微粒子に結合した放射性カチオンは、さらに、アニオンによる放射性カチオンの沈殿によって樹脂上に固定化され、低溶解性塩を形成し得る。
【0050】
本開示による樹脂系の放射性微粒子は、放射性元素としてイットリウム-90を含んでいてもよい。イットリウム-90は、部分的に架橋された陽イオン交換ポリスチレン樹脂で被覆された非放射性生体適合性微粒子への、イオン交換溶液中に溶解したイットリウム-90と非放射性微粒子に結合したナトリウムとのイオン交換によって取り込まれ得る。交換されたイットリウム-90は、WO/2002/034300(参考により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、対応するリン酸塩の沈殿によって、樹脂系微粒子上に沈殿して固定化され得る。
【0051】
本開示によるいくつかの例では、放射性微粒子は、部分的に架橋された陽イオン交換ポリスチレン樹脂上に沈殿したイットリウム-90リン酸塩を含む樹脂系の微粒子であり、且つ、非放射性微粒子は、部分的に架橋された陽イオン交換ポリスチレン樹脂で被覆された樹脂系の微粒子である。非放射性微粒子は、その上に沈殿したイットリウム-89リン酸塩を含んでいてもよい。
【0052】
イットリウム-90は、Sr-90の減衰プロセスの娘生成物として得ることができる。化学的分離を用いてストロンチウム-90生成器からイットリウム-90を回収することができる。このことは、米国特許第7,101,484号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている方法を用いて、放射性ストロンチウム-90を含む溶液からイットリウム-890を分離することによって達成され得る。
【0053】
本開示による組成物において使用される樹脂系の放射性微粒子及び樹脂系の非放射性微粒子は、濡れているとき、約1.0~約1.2の比重を有し、且つ、約30~約35ミクロンの平均径を有し得る。
【0054】
本開示による組成物は、例えば樹脂系又はガラス系微粒子と共に、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性の非放射性微粒子を含んでいてもよい。放射線不透過性微粒子は、120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)以上、例えば120kVpで9,000HU以上の放射線不透過性を有し得る。
【0055】
かかる微粒子の混合物を治療的な量で患者に投与することは、組織内の非放射性の画像形成可能な粒子の測定された分布に基づいて、画像形成不可能な放射性微粒子によって組織に送達される放射線の量を計算することを可能にし得る。
【0056】
ガラス微粒子を含む本開示による組成物では、非放射性微粒子は、Ga、SiO、SrO、及び選択的なYを含むガラス微粒子であってもよい。かかる微粒子は、十分に放射線不透過性であり、X線イメージングによって検出可能である。かかる微粒子の例は、WO/2016/082045(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0057】
かかる非放射性微粒子の1つの特定の例は、約0.17モル分率のY、約0.05モル分率のSrO、約0.167モル分率のGa、及び約0.613モル分率のSiOを含むガラス微粒子である。かかる例示の微粒子は、粒子密度が約3.93g/cmである。約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiO(それぞれ、約0.17、約0.19、及び約0.64モル分率に相当)を有する放射性ガラス微粒子は、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90であり、粒子密度が約3.3g/cmである。2つの密度の差は、2つの密度の平均の約17%である。
【0058】
別の態様では、本開示は、第1の複数の非放射性微粒子を中性子の束に曝露して複数の放射性微粒子を形成することと、複数の放射性微粒子の少なくとも一部と第2の複数の非放射性微粒子とを混合し、所望の全体的な比放射能を達成することと、を含む方法を提供する。放射性微粒子の特定の例は、上述の方法を用いて形成され得る。非放射性微粒子の特定の例は、上述のものである。
【0059】
混合では、放射性微粒子と非放射性微粒子とを約4:1~約1:9の質量比で混合し、約80質量%~約10質量%の放射性微粒子を有する混合物を得てもよい。
【0060】
この方法は、さらに、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物、又はその一部を、動脈注射に適した組成物、例えば、滅菌水、滅菌水中のデキストロース、又は生理食塩水を含む組成物に処方することを含んでもよい。
【0061】
本開示による別の態様では、患者において、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生する腫瘍に放射線を送達する方法が提供される。この方法は、本開示による放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を患者の肝動脈に注射することを含む。
【0062】
ガラス微粒子の混合物を注射する場合、この方法は、生理食塩水/微粒子混合物20mLを、毎分約20mLの速度で、30psiを超えない圧力で注射することを含み得る。
【0063】
微粒子の混合物が、X線イメージングにより検出可能な十分に放射線不透過性の非放射性微粒子を含む場合、本方法は、さらに、組織内の非放射性の画像形成可能な粒子の測定された分布に基づいて、画像形成不可能な放射性微粒子によって組織に送達される放射線の量を計算することを含み得る。かかる追加の計算ステップの特定の例は、上述されている。
【0064】
別の態様では、本開示は、(i)放射性微粒子及び(ii)非放射性微粒子の混合物を含む治療用又は診断用組成物を提供する。
【0065】
放射性微粒子は、平均密度が約1.0g/cm~約4.5g/cm、例えば3.3g/cm~約3.9g/cmであってもよい。非放射性微粒子は、平均密度が約1.0g/cm~約4.5g/cm、例えば3.3g/cm~約3.9g/cmであってもよい。放射性微粒子及び非放射性微粒子は、粒子密度において、2つの粒子密度の平均の30%以内、好ましくは15%以内の差を有し得る。
【0066】
放射性微粒子は、平均径が約10~約1200ミクロン、例えば約20~約40ミクロンである。非放射性微粒子は、平均径が約10~約1200ミクロン、例えば約20~約40ミクロンである。放射性微粒子及び非放射性微粒子は、平均サイズにおいて、2つの平均サイズの平均の40%以内の差を有し得る。
【0067】
いくつかの例では、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通る液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである。
【0068】
いくつかの例では、放射性微粒子は、組成物における微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する。
【0069】
放射性微粒子は、生体吸収性の微粒子であってもよい。非放射性微粒子は、生体吸収性の微粒子であってもよい。
【0070】
放射性微粒子は、ポリマー微粒子、ガラス微粒子、又は樹脂微粒子であってもよい。非放射性微粒子は、ポリマー微粒子、ガラス微粒子、又は樹脂微粒子であってもよい。
【0071】
いくつかの例では、放射性微粒子は、診断用放射性微粒子である。いくつかの例では、非放射性微粒子は、治療用放射性微粒子である。
【0072】
診断用放射性微粒子は、銅-67、ホルミウム-166、インジウム-111、ヨウ素-131、ルテチウム-177、モリブデン-99、リン-32、ルビジウム-82、テクネチウム-99m、及びタリウム-201からなる群より選択される1以上の放射性同位体を含んでいてもよい。
【0073】
治療用放射性微粒子は、アクチニウム-225、ビスマス-213、銅-67、インジウム-111、ヨウ素-131、ヨウ素-125、ガドリニウム-157、ホルミウム166、鉛-212、ルテチウム-177、パラジウム-103、リン-32、ラジウム-223、レニウム-186、レニウム-188、サマリウム-153、ストロンチウム-89、及びタングステン-188からなる群より選択される1以上の放射性同位体を含んでいてもよい。
【0074】
いくつかの例では、非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である。
【0075】
いくつかの例では、非放射性微粒子は、治療活性化合物を含み、該治療活性化合物は、生理学的に関連する条件下で微粒子から溶出する。
【0076】
いくつかの例では、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、無機ポリマー微粒子である。放射性微粒子は、これと同一の非放射性微粒子の中性子活性化から形成された微粒子であってもよい。
【0077】
放射性微粒子及び非放射性微粒子は、水に対する比重が約3.3~約3.9であり、且つ、平均径が約20~約40ミクロンである。
【0078】
放射性微粒子は、イットリウム-90を含んでいてもよい。非放射性微粒子は、イットリウム-89を含んでいてもよい。非放射性微粒子は、ジルコニウム-90を含んでいてもよい。非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であり、例えば120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であってもよく、例えば120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性であってもよい。
【0079】
非放射性微粒子は、Ga、SiO、SrO、及び選択的にYを含んでいてもよい。
【0080】
放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含んでいてもよく、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90である。
【0081】
一例では、放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムの少なくとも一部はイットリウム-90であり、且つ、非放射性微粒子は、約40質量%のY、約20質量%のAl、及び約40質量%のSiOを含み、イットリウムのいずれもがイットリウム-90でない。
【0082】
いくつかの例では、放射性組成物及び非放射性組成物は、樹脂系微粒子である。放射性微粒子は、放射性元素と非放射性微粒子と同一の粒子とのイオン結合で形成された微粒子であってもよい。放射性元素は、イットリウム-90であってもよい。
【0083】
非放射性微粒子は、X線撮影、コンピュータ断層撮影、コーンビーム断層撮影、及び/又は蛍光透視などのX線イメージングによって検出可能な十分な放射線不透過性であってもよく、例えば120kVpで6,000ハンスフィールドユニット(HU)より大きい放射線不透過性であり、例えば120kVpで9,000HUより大きい放射線不透過性である。
【0084】
放射性微粒子及び非放射性微粒子は、濡れているとき、水に対する比重が約1.0~約1.2であり、且つ、平均径が約30~約35ミクロンである。
【0085】
別の態様では、本開示は、上述のように、放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物を投与することを含む方法を提供し、投与は、血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものである。
【0086】
さらなる態様では、本開示は、患者への放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物の血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達のための送達デバイスを提供する。該送達デバイスは、混合輸送媒体に流体的に結合可能であり、該混合輸送媒体に流体的に結合可能にする流体入口と、流体出口と、前記流体入口及び前記流体出口に流体的に結合した流体ミキサーと、前記流体ミキサーに流体的に結合した放射性微粒子源と、前記流体ミキサーに流体的に結合した非放射性微粒子源とを含む。前記放射性微粒子源は、前記非放射性微粒子源とは区別されるものである。前記流体ミキサーは、放射性微粒子と非放射性微粒子とを混合し、放射性及び非放射性微粒子の混合物を、前記混合輸送媒体を利用して前記流体出口の外へ送達する。
【0087】
さらに別の態様では、本開示は、患者への放射性微粒子及び非放射性微粒子の混合物の血管内送達、腹腔内送達、又は経皮送達のための送達デバイスを提供する。該送達デバイスは、輸送媒体に流体的に結合可能な少なくとも1つの流体入口と、前記少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した放射性微粒子源と、前記少なくとも1つの流体入口に流体的に結合した非放射性微粒子源と、前記放射性微粒子源に流体的に結合した第1の流体出口と、前記非放射性微粒子源に流体的に結合した第2の流体出口とを備えている。前記放射性微粒子源は、前記非放射性微粒子源とは区別されるものである。いくつかの例では、前記送達デバイスは、放射性微粒子及び非放射性微粒子を単一の処置セッションで送達する。いくつかの例では、前記第1の流体出口及び前記第2の流体出口は、互いに近接している。本開示の文脈では、流体出口が互いに近接しているとは、例えば単一の処置セッションの過程で、患者に放射性微粒子及び非放射性微粒子を実質的に同時に投与可能な場合であると理解されるべきである。
【0088】
前記送達デバイスにおける放射性微粒子及び/又は非放射性微粒子は、上述のものであってもよい。いくつかの例では、放射性微粒子は、前記送達デバイスにおける微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する。いくつかの例では、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通る流体中を流れるときの抵抗が実質的に同じである。
【0089】
さらに別の態様では、本開示は、(i)放射性微粒子の第1の集合体と、(ii)非放射性微粒子の第2の集合体とを混合することと、治療用又は診断用に適切な量の混合物を患者に投与することと、を含む方法を提供する。該方法における放射性微粒子及び/又は非放射性微粒子は、上述のものであってもよい。いくつかの例では、放射性微粒子は、前記方法における微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%を構成する。投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであってもよい。
【0090】
他の態様では、本開示は、治療用又は診断用に適切な量の微粒子を患者に投与する方法を提供する。該方法は、非放射性微粒子を前記患者に投与することと、前記非放射性微粒子を初めに検出することなく放射性微粒子を前記患者に投与することとを含むものであるか、又は、放射性微粒子を前記患者に投与することと、前記放射性微粒子を初めに検出することなく非放射性微粒子を前記患者に投与することとを含むもののいずれかである。投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものである。非放射性微粒子の投与経路は、放射性微粒子の投与経路と同じである。
【0091】
いくつかの例では、前記方法は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の同時投与を含む。他の例では、前記方法は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の連続投与を含むか、又は、放射性微粒子及び非放射性微粒子の連続投与を含む。
【0092】
さらに別の態様では、本開示は、治療用又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法を提供する。該方法は、(i)放射性微粒子の第1の集合体及び(ii)非放射性微粒子の第2の集合体の患者への同時投与を含む。
【0093】
いくつかの例では、放射性微粒子の前記第1の集合体は、非放射性微粒子の前記第2の集合体とは区別されるものである。放射性微粒子の第1の集合体及び非放射性微粒子の第2の集合体は、混合物として投与されてもよい。
【0094】
さらに別の態様では、本開示は、治療用又は診断用に適切な量の微粒子を投与する方法を提供する。該方法は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の患者への単一の処置セッションにおける連続投与を含む。
【0095】
さらに別の態様では、本開示は、(i)治療用の放射性微粒子、次いで、(ii)非放射性微粒子の、患者への連続投与を備える方法を提供する。
【0096】
いくつかの例では、連続投与は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の間欠投与を含む。該間欠投与は、非放射性微粒子及び放射性微粒子の交互投与を含んでもよい。
【0097】
いくつかの例では、連続投与は、次のタイプの微粒子の投与前の一タイプの微粒子のすべての投与を含む。例えば、連続投与は、放射性微粒子のいずれかの投与前の非放射性微粒子のすべての投与を含んでもよく、又は、非放射性微粒子のいずれかの投与前の放射性微粒子のすべての投与を含んでもよい。
【0098】
本開示の方法は、治療用に適切な量の放射線を患者に送達してもよく、又は、診断用に適切な量の非放射性微粒子を患者に送達してもよい。
【0099】
上述の方法のいくつかの例では、放射性微粒子は、診断的に検出可能な放射性同位体を含み、非放射性微粒子は、治療活性化合物を含み、該治療活性化合物は、生理学的に関連する条件下で前記微粒子から溶出し、並びに、前記方法は、治療用に適切な量の放射性微粒子を患者に送達し、且つ、診断用に適切な量の非放射性微粒子を患者に送達する。
【0100】
本開示の方法では、投与は、動脈内送達、腹腔内送達、又は経皮送達によるものであってもよく、放射性微粒子及び/又は非放射性微粒子は、上述のものであってもよく、送達される微粒子の総質量の約10%~約80%、例えば約25%が放射性微粒子であってもよく、これらの任意の組み合わせであってもよい。
【0101】
組成物、送達デバイス、及び方法の種々の例では、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、導管を通って液体中を流れるときの抵抗が実質的に同じであり、且つ/又は、放射性微粒子及び非放射性微粒子は、肝腫瘍又は転移性肝腫瘍などの血管が新生される腫瘍の治療に適合し得るものである。
【0102】
上述の議論は、放射性微粒子及び非放射性微粒子を投与する方法に関するが、本開示は、同様に、開示された方法において有用な微粒子を含む対応する微粒子の「使用」、及び開示された方法において有用な投与可能な処方の製造における微粒子の使用を意図している。
【0103】
バルクの微小球CTの放射線不透過性は、定量的な放射線不透過性測定によって評価することができ、ここで、該測定では、滅菌生理食塩水6μL中に500mgの微粒子を含む1.2mLのガラス製v-vial(製品コード:Z115061, Sigma Aldrich, カナダ)を用いて、それぞれの軸方向CTスキャン(1mmスライス厚、ピッチ=0.5、70kVp及び120kVp)から記録された重要な5つの反復領域(ROL、n=5)から得られたハンスフィールドユニット(HU)として示される。すべての測定は、平均径(±SD)が20μm~30μmの範囲内の実験材料について実施され、Siemens Somatom Definition AS+スキャナー(Siemens Healthcare, Erlangen, ドイツ)及びスキャンに使用した拡張HUレンジオプションを用いた。
【0104】
実験
【0105】
以下でより詳細に説明するように、本開示による例示的な混合物を送達デバイスに充填し、次いで、マイクロカテーテルから移送し、患者への投与を模倣した。マイクロカテーテルから分注された混合物のアリコートを経時的に採取し、各アリコートの比放射能を測定した。測定した比放射能は、粒子を含むアリコートに対して実質的に一定のままであった。このことは、例示的な混合物の熱い粒子及び冷たい粒子が投与中に送達デバイスから分離しなかったことを示唆するものである。
【0106】
原料及び方法
【0107】
水を入れた3mLガラスバイアルに非放射性ガラス微粒子及び放射性ガラス微粒子を重力測定法で分注し、非放射性微粒子と放射性微粒子の質量比を3:1とした。
【0108】
非放射性微粒子は、直径分布が20~32μmであり、D5<22.2μm、D50<28.1μm、D90<32.8μmであり(X-flowモジュール付きHORIBA Instruments Camsiger X2 Particle size Analyzerで測定)、密度が3.36g/cmであり(AccuPyc II 1340 Pycnometerで測定)、平均球形度が0.985であった(X-Flowモジュール付きHORIBA Instruments Camsiger X2 Particle size Analyzerで測定)。放射性微粒子は、Y-90を含み、直径20~32μmのサイズ分布を有し、D5<20.3、D50<26.6、D90<31.4であり、密度が3.39g/cm、平均球形度が0.914であった。
【0109】
バイアルを、クリンプシールで所定の位置に保持したセプタムで固定した。混合物の均一化を確実にするために、バイアルを約30秒間ボルテックスした後、ブレンドしたバイアルの放射能を測定した。測定した放射能と質量とを用いて「単位用量」の比放射能を算出した。
【0110】
WO2020/082168に開示されている図9(参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、微粒子の混合物を送達デバイスに充填した。まず、送達デバイスに水を注入し、システム内のすべての空気を除去した。混合したバイアルをデバイスに接続し、細長いハウジング(910)に吸引し、投与位置に定着させた。本実験で用いた細長いハウジング(910)は、長さ21.6cm、内径0.078”(約1.98mm)、外径0.125”(約3.18mm)である。この定着は、微粒子が層状化する最初の機会を提供した。
【0111】
沈降した微小球を、WO2020/082168に開示されている送達デバイスから分注した。簡潔に述べると、水を輸送媒体(904)及び置換媒体(906)の両方として使用した。水が充填されたシリンジを使用して、細長いハウジングから、流体出口(908)の外へ微粒子を運ぶ流路へ微粒子を押し込んだ。微粒子と輸送媒体(904)とを混合するミキサー(902)と、流体出口(908)との間の前記流路を構成するチューブの長さは、150cmであった。前記流路を構成するチューブの内径は0.021”(約0.53mm)であった。前記流路の下方への移動は、放射性微粒子が非放射性微粒子から分離する別の機会を提供した。
【0112】
流体出口からアリコートを採取した。採取後、異なるアリコートの放射能を電離箱(Capintec Model CRC-15R)で測定した。放射能を測定した後、ホットプレートを用いて水を蒸発させ、微粒子の乾燥質量を測定した。各アリコートからの比放射能(単位質量あたりの放射能)を測定し、最初にブレンドした混合物の理論的な比放射能(すなわち単位用量)と比較した。
【0113】
上記手順は、100mg及び800mgの単位用量で実施した。これらの結果を以下の表1~5に示す。これらの結果は、例示的な混合物中の放射性微粒子及び非放射性微粒子が、送達デバイスの充填中及びその後の送達デバイスからの投与中には、認識できるほどには分離しないことを示している。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0114】
先の説明では、説明の目的で、実施例の完全な理解を提供するために多数の詳細が記載されている。しかしながら、これらの特定の詳細が必要でないことは当業者には明らかであろう。従って、記載された事項は、記載された実施例の適用を単に例示するに過ぎず、上記の教示に照らして、多くの修飾及び変形が可能である。
【0115】
上記の説明は例を提供するものであるため、修飾及び変形は、当業者により特定の例に対して実施され得るものと理解されることとなる。従って、特許請求の範囲は、本明細書に記載された特定の実施例によって限定されるべきではなく、全体としての明細書と一致する方法で解釈されるべきである。
【国際調査報告】