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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】医療デバイス用ハブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20221104BHJP
   B29C 33/14 20060101ALI20221104BHJP
   B29C 33/42 20060101ALI20221104BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61M25/00
A61M25/00 506
B29C33/14
B29C33/42
B29C45/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513913
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 US2020047280
(87)【国際公開番号】W WO2021045910
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】16/561,800
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/561,809
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/561,817
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(71)【出願人】
【識別番号】521535973
【氏名又は名称】ストライカー ヨーロピアン オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Stryker European Operations Limited
【住所又は居所原語表記】Anngrove, IDA Business & Technology Park, Carrigtwohill, County Cork, T45HX08 Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】カバレロ,ラリー ウィリー
【テーマコード(参考)】
4C267
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4C267AA12
4C267BB04
4C267BB19
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC08
4C267FF01
4F202AD05
4F202AD12
4F202AD35
4F202AG03
4F202AG08
4F202AH63
4F202AR12
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CK43
4F202CQ01
4F202CQ05
4F206AD05
4F206AD12
4F206AD35
4F206AG03
4F206AG08
4F206AH63
4F206AR12
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
医療デバイスは、第1のチューブルーメンを有する第1のチューブと、第2のチューブルーメンを有する第2のチューブであって、第1のチューブの周囲に配置された第2のチューブと、第1のポート、第2のポート、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するハブとを備え、第1のルーメンは、第1のポートから延びて、第1のチューブの第1のチューブルーメンと流体連通し、第2のルーメンは、第2のポートから延びて、ハブ内のキャビティと流体連通し、ハブは、ある材料から作られ、キャビティは、ハブの材料によって規定されるとともに、第1のチューブと第2のチューブとの間の空間と流体連通している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
第1のチューブルーメンを有する第1のチューブと、
第2のチューブルーメンを有する第2のチューブであって、前記第1のチューブの周囲に配置された第2のチューブと、
第1のポート、第2のポート、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するハブであって、前記第1のルーメンは、前記第1のポートから延びて、前記第1のチューブの第1のチューブルーメンと流体連通しており、前記第2のルーメンは、前記第2のポートから延びて、前記ハブ内のキャビティと流体連通している、ハブとを備え、
前記ハブは、ある材料から作られ、前記キャビティは、前記ハブの材料によって規定されるとともに、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間の空間と流体連通していることを特徴とする医療デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の医療デバイスにおいて、
前記キャビティが、前記第1のチューブの周囲に配置されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療デバイスにおいて、
前記キャビティの長さの大部分が、前記第2のチューブの端部と前記第2のルーメンとの間に位置することを特徴とする医療デバイス。
【請求項4】
請求項1または2に記載の医療デバイスにおいて、
前記キャビティの一部が、前記ハブの第2のルーメンを越えて近位方向に延びていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記ハブの第1のルーメンと前記ハブの第2のルーメンが、前記ハブの材料によって規定されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記ハブの第1のルーメンの内面が、前記第1のチューブルーメンを規定する第1のチューブの内壁に対して滑らかな移行部を有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記第1のチューブが、前記ハブ内に配置される長さを有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記ハブが、前記第1のチューブの一部の周囲に形成されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記第1のチューブと前記ハブの材料との間に配置されたスリーブをさらに備え、前記ハブが、前記スリーブを介して前記第1のチューブに結合されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記ハブの材料が、前記第2のチューブを受け入れるための空間を規定していることを特徴とする医療デバイス。
【請求項11】
請求項9に記載の医療デバイスにおいて、
前記空間が、前記キャビティの断面寸法よりも大きい断面寸法を有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記第2のチューブが、前記ハブに機械的に固定されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
膨張可能なバルーンをさらに備え、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間の空間が、前記バルーンの内部領域と流体連通していることを特徴とする医療デバイス。
【請求項14】
医療デバイスであって、
第1のチューブルーメンを有する第1のチューブと、
第2のチューブルーメンを有する第2のチューブであって、前記第1のチューブの周囲に配置された第2のチューブと、
第1のポート、第2のポート、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するハブであって、前記第1のルーメンは、前記第1のポートから延びて、前記第1のチューブの第1のチューブルーメンと流体連通しており、前記第2のルーメンは、前記第2のポートから延びて、前記ハブ内のキャビティと流体連通している、ハブとを備え、
前記ハブは、ある材料から作られ、前記キャビティは、前記ハブの材料によって規定されるとともに、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間の空間と流体連通しており、
前記キャビティが、前記第1のチューブの周囲に配置され、
前記ハブの第1のルーメンおよび前記ハブの第2のルーメンが、前記ハブの材料によって規定されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の医療デバイスにおいて、
前記ハブの第1のルーメンの内面が、前記第1のチューブルーメンを規定する第1のチューブの内壁に対して滑らかな移行部を有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項16】
請求項14または15に記載の医療デバイスにおいて、
前記第1のチューブが、前記ハブ内に配置される長さを有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項17】
請求項14乃至16の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記第1のチューブと前記ハブの材料との間に配置されたスリーブをさらに備え、前記ハブが、前記スリーブを介して前記第1のチューブに結合され、前記ハブの材料が、前記第2のチューブを受け入れるための空間を規定し、前記空間が、前記キャビティの断面寸法よりも大きい断面寸法を有することを特徴とする医療デバイス。
【請求項18】
請求項14乃至17の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
前記第2のチューブが、接着剤を介して前記ハブに機械的に固定されていることを特徴とする医療デバイス。
【請求項19】
請求項14乃至18の何れか一項に記載の医療デバイスにおいて、
膨張可能なバルーンをさらに備え、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間の空間が、前記バルーンの内部領域と流体連通していることを特徴とする医療デバイス。
【請求項20】
医療デバイスを製造するための金型システムであって、
材料を受け入れるための金型キャビティを有する金型と、
第1のルーメン規定セクションを有する第1のコアピンであって、前記第1のルーメン規定セクションが、前記金型キャビティ内に位置するか、または前記金型キャビティ内に配置されるように構成された、第1のコアピンと、
第2のルーメン規定セクションを有する第2のコアピンであって、前記第2のルーメン規定セクションが、前記金型キャビティ内に位置するか、または前記金型キャビティ内に配置されるように構成された、第2のコアピンと、
第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるときに、前記第1のチューブを収容するようなサイズに設定されたルーメンを有するスペーサツールとを備え、
前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブの端部が前記第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションと係合し、
前記スペーサツールが、前記金型の金型キャビティ内に配置されるように構成された第1のセクションを備え、前記スペーサツールの第1のセクションが、前記第1のチューブの外側断面寸法よりも大きい第1の外側断面寸法を有することを特徴とする金型システム。
【請求項21】
請求項20に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールの第1のセクションが、前記第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションと当接していることを特徴とする金型システム。
【請求項22】
請求項20または21に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールの第1のセクションの端部が、前記第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と前記第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションの端部との間に長手方向に位置することを特徴とする金型システム。
【請求項23】
請求項20乃至22の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブの領域が前記スペーサツールの外側にあることを特徴とする金型システム。
【請求項24】
請求項20乃至23の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールの第1のセクションが、形成される医療デバイスのハブの内側で前記第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項25】
請求項20乃至24の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールが、前記第1のセクションの第1の外側断面寸法よりも大きい第2の外側断面寸法を有する第2のセクションをさらに備えることを特徴とする金型システム。
【請求項26】
請求項25に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールの第2のセクションが、第2のチューブを収容するための空間を規定するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項27】
請求項26に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールの第2のセクションの第2の外側断面寸法と、前記スペーサツールの第1のセクションの第1の外側断面寸法との間の差が、前記第2のチューブの壁厚の2倍を超えることを特徴とする金型システム。
【請求項28】
請求項25に記載の金型システムにおいて、
前記金型がスロットを備え、前記スペーサツールが、前記金型のスロット内に配置されるように構成された第3のセクションをさらに備え、前記スロットが、前記金型に対する前記スペーサツールの横方向の動きを阻止するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項29】
請求項28に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールが、前記金型に対する前記スペーサツールの長手方向の動きを阻止するように構成された端部セクションをさらに備えることを特徴とする金型システム。
【請求項30】
請求項20乃至29の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記金型が、前記第1のコアピンを保持するための第1のスロットと、前記第2のコアピンを保持するための第2のスロットとを備えることを特徴とする金型システム。
【請求項31】
請求項30に記載の金型システムにおいて、
前記第1のスロットが、前記金型に対する前記第1のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成され、前記第2のスロットが、前記金型に対する前記第2のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項32】
請求項30に記載の金型システムにおいて、
前記第1のコアピンが、第1の中間セクションを含み、前記第1のスロットが、前記第1のコアピンの第1の中間セクションを保持するように構成され、
前記第2のコアピンが、第2の中間セクションを含み、前記第2のスロットが、前記第2のコアピンの第2の中間セクションを保持するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項33】
請求項20乃至29の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記第1のコアピンが、前記金型に対する前記第1のコアピンの長手方向の動きを阻止するように構成された第1の端部セクションを含み、前記第2のコアピンが、前記金型に対する前記第2のコアピンの長手方向の動きを阻止するように構成された第2の端部セクションを含むことを特徴とする金型システム。
【請求項34】
医療デバイスを製造するための金型システムであって、
材料を受け入れるための金型キャビティを有する金型と、
第1のルーメン規定セクションを有する第1のコアピンであって、前記第1のルーメン規定セクションが、前記金型キャビティ内に位置するか、または前記金型キャビティ内に配置されるように構成された、第1のコアピンと、
第2のルーメン規定セクションを有する第2のコアピンであって、前記第2のルーメン規定セクションが、前記金型キャビティ内に位置するか、または前記金型キャビティ内に配置されるように構成された、第2のコアピンと、
第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるときに、前記第1のチューブを収容するようなサイズに設定されたルーメンを有するスペーサツールとを備え、
前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブの端部が前記第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションと係合し、
前記スペーサツールが、前記金型の金型キャビティ内に配置されるように構成された第1のセクションを備え、前記スペーサツールの第1のセクションが、前記第1のチューブの外側断面寸法よりも大きい第1の外側断面寸法を有し、前記スペーサツールの第1のセクションが、前記第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションと当接し、
前記スペーサツールの第1のセクションの端部が、前記第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と前記第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションの端部との間に長手方向に位置することを特徴とする金型システム。
【請求項35】
請求項34に記載の金型システムにおいて、
前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブの領域が前記スペーサツールの外側にあり、前記スペーサツールの第1のセクションが、形成される医療デバイスのハブの内側で前記第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項36】
請求項34または35に記載の金型システムにおいて、
前記スペーサツールが、前記第1のセクションの第1の外側断面寸法よりも大きい第2の外側断面寸法を有する第2のセクションをさらに備え、前記スペーサツールの第2のセクションが、第2のチューブを収容するための空間を規定するように構成され、前記スペーサツールの第2のセクションの第2の外側断面寸法と、前記スペーサツールの第1のセクションの第1の外側断面寸法との間の差が、前記第2のチューブの壁厚の2倍を超えることを特徴とする金型システム。
【請求項37】
請求項34乃至36の何れか一項に記載の金型システムにおいて、
前記金型が、前記第1のコアピンを保持するための第1のスロットと、前記第2のコアピンを保持するための第2のスロットとを備え、前記第1のスロットが、前記金型に対する前記第1のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成され、前記第2のスロットが、前記金型に対する前記第2のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項38】
請求項37に記載の金型システムにおいて、
前記第1のコアピンが、第1の中間セクションを含み、前記第1のスロットが、前記第1のコアピンの第1の中間セクションを保持するように構成され、
前記第2のコアピンが、第2の中間セクションを含み、前記第2のスロットが、前記第2のコアピンの第2の中間セクションを保持するように構成されていることを特徴とする金型システム。
【請求項39】
請求項34に記載の金型システムにおいて、
前記第1のコアピンが、前記金型に対する前記第1のコアピンの長手方向の動きを阻止するように構成された第1の端部セクションを含み、前記第2のコアピンが、前記金型に対する前記第2のコアピンの長手方向の動きを阻止するように構成された第2の端部セクションを含むことを特徴とする金型システム。
【請求項40】
医療デバイスを製造する方法であって、
金型のスロットでスペーサツールを保持するステップであって、前記金型が金型キャビティを有する、ステップと、
第1のチューブが前記金型に対して固定位置にある間に、前記第1のチューブの一部を前記スペーサツール内のルーメンにより収容するステップであって、前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブのある領域が、前記金型キャビティの内部であって前記スペーサツールの外側にあり、前記第1のチューブの端部が、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と係合し、前記スペーサツールが、前記金型のスロットによって保持されるときに前記金型キャビティ内に位置する第1のセクションを備え、前記スペーサツールの第1のセクションが、形成されるハブの内部で前記第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成され、前記第1のチューブの一部が、前記第1のチューブの前記領域と異なる、ステップと、
前記金型キャビティによって材料を受け入れるステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項1に記載の方法において、
前記金型によって前記第1のコアピンを保持するステップをさらに含み、前記第1のコアピンが、前記ハブ内に形成される第1のルーメンを規定するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記金型によって第2のコアピンを保持するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、
前記第2のコアピンが前記金型に対して長手方向に動くのを阻止するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法において、
前記第2のコアピンが、前記ハブに形成される第2のルーメンを規定するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、
前記ハブが製造された後、前記第2のルーメンが前記キャビティと流体連通することを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項40乃至45の何れか一項に記載の方法において、
前記第1のコアピンが前記金型に対して長手方向に動くのを阻止するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項40乃至46の何れか一項に記載の方法において、
前記ハブのための硬化した材料を得るために、材料の硬化プロセスを受けるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法において、
前記硬化した材料が、前記第1のチューブの前記領域と接触し、前記第1のチューブの一部の周囲に空間を形成することを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法において、
前記第1のチューブの前記領域が、前記第1のチューブの壁に結合されたスリーブを含むことを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項40乃至49の何れか一項に記載の方法において、
前記スペーサツールを使用して、前記ハブに形成される空間を規定するステップをさらに含み、前記空間が、第2のチューブを収容する大きさに設定されていることを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法において、
前記スペーサツールによって規定された空間が、前記キャビティの断面寸法より大きい断面寸法を有することを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法において、
前記ハブが作られた後に、前記ハブの空間によって前記第2のチューブを受け入れるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項50に記載の方法において、
接着剤を使用して前記第2のチューブを前記ハブに取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
医療デバイスを製造する方法であって、
金型のスロットでスペーサツールを保持するステップであって、前記金型が金型キャビティを有する、ステップと、
第1のチューブが前記金型に対して固定位置にある間に、前記第1のチューブの一部を前記スペーサツール内のルーメンにより収容するステップであって、前記第1のチューブが前記金型に対して固定位置にあるとき、前記第1のチューブのある領域が、前記金型キャビティの内部にありかつ前記スペーサツールの外側にあり、前記第1のチューブの端部が、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と係合し、前記スペーサツールが、前記金型のスロットによって保持されるときに前記金型キャビティ内に位置する第1のセクションを備え、前記スペーサツールの第1のセクションが、形成されるハブの内部で前記第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成され、前記第1のチューブの一部が、前記第1のチューブの前記領域と異なる、ステップと、
前記金型キャビティによって材料を受け入れるステップと、
前記スペーサツールによって、前記ハブに形成される空間を規定するステップであって、前記空間が、第2のチューブを収容するサイズに設定され、かつ前記キャビティの断面寸法よりも大きい断面寸法を有する、ステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法において、
前記ハブが製造された後に、前記ハブの空間により前記第2のチューブを受け入れるステップと、接着剤を用いて前記第2のチューブを前記ハブに取り付けるステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項54または55に記載の方法において、
前記金型によって前記第1のコアピンを保持するステップであって、前記第1のコアピンが、前記ハブ内に形成される第1のルーメンを規定するように構成される、ステップと、
前記金型によって第2のコアピンを保持するステップと、
前記第2のコアピンが前記金型に対して長手方向に動くのを阻止するステップとさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法において、
前記第2のコアピンが、前記ハブに形成される第2のルーメンを規定するように構成され、前記ハブが製造された後、前記第2のルーメンが前記キャビティと流体連通することを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項54乃至57の何れか一項に記載の方法において、
前記ハブのための硬化した材料を得るために、材料の硬化プロセスを受けるステップをさらに含み、前記硬化した材料が、前記第1のチューブの前記領域と接触し、前記第1のチューブの一部の周囲に空間を形成することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の分野は、医療デバイス用ハブ、そのようなハブを含む医療デバイス、並びに、ハブおよび医療デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ステント送達カテーテルまたは他のタイプのカテーテルなどの医療デバイスは、それらの近位端にハブを含むことがある。場合によっては、ハブは、第1のポートおよび第2のポートを含むハブである。ポートは、患者への1または複数の物質の送達、および/または患者からの1または複数の物質の回収のために使用することができる。
【0003】
カテーテルは、チューブをハブに接着することによって作られる場合がある。しかしながら、チューブをハブに接続するのに接着剤しか使用しないと、ハブ内の位置ずれ、またはハブ/チューブの寸法のバラツキにより、ステントをカテーテルチューブ内に移す際にステントを制限または損傷する可能性があることから、ステントの移動に関するリスクが生じる。
【0004】
また、ハブのそれぞれのポートに接続する複数の同心チューブを有するカテーテルを作ることは困難である。何故なら、内側カテーテルチューブの近位端は外側カテーテルチューブの近位端から出る必要がある一方で、外側カテーテルチューブはハブで対応するポートとの流体連通を維持する必要があるためである。これらの特徴を達成することは、特にオーバーモールド技術では非常に困難である。
【0005】
本明細書には、マルチルーメンカテーテル用のハブを製造するための新規な製造技術およびツール、並びに、そのような新規な技術および新規なツールから製造されたハブおよびカテーテルが記載されている。
【発明の概要】
【0006】
いくつかの実施形態によれば、第1のポートおよび第2のポートを有するハブが提供される。第1のポートは、ハブの第1のルーメンに延び、第2のポートは、ハブの第2のルーメンに延びている。ハブの第1のルーメンは、第1の(内側)チューブの第1のチューブルーメンと流体連通し、ハブの第2のルーメンは、第1のチューブを同心円状に取り囲む第2の(外側)チューブの第2のチューブルーメンと流体連通している。ハブは、第1のチューブにオーバーモールドされ、第2のチューブは、ハブが作られた後にハブに取り付けられる。これにより、ハブの第1のルーメンから、第1のチューブルーメンを規定する第1のチューブの内面への移行が滑らかになるという利点がある。ある場合には、ハブはステント送達カテーテルの一部であってもよい。そのような場合、第1のチューブは、1または複数のステントを送達するように構成され得る。本明細書に記載のオーバーモールド技術は、第1のポートと、第1のチューブのルーメンを規定する内面との間に滑らかな移行を提供するため、1または複数のステントは、第1のチューブ内に移される際に損傷または制限を受けることはない。第2のチューブと第1のチューブとの間の空間は、物質(例えば、洗浄流体、ステントカテーテルの遠位端にあるバルーンを膨張させるための膨張流体、薬剤など)を送達するために、かつ/または物質(例えば、患者内部からの洗浄流体、バルーンを収縮させるためのバルーンからの流体、生体サンプルなど)を取り出すために使用することができる。他の場合、カテーテルは他の種類のカテーテルであってもよい。
【0007】
医療デバイスは、第1のチューブルーメンを有する第1のチューブと、第2のチューブルーメンを有する第2のチューブであって、第1のチューブの周囲に配置された第2のチューブと、第1のポート、第2のポート、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するハブとを備え、第1のルーメンは、第1のポートから延びて、第1のチューブの第1のチューブルーメンと流体連通し、第2のルーメンは、第2のポートから延びて、ハブ内のキャビティと流体連通し、ハブは、ある材料から作られ、キャビティは、ハブの材料によって規定されるとともに、第1のチューブと第2のチューブとの間の空間と流体連通している。
【0008】
任意選択的には、キャビティは第1のチューブの周囲に配置される。
【0009】
任意選択的には、キャビティの長さの大部分は、第2のチューブの端部と第2のルーメンとの間に配置される。
【0010】
任意選択的には、キャビティの一部は、ハブの第2のルーメンを越えて近位方向に延びる。
【0011】
任意選択的には、ハブの第1のルーメンおよびハブの第2のルーメンは、ハブの材料によって規定される。
【0012】
任意選択的には、ハブの第1のルーメンの内面は、第1のチューブルーメンを規定する第1のチューブの内壁に対して滑らかな移行部を有している。
【0013】
任意選択的には、第1のチューブは、ハブ内に配置される長さを有する。
【0014】
任意選択的には、医療デバイスは、第1のチューブとハブの材料との間に配置されたスリーブをさらに含み、ハブは、スリーブを介して第1のチューブに結合されている。
【0015】
任意選択的には、ハブの材料は、第2のチューブを受け入れるための空間を規定する。
【0016】
任意選択的には、空間は、キャビティの断面寸法より大きい断面寸法を有する。
【0017】
任意選択的には、ハブは、第1のチューブの一部の周りに形成される。
【0018】
任意選択的には、第2のチューブは、ハブに機械的に固定される。
【0019】
任意選択的には、第2のチューブは、接着剤を介してハブに機械的に固定される。
【0020】
任意選択的には、第1のチューブの第1のチューブルーメンは、ステントを送達するようなサイズに設定されている。
【0021】
任意選択的には、医療デバイスはバルーンをさらに含み、第1のチューブと第2のチューブとの間の空間は、バルーンの内部空間と流体連通している。
【0022】
医療デバイスを製造するための金型システムは、材料を受け入れるための金型キャビティを有する金型と、第1のルーメン規定セクションを有する第1のコアピンであって、第1のルーメン規定セクションが、金型キャビティ内に位置するか、または金型キャビティ内に配置されるように構成された、第1のコアピンと、第2のルーメン規定セクションを有する第2のコアピンであって、第2のルーメン規定セクションが、金型キャビティ内に位置するか、または金型キャビティ内に配置されるように構成された、第2のコアピンと、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるときに、第1のチューブを収容するようなサイズに設定されたルーメンを有するスペーサツールとを備え、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブの端部が第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションと係合し、スペーサツールが、金型の金型キャビティ内に配置されるように構成された第1のセクションを備え、スペーサツールの第1のセクションが、第1のチューブの外側断面寸法よりも大きい第1の外側断面寸法を有する。
【0023】
任意選択的には、スペーサツールの第1のセクションは、第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションと当接している。
【0024】
任意選択的には、スペーサツールの第1のセクションの端部は、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションの端部との間に長手方向に位置する。
【0025】
任意選択的には、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブの領域はスペーサツールの外側にある。
【0026】
任意選択的には、スペーサツールの第1のセクションは、形成される医療デバイスのハブの内部で第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成されている。
【0027】
任意選択的には、スペーサツールは、第1のセクションの第1の外側断面寸法よりも大きい第2の外側断面寸法を有する第2のセクションをさらに備える。
【0028】
任意選択的には、スペーサツールの第2のセクションは、第2のチューブを収容するための空間を規定するように構成されている。
【0029】
任意選択的には、スペーサツールの第2のセクションの第2の外側断面寸法と、スペーサツールの第1のセクションの第1の外側断面寸法との間の差は、第2のチューブの壁厚の2倍よりも大きい。
【0030】
任意選択的には、金型はスロットを含み、スペーサツールは、金型のスロット内に配置されるように構成された第3のセクションをさらに含み、スロットは、金型に対するスペーサツールの横方向の動きを防止するように構成されている。
【0031】
任意選択的には、スペーサツールは、金型に対するスペーサツールの長手方向の動きを防止するように構成された端部セクションをさらに備える。
【0032】
任意選択的には、金型は、第1のコアピンを保持するための第1のスロットと、第2のコアピンを保持するための第2のスロットとを含む。
【0033】
任意選択的には、第1のスロットは、金型に対する第1のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成され、第2のスロットは、金型に対する第2のコアピンの横方向の動きを阻止するように構成される。
【0034】
任意選択的には、第1のコアピンは第1の中間セクションを含み、第1のスロットは第1のコアピンの第1の中間セクションを保持するように構成され、第2のコアピンは第2の中間セクションを含み、第2のスロットは第2のコアピンの第2の中間セクションを保持するように構成される。
【0035】
任意選択的には、第1のコアピンは、金型に対する第1のコアピンの長手方向の動きを防止するように構成された第1の端部セクションを含み、第2のコアピンは、金型に対する第2のコアピンの長手方向の動きを防止するように構成された第2の端部セクションを含む。
【0036】
医療デバイスを製造する方法は、金型のスロットでスペーサツールを保持するステップであって、金型が金型キャビティを有する、ステップと、第1のチューブが金型に対して固定位置にある間に、第1のチューブの一部をスペーサツール内のルーメンにより収容するステップとを備え、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブのある領域が、金型キャビティの内部であってスペーサツールの外側にあり、第1のチューブの端部が、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と係合し、スペーサツールが、金型のスロットによって保持されるときに金型キャビティ内に位置する第1のセクションを備え、スペーサツールの第1のセクションが、形成されるハブの内部で第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成され、第1のチューブの一部が、第1のチューブの前記領域と異なり、本方法はさらに、金型キャビティによって材料を受け入れるステップを備える。
【0037】
任意選択的には、本方法は、金型によって第1のコアピンを保持するステップをさらに含み、第1のコアピンは、ハブ内に形成される第1のルーメンを規定するように構成される。
【0038】
任意選択的には、本方法は、第1のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0039】
任意選択的には、本方法は、金型によって第2のコアピンを保持するステップをさらに含む。
【0040】
任意選択的には、本方法は、第2のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0041】
任意選択的には、第2のコアピンは、ハブ内に形成される第2のルーメンを規定するように構成される。
【0042】
任意選択的には、ハブが作られた後、第2のルーメンは、キャビティと流体連通する。
【0043】
任意選択的には、本方法は、ハブのための硬化した材料を得るために、材料の硬化プロセスを受けるステップをさらに含む。
【0044】
任意選択的には、硬化した材料は、第1のチューブの領域と接触し、第1のチューブの一部の周囲に空間を形成する。
【0045】
任意選択的には、第1のチューブの領域は、第1のチューブの壁に結合されたスリーブを含む。
【0046】
任意選択的には、本方法は、スペーサツールによって、ハブに形成される空間を規定するステップをさらに含み、空間は、第2のチューブを収容するようなサイズに設定されている。
【0047】
任意選択的には、スペーサツールによって規定された空間は、キャビティの断面寸法より大きい断面寸法を有する。
【0048】
任意選択的には、本方法は、ハブが作られた後、ハブの空間によって第2のチューブを受け入れるステップをさらに含む。
【0049】
任意選択的には、本方法は、接着剤を使用して第2のチューブをハブに取り付けるステップをさらに含む。
【0050】
他のおよび更なる態様および特徴は、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図面は、実施形態の設計および実用性を示しており、それら図面において、同様の要素には共通の符号が付されている。それら図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。上記および他の利点と目的が如何にして得られのるかをより良く理解するために、実施形態をより具体的に述べることとする。それらは添付の図面に示されている。それら図面は、単なる例示的な実施形態を示しており、よって、特許請求の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
図1図1は、いくつかの実施形態に係るハブを製造するための金型システムの透視図を示し、特に、金型、2つのコアピンおよびスペーサツールを有する金型システムを示している。
図2図2は、図1の金型の実線の図を示している。
図3図3は、図1のスペーサツールを示している。
図4図4は、図1の金型システムを用いて製造されたハブの内側部分を示している。
図5図5は、図1の金型システムを使用して製造されたハブを示し、特に、ハブから取り外される前のスペーサツールの位置を示している。
図6図6は、図1の金型システムを使用して製造されたハブを示し、特に、ハブからスペーサツールが取り外される様子を示している。
図7図7は、図1の金型システムを使用して製造されたハブを示し、特に、スペーサツールがハブから取り外された後に第2のチューブがハブに取り付けられる様子を示している。
図8図8は、図1の金型システムを用いて医療デバイスを製造する方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照しながら様々な実施形態を説明する。なお、図面は縮尺通りに描かれておらず、同様の構造または機能の要素は、図面全体を通して同じ符号によって表されていることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、または本発明の範囲の限定として意図されるものではない。さらに、図示の実施形態は、示されたすべての態様または利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合でも、あるいはそのように明示的に説明されていない場合でも、他の任意の実施形態において実施することが可能である。
【0053】
図1および図2は、いくつかの実施形態に係るカテーテルのハブを製造するための金型システム100の透過図および実線図をそれぞれ示している。金型システム100は、金型102と、第1のコアピン112と、第2のコアピン114と、スペーサツール120とを含む。
【0054】
金型102は、第1のコアピン112の一部を収容するように構成された第1のスロット132と、第2のコアピン114の一部を収容するように構成された第2のスロット134と、スペーサツール120の一部を収容するように構成された第3のスロット136とを含む。また、金型102は、金型102から製造されるハブの形状を規定する金型キャビティ138も含む。このため、金型キャビティ138は、製造されるハブの形状に対応する形状を有する。図示のように、金型102は、カテーテルのハブを製造するために、材料を金型102の金型キャビティ138内に送達するように構成された送達チャネル140も含む。
【0055】
第1のコアピン112は、形成されるハブの第1のルーメンとなる金型キャビティ138内の空間を占めるように構成され、第2のコアピン114は、形成されるハブの第2のルーメンとなる金型キャビティ138内の空間を占めるように構成されている。本明細書で使用する場合、「コアピン」という用語は、金型キャビティ138内の空間を占有することができる任意の物体であって、金型キャビティ138内の材料が当該物体の周りを流れ、それにより所望の形状または形態を作り出すことができるような、物体を指している。「コアピン」という用語は、特定の形状を有する物体に限定されるものではなく、ピン構成を有する物体に決して限定されるものではない。第1のコアピン112は、端部セクション150と、中間セクション152と、ルーメン規定セクション154とを含む。同様に、第2のコアピン114は、端部セクション160と、中間セクション162と、ルーメン規定セクション164とを含む。
【0056】
第1のコアピン112の中間セクション152は、使用中に金型102のスロット132内に適合するように構成されている(例えば、サイズおよび/または形状が設定されている)。第1のコアピン112の中間セクション152は、第1のコアピン112が第1のスロット132に対して横方向に動くのを阻止するように、第1のスロット132の表面に当接している。同様に、第2のコアピン114の中間セクション162は、使用中に金型102のスロット134内に適合するように構成されている(例えば、サイズおよび/または形状が設定されている)。第2のコアピン114の中間セクション162は、第2のコアピン114が第2のスロット134に対して横方向に動くのを阻止するように、第2のスロット134の表面に当接している。
【0057】
第1のコアピン112の端部セクション150は、第1のコアピン112が金型102に対して長手方向に(第1のコアピン112の軸に沿って)動くのを防止するように構成される。具体的に、コアピン112の端部セクション150の断面寸法は、第1のスロット132のサイズよりも大きい。これにより、第1のコアピン112の端部セクション150が金型102の開口部156内に収容された状態で、第1のコアピン112の端部セクション150が金型102の外面に当接することができる。同様に、第2のコアピン114の端部セクション160は、第2のコアピン114が金型102に対して長手方向に(第2のコアピン114の軸に沿って)動くのを防止するように構成されている。具体的に、第2のコアピン114の端部セクション160の断面寸法は、第2のスロット134のサイズよりも大きい。これにより、第2のコアピン114の端部セクション160が金型102の開口部166内に収容された状態で、第2のコアピン114の端部セクション160が金型102の外面に当接することができる。
【0058】
図1および図2に示すように、第1のコアピン112の中間セクション152は、金型102の第1のスロット132に配置されると、第1のコアピン112のルーメン規定セクション154を金型キャビティ138の内面から離して配置する。これにより、第1のコアピン112のルーメン規定セクション154と金型キャビティ138の内面との間に間隔が形成される。このため、材料が金型キャビティ138内に送られると、材料は、第1のコアピン112のルーメン規定セクション154の周囲を流れて、ハブのための第1のルーメンを形成することになる。同様に、第2のコアピン114の中間セクション162は、金型102の第2のスロット134に配置されると、第2のコアピン114のルーメン規定セクション164を金型キャビティ138の内面から離して配置する。これにより、第2のコアピン114のルーメン規定セクション164と金型キャビティ138の内面との間に間隔が生じる。このため、材料が金型キャビティ138内に送られると、材料は、第2のコアピン114のルーメン規定セクション164の周囲を流れて、ハブのための第2のルーメンを形成することになる。
【0059】
他の実施形態では、第1のコアピン112が、端部セクション150を含まなくてもよく、また、第2のコアピン114が、端部セクション160を含まなくてもよい。その代わりに、例えば、第1のコアピン112の中間セクション152は、第1のコアピン112が金型102に対して長手方向に動くのを阻止するために、先細のプロファイルを有することができる。同様に、他の実施形態では、第2のコアピン114の中間セクション162は、第2のコアピン114が金型102に対して長手方向に動くのを阻止するために、先細のプロファイルを有することができる。
【0060】
更なる実施形態では、第1のコアピン112および第2のコアピン114は、金型102の一部として作製されるものであってもよい。そのような場合、第1のコアピン112、第2のコアピン114および金型102は、一体的な構成を有する。第1のコアピン112のルーメン規定セクション154と第2のコアピン114のルーメン規定セクション164は、金型102の金型キャビティ138内に配置される。
【0061】
図3は、いくつかの実施形態に係るスペーサツール120を示している。スペーサツール120は、第1の端部200と、第2の端部202と、第1の端部200と第2の端部202との間に延在する本体210とを含む。スペーサツール120は、第1の端部200から第2の端部202まで延びる本体210内のルーメン212も含む。スペーサツール120の本体210は、3つのセクション230、232、234と、端部セクション236とを有する。第1のセクション230は、第1の外側断面寸法を有し、第2のセクション232は、第2の外側断面寸法を有し、第3のセクション234は、第3の外側断面寸法を有する。図示の実施形態において、第3のセクション234の第3の外側断面寸法は、第2のセクション232の第2の外側断面寸法より大きく、第2のセクション232の第2の外側断面寸法は、第1のセクション230の第1の外側断面寸法より大きい。また、図示の実施形態では、第1のセクション230、第2のセクション232および第3のセクション234が、それぞれ円形の断面を有している。このため、第1の外側断面寸法、第2の外側断面寸法および第3の外側断面寸法は、それぞれの第1の外径、第2の外径および第3の外径である。他の実施形態では、第1のセクション230、第2のセクション232または第3のセクション234が、他の断面形状を有することができる。
【0062】
図1図4に示すように、スペーサツール120のルーメン212は、ハブがオーバーモールドされる第1のチューブ300を収容するようなサイズとなっている。ルーメン212は、スペーサツール120の本体210の全長に沿って均一な断面を有する。また、スペーサツール120の第1のセクション230は、第1のチューブ300の外側断面寸法よりも大きい外側断面寸法を有している。この構成により、ハブにキャビティ(ハブキャビティ)を形成することができ、キャビティは、内側の第1のチューブ300の外側との間の空間と流体連通するとともに、作られるハブの第2のポートとも流体連通している。スペーサツール120の第2のセクション232は、ハブが第1のチューブ300の上にオーバーモールドされた後、第1のチューブ300の周りに同心に配置される第2のチューブの外側断面寸法に対応する外側断面寸法を有する。図1および図2に示すように、スペーサツール120の第3のセクション234は、金型の第3のスロット136に配置するようなサイズとなっている。特に、スペーサツール120の第3のセクション234は、第3のスロット136の表面に当接している。この構成は、スペーサツール120が金型102に対して横方向に動くのを防止する。
【0063】
スペーサツール120の端部セクション236は、スペーサツール120が金型102に対して長手方向に(スペーサツール120の長手方向軸に沿って)動くのを阻止するように構成されている。具体的に、スペーサツール120の端部セクション236の断面寸法は、第3のスロット136のサイズよりも大きい。これにより、スペーサツール120の端部セクション236が金型102の開口部158(図1および図2に示す)内に収容されている状態で、スペーサツール120の端部セクション236が金型102の外面に当接することができる。
【0064】
他の実施形態では、スペーサツール120は、端部セクション236を含まなくてもよい。例えば、代わりに、スペーサツール120の第3のセクション234は、スペーサツール120が金型102に対して長手方向に動くのを阻止するために先細プロファイルを有することができる。
【0065】
金型システム100を使用してハブを製造している間、第1のコアピン112および第2のコアピン114は、先ず、図1に示すような金型102に対するそれらの作動位置に配置される。また、第1のチューブ300は、スペーサツール120のルーメン212内に挿入されて、スペーサツール120を通って延びる。第1のチューブ300を有するスペーサツール120は、図1に示すような金型102に対する作動位置に配置される。図示の実施形態では、第1のコアピン112のルーメン規定セクション154が、第1のチューブ300の端部302内に挿入するようなサイズに設定された端部を有する。この構成により、ハブ材料は、ルーメン規定セクション154の周囲を流れ、第1のチューブ300の端部302の先端開口部の周囲のエッジまで流れ、それにより、第1のチューブ300の先端開口部の周囲のエッジに対して滑らかな移行部を形成することができる。また、図1図3に示すように、スペーサツール120の第1の端部200は、第1のコアピン112まで完全に延びず、それにより、第1のチューブ300の露出領域420が残される。この露出領域420は、金型キャビティ138内に送られたハブ材料が第1のチューブ300に接触して、第1のチューブ300の上にオーバーモールドすることを可能にする。図1および図2から分かるように、スペーサツール120の第1の端部200は、第2のコアピン114の端部を越えて延在している。これにより、キャビティが第2のコアピン114により形成されるポートのルーメンと流体連通するように、ハブ内にキャビティを形成することができる。この態様は、図4を参照しながらさらに説明する。
【0066】
次に、ハブを形成するのに使用される材料が、金型120のチャネル140を介して金型102の金型キャビティ138内に送り込まれる。ハブ材料は、第1のコアピン112のルーメン規定セクション154の周囲、第2のコアピン114のルーメン規定セクション164の周囲、第1のチューブ300の露出領域420の周囲、そしてスペーサツール120の周囲に流れることになる。ハブ材料が硬化した後、金型102、第1のコアピン112、第2のコアピン114およびスペーサツール120は、第1のチューブ300の上にオーバーモールドされた作製されたハブから取り外される。
【0067】
ここで図4を参照すると、作製されたハブ400の内部が示されている。図示のように、ハブ400は、(作製されたハブ400から取り外された)第1のコアピン112のルーメン規定セクション154によって規定された第1のルーメン411を有する第1のポート410を含む。また、ハブ400は、(作製されたハブ400から取り外された)第2のコアピン114のルーメン規定セクション164によって規定された第2のルーメン413を有する第2のポート412を含む。
【0068】
また、図4に示すように、第1のチューブ300は、成形プロセス中にスペーサツール120によって覆われていなかった露出領域420を有するため、ハブ400の材料402は、露出領域420の周囲を流れることができ、第1のチューブ300の露出領域420と接触することができた。これにより、ハブ400を第1のチューブの露出領域420にオーバーモールドして、ハブ400を第1のチューブ300の露出領域420に固着することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1のチューブ300の露出領域420が、任意選択的には、第1のチューブ300の壁の外面に結合されたスリーブを含むことができる。スリーブは、成形プロセス中に発生する熱、例えば第1のチューブ300を取り囲む高温材料からの熱により、第1のチューブ300の壁が損傷を受けるのを保護することができる。
【0070】
図4に示す例示的な実施形態では、ルーメン411と第1のチューブ300の内面との間の移行が、滑らかな移行を有している。これにより、ステントのような物質を、閉塞または制限することなく、ルーメン411から第1のチューブ300内に送り込むことができる。場合によっては、ステントを患者の中に遠位方向に送達するために、第1のチューブ300を使用することができる。他の場合には、ステント(例えば、患者から取り外されたステント)をルーメン411内に近位方向に移送するために、第1のチューブ300を使用することができる。
【0071】
また、図4は、ハブ400内に形成されたキャビティ430を示している。キャビティ430は、第1のチューブ300の一部を取り囲み、第2のポート412のルーメン413と流体連通している。キャビティ430は、成形プロセス中にスペーサツール120の第1のセクション230の周囲を流れたハブ材料402によって規定されている。ハブ400が形成された後、スペーサツール120が取り除かれ、それにより、第1のチューブ300の一部の周囲にキャビティ430が残され、キャビティの壁が第1のチューブ300から離間される。ハブ400のキャビティ430の長手方向の長さは、スペーサツール120の第1のセクション230の長さに対応している(例えば、等しい)。
【0072】
上述したように、成形プロセス中、スペーサツール120の第1の端部200は、第2のコアピン114の端部を越えて延びる。これにより、キャビティが第2のコアピン114により形成されたポートのルーメンと流体連通するように、ハブ内にキャビティを形成することができる。この態様は、ハブ400内のキャビティ430を示す図4において見ることができ、キャビティ430は、(成形プロセス中に第2のコアピン114によって規定された)ルーメン413を僅かに越えて延在している。(キャビティ430を規定する)スペーサツール120の第1のセクション230は、第2のコアピン114の端部を過ぎた位置Aで終わるため、得られるキャビティ430と得られるルーメン413は互いに流体連通することになる。
【0073】
図4に示すように、形成されたハブ400は、第2のチューブ450を受け入れるためのチューブ受け入れセクションとして機能する空間440も含む。この空間440は、キャビティ430よりも大きい。何故なら、空間440は、(キャビティ430を規定する)第1のセクション230よりも大きな外側断面寸法を有するスペーサツール120の第2のセクション232によって規定されるからである。具体的に、成形プロセス中、ハブ材料402はスペーサツール120の第2のセグメント232の周囲を流れ、それが、空間440となる領域を占める。また、ハブ材料402は、スペーサツール120の第1のセグメント230の周囲にも流れ、それがキャビティ430となる空間を占める。スペーサツール120の第2のセクション232は第1のセクション230より大きいため、第2のチューブ450を受け入れるための空間440もキャビティ430より大きい。図示のように、ハブ400が形成された後、第2のチューブ450が空間440に挿入される。第2のチューブ450は、接着物(例えば、接着剤、エポキシなど)またはメカニカルコネクタを用いて、ハブ400に機械的に取り付けることができる。第2のチューブ450は、第1のチューブ300の周囲に同心円状に配置され、第2のチューブ450の内面と第1のチューブ300の外面が空間を規定する。
【0074】
ハブ400を使用して第2のポート412を介して遠位方向に物質を送達する場合、物質は、ハブ400の第2のポート412を通って送られて、ルーメン413を通って移動する。物質は、ハブ材料402によって規定されたキャビティ430内に送り込まれる。その後、物質は、キャビティ430内から第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間440に移動する。
【0075】
ハブ400を使用して第2のポート412を介して近位方向に物質を送達する場合、物質は、第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間440を通って近位方向に移動する。その後、物質は、ハブ材料402によって規定されたキャビティ430内に入り、ルーメン413内に移動する。その後、物質は、第2のポート412から出る。
【0076】
図示の実施形態では、第2のチューブ450の内側断面寸法が、第1のチューブ300の外側断面寸法よりも大きく、それにより第1のチューブ300と第2のチューブ450との間に空間が形成されている。場合によっては、第2のチューブ450の内側断面寸法が、キャビティ430の断面寸法と等しくてもよい。これは、第2のチューブ450の内側断面寸法と、スペーサツール120の第1のセクション230の(キャビティ430を規定するための)外側断面寸法とを、互いに等しくすることによって達成することができる。他の場合、第2のチューブ450の内側断面寸法は、キャビティ430の断面寸法よりも大きくてもよい。これは、第2のポート412からキャビティ430内に送達される物質(遠位方向に移動する物質)が、閉塞または制限なく、第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間に移動することを保証する利点を有する。更なる態様では、第2のチューブ450の内側断面寸法は、キャビティ430の断面寸法よりも小さくてもよい。これは、第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間内から送達される物質(近位方向に移動する物質)が、閉塞または制限なく、キャビティ430内に移動することを保証する利点を有する。
【0077】
第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間440は、ポート412から患者に物質(例えば、洗浄流体、薬剤など)を送達するために使用することができる。追加的または代替的には、第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間440は、物質(例えば、洗浄流体、生体サンプルなど)を患者から除去するために使用することができる。また、いくつかの実施形態では、第1のチューブ300と第2のチューブ450との間の空間440は、(ハブ400を含む)医療デバイスの遠位端にあるバルーンを膨らませるべく膨張流体を送達するために、かつ/またはバルーンを収縮させるべくバルーンから膨張流体を除去するために使用することもできる。
【0078】
図5は、形成されて、金型102およびコアピン112、114が取り外されたハブ400を示している。しかしながら、スペーサツール120はまだ取り外されていない。スペーサツール120の第1のセクション230、第2のセクション232および第3のセクション234のそれぞれの位置は、ハブ400との関係で見ることができる。スペーサツール120の端部セクション236は、明瞭にするために示されていない。ハブ400の内部に形成された第1および第2のルーメン411、413も示されている。ハブ400内の第1のルーメン411は、第1のチューブ300と流体連通している。第2のルーメン413は、スペーサツール120の第1のセクション230の外面で終わっている。
【0079】
図6は、図5のハブ400を示し、特に、スペーサツール120が取り外される様子を示している。
【0080】
図7は、図5のハブ400を示し、特に、スペーサツール120が完全に取り外された後に、第2のチューブ450がハブ400に取り付けられる様子を示している。スペーサツール120の第1のセクション230によって以前に占められたキャビティ(ハブキャビティ)430も示されている。キャビティ430は、ハブ400内の第2のルーメン413と流体連通しており、ハブ400の材料402によって規定されている。また、キャビティ430は、第1のチューブ300の外面と第2のチューブ450の内面との間に規定される図4の空間440とも流体連通している。図示のように、第2のチューブ450の端部700は、キャビティ430内に延びることができない。これは、スペーサツール120の第1のセクション230によって形成されたキャビティ430が、スペーサツール120の第2のセクション232によって形成された空間(ここでは、第2のチューブ450を受け入れている空間)よりも小さな断面寸法を有しているためである。
【0081】
本明細書に記載のハブ形成技術は、任意のカテーテルのための任意のハブを形成するために使用することができる。例えば、上述した技術を使用して、カテーテルチューブの2つのチューブルーメンと連通する2つの近位ポートを含むYハブを形成することができる。他の実施形態では、上述した技術を使用して、3つ以上のポートと、3つ以上のカテーテルチューブルーメンとそれぞれ流体連通する3つ以上のハブルーメンとを有するハブを形成することができる。例えば、他の実施形態では、スペーサツール120が、内側の第1のチューブ300を取り囲む1または複数の追加のチューブのための1または複数のチューブ受け入れ空間を規定するように構成された1または複数の追加のセクションを含むことができる。そのような場合、金型システム100は、1または複数のチューブ受け入れ空間と流体連通するそれぞれのハブチューブルーメンを規定するための対応する1または複数の追加のコアピンを含むことができる。
【0082】
上記実施形態で示したように、金型システム100、および金型システム100を使用してハブを形成する技術は、チューブ(カテーテルチューブ)と流体連通する2つのポートおよび2つのそれぞれのハブルーメンをハブに提供しながらハブを容易に形成することができるため、有利である。また、得られたハブは、チューブの内壁とハブルーメンの内面との間の滑らかな移行部を有するため、有利である。
【0083】
図8は、医療デバイスを製造する方法800を示している。本明細書で使用されるように、「医療デバイス」という用語は、医療用のデバイスの1または複数のコンポーネント、または製造された完成デバイス自体を指す場合がある。例えば、医療デバイスは、ハブ、ハブおよびそれに取り付けられた1または複数のチューブを有するカテーテルのコンポーネント、またはカテーテル自体であってもよい。本方法800は、金型のスロットによってスペーサツールを保持するステップを含み、金型が金型キャビティを有する(項目802)。また、本方法800は、第1のチューブが金型に対して固定位置にある間に、スペーサツールのルーメンによって第1のチューブの一部を収容するステップも含み、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるときに、第1のチューブのある領域が、金型キャビティの内側であってスペーサツールの外側にあり、第1のチューブの端部が、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と係合し、スペーサツールが、スペーサツールが金型のスロットによって保持されるときに金型キャビティ内に位置する第1のセクションを備え、スペーサツールの第1のセクションが、形成されるハブの内部で第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成され、第1のチューブの一部が、第1のチューブの前記領域と異なる(項目804)。本方法800は、金型キャビティによって材料を受け入れるステップをさらに含む(項目806)。
【0084】
任意選択的には、本方法800は、金型によって第1のコアピンを保持するステップをさらに含み、第1のコアピンが、ハブ内に形成される第1のルーメンを規定するように構成される。
【0085】
任意選択的には、本方法800は、第1のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0086】
任意選択的には、本方法800は、金型によって第2のコアピンを保持するステップをさらに含む。
【0087】
任意選択的には、本方法800は、第2のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0088】
任意選択的には、本方法800では、第2のコアピンが、ハブ内に形成される第2のルーメンを規定するように構成される。
【0089】
任意選択的には、本方法800では、ハブが作製された後に、第2のルーメンが、キャビティと流体連通する。
【0090】
任意選択的には、本方法800は、ハブのための硬化した材料を得るために、材料の硬化プロセスを受けるステップをさらに含む。
【0091】
任意選択的には、本方法800では、硬化した材料が、第1のチューブの領域と接触し、第1のチューブの一部の周りに空間を形成する。
【0092】
任意選択的には、本方法800では、第1のチューブの領域が、第1のチューブの壁に結合されたスリーブを備える。
【0093】
任意選択的には、本方法800は、スペーサツールによって、ハブに形成される空間を規定するステップをさらに含み、空間が、第2のチューブを収容するようなサイズに設定されている。
【0094】
任意選択的には、本方法800では、スペーサツールによって規定される空間が、キャビティの断面寸法より大きい断面寸法を有する。
【0095】
任意選択的には、本方法800は、ハブが作られた後に、ハブの空間によって第2のチューブを受け入れるステップをさらに含む。
【0096】
任意選択的には、本方法800は、接着剤を使用して第2のチューブをハブに取り付けるステップをさらに含む。
【0097】
以下の項目は、本明細書に記載の実施形態の例示的な特徴である。各項目は、実施形態自体であっても、あるいは実施形態の一部であってもよい。以下に記載の1または複数の項目は、ある実施形態において他の1または複数の項目と組み合わされるものであってもよい。
【0098】
項目1:医療デバイスは、第1のチューブルーメンを有する第1のチューブと、第2のチューブルーメンを有する第2のチューブであって、第1のチューブの周囲に配置された第2のチューブと、第1のポート、第2のポート、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するハブであって、第1のルーメンは、第1のポートから延びて、第1のチューブの第1のチューブルーメンと流体連通しており、第2のルーメンは、第2のポートから延びて、ハブ内のキャビティと流体連通している、ハブとを備え、ハブは、ある材料から作られ、キャビティは、ハブの材料によって規定されるとともに、第1のチューブと第2のチューブとの間の空間と流体連通している。
【0099】
項目2:医療デバイスにおいて、キャビティ(ハブキャビティ)は、第1のチューブの周囲に配置されている。
【0100】
項目3:医療デバイスにおいて、キャビティの長さの大部分は、第2のチューブの端部と(ハブの第2のポートと流体連通する)第2のルーメンとの間に位置する。
【0101】
項目4:医療デバイスにおいて、キャビティ(ハブキャビティ)の一部は、ハブの第2のルーメンを越えて近位方向に延びている。
【0102】
項目5:医療デバイスにおいて、ハブの第1のルーメンおよびハブの第2のルーメンは、ハブの材料によって規定されている。
【0103】
項目6:医療デバイスにおいて、ハブの第1のルーメンの内面は、第1のチューブルーメンを規定する第1のチューブの内壁に対して滑らかな移行部を有する。
【0104】
項目7:医療デバイスにおいて、第1のチューブは、ハブ内に配置される長さを有する。
【0105】
項目8:医療デバイスは、第1のチューブとハブの材料との間に配置されたスリーブをさらに含み、ハブは、スリーブを介して第1のチューブに結合されている。
【0106】
項目9:医療デバイスにおいて、ハブの材料は、第2のチューブを受け入れるための空間を規定している。
【0107】
項目10:医療デバイスにおいて、空間は、キャビティ(ハブキャビティ)の断面寸法より大きい断面寸法を有する。
【0108】
項目11:医療デバイスにおいて、ハブは、第1のチューブの一部の周囲に形成されている。
【0109】
項目12:医療デバイスにおいて、第2のチューブは、ハブに機械的に固定されている。
【0110】
項目13:医療デバイスにおいて、第2のチューブは、接着剤を介してハブに機械的に固定されている。
【0111】
項目14:医療デバイスにおいて、第1のチューブのチューブルーメンは、ステントを送達するようなサイズに設定されている。
【0112】
項目15:医療デバイスは、バルーンをさらに含み、第1のチューブと第2のチューブとの間の空間は、バルーンの内部空間と流体連通している。
【0113】
項目16:医療デバイスを製造するための金型システムは、材料を受け入れるための金型キャビティを有する金型と、第1のルーメン規定セクションを有する第1のコアピンであって、第1のルーメン規定セクションが、金型キャビティ内に位置するか、または金型キャビティ内に配置されるように構成された、第1のコアピンと、第2のルーメン規定セクションを有する第2のコアピンであって、第2のルーメン規定セクションが、金型キャビティ内に位置するか、または金型キャビティ内に配置されるように構成された、第2のコアピンと、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるときに、第1のチューブを収容するサイズに設定されたルーメンを有するスペーサツールとを備え、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブの端部が第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションと係合し、スペーサツールが、金型の金型キャビティ内に配置されるように構成された第1のセクションを備え、スペーサツールの第1のセクションが、第1のチューブの外側断面寸法よりも大きい第1の外側断面寸法を有する。
【0114】
項目17:金型システムにおいて、スペーサツールの第1のセクションは、第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションと当接している。
【0115】
項目18:金型システムにおいて、スペーサツールの第1のセクションの端部は、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と第2のコアピンの第2のルーメン規定セクションの端部との間に長手方向に位置する。
【0116】
項目19:金型システムにおいて、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブの領域はスペーサツールの外側にある。
【0117】
項目20:金型システムにおいて、スペーサツールの第1のセクションは、形成される医療デバイスのハブの内側で第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成されている。
【0118】
項目21:金型システムにおいて、スペーサツールは、第1のセクションの第1の外側断面寸法よりも大きい第2の外側断面寸法を有する第2のセクションをさらに備える。
【0119】
項目22:金型システムにおいて、スペーサツールの第2のセクションは、第2のチューブを収容するための空間を規定するように構成されている。
【0120】
項目23:金型システムにおいて、スペーサツールの第2のセクションの第2の外側断面寸法とスペーサツールの第1のセクションの第1の外側断面寸法との間の差は、第2のチューブの壁厚の2倍よりも大きい。
【0121】
項目24:金型システムにおいて、金型はスロットを備え、スペーサツールは、金型のスロット内に配置されるように構成された第3のセクションをさらに備え、スロットは、金型に対するスペーサツールの横方向の動きを防止するように構成されている。
【0122】
項目25:金型システムにおいて、スペーサツールは、金型に対するスペーサツールの長手方向の動きを防止するように構成された端部セクションをさらに含む。
【0123】
項目26:金型システムにおいて、金型は、第1のコアピンを保持するための第1のスロットと、第2のコアピンを保持するための第2のスロットとを含む。
【0124】
項目27:金型システムにおいて、第1のスロットは、金型に対する第1のコアピンの横方向の動きを防止するように構成され、第2のスロットは、金型に対する第2のコアピンの横方向の動きを防止するように構成されている。
【0125】
項目28:金型システムにおいて、第1のコアピンは、第1の中間セクションを含み、第1のスロットは、第1のコアピンの第1の中間セクションを保持するように構成され、第2のコアピンは、第2の中間セクションを含み、第2のスロットは、第2のコアピンの第2の中間セクションを保持するように構成されている。
【0126】
項目29:金型システムにおいて、第1のコアピンは、金型に対する第1のコアピンの長手方向の動きを防止するように構成された第1の端部セクションを備え、第2のコアピンは、金型に対する第2のコアピンの長手方向の動きを防止するように構成された第2の端部セクションを備える。
【0127】
項目30:医療デバイスを製造する方法は、金型のスロットでスペーサツールを保持するステップであって、金型が金型キャビティを有する、ステップと、第1のチューブが金型に対して固定位置にある間に、第1のチューブの一部をスペーサツール内のルーメンにより収容するステップとを備え、第1のチューブが金型に対して固定位置にあるとき、第1のチューブのある領域が、金型キャビティの内側であってスペーサツールの外側にあり、第1のチューブの端部が、第1のコアピンの第1のルーメン規定セクションの端部と係合し、スペーサツールが、金型のスロットによって保持されるときに金型キャビティ内に位置する第1のセクションを備え、スペーサツールの第1のセクションが、形成されるハブの内部で第1のチューブの一部の周りに周方向に形成されるキャビティを規定するように構成され、第1のチューブの一部が、第1のチューブの前記領域と異なり、本方法はさらに、金型キャビティによって材料を受け入れるステップを備える。
【0128】
項目31:本方法は、金型によって第1のコアピンを保持するステップをさらに含み、第1のコアピンが、ハブ内に形成される第1のルーメンを規定するように構成される。
【0129】
項目32:本方法は、第1のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0130】
項目33:本方法は、金型によって第2のコアピンを保持するステップをさらに含む。
【0131】
項目34:本方法は、第2のコアピンが金型に対して長手方向に動くのを防止するステップをさらに含む。
【0132】
項目35:本方法において、第2のコアピンは、ハブ内に形成される第2のルーメンを規定するように構成される。
【0133】
項目36:本方法において、ハブが製造された後に、第2のルーメンは、キャビティと流体連通する。
【0134】
項目37:本方法は、ハブのための硬化した材料を得るために、材料の硬化プロセスを受けるステップをさらに含む。
【0135】
項目38:本方法において、硬化した材料は、第1のチューブの領域と接触し、第1のチューブの一部の周囲の空間を形成する。
【0136】
項目39:本方法において、第1のチューブの領域は、第1のチューブの壁に結合されたスリーブを含む。
【0137】
項目40:本方法は、スペーサツールによって、ハブに形成される空間を規定するステップをさらに含み、空間が、第2のチューブを収容するサイズに設定されている。
【0138】
項目41:本方法において、スペーサツールによって規定される空間は、キャビティの断面寸法よりも大きい断面寸法を有する。
【0139】
項目42:本方法は、ハブが作製された後に、ハブの空間によって第2のチューブを受け入れるステップをさらに含む。
【0140】
項目43:本方法は、接着剤を使用して第2のチューブをハブに取り付けるステップをさらに含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】