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特表2022-547285表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
G09G3/20 623A
G09G3/20 670N
G09G3/20 680G
G09G3/20 670D
G09G3/20 633P
G09G3/20 611Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514674
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2019112598
(87)【国際公開番号】W WO2021042457
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】201910844322.7
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林立堂
【テーマコード(参考)】
5C080
【Fターム(参考)】
5C080BB05
5C080DD09
5C080DD28
5C080JJ02
5C080JJ03
(57)【要約】
表示ドライバーチップ(100)、表示パネル(200)、表示設備(10)およびシステムは、表示技術の分野に属する。表示ドライバーチップ(100)は、表示設備(10)の表示パネル(200)に駆動電圧信号を出力する複数の駆動出力端outl~outNと、少なくとも1つの第1接続端子(110)とを備え、第1接続端子(110)が表示設備(10)におけるシステム電圧端子と接続され、システム電圧端子が表示ドライバーチップ(100)の外部に位置する。各駆動出力端outl~outNは、表示設備(10)への電源入れまたは電源切りのとき、第1接続端子(110)と接続し、表示パネル(200)を所定方式で表示するように制御する。起動、シャットダウン時の表示パネルの異常表示を防止し、表示ドライバーチップの再設計を行うことなく、異なる表示設備の要求に対して、起動、シャットダウン時の表示パネルの表示内容を変更する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動出力端と、少なくとも1つの第1接続端子とを備え、
前記複数の駆動出力端は、表示設備の表示パネルに駆動電圧信号を出力するように構成され、
前記少なくとも1つの第1接続端子は、前記表示設備のシステム電圧端子と接続するように構成され、前記システム電圧端子が前記表示ドライバーチップの外部に位置し、
各前記駆動出力端は、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのとき、前記第1接続端子と接続し、前記表示パネルを所定方式で表示するように制御する
ことを特徴とする表示ドライバーチップ。
【請求項2】
前記システム電圧端子は、回路基板に位置し、前記回路基板が、前記表示ドライバーチップを制御するように構成され、
前記回路基板は、前記第1接続端子と接続するように構成される第2接続端子を備え、前記第2接続端子は、システム部品を介して前記システム電圧端子と接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項3】
前記システム部品は、抵抗、配線構造またはインダクタを含むことを特徴とする請求項2に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項4】
前記抵抗は、ゼロオーム抵抗であることを特徴とする請求項3に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項5】
前記回路基板は、複数の前記システム電圧端子を備え、各前記システム電圧端子のそれぞれと前記第2接続端子との間に部品パッケージが設置され、該部品パッケージが、前記システム部品を取り付けるように構成され、該システム電圧端子が、前記部品パッケージにおける前記システム部品を介して前記第2接続端子と電気的に導通され、
前記回路基板における1つの前記部品パッケージに前記システム部品が取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項6】
前記表示ドライバーチップは、前記複数の駆動出力端のそれぞれと対応に接続する複数の前記第1接続端子を備え、前記複数の駆動出力端が、それぞれ1つの第1スイッチデバイスを介して対応する前記第1接続端子と接続し、
前記第1スイッチデバイスは、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのときにオンにされ、前記表示設備が正常に表示する場合にオフにされる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項7】
前記表示ドライバーチップは、各前記駆動出力端と接続する1つの第1接続端子を備え、
前記複数の駆動出力端が、1つの第2スイッチデバイスを介して前記第1接続端子と接続し、
前記第2スイッチデバイスは、前記表示設備の電源入れまたは電源切りのときにオンにされ、前記表示設備が正常に表示する場合にオフにされる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項8】
前記第1接続端子は、前記表示設備の電源入れまたは電源切りのとき、前記表示ドライバーチップの内部電圧端子と接続する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項9】
前記内部電圧端子は、接地端であることを特徴とする請求項8に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項10】
前記システム電圧端子は、接地端、共通電圧端または電源端である
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップの駆動出力端と接続する
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項12】
表示パネルと、請求項1~11のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップとを備える
ことを特徴とする表示設備。
【請求項13】
前記表示ドライバーチップの複数の駆動出力端は、配線構造により前記表示ドライバーチップの外部に位置するシステム電圧端子と接続する
ことを特徴とする請求項12に記載の表示設備。
【請求項14】
請求項12または13に記載の表示設備を備える表示システムであって、前記表示システムが前記表示設備でデータ表示を行う
ことを特徴とする表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月6日に中国専利局に提出された出願番号が201910844322.7であり、名称が「表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステム」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術の分野に属し、具体的に、表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
表示システムにおいて、ドライバーチップは、フロントエンドシステムから得られたビデオデータに基づいて、表示パネルを表示するように制御する。起動するとき、外部電源を入れ、フロントエンドシステムのビデオデータがドライバーチップに到着するまで、ドライバーチップは、表示パネルの正常表示を制御することができない。また、外部電源を切り、表示パネルに残存する電荷が適時に排出されないと、シャットダウンするとき表示パネルの異常表示が発生してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示パネルの起動、シャットダウン時の正常表示を制御するため、一部の表示設備のドライバーチップに対して対応の回路が設計されたが、この方式には欠陥がある。
【0005】
本開示は、表示ドライバーチップおよび表示設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の実施例は、下記のように実現される。
【0007】
第1局面として、本開示は、表示ドライバーチップを提供し、前記表示ドライバーチップは、
複数の駆動出力端と、少なくとも1つの第1接続端子とを備え、
前記複数の駆動出力端は、表示設備の表示パネルに駆動電圧信号を出力するように構成され、
前記少なくとも1つの第1接続端子は、前記表示設備のシステム電圧端子と接続するように構成され、前記システム電圧端子が前記表示ドライバーチップの外部に位置し、
各前記駆動出力端は、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのとき、前記第1接続端子と接続し、前記表示パネルを所定方式で表示するように制御する。
【0008】
選択可能な実施形態において、前記システム電圧端子は、回路基板に位置し、前記回路基板が、前記表示ドライバーチップを制御するように構成され、
前記回路基板は、前記第1接続端子と接続するように構成される第2接続端子を備え、前記第2接続端子は、システム部品を介して前記システム電圧端子と接続する。
【0009】
選択可能な実施形態において、前記システム部品は、抵抗、配線構造またはインダクタを含む。
【0010】
選択可能な実施形態において、前記表示ドライバーチップは、前記複数の駆動出力端のそれぞれと対応に接続する複数の前記第1接続端子を備え、前記複数の駆動出力端が、それぞれ1つの第1スイッチデバイスを介して対応する前記第1接続端子と接続し、
前記第1スイッチデバイスは、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのときにオンにされ、前記表示設備が正常に表示する場合にオフにされる。
【0011】
選択可能な実施形態において、前記表示ドライバーチップは、各前記駆動出力端と接続する1つの第1接続端子を備え、前記複数の駆動出力端が、1つの第2スイッチデバイスを介して前記第1接続端子と接続し、
前記第2スイッチデバイスは、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのときにオンにされ、前記表示設備が正常に表示する場合にオフにされる。
【0012】
選択可能な実施形態において、前記第1接続端子は、前記表示設備への電源入れまたは電源切りのとき、前記表示ドライバーチップの内部電圧端子と接続する。
【0013】
選択可能な実施形態において、前記内部電圧端子は、接地端である。
【0014】
選択可能な実施形態において、前記システム電圧端子は、接地端、共通電圧端または電源端である。
【0015】
第2局面として、本開示は、第1局面における実施形態のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップの駆動出力端と接続する表示パネルを提供する。
【0016】
第3局面として、本開示は、表示パネルと、上記の実施形態のいずれか1項に記載の表示ドライバーチップとを備える表示設備を提供する。
【0017】
選択可能な実施形態において、前記表示ドライバーチップの複数の駆動出力端は、配線構造によりシステム電圧端子と接続する。
【0018】
第4局面として、本開示は、第3局面における実施形態のいずれか1項に記載の表示設備を備える表示システムを提供し、前記表示システムが前記表示設備でデータ表示を行う。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の技術案をより明瞭に説明するため、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示の一部の実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに、他の関連図面を得ることが可能である。
図1】本開示に係る表示設備の模式的ブロック図である。
図2】本開示に係る表示ドライバーチップの模式的構成図である。
図3】本開示に係る他の表示ドライバーチップの模式的構成図である。
図4】本開示に係る他の表示ドライバーチップの模式的構成図である。
図5図4に示した表示ドライバーチップと回路基板との接続状態を示す模式図である。
図6図4に示した表示ドライバーチップと回路基板との他の接続状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
起動、シャットダウンする際の表示設備の表示パネルの画面の異常表示を防止するため、通常、表示ドライバーチップに対応の回路を設置することにより、起動、シャットダウンする際に、表示パネルを特定の方式で表示するように制御する。表示ドライバーチップが作製できたあと、表示ドライバーチップに設置される回路も確定され、相応に、起動、シャットダウンする際の表示設備の表示パネルの表示内容も定められる。
【0021】
しかし、実際の応用において、表示設備によっては、起動、シャットダウンする際の表示パネルの表示内容に対する要求が異なり、または、表示設備におけるシステムアプリケーションが変化する場合、起動、シャットダウンする際の表示設備の表示パネルの表示内容をそれに応じて変化させる要求もある。起動、シャットダウンする際の表示パネルの表示内容を変更するには、表示ドライバーチップを再設計し、すなわち、表示ドライバーチップの改版を行う必要があるため、開発期間が長くなってしまう。
【0022】
少なくとも上記の問題の一部を改善するため、本開示は、表示ドライバーチップに対する再設計や修正を行うことなく、起動、シャットダウンする際の表示設備の表示パネルの表示内容の変更を実現できる、表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステムを提供する。
【0023】
上記の欠陥は、実践および慎重な研究を通じて得たものであり、したがって、上記の問題の発見および下記の本開示における上記の問題に対して提出した解决案は、貢献があるものとみなされるべきである。
【0024】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、以下、本開示の実施例に用いられる図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明瞭かつ完全に説明する。説明される実施例は本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは無論である。ここで図面を用いて示した本開示の実施例における部品は、様々な配置方法で配置、設計することが可能である。
【0025】
このため、以下の図面に示された本開示の実施例に対する詳細な説明は、本開示の選択された実施例にすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例も、本開示の保護範囲に属する。
【0026】
なお、同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。
【0027】
図1は、表示設備10の模式的ブロック図を示す。表示設備10は、表示ドライバーチップ100と、表示パネル200と、表示ドライバーチップ100を制御するように構成される回路基板300とを備え、回路基板300が表示ドライバーチップ100と電気的に接続し、表示ドライバーチップ100が表示パネル200と電気的に接続する。例示的に、回路基板300は、プリント回路基板(Printed circuit board、PCB)であってもよい。
【0028】
回路基板300は、表示ドライバーチップ100の動作に必要な信号、例えば、ビデオデータ、電圧信号および他の制御信号などを提供するように構成される。なお、回路基板300において、他のデバイスを制御するように構成される他の回路がさらに集積されてもよく、本実施例では、これに対して限定しない。
【0029】
図2は、本開示に係る表示ドライバーチップ100を示す。
表示ドライバーチップ100は、複数の駆動出力端と、少なくとも1つの第1接続端子110とを備える。前記複数の駆動出力端は、例えば、図2に示したout1、out2、...、outN(Nを正の整数とする)の合計N個の駆動出力端であってもよい。表示ドライバーチップ100は、回路基板300から入力されたビデオデータに基づいて、前記N個の駆動出力端を、表示パネル200に駆動電圧信号を出力するように制御する。表示パネル200は、受信した駆動電圧信号に基づいて表示する。
【0030】
各前記駆動出力端は、表示設備10への電源入れおよび電源切りのとき、前記第1接続端子110と接続する。本実施例において、各前記駆動出力端は、スイッチアッセンブリ120を介して第1接続端子110と接続することができる。この場合、表示ドライバーチップ100は、スイッチアッセンブリ120を制御するように構成される制御回路をさらに備えてもよい。
【0031】
一実施形態において、制御回路は、表示設備10への電源入れおよび電源切りを直接検出することができ、表示設備への電源入れおよび電源切りが検出された場合、スイッチアッセンブリ120を導通制御するように構成される。他の実施形態において、制御回路は、表示設備10の電源を監視することができるように構成される。表示設備10の電源がオンになったと検出された場合、表示設備10へ電源を入れたと判断し、スイッチアッセンブリ120を導通制御するようにし、表示設備10の電源がオフになったと検出された場合、表示設備10の電源を切ったと判断し、スイッチアッセンブリ120を導通制御するようにする。
【0032】
上記の2つの実施形態において、制御回路は、表示設備10が正常に表示することが検出された場合、スイッチアッセンブリ120をオフにするように構成されてもよい。
【0033】
制御回路は、表示ドライバーチップ100に入力されたビデオデータを検出した場合、表示設備10が正常表示状態にあると判断する。
【0034】
なお、表示ドライバーチップ100は、起動時にフロントエンドシステムにより提供されるビデオデータを取得できないため、表示パネル200を正常表示するように駆動できない。このため、フロントエンドシステムにより提供されるビデオデータが到着したとき、表示ドライバーチップ100が該ビデオデータに基づいて表示パネル200を駆動するように、スイッチアッセンブリ120をオフにする必要がある。シャットダウン時に、表示パネル200は、その内部のエネルギー蓄積素子に蓄積されたエネルギーを利用して表示し、エネルギー蓄積素子に蓄積されたエネルギーのすべてが放出されたとき、表示パネル200が表示しないようになる。
【0035】
本実施例において、前記少なくとも1つの第1接続端子110は、表示設備10におけるシステム電圧端子と接続するように構成され、前記システム電圧端子が、表示ドライバーチップ100の外部に位置する。
【0036】
生産プロセスにおいて、作製した表示ドライバーチップは、表示設備に取り付けられ、表示設備の内部の制御デバイスと電気的に接続し、この過程において、起動、シャットダウンする際の表示設備10の表示内容に対する要求に基づいて、各第1接続端子110を表示設備における対応のシステム電圧端子に選択的に接続することができる。
【0037】
例えば、起動、シャットダウンする際に表示設備10の表示パネル200を全画面黒表示に保つ必要がある場合、各第1接続端子110を表示設備10の接地端(GND)と接続する。また、起動、シャットダウンする際に表示設備10の表示パネル200に特定の階調値のグレースケール画像を表示させる必要がある場合、該特定の階調値に基づいて、表示ドライバーチップ100の駆動出力端により出力される電圧を特定し、これによって、第1接続端子110をこのような電圧を提供できるシステム電圧端子に接続する。
【0038】
上記の設計をもとに、第1接続端子110と、表示設備10における、表示ドライバーチップ100の外部に位置するシステム電圧端子との接続関係を変更することにより、起動、シャットダウンする際の表示パネル200の表示内容を制御することができ、このようにして、起動、シャットダウンする際の表示パネル200の異常表示を防止できるとともに、表示ドライバーチップ100に対する再設計や修正を行うことなく、起動、シャットダウンする際の表示パネル200の表示内容を変更して異なる表示設備の要求に対応することができる。異なる表示設備に対して表示ドライバーチップ100に対して再設計や修正を行う必要がないため、開発期間を短縮し、開発効率を向上させる。
【0039】
本実施例において、前記システム電圧端子は、表示設備10における、表示ドライバーチップ100と異なる任意の回路基板に位置してもよい。表示ドライバーチップ100を表示設備10に取り付けるとき、表示ドライバーチップ100のいくつかのピンを上記の回路基板300と接続する必要があるので、前記システム電圧端子は、回路基板300におけるシステム電圧端子であってもよく、例えば、回路基板300におけるGND、共通電圧端(VCOM)または電源端(HVDD)などであってもよい。
【0040】
本実施例において、表示ドライバーチップ100において、1つの第1接続端子110、または前記複数の駆動出力端のそれぞれに対応する複数の第1接続端子110が設置されてもよい。
【0041】
図3は、表示ドライバーチップ100においてN個の駆動出力端out1~outNのそれぞれに対応するN個の第1接続端子110が設置された場合の模式図である。この場合、スイッチアッセンブリ120は、複数の第1スイッチデバイス121を備え、前記N個の駆動出力端は、それぞれ1つの第1スイッチデバイス121を介して1つの対応する第1接続端子110と接続する。
【0042】
各前記第1スイッチデバイス121は、制御回路により統括的に制御され、表示設備10への電源入れまたは電源切りのときにオンにされ、表示設備10が正常に表示する場合にオフにされる。
【0043】
図4は、表示ドライバーチップ100において第1接続端子110が1つだけ設置された場合の模式図である。表示ドライバーチップ100のN個の駆動出力端out1~outNは、それぞれ1つの第1スイッチデバイス121を介して同一のノードに接続される。図4に示すように、ノードOは、1つの第2スイッチデバイス122を介して第1接続端子110に接続される。スイッチアッセンブリ120は、N個の第1スイッチデバイス121と、1つの第2スイッチデバイス122とを備える。第2スイッチデバイス122およびN個の第1スイッチデバイス121は、いずれも制御回路により制御される。
【0044】
本実施例において、起動、シャットダウンする際の表示設備10の表示内容に対する要求に基づいて、表示ドライバーチップ100の第1接続端子110を回路基板300における1つのシステム電圧端子に接続することができる。一実施形態において、対応する回路を回路基板300に設置することにより実現することができる。
【0045】
具体的に、図5は、図4に示した表示ドライバーチップ100と回路基板300との接続状態を示す模式図である。回路基板300は、第2接続端子310と、前記システム電圧端子とを備え、第1接続端子110と第2接続端子310とが接続する。つまり、表示ドライバーチップ100の複数の駆動出力端が、順に第1接続端子110、第2接続端子310を介して回路基板300における対応するシステム電圧端子に接続し、例えば、図6に示したシステム電圧端子A、システム電圧端子Bのうちの1つに接続してもよい。なお、システム電圧端子Aおよびシステム電圧端子Bのほか、回路基板300に1つまたは複数の他のシステム電圧端子がさらに設置され、前記複数の駆動出力端が順に第1接続端子110、第2接続端子310を介して前記他のシステム電圧端子のうちの1つに接続してもよく、本実施例では、これに対して限定しない。
【0046】
前記システム電圧端子は、システム部品を介して第2接続端子310と接続することができる。例示的に、前記システム部品は、抵抗、配線構造またはインダクタなどであってもよく、本実施例では、これに対して限定しない。
【0047】
1つの例において、回路基板300は、複数のシステム電圧端子を備え、回路基板300における各前記システム電圧端子のそれぞれと第2接続端子310との間に部品パッケージを設置してもよく、該部品パッケージが、システム部品の外観とパッドの位置を示すように構成される。
【0048】
部品パッケージは、例えば、抵抗を取り付けるように構成される抵抗パッケージ、インダクタを取り付けるように構成されるインダクタパッケージであってもよい。システム電圧端子および第2接続端子310は、部品パッケージに取り付けられるシステム部品を介して電気的に導通される。実施では、第1接続端子110が接続するシステム電圧端子に基づいて、該システム電圧端子に対応する部品パッケージに部品を取り付けることができる(すなわち、対応するシステム部品、例えば、抵抗またはインダクタを取り付ける)。
【0049】
本実施例において、回路基板300における1つの部品パッケージに、対応するシステム部品が取り付けられる。
【0050】
図5は、第2接続端子310とシステム電圧端子との間に抵抗パッケージが設置された場合の模式図を例示的に示す。
【0051】
ここで、システム電圧端子Aと第2接続端子310との間に1つの抵抗パッケージが設置され、該抵抗パッケージが、抵抗R1を取り付けるように構成される。該抵抗パッケージに抵抗R1が取り付けられる場合、システム電圧端子Aと第2接続端子310とが抵抗R1を介して電気的に導通される。また、システム電圧端子Bと第2接続端子310との間に1つの抵抗パッケージが設置され、該抵抗パッケージが、抵抗R2を取り付けるように構成される。該抵抗パッケージに抵抗R2が取り付けられる場合、システム電圧端子Bと第2接続端子310とが抵抗R2を介して電気的に導通される。
【0052】
例示的に、第1接続端子110がシステム電圧端子Aと接続する場合、該システム電圧端子Aに対応する抵抗パッケージに抵抗を取り付ける(すなわち、抵抗R1を取り付ける)。
【0053】
本実施例において、前記複数の駆動出力端の電圧と、接続したシステム電圧端子の電圧とをほぼ同じにするために、前記抵抗パッケージに取り付けられる抵抗は、ゼロオーム抵抗であってもよい。
【0054】
なお、実際の応用において、一部の表示設備は、起動、シャットダウンする際の表示パネルの表示内容に対して要求がなく、表示パネルの各画素の表示一致性を確保できればよい。つまり、表示ドライバーチップの各駆動出力端の電位を一致にするように確保できればよい。このような表示要求も本開示に係る表示ドライバーチップおよび表示設備により実現することができる。例えば、任意の1つの部品パッケージにシステム部品を取り付けず、すなわち、前記複数の部品パッケージにシステム部品が取り付けられず、第2接続端子310が任意のシステム電圧端子と接続しない。複数の駆動出力端は、同一の端子に接続されるため、それらの電位がほぼ同じである。
【0055】
なお、上記の例における抵抗パッケージの代わりに、インダクタを取り付けるように構成されるインダクタパッケージを用いてもよい。
【0056】
他の実施形態では、表示設備の生産プロセスにおいて、COF(Chip On Film)技術を利用して表示ドライバーチップ100を回路基板300に接続する必要があることを考慮した。本実施例において、表示ドライバーチップ100を回路基板300に接続する過程において、表示ドライバーチップ100の第1接続端子110と回路基板300の特定システム電圧端子との間に配線することにより、配線構造で第1接続端子110を回路基板300の該特定システム電圧端子に接続する。ここで、前記配線構造は、フィルム(Film)配線構造であってもよい。
【0057】
任意選択で、図6に示すように、前記第1接続端子110は、前記表示設備10への電源入れまたは電源切りのとき、表示ドライバーチップ100の内部電圧端子(例えば、図6における電圧端子C)と接続してもよい。具体的に、スイッチアッセンブリ120は、第3スイッチデバイス123をさらに備えてもよく、第1接続端子110が第3スイッチデバイス123を介して前記内部電圧端子と接続する。前記第3スイッチデバイス123は、制御回路により制御され、表示設備10への電源入れまたは電源切りの場合にオンにされ、表示設備10が正常に表示する場合にオフにされる。
【0058】
このため、表示ドライバーチップ100の内部電圧端子により、起動、シャットダウンする際の表示設備10の表示パネル200の表示内容を制御することができる。
【0059】
任意選択で、前記内部電圧端子は、例えば、GNDであってもよい。表示パネル200における画素ユニットは、駆動出力端を介してGNDと接続し、これによって、表示設備10の電源を切ると、表示パネル200におけるエネルギー蓄積素子に迅速に電荷を排出させることができる。
【0060】
本実施例において、表示設備10は、他の各種の外部設備またはアッセンブリと組み合わせて使用することができる。これをもとに、本実施例は、表示設備10と制御アッセンブリとを備える表示システムをさらに提供し、前記制御アッセンブリが、表示設備10に表示対象データを提供するとともに、表示設備10を制御して前記表示対象データを表示させるように構成される。ここで、前記制御アッセンブリは、例えば、ビデオカード、メインフレーム、中央処理装置などのような、データ制御機能を備える任意の設備またはアッセンブリであってもよく、本実施例では、これに対して限定しない。
【0061】
上記のように、本開示に係る表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステムは、表示設備における、表示ドライバーチップの外部に位置するシステム電圧端子と接続するための少なくとも1つの第1接続端子を設置し、表示設備への電源入れまたは電源切りのときに、駆動出力端を1つの第1接続端子と接続するように構成されることにより、表示設備の表示パネルを所定方式で表示するように制御する。したがって、第1接続端子とシステム電圧端子との接続関係を変更することにより、起動、シャットダウンする際の表示設備の表示パネルの表示内容を制御することができる。また、起動、シャットダウンする際の表示パネルの異常表示を防止できるとともに、表示ドライバーチップに対する再設計や修正を行うことなく、異なる表示設備に対して、起動、シャットダウンする際の表示パネルの表示内容を変更することができるので、開発期間を短縮し、開発効率を向上させる。
【0062】
本開示の説明において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものに過ぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではないと理解すべきである。
【0063】
本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「設置」、「取付」、「連係」、「接続」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0064】
なお、矛盾がない限り、本開示の実施例における特徴を相互組み合わせることができる。上記記載は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲がこれらに限定されない。当業者は、本開示に開示された技術範囲内で行った如何なる変更または置換も本開示の保護範囲内に属する。このため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示に係る表示ドライバーチップ、表示パネル、設備およびシステムは、起動、シャットダウンする際の表示パネルの異常表示を防止できるとともに、表示ドライバーチップに対する再設計を行うことなく、異なる表示設備に対して、起動、シャットダウンする際の表示パネルの表示内容を変更することができるので、開発期間を短縮し、開発効率を向上させる。
【符号の説明】
【0066】
10 表示設備
100 表示ドライバーチップ
110 第1接続端子
120 スイッチアッセンブリ
121 第1スイッチデバイス
122 第2スイッチデバイス
123 第3スイッチデバイス
200 表示パネル
300 回路基板
310 第2接続端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】