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特表2022-547292フラバノン誘導体及び甘味増強剤としてのフラバノン誘導体の使用
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  • 特表-フラバノン誘導体及び甘味増強剤としてのフラバノン誘導体の使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】フラバノン誘導体及び甘味増強剤としてのフラバノン誘導体の使用
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20221104BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514785
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2020074497
(87)【国際公開番号】W WO2021043842
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/896,017
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19200701.1
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エリック フルロ
(72)【発明者】
【氏名】ティム ヴェルネ
(72)【発明者】
【氏名】イヴ ロッタ
(72)【発明者】
【氏名】カースティン シュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】プリティ ジャー
(72)【発明者】
【氏名】ダッタトレヤ バナヴァラ
【テーマコード(参考)】
4B047
【Fターム(参考)】
4B047LB08
4B047LB09
4B047LF07
4B047LG05
4B047LG37
4B047LP01
(57)【要約】
本開示は、フラバノン誘導体類及び甘味増強剤としてのそれらの使用を一般に提供する。いくつかの態様において、本開示は、かかるフラバノン誘導体を含む特定の組成物、例えばかかるフラバノン誘導体及び1つ以上の他の甘味料を含む組成物を含む組成物を提供する。他のいくつかの態様において、本開示は、甘味製品の、例えば甘味食品又は飲料製品のカロリー含有量を低減する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能な組成物の(a)甘味を増強する、(b)苦味を低減する、又は(c)酸味を低減するためのフレーバー改質化合物の使用であって、式(I)の化合物又はそれらの塩であるフレーバー改質化合物の使用:
【化1】
[式中、
1は、水素原子、-OH、又は-O-R1Aであり、
1Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR1Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
2は、水素原子、-OH、又は-O-R2Aであり、
2Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR2Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
3は、-OH、又は-O-R3Aであり、
3Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR3Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
4は、水素原子、-OH、又は-O-R4Aであり、
4Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR4Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5は、-OH、-O-R5A、又は-O-C(O)-R5Bであり、
5Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR5Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5Bは、-H、又は-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであり、
6及びR7は、独立して、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、及び-O-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、かつ
nは、0、1、2、又は3である]。
【請求項2】
4が水素原子である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
5が-O-C(O)-R5Bである、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
5Bが非置換のC1-6 アルキルである、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
1及びR2が-OHである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
3が-OHである、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
m及びnが0である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
フレーバー改質化合物が、式(Ib)
【化2】
の化合物又はそれらの塩である、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
フレーバー改質化合物が、式(Id)
【化3】
の化合物又はそれらの塩である、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
フレーバー改質化合物が、摂取可能な組成物の全質量に対して1ppm~50ppmの範囲の濃度で摂取可能な組成物に存在する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
摂取可能な組成物の甘味を増強するための、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
摂取可能な組成物が、あらゆるステビオールグリコシドを含まない、請求項1から11までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
摂取可能な組成物が、甘味料を含む、請求項1から12までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、スクラロース、キシリトール、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
天然に生じない組成物であり、かつ200ppm以下の濃度でフレーバー改質化合物を含む摂取可能な組成物であって、フレーバー改質化合物が、式(I)の化合物又はそれらの塩である、摂取可能な組成物:
【化4】
[式中、
1は、水素原子、-OH、又は-O-R1Aであり、
1Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR1Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
2は、水素原子、-OH、又は-O-R2Aであり、
2Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR2Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
3は、-OH、又は-O-R3Aであり、
3Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR3Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
4は、水素原子、-OH、又は-O-R4Aであり、
4Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR4Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5は、-OH、-O-R5A、又は-O-C(O)-R5Bであり、
5Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR5Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5Bは、-H、又は-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6 アルキルであり、
6及びR7は、独立して、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、及び-O-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、かつ
nは、0、1、2、又は3である]。
【請求項16】
さらに、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、キシリトール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の甘味料を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
フレーバー改質化合物が、式(Ib)
【化5】
の化合物又はそれらの塩である、請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
フレーバー改質化合物が、式(Id)
【化6】
の化合物又はそれらの塩である、請求項15又は16に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/896,017号明細書、及び2019年10月1日に出願された欧州特許出願公開第19200701.1号明細書の優先権の利益を主張し、双方の全記載内容は参照をもってその全体を本明細書に組み込まれたものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、フラバノン誘導体類及び甘味増強剤としてのそれらの使用を一般に提供する。いくつかの態様において、本開示は、かかるフラバノン誘導体を含む特定の組成物、例えばかかるフラバノン誘導体及び1つ以上の他の甘味料を含む組成物を含む組成物を提供する。他のいくつかの態様において、本開示は、甘味製品の、例えば甘味食品又は飲料製品のカロリー含有量を低減する方法を提供する。
【0003】
関連技術の説明
味覚システムは、外界の化学組成物についての感覚情報を提供する。味覚伝達は、動物における化学的に誘発される感覚のより精巧な形態の1つである。味覚のシグナル伝達は、単純な後生動物から最も複雑な脊椎動物まで、動物界全体で見出される。哺乳動物は、甘味、苦味、酸味、塩味、及びうま味の5つの基本的な味覚様式を有すると考えられている。
【0004】
甘さは、砂糖が豊富な食品を食べた場合に最も一般的に知覚される味である。哺乳動物は、一般的に、過剰な場合を除いて、甘さを嬉しい感覚であると認識する。カロリー甘味料、例えばスクロース及びフルクトースは、甘味物質のプロトタイプの例である。種々のノンカロリー及び低カロリーの代替品が存在するが、これらのカロリー甘味料は、食料品が消費時に甘味の知覚を誘発することによる主要な手段である。
【0005】
代謝障害及び関連する状態、例えば肥満、糖尿病、及び心血管疾患は、世界中の主要な公衆衛生上の懸念事項である。そして、それらの有病率は、ほぼ全ての先進国において驚くべき速度で増加している。カロリー甘味料は、消費者にと対してより美味なものにするために種々のパッケージ食品及び飲料製品に含まれるため、この傾向の主な要因である。多くの場合に、ノンカロリー又は低カロリーの代替品が、スクロース又はフルクトースに代えて食品及び飲料において使用されうる。そうであっても、これらの化合物は、カロリー甘味料とは異なる甘味を付与し、かつ多くの消費者は、それらを適切な代替品と見なしていない。さらに、かかる化合物は、特定の製品中に組み込むことが難しいことがある。場合により、それらをカロリー甘味料の部分的な代替品として使用してよいが、それらが存在するだけで、多くの消費者は、渋味、苦味、金属の味、及びカンゾウの味を含む不快な異味を知覚しうる。したがって、低カロリー甘味料は、その採用に対して一定の課題に直面している。
【0006】
甘味の強化は、低カロリー甘味料が直面するいくつかの選択の課題を克服するための代替アプローチを提供する。かかる化合物は、それらの甘味を増強するためにスクロース又はフルクトースと組み合わせて使用でき、それにより種々の食品又は飲料製品においてより少ない量のかかるカロリー甘味料の使用を可能にする。しかし、一次甘味料の知覚される甘味を増強することに加えて、かかる化合物は、やはり甘味料の知覚される味を変える。したがって、多くの消費者は、より高いカロリーを有する増強されていない代替品と比較して、かかる甘味を増強した製品を消費することに対してより不快であることを見出す。したがって、消費者がかかる甘味料を含む製品を食べる又は飲むことで経験する喜びを損なうような方法で知覚される味を変えることなく、カロリー甘味料の甘味を増強する化合物を発見する必要があり続ける。
【0007】
要約
本開示は、特定の化合物が、甘味を増強ために有効な量で一次甘味料と組み合わせた場合に、望ましい驚くべき甘味増強効果を示すという発見に関する。
【0008】
第1の態様において、本開示は、式(I)の化合物又はそれらの塩であるフレーバー改質化合物を提供する:
【化1】
[式中、
1は、水素原子、-OH、又は-O-R1Aであり、
1Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR1Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
2は、水素原子、-OH、又は-O-R2Aであり、
2Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR2Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
3は、-OH、又は-O-R3Aであり、
3Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR3Aは、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
4は、水素原子、-OH、又は-O-R4Aであり、
4Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR4Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5は、-OH、-O-R5A、又は-O-C(O)-R5Bであり、
5Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR5Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5Bは、-H、又は-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6 アルキルであり、
6及びR7は、独立して、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、及び-O-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、かつ
nは、0、1、2、又は3である]。
【0009】
第2の及び関連する態様において、本開示は、式(Ia)
【化2】
の化合物又はそれらの塩である、フレーバー改質化合物を提供する。
【0010】
第3の及び関連する態様において、本開示は、式(Ic)
【化3】
の化合物又はそれらの塩である、フレーバー改質化合物を提供する。
【0011】
第4の態様において、本開示は、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0012】
第5の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘さを増強するための、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、カロリー甘味料を含む。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、ノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高甘味度甘味料である。
【0013】
第6の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の酸味を低減するための、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0014】
第7の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するための、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0015】
第8の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘さを増強するための摂取可能な組成物の製造における、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、カロリー甘味料を含む。そのいくつかの他の実施形態において、摂取可能な組成物は、ノンカロリー甘味料を含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、高甘味度甘味料である。
【0016】
第9の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の酸味を低減するための摂取可能な組成物の製造における、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0017】
第10の態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するための摂取可能な組成物の製造における、第1の態様から第3の態様のいずれかのフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0018】
第11の態様において、本開示は、摂取可能な組成物に第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物のある量(例えば甘味増強効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の甘味を増強する方法を提供する。
【0019】
第12の態様において、本開示は、摂取可能な組成物に第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物のある量(例えば酸味低減効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の酸味を低減する方法を提供する。
【0020】
第13の態様において、本開示は、摂取可能な組成物に第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物のある量(例えば苦味低減効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の苦味を低減する方法を提供する。
【0021】
第14の態様において、本開示は、乾燥質量に対して(例えば、あらゆる液体キャリヤーの質量を除いた組成物の合計質量に対して)組成物の少なくとも50質量%までを構成する第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物を含む組成物を提供する。
【0022】
第15の態様において、本開示は、組成物の合計質量に対して、固体状組成物の少なくとも50質量%を構成する第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物を含む固体状組成物を提供する。
【0023】
第16の態様において、本開示は、第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物を含む摂取可能な組成物であって、摂取可能な組成物中の第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物の濃度が、200ppm以下である、摂取可能な組成物を提供する。
【0024】
第17の態様において、本開示は、1000ppm以下のステビオールグリコシド、モグロシド、又はそれらの官能化誘導体(化学的又は酵素的に官能化された誘導体を含む)を含む、第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。いくつかのさらなる実施形態において、摂取可能な組成物は、1000ppm以下のステビオールグリコシドを含む。
【0025】
第18の態様では、本開示は、カロリー甘味料、例えばスクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリスリトール、又はそれらの組み合わせを含む、第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物を含む摂取可能な組成物を提供する。
【0026】
第19の態様において、本開示は、第1の態様から第3の態様のいずれかの化合物と甘味料とを含む濃縮した甘味組成物を提供する。
【0027】
第20の態様において、本開示は、前記5つの態様のいずれかの組成物を含む、フレーバー付与した製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与した製品は、飲料製品、例えばソーダ、フレーバーウォーター、及び茶などである。いくつかの実施形態において、フレーバー付与した製品は、食品、例えばヨーグルトである。
【0028】
第21の態様において、本開示は、3位で置換されていないフラバノンを準備すること、及びフラバノンと酵素とを接触させて3位でフラバノンを官能化することを含む、第1の態様から第3の態様の化合物の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、さらなる官能化を実施する。
【0029】
さらなる態様、及びその実施形態は、以下の詳細な説明、図面、要約、及び特許請求の範囲に記載される。
【0030】
以下の図面は、本明細書において開示される組成物及び方法の種々の実施形態を説明する目的で提供される。図面は、例示のみを目的として提供されており、好ましい組成物もしくは好ましい方法を説明すること、又は特許請求される発明の範囲に対する任意の制限の源として役立つことを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本明細書において開示される化合物(又はその塩)の制限のない例を示す化学式を示し、式中、R1及びR2は、独立して水素原子、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、グルクロネート、又はサッカリジルオキシ(例えば、フラノース部分もしくはピラノース部分を含み、かつグリコシド結合によりフラバノンコア構造に連結した単糖、二糖、三糖など)であり、R3は、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、グルクロネート、又はサッカジルオキシ(例えば、R1及びR2について前記したもの)であり、R4は、水素原子、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、グルクロネート、又はサッカジルオキシ(例えば、R1及びR2について前記したもの)であり、R5は、ヒドロキシル、任意に置換されたアルコキシ、グルクロネート、ホルミルオキシ、又は任意に置換されたアルカノイルオキシであり、かつR6及びR7は、任意に前記した置換基である。
【0032】
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明は、本明細書において提供される種々の態様及び実施形態を説明する。説明は、関連技術における当業者の観点から読まれるべきである。したがって、かかる当業者に周知である情報は必ずしも含まれていない。
【0033】
定義
以下の用語及び語句は、本明細書において特に規定されない限り、以下に示す意味を有する。本開示は、本明細書において明確に定義されていない他の用語及び語句を使用してもよい。かかる他の用語及び語句は、当業者に対する本開示の記載内容内でそれらが持ちうる意味を有する。ある場合において、用語又は語句は、単数形又は複数形で定義されうる。かかる場合に、特に反対の指示がない限り、単数形の任意の用語は、その複数形の対照物を含んでよく、その逆であってよいことが理解される。
【0034】
本明細書において使用される場合に、「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と本明細書において記載される1つ以上の化合物との相互作用によって形成される化合物を意味する。いくつかの実施形態において、溶媒和物は、摂取可能に許容される溶媒和物、例えば水和物である。
【0035】
本明細書において使用される場合に、「Ca~C」又は「Ca-b」(ここで「a」及び「b」は整数である)は、特定の基における炭素原子の数をいう。すなわち、この基は、炭素原子を「a」~「b」個まで含むことができる。したがって、例えば「C1~C4アルキル」基又は「C1-4アルキル」基は、炭素原子1~4個を有する全てのアルキル基、すなわちCH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH32CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-及び(CH33C-をいう。
【0036】
本明細書において使用される場合に、「ハロゲン」又は「ハロ」は、元素の周期表の第17族の放射性安定性原子のいずれか1つ、例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。いくつかの実施形態において、「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素又は塩素をいう。
【0037】
本明細書において使用される場合に、「アルキル」は、完全に飽和している(すなわち二重結合又は三重結合を含まない)直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、アルキル基は、炭素原子1~20個を有する(本明細書においてみられる場合に、「1~20」のような数値範囲は、所与の範囲内のそれぞれの整数をいう:例えば、「炭素原子1~20個」は、アルキル基は、炭素原子1個、炭素原子2個、炭素原子3個など、炭素原子20個までからなってよいことを意味するが、本定義では、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の存在も対象となる。)。アルキル基は、炭素原子1~9個を有する中型のアルキルであってもよい。アルキル基は、炭素原子1~4個を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基を、「C1-4アルキル」又は同様の名称として表してよい。単なる一例として、「C1-4アルキル」は、アルキル鎖に炭素原子1~4個があることを示し、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルからなる群から選択される。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含むが、これらに制限されない。反対に示されない限り、「アルキル」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0038】
本明細書において使用される場合に、「置換されたアルキル」は、独立して以下から選択された1つ以上の置換基で置換されたアルキル基を意味する;C1~C6アルケニル、C1~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~Cハロアルキル、及びC~Cハロアルコキシで置換されている)、アリール(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、アリールオキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、C3~C7カルボシクリルオキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-オキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、5~10員環ヘテロアリールオキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルコキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-C1~C6-アルコキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、アリール(C1~C6)アルコキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(C1~C6)アルコキシ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、C3~C7カルボシクリルチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-チオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、5~10員環ヘテロアリール-チオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキルチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-C1~C6-アルキルチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、アリール(C1~C6)アルキルチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(C1~C6)アルキルチオ(任意にハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されている)、アミノ、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアノ、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、スルフィニル、スルホニル、及びオキソ(=O)。
【0039】
本明細書において使用される場合に、「アルコキシ」は、式-OR(式中、Rは、前記で定義したようなアルキル基である)の部分を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシなどを含むがこれらに制限されない「C1-9アルコキシ」である。
【0040】
本明細書において使用される場合に、「アルキルチオ」は、式-SR(式中、Rは、前記で定義したようなアルキル基である)の部分を意味し、例えばメチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、1-メチルエチルメルカプト(イソプロピルメルカプト)、n-ブチルメルカプト、イソ-ブチルメルカプト、sec-ブチルメルカプト、tert-ブチルメルカプトなどを含むがこれらに制限されない「C1-9アルキルチオ」である。
【0041】
本明細書において使用される場合に、「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、炭素原子2~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルケニル」という用語の存在もカバーする。アルケニル基は、炭素原子2~9個を有する中型のアルケニルであってもよい。アルケニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルケニルであってもよい。アルケニル基を、「C2-4アルケニル」又は同様の名称として表してよい。単なる一例として、「C1-4アルケニル」は、アルケニル鎖に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、アルケニル鎖はエテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2,-ジエニル、及びブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。典型的なアルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニルなどを含むが、これらに制限されない。反対に示されない限り、「アルケニル」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0042】
本明細書において使用される場合に、「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、炭素原子2~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキニル」という用語の存在もカバーする。アルキニル基は、炭素原子2~9個を有する中型のアルキニルであってもよい。アルキニル基は、炭素原子2~4個を有する低級アルキニルであってもよい。アルキニル基を、「C2-4アルキニル」又は同様の名称として表してよい。単なる一例として、「C2-4アルキニル」は、アルキニル鎖に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、アルキニル鎖は、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、及び2-ブチニルからなる群から選択される。典型的なアルキニル基は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルなどを含むが、これらに制限されない。反対に示されない限り、「アルキニル」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0043】
本明細書において使用される場合に、「ヘテロアルキル」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、鎖骨格において窒素、酸素、及び硫黄を含むがこれらに限定されない炭素以外の元素を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、炭素原子1~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロアルキル」という用語の存在もカバーする。ヘテロアルキル基は、炭素原子1~9個を有する中型のヘテロアルキルであってもよい。ヘテロアルキル基は、炭素原子1~4個を有する低級ヘテロアルキルであってもよい。ヘテロアルキル基を、「C1-4ヘテロアルキル」又は同様の名称として表してよい。ヘテロアルキル基は、1つ以上のヘテロ原子を含んでよい。単なる一例として、「C1-4ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル鎖において炭素原子1~4個及びさらに鎖の骨格において1つ以上のヘテロ原子があることを示す。反対に示されない限り、「ヘテロアルキル」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0044】
本明細書において使用される場合に、「アルキレン」は、2つの結合点(すなわち、アルカンジイル)を介して残りの分子に結合される炭素及び水素のみを含む分枝鎖又は直鎖の完全に飽和したジラジカル化学基を意味する。いくつかの実施形態において、アルキレン基は、炭素原子1~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキレン」という用語の存在もカバーする。アルキレン基は、炭素原子1~9個を有する中型のアルキレンであってもよい。アルキレン基は、炭素原子1~4個を有する低級アルキレンであってもよい。アルキレン基を、「C1-4アルキレン」又は同様の名称として表してよい。単なる一例として、「C1-4アルキレン」は、アルキレン鎖に炭素原子1~4個があることを示し、すなわち、アルキレン鎖は、メチレン、エチレン、エタン-1,1-ジイル、プロピレン、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチル-エチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレン、及び1-エチル-エチレンからなる群から選択される。反対に示されない限り、「アルキレン」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0045】
本明細書において使用される場合に、「アルケニレン」は、炭素及び水素のみを含み、2つの結合点を介して残りの分子に結合される少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分枝鎖のジラジカル化学基を意味する。いくつかの実施形態において、アルケニレン基は、炭素原子2~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルケニレン」という用語の存在もカバーする。アルケニレン基は、炭素原子1~9個を有する中型のアルケニレンであってもよい。アルケニレン基は、炭素原子1~4個を有する低級アルケニレンであってもよい。アルケニレン基を、「C2-4アルケニレン」又は同様の名称として表してよい。単なる一例として、「C2-4アルケニレン」は、アルケニレン鎖に炭素原子2~4個があることを示し、すなわち、アルケニレン鎖は、エテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロプ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブト-1-エニレン、ブト-2-エニレン、ブト-1,3-ジエニレン、ブテン-1,1-ジイル、ブト-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブト-2-エン-1,1-ジイル、ブト-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロプ-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロプ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エテニレン、1,2-ジメチル-エテニレン、1-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペニレン、3-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペン-1,1-ジイル、及び2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイルからなる群から選択される。反対に示されない限り、「アルケニレン」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0046】
本明細書において使用される場合に、「芳香族」は、共役パイ電子系を有する環又は環系を意味し、かつ炭素環式芳香族(例えば、フェニル)及び複素環式芳香族基(例えば、ピリジン)の双方を含む。この用語は、環系全体が芳香族であるという条件で、単環式基又は縮合環多環式基(すなわち、隣接する原子対を共有する環)を含む。
【0047】
本明細書において使用される場に、「アリール」は、環骨格に炭素のみを含む芳香族環又は環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。アリールが環系の場合に、系における全ての環は芳香族である。いくつかの実施形態において、アリール基は、炭素原子6~18個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アリール」という用語の存在もカバーする。いくつかの実施形態において、アリール基は、炭素原子6~10個を有する。アリール基を、「C6-10アリール」、「C6~C10アリール」又は同様の名称として表してよい。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニルを含むが、これらに制限されない。いくつかの実施形態において、「アリール」という用語は、フェニルをいう。反対に示されない限り、「アリール」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0048】
本明細書において使用される場合に、「アリールオキシ」及び「アリールチオ」は、それぞれ、式RO-及びRS-(式中、Rは、前記で定義したようなアリール基である)の部分を意味し、例えば、「C6-10アリールオキシ」又は「C6-10アリールチオ」などであり、フェニルオキシ及びフェニルチオを含むがこれらに制限されない。
【0049】
本明細書において使用される場合に、「アラルキル」又は「アリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたアリール基を意味し、例えば「C7-14アラルキル」などであり、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピルなどを含むが、これらに制限されない。いくつかの実施形態において、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0050】
本明細書において使用される場合に、「ヘテロアリール」は、環骨格において、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、これらに制限されないが窒素、酸素及び硫黄を含む炭素以外の元素を含む芳香族環又は芳香族環系(すなわち、2つの隣接する原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。ヘテロアリールが環系の場合に、系における全ての環は芳香族である。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~18環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロアリール」という用語の存在もカバーする。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~10環員又は5~7環員を有する。ヘテロアリール基は、「5~7員環ヘテロアリール」、「5~10員環ヘテロアリール」又は同様の名称として表してよい。ヘテロアリール環の例は、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾール、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキニニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリル、及びベンゾチエニルを含むが、これらに制限されない。反対に示されない限り、「ヘテロアリール」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0051】
本明細書において使用される場合に、「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたヘテロアリール基を意味する。例として、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキルを含むが、これらに制限されない。いくつかの場合において、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1-4アルキレン基)である。
【0052】
本明細書において使用される場合に、「カルボシクリル」は、環系骨格において炭素原子のみを含む非芳香族環式の環又は環系を意味する。カルボシクリルが環系である場合に、2つ以上の環を、縮合した、架橋した又はスピロ連結した方法で一緒に接合してよい。環系における少なくとも1つの環が芳香族でない限り、カルボシクリルは任意の程度の飽和を有してよい。したがって、カルボシクリルは、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルを含む。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、炭素原子3~20個を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「カルボシクリル」という用語の存在もカバーする。カルボシクリル基は、炭素原子3~10個を有する中型のカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基は、炭素原子3~6個を有するカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基を、「C3-6カルボシクリル」又は同様の名称として表してよい。カルボシクリル環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクル[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、及びスピロ[4.4]ノナニルを含むが、これらに制限されない。反対に示されない限り、「カルボシクリル」という用語は、さらに置換されていない基をいう。
【0053】
本明細書において使用される場合に、「(カルボシクリル)アルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたカルボシクリル基を意味し、例えば「C4-10(カルボシクリル)アルキル」などであり、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルエチル、シクロプロピルイソプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチルなどを含むがこれらに限定されない。いくつかの場合において、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0054】
本明細書において使用される場合に、「シクロアルキル」は、カルボシクリルについて前記した実施形態のいずれかに従った完全に飽和したカルボシクリル環又は環系を意味する。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを含む。
【0055】
本明細書において使用される場合に、「シクロアルケニル」は、環系における環が芳香族ではなく、カルボシクリルについて前記した実施形態のいずれかに従った、少なくとも1つの二重結合を有するカルボシクリル環又は環系を意味する。例はシクロヘキセニルである。
【0056】
本明細書において使用される場合に、「ヘテロシクリル」は、環系骨格において炭素原子のみを含む非芳香族環式の環又は環系を意味する。ヘテロシクリルを、縮合した、架橋した又はスピロ連結した方法で一緒に接合してよい。環系における少なくとも1つの環が芳香族でない限り、ヘテロシクリルは任意の程度の飽和を有してよい。ヘテロ原子は、環系における非芳香族環又は芳香族環のいずれかに存在しうる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、3~20環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含む、環骨格を構成する原子の数)を有するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「ヘテロシクリル」という用語の存在もカバーする。ヘテロシクリル基は、3~10環員を有する中型のヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基は、3~6環員を有するヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基は、「3~6員環ヘテロシクリル」又は同様の名称として表してよい。好ましい6員環の単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子は、O、N又はSのうちの1つから3つまでから選択され、好ましい5員環の単環式ヘテロシクリルにおいて、ヘテロ原子は、O、N又はSから選択される1つ又は2つのヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例は、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソキサゾリニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニル、及びテトラヒドロキノリンを含むがこれらに限定されない。
【0057】
本明細書において使用される場合に、「(ヘテロシクリル)アルキル」は、置換基として、アルキレン基を介して連結されたヘテロシクリル基を意味する。例として、イミダゾリニルメチル及びインドリニルエチルを含むがこれらに制限されない。
【0058】
「アシル」基は、-C(=O)Rをいい、ここで、式中、Rは、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルである。制限のない例は、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルを含む。
【0059】
「O-カルボキシ」基は、「-OC(=O)R」基をいい、ここで、式中、Rは、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0060】
「C-カルボキシ」基は、「-C(=O)OR」基をいい、ここで、式中、Rは、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。制限のない例は、カルボキシル(すなわち-C(=O)OH)を含む。
【0061】
「シアノ」基は「-CN」基をいう。
【0062】
「シアネート」基は「-OCN」基をいう。
【0063】
「イソシアネート」基は「-NCO」基をいう。
【0064】
「チオシアネート」基は「-SCN」基をいう。
【0065】
「イソチオシアネート」基は「-NCS」基をいう。
【0066】
「スルフィニル」基は、「-S(=O)R」基をいい、ここで、式中、Rは、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0067】
「スルホニル」基は、「-SO2R」基をいい、ここで、式中、Rは、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0068】
「S-スルホンアミド」基は、「-SO2NRAB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0069】
「N-スルホンアミド」基は、「-N(RA)SO2B」基をいい、ここで、式中、RA及びRbは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0070】
「O-カルバミル」基は、「-OC(=O)NRAB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0071】
「N-カルバミル」基は、「-N(RA)C(=O)ORB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0072】
「O-チオカルバミル」基は、「-OC(=S)NRAB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0073】
「N-チオカルバミル」基は、「-N(RA)C(=S)ORB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0074】
「C-アミド」基は、「-C(=O)NRAB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0075】
「N-アミド」基は、「-N(RA)C(=O)RB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。
【0076】
「アミノ」基は、「-NRAB」基をいい、ここで、式中、RA及びRBは、それぞれ独立して、本明細書で定義したように、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7カルボシクリル、C6-10アリール、5~10員環ヘテロアリール、及び3~10員環ヘテロシシルから選択される。制限のない例は、遊離アミノ(すなわち-NH2)を含む。
【0077】
「アミノアルキル」基は、アルキレン基を介して連結されたアミノ基をいう。
【0078】
「アルコキシアルキル」基とは、アルキレン基を介して結合したアルコキシ基、例えば「C2-8アルコキシアルキル」などをいう。
【0079】
本明細書において使用される場合に、「グルコシル部分」は、グルコースのヒドロキシル基の1つが、他の原子、官能基、又は部分に結合することによって置き換えられる一価の部分である。特に明記しない限り、グルコースは、任意の適した立体化学を有することができる。したがって、この用語は、D立体化学を有する部分、及びL立体化学を有する部分を含む。さらに、この用語は、α立体化学を有する部分、及びβ立体化学を有する部分を含む。グルコシル部分の炭素原子は、以下に示すように、従来の番号付けに従う。この図は、β-Dグルコースについて示されているが、α及び/又はL立体化学を有するグルコシル部分に対して類似の方法で適用される:
【化4】
【0080】
本明細書において使用される場合に、「グルクロニル部分」は、グルクロン酸のヒドロキシル基の1つが、他の原子、官能基、又は部分に結合することによって置き換えられる一価の部分である。特に明記しない限り、グルクロン酸は、任意の適した立体化学を有することができる。したがって、この用語は、D立体化学を有する部分、及びL立体化学を有する部分を含む。さらに、この用語は、α立体化学を有する部分、及びβ立体化学を有する部分を含む。グルコニル部分の炭素原子は、以下に示すように、従来の番号付けに従う。この図は、β-Dグルコン酸について示されているが、α及び/又はL立体化学を有するグルクロニル部分に対して類似の方法で適用される:
【化5】
【0081】
「C1-6アルキルグルクロニルエステル部分」という用語は、グルクロン酸のカルボン酸基が、カルボン酸基の水素原子の代わりにC1-6アルキル基を有するグルクロニル部分(この段落で定義される)をいう。以下の実施形態のいずれかにおいて、C1-6アルキル部分は、任意の適した価、例えばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、ペンチルなどを有してよい。いくつかの実施形態において、C1-6アルキル部分はメチルである。いくつかの他の実施形態において、C1-6アルキル部分はエチルである。
【0082】
本明細書において使用される場合に、置換基は、1つ以上の水素原子が他の原子又は基に交換された非置換の親基に由来する。特に明記しない限り、基が「置換されている」と見なされる場合に、その基は、以下から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されていることを意味する:C1~C6アルキル、C1~C6アルケニル、C1~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環 ヘテロシシル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環ヘテロシシル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、アリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、アリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシ(C1~C6)アルキル(すなわちエーテル)、アリールオキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、C3~C7カルボシクリルオキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-オキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリールオキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルコキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-C1~C6-アルコキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、アリール(C1~C6)アルコキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(C1~C6)アルコキシ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、C3~C7カルボシクリルチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-チオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリール-チオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキルチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、3~10員環ヘテロシクリル-C1~C6-アルキルチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、アリール(C1~C6)アルキルチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、5~10員環ヘテロアリール(C1~C6)アルキルチオ(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで任意に置換されている)、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアネート、イソシアネート、チオシアネート、イソチオシアネート、スルフィニル、スルホニル、及びオキソ(=O)。基が「任意に置換されている」と記載されている場合に、その基を前記置換基で置換できる。
【0083】
特定のラジカル命名規則は、記載内容に応じて、モノラジカル又はジラジカルのいずれかを含みうることを理解すべきである。例えば、置換基が残りの分子に2つの結合点を必要とする場合に、置換基はジラジカルであることが理解される。例えば、2点の結合を必要とするアルキルとして同定された置換基は、ジラジカル、例えば-CH-、-CHCH-、-CHCH(CH)CH-を含む。他のラジカル命名規則は、ラジカルが、ジラジカル、例えば「アルキレン」又は「アルケニレン」であることを明確に示す。
【0084】
置換基がジラジカルとして示される(すなわち、残りの分子に2つの結合点を有する)場合に、特に明記しない限り、置換基は任意の方向の構成で結合できることが理解されるべきである。したがって、例えば、-AE-又は
【化6】
として示される置換基は、Aが分子の左端の結合点に結合するように、及びAが分子の右端の結合点に結合するように配向された置換基を含む。
【0085】
本明細書における「甘味料」、「甘味フレーバー付与剤」、「甘味フレーバー実体」、又は「甘味化合物」は、対象において検出可能な甘味を誘発する化合物又はその摂取可能な許容される塩をいい、例えばin vitroでT1R2/T1R3受容体を活性化する化合物である。
【0086】
本明細書において使用される場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、記載内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「置換基」への言及は、単一の置換基及び2つ以上の置換基などを包含する。
【0087】
本明細書において使用される場合に、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「例えば、~のように(such as)」、又は「含む(including)」は、より一般的な主題をさらに明確にする例を紹介することを意味する。特に明記しない限り、かかる例は、本開示に示される実施形態を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる方法でも限定することを意味するものではない。また、これらの語句は、開示された実施形態についてあらゆる種類の優先も示さない。
【0088】
本明細書において使用される場合に、「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」又は「から構成される(comprised of)」は、開かれた群をいい、その群は、明示的に記載されたものに加えて追加の構成要素を含むことができることを意味する。例えば、「Aを含む」という語句は、Aが存在する必要があるが、他の構成要素も存在できることを意味する。「含む(include)」、「有する(have)」、及び「から構成される(composed of)」という用語及びそれらの文法上の変形は同一の意味を有する。対照的に、「からなる(consist of)」又は「からなる(consists of)」又は「からなる(consisting of)」は、閉じられた群をいう。例えば、「Aからなる」という語句は、A及びAのみが存在することを意味する。
【0089】
本明細書において使用される場合に、「任意に」は、その後に記載される事象が生じる場合も生じない場合もあることを意味する。いくつかの実施形態において、任意の事象は生じない。他のいくつかの実施形態において、任意の事象は1回以上生じる。
【0090】
本明細書において使用される場合に、「又は」は、その最も広い合理的な解釈が与えられるべきであり、いずれか/又はの構造に限定されるべきではない。したがって、「A又はBを含む」という語句は、Aが存在しBが存在しないこと、Bが存在しAが存在しないこと、又はA及びBが双方とも存在することを意味する。さらに、例えばAが複数の構成要素、例えばA1及びA2を有しうる分類を定義する場合に、該分類の1つ以上の構成要素が同時に存在しうる。
【0091】
本明細書において使用される場合に、「フレーバー改質化合物」という用語は、式(I)の化合物もしくはその塩、又は本明細書に記載のそれらの任意の実施形態をいう。例えば、場合により、「フレーバー改質化合物」という用語は、式(Ia)の化合物をいう。いくつかの場合において、「フレーバー改質化合物」という用語は、式(Ib)の化合物をいう。いくつかの場合において、「フレーバー改質化合物」という用語は、式(Ic)の化合物をいう。いくつかの場合において、「フレーバー改質化合物」という用語は、式(Id)の化合物をいう。
【0092】
本明細書において使用される場合に、単一の原子のみを有する特定の置換基又は連結基は、原子の名前により言及されてよい。例えば、いくつかの場合において、置換基「-H」は「水素」又は「水素原子」といわれてよく、置換基「-F」は「フッ素」又は「フッ素原子」といわれてよく、かつ連結基「-O-」は「酸素」又は「酸素原子」といわれてよい。
【0093】
基の接合点は、通常、ダッシュ(-)又はアスタリスク(*)で示される。例えば、*-CH2-CH3又は-CH2-CH3のような基は双方ともエチル基を表す。
【0094】
化学構造は、しばしば炭素原子が明示的に表示されないように「骨格」形式を使用して表示され、炭素原子に結合している水素原子は完全に省略される。例えば、構造
【化7】
は、ブタン(すなわちn-ブタン)を表す。さらに、芳香族基、例えばベンゼンは、寄与している共鳴構造の1つを示すことによって表される。例えば、構造
【化8】
は、トルエンを表す。
【0095】
フラバノン環上の位置は、「2位」、「3位」などの番号によって参照されうる。これらの用語は、たとえ縮合環構造のさらなる置換が異なる番号の位置に生じてうる場合でも、フラバノンの縮合環構造上の特定の位置をいう。したがって、例えば、カルボニル置換した位置は、いくつかの実施形態において、さらなる置換基の付加が縮合環構造上の4位以外の位置それを生じるかどうかに関係なく、「4位」で生じるといわれる。同様に、縮合環構造上の置換したフェニル置換基の位置は、いくつかの実施形態において、さらなる置換基の付加が縮合環構造上の2位以外の位置それを生じるかどうかに関係なく、「2位」で生じるといわれる。
【0096】
他の用語は、このサブセクションに含まれていないが、この説明の他の部分で定義されている。
【0097】
フラバノン誘導体
第一の態様において、本開示は、式(I)の化合物又はそれらの塩であるフレーバー改質化合物を提供する:
【化9】
[式中、
1は、水素原子、-OH、又は-O-R1Aであり、
1Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR1Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
2は、水素原子、-OH、又は-O-R2Aであり、
2Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR2Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
3は、-OH、又は-O-R3Aであり、
3Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR3Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
4は、水素原子、-OH、又は-O-R4Aであり、
4Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR4Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5は、-OH、-O-R5A、又は-O-C(O)-R5Bであり、
5Aは、-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6アルキルであるか、又はR5Aは、グルクロニル部分、フラノース部分、ピラノース部分、もしくはグリコシド結合により連結され、かつ独立してフラノース部分及びピラノース部分からなる群から選択される2~5個の糖部分を有するオリゴ糖部分であり、
5Bは、-H、又は-OH及びC1-6アルコキシからなる群から選択される置換基により1回以上任意に置換されているC1-6 アルキルであり、
6及びR7は、独立して、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、及び-O-(C1-6アルキレン)-O-(C1-6アルキル)からなる群から選択され、
mは、0、1、又は2であり、かつ
nは、0、1、2、又は3である]。
【0098】
前述の態様の種々の実施形態は、本開示の一部としても検討される。それらの実施形態は、以下に、及び詳細な説明の他の部分の全体に記載される。
【0099】
第一の態様のいくつかの実施形態において、R1は水素原子である。いくつかの他の実施形態において、R1は-OHである。いくつかの他の実施形態において、R1は-O-R1Aである。前述のいずれかの実施形態のいくつかのさらなるかかる実施形態において、R1Aは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R1Aは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R1Aはメチルである。いくつかの他の実施形態において、R1Aはグルクロニル部分である。いくつかの他の実施形態において、R1Aは、フラノース部分又はピラノース部分、例えばグルコシジル部分である。いくつかの他の実施形態において、R1Aは、前記したオリゴ糖部分、例えばジグルコシジル部分、トリグルコシジル部分、テトラグルコシジル部分、又はペンタグルコシジル部分である。
【0100】
前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、R2は水素原子である。いくつかの他の実施形態において、R2は-OHである。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R2は-O-R2Aである。いくつかのさらなるかかる実施形態において、R2Aは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R2Aは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R2Aはメチルである。いくつかの他の実施形態において、R2Aはグルクロニル部分である。いくつかの他の実施形態において、R2Aは、フラノース部分又はピラノース部分、例えばグルコシジル部分である。いくつかの他の実施形態において、R2Aは、前記したオリゴ糖部分、例えばジグルコシジル部分、トリグルコシジル部分、テトラグルコシジル部分、又はペンタグルコシジル部分である。
【0101】
前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、R3は-OHである。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R3は-O-R3Aである。いくつかのさらなるかかる実施形態において、R3Aは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R3Aは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R3Aはメチルである。いくつかの他の実施形態において、R3Aはグルクロニル部分である。いくつかの他の実施形態において、R3Aは、フラノース部分又はピラノース部分、例えばグルコシジル部分である。いくつかの他の実施形態において、R3Aは、前記したオリゴ糖部分、例えばジグルコシジル部分、トリグルコシジル部分、テトラグルコシジル部分、又はペンタグルコシジル部分である。
【0102】
前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、R4は水素原子である。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R4は-OHである。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R4は-O-R4Aである。いくつかのさらなるかかる実施形態において、R4Aは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R4Aは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R4Aはメチルである。いくつかの他の実施形態において、R4Aはグルクロニル部分である。いくつかの他の実施形態において、R4Aは、フラノース部分又はピラノース部分、例えばグルコシジル部分である。いくつかの他の実施形態において、R4Aは、前記したオリゴ糖部分、例えばジグルコシジル部分、トリグルコシジル部分、テトラグルコシジル部分、又はペンタグルコシジル部分である。
【0103】
前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、R5は-OHである。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R5は-O-R5Aである。いくつかのさらなるかかる実施形態において、R5Aは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R5Aは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R5Aはメチルである。いくつかの他の実施形態において、R5Aはグルクロニル部分である。いくつかの他の実施形態において、R5Aは、フラノース部分又はピラノース部分、例えばグルコシジル部分である。いくつかの他の実施形態において、R5Aは、前記したオリゴ糖部分、例えばジグルコシジル部分、トリグルコシジル部分、テトラグルコシジル部分、又はペンタグルコシジル部分である。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、R5は-O-C(O)-R5Bである。いくつかのさらなるかかる実施形態において、R5Bは、任意に前記したように置換されているC1-6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R5Bは、非置換のC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、又はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R5Bはメチルである。いくつかの他のかかる実施形態において、R5Bは水素原子である。
【0104】
変数m及びnは、前記した制限内で任意の適した値を有することができる。前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、mは0である。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、mは1である。前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、nは0である。前記実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、nは1である。R6は、フラバノンについての従来の番号付けに従って、6位及び8位を表す二環式環系のフェニル部分上の2つの位置に任意に存在する、非水素置換基を示すことに注意されたい。したがって、mが0の場合に、これらの位置の双方の置換基は水素原子である。mが1の場合に、R6の定義に示されている変数から選択された、2つの位置の1つに非水素置換基がある。そしてmが2の場合に、双方の位置に非水素置換基がある。同様の方法で、R7は、二環式環の2位(フラバノンの従来の位置番号付けによる)に結合しているフェニル環上の3つの位置に任意に存在する非水素置換基をいう。したがって、nが0の場合に、これらの3つの位置(すなわち、R3とR4が占める位置以外の3つの位置)の置換基は水素原子である。そしてnが1の場合に、これら3つの利用可能な位置の1つに非水素置換基がある。そしてnが2の場合に、これら3つの利用可能な位置のうちの2つに非水素置換基がある。そしてnが3の場合に、これら3つの利用可能な位置のそれぞれに非水素置換基がある。
【0105】
前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、R1 及びR2は-OHであり、R3は-OH又は-OCH3であり、かつR4は-H又は-OHであり、かつR5は-O-C(O)-CH3であり、かつR6及びR7は-Hである。
【0106】
関連する態様において、本開示は、式(Ia)
【化10】
の化合物又はそれらの塩である、フレーバー改質化合物を提供する。それらのいくつかの実施形態において、化合物は、その構造により包含される任意の2つ以上、任意の3つ以上、又は4つ全ての立体異性体の、すなわち(2R,3R)、(2R,3S)、(2S,3R)、及び(2S,3S)の混合物として存在する。いくつかのさらなる実施形態において、化合物は、4つの立体異性体のうちの1つの実質的に純粋な形で、すなわち、95%以上、又は97%以上、98%以上、又は99%以上、又は99.5%、又は99.7%以上、又は99.9%以上の純度で存在する。
【0107】
それらのいくつかのさらなる実施形態において、フレーバー改質化合物は、式(Ib)
【化11】
の化合物又はそれらの塩である。
【0108】
関連する態様において、本開示は、式(Ic)
【化12】
の化合物又はそれらの塩である、フレーバー改質化合物を提供する。それらのいくつかの実施形態において、化合物は、その構造により包含される任意の2つ以上、任意の3つ以上、又は4つ全ての立体異性体の、すなわち(2R,3R)、(2R,3S)、(2S,3R)、及び(2S,3S)の混合物として存在する。いくつかのさらなる実施形態において、化合物は、4つの立体異性体のうちの1つの実質的に純粋な形で、すなわち、95%以上、又は97%以上、98%以上、又は99%以上、又は99.5%、又は99.7%以上、又は99.9%以上の純度で存在する。
【0109】
それらのいくつかのさらなる実施形態において、フレーバー改質化合物は、式(Id)
【化13】
の化合物又はそれらの塩である。
【0110】
本明細書において開示される化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合に、それらは、個々のエナンチオマー及びジアステレオマーとして、又はかかる異性体の混合物として存在しうる。第2の態様に関連するいくつかの実施形態において、甘味増強化合物は、実質的に鏡像異性体の純度を有する。
【0111】
例えば、いくつかの実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量[すなわち、(2R,3R)の量+(2S,3R)の量+(2R,3S)の量+(2S,3S)の量]に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。
【0112】
前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ia)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。
【0113】
例えば、いくつかの実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量[すなわち、(2R,3R)の量+(2S,3R)の量+(2R,3S)の量+(2S,3S)の量]に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。いくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2A,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の少なくとも50質量%、又は少なくとも60質量%、又は少なくとも70質量%、又は少なくとも80質量%、又は少なくとも90質量%、又は少なくとも95質量%、又は少なくとも97質量%、又は少なくとも99質量%の量を構成する。
【0114】
前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2R,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3R)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。前記段落の実施形態のいずれかのいくつかの他の実施形態において、式(Ic)の化合物又はそれらの塩を含む組成物である、(2S,3S)エナンチオマーは、組成物中の化合物の全量に対して、組成物中に存在する化合物の50質量%以下、又は40質量%以下、又は30質量%以下、又は20質量%以下、又は10質量%以下、又は5%以下質量、又は3質量%以下、又は1質量%以下の量を構成する。
【0115】
個々の異性体の分離又は個々の異性体の選択的合成は、当業者に周知である種々の方法を適用することによって達成される。特に明記されない限り(例えば、キラル中心の立体化学が明示的に示されている場合に)、全てのかかる異性体及びそれらの混合物は、本明細書において開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書において開示される化合物は、1つ以上の結晶形又はアモルファス形で存在しうる。特に明記されない限り、全てのかかる形態は、任意の多形形態を含む本明細書において開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書において開示されるいくつかの化合物は、水(すなわち、水和物)又は慣用的な有機溶媒と溶媒和物を形成しうる。特に明記されない限り、かかる溶媒和物は、本明細書において開示される化合物の範囲に含まれる。
【0116】
当業者は、本明細書において記載されるいくつかの構造が、速度論的である場合でさえも、他の化学構造によって公正に表されうる化合物の共鳴形又は互変異性体であってよいことを認識するであろう;当業者は、かかる構造がかかる化合物の試料のごく一部しか表していない可能性があることを認識している。かかる化合物は、図示した構造の範囲内であると見なされるが、かかる共鳴形又は互変異性体は、本明細書では示されていない。
【0117】
同位体が、記載した化合物に存在しうる。化合物構造で示されるそれぞれの化学元素は、前記元素の任意の同位体を含みうる。例えば、化合物構造において、水素原子は、化合物中に存在することが明示的に開示又は理解されうる。水素原子が存在しうる化合物の任意の位置で、水素原子は、これらに制限定されないが水素-1(プロチウム)及び水素-2(デューテリウム)を含む、水素の任意の同位体であってよい。したがって、本明細書における化合物に対する言及は、本記載内容が明らかに他を示していない限り、全ての潜在的な同位体の形を包含する。
【0118】
いくつかの実施形態において、本明細書において開示される化合物は、アミノ基及び/又はカルボキシル基又はそれらに類似する基の存在により、酸及び/又は塩基塩を形成することができる。生理学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸で形成されてよい。塩を誘導できる無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩を誘導できる有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。生理学的に許容される塩は、無機塩基及び有機塩基を使用して形成されてよい。塩を誘導できる無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む塩基を含み、特に好ましくは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。いくつかの実施形態において、無機塩基での本明細書において開示される化合物の処理は、化合物からの不安定な水素の損失をもたらして、無機カチオン、例えばLi+、Na+、K+、Mg2+及びCa2+などを含む塩の形をもたらす。塩を誘導できる有機塩基は、例えば、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的には例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンを含む。
【0119】
使用及び方法
他の態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強するために、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、甘味料、例えばカロリー甘味料を含む。特定の他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の酸味を低減するために、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するために、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。特定の他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の甘味を増強するための摂取可能な組成物の製造における、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。そのいくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、カロリー甘味料を含む。他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の酸味を低減するための摂取可能な組成物の製造における、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物の苦味を低減するための摂取可能な組成物の製造における、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物の使用を提供する。
【0120】
本開示は、前記使用のそれぞれに対応する方法も提供する。したがって、特定の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物に、前記した任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様のいずれかのフレーバー改質化合物のある量(例えば甘味増強効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の甘味を増強する方法を提供する。いくつかの他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物に、前記した任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様のいずれかのフレーバー改質化合物のある量(例えば酸味低減効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の酸味を低減する方法を提供する。いくつかの他の関連する態様において、本開示は、摂取可能な組成物に、前記した任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様のいずれかのフレーバー改質化合物のある量(例えば苦味低減効果のある量)を導入することを含む、摂取可能な組成物の苦味を低減する方法を提供する。
【0121】
前記使用及び方法は、一般的に、1つ以上の追加の成分を含む組成物におけるフレーバー改質化合物の使用を含む。例えば、少なくとも1つの態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物を含む組成物を提供し、その際、フレーバー改質化合物は、乾燥質量に対して(例えば、あらゆる液体キャリヤーの質量を除いた組成物の合計質量に対して)組成物の少なくとも50%を構成する。関連する態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物を含む固体状組成物を提供し、その際、フレーバー改質化合物は、組成物の合計質量に対して、固体状組成物の少なくとも50%を構成する。他の関連する態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物を含む摂取可能な組成物を提供し、その際、摂取可能な組成物におけるフレーバー改質化合物の濃度は、200ppm以下である。他の関連する態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物を含む摂取可能な組成物を提供し、その際、摂取可能な組成物は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下のステビオール配糖体(レバウジオシドAを含む)を含む。他の関連する態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物を含む摂取可能な組成物を提供し、その際、摂取可能な組成物は、カロリー甘味料、例えばスクロース、フルクトース、キシリトール、エリスリトール、又はそれらの組み合わせを含む。他の関連する態様において、本開示は、前記した、任意の実施形態又はそれらの実施形態の組み合わせを含む、前記態様の任意のフレーバー改質化合物と甘味料とを含む濃縮した甘味組成物を提供する。
【0122】
摂取可能な組成物を言及する本明細書において記載した任意の態様及び実施形態の特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、天然に生じていない製品、例えばフレーバー付与した製品、例えば食品又は飲料製品の製造のために特別に製造した組成物である。
【0123】
一般的に、本明細書において開示及び記載した化合物を、個々に又は組み合わせて、組成物、例えば摂取可能な組成物において提供できる。一実施形態において、本明細書において開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、本明細書において開示及び記載した1つ以上の化合物と1つ以上の甘味料とを甘味組成物中で組み合わせることによって、甘味料組成物に対してより糖のような時間的プロフィール又はフレーバープロフィールを付与できる。他の実施形態において、本明細書において開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、組成物と本明細書において開示及び記載した化合物とを接触させて改質した組成物を形成することにより、組成物の甘味を増加又は増強できる。
【0124】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、スクロース及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)スクロースを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのスクロースを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。スクロースを、任意の適した形、例えば天然シロップ(サトウキビシロップ)などで導入できる。
【0125】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、フルクトース及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)フルクトースを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのフルクトースを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。フルクトースを、任意の適した形、例えば天然シロップ、高フルクトースコーンシロップなどで供給できる。
【0126】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、高フルクトースコーンシロップ及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)高フルクトースコーンシロップを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くの高フルクトースコーンシロップを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0127】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、グルコース(例えば、D-グルコース、そのアルファ又はベータの形のいずれか、又はそれらの組合せ)及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)グルコースを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのグルコースを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。グルコースを、任意の適した形、例えば天然シロップなどで導入できる。
【0128】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、スクラロース及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)スクラロースを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのスクラロースを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0129】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、レバウジオシド(例えば、レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドM、又は任意のそれらの組み合わせ)及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)レバウジオシドを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのレバウジオシドを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0130】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、アセスルファムK及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)アセスルファムKを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのアセスルファムKを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0131】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、アルロース及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)アルロースを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのアルロースを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0132】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、エリスリトール及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)エリスリトールを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのエリスリトールを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0133】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、アスパルテーム及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)アスパルテームを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのアスパルテームを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0134】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、シクラメート及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)シクラメートを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのシクラメートを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。
【0135】
ある特定の実施形態において、摂取可能な組成物は、モグロシド(例えば、モグロシドIII、モグロシドIV、モグロシドV、シャメノシド、イソモグロシドV、モグロシドIVE、イソモグロシドV、モグロシドIIIE、11-オキソモグロシドV、イソモグロシドVのアルファ異性体、及び任意のそれらの組み合わせ)及びフレーバー改質化合物を含む。いくつかのかかる実施形態において、フレーバー改質化合物の導入は、より少ない(例えば10%超少ない、20%超少ない、30%超少ない、40%超少ない、50%超少ない、60%超少ない、又は70%超少ない)モグロシドを使用することを可能にし、それにもかかわらずより多くのモグロシドを使用する製品と同等の特徴の甘味のレベルを達成する。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物の濃度は、1000ppm、又は900ppm以下、又は800ppm以下、又は700ppm以下、又は600ppm以下、又は500ppm以下、又は400ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は25ppm以下、又は10ppm以下である。かかる摂取可能な組成物は、任意の適した形であってよい。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、食品、例えば以下に具体的に記載したもののいずれかである。他の実施形態において、摂取可能な組成物は、飲料製品、例えばソーダなどである。適切に使用できる追加のモグロシド化合物は、米国特許出願公開第2017/0119032号明細書に記載されている。
【0136】
したがって、いくつかの実施形態において、前記態様のいずれか(いずれかの使用又は方法を含む)に記載の組成物は、フレーバー改質化合物と甘味料とを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、賦形剤は水である。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物は、その甘味認識閾値以下の濃度で存在する。
【0137】
例えば、いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約12質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.2質量%~約10質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.3質量%~約8質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.4質量%~約6質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.5質量%~約5質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約1質量%~約2質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約5質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約4質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約3質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約2質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約1質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.1質量%~約0.5質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約0.5質量%~約10質量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、約2質量%~約8質量%の量で存在する。この段落に記載した実施形態のいくつかのさらなる実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、キシリトール、エリスリトール、又はそれらの組み合わせである。
【0138】
いくつかの他の実施形態において、甘味料は、10ppm~1000ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、20ppm~800ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、30ppm~600ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、40ppm~500ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~400ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~300ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~200ppmの量で存在する。いくつかの実施形態において、甘味料は、50ppm~150ppmの量で存在する。この段落に記載した実施形態のいくつかのさらなる実施形態において、甘味料は、ステビオールグリコシド、モグロシド、前記したもののいずれかの誘導体、例えばグリコシド誘導体(例えば、グルコシレート)、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0139】
組成物は、任意の適した甘味料又は甘味料の組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、慣用的な糖甘味料、例えばスクロース、フルクトース、グルコース、及び天然糖を含む甘味料組成物、例えばコーンシロップ(高フルクトースコーンシロップを含む)又は他のシロップ、又は天然の果物及び野菜源に由来する甘味料濃縮物である。いくつかの実施形態において、甘味料は、スクロース、フルクトース、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料はスクロースである。いくつかの他の実施形態において、甘味料は、D-アロース、D-プシコース、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アルビノース、D-ツラノース、及びD-ロイクロースを含む希少な天然糖から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、半合成「糖アルコール」甘味料、例えばエリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルトデキストリンなどから選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、人工甘味料、例えばアスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、シクラメート、スクラロース、及びアリテームから選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、シクラミン酸、モグロシド、タガトース、マルトース、ガラクトース、マンノース、スクロース、フルクトース、ラクトース、ネオテーム及び他のアスパルテーム誘導体、グルコース、D-トリプトファン、グリシン、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、ステビオシド、レバウジオシドA、他の甘いステビアベースのグリコシド、化学的に改質させたステビオールグリコシド(例えば、グルコシル化ステビオールグリコシド)、モグロシド、化学的に改質したモグロシド(例えば、グルコシル化モグロシド)、カレラメ及び他のグアニジンベースの甘味料からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、甘味料は、この段落に記載した甘味料の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態において、甘味料は、本明細書において開示した甘味料の2つ、3つ、4つ又は5つの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然及び人工の甘味料との組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は糖である。いくつかの実施形態において、糖はショ糖である。いくつかの実施形態において、糖はテンサイ糖である。いくつかの実施形態において、糖は、スクロース、フルクトース、グルコース、又はそれらの組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、糖はスクロースであってよい。いくつかの実施形態において、糖は、フルクトースとグルコースの組み合わせであってよい。
【0140】
甘味料はまた、例えば、1つ以上の天然又は合成の炭水化物、例えばコーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、高マルトースコーンシロップ、グルコースシロップ、スクラロースシロップ、水素化グルコースシロップ(HGS)、水素化デンプン加水分解物(HSH)、又は天然の果物及び野菜源に由来する他のシロップもしくは甘味料濃縮物、又は半合成「糖アルコール」甘味料、例えばポリオールを含む甘味料組成物も含みうる。いくつかの実施形態におけるポリオールの制限のない例は、エリスリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、キシリトール、イソマルト、プロピレングリコール、グリセロール(グリセリン)、スレイトール、ガラクチトール、パラチノース、還元型イソマルトオリゴ糖、還元型キシロ-オリゴ糖、還元型ゲンチオ-オリゴ糖、還元型マルトースシロップ、還元型グルコースシロップ、イソマルツロース、マルトデキストリンなど、及び糖アルコール又はその他の炭水化物、又は味に悪影響を及ぼさない還元可能なそれらの組み合わせを含む。
【0141】
甘味料は、以下を含む天然又は合成の甘味料であってよいが、これらに制限されない:アガベイヌリン、アガベネクター、アガベシロップ、甘酒、ブラゼイン、玄米シロップ、ココナッツクリスタル、ココナッツシュガー、ココナッツシロップ、ナツメヤシシュガー、フルクタン(イヌリン繊維、フラクトオリゴ糖、又はオリゴ-フルクトースともいわれる)、グリーンステビア粉末、ステビアレバウジアナ、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドH、レバウジオシドL、レバウジオシドK、レバウジオシドJ、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドM及び他の甘いステビアベースのグリコシド、ステビオシド、ステビオシド抽出物、蜂蜜、キクイモ(Jerusalem artichoke)シロップ、カンゾウ根、ラカンカ(果実、粉末、又は抽出物)、ルクマ(果実、粉末、又は抽出物)、カエデの樹液(例えば、サトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(Acer nigrum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、シルバーメープル(Acer saccharinum)、ノルウェーカエデ(Acer platanoides)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、オオキレハカエデ(Acer grandidentatum)、ロッキーヤマモミジ(Acer glabrum)、イタヤカエデ(Acer mono)から抽出された樹液を含む)、メープルシロップ、メープルシュガー、クルミの樹液(例えば、ホワイトクルミ(Juglans cinerea)、クロクルミ(Juglans nigra)、オニグルミ(Juglans ailatifolia)、テウチグルミ(Juglans regia)から抽出された樹液を含む)、シラカバの樹液(例えば、アメリカシラカンバ(Betula papyrifera)、キハダカンバ(Betula alleghaniensis)、アメリカミズメ(Betula lenta)、リバーバーチ(Betula nigra)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、オウシュウシラカンバ(Betula pendula)から抽出された樹液を含む)、サイカモアカエデの樹液(例えば、アメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)から抽出された樹液)、アイアンウッドの樹液(例えば、アメリカアサダ(Ostrya virginiana)から抽出された樹液)、マスコバド、糖蜜(例えば、廃糖蜜)、糖蜜糖、モナチン、モネリン、ショ糖(天然糖、未精製のショ糖、又はスクロースともいわれる)、パーム糖、粗糖、ピロンシーヨ、ラパドゥラ、生砂糖、米水飴、ソルガム、ソルガムシロップ、キャッサバシロップ(タピオカシロップともいわれる)、タウマチン、ヤーコン根、麦芽シロップ、大麦麦芽シロップ、大麦麦芽粉末、テンサイ糖、ショ糖、クリスタリンジュースクリスタル(crystalline juice crystals)、カラメル、カルビトール、イナゴマメシロップ、ヒマシ糖、水素化デンプン加水分解物、加水分解缶ジュース、加水分解デンプン、転化糖、アネトール、アラビノガラクタン、アロープ、シロップ、P-4000、アセスルファムカリウム(アセスルファムK又はace-Kともいわれる)、アリテーム(アクラメともいわれる)、アドバンテーム、アスパルテーム、バイユノシド、ネオテーム、ベンズアミド誘導体、ベルナダム、カンデレル、カレラメ及び他のグアニジンベースの甘味料、植物繊維、コーンシュガー、カップリングシュガー、クルクリン、シクラメート、シクロカリオシドI、デメララ、デキストラン、デキストリン、糖化性麦芽、ズルチン、スクロール、バルジン、ダルコシドA、ダルコシドB、エムリン、エノキソロン、マルトデキストリン、サッカリン、エストラゴール、エチルマルトール、グルシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルコロン酸、グリセロール、グリシン、グリチフィリン、グリチルリジン、グリチルレチン酸モノグルクロニド、ゴールデンシュガー、イエローシュガー、ゴールデンシロップ、グラニュー糖、アマチャヅル、ヘルナンドゥルシン、
異性化液糖、ジャラブ、チコリ根食物繊維、キヌレニン誘導体(N’-ホルミル-キヌレニン、N’-アセチル-キヌレニン、6-クロロ-キヌレニンを含む)、ガラクチトール、リテッセ、リジカン、リカシン、ラグドゥネーム、グアニジン、ファレルナム、マビンリンI、マビンリンII、マルトール、マルチソルブ、マルトデキストリン、マルトトリオール、マンノサミン、ミラクリン、水飴、モグロシド(例えば、モグロシドIV、モグロシドV、及びネオモグロシドを含む)、ムクロジオシド、ナノシュガー、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ニブシュガー、ニゲロオリゴ糖、ノルブ、オルジェーシロップ、オスラジン、ペクメズ、ペンタジン、ペリアンドリンI、ペリルアルデヒド、ペリラルチン、ペトフィラム、フェニルアラニン、フロミソシドI、フロロジジン、フィロズルチン、ポリグリシトールシロップ、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、レビアナ、リファイナーシロップ、ラブシロップ、ルブソシド、セリゲアインA、シュグル、シャメノシドI、ラカンカ(siraitia grosvenorii)、大豆オリゴ糖、Splenda、SRIオキシムV、ステビオールグリコシド、ステビオールビオシド、ステビオシド、ストロギン1、2及び4、スクロン酸、スクロノネート、砂糖、スオサン、フロリジン、スーパーアスパルテーム、四糖、トレイトール、トリークル、トリロブテン、トリプトファン及び誘導体(6-トリフルオロメチル-トリプトファン、6-クロロ-D-トリプトファン)、バニラシュガー、ボレミトール、バーチシロップ、アスパルテーム-アセスルファム、アスグリン、並びにそれらの任意の2つ以上の組み合わせ又はブレンド。
【0142】
さらに他の実施形態において、甘味料は、化学的に又は酵素により改質させた天然の高力価甘味料であってよい。改質させた天然の高力価甘味料は、グリコシル化した天然の高力価甘味料、例えばグリコシド残基1~50個を含む、グルコシル誘導体、ガラクトシル誘導体又はフルクトシル誘導体を含む。グリコシル化した天然の高力価甘味料は、糖転移活性を呈する種々の酵素によって触媒化した酵素による糖転移反応により調製されうる。いくつかの実施形態において、改質した甘味料は、置換又は非置換であってよい。
【0143】
追加の甘味料は、前記甘味料のいずれか2つ以上の任意の組み合わせも含む。いくつかの実施形態において、甘味料は、本明細書において開示した甘味料の2つ、3つ、4つ又は5つの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態において、甘味料は糖であってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、1つ以上の糖と他の天然及び人工の甘味料との組み合わせであってよい。いくつかの実施形態において、甘味料は、カロリー甘味料、例えばスクロース、フルクトース、キシリトール、エリスリトール、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ステビア由来の甘味料を含まない又は(いくつかの実施形態において)実質的に含まないもの、例えばステビオールグリコシド、グルコシル化ステビオールグリコシド、又はレバウジオシドである。例えば、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、ステビア由来の甘味料を含まないか、又はステビア由来の甘味料を1000ppm以下、又は500ppm以下、又は200ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は20ppm以下、又は10ppm以下、又は5ppm以下、又は3ppm以下、又は1ppm以下の濃度で含むかのいずれかである。
【0144】
フレーバー改質化合物は、任意の適した量で摂取可能な組成物中に存在しうる。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物は、組成物の味を増強する(例えば、甘味を増強する、酸味を低減する、又は苦味を低減する)ために十分な量で存在する。したがって、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、200ppm以下、又は150ppm以下、又は100ppm以下、又は50ppm以下、又は40ppm以下、又は30ppm以下、又は20ppm以下の濃度でフレーバー改質化合物を含む。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物は、最小量、例えば、1ppm又は5ppmで存在する。したがって、いくつかの実施形態において、摂取可能な組成物は、1ppm~200ppm、又は1ppm~150ppm、又は1ppm~100ppm、又は1ppm~50ppm、又は1ppm~40ppm、又は1ppm~30ppm、又は1ppm~20ppm、又は5ppm~200ppm、又は5ppm~150ppm、又は5ppm~100ppm、又は5ppm~50ppm、又は5ppm~40ppm、又は5ppm~30ppm、又は5ppm~20ppmの範囲の濃度でフレーバー改質化合物を含む。甘味料、例えばスクロース又はフルクトースが存在する実施形態において、摂取可能な組成物における甘味料とフレーバー改質化合物との質量対質量比は、1000:1~5000:1、又は1000:1~10000:1、又は2000:1~8000:1の範囲である。
【0145】
摂取可能な組成物又は甘味料濃縮物は、特定の実施形態において、以下を含む食品及び飲料製品において慣用的に使用されるような任意の追加の成分又は成分の組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない:
例えば、クエン酸、リン酸、アスコルビン酸、酸性硫酸ナトリウム、乳酸、又は酒石酸を含む酸;
例えば、カフェイン、キニン、緑茶、カテキン、ポリフェノール、グリーンロブスタコーヒー抽出物、グリーンコーヒー抽出物、塩化カリウム、メントール、又はタンパク質(例えば植物、藻類又は真菌に由来するタンパク質及びタンパク質単離物)を含む苦味成分;
例えば、カラメル色素、赤#40、黄#5、黄#6、青#1、赤#3、紫ニンジン、黒ニンジンジュース、紫スイートポテト、野菜ジュース、フルーツジュース、ベータカロチン、ターメリッククルクミン、又は二酸化チタンを含む着色剤;
例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、メタ重硫酸ナトリウム、ソルビン酸、又は安息香酸を含む保存剤;
例えば、アスコルビン酸、EDTAカルシウム二ナトリウム、アルファトコフェロール、混合トコフェロール、ローズマリー抽出物、グレープシード抽出物、レスベラトロール、又はヘキサメタリン酸ナトリウムを含む酸化防止剤;
ビタミン又は機能性成分、例えば、レスベラトロール、Co-Q10、オメガ3脂肪酸、テアニン、塩化コリン(シトコリン)、ファイバーソル、イヌリン(チコリ根)、タウリン、オタネニンジン抽出物、グアナナ抽出物、ショウガ抽出物、L-フェニルアラニン、L-カルニチン、L-酒石酸塩、D-グルコロノラクトン、イノシトール、バイオフラボノイド、エキナセア、イチョウ(ginko biloba)、イェルバ・マテ(yerba mate)、亜麻仁油、ガルシニアカンボジア皮(garcinia cambogia rind)抽出物、白茶抽出物、リボース、オオアザミ(milk thistle)抽出物、グレープシード抽出物、ピロジキシンHCl(ビタミンB6)、シアノバラミン(ビタミンB12)、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、ビオチン、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム(パントテン酸)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化クロム、ポリニコチン酸クロム、硫酸第二鉄、葉酸、ピロリン酸第二鉄、鉄、乳酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン、ヨウ化カリウム、リン酸カリウム、リボフラビン、硫酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、一硝酸チアミン、ビタミンD3、パルミチン酸ビタミンA、グルコン酸亜鉛、乳酸塩亜鉛、又は硫酸亜鉛を含むビタミン又は機能性成分;
例えば、エステルガン、臭素化植物油(BVO)、又はイソ酪酸酢酸スクロース(SAIB)を含む起雲剤;
例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、又は塩を含む緩衝液;
例えば、プロピレングリコール、エチルアルコール、グリセリン、アラビアガム(アカシアガム)、マルトデキストリン、加工コーンスターチ、デキストロース、天然フレーバー、他の天然フレーバーを有する天然フレーバー(天然フレーバーWONF)、天然及び人工フレーバー、人工フレーバー、二酸化ケイ素、炭酸マグネシウム、又はリン酸三カルシウムを含むフレーバー;又は
例えば、ペクチン、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリソルベート60、ポリソルベート80、中鎖トリグリセリド、セルロースゲル、セルロースガム、カゼインナトリウム、化工食品デンプン、アラビアガム(アラビアガム)、イヌリン、又はカラギーナンを含むデンプン及び安定剤。
【0146】
摂取可能な組成物又は甘味料濃縮物は、任意の適したpHを有しうる。いくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物は、広範囲のpH、例えばより低いpH~中性pHの甘味料の甘味を増強する。より低かつ中性のpHは、約2.5~約8.5、約3.0~約8.0、約3.5~約7.5、約4.0~約7のpHを含むが、これらに制限されない。特定の実施形態において、本明細書において開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、低~中性の双方のpH値で、約50μM、40μM、30μM、20μM、又は10μMの化合物濃度での味覚試験において固定濃度の甘味料の知覚される甘味を増強できる。特定の実施形態において、より低いpHでの、個々に又は組み合わせた、本明細書において開示及び記載した化合物の増強因子は、中性pHでの化合物の増強因子と実質的に類似している。広範囲のpH下でのそのような一貫した甘味増強特性は、本明細書において開示及び記載した化合物の多種多様な食品及び飲料において、個々に又は組み合わせて幅広い使用を可能にする。
【0147】
前記実施形態のいずれかに従って示される摂取可能な組成物は、特定の実施形態において、1つ以上の追加のフレーバー改質化合物、例えば甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ネオヘスペレチン、フロレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、苦味を遮断する化合物、旨味を増強する化合物、酸味又はカンゾウの味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、冷却効果を増強する化合物、又は前記したものの任意の組み合わせを含む。
【0148】
前記実施形態のいずれかに従って示される摂取可能な組成物は、特定の実施形態において、1つ以上の追加のフレーバー改質化合物、例えば甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、苦味を遮断する化合物、旨味を増強する化合物、酸味又はカンゾウの味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、冷却効果を増強する化合物、又は前記したものの任意の組み合わせを含む。
【0149】
したがって、いくつかの実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の他の甘味増強化合物と組み合わされる。かかる甘味増強化合物は、天然由来の化合物、例えばヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシド、又は合成化合物、例えば米国特許第8,541,421号明細書、第8,815,956号明細書、第9,834,544号明細書、第8,592,592号明細書、第8,877,922号明細書、第9,000,054号明細書及び第9,000,051号明細書、並びに米国特許出願公開第2017/0119032号明細書において記載される任意の化合物を含まれるが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかる他の甘味増強剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、フレーバー改質化合物は、前記比率のいずれかでグルコシル化ステビオールグリコシドと組み合わされる。本明細書において使用される場合に、「グルコシル化ステビオールグリコシド」という用語は、天然のステビオールグリコシド化合物を酵素によりグルコシル化する生成物をいう。グルコシル化は、一般的に、グリコシド結合、例えばα-1,2結合、α-1,4結合、α-1.6結合、β-1,2結合、β-1,4結合、β-1,6結合などを介して生じる。前記実施形態のいずれかのいくつかの実施形態において、TM1化合物(又はそれらの任意の食料に許容される塩)は、N-(1-((4-アミノ-2,2-ジオキソ-1H-ベンゾ[c][1,2,6]チアジアジン-5-イル)オキシ)-2-メチル-プロパン-2-イル)イソニコチンアミドと、前記比率のいずれかで組み合わされる。
【0150】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の旨味増強化合物と組み合わされる。かかる旨味増強化合物は、天然由来の化合物、例えばエリカミド、又は合成化合物、例えば米国特許第8,735,081号明細書、第8,124,121号明細書、及び第8,968,708号明細書において記載される任意の化合物を含まれるが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかる旨味増強剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0151】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の冷感増強化合物と組み合わされる。かかる冷感増強化合物は、天然由来の化合物、例えばメントール又はその類似物、又は合成化合物、例えば米国特許第9,394,287号明細書、及び第10,421,727号明細書において記載される任意の化合物を含まれるが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかる冷感増強剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0152】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の苦味遮断化合物と組み合わされる。かかる苦味遮断化合物は、天然由来の化合物、例えばメントール又はその類似物、又は合成化合物、例えば米国特許第8,076,491号明細書、第8,445,692号明細書、及び第9,247,759号明細書において記載される任意の化合物を含まれるが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかる苦味遮断剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0153】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の酸味調節化合物と組み合わされる。フレーバー改質化合物は、かかる他の酸味調節化合物と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0154】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上の口あたりを変える化合物と組み合わされる。かかる口あたりを変える化合物は、タンニン、セルロース系材料、竹粉などを含むが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかる口あたり増強剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0155】
いくつかのさらなる実施形態において、本明細書において開示した摂取可能な組成物は、前記した実施形態又は実施形態の組み合わせのいずれかに従ったフレーバー改質化合物を含み、1つ以上のフレーバー遮蔽化合物と組み合わされる。かかるフレーバー遮蔽化合物は、セルロース系材料、真菌から抽出した材料、植物から抽出した材料、クエン酸、炭酸(又は炭酸塩)などを含むが、これらに制限されない。フレーバー改質化合物は、かかるフレーバー遮断増強剤と組み合わせて、1:100~1000:1、又は1:100~100:1、又は1:50~50:1、又は1:25~25:1、又は1:10~10:1の範囲の任意の適した比率(w/w)、例えば1:25、1:24、1:23、1:22、1:21、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、又は25:1で使用してよい。
【0156】
前記した態様及び実施形態に関連するいくつかの態様において、本開示は、フレーバー付与した組成物、例えばフレーバー付与した物品のフレーバーを増強するためのフレーバー改質化合物の使用を提供する。かかるフレーバー付与した組成物は、任意の適したフレーバー、例えば前記したフレーバーのいずれかを使用できる。
【0157】
フレーバー付与した製品及び濃縮物
特定の態様において、本開示は、前記5つの態様のいずれかの組成物を含む、フレーバー付与した製品を提供する。いくつかの実施形態において、フレーバー付与した製品は、飲料製品、例えばソーダ、フレーバーウォーター、及び茶などである。いくつかの実施形態において、フレーバー付与した製品は、食品、例えばヨーグルトである。
【0158】
フレーバー付与した製品が飲料である実施形態において、飲料は、強化したスパークリング飲料、コーラ、レモンライム風味のスパークリング飲料、オレンジ風味のスパークリング飲料、ブドウ風味のスパークリング飲料、イチゴ風味のスパークリング飲料、パイナップル風味のスパークリング飲料、ジンジャーエール、ルートビール、フルーツジュース、フルーツ風味のジュース、ジュースドリンク、ネクター、野菜ジュース、野菜風味のジュース、スポーツドリンク、エナジードリンク、強化水ドリンク、ビタミンを含む強化水、ニアウォータードリンク、ココナッツウォーター、ティータイプドリンク、コーヒー、ココアドリンク、乳成分を含む飲料、シリアル抽出物を含む飲料、及びスムージーからなる群から選択されうる。いくつかの実施形態において、飲料はソフトドリンクであってよい。
【0159】
フレーバー付与した製品を言及する本明細書において記載した任意の態様及び実施形態の特定の実施形態において、フレーバー付与した製品は、天然に生じていない製品、例えば包装された食品又は飲料製品である。
【0160】
食品及び飲料製品又は配合物のさらなる制限のない例は、かかる製品のための甘いコーティング、フロスティングもしくはグレーズ、又はスープカテゴリー、乾燥加工食品カテゴリー、飲料カテゴリー、レディミールカテゴリー、缶詰食品もしくは保存食品カテゴリー、冷凍加工食品カテゴリー、冷蔵加工食品カテゴリー、スナック食品カテゴリー、焼き菓子カテゴリー、菓子カテゴリー、乳製品カテゴリー、アイスクリームカテゴリー、食事代替カテゴリー、パスタ及び麺カテゴリー、並びにソース、ドレッシング、調味料カテゴリー、ベビーフードカテゴリー、及び/又はスプレッドカテゴリーに含まれる任意の実体を含む。
【0161】
一般的に、スープカテゴリーは、缶詰/保存、脱水、インスタント、冷蔵、UHT、及び冷凍のスープをいう。この定義の目的のために、スープは、肉、鶏肉、魚、野菜、穀物、果物及び他の材料から調製され、これらの成分の一部又は全ての目に見える部分を含みうる液体で調理された食品を意味する。それは、透明な(ブイヨンのような)又は濃厚な(チャウダーのような)、滑らか、ピューレ状又は塊になった、すぐに使える、半凝縮又は凝縮されたものであってよく、食事の最初のコースとして又はメインのコースとして、又は食事の合間のスナック(飲み物のようにすする)としてホット又はコールドで提供されてよい。スープは、他の食事の材料を準備するための成分として使用されてよく、ブイヨン(コンソメ)からソース(クリーム又はチーズベースのスープ)まで変化しうる。
【0162】
脱水及び調理用食品のカテゴリーは、通常以下を意味する:(i)調理補助製品、例えば:粉末、顆粒、ペースト、濃縮液体製品(完成品として又は製品内の成分として個別に販売されている、濃縮ブイヨン、ブイヨン、及び圧縮キューブ、タブレット、粉末もしくは顆粒の形のブイヨン様製品を含む)、ソース及びレシピミックス(技術に関係ない);(ii)ミールソリューション製品、例えば:脱水及び凍結乾燥スープ(脱水スープミックス、脱水インスタントスープ、脱水調理済みスープ、調理済み料理の脱水又は周囲調理を含む)、食事及びシングルサーブのアントレ(パスタ、ポテト及びライス料理を含む);及び(iii)食事装飾製品、例えば:調味料、マリネ、サラダドレッシング、サラダトッピング、ディップ、パン、バッターミックス、貯蔵安定スプレッド、バーベキューソース、液体レシピミックス、濃縮物、ソース又はソースミックス(脱水、液体又は冷凍を問わず完成品として又は製品内の成分として販売される、サラダ用のレシピミックスを含む)。
【0163】
飲料カテゴリーは、通常、飲料、飲料ミックス及び濃縮物を意味し、これらに制限されないが、炭酸飲料及び非炭酸飲料、アルコール飲料及び非アルコール飲料、レディトゥドリンク飲料、飲料、例えばソーダを調製するための液体濃縮配合物、及び乾燥粉末飲料前駆体ミックスを含む。飲料カテゴリーは、アルコール飲料、ソフトドリンク、スポーツドリンク、等張飲料、及びホットドリンクも含まれる。アルコール飲料は、ビール、サイダー/ペリー、FAB、ワイン、及びスピリッツを含むが、これらに制限されない。ソフトドリンクは、炭酸、例えばコーラ及びコーラでない炭酸;フルーツジュース、例えばジュース、ネクター、ジュース飲料、フルーツ風味の飲料;スパークリングウォーター、スプリングウォーター、及び精製水/テーブルウォーターを含むボトル入り飲料水;炭酸飲料又は蒸留飲料であってよく、スポーツドリンク、エナジードリンク又はエリキシルドリンクを含む機能性飲料;濃縮物、例えばすぐに飲める量の液体及び粉末濃縮物を含むが、これらに制限されない。ホット又はコールドのいずれかのドリンクは、コーヒー又はアイスコーヒー、例えばフレッシュコーヒー、インスタントコーヒー及び組み合わせたコーヒー;ティー又はアイスティー、例えば紅茶、緑茶、白茶、ウーロン茶、フレーバーティー;フレーバー、麦芽、又は植物ベースの粉末、顆粒、ブロック、又はミルクや水と混合したタブレットを含む他の飲み物を含むが、これらに制限されない。
【0164】
スナック食品のカテゴリーは、一般的に、これらに制限されないが、甘く風味のあるスナック及びスナックバーを含む、軽いカジュアルな食事になりうるあらゆる食品をいう。スナック食品の例は、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出しスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、及び他の甘く風味のあるスナックを含むが、これらに制限されない。スナックバーの例は、グラノーラバー/ミューズリーバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、及び他のスナックバーを含むが、これらに制限されない。
【0165】
焼き菓子のカテゴリーは、一般的に、熱又は過度の日光への暴露を伴う調製のプロセスを含むあらゆる食用製品をいう。焼き菓子の例は、パン、バン、クッキー、マフィン、シリアル、トースターペストリー、ペストリー、ワッフル、トルティーヤ、ビスケット、パイ、ベーグル、タルト、キッチ、ケーキ、あらゆる焼き菓子、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに制限されない。
【0166】
アイスクリームのカテゴリーは、一般的に、クリーム及び砂糖及び香料を含む冷菓をいう。アイスクリームの例は、インパルスアイスクリーム;持ち帰り用アイスクリーム;フローズンヨーグルト及び職人技のアイスクリーム;大豆、オーツ麦、豆(例えば小豆泳ぎ緑豆)、米をベースとしたアイスクリームを含むが、これらに制限されない。
【0167】
菓子のカテゴリーは、一般的に甘い味の食用製品をいう。菓子の例は、キャンディー、ゼラチン、チョコレート菓子、砂糖菓子、ガムなど、及び任意に組み合わせた製品を含むが、これらに制限されない。
【0168】
食事代替カテゴリーは、一般的に、特に健康又はフィットネスに関心がある人々のために、通常の食事を置き換えることを目的としたあらゆる食品をいう。食事代替の例は、痩身製品及び回復期の製品を含むが、これらに制限されない。
【0169】
レディミールカテゴリーは、一般的に、大量の準備又は加工なしに食事として提供できるあらゆる食品をいう。レディミールは、製造者により添付されたレシピの「スキル」を有する商品が含まれ、高い程度の準備、完成度及び利便性をもたらす。レディミールの例は、缶詰/保存、冷凍、乾燥、冷蔵のレディミール;ディナーミックス;冷凍ピザ;冷蔵ピザ;及び調理済みサラダを含むが、これらに制限されない。
【0170】
パスタ及び麺カテゴリーは、これらに制限されないが、缶詰、乾燥、冷蔵/生のパスタ;及びプレーン、インスタント、冷凍、冷蔵、スナックの麺を含む、パスタ及び/又は麺を含む。
【0171】
缶詰/保存食品カテゴリーは、缶詰/保存した肉及び肉製品、魚/シーフード、野菜、トマト、豆、果物、レディミール、スープ、パスタ、及び他の缶詰/保存した食品を含むが、これらに制限されない。
【0172】
冷凍加工食品カテゴリーは、冷凍加工した赤身肉、加工した鶏肉、加工した魚/シーフード、加工した野菜、代替肉、加工したジャガイモ、ベーカリー製品、デザート、レディミール、ピザ、スープ、麺、及び他の冷凍食品を含むが、これらに制限されない。
【0173】
乾燥加工食品カテゴリーは、米、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーン麺、及びインスタント麺を含むが、これらに制限されない。冷蔵加工食品のカテゴリーには、冷蔵加工した肉、加工した魚/シーフード製品、ランチキット、新鮮なカットフルーツ、レディミール、ピザ、調理済みサラダ、スープ、生パスタ及び麺を含むが、これらに制限されない。
【0174】
ソース、ドレッシング及び調味料のカテゴリーは、トマトペースト及びピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ハーブ及びスパイス、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、テーブルソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェット/クッキングソース、乾燥ソース/粉末ミックス、ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ヴィネグレット、ディップ、漬物、並びに他のソース、ドレッシング及び調味料を含むが、これらに制限されない。
【0175】
ベビーフードカテゴリーは、ミルクベース又は大豆ベースの調合乳;及び調理済みの、乾燥させた及び他のベビーフードを含むが、これらに制限されない。
【0176】
スプレッドカテゴリーは、ジャム及び砂糖漬け、ハチミツ、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、及びイーストベースのスプレッドを含むが、これらに制限されない。
【0177】
乳製品カテゴリーは、一般的に哺乳類のミルクから製造された食用製品をいう。乳製品の例は、ミルク製品、チーズ、ヨーグルト及びサワーミルク飲料、及び他の乳製品を含むが、これらに制限されない。
【0178】
フレーバー付与した製品、特に食品及び飲料製品又は配合物の追加の例を以下に示す。例示的な摂取可能な組成物は、1つ以上の菓子、チョコレート菓子、タブレット、カウントライン、袋詰めのセルフライン/ソフトライン、箱入りの詰め合わせ、標準的な箱入りの詰め合わせ、ツイストラップしたミニチュア、季節のチョコレート、おもちゃのチョコレート、アルファホーレス、他のチョコレート菓子、ミント、標準ミント、パワーミント、ゆで菓子、パスティーユ、ガム、ゼリー及びチュー、タフィー、キャラメル及びヌーガ、薬用菓子、ロリポップ、リコリス、他の砂糖菓子、パン、袋詰めした/工場製パン、袋詰めした/工場製のパン、ペストリー、ケーキ、袋詰めした/工場製ケーキ、袋詰めした/工場製のケーキ、クッキー、チョコレートコーティングビスケット、サンドイッチビスケット、フィルドビスケット、風味付けしたビスケット及びクラッカー、パン代用品、朝食用シリアル、rteシリアル、家族用朝食用シリアル、フレーク、ミューズリ、他のシリアル、子供の朝食用シリアル、ホットシリアル、アイスクリーム、インパルスアイスクリーム、シングルポーション乳性アイスクリーム、シングルポーション水性アイスクリーム、マルチパック乳性アイスクリーム、マルチパック水性アイスクリーム、持ち帰りアイスクリーム、持ち帰り用乳性アイスクリーム、アイスクリームデザート、バルクアイスクリーム、持ち帰り用水性アイスクリーム、フローズンヨーグルト、職人製のアイスクリーム、乳製品、ミルク、生/低温殺菌ミルク、全脂肪生/低温殺菌ミルク、セミスキムフレッシュ/低温殺菌ミルク、長期保存/uhtミルク、全脂肪長期保存/uhtミルク、セミスキム長期保存/uhtミルク、無脂肪長期保存/uhtミルク、ヤギミルク、濃縮/蒸発ミルク、プレーン濃縮/蒸発ミルク、フレーバー付与した、機能性及び他の濃縮ミルク、フレーバー付与したミルクドリンク、乳製品のみのフレーバー付与したミルクドリンク、フルーツジュース入りのフレーバー付与したミルクドリンク、大豆ミルク、サワーミルクドリンク、発酵乳飲料、コーヒーホワイトナー、パウダーミルク、フレーバー付与した粉末ミルクドリンク、クリーム、チーズ、プロセスチーズ、スプレッドできるプロセスチーズ、スプレッドできないプロセスチーズ、未加工チーズ、スプレッドできる未加工チーズ、ハードチーズ、包装されたハードチーズ、包装されていないハードチーズ、ヨーグルト、プレーン/ナチュラルヨーグルト、フレーバーヨーグルト、フルーツヨーグルト、プロバイオティクスヨーグルト、飲用ヨーグルト、通常の飲用ヨーグルト、プロバイオティック飲用ヨーグルト、冷蔵及び貯蔵安定性のあるデザート、乳製品ベースのデザート、大豆ベースのデザート、冷蔵スナック、フロマージュフライ及びクォーク、プレーンフロマージュフライ及びクォーク、フレーバーフロマージュフライ及びクォーク、風味付けしたフロマージュフライ及びクォーク、甘くて風味付けしたスナック、フルーツスナック、チップス/クリスプ、押し出しスナック、トルティーヤ/コーンチップス、ポップコーン、プレッツェル、ナッツ、甘くて風味付けしたスナック、スナックバー、グラノーラバー、朝食バー、エネルギーバー、フルーツバー、他のスナックバー、食事代替品、痩身製品、回復ドリンク、レディミール、缶詰レディミール、冷凍レディミール、乾燥レディミール、冷蔵レディミール、ディナーミックス、冷凍ピザ、冷蔵ピザ、スープ、缶詰スープ、脱水スープ、インスタントスープ、冷蔵スープ、温かいスープ、冷凍スープ、パスタ、缶詰パスタ、乾燥パスタ、冷蔵/フレッシュパスタ、麺、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボウルインスタント麺、ポーチインスタント麺、チルド麺、スナック麺、缶詰食品、缶詰肉及び肉製品、缶詰魚/シーフード、缶詰野菜、缶詰トマト、缶詰豆、缶詰果物、缶詰レディミール、缶詰スープ、缶詰パスタ、他の缶詰食品、冷凍食品、赤肉の冷凍加工、冷凍加工家禽、冷凍加工魚/魚、冷凍加工野菜、冷凍代用肉、冷凍ポテト、オーブン焼きポテトチップス、他のオーブン焼きジャガイモ製品、オーブン焼き以外の冷凍ポテト、冷凍ベーカリー製品、冷凍デザート、冷凍レディミール、冷凍ピザ、冷凍スープ、冷凍麺、他の冷凍食品、乾燥食品、デザートミックス、乾燥レディミール、脱水スープ、インスタントスープ、乾燥パスタ、プレーン麺、インスタント麺、カップ/ボウルインスタントラーメン、ポーチインスタントラーメン、冷蔵食品、冷蔵加工肉、冷蔵魚/シーフード製品、冷蔵加工魚、冷蔵コーティング魚、冷蔵スモークフィッシュ、冷蔵ランチキット、冷蔵レディミール、冷蔵ピザ、冷蔵スープ、冷蔵/フレッシュパスタ、冷蔵麺、油脂、オリーブオイル、植物油及び種子油、調理用脂肪、バター、マーガリン、スプレッドオイル及び脂肪、機能性スプレッドオイル及び脂肪、ソース、ドレッシング及び調味料、トマトペースト及びピューレ、ブイヨン/ストックキューブ、ストックキューブ、グレービー顆粒、液体ストック及びフォン、ハーブ及びスパイス、発酵ソース、大豆ベースのソース、パスタソース、ウェットソース、ドライソース/パウダーミックス、ケチャップ、マヨネーズ、レギュラーマヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、通常のサラダドレッシング、低脂肪サラダドレッシング、ヴィネグレット、ディップ、漬物、他のソース、ドレッシング及び調味料、粉ミルク、調合乳、標準調合乳、フォローミルク調合乳、幼児用調合乳、低アレルギー性調合乳、調理済み離乳食、乾燥離乳食、他の離乳食、スプレッド、ジャム及び砂糖漬け、蜂蜜、チョコレートスプレッド、ナッツベースのスプレッド、酵母ベースのスプレッドを含む。例示的な摂取可能な組成物は、菓子、ベーカリー製品、アイスクリーム、乳製品、甘く風味付けしたスナック、スナックバー、代替食品、レディミール、スープ、パスタ、麺類、缶詰食品、冷凍食品、乾燥食品、冷蔵食品、油脂、ベビーフード、又はスプレッド、又はそれらの混合物も含む。例示的な摂取可能な組成物は、理想的には既知の糖甘味料又は人工甘味料の濃度の低減を可能にするための、朝食用シリアル、甘味飲料、又は飲料を調製するための固体もしくは液体濃縮物組成物も含む。
【0179】
いくつかの実施形態は、飲み込むことを意図されている場合もされていない場合もあるチュアブル組成物を提供する。いくつかの実施形態において、チュアブル組成物は、個々に又は組み合わせて本明細書に開示及び記載される化合物を含むガム、チューインガム、糖化ガム、無糖ガム、機能性ガム、バブルガムであってよい。
【0180】
典型的に、本発明の化合物の1つ以上の、少なくとも甘味受容体調節量、甘味受容体リガンド調節量、甘味フレーバー調節量、甘味フレーバー付与剤量、甘味フレーバー増強量、又は治療有効量は、任意に甘味料の存在下で、摂取可能な組成物に添加され、その結果、甘味が改変された摂取可能な組成物は、当該技術分野において一般的に公知の手順を介して、人間又は動物一般によって判断される場合に、又は製剤試験の場合に少なくとも8人の人間の味覚試験者のパネルの過半数によって判断される場合に、本発明の化合物なしで調製された摂取可能な組成物と比較して、甘味が増している。
【0181】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、他の天然又は合成の甘味味物質、及びそれから作製される摂取可能な組成物の甘味又は他の味特性を調節する。一実施形態において、本明細書に開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、そのリガンド増強濃度で使用又は提供されうる。例えば、本明細書に開示及び記載した化合物は、個々に又は組み合わせて、0.001ppm~100ppmの量で、又は0.1ppm~50ppm、0.01ppm~40ppm、0.05ppm~30ppm、0.01ppm~25ppm、又は0.1ppm~30ppm、又は0.1ppm~25ppm、又は1ppm~30ppm、又は1ppm~25ppmのより狭い代わりの範囲で存在してよい。
【0182】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示及び記載したフレーバー改質化合物は、個々に又は組み合わせて、フレーバー濃縮物配合物中で提供されてよく、例えば、すぐに使用できる(すなわちすぐに供給できる)製品を生成するためのその後の処理に適している。「フレーバー濃縮物配合物」に関して、すぐに使用できる組成物となるために1つ以上の希釈媒体で再構成されるべき配合物を意味する。「すぐに使用できる組成物」という用語は、本明細書において「摂取可能な組成物」と交換可能に使用され、これは、単独で又は又は他の物質と一緒に、消費を意図するかどうかにかかわらず、経口摂取できるあらゆる物質を意味する。一実施形態において、すぐに使用できる組成物は、人間又は動物によって直接消費されてよい組成物を含む。フレーバー濃縮物配合物は、典型的に、1つ以上の希釈媒体、例えば、あらゆる消費可能又は摂取可能な成分又は製品と混合又は希釈して、1つ以上のフレーバーを希釈媒体に付与又は改質することによって使用される。かかる使用プロセスは、しばしば再構成といわれる。再構成は、家庭用又は産業用の設定で実施できる。例えば、冷凍フルーツジュース濃縮物は、消費者によって台所で水又は他の水性媒体で再構成されて、すぐに使用できるフルーツジュース飲料を得ることができる。他の例において、ソフトドリンクシロップ濃縮物は、大規模な工業規模での製造業者によって水又は他の水性媒体で再構成されて、すぐに使用できるソフトドリンクを製造することができる。フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物よりも高い濃度でフレーバー付与剤又はフレーバー改質剤を含むため、フレーバー濃縮物配合物は、典型的に、再構成せずに直接消費するためには適していない。フレーバー濃縮物配合物を使用及び製造することには多くの利点がある。例えば、1つの利点は、フレーバー濃縮物配合物が使用時に適した溶媒、固体又は液体の添加によって再構成されるうるため、輸送のための重量及び体積における減少である。
【0183】
前記実施形態のいずれかに従って示されるフレーバー付与した製品は、特定の実施形態において、1つ以上の追加のフレーバー改質化合物、例えば甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、苦味を遮断する化合物、うま味を増強する化合物、酸味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、冷却効果を増強する化合物、又は前記したものの任意の組み合わせを含む。
【0184】
甘味又はフレーバー付与濃縮物を言及する本明細書において記載した任意の態様及び実施形態の特定の実施形態において、甘味又はフレーバー付与濃縮物は、天然に生じていない製品、例えばフレーバー付与した製品、例えば食品又は飲料製品の製造のために特別に製造した組成物である。
【0185】
一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、i)個々に又は組み合わせて、本明細書において開示及び記載した化合物、ii)キャリヤー、及びiii)任意に少なくとも1つの補助剤を含む。「キャリヤー」という用語は、通常は不活性な補助的な物質、例えば溶媒、結合剤、又は他の不活性媒体を意味し、本発明の化合物及び1つ以上の任意の補助剤と組み合わせて使用して配合物を形成する。例えば、水又はデンプンは、フレーバー濃縮物配合物のキャリヤーであってよい。いくつかの実施形態において、キャリヤーは、フレーバーの濃縮配合物を再構成するための希釈媒体と同一であり、他の実施形態において、キャリヤーは、希釈媒体とは異なる。本明細書において使用される「キャリヤー」という用語は、摂取可能に許容されるキャリヤーを含むが、これに制限されない。
【0186】
「補助剤」という用語は、有効成分、例えば本発明の化合物の意図された機能又は有効性を補足、安定化、維持、又は増強する添加剤を意味する。一実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上のフレーバー付与剤を含む。フレーバー付与剤は、当業者又は消費者に公知のあらゆるフレーバー、例えばチョコレート、コーヒー、紅茶、モカ、フレンチバニラ、ピーナッツバター、チャイ、又はそれらの組み合わせのフレーバーであってよい。他の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、1つ以上の甘味料を含む。1つ以上の甘味料は、本願において記載した甘味料のいずれかであってよい。他の実施形態において、少なくとも1つの補助剤は、乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物及び単離物、塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の成分を含む。乳化剤、安定剤、抗菌防腐剤、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル、脂肪、デンプン、タンパク質濃縮物及び単離物、並びに塩の例は、米国特許第6,468,576号明細書に記載されており、その内容は、あらゆる目的のために参照を持ってその全体を組み込んだものとする。
【0187】
一実施形態において、本発明のフレーバー濃縮物配合物は、溶液及び懸濁液を含む液体、固体、発泡性材料、ペースト、ゲル、クリーム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される形、例えば一定量の固形分を含む液体であってよい。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、水性ベース及び非水性ベースを含む液体の形である。いくつかの実施形態において、本発明のフレーバー濃縮物配合物は、炭酸化は非炭酸であってよい。
【0188】
フレーバー濃縮物配合物は、少なくとも1つの補助剤として、凝固点降下剤、核剤、又はその双方をさらに含んでよい。凝固点降下剤は、化合物又は薬剤を添加した液体又は溶媒の凝固点を低下させることができる、摂取可能な許容できる化合物又は薬剤である。すなわち、凝固点降下剤を含む液体又は溶液は、凝固点降下剤を含まない液体又は溶媒よりも低い凝固点を有する。開始凝固点を低下させることに加えて、凝固点降下剤は、フレーバー濃縮物配合物の水分活性も低下させてもよい。凝固点降下剤の例は、炭水化物、油、エチルアルコール、ポリオール、例えばグリセロール、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに制限されない。核形成剤は、核形成を促進できる摂取可能な化合物又は薬剤を意味する。フレーバー濃縮物配合物中における核剤の存在は、フローズンスラッシュのフローズンブラッシュ(frozen Blushes)の口当たりを改善し、所望の氷結晶化中心の数を増加することにより凍結温度でのスラッシュの物理的な特性及び性能を維持するのを助けることができる。核剤の例は、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに制限されない。
【0189】
一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、貯蔵寿命を延ばすために水分活性を低く配合される。水分活性は、同一温度での純水の蒸気圧に対する配合物中の水の蒸気圧の比率である。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、約0.85未満の水分活性を有する。他の実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、約0.80未満の水分活性を有する。他の実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、約0.75未満の水分活性を有する。
【0190】
一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも2倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも5倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも10倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも15倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも20倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも30倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも40倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも50倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の少なくとも60倍である濃度で本発明の化合物を有する。一実施形態において、フレーバー濃縮物配合物は、すぐに使用できる組成物中の化合物の濃度の100倍までである濃度で本発明の化合物を有する。
【0191】
前記実施形態のいずれかに従って示される甘味又はフレーバー濃縮物は、特定の実施形態において、1つ以上の追加のフレーバー改質化合物、例えば甘味を増強する化合物(例えば、ヘスペレチン、ナリンゲニン、グルコシル化ステビオールグリコシドなど)、苦味を遮断する化合物(例えば、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ステルビン、及びそれらの塩又はグリコシド誘導体、並びにバニリルリグナン、例えばマタイレシノール及び国際公開第2012/146584号において記載される他の化合物)、うま味を増強する化合物(例えば、ルベマミン、ルベセナミン、(E)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(4-メトキシフェネチル)アクリルアミドなど)、酸味及び/又はカンゾウの味を低減する化合物、塩味を増強する化合物、冷却効果を増強する化合物、又は前記したものの任意の組み合わせを含む。
【0192】
方法及び製造
本明細書に開示した化合物は、以下に記載される方法によって、又はこれらの方法の改変によって合成されうる。方法論を変更するやり方は、とりわけ、当業者に公知の温度、溶媒、試薬などを含む。一般的に、本明細書において開示した化合物の製造のためのプロセスのいずれかの間に、関係する分子のいずれか上の感受性又は反応性基を保護することが必要又は望ましい場合がある。
【0193】
特定の態様において、本開示は、酵素触媒プロセスを介して前記態様のフレーバー改質化合物を製造する方法を提供する。例えば、特定の実施形態において、前記方法は、中央のフラバノン二環式環系の3位で水素原子を有する、フラバノンである前駆体、又はそれらの誘導体を提供することを含む。フラバノン前駆体の適した制限のない例は、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ステルビン、又はそれらの任意の塩もしくはグリコシドを含む。特定の実施形態において、前記方法は、フラバノン前駆体と1つ以上の酵素とを反応させて、中央フラバノン二環式環系の3位に非水素置換基を提供し、3位官能化フラバノン化合物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の酵素は、R又はSのような特定の立体化学における官能化を提供する。1つ以上の酵素は、任意の適切な官能化を提供できる。いくつかの実施形態において、1つ以上の酵素は、3位にヒドロキシル(-OH)基を提供する。いくつかの実施形態において、この官能化は、酵素であるフラバノン3-ヒドロキシラーゼによって実施されうる。いくつかの実施形態において、3位官能化フラバノン化合物は、3位でさらに官能化される。例えば、3位官能化フラバノン化合物が3位でヒドロキシル基を有するいくつかの実施形態において、ヒドロキシル基は、ヒドロキシル基との反応に適した任意の試薬を使用してさらに官能化されうる。例えば、いくつかのかかる実施形態において、3位のヒドロキシル基は、カルボン酸と、例えば酢酸と反応して、エステル(例えば、アセテート)を形成する。いくつかのかかる実施形態において、さらなる官能化は、3位での絶対立体化学を保存する方法で実施される。
【0194】
前記したいくつかの特定の実施形態において、前記方法は、(例えば、適切な溶媒系中で)ナリンゲニンを準備すること;ナリンゲニンとフラバノン3-ヒドロキシラーゼとを反応させて、アロマデンドリン[(2R,3R)-3,5,7,4’-テトラヒドロキシフラバノン]を形成すること;及びアロマデンドリンと酢酸(又はそのエステル)とを反応させて、アロマデンドリン-3-O-アセテート[(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン]を形成することを含む。
【0195】
実施例
本発明をさらに説明するために、以下の実施例が含まれる。もちろん、これらの例は、本発明を具体的に限定するものとして解釈されるべきではない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変形は、当業者の範囲内であり、記載された本発明の範囲内及び本明細書において請求した本発明の範囲内にあると見なされる。読者は、本開示を備えた当業者が、網羅的な例なしに本発明を準備及び使用することができることを認識するであろう。
【0196】
実施例1-甘味の増強
試験化合物、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,4’-トリヒドロキシフラバノン(A01)を、スクロースの5%(w/w)水溶液の甘味増強についてナリンゲニンと比較して試験した。味覚パネリストに、Henniez水中で次の5%スクロース溶液を試食し、その甘味を0~10のスケールで評価し、試料中のカンゾウの味の存在を0~10のスケールで評価するように求めた。結果を表1に示す。
【0197】
【表1】
【0198】
実施例2-甘味の増強
試験化合物A01を、実施例1に記載した試験と同様に、他の甘味増強剤と比較して試験した。結果を表2に示す。比較化合物は、タキシフォリン3-O-アセテート(A02)及びアンペロプシン3-O-アセテート(A03)である。
【0199】
【表2】
【0200】
実施例3-甘味料の置換試験
試験化合物A01を特定の甘味料と組み合わせて使用して、より高濃度の甘味料を含み、かつ試験化合物A01の量を含まない同等の飲料に匹敵する甘味プロフィールを得た。
【0201】
ある試験において、45人のパネリストに、450ppmのレバウジオシドMで甘味付けした飲料と、300ppmのレバウジオシドM及び12ppmの試験化合物A01を含む飲料とのどちらかを選択するように依頼した。45人のパネリストのうち、23人が前者を選択し、22人が後者を選択し、これは統計的に等価である。これは、12ppmの試験化合物A01の導入が、レバウジオシドMの濃度を33%まで低減できたことを示した。
【0202】
他の試験において、45人のパネリストに、160ppmのスクラロースで甘味付けした飲料と、120ppmのスクラロース及び12ppmの試験化合物A01を含む飲料とのどちらかを選択するように依頼した。45人のパネリストのうち、22人が前者を選択し、23人が後者を選択し、これは統計的に等価である。これは、12ppmの試験化合物A01の導入が、スクラロースの濃度を25%まで低減できたことを示した。
【0203】
実施例4-生体内分解及び化学合成による化合物の調製
以下の説明は、化合物A01を得た制限のない方法を示す。
【0204】
タンパク質生産
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)からのフラバノン-3-ヒドロキシラーゼ(F3H)をコードする遺伝子(GenBank:U33932)を、そのオリジナル配列(Cho制限部位のみを削除)で整列し、そして制限部位NcoI及びXhoIを介してpET29aにクローン化されたTwistのN末端Trxタグを有する及び有しない大腸菌(E. coli)についてコドン最適化した。大腸菌BL21Star(DE3)を、4つの構築物で形質転換した。
【0205】
前培養のために、カナマイシン(50μg/mL)を含むLB培地7mLに、構築物を保有する大腸菌BL21Star(DE3)株を接種し、37℃及び200rpmで一晩インキュベートした。前培養物5mLを使用して、カナマイシン(50μg/mL)を含むLB培地400mLの主培養物に接種し、600nm(OD600)での光学密度が約0.8に達するまで37℃でインキュベートした。AthF3Hの発現を、0.1mMのIPTG(イソプロピル-D-チオガラクトピラノシド)によって誘導し、そしてその培養物を20℃で20時間振盪させた。遠心分離により細胞を回収し、100mMリン酸カリウム緩衝液(KPi、pH7)中に再懸濁させてODを50にした。タンパク質生成を、SDS-PAGEによって確認し、AthF3Hが可溶性タンパク質として非常によく発現され、4つの構築物間に差異がないことを示した。
【0206】
生体内分解
生体内分解を、3時間、10%MeOH、4mM(±)-ナリンゲニン、10mM α-ケトグルタレート、10mMアスコルビン酸及び0.25mM FeSOを含む50mM トリス/HCl(pH7)中で、150mLの合計体積で、大腸菌BL21Star(DE3)-AthF3Hの全細胞をOD10で実施した。バイオマスを遠心分離により除去した。
【0207】
アロマデンドリン及び未反応のナリンゲニンの精製
生体内分解物の上清を、前処理したWaters Oasis HLB SPEカートリッジ(6g)に注いだ。維持を完了し、カートリッジを水ですすいだ。そして、それを3倍量の100mLのH2O/EtOH(50:50)(Fr.1~3)及び3倍量のH2O/EtOH(30:70)(Fr.4~6)のよりうまく溶出させた。画分1及び2を濾過し、プールし、蒸発させ、そして凍結乾燥させて、102mgの90%純アロマデンドリン(モル収率59%)を得た。同様に、画分4及び5は約60mgを得て、それは純粋な未反応のナリンゲニンであった。αD=+21°(c=0.5g/100mL、EtOH)の旋光度の測定は、未反応のナリンギンが(2R)-(+)-ナリンゲニンであることを示した。同様に、生成したアロマデンドリンは、αD=+9°(c=0.5g/100mL、EtOH)を示し、その主な生成物は(2R,3R)配置であった。
【0208】
アロマデンドリン-3-O-アセテートの合成
アロマデンドリン(100mg)とジメチルアミノピリジン(DMAP)10mgをピリジン(10mL)で希釈した。無水酢酸(1mL)を滴下した。15分間撹拌して反応させた。ピリジンを蒸発させ、反応物を100mLのEtOAcに取り、5%KHSO4及び鹹水で洗浄した。それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を10mLのCH2Cl2で希釈し、0℃に冷却した。ピロリジン(500μL)を100μLずつ添加し、そして0~10℃で2時間撹拌して反応させた。ジクロロメタン(30mL)を添加し、有機相を5%KHSO4及び水で連続して洗浄した。その水相を、CH2Cl2で2回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、水/アセトニトリル0.1%ギ酸の勾配(20%、5分、次に20分で20~80%B)を使用するLichroprep RP-18(45gのガラスカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。予想される生成物を含む画分を合し、蒸発させ、そして凍結乾燥させて、アロマデンドリン-3-O-アセテート53mg(収率59%)を得た。αD=+22.1°(c=0.5g/100mL、EtOH)の旋光度の測定は、生成物(2R,3R)-(+)-アロマデンドリン-3-O-アセテートであることを示した。NMR 13C (MeOD, 500 MHz): 20.2 (q); 73.8 (d); 82.5 (d); 96.6 (d); 97.7 (d); 102.2 (s); 116.3 (d); 127.9 (s); 130.2 (d); 159.7 (s); 164.3 (s); 165.5 (s); 169.1 (s); 170.9 (s); 193.4 (s)
【0209】
実施例5-天然混合物の試験
場合により、天然源から化合物A01を入手することが望ましい場合があり、他のフラボノイド化合物との混合物として抽出してよい。
【0210】
エンゲルハルドティア・ロクスブルグヒアナ(Engelhardtia Roxburghiana)抽出物の加水分解
機械的撹拌器及びコンデンサを備えた500mLの3つ口丸底フラスコ中で、エンゲルハルドティア・ロクスブルグヒアナ抽出物25g(80%アスチルビン、供給者Xi’an Tuofeng Biotech Ltd)、1Mクエン酸250mL(新たに調製)及びビタミンE250mgを還流させ、一晩撹拌した。冷却後に、その反応混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合した有機層を、脱イオン水で1回、鹹水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗エンゲルハルドティア加水分解物14.4g(収率88.3%)を得た。
【0211】
反応蒸留によるエンゲルハルドティア加水分解物のアセチル化
Vigreux 15cm、蒸留ブリッジ及び磁気攪拌機を備えた500mLの三口丸底フラスコ中で、粗エンゲルハルドティア加水分解物10g、AcOH200mL及びビタミンE約100mgを50時間還流させた。続いて酢酸を蒸留し、その反応混合物を酢酸エチル約200mLで希釈した。その有機相を5%重炭酸ナトリウム200mL、水で1回、鹹水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄褐色粉末10g(収率87.5%)を得た。
【0212】
フラボノイドの定量
UPLC装置は、バイナリポンプ、PDA検出器、カラムマネージャ(4カラム)、固定ループ試料マネージャ、及びELSD検出器から構成されるWaters Acquity I-ClassUPLCシステムであった。質量分析計はQExactivePlus(Thermo)であった。この装置を、2週間以内にThermo注入溶液を使用して校正した。4-P-FS-Engelhardtia-MeOH(前記したもの)の方法を使用した。定量のために、イオン305.0654(1)、289.0706(2)、347.0761(3)、331.0815(4)を使用して、2次検量線を得た。使用したUV範囲は、270~320nmであり線形検量線をもたらした。試料を、10.88mgの1、10.15mgの3、10.13mgの2、及び10.05mgの4をエタノール10.0mLに正確に溶解して調製し、そしてストック液をエタノール中で10倍に希釈し、この溶液が検量線の最高点であった。そして、100ppmでこの溶液を希釈して、100ppm~1ppm(100:50:25:10:5:1)の範囲にわたって6点で校正点を作成した。得られた混合物の約10.0mgを、エタノール10.0mLで希釈した。この溶液を定量化のために5倍に希釈した(約200ppm)。表3は、得られた混合物中の特定のフラボノイドの組成を示す。
【0213】
【表3】
【0214】
感覚的評価
得られた混合物を、5%スクロースを含む水に導入し、50ppmの混合物は、20ppmの純粋な化合物A01とほぼ同等に甘かった。
【0215】
実施例6-甘味の増強
試験化合物、(2R,3R)-3-アセトキシ-5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン(A02)を、甘味増強及び甘味料として試験した。
【0216】
ある試験において、味覚パネリストに、スクロースで9Bxまで甘くした飲料と、スクロース及び2.5ppmの試験化合物A02で7Bxまで甘くした飲料のどちらかを選択するように求めた。パネリストは、2つの飲料が同等の甘味を有していると知覚した。これは、25ppmの試験化合物A02の導入が、スクロースの濃度を2Bxまで低減できたことを示した。
【0217】
他のテストにおいて、味覚パネリストに、200ppmのレバウジオシドM及び10ppmの試験化合物A02で甘くした飲料と、スクロースで10Bxまで甘くした飲料のどちらかを選択するように求めた。パネリストは前者の飲料をより甘い味と選択し、レバウジオシドMと試験化合物A02の組み合わせが、スクロースで12Bxまで甘くした飲料と同様の自然な味の甘さを付与したことを見出した。
図1
【国際調査報告】