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特表2022-547295一酸化炭素を使用した試薬赤血球の貯蔵のための方法
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  • 特表-一酸化炭素を使用した試薬赤血球の貯蔵のための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】一酸化炭素を使用した試薬赤血球の貯蔵のための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/14 20150101AFI20221104BHJP
   A61K 35/18 20150101ALI20221104BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
A61K35/14 A
A61K35/18 A
A61P7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514993
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020049510
(87)【国際公開番号】W WO2021046424
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】62/896,360
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507318956
【氏名又は名称】ヘマネクスト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ダナム アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】吉田 達郎
【テーマコード(参考)】
4C087
【Fターム(参考)】
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB36
4C087DA10
4C087MA16
4C087NA03
4C087NA14
4C087ZA51
(57)【要約】
本出願は、血液型決定を使用するための方法、組成物、およびキット、ならびに血液を輸血医学におけるその使用前に血液型判定する際に使用するための改善された赤血球含有試薬の調製を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、
a)抗原的に特徴付けられている赤血球を得ることと、
b)前記赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
c)ヘモグロビン誘導体を含む前記赤血球を嫌気条件下で保存して、試薬赤血球を形成することと、を含み、ヘモグロビン誘導体を含む前記試薬赤血球の表面抗原が安定化されている、前記方法。
【請求項2】
前記化学薬剤が、一酸化炭素(CO)であり、前記ヘモグロビン誘導体が、カルボキシ-ヘモグロビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化学薬剤が、シアン化物であり、前記ヘモグロビン誘導体が、シアノ-メトヘモグロビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化学薬剤が、アジ化物(N3)であり、前記ヘモグロビン誘導体が、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
赤血球を特徴付けることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、
医薬品を含む赤血球を得ることと、
前記赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
前記医薬品を含む前記赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む、前記方法。
【請求項7】
前記保存雰囲気が、10mmHg未満の酸素を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記保存が、周囲圧力下にある、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記化学薬剤が、一酸化炭素(CO)であり、前記ヘモグロビン誘導体が、カルボキシ-ヘモグロビンである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記化学薬剤が、シアン化物であり、前記ヘモグロビン誘導体が、シアノ-メトヘモグロビンである、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記化学薬剤が、アジ化物(N3)であり、前記ヘモグロビン誘導体が、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビンである、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記保存雰囲気が、一酸化炭素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記雰囲気が、前記保管雰囲気が、周囲空気、一酸化炭素、N2、またはそれらの混合物を含むことを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記雰囲気が、窒素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記有効期間が、オキシヘモグロビンを含み、同様な条件下で保存されるRBCと比較して、1週間以上増加する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
医薬品を発現する赤血球を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、非酸素ヘモグロビン結合剤および25%未満のSO2を含む、医薬組成物。
【請求項17】
医薬品を含む赤血球を含む一酸化炭素飽和医薬組成物を含む、保存バイアル。
【請求項18】
所定用量の赤血球薬品をパッケージングする方法であって、酸素を一酸化炭素とのガス交換によって枯渇させることと、薬品容器を所定用量の前記赤血球薬品で充填することと、前記薬品容器を密封することと、を含む、前記方法。
【請求項19】
薬物送達のための赤血球のインビボ循環時間を増加させるための方法であって、
医薬品を含む赤血球を得ることと、
前記赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
前記医薬品を含む前記赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む、前記方法。
【請求項20】
実質的に、本明細書に記載される通りである発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月5日に出願された米国仮出願第62/896,360号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、血液型決定の分野、および血液を輸血医学におけるその使用の前に血液型判定する際に使用するための改善された赤血球含有試薬の調製に関する。本発明はまた、薬物送達のための赤血球の改善された保存およびインビボ循環に関する。
【背景技術】
【0003】
赤血球(RBC)試薬は、十分に特徴付けられた表現型を有する確立されたドナーから収集される血液から製造される。RBCは、希釈され、希釈溶液中でパッケージングされて、血液センター/血液バンクで処理されたRBCの血液型を決定するための標準として使用される。ほとんどの場合、自動化デバイスが、血液型決定および他の重要なRBC品質パラメータを特徴付けるために使用される。表面抗原を貯蔵するために、RBCは固定されておらず、したがって、保存障害の蓄積によって不安定である。これらの時間依存的変化は、これらの重要なRBC調製物の有効期間(shelf life)を約9週間(63日)に制限する。
【0004】
RBCは、表面を除き、周囲の空気からの拡散に頼ることができない体全体にわたって、酸素輸送を提供するように進化した。RBCはこの機能を、酸化可能な第一鉄を含有する非常に高い濃度のヘモグロビンを細胞質ゾルに詰め込むことによって達成する。約120日間の循環中、RBCは、代謝酵素/酸化還元酵素の緻密なネットワークによって酸素を輸送するように維持される。しかしながら、これらの緻密な進化的最適化は、RBCが循環から取り出されて、低温で保存されると、もはや実施可能ではなく、保存されたRBCの有効期間にわたって蓄積される保存誘発性損傷(保存障害)をもたらす。保存障害の発生における2つの大きな駆動力の1つは酸化的損傷であり、知られてはいたが、最近まで全体的には取り組まれていなかった。
【0005】
ヘモグロビン中の鉄の化学的酸化は、保存障害の発生における主要な要素である保存RBC中の酸化ストレスを開始する中心反応である。RBCは、高濃度の溶存酸素とともに、ヘモグロビンの補欠分子族における高濃度の反応性第一鉄を含有する。ヘモグロビン中の4つの鉄部分(第一鉄状態)が酸素と化学反応して、メトヘモグロビン(第二鉄状態)を形成する。副産物として、スーパーオキシドアニオンが生成され、これはスーパーオキシドジムターゼによって変換されて、主要な活性酸素種(ROS)であり、ヒドロキシルラジカル(OH・)生成における基質であるH22形成する。インビボで、メトヘモグロビンは、レダクターゼ酵素によって還元されてヘモグロビンに戻るが、これらの酵素活性は、低温保存条件下で抑制される。低温での溶解度の増加に起因する、より高い溶存酸素濃度と相まって、この現象は、メトヘモグロビンおよびスーパーオキシドアニオンの生成増加をもたらす。ROS分子は、RBC中の脂質および構造タンパク質と反応し、完全性を損なわせ、生体内循環寿命を低下させる。ROSはまた、「製品」RBCを価値あるものにする重要な酵素または表面分子を攻撃し、有効性または有用性を低下させる。
【0006】
ヘモグロビンのCOに対する親和性は、O2よりも約400倍高く、COは、ヘムと化学的に容易に反応しない。ヘム-CO複合体は非常に安定であり、そのため、酸素によるヘモグロビン酸化が低温RBC保存中の酸化ストレスの主な要因であるような酸化RBC保存障害を大幅に低減させる。O2とは異なり、COは第一鉄と容易に反応しないが、Hb-COとしてそれを安定させることによってHb酸化を防止し、低温(すなわち1~6℃)で保存されるRBCにおける酸化保存障害の発生を大幅に低減させる。ROS損傷は、COまたは窒素のような不活性ガス下のいずれかの無酸素条件下でRBCを保存することによって、さらに低下させることができる。
【0007】
HbとのCOの高親和性結合は、COが放出されるまで、Hb-COを含有するHbおよびRBCを酸素キャリアとして役立たなくさせるが、COによるHbの安定化は保存中に有益であり、試薬RBCの有効期間を、使用のために開封または再構成される前だけでなく、開封後にも延長することができる。輸血用のRBCよりもはるかに多く、試薬RBCは、高度に特徴付けられ、非常に価値のある慎重に管理される試薬である。有効期間に対する小さな改善さえ、血液バンク業務のコストを大幅に削減することができる。試薬RBCのCO処理は、保存障害蓄積を低減させ、有効期間を延長させる。
【0008】
酸素を輸送する赤血球の能力に加えて、赤血球はまた、異なる薬物、ペプチド分子、および酵素の生体適合性キャリアとしても利用される。赤血球は、細胞表面上または細胞質ゾル内で生体治療タンパク質の発現を介して様々な疾患を治療するように操作することができる。これらの赤血球を利用して、がん、自己免疫疾患、胃腸疾患を治療し、酵素欠損症を有する患者において欠損酵素に取って代わる。薬物送達のための細胞の広範なレビューは、Shi,J.,et al.,“Engineered red blood cells as carriers for systemic delivery of a wide array of functional probes,”PNAS 111(28):10131-10136(2014)、Deshmukhe A and Shetty S,“Resealed erythrocytes:a novel and promising drug carrier,”Int J Pharm Sci Res 8(8):3242-51(2017)、Hamadi and Tajerzadeh,“Carrier Erythrocytes:An Overview,”Drug Delivery 10:9-20(2003)、Harisa et al.,“Application and safety of erythrocytes as a novel drug delivery system,”Asian Journal of Biochem.6(4):309-321(2011)、Ravilla et al.,“Erythrocytes as Carrier for Drugs,Enzymes,and Peptides,”Journ.of Applied Pharm.Sci.2(04):166-176(2012)、Sprandel and Zollner,“Osmotic fragility of drug carrier erythrocytes,”Res.Exp.Med.185:77(1985)、米国特許公開第2017/0020926号、米国特許公開第2018/0085402号、米国特許公開第2018/0153989号、米国特許公開第2018/0135012号、および米国特許第9,644,180号を参照されたく、これらの各々はその全体が参照により組み込まれる。
【0009】
薬物送達のための赤血球の1つの問題は、保存中に生じる。酸化的損傷は、薬剤送達のための医薬品(pharmaceutical agent)の有無にかかわらず、従来のように保存される赤血球で赤血球保存障害を開始する。さらに、非酸化的損傷も、薬剤送達RBCの循環寿命を低下させる。治療剤を送達する場合、保存中に高品質を維持し、一貫した循環寿命を確実にすることが重要である。活性薬剤の用量依存性を考慮すると、薬物送達のためのRBCの予測可能で一貫した品質を確実にする方法が必要とされる。輸血のためのRBCとは対照的に、酸素を送達するRBCの薬物送達能力は、副次的に重要である。むしろ、長期循環における赤血球の障害の低下および安定化が第一目標である。したがって、医薬品送達では、酸化的損傷を低減させるとともに、赤血球を安定させて、保存有効期間および治療される患者の体内における循環寿命を延長するためのさらなる方法が必要とされる。
【0010】
ここでは、酸化的損傷を低減させることと、ヘモグロビンを安定させることの両方によって、薬物送達に使用される赤血球の有効期間を改善および赤血球の循環期間を増加させるための保存方法を初めて提供する。これは、酸素レベルを低減し、保存中のヘモグロビンの安定した誘導体を調製することによって達成される。一態様において、一酸化炭素をヘモグロビン含有細胞に添加して、安定したカルボキシヘモグロビンを形成させる。上述のように、一酸化炭素に対するヘモグロビン親和性は、酸素の約400倍であり、一酸化炭素は、ヘモグロビンの第一鉄と容易に化学的に反応しない。ここでは、シアン化物およびアジ化物など、一酸化炭素に代わるいくつかの代替も提供する。シアン化物は、酸化されたヘモグロビン(メトヘモグロビン)と反応して、非常に安定したシアノ-メトヘモグロビンを形成する。この複合体は容易に分解しない。シアノ-メトヘモグロビン複合体は、メチレンブルー、フェニルメチル硫酸塩、およびフェリシアン化カリウムなどの多数の酸化剤によって形成することができる。アジ化物もまたメトヘモグロビンと反応して、安定なアジド-ヘモグロビン複合体を形成する。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、赤血球を得ることと、赤血球を、一酸化炭素を含むガスでフラッシングして、RBCにおける一酸化炭素飽和ヘモグロビン(CO-Hb RBC)を調製することと、CO-Hb RBCを一酸化炭素(CO)の存在下において嫌気条件下で保存することと、を含み、当該CO-Hb RBCの表面抗原が安定化される、方法を提供し、かつ含む。
【0012】
本開示は、試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、赤血球を得ることと、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を嫌気条件下で保存して試薬赤血球を形成させることと、を含み、ヘモグロビン誘導体を含む試薬赤血球の表面抗原が安定化される、方法を提供し、かつ含む。
【0013】
本開示は、緩衝液中に共通のセットの表面抗原を有する複数のCO-Hb RBCを有する一酸化炭素飽和RBC(CO-Hb RBC)の1つ以上のバイアルと、使用説明書と、を含む、キットを提供し、かつ含む。
【0014】
本開示は、緩衝液および一酸化炭素飽和RBC(CO-Hb RBC)を含むCO-Hb RBCのバイアルであって、CO-Hb RBCが、血液型O細胞であり、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原について陽性であるCO-Hb RBCと、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性である、血液型O細胞であるCO-Hb RBCと、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびeについて陽性であるO型細胞であるCO-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、およびYta、について陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原A1について陽性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原A1について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原A2について陽性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原A2について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原Bについて陽性である、B型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原Bについて陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、B型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhヘテロタイプR2を有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhヘテロタイプR1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプスブルクR2を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性であり、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1k、およびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rgaについて陰性であり、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する抗体の低下した結合を有するかもしくは結合を有さない、O型細胞であるCO-Hb RBCと、D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)血清で感作される、O型細胞であるCO-Hb RBCと、A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、B型細胞であるCO-Hb RBCと、A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞であるCO-Hb RBCと、A1、B抗原、ならびにRh血清型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびeに対する抗体の結合について陽性である、AB型細胞であるCO-Hb RBCと、Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、O型細胞であるCO-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、O型細胞であるCO-Hb RBCと、からなる群から選択される、バイアルを、提供し、かつ含む。
【0015】
本開示は、薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を得ることと、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、医薬品を含む赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0016】
本開示はまた、薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を一酸化炭素でパージすることと、パージした赤血球を期間の間保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0017】
本開示は、医薬品を発現する白血球枯渇化赤血球(RBC+PA)を含む医薬組成物を提供し、かつ含み、医薬組成物は、非酸素ヘモグロビン結合剤および25%未満のSO2を含む。
【0018】
本開示は、医薬品を含む赤血球を含む一酸化炭素飽和医薬組成物を含む、保存バイアルを提供し、かつ含む。
【0019】
本開示はまた、所定の用量の赤血球薬品をパッケージングする方法であって、酸素を一酸化炭素とのガス交換によって枯渇させることと、薬品容器を所定用量の赤血球薬品で充填することと、薬品容器を密封することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0020】
本開示はさらに、薬物送達のための赤血球の循環寿命を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球(RBC+PA)を得ることと、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、医薬品を含む赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施例2(a)による実施形態における赤血球濃縮物の脱酸素化および一酸化炭素化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
血液型血清学は、患者に関わる輸血または臓器移植の前に、血液ドナーと患者レシピエントとの間の血液細胞適合性の決定を必要とする。血液細胞適合性は、患者の血清に含有される抗体と、ドナーからの血液細胞に存在する抗原との間の免疫学的反応の非発生によって決定される。血液細胞型判定および適合性のための試験は、一般に2つのタイプがあり、(1)細胞に添加された特異的抗体がそれらの凝集を引き起こすか決定する凝集試験と、(2)血清補体とともに試験細胞に添加された特異的抗体が溶血をもたらすかを決定する細胞溶解試験と、である。一般的に使用される血液細胞型判定および適合性試験手順では、凝集試験および細胞溶解試験の両方が、訓練された技術者によってマニュアルで、または自動化デバイスを使用して実行される。免疫学的反応の存在は、輸血および移植療法で不適合である。
【0023】
国際輸血学会は、300を超える抗原を代表する33の血液型系を列挙している。Logdberg et al.“Human blood group genes 2004:Chromosomal locations and cloning strategies,”Transfus Med Rev.19:45-57(2005)およびLogdberg et al.,“Human blood group genes 2010:Chromosomal locations and cloning strategies revisited,”Transfus Med Rev.25:36-46(2011)を参照されたい。クローニングおよび配列決定は、これらの血液型系の遺伝子が、X由来であるXGおよびXKを除いて常染色体であり、XおよびY染色体の両方に存在するMIC2であることを実証する。多くの異なる血液型抗原が、すべての個体の赤血球の表面に認められる。遺伝した遺伝子の産物であるこれらの抗原は、一卵性双生児を除くすべての個体間で独自であるような組み合わせで存在する。
【0024】
多くの重要な血液型系が、当該技術分野で周知であり、表1に示される。
【表1】
【0025】
血液型判定は、一般に、どの抗原が存在し、どの抗原が存在しないかを決定するために赤血球を試験するプロセスであり、通常、試験対象の抗原に対する抗体を利用する。加えて、人が赤血球に特定の赤血球抗原を有しない場合、その人の血清はその抗原に対する抗体を含有し得る。抗体が血清中に存在するかしないは、その人の免疫系が、その特定の抗原またはそれに非常に類似したものによって過去に負荷されて、それに応答したかに依存する。例えば、赤血球がA型である人、すなわち、赤血球に「A」抗原を有する人は、その血清中に抗B抗体を有することになる。したがって、かかる人にB型血液が与えられた場合、免疫学的応答が、重大な臨床的結果の可能性とともに生じる。
【0026】
輸血療法の前に、採取した血液は、血液型を分析することによって適合性が試験される。血液型の試験は、種々の抗原(A、Bなど)についてRBCを試験し、抗原に対する抗体について血清を試験することによって実行される。前者の試験では、試料血液に由来するRBCを、血液型抗原の各々を認識する抗体とともにインキュベートし、凝集または他の既知の免疫学的アプローチのいずれかを使用して結合についてスコア化する。血清の試験は、抗原が提供され、抗体結合が酵素または蛍光レポーターを介して間接的に検出されるELISAなどの様々な方法で行うことができる。より伝統的なアプローチは、血球凝集アッセイと呼ばれる凝集アッセイにおいて特定の抗原を表わすことが既に特徴付けられているRBCを用いることである。要するに、凝集アッセイは、試薬RBCを血液の試験試料からの血清または血漿と一緒に混合することを含む。試験試料中の抗体、典型的には、5つの抗原結合部位を有するIgMは、細胞を一緒に交差結合し、巨視的に認めることができる凝集を引き起こす。二価IgG抗体もまた、凝集アッセイに好適である。血液型判定に関するものを含む凝集アッセイは、当技術分野で周知である。Low et al.,“Antiglobulin test in low-ionic strength salt solution for rapid antibody screening and cross-matching,”Vox Sang 26:53-61(1974)、Malyska et al.,“The gel test,”Laboratory Medicine 25:81(1994)、およびTechnical manual.14th ed.Bethesda,MD:American Association of Blood Banks,2002を参照されたい。
【0027】
とりわけウラ型判定のために使用されるより一般的な試薬RBCは、それらの表面に、A、A、もしくはB抗原を有するか、またはABO抗原を有さない(A1型、A2型、B型、O型)いずれかである。これらの細胞は、試薬RBCの凝集を引き起こす予め形成された抗体を検出するために有用である。オモテ型判定試験では、モノクローナル抗Aおよび抗Bを使用して、試料赤血球表面上のそれらのそれぞれの抗原の存在を検出する。別の良く知られた血液型は、58種の異なる抗原型を有するRh血液型であるが、9種の型が最も一般的である。血液型および抗原の指定を表2および表3に示す。Byrne et al.,“Review:other blood group systems--Diego,Yt,Xg,Scianna,Dombrock,Colton,Landsteiner-Wiener,and Indian,”Immunohematology.20(1):50-8(2004)、Daniels G.,“The molecular genetics of blood group polymorphism,”Transpl Immunol.14(3-4):143-53(2005)、Daniels G.,“Functions of red cell surface proteins,”Vox Sang.93(4):331-40(2007)、Eyler and Telen,“The Lutheran glycoprotein:a multifunctional adhesion receptor.”Transfusion 46(4):668-77(2006)、Palacajornsuk P.,“Review:molecular basis of MNS blood group variants.Immunohematology,”22(4):171-82(2006);Quill E.,“Medicine.Blood-matching goes genetic,”Science 14;319(5869):1478-9(2008)、Westhoff CM.,“The structure and function of the Rh antigen complex,”Semin Hematol 44(1):42-50(2007)、Westhoff and Reid,“Review:the Kell,Duffy,and Kidd blood group systems,”Immunohematology 20(1):37-49(2004)、およびYamamoto F.,“Review:ABO blood group system--ABH oligosaccharide antigens,anti-A and anti-B,A and B glycosyltransferases,and ABO genes,”Immunohematology 20(1):3-22(2004)、それらのそれぞれは、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【表2】

【表3】
【0028】
本開示は、保存中に血液型抗原の分解を低減する方法を提供し、かつ含む。より具体的には、本開示は、ROS誘導性障害を含むがこれに限定されない、保存中のRBCにおける保存障害の形成を低減することを提供する。要するに、RBCを収集し、ヘモグロビンのヘム基に結合した酸素(O2)を取り除くのに十分な期間、一酸化炭素(CO)の雰囲気に曝露させる。実施例2および図1に示されるように、酸素のCOとの交換は、30分および3回のガス交換で迅速かつ基本的に完了する。COを血液と接触させる方法、特に体積比に対してCO/液体界面の表面積を増加させる方法は、結合した酸素を一酸化炭素と交換するのに必要な時間の長さを著しく減少させるであろう。上で考察されるように、一酸化炭素は、ヘモグロビンに対して酸素よりも著しく高い親和性(例えば、400倍)を有し、そのため、COに対する任意のレベルおよび時間でのRBCの曝露は、交換プロセスを開始し、十分なCOが提供され、完了のために交換を駆動する。
【0029】
本開示は、実施例2に示される方法に従って酸素を一酸化炭素に交換することを、これらに限定されないが、提供し、かつ含む。態様において、赤血球濃縮物(RCC、濃縮赤血球としても知られる)を容器中に保持し、COを導入し、容器を期間の間優しく振とうまたは混合する。態様において、容器は、ポリ塩化ビニルを含む標準的な血液保存バッグである。態様において、COガスで置換され、混合は、ヘモグロビンがCOで飽和されるまで(例えば、Hb-CO RBCが生成される)、1回以上繰り返される。別の態様において、RCCを含む容器は、COの体積とともに提供され、時々混合するか、または混合せずに一晩放置される。混合することで交換速度が向上するが、必要とはされない。別の態様において、血液とCOとは、ガス透過性膜によって分離される。これは、当該技術分野で既知の方法を使用して、例えば、ソーリンD100人工肺を使用して、酸素ではなくCOを提供して行うことができる。膜ベースのアプローチの利点は、ガスを連続的に交換し、それによって濃度勾配を維持して、交換速度を増加させることができることである。
【0030】
別の態様において、COガスは、RBCの容器またはバッグを通してバブリングすることができる。理論によって制限されることなく、気泡を直径1μm未満に維持することによって、赤血球の溶解を防止または最小限に抑えることができると考えられる。「バブリング」法は、CO気泡が最大濃度差を提供し、それによって交換反応の動態を促進し、膜ベースのアプローチと同じ利点を共有する。気泡アプローチはまた、RBCを混合するさらなる利点も提供する。
【0031】
一酸化炭素交換をRCCで行うことが好ましい場合があるが、本明細書は、COをプロセスの任意の段階で血液の酸素と交換することを提供し、かつ含む。態様において、COは、全血で、例えば、血小板または白血球を取り除く前に、交換される。態様において、COは、白血球減少した血液で交換される。本明細書の方法は、アフェレーシスによって調製されるか、または従来の方法を使用して収集されるRBCに適用することができる。本方法はまた、RBCを試薬の使用および保存のための好適な緩衝液中に処理した後に、行われ得る。例えば、2001年2月26日に公開された米国特許公開第2011/0045455号、および1983年10月13日に公開された国際特許公開第1983/003477号を参照されたい。血液型判定方法に適合する他の保存溶液は、当該技術分野において既知である。
【0032】
本明細書は、当該CO-Hb RBCをCOの存在する嫌気条件下で保存することをさらに含む、CO-Hb RBCを調製するための方法を提供し、かつ含む。態様において、細胞は、上述のように調製され、一酸化炭素を含む雰囲気下でバイアルに移される。別の態様において、CO-Hb RBCは、窒素雰囲気を有する保存のための容器に移される。本明細書に提供されるように、保存中、任意の適切な非酸素含有ガスが好適である。特定の態様において、追加のCOが、CO-Hb RBC保存のために容器を密封する前に提供される。
【0033】
本明細書は、当該CN-Hb RBCを嫌気条件下で保存することをさらに含む、CN-Hb RBCを調製するための方法を提供し、かつ含む。態様において、細胞は、上述のように調製され、周囲空気を含む雰囲気下でバイアルに移される。別の態様において、CN-Hb RBCは、窒素雰囲気を有する保存のための容器に移される。本明細書に提供されるように、保存中、任意の適切な非酸素含有ガスが好適である。特定の態様において、追加の非酸素含有ガスが、CN-Hb RBC保存のために容器を密封する前に提供される。
【0034】
本明細書は、当該N3-Hb RBCを嫌気条件下で保存することをさらに含む、N3-Hb RBCの調製方法を提供し、かつ含む。態様において、細胞は、上述のように調製され、周囲空気を含む雰囲気下でバイアルに移される。別の態様において、N3-Hb RBCは、窒素雰囲気を有する保存のための容器に移される。本明細書に提供されるように、保存中、任意の適切な非酸素含有ガスが好適である。特定の態様において、追加の非酸素含有ガスが、N3-Hb RBC保存のために容器を密封する前に提供される。
【0035】
本開示は、試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、赤血球を得ることと、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、ヘモグロビン誘導体を含む試薬赤血球を嫌気条件下で保存して試薬赤血球を形成することと、を含み、ヘモグロビン誘導体を含む試薬赤血球の表面抗原が安定化される、方法を提供し、かつ含む。
【0036】
態様において、化学薬剤は、一酸化炭素(CO)であり、当該ヘモグロビン誘導体は、カルボキシ-ヘモグロビン(CO-Hb)である。別の態様において、化学薬剤はシアン化物であり、当該ヘモグロビン誘導体は、シアノ-メトヘモグロビン(CN-Hb)である。別の態様において、化学薬剤はアジ化物(N3)であり、当該ヘモグロビン誘導体は、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビン(N3-Hb)である。
【0037】
本開示は、緩衝液中に共通のセットの表面抗原を有する複数のCN-Hb RBCまたはN3-Hb RBCを有するシアンまたはアジド物飽和RBC(CN-Hb RBCまたはN3-Hb RBC)の1つ以上のバイアルと、使用説明書と、を含む、キットを提供し、かつ含む。
【0038】
本開示は、緩衝液およびシアン化またはアジド化飽和RBC(CN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBC)を含むCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCのバイアルであって、CN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCが、血液型O細胞であり、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原について陽性であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性である血液型O細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびeについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原A1について陽性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原A1について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原A2について陽性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原A2について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原Bについて陽性である、B型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原Bについて陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、B型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、フィチン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、RgaおよびYkaについて陰性であり、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1kおよびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rgaについて陰性であり、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する抗体の低下した結合を有するかもしくは結合を有さない、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)血清で感作される、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、B型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、A1、B抗原、ならびにRh血液型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびe対する抗体の結合について陽性である、AB型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、LeaおよびLebに対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Js
a、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、O型細胞であるCN-Hb RBCもしくはN3-Hb RBCと、からなる群から選択される、バイアルを提供し、かつ含む。
【0039】
本開示は、以下の40種の免疫学的型から選択されるが、これらに限定されない赤血球を得ることを含む、試薬赤血球(RBC)を貯蔵する方法を提供し、かつ含む。
1.血液型O細胞であり、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原ついて陽性である、血液型O細胞、
2.D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原ついて陽性である、血液型O細胞、
3.D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原ついて陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
4.表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、血液型O細胞、
5.Rh抗原D、C、およびeについて陽性である、血液型O細胞、
6.Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性である、血液型O細胞、
7.Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
8.表面抗原A1について陽性である、血液型A細胞、
9.表面抗原A1について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、血液型A細胞、
10.表面抗原A2について陽性である、血液型A細胞、
11.表面抗原A2について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、血液型A細胞、
12.表面抗原Bについて陽性である、血液型B細胞、
13.表面抗原Bについて陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、血液型B細胞、
14.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有する、血液型O細胞、
15.表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有する、血液型O細胞、
16.表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有する、血液型O細胞、
17.表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、血液型O細胞、
18.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、血液型O細胞、
19.表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、血液型O細胞、
20.表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、血液型O細胞、
21.表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、血液型O細胞、
22.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
23.表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
24.表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
25.表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
26.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有する、血液型O細胞、
27.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、血液型O細胞、
28.表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞、
29.フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、血液型O細胞、
30.フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性であり、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1k、およびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、血液型O細胞、
31.フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rgaについて陰性であり、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する抗体の低下した結合を有するか、もしくは結合を有さない、血液型O細胞、
32.D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、当該CO-Hb RBCが抗D(Rh0)血清で感作される、血液型O細胞、
33.A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、血液型A細胞、
34.B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、血液型B細胞、
35.A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞であるCO-Hb RBC、
36.A1抗原、B抗原、ならびにRh血液型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびeに対する抗体の結合について陽性である、血液型AB細胞、
37.Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、血液型O細胞、
38.D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性である、血液型O細胞、
39.D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、血液型O細胞、ならびに
40.D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、血液型O細胞。
【0040】
本開示の態様において、一酸化炭素処理は、シアン化物(CN)またはアジ化物(N3)で置換することができる。態様において、本開示は、保存中の血液型抗原の分解を低減する方法を提供し、かつ含む。より具体的には、本開示は、ROS誘導性障害を含むがこれに限定されない、保存中のRBCにおける保存障害の形成を低減させることを提供する。要するに、RBCを収集して、ヘモグロビンのヘム基に結合した酸素(O2)を取り除くのに十分な期間、シアン化物(CN)またはアジ化物(N3)に曝露させる。本開示は、シアン化物を酸化されたヘモグロビン(メトヘモグロビン)と反応させて、非常に安定したシアノ-メトヘモグロビンを形成させる方法を提供する。シアノ-メトヘモグロビン複合体は、メチレンブルー、フェニルメチル硫酸塩、およびフェリシアン化カリウムなどの多数の酸化剤によって形成され得る。別の態様において、本開示は、アジ化物をメトヘモグロビンと反応させて、安定したアジド-ヘモグロビン複合体を形成させる方法を提供する。
【0041】
当業者に理解されるように、試薬RBCの調製に好適なRBCの選択は、上記で提供される血液型の組み合わせに限定されない。当業者は、表2および3に列挙される任意の抗原の型の組み合わせを有するRBCが、本出願の方法のために有用であることを認識するであろう。実際、当業者は、免疫学的に特徴付けられている任意のRBCが、一酸化炭素(Hb-CO RBC)、シアン化物(Hb-CN RBC)、またはアジ化物(Hb-N3 RBC)で貯蔵される試薬RBCの調製のために好適であることを認識するであろう。
【0042】
本明細書は、実施例に示される方法を含むが、これらに限定されない、当該技術分野における任意の既知の方法を使用して、ヘモグロビンに結合された酸素を一酸化炭素と交換することを提供し、かつ含む。したがって、本明細書で使用される場合、「フラッシング」という用語は、一酸化炭素ガスを、バブリングまたは膜を通すことを含む、RBCと接触させる任意の方法を指す。
【0043】
本明細書は、一酸化炭素安定化赤血球(Hb-CO RBC)を含むキットを提供し、かつ含む。本明細書のキットは、上述の細胞の40種の特定のタイプのHb-CO RBCのうちの1つ以上を含み得るが、これらの細胞に限定されない。他の好適なHb-CO RBCは、必要に応じて調製することができる。特定の態様において、キットは、好適な緩衝液中に懸濁された細胞を提供し、細胞の調製は、様々な洗浄ステップを一酸化炭素交換の前か、または一酸化炭素交換の後のいずれかに含み得る。免疫学的アッセイを実施するために必要な追加の試薬および緩衝液がキットに含まれ得る。多くの態様において、キットは、アッセイの実施に関する説明書、Hb-CO RBCのロット特性評価、および当業者に関連する他の材料を含む。いくつかの態様において、本明細書のキットは、チューブ、ピペット、緩衝液などの様々な検査器具を含み得る。
【0044】
本明細書は、本明細書に記載のCO-Hb RBCを含有する容器を提供し、かつ含む。態様において、本明細書は、本明細書に記載のCN-Hb RBCを含有する容器を提供し、かつ含む。別の態様において、本明細書は、本明細書に記載のN3-Hb RBCを含有する容器を提供し、かつ含む。態様において、容器は、バイアルである。別の態様において、容器は、チューブである。さらに別の態様において、容器は、アンプルである。
【0045】
本開示は、薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を得ることと、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、医薬品を含む赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0046】
本開示は、薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を得ることと、医薬品を含む赤血球を液体窒素中で保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0047】
本開示は、医薬品を含む赤血球を提供する。本開示の一態様において、医薬品は、赤血球の細胞表面に発現される導入遺伝子を含む。別の態様において、医薬品は、赤血球の細胞質ゾルに局在する。別の態様において、医薬品は、細胞内膜に局在する。さらに別の態様において、医薬品は、融合タンパク質である。さらなる態様において、医薬品は、2019年1月26日に公開された米国特許公開第2017/0020926号の表BおよびCによって提供されるタンパク質と、表4、表5、表6、および表7に列挙されるものからなる群と、から選択されるタンパク質を含む。別の態様において、医薬品は、抗原を含む。別の態様において、抗原は、赤血球タンパク質との融合によって発現される。さらに別の態様において、抗原は、2019年1月26日に公開された米国特許公開第2017/0020926号の表FおよびGによって提供される表と、表8、表9および表10に列挙される抗原と、から選択される。別の態様において、医薬品は、表11に列挙されるタンパク質のクラスから選択されるタンパク質である。さらなる態様において、医薬品は、表12に列挙される抗原または抗原の標的を含む。さらに別の態様において、医薬品は、疾患を治療するものであり、外因性抗原もしくは標的を含むか、または2018年3月29日に公開された米国特許公開第2018/0085402号によって提供され、ならびに表13に列挙される外因性抗原もしくは標的を標的にするようにされる。別の態様において、医薬品は、抗体分子を含む。別の態様において、医薬品は、免疫チェックポイント分子を阻害する。さらに別の態様において、医薬品は、赤血球と標的細胞との融合を促進する赤血球表面上の第1のポリペプチドと、表14、表15、および表16に列挙されるポリペプチドのうちのいずれか1つから選択される第2のポリペプチドと、を含む。別の態様において、第2のポリペプチドは、表15および表16に提供されるように、T細胞を活性化または阻害するように製剤化される。
【表4】
【表5】


【表6】
【表7】

【表8】

【表9】
【表10】
【表11】
【表12】















【表13】











【表14】

【表15】
【表16】
【0048】
本開示の態様において、医薬品は、抗がん療法である。別の態様において、医薬品は、2019年1月26日に公開された米国特許公開第2017/0020926号および以下の表17に提供される治療用抗がん抗体である。別の態様において、医薬品は、2019年1月26日に公開された米国特許公開第2017/0020926号の表4および5、ならびに表18および表19によって提供される、免疫チェックポイント分子または共刺激分子に結合する薬剤である。さらなる態様において、医薬品は、2018年5月17日に公開された米国特許公開第2018/0135012号および米国特許第9,664,180号に提供される疾患および標的のうちのいずれかを標的にする。
【0049】
本開示の態様において、医薬品を赤血球に負荷する方法には、エレクトロポレーション、エンドサイトーシス、催眠希釈のような浸透圧ベース、透析、浸透圧溶解、脂質融合、および化学的摂動が含まれる。別の態様において、医薬品を組み込むための方法は、エレクトロポレーション、浸透圧ショック、低張性および高張性サイクル、ヘテロ二官能性架橋による細胞表面標識、ならびにクリック化学による細胞表面標識からなる群から選択される。医薬品を負荷する方法は、当業者によって理解される。Dischmukhe A and Shetty S:Resealed erythrocytes:a novel and promising drug carrier.Int J Pharm Sci Res 8(8):3242-51(2017)を参照されたい。
【表17】

【表18】
【表19】
【0050】
本開示の態様において、赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製する。態様において、化学薬剤は一酸化炭素であり、ヘモグロビン誘導体はカルボキシ-ヘモグロビンである。別の態様において、化学薬剤はシアン化物であり、ヘモグロビン誘導体はシアノ-メトヘモグロビンである。態様において、ヘモグロビンは最初に、メチレンブルーまたはフェリシアン化カリウムなどの酸化剤によって酸化させ、次いで、NaCN溶液またはHCNガスと反応させて、シアノ-メトヘモグロビンを形成させる。さらなる態様において、薬剤は、アジ化物(N3)であり、ヘモグロビン誘導体は、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって形成されるアジド-メトヘモグロビンである。別の態様において、薬剤は、ヘモグロビン分子に結合して安定化することができる薬剤である。
【0051】
本開示の態様において、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、赤血球組成物がそれを必要とする患者において循環する能力を保持しながら、赤血球組成物の冷蔵または室温保存期間の最大の長さを増加させることを含む。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、ハインツ小体の形成を最小限に抑えながら、冷蔵または周囲温度保存期間の最大の長さを増加させることを含む。さらに別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、形成されるハインツ小体の数を、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%、またはそれを超えて減少させることを含む。別の態様において、ハインツ小体は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、5~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、または60~70%減少する。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、溶解細胞の数を減少させさせることを含む。態様において、溶解細胞の数は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%、またはそれを超えて減少する。
【0052】
本開示の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、赤血球組成物がそれを必要とする患者において循環する能力を保持しながら、赤血球組成物の冷蔵または室温保存期間の最大の長さを増加させることを含む。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、ハインツ小体を形成せずに、冷蔵または周囲温度保存期間の最大の長さを増加させることを含む。さらに別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、形成されるハインツ小体の数を、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%、またはそれを超えて減少させることを含む。別の態様において、ハインツ小体は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、5~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、または60~70%減少する。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、溶解細胞の数を減少させさせることを含む。態様において、溶解細胞の数は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%、またはそれを超えて減少する。
【0053】
本開示の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、赤血球組成物がそれを必要とする患者において循環する能力を保持しながら、赤血球組成物の冷蔵または室温保存期間の最大の長さを増加させることを含む。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、ハインツ小体を形成せずに、冷蔵または周囲温度保存期間の最大の長さを増加させることを含む。さらに別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、形成されるハインツ小体の数を、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%、またはそれ以上減少させることを含む。別の態様において、ハインツ小体は、シアノ-メトヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、5~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、または60~70%減少する。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物の有効期間を増加させることは、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、溶解細胞の数を減少させさせることを含む。態様において、溶解細胞の数は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物中で、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70%以上減少する。
【0054】
本開示の態様において、有効期間は、医薬品およびカルボキシヘモグロビンを含む赤血球の有効性を定量化することによって測定される。本開示の別の態様において、有効期間は、医薬品およびシアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球の有効性を定量化することによって測定される。本開示の別の態様において、有効期間は、医薬品およびアジド-ヘモグロビンを含む赤血球の有効性を定量化することによって測定される。別の態様において、有効期間は、医薬品を含む赤血球をビオチン、51Cr、または99mTcで標識して、循環における期間の長さを定量化することによって測定される。
【0055】
本開示の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2週以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3週以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4週以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5週以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2日以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4日以上増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3~10日、5~10日、7~14日、または5~30日増加される。さらに別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1~2週、1~3週、1~4週、1~5週、または2~10週増加される。別の態様において、カルボキシヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5~10%、10~20%、20~40%、40~60%、60~80%、または80~100%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも10%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも20%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも30%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも40%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも50%増加される。
【0056】
別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2週以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3週以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4週以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5週以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2日以上増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4日以上増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3~10日、5~10日、7~14日、または5~30日増加される。さらに別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1~2週、1~3週、1~4週、1~5週、または2~10週増加される。別の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5~10%、10~20%、20~40%、40~60%、60~80%、または80~100%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも10%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも20%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも30%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも40%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも50%増加される。
【0057】
本開示の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週以上増加される。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2週以上増加される。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3週以上増加される。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4週以上増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5週以上増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、2日以上増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、4日以上増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、3~10日、5~10日、7~14日、または5~30日増加される。さらに別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1~2週、1~3週、1~4週、1~5週、または2~10週増加される。別の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含むRBCの有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、5~10%、10~20%、20~40%、40~60%、60~80%、または80~100%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも10%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも20%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも30%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも40%増加される。別の態様において、有効期間は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも50%増加される。
【0058】
本開示は、薬物送達のための赤血球組成物を保存するための保存雰囲気を提供する。態様において、保存雰囲気は、最小分圧の酸素を含む。態様において、保存雰囲気は、20mmHg、15mmHg、または10mmHg未満を含む。別の態様において、保存雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム、または一酸化炭素の分圧に対して最小分圧の酸素を含む。態様において、薬物送達のための赤血球組成物は、カルボキシヘモグロビン、シアノ-メトヘモグロビン、またはアジド-メトヘモグロビンを含む。
【0059】
態様において、保存雰囲気は、バイアル、容器、注射器、またはバッグに含有される。別の態様において、保存は、周囲圧力下にある。別の態様において、保存雰囲気は、周囲空気、一酸化炭素、N2、またはそれらの組み合わせを含む。さらなる態様において、保存雰囲気は、20、15、10、5、または3%未満の飽和酸素を含む。別の態様において、保存雰囲気は、3~5、5~10、10~15、または15~20%の飽和酸素を含む。
【0060】
本開示は、医薬品を含む赤血球をガス交換で処理することを提供する。態様において、本開示は医薬品およびオキシヘモグロビンを含む赤血球をガス交換で処理することを提供する。態様において、ガス交換は、急速ガス交換を含む。別の態様において、ガス交換は、一晩のガス交換を含む。さらに別の態様において、ガス交換は、膜ガス交換を含む。さらなる態様において、ガス交換は、マイクロバブルガス交換を含む。別の態様において、ガス交換は、一酸化炭素、HCNガス、またはNAN3溶液によるものである。
【0061】
本開示の態様において、保存温度は、0.1~6℃、-4~6℃、6~24℃、24~38℃である。別の態様において、保存温度は、-4℃超、4℃超、10℃超、15℃超、20℃超、25℃超、30℃超、35℃超、または40℃超である。別の態様において、保存温度は、約37℃である。さらに別の態様において、保存温度は、約27℃である。いくつかの態様において、組成物は、凍結保護剤をさらに含む。さらに別の態様において、保存温度は、約-80℃である。
【0062】
本開示の態様において、赤血球組成物は、添加剤溶液を含む。別の態様において、添加剤溶液は、グルコース、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、または塩化ナトリウム(NaCl)のうちの1つ以上を含む。別の態様において、添加剤溶液を含む赤血球組成物は、5.5~8のpHを有する。本開示の別の態様において、赤血球組成物は、10マイクロリットルの液体当たり少なくとも2個の赤血球を含む。別の態様において、赤血球組成物は、10マイクロリットルの液体当たり少なくとも5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100個の細胞を含む。
【0063】
本開示はまた、薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を一酸化炭素でパージすることと、パージした赤血球を期間の間保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。本開示の態様において、赤血球のパージは、周囲空気、一酸化炭素、N2、またはそれらの組み合わせを用いるものである。
【0064】
本開示の態様において、カルボキシヘモグロビンを含む赤血球組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9週間、またはそれを超えて保存される。別の態様において、赤血球組成物は、1~3週間、3~6週間、6~9週間、または9~12週間保存される。別の態様において、赤血球組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8週間保存される。
【0065】
本開示の態様において、シアノ-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9週間、またはそれを超えて保存される。別の態様において、赤血球組成物は、1~3週間、3~6週間、6~9週間、または9~12週間保存される。別の態様において、赤血球組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8週間保存される。
【0066】
本開示の態様において、アジド-メトヘモグロビンを含む赤血球組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9週間、またはそれを超えて保存される。別の態様において、赤血球組成物は、1~3週間、3~6週間、6~9週間、または9~12週間保存される。別の態様において、赤血球組成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、または8週間保存される。
【0067】
本開示は、医薬品を発現する赤血球を含む医薬組成物であって、医薬組成物が、非酸素ヘモグロビン結合剤および25%未満のSO2を含む、医薬組成物を提供し、かつ含む。別の態様において、医薬組成物は、20、15、10、5、または3%未満のSO2を含む。別の態様において、医薬組成物は、25~50、50~75、または75~100%の一酸化炭素を含む。
【0068】
本開示は、医薬品を含む赤血球を含む一酸化炭素飽和医薬組成物を含む、保存バイアルを提供し、かつ含む。態様において、保存バイアルは、一酸化炭素、窒素、またはアルゴンを有するヘッドスペースを含む。態様において、保存バイアルは、一酸化炭素を有するヘッドスペースを含む。別の態様において、保存バイアルは、アルゴンを有するヘッドスペースを含む。態様において、保存バイアルは、窒素を有するヘッドスペースを含む。
【0069】
本開示はまた、所定用量の赤血球薬品をパッケージングする方法であって、酸素を一酸化炭素とのガス交換によって枯渇させることと、薬品容器を所定用量の赤血球薬品で充填することと、薬品容器を密封することと、を含む、方法を提供し、かつ含む。
【0070】
本開示の態様において、赤血球薬品は、医薬品と、一酸化炭素、シアン化物、またはアジ化物から選択されるヘモグロビン誘導体と、を含む。
【0071】
本開示の態様において、非酸素ヘモグロビン結合剤および化学結合剤は、同一の化合物である。
【0072】
本開示の態様において、所定用量は、1~100マイクロリットル、1~500マイクロリットル、500~1000マイクロリットル、または1~2ミリリットルである。別の態様において、所定用量は、少なくとも1、10、100、または500マイクロリットルである。
【0073】
本開示の態様において、赤血球薬品は、本開示に提供される医薬品を含む赤血球である。本開示の態様において、薬品容器は、バイアル、注射器、チューブ、バッグ、またはアンプルである。
【0074】
本開示はさらに、薬剤送達のための赤血球の循環寿命を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を得ることと、赤血球を薬剤で処理してヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、医薬品を含む赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む方法を提供し、かつ含む。
【0075】
本開示の態様において、赤血球の循環寿命は、それを必要とする患者において、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存される赤血球と比較して、少なくとも2、4、5、8、16、または32日増加される。別の態様において、薬物送達のための赤血球の循環寿命は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存される赤血球と比較して、少なくとも1、2、または3週増加される。
【0076】
本開示の態様において、「同様の条件」は、酸素飽和、ヘモグロビン誘導体、または酸素飽和およびヘモグロビン誘導体を除いて一致するすべての条件によって定義される。例えば、同様の条件には、保存における期間の長さ、保存温度、および保存容器が含まれる。態様において、同様の条件は、ヘッドスペースガス組成物(すなわち、CO対周囲空気)を含まない。態様において、同様の条件は、保存温度、保存期間の長さ、および添加物溶液を含む。
【0077】
本開示の態様において、「オキシヘモグロビンを含むRBC」は、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの混合物を含み、50%を超えて含むオキシヘモグロビンを有する。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、60%を超えるオキシヘモグロビンを含む。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、70%を超えるオキシヘモグロビンを含む。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、80%を超えるオキシヘモグロビンを含む。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、90%を超えるオキシヘモグロビンを含む。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、95%を超えるオキシヘモグロビンを含む。別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、98%を超えて含む。別の態様において、オキシヘモグロビンは、100%オキシヘモグロビンを含む。さらに別の態様において、オキシヘモグロビンを含むRBCは、50、40、30、20、10、5、または2%未満のデオキシヘモグロビンを含む。
【0078】
本明細書で使用される場合、「試薬赤血球」という用語は、抗原的に特徴付けられている赤血球である。本開示の態様において、試薬赤血球は、抗原的に特徴付けられており、一酸化炭素、シアン化物、およびアジ化物からなる群から選択されるヘモグロビン誘導体で安定化されている赤血球である。別の態様において、試薬赤血球は、濃縮赤血球である。別の態様において、試薬赤血球は、プールされた洗浄済み赤血球の2~3%懸濁液を含む。別の態様において、試薬赤血球は、改良アルセバー溶液中のプールされた洗浄済み赤血球の2~3%懸濁液を含む。さらに別の態様において、試薬赤血球は、貯蔵溶液を含む。態様において、貯蔵溶液は、クエン酸三ナトリウム、クエン酸、デキストロース、イノシン、ネオマイシン硫酸塩、クロラムフェニコール、またはそれらの組み合わせを含む。別の態様において、貯蔵溶液は、クエン酸三ナトリウム、クエン酸、デキストロース、イノシン、ネオマイシン硫酸塩(0.103グラム/リットル)、クロラムフェニコール(0.349グラム/リットル)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0079】
本明細書で使用される場合、「低下している」、「低下」、「低下した」、「減少している」、または「減少した」という用語は、初期量よりも低いか、または対照試料と比較して低い最終量を指すことを意味する。態様において、対照試料は、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCを含む。別の態様において、対照試料は、オキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの混合物を含むRBCを含む。
【0080】
本明細書で使用される場合、「増加している」または「増加した」という用語は、初期量よりも高いか、または対照試料と比較して高い最終量を指すことを意味する。
【0081】
本明細書は、以下の実施形態を提供し、かつ含む。
【0082】
実施形態1.試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、
a)赤血球を得ることと、
b)当該赤血球を一酸化炭素を含むガスでフラッシングして、一酸化炭素飽和RBC(CO-Hb RBC)を調製することと、
c)当該CO-Hb RBCを一酸化炭素(CO)の存在下の嫌気条件下で保存することと、を含み、当該CO-Hb RBCの表面抗原が安定化される、方法。
実施形態2.当該ガスが、酸素を含まない、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.当該CO-Hb RBCが、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原について陽性である、血液型O細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4.当該CO-Hb RBCが、表面抗原I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについてさらに陽性である、血液型O細胞である、実施形態3に記載の方法。
実施形態5.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞である、実施形態4に記載の方法。
実施形態6.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態7.当該CO-Hb RBCが、Rh抗原D、C、およびeについて陽性である、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態8.当該CO-Hb RBCが、表面抗原I、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、実施形態7に記載の方法。
実施形態9.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.当該CO-Hb RBCが、表面抗原A1について陽性であるA型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態11.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、実施形態10に記載の方法。
実施形態12.当該CO-Hb RBCが、表面抗原A2について陽性である、A型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態13.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、実施形態12に記載の方法。
実施形態14.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Bについて陽性である、B型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態15.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、およびEについて陰性であるB型細胞である、実施形態14に記載の方法。
実施形態16.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有するか、表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有するか、
表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有するか、または
表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態17.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、実施形態16に記載の方法。
実施形態18.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、実施形態16に記載の方法。
実施形態19.当該CO-Hb RBCが、表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有する、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態20.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、実施形態19に記載の方法。
実施形態21.当該CO-Hb RBCが、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、実施形態19に記載の方法。
実施形態22.当該CO-Hb RBCが、フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態23.当該CO-Hb RBCが、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1k、およびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、実施形態22に記載の方法。
実施形態24.当該CO-Hb RBCが、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する抗体の低下した結合を有するか、または結合を有さない、O型細胞である、実施形態22に記載の方法。
実施形態25.当該CO-Hb RBCが、D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、当該CO-Hb RBCが、抗D(Rh0)血清で感作される、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態26.当該CO-Hb RBCが、A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、A型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態27.当該CO-Hb RBCが、B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、B型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態28.当該CO-Hb RBCが、A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態29.当該CO-Hb RBCが、A1抗原、B抗原、ならびにRh血液型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびeに対する抗体の結合について陽性である、AB型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態30.当該CO-Hb RBCが、Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態31.当該CO-Hb RBCが、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態32.当該CO-Hb RBCが、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、実施形態31に記載の方法。
実施形態33.当該CO-Hb RBCが、Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、O型細胞である、実施形態31に記載の方法。
実施形態34.当該CO-Hb RBCが、Resolve(登録商標)パネルA説明書にプロファイルがない、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態35.当該CO-Hb RBCが、Resolve(登録商標)パネルB説明書にプロファイルがない、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
【0083】
書にプロファイルがない、O型細胞である、実施形態1に記載の方法。
実施形態37.キットであって、
a)一酸化炭素飽和RBC(CO-Hb RBC)の1つ以上のバイアルであって、当該バイアルが緩衝液を含む、バイアルと、
b)表面抗原の共通セットを有する複数のCO-Hb RBCであって、CO-Hb RBCが、
(i)血液型O細胞であり、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原について陽性である、CO-Hb RBC、
(ii)D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性である、血液群O細胞である、CO-Hb RBC、
(iii).D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞である、CO-Hb RBC、
(iv)表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(v)Rh抗原D、C、およびeについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(vi)Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(vii)Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(viii)表面抗原A1について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(ix)表面抗原A1について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(x)表面抗原A2について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(xi)表面抗原A2について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(xii)表面抗原Bについて陽性である、B型細胞である、CO-Hb RBC、
(xiii)表面抗原Bについて陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、B型細胞である、CO-Hb RBC、
(xiv)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xv)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xvi)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xvii)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xviii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xix)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xx)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxi)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxiii)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxiv)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxv)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxvi)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxvii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxviii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxix)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxx)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性であり、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1k、およびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxi)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rgaについて陰性であり、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する低下した結合を有するか、または結合を有さない、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxii)D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、当該CO-Hb RBCが、抗D(Rh0)血清で感作される、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxiii)A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxiv)B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、B型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxv)A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxvi)A1抗原、B抗原、ならびにRh血液型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびeに対する抗体の結合について陽性である、AB型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxvii)Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxviii)D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xxxix)D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、
(xl)D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBC、からなる群から選択される、複数のCO-Hb RBCと、c)説明書と、を含む、キット。
実施形態38.緩衝液およびCO-Hb RBCを含む、一酸化炭素飽和RBC(CO-Hb RBC)のバイアルであって、CO-Hb RBCが、
(i)血液型O細胞であり、D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、およびsからなる群から選択される表面抗原について陽性である、CO-Hb RBCと、
(ii)D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性である、血液群O細胞である、CO-Hb RBCと、
(iii).D、C、c、E、e、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、I、Lua、Lub、Jsb、Kpb、およびYtaからなる群から選択される表面抗原について陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、血液型O細胞である、CO-Hb RBCと、
(iv)表面抗原D、C、c、E、e、f、CW、K、k、P1、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、Leb、M、N、S、s、Lua、およびLubについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(v)Rh抗原D、C、およびeについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(vi)Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(vii)Rh抗原D、C、およびe、I、Lub、Jsb、Kpb、ならびにYtaについて陽性であり、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Diaw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(viii)表面抗原A1について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(ix)表面抗原A1について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(x)表面抗原A2について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xi)表面抗原A2について陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xii)表面抗原Bについて陽性である、B型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xiii)表面抗原Bについて陽性であり、表面抗原D、C、およびEについて陰性である、B型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xiv)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xv)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xvi)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xvii)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xviii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xix)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xx)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxi)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、Rh表現型R11を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxiii)表面抗原D、Cw、およびeについて陽性であり、Rh表現型R1 w1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるO型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxiv)表面抗原D、c、およびEについて陽性であり、Rh表現型R22を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxv)表面抗原d、c、およびeについて陽性であり、Rh表現型rrを有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxvi)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有するか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxvii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Lub、Jsb、Kpb、およびYtaについて陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxviii)表面抗原D、C、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR1を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性であるか、または表面抗原D、c、およびeについて陽性であり、RhハプロタイプR2を有し、表面抗原Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCwについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxix)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxx)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaについて陰性であり、D、C、E、c、e、f、Jka、Jkb、Lea、Leb、P1、I、IH、Vel、PP1k、およびP抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxi)フィシン処理されており、表面抗原M、N、Fya、Fyb、S、s、Xga、Pr、Cha、Rgaについて陰性であり、Fya、Fyb、S、s、M、N、Xga、Pr、Cha、Rga、およびYkaに対する低下した結合を有するか、または結合を有さない、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxii)D抗原に対する抗体の結合について陽性であり、当該細胞が抗D(Rh0)血清で感作される、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxiii)A2抗原に対する抗体の結合について陽性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxiv)B抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、B型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxv)A1抗原に対する抗体の結合について陽性であり、抗D(Rh0)抗体の結合について陰性である、A型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxvi)A1抗原、B抗原、ならびにRh血液型rr(dce/dec)のRh抗原d、c、およびeに対する抗体の結合について陽性である、AB型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxvii)Rh抗原D、d、C、c、およびeに対する抗体の結合について陽性であり、Rh表現型R1r(DCe/dce)を有する、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxviii)D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xxxix)CO-Hb RBCは、D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Lub、Jsb、Kpb、およびYta抗原に対する抗体の結合について陽性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、
(xl)D(RH1)、C(RH2)、E(RH3)、c(RH4)、e(RH5)、M、N、S、s、P1、K、k、Fya、Fyb、Jka、Jkb、Lea、およびLebに対する抗体の結合について陽性であり、Jsa、Kpa、Wra、Dia、Vw、V、Lua、およびCw抗原に対する抗体の結合について陰性である、O型細胞である、CO-Hb RBCと、からなる群から選択される、バイアル。
実施形態39.試薬赤血球(RBC)を貯蔵するための方法であって、
a)抗原的に特徴付けられている赤血球を得ることと、
b)当該赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
c)ヘモグロビン誘導体を含む当該赤血球を嫌気条件下で保存して、試薬赤血球を形成させることと、を含み、ヘモグロビン誘導体を含む当該試薬赤血球の表面抗原が安定化される、方法。
実施形態40.当該化学薬剤が、一酸化炭素(CO)であり、当該ヘモグロビン誘導体が、カルボキシ-ヘモグロビンである、実施形態39に記載の方法。
実施形態41.当該化学薬剤が、シアン化物であり、当該ヘモグロビン誘導体が、シアノ-メトヘモグロビンである、実施形態39に記載の方法。
実施形態42.当該化学薬剤が、アジ化物(N3)であり、当該ヘモグロビン誘導体が、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビンである、実施形態39に記載の方法。
実施形態43.赤血球を特徴付けることをさらに含む、実施形態39に記載の方法。
実施形態44.薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、
医薬品を含む赤血球を得ることと、
当該赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
当該医薬品を含む当該赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む、方法。
実施形態45.当該保存雰囲気が、10mmHg未満の酸素を含む、実施形態44に記載の方法。
実施形態46.当該保存が、周囲圧力下にある、実施形態44に記載の方法。
実施形態47.当該化学薬剤が、一酸化炭素(CO)であり、当該ヘモグロビン誘導体が、カルボキシ-ヘモグロビンである、実施形態44に記載の方法。
実施形態48.当該化学薬剤が、シアン化物であり、当該ヘモグロビン誘導体が、シアノ-メトヘモグロビンである、実施形態44に記載の方法。
実施形態49.当該化学薬剤が、アジ化物(N3)であり、当該ヘモグロビン誘導体が、アジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビンである、実施形態44に記載の方法。
実施形態50.当該保存雰囲気が、一酸化炭素を含む、実施形態47に記載の方法。
実施形態51.当該雰囲気が、当該保管雰囲気が、周囲空気、一酸化炭素、N2、またはそれらの混合物を含むことを含む、実施形態48に記載の方法。
実施形態52.当該雰囲気が、窒素を含む、実施形態49に記載の方法。
実施形態53.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様な条件下で保存されるRBCと比較して、1週間以上増加される、実施形態47に記載の方法。
実施形態54.オキシヘモグロビンを含む当該RBCが、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの混合物を含み、50%を超えて含むオキシヘモグロビンを有する、実施形態53に記載の方法。
実施形態55.オキシヘモグロビンを含む当該RBCが、60、70、80、90、または95%を超えるオキシヘモグロビンを含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態56.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週以上増加される、実施形態48に記載の方法。
実施形態57.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週以上増加される、実施形態49に記載の方法。
実施形態58.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1日以上増加される、実施形態47~49に記載の方法。
実施形態59.当該赤血球中のハインツ小体の成長が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、低下される、実施形態45~58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60.細胞溶解が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、当該赤血球組成物中で低下される、実施形態45~58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61.当該医薬品が、当該RBCの細胞表面に発現される導入遺伝子である、実施形態44に記載の方法。
実施形態62.当該医薬品が、当該RBCの細胞質ゾル内に局在化される、実施形態44に記載の方法。
実施形態63.当該医薬品が、当該RBCの細胞表面に局在化される、実施形態44に記載の方法。
実施形態64.当該医薬品が、細胞内膜に局在化される、実施形態44に記載の方法。
実施形態65.当該処理することが、ガス交換を含む、実施形態44に記載の方法。
実施形態66.当該ガス交換が、急速ガス交換、一晩ガス交換、膜ガス交換、またはマイクロバブルガス交換である、実施形態65に記載の方法。
実施形態67.当該ガス交換が、一酸化炭素によるものである、実施形態65または66に記載の方法。
実施形態68.当該ガス交換が、HCNによる処理によってシアン化物を用いて行われる、実施形態65または66に記載の方法。
実施形態69.当該ガス交換が、赤血球をアジ化ナトリウム(NaN3)溶液で処理することによるものである、実施形態65または66に記載の方法。
実施形態70.当該医薬品が、融合タンパク質である、実施形態44に記載の方法。
実施形態71.当該融合タンパク質が、表4および表5に列挙されるものからなる群から選択される、実施形態70に記載の方法。
実施形態72.当該医薬品が、表11に列挙されるタンパク質のクラスから選択されるタンパク質である、実施形態44に記載の方法。
実施形態73.当該医薬品が、表12に列挙される医薬品から選択される、実施形態44に記載の方法。
実施形態74.当該保存することが、0.1~6℃の温度である、実施形態44に記載の方法。
実施形態75.当該保存することが、6℃を超える温度である、実施形態44に記載の方法。
実施形態76.当該保存することが、24~38℃の温度である、実施形態44に記載の方法。
実施形態77.当該保存することが、37℃である、実施形態44に記載の方法。
実施形態78.赤血球を、5.5~8のpHを有する添加剤溶液と混合することをさらに含む、実施形態44に記載の方法。
実施形態79.当該添加剤溶液が、グルコース、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、または塩化ナトリウム(NaCl)のうちの1つ以上を含む、実施形態78に記載の方法。
実施形態80.当該赤血球組成物が、マイクロリットル当たり少なくとも100個の赤血球を含む、実施形態44に記載の方法。薬物送達のための赤血球組成物の有効期間を増加させるための方法であって、医薬品を含む赤血球を一酸化炭素でパージすることと、
当該パージされた赤血球を期間の間保存することと、を含む方法。
実施形態81.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1週を超えて増加される、実施形態80に記載の方法。
実施形態82.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、1日以上増加される、実施形態80に記載の方法。
実施形態83.当該保存することが、25%未満の酸素の低下した酸素条件下にある、実施形態80に記載の方法。
実施形態84.当該医薬品が、1つ以上の発現されるタンパク質である、実施形態80に記載の方法。
実施形態85.当該医薬品が、当該RBCの細胞質内に局在化される、実施形態80に記載の方法。
実施形態86.当該医薬品が、当該RBCの細胞表面に局在化される、実施形態80に記載の方法。
実施形態87.当該医薬品が、RBC膜に局在化される、実施形態80に記載の方法。
実施形態88.当該パージすることが、一酸化炭素との急速、一晩、またはガス交換によるものである、実施形態80に記載の方法。
実施形態89.当該保存することが、37℃である、実施形態80に記載の方法。
実施形態90.当該保存することが、0.1~6℃の温度である、実施形態80に記載の方法。
実施形態91.当該保存することが、6℃を超える温度である、実施形態80に記載の方法。
実施形態92.赤血球を、5.5~8のpHを有する添加剤溶液と混合することをさらに含む、実施形態80に記載の方法。
実施形態93.当該添加剤溶液が、グルコース、リン酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩、または塩化ナトリウム(NaCl)のうちの1つ以上を含む、実施形態92に記載の方法。
実施形態94.当該赤血球組成物が、マイクロリットル当たり少なくとも100個の赤血球を含む、実施形態80に記載の方法。
実施形態95.当該ヘッドスペース雰囲気が、5mmHg未満の酸素を含む、実施形態44に記載の方法。
実施形態96.医薬品を発現する赤血球を含む医薬組成物であって、当該医薬組成物が、非酸素ヘモグロビン結合剤および25%未満のSO2を含む、医薬組成物。
実施形態97.当該非酸素ヘモグロビン結合剤が、一酸化炭素である、実施形態96に記載の医薬組成物。
実施形態98.当該非酸素ヘモグロビン結合剤が、シアン化物である、実施形態96に記載の方法。
実施形態99.当該非酸素ヘモグロビン結合剤が、アジ化物(N3)である、実施形態96に記載の方法。
実施形態100.医薬品を含む赤血球を含む一酸化炭素飽和医薬組成物を含む、保存バイアル。
実施形態101.当該医薬品が、表5、表6、および表7に列挙されるものからなる群から選択される、赤血球タンパク質との融合によって発現される抗原を含む、実施形態100に記載の医薬組成物。
実施形態102.当該医薬品が、表11に列挙されるタンパク質のクラスから選択されるタンパク質である、実施形態100に記載の医薬組成物。
実施形態103.当該抗原が、表8、表9、または表10に列挙される抗原から選択される、実施形態101に記載の医薬組成物。
実施形態104.当該医薬品が、抗体分子を含む、実施形態101に記載の医薬組成物。
実施形態105.当該医薬品が、免疫チェックポイント分子を阻害する薬剤である、実施形態101に記載の医薬組成物。
実施形態106.当該抗原が、表12の抗原から選択される、実施形態101に記載の医薬組成物。
実施形態107.当該抗体が、表17に列挙される抗体から選択される、実施形態104に記載の医薬組成物。
実施形態108.所定用量の赤血球薬品をパッケージングする方法であって、酸素を一酸化炭素とのガス交換によって枯渇させることと、薬品容器を所定用量の当該赤血球薬品で充填することと、当該薬品容器を密封することと、を含む、方法。
実施形態109.当該パッケージングステップが、低下した酸素条件下で行われる、実施形態108に記載の方法。
実施形態110.薬物送達のための赤血球のインビボ循環時間を増加させるための方法であって、
医薬品を含む赤血球を得ることと、
当該赤血球を化学薬剤で処理して、ヘモグロビン誘導体を含む赤血球を調製することと、
当該医薬品を含む当該赤血球を保存雰囲気下で保存することと、を含む、方法。
実施形態111.当該化学薬剤が、シアン化物であり、当該ヘモグロビン誘導体が、シアノ-メトヘモグロビンである、実施形態110に記載の方法。
実施形態112.当該化学薬剤が、アジ化物(N3)であり、当該ヘモグロビン誘導体が、当該赤血球をアジ化ナトリウムの水溶液と反応させることによって調製されるアジド-メトヘモグロビンである、実施形態110に記載の方法。
実施形態113.当該有効期間が、オキシヘモグロビンを含んで同様の条件下で保存されるRBCと比較して、少なくとも5日増加される、実施形態110に記載の方法。
【0084】
いままで本発明を全般的に記載しており、以下の実施例を参照することによって、同様のことがより容易に理解されるが、これらの実施例は、説明のために提供され、特定されない限り、本発明を限定することは意図されない。
【0085】
本明細書に引用される各定期刊行物、特許、および他の文書または参照文献は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例
【0086】
実施例1:血液の収集および赤血球濃縮物(RCC)の調製
試薬RBCの調製のための血液は、確立されたドナーから、標準的な方法を使用して抗凝固溶液に収集される。輸血医学における使用のために好適である様々な既知の抗凝固剤が好適であり、クエン酸リン酸デキストロース(CPD)およびクエン酸デキストロース(ACD)が含まれるが、血液が輸血に使用されない場合、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)などの他の抗凝固剤を、必要に応じて使用することができる。収集した血液を遠心分離または濾過に供して白血球(WBC)および過剰な血漿を分離し、濃縮赤血球(pRBC)または赤血球濃縮物(RCC)を調製する。
【0087】
実施例2:Hb-CO含有RCC(Hb-CO RCC)の調製
好ましくは、遅滞なく、実施例1で調製される赤血球濃縮物(RCC)は、以下の方法のうちの1つによってHb-COに変換される。
【0088】
a.急速ガス交換:
RCCをポリ塩化ビニルまたは他の好適なバッグ(150ml以上)に保持し、一酸化炭素を導入し、RCCおよびCOを含むバッグを血小板シェーカーに約10分間設置する。インキュベーション後、未交換のCO、放出されて残留する酸素、および二酸化炭素を含有するガスを発現させ、新鮮なCOに置き換える。血小板シェーカーにおける約10分間の第2のインキュベーション後、ガスを再度発現させ、第3の体積のCOで置き換える。血小板シェーカーでの振とうによる最終インキュベーション後、過剰なガスを除去し、Hb-CO RCCを嫌気条件下で、さらなる特性評価、品質管理、および保存のために好適なバイアルに移す。
【0089】
b.一晩ガス交換:
RCCをポリ塩化ビニルまたは他の好適なバッグ(150ml以上)に保持し、一酸化炭素を導入し、RCCおよびCOを含有するバッグを、一定の穏やかな振とうで、または規則的な間隔(例えば、8時間にわたって3~5回)で撹拌して、4℃に一晩置く。インキュベーション後、COを含有する過剰なガスを除去し、Hb-CO RCCを嫌気条件下で、さらなる特性評価、品質管理、および保管のために好適なバイアルに移す。
c.膜ガス交換
ポリ塩化ビニルまたは他の適切なバッグ(150ml以上)に保持されたRCCを、供給源ガスとして一酸化炭素を用いるソーリンD100人工肺にポンプで送って通す。RCCは、遠心ポンプまたはペリスタポンプのいずれかを使用して、D100に30分間送って通す。酸素およびCOレベルは、95%を超えるHb-COレベルが達成されるまで監視される。あるいは、COとCO2との混合ガスの使用によって、懸濁液のpHを最適化する。
【0090】
d.マイクロバブルガス交換:
RCCをポリ塩化ビニルまたは他の好適な通気バッグ(150ml以上)に保持し、一酸化炭素をバブリングしてRCCに通す。赤血球の溶解を防ぐため、気泡が直径1μm未満であることを確実にするように注意する。得られるHb-CO RCCを嫌気条件下で、さらなる特性評価、品質管理、および保存のために好適なバイアルに移す。あるいは、COとCO2との混合ガスの使用によって、懸濁液のpHを最適化する。
【0091】
e.変更したHEMANEXT(登録商標)酸素還元バッグ(ORB)
2018年8月28日に発行された米国特許第10,058,091号に記載されているHEMANEXT(登録商標)酸素還元バッグ(ORB)を、吸着剤パックを取り除き、ヘッドスペース(100~200ml)をCOガスで充填するように変更する。CO含有ORBバッグを、血小板シェーカー上で、室温で30分間撹拌する。あるいは、CO含有ORBバッグを、一定の振とうまたは一定間隔(例えば、8時間にわたって3~5回)での撹拌のいずれかを用いて4℃に置く。
【0092】
実施例3:HB-CO試薬RBCの調製およびパッケージング
CO処理されたRBCを用いてさらなる製造プロセスを続ける。
【0093】
試薬RBCを試薬ボトルヘッドにパッケージングし、ヘッドスペースCOを陽圧下で充填し、4℃で保存する。
【0094】
実施例4:RBCと一酸化炭素との37℃での長期インキュベーション。
予備的試験を、レシピエントへの輸血後における保存されたRBCの挙動を推定する試みで実施する。実験は、新鮮なRBCおよび保存したRBCを、組織培養培地において37℃で長期間インキュベートするように設定し、RBC形態学を結果尺度として用いる。RBCを周囲空気下で培地に配置すると、1~3日以内に、小さな暗い結節(ハインツ小体)が表面に現れ、数日にわたってサイズが成長し続ける。1週間に、ハインツ小体は成長し続け、大きくなり(直径が1umを超えると推定される)、ほとんどのRBCの破裂をもたらす。結果として、大きな暗色結節が付着したRBCゴースト(透明な細胞質ゾル、ヘモグロビンがほとんどまたはまったくない)の発生を生じる。
【0095】
理論に制限されることなく、ハインツ小体およびRBCゴーストの発生は、ヘモグロビン酸化産物によって引き起こされる可能性が高い。例えば、ヘモグロビン中の第一鉄(+2)鉄は、インキュベーション中に酸素と反応することによって第二鉄(+3)状態に酸化される。ヘモグロビンがメトヘモグロビンに酸化されると、それは不安定になり、容易にヘミクロムに分解され、次にグロビンおよびヘミンに分解され、これらはすべて疎水性であり、RBC膜形成凝集体(ハインツ小体)を引き起こす。さらに、これらのヘモグロビン酸化産物は、タンパク質およびRBC細胞骨格に結合し、正常な形態および機能を破壊する。通常、循環では、小さなハインツ小体はマクロファージによって除去され、細胞サイズの低下を伴うものの、正常なRBC形態が維持される。循環における最適化された栄養素および機械的変形との組み合わせで、RBCは、約120日の循環寿命を有する。マクロファージを含まない培地では、ハインツ小体の成長は阻害されず、速やかな細胞破壊をもたらした。
【0096】
一酸化炭素(Hb-CO複合体)によるヘモグロビンの安定化は、ヘモグロビンの酸化を防止し、ハインツ小体の形成および細胞破壊を阻害する。Hb-CO複合体RBCは、37℃細胞培養環境でのインキュベーションの間、周囲空気を培養ボトルで100%一酸化炭素または5%CO2/95%COでパージする場合、2~3週間にわたって正常な両凹形態を維持する。
図1
【国際調査報告】