(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】電気機械のためのピンを有するステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/12 20060101AFI20221104BHJP
H02K 3/28 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
H02K3/12
H02K3/28 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515988
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2020075012
(87)【国際公開番号】W WO2021048086
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102019124464.1
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219051
【氏名又は名称】ヴァレオ、シーメンス、イーオートモーティブ、ジャーマニー、ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VALEO SIEMENS EAUTOMOTIVE GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、ド-クレール
(72)【発明者】
【氏名】ボイチェフ、マンドク
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、フィンガー-アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ボリス、ドッツ
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB02
5H603CD02
5H603CE05
(57)【要約】
電気機械(401)のためのステータ(1)であって、
- ステータ(1)のスロット(5、51、52、53、54、55、56、57、58)においてステータ中心点(M)から異なる距離に同心円(7)上に配置される複数のピン(21、22、23、24、31、32、33、34)であって、各同心円がレイヤー(L1、L2、L3、L4)を形成する、複数のピン(2、21、22、23、24、25、26、31、32、33、34、35、36)を備え、
- 異なるレイヤー(L1、L2、L3、L4)において4つのピン(21、22、23、24、25、26、31、32、33、34、35、36)が互いに直列に接続されて巻線(41)を形成し、
- 巻線(41)の第1ピン(21)は、4n-3レイヤー(L1)において第1スロット(51)に位置し、nは自然数であり、
- 巻線(41)の第2ピン(22)は、4n-2レイヤー(L2)において第2スロット(52)に位置し、第2スロット(52)は、ステータ(1)の第1周方向において第1スロット(51)から第1半径方向距離(71)にあり、
- 巻線(41)の第3ピン(23)は、4nレイヤー(L4)において第1スロット(51)に位置し、
- 巻線(41)の第4ピン(24)は、4n-3レイヤー(L3)において第2スロット(52)に位置する、ステータ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械(401)のためのステータ(1)であって、
- 前記ステータ(1)のスロット(5、51、52、53、54、55、56、57、58)においてステータ中心点(M)から異なる距離に同心円(7)上に配置される複数のピン(2、21、22、23、24、25、26、31、32、33、34、35、36)であって、各同心円がレイヤー(L1、L2、L3、L4)を形成する、複数のピン(21、22、23、24、31、32、33、34)を備え、
- 異なるレイヤー(L1、L2、L3、L4)において4つのピン(21、22、23、24)が互いに直列に接続されて巻線(41)を形成し、
- 前記巻線(41)の第1ピン(21)は、4n-3レイヤー(L1)において第1スロット(51)に位置し、nは自然数であり、
- 前記巻線(41)の第2ピン(22)は、4n-2レイヤー(L2)において第2スロット(52)に位置し、前記第2スロット(52)は、前記ステータ(1)の第1周方向において前記第1スロット(51)から第1半径方向距離(71)にあり、
- 前記巻線(41)の第3ピン(23)は、4nレイヤー(L4)において前記第1スロット(51)に位置し、
- 前記巻線(41)の第4ピン(24)は、4n-3レイヤー(L3)において前記第2スロット(52)に位置する、
ステータ(1)。
【請求項2】
前記ステータ(1)は、第1端面(7)及び第2端面(9)を有し;
- 前記第1ピン(21)及び前記第2ピン(22)は、第1タイプの接続部(61)によって、前記第2端面(9)において互いに接続され;
- 前記第2ピン(22)及び前記第3ピン(23)は、第2タイプの接続部(62)によって、前記第1端面(7)において互いに接続され;
- 前記第3ピン(23)及び前記第4ピン(24)は、第3タイプの接続部(63)によって、前記第2端面(9)において互いに接続され;
- 前記第1タイプの接続部、前記第2タイプの接続部及び前記第3タイプの接続部はお互いに異なる、
請求項1に記載のステータ(1)。
【請求項3】
前記ステータは、少なくとも2つの巻線(41、42、43)を有し、少なくとも前記第2スロット(52、54、56)における前記第4ピン(24)は、第4タイプの接続部(64)によって、第3スロット(53)における前記4n-3レイヤー(L1)での第5ピン(25)に接続されている、請求項1又は2に記載のステータ(1)。
【請求項4】
前記ステータ(1)は複数の巻線(41、42、43、44)を有し、当該複数の巻線(41、42、43、44)は、前記ステータ(1)の全周にわたって延び、それによって部分-コイルを形成する、請求項3に記載のステータ(1)。
【請求項5】
2つの部分-コイルのそれぞれのピン(26、36)は、第5タイプの接続部(65)によって互いに接続されている、請求項4に記載のステータ(1)。
【請求項6】
少なくとも2つの部分-コイルがコイル(201、202)を形成する請求項5に記載のステータ(1)。
【請求項7】
前記部分-コイルは6つのコイルを形成し、それらに対して6つの位相が割り当てられて、異なる位相に割り当てられる2つのコイルがそれぞれ隣り合うスロット(51-58、91-98)に位置する、請求項6に記載のステータ(1)。
【請求項8】
2つのコイル(201、202)のピン(21)のそれぞれの入力部(81、101、111、85、105、115)は、第6タイプの接続部(66)によって互いに接続されている、請求項6に記載のステータ(1)。
【請求項9】
前記2つのコイル(201、202)のピン(37)のそれぞれの出力部(83、103、113、87、107、117)は互いに接続され、結果として前記2つのコイルは並列に接続されて、特に1つの位相に割り当てられる、請求項8に記載のステータ(1)。
【請求項10】
前記第2タイプの接続部(62)は、第2ピン(22、32)及び第3ピン(23、33)から形成される第1ダブルピン(211)を備え、前記第1ダブルピン(211)は、それぞれの溶接ポイント(225、223)を有する2つの内側に曲がったピン脚部(63a、61b)を持ち、第1半径方向距離(71)を橋渡す、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項11】
前記第4タイプの接続部(64)は、前記第4ピン(24、34)及び前記第5ピン(25、35)から形成される第2ダブルピン(213)を備え、前記第2ダブルピン(213)は、それぞれの溶接ポイント(227、221)を有する2つの外側に曲がったピン脚部(63b、61a)を持ち、第1半径方向距離(71)を橋渡す、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項12】
前記第5タイプの接続部(65)は、2つの第1端部ピン(26、36)から形成される第3ダブルピン(215)を備え、前記第3ダブルピン(215)は、2つのピン脚部(63b、61b)を持ち且つ第2半径方向距離(73)を橋渡し、当該2つのピン脚部(63b、61b)は同じ方向に曲がっており且つそれぞれの溶接ポイント(227、223)を有する、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項13】
シングルピン(217、219)が、第2端部ピン(21、37)と、時計回りに曲がるピン脚部(61a、63a)と、を含む、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項14】
前記第1タイプの接続部(61)は、前記第2ダブルピン(213)の又は前記第1シングルピン(217)の前記ピン脚部(61a)における第1溶接ポイント(221)と、前記第1ダブルピン(211)の又は前記第3ダブルピン(215)の前記ピン脚部(61b)における第2溶接ポイント(223)と、の間の溶接した接続部によって形成される、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項15】
前記第3タイプの接続部(63)は、前記第1ダブルピン(211)の又は前記第2シングルピン(219)の前記ピン脚部(63a)における第3溶接ポイント(225)と、前記第2ダブルピン(213)の又は前記第3ダブルピン(215)の前記ピン脚部(63b)における第4溶接ポイント(227)と、の間の溶接した接続部によって形成される、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項16】
請求項1~15のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)を有する電気機械(401)を持つ車両(403)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、電気機械、特に電動機、のためのピンを有するステータに関する。
【発明の概要】
【0002】
先行技術
電気機械は、車両の駆動用の電動機として一般に知られており且つますます使用されている。電気機械は、ステータとロータから構成される。
【0003】
ステータは複数のスロットを含み、当該複数のスロットにおいて巻線がガイドされる。巻線は、ピンと呼ばれるものの形態で分離した銅棒で形成されうる。ロータはステータにおいて配置され且つロータシャフトに接続される。
【0004】
そのようなピンモータ、Uピンモータ又はヘアピンモータは、例えば、US9,136,738B2から知られている。
【0005】
課題及び解決策
本発明の目的は、製造が容易な、ピンにより構成される巻線を有するステータを提供することである。
【0006】
発明によれば、電気機械のためのステータは複数のピンを備え、当該複数のピンは、ステータでのスロットにおいてステータ中心点(M)から異なる距離で同心円上に配置され、各同心円がレイヤーを形成し;異なるレイヤーにおいて4つのピンが互いに直列に接続されて巻線を形成する。巻線の第1ピンは、4n-3レイヤーにおいて第1スロットに位置し、nは自然数であり;巻線の第2ピンは、4n-2レイヤーにおいて第2スロットに位置し、第2スロットは、ステータの第1周方向において第1スロットから第1半径方向距離にあり;巻線の第3ピンは、4nレイヤーにおいて第1スロットに位置し;巻線の第4ピンは、4n-1レイヤーにおいて第2スロットに位置する。
【0007】
発明による巻線を有するステータは、容易に製造されることができ、効率的な電磁場を発生させる。それらのタイプの接続部は、スロットにおけるピン間に導電性の接続部を生成する。そのタイプの接続部はピンに対する導体の溶接であってもよく、ピンは既に、ダブルピン又はUピンと呼ばれるものの形であってもよく、それによってステータ内に挿入される場合に既に接続部を生成する。また、互いに向けて曲げられるピンの端部の一緒の溶接は、あるタイプの接続部を構成する。
【0008】
レイヤーは、ステータ中心点に関して外側から内側に向かって、増える順に番号をつけられることができる。
【0009】
好ましくは、ステータは、第1端面及び第2端面を有し;第1ピン及び第2ピンが第1タイプの接続部によって第2端面において互いに接続され;第2ピン及び第3ピンが第2タイプの接続部によって第1端面において互いに接続され;第3ピン及び第4ピンが第3タイプの接続部によって第2端面において互いに接続され;第1タイプの接続部、第2タイプの接続部及び第3タイプの接続部はお互いに異なる。
【0010】
異なるタイプの接続部は、改良された製造を可能にする。異なる端面におけるそれらのタイプの接続部の位置を交互にすることは、スロット間にあるステータ歯の周りに巻線を効率的に形成することを可能にする。
【0011】
ステータ内部又は外部に関してピン脚部が異なる方向に曲げられているために、ステータの同じ端面における複数タイプの接続部も異なりうる。
【0012】
ステータの異なる端面又は同じ端面における上述のタイプの接続部の組み合わせも可能である。ステータの、同じ端面における同じタイプの接続部及び異なる端面における異なるタイプの接続部は、簡単かつ迅速な製造を可能にする。例えば、ステータの一つの端面において、ダブルピン或いはUピンと呼ばれる予め曲げられるピンのタイプのおかげで接続部が作られ、ステータの他の端面において、複数のシングルピン又はダブルピンのそれぞれの側が互いに対して溶接される。溶接ポイントは、ピンの脚部又はダブルピンにおいてあってもよい。
【0013】
発明の一実施形態において、ステータは、少なくとも2つの巻線を有してもよく、少なくとも第2スロットにおける第4ピンは、第4タイプの接続部によって、第3スロットにおける4n-3レイヤーでの第5ピンに接続されてもよい。
【0014】
さらに好ましくは、ステータが複数の巻線を含むことが可能であり、当該複数の巻線はステータの全周にわたって延び、それによって部分-コイルを形成する。
【0015】
これは、巻線が対称性を有し、当該対称性が一様な回転界磁を作ることを意味する。
【0016】
更なる実施形態において、2つの部分-コイルのそれぞれのピンは、第5タイプの接続部によって互いに接続されてもよい。
【0017】
第5タイプの接続部は、例えば、特別に曲げられたピンによって実現されてもよい。
【0018】
好ましくは、少なくとも2つの部分-コイルがコイルを形成することが可能である。
【0019】
さらに好ましくは、2つのコイルのそれぞれのピンが、第6タイプの接続部によって互いに接続されことが可能である。
【0020】
第6タイプの接続部は、ピンに取り付けた導体によって又は導電性リングによって作られてもよい。
【0021】
2つのコイルは並列に接続されてもよく、さらに同相で給電されてもよい。その並列接続は、第1端部ピンと第5端部ピンをペアで接続することによって又は第4端部ピンと第8端部ピンをペアで接続することによって、実現されてもよい。
【0022】
2つのコイルは並列に接続されてもよく、さらに同相で給電されてもよい。
【0023】
発明の好ましい実施形態において、部分-コイルは6つのコイルを形成してもよく、それらに対して6つの位相が割り当てられてもよく、それによって異なる位相に割り当てられる2つのコイルがそれぞれ隣り合うスロットにおいて位置する。
【0024】
さらに、2つの位相がそれぞれほぼ同じ電流及び電圧プロファイルを持つことが可能であり、その結果、6相インバータが3相モータのみを制御することが可能である。この構成は、インバータにおけるスイッチング素子の電流分割を可能にする。
【0025】
好ましくは、2つのコイルのそれぞれの更なるピンが互いに接続されることが可能であり、結果として2つのコイルが並列に接続されること、特に1つの位相に割り当てられること、が可能である。
【0026】
このように、隣り合うスロットの2つのコイルは並列に接続されて、1相によって給電されてもよく、その結果、3相電気機械のための巻線を有するステータがもたらされる。
【0027】
一実施形態において、第2タイプの接続部は、第2ピン及び第3ピンから形成される第1ダブルピンを備えてもよく、第1ダブルピンは、それぞれの溶接ポイントを有する2つの内側に曲がったピン脚部を持ち、第1半径方向距離を橋渡す。
【0028】
ダブルピンは一つの端面からステータ内に挿入されてもよく、他の端面においてさらにダブルピンと溶接されてもよい。
【0029】
好ましくは、第4タイプの接続部が、第4ピン及び第5ピンから形成される第2ダブルピンを備えることが可能であり、第2ダブルピンは、それぞれの溶接ポイントを有する2つの外側に曲がったピン脚部を持ち、第1半径方向距離を橋渡す。
【0030】
その第1距離は、橋渡されるスロットの数を表す。ダブルピンが異なるレイヤーをつなぐため、橋渡される実際の空間距離は、レイヤーにおけるピンの位置に依存する。
【0031】
更に好ましくは、第5タイプの接続部が、2つの第1端部ピンから形成される第3ダブルピンを含み、第3ダブルピンは2つのピン脚部(63b、61b)を有し且つ第2半径方向距離を橋渡し、当該2つのピン脚部(63b、61b)は同じ方向に曲げられてそれぞれの溶接ポイントを有する。
【0032】
第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも少なくとも1スロット短くてもよい。
【0033】
発明の一実施形態において、シングルピンが、第2端部ピンと、時計回りに曲げられるピン脚部と、を含んでもよい。
【0034】
好ましくは、第1タイプの接続部が、第2ダブルピンの又は第1シングルピンのピン脚部における第1溶接ポイントと、第1ダブルピンの又は第3ダブルピンのピン脚部おける第2溶接ポイントとの間の溶接した接続部によって形成されることが可能である。
【0035】
さらなる実施形態において、第3タイプの接続部は、第1ダブルピンの又は第2シングルピンのピン脚部における第3溶接ポイントと、第2ダブルピンの又は第3ダブルピンのピン脚部における第4溶接ポイントとの間の溶接した接続部によって形成されてもよい。
【0036】
発明によれば、車両(103)は、好ましい実施形態のうちの1つによるステータを備えた電気機械を備える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図の説明
【
図2】
図2は、8スロット及び4レイヤーを有するステータを示す。
【
図3】
図3は、第1部分-コイルの巻線パターンを示す。
【
図4】
図4は、第2部分-コイルの巻線パターンを示す。
【
図5】
図5は、2つの部分-コイル、及び前記部分-コイルの互いに対する接続部を、ひいてはコイルを、を有するステータを示す。
【
図6】
図6は、2つのコイルを有するステータを示し、当該2つのコイルは2つのそれぞれの部分-コイルから構成される。
【
図7】
図7は、さらに2つのコイルを持つステータを示す。
【
図8】
図8は、さらに2つのコイルを持つステータを示す。
【
図9】
図9は、6つのコイルを持つステータを示す。
【
図12】
図12は、内側に曲げられたピン脚部を有するダブルピンを示す。
【
図13】
図13は、外側に曲げられたピン脚部を有するダブルピンを示す。
【
図14】
図14は、1つの内側に曲げられたピン脚部及び1つの外側に曲げられたピン脚部を有するダブルピンを示す。
【
図15】
図15は、インターフェースを持つステータを有する電気機械を、特に電動機を、有する車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、複数のスロット5を有するステータ1を示し、当該複数のスロット5においてピン3が案内される。ステータは、第1端面7と第2端面9を有する。さらに、インターフェース11が第1端面7に配置されており、当該インターフェース11によってステータがインバータに接続されることができる。インターフェース11は、第6タイプの接続部66によってピンに接続されている。もちろん、電気機械の動作にはロータも必要である。
【0039】
図2は、4レイヤーにおけるスロット51、52、53、54、55、56、57とピン21、22、23、24を有するステータ1を示し、8スロットのみを図示している。そのピンはスロットにおいて配置されている。1つのスロットにおいてピンが互いに隣り合って並んでおり;
図2の例では、1つのスロットにおいて4つのピンが互いに隣り合って並んでいる。したがって、1つのスロット内の4つのピンは、ステータの中心点Mを中心とする異なる同心円L1、L2、L3、L4上にあり、したがってその円は個々のレイヤーを形成する。2つのそれぞれのスロットの間には距離71がある。この距離71は、
図2に示す全てのスロット間で同一である。
【0040】
図3は、
図2からのステータ1を示す。ピンは依然として同心円上に、つまりレイヤー状に、配置されているが、より良い説明のためにその同心円は描かれていない。
図3は、どのピンが直列に互いに接続されているかを示す。より良好な明確性のために、ピンは黒に黒く塗りつぶされた四角においてのみピンが配置されている。白い四角はこの図では考慮されておらず、記述されたピンが配置されているレイヤーを明確にするだけである。第1ピン21は、レイヤーL1における第1スロット51に配置されている。この第1ピン21は、点線で図示した第1タイプの接続部61によって、スロット52における第2ピン22に接続されている。第2ピン22は、レイヤーL2に配置されている。第2ピン22は、短破線で示された第2タイプの接続部62によって、スロット51における第3ピン23に接続されている。第3ピン23は、第1スロット51において、すなわち、第1ピン21と同じスロットにおいて、順に配置されている。しかし、第3ピン23は、レイヤーL4に存在する。その結果、スロット51における第1ピン21と第3ピン23との間に、さらに2つのピンのためのスペースが依然としてある。これは、プレースホルダーの形をした2つの白い四角によって示される。第3ピン23は、実線で示された第3タイプの接続部63を介して、第4ピン24に接続されている。第4ピン24は、第2ピン22と同じスロット52にある。第4ピン24は、第2ピン22のすぐ隣のレイヤーL3に存在する。その結果、スロット52には、2つのピン22、24に隣り合うレイヤーL1及びL4において、さらに2つのピンのためにスペースが依然としてある。これは、プレースホルダーの形をした2つの白い四角で示される。それらの接続部を有する4つのピン21、22、23、24は第1巻線41を形成し、当該それらの接続部は異なるタイプの接続部61、62、63によって作られる。
【0041】
第4ピン24は、長破線で示された第4タイプの接続部64を介して、第3スロット53において第5ピン25に接続されている。第5ピン25で、ステータにおける後続ピンの上述の直列接続が再び始まり、第5ピン25の位置は第1ピン21の位置に関して90度だけ反時計回りに回転されている。
【0042】
スロット53及び54における更なるピンに対する第5ピン25の直列接続は、第2巻線42を形成する。これらのピン間の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63は、第1巻線41のピンのそれぞれの第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63と同じである。
【0043】
2つの巻線41、42は、第4タイプの接続部64によって接続されている。直列接続の継続は、スロット55、56において巻線43を形成し、スロット57、58において巻線44を形成する。巻線42、43、44は、それぞれ第4タイプの接続部64によって接続されている。したがって、それぞれの巻線41、42、43、44間の第4タイプの接続部64は同一である。また、巻線43、44のピン間の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63は、巻線41、42の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63と同じである。
【0044】
4つの巻線41、42、43、44は、ステータ1の周囲における反時計回り回路として第1部分-コイルを形成する。この部分-コイルにおける最後のピンは、端部ピン26である。
【0045】
図4は、
図3からのステータ1を示し、
図3のスロットの左に且つ
図3のスロットの直近に位置する8つのスロット91、92、93、94、95、96、97、98を示す。
【0046】
ピン31、32、33、34は、
図3のピン21、22、23、24、25と同様に直列に接続される。そのそれぞれのタイプの接続部は
図3と同じであり、同じ参照符号で明確にしている。巻線45は特別な特徴を構成し、
図5において説明されている。巻線46、47、48のピンは
図3におけるのと同じ形態であることは
図4から明らかである。第2部分-コイルの第1ピン31は、レイヤーL1における第1スロット94に配置されている。この第1ピン31は、点線として示される第1タイプの接続部61によって、スロット93において第2ピン32に接続されている。第2ピン32は、レイヤーL2に配置されている。第2ピン32は、短破線として示される第2タイプの接続部62によって、スロット94において第3ピン33に接続されている。第3ピン33は、第1スロット94において、すなわち第1ピン31と同じスロットにおいて、順に配置されている。ただし、第3ピン33は、レイヤーL4にある。その結果、スロット98において、第1ピン31と第3ピン33との間に2つの更なるピンのためのスペースが依然としてあり、これはプレースホルダーの形をした2つの白い四角によって示されている。第3ピン33は、実線として示される第3タイプの接続部63を介して第4ピン34に接続されている。第4ピン34は、第2ピン32と同じスロット93にある。第4ピン34は、第2ピン32の直ぐ隣のレイヤーL3にある。その結果、スロット97において2つのピン32、34の隣にレイヤーL1及びL4において2つのさらなるピンのためのスペースが依然としてあり、これはプレースホルダーの形で2つの白い四角で示されている。それらの接続部を有する4つのピンは、第1巻線46を形成する。
【0047】
第1ピン31は、長破線で示された第4タイプの接続部を介して第2巻線47の第4ピンに接続されている。
【0048】
第2巻線47の第4ピンの位置が第1巻線46の第4ピン34の位置に関して反時計回りに90度回転した状態で、第4ピンで、ステータの後続ピンの上述した直列接続が再び始まる。
【0049】
スロット97、98における更なるピンに対する第2巻線47の第1ピンの直列接続は、第3巻線48を形成する。これらのピン間の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63は、第1巻線及び第2巻線46、47のピンのそれぞれの第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63と同じである。
【0050】
ステータにおけるピンの直列接続は、上述したように巻線46、47、48を形成する。巻線45は、直列接続の始まりと終わりに形成される。第1巻線46の第4ピン34は、第4タイプの接続部64を介して第3スロット92における第5ピン35に接続されている。第5ピン35は、順に、第1タイプの接続部61を介してスロット91における第1端部ピン36に接続される。第2部分-コイルの端部ピン36は、
図5に従って、第1部分-コイルの端部ピン26に接続される。
【0051】
また、上記の完全な回路の後、スロット91のレイヤー3におけるピンは、スロット92のレイヤー4におけるピンに接続される。この後者のピンはシングルピンとして構成され、エネルギー源の接続のための出力部83を有する。こうして、4つの巻線45、46、47、48が第2部分-コイルを形成する。
【0052】
そのため、第2部分-コイルのピンの直列接続の回路は、第1部分-コイルのピンと逆方向に向かう。2つの部分-コイルに関する流れ方向は自由に選ばれうるものであり;それらはただ異なっている必要がある。
【0053】
図5は、
図3及び
図4からの第1部分コイル及び第2部分コイルの接続を示し、それによって、
図4からの第2部分-コイルの巻線45が特別な特徴を構成する。
【0054】
この巻線45は、スロット91でのレイヤー2において第2部分-コイルの第1端部ピンとともに始まり、当該第1端部ピンは、第5タイプの接続部65によって、スロット58における第1部分-コイルの巻線44の第1端部ピン26に接続されている。この接続部は、
図5において、長破線の太線で示されている。
【0055】
第1部分-コイルと第2部分-コイルは、スロット58におけるレイヤーL3とスロット91におけるレイヤーL2との間で第5タイプの接続部65によって接続され、第1コイル201を形成する。
【0056】
図6は、
図3及び
図4からの2つの部分-コイルを通じたピン構成を示し、当該2つの部分-コイルが黒い四角で示される。これらの図において同じ参照符号は、同じピン、スロット、タイプの接続部を表す。さらに、
図3及び
図4の原理による2つのさらなる部分-コイルが白い四角における白い正方形として示されており、それらはそれぞれ第1部分-コイル及び第2部分-コイルのスロットにおける空きレイヤーを埋め、それによって第1部分-コイル及び第2部分-コイルの巻線パターンに従って第2コイルを形成する。したがって、
図6は2つのコイルを示し、当該2つのコイルの各々は2つの部分-コイルから構成されている。
【0057】
第2コイル202の2つの部分-コイルの接続部は、長破線67で示されており、第5タイプの接続部によって実現される。
【0058】
コイルの入力部及び出力部も同様に示され、当該入力部及び出力部はシングルピン217、219として実現され;
図11が参照される。第1コイルの入力部81はスロット51に配置され、出力部83はスロット92に配置されている。第2コイルの入力部87は、スロット93に配置され、出力部85はスロット58に配置されている。第2半径方向距離73は、例えば、第1半径方向距離71よりも1スロット分短い。
【0059】
図7は、白ドットのついた黒い四角と黒ドットのついた白い四角において、第3コイルと第4コイルを通じたピン構成を示す。これは、
図3、4、5及び6で確立された巻線パターンによって生成され、それは、後者の図に示されたピン及び接続部に比べ、2スロット分時計回りにオフセットされている。第3コイルの入力部101と出力部103及び第4コイルの入力部107と出力部105も同様に示される。
【0060】
図8は、第5コイルと第6コイルを通じたピン構成を示す。これは、
図3、4、5及び6で確立された巻線パターンによって生成され、後者の図に示されたピンと接続部に比べ、4スロット分時計回りにオフセットされている。第5コイルの入力部111と出力部113及び第6コイルの入力部117と出力部115も同様に示される。
【0061】
図9は、
図6、
図7及び
図8の組み合わせの形態での6つのコイルを通じたピン構成を示す。
【0062】
図10は、48つスロット且つ4つレイヤーを有するステータの場合における第1コイル201及び第2コイル202の巻線パターンを示す。第3コイル及び第4コイル並びに第5コイル及び第6コイルは、2つのそれぞれのスロットのオフセットによって生成され、
図10には示されていない。また、2つのコイル201,202の入力部81、87及び出力部83,85が示される。
【0063】
図11は、2つのシングルピン217、219又はIピンを示す。ステータのスロットに配置される実際のピンは、中央に位置している。参照符号は先行図面と同じである。ピンは、ステータ中心点から見て、第1端面が上になるように示されている。入力部又は出力部81、101、111、83、103、113、85、105、115、87、107、117が最上端部に配置されている。左側シングルピン217は、レイヤー4で使用される。右側シングルピン219は、レイヤー1で使用される。最下端部において、2つのピンは、溶接ポイント221、225を有するピン脚部63a、61aを持つ。
【0064】
図12は第1ダブルピン211を示し、当該第1ダブルピン211は、予め曲げられたより長いピンから製造され、当該第1ダブルピン211は、第2ピン22、32と第3ピン23、33との間にそのタイプの接続部62を生成する。予め曲げられた接続部62は第1端面7に位置し、第2端面9におけるピン脚部63a、61bの溶接ポイント223,225での溶接により、接続部が作られる。その中心は、スロットにおいて存在し、先行する図面からの確立された参照符号を持つ前述のピンを形成する。ダブルピンは、スロット間の距離71を橋渡すことができる。
【0065】
接続部61は、2つの溶接ポイント221及び223を一緒に溶接することにより、ピン脚部61a、61bを介して、
図11からの右側シングルピン217と
図12からの第1ダブルピン211とによって形成されている。
【0066】
図11の左側のシングルピン219は、
図12の第1ダブルピン211のピン23、33と同様である。ピン脚部63a及び溶接ポイント225は同一である。左側シングルピン219でコイルが終了又は開始するため、シングルピン219は、第1ダブルピン211のような接続部62を有しない。
【0067】
図13は、第2ダブルピン213又はUピンを示す。この予め曲げられた第2ダブルピン213は、第4ピン24、34と第5ピン又は第1ピン31、25との間にそれぞれ接続部64を形成する。各コイルの第1部分-コイルの第1巻線の第1ピン21のみが、シングルピンとして設計されている。それらの溶接ポイント227、221によって、ピンの最下部に配置されたピン脚部63b、61aは、
図11、12、14のピンの溶接ポイント223、225とともに、それらのタイプの接続部61、63を形成する。
【0068】
第1距離71は、橋渡しされるスロットの数に関してのみ同一である。ダブルピンは異なるレイヤーを接続するので、橋渡しされる実際の空間距離は異なる。
【0069】
図11の右側のシングルピン217は、
図13の第2ダブルピン217のピン25、31、35と同様である。ピン脚部61aと溶接ポイント221は同一である。右側のシングルピン217でコイルが終了又は開始するので、シングルピン217は、第2ダブルピン213のような接続部64を有しない。
【0070】
図14のダブルピン215は、そのタイプの接続部65、67を形成し、特定のダブルピンの形態でコイルごとに1度だけ存在する。ダブルピン215は、ピン26、36と、溶接ポイント227、223を有するピン脚部63b、61bとを含み、それらは溶接ポイント225、221とともにそのタイプの接続部61、63を形成する。ダブルピン215は、第2距離73を、すなわち第1距離71よりも1スロット小さい距離を、橋渡すことができる。
【0071】
このようにして、ピン脚部61a、61b及び溶接ポイント221、223を介して、第1タイプの接続部61が形成される。このようにして、ピン脚部63a、63b及び溶接ポイント225、227を介して、第3タイプの接続部63が形成される。
【0072】
図15は、車両403の、例えばハイブリッド車両又は電気車両の、例示的な実施形態の基本図であり、当該車両403は、車両403を駆動するためのステータ1の例示的な実施形態を有する電気機械401を、特に電動機を、備える。また、車両403は、電気機械401に直流電源から交流を供給するインバータ405を含んでいてもよい。
【0073】
符号の一覧
1 ステータ
2、21、22、23、24、25 ピン
31、32、33、34、35 ピン
5、51、52、53、54、55、56 スロット
57、58、91、92、93、94、95 スロット
96、97、98 スロット
7 第1端面
9 第2端面
11 インターフェース
26、36 端部ピン
41-48 巻線
61 第1タイプの接続部
62 第2タイプの接続部
63 第3タイプの接続部
64 第4タイプの接続部
65、67 第5タイプの接続部
66 第6タイプの接続部
61a、61b、63a、63b ピン脚部
71 距離
401 電気機械
81、87、101、107、111、117 入力部
83、85、103、105、113、115 出力部
201 第1コイル
202 第2コイル
211、213、215 ダブルピン
217、219 シングルピン
221、223、225、227 溶接ポイント
403 車両
405 インバータ
L1、L2、L3、L4 レイヤー
M ステータ中心点
【国際調査報告】