(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】液体供給物の処理のためのプレート式熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20221104BHJP
F28F 3/10 20060101ALI20221104BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20221104BHJP
C02F 1/04 20060101ALI20221104BHJP
B01D 1/00 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28F3/10
F28D9/00
C02F1/04 A
B01D1/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516128
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2020074715
(87)【国際公開番号】W WO2021048008
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・ブロムグレン
【テーマコード(参考)】
3L103
4D034
4D076
【Fターム(参考)】
3L103AA37
3L103BB28
3L103CC02
3L103CC03
3L103DD18
3L103DD55
3L103DD57
3L103DD58
4D034AA01
4D034BA03
4D034CA12
4D034DA04
4D076AA22
4D076BA50
4D076BC01
4D076CD25
4D076DA12
4D076HA02
4D076JA04
(57)【要約】
本発明は、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器に関する。プレート式熱交換器は、それらの間のプレート隙間を規定する少なくとも2つの対向する熱交換プレートを有するプレートパッケージを備えている。それぞれの熱交換プレートは、第1の非波形ガスケット溝および第2の非波形ガスケット溝を規定し、それにより、第1のガスケット要素が第1のガスケット溝の間をシールし、第2のガスケット要素が対向するプレートの第2のガスケット溝の間をシールする。これにより、プレート隙間内の第1のガスケット要素と第2のガスケット要素との間に流路が確立される。それぞれの熱交換プレートは、第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域、ならびに、第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の外側波形領域および第2の内側波形領域、をさらに規定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器であって、当該プレート式熱交換器は、間にプレート隙間を規定する少なくとも2つの対向する熱交換プレートを有するプレートパッケージを備え、
それぞれの熱交換プレートが、
第1の非波形ガスケット溝および前記第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝、ならびに、対向する熱交換プレートの第1の非波形ガスケット溝の間をシールする第1のガスケット要素および前記対向する熱交換プレートの第2の非波形ガスケット溝の間をシールする第2のガスケット要素であって、プレート隙間内の前記第1のガスケット要素と前記第2のガスケット要素との間に流路を確立する、第1のガスケット要素および第2のガスケット要素と、
前記第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、前記第1の内側波形領域が前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および前記第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、前記第2の内側波形領域が、前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、前記第1の列の上部が前記第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定していることを特徴とする、プレート式熱交換器。
【請求項2】
前記対向する熱交換プレートの上部が互いに接触していることを特徴とする、請求項1に記載のプレート式熱交換器。
【請求項3】
前記外側波形領域はそれぞれ、交互の上部および下部の列を規定していることを特徴とする、請求項1または2に記載のプレート式熱交換器。
【請求項4】
前記流路が分離セクションと出口との間に延在し、前記分離セクションが、互いに落下し、接しない2つの隣り合うプレートの波形パターンを規定していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項5】
前記第1の外側波形領域が、前記熱交換プレートの垂直側端に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項6】
前記第2の外側波形領域は、蒸発セクションまたは加熱セクションに隣り合って配置され、それにより、前記蒸発セクションおよび凝縮セクションの対向するプレートの波形は、対向する隆起が接する十字型のパターンを形成していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項7】
前記第1の内側波形領域と前記第2の内側波形領域との間に非波形領域が配置されており、さらなる前記非波形領域が前記流路の一部を形成するか、あるいは、前記第1の列が前記第2の列に直接隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項8】
それぞれの熱交換プレートが、熱交換プレートの反対側に反対側の流路を規定していることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換プレートの2つの垂直側端の間に中心軸が規定されており、前記中心軸の反対側に対称的に配置された熱交換プレート上にミラー化された流路が設けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換プレートが、前記ミラー化された流路の反対側に配置されたさらに別の流路を有していることを特徴とする、請求項9に記載のプレート式熱交換器。
【請求項11】
前記内側波形領域のそれぞれの幅が、前記非波形ガスケット溝のそれぞれの幅よりも小さいことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
【請求項12】
液体供給物の処理のためのプレート式熱交換器用の熱交換プレートであって、
当該熱交換プレートは、
第1の非波形ガスケット溝と前記第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝とであって、第1のガスケット要素および第2のガスケット要素にそれぞれ接触し、それにより、第1の非波形ガスケット溝と第2の非波形ガスケット溝との間に流路を確立する、第1の非波形ガスケット溝および第2の非波形ガスケット溝と、
前記第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、前記第1の内側波形領域が前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および前記第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、前記第2の内側波形領域が、前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、前記第1の列の上部が前記第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定していることを特徴とする、熱交換プレート。
【請求項13】
複数の熱交換プレートを設けることによる、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器の製造方法であって、
それぞれの熱交換プレートが、
第1の非波形ガスケット溝と前記第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝とであって、それにより、第1の非波形ガスケット溝と第2の非波形ガスケット溝との間に流路を確立する、第1の非波形ガスケット溝および第2の非波形ガスケット溝と、
前記第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、前記第1の内側波形領域が前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および前記第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、前記第2の内側波形領域が、前記流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、前記第1の列の上部が前記第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定し、
当該製造方法は、
前記熱交換プレートの少なくとも2つを互いに向かい合わせに配置するステップであって、それらの間のプレート隙間を規定する、ステップと、
対向する熱交換プレートの第1の非波形ガスケット溝の間に第1のガスケット要素をシールするステップと、
対向する熱交換プレートの第2の非波形ガスケット溝の間に第2のガスケット要素をシールするステップと、
を含んでなることを特徴とする、プレート式熱交換器の製造方法。
【請求項14】
前記液体供給物が海水であり、前記流路がブラインチャネルであることを特徴とする、、請求項4に記載のプレート式熱交換器の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器用の熱交換プレート、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器、および液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換プレートの1つまたは複数のプレートパッケージがプロセスの主要コンポーネントを形成する海水淡水化装置は、長年にわたって製造されてきた。出願人企業は、数年前から、プレートパッケージ内で蒸発、分離、凝縮が行われる淡水発生器を製造してきた。詳細は、アルファラバルコーポレートABに割り当てられた国際公開第2006/104443号公報に記載されている。この文献は、熱交換器内に交互の順序で形成された第1および第2のタイプのプレート隙間を有する脱塩用のプレート式熱交換器を開示している。第1のタイプのプレート隙間は、蒸発セクション、分離セクション、および凝縮セクションを形成し、第2のタイプのプレート隙間は、加熱セクション、分離セクション、および冷却セクションを形成する。
【0003】
蒸発セクションは、海水などの液体供給物を蒸発させるために使用され、分離セクションは、蒸発した供給物を蒸発していない供給物から分離するために使用され、凝縮セクションは、蒸発した供給物を凝縮するために使用される。加熱セクションは蒸発セクションを加熱し、冷却セクションは凝縮セクションを冷却する。上記の熱交換器の利点は、海水の処理全体がプレートパッケージで行われるため、コンテナが不要なことである。
【0004】
上記のプレート式熱交換器は、中央に配置された加熱流体用、冷却流体用、および淡水用のポートを有し、熱交換プレートの中心軸を中心にブライン用および供給物用のポートが対称的に配置されている。このように、必要なプレートタイプは1つだけである。第1のタイプの隙間と第2のタイプの隙間は、2つの異なるガスケットを使用し、中心軸を中心に熱交換プレートを1つおきに180度回転させて、熱交換プレートを向かい合わせに配置することによって形成される。このようにして、蒸発セクションと凝縮セクションの対向するプレートの波形は、対向する隆起が隣接する十字型のパターンを形成する。
【0005】
分離セクションでは、プレートは、隣接する2つのプレートの波形パターンが互いに落下し、隣接しないように設計されている。このようにして、蒸発した供給物が凝縮セクションに通過することができる間、蒸発セクションから放出される蒸発していない供給物の液滴を捕捉する蛇行する流路が達成される。次に、蒸発していない供給物の液滴がプレートの端に導かれ、各端には、分離された液滴を分離セクションから輸送し、蒸発していない供給物を蒸発セクションから蒸発セクションの下に位置するブライン出口に輸送するためのブライン出口チャネルが存在する。
【0006】
上記の淡水発生器では、ブライン出口チャネルは、2つのガスケット要素の間に半平面を有することによって作成される。それぞれのガスケット要素は、波形領域間のそれぞれの非波形ガスケット溝において所定の位置に保持される。ガスケット溝と半平面との間の各波形領域は、上部および下部の列で構成されている。上部および下部は、隣接するプレートの上部および下部にそれぞれ隣接し、チャネルを形成する。この設計の欠点は、チャネルの有効な流れ面積が、半平面の反対側にあるそれぞれの波形領域の上部および下部の各対の間に作成される最も狭いセクションによって制限されることである。
【0007】
このことは、大型の淡水発電機では満足のいく結果が得られたが、スペースが限られている小型の淡水発電機では、より面積効率の高い解決策が有利である。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ブラインチャネルのためのより面積効率の良い解決策を見つけることである。
【0009】
さらなる先行技術は、上から下に順次分割されて凝縮ゾーン、蒸発ゾーン、および加熱ゾーンとなる熱交換プレートを開示する中国実用新案第203820488号明細書を含む。
【0010】
中国実用新案第206262115号明細書は、蒸発-分離-凝縮する3つの海中集水プレートについて説明している。気液分離ゾーン分離構造はフラップを使用する。フラップには補強リブが設けられている。
【0011】
英国特許第1211065号明細書は、2つのプレートが重ね合わされた関係で組み立てられているプレート式熱交換器について説明している。プレートの1つが他のプレートに対してそれ自体の平面で180°回転し、プレート間に通路ができる。
【0012】
韓国特許第10-1345733号明細書は、バリア付きの熱交換プレートについて説明している。
【0013】
米国特許第8646517号明細書には、プレート式熱交換器用の熱交換プレートが記載されており、このプレートは、いくつかのポート、分配領域、熱伝達領域、第1の断熱領域、第2の断熱領域、ならびにポートおよび領域の外側に延在する端領域を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2006/104443号公報
【特許文献2】中国実用新案第203820488号明細書
【特許文献3】中国実用新案第206262115号明細書
【特許文献4】英国特許第1211065号明細書
【特許文献5】韓国特許第10-1345733号明細書
【特許文献6】米国特許第8646517号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的は、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器であって、プレート式熱交換器は、間にプレート隙間を規定する少なくとも2つの対向する熱交換プレートを有するプレートパッケージを備え、
それぞれの熱交換プレートは、
第1の非波形ガスケット溝および第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝、ならびに、対向する熱交換プレートの第1の非波形ガスケット溝の間をシールする第1のガスケット要素および対向する熱交換プレートの第2の非波形ガスケット溝の間をシールする第2のガスケット要素であって、プレート隙間内の第1のガスケット要素と第2のガスケット要素との間に流路を確立する、第1のガスケット要素および第2のガスケット要素と、
第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、第1の内側波形領域が流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、第2の内側波形領域が、流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、第1の列の上部は第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定する、プレート式熱交換器による第1の態様において実現される。
【0016】
プレートパッケージは、通常、少なくとも2つ、通常は2つより多くの熱交換プレートを向かい合わせに配置することによって形成され、これにより、1つおきのプレートが180度回転される。したがって、前面同士が向かい合っており、背面同士が向かい合っている。対向する前面は第1のプレート隙間を形成し、その結果、対向する背面は第2のプレート隙間を形成する。プレート間にガスケットが提供され、通常は2つの異なるタイプのガスケットが交互に使用され、第1のタイプのプレート隙間および第2のタイプのプレート隙間を形成する。通常、第1のプレート隙間の流体と第2のプレート隙間の流体との間で熱交換が確立される。
【0017】
液体が、例えばプレート隙間の上部領域からプレート隙間の下部領域にプレート隙間内を流れることを可能にするために、流路が設けられる。流路は、非波形領域において両方の対向するプレートに接触する平行ガスケット間のプレート隙間において規定される。波形領域の対向する上部は、対向するプレートの上部が接触し、ガスケットが流路に膨らむのを防ぐため、非波形領域の所定の位置にガスケットを保持する。ガスケットのこのような置き違えは、漏れなどにつながり得る。
【0018】
現在の状況では、前面の上部が背面の下部になることを理解する必要がある。その結果、1つのプレート隙間の上部が隣接するプレート隙間の下部になり、その逆も同様である。1つのスペースの隙間の上部が互いに接触すると、下部が隣接するプレート隙間の上部になり、対向するプレートの対応する上部に接触する。
【0019】
従来技術の流路では、対向する内側の波形領域の上部は水平であり、流路の有効な流れ面積は、対向する内側の波形領域の2つの対向する上部の間の断面積によって与えられる。非波形領域は、半平面、つまり上部と下部との間を規定する。上部領域と下部領域との間のチャネルの最小断面積は、流路を通って輸送され得る液体の流れの限界を規定する。上部が非常に接近している場合、流れ面積が小さくなり、液体の最大流量が減少する。液体の最大流量を増加させるために、上部間の距離を増加させて、対向する内側の波形領域の上部間の距離を広げることができ、上部の間の非波形領域、つまり半平面を広げ得るが、プレート上のスペースを占有する。
【0020】
第1の内側の波形領域の上部が第2の内側の波形領域の下部と水平になるように流路を配置することによって、半プラテン、すなわち、内側の波形領域の間の非波形領域は、より小さくすることができ、または内側の波形領域の間の非波形領域は、第1および第2の内側の波形領域が互いに隣接するように完全に省略され得る。波形領域には、上部および下部を取り囲み、相互接続する側面が含まれる。側面は、上部と下部との間の円滑な移行を形成する。内側の波形領域を第2の内側の波形領域の下部と水平に配置することにより、上部が水平方向および垂直方向の両方でオフセットされるため、内側の波形領域の上部間のより大きな距離が達成される。このようにして、最小流れ面積は、それぞれの内側の波形領域の対向する上部の間の側面によって与えられる。したがって、流れは、第1の波形領域と第2の波形領域との間に確立された流路内を蛇行するパターンで流れ得る。
【0021】
本発明は、典型的には、プレートパッケージの下部にある蒸発セクションと、プレートパッケージの上部にある凝縮セクションと、蒸発セクションと凝縮セクションの間にある分離セクションとを有する淡水発生器に関連して使用される。蒸発セクションと凝縮セクションの熱交換プレートは、隆起と谷の波形で波形に形成されている。それぞれの隆起は上部を形成し、それぞれの谷が下部を形成する。
【0022】
さらなる実施形態によれば、対向する熱交換プレートの上部は互いに接触している。
【0023】
通常、プレート隙間にある対向する熱交換プレートの上部は互いに接触しており、接触点を形成している。このようにして、ガスケット溝においてプレート間の構造安定性が増加し、ガスケットはガスケット溝内の所定の位置によりよく保持される。下部は隣接するプレート隙間に上部を形成し、したがって対向するプレートの対向する上部に接触する。
【0024】
さらなる実施形態によれば、外側の波形領域はそれぞれ、交互の上部および下部の列を規定する。
【0025】
ガスケットの溝でガスケットを支持するために、外側波形領域が上部および下部を形成し得る。構造の安定性を向上させ、ガスケットを所定の位置に保持するために、上部が接触し得る。プレートの端に面する外側領域の上部および下部は、熱伝達領域の外側にあり、ガスケットを所定の位置に保持し、プレートパッケージの構造安定性を向上させるための上部と下部の単純な列を構成し得る。プレートの端から離れて面している、すなわちプレートの内部に面している外側領域は、波形の熱伝達領域の一部を構成し得、したがって、この外側領域の上部および下部は、波形の熱伝達領域の一部を形成すると理解される。
【0026】
さらなる実施形態によれば、流路は、分離セクションと出口との間に延在する。
【0027】
典型的な例では、流路は、淡水発生器の分離セクションと、分離セクションからブラインおよびブライン液滴を除去するための淡水発生器の出口との間に延在する。流れ領域は、通常、プレートの長手方向端と蒸発セクションとの間の蒸発セクション/加熱セクションの反対側に配置される。
【0028】
さらなる実施形態によれば、液体供給物は海水であり、流路はブラインチャネルである。
【0029】
典型的な用途の1つは、海水から淡水を作るための淡水発生器である。副産物はブラインであり、新しい供給物が蒸発セクションに導入されるときに分離セクションから除去する必要がある。その場合、流路がブラインチャネルになる。
【0030】
さらなる実施形態によれば、第1の外側波形領域は、プレートの垂直側縁に隣接して配置される。
【0031】
液滴は、上向きの蒸気の流れによって熱交換プレートの端に押し出され得る。したがって、流路をプレートの端に隣接させることが有益であり得る。
【0032】
さらなる実施形態によれば、第2の外側波形領域は、蒸発セクションまたは加熱セクションに隣接して配置される。
【0033】
さらに、蒸発セクションおよび加熱セクションは、熱交換プレートの中央に配置されているが、プレート隙間の反対側にある。したがって、流路は、分離セクションから加熱セクションと端部との間の出口まで延在し得る。
【0034】
さらなる実施形態によれば、第1の内側波形領域と第2の内側波形領域との間に非波形領域が配置されており、さらなる非波形領域が流路の一部を形成するか、あるいは、第1の列が第2の列に直接隣接して配置されている。
【0035】
通常、内側波形領域を互いに隣接して配置することにより、流路によって占められるスペースを最小限に抑えることができ、第1および第2の内側波形領域の上部および下部の列の間に非波形領域を必要としない。しかしながら、より大量の液体を輸送する必要がある場合、流れの断面積を増加させるために、第1の内側波形領域と第2の内側波形領域との間に非波形領域が使用され得る。
【0036】
さらなる実施形態によれば、それぞれの熱交換プレートは、熱交換プレートの反対側に反対側の流路を規定する。
【0037】
分離セクションは、通常、それぞれのプレート隙間に確立されるので、それぞれのプレート隙間は、好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは2つの流路も有する。熱交換プレートの片側の上部が熱交換プレートの反対側の下部になり、その逆も同様である。ガスケット溝は通常、上部と下部の間に非波形の半平面を形成する。したがって、すべてのプレート隙間に流路が確立され得る。したがって、すべてのプレート隙間の流路は、それぞれの熱交換プレートの同じ場所に形成できるが、上部と下部とが隣接するプレート隙間の場所を変更するという唯一の違いがある。
【0038】
さらなる実施形態によれば、プレートの2つの垂直側端の間に中心軸が規定され、中心軸の反対側に対称的に配置されたプレート上にミラー化された流路が設けられる。
【0039】
液滴が端に導かれるので、長手方向端のそれぞれに隣接する1つの流路を有することが有利である。両方の流路が同じ出口につながる場合もあれば、2つの別々の出口が使用される場合もある。
【0040】
さらなる実施形態によれば、熱交換プレートは、ミラー化された流路の反対側に配置されたさらに別の流路を有する。
【0041】
このように、すべてのプレート隙間には2つの流路があり、1つの流路が各端に隣接している。
【0042】
さらなる実施形態によれば、内側波形領域のそれぞれの幅は、非波形ガスケット溝のそれぞれの幅よりも小さい。
【0043】
液量が少ない場合、熱交換プレートの全幅を減少させ、および/または蒸発セクションの面積を増加させることができるようにするために、内側波形領域のそれぞれは、ガスケット溝のそれぞれよりも狭い幅を有し得る。
【0044】
さらなる実施形態によれば、第1の非波形ガスケット溝と第2の非波形ガスケット溝との間の距離は、非波形ガスケット溝のそれぞれの幅の2倍よりも小さい。
【0045】
液量が少ない場合、熱交換プレートの全幅を減少させ、および/または蒸発セクションの面積を増加させることができるようにするために、内側波形領域のそれぞれは、ガスケット溝のそれぞれよりも狭い幅を有し得る。
【0046】
上記の目的は、液体供給物の処理のためのプレート式熱交換器用の熱交換プレートであって、
熱交換プレートが、
第1の非波形ガスケット溝および第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝であって、第1のガスケット要素および第2のガスケット要素にそれぞれ接触し、それにより、第1の非波形ガスケット溝と第2の非波形ガスケット溝との間に流路を確立する、第1の非波形ガスケット溝および第2の非波形ガスケット溝と、
第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、第1の内側波形領域が流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、第2の内側波形領域が、流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、第1の列の上部は第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定する、熱交換プレートによる第2の態様において実現される。
【0047】
第2の態様による熱交換プレートは、好ましくは、第1の態様による熱交換器を製造するために使用される。
【0048】
上記の目的は、複数の熱交換プレートを設けることによる、液体供給物を処理するためのプレート式熱交換器の製造方法であって、
それぞれの熱交換プレートが、
第1の非波形ガスケット溝および第1の非波形ガスケット溝に平行に延在する第2の非波形ガスケット溝であって、それにより、第1の非波形ガスケット溝と第2の非波形ガスケット溝との間に流路を確立する、第1の非波形ガスケット溝および第2の非波形ガスケット溝と、
第1の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第1の外側波形領域および第1の内側波形領域であって、第1の内側波形領域が流路内に延在し、交互の上部および下部の第1の列を規定する、第1の外側波形領域および第1の内側波形領域と、
第2の外側波形領域および第2の非波形ガスケット溝の反対側に延在する第2の内側波形領域であって、第2の内側波形領域が、流路内に延在し、交互の上部および下部の第2の列を規定し、それにより、第1の列の上部は第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である、第2の外側波形領域および第2の内側波形領域と、
を規定し、製造方法が、
熱交換プレートの少なくとも2つを互いに向かい合わせに配置するステップであって、それらの間のプレート隙間を規定する、ステップと、対向する熱交換プレートの第1の非波形ガスケット溝の間に第1のガスケット要素をシールするステップと、対向する熱交換プレートの第2の非波形ガスケット溝の間に第2のガスケット要素をシールするステップ、
を含む、プレート式熱交換器の製造方法による第3の態様において実現される。
【0049】
第3の態様による方法は、好ましくは、第2の態様による熱交換プレートと一緒に使用されて、第1の態様による熱交換器を製造する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図3】水平方向の隆起と谷とがどのように互いに落ちるかを示す図である。
【
図6】従来技術の熱交換プレートのブラインチャネルの近接写真である。
【
図7】従来技術の2つの対向する熱交換プレートの近接写真である。
【
図8】本発明の熱交換プレートのブラインチャネルの近接写真である。
【
図9】本発明のプレートの代替ブラインチャネルの近接写真である。
【
図10】本発明の2つの対向する熱交換プレートの近接写真である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、本発明のプレート式熱交換器10の側面図を示している。以下の説明では、海水の淡水化に関する用途が説明されている。つまり、供給物は海水である。ただし、本発明は、供給物が海水であることに限定されず、他の任意の処理、例えば、液体の蒸留にも言及し得ることに留意されたい。プレート式熱交換器は、多数の圧縮成形された熱交換プレート12を含み、これらは、互いに平行に、そしてそれらがプレートパッケージ14を形成するように連続して提供される。プレートパッケージ14は、フレームプレート16と圧力プレート18との間に設けられる。
【0052】
熱交換プレート12の間に、第1のプレート隙間20および第2のプレート隙間22が形成される。第1のプレート隙間20および第2のプレート隙間22は、実質的にそれぞれの第1のプレート隙間20が2つの第2のプレート隙間22に囲まれ、実質的にそれぞれの第2のプレート隙間22が2つの第1のプレート隙間20に囲まれるように、プレートパッケージ14において交互の順序で設けられる。プレートパッケージ14内の異なるセクションが、それぞれのプレート隙間内のガスケット(図示せず)によって互いに区切られていることにより、第1のプレート隙間20は、第1のタイプのガスケット(図示せず)を含み、第2のプレート隙間22は、第2のタイプのガスケット(図示せず)を含む。プレートパッケージ14、すなわち熱交換プレート12とそれらの間に設けられるガスケット(図示せず)は、それ自体が知られている方法で概略的に示された締め付けボルト24によって一緒に保たれる。
【0053】
プレートパッケージ14は、冷却水入口導管26、冷却水出口導管28、および淡水出口導管30に接続されている。冷却水は通常、海水であり、したがって、冷却水によって吸収された熱を回収するために、冷却水出口導管28は、海水入口導管32に接続されている。プレートパッケージ12は、加熱流体入口導管34および加熱流体出口導管36にさらに接続されている。加熱流体は、供給物、すなわち、海水入口導管32を通ってプレートパッケージ14に入る海水を蒸発させるために使用される。加熱流体は、船のエンジンからのジャケット水などの加熱水であってもよい。凝縮された淡水は、淡水出口導管30を通ってプレートパッケージ14を出る。
【0054】
図2は、蒸発セクション40、凝縮セクション42、および分離セクション44を有する従来技術の熱交換プレート12の正面図を開示している。プレート12はまた、中心軸Cに沿って中央に配置されたポート46、48、50、52、54を規定している。ポート46、48は、冷却流体の出口ポートおよび入口ポートを構成し、ポート50は、淡水出口ポートを構成し、ポート52、54は、加熱流体の入口ポートおよび出口ポートを構成する。熱交換プレート12は波形を有し、分離セクションは、横方向に配向された隆起56および谷58を規定する。プレートはまた、ガスケットを収容するためのガスケット38を有するガスケット溝を規定する。
【0055】
図3は、水平に配向された隆起56および谷58が2つの隣接するプレート12、12´において互いにどのように落下するかを示している。また、分離セクションで隆起と谷のプレス深さがどのように増加するかが示されている。隆起56および谷58は、上部プレート12の最も低い部分が隣接するプレート12の最も高い部分よりも低くなるようにプレス深さを規定する。このようにして、蒸発セクションから凝縮セクションへの流路が増加し、それにより、蒸発した供給物からの液体の分離が改善される。ただし、隆起56が互いに接触する場所では、隆起56と谷58のプレス深さを低減する必要がある。
【0056】
図4は、本発明による熱交換プレート12の下部の正面図を示している。それぞれの熱交換プレート12は、第1の垂直端60、第1の垂直端60と実質的に平行な反対側の第2の垂直端60´、および垂直端60、60´の間で実質的に中央に垂直方向に延在する中心軸Cを有する。プレートパッケージが通常の使用位置にある場合、中心軸Cは実質的に垂直に延在する。
【0057】
熱交換プレートは、供給物、すなわち海水を蒸発させるための底部の蒸発セクション40と、蒸発した供給物を凝縮するための上部の凝縮セクション(図示せず)と、蒸発セクション40と凝縮セクションとの間に配置され、蒸発した供給物と蒸発していない供給物とを分離するための分離セクション44とを備えている。蒸発した供給物は、蒸発セクション40から分離セクション44を経由して凝縮セクション(図示せず)に流れることができる。分離セクション44の上部および凝縮セクションを含む熱交換プレート12の上部は、図から省略されており、破線の上に位置している。
【0058】
蒸発セクション40および凝縮セクション(図示せず)は、熱交換プレート12を通る熱伝達を増加させるために、対向するプレートと一緒に交差する波形パターンを形成する斜めの角度を有する谷および隆起を規定する波形である。第1のプレート隙間は、熱交換プレートの間に配置された第1のタイプのガスケットを有する2つのプレート12を向かい合わせに配置することによって形成される。プレート隙間を形成する2つのプレートは同一であるが、熱交換プレートの1つは中心軸Cを中心に180度回転している。このようにして、熱交換プレートの波形は、対向する隆起が十字型のパターンを形成し、蒸発セクション40および凝縮セクション42の接触点で互いに接触するように配置され得る。
【0059】
蒸発セクション40に隣接して中央に位置するのは、加熱流体入口ポート52であり、加熱流体出口ポート54が提供される。加熱流体入口ポート52は、加熱流体入口導管と連絡しており、加熱流体出口ポート54は、加熱流体出口導管と連絡している。
【0060】
分離セクション40からの蒸発していない供給物の液滴および蒸発セクション40からの蒸発していない供給物の液滴を、熱交換プレート12の下部に位置する出口64、64´に輸送するため、蒸発セクション40の反対側にブラインチャネル62、62´が設けられている。ブラインチャネル62、62´は、それぞれの端60、60´と蒸発セクション40との間に配置される。
【0061】
さらに、蒸発セクション40に海水を供給するための海水入口導管に接続された供給入口ポート66は、2つの出口ポート64の間の底部に隣接して中央に配置されている。分離セクション44から流れ落ちる非蒸発供給物を収集するための、出口64、64´は、プレート12の底部の供給入口ポート66の反対側にあるが分離されている。
【0062】
さらに、熱交換プレート12は、蒸発セクション40からのいくらかの蒸発した供給物が平行分離セクションを含む反対側のプレート隙間に通過することを可能にするために、蒸発セクション40と分離セクション44との間に位置する1つまたは複数の開口部68を規定する。
【0063】
図5は、本発明によるプレート熱交換器の熱交換プレート12´および第2のタイプのガスケットの背面図を示している。したがって、熱交換プレート12´は、中心軸46を中心に180度回転していることを除いて、熱交換プレート12と同じである。これは、蒸発セクションの反対側の加熱セクション40´を規定する。加熱流体入口ポート52および加熱流体出口ポート54は、加熱セクション40´と連絡している。加熱セクション40´は、それぞれ、他のポートに対して密閉されている。加熱セクション40´は、反対側の蒸発セクションを加熱するように配置されている。背面は第2のプレート隙間を形成する。
【0064】
熱交換プレート12´の裏側はまた、加熱セクション40´と冷却セクション42´との間に分離セクション44´を含む。分離セクション44´は、この図では部分的にしか表示されていない。蒸発した供給物は、第1のプレート隙間から蒸気開口部68を介して導入される。分離セクション44´は、反対側のものと同じように機能し、蒸発した供給物と蒸発していない供給物を分離する。蒸発した供給物は上部蒸気開口部(図示せず)を通って上向きに流れ、一方、蒸発していない供給物は、加熱セクション40´とそれぞれの垂直端60、60´との間に位置するそれぞれのブラインチャネル62、62´を介して出口64、64´に流れ落ちる。背面のブラインチャネル62、62´は、前面のブラインチャネルの真向かいにあり、上部が下部になり、その逆になることを除いて、前面にあるブラインチャネルと同じである。
【0065】
図6は、以下に流路として記載される従来技術によるブラインチャネル/流路62の近接写真正面図を示している。流路62は、熱交換プレートの端に配置された第1のガスケット要素74と、蒸発セクション40に隣接して配置された第2のガスケット要素74´との間に確立される。第1のガスケット74は、熱交換プレートの非波形ガスケット溝に収容されており、流路62の一部を形成する第1の内側波形領域70、72と、熱交換プレートの端に隣接する第1の外側波形領域76との間の所定の位置に保持される。同様に、第2のガスケット74´は、熱交換プレートの非波形ガスケット溝に収容されており、流路62の一部を形成する第2の内側波形領域70´、72´と、蒸発セクション40の一部を形成する第2の外側波形領域76´との間の所定の位置に保持される。
【0066】
第1および第2の内側の波形領域は、上部70、70´および下部72、72´のそれぞれの列で構成され、それらの間に側面を形成する。第1の内側波形領域の上部70は、第2の内側波形領域の上部70と水平に配置され、第1の内側波形領域の下部72は、第2の内側波形領域の下部72と水平に配置される。流路62は、第1の内側波形領域と第2の内側波形領域との間の非波形領域として形成され、それにより、隣接する上部70、70´の間の断面積が流れを制限する。
【0067】
図7は、従来技術によるブラインチャネル62の近接写真側面図を示している。明確に見ることができるように、有効な流路は、接触する上部70、70Aと接触する上部70´、70´Aとの間の非波形領域62の領域に限定される。ガスケット74、74´も表示される。
【0068】
図8は、本発明によるブラインチャネル/流路62の近接写真正面図を示している。従来技術と同様に、流路62は、熱交換プレートの端に配置された第1のガスケット要素74と、蒸発セクション40に隣接して配置された第2のガスケット要素74´との間に確立される。第1のガスケット74は、熱交換プレートの非波形ガスケット溝に収容されており、流路62の一部を形成する第1の内側波形領域70、72と、熱交換プレートの端に隣接する第1の外側波形領域76との間の所定の位置に保持される。同様に、第2のガスケット74´は、熱交換プレートの非波形ガスケット溝に収容されており、流路62の一部を形成する第2の内側波形領域70´、72´と、蒸発セクション40の一部を形成する第2の外側波形領域76´との間の所定の位置に保持される。同じく62と呼ばれる非波形領域もまた、第1の内側波形領域と第2の内側波形領域との間に設けられる。
【0069】
第1および第2の内側の波形領域は、上部70、70´および下部72、72´のそれぞれの列で構成され、それらの間に側面を形成する。第1の内側波形領域の上部70は、第2の内側波形領域の下部72´と水平に配置され、第1の内側波形領域の下部72は、第2の内側波形領域の上部7´と水平に配置される。このようにして、第1のガスケット要素と第2のガスケット要素との間の距離70、70´を大きくする必要なしに、従来技術と比較して、より大きな有効流れ面積が流路62で達成される。
【0070】
この場合、有効な流路は蛇行する形状を有し、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´の間に規定される。したがって、流れの限界断面積は、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´の間、隣接する上部の間の非波形領域70、70´それぞれの第1および第2の内側波形領域、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´を相互接続する側面、隣接する上部の間の非波形領域70、70´それぞれの第1および第2の内側波形領域、に延在する。
【0071】
図9は、本発明による代替流路62の近接写真側面図を示している。本実施形態は、第1の内側波形領域と第2の内側波形領域との間に非波形領域がないことを除いて、前の実施形態と同一である。したがって、流れの限界断面積は、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´と、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´を相互接続する側面との間に延在する。
【0072】
図10は、本発明によるブラインチャネル62の近接写真側面図を示している。本実施形態は、前の実施形態と同一である、すなわち、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´の間に非波形領域がない。したがって、それぞれの第1および第2の内側波形領域の隣接する上部70、70´を相互接続する側面の間に流路が確立される。見てわかるように、第1の列の上部は第2の列の下部と水平であり、その逆も同様である。
【符号の説明】
【0073】
10 プレート式熱交換器
12 熱交換プレート
14 プレートパッケージ
16 フレームプレート
18 圧力プレート
20 第1のプレート隙間
22 第2のプレート隙間
24 締め付けボルト
26 冷却水入口導管
28 冷却水出口導管
30 淡水出口導管
32 海水入口導管
34 加熱流体入口導管
36 加熱流体出口導管
40 蒸発セクション
42 凝縮セクション
44 分離セクション
46 冷却流体出口
48 冷却流体入口
50 淡水出口
52 加熱流体入口
54 加熱流体出口
56 隆起
58 谷
60 垂直端
62 ブラインチャネル
64 出口ポート
66 供給入口ポート
68 蒸気開口部
70 内側波形領域
72 内側波形領域
74 ガスケット
76 外側波形領域
C 中心軸
(´)は、異なる実施形態における同様の特徴を示す。
【国際調査報告】