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特表2022-547337自動針刺しシステム、鍼灸セット及び鍼灸方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】自動針刺しシステム、鍼灸セット及び鍼灸方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/08 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
A61H39/08 M
A61H39/08 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022522674
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021030639
(87)【国際公開番号】W WO2022081208
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】17/067,880
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/223,086
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522150182
【氏名又は名称】ウェルネス アライド インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Wellness Allied Inc
【住所又は居所原語表記】223 Worcester st, Natick, Massachusetts, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ウェイフイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン タオ
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101DA01
4C101DA19
4C101DB02
4C101DB11
4C101DB22
4C101DB24
4C101DC06
4C101EB02
(57)【要約】
自動鍼治療器は、ハウジングと、通電した後に動力を提供して、鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成されるモータ又は電磁石と、モータ又は電磁石の駆動により直線運動して、針管及び針管内の鍼灸針を含む鍼灸セットにおける鍼灸針を動かして人体に刺入するように構成される鍼灸針駆動ヘッドと、鍼灸セットを収容するように構成される鍼灸セット収容キャビティと、鍼灸中に鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティから滑り出ることがないように、鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを係止するように構成され、さらに、鍼灸が終了した後に鍼灸セット収容キャビティから鍼灸セットを取り出しやすいように、鍼灸セットを解放するように構成される係止構造と、を含む。鍼灸の前でも後でも鍼灸針が外部に露出しないようにする、組み合わせて用いられる鍼灸セットがさらに提供される。鍼灸過程は、自動的であり、複雑な人工操作を必要としない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
通電した後に動力を提供して、1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成される1つ以上のモータ又は電磁石と、
モータ又は電磁石の駆動により直線運動して、針管及び針管内の鍼灸針を含む鍼灸セットにおける鍼灸針を動かして人体に刺入するように構成される鍼灸針駆動ヘッドであって、前記鍼灸セットは、鍼灸中、鍼灸の前及び後に常に鍼灸針を保持し、鍼灸針が常に針管の外部の空気に露出しないように構成される1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドと、
鍼灸セットを着脱可能に収容するように構成される1つ以上の鍼灸セット収容キャビティと、を含む、自動鍼治療器。
【請求項2】
鍼灸中に鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティから滑り出ることがないように、鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを係止するように構成され、さらに、鍼灸が終了した後に鍼灸セット収容キャビティから鍼灸セットを取り出しやすいように、鍼灸セットを解放するように構成される1つ以上の係止構造をさらに含む、請求項1に自動鍼治療器。
【請求項3】
鍼治療器の起動、針刺し、針抜き、及びユーザインタフェースの表示を制御するように構成される制御回路をさらに含む、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項4】
前記モータは、通電した後にモータ軸が回転するように構成される回転モータであり、システムは、動力を回転運動から直線運動に変換する伝動システムをさらに含む、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項5】
伝動システムは、
モータ軸に接続されるリードスクリューと、
ガイドレール又はガイドロッドと、
リードスクリューに嵌着されるナットスライドロッドであって、リードスクリューの回転に伴ってガイドレール又はガイドロッドに沿ってスライドでき、さらにナットスライドロッドに固定される鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成されるナットスライドロッドと、を含む、請求項4に記載の自動鍼治療器。
【請求項6】
前記モータは、鍼灸針駆動ヘッドに接続されるモータ軸が直線運動でき、通電した後に、モータ軸の直線運動により鍼灸針駆動ヘッドを駆動するように構成されるリニアモータである、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項7】
前記モータ軸は、直線運動するとともに回転でき、
モータ軸に接続される鍼灸針駆動ヘッドは、凹凸面により鍼灸針の尾部の接触面と噛み合わされ、モータ軸は、鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動して回転し、さらに鍼灸針を動かして直線運動して回転し、針を上下に動かし、左右に回すという効果を達成する、請求項6に記載の自動鍼治療器。
【請求項8】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸セットの針管の最上部が開口し、鍼灸を施術する場合、棒状の鍼灸針駆動ヘッドは、針の方向に沿って針管の最上部の開孔から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を針管から押し出す、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項9】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの針管は、最上部に開口があり、側面に開口と繋がっているスリットがあり、鍼灸を施術する場合、鍼灸針駆動ヘッドは、最上部の開口及び側面のスリットから針管に入り、鍼灸針の最上部に接触して、針管の側面のスリットに沿って鍼灸針を針管から押し出す、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項10】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの側面に、幅が鍼灸針駆動ヘッドの幅より大きいスリットがあることにより、鍼灸針駆動ヘッドが側面から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を動かすことができる、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項11】
鍼灸セットイジェクトバネをさらに含み、
鍼灸セットイジェクトバネは、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティに押し込まれる場合、当該鍼灸セットイジェクトバネが圧縮されるとともに係止構造が鍼灸セットをロックし、係止構造が鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを解放する場合、鍼灸セットイジェクトバネが伸びて鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティから弾き出すように構成される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項12】
前記係止構造は、係止ブロックを含み、前記鍼灸セットにおける針管は、係止溝構造を有し、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込んだ後、係止ブロックが係止溝に深く入り、鍼灸セットを係止する、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項13】
前記係止構造は、鍼灸セットにおける磁性を有する磁気ブロックであり、磁力により、針管が磁気吸引材料を有する鍼灸セットを吸着することができる、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項14】
前記係止構造は、スライドボタン、バネ片、バネ片の鍼治療器のハウジングにおける固定点、バネ片における係止ブロック、鍼灸セットイジェクトバネ、針管における係止溝を含み、
係止構造の動作方式は、鍼灸の前に、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込み、バネ片における係止ブロックが針管における係止溝に押し込まれて鍼灸セットが係止されるとともに、鍼灸セットのイジェクトバネが圧縮され、鍼灸が終了した後に、スライドボタンを押すと、バネ片が圧縮され、係止ブロックが係止溝から引き出されて、鍼灸セットが圧縮された鍼灸セットイジェクトバネによって鍼灸セット収容キャビティから弾き出されることである、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項15】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、押し板、押しロッド、押しロッドの押し板における固定柱、通常の状態で針入口に入る係止ブロック、係止ブロックスライドロッド、押しロッドの係止ブロックにおける固定リング、及び押し板バネを含み、
鍼灸セットに針管係止溝が配置され、鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって収容キャビティから押し離されるとともに、押し板バネが押しロッドの連動作用で圧縮され、針管係止溝が係止ブロックに面すると、係止ブロックがバネの作用で再び鍼灸セット収容キャビティの針入口に跳ね返されて、針管が係止され、鍼灸セットを取り出す場合、ユーザが押し板を押すと、係止ブロックが鍼灸セットの係止溝から押し離され、鍼灸セットイジェクトバネの作用で、鍼灸セットが弾き出される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項16】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、回転可能な係止ビーム、係止ビームにおける係止ブロック、係止ビームの固定柱、係止ビームを引っ張るバネ、バネを固定する固定柱及び係止ブロックを解放するボタンを含み、
鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって押し離されるとともに、バネが引っ張られ、針管係止溝が係止ブロックに面すると、係止ブロックがバネの作用で鍼灸セット収容キャビティの針入口に再び引き戻され、鍼灸セットが係止され、鍼灸セットを解放する場合、ユーザがボタンを押すと、係止ビームを回転することにより、係止ヘッドを針管係止溝から解放する、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項17】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、係止ブロックと、係止ブロックに接続され、ユーザが押すことができるスライドボタンと、スライドボタンのスライド範囲を限定する制限ストッパと、ハウジングとスライドボタンとの間に固定されるバネと、を含み、
係止構造の動作原理は、
係止ブロックが静止状態で鍼灸セット収容キャビティ内に位置し、
鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティ内に押し込むと、係止ブロックが鍼灸セットによって押し離され、
同時に、係止ブロックが針管における溝口と位置合わせされるまで、バネが圧縮され、
係止ヘッドが圧縮されたバネによって針管係止溝に圧入されて、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティ内にロックされ、
鍼灸セットを解放する場合、ユーザが鍼灸セット収容キャビティから離れる方向に沿ってスライドボタンを押すと、係止ヘッドが針管係止溝の溝口から離れるように移動することである、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項18】
前記係止構造は、セルフロックスライダ、セルフロックプルロッド、セルフロックプルロッドフック、セルフロックスライダ復帰バネ、復帰バネ固定柱、セルフロック係止ブロック、セルフロック係止ブロックの固定ブロック、固定軸を含み、
セルフロックスライダは、上昇スライド溝、フック溝、降下スライド溝、フック離島部、スライドガイド半島部を含み、
鍼灸セットが一回目に押される場合、セルフロックスライダが押されるとともに、セルフロック係止ブロックを動かし、セルフロックプルロッドの先端のセルフロックプルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれ、プルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれるとともに、上昇スライド溝が徐々に浅くなり、セルフロックプルロッドが持ち上げられ、プルロッドフックが先端に到達するとき、上昇スライド溝が急に深くなることにより、プルロッドフックが離島部の溝に入り込んで留まり、この場合にセルフロック係止ブロックもちょうどこの位置で針管のセルフロック係止溝に押されて、針管がロックされ、
鍼灸セットを押す力を緩めると、鍼灸セットは、鍼灸セット収容キャビティ内に留まり、鍼灸を行うことができ、
鍼灸が終了した後、鍼灸セットを再び押すと、セルフロックスライダのフックがスライドガイド半島部により降下スライド溝にガイドされ、この場合に鍼灸セットを押す力を緩めると、セルフロックスライダ復帰バネがセルフロックスライダを鍼治療器の底部に向かってスライドするように引っ張り、鍼灸セットが同時にセルフロックスライダにより収容キャビティから押し出される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項19】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、フォーク/クリップの形状を有し、鍼灸針の針柄を挟んで鍼灸針を動かす、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項20】
前記ハウジングは、相対的にスライド可能な第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを含み、
第2ハウジング部分は、鍼灸セット収容キャビティを収容し、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が相対的に引き離される場合、鍼灸セットを入れることを可能にし、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が閉じる場合、鍼灸針をクリップで動かして針出口から出して鍼灸を行うことを可能にする、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項21】
モータ又は電磁石に使用される二次電池をさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の自動鍼治療器。
【請求項22】
前記自動鍼治療器は、円柱体形状を呈し、円柱体の直径が30ミリメートルより小さく、高さが25ミリメートルより小さい、請求項1~20のいずれか1項に記載の自動鍼治療器。
【請求項23】
前記鍼灸セットは、円柱体の底面、側面又は最上部から鍼灸セット収容キャビティに完全に入れられた後、円柱体から突出する部分がない、請求項22に記載の自動鍼治療器。
【請求項24】
自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットであって、
鍼灸セットは、自動鍼治療器の最上部、底部又は側面から自動鍼治療器に押し込まれた後、自動鍼治療器の内部に完全に収容され、自動鍼治療器から突出する部分がなく、
前記鍼灸セットは
針管と、
針管内に収容され、針先、針棒、及び直径が針棒の直径より大きく、自動鍼治療器の鍼灸針駆動ヘッドにより駆動力が印加される針柄を含む鍼灸針と、
針管の最上部にある開孔及び/又は側面にあるスリットであって、この開孔及び/又はスリットにより、鍼灸針に作用力を印加することができる開孔及び/又はスリットと、
針管の底部にある針出孔であって、この針出孔により、鍼灸針の針先及び針棒が針管内から伸び出して人体に刺さる針出孔と、
復帰バネであって、鍼灸針の針棒の外面に嵌着され、一端が針管の底部に当接し、他端が針柄に当接し、鍼灸針で鍼灸を行わない場合、鍼灸針の針先が針出孔から露出して人体を誤って傷つけることを防止するように、鍼灸針全体を針管の内部に押圧することができ、鍼灸を行う場合、鍼灸針駆動ヘッドが針を動かして人体に刺入するとともに、復帰バネが圧縮され、使用後に鍼灸針駆動ヘッドが作用力を印加しない場合、復帰バネが伸びて、鍼灸針を針管に跳ね返すように構成される復帰バネと、を含む、鍼灸セット。
【請求項25】
鍼灸針の針柄の頂部は、凹凸面であり、鍼灸針駆動ヘッドの凹凸ブロックと噛み合わされ、鍼灸針駆動ヘッドが回転し、上下に移動する場合、鍼灸針を回転して上下に動かし、針を左右に回し、上下に動かすことを可能にする、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項26】
針管の最上部の開孔の直径は、鍼灸針の針柄の直径より小さいことにより、鍼灸針が針管の最上部から出ることを防止し、針管の底部の針出口の直径は、復帰バネの直径より小さいことにより、復帰バネが底部から出ることを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項27】
針管に、直径が針管の直径より大きいベースがあり、及び/又は、針管の側面に、突出ブロック/溝があり、鍼灸セット収容キャビティの形状に合わせることにより、鍼灸セットの収容方向を限定する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項28】
針管に、係止され得る突出ブロック/溝の設計があり、鍼灸セットが自動鍼治療器に収容された後、係止構造の係止ブロックは、針管における突出ブロック/溝を係止して、針管が自動鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティから滑り出すことを防止することができる、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項29】
前記鍼灸セット収容キャビティの入口の直径が収容キャビティの内部直径よりも大きく、及び/又は、鍼灸セット収容キャビティの側壁に突出ブロック/溝があることにより、鍼灸セットの針管の設計に合わせて鍼灸セットの収容方向を制御する、請求項1に記載の鍼灸セット。
【請求項30】
針管のベースの針出口部位は、針管の内部に向かって中空柱状に突出し、その外径が復帰バネの直径より小さく、復帰バネの針出口に近接する部分は、この突出した柱状体に嵌着され、針管の針出口の直径は、針を通過させるのに十分であるように鍼灸針の直径より大きいが、突出した柱状体の外径より小さいことにより、鍼灸針が皮膚に刺さる場合に横方向に曲げて、刺さることに不利であることを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項31】
針管に磁気吸引材料があり、鍼灸セット収容キャビティ内の磁性材料と吸引ことにより、針管セットを鍼灸セット収容キャビティにロックして鍼灸中に自動的に滑り出すことを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項32】
自動鍼治療器で鍼灸を行う方法であって、
鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに収容して固定するステップと、
自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定するステップと、
電源スイッチを自動又は手動で起動するステップと、
記憶された指令に応じてモータ又は電磁石を起動し、鍼灸針駆動ヘッドを押し、鍼灸針に力を印加して針を人体に刺入するか、及び/又は、針を上下に動かし、左右に回すという鍼灸操作を行うステップと、
鍼灸針を人体内に所定の時間留置するステップと、
所定の時間になると、モータ又は電磁石を制御して、鍼灸針駆動ヘッドに力を印加することにより、鍼灸針駆動ヘッドの鍼灸針への作用力を取り消して、鍼灸針の復帰バネで針を皮膚から弾き出し、或いは、反対方向に針を抜く力を鍼灸針に印加するか、又は弾力をトリガーして鍼灸針を人体から弾き出すように力を印加するステップと、
鍼灸が終了した後、身体から自動鍼治療器を取り外すステップと、を含む、鍼灸方法。
【請求項33】
自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定することは、自動鍼治療器を両面テープで人体の皮膚表面に貼り付けるか、又は、ベルトでユーザに装着することにより実現される、請求項32に記載の鍼灸方法。
【請求項34】
自動鍼治療器で鍼灸を行う方法であって、
針を人体の皮膚に刺入する場合、蚊がその吸血口器を人体の皮膚に刺入する方式を模倣して、針を振動モードで人体の皮膚に刺入し、振動周波数は、0.2~30ヘルツであり、前記針を振動方式で刺入するモードは、初期段階、中間段階及び終了段階という3つの段階を含む、方法。
【請求項35】
前記振動周波数は、0.2~30ヘルツである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記針を振動方式で刺入するモードは、初期段階、中間段階及び終了段階という3つの段階を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記初期段階の振動周波数は、中間段階の振動周波数よりも大きく、中間段階の振動周波数は、終了段階の振動周波数よりも大きい、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記初期段階の振動周波数は、10~15ヘルツであり、中間段階の振動周波数は、6~8ヘルツであり、終了段階の振動周波数は、3~5ヘルツである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記振動の幅は、0.1ミリメートル~2ミリメートルである、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に医療分野の自動針刺し装置、自動針刺し方法及び組み合わせて用いられる鍼灸セットに関する。
【背景技術】
【0002】
鍼灸は、中国で既に2000年以上の歴史がある。中国医学では、人体の基本的な機能を維持するように、気血が人体に継続的に流れていると考え、鍼灸の理論は、主にこれに基づいて確立される。鍼灸を行う場合、鍼灸師は、針(一般的には毫鍼を用いる)を一定の角度に応じて患者の体内に刺入し、左右に回し、上下に動かすなどの手法で人体の特定の部位を刺激することにより、疾患を治療するという目的を達成する。
【0003】
患者は、一般的に昼間に病院又は診療所で鍼灸を行う。しかしながら、中国医学の経絡理論によれば、各経絡は、いずれもそれぞれの活発時間及び発症時間を有する。このように、最適な治療時間は、夜又は早朝である可能性がある。また、不眠、頭痛などのような様々な病気の発症時間は、昼間に限定されない。したがって、市場にはユーザが自分で操作できる鍼治療器は緊急に必要とされる。
【0004】
過去のいくつかの発明特許は、この問題を解決しようとしている。
【0005】
特許CN108392412A、CN204521567U、CN204910065U、CN109125062Aにおいては、いずれもロボットアームを有する鍼灸ロボットシステムが設計され、自動鍼灸機能を実現することができるが、その設計が複雑であり、システムが非常に大きく、価格が高く、携帯式ではなく、家庭用に適しない。
【0006】
特許CN108743367A、KR960010243Y1、KR200384866Y1、KR20180024777A、TW201012459A、CN108309788B、CN103126883A、WO2006/095944A1、CN203208351U、CN203802802U、CN201692306Uにおいては、ペン状、銃状のような他の種類の鍼治療器が設計され、これらの鍼灸装置は、いずれも手動鍼灸針発射器であり、すなわち手動で装置を握って、スイッチを押す必要があり、弾き装置により針を針筒から弾き出す。このような鍼治療器は、患者が自分で使用できる家庭用自動鍼治療器として製造することに適せず、また、その鍼灸針は、針管外の空気に露出し、自分又は他人に刺傷をもたらす可能性がある。
【0007】
特許CN202179694U、CN206508245Uにおいては、神経内科臨床用の鍼灸針が設計され、その鍼灸針にバネが取り付けられ、使用前に、バネが圧縮状態にあり、使用の場合に、圧縮されたバネを固定するための押し板を引き出すことにより、圧縮されたバネが伸びて、鍼灸針を皮膚に刺入して鍼灸の目的を達成する。この鍼灸針を手動で刺入する必要があり、針を留置し、上下に動かすか又は左右に回すために、容易に身体に固定することができず、患者自身が自宅で使用しにくい。
【0008】
特許CN2086142Uにおいては、別の自動鍼灸注射器が設計され、イジェクトバネ、針挟みバネ及び復帰バネを用いて針を人体に刺入するか又は針を抜き、使用者がボタンを押して針を迅速に刺入する必要がある。このような鍼灸針は、着用可能な鍼灸針として製造することができない。同時に、鍼灸針も汚染されやすい。
【0009】
特許CN111150648Aにおいて設計された自動針出し鍼灸装置は、負圧によりピストンを駆動して鋼針を動かして人体に刺入するものであり、該設計により機器を繰り返して押圧する必要があり、密閉空間内の気体を抽出してこそ針を人体に刺入することができ、使用が面倒であり、自動鍼治療器ではない。
【0010】
特許CN107496164Aにおいては、自動鍼治療器が設計され、一般的なむき出しの針を用い、針を手動で入れ、針を人体に刺入する深さなどのパラメータを設定する必要があり、次にこの特許の主な発明である針刺しリレー及び針回しリレーを用いて針回し及び針刺しの操作を完了し、この自動鍼治療器は、設計及び使用が複雑であり、鍼灸針が鍼治療器の各部品と直接接触しやすく、鍼灸針の清潔な操作を保証することができない。
【0011】
特許CN110123629Aにおいては、骨継目に対して鍼灸を行う自動鍼灸装置及び方法が設計され、主に仕様が異なる鍼灸針を収容し、回転することにより適切な針を選択して鍼灸を行う毫鍼収容シリンダを含み、鍼灸過程は、針棒を手動で押圧することであり、自動鍼灸ではなく、使用過程において鍼灸針も鍼治療器と直接接触することがあり、針の清潔を保証することができない。
【0012】
特許CN105963132A及びCN206239727Uにおいては、位置決め装置、動力装置、鍼灸装置、ドローンなどを含む自動鍼灸装置が設計され、その動力装置は、鍼灸針に接続されて針刺し及び針抜きを行い、その鍼灸針は、自動鍼灸装置に固定され、消毒により繰り返して使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様に係る自動鍼治療器は、ハウジングと、通電した後に動力を提供して、1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成される1つ以上のモータ又は電磁石と、モータ又は電磁石の駆動により直線運動して、針管及び針管内の鍼灸針を含む鍼灸セットにおける鍼灸針を動かして人体に刺入するように構成される鍼灸針駆動ヘッドであって、前記鍼灸セットは、鍼灸中、鍼灸の前及び後に常に鍼灸針を保持し、鍼灸針が常に針管の外部の空気に露出しないように構成される1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドと、鍼灸セットを着脱可能に収容するように構成される1つ以上の鍼灸セット収容キャビティと、を含む。
【0015】
好ましくは、自動鍼治療器は、鍼灸中に鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティから滑り出ることがないように、鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを係止するように構成され、さらに、鍼灸が終了した後に鍼灸セット収容キャビティから鍼灸セットを取り出しやすいように、鍼灸セットを解放するように構成される1つ以上の係止構造をさらに含む。
【0016】
好ましくは、自動鍼治療器は、鍼治療器の起動、針刺し、針抜き、及びユーザインタフェースの表示を制御するように構成される制御回路をさらに含む。
【0017】
好ましくは、前記モータは、通電した後にモータ軸が回転するように構成される回転モータであり、システムは、動力を回転運動から直線運動に変換する伝動システムをさらに含む。
【0018】
好ましくは、伝動システムは、モータ軸に接続されるリードスクリューと、ガイドレール又はガイドロッドと、リードスクリューに嵌着されるナットスライドロッドであって、リードスクリューの回転に伴ってガイドレール又はガイドロッドに沿ってスライドでき、さらにナットスライドロッドに固定される鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成されるナットスライドロッドと、を含む。
【0019】
好ましくは、前記モータは、鍼灸針駆動ヘッドに接続されるモータ軸が直線運動でき、通電した後に、モータ軸の直線運動により鍼灸針駆動ヘッドを駆動するように構成されるリニアモータである。
【0020】
好ましくは、前記モータ軸は、直線運動するとともに回転でき、モータ軸に接続される鍼灸針駆動ヘッドは、凹凸面により鍼灸針の尾部の接触面と噛み合わされ、モータ軸は、鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動して回転し、さらに鍼灸針を動かして直線運動して回転し、針を上下に動かし、左右に回すという効果を達成する。
【0021】
好ましくは、前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸セットの針管の最上部が開口し、鍼灸を施術する場合、棒状の鍼灸針駆動ヘッドは、針の方向に沿って針管の最上部の開孔から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を針管から押し出す。
【0022】
好ましくは、前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの針管は、最上部に開口があり、側面に開口と繋がっているスリットがあり、鍼灸を施術する場合、鍼灸針駆動ヘッドは、最上部の開口及び側面のスリットから針管に入り、鍼灸針の最上部に接触して、針管の側面のスリットに沿って鍼灸針を針管から押し出す。
【0023】
好ましくは、前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの側面に、幅が鍼灸針駆動ヘッドの幅より大きいスリットがあることにより、鍼灸針駆動ヘッドが側面から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を動かすことができる。
【0024】
好ましくは、自動鍼治療器は、鍼灸セットイジェクトバネをさらに含み、鍼灸セットイジェクトバネは、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティに押し込まれる場合、当該鍼灸セットイジェクトバネが圧縮されるとともに係止構造が鍼灸セットをロックし、係止構造が鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを解放する場合、鍼灸セットイジェクトバネが伸びて鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティから弾き出すように構成される。
【0025】
好ましくは、前記係止構造は、係止ブロックを含み、前記鍼灸セットにおける針管は、係止溝構造を有し、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込んだ後、係止ブロックが係止溝に深く入り、鍼灸セットを係止する。
【0026】
好ましくは、前記鍼灸セット係止構造は、鍼灸セットにおける磁性を有する磁気ブロックであり、磁力により、針管が磁気吸引材料を有する鍼灸セットを吸着することができる。
【0027】
好ましくは、前記鍼灸セット係止構造は、スライドボタン、バネ片、バネ片の鍼治療器のハウジングにおける固定点、バネ片における係止ブロック、鍼灸セットイジェクトバネ、針管における係止溝を含み、係止構造の動作方式は、鍼灸の前に、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込み、バネ片における係止ブロックが針管における係止溝に押し込まれて鍼灸セットが係止されるとともに、鍼灸セットのイジェクトバネが圧縮され、鍼灸が終了した後に、スライドボタンを押すと、バネ片が圧縮され、係止ブロックが係止溝から引き出されて、鍼灸セットが圧縮された鍼灸セットイジェクトバネによって鍼灸セット収容キャビティから弾き出されることである。
【0028】
好ましくは、前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、係止構造は、押し板、押しロッド、押しロッドの押し板における固定柱、通常の状態で針入口に入る係止ブロック、係止ブロックスライドロッド、押しロッドの係止ブロックにおける固定リング、及び押し板バネを含み、鍼灸セットに針管係止溝が配置され、鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって収容キャビティから押し離されるとともに、押し板バネが押しロッドの連動作用で圧縮され、針管係止溝が係止ブロックに面する場合、係止ブロックがバネの作用で再び鍼灸セット収容キャビティの針入口に跳ね返されて、針管が係止され、鍼灸セットを取り出す場合、ユーザが押し板を押すと、係止ブロックが鍼灸セットの係止溝から押し離され、鍼灸セットイジェクトバネの作用で、鍼灸セットが弾き出される。
【0029】
好ましくは、前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、係止構造は、回転可能な係止ビーム、係止ビームにおける係止ブロック、係止ビームの固定柱、係止ビームを引っ張るバネ、バネを固定する固定柱及び係止ブロックを解放するボタンを含み、鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって押し離されるとともに、バネが引っ張られ、針管係止溝が係止ブロックに面する場合、係止ブロックがバネの作用で鍼灸セット収容キャビティの針入口に再び引き戻され、鍼灸セットが係止され、鍼灸セットを解放する場合、ユーザはボタンを押し、係止ビームを回転することにより、係止ヘッドを針管係止溝から解放する。
【0030】
好ましくは、前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、係止構造は、係止ブロックと、係止ブロックに接続され、ユーザが押すことができるスライドボタンと、スライドボタンのスライド範囲を限定する制限ストッパと、ハウジングとスライドボタンとの間に固定されるバネと、を含み、係止構造の動作原理は、係止ブロックが静止状態で鍼灸セット収容キャビティ内に位置し、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティ内に押し込むと、係止ブロックが鍼灸セットによって押し離され、同時に、係止ブロックが針管における溝口と位置合わせされるまで、バネが圧縮され、係止ヘッドが圧縮されたバネによって針管係止溝に圧入されて、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティ内にロックされ、鍼灸セットを解放する場合、ユーザが鍼灸セット収容キャビティから離れる方向に沿ってスライドボタンを押すと、係止ヘッドが針管係止溝の溝口から離れるように移動することである。
【0031】
好ましくは、前記係止構造は、セルフロックスライダ、セルフロックプルロッド、セルフロックプルロッドフック、セルフロックスライダ復帰バネ、復帰バネ固定柱、セルフロック係止ブロック、セルフロック係止ブロックの固定ブロック、固定軸を含み、セルフロックスライダは、上昇スライド溝、フック溝、降下スライド溝、フック離島部、スライドガイド半島部を含み、鍼灸セットが一回目に押される場合、セルフロックスライダが押されるとともに、セルフロック係止ブロックを動かし、セルフロックプルロッドの先端のセルフロックプルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれ、プルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれるとともに、上昇スライド溝が徐々に浅くなり、セルフロックプルロッドが持ち上げられ、プルロッドフックが先端に到達するとき、上昇スライド溝が急に深くなることにより、プルロッドフックが離島部の溝に入り込んで留まり、この場合にセルフロック係止ブロックもちょうどこの位置で針管のセルフロック係止溝に押されて、針管がロックされ、鍼灸セットを押す力を緩めると、鍼灸セットは、鍼灸セット収容キャビティ内に留まり、鍼灸を行うことができ、鍼灸が終了した後、鍼灸セットを再び押すと、セルフロックスライダのフックがスライドガイド半島部により降下スライド溝にガイドされ、この場合に鍼灸セットを押す力を緩めると、セルフロックスライダ復帰バネがセルフロックスライダを鍼治療器の底部に向かってスライドするように引っ張り、鍼灸セットは同時にセルフロックスライダにより収容キャビティから押し出される。
【0032】
好ましくは、前記鍼灸針駆動ヘッドは、フォーク/クリップの形状を有し、鍼灸針の針柄を挟んで鍼灸針を動かす。
【0033】
好ましくは、前記ハウジングは、相対的にスライド可能な第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを含み、第2ハウジング部分は、鍼灸セット収容キャビティを収容し、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が相対的に離れる場合、鍼灸セットを入れることを可能にし、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が閉じる場合、鍼灸針をクリップで動かして針出口から出して鍼灸を行うことを可能にする。
【0034】
好ましくは、自動鍼治療器は、モータ又は電磁石に使用される二次電池をさらに含む。
【0035】
好ましくは、前記自動鍼治療器は、円柱体形状を呈し、円柱体の直径が30ミリメートルより小さく、高さが25ミリメートルより小さい。
【0036】
好ましくは、前記鍼灸セットは、円柱体の底面、側面又は最上部から鍼灸セット収容キャビティに完全に入れられた後、円柱体から突出する部分がない。
【0037】
本発明の別の態様に係る、自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットにおいて、鍼灸セットは、自動鍼治療器の最上部、底部又は側面から自動鍼治療器に押し込まれた後、自動鍼治療器の内部に完全に収容され、自動鍼治療器から突出する部分がなく、前記鍼灸セットは針管と、針管内に収容され、針先、針棒、及び直径が針棒の直径より大きく、自動鍼治療器の鍼灸針駆動ヘッドにより駆動力が印加される針柄を含む鍼灸針と、針管の最上部にある開孔及び/又は側面にあるスリットであって、この開孔及び/又はスリットにより、鍼灸針に作用力を印加することができる開孔及び/又はスリットと、針管の底部にある針出孔であって、この針出孔により、鍼灸針の針先及び針棒が針管内から伸び出して人体に刺さる針出孔と、復帰バネであって、鍼灸針の針棒の外面に嵌着され、一端が針管の底部に当接し、他端が針柄に当接し、鍼灸針で鍼灸を行わない場合、鍼灸針の針先が針出孔から露出して人体を誤って傷つけることを防止するように、鍼灸針全体を針管の内部に押圧することができ、鍼灸を行う場合、鍼灸針駆動ヘッドが針を動かして人体に刺入するとともに、復帰バネが圧縮され、使用後に鍼灸針駆動ヘッドが作用力を印加しない場合、復帰バネが伸びて、鍼灸針を針管に跳ね返すように構成される復帰バネと、を含む。
【0038】
好ましくは、鍼灸針の針柄の頂部は、凹凸面であり、鍼灸針駆動ヘッドの凹凸ブロックと噛み合わされ、鍼灸針駆動ヘッドが回転し、上下に移動する場合、鍼灸針を回転して上下に動かし、針を左右に回し、上下に動かすことを可能にする。
【0039】
好ましくは、針管の最上部の開孔の直径は、鍼灸針の針柄の直径より小さいことにより、鍼灸針が針管の最上部から出ることを防止し、針管の底部の針出口の直径は、復帰バネの直径より小さいことにより、復帰バネが底部から出ることを防止する。
【0040】
好ましくは、針管に、直径が針管の直径より大きいベースがあり、及び/又は、針管の側面に、突出ブロック/溝があり、鍼灸セット収容キャビティの形状に合わせることにより、鍼灸セットの収容方向を限定する。
【0041】
好ましくは、針管に、係止され得る突出ブロック/溝の設計があり、鍼灸セットが自動鍼治療器に収容された後、係止構造の係止ブロックは、針管における突出ブロック/溝を係止して、針管が自動鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティから滑り出すことを防止することができる。
【0042】
好ましくは、前記鍼灸セット収容キャビティの入口の直径が収容キャビティの内部直径よりも大きく、及び/又は、鍼灸セット収容キャビティの側壁に突出ブロック/溝があることにより、鍼灸セットの針管の設計に合わせて鍼灸セットの収容方向を制御する。
【0043】
好ましくは、針管のベースの針出口部位は、針管の内部に向かって中空柱状に突出し、その外径が復帰バネの直径より小さく、復帰バネの針出口に近接する部分は、この突出した柱状体に嵌着され、針管の針出口の直径は、針を通過させるのに十分であるように鍼灸針の直径より大きいが、突出した柱状体の外径より小さいことにより、鍼灸針が皮膚に刺さる場合に横方向に曲げて、刺さることに不利であることを防止する。
【0044】
好ましくは、針管に磁気吸引材料があり、鍼灸セット収容キャビティ内の磁性材料と吸引ことにより、針管セットを鍼灸セット収容キャビティにロックして鍼灸中に自動的にスライドすることを防止する。
【0045】
本発明のさらに別の態様に係る自動鍼治療器で鍼灸を行う方法において、使用前に、自動鍼治療器の電池残量は、一回の鍼灸を行うのに十分である電力量であり、使用の場合に、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに収容して固定するステップと、自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定するステップと、電源スイッチを自動又は手動で起動するステップと、記憶された指令に応じてモータ又は電磁石を起動し、鍼灸針駆動ヘッドを押し、鍼灸針に力を印加して針を人体に刺入するか、及び/又は、針を上下に動かし、左右に回すという鍼灸操作を行うステップと、鍼灸針を人体内に所定の時間留置するステップと、所定の時間になると、モータ又は電磁石を制御して、鍼灸針駆動ヘッドに力を印加することにより、鍼灸針駆動ヘッドの鍼灸針への作用力を取り消して、鍼灸針の復帰バネで針を皮膚から弾き出し、或いは、反対方向に針を抜く力を鍼灸針に印加するか、又は弾力をトリガーして鍼灸針を人体から弾き出すように力を印加するステップと、鍼灸が終了した後、身体から自動鍼治療器を取り外すステップと、を含む。
【0046】
好ましくは、自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定することは、自動鍼治療器を両面テープで人体の皮膚表面に貼り付けるか、又は、ベルトでユーザに装着することにより実現される。
【0047】
本発明のまたさらに別の態様に係る自動鍼治療器で鍼灸を行う方法において、針を人体の皮膚に刺入する場合、蚊がその吸血口器を人体の皮膚に刺入する方式を模倣して、針を振動モードで人体の皮膚に刺入する。
【0048】
好ましくは、前記振動周波数は、0.2~30ヘルツである。
【0049】
好ましくは、前記鍼灸針を振動方式で刺入するモードは、初期段階、中間段階及び終了段階という3つの段階を含む。
【0050】
好ましくは、前記初期段階の振動周波数は、中間段階の振動周波数よりも大きく、中間段階の振動周波数は、終了段階の振動周波数よりも大きい。
【0051】
好ましくは、前記初期段階の振動周波数は、10~15ヘルツであり、中間段階の振動周波数は、6~8ヘルツであり、終了段階の振動周波数は、3~5ヘルツである。
【0052】
好ましくは、前記振動幅は、0.1ミリメートル~2ミリメートルである。
【発明の効果】
【0053】
本発明の実施例に係る自動鍼治療器、組み合わせて用いられる鍼灸セット、自動鍼灸方法は、下記利点のうちの1つ以上を有する。1)自動的であり、2)操作しやすく、3)自動鍼治療器及び鍼灸セットが体積が小さく、いずれも携帯しやすく、4)患者が随時必要に応じて自分で鍼灸を行うことができ、5)痛みがないか又は軽度の痛みがあり、6)独立した使い捨て鍼灸セットであり、自動鍼治療器に対して着脱可能であり、7)鍼灸中、鍼灸の前と後に常に鍼灸針を保持し、鍼灸針が常に針管の外部の空気に露出しないことにより、身体を不注意に刺すか又は環境を汚染することを回避し、8)針を左右に回し、上下に動かすことができる。
【0054】
鍼治療器の自動操作は、マイクロモータ又は電磁石により実現され、操作の場合に、鍼灸セットを鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティに挿入し、鍼治療器を両面テープ又はベルトにより身体の特定の部位に固定すれば、マイクロモータ又は電磁石は、特定の信号(タイミング又は身体信号)に基づいて鍼灸針を押して人体に刺入することができる。
【0055】
好ましくは、自動鍼治療器は、円柱体形状を呈し、円柱体の直径が30ミリメートルより小さく、高さが25ミリメートルより小さい。具体的な例において、円柱体の直径は28ミリメートルであり、高さは21ミリメートルである。このように設計すると、非常に軽く、非常に小さく、身に装着されて針を刺入しやすく、携帯しやすく、収納しやすい。
【0056】
具体的な実施例において、前記鍼灸セットは、円柱体の底面、最上面又は側面から鍼灸セット収容キャビティに完全に入れられた後、円柱体から突出する部分がない。
【0057】
一例において、1つのモータ又は電磁石、1つの鍼灸針駆動ヘッド、1つの鍼灸セット収容キャビティで1つの自動鍼治療器を構成し、1つの鍼灸針駆動ヘッドは、1つの鍼灸針を駆動する。他の例において、1つの鍼治療器に複数の鍼灸セットを収容してもよい。複数の鍼灸セットは、複数のモータにより複数の鍼灸針駆動ヘッドを動かして独立して駆動されてもよく、1つのモータ又は電磁石を共用して駆動されてもよい。
【0058】
なお、両面テープ又はベルトを用いて鍼治療器を身体の特定の部位に固定する場合、係止構造を配置しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】本発明の実施例に係る自動鍼治療器100の構成概略図を示す。
図2A図1における鍼灸セット収容キャビティの内部構造、鍼灸セットを係止するか又は解放する係止構造を示し、図2Aは、鍼灸セットが既に収容キャビティ内に入れられ、バネ片における係止ブロック197が針管係止溝240内に係止され、鍼灸針駆動ヘッドが既に鍼灸針を針管から押し出す概略図である。
図2B図1における鍼灸セット収容キャビティの内部構造、鍼灸セットを係止するか又は解放する係止構造を示し、図2Bは、鍼灸セットを収容キャビティに完全に収容する前、又は鍼灸セットが既に収容キャビティ内から解放される場合、バネ片における係止ブロック197が収容キャビティから押し出される概略図である。
図2C】本発明の実施例に係る別の鍼灸セット収容キャビティ、鍼灸セット及び係止構造の設計図を示す。図2C及び図2D図2A及び図2Bとは、針管係止溝240及び突出した柱状体258の設計の点で相違する。
図2D】本発明の実施例に係る別の鍼灸セット収容キャビティ、鍼灸セット及び係止構造の設計図を示す。図2C及び図2D図2A及び図2Bとは、針管係止溝240及び突出した柱状体258の設計の点で相違する。
図3A】本発明の実施例に係る自動鍼治療器の設計概略図を示す。
図3B】モータ軸が直線運動できるモータの現物図を示し、図3Bにおけるモータ軸が高い位置にあり、図3Cにおけるモータ軸が低い位置にある。
図3C】モータ軸が直線運動できるモータの現物図を示し、図3Bにおけるモータ軸が高い位置にあり、図3Cにおけるモータ軸が低い位置にある。
図4A】本発明の実施例に係る、図3における鍼灸セット収容キャビティ及び鍼灸セットの内部構造(図4A)、鍼灸セット(図4B)、モータ軸の底端に接続される鍼灸針駆動ヘッド(図4C)、鍼灸針及び復帰バネ(図4D)を示す。
図4B】本発明の実施例に係る、図3における鍼灸セット収容キャビティ及び鍼灸セットの内部構造(図4A)、鍼灸セット(図4B)、モータ軸の底端に接続される鍼灸針駆動ヘッド(図4C)、鍼灸針及び復帰バネ(図4D)を示す。
図4C】本発明の実施例に係る、図3における鍼灸セット収容キャビティ及び鍼灸セットの内部構造(図4A)、鍼灸セット(図4B)、モータ軸の底端に接続される鍼灸針駆動ヘッド(図4C)、鍼灸針及び復帰バネ(図4D)を示す。
図4D】本発明の実施例に係る、図3における鍼灸セット収容キャビティ及び鍼灸セットの内部構造(図4A)、鍼灸セット(図4B)、モータ軸の底端に接続される鍼灸針駆動ヘッド(図4C)、鍼灸針及び復帰バネ(図4D)を示す。
図5A】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の動作原理概略図を示す。図5A図5Cは、自動鍼治療器のシャーシ395の外部から内部への視角図であり、図5B図5Dは、自動鍼治療器のシャーシ395の内部から外部への視角図であり、図5A図5Bは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口に入る状況を示し、図5C図5Dは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口から押し出される状況を示す。
図5B】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の動作原理概略図を示す。図5A図5Cは、自動鍼治療器のシャーシ395の外部から内部への視角図であり、図5B図5Dは、自動鍼治療器のシャーシ395の内部から外部への視角図であり、図5A図5Bは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口に入る状況を示し、図5C図5Dは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口から押し出される状況を示す。
図5C】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の動作原理概略図を示す。図5A図5Cは、自動鍼治療器のシャーシ395の外部から内部への視角図であり、図5B図5Dは、自動鍼治療器のシャーシ395の内部から外部への視角図であり、図5A図5Bは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口に入る状況を示し、図5C図5Dは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口から押し出される状況を示す。
図5D】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の動作原理概略図を示す。図5A図5Cは、自動鍼治療器のシャーシ395の外部から内部への視角図であり、図5B図5Dは、自動鍼治療器のシャーシ395の内部から外部への視角図であり、図5A図5Bは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口に入る状況を示し、図5C図5Dは、係止ブロック380が鍼灸セット収容キャビティの針入口から押し出される状況を示す。
図5E】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の内部動作原理の別の概略図を示し、この設計において、係止ブロック380は、針入口の一側のみに用いられる。図5Eは、係止ブロックが鍼灸針収容キャビティの針入口に入る状況を示す。
図5F】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の内部動作原理の別の概略図を示し、この設計において、係止ブロック380は、針入口の一側のみに用いられる。図5Fは、係止ブロックが押し離される状況を示す。
図5G】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の内部動作原理のさらに別の概略図を示す。図5Gにおいて、係止ブロックは鍼灸セット収容キャビティ内に入る。
図5H】本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の内部動作原理のさらに別の概略図を示す。図5Hにおいて、係止ブロックは鍼灸セット収容キャビティから押し出される。
図6】本発明の実施例に係る別の自動鍼治療器の設計概略図を示す。
図7A図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図7B図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図7C図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図7D図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図7E図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図7F図6におけるセルフロックキャビティ670内部の詳細な設計原理を示す。
図8】本発明の実施例に係るさらに別の自動鍼治療器の設計概略図を示す。
図9A】本発明の実施例に係る、図8におけるハウジングの詳細な設計を示す。
図9B】本発明の実施例に係る、図8におけるハウジングの詳細な設計を示す。
図10A】本発明の実施例に係る、図8で設計された自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットを示す。
図10B】本発明の実施例に係る、図8で設計された自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットを示す。
図10C】本発明の実施例に係る、図8で設計された自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットを示す。
図10D】本発明の実施例に係る、図8で設計された自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットを示す。
図11A】本発明の実施例に係る、電磁石で鍼灸針を押す設計案を示す。
図11B図11Aにおける鍼灸セット収容キャビティの内部構造図を示す。
図12A】本発明の実施例に係る自動鍼治療器及び組み合わせて用いられる鍼灸セットの別の設計を示す。
図12B】鍼灸セット収容キャビティの概略図を示す。
図12C】鍼灸セットの概略図である。
図12D】自動鍼治療器の底部ケースの概略図である。
図12E】鍼灸針駆動ヘッド1215である。
図12F図12Cの平面図である。
図12G】イジェクトバネのより詳細な概略図である。
図13A】本発明の実施例に係る自動鍼治療器が皮膚に固定される状況の概略図を示す。1320は、両面テープであり、1330は、両面テープの剥離紙であり、両面テープの中心に小孔があり、自動鍼治療器1310の底部の針出口1315に対応し、鍼灸を行う場合に鍼灸針は、鍼治療器の針出口及び両面テープの中心の円孔を通過して皮膚に刺入する。
図13B】本発明の実施例に係る自動鍼治療器が皮膚に固定される状況の概略図を示す。1320は、両面テープであり、1330は、両面テープの剥離紙であり、両面テープの中心に小孔があり、自動鍼治療器1310の底部の針出口1315に対応し、鍼灸を行う場合に鍼灸針は、鍼治療器の針出口及び両面テープの中心の円孔を通過して皮膚に刺入する。
図13C】自動鍼治療器がベルトで人体に縛られる状況の概略図を示す。1340は、鍼治療器1310を身体に縛るベルトである。
図13D】自動鍼治療器がベルトで人体に縛られる状況の概略図を示す。1340は、鍼治療器1310を身体に縛るベルトである。
図14A】本発明の実施例に係る自動鍼治療器の付属品の設計を示す。
図14B】本発明の実施例に係る自動鍼治療器の付属品の設計を示す。
図15】本発明の実施例に係る、振動モードで針を人体に刺入する振動波形の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施例を説明する。
【0061】
以下、まず本発明の発明構想を説明する。マイクロモータ又は電磁石により鍼灸針を皮膚に刺入して、鍼灸の作用を達成し、モータが鍼灸針を動かして皮膚に刺入することは、好ましくは、次の2つの手段のうちの1つを使用する。1、モータは、鍼灸針駆動ヘッドを動かして推力により針を人体に刺入し、このような推力は、針刺しの動作のみを完了し、針抜きの動作について、鍼灸針自体の設計により、バネを用いて針を人体から弾き出し、2、鍼灸針駆動ヘッドは、フォーク/クリップの形状に製造され、針柄を挟んで鍼灸針を動かすことにより、鍼灸の目的を達成する。このようなモータによる自動針刺しにより、針刺し及び針抜きを完了することができる。電磁石による鍼灸において、電磁石が通電して磁力を生成し、物体を押す。
【0062】
図1は、本発明の実施例に係る自動鍼治療器100の構造概略図を示す。
【0063】
図1に示すように、自動鍼治療器は、ハウジング110と、通電した後に動力を提供して、鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成されるモータ150と、モータ又は電磁石の駆動により直線運動して、針管及び針管内の鍼灸針を含む鍼灸セットにおける鍼灸針を動かして人体に刺入するように構成される鍼灸針駆動ヘッド180と、鍼灸セットを収容するように構成される鍼灸セット収容キャビティ(ハウジング190で囲まれる)と、鍼灸中に鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティから滑り出ることがないように、鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを係止するように構成され、さらに、鍼灸が終了した後に鍼灸セット収容キャビティから鍼灸セットを取り出しやすいように、鍼灸セットを解放するように構成される係止構造191~196と、を含む。
【0064】
モータは、好ましくは、マイクロモータであり、マイクロモータに通電する場合、その回転軸は、回転軸に接続されるリードスクリュー140を動かして回転することができ、二次電池160は、マイクロモータに電力を供給し、USB充電形式を用いてもよく、無線充電形式を用いてもよい。無線充電を用いる場合、該鍼治療器には無線充電のための受信器をさらに追加する必要がある。
【0065】
図1に示す例において、自動鍼治療器は、ガイドレール120、ナットスライドロッド130、モータ軸に接続されるリードスクリュー140、二次電池160、制御回路170をさらに含む。
【0066】
制御回路170は、鍼治療器の起動、針刺し、針抜き、及び必要なユーザインタフェースの表示を制御する。この例において、自動鍼治療器は、回転モータを用い、モータ軸に接続されるリードスクリュー140には、リードスクリューに直線運動できるナットスライドロッド130が嵌着され、ナットスライドロッドの他端に固定される鍼灸針駆動ヘッド180がナットスライドロッド130と共に上下に移動することにより、鍼灸針を皮膚に刺入するか又は針を抜くことができる。ガイドレール120によりナットスライドロッド130をより安定してスライドすることができ、ナットスライドロッド130が回転軸と共に回転することを防止する。該鍼治療器は、鍼灸針を弾き出す係止構造191~197をさらに含み、係止構造について、図2を参照して詳細に説明する。鍼治療器全体は、鍼治療器のハウジング110内に封止される。鍼灸セットを収容する鍼灸セット収容キャビティは、ハウジング190で囲まれる。
【0067】
好ましくは、自動鍼治療器は、円柱体形状を呈し、円柱体の直径が30ミリメートルより小さく、高さが25ミリメートルより小さい。具体的な例において、円柱体の直径は28ミリメートルであり、高さは21ミリメートルである。以上から分かるように、本発明の実施例に係る自動鍼治療器は、非常に小さく、携帯し、収容し、操作しやすい。
【0068】
それに対応して、鍼灸セットも非常に軽量であり、一実施例において、鍼灸セットのサイズは、針管の直径が5mmより小さく、針管のベースの直径が10mmより小さく、針管及びベースの長さが18mmより小さいことである。具体的な例において、針管の直径は2mmであり、針管のベースの直径は6.6mmであり、針管及びベースの長さは14mmである。
【0069】
具体的な実施例において、上記鍼灸セットは、円柱体の底面から鍼灸セット収容キャビティに完全に入れられた後、円柱体から露出する部分がない。
【0070】
一例において、1つのモータ又は電磁石、1つの鍼灸針駆動ヘッド、1つの鍼灸セット収容キャビティで1つの自動鍼治療器を構成する。1つの鍼灸針駆動ヘッドは、1つの鍼灸針を駆動する。しかしながら、別の例において、ハウジング内に複数の鍼灸セットを収容してもよい。複数の鍼灸セットにおける複数の鍼灸針は、複数のモータ又は電磁石により複数の鍼灸針駆動ヘッドを動かして独立して駆動されてもよく、複数の鍼灸針を駆動する複数の鍼灸針駆動ヘッドは、1つのモータ又は電磁石を共用してもよい。
【0071】
鍼治療器の自動操作は、マイクロモータ又は電磁石により実現され、操作の場合に、鍼灸セットを鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティに挿入し、鍼治療器を両面テープ又はベルトにより身体の特定の部位に固定すれば、マイクロモータ又は電磁石は、特定の信号(タイミング又は身体信号)に基づいて鍼灸針を押して人体に刺入することができる。なお、両面テープ又はベルトを用いて鍼治療器を身体の特定の部位に固定する場合、係止構造を配置しなくてもよい。
【0072】
本発明の上記実施例に係る自動鍼治療器は、鍼灸を行う場合、作業者が手で持って手動で操作する必要がなく、両面テープ又はベルトを用いて身体の部位に固定し、次に自動鍼灸を行う。
【0073】
図2A図2Bは、図1における鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティの内部構造及び針管を係止し弾き出す係止構造の概略図を示す。図に示された構造は、鍼灸針駆動ヘッド180、鍼灸セット収容キャビティの上部ケース190、バネ片押圧シートの接続縦方向ロッド191、バネ片押圧シートのプッシャー192、バネ片押圧シートの接続横方向ロッド193、バネ片押圧シート194、バネ片固定ヘッド195、バネ片196、バネ片における係止ブロック197、バネ片押圧シートの移動溝バネ198、鍼灸セットイジェクトバネ210、針管の上部ケース215、針管の上部ケースの開口216、鍼灸針の扁平針柄220、針管側壁225、鍼灸針復帰バネ230、鍼灸針の針棒235、針先256、鍼灸セット収容キャビティの側壁237、針管係止溝240、針管のベース245、鍼灸セット収容キャビティの針入口250、針管の針出口255を含む。鍼灸針駆動ヘッド180は、図1におけるマイクロモータの回転軸リードスクリュー140にナットスライドロッド130により接続される。鍼灸針駆動ヘッド180は、鍼灸針の扁平円形の針柄220に接触する。この鍼灸針の扁平円形の針柄220の直径は、針管の上部ケース215の開口216の直径より大きいことにより、鍼灸針が針管225から落ちることを防止する。
【0074】
図2Aにおいて、鍼灸針の針棒235と鍼灸針の扁平円形の針柄220は、固定的に接続される。鍼灸針復帰バネ230は、鍼灸針の針棒の周囲に嵌着され、鍼灸針の針柄と針管の底部との間に位置する。針を人体に刺入する場合、鍼灸針復帰バネ230は、移動する鍼灸針駆動ヘッド180により圧縮され、鍼灸針235は、針管の針出口255から押し出されて、皮膚に刺入する。針を抜く場合、鍼灸針駆動ヘッド180は上へ移動し、圧力を緩め、圧縮された鍼灸針復帰バネ230は弾力により鍼灸針を皮膚から弾き出して、針抜きの動作を完了する。このような鍼灸針の設計により、鍼灸針は、常に針管内に位置し、使用前及び使用後に、鍼灸針復帰バネは、常に鍼灸針の扁平円形の針柄を針管の上部ケースに押し付け、鍼灸針の針先が鍼灸針の針出口内に収縮し、人が不注意に刺されることを防止することができる。また、該例において、鍼灸セットは方向性があるため、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに収容する場合、直径が針管側壁225の直径よりも大きい針管のベース245が設計されることにより、鍼灸セットを一端から鍼灸セット収容キャビティに挿入することしかできない。また、該例において、鍼灸セットが鍼灸を行う場合に収容キャビティから滑り出さないように鍼灸セットを固定しやすくするために、設計の場合にバネ片における係止ブロック197及び針管係止溝240を用いる。このように、鍼灸セットを押し込む場合、鍼灸セットは、バネ片における係止ブロックにより自動的に係止されるとともに、鍼灸セットイジェクトバネ210は圧縮される。鍼灸が終了して鍼灸セットを取り出す必要がある場合、使用者がバネ片押圧シートのプッシャー192を押してスライドさせ、バネ片押圧シート194を動かしてバネ片196を押し、最終的にバネ片における係止ブロック197を係止溝240から押し出し、この場合に圧縮された鍼灸セットイジェクトバネ210は鍼灸セットを弾き出す。191と913は、バネ片押圧シートとバネ片押圧シートのプッシャー192との接続横方向ロッドと縦方向ロッドである。収容キャビティの上部ケース190は、鍼灸セットイジェクトバネ210を固定し、198は、バネ片押圧シートの移動溝内のバネである。バネ片固定ヘッド195は、バネ片196を鍼灸セット収容キャビティの側壁237に固定する。
【0075】
図2Bは、図2Aにおける鍼灸セットが弾き出される場合の概略図であり、この場合に係止ブロック197が係止溝から押し出され、鍼灸セットイジェクトバネがその勢いで鍼灸セットを弾き出す。
【0076】
図2C及び図2Dは、本発明の実施例に係る別の鍼灸セット収容キャビティ、鍼灸セット及び係止構造の設計図を示し、図2A及び図2Bに類似するが、係止溝241が針管キャビティに凹まず、針管壁に係止溝が直接的に設計され、また鍼灸セットの底部の針出口に、内向きに突出した柱状体258が設計され、主に、1)復帰バネを固定することと、2)鍼灸針が皮膚に刺さる場合に曲げて、鍼灸操作に影響を与えることを防止することとの2つの機能を有する。
【0077】
図3は、本発明の実施例に係る別の自動鍼治療器の設計概略図を示し、リニアマイクロモータ340と、ネジ山312を有するモータ軸310と、内輪にネジ山を有し、モータの内部に固定されたネジ付きスリーブ335と、を含み、モータ軸は、ネジ付きスリーブ内に回転することにより、直線で上下に移動する。この自動鍼治療器は、自動鍼治療器のハウジング320、鍼灸セット収容キャビティ350、二次電池360、制御回路370、鍼灸セット収容キャビティの針入口390、先端部に斜面を有する係止柱380、鍼治療器シャーシ395をさらに含む。この設計には、リニアモータが用いられ、すなわちモータにおける軸及び軸に接続される鍼灸針駆動ヘッドは、直接的に上下に移動することにより、鍼灸針を直接的に押して人体に刺入することができる。図3B及び図3Cは、直線運動できるモータ軸を示す。図3Bは、モータ軸が最上部に回転する状況であり、図3Cは、直線運動でき、モータ軸が既にモータの底部から伸び出す状況の概略図を対応して示す。
【0078】
図4A図4Dは、図3における鍼灸セット収容キャビティの内部構造(図4A)、鍼灸セット(図4B)、モータ軸の底端を鍼灸針駆動ヘッドとする設計(図4C)、復帰バネ付きの鍼灸針(図4D)の設計概略図を示す。図に示された部品は、モータ軸310、モータ軸のネジ山312、鍼灸針駆動ヘッドの凸面315、扁平円形の針柄440、針柄の凹面445、鍼灸セット収容キャビティの側壁350、鍼灸セット収容キャビティの上部ケース410、鍼灸セットイジェクトバネ420、針管の上部ケース430、復帰バネ450、鍼灸針の針棒460、針管のベース470、針管の針出口480を含む。図4Dに示すように、この設計において、鍼灸針は、円形の針柄440、針棒460及び鍼灸針復帰バネ450を含み、円形の針柄440に凹凸面445があり、凹凸面445は、針管の上部ケース430の開口を貫通して針管に入る、図4Cにおけるリードスクリューの先端の鍼灸針駆動ヘッドの凹凸面315に合わせ、回転し、上下に移動できるモータ軸310は、鍼灸針を上下に動かして回転し、鍼灸針を左右に回し、上下に動かす手法を模倣することにより、鍼灸治療効果を向上させる。図4Bは、鍼灸針及び針管で構成された鍼灸セットの全体図であり、使用されない鍼灸針であっても、使用済みの鍼灸針であっても、針先は常に針管に収縮することにより、皮膚を不注意に刺すことを回避する。針管の上部ケース430の開口の直径は、鍼灸針の扁平円形の針柄440の直径より小さいことにより、鍼灸針が落ちることを防止する。鍼灸針復帰バネ450の直径は、針管側壁350の直径より僅かに小さいことにより、鍼灸針復帰バネは、ちょうど針管に入り、バネが圧縮される場合に捩ることを防止する。モータ軸310を鍼灸セット収容キャビティの上部ケース410の中間の開口により挿入することができる。鍼灸を行う場合、モータ軸310は鍼灸針を動かして人体に刺入するとともに、鍼灸針復帰バネを圧縮する。鍼灸が終了する場合、モータ軸の駆動力を切れ、鍼灸針復帰バネの圧縮力により鍼灸針が体内から取り出される。鍼灸針灸が終了した後、係止ブロックが押し出される場合に鍼灸セットイジェクトバネ420により鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティから自動的に弾き出し、鍼灸セットを取り出しやすい。
【0079】
図5A図5Dは、本発明の別の実施例に係る鍼灸セットのロック係止機構の原理概略図を示す。図5A図5Cは、自動鍼治療器のシャーシの外から内への視角図であり、図5B図5Dは、自動鍼治療器のシャーシの内から外への視角図であり、図中において、押し板510、接続ロッド530、接続ロッドの押し板における固定柱520、係止柱380(図3にも示される)、鍼灸セット収容キャビティの針入口390、係止柱孔540、係止柱スライドロッド550、接続ロッドの係止柱における固定リング560、押し板バネ570を含む。図5A、5Bは、係止柱380が係止柱孔540に押し込まれない場合の概略図を示し、図5C、5Dは、係止柱が係止柱孔540に完全に押し込まれる場合の概略図を示す。鍼灸針が内蔵された鍼灸セットを針入口390に押し込んだ後、係止柱380が図4における針管のベース470によって押し離されるとともに、押し板バネ570が接続ロッド530の連動作用下で圧縮され、ベース470の縁部の切り欠きが係止柱に面する場合、係止柱380がバネ570の作用下で鍼灸セット収容キャビティの針入口390内に再び跳ね返され、針管のベース470が係止される。係止柱380は、係止柱スライドロッド550上を移動し、係止柱スライドロッドは、係止柱孔540に固定される。接続ロッド530と係止柱は、固定リング560により接続され、接続ロッドは、リング上を回転することができる。接続ロッド530と押し板510は、固定柱520により接続され、接続ロッドは、固定柱上を回転することもできる。
【0080】
図5E図5Fは、本発明の実施例に係る、図3における自動鍼治療器の係止ブロック380の内部動作原理の別の概略図を示し、この設計において、係止ブロック380は針入口の一側のみに用いられる。係止構造は、回転可能な係止ビーム580、係止ビームにおける係止ブロック380、係止ビームの固定柱584、係止ビームを引っ張るバネ582、バネを固定する固定柱581及び583、係止ブロックを解放するボタン585、ボタンキャビティ586、係止ブロック孔587を含む。鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロック380が鍼灸セットの針管によって押し離されるとともに、バネ582が引っ張られ、針管係止溝が係止ブロックに面する場合、係止ブロックがバネの作用で鍼灸セット収容キャビティの針入口に再び引き戻され、鍼灸セットが係止される。図5Eは、係止ブロックが鍼灸針収容キャビティの針入口に入る状況を示す。図5Fは、係止ブロックが押し離される状況を示す。
【0081】
図5G図5Hは、図3で用いた他の係止ブロック380の動作原理の平面図を示す。この設計において、係止ブロック380の鍼灸セット収容キャビティから離れた一端594のサイズが大きく、このように係止ブロックは、係止ブロックの可動範囲を制限する、鍼治療器のシャーシに固定されたバッフル592に止められる。この設計において、バネ596は594と固定装置598との間に固定される。破線599は係止ブロック、バッフル及びバネの側面図を示す。係止ブロック594の一端が下向きに伸びてユーザが操作可能なスライドボタン597を形成する。通常の状態で、バネ596が自然に伸びる場合、係止ブロックが鍼灸セット収容キャビティ内に押し込まれる。ユーザがスライドボタン597を鍼灸セット収容キャビティから離れる方向に押す場合、係止ブロックが鍼灸セット収容キャビティから押し離され、バネが圧縮される。
【0082】
図6は、本発明の実施例に係る別の自動鍼治療器の設計概略図を示す。この概略図は図3に類似するが、鍼灸セットをロックする異なるメカニズム及び異なる弾出メカニズムを利用する。この設計において、図3より1つのセルフロックキャビティ670が追加され、係止柱380がない。
【0083】
図7Aは、本発明の実施例に係る、図6におけるセルフロックキャビティ670及び鍼灸セット720の詳細な設計原理を示す。この設計は、セルフロックスライダ795、セルフロックスライダを上下にスライドさせるスライドロッド675、セルフロックプルロッド796、セルフロックプルロッドフック792、セルフロックスライダ復帰バネ780、復帰バネ固定柱770及び790、セルフロック係止ブロック785、セルフロック係止ブロックの固定ブロック781及び固定軸782を含み、セルフロックスライダ795は、上昇スライド溝791、フック溝792、降下スライド溝793、フック離島部794、スライドガイド半島部797を含む。上昇スライド溝791と下降スライド溝793の隣接する部位について、下降スライド溝は相対的に深く、上昇スライド溝は、フック溝792へ延在する過程に徐々に浅くなり、フック溝に達する場合に急に深くなり、その後に下降スライド溝で徐々に浅くなる。鍼灸セットを押し込む場合、針管の押し込み斜面735は、セルフロックスライダを動かして上向きにスライドするとともに、セルフロック係止ブロック785を動かし、セルフロックプルロッドはこの場合に上昇スライド溝に沿ってスライドする。鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティの底部に押される場合、セルフロックプルロッドフック792は、離島部の溝に引っ掛けられ、セルフロックスライダをロックする。セルフロック係止ブロック785は、セルフロックスライダ795によって動かされる場合、係止ブロック斜面783により徐々に持ち上げられてセルフロックスライダに近接し、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティの底部に押される場合、セルフロック係止ブロック785もちょうどセルフロック係止溝745と重なることにより鍼灸セットをロックする。鍼灸セットを再び押すと、セルフロックスライダのフックは、離島部の溝から離脱し、スライドガイド半島部797の阻止のため、セルフロックプルロッドは、降下スライド溝793に沿ってスライドしかできず、セルフロックプルロッドが離島部の溝から離れると、セルフロックスライダ復帰バネ780はセルフロックスライダを鍼治療器の底部に向かってスライドするように引っ張り、係止ブロック785はその勢いで鍼灸セットのセルフロック係止溝745から離脱し、鍼灸セットは押し込み斜面735でセルフロックスライダによって収容キャビティから押し出されることにより、容易に取り出すことができる。図7Bは、図7Aにおけるセルフロックスライダ及びその付属品の拡大図であり、セルフロックスライダの表面構造をより明確に示す。図7Cは、図7Bの裏面の図であり、係止ブロックとセルフロックスライダの接続構造を示す。図7Dは、図7Bの右側面図であり、主に係止ブロックがどのように上昇中に斜面783によって押し上げられてセルフロックスライダに近接するかを示す。図7Eは、鍼灸針付きの鍼灸セットを示す。針管の大きなヘッド750により、針入り方向を区別することができ、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに挿入する場合に押し込み斜面735はセルフロックスライダ795を押し、鍼灸セットは、針管の上部ケース705、針管のベース750、針管のベース内壁755、針管の針出口760、鍼灸針復帰バネ740、鍼灸針の針棒730、針管720、扁平円形の鍼灸柄710をさらに含む。図7Fは、鍼灸針がない針管の上面図であり、主に押し込み斜面735と針管705の構造関係を示す。
【0084】
本発明の好ましい実施例において、鍼灸セットは、非常に小さく、例えば、直径が2ミリメートルで、高さが14ミリメートルである微細な円柱体である。
【0085】
本発明の実施例に係る鍼灸セットは、出荷後に、任意の場合、具体的には、鍼灸中、鍼灸の前と後に常に鍼灸針を保持し、鍼灸針が常に針管の外部の空気に露出しないことにより、人体を誤って傷つけることがなく、環境を清潔に保持する。
【0086】
図8は、本発明の実施例に係るさらに別の自動鍼治療器の設計概略図を示す。この設計は、ハウジング810及び815、鍼灸セット収容キャビティの入口820、方向決め管825、鍼灸セット収容キャビティ830、鍼灸セット収容キャビティの針挟み口835、鍼灸針フォーク840、制御回路基板845、二次電池850、マイクロモータ855、モータ軸に接続される回転可能なリードスクリュー860、ナットスライドロッド865、ナットスライドレール870、固定板875を含む。
【0087】
図9A及び図9Bは、本発明の実施例に係る、図8におけるハウジングの詳細な設計を示す。ハウジングは、2つの部分で構成され、ハウジング810には、マイクロモータ、制御回路及び二次電池が収容される。ハウジング815は、主に鍼灸セット収容キャビティ830が収容する。ハウジング810と815は相対的にスライドできるが完全に分離することができず、係止ストリップ930及び960が係止される場合に、2つのハウジングは最大距離で引き離され、この場合にちょうど鍼灸セット収容キャビティの入口を露出させて、鍼灸セットを入れることを可能にすることができる。鍼灸を行う場合に、ハウジング810及び815は閉じられ、係止ブロック910と係止ストリップ960が係止されて、開かれることを防止し、この場合に、板状ケース920及び970が重なる。円孔940及び950は、鍼灸を行う場合の針出口であり、針を人体に刺入する場合にちょうど位置合わせされる。収容キャビティ830の最上部の入口820は、他の部分よりも僅かに大きく、収容キャビティの側面にさらに直径が830よりも小さい長いキャビティ825があり、820及び825は、いずれも鍼灸セットの入れ方向を制限する。
【0088】
図10A図10Dは、図8で設計された自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットを示す。鍼灸セットは、鍼灸針底部ケース1070、鍼灸針の針出口1090、方向決め柱1075、鍼灸針1060、鍼灸針バネ1050、鍼灸針の針管1040、針柄1030、鍼灸針封口1020、鍼灸針フォーク入口1010を含む。鍼灸針を使用する前に、鍼灸針フォークの入口は、一般的に片面接着テープ1080で封止されて、汚れが鍼灸針の針管に入り、鍼灸針を汚染することを防止する。鍼灸針フォーク840は、ナットスライドロッド865によりモータ軸のリードスクリュー860に接続され、モータによって上下に動かされる。鍼灸針フォーク840の他端の中間にスリットがあり、針柄1030の中間の細い柄を挟んで針を上下に動かす。
【0089】
図11Aは、本発明の実施例に係る、電磁石で鍼灸針を押す設計案を示す。図中において、1120は、電磁石であり、その一端に押しロッド1140が接続され、通電する場合に押しロッドが電磁石から押し離され、鍼灸針を動かして皮膚に刺入し、電源が遮断された場合に押しロッドが元の位置に復帰し、鍼灸セットの設計は前の複数種の設計と類似してもよく、自身のバネにより針を抜くことができる。鍼灸針の取り付け及び取り外しは、前の複数種の手段を参考にすることができる。図中において、1110は、鍼治療器のハウジングであり、1130は、電池であり、1150は、鍼灸セット収容キャビティであり、1160は、制御回路であり、1170は、針入口である。図11Bは、鍼灸セット収容キャビティの構造及び鍼灸セットの構造を示し、1145は、鍼灸セット収容キャビティの上部ケースであり、1155は、収容キャビティの上部ケースに固定される磁性材料であり、1165は、針管の最上部に固定される磁気吸引材料である。1115は、針管であり、1125は、鍼灸セット収容キャビティの側壁であり、1175は、鍼灸針の扁平針柄であり、1195は、針棒であり、1185は、復帰バネであり、1135は、鍼灸セットの底部の針出口である。図11Bにおいて、鍼灸セットを収容した後、鍼灸セット収容キャビティの上部ケースに固定される1155は、磁性材料であり、針管の最上部1165との磁気吸引により、鍼灸セットを自動鍼治療器に固定することができ、鍼灸セットが鍼灸中に自動的に滑り落ちることを防止する。
【0090】
図12Aは、本発明の実施例に係る自動鍼治療器及び組み合わせて用いられる鍼灸セットの別の設計を示し、そのモータ、ハウジング部分は図8の設計と類似するが、鍼灸針駆動ヘッド1215、鍼灸セット収容キャビティ1210、鍼灸セット及び対応するケースの点で相違する。この設計における鍼灸セット及び針管の最上部にいずれも開口があり、側面にスリットがあることにより、鍼灸針駆動ヘッドが針管の最上部から針管に入って、スリットに沿って針を針管から押し出して人体に刺入することを可能にし、図8に示すように鍼灸針駆動ヘッドが側面から針管に入り、ハウジングを2つの部分に分けて横方向に引き離す必要はない。図12Bは、鍼灸セット収容キャビティの概略図を示し、図中において、1205は、収容キャビティの最上部の開口であり、1220は、収容キャビティの側面のスリットであり、1210は、収容キャビティの側壁であり、1211は、イジェクトバネである。図12Cは、鍼灸セットの概略図であり、1230は、針管の上部ケースであり、1235は、鍼灸針の針柄であり、1240は、復帰バネであり、1245は、鍼灸針の針棒であり、1255は、係止溝であり、1260は、ベースであり、1250は、針管における開口及びスリットであり、鍼灸針駆動ヘッドが針管に入ることを可能にする。図12Dは、自動鍼灸針の底部ケースの概略図であり、1225は、底部ケースであり、1270は、鍼灸セット収容キャビティのキャビティ本体であり、1265は、キャビティの針入口であり、1270が針入口の中心に位置しないことは、鍼灸セットの針入口方向を制限するためである。図12Eは、鍼灸針駆動ヘッド1215であり、図12F図12Cの平面図である。針管のベースの形状を示し、鍼灸セットの針入口に合わせる。図12Gは、イジェクトバネ1211を示し、その底端に円柱ブロック1212が接続され、円柱ブロックに開口1213がある。針を人体に刺入する前に、鍼灸針駆動ヘッドは円柱ブロックの開口の最上部に位置する。鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに収容する場合、鍼灸セットは円柱ブロックを押し、イジェクトバネを圧縮するとともに、鍼灸針駆動ヘッドは円柱ブロックの開口の底部に向かって移動する。鍼灸針駆動ヘッドは、鍼灸セット収容キャビティの底部に挿入される場合、円柱ブロックの開口の底部に位置する。鍼灸セットが収容される場合に方向性があるため、完全に収容される場合に、針管における開口が円柱ブロックの開口とちょうど位置合わせされることにより、鍼灸針駆動ヘッドがモータの駆動により針管に入ることを可能にする。
【0091】
図13A図13Bは、本発明の実施例に係る自動鍼治療器が皮膚に固定される状況の概略図を示す。自動鍼治療器1310の底部に針刺し口1315がある。使用する場合、中心に同様に針刺し口を有する両面テープ1320を貼り付け、次に、図13Bに示すように、鍼灸を行おうとする身体の部位に貼り付けることができる剥離紙1330は、両面テープを保護することができる。
【0092】
図13C及び図13Dは、本発明の実施例に係る自動鍼治療器が皮膚に固定される別の状況の概略図を示す。1340は、鍼治療器1310を人体の表面に縛ることができるベルトである。
【0093】
図14A及び図14Bは、本発明の実施例に係る自動鍼治療器の付属品の設計を示し、鍼灸針を異なる角度に応じて人体に刺入しやすくする。図14Aは、一端が斜面である円柱体である。円柱体の2つの平面に接着テープがあり、斜面を呈する面は皮膚に貼り付け、対向する他面1410は自動鍼治療器を粘着する。中間の孔1420は、針刺し口である。図14Bは、別の設計である。この設計において、図14Aに基づいてループ外壁1430、すなわち中空の側壁が追加され、自動鍼治療器がちょうどこの外壁の中間に入ることを可能にし、このように針刺し口に位置合わせしやすい。
【0094】
本発明の別の実施例に係る自動鍼治療器で鍼灸を行う方法において、針を人体の皮膚に刺入する場合、蚊がその吸血口器を人体の皮膚に刺入する方式を模倣して、針を振動モードで人体の皮膚に刺入する。
【0095】
上記振動周波数は、0.2~30ヘルツであってもよい。
【0096】
上記鍼灸針を振動方式で刺入するモードは、初期段階、中間段階及び終了段階という3つの段階を含む。
【0097】
上記初期段階の振動周波数は、中間段階の振動周波数よりも大きく、中間段階の振動周波数は、終了段階の振動周波数よりも大きい。
【0098】
上記初期段階の振動周波数は、10~15ヘルツであり、中間段階の振動周波数は、6~8ヘルツであり、終了段階の振動周波数は、3~5ヘルツである。
【0099】
上記振動幅は、0.1ミリメートル~2ミリメートルである。
【0100】
図15は、本発明の実施例に係る、振動モードで針を人体に刺入する振動波形の概略図を示す。
【0101】
このような蚊が人に刺す方式に類似する振動モードで針を人体に刺入することにより、鍼灸を行うに人の刺しの痛みを軽減することができ、蚊に刺されたように感じて、気づきにくい。
【0102】
以上、本発明の各実施例を説明し、上記説明は例示的なものであり、網羅的なものではなく、開示された各実施例に限定されない。説明された各実施例の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者にとって、多くの修正及び変更は明らかである。したがって、本発明の保護範囲は、該特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
通電した後に動力を提供して、1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成される1つ以上のモータ又は電磁石と、
モータ又は電磁石の駆動により直線運動して、針管及び針管内の鍼灸針を含む鍼灸セットにおける鍼灸針を動かして人体に刺入するように構成される鍼灸針駆動ヘッドであって、前記鍼灸セットは、鍼灸中、鍼灸の前及び後に常に鍼灸針を保持し、鍼灸針が常に針管の外部の空気に露出しないように構成される1つ以上の鍼灸針駆動ヘッドと、
鍼灸セットを着脱可能に収容するように構成される1つ以上の鍼灸セット収容キャビティと、を含む、自動鍼治療器。
【請求項2】
鍼灸中に鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティから滑り出ることがないように、鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを係止するように構成され、さらに、鍼灸が終了した後に鍼灸セット収容キャビティから鍼灸セットを取り出しやすいように、鍼灸セットを解放するように構成される1つ以上の係止構造をさらに含む、請求項1に自動鍼治療器。
【請求項3】
鍼治療器の起動、針刺し、針抜き、及びユーザインタフェースの表示を制御するように構成される制御回路をさらに含む、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項4】
前記モータは、通電した後にモータ軸が回転するように構成される回転モータであり、システムは、動力を回転運動から直線運動に変換する伝動システムをさらに含む、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項5】
伝動システムは、
モータ軸に接続されるリードスクリューと、
ガイドレール又はガイドロッドと、
リードスクリューに嵌着されるナットスライドロッドであって、リードスクリューの回転に伴ってガイドレール又はガイドロッドに沿ってスライドでき、さらにナットスライドロッドに固定される鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動するように構成されるナットスライドロッドと、を含む、請求項4に記載の自動鍼治療器。
【請求項6】
前記モータは、鍼灸針駆動ヘッドに接続されるモータ軸が直線運動でき、通電した後に、モータ軸の直線運動により鍼灸針駆動ヘッドを駆動するように構成されるリニアモータである、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項7】
前記モータ軸は、直線運動するとともに回転でき、
モータ軸に接続される鍼灸針駆動ヘッドは、凹凸面により鍼灸針の尾部の接触面と噛み合わされ、モータ軸は、鍼灸針駆動ヘッドを動かして直線運動して回転し、さらに鍼灸針を動かして直線運動して回転し、針を上下に動かし、左右に回すという効果を達成する、請求項6に記載の自動鍼治療器。
【請求項8】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸セットの針管の最上部が開口し、鍼灸を施術する場合、棒状の鍼灸針駆動ヘッドは、針の方向に沿って針管の最上部の開孔から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を針管から押し出す、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項9】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの針管は、最上部に開口があり、側面に開口と繋がっているスリットがあり、鍼灸を施術する場合、鍼灸針駆動ヘッドは、最上部の開口及び側面のスリットから針管に入り、鍼灸針の最上部に接触して、針管の側面のスリットに沿って鍼灸針を針管から押し出す、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項10】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、棒状を呈し、鍼灸針セットの側面に、幅が鍼灸針駆動ヘッドの幅より大きいスリットがあることにより、鍼灸針駆動ヘッドが側面から針管に入り、鍼灸針の針柄と接触して、鍼灸針を動かすことができる、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項11】
鍼灸セットイジェクトバネをさらに含み、
鍼灸セットイジェクトバネは、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティに押し込まれる場合、当該鍼灸セットイジェクトバネが圧縮されるとともに係止構造が鍼灸セットをロックし、係止構造が鍼灸セット収容キャビティに対して鍼灸セットを解放する場合、鍼灸セットイジェクトバネが伸びて鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティから弾き出すように構成される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項12】
前記係止構造は、係止ブロックを含み、前記鍼灸セットにおける針管は、係止溝構造を有し、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込んだ後、係止ブロックが係止溝に深く入り、鍼灸セットを係止する、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項13】
前記係止構造は、鍼灸セットにおける磁性を有する磁気ブロックであり、磁力により、針管が磁気吸引材料を有する鍼灸セットを吸着することができる、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項14】
前記係止構造は、スライドボタン、バネ片、バネ片の鍼治療器のハウジングにおける固定点、バネ片における係止ブロック、鍼灸セットイジェクトバネ、針管における係止溝を含み、
係止構造の動作方式は、鍼灸の前に、鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに押し込み、バネ片における係止ブロックが針管における係止溝に押し込まれて鍼灸セットが係止されるとともに、鍼灸セットのイジェクトバネが圧縮され、鍼灸が終了した後に、スライドボタンを押すと、バネ片が圧縮され、係止ブロックが係止溝から引き出されて、鍼灸セットが圧縮された鍼灸セットイジェクトバネによって鍼灸セット収容キャビティから弾き出されることである、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項15】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、押し板、押しロッド、押しロッドの押し板における固定柱、通常の状態で針入口に入る係止ブロック、係止ブロックスライドロッド、押しロッドの係止ブロックにおける固定リング、及び押し板バネを含み、
鍼灸セットに針管係止溝が配置され、鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって収容キャビティから押し離されるとともに、押し板バネが押しロッドの連動作用で圧縮され、針管係止溝が係止ブロックに面すると、係止ブロックがバネの作用で再び鍼灸セット収容キャビティの針入口に跳ね返されて、針管が係止され、鍼灸セットを取り出す場合、ユーザが押し板を押すと、係止ブロックが鍼灸セットの係止溝から押し離され、鍼灸セットイジェクトバネの作用で、鍼灸セットが弾き出される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項16】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、回転可能な係止ビーム、係止ビームにおける係止ブロック、係止ビームの固定柱、係止ビームを引っ張るバネ、バネを固定する固定柱及び係止ブロックを解放するボタンを含み、
鍼灸セットを針入口に押し込む場合、係止ブロックが鍼灸セットの針管によって押し離されるとともに、バネが引っ張られ、針管係止溝が係止ブロックに面すると、係止ブロックがバネの作用で鍼灸セット収容キャビティの針入口に再び引き戻され、鍼灸セットが係止され、鍼灸セットを解放する場合、ユーザがボタンを押すと、係止ビームを回転することにより、係止ヘッドを針管係止溝から解放する、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項17】
前記鍼灸セット収容キャビティは、鍼灸セットを押し込むための針入口を有し、
係止構造は、係止ブロックと、係止ブロックに接続され、ユーザが押すことができるスライドボタンと、スライドボタンのスライド範囲を限定する制限ストッパと、ハウジングとスライドボタンとの間に固定されるバネと、を含み、
係止構造の動作原理は、
係止ブロックが静止状態で鍼灸セット収容キャビティ内に位置し、
鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティ内に押し込むと、係止ブロックが鍼灸セットによって押し離され、
同時に、係止ブロックが針管における溝口と位置合わせされるまで、バネが圧縮され、
係止ヘッドが圧縮されたバネによって針管係止溝に圧入されて、鍼灸セットが鍼灸セット収容キャビティ内にロックされ、
鍼灸セットを解放する場合、ユーザが鍼灸セット収容キャビティから離れる方向に沿ってスライドボタンを押すと、係止ヘッドが針管係止溝の溝口から離れるように移動することである、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項18】
前記係止構造は、セルフロックスライダ、セルフロックプルロッド、セルフロックプルロッドフック、セルフロックスライダ復帰バネ、復帰バネ固定柱、セルフロック係止ブロック、セルフロック係止ブロックの固定ブロック、固定軸を含み、
セルフロックスライダは、上昇スライド溝、フック溝、降下スライド溝、フック離島部、スライドガイド半島部を含み、
鍼灸セットが一回目に押される場合、セルフロックスライダが押されるとともに、セルフロック係止ブロックを動かし、セルフロックプルロッドの先端のセルフロックプルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれ、プルロッドフックが上昇スライド溝に沿って押し込まれるとともに、上昇スライド溝が徐々に浅くなり、セルフロックプルロッドが持ち上げられ、プルロッドフックが先端に到達するとき、上昇スライド溝が急に深くなることにより、プルロッドフックが離島部の溝に入り込んで留まり、この場合にセルフロック係止ブロックもちょうどこの位置で針管のセルフロック係止溝に押されて、針管がロックされ、
鍼灸セットを押す力を緩めると、鍼灸セットは、鍼灸セット収容キャビティ内に留まり、鍼灸を行うことができ、
鍼灸が終了した後、鍼灸セットを再び押すと、セルフロックスライダのフックがスライドガイド半島部により降下スライド溝にガイドされ、この場合に鍼灸セットを押す力を緩めると、セルフロックスライダ復帰バネがセルフロックスライダを鍼治療器の底部に向かってスライドするように引っ張り、鍼灸セットが同時にセルフロックスライダにより収容キャビティから押し出される、請求項2に記載の自動鍼治療器。
【請求項19】
前記鍼灸針駆動ヘッドは、フォーク/クリップの形状を有し、鍼灸針の針柄を挟んで鍼灸針を動かす、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項20】
前記ハウジングは、相対的にスライド可能な第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを含み、
第2ハウジング部分は、鍼灸セット収容キャビティを収容し、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が相対的に引き離される場合、鍼灸セットを入れることを可能にし、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分が閉じる場合、鍼灸針をクリップで動かして針出口から出して鍼灸を行うことを可能にする、請求項1に記載の自動鍼治療器。
【請求項21】
モータ又は電磁石に使用される二次電池をさらに含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の自動鍼治療器。
【請求項22】
前記自動鍼治療器は、円柱体形状を呈し、円柱体の直径が30ミリメートルより小さく、高さが25ミリメートルより小さい、請求項1~20のいずれか1項に記載の自動鍼治療器。
【請求項23】
前記鍼灸セットは、円柱体の底面、側面又は最上部から鍼灸セット収容キャビティに完全に入れられた後、円柱体から突出する部分がない、請求項22に記載の自動鍼治療器。
【請求項24】
自動鍼治療器と組み合わせて用いられる鍼灸セットであって、
鍼灸セットは、自動鍼治療器の最上部、底部又は側面から自動鍼治療器に押し込まれた後、自動鍼治療器の内部に完全に収容され、自動鍼治療器から突出する部分がなく、
前記鍼灸セットは
針管と、
針管内に収容され、針先、針棒、及び直径が針棒の直径より大きく、自動鍼治療器の鍼灸針駆動ヘッドにより駆動力が印加される針柄を含む鍼灸針と、
針管の最上部にある開孔及び/又は側面にあるスリットであって、この開孔及び/又はスリットにより、鍼灸針に作用力を印加することができる開孔及び/又はスリットと、
針管の底部にある針出孔であって、この針出孔により、鍼灸針の針先及び針棒が針管内から伸び出して人体に刺さる針出孔と、
復帰バネであって、鍼灸針の針棒の外面に嵌着され、一端が針管の底部に当接し、他端が針柄に当接し、鍼灸針で鍼灸を行わない場合、鍼灸針の針先が針出孔から露出して人体を誤って傷つけることを防止するように、鍼灸針全体を針管の内部に押圧することができ、鍼灸を行う場合、鍼灸針駆動ヘッドが針を動かして人体に刺入するとともに、復帰バネが圧縮され、使用後に鍼灸針駆動ヘッドが作用力を印加しない場合、復帰バネが伸びて、鍼灸針を針管に跳ね返すように構成される復帰バネと、を含む、鍼灸セット。
【請求項25】
鍼灸針の針柄の頂部は、凹凸面であり、鍼灸針駆動ヘッドの凹凸ブロックと噛み合わされ、鍼灸針駆動ヘッドが回転し、上下に移動する場合、鍼灸針を回転して上下に動かし、針を左右に回し、上下に動かすことを可能にする、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項26】
針管の最上部の開孔の直径は、鍼灸針の針柄の直径より小さいことにより、鍼灸針が針管の最上部から出ることを防止し、針管の底部の針出口の直径は、復帰バネの直径より小さいことにより、復帰バネが底部から出ることを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項27】
針管に、直径が針管の直径より大きいベースがあり、及び/又は、針管の側面に、突出ブロック/溝があり、鍼灸セット収容キャビティの形状に合わせることにより、鍼灸セットの収容方向を限定する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項28】
針管に、係止され得る突出ブロック/溝の設計があり、鍼灸セットが自動鍼治療器に収容された後、係止構造の係止ブロックは、針管における突出ブロック/溝を係止して、針管が自動鍼治療器の鍼灸セット収容キャビティから滑り出すことを防止することができる、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項29】
前記鍼灸セット収容キャビティの入口の直径が収容キャビティの内部直径よりも大きく、及び/又は、鍼灸セット収容キャビティの側壁に突出ブロック/溝があることにより、鍼灸セットの針管の設計に合わせて鍼灸セットの収容方向を制御する、請求項28に記載の鍼灸セット。
【請求項30】
針管のベースの針出口部位は、針管の内部に向かって中空柱状に突出し、その外径が復帰バネの直径より小さく、復帰バネの針出口に近接する部分は、この突出した柱状体に嵌着され、針管の針出口の直径は、針を通過させるのに十分であるように鍼灸針の直径より大きいが、突出した柱状体の外径より小さいことにより、鍼灸針が皮膚に刺さる場合に横方向に曲げて、刺さることに不利であることを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項31】
針管に磁気吸引材料があり、鍼灸セット収容キャビティ内の磁性材料と吸引ことにより、針管セットを鍼灸セット収容キャビティにロックして鍼灸中に自動的に滑り出すことを防止する、請求項24に記載の鍼灸セット。
【請求項32】
自動鍼治療器で鍼灸を行う方法であって、
鍼灸セットを鍼灸セット収容キャビティに収容して固定するステップと、
自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定するステップと、
電源スイッチを自動又は手動で起動するステップと、
記憶された指令に応じてモータ又は電磁石を起動し、鍼灸針駆動ヘッドを押し、鍼灸針に力を印加して針を人体に刺入するか、及び/又は、針を上下に動かし、左右に回すという鍼灸操作を行うステップと、
鍼灸針を人体内に所定の時間留置するステップと、
所定の時間になると、モータ又は電磁石を制御して、鍼灸針駆動ヘッドに力を印加することにより、鍼灸針駆動ヘッドの鍼灸針への作用力を取り消して、鍼灸針の復帰バネで針を皮膚から弾き出し、或いは、反対方向に針を抜く力を鍼灸針に印加するか、又は弾力をトリガーして鍼灸針を人体から弾き出すように力を印加するステップと、
鍼灸が終了した後、身体から自動鍼治療器を取り外すステップと、を含む、鍼灸方法。
【請求項33】
自動鍼治療器を、鍼灸を行おうとする身体の部位に固定することは、自動鍼治療器を両面テープで人体の皮膚表面に貼り付けるか、又は、ベルトでユーザに装着することにより実現される、請求項32に記載の鍼灸方法。
【国際調査報告】