IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 蘇州東帝士繊維地毯有限公司の特許一覧

特表2022-547343再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法
<>
  • 特表-再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法 図1
  • 特表-再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法 図2
  • 特表-再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 27/02 20060101AFI20221104BHJP
【FI】
A47G27/02 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527754
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2020081288
(87)【国際公開番号】W WO2021184406
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】202010199802.5
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517390214
【氏名又は名称】蘇州東帝士繊維地毯有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 寿全
【テーマコード(参考)】
3B120
【Fターム(参考)】
3B120AA16
3B120AA20
3B120BA03
3B120BA29
3B120BA30
3B120CA13
3B120DB01
3B120DB03
3B120EB30
(57)【要約】
本発明は、再生糸を用いて製造した軟質底カーペットであり、上から下の順に、カーペット繊維層、再生繊維層を設けている。カーペット繊維層はカーペット繊維と第1長繊維不織布を含み、前記カーペット繊維が第1長繊維不織布にタフティングされている。再生繊維層は再生繊維と第2長繊維不織布を含み、前記再生繊維が第2長繊維不織布にタフティングされている。前記カーペット繊維層と再生繊維層は固着される。本発明は、材質が柔軟であり、快適性が高く、弾性に優れ、物性が安定し、優れた断熱効果があるなどの利点を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生糸を用いて製造した軟質底カーペットであって、
カーペット繊維(1)と第1長繊維不織布(2)を含み、前記カーペット繊維(1)が第1長繊維不織布(2)にタフティングされたカーペット繊維層と、再生繊維(5)と第2長繊維不織布(4)を含み、前記再生繊維(5)が第2長繊維不織布(4)にタフティングされた再生繊維層と、を含み、
前記カーペット繊維層と再生繊維層は固着される、ことを特徴とするカーペット。
【請求項2】
前記カーペット繊維(1)の材質は、PP、PET、PTT、ナイロン、PO又はウールであり、
前記第1長繊維不織布(2)及び第2長繊維不織布(4)のグラム重量は、それぞれ70~150g/mである、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項3】
前記カーペット繊維層と前記再生繊維層は接着剤により接着される、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項4】
前記接着剤の材質が、PVC、アスファルト、PO、PU、PE又はEVAである、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項5】
前記カーペット繊維層と再生繊維層との間にラテックス層が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項6】
前記ラテックス層の材質が、EVA、水性PU、アクリル又はSBRである、ことを特徴とする請求項5に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項7】
前記再生繊維層の下に不織布層が設けられ、前記再生繊維層と不織布層は接着剤により接合される、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項8】
前記不織布層のグラム重量が50~1200g/mであり、前記不織布層の熱収縮率が2%未満である、ことを特徴とする請求項7に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項9】
前記再生繊維層のパイル面のパイルが100000本/m以上であり、パイル高さが2.5mmより大きく12mm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペット。
【請求項10】
請求項1~9に記載の再生糸を用いて製造した軟質底カーペットの製造方法であって、
カーペット繊維を第1長繊維不織布にタフティングして、カーペット繊維層を得る、カーペット繊維のタフティングステップ(1)と、
水性ラテックスSBR、抗菌剤、炭酸カルシウム、発泡剤を(62~100):(0~1):(0~35):(0~2)の質量比で均一に混合し、発泡機を用いて発泡倍率1.2~10倍の範囲で空気発泡を行い、カーペット繊維層の裏面に均一に塗布し、塗布量は50~800g/mのドライ接着剤量で乾燥し、ラテックス層を得る、ラテックスのプレコート・乾燥ステップ(2)と、
再生繊維を分類し、再生繊維を850D~4000Dの太い再生繊維に合糸し、太い再生繊維を第2長繊維不織布にタフティングし、再生繊維層を得る、再生繊維のタフティングステップ(3)と、
PO、炭酸カルシウムを(20~45):(55~80)の質量比で投入した後、加熱溶融し、均一に撹拌し、冷却して造粒し、PO-炭酸カルシウム接着剤チップを得、タイルカーペット貼合機に投入して130~220℃で加熱溶融し、次に、押出機で再生繊維層のパイル面に塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて高さ0.5mm~1.0mmまで掻き上げ、PO、炭酸カルシウム接着剤の使用量を1平方メートル当たり150~2000g/mとし、再生繊維タフテッド層と不織布層とを結合し、ローラーで押圧し、5~30℃で冷却して、再生繊維タフテッド軟質底層を形成する、再生繊維タフテッド軟質底層の形成ステップ(4)と、
PO、炭酸カルシウムを25~50:50~75の質量比で混合し、加熱溶融し、冷却して造粒し、PO-炭酸カルシウム接着剤チップを得、タイルカーペット貼合機に投入し、130~220℃で加熱溶融し、押出機で再生繊維タフテッド軟質底層のタフテッド裏面に平らに塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて余分な部分を掻き取り、カーペット繊維層のラテックス面に接着し、PO-炭酸カルシウム接着剤の使用量を1平方メートルあたり500g/m~2500g/m、厚さを0.8mm~1.5mmに制御し、接着後、ローラーで押圧し、5~30℃の冷却ボックスに投入して冷却する、カーペット繊維層と再生繊維層との接着ステップ(5)とを含み、
ステップ(2)において、前記乾燥条件は、乾燥温度140~200℃、乾燥時間2~8分間である、ことを特徴とする再生糸を用いて製造した軟質底カーペットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーペット製造の技術分野に属し、具体的には、再生糸を用いて製造した軟質底カーペット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、国内のカーペットはほとんどが、カーペットのカーペット面をタフティングした後にPVC又はアスファルトを塗布してカーペットの素材とし、カーペットの寸法安定性を向上させるために中間にガラス繊維層を追加したり、もしくは、カーペットのカーペット面をタフティングした後に不織布系のような素材を付着する。しかし、PVC素材はカーペットに使用されると、通常は質感が硬く、快適性が悪いことから、各主要メーカーはカーペットの素材としてPVCに代わる新しい材料を探そうとしており、不織布系のような素材は、PVC材質よりも比較的柔軟である反面、その寸法の不安定性、反りやすいという物性により、使用中に品質の欠陥が頻繁に生じる。そこで、PVC/アスファルト系の安定性と軟質底の快適性を兼ね備え、グリーンリサイクルと環境保護の科学的概念を取り入れた素材の作成に取り組んでいる。
【0003】
繊維の生産や加工において、色ブレ、物性異常、色替え過渡により一部の不良品が発生することがあるが、これらの不良品は正常なカーペットの生産には使用できないので、通常、廃棄するか、又は切断してリサイクルする。切断及びリサイクルとは、繊維を切断した後、高温で溶融して、次に造粒し、さらに高温で溶融し、必要に応じて他の製品を製造することである。しかし、このようなリサイクル方法では、切断、溶融、造粒、成形などの設備を利用する必要があり、これらの高出力設備は大量のエネルギーを消費する必要があり、高頻度の作業は大量の人的資源を必要とする。しかも繊維を切断する過程において、大量の毛屑や粉塵が生じて、作業員の体に損害をもたらし、これに起因する二次汚染及び大量のエネルギー消費は、環境に対して不可逆的な悪影響を及ぼしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、糸の再生過程におけるエネルギー消費及び二次汚染を低減するとともに、材質が柔軟であり、快適性が高く、弾性に優れ、物性が安定し、優れた断熱効果があるなどの利点を兼ね備える、再生糸を用いて製造したカーペットを提供することである。
【0005】
また、本発明が解決しようとする技術的課題は、上記再生糸を用いて製造したカーペットの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
再生糸を用いて製造した軟質底カーペットであり、上から下の順に、カーペット繊維層、再生繊維層を設けている。カーペット繊維層はカーペット繊維と第1長繊維不織布を含み、前記カーペット繊維が第1長繊維不織布にタフティングされている。再生繊維層は再生繊維と第2長繊維不織布を含み、前記再生繊維が第2長繊維不織布にタフティングされている。カーペット繊維層及び再生繊維層は、タフティングされたパイル面には各種のループパイル、カットパイルやループパイルとカットパイルの混合スタイルが含まれる。
【0007】
前記カーペット繊維層と再生繊維層は固着される。
【0008】
前記カーペット繊維の材質が、PP、PET、PTT、ナイロン、PO又はウール、好ましくは、ナイロン又はPPである。
【0009】
前記第1長繊維不織布及び第2長繊維不織布は、70~150g/m、好ましくは90~100g/mである。
【0010】
前記カーペット繊維層と再生繊維層は接着剤により接着される。
【0011】
前記接着剤の材質が、PVC、アスファルト、PO、PU、PE、又はEVA、好ましくはPOである。
【0012】
前記カーペット繊維層と再生繊維層との間にラテックス層が設けられている。
【0013】
前記ラテックス層の材質が、EVA、水性PU、アクリル、又はSBR、好ましくはSBRである。
【0014】
前記再生繊維層の下に不織布層が設けられている。
【0015】
前記再生繊維層と不織布層は接着剤により接合されている。
【0016】
前記不織布のグラム重量が50~1200g/m、好ましくは50~300g/mである。
【0017】
前記不織布層の熱収縮率が2%未満である。
【0018】
前記再生繊維層におけるパイル面のパイル数が100000本/m以下である。
【0019】
再生糸を用いて製造した軟質底カーペットの製造方法には、下記のステップが含まれる:
(1)カーペット繊維を第1長繊維不織布にタフティングして、カーペット繊維層を得て、前記カーペット繊維の材質がPP、PET、PTT、ナイロン、PO又はウールであるカーペット繊維のタフティングステップと、
(2)水性ラテックスSBR、抗菌剤、炭酸カルシウム、発泡剤を62~100:0~1:0~35:0~2、好ましくは65~70:0~1:28~35:0~1の質量比で均一に混合し、発泡機を用いて発泡倍率1.2~10倍、好ましくは1.5~3倍で空気発泡を行い、カーペット繊維層の裏面に均一に塗布し、塗布量は50~800g/m、好ましくは80~350g/mのドライ接着剤量で、乾燥し、ラテックス層を得るラテックスのプレコート・乾燥ステップと、
(3)再生繊維を分類し、再生繊維を850D~4000Dの太い再生繊維に合糸し、太い再生繊維を第2長繊維不織布にタフティングし、再生繊維層を得て、前記再生繊維層におけるパイル面のパイル密度が具体的には100000本/m~450000本/mであり、パイル高さが、具体的には2.5mm~12mm、好ましくは3.5mm~6.5mmであり、再生繊維層を得る再生繊維のタフティングステップと、
(4)PO、炭酸カルシウムを20~45:55~80、好ましくは20~30:70~80の質量比で投入した後、加熱溶融し、均一に撹拌し、冷却して造粒し、PO-炭酸カルシウム接着剤チップを得、タイルカーペット貼合機に投入し、130~220℃で加熱溶融し、次に押出機で再生繊維層のパイル面に平らに塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて高さ0.5mm~1.0mm、好ましくは0.5mm~0.8mmまで掻き上げ、PO、炭酸カルシウム接着剤の使用量を1平方メートル当たり150~2000g/m、好ましくは500~800g/mとし、再生繊維タフテッド層と不織布層とを結合し、ローラーで押圧し、5~30℃で冷却し、再生繊維タフテッド軟質底層を形成する再生繊維タフテッド軟質底層の形成ステップと、
(5)PO、炭酸カルシウムを25~50:50~75、好ましくは25~35:65~75の質量比で加熱溶融し、冷却して造粒し、PO-炭酸カルシウム接着剤チップを得、タイルカーペット貼合機に投入し、130~220℃で加熱溶融し、次に押出機で再生繊維タフテッド軟質底層のタフテッド裏面に平らに塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて余分な部分を掻き取り、カーペット繊維タフテッド層のラテックス面に接着され、PO-炭酸カルシウム接着剤の使用量を1平方メートルあたり500g/m~2500g/m、厚さを0.8mm~1.5mmに制御し、接着後ローラーで押圧し、5~30℃の冷却ボックスに投入して冷却するカーペット繊維層と再生繊維層との接着ステップと、を含む。
ステップ(2)において、前記乾燥条件は、乾燥温度140~200℃、乾燥時間2~8分間である。
【0020】
前記再生糸は、糸繊維の材質に応じて、リサイクル分類と生産を行う必要がある。同じ材質の再生繊維は、さらに、繊維の太さ(デニール数D)によって分類する必要もあり、デニール数が同じ又は近しい繊維をグループ化でき、デニール数が異なるか、又はデニール数の差が大きい繊維は個別に管理する必要がある。タフティングに必要な繊維の太さに応じて、細い繊維は、合糸によりタフテッド繊維の太さに一致させるかまたは近づけ、第2長繊維不織布にタフティングすることができる。同一ロールの再生繊維層に使用される繊維の熱収縮率がほぼ一致し、且つ熱収縮率が±3%以内に維持される必要がある。
【0021】
糸繊維の製造過程で製品の色ブレ、物性偏差、色替え過渡などにより不良品が発生するが、本発明の前記再生繊維は、このような色ブレ、物性偏差、色替え過渡によって使用不能になる繊維である。従来技術では、直接廃棄するか、又は切断してリサイクルするが、直接廃棄すると原料の無駄になり、生産コストが増加する。本発明では、再生繊維の材質に応じてPP、ナイロン、PET、PTT、PO、ウールなどのカテゴリに分類し、不良品の繊維の太さ及び熱収縮率に応じて分類する。同じ材質の再生繊維は、さらに、繊維の太さ(デニール数D)に応じて分類する必要もあり、デニール数が同じ又は近しい繊維をグループ化でき、デニール数が異なるか、又はデニール数の差が大きい繊維は個別に管理する必要がある。タフティングに必要な繊維の太さに応じて、細い繊維は合糸によりタフテッド繊維の太さに一致させるかまたは近づけ、第2長繊維不織布にタフティングすることができる。例えばナイロン再生繊維を採用し、1100Dの糸を2本で2200Dに撚り、680Dの糸を3本で2040Dの糸に撚り、それぞれ使用する。同一ロールの再生繊維層に使用される繊維の熱収縮率がほぼ一致し、且つ熱収縮率が±3%以内に維持される必要がある。
【0022】
このように分類することは、繊維の原料、太さ、高さ、密度が均一で、製造過程全体において一致することを確保するためである。再生繊維層の使用中の平坦性を確保するために、カーペットタフトプロセスにおいてパイルの高さを厳密に制御する必要があり、高さは±2mm以内である必要があり、製品のバッチ全体の快適性や柔らかさの一致性を確保するようにする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、エコ、環境保護の概念に基づいて、従来のカーペットの製造プロセスにおいて、PVCやアスファルトの使用量を可能な限り削減し、さらにこれらの原料を使用せず、よりグリーンで環境に優しい、安全で快適なカーペットを製造することができる。
【0024】
本発明は、材質が柔軟であり、快適性が高く、弾性に優れ、物性が安定し、優れた断熱効果があるなどの利点を有する。これに加えて、本発明は自社の不良品繊維の廃棄を防ぐことができるだけでなく、他のメーカーが製造した不良品を利用することができ、業界の既存の設備を利用し、他の設備を増やすことなく、上記不良品をそのままカーペットに使用し、これにより、省エネや排出削減を最大限に本格的に実現することができる。
【0025】
本発明は、長繊維不織布に再生繊維をタフティングして立体繊維構造とすることにより、熱膨張及び冷収縮環境に対する従来の不織布素材の製造技術による横方向又は縦方向の深刻な影響を軽減し、この立体構造は、カーペットの素材として使用されると、安定性が良く、柔らかさ及び弾性回復性を向上させ、カーペット全体の安定効果をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の構造模式図である。
図2】本発明の製造過程の模式図である。
図3】本発明の製造過程の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の技術的解決手段についてさらに説明する。
【0028】
図1において、1はカーペット繊維、2は第1長繊維不織布、3は第1樹脂接着層、4は第2長繊維不織布、5は再生繊維、6は第2樹脂接着層、7はラテックス層、8は不織布である。
【0029】
再生糸を用いて製造した軟質底カーペットであり、上から下の順にカーペット繊維層、再生繊維層設けられている。カーペット繊維層はカーペット繊維と第1長繊維不織布を含み、前記カーペット繊維が第1長繊維不織布にタフティングされている。再生繊維層は再生繊維と第2長繊維不織布を含み、前記再生繊維が第2長繊維不織布にタフティングされている。カーペット繊維層及び再生繊維層は、タフティング後、パイル面には各種のループパイル、カットパイルやループパイルとカットパイルの混合スタイルが含まれる。
【0030】
前記カーペット繊維層と再生繊維層は固着される。
【0031】
前記カーペット繊維の材質が、PP、PET、PTT、ナイロン、PO又はウールである。
【0032】
前記第1長繊維不織布及び第2長繊維不織布のグラム重量が70~150g/m、厚さが1.2mm以下、強度が10kgf以上、熱収縮率が0.9%未満であり、長繊維不織布は、横方向の寸法を常に安定することができるとともに、強度が強いことを特徴とする高品質の不織布材料であり、第1長繊維不織布及び第2長繊維不織布の材質はポリエステル繊維である。
【0033】
前記カーペット繊維層と再生繊維層は接着剤により接着される。
【0034】
前記接着剤の材質は、PVC、アスファルト、PO、PU、PE、又はEVAである。接着剤はカーペット繊維層と再生繊維層とを接着するために使用され、再生繊維層と不織布層とを接着するために使用されてもよい。接着剤として、PO材質が好ましく、POと炭酸カルシウムを25~50:50~75の質量比で混合する。
【0035】
必要に応じて配合比を変更したり、他の助剤を添加したりしてもよいが、まず、PO及び炭酸カルシウムを25~50:50~75の割合で投入した後、加熱溶融し、POを溶解させた後、炭酸カルシウムと均一に撹拌し、炭酸カルシウムを良好に分散させた後、冷却して造粒する。その後、タイルカーペット貼合機に投入する。原料を130~220℃で加熱溶融した後、タイルカーペット貼合機の投入口に投入し、押出、塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて再生繊維タフテッド軟質底のタフテッド裏面に平らに塗布し、余分な部分を除去し、カーペット繊維層のラテックス面に接着する。製造上の実際の必要に応じて、使用量は500~2500g/mに制御される。厚さは、製造上の実際の必要に応じて0.8mm~1.5mmに制御される。塗布後、5~30℃の冷却ボックスに投入して安定的に冷却し、冷却中は製品が平らであるようにする。冷却した後に完成品を裁断して製作する。
【0036】
好ましくは、前記カーペット繊維層と再生繊維層との間にラテックス層が設けられており、前記ラテックス層の材質がEVA、水性PU、アクリル、又はSBR、好ましくは、SBRである。ラテックス層を追加することで、カーペットの弾性と柔軟性が向上する。EVA、水性PU、アクリル又はSBRの塗布量はDry50g/m~800g/mであり、塗布方式は発泡と接着である。
【0037】
好ましくは、ラテックス層の処方は、質量比62~100:0~1:0~35:0~2のSBR、抗菌剤、炭酸カルシウム、発泡剤であり、この中でも、抗菌剤、炭酸カルシウム、発泡剤は必要に応じて使用される成分である。
【0038】
ラテックス層の材料の製造方法
SBR、抗菌剤、炭酸カルシウム、発泡剤を所定の配合比で撹拌槽に投入し、均一に撹拌した後、発泡機を用いて発泡させ、カーペット繊維層の裏面に均一に塗布し、余分な部分を掻き取る。脱落による外観不良を回避するために、繊維補強材として機能する。塗布量は50g/m~800g/mとされる。塗布後、5m/分の速度で140~200℃のオーブンに入れて2~8分間乾燥させ、ラテックスが完全に乾いたらカーペットを巻いておく。
【0039】
前記再生繊維層の下には、熱収縮率が2%未満、グラム重量の範囲が50~1200g/mの不織布層が設けられている。不織布層は、非必須構造であり、美観のために、またはカーペットの安定性のさらなる向上のために追加してもよい。不織布層の材質はポリエステル繊維やナイロンであってもよく、熱収縮率が2%未満であり、毛羽立ちにくく、層間剥離がなく、グラム重量が50~1200g/mである。
【0040】
実施例1:再生糸を用いて製造した軟質底カーペットの製造方法は、以下のステップを含む。
【0041】
(1)カーペット繊維のタフティング
カーペットタフト機を用いて第1長繊維不織布にナイロン繊維をタフティングし、カーペット繊維層となり、ロール状に巻き取っておく。このカーペット繊維層において、パイルを有する片面はカーペットパイル面であり、他方の面はラテックスプレコート対象となるタフテッド裏面である。
(2)ラテックスのプレコート・乾燥
環境にやさしい水性ラテックスSBRを使用し、配合比は、SBR:抗菌剤:炭酸カルシウム:発泡剤=62~100:0~1:0~35:0~2、好ましくは65~70:0~1:28~35:0~1であり、このうち、抗菌剤と発泡剤の含有量は0であってもよい。上記原料を配合比で撹拌槽に投入し、均一に撹拌した後、発泡機を用いて、発泡倍率1.2~10倍、好ましくは1.5~3.0倍で空気発泡を行い、カーペット繊維層のタフテッド裏面に均一に塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等を用いて余分なラテックスを掻き取る。塗布量を50~800g/m、好ましくは80~350g/mのドライ接着剤量に制御し、塗布後、5m/分の速度で140~200℃のオーブンにて2~8分間乾燥させ、ラテックス乾燥後、ロール状にしておく。
(3)再生繊維のタフティング
再生繊維として、合糸後850D~4000D程度となる太いナイロン繊維を用い、カーペットタフト機を用いて太さの近い繊維を第2長繊維不織布に直接タフティングし、再生繊維層を製造し、ロール状にしておく。パイル面のパイル密度が、具体的には100000本/m~450000本/mであり、パイル高さが、具体的には2.5mm~12mmである。
なお、再生繊維層は必要に応じて密着面の向きを切り替えてもよい。すなわち、再生繊維層の裏面は不織布層に接着され、再生繊維層のパイル面はカーペット繊維層のラテックス面に接着されてもよい。
(4)PO接着層(第2樹脂接着層は非必須構造である)
PO及び炭酸カルシウムを、20~45:55~80(好ましくは20~30:70~80)の割合で投入した後、加熱溶融(温度130~220℃)し、POを溶解させた後、炭酸カルシウムと均一に撹拌し、炭酸カルシウムを良好に分散させた後、冷却(温度5~30℃)して造粒(粒径4~40メッシュ未満)し、均一な溶融状態を確保することができる。原料を130~220℃で加熱溶融した後、タイルカーペット貼合機の投入口11に投入し、押出、塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等10を用いて再生繊維層のパイル面に平らに塗布し、適切な高さ0.5mm~1.0mm(好ましくは0.5mm~0.8mm)まで掻き上げ、使用量を1平方メートル当たり150~2000g/m(好ましくは500~800g/m)に制御し、再生繊維層と不織布層を結合した。ローラーで押圧し、5~30℃で安定的に冷却し、冷却中は製品が平らであるようにし、再生繊維タフテッド軟質底層を形成し、ロール状にしておく。
(5)PO接着剤層
PO及び炭酸カルシウムを、25~50:50~75の割合で投入した後、加熱溶融(温度130~220℃)し、POを溶解させた後、炭酸カルシウムと均一に撹拌し、炭酸カルシウムを良好に分散させた後、冷却(温度5~30℃)して粒径4~40メッシュ未満に造粒する。原料を130~220℃で加熱溶融した後、タイルカーペット貼合機の投入口11に投入し、押出、塗布し、ドクターナイフやドクターローラー等10を用いて再生繊維タフテッド軟質底層のタフテッド裏面に平らに塗布し、余分な部分を除去してカーペット繊維層のラテックス面に接着させる。使用量は1平方メートルあたり500g/m~2500g/m(好ましくは600~1200g/m)に制御され、厚さは高さ0.8mm~1.5mmに制御される。接着後、ローラーで押圧し、5~30℃の冷却ボックスに投入して安定的に冷却し、冷却中は製品が平らであるようにする。実際の必要に応じて、完成品である軟質底カーペットを一定の大きさに切り取る。
再生糸を用いて製造した軟質底カーペットの製造方法において、検出データは以下の通りである。
【0042】
実施例2:キャスターチェア試験の弾性回復率
サイズ500mm*500mmの完成品であるタイルカーペットに対し、厚さ測定器を用いてサンプルの全厚を測定し、有効なデータを記録した。測定したカーペットをキャスターチェアテスターの底板に載置して固定し、荷重90kgの模擬キャスターチェアの足をカーペット上に載置し、回転数を2000回転に設定して機器を作動させる。回転終了後、サンプルカーペットを取り出し、24時間水平に静置した。以上のステップが終了した後、再び厚さ測定器を用いてサンプルの全厚を測定し、有効なデータを取得した。有効なデータを比較して、弾性回復率を算出した。
【0043】
本発明の実施例1の方法を参照して、再生糸の軟質底カーペット及び非必須構造を含まない再生糸の軟質底カーペットを製造した。
【0044】
結論:パーセンテージが高いと弾性回復性が高く、弾性が良い。
【表1】
【表2】
【0045】
2 ヘキサポッドドラム試験による弾性回復率-優れた弾性についての補足データ
完成品であるタイルカーペットに対し、厚さ測定器を用いてサンプルの全厚を測定し、有効なデータを記録した。裁断してからドラムの内壁に密着させ、ヘキサポッドドラム試験機に入れ、12000回転に設定して、機器を作動させた。回転終了後、カーペットサンプルを取り出し、24時間水平に静置した。以上のステップが終了した後、再び厚さ測定器を用いて試料の全厚を測定し、有効なデータを取得した。有効なデータを比較して、弾性回復率を算出した。
【0046】
結論:パーセンテージが高いと弾性回復性が高く、弾性が良い。
【表3】
【表4】
【0047】
3 硬さテスト-柔軟な材質、高い快適性についての補足データ
サイズ500mm*500mmの完成品であるタイルカーペットに対し、25個のサンプリングポイントを均一に画定し、一定の順序に従って硬度計を用いて各サンプリングポイントのデータを測定して記録し、最終的に25個のサンプリングポイントの平均値で有効な測定データを取得した。
【0048】
結論:数値が低いと柔軟さが高く、柔らかい。
【表5】
【表6】
【0049】
4 カーペットの断熱効果-優れた断熱効果についての補足データ
完成品であるタイルカーペットを鉄板と完全に一致する大きさに裁断し、機器の鉄板を覆った。機器の温度を80℃に設定し、テストが終了するまで温度を維持した。完成品であるタイルカーペットを80℃の機器の鉄板に置いた後、直ちにそのカーペット表面の中央位置の初期温度を測定し、有効なデータを記録し、それから時間を計り、6分ごとにカーペット表面の熱伝導性温度テストを1回行い、有効なデータを記録した。
【0050】
結論:表面温度が低いと熱伝導性が悪く、断熱効果が高い。
【表7】
【表8】
図1
図2
図3
【国際調査報告】