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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-11
(54)【発明の名称】熱伝達プレート
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/00 20060101AFI20221104BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20221104BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20221104BHJP
【FI】
F28D9/00
F28F3/08 311
F28F3/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022530970
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2020080936
(87)【国際公開番号】W WO2021104815
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】19211477.5
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ノーレン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA11
3L103DD15
3L103DD57
(57)【要約】
プレート熱交換器(2)のための熱伝達プレート(8)が提供される。それは、熱伝達パターンが備わった熱伝達領域(22)を有する。熱伝達パターンは、交互に配置された細長い熱伝達山部および熱伝達谷部(36、38)と、頂面(T)内に延在する熱伝達山部(36)のそれぞれの頂部(40)と、底面(B)内に延在する熱伝達谷部(38)のそれぞれの底部(42)とを有する。熱伝達山部(36)は、熱伝達山部(36)がプレート熱交換器(2)内の隣接する第1の熱伝達プレート(48)に当接するように中に配置される、山部接触領域(52、62)を有し、熱伝達谷部(38)は、熱伝達谷部(38)がプレート熱交換器(2)内の隣接する第2の熱伝達プレート(50)に当接するように中に配置される、谷部接触領域(54、64)を有する。熱伝達領域(22)の少なくとも半分において、熱伝達山部(36)の頂部(40)は、第1の幅w1を有し、熱伝達谷部(38)の底部(42)は、第2の幅w2を有し、w1≠w2である。熱伝達プレート(8)は、熱伝達山部(36)のいくつかの第1の熱伝達山部(36a、36b)の頂部(40)が、山部接触領域(52、62)のそれぞれの第1の山部接触領域(52a、62b)において、第3の幅w3を有する点において特徴付けられ、この場合、w1>w2であるならば、w3<w1であり、またw1<w2であるならば、w3>w1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート熱交換器(2)用の熱伝達プレート(8)において、前記熱伝達プレート(8)の横方向中心軸(t)に対して垂直に延びる前記熱伝達プレート(8)の長手方向中心軸(l)に沿って連続して配置される第1の分配領域(28)、熱伝達領域(22)および第2の分配領域(34)を有し、前記熱伝達領域(22)には、前記第1の分配領域および前記第2の分配領域内のパターンと異なる熱伝達パターンが備わっており、前記第1の分配領域(28)は、上部境界線(44)に沿って前記熱伝達領域(22)に隣接しており、前記第2の分配領域(34)は、下部境界線(46)に沿って前記熱伝達領域(22)に隣接しており、前記熱伝達パターンは、細長い、交互に配置された熱伝達山部および熱伝達谷部(36、38)を有し、前記熱伝達山部(36)のそれぞれの頂部(40)は、頂部面(T)内に延在し、前記熱伝達谷部(38)のそれぞれの底部(42)は、底部面(B)内に延在し、前記頂部面(T)と前記底部面(B)は互いに対して平行であり、前記頂部面と前記底部面(T、B)との間の中間のところで、かつそれらに対して平行に延在する中心面(C)が、前記熱伝達山部と前記熱伝達谷部(36、38)との間の境界を画定しており、前記熱伝達山部(36)は、前記熱伝達山部(36)が前記プレート熱交換器(2)内の隣接する第1の熱伝達プレート(48)に当接するように中に配置される山部接触領域(52、62)を有し、前記熱伝達谷部(38)は、前記熱伝達谷部(38)が前記プレート熱交換器(2)内の隣接する第2の熱伝達プレート(50)に当接するように中に配置される谷部接触領域(54、64)を有し、前記熱伝達領域(22)の少なくとも半分において、前記熱伝達山部(36)の前記頂部(40)は、第1の幅w1を有し、前記熱伝達谷部(38)の前記底部(42)は、第2の幅w2を有し、前記頂部および前記底部(40、42)の幅は、前記熱伝達山部および前記熱伝達谷部(36、38)の長手方向延長部に対して垂直に測定されており、w1≠w2である、熱伝達プレート(8)であって、前記山部接触領域(52、62)のそれぞれの第1の山部接触領域(52a、62b)内で、前記熱伝達山部(36)のいくつかの第1の熱伝達山部(36a、36b)の前記頂部(40)は第3の幅w3を有し、w1>w2であるならば、w3<w1であり、w1<w2であるならば、w3>w1であることを特徴とする、熱伝達プレート(8)。
【請求項2】
w1>w2であるならばw3≧w2であり、w1<w2であるならばw3≦w2である、請求項1に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項3】
w1>w2であり、前記熱伝達谷部(38)のいくつかの第1の熱伝達谷部(38a、38b)の前記底部(42)は、前記谷部接触領域(54、64)のそれぞれの第1の谷部接触領域(54a、64b)内で、第4の幅w4を有し、w2<w4である、請求項1または2に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項4】
w4≦w3である、請求項3に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項5】
前記熱伝達山部(36)および前記熱伝達谷部(38)の長手方向延長部を通り、それに対して垂直な断面を基準として、前記第1の山部接触領域(52a、62b)内の前記第1の熱伝達山部(36a、36b)および前記第1の谷部接触領域(54a、64b)内の前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)は、前記中心面(C)に関して対称である、請求項3または4に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項6】
前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)の各々は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の一方から延びる、請求項3から5のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項7】
前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)の各々について、前記第1の谷部接触領域(54a、64b)は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方の最も近くに配置された前記谷部接触領域(54、64)である、請求項3から6のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項8】
前記第1の谷部接触領域(54a、64b)は、前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)のそれぞれの端部(38')に含まれ、前記端部(38')は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方から延び、前記底部(42)内で一定の幅を有する、請求項3から7のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項9】
前記熱伝達プレート(8)の右上1/4(a)、左上1/4(b)、右下1/4(c)および左下1/4(d)内にそれぞれ配置された第1の山部接触領域(52a1、52a2、52a3、52a4)のそれぞれ1つの、前記熱伝達プレート(8)の前記長手方向中心軸および前記横方向中心軸(l、t)に関する絶対位置((pt1、pl1)、(pt2、pl2)、(pt3、pl3)、(pt4、pl4))が、前記熱伝達プレート(8)の左下1/4(d)、右下1/4(c)、左上1/4(b)および右上1/4(a)内にそれぞれ配置された前記第1の谷部接触領域(54a1、54a2、54a3、54a4)のそれぞれ1つの、前記熱伝達プレート(8)の前記長手方向中心軸および前記横方向中心軸(l、t)に関する絶対位置((pt1、pl1)、(pt2、pl2)、(pt3、pl3)、(pt4、pl4))と少なくとも部分的に重なる、請求項3から8のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項10】
前記熱伝達プレートの上半分(a+b)に配置された前記第1の谷部接触領域(64bu2)のうちの1つの位置(Pt2、Pl2)の、前記熱伝達プレート(8)の前記横方向中心軸(t)を横切るミラーリングは、前記熱伝達プレート(8)の下半分(c+d)に配置された前記第1の谷部接触領域(64bl2)のうちの1つの位置(Pt2、Pl2)と少なくとも部分的に重なる、請求項3から9のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項11】
前記熱伝達プレート(8)の上半分(a+b)に配置された前記第1の山部接触領域(62bu1)のうちの1つの位置(Pt1、Pl1)の、前記熱伝達プレート(8)の前記横方向中心軸(t)を横切るミラーリングは、前記熱伝達プレート(8)の下半分(c+d)に配置された前記第1の山部接触領域(62bl1)のうちの1つの位置(Pt1、Pl1)と少なくとも部分的に重なる、請求項1から10のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項12】
前記第1の熱伝達山部(36a、36b)の各々は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の一方から延びる、請求項1から11のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項13】
前記第1の熱伝達谷部(36a、36b)の各々について、前記第1の山部接触領域(52a、62b)は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方の最も近くに配置された前記山部接触領域(52、62)である、請求項1から12のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項14】
前記第1の山部接触領域(52a、62b)は、前記第1の熱伝達山部(36a、36b)のそれぞれの端部(36')に含まれ、前記端部(36')は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方から延び、前記頂部(40)内で一定の幅を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項15】
前記上部境界線および前記下部境界線(44、46)は直線ではない、請求項1から14のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝達プレートおよびその設計に関する。
【背景技術】
【0002】
プレート熱交換器は典型的には、その間にいくつかの熱伝達プレートが、整列された様式で、すなわちスタックまたはパックで配置された2つの端部プレートで構成されていてもよい。PHEの熱伝達プレートは、同じタイプまたは異なるタイプであってよく、それらは、異なる方法で積み重ねられてよい。一部のPHEでは、熱伝達プレートは、1つの熱伝達プレートの前面および背面が他の熱伝達プレートの背面および前面にそれぞれ向いており、全ての他の熱伝達プレートは、熱伝達プレートの残りのものに対して逆さまにひっくり返された状態で積み重ねられる。典型的には、これは、熱伝達プレートが互いに対して「回転」されていると称される。他のPHEでは、熱伝達プレートは、1つの熱伝達プレートの前面および背面が他の熱伝達プレートの前面および背面にそれぞれ向いており、全ての他の熱伝達プレートは、熱伝達プレートの残りのものに対して逆さまにひっくり返された状態で積み重ねられる。典型的には、これは互いに対して「反転」されていると称される。
【0003】
よく知られたPHEの1つのタイプ、いわゆるガスケット付きPHEでは、ガスケットが熱伝達プレートの間に配置される。端部プレート、したがって熱伝達プレートは、何らかの種類の締め付け手段によって互いに向かって押しつけられ、それによりガスケットが熱伝達プレートの間を密封する。平行な流れチャネルが、熱伝達プレートの間に形成され、1つのチャネルが隣接する熱伝達プレートの各対の間にある。最初は異なる温度の2つの流体が、入口/出口を通ってPHEに/PHEから供給され、一方の流体から他方の流体に熱を伝達するために1つおきのチャネルを交互に通って流れることができ、これらの流体は、PHEの入口/出口と連通する熱伝達プレートの入口/出口ポート穴を通ってチャネルに進入する/チャネルを出て行く。
【0004】
典型的には、熱伝達プレートは、2つの端部と、中間熱伝達部分とを備える。端部は、入口ポート穴および出口ポート穴と、山部と谷部の分配パターンで押圧された分配領域とを有する。同様に熱伝達部分は、山部と谷部の熱伝達パターンで押圧された熱伝達領域を有する。熱伝達プレートの分配パターンの山部と谷部、および熱伝達パターンの山部と谷部は、接触領域において、プレート熱交換器内の隣接する熱伝達プレートの分配の山部と谷部、および熱伝達パターンの山部と谷部と接触するように配置される。熱伝達プレートの分配領域の主要な役割は、流体が熱伝達領域に到達する前に熱伝達プレートの幅を横切ってチャネルに進入する流体を広げ、流体を集め、流体が熱伝達領域を通過した後、それをチャネルから外に案内することである。反対に、熱伝達領域の主な役割は、熱の伝達である。
【0005】
分配領域および熱伝達領域は、異なる主要な役割を有するため、分配パターンは通常、熱伝達パターンと異なる。分配パターンは、隣接する熱伝達プレート間に比較的少数であるが、大きな接触領域を提供する、いわゆるチョコレートパターンなどのより「開放した」パターン設計に典型的に関連付けられる、比較的弱い流れ抵抗と、低い圧力損失を提供するようなものであってよい。熱伝達パターンは、隣接する熱伝達プレート間により多くの、但しより小さな接触領域を提供する、いわゆるヘリンボーンパターンなどのより「高密度の」パターン設計と典型的に関連付けられる、比較的強力な流れ抵抗と、高い圧力損失を提供するようなものであってよい。
【0006】
多くの用途では、PHEを通って供給されるべき2つの流体の流れは異なり、および/または2つの流体の物理的特徴は異なり、これは、最適な熱伝達のために、流体の一方を受け入れるチャネルが流体の他方を受け入れるチャネルと異なる特徴を有することを要求する場合がある。他の用途では、全てのチャネルに関して同じような特徴を有することが好ましい。市場で知られるのは、いわゆる非対称の熱伝達パターンが備わっている熱伝達プレートであり、それらが互いに対してどのように積み重ねられるかに応じて、異なるタイプのチャネルを提供することができる。図1aおよび図1bは、山部3が谷部5より幅広である点において非対称である熱伝達パターンを備える4つの熱伝達プレート1を各々図示する。図1aでは、熱伝達プレート1の山部3が、接触領域において互いに当接し、その一方で熱伝達プレート1の谷部5は、接触領域において互いに当接するように、熱伝達プレート1は、互いに対して「反転」されている。図1aから明白であるように、そのようなプレートの「反転」は、異なる特徴の、より詳細には異なる容積のチャネルを作り出す。図1bでは、熱伝達プレート1は、1つの熱伝達プレートの山部3と谷部5が接触領域において、それらが隣接する熱伝達プレート1の谷部5と山部3にそれぞれ当接するように、互いに対して「回転」されている。図1bから明白であるように、そのようなプレートの「回転」は、同様な特徴の、より詳細には同様な容積のチャネルを作り出す。
【0007】
図1aおよび図1bに図示される熱伝達プレート1を、端的な方法で、プレートが互いに対してどのように配向されるかに応じて異なるタイプのチャネルを作成するために使用することができる場合ですら、接触領域において、とりわけ、より幅の狭い谷部5がより幅広の山部3に当接する図1bに図示される回転のケースにおいて、プレートの変形が生じる可能性がある。図1bの熱伝達プレート1を備えるプレートパックの圧縮中、谷部5が山部3に「食い込み」、山部3を変形させる場合がある。これは、熱伝達プレートの圧力性能を不必要に制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2728292号
【特許文献2】国際特許第WO2017/167598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の上記で説明した問題を少なくとも部分的に解決する熱伝達プレートを提供することである。本発明の基本的な概念は、谷部の底部の幅と山部の頂部の幅との間の差を減少させ得る、熱伝達プレートの熱伝達パターンを局所的に変更することである。上記の目的を達成するための熱伝達プレートは、本明細書では単に「プレート」とも呼ばれ、添付の特許請求の範囲において定義され、以下で説明される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による熱伝達プレートは、プレート熱交換器に含まれるように配置される。それは、熱伝達プレートの長手方向中心軸に沿って連続して配置される第1の分配領域、熱伝達領域および第2の分配領域を有する。長手方向中心軸は、熱伝達プレートの横方向中心軸に対して垂直に延びる。熱伝達領域には、第1の分配領域および第2の分配領域内のパターンと異なる熱伝達パターンが備わっている。第1の分配領域は、上部境界線に沿って熱伝達領域に隣接している。同様に第2の分配領域は、下部境界線に沿って熱伝達領域に隣接している。熱伝達パターンは、細長い、交互に配置された熱伝達山部および熱伝達谷部を有する。熱伝達山部のそれぞれの頂部は、頂部面内に延在し、熱伝達谷部のそれぞれの底部は、底部面内に延在する。頂部面と底部面は互いに対して平行である。頂部面と底部面との中間のところで、かつそれらに対して平行に延在する中心面が、熱伝達山部と熱伝達谷部との間の境界を画定する。熱伝達山部は、熱伝達山部がプレート熱交換器内の隣接する第1の熱伝達プレートに当接するように中に配置される山部接触領域を有する。同様に、熱伝達谷部は、熱伝達谷部がプレート熱交換器内の隣接する第2の熱伝達プレートに当接するように中に配置される谷部接触領域を有する。熱伝達領域の少なくとも半分において、熱伝達山部の頂部は、第1の幅w1を有し、熱伝達谷部の底部は、第2の幅w2を有する。頂部および底部の幅は、熱伝達山部および熱伝達谷部の長手方向延長部に対して垂直に測定されており、w1≠w2である。熱伝達プレートは、山部接触領域のそれぞれの第1の山部接触領域内で、熱伝達山部のいくつかの第1の熱伝達山部の頂部が第3の幅w3を有する点において特徴付けられる。w1>w2であるならば、w3<w1であり、w1<w2であるならば、w3>w1である。
【0011】
プレートが特有の基準配向で平坦な表面上に置かれたとき、熱伝達山部は、中心面から上向きに突き出し、熱伝達谷部は、中心面から下向きに下がる。当然のことながら、プレートをプレート熱交換器において使用する際、熱伝達山部は、上向きに突き出す必要はないが、代わりに、例えば、下向き、または側部を指す場合がある。同様に、プレートをプレート熱交換器において使用する際、熱伝達谷部は、下向きに下がる必要はないが、代わりに、例えば、上向き、または側部を指す場合がある。当然ながら、プレートを一方の側部から見たときの熱伝達山部および熱伝達谷部は、プレートを反対の側部から見たときにそれぞれ熱伝達谷部および熱伝達山部である。同様の理論が、上部境界線および下部境界線に関して有効である。下部境界線は、熱伝達プレートの配向に応じて上部境界線より上に配置される場合がある。
【0012】
頂部面、底部面および中心面は仮想である。
【0013】
熱伝達山部の頂部は、頂部面内に延在する熱伝達山部の部分である。同様に熱伝達谷部の底部は、底部面内に延在する熱伝達谷部の部分である。
【0014】
第1の熱伝達山部の数、および第1の熱伝達山部あたりの第1の山部接触領域の数は、1つまたは複数であってよい。
【0015】
熱伝達プレートは、第1の熱伝達プレートと第2の熱伝達プレートの一方または両方と同じタイプであってよいし、あるいは同じタイプでなくてもよい。
【0016】
ここで、頂部および底部の幅について語るとき、他のことが述べられなければ、頂部および底部全体の幅を指す。例えば、熱伝達山部および熱伝達谷部の端部において、頂部および底部は、斜角をつけられてもよく、熱伝達山部および熱伝達谷部が熱伝達プレートの長手方向中心軸に対して斜めに延在する場合、全体ではない場合もあり、これは典型的なケースである。
【0017】
熱伝達山部の頂部が、熱伝達領域の少なくとも半分において熱伝達谷部の底部の幅と異なる幅を有する点において、熱伝達プレートは、熱伝達領域の少なくとも半分において中心面に関して非対称である。第1の熱伝達山部の第1の山部接触領域内で、頂部の幅は、熱伝達領域の前記少なくとも半分において熱伝達谷部の底部の幅により近づくように、またはさらにはそれと等しくなるように拡大または縮小される。これにより、本発明に従って熱伝達プレートを別の熱伝達プレートと当接させるとき、2つの熱伝達プレートの接触領域は、第1の山部接触領域内の頂部の幅の局所的変化がないケースの場合より、局所的により同じサイズになり得る。結果として、熱伝達プレートの一方が、熱伝達プレートの他方に「食い込む」リスクが低減され得る。
【0018】
熱伝達山部および熱伝達谷部は、直線であってよい。さらに、熱伝達山部および熱伝達谷部は、熱伝達プレートの横方向中心軸に対して斜めに延在してもよい。さらに、熱伝達山部および熱伝達谷部は、V字形の畝を形成してもよい。これらのV字形の畝の頂点は、熱伝達プレートの長手方向中心軸に沿って配置されてよい。
【0019】
第1の幅w1および第2の幅w2は、一定であってよい。
【0020】
熱伝達プレートは、第1の分配領域および第2の分配領域ならびに熱伝達領域を囲む外側縁部をさらに備えてよい。外側縁部は、頂部面および底部面の間およびそれらの中に延在する畝を有してよい。外側縁部の全体、またはそれの1つまたは複数の部分のみが畝を有してもよい。畝は、縁部に沿って均一に、または不均一に分散されてよく、それらは全てが同じように見えても、同じように見えなくてもよい。畝は、縁部に波状設計を与えることができる山部と谷部を画定してよい。
【0021】
熱伝達プレートは、ガスケットを受け入れるように配置されたガスケット溝をさらに備えてよい。熱伝達領域の2つの対向する長辺に沿って、ガスケット溝は熱伝達領域を境界付けるか、またはこれを限定し、熱伝達領域と外側縁部との間に延在する。
【0022】
熱伝達プレートは、w1>w2である場合、w3≧w2であってよく、これは、第1の山部接触領域内の頂部の幅が縮小されるが、熱伝達領域の前記少なくとも半分において底部の幅より小さくならないように維持されることを意味する。反対に、熱伝達プレートは、w1<w2である場合、w3≦w2であってよく、これは、第1の山部接触領域内の頂部の幅が拡大されるが、熱伝達領域の前記少なくとも半分において底部の幅より大きくならないように維持されることを意味する。w3=w2である場合、第1の山部接触領域内の頂部の幅は、熱伝達領域の前記少なくとも半分において熱伝達谷部の底部の幅と等しくなるように、拡大または縮小される。これは、熱伝達プレートを本発明に従って別の熱伝達プレートと当接させるとき、一方の熱伝達プレートが熱伝達プレートの他方のものに「食い込む」リスクを最小限にし得る。
【0023】
熱伝達プレートは、熱伝達山部および熱伝達谷部の長手方向延長部を通り、それに対して垂直な断面を基準として、第1の山部接触領域内の第1の熱伝達山部および熱伝達領域内の前記少なくとも半分における熱伝達谷部は、前記中心面に関して対称であるようなものであってよい。この実施形態は、全体的に非対称の熱伝達プレートを局所的に対称にすることができる。そしてこれは、熱伝達プレートを本発明に従って別の熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートが互いを変形させるリスクを最小限にし得る。
【0024】
熱伝達プレートは、w1>w2であるように、すなわち熱伝達山部の頂部が、熱伝達領域の少なくとも半分において熱伝達谷部の底部より幅広になるように設計されてよい。さらに、熱伝達谷部のいくつかの第1の熱伝達谷部の底部は、谷部接触領域のそれぞれの第1の谷部接触領域内で、第4の幅w4を有してよく、この場合w2<w4である。これにより、頂部の幅は、第1の熱伝達山部の第1の山部接触領域内で縮小されるのに対して、底部の幅は、第1の熱伝達谷部の第1の谷部接触領域内で拡大される。これは、頂部幅のみが局所的に変更される場合と比べて、熱伝達谷部の頂部の幅の変動をより小さくすることを可能にすることがあり、このことは、熱伝達プレートの強度を改善し、熱伝達プレートの製造を容易にすることができる。
【0025】
第1の熱伝達谷部の数および第1の熱伝達谷部あたりの第1の谷部接触領域の数は1つまたは複数であってよい。
【0026】
w1>w2であるとき、熱伝達プレートは、w4≦w3であるようなものであってよく、これは、頂部幅が、熱伝達領域内全体の底部幅より小さくならないように維持されることを意味する。w4=w3である場合、第1の熱伝達山部の第1の山部接触領域内の頂部の幅は、第1の熱伝達谷部の第1の谷部接触領域内の底部の幅と等しい。これは、熱伝達プレートを本発明に従って別の熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートの一方が他の熱伝達プレートに「食い込む」リスクを最小限にし得る。
【0027】
熱伝達山部および熱伝達谷部の長手方向延長部を通り、それに対して垂直な断面を基準として、第1の山部接触領域内の第1の熱伝達山部および第1の谷部接触領域内の第1の熱伝達谷部は、前記中心面に関して対称であってよい。この実施形態は、全体的に非対称の熱伝達プレートを局所的に対称的にすることができる。そしてこれは、熱伝達プレートを本発明に従って別の熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートが互いを変形させるリスクを最小限にし得る。
【0028】
先の説明と一致して、第1の分配領域および第2の分配領域には典型的に、隣接する熱伝達プレートの間に少数ではあるが大きな接触領域を提供するパターンが備わっており、その一方で、熱伝達領域には典型的に、隣接する熱伝達プレートの間により多くの、但しより小さい接触領域を提供するパターンが備わっている。よって、第1の分配領域および第2の分配領域内の隣接する接触領域の間の距離は典型的には、熱伝達領域内の隣接する熱伝達領域の間の距離より大きくなり得る。整列した熱伝達プレートのパックは典型的には、隣接する接触領域の間の距離は相対的に大きい場所でより弱くなる。さらに、分配領域と熱伝達領域との間の移行部において、すなわちプレートパターンが変わる場所で、接触領域は典型的には相対的に分散しており、これは、移行部において熱伝達プレートパックの強度にマイナスの影響を与える可能性がある。プレートパックがさほど頑丈でない場合、それは、プレート熱交換器の機能不全をもたらす場合がある変形をより受けやすくなる。
【0029】
したがって、熱伝達プレートは、第1の分配領域および第2の分配領域の近くで最も変形を受けやすい可能性があるため、第1の熱伝達谷部の各々は、前記上部境界線と下部境界線の一方から延びてよい。
【0030】
同様に、第1の熱伝達谷部の各々についても、プレートの変形は第1の谷部接触領域で最も起きやすいため、第1の谷部接触領域は、前記上部境界線および下部境界線のうちの前記1つに最も近づけて配置された谷部接触領域であってよい。当然ながら、第1の熱伝達谷部が1つの谷部接触領域のみを有する場合、この文脈においてはこれを指す。
【0031】
上記と一致して、第1の谷部接触領域は、第1の熱伝達谷部のそれぞれの端部に含まれてよく、この端部は、前記上部境界線と下部境界線の前記一方から延び、底部内で一定の幅を有する。そのような一実施形態は、熱伝達プレートの設計および製造を容易にし得る。
【0032】
熱伝達プレートは、熱伝達プレートの右上1/4、左上1/4、右下1/4および左下1/4内にそれぞれ配置された第1の山部接触領域のそれぞれ1つの、熱伝達プレートの長手方向中心軸および横方向中心軸に関する絶対位置が、熱伝達プレートの左下1/4、右下1/4、左上1/4および右上1/4内にそれぞれ配置された第1の谷部接触領域のそれぞれ1つの、熱伝達プレートの長手方向中心軸および横方向中心軸に関する絶対位置と少なくとも部分的に重なるように構築されてよい。長手方向中心軸および横方向中心軸は、熱伝達プレートを1/4に分割する。「右上」「左下」などは、特有の基準方向で配置され、プレート熱交換器内に配置されたとき熱伝達プレートの配向に関して全く制限をかけないとき、熱伝達プレートの上記1/4を定義するためにのみ使用される属性である。絶対位置によって、軸からの任意の方向で、すなわち軸のいずれかの側での長手方向軸および横方向軸からの特定の距離の位置を意味する。この実施形態による熱伝達プレートを、この実施形態による別の「回転された」その上の熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートの右上1/4、左上1/4、右下1/4および左下1/4内にそれぞれ配置された第1の山部接触領域の前記それぞれ1つは、その上の熱伝達プレートの左下1/4、右下1/4、左上1/4および右上1/4内にそれぞれ配置された第1の谷部接触領域のそれぞれ1つと当接してよい。同様に、この実施形態による熱伝達プレートを、この実施形態による別の「回転された」その下にある熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートの右上1/4、左上1/4、右下1/4および左下1/4内にそれぞれ配置された第1の谷部接触領域の前記それぞれ1つは、下にある熱伝達プレートの左下1/4、右下1/4、左上1/4および右上1/4内にそれぞれ配置された第1の山部接触領域のそれぞれ1つと当接してよい。
【0033】
熱伝達プレートは、熱伝達プレートの上半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの1つの位置の、熱伝達プレートの横方向中心軸を横切るミラーリングが、熱伝達プレートの下半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの1つの位置と少なくとも部分的に重なるように構築されてよい。この実施形態による熱伝達プレートを、この実施形態による別の「反転された」その下にある熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートの上半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの前記1つは、その下にある熱伝達プレートの下半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの1つと当接してよい。さらに、熱伝達プレートの下半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの前記1つは、その下にある熱伝達プレートの上半分に配置された第1の谷部接触領域のうちの1つと当接してよい。
【0034】
同様に、熱伝達プレートは、熱伝達プレートの上半分に配置された第1の山部接触領域のうちの1つの位置の、熱伝達プレートの横方向中心軸を横切るミラーリングが、熱伝達プレートの下半分に配置された第1の山部接触領域のうちの1つの位置と少なくとも部分的に重なるように構築されてよい。この実施形態による熱伝達プレートを、この実施形態による別の「反転された」その上の熱伝達プレートと当接させるとき、熱伝達プレートの上半分に配置された第1の山部接触領域のうちの前記1つは、その上の熱伝達プレートの下半分に配置された第1の山部接触領域のうちの1つと当接してよい。さらに、熱伝達プレートの下半分に配置された第1の山部接触領域のうちの前記1つは、その上の熱伝達プレートの上半分に配置された第1の山部接触領域のうちの1つと当接してよい。
【0035】
上記で説明したように、熱伝達プレートは、第1の分配領域および第2の分配領域の近くで最も変形を受けやすい可能性があるため、第1の熱伝達山部の各々は、前記上部境界線と下部境界線の一方から延びてよい。
【0036】
同様に、第1の熱伝達山部の各々について、プレート変形はここで最も生じやすいため、第1の山部接触領域は、前記上部境界線および下部境界線のうちの前記1つに最も近づけて配置された山部接触領域であってよい。当然ながら、第1の熱伝達山部が1つの山部接触領域のみを有する場合、この文脈においてはこれを指す。
【0037】
上記と一致して、第1の山部接触領域は、第1の熱伝達山部のそれぞれの端部に含まれてよく、この端部は、前記上部境界線と下部境界線の前記一方から延び、頂部において一定の幅を有する。そのような一実施形態は、熱伝達プレートの設計および製造を容易にし得る。
【0038】
上部境界線および下部境界線は、直線でなくてもよく、すなわち長手方向中心軸に対して垂直以外で延在してもよい。それにより、熱伝達プレートの曲げ強度は、上部境界線および下部境界線が直線である場合(上部境界線および下部境界線が熱伝達プレートの曲げ線として機能し得るケースである)に比べて増大され得る。
【0039】
上部境界線および下部境界線は、熱伝達領域に向かって膨らむように、湾曲されるか、またはアーチ形にされるか、または凸状にされてよい。そのような湾曲した上部境界線および下部境界線は、対応する直線の上部境界線および下部境界線より長くなり、これは、分配領域のより大きな「出口」およびより大きな「入口」をもたらす。これは、熱伝達プレートの幅方向への流体の分配、および熱伝達領域を通過した流体の収集に貢献する。これにより、分散および収集の効率が維持された状態で、分配領域をより小さくすることができる。
【0040】
発明の熱伝達プレートの上記で説明した機構の、全てではないとしても、大半の利点は、熱伝達プレートが、他の好適に構築された熱伝達プレートとプレートパック内で組み合わされた場合に現れることに留意すべきである。
【0041】
本発明のさらに他の目的、機構および態様は、以下の詳細な説明ならびに図面から明らかになるであろう。
【0042】
本発明を添付の概略的な図面を参照してより詳細に以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1a】第1の方法で積み重ねられたときの、従来技術の熱伝達プレート間に形成されるチャネルの概略図である。
図1b】第2の方法で積み重ねられたときの、図1aの熱伝達プレート間に形成されるチャネルの概略図である。
図2】プレート熱交換器の概略側面図である。
図3】本発明による熱伝達プレートの概略平面図である。
図4図3の熱伝達プレートの熱伝達パターンの全体の断面の概略図である。
図5図3の熱伝達プレートの熱伝達パターンの局所的な断面の概略図である。
図6a】第1の方法で積み重ねられたときの、より大きな熱伝達領域部分内での本発明による熱伝達プレート間に形成されるチャネルの概略図である。
図6b】第1の方法で積み重ねられたときの、より小さい熱伝達領域部分内での本発明による熱伝達プレート間に形成されるチャネルの概略図である。
図7a】第2の方法で積み重ねられたときの、より大きな熱伝達領域部分内での本発明による熱伝達プレートの間に形成されるチャネルの概略図である。
図7b】第2の方法で積み重ねられたときの、より小さい熱伝達領域部分内での本発明による熱伝達プレートの間に形成されるチャネルの概略図である。
図8図3の熱伝達プレートが、プレートパックにおいて図3による2つの他の熱伝達プレートの間に配置されたときの山部と谷部の接触領域の場所の概略図である。
図9図3の熱伝達プレートの第1の山部と谷部の接触領域の場所の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図2を参照すると、ガスケット付きプレート熱交換器2が示される。それは、第1の端部プレート4と、第2の端部プレート6と、いくつかの熱伝達プレートであって、そのうちの1つが8で示され、第1の端部プレート4と第2の端部プレート6との間にそれぞれプレートパック10で配置されたいくつかの熱伝達プレートとを備える。熱伝達プレートは、全て同じタイプであり、互いに対して「回転」されている。
【0045】
熱伝達プレートは、ガスケット(図示せず)によって互いから隔てられている。熱伝達プレートはガスケットと協働して、一方の流体または媒体から他方に熱を伝達するために2つの流体または媒体を交互に受け入れるように配置された平行チャネルを形成する。この目的のために、第1の流体は、1つおきのチャネルの中を流れるように準備され、第2の流体は、残りのチャネルの中を流れるように準備される。第1の流体は、入口12および出口14をそれぞれ通ってプレート熱交換器2に出入りする。同様に、第2の流体は、入口および出口(図では見えない)をそれぞれ通ってプレート熱交換器2に出入りする。チャネルが漏れないようにするために、熱伝達プレートは、互いに対して押しつけられる必要があり、これによりガスケットが熱伝達プレートの間を密封する。この目的のために、プレート熱交換器2は、第1の端部プレート4および第2の端部プレート6をそれぞれ互いに向かって押しつけるように構成されたいくつかの締め付け手段16を備える。
【0046】
ガスケット付きプレート熱交換器の設計および機能は、よく知られているため、本明細書では詳細に説明しない。
【0047】
熱伝達プレート8を次に、熱伝達プレート全体および熱伝達プレートの断面を図示する図3図4および図5を参照してさらに説明する。熱伝達プレート8は、所望の構造が与えられるように、従来のやり方でプレス工具においてプレスされたステンレス鋼の基本的に矩形のシートである。それは、互いに対して、および図3の図の平面に対して平行である頂部面Tと、底部面Bと、中心面C(再度図2を参照)を画定する。中心面Cは、頂部面Tと底部面Bとの間の中間に延在する。さらに熱伝達プレートは、熱伝達プレート8を右上1/4aおよび左上1/4bと、右下1/4cおよび左下1/4dに分割する、長手方向中心軸lと、横方向中心軸tとを有する。
【0048】
熱伝達プレート8は、第1の端部領域18と、第2の端部領域20と、それらの間に配置された熱伝達領域22とを有する。第1の端部領域18は、プレート熱交換器2の第1の流体のための入口12および第2の流体のための出口とそれぞれ連通するために配置された第1の流体のための入口ポート穴24と、第2の流体のための出口ポート穴26とを備える。さらに第1の端部領域18は、いわゆるチョコレートパターンの形態で分配パターンが備わった第1の分配領域28を有する。同様に、第2の端部領域20は、プレート熱交換器2の第1の流体の出口14および第2の流体の入口とそれぞれ連通するために配置された第1の流体のための出口ポート穴30と、第2の流体のための入口ポート穴32とを備える。さらに、第2の端部領域20は、いわゆるチョコレートパターンの形態で分配パターンが備わった第2の分配領域34を有する。第1の端部領域および第2の端部領域の構造は同一であるが、横方向中心軸tに関して鏡像反転されている。
【0049】
熱伝達プレート8は、第1の端部領域18と第2の端部領域20とのそれぞれ、および熱伝達領域22の周りに延在する外側縁部35をさらに有する。外側縁部35は、縁の山部37および縁の谷部39を画定するために、頂部面Tと底部面Bとの間に延在する畝を有する。熱伝達プレート8は、ガスケットを受け入れるように構成されたガスケット溝41をさらに備える。熱伝達領域22の2つの対向する長辺43および45に沿って、ガスケット溝41は、熱伝達領域22を境界付けるか、またはこれを限定し、熱伝達領域22と外側縁部35との間に延在する。ガスケット付きプレート熱交換器のガスケット溝の設計はよく知られているため、本明細書では詳細に説明しない。
【0050】
熱伝達領域22は、いわゆるヘリンボーンパターンの形態で熱伝達パターンが備わっている。それは、山部と谷部との間に移行部を画定する中心面Cに対して交互に配置された直線の細長い熱伝達山部36と、熱伝達谷部38とを有し、これらは、これ以降、単に山部と谷部とも呼ばれる。山部36と谷部38は、横方向中心軸tに対して斜めに延在し、V字形の畝を形成し、その頂点は、熱伝達プレート8の長手方向中心軸lに沿って配置される。図4および図5を参照すると、山部36のそれぞれの頂部40は、頂部面T内に延在し、その一方で谷部38のそれぞれの底部42は、底部面B内に延在する。熱伝達領域22は、上部境界線44および下部境界線46にそれぞれ沿って(図3)第1の分配領域28および第2の分配領域34に隣接する。
【0051】
以下でさらに説明するように、プレート熱交換器2において、熱伝達プレート8は、図6aおよび図6bに図示されるように、第1の熱伝達プレート48と第2の熱伝達プレート50との間に位置決めされるように配置される。そのように配置されると、熱伝達プレート8の畝付きの外側縁部35は、熱伝達プレート48および50の畝付きの外側縁部に当接することになる。さらに、熱伝達プレート8の熱伝達パターンは、図8において熱伝達プレート8の熱伝達領域22の左上部分に関して概略的に図示されるように、熱伝達プレート48および50の熱伝達パターンに交差することになる。より詳細には、プレートは、互いに対して「回転」されるため、熱伝達プレート8の山部36(より太い実線で図示される)は、山部接触領域52(その一部がより太い線で描かれた円によって図示される)において、第1の熱伝達プレート48の谷部(より細い点線で図示される)に交差し、これと当接する。さらに、熱伝達プレート8の谷部38(より細い実線で図示される)は、谷部接触領域54(その一部がより細い線で描かれた円によって図示される)において第2の熱伝達プレート50の山部(より太い点線に図示される)に交差し、これに当接する。
【0052】
全ての山部36および谷部38は、上部境界線44および下部境界線46から延びる山部および谷部を除いて、それらの長さにそって基本的に一定の断面を有し、この断面は、図4に図示される。これらの断面において、山部36の頂部40は、第1の幅w1を有し、谷部38の底部42は、第2の幅w2を有し、頂部40および底部42の幅は、山部36および谷部38の長手方向延長部に対して垂直に測定されている。w1はw2より大きく、頂部40が底部42より幅広であることを意味している。
【0053】
上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達山部36および熱伝達谷部38は、その長さに沿って変化する断面を有する。上部境界線44および下部境界線46から延びる山部36および谷部38は、熱伝達領域22(図3)の上部ストリップ56および下部ストリップ58それぞれの中で、すなわち上部境界線44および下部境界線46(上部境界線44については図8に図示されている)から延びるそれぞれの端部36'および38'の中で、図5に図示されるような断面を有する。上部ストリップ56は、均一な幅で上部境界線44に沿って、かつこれに直接隣接して延在するのに対して、下部ストリップ58は、図8において上部境界線44に対して平行に延びる点線によって上部ストリップ56に関して図示されるのと同じ均一な幅で下部境界線46に沿って、かつこれに直接隣接して延在する。上部ストリップ56および下部ストリップ58の中で、山部36の頂部40は、第3の幅w3を有し、谷部38の底部42は、第4の幅w4を有し、w3<w1およびw2<w4である。ここでw3=w4は、頂部および底部が上部ストリップ56および下部ストリップ58において、等しい幅であることを意味する。さらに、上部ストリップ56および下部ストリップ58の中で、山部36および谷部38は、中心軸Cに関して対称である。よって、上部ストリップ56および下部ストリップ58の中で、山部36および谷部38は、局所的に縮小する頂部の幅と、局所的に拡大する底部の幅をそれぞれ有する。上部ストリップ56および下部ストリップ58の外側では、上部境界線44および下部境界線46から延びる山部36および谷部38は、図4に図示されるような断面を有する、すなわち頂部幅は、底部幅を上回る。
【0054】
したがって、熱伝達領域22の上部ストリップ56および下部ストリップ58には、対称の熱伝達パターンが備わっており、その一方で、熱伝達領域の残りには、全体的に非対称の熱伝達パターンが備わっている。
【0055】
図3および図8を参照すると、上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達山部36の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)は、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された山部接触領域52を有する。本明細書では、これらの熱伝達山部および山部接触領域は、第1の熱伝達山部または単に第1の山部36aおよび第1の山部接触領域52aと呼ばれる。同様に、上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達谷部38の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)は、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された谷部接触領域54を有する。本明細書では、これらの熱伝達谷部および谷部接触領域は、第1の熱伝達谷部または単に第1の谷部38aおよび第1の谷部接触領域54aと呼ばれる。
【0056】
図面から明らかであるように、第1の分配領域28および第2の分配領域34ならびに熱伝達領域22を画定する、上部境界線44および下部境界線46は、熱伝達プレート8の横方向中心軸tに向かって湾曲され外向きに膨らむことで熱伝達プレート8の強度および流れ分散能力を改善する。この境界線の湾曲のために、上部境界線44および下部境界線46に近い隣接する山部接触領域52と谷部接触領域54との間の距離は、上部境界線および下部境界線が代わりに直線であった場合よりも長くなる可能性がある。隣接する接触領域の間の距離がより長くなることは、とりわけ熱交換器の動作中に、熱伝達プレート8が、プレート熱交換器2におけるプレートパック10内の第1の熱伝達プレート48と第2の熱伝達プレート50との間に配置されたときのプレート変形のリスクを増大させる結果になり得る。さらに、プレート変形のリスクを増大させる可能性がある別の要因は、異なる幅の頂部および底部をそれぞれ有する山部および谷部を有する非対称の熱伝達パターンである。そのような非対称の熱伝達パターンでは、変形リスクは、熱伝達プレートがプレートパック内で互いに対して「回転」される(1つの熱伝達プレートの山部の頂部および谷部の底部が、隣接する熱伝達プレートの谷部の底部および山部の頂部に当接する)場合に最も高くなる。本発明によれば、山部の頂部幅と谷部の底部幅との間の距離は、局所的に、プレート変形のリスクが最も高い上部境界線および下部境界線の近くで縮小されるか、またはさらに抹消され、このことはプレート変形のリスクを低減させる。これにより、熱伝達プレートの強度が改善され、その一方で、熱伝達プレートは、熱伝達領域の大部分にわたるその非対称特性およびその全体の非対称特徴を維持する。熱伝達パターンが中で局所的に変更される上部ストリップおよび下部ストリップは、上部境界線および下部境界線から延びる山部の少なくとも大多数のための少なくとも1つの山部接触領域と、上部境界線および下部境界線から延びる谷部の少なくとも大多数のための少なくとも1つの谷部接触領域とを含むように十分に幅広に作成される。同時に、熱伝達パターンが中で局所的に変更される上部ストリップおよび下部ストリップは、熱伝達パターンの非対称特徴に対してほとんど影響を与えないだけの狭い幅で作成される。
【0057】
熱交換器2のプレートパック10において、第1の熱伝達プレート48および第2の熱伝達プレート50は、熱伝達プレート8に対して「回転」されて配置される。結果として、熱伝達プレート8の右上1/4aおよび左上1/4bならびに右下1/4cおよび左下1/4d内の山部36は、山部接触領域52において、熱伝達プレート48の谷部接触領域内の左下1/4および右下1/4ならびに左上1/4および右上1/4内の谷部とそれぞれ当接する。さらに、熱伝達プレート8の右上1/4aおよび左上1/4bならびに右下1/4cおよび左下1/4d内の谷部38は、谷部接触領域54において、熱伝達プレート50の山部接触領域内の左下1/4および右下1/4ならびに左上1/4および右上1/4内の山部にそれぞれ当接する。プレートパック10において、プレート8の上部ストリップ56は、プレート48および50の下部ストリップの間に配置され、その一方で、プレート8の下部ストリップ58は、プレート48および50の上部ストリップの間に配置される。局所的に変更された断面のプレートの部分は、互いに当接するべきであり、すなわち熱伝達プレート8の第1山部接触領域および谷部接触領域は、熱伝達プレート48および50の第1の谷部接触領域および山部接触領域と当接するべきである。この目的のために、プレート8、48、および50は、長手方向中心軸lおよび横方向中心軸tに関して同じに見えるため、熱伝達プレート8の右上1/4a、左上1/4b、右下1/4cおよび左下1/4d内のそれぞれの第1の山部接触領域52aの絶対位置は、熱伝達プレート8の左下1/4d、右下1/4c、左上1/4bおよび右上1/4a内にそれぞれ配置された第1の谷部接触領域54aの絶対位置と少なくとも部分的に重なる。これは、長手方向中心I軸および横方向中心軸tから第1の谷部接触領域54a1、54a2、54a3および54a4と同じ距離(pt1、pl1)、(pt2、pl2)、(pt3、pl3)および(pt4、pl4)に配置された第1の山部接触領域52a1、52a2、52a3および52a4に関して図9に図示される。
【0058】
図6aおよび図6bは、プレート熱交換器2のプレートパック10の内部で、熱伝達プレート8、48、および50の熱伝達領域の上部ストリップおよび下部ストリップ内(図6b)および上部ストリップおよび下部ストリップの外側(図6a)がどのように見えるかを図示する。図6aおよび図6bは、明確さのために簡素化されており、異なるプレートの山部および谷部は、互いに対して斜めに延在しており、図面によって指示されるような平行ではないため、プレートパックの本当の断面を描いてはいない。先に述べたように、熱伝達領域22において、プレート8の山部36の頂部40および谷部38の底部42は、プレート48および50の谷部の底部および山部の頂部にそれぞれ当接する。図6aを参照すると、上部ストリップおよび下部ストリップの外側では、プレートの山部の頂部は、プレートの谷部の底部より幅広である。図6bを参照すると、上部ストリップおよび下部ストリップの中では、プレートの山部の頂部およびプレートの谷部の底部は、プレート変形が最も生じやすい場所でのそのリスクを低減するために等しい幅である。プレート8と48とは、容積V1のチャネルを形成し、プレート8と50とは、容積V2のチャネルを形成し、この場合V1はV2と等しい。
【0059】
互いに対して「回転」される代わりに、プレートパック内のプレートは、図7aおよび図7bに図示されるように、互いに対して「反転」され得る。そのように配置されると、熱伝達プレート8の熱伝達パターンは、図8において熱伝達プレート8の熱伝達領域22の左上部分に関して概略的に図示されるように、熱伝達プレート48および50の熱伝達パターンに交差する。より詳細には、プレートは互いに対して「反転」されるため、熱伝達プレート8の山部36(より太い実線で図示される)は、山部接触領域62(その一部がより太い線で描かれた正方形によって図示される)において、第1の熱伝達プレート48の山部(より太い点線によって図示される)に交差し、これに当接する。さらに、熱伝達プレート8の谷部38(より細い実線で図示される)は、谷部接触領域64(その一部がより細い線で描かれた正方形によって図示される)において、第2の熱伝達プレート50の谷部(より細い点線によって図示される)に交差し、これに当接する。
【0060】
明らかに、熱伝達プレート8の山部接触領域および谷部接触領域の位置は、熱伝達プレートがプレートパック内で互いに対して「回転」されるか、または「反転」されるように配置されるかどうかに左右される。
【0061】
図3および図8を参照すると、上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達山部36の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)は、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された山部接触領域62を有する。本明細書では、熱伝達山部および山部接触領域は、第1の熱伝達山部または単に第1の山部36bおよび第1の山部接触領域62bとして参照される。同様に上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達谷部38の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)は、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された谷部接触領域64を有する。本明細書では、これらの熱伝達谷部および谷部接触領域は、第1の熱伝達谷部または単に第1の谷部38bおよび第1の谷部接触領域64bと呼ばれる。
【0062】
先に述べたように、第1の熱伝達プレート48および第2の熱伝達プレート50が熱伝達プレート8に対して「反転」されて配置されている場合、熱伝達プレート8の山部36は、山部接触領域62内で、熱伝達プレート48の山部接触領域内の山部と当接する。さらに、熱伝達プレート8の谷部38は、谷部接触領域64内で、熱伝達プレート50の谷部接触領域内の谷部と当接する。プレート8の上部ストリップ56は、プレート48および50の下部ストリップの間に配置され、その一方で、プレート8の下部ストリップ58は、プレート48および50の上部ストリップの間に配置される。局所的に変更された断面のプレートの部分は互いに当接するべきであり、すなわち熱伝達プレート8の第1の山部接触領域および谷部接触領域は、熱伝達プレート48および50の第1の山部接触領域および第1の谷部接触領域と当接するべきである。この目的のために、プレート8、48、および50は同じように見えるため、熱伝達プレート8の上半分、すなわち左上1/4aおよび右上1/4b内に配置された第1の谷部接触領域64bの位置の、熱伝達プレート8の横方向中心軸tを横切るミラーリングは、熱伝達プレート8の下半分、すなわち左下1/4cおよび右下1/4d内に配置された第1の谷部接触領域64bの位置と少なくとも部分的に重なる。同様に、熱伝達プレート8の上半分、すなわち左上1/4aおよび右上1/4b内に配置された第1の山部接触領域62bの位置の、熱伝達プレート8の横方向中心軸tを横切るミラーリングは、熱伝達プレート8の下半分、すなわち左下1/4cおよび右下1/4d内に配置された第1の山部接触領域62bの位置と少なくとも部分的に重なる。
【0063】
これは、長手方向中心軸lおよび横方向中心軸tから同じ距離(Pt1、Pl1)に配置された第1の山部接触領域62bu1および62bl1、ならびに長手方向中心軸lおよび横方向中心軸tから同じ距離(Pt2、Pl2)に配置された谷部接触領域64bu2および64bl2に関して図9に図示されている。
【0064】
図7aおよび図7bは、プレートが互いに対して「回転」される代わりに「反転」される、プレートパックの内部で、熱伝達プレート8、48、および50の熱伝達領域の上部ストリップおよび下部ストリップ内(図7b)およびその外側(図7a)がどのように見えるかを図示している。図6aおよび図6bと同様に、図7aおよび図7bも、明確さのために簡素化されており、プレートパックの本当の断面を描いていない。先に述べたように、熱伝達領域22において、プレート8の山部36の頂部40および谷部38の底部42は、プレート48および50の山部の頂部および谷部の底部にそれぞれ当接する。図7aを参照すると、上部ストリップおよび下部ストリップの外側では、プレートの山部の頂部は、プレートの谷部の底部より幅広である。図7bを参照すると、上部ストリップおよび下部ストリップ内では、プレートの山部の頂部およびプレートの谷部の底部は等しい幅である。プレート8と48とは、容積V3のチャネルを形成し、プレート8と50とは、容積V4のチャネルを形成し、この場合V3<V4である。
【0065】
よって、熱伝達プレート8は、「回転」配置のための一セットの山部接触領域52および谷部接触領域54と、「反転」配置のための一セットの山部接触領域62および谷部接触領域64とを有する。上部ストリップ56および下部ストリップ58は好ましくは、上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達山部36の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)が、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された山部接触領域52および山部接触領域62を含むように十分幅広に作成される。これらの熱伝達山部はこのとき、第1の山部36aならびに第1の山部36bである。同様に、上部ストリップ56および下部ストリップ58は好ましくは、上部境界線44および下部境界線46から延びる熱伝達谷部38の少なくとも一部(ここでは、おそらく最も外側のものを除く全て)が、上部ストリップ56および下部ストリップ58内に配置された谷部接触領域54および谷部接触領域64を含むように十分幅広に作成される。これらの熱伝達谷部はこのとき、第1の谷部38aならびに第1の谷部38bである。同時に、上部ストリップ56および下部ストリップ58は、熱伝達プレートの非対称特徴を可能な最大の度合いに維持するために、できるだけ幅が狭くなるように作成される。
【0066】
熱伝達プレート8は、交互に配置された山部36および谷部38の熱伝達パターンが備わった熱伝達領域22を有する。熱伝達領域の上部ストリップ56および下部ストリップ58の外側では、熱伝達パターンは、山部36の頂部40が谷部38の底部42より幅広であるという点において非対称である。上部ストリップおよび下部ストリップ内では、山部の頂部の幅が縮小されるのに対して、谷部の底部の幅は拡大されて、頂部および底部に等しい幅を与え、熱伝達パターンを局所的に対称にする。代替の実施形態では、上部ストリップおよび下部ストリップ内の頂部および底部の幅は、等しい必要はないが、上部ストリップおよび下部ストリップの外側ほどは違いがない場合がある。頂部幅はさらに、上部ストリップおよび下部ストリップの外側で底部幅より大きくなる場合があり、上部ストリップおよび下部ストリップ内で底部幅より小さくなる場合もある。さらに、上部ストリップ56および下部ストリップ58内の頂部幅と底部幅の両方を変更する代わりに、それらの一方のみが変更される場合がある。一例として、上部ストリップおよび下部ストリップ内で、谷部の底部の幅が拡大され得るのに対して、山部の頂部の幅は維持される場合がある。あるいは、上部ストリップおよび下部ストリップ内で、山部の頂部の幅が縮小され得るのに対して谷部の底部の幅は維持される場合がある。またここでは、頂部幅および底部幅は、上部ストリップおよび下部ストリップ内で等しい場合もあるが、その必要はない。さらに、頂部幅と底部幅が等しい場合、熱伝達山部および熱伝達谷部の長手方向延長部を通り、それに対して垂直な断面を参照すると、ここでもまた山部および谷部は、上部ストリップおよび下部ストリップ内で中心面を基準に対称な場合がある。
【0067】
本発明の上記に説明した実施形態は、例としてのみ見るべきである。当業者は、説明された実施形態は、発明の概念から逸脱することなく、いくつかの方法で変更され、組み合わされ得ることを認識している。
【0068】
一例として、熱伝達パターンが中で局所的に変更される上部ストリップおよび下部ストリップは、それらの延長部に沿って均一な幅である必要はなく、および/または連続する必要はないが、断続的である場合がある。したがって、上部境界線および下部境界線から延びる全ての熱伝達山部および熱伝達谷部が局所的に変更された断面を有する必要はない。
【0069】
さらに、熱伝達パターンが中で局所的に変更される上部ストリップおよび下部ストリップは、それらの延長部の一部または全体に沿って上部境界線および下部境界線を境界付ける必要はないが、上部境界線および下部境界線から隔てられる場合がある。
【0070】
さらに、熱伝達パターンを、上部境界線および下部境界線の近くで局所的に変更させる必要すらないが、代わりに、熱伝達領域内のどこか他の場所で、例えば熱伝達プレートの長手方向中心軸に沿って、熱伝達パターンのV字形の畝の頂点の近くで、または熱伝達領域の長手方向縁部の近くで変更させる場合がある。
【0071】
上記で指定したチョコレートタイプの分配パターンおよびヘリンボーンタイプの熱伝達パターンは、単なる例示である。当然ながら、本発明は他のタイプのパターンと関連して適用可能である。例えば熱伝達パターンは、V字形の畝を有し、各畝の頂点が熱伝達プレートの1つの長辺から別の長辺の方を向く場合がある。さらに、熱伝達山部および熱伝達谷部は、図面に図示される断面を有する必要はない。一例として、熱伝達山部および熱伝達谷部は、国際特許第WO2017/167598号に例示されるような「ショルダ」を形成する場合がある。分配領域内の分配パターンが、対称または非対称のいずれかであり得るとも述べられるべきである。
【0072】
上記に説明したプレート熱交換器は、平行対向流タイプであり、すなわち各流体のための入口および出口が、プレート熱交換器の同じ半分の部分に配置され、流体は、熱伝達プレートの間のチャネルを通って反対方向に流れる。当然ながら、プレート熱交換器は代わりに、斜流タイプおよび/または並行流タイプである場合がある。
【0073】
上記のプレート熱交換器は、1つのプレートタイプのみを有する。当然ながら、プレート熱交換器は代わりに、例えば熱伝達山部および谷部の異なる勾配など、異なる熱伝達パターンを有する2つのタイプなど、交互に配置された2つ以上の異なるタイプの熱伝達プレートを有する場合がある。
【0074】
熱伝達プレートは、矩形である必要はないが、直角の角の代わりに丸みをおびた角を有する基本的に矩形、円形または楕円など、他の形状を有する場合がある。熱伝達プレートは、ステンレス鋼で作成される必要はないが、チタンまたはアルミニウムなどの他の材料で作成される場合がある。
【0075】
本発明は、全体が溶接された、半分溶接された、融着された、および蝋付けされたプレート熱交換器など、ガスケット付きのものではない、他のタイプのプレート熱交換器と接続して使用される場合がある。
【0076】
上部境界線および下部境界線は、湾曲される必要はないが、他の形態を有する場合がある。例えば、それらは直線またはジグザグに成形される場合がある。
【0077】
熱伝達プレートの熱伝達領域は、上部境界線および下部境界線を境界付けし、熱伝達領域の残りの部分とは異なるパターンが備わった上部移行帯および下部移行帯を有する場合があり、この場合、上部ストリップおよび下部ストリップは、上部移行帯および下部移行帯の中に含まれることになる。そのような移行帯は、例えば、欧州特許第2728292号による熱伝達プレートの移行領域のように設計することができる。
【0078】
属性前方、後方、上部、下部、第1、第2、第3などは、細部を単に区別するために本明細書で使用されており、細部同士のいかなる種類の配向または相互順序も表していないことに留意されたい。
【0079】
さらに、本発明に関連しない詳細の説明は省略されており、図面は、単に概略的であり、縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。図面の一部は他のものより簡素化されていることも述べるべきである。したがって、一部の構成要素は、ある図面では図示されているが、別の図面では、除外されている場合がある。
【符号の説明】
【0080】
1 熱伝達プレート
3 山部
4 第1の端部プレート
5 谷部
6 第2の端部プレート
8 熱伝達プレート
10 プレートパック
12 入口
14 出口
16 締め付け手段
18 第1の端部領域
20 第2の端部領域
22 熱伝達領域
24 第1の流体のための入口ポート穴
26 第2の流体のための出口ポート穴
28 第1の分配領域
30 第1の流体のための出口ポート穴
32 第2の流体のための入口ポート穴
34 第2の分配領域
35 外側縁部
36 熱伝達山部
36a 第1の山部
36b 第1の山部
36' 端部
37 縁の山部
38 熱伝達谷部
38a 第1の谷部
38b 第1の谷部
38' 端部
39 縁の谷部
40 山部の頂部
42 谷部の底部
41 ガスケット溝
43、45 長辺
44 上部境界線
46 下部境界線
48 第1の熱伝達プレート
50 第2の熱伝達プレート
52 山部接触領域
52a 第1の山部接触領域
54 谷部接触領域
54a 第1の谷部接触領域
56 上部ストリップ
58 下部ストリップ
62 山部接触領域
62b 第1の山部接触領域
64 谷部接触領域
64b 第1の谷部接触領域
a 右上1/4
b 左上1/4
c 右下1/4
d 左下1/4
t 横方向中心軸
l 長手方向中心軸
B 底部面
C 中心面
T 頂部面
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
図1aおよび図1bに図示される熱伝達プレート1を、端的な方法で、プレートが互いに対してどのように配向されるかに応じて異なるタイプのチャネルを作成するために使用することができる場合ですら、接触領域において、とりわけ、より幅の狭い谷部5がより幅広の山部3に当接する図1bに図示される回転のケースにおいて、プレートの変形が生じる可能性がある。図1bの熱伝達プレート1を備えるプレートパックの圧縮中、谷部5が山部3に「食い込み」、山部3を変形させる場合がある。これは、熱伝達プレートの圧力性能を不必要に制限する。欧州特許第2886997号は熱伝達プレートの縁に向かう方向に先細になっている交互に配置された山部および谷部を含むように波形にされた縁部を含む熱伝達プレートを開示している。欧州特許第2741041号は、熱交換通路を形成する部分に、交互に提供される複数の上部と複数の下部を含む波形の中央部分を含む伝熱板を開示している。伝熱板はまた、波形中央部分に接続された波形端部を含む。波形中央部の上部は、波形端部の上部ポートより幅が広くなっている。欧州特許第0014066号は、幅および/または深さが流れ方向を横切る方向に変化する山部および谷部を規定する波形を備えた熱伝達プレートを開示している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2728292号
【特許文献2】国際特許第WO2017/167598号
【特許文献3】欧州特許第2886997号
【特許文献4】欧州特許第2741041号
【特許文献5】欧州特許第0014066号
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明による熱伝達プレートは、プレート熱交換器に含まれるように配置される。それは、熱伝達プレートの長手方向中心軸に沿って連続して配置される第1の分配領域、熱伝達領域および第2の分配領域を有する。長手方向中心軸は、熱伝達プレートの横方向中心軸に対して垂直に延びる。熱伝達領域には、第1の分配領域および第2の分配領域内のパターンと異なる熱伝達パターンが備わっている。第1の分配領域は、上部境界線に沿って熱伝達領域に隣接している。同様に第2の分配領域は、下部境界線に沿って熱伝達領域に隣接している。熱伝達パターンは、細長い、交互に配置された熱伝達山部および熱伝達谷部を有する。熱伝達山部および熱伝達谷部は、熱伝達プレートの横方向中心軸に対して斜めに延在する。熱伝達山部のそれぞれの頂部は、頂部面内に延在し、熱伝達谷部のそれぞれの底部は、底部面内に延在する。頂部面と底部面は互いに対して平行である。頂部面と底部面との中間のところで、かつそれらに対して平行に延在する中心面が、熱伝達山部と熱伝達谷部との間の境界を画定する。熱伝達山部は、熱伝達山部がプレート熱交換器内の隣接する第1の熱伝達プレートに当接するように中に配置される山部接触領域を有する。同様に、熱伝達谷部は、熱伝達谷部がプレート熱交換器内の隣接する第2の熱伝達プレートに当接するように中に配置される谷部接触領域を有する。熱伝達領域の少なくとも半分において、熱伝達山部の頂部は、第1の幅w1を有し、熱伝達谷部の底部は、第2の幅w2を有する。頂部および底部の幅は、熱伝達山部および熱伝達谷部の長手方向延長部に対して垂直に測定されており、w1≠w2である。熱伝達プレートは、山部接触領域のそれぞれの第1の山部接触領域内で、熱伝達山部のいくつかの第1の熱伝達山部の頂部が第3の幅w3を有する点において特徴付けられる。w1>w2であるならば、w3<w1であり、w1<w2であるならば、w3>w1である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート熱交換器(2)用の熱伝達プレート(8)において、前記熱伝達プレート(8)の横方向中心軸(t)に対して垂直に延びる前記熱伝達プレート(8)の長手方向中心軸(l)に沿って連続して配置される第1の分配領域(28)、熱伝達領域(22)および第2の分配領域(34)を有し、前記熱伝達領域(22)には、前記第1の分配領域および前記第2の分配領域内のパターンと異なる熱伝達パターンが備わっており、前記第1の分配領域(28)は、上部境界線(44)に沿って前記熱伝達領域(22)に隣接しており、前記第2の分配領域(34)は、下部境界線(46)に沿って前記熱伝達領域(22)に隣接しており、前記熱伝達パターンは、細長い、交互に配置されていると共に前記熱伝達プレート(8)の横方向中心軸(l)に対して斜めに延在する熱伝達山部および熱伝達谷部(36、38)を有し、前記熱伝達山部(36)のそれぞれの頂部(40)は、頂部面(T)内に延在し、前記熱伝達谷部(38)のそれぞれの底部(42)は、底部面(B)内に延在し、前記頂部面(T)と前記底部面(B)は互いに対して平行であり、前記頂部面と前記底部面(T、B)との間の中間のところで、かつそれらに対して平行に延在する中心面(C)が、前記熱伝達山部と前記熱伝達谷部(36、38)との間の境界を画定しており、前記熱伝達山部(36)は、前記熱伝達山部(36)が前記プレート熱交換器(2)内の隣接する第1の熱伝達プレート(48)に当接するように中に配置される山部接触領域(52、62)を有し、前記熱伝達谷部(38)は、前記熱伝達谷部(38)が前記プレート熱交換器(2)内の隣接する第2の熱伝達プレート(50)に当接するように中に配置される谷部接触領域(54、64)を有し、前記熱伝達領域(22)の少なくとも半分において、前記熱伝達山部(36)の前記頂部(40)は、第1の幅w1を有し、前記熱伝達谷部(38)の前記底部(42)は、第2の幅w2を有し、前記頂部および前記底部(40、42)の幅は、前記熱伝達山部および前記熱伝達谷部(36、38)の長手方向延長部に対して垂直に測定されており、w1≠w2である、熱伝達プレート(8)であって、前記山部接触領域(52、62)のそれぞれの第1の山部接触領域(52a、62b)内で、前記熱伝達山部(36)のいくつかの第1の熱伝達山部(36a、36b)の前記頂部(40)は第3の幅w3を有し、w1>w2であるならば、w3<w1であり、w1<w2であるならば、w3>w1であることを特徴とする、熱伝達プレート(8)。
【請求項2】
w1>w2であるならばw3≧w2であり、w1<w2であるならばw3≦w2である、請求項1に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項3】
w1>w2であり、前記熱伝達谷部(38)のいくつかの第1の熱伝達谷部(38a、38b)の前記底部(42)は、前記谷部接触領域(54、64)のそれぞれの第1の谷部接触領域(54a、64b)内で、第4の幅w4を有し、w2<w4である、請求項1または2に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項4】
w4≦w3である、請求項3に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項5】
前記熱伝達山部(36)および前記熱伝達谷部(38)の長手方向延長部を通り、それに対して垂直な断面を基準として、前記第1の山部接触領域(52a、62b)内の前記第1の熱伝達山部(36a、36b)および前記第1の谷部接触領域(54a、64b)内の前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)は、前記中心面(C)に関して対称である、請求項3または4に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項6】
前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)の各々は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の一方から延びる、請求項3から5のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項7】
前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)の各々について、前記第1の谷部接触領域(54a、64b)は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方の最も近くに配置された前記谷部接触領域(54、64)である、請求項3から6のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項8】
前記第1の谷部接触領域(54a、64b)は、前記第1の熱伝達谷部(38a、38b)のそれぞれの端部(38')に含まれ、前記端部(38')は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方から延び、前記底部(42)内で一定の幅を有する、請求項3から7のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項9】
前記熱伝達プレート(8)の右上1/4(a)、左上1/4(b)、右下1/4(c)および左下1/4(d)内にそれぞれ配置された第1の山部接触領域(52a1、52a2、52a3、52a4)のそれぞれ1つの、前記熱伝達プレート(8)の前記長手方向中心軸および前記横方向中心軸(l、t)に関する絶対位置((pt1、pl1)、(pt2、pl2)、(pt3、pl3)、(pt4、pl4))が、前記熱伝達プレート(8)の左下1/4(d)、右下1/4(c)、左上1/4(b)および右上1/4(a)内にそれぞれ配置された前記第1の谷部接触領域(54a1、54a2、54a3、54a4)のそれぞれ1つの、前記熱伝達プレート(8)の前記長手方向中心軸および前記横方向中心軸(l、t)に関する絶対位置((pt1、pl1)、(pt2、pl2)、(pt3、pl3)、(pt4、pl4))と少なくとも部分的に重なる、請求項3から8のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項10】
前記熱伝達プレートの上半分(a+b)に配置された前記第1の谷部接触領域(64bu2)のうちの1つの位置(Pt2、Pl2)の、前記熱伝達プレート(8)の前記横方向中心軸(t)を横切るミラーリングは、前記熱伝達プレート(8)の下半分(c+d)に配置された前記第1の谷部接触領域(64bl2)のうちの1つの位置(Pt2、Pl2)と少なくとも部分的に重なる、請求項3から9のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項11】
前記熱伝達プレート(8)の上半分(a+b)に配置された前記第1の山部接触領域(62bu1)のうちの1つの位置(Pt1、Pl1)の、前記熱伝達プレート(8)の前記横方向中心軸(t)を横切るミラーリングは、前記熱伝達プレート(8)の下半分(c+d)に配置された前記第1の山部接触領域(62bl1)のうちの1つの位置(Pt1、Pl1)と少なくとも部分的に重なる、請求項1から10のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項12】
前記第1の熱伝達山部(36a、36b)の各々は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の一方から延びる、請求項1から11のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項13】
前記第1の熱伝達谷部(36a、36b)の各々について、前記第1の山部接触領域(52a、62b)は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方の最も近くに配置された前記山部接触領域(52、62)である、請求項1から12のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項14】
前記第1の山部接触領域(52a、62b)は、前記第1の熱伝達山部(36a、36b)のそれぞれの端部(36')に含まれ、前記端部(36')は、前記上部境界線と前記下部境界線(44、46)の前記一方から延び、前記頂部(40)内で一定の幅を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【請求項15】
前記上部境界線および前記下部境界線(44、46)は直線ではない、請求項1から14のいずれか一項に記載の熱伝達プレート(8)。
【国際調査報告】