(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】垂直に分布される光源を有する植物エンクロージャ
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20221107BHJP
A01G 13/02 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
A01G7/00 601Z
A01G13/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022507701
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 CA2020051073
(87)【国際公開番号】W WO2021022373
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518431613
【氏名又は名称】モンディ・プロダクツ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MONDI PRODUCTS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンタガーノ,マイケル
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA01
2B022DA08
2B022DA19
(57)【要約】
植物を照明するためのシステムであって、植物を受け入れ、取り囲み、覆う容積を画定するドーム/ケージを備える、システム。複数の光源が、ドーム/ケージによって支持され、植物を均等に照明するために、ドーム/ケージの底部から頂部へ垂直に、およびドーム/ケージの周囲に分布される。システムは、暗所で光を投光し、周囲光時間を延長し、既存の光の強度を増加させ、特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って既存の光のスペクトルを変更するように光源を制御するよう適合される。システムをスタンドアロンユニットとして動作させるために、ソーラーパネルが直接または電池を介して照明に接続されてもよい。制御ユニットが、照明プログラムを設定するユーザ入力を受信して、システムが設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御することを可能にするように、提供されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を照明するための方法であって、
前記植物を取り囲んで覆う内側容積を画定するドームまたはケージを提供することと、
前記ドームまたはケージによって支持される複数の光源を提供することとを含み、前記光源は、前記ドームまたはケージの底部から前記ドームまたはケージの頂部まで垂直に、および前記ドームまたはケージの周囲に分布されて、前記植物を下から上に光で取り囲み、前記方法はさらに、
前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させることを含む、方法。
【請求項2】
さらに、
前記ドームまたはケージ上にソーラーパネルを設けることと、
前記光源に、前記ソーラーパネルによって生成される電気エネルギーを、直接的に、または、前記ソーラーパネルに動作可能に接続され前記ソーラーパネルから受け取られる電気エネルギーを貯蔵するための電池を通してのいずれかで、供給することと、
前記ドームまたはケージを、外部エネルギー源から独立したスタンドアロンユニットとして動作させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信することと、
前記設定されたプログラムに従って前記光源を制御することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
植物を照明するためのシステムであって、
前記植物を取り囲んで覆うエンクロージャを形成するドームと、
前記ドームによって支持される複数の光源とを備え、前記複数の光源は、前記ドームの底部から前記ドームの頂部まで垂直に、および前記ドームの周囲に分布されて、前記ドームの内側を照明し、
前記システムは、前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるように適合され、
前記システムは、前記植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、動物、昆虫および過酷な気象条件から保護しながら、前記植物を下から上に光で取り囲むよう用いられる、システム。
【請求項5】
前記光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、前記システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットをさらに備え、前記システムは、前記設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記ドームは、前記植物の上方の頂部ドーム表面と、前記植物の周囲に延在する側方ドーム表面とを備え、前記光源の一部は前記頂部ドーム表面によって支持され、前記光源の残りは前記側方ドーム表面によって支持される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドームの頂部に、空気を上方に排出するためのファンをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記頂部表面は、前記ファンの上方に設けられる蓋である、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記頂部表面は蓋であり、前記ファンはその上に設置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記ファンの上方に設置され、前記システムから排出される粒子を濾過するためのフィルタをさらに備える、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記頂部ドーム表面および前記側方ドーム表面は、前記ドームの底部から前記ドームの頂部まで垂直に、および前記ドームの周りに分布する穿孔を含み、そこにおいて、前記光源は、前記ドームの内側を照明するよう外側から挿入されることによって取り付けることができる、請求項4に記載のシステム。
【請求項13】
前記照明源は、照明部分および電子部分を有する発光ダイオードであり、前記照明部分は、前記エンクロージャの内部容積に向けられ、前記電子部分は、前記エンクロージャの外で前記システム上に残る、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ドームは、周囲光が前記ドームを透過することを可能にする半透明材料で作製される、請求項4に記載のシステム。
【請求項15】
前記ドームは、周囲光を前記ドーム内に入れない不透明な材料で作製される、請求項4に記載のシステム。
【請求項16】
前記ドームは、その内側表面上に反射層を備え、前記光源によって生成される光を反射および再利用する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ドームに動作可能に接続するように寸法決めされ、前記ドームによって画定される前記エンクロージャの高さを延長するための延在部をさらに備え、前記延在部は光源を備え、前記光源は、前記延在部の底部から延在部の頂部まで垂直に、および前記延在部の周囲に分布され、前記延在部の前記光源の動作が前記ドームの前記光源の動作に追従するように、前記ドームに電気的に接続される、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
植物を照明するためのシステムであって、
自己支持アームを含むケージを備え、前記自己支持アームは、前記ケージを形成し、前記植物を取り囲み、前記植物を覆って延在し、前記システムはさらに、
前記ケージの前記アームによって支持される複数の光源を備え、前記複数の光源は、前記ケージの底部から前記ケージの頂部まで垂直に、および前記ケージの周囲に分布されて、前記ケージの内側を照明し、
前記システムは、前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるように適合され、
前記システムは、前記植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、下から上に光で取り囲むよう用いられる、システム。
【請求項19】
前記光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、前記システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットをさらに備え、前記システムは、前記設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記ケージに動作可能に接続するように寸法決めされ、前記ケージの高さを延長するための延在部をさらに備え、前記延在部は光源を備え、前記光源は、前記延在部の底部から前記延在部の頂部まで垂直に、および前記延在部の周囲に分布され、前記延在部の前記光源の動作が前記ケージの前記光源の動作に追従するように、前記ケージに電気的に接続される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記ケージの前記アームの長さは、前記植物の成長に適応するように前記ケージの高さを延長するように入れ子式に調節可能である、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月8日に提出された米国特許仮出願第62,884/468号の優先権または利益を主張し、その明細書は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
(a)分野
開示される主題は、概して、園芸または小規模農業装置に関する。より具体的には、本発明は、植物を中で覆うおよび/または成長させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(b)関連技術
屋内/屋外栽培の成功には、光強度および色またはスペクトルを含む照明、ならびに温度レベルおよび湿度レベルの正しい組み合わせを有する環境が必要とされる。一部の作物は、温度、湿度、および光強度のレベルおよび変動(増加/減少)ならびに光スペクトルの変化に関して、他の作物よりも敏感である。これらの因子は、作物における生産収量ならびに栄養素および抗酸化物質の濃度に影響を及ぼす。
【0004】
一部の作物/植物は、活発な成長を促進するために、それらの通常の成長に必要なものの一部として、それらの初期成長段階において、後続段階よりも高い光強度を必要とする。他の作物/植物(主に、充分な時間の日照/光を受けない場所に植え付けられたもの)は、より良好な成長および発達のために、より長い時間の光を必要とする。他の植物は、特定の波長および/または色を有する光を必要とする。一部の植物は、厳しい気象条件および冷たい/乾燥した空気から葉を保護するために冬期に覆われる必要がある。一部の他のものは、輸送中に、光のない状態で一定の時間を越えることにより、黄変および他の問題をもたらさないように、光源を必要とする。
【0005】
市場にある従来の照明ドームは、屋内で使用するためのものであり、その頂部に照明を備える。しかし、植物が成長するにつれて、上葉はサイズおよび数が大きくなり、下葉は必要な光を欠き始め、黄変し始め、数および収量が低下する。したがって、既存のドームは、成長中の植物の様々なニーズにあまりよく適合しない。
【0006】
市場には、上述の欠点に対処する代替の解決策に対するニーズがある。さらに、特に、栽培される植物が、照明が通年で多かれ少なかれ一定である、より熱帯の環境に典型的なものである場合、その植物は冬期には照明の欠如に悩まされる場合がある。そのような植物が温帯気候において屋内または屋外の植物として栽培される場合、年間にわたって、自然照明の、より顕著な変動があり、すなわち、植物がより集中的に成長する夏期には、照明がより多く、成長した葉が黄変または退色もしくは落下する冬期には、照明がより少ない。
【0007】
したがって、市場には、上記の要件に対処するドーム/ケージに対するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本実施形態は、これらの問題に同時に対処する多目的システムを説明する。
これらの問題に同時に対処するために、植物を照明するためのシステムをここで説明する。第1の実施形態によれば、植物を取り囲んで覆うエンクロージャを形成するドームが説明され、複数の光源がドームによって支持され、複数の光源は、ドームの底部からドームの頂部まで垂直に、およびドームの周囲に分布され、すなわち、異なる高さ(すなわち、垂直に分布される)および異なる側面(すなわち、水平にも分布される)に個々に配置されて、植物を、異なる側面から、様々な高さで、およびその様々な部分で均等に照明する。
【0009】
代替実施形態によれば、植物を照明するためのシステムが説明され、本システムは、アームを含むケージを備え、アームは剛性で自己支持性であり、植物を取り囲み、植物を覆って延在するケージを形成し、本システムはさらに、ケージのアームによって支持される複数の光源を備え、複数の光源は、ケージの底部からケージの頂部まで垂直に、およびケージの周囲に分布されて、ケージの内側を(各アーム上の)さまざまな高さおよび(異なるアームに対応する)側面において照明して、ケージ内で成長する植物を均等に照明する。
【0010】
本文書において、ドームという用語は、小規模温室、温室、屋内耕耘機、耕耘機、栽培装置、または植物を中で栽培するために用いられる任意の装置のいずれか1つを指す。
【0011】
用語「ドーム」は、そのようなカバーについて当該技術分野で公知の用語であり、この用語は、(典型的な幾何学的定義が意味し得るように)円形形状に限定されないことに留意されたい。当該技術分野で使用され、本文書で意図される場合、「ドーム」という用語は、矩形、正方形、三角形、円形、楕円形、または任意の他の規則的な多角形もしくは不規則な幾何学的形状であり得る基部を有するエンクロージャを指す。さらに、ドームという用語は、いくつかの実施形態では植木鉢もしくは他の形態の支持体上にフィットするか、または他の実施形態では土壌上に真っ直ぐにフィットして、植物が成長して光を受光する取り囲まれた環境または内部もしくは内側容積を画定および閉鎖する部分を示す。これは、通常、透明な材料から作製され、その中において周囲光を可能にする。ケージは、同じ内部容積または内側容積を画定してもよいが、それを閉じはせず、なぜならば、ケージは閉じられた表面を有さないからである。代替実施形態では、ケージは、その上(ケージの上)またはその中(ケージの下)にドームを受容して、その中で植物を成長させるための閉鎖環境を画定するように適合されてもよい。
【0012】
一態様によれば、植物を照明するための方法が提供され、本方法は、植物を取り囲んで覆う内側容積を画定するドームまたはケージを提供することと、ドームまたはケージによって支持される複数の光源を提供することとを含み、光源は、ドームまたはケージの底部からドームまたはケージの頂部まで垂直に、およびドームまたはケージの周囲に分布されて、植物を下から上に光で取り囲み、方法はさらに、光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させることを含む。
【0013】
一実施形態では、本方法は、さらに、ドームまたはケージ上にソーラーパネルを設けることと、光源に、ソーラーパネルによって生成される電気エネルギーを、直接的に、または、ソーラーパネルに動作可能に接続されソーラーパネルから受け取られる電気エネルギーを貯蔵するための電池を通してのいずれかで、供給することと、ドームまたはケージを、外部エネルギー源から独立したスタンドアロンユニットとして動作させることとを含む。
【0014】
方法はさらに、照明プログラムを設定するユーザ入力を受信することと、設定されたプログラムに従って光源を制御することとを含んでもよい。
【0015】
別の態様によれば、植物を照明するためのシステムが提供され、本システムは、植物を取り囲んで覆うエンクロージャを形成するドームと、ドームによって支持される複数の光源とを備え、複数の光源は、ドームの底部からドームの頂部まで垂直に、およびドームの周囲に分布されて、ドームの内側を照明し、システムは、光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるように適合される。システムは、植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、動物、昆虫および過酷な気象条件から保護しながら、植物を下から上に光で取り囲むよう用いられる。
【0016】
本システムは、さらに、光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルを含んでもよい。
【0017】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットが提供されてもよく、本システムは、設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される。
【0018】
一実施形態では、ドームは、植物の上方の頂部ドーム表面と、植物の周囲に延在する側方ドーム表面とを備え、光源の一部は頂部ドーム表面によって支持され、光源の残りは側方ドーム表面によって支持される。
【0019】
本システムは、ドームの頂部に、空気を上方に排出するためのファンをさらに備えてもよい。
【0020】
一実施形態では、ドームの頂部表面は、ファンの上方に設けられる蓋である。
別の実施形態では、頂部表面は蓋であり、ファンはその上に設置される。
【0021】
本システムは、ファンの上方に設置され、本システムから排出される粒子を濾過するためのフィルタをさらに含んでもよい。
【0022】
一実施形態では、頂部ドーム表面および側方ドーム表面は、ドームの底部からドームの頂部まで垂直に、およびドームの周りに分布する穿孔を含み、そこにおいて、光源は、ドームの内側を照明するよう外側から挿入されることによって取り付けることができる。本実施形態において、照明源は、照明部分および電子部分を有する発光ダイオードであってもよく、照明部分は、エンクロージャの内部容積に向けられ、電子部分は、エンクロージャの外で本システム上に残る。
【0023】
ある実施形態では、ドームは、周囲光がドームを透過することを可能にする半透明材料で作製される。
【0024】
別の実施形態では、ドームは、周囲光をドーム内に入れない不透明な材料で作製される。
【0025】
ドームは、その内側表面上に反射層を含み、光源によって生成される光を反射および再利用してもよい。
【0026】
ある実施形態では、本システムは、ドームに動作可能に接続するように寸法決めされ、ドームによって画定されるエンクロージャの高さを延長するための延在部をさらに備え、延在部は光源を備え、光源は、延在部の底部から延在部の頂部まで垂直に、および延在部の周囲に分布され、延在部の光源の動作がドームの光源の動作に追従するように、ドームに電気的に接続される。
【0027】
代替実施形態によれば、植物を照明するためのシステムが提供され、本システムは、自己支持アームを含むケージを備え、自己支持アームは、植物を取り囲み、植物を覆って延在するケージを形成し、本システムはさらに、ケージのアームによって支持される複数の光源を備え、複数の光源は、ケージの底部からケージの頂部まで垂直に、およびケージの周囲に分布されて、ケージの内側を照明し、システムは、光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させる。本システムは、植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、下から上に光で取り囲むよう用いられる。
【0028】
本システムは、さらに、光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルを含んでもよい。
【0029】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットが提供されてもよく、本システムは、設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される。
【0030】
一実施形態では、本システムは、さらに、ケージに動作可能に接続するように寸法決めされ、ケージの高さを延長するための延在部を備えてもよく、延在部は光源を備え、光源は、延在部の底部から延在部の頂部まで垂直に、および延在部の周囲に分布され、延在部の光源の動作がケージの光源の動作に追従するように、ケージに電気的に接続される。
【0031】
別の実施形態では、ケージのアームの長さは、植物の成長に適応するようにケージの高さを延長するように入れ子式に調節可能である。
【0032】
図面の簡単な説明
本開示のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態による、植物を成長させるために地面に立っているドームを示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、植物を成長させるために植木鉢上に立っているドームを示す断面図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による、植物を成長させるために植木鉢上に立っているドームを示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、植物を成長させるためのケージを示す側面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による、植物を成長させるためのケージを示す側面図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による、光源を備え、リングおよび細長い部分を備えるストリップを示す側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、ストリップが、その上に設置された光源を含む、植物を成長させるためのケージを示す側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、電気コネクタを有する延在部を備える、植物を中で覆うおよび/または成長させるためのシステムを示す側面図である。
【
図9A】植物を中で覆うおよび/または成長させるための、入れ子部分を含むシステムを、圧縮位置で示す側面図である。
【
図9B】植物を中で覆うおよび/または成長させるための、入れ子部分を含むシステムを、伸長位置で示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図面を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別されることに留意されたい。
【0035】
詳細な説明
実施形態は、植物を照明するための方法およびシステムを説明する。システムは、植物を受け入れ、取り囲み、および/または覆う容積を画定するドーム/ケージを備える。複数の光源が、ドーム/ケージによって支持され、ドーム/ケージの底部から頂部まで垂直に、およびドーム/ケージの周囲に分布されて、低照明期間中に、空間および時間にわたって、より均等に内部を照明する。システムは、光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるよう適合される。システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるために、ソーラーパネルが、光源に直接または電池を介して動作可能に接続されてもよい。制御ユニットが、照明プログラムを設定するユーザ入力を受信して、システムが設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御することを可能にするように、提供されてもよい。
【0036】
ここで
図1および
図2を参照すると、植物が成長する際に適切な照明を保証するために植物の上および周囲に設置するためのドーム100が、地面上に直接または植木鉢上に立って記載されている。植物が成長する際に充分な照明を受けることを確実にするために、ドーム100は、(先行技術におけるように)植物の上方だけでなく、植物の側部の周りのすべてにも位置する光源200を備え、それにより、たとえ上葉のサイズおよび数が大きくなっても下葉が充分な照明を依然として受けることを確実にする。追加の光源200を、地面のすぐ上の、植物の下葉の高さまで提供することによって、植物は、植物が成長し続け、下葉が適切な照明を欠いている場合であっても、有意な成長速度を維持することができる。上葉が上方から来る光を遮断し得るという事実はもはや問題ではなく、なぜならば、上部にのみ照明を有するであろう典型的なドームと比較して、下部葉に対してより適切な位置を有する追加の光源200が存在し、植物の周囲に分布する光源200のための追加の取り付け点を提供するドーム100の様々な側面を用い、およびドーム100の異なる側部の各々に対して異なる高さで光源200を固定するために利用可能な取り付け点を利用するからである。したがって、植物が成長すると予想される中心垂直軸の周りの光源200の垂直分布および方位角分布の両方が存在する。
【0037】
したがって、ドームは、(光源200をその上に固定し、植物が成長する容積との関係において位置を維持するために)光源200に物理的支持を提供して、光源が、空間的に、植物の高さに沿って上から下まで、および植物の周囲にも分布することを確実にする。ドームによる支持は、以下でより詳細に説明されるように、ドーム表面および/またはドームを形成する構造によって提供されるべきである。
【0038】
実現例の非限定的な例では、ドーム100は、その表面に開口部を有することができ、光源200は、開口部に面してドームのすぐ外側にそれらを配置することによって、ドームの開口部を通して光を投光するか、または、ドーム上で対応する開口部内に部分的に受け入れられて、光源の発熱部品をドームの外側に保ちながらドーム内から光を投光し、成長装置を取り囲む環境で発生される熱を放出するような形状および寸法にされる。
【0039】
ある実施形態によれば、ドーム100は、光の大部分が、植物が成長する内部容積に到達することを可能にするために、透明または半透明の材料を用いて作製されてもよく、この場合、好適なプラスチック材料、もしくは強化ガラス、またはそれらの任意の組み合わせから作製されてもよい。ドーム100はまた、光が内側から投光される場合、または切り欠き/開口部を用いてその中において投光される場合、色を有してもよい。より一般的には、ドーム100は、透明、半透明、または不透明であってもよく、追加の構造的強度を提供するために、好適なプラスチック材料、ガラス材料、木材、金属、またはそれらの任意の組み合わせから作製されてもよい。ドーム100の内側を形成する表面は、光を吸収するのではなく、ドームの内側で光を反射する内側ミラーを形成するような反射コーティングをさらに含んでもよく、したがって、光源によって放出される光が、(望ましくない加熱をさらに引き起こすであろう)ドーム材料によってではなく、生産収量を増加させるために葉によって最大限に吸収されることを確実にする。
【0040】
ドーム100は、完全に剛性であってもよく、例えば、単一のピースとして成形された単一のプラスチック物体から形成されてもよく、または取り付けられた、溶接された、釘打ちされた、もしくは別様にともに取り付けられるかもしくは固定された剛性パネルから形成されてもよい。代替的に、ドーム100は、植物が成長すると予想される内部容積を取り囲むためにパネルが取り付けられるフレームを形成する剛性アームで形成された剛性構造を備えてもよい。この場合、パネルは、剛性(したがって、構造上に取り付けられる)または可撓性(織物またはキャンバス等)であってもよい。エンクロージャであるドーム100は、植物を、動物(リス、鳥、昆虫など)などの外敵から保護する。
【0041】
光源200は、例えば、ドーム100の内部で成長する植物に適した発光スペクトルを有するLED、ハロゲンランプ、または白熱ランプとして設けることができる。ある実施形態によれば、ドーム100は、光源200の各々をそれに取り付けるための専用の締結部材を備える。別の実施形態によると、光源200は、ドーム100に(すなわち、その表面に)、またはドームが剛性アームおよび可撓性表面から形成される場合にはドームの構造に、ネジ留め、釘留め、ピン留め、縫合、または接着接合されることができる。
【0042】
図1に示されるように、エンクロージャまたはドーム100は、頂部ドーム表面120および側方ドーム表面110を備える。側方ドーム表面110は、曲率を有することができ、例えば、上から見たときに円形であることができる。この場合、側方ドーム表面110は、植物を取り囲む円筒である。他の態様では、側方ドーム表面110は、上から見たとき(または断面において)多角形とすることができ、その場合、側方ドーム表面110は、植物を取り囲むプリズムとなるであろう。代替的に、ドームはベル形状を有することができる。ドーム100は、頂部ドーム表面120を備えるという点で、頂部が閉じられるべきである。
【0043】
ある実施形態によれば、頂部ドーム表面120は、通気口として作用するよう、取り外し可能もしくは蝶番式であるか、またはその一部が取り外し可能もしくは開放可能である。他の開口部または切欠きを設けて、他の通気口を形成してもよい。さらに、頂部ドーム表面120を取り外し可能にすることにより、以下でさらに説明するように、それの取り外し時に残される開口部上にファン410を設置する可能性がもたらされる。
【0044】
ある実施形態によれば、ドーム100は底面を有さず、したがってドーム100は底部に対して開いている。しかしながら、側方ドーム表面120は、例えば、円形または多角形の形状を有し、ドーム100が植物の周囲およびその上で地面上に立つときに地面に接触する縁130にて、底部で終端する。縁部130は、地面上に立つ脚部またはペグを備えてもよい。
【0045】
ここで
図2を参照すると、ドーム100はまた、植木鉢300または植物用の他のタイプの容器、例えば栽培培地を含むトレイの上に立つこともできることが示されている。したがって、ドーム100は、好適な寸法の任意の植木鉢上で使用可能であり、植木鉢から成長する植物が延びると予想される、植木鉢の上方に位置する容積を取り囲む。様々な植木鉢の直径および寸法に適応するのを助けるために、側方ドーム表面110は、その底部においてスカート112で終端してもよい。スカート112は、側方に延在する(しかしながら、外向き延在に加えて、またはその代わりに、内向きに延在するかもしれない)など、側方に延在する部材を備える。スカート112を少なくとも水平面内に延在させることは、ドーム100を様々な植木鉢直径に適合させ、ドームが植木鉢上に立つときに植木鉢上縁と接触するのを助ける。他の態様では、植木鉢300の上に立つペグが設けられてもよい。ドーム100は、好適なロック機構を用いて植木鉢300に解放可能に固定されるように適合されてもよい。例えば、ドームは、植木鉢300上に解放可能にねじ込まれてもよく、もしくはその逆であってもよく、またはドーム100の底端に(すなわち、スカート112の下または底部に設けられたペグの上に)提供されてもよいクリップもしくはスナップコネクタ等を用いて、植木鉢300上にクリップ留めされてもよい。ある実施形態では、システムは、ドーム/ケージと、ドーム/ケージが接続し、土壌および植物を含む容器とを含んでもよい。この用途は、典型的には、植物を屋内で成長させるため、輸送のためなどに用いられる。
【0046】
ここで
図3を参照すると、
図3にのみ示されているが、互いに独立している様々な特徴が示されている。
【0047】
ある実施形態によれば、ドーム100上にファン410が設けられる。ファン410は、ドーム100の頂部に到達し、他の態様ではそこに蓄積するであろう温かい空気を、ファン410に優先的に排出させることによって、植物の最適な成長のためにドーム100内において安定した温度または適切な温度を維持するために、使用することができる。
【0048】
ファン410が用いられる場合、頂部表面120は、空気がファン410によって引き上げられることを可能にするために、穿孔または任意の他のタイプの開口部を少なくとも備えるべきである。それは、
図3に示すように、ファン410の下に設けることができ、これは、ファン410が、(クリップ、スナップコネクタなどを用いて)それを固定することができる頂部表面120に嵌合されることによって、設置されることを意味する。好ましくは、頂部表面120は、ファン410が頂部表面120の代わりにそこに配置されてもよいように、取り外し可能(例えば、取り外し可能な蓋)であるべきである。ファン要素の頂部表面はまた、暖かい空気の上向きの排出を可能にするために穿孔されるかもしくは広く開放されもすべきであり、および/または以下で説明するようにフィルタを備えるべきである。
【0049】
実際、ファン410が用いられる場合、土壌からの塵埃または植物自体によって生成される粒子などの一部の粒子は、ファン410によって周囲に動かされ得る。この状況を回避するために、フィルタ420を、例えば、(
図3に示すように)ファン410の出力に、または頂部ドーム表面120が依然としてファン410への穿孔蓋として存在する場合にはファン410と頂部ドーム表面120との間に、設置することができる。したがって、フィルタ420は、塵埃または他の粒子を捕捉することができる。
【0050】
一実施形態によれば、植木鉢300は、自己給水式植木鉢とすることができ、これは、植物およびその直近の周囲がドームによって覆われており、したがって、ドーム100を一時的に取り外さずに給水のためにアクセスすることはほとんどできないことを考えると、有用である。受け皿310は、過剰な水を収容し、植木鉢300の自己給水機能に寄与することができる装置の例として示されている。
【0051】
ある実施形態によれば、光源200は、ドーム100を形成する表面の内側に設置することができる。
【0052】
別の実施形態によれば、依然として
図3を参照すると、ドーム100は、光源200が専用アパーチャ101内に嵌合されてもよいように、専用位置にアパーチャ101(または開口部もしくは穿孔)を備える。この場合、光源は、アパーチャ101内に、ドーム100の内側に突出することもできるそれらの照明端部を有するが、光源の支持電子機器は、
図3に示すように、むしろドーム100の外側に配置される。言い換えれば、この実施形態では、照明源200は、照明部分および電子部分を有する発光ダイオードであり、照明部分は、エンクロージャの内部容積に向けられ、電子部分は、エンクロージャの外でシステム上に残る。これは、ドーム100を形成する表面(110、120)が透明性に関する要件を有さないという点で有利である。さらに、光源がLEDである場合、ドーム100の内側に位置する照明部分は、著しい熱を生成せず、ドームの内側の温度に影響を及ぼさないが、著しい熱を生成する支持電子機器は、ドーム100の外側に位置するため、ドームの内側の温度に影響を及ぼさない。この実施形態は、ドーム100の内部での熱発生を軽減する。有利なことに、専用アパーチャ101は、例えば、側面110の周囲に規則的な間隔で配置することができ、その場合、光源200は、ドームの輪郭上に引き伸ばすことによって設置することができるストリップ230上に設けることができ、したがって、複数の光源200を、ドーム100の周囲全体に、光源200の単一段上に、同時に設置することができる。
【0053】
あまり好ましくない実施形態では、光源200は、ドーム100を形成する表面の外側に設置することができ、その場合、ドームを形成する表面(110、120)は、全体として、または少なくとも光源200が設置される部分に関して、透明であるべきであり、光源200から放出される光は、ドーム100の内側に到達して、植物を照明する。
【0054】
ここで
図4~
図5を参照すると、ドーム100がケージ400に置き換えられる別の実施形態が記載されている。ケージ400は、それが閉じられた表面ではない、すなわち、エンクロージャを構成する表面を有さず、それによって、代わりに、光源が取り付けられる骨格のみを提供するという点で、ドームと異なる。骨格は依然として、閉じられた表面で植物を取り囲むことなく植物を成長させるための内部容積を画定する。ケージ400は、閉じられた容積ではないという点でドーム100とは異なるが、ケージ400の外側の環境からの自然照明が植物にとって充分でないとき、例えば冬期に、または植物が影になっているときに、追加の照明のためのサポートを依然として提供することができる。
【0055】
ケージ400は、ケージを構成する側方部材410と頂部部材420とを備え、それらの間には表面がない。部材(410、420)は、アームまたはバーとして見ることができ、好ましくは、自己支持的であるように剛性である。ケージ400は、直方体または円筒(両方とも、
図4の側面図から推測することができる)とすることができ、または側方部材410を頂部で出会うように湾曲させることによって、ベル形状を有することができる。(
図5、それによって、頂部部材420とは区別されず、なぜならば、単一の部材が、それを、それの一部分においてはかなり水平にし、それの別の部分においてはかなり垂直にするような曲率を有するからである)。光源は、部材410、420上に取り付けられ、
図1~
図3の実施形態と同様の機能を提供する。光源200を設置するために、部材410、420上に締結具を設けることができる。
【0056】
一実施形態によれば、側方部材410の底部は、水平成分を有する基部412で終わることができる(すなわち、それは、スカート112と同様に、少なくとも部分的に水平に延在する)ので、ケージ400は、植木鉢300に設置されるときに植木鉢300の上縁上に位置するであろう基部412の水平延在部によって許容される範囲内で、未知の直径の植木鉢上に立つことができる。
【0057】
エンクロージャを形成するためにケージ400を閉じる必要がある場合、カバー(例えば、織物、プラスチック織物、パネルなどで形成される)をケージ上またはその部材410、420の下に設置することができる。カバーがケージ400に確実に保持されるように、締結部材が設けられるべきである。これは、日光の過剰曝露を防止するか、または昆虫が植物に到達するのを防止することができる。ケージ400の上にカバーがある場合、例えば頂部に開口部を有することによって、通気口を設けることができる。
【0058】
一実施形態によれば、
図6~
図7に示すように、光源200は、例えば、リングの形状を有し、細長い部分を含むことができるストリップ230上に設けることができる。次いで、ストリップ230を、その光源200とともにケージ400上に設置することができる。より正確には、リング形状は、リングが段を形成し、細長い部分が側方部材410に沿って(またはドームの側面110を支持する構造に沿って)下向きに延在するように、ケージ400上(またはドーム100上)のさまざまな固定場所に固定されることによって、設置されることができる。
図6は、細長い部分を有するリング形状のストリップを示し、
図7は、これらのストリップのうちの2つが設置されたケージ、またはケージ400にフィットする好適な直径(すなわち、実質的に同じ直径)の2つのリングを備えるストリップ230を示す。
【0059】
各アームは、垂直に延在する垂直部分を備え、その上部で湾曲して少なくとも部分的に水平に延在してもよい(水平部分)。アームが垂直と水平との間で湾曲している中間部分を画定することができる。ストリップ230は、ケージのアームに適合する細長い部材を含み、(例えば、Velcro(商標)フックアンドループタイプの取り付け具、またはスナップコネクタ、またはジッパー、またはボタンを用いて)それに解放可能に取り付けられるかまたは固定されることができる。一実施形態によれば、ストリップの細長い部材の各々は、ケージのアームのうちの対応するアームの垂直部分に適合する。ストリップ230は、細長い部材がそこから延在するリングをさらに備え、リングは、ケージの周囲ですべてのアームの周りに周方向に設置される。例えば、リングは、垂直部分と水平部分との間のアームの各々の中間部分上に置くことができ、細長い部材は、下向きに延在し、各々、対応するアームの垂直部分上にある。
【0060】
別の実施形態によれば、ストリップ230は、例えば、ストリップを光拡散材料で作製し、光を内部から投光することによって、光源200とすることができる。
【0061】
ストリップ230は、ドーム100またはケージ400の形状と整合する任意の他の形状を有することができ、これは、限定するものではないが、円筒形、角柱形、円錐形、角錐形、または植物を合理的に囲むことができる任意の他の規則的もしくは不規則な三次元形状を含む、植物を取り囲むのに適した任意の形状のものとすることができる。例えば、ケージ400は、矩形の箱または円筒として提供されてもよく(
図4は、両方の形状に適用される側面図である)、ストリップ230は、そのような構造上にフィットするバーまたは線形ストリップの任意の組み合わせとして提供されてもよい。
【0062】
ある実施形態によれば、光源200は、様々な点で変調することができる。例えば、光源200は、それらの発光スペクトルが、経時的に変調されることができる。これは、放射波長を、植物の生育時間にわたって変動する植物の要件に適合させるのに有利であり得る。したがって、発光スペクトルは、成長の各期間に対して最適化されることができ、これが有利であり得る場合、植物の異なる部分に向かって異なる波長を放射するように変調さえすることができる。
【0063】
同様に、各光源の強度は、植物の成長段階に従って、照明される植物の部分に従って、および環境から来る基本照明に従って(すなわち、昼光を考慮に入れて、光源200から生成される照明を適合させる)、変調することができる。実際、ドーム100が透明または半透明である場合、またはケージ400がカバーなしで用いられる場合、昼光は植物に到達することができる。他の態様では、植物は、昼光集光器を使用することから利益を得てもよく、それは、集光器を用いて昼光を集めて植物を照明し、したがって人工照明に関する要件を低減することができる。
【0064】
ドーム100の頂部ドーム表面120が取り外し可能である場合、またはケージ400がカバーなしで用いられる場合、植物の頂部表面は、より強力であり得る外部照明装置を用いて照明されてもよい。例えば、外部照明装置は、CMH(セラミック金属ハロゲン化物)、HPS(高圧ナトリウム)、MH(金属ハロゲン化物)、または頂部用の他のタイプの強力な照明であり得るが、支持体上の光源200は、特に下葉用の補助照明のように作用する。
【0065】
経時的に連続的な照明を有する必要がない場合、タイマを追加して、光源200からの照明を制御することができる。その場合、照明期間の開始および終了を変調してソフトスタートおよびソフトエンド(すなわち、オン/オフまたはオフ/オンからの遷移は、遷移を滑らかにするために、瞬間的ではない)を提供することが望ましい場合がある。
【0066】
ある実施形態によると、ファン410が用いられる場合、ドーム100は、ファン410を動作させる判断が基づき得るデータを収集するセンサ、例えば温度計および湿度計を備えることができる。
【0067】
パネル制御盤は、ユーザが光源200、ファン410および他の制御可能な装置をオン/オフするかまたはセットアップするために提供することができる。WiFiまたはBluetooth(登録商標)通信装置も、データをエクスポートするため、または遠隔でドームの制御盤に命令を送信するために、追加することができる。
【0068】
光源200、ならびに関連する場合はファン410および他の電子機器(制御盤またはマイクロコントローラもしくはコントローラなどは、データを受信し、時間または検出された自然照明などの他のインジケータを考慮して、電源コンセントまたは電池を介して光源200に供給される電力など、任意の機器を制御する)を動作させるために必要なドーム100のための電源は、コンセントに差し込まれた電気コネクタから、および/または電池、ソーラーパネルなどの他の供給源から得ることができる。電源と電力消費装置との間に(ACまたはDCに関して)タイプ不適合がある場合、コンバータが必要である場合があり、電圧を調整するために変圧器も必要である場合がある。
【0069】
ある実施形態によれば、ドーム100は輸送用のドームであり、すなわち、植物は輸送のためにその中に設置され得る。その場合、トラックなどの閉鎖環境での保管が予想され得、したがってドーム100内に直接照明を提供するという利点がある。
【0070】
したがって、電源として電池を提供することは、ドームの位置にかかわらず電力を提供できるので有利であり、すなわち、ドーム100は、電池がドームとともに含まれ、ドームの上または中に固定される場合、配線なしで、スタンドアロン方式で動作可能である。電池は、ドーム100を電気コンセントに接続する(またはソーラーパネルを使用する)とき、電池を再充電するよう適切な回路を用いて再充電可能である。電池は交換可能であってもよい。
【0071】
ある実施形態によれば、電池の交換において、またはそれに加えて、ドーム100を電源コンセントに差し込むために、電気コネクタを有する配線を提供することができる。
【0072】
ドーム100またはケージ400によって提供される追加の照明は、照明を、自然照明によっては提供されない様々な角度から、植物の高さに沿って、空間にわたって、より均等に分配するのに、有用である。さらに、天候の変化を補償するために、照明を、経時的に、一定に、または自然照明よりも有意/強力にすることは、有用である。それにより、冬期中において、夏期に受け取られる照明レベルと同様の照明レベルまで植物を照明し、したがって、冬期に葉が黄変または退色することを回避し、ならびに新しい波長および色を加えることによって既存の光スペクトルを修正することができる。
【0073】
ある実施形態によれば、現在の照明のレベルを検出するために光センサが設けられてもよい。次いで、照明源200に供給される電力は、検出された照明のレベルを補償するために、検出された照明のレベルに従って制御することができ、すなわち、照明のレベルが低い場合、照明源200に入力されコントローラによって制御される電力は、全体的な照明(自然+人工)を許容可能な合計レベルに維持するために増加させることができる。(光センサによって検出された)照明レベルがその日付および時間について予想される照明よりも低いかどうかを比較し、それに応じて照明補償を実行するために、クロックおよび/またはカレンダーがコントローラに含まれ得る。
【0074】
照明を経時的により一定にして気象変化を補償するために、ソーラーパネルを設け、太陽光が強い場所に有利に配置してもよい。ソーラーパネルは、自然光(太陽光)を集光して電力に変換し、その電力を上述した電池に蓄えるために用いられる。電池は、次いで、経時的に、より制御された態様で、光源200に電力供給するように調節されてもよく、それは、照明を、経時的に、より一定にし、低照明を伴う有意な期間を回避する。したがって、照明は、電池に貯蔵された(または外部電源から受け取られた)エネルギーを用いて、植物上の照明期間を延長し、植物上の光を強化し、周囲光において利用可能でない色または波長を追加することによってスペクトルを修正し、周囲光が利用可能でないときに光を提供することができる。照明動作の制御は、タイマ、またはどのようなプログラムもしくは照明スケジュールに従うかに関するユーザからの入力を受信するよう適合される制御ユニット(例えば、パネル制御盤)を用いて、行われ得る。
【0075】
ここで
図8を参照すると、ドーム100またはケージ400は、ドーム/ケージに動作可能に接続されるよう適合される延在部500を備えることができる。ある実施形態では、延在部は、元のドーム100またはケージ400の直径(または概して寸法)に合致するように適合されてもよく、したがって、植物が経時的に成長するにつれて、ドーム100またはケージ400を高くするように、その下に設置することができる。実施形態によれば、延在部500は、光源を受容する同じ種類の構造もしくはフレームを備えるか、または光源自体を備え、その場合、延在部は、ドーム100またはケージ400上の相補的電気接続に接続する電気接続を備える。ある実施形態では、延在部への電流の提供は、ケージを延在部に接続するときに自動的に生じる。例えば、整合する電気コネクタ510を設けて、延在部をドームに電気的に接続し、電気コネクタ510が延在部500の光源200に電力を提供して、
図8に例示されるように、延在部500が植物の下部にも光を照射することができるようにしてもよい。
【0076】
別の実施形態では、ドーム100またはケージ400の脚部は入れ子式であり、ドーム100またはケージ400を、経時的に高さが成長する植物に適応可能にする。ドーム100またはケージ400は、
図9Aおよび
図9Bに例示されるように、異なるサイズの異なるタイプの植物に適応するように、異なるサイズで提供することができる。
図9Aは、アーム410上に入れ子部分415を有するケージ400を示す。
図9Aでは、入れ子部分は、圧縮位置にあり、すなわち、それらは、短縮され、一方、
図9Bでは、アーム410は、伸長位置にあり、すなわち、それらは、各々、植物成長に適応するように、または単に、より背が高いであろう別の植物に適応するように、伸長される。光源200は、入れ子部分415が間で伸長する結果として、圧縮位置よりも、伸長位置において、互いから、より離間している。
【0077】
好ましい実施形態を上述し、添付の図面に例示してきたが、本開示から逸脱することなく修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。そのような修正は、本開示の範囲に含まれる可能な変形と見なされる。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植木鉢または地中に植えられる植物を照明するための方法であって、
ドームまたはケージを
スタンドアロン態様で提供すること
を含み、前記植物は植木鉢の中または地中にあり、前記ドームまたは前記ケージは前記植木鉢または地中とは区別され、前記植木鉢または地上に独立して立っており、前記植物を少なくとも部分的に取り囲んで覆う内側容積を画定し、前記方法はさらに、
前記ドームまたはケージによって支持される複数の光源を提供するこ
とを含み、前記光源は、前記ドームまたはケージの底部から前記ドームまたはケージの頂部まで垂直に、および前記ドームまたはケージの周囲に分布されて、前記植物を下から上に光で取り囲み、前記方法はさらに、
前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させることを含む、方法。
【請求項2】
さらに、
前記ドームまたはケージ上にソーラーパネルを設けることと、
前記光源に、前記ソーラーパネルによって生成される電気エネルギーを、直接的に、または、前記ソーラーパネルに動作可能に接続され前記ソーラーパネルから受け取られる電気エネルギーを貯蔵するための電池を通してのいずれかで、供給することと、
前記ドームまたはケージを、外部エネルギー源から独立したスタンドアロンユニットとして動作させることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信することと、
前記設定されたプログラムに従って前記光源を制御することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
植木鉢または地中に植えられる植物を照明するためのシステムであって、
ドーム
を備え、前記ドームは、前記植木鉢または地中とは区別され、前記植木鉢または地上に独立して立っており、前記植物を少なくとも部分的に取り囲んで覆うエンクロージャを形成しているという点でスタンドアロンであり、前記システムはさらに、
前記ドームによって支持される複数の光
源を備え、前記複数の光源は、前記ドームの底部から前記ドームの頂部まで垂直に、および前記ドームの周囲に分布されて、前記ドームの内側を照明し、
前記システムは、前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるように適合され、
前記システムは、前記植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、動物、昆虫および過酷な気象条件から保護しながら、前記植物を下から上に光で取り囲むよう用いられる、システム。
【請求項5】
前記光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、前記システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットをさらに備え、前記システムは、前記設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記ドームは、前記植物の上方の頂部ドーム表面と、前記植物の周囲に延在する側方ドーム表面とを備え、前記光源の一部は前記頂部ドーム表面によって支持され、前記光源の残りは前記側方ドーム表面によって支持される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記ドームの頂部に、空気を上方に排出するためのファンをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記頂部表面は、前記ファンの上方に設けられる蓋である、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記頂部表面は蓋であり、前記ファンはその上に設置される、請求項
8に記載のシステム。
【請求項11】
前記ファンの上方に設置され、前記システムから排出される粒子を濾過するためのフィルタをさらに備える、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記頂部ドーム表面および前記側方ドーム表面は、前記ドームの底部から前記ドームの頂部まで垂直に、および前記ドームの周りに分布する穿孔を含み、そこにおいて、前記光源は、前記ドームの内側を照明するよう外側から挿入されることによって取り付けることができる、請求項4に記載のシステム。
【請求項13】
前記照明源は、照明部分および電子部分を有する発光ダイオードであり、前記照明部分は、前記エンクロージャの内部容積に向けられ、前記電子部分は、前記エンクロージャの外で前記システム上に残る、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ドームは、周囲光が前記ドームを透過することを可能にする半透明材料で作製される、請求項4に記載のシステム。
【請求項15】
前記ドームは、周囲光を前記ドーム内に入れない不透明な材料で作製される、請求項4に記載のシステム。
【請求項16】
前記ドームは、その内側表面上に反射層を備え、前記光源によって生成される光を反射および再利用する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ドームに動作可能に接続するように寸法決めされ、前記ドームによって画定される前記エンクロージャの高さを延長するための延在部をさらに備え、前記延在部は光源を備え、前記光源は、前記延在部の底部から延在部の頂部まで垂直に、および前記延在部の周囲に分布され、前記延在部の前記光源の動作が前記ドームの前記光源の動作に追従するように、前記ドームに電気的に接続される、請求項4に記載のシステム。
【請求項18】
植木鉢または地中に植えられる植物を照明するためのシステムであって、
自己支持アームを含むケージを備え、前記自己支持アームは、前記ケージを形成し、
前記ケージは、前記植木鉢または地中とは区別され、前記植木鉢または地上に独立して立っており、前記植物を
少なくとも部分的に取り囲み、前記植物を覆って延在し
ているという点でスタンドアロンであり、前記システムはさらに、
前記ケージの前記アームによって支持される複数の光源を備え、前記複数の光源は、前記ケージの底部から前記ケージの頂部まで垂直に、および前記ケージの周囲に分布されて、前記ケージの内側を照明し、
前記システムは、前記光源を制御して、暗所で光を投光すること、周囲光時間を延長すること、既存の周囲光の強度を増加させること、および特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更すること、のうちの1つ以上を実行させるように適合され、
前記システムは、前記植物を、輸送中、保管中および特定の環境における通常の成長中に、下から上に光で取り囲むよう用いられる、システム。
【請求項19】
前記光源に直接または電池を介して動作可能に接続され、前記システムを外部エネルギー源とは独立してスタンドアロンユニットとして動作させるためのソーラーパネルをさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
照明プログラムを設定するユーザ入力を受信するよう適合される制御ユニットをさらに備え、前記システムは、前記設定されたプログラムを用いて照明の動作を制御するよう適合される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記ケージに動作可能に接続するように寸法決めされ、前記ケージの高さを延長するための延在部をさらに備え、前記延在部は光源を備え、前記光源は、前記延在部の底部から前記延在部の頂部まで垂直に、および前記延在部の周囲に分布され、前記延在部の前記光源の動作が前記ケージの前記光源の動作に追従するように、前記ケージに電気的に接続される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記ケージの前記アームの長さは、前記植物の成長に適応するように前記ケージの高さを延長するように入れ子式に調節可能である、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記ドームまたは前記ケージを任意の他の植物上に再設置して、前記他の植物を、輸送中、保管中、およびそれの特定の環境での通常の成長中に、下から上に光で取り囲むことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記光源を制御するステップは、既存の周囲光の強度を増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記光源を制御するステップは、前記特定の環境で成長する前記所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記システムは、任意の他の植物を、輸送中、保管中、およびそれの特定の環境での通常の成長中に、下から上に光で取り囲むよう、前記任意の他の植物上に再設置可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項27】
前記システムは、前記光源を制御して、既存の周囲光の強度を増加させるよう適合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項28】
前記システムは、前記光源を制御して、特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更するよう適合される、請求項4に記載のシステム。
【請求項29】
前記システムは、任意の他の植物を、輸送中、保管中、およびそれの特定の環境での通常の成長中に、下から上に光で取り囲むよう、前記任意の他の植物上に再設置可能である、請求項18に記載のシステム。
【請求項30】
前記システムは、前記光源を制御して、既存の周囲光の強度を増加させるよう適合される、請求項18に記載のシステム。
【請求項31】
前記システムは、前記光源を制御して、特定の環境で成長する所与の植物に特有の成長要件に従って前記既存の周囲光のスペクトルを変更するよう適合される、請求項18に記載のシステム。
【国際調査報告】