(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】充填顆粒、これらの製造方法及びこれらの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/352 20060101AFI20221107BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20221107BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221107BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20221107BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20221107BHJP
A61K 31/454 20060101ALI20221107BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20221107BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221107BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20221107BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20221107BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221107BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20221107BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61K31/352
A61P25/04
A61P29/00
A61P25/14
A61P25/22
A61K31/454
A61K31/05
A61K9/14
A61K47/44
A61K47/36
A61K47/26
A61K36/185
A61K31/045
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511001
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020074062
(87)【国際公開番号】W WO2021038029
(87)【国際公開日】2021-03-04
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522063918
【氏名又は名称】サクソー
【氏名又は名称原語表記】SAKSO
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スイド, ザビエル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC04
4C076DD67H
4C076EE30H
4C076EE55H
4C076FF52
4C076FF53
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4C086AA02
4C086BA08
4C086BC20
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4C088ZA08
4C088ZA22
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4C206AA02
4C206CA09
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4C206MA01
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4C206ZA05
4C206ZA08
4C206ZA22
4C206ZB11
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを充填した口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関する。本発明は、a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを口内分散性糖顆粒に加えるステップ、b)前記顆粒を風乾するステップ、c)前記連続ステップ(a)及び(b)を少なくとも20回繰り返すステップ、d)任意選択により、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップをコーティングするステップを含む、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを充填した口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項2】
前記口内分散性糖顆粒が、ラクトース、サッカロース、キシリトール、又はこれらのミックスから構成される、請求項1に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項3】
各顆粒が、直径約3~4ミリメートル、及び/又は重量約30~150ミリグラムである、請求項1又は2に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項4】
前記少なくとも1種のカンナビノイド化合物が、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール、trans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)、及びこれらのミックスからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項5】
前記少なくとも1種のカンナビノイド化合物が天然又は合成のものである、請求項1~4のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項6】
前記顆粒が、糖シロップ、並びに少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを含有する抽出物で糖コーティングされている、請求項1~5のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項7】
前記少なくとも1種のカンナビノイド化合物を含有する抽出物が、植物カンナビスサティバLに由来し、少なくとも95重量%の前記カンナビノイド化合物を含む、請求項6に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項8】
各顆粒が、約2mg~約8mgの用量、優先的には約5mgと等しい用量の少なくとも1種のカンナビノイド化合物を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項9】
前記顆粒が、少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項10】
前記顆粒が、着色剤又は香味剤、天然ガム、天然ワックス又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップでさらにコーティングされている、請求項1~9のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む、方法:
a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを口内分散性糖顆粒に加えるステップ、
b)前記顆粒を風乾するステップ、
c)前記連続ステップ(a)及び(b)を少なくとも20回繰り返すステップ、
d)任意選択により、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップをコーティングするステップ。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のカンナビノイド充填顆粒の製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む、方法:
a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び1種の糖を含む溶液を凍結乾燥させるステップ、
b)凍結乾燥した粉末から、例えば打錠機を使用して、顆粒を成形するステップ、
c)任意選択により、カンナビノイド充填顆粒を、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップでコーティングするステップ。
【請求項13】
医薬として使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の、又は請求項11若しくは12に記載の方法により得られた、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項14】
慢性疼痛、炎症性障害、行動障害、及び不安障害の処置及び/又は予防において使用されるための、請求項1~10のいずれか一項に記載の、又は請求項11又は12に記載の方法により得られたカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の、又は請求項11若しくは12に記載の方法により得られた、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の栄養補完物としての使用。
【請求項16】
栄養補完物として使用するためのキットであって、
単一パッケージ内に、少なくとも1種のテルペンをさらに含有するカンナビノイド充填顆粒を含む少なくとも2つの投与デバイスを備え、前記少なくとも1種のテルペンが、1つの投与デバイスと別の投与デバイスとで異なるという点で、前記少なくとも2つの投与デバイスが互いに区別されている、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種又は複数の活性カンナビノイド化合物を含有する口腔内分散性顆粒、ニコチンを含有する口腔内分散性顆粒、前記顆粒を製造するための方法及び栄養補完物としての前記顆粒の使用に関連する。本発明はまた、医薬として使用するための前記顆粒に関する。
【背景技術】
【0002】
植物カンナビスサティバL.(Cannabis Sativa L.)(マリファナとも呼ばれる)は、植物性カンナビノイド、すなわち脳細胞においてカンナビノイド受容体と相互作用するこれらの能力を特徴とする天然の生化学的化合物を産生する。
【0003】
この植物は、何千年もの間ヒト身体に対するその作用が知られてきた。カンナビノイドは主として、アサ植物乾燥材料を喫煙することにより、又は蒸発させることにより消費される。これらのデリバリーシステムは不健康であり、不便であり、適正な用量制御を欠くものである。さらに、消費される植物抽出物は異なる植物性カンナビノイドの組合せを含有し、これらすべてが服用される。
【0004】
しかし、これらカンナビノイド化合物の一部のみ、例えば、いかなる向精神性作用も提示しないようなものを消費することが好ましいこともある。
【0005】
約110種の異なる植物性カンナビノイドが今までのところ同定されている。これらの中でも、最も豊富なのがテトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、及びカンナビノール(CBN)、これに続いてカンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)及びカンナビノジオール(CBND)である。
【0006】
最も注目に値するカンナビノイドはtrans-デルタ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)であり、これは多幸感作用及び精神安定作用を起こす強力な向精神性化合物である。別の重要な植物性カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)であり、これは非向精神性であるが、抗精神病性、鎮痛性、神経保護性、抗痙攣性、抗嘔吐性、抗腫瘍性、抗関節性、抗酸化性及び抗炎症性作用を含む多くの薬理効果を提示する化合物である。
【0007】
各カンナビノイドの有利な作用を個々に役立てるために、とりわけ、向精神性作用を含まないカンナビジオールに対して、カンナビノイドの抽出及び単離のための技術が開発されてきた。
【0008】
カンナビジオールの投与は、多発性硬化症を患っている個体において、並びに精神病、運動障害及び不安行動、例えば、全般性不安障害(GAD)、パニック障害(PD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、社会不安障害(SAD)及び強迫性障害(OCD)を含めた症例において、神経障害性疼痛を緩和するプラス効果があることが臨床的に証明されている。これらの不安に関連した障害は多大な社会的及び経済的負荷を課している(Blessingら、2015年)。
【0009】
カンナビジオール投与は、1500mg/日(経口)までの幅広い範囲の用量にわたり、ヒトにおいて良好な忍容性を示し、精神運動性の減速、ネガティブ気分作用、又はバイタルサインの異常の指摘は報告されていない(Bergamaschiら、2011年)。
【0010】
CBDを含有する最初のFDA承認薬物はエピジオレックス(Epidiolex)(登録商標)であり、これは2種の稀な、重篤な小児期てんかん症候群の処置を目的とする極めて精製された植物由来のカンナビジオールの液体製剤である。
【0011】
米国の外では、CBD及びΔ9-THCを1:1割合で含む薬物サティベックス(Sativex)(登録商標)が、多くの国において多発性硬化症による痙直の処置に対して承認されている。この薬物は口腔粘膜スプレーの形態で提案されている。
【0012】
単離した植物性カンナビノイドは、摂取により、吸入により、又は経皮的送達により消費され得る。植物性カンナビノイドは、アルコールを用いて植物から抽出し、次いで口腔内に適用することができる。植物性カンナビノイドはまた、油へと抽出し、次いで経口的に、又は鼻粘膜を介して投与することができる。油性調製物はそのまま提案されるか、又はゼラチンカプセル剤に含有されたスプレーの形態で提案されるか、又は経皮的組成物に含まれることもある。
【0013】
治療用又は非治療用(気晴らし目的)の使用のためのカンナビノイドを含む異なるガレン製剤が提案されている:
米国特許第9095563号は、アサ種抽出物を含む局所的組成物について記載している;
国際出願第WO2017/189375号は、少なくとも1種の単離したカンナビノイド、ニコチン、及び少なくとも1種の香味剤及び1種の甘味剤を含むチューインガム組成物を開示している;
国際出願第WO2017/208072号は、植物油などの油性ビヒクルを含む経鼻カンナビジオール組成物を開示している;
国際出願第WO2017/180707号は、カンナビスサティバから抽出した物質を含む摂取可能なフィルムに関し、前記フィルムはマトリックス及び90%より大きい濃度の単離したカンナビノイドからなる;
国際出願第WO2017/185038号は、CBDの速効性生理学的作用を得ることを目的とする化合物をさらに含むCBD経口製剤を開示している;
国際出願第WO2018/129097号は、合成カンナビノイドをN-アセチル化脂肪性アミノ酸と組み合わせて含む栄養補完物に関し、N-アセチル化脂肪性アミノ酸はカンナビノイドの水溶解度を増加させる;
米国特許第10434084号は、極めて小さなコーティングした糖の粒子で作った、カンナビノイドを豊富に含む粉末について記載している。この粉末は、飲料又は加熱調理食物を作るための乾燥プレミックスとして使用することができる;
米国特許出願公開第2018/344786号は、カンナビノイドとテルペンの組合せを含む油性組成物に関する。
【0014】
薬物動態実験は、経皮的適用と比較して、経口製剤が最も好ましい薬物動態プロファイルを提供することを示した(Bartnerら、2018年)。
【0015】
しかし、古典的な経口形態は、有害な副作用、及び特に以下を有し得る:
カンナビノイド含有組成物は悪い味覚及び/又は口の乾燥を誘発し得る;
錠剤及びカプセル剤の投与は、水の摂取を必要とし、一部の個体はかさばった従来の剤形を嚥下することで不愉快さを感じることもある;
飲料又は食品用の乾燥プレミックスは水及び/又は成分を必要とする、これらはそのまま消費することができない;
油性製剤は、これらのバイアルからこぼれる可能性が高く、したがってこれらの輸送は複雑である。さらに、この投与形態は適正な用量制御に欠ける。
【0016】
カンナビノイド(複数可)を含有する調理調製物、例えば、ケーキ及びキャンディーが提案されてきた。しかし調理調製物には、多くの場合極小量のカンナビノイドが充填され、これらの食物の腐敗しやすい性質により、時間の経過と共に安定していない。
【0017】
本発明の目的は、以下の利点を提示する少なくとも1種のカンナビノイドを投与するための経口製剤を提供することにある:
経口製剤は所望の用量の容易な制御を可能にする;
経口製剤は気持ち良く使用できる;
経口製剤は口内にいかなる悪い味覚も生じない、口腔内粘膜を乾燥させない;
経口製剤はその投与のために水を必要としない。より一般的には、いかなる調製も必要とせず、いかなる状況(例えば旅行中)でもそのまま投与することができる。
【0018】
興味深いことに、本経口製剤はまた、ニコチンを投与するのにも適している。ニコチン充填顆粒に対しても上記に記載されているのと同じ利点に到達する。
【0019】
経口製剤は有利には少なくとも1種のテルペンを含む。有利なことに、本発明による経口製剤は優雅に提示される、その投与は心地良い。その結果、本製剤は楽しく、陽気な方式で消費される。さらに、本経口製剤の消費は慎重である。
【0020】
[発明の概要]
本発明は、少なくとも1種のカンナビノイド化合物を含有する口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド充填顆粒に関する。
【0021】
本発明はまた、ニコチンを含有する口内分散性糖顆粒を含む、ニコチン充填顆粒に関する。
【0022】
本発明はまた、少なくとも1種のカンナビノイド化合物及びニコチンを含有する口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド及びニコチン充填顆粒に関する。
【0023】
特に、前記顆粒は、ラクトース、サッカロース、キシリトール、又はこれらのミックスで構成されている。
【0024】
好ましい実施形態では、前記カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は、少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有する。
【0025】
別の態様では、本発明は、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒、例えば、上記に記載されているものなどの製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む方法に関する:
a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物、及び/又はニコチンを口内分散性糖顆粒に加えるステップ、
b)顆粒を風乾するステップ、
c)前記連続ステップ(a)及び(b)を少なくとも20回繰り返すステップ、
d)任意選択により、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップをコーティングするステップ。
【0026】
本発明はまた、医薬として使用するための前記カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関する。
【0027】
本発明はまた、慢性疼痛、炎症性障害、行動障害、及び不安障害の処置及び/又は予防において使用するための前記カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関する。
【0028】
別の態様では、本発明は、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の、栄養補完物としての使用に関する。
【0029】
本発明はまた、栄養補完物として使用するためのキットであって、単一パッケージ内に、少なくとも1種のテルペンをさらに含有するカンナビノイド充填顆粒を含む少なくとも2つの投与デバイスを含み、前記少なくとも1種のテルペンが、1つの投与デバイスと別の投与デバイスとで異なるという点で、少なくとも2つの投与デバイスが互いにはっきりと区別されているキットに関連する。
【実施形態の詳細な説明】
【0030】
別途述べられていない限り、以下の用語及びフレーズは、本明細書で使用される場合、以下の意味を有することを意図する。
【0031】
「約」という用語は、本明細書により、示された量のほぼ10%の範囲を示している。
【0032】
本発明の認識では、「カンナビノイド化合物」及び「カンナビノイド」は交換可能なように使用され、両方とも、細胞内でカンナビノイド受容体に作用するあるクラスの多様な化学化合物を示している。このクラスは内在性カンナビノイド(動物の体内で自然に産生)、植物性カンナビノイド(アサ及び一部の他の植物に見出される)、及び合成カンナビノイド(人為的に製造)を含む。
【0033】
本発明の認識では、「カンナビノイド」という用語は、カンナビノイド由来のすべての形態、特に植物性カンナビノイドから化学的に誘導されたものを含む。
【0034】
最も注目に値する植物性カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、これはアサにおける主要な向精神性化合物である。その化学名はtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビノールであり、そのCAS番号は1972-08-3である。THCは作り出された以下の化学構造を有する。
【0035】
【0036】
本出願では、略語Δ9-THC及びTHCは差異なく使用され、両方ともtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビノールを示している。
【0037】
カンナビジオール(CBD)は、CAS番号13956-29-1で参照される化合物を示しており、この化合物は作り出された以下の化学構造を有する。
【0038】
【0039】
最初に1940年に発見され、カンナビスサティバ植物から単離されたものであったが、これは植物の抽出物の40%までに相当する。
【0040】
カンナビジオールは、いくつかの受容体、より詳細には、カンナビノイド1型受容体(CB1R)、セロトニン5-HT1A受容体、及び一過性受容体電位(TRP)バニロイド1型(TRPV1)受容体との相互作用を含む幅広い薬理学的プロファイルを有する。加えて、CBDはまた、直接的又は間接的に、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-γ、オーファンGタンパク質共役受容体55、平衡ヌクレオシドトランスポーター、アデノシントランスポーター、追加のTRPチャネル、及びグリシン受容体を調節することもできる。
【0041】
カンナビジオールは、カンナビノイドCB1及びCB2受容体に対して非常に低い親和性を有するが、これら受容体の間接的アンタゴニストとして作用すると言われている。
【0042】
合成カンナビノイドは、THC及びカンナビジオールに構造的に関係するすべての化学的に合成された化合物、並びに大麻類似物質と指定された非古典的カンナビノイドを包含する。
【0043】
3-(N-メチル-2-ピロリジニル)ピリジン、1-メチル-2-(3-ピリジル)ピロリジン、又はβ-ピリジル-α-N-メチルピロリジン、CAS番号54-11-5としても指定されるニコチンは、一部の植物、特にタバコにおいて自然に産生される神経刺激剤である。
【0044】
ニコチンは、ヒト脳内に存在するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対する受容体アゴニスト又はアンタゴニストとして作用する。これらの受容体に結合した後、ニコチンはその向精神性作用を導き出し、様々な脳構造内のいくつかの神経伝達物質のレベルを増加させる。
【0045】
顆粒の特徴
本発明は、少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを充填した口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関連する。
【0046】
第1の態様では、本発明は、少なくとも1種のカンナビノイド化合物を充填した口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド充填顆粒に関連する。
【0047】
本発明の認識では、「カンナビノイド充填顆粒」というフレーズは、当業者に公知の任意の技術により、少なくとも1種のカンナビノイド化合物が充填された顆粒を示している。前記充填技術は以下を含む:
「含浸」は、顆粒のマトリックスへのカンナビノイド化合物の浸透(「~への充填」に相当)を含む;及び
「糖コーティング」は、顆粒の周囲に外層としてカンナビノイド化合物を凝集させることを含み、顆粒を糖シロップでコーティングし、次いで前記カンナビノイド化合物を糖シロップの層の上に塗布することに相当する(「~上への充填」に相当)。
【0048】
第2の態様では、本発明は、ニコチンを充填した口内分散性糖顆粒を含む、ニコチン充填顆粒に関連する。
【0049】
本発明の認識では、「ニコチン充填顆粒」というフレーズは、当業者に公知の任意の技術により、ニコチン又は同じ向精神特性を示すその誘導体のうちのいずれか1種を充填した顆粒を示している。
【0050】
第3の態様では、本発明は、少なくとも1種のカンナビノイド及びニコチンを充填した口内分散性糖顆粒を含む、カンナビノイド及びニコチン充填顆粒に関連する。本発明のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は、いずれかの充填技術を用いた、カンナビノイド(複数可)及び/又はニコチンを含有する顆粒である。言い換えると、「含有する」という用語は、本明細書で使用される場合、「~への充填」と「~上への充填」の両方の実施形態を包含する顆粒を指す。
【0051】
本発明の認識では、「カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒」というフレーズは、当業者に公知の任意の技術により、以下のもので充填された顆粒を示している:
(i)少なくとも1種のカンナビノイド、又は
(ii)ニコチン若しくは同じ向精神特性を示すその誘導体のうちのいずれか1種、又は
(iii)少なくとも1種のカンナビジオール及びニコチン。
【0052】
ペレット又はビーズとも呼ばれる口内分散性糖顆粒は、ホメオパシー薬の担体として一般的に使用されている。ホメオパシー丸剤は、糖などの不活性物質で作製された顆粒から実際に作製し、その上に少量の液体ホメオパシー調製物を配置し、蒸発させる。
【0053】
中性の口内分散性糖顆粒(すなわち、任意の活性化合物を有さない)は市販されており、当業者には周知である。本発明の認識では、「中性顆粒」というフレーズは、充填の任意のステップの前の顆粒を示している。
【0054】
本発明の特定の実施形態では、前記口内分散性糖の中性顆粒は、ラクトース、サッカロース、キシリトール、又はこれらのミックスで構成される。
【0055】
優先的に、中性顆粒は、CAS番号87-99-0の糖アルコールであるキシリトールで100%構成される。キシリトールは、木材及び農業廃棄物に由来するリグノセルロースから工業的に調製する。
【0056】
これらの顆粒は経口的に分散性があり(口内分散性、口内で溶解可能、口どけ又は多孔質顆粒とも定義される)、このことは、顆粒が唾液と接触した時点で、水の補助なしに分散又は分解し、次いでこれらが含有する活性化合物(複数可)を放出するように、顆粒が設計されていることを意味する。
【0057】
これらの顆粒は、これらが含有する活性化合物の舌下投与を企図するものである。
【0058】
これらの顆粒は有利なことには、水が入手できない、又は手術前なので禁止されている状態において有用である。
【0059】
口内分散性顆粒が口内で分解する最も良い時間は1分未満と考えられる。大半が、崩壊時間は5秒~30秒まで様々である。
【0060】
カンナビノイド充填顆粒を製造するために使用される中性顆粒は、好ましくは環状形状を有し、例えば、小さなビーズ又はボール又は球である。
【0061】
好ましくは、本発明の中性顆粒及び充填顆粒は1ミリメートルを超える直径を有する。
【0062】
本発明の好ましい態様では、各中性顆粒の直径は約2~10ミリメートル、好ましくは約3~4ミリメートルである。本発明の特定の実施形態では、各顆粒は、直径約3~4ミリメートル、特に直径3.7ミリメートルである。
【0063】
本発明の好ましい態様では、各中性顆粒は、約30~300ミリグラム、好ましくは約30~150ミリグラムの重量を有する。通常、これらの中性顆粒は、「1グラム当たり8個」のバッチ(すなわち各顆粒の重量は約125mg)、「1グラム当たり10個」のバッチ(各顆粒の重量は約100mg)、「1グラム当たり20個」のバッチ(各顆粒の重量は約50mg)、及び「1グラム当たり25個」のバッチ(各顆粒の重量は約40mg)で市販されている。
【0064】
カンナビノイド化合物
本発明の特定の実施形態では、中性顆粒を充填するために使用されるカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、カンナビゲロール(CBG)、trans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)、及びこれらのミックスからなる群から選択される。
【0065】
第1の実施形態によると、顆粒はカンナビジオール(CBD)を含有する。これらの顆粒は特に、舌下投与方式を介してカンナビジオールのみを消費することを望む個体を対象とする。
【0066】
特に、顆粒は、カンナビジオールの分離物である純粋なCBDなどの生成物を含有する。
【0067】
第2の実施形態によると、顆粒はtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)を含有する。
【0068】
第3の実施形態によると、顆粒はカンナビジオール(CBD)とtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)の両方のミックスを含有する。このミックスは各構成成分に対して任意の割合、例えば50%のCBD及び50%のTHC、又は20%のCBD及び80%のTHC若しくはその逆、又は90%のCBD及び10%のTHC若しくはその逆であってもよい。
【0069】
特定の実施形態では、CBD及びTHCは、99:1のCBD/THCと1:99のCBD/THCとの間に含まれる特定の比率で組み合わせることができ、この範囲の境界値は含まれる。
【0070】
CBD及びTHCは、異なる作用機序を介して作用するにもかかわらず、多くの生理学的作用は重複している。組み合わせた場合、CBD及びTHCは、THCの向精神性又は障害作用を含む望ましくない作用を減少させながら、互いの利点を増強させることができる。
【0071】
第4の実施形態によると、顆粒は、カンナビジオール(CBD)、trans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)、又はこれらのミックス、及びさらに他のカンナビノイド化合物を含有する。
【0072】
第5の実施形態によると、顆粒はカンナビジオール(CBD)をカンナビゲロール(CBG)と組み合わせて含有する。
【0073】
中性顆粒を充填するために使用される少なくとも1種のカンナビノイドは天然の起源又は合成であってもよい。
【0074】
好ましくは、少なくとも1種のカンナビノイドは天然起源の植物性カンナビノイドである。特に、少なくとも1種のカンナビノイドは、植物カンナビスサティバから抽出した植物性カンナビノイドであってもよい。
【0075】
好ましくは、少なくとも1種のカンナビノイドは、前記カンナビノイドを少なくとも90%含む、精製された形態である。この精製された形態は特に前記カンナビノイドの分離物であってもよい。
【0076】
植物カンナビスサティバからの抽出物は、異なる形態、例えば、エマルジョン、油、ペースト、液体、樹脂、結晶、粉末、又はパルプであってもよい。
【0077】
これらの異なる形態のカンナビノイド抽出物は2つの主要カテゴリー:「全範囲」又は「分離物」に分類される。「全範囲」は主に1種のカンナビノイドを含有するが、少量の植物由来の他のカンナビノイドも含有する。
【0078】
「分離物」は、植物から抽出し、他のカンナビノイドから単離した、精製されたカンナビノイドを含む。
【0079】
本発明の好ましい実施形態によると、前記分離物は、分離物の総重量に対して、少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも99重量%及びより好ましくは約99.9重量%の対象カンナビノイドを含有する。
【0080】
99%超のCBDを有するカンナビジオール分離物は、例えば、SPECTRUMS Europe又はFOLIUM BIOSCIENCES(US)から市販されている。
【0081】
油性の全範囲の抽出物のリファイニングから得たこれら分離物は普通、結晶性粉末の形態である。この粉末は油に溶解するが、水には溶解しない。興味深いことに、これらの分離物はいかなる味覚も香味も提示しない。有利なことに、前記CBD分離物は微量のTHCしか含有せず、又はより良い場合にはいかなるTHCも含有しない。
【0082】
顆粒の糖コーティング
本発明の好ましい実施形態では、顆粒は糖シロップ及び少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを含有する抽出物で糖コーティングされている。
【0083】
顆粒の「糖コーティング」と呼ばれるこの技術は、ホメオパシー顆粒の当業者、並びに菓子製造の当業者にとっては日常的な手順である。少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンの、顆粒の周囲に作製された糖の外層への均一な配分が可能となるので、この技術は有利である。
【0084】
糖コーティングはコーティングタービンを使用して通常実施される。このステップに対して有用なコーティングタービンは特に、DRIAM型、GLATT型又はMANESTY型のものである。
【0085】
糖コーティングのプロセスは、3つのステップを含む:顆粒を糖シロップでコーティングするステップ、次いで、少なくとも1種のカンナビノイド化合物(全範囲又は分離物、優先的には分離物)及び/又はニコチンを含有する抽出物を顆粒へ塗布するステップ、並びに最後にコーティングした顆粒を風乾するステップ。
【0086】
糖シロップは、水及び少なくとも1種の糖、例えば、ポリオール、単糖、二糖、又は任意のこれらの組合せを含む。好ましくは、糖は、ラクトース、サッカロース、ポリオール又はこれらのミックスの中から選択される。特に糖はポリオールであり、好ましくはキシリトールである。
【0087】
本発明の好ましい実施形態では、糖シロップは約「60 BRIX」の濃度であり、これは100mlの水に溶解した60グラムの糖に相当する。糖シロップはまた、40、50、65、70、80又は90BRIXでの溶液であることもできる。
【0088】
有利には、少なくとも1種のカンナビノイド化合物を含有する抽出物は、植物カンナビスサティバLに由来する。
【0089】
好ましくは、それは、1種のみのカンナビノイド化合物を含む分離物である。
【0090】
好ましい実施形態では、この分離物は少なくとも95重量%の前記1種のカンナビノイド化合物を含む。
【0091】
充填されたカンナビノイドの用量
用量は、カンナビスサティバ抽出物の最大の利点及び最小の有害作用を達成する上で重要な要素である。成人に対するカンナビノイドの最適な平均1日用量(すなわち、副作用なしで安全な量)は、個体ごとに異なるが、医師により確立され、以下の通りである:
CBDに対して、1日当たり25~30ミリグラム、及び
THCに対して、1日当たり20~30ミリグラム。
【0092】
好ましくは、投与の各単回用量は10mgを超えてはならない。
【0093】
特定の実施形態では、カンナビノイド充填顆粒は、特定量の少なくとも1種のカンナビノイド又はこれらのミックスを含有するように調製される。
【0094】
例えば、各顆粒は、5、10、15、20、25又は30mgのカンナビノイド、すなわち単一のカンナビノイド又は少なくとも2種カンナビノイド化合物のミックスを含有する。
【0095】
好ましくは、各顆粒は、約2mg~約8mgの用量、優先的には約4mg~約6mgの用量、より好ましくは約5mgと等しい用量の1種のカンナビノイドを含有する。
【0096】
本発明の特定の実施形態では、1種のカンナビノイド充填顆粒は約130mgの重量があり、これは125mgの糖顆粒及び5mgの少なくとも1種のカンナビノイドを含む。本実施形態では、少なくとも1種のカンナビノイドは、充填顆粒の総乾燥重量の3.85%に相当する。
【0097】
本発明の別の特定の実施形態では、1種のカンナビノイド充填顆粒は約45mgの重量があり、これは、40mgの糖顆粒及び5mgの少なくとも1種のカンナビノイドを含む。本実施形態では、少なくとも1種のカンナビノイドは、充填顆粒の総乾燥重量の11.11%に相当する。
【0098】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1種のカンナビノイドは、カンナビノイド充填顆粒の総乾燥重量の約2重量%~15重量%に相当する。
【0099】
充填ニコチンの用量
用量は、ニコチンの最大の利点及び最小の有害作用を達成する上で重要な要素である。個体ごとに異なるが、喫煙の一時的な中断又は停止に対して、個体により毎日消費される各煙草に対して約1mgのニコチンが投与されるべきであることが医師により確立されている。
【0100】
好ましくは、投与の各単回用量は、30mgのニコチンを超えないものとする。
【0101】
特定の実施形態では、ニコチン充填顆粒は、特定量のニコチンを含有するように調製される。例えば、各顆粒は、5、10、15、20、25又は30mgのニコチンを含有することができる。
【0102】
特定の実施形態によると、本発明は以下に関する:
充填顆粒はカンナビジオール(CBD)をニコチンと組み合わせて含有する;
充填顆粒はtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)をニコチンと組み合わせて含有する;
充填顆粒はカンナビジオール(CBD)とtrans-Δ9-テトラヒドロカンナビジオール(THC)の両方のミックス及びニコチンを含有する;
充填顆粒はカンナビジオール(CBD)をカンナビゲロール(CBG)及びニコチンと組み合わせて含有する。
【0103】
テルペンをさらに含有するカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒
本発明の特定の実施形態では、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有する。
【0104】
より具体的には、本発明は以下に関連する:
少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有するカンナビノイド充填顆粒、
少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有するニコチン充填顆粒、及び
少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含有するカンナビノイド及びニコチン充填顆粒。
【0105】
有利なことには、本発明のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、少なくとも2種のテルペンの組合せを含む溶液を含浸させる。
【0106】
テルペンとは、様々な植物、特に針葉樹、及び一部の昆虫により産生される有機炭化水素の1つのクラスである。テルペン及びこれらの誘導体テルペノイドはエッセンシャルオイルの主要な構成物質である。テルペンはまたカンナビスサティバ植物の主要な構成物質であり、少なくとも120種の同定された化合物を含有する。
【0107】
テルペンは、食物及び医薬産業における使用のために望ましい特性を有する。テルペン及びテルペノイドは広い範囲で生じるが、天然供給源からのこれらの抽出は多くの場合問題がある。結果的に、これらは多くの場合化学合成に由来する合成製品として供給されている。
【0108】
本発明の好ましい実施形態では、顆粒に、以下の群の中から選択される少なくとも1種のテルペンを含む溶液を含浸させる:ミルセン、d-リモネン、α-ピネネン、リナロール、ボルネオール、カリオフィレン、テルピノレン、メントール、ゲラニオール、ビサボロール、β-カリオフィレン、フムレン、リナロール、ファルネセン、a-フェランドレン、及びこれらの任意の組合せ。
【0109】
顆粒の含浸は、ホメオパシー顆粒の当業者にとっては日常的手順である。手順は文献、例えば、米国特許第4703717号において広範囲にわたり記載されている。この技術は以下の使用を含む:
活性化合物(少なくとも1種のテルペン)を含む液体、
所望のサイズ/重量の多孔質糖顆粒、及び
制御手段を有する含浸デバイス。
【0110】
含浸デバイスは、任意のホメオパシーデバイス店舗、例えば、http://www.vanda-france.fr/において市販されている。
【0111】
有利なことには、本発明の顆粒に、0.2%~2%の含浸率、好ましくは0.5%の含浸率でテルペン(複数可)を含浸させる。
【0112】
実施例セクションにおいて提示されているように、含浸率0.5%に対応する一般的用量は、5000グラムのキシリトール顆粒に対して、約25グラムのテルペンである。
【0113】
カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の製造方法の特定の実施において、顆粒は、最初に少なくとも1種のテルペンを含むダイナマイズした溶液を含浸させて、次いでカンナビノイド(複数可)及び/又はニコチンを充填する。
【0114】
任意選択により、充填顆粒は、テルペン含浸ステップの直後に、天然ガム、例えば、アラビアガムでコーティングすることができる。この任意選択のステップは、少なくとも1種のテルペンを固定し、単離するのに有用であり、さらに顆粒の凝固を助ける。
【0115】
追加の化合物
本発明によるカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒はまた、少なくとも1種の追加の活性化合物を含むことができる。
【0116】
これらの活性化合物は、特にマッシュルーム抽出物、カフェイン、フラボノイド、及びこれらの組合せの中から選択することができる。
【0117】
マッシュルーム抽出物は、特に以下のマッシュルームからの抽出物である:
シロカノシタ(Hydnum repandum)、スウィートトゥース、ウッドヘッジホッグ又はヘッジホッグマッシュルーム、ハリタケファミリーの担子菌類(Basidiomycete fungus)として一般的に公知、
ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)、ライオンズメーンマッシュルーム、モンキーヘッドマッシュルーム、ベアードトゥースマッシュルーム、サテュロスベアード、ベアデッドヘッジホッグマッシュルーム、ポンポンマッシュルーム、又はベアデッドトゥース菌類とも呼ばれ、歯菌類の群に属する、
チャーガ、すなわちカバノアナタケ(Inonotus obliquus)、ヒメノカエタ(Hymenochaetaceae)ファミリー、
霊芝、リンジー又はガノデルマリンジーとしても公知、ガノデルマ属に属する多孔菌類、
カワラタケ(Trametes versicolor)、コリオルスベルシカラー又はポリポーラスベルシカラー、ポリポアマッシュルームとしても公知である。
【0118】
特定の実施形態では、本発明によるカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は少なくとも1種のマッシュルーム抽出物をさらに含む。
【0119】
特定の実施形態では、本発明によるカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒はカフェインをさらに含む。
【0120】
特定の実施形態では、本発明によるカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は少なくとも1種のフラボノイドをさらに含む。
【0121】
カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は、可溶化剤、増粘剤、界面活性剤、着色剤(特に顆粒のホワイトニングのため)、香味剤、発泡剤、抗酸化剤、生体接着剤、pH変性剤、ビタミン、ミネラル、浸透促進剤又は経皮吸収促進剤、吸収増強剤、セロトニン、カフェイン、アミノ酸、及びこれらの混合物の群から選択される追加の化合物をさらに含有することができる。
【0122】
浸透若しくは透過促進剤及び吸収増強剤は、存在する場合、個体の粘膜組織によるカンナビノイドの吸収を改善するために加える。
【0123】
ビタミンは特に、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKからなる群から選択される。
【0124】
これら追加の化合物は、含浸により、又は顆粒の糖コーティングの一部として顆粒に加えることができる。
【0125】
カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の最終コーティング
充填顆粒の最終コーティングは、顆粒の安定性を改善しながら、見た目に美しい魅力を可能にする。特に、カンナビノイド分離物の微量の結晶性粉末が充填顆粒の周囲に依然として存在する場合、最終コーティングは、前記微量粉末の顆粒上への固定を可能にすることができる。
【0126】
本発明の特定の実施形態では、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は、着色剤又は香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップでコーティングする。
【0127】
この任意選択のステップは、輝く顆粒の獲得を可能にする。さらに、この最終コーティングは顆粒を破損から保護する。
【0128】
このコーティングを得るための技術は上記に記載されている。
【0129】
この最終コーティングは顆粒の全表面上の外層であり、その厚さは10ミクロン未満である。最終コーティングはとりわけ以下を含み得る:
天然ガム、例えば、アラビアガム若しくはキサンタンガム、又は
天然ワックス、例えば、カルナバワックス若しくは蜜ろう、又は
糖コーティングの場合:
ポリオール、例えば、キシリトール、又は
単糖、例えば、グルコース若しくはフルクトース、又は
二糖、例えば、サッカロース、ラクトース、若しくはスクロース、又は
これらの任意の組合せ。
【0130】
任意選択により、最終コーティング層は着色剤及び/又は香味剤を含むことができる。
【0131】
最終コーティング層は、当業者により周知の、適当な合成着色剤又は天然着色剤から選択される着色剤を含むことができる。
【0132】
最終コーティング層はまた、合成香味油及び香味芳香剤及び/又は天然油から選択される香味剤を含有することもできる。このような香味剤は、以下の香味料のうちの1種を有するものの中から選択することができる:ミント、ショウガ、アニス、シナモン、ペパーミント、甘草、蜂蜜、バニラ、レモン、オレンジ、ブドウ、ライム及びグレープフルーツを含むかんきつ油、並びにリンゴ、セイヨウナシ、モモ、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズなどを含む果実エッセンス。
【0133】
カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の製造方法
本発明はまた、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒、例えば、上記に記載されているものなどの製造方法であって、少なくとも以下のステップを含む方法に関連する:
a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物、及び/又はニコチンを口内分散性糖顆粒に加えるステップ、
b)顆粒を風乾するステップ、
c)前記連続ステップ(a)及び(b)を少なくとも20回繰り返すステップ、
d)任意選択により、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップをコーティングするステップ。
【0134】
「口内分散性糖顆粒に加える」ステップは、当業者に公知の任意の技術で実施することができる。特に、この少なくとも1種のカンナビジオール化合物及び/又はニコチンの添加のステップは、以下のステップとなり得る:
少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを含有する抽出物を、口内分散性糖顆粒に塗布するステップ、又は
少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを口内分散性糖顆粒に組み込むステップ。
【0135】
任意選択のステップを、上記に記載されている方法のいかなる時点に加えることができる:例えば、テルペン(複数可)を含浸させるステップ、これに続いてスクラビングするステップをカンナビノイド及び/又はニコチン充填ステップ(a)の前後に導入することができる。
【0136】
本発明の特定の実施形態では、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒、例えば、上記に記載されているものなどの製造方法は、少なくとも以下のステップを含む:
a1)口内分散性糖顆粒に糖シロップ、特にキシリトールシロップをコーティングするステップ、
a2)少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを含有する抽出物をキシリトールコーティングした顆粒に塗布するステップ、
b)顆粒を風乾するステップ、
c)前記連続ステップ(a1)、(a2)及び(b)を、少なくとも20回繰り返すステップ、
d)任意選択により、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップをさらにコーティングするステップ。
【0137】
ステップ(a1)では、口内分散性糖顆粒に、糖シロップ、例えば、キシリトールシロップをスプレーする。これらの顆粒には、少なくとも1種のテルペン、好ましくは少なくとも2種のテルペンの組合せを含む溶液に事前に含浸させておくこともできる。
【0138】
ステップ(a1)、(a2)及び(b)はコーティングタービン内で実施する。これらのステップは逐次的に実現し、少なくとも20回、好ましくは少なくとも30回、より好ましくは少なくとも40回、好ましい方式では約50回繰り返す。
【0139】
ステップ(d)は、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒を、顆粒の全表面上に薄い外層で最終糖コーティングするステップからなり、以下を含む:
天然ガム、例えば、アラビアガム若しくはキサンタンガム、又は
天然ワックス、例えば、カルナバワックス若しくは蜜ろう、又は
水を含む糖コーティング及び:
ポリオール、例えば、キシリトール、又は
単糖、例えば、グルコース若しくはフルクトース、又は
二糖、例えば、サッカロース、ラクトース、若しくはスクロース、並びに
任意選択により、香味剤及び/若しくは着色剤、又は
これらの任意の組合せ。
【0140】
このステップ(d)は、少なくとも2回繰り返すことができる、例えば:
第1の糖コーティングステップは、顆粒を香味剤で覆うために実現する、
第2のコーティングステップは、カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の輝く外観を得るために、ワックスで実現する。
【0141】
顆粒を香味剤で覆うための第1の糖コーティングステップは、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、20回、又はそれ以上繰り返してから、第2のコーティングステップを実施することができる。
【0142】
前記コーティングはコーティングタービンを用いて実施される。このステップに対して有用なコーティングタービンは特に、DRIAM型、GLATT型又はMANESTY型のものである。
【0143】
本発明による方法の別の実施が実施例4に提示されている。この特定の方法は以下のステップを含む:
1)口内分散性糖顆粒に少なくとも1種のテルペンを含浸させるステップ、
2)天然ガムでスクラビングするステップ、
3)顆粒に、少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び/又はニコチンを充填するステップ、
4)顆粒に、任意選択により、香味剤を含む糖シロップをコーティングするステップ、
5)保護及び輝きのため、顆粒にワックスを最終コーティングするステップ。
【0144】
本発明はまた、少なくとも以下のステップを含む、カンナビノイド充填顆粒の方法に関する:
a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物及び1種の糖を含む溶液を凍結乾燥させるステップ、
b)凍結乾燥粉末から、例えば打錠機を使用して、顆粒を成形するステップ、
c)任意選択により、カンナビノイド充填顆粒を、着色剤若しくは香味剤、天然ガム、天然ワックス、又はこれらの任意の組合せを含む糖シロップでコーティングするステップ。
【0145】
本方法は、少なくとも1種のカンナビノイド化合物がTHCである場合、特に有用である。本方法は実施例5に例示されている。
【0146】
本発明のカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の使用
本発明はまた、医薬としての使用のための、上に記載されているような、又は上に記載されているような方法のいずれか1つにより得られるようなカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関連する。
【0147】
カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒は舌下に投与することが企図される。興味深いことに、カンナビノイド(複数可)のこの送達経路は、口腔粘膜を介したカンナビノイド(複数可)の急速な立ち上がりを可能にする。
【0148】
別の態様では、本発明は、慢性疼痛、炎症性障害、行動障害、及び不安障害の処置及び/又は予防における使用のための前記カンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒に関連する。
【0149】
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置している」又は「処置」という用語は、個体の疾患、欠陥、障害、又は有害な状態の症状の頻度及び/又は重症度を減少させることを目指して、前記個体へ治療を施すことを指す。
【0150】
本明細書で使用される場合、「予防する」、「予防している」又は「予防」という用語は、個体が特定の疾患を発症する可能性を減少させることを目指して、前記個体に治療用化合物を投与することを指す。
【0151】
特定の実施形態では、本発明は、時々又は定期的なベースでのタバコ嗜癖の処置における使用のためのニコチン充填顆粒に関連する。
【0152】
栄養補完物及びこれを含むキット
本発明はまた、上に記載されているような、又は上に記載されているような方法のいずれか1つにより得られるようなカンナビノイド及び/又はニコチン充填顆粒の、栄養補完物としての使用に関する。
【0153】
本明細書で使用される場合、「栄養補完物」という用語は、普通消費されない物質を提供することを企図した、通常の食事レジメンに加えて出される任意の食物補完物を指している。
【0154】
前記栄養補完物を消費する個体は以下であり得る:
カンナビノイドの「気晴らし目的のユーザー」、及び/又は
時々又は定期的なベースで、ある用量のニコチンを消費することを望む個体。
【0155】
本発明はまた、栄養補完物としての使用のためのキットであって、単一パッケージ内に、少なくとも1種のテルペンをさらに含有するカンナビノイド充填顆粒を含む少なくとも2つの投与デバイスを含み、前記少なくとも1種のテルペンが、1つの投与デバイスと別の投与デバイスとで異なるという点で、少なくとも2つの投与デバイスが互いにはっきりと区別されている、キットに関する。
【0156】
特定の実施形態では、前記キットは、前記キットの使用のための情報又は指示を伝達するための手段をさらに含む。
【0157】
特定の実施形態では、前記キットはカンナビジオール充填顆粒を含む。
【0158】
すでに述べられているように、カンナビノイド、例えば、カンナビジオール(CBD)の最適な1日用量は1日約25mgであり、結果的には、特定の実施形態では、最適な1日用量は各CBD5mgを含有する5顆粒である。
【0159】
この最後の実施形態によると、キットのユーザーは、ユーザーの特定の必要性:濃度、眠気、疲労、運動前のエネルギー充填などにより、その日の間に5顆粒を消費することを選ぶ。
【0160】
キットが3つの投与デバイスを含有する場合、ユーザーは、朝に1つの投与デバイスから2顆粒を消費し、昼に別の投与デバイスから1顆粒を消費し、夜、就眠前に最後の投与デバイスから2顆粒を消費することを選ぶこともできる。
【0161】
有利なことには、本発明のキットは、1週間にわたる投与に対して十分な顆粒(35顆粒のカンナビノイド充填顆粒)、2週間にわたる投与に対して十分な顆粒(70顆粒のカンナビノイド充填顆粒)又はさらに1カ月にわたる投与に対して十分な顆粒(140顆粒を超えるカンナビノイド充填顆粒)を含み、顆粒の数は1日5顆粒という最適な1日用量に基づく。
【0162】
これらの顆粒は少なくとも2つの投与デバイス、好ましくは3つ、4つ、5つ、6つ又は7つの投与デバイスに分配される。
【0163】
各投与デバイスは、約5、10、15、20、25又は30顆粒のカンナビノイド充填顆粒を含む。
【実施例】
【0164】
本発明は本明細書で特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲で定義されているような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、例示的実施形態に対して多くの変化形が作製され、他の配置が考案され得ることを理解されたい。
【0165】
実施例1.カンナビノイド充填顆粒の調製の方法
この実験では、キシリトール顆粒に1顆粒当たり5mgのCBDを充填した。使用されているキシリトールビーズは直径約3.7mm及び重量0.04gである。
【0166】
A-顆粒へのテルペンの組合せの含浸。
純粋なテルペンの組合せ(ミルセン型)、例えば、リモネン、A-ピネン、リナロール、カリオフィレンを含む溶液を以下の割合で使用した:
1kgのキシリトールビーズ、及び
5gのテルペン溶液。
【0167】
溶液のダイナマイゼーションを3回繰り返した:20秒間、300振盪。当業者には周知の通り、活性成分を含有する液体は含浸前に優先的に「ダイナマイズする」。ホメオパシーにおいて、「ダイナマイゼーション」とは、活性化合物を含むアルコール溶液を、「振盪」と呼ばれるプロセスにおいて激しく振盪することを指す。
【0168】
含浸は、液注入器又はコーティングタービンのいずれかを用いて実現される。
液注入器による:
ビーズへの添加によるテルペン溶液の供給
混合:30分間
乾燥時間:20~30分間
タービンによる:
ビーズへのスプレー(自動スプレーガンを用いた微粒化)によるテルペン溶液の供給、
混合:30分間、
乾燥時間:20~30分間(小型のセントラル空気処理を用いて)、大気温度は40℃未満。
【0169】
このプロセスの終わりに、キシリトールビーズに少なくとも2種のテルペンの組合せ(この場合、1kgのビーズに対して5gのテルペン、すなわち、ビーズ1個当たり0.5重量%テルペン)を含浸させる。
【0170】
B-キシリトールシロップによる、テルペンを含浸したキシリトールビーズのコーティング、これに続くCBD又は任意の他のカンナビノイド化合物の塗布
この実施例では、テルペンを含浸した2kgのキシリトールビーズ(すなわち約50000ビーズ)を、250gのカンナビジオール(CBD)と共に使用して、約5mgのCBDを各ビーズに分配した。
【0171】
最初に、450gのキシリトール及び300gの水を用いて、60 BRIXでのキシリトールシロップを調製し、80℃まで加熱した。次いでシロップの温度を50℃~60℃の間に低減し、キシリトールの濃度を60 BRIXに調節する。
【0172】
60 BRIXのシロップが得られたら、キシリトールビーズをコーティングのためにタービンに導入する。
【0173】
CBDのコーティング及び塗布の各サイクルは以下のサブステップを含む:
自動スプレーガンを用いて、ビーズにキシリトールシロップをスプレーし、次いで約30秒間混合すること、
CBD分離物をビーズに塗布すること、及び
ビーズをエア処理で3~4分間、温度約25℃の「冷たい」空気を用いて乾燥させること。
【0174】
これら連続するステップを約64回繰り返す。
【0175】
スプレーの回数はサイクルに依存する:
最初の10サイクルでは、キシリトールシロップ/CBD分離物の8回のスプレーを実施する。この間4.5gのキシリトールシロップ(0.04リットル)及び2.25gのカンナビジオールをビーズに充填する、
サイクルn°11~20の間、キシリトールシロップ/CBD分離物の12回スプレーを実施する。6.75gのキシリトールシロップ及び3.375gのカンナビジオールをビーズに充填する、
サイクルn°21では、1キシリトールシロップ/CBD分離物の16回のスプレーを実施する。この間4.5gのカンナビジオールを充填する。
【0176】
このプロセスを用いて、250gのカンナビジオールが50000個のビーズに次第に導入される。
【0177】
実施例2:香味、色及び/又は輝きのためのカンナビノイド充填顆粒のさらなるコーティング
有利なことには、「最終糖コーティング」の2つのステップを実施する:
1.キシリトールシロップにバニラ香味料(又は任意の他の芳香)をコーティングするステップ:
自動スプレーガンを用いてビーズにキシリトールシロップをスプレーし、約4分間混合する、
ビーズをエア処理で、約3分間乾燥させる、
最後のスプレーの間、エアを最小量にして、バニラ香味料(2g/kg)をビーズに加える、
ビーズを乾燥させる。
このステップを約25回繰り返す。
【0178】
2.エアなしで、カルナバワックスをCBD充填顆粒と、以下の割合で混合する:1kgの充填顆粒に対して500mgのワックス。
【0179】
実施例3.キットの調製
顆粒1個当たり5mgCBDを充填したキシリトール顆粒、及び他の活性化合物を含むキットは、8つの投与デバイスを含む。
【0180】
各投与デバイスは、テルペンのミックスをさらに含むCBD-充填顆粒を含み、前記テルペンのミックスが、1つの投与デバイスと別の投与デバイスとで異なるという点で、前記投与デバイスは互いにはっきりと区別されている。この実施例では、各顆粒は0.5重量%のテルペンミックスを含む。
【0181】
8つの投与デバイスのそれぞれ1つは、特定の使用に対して設計されている:
1)ブレインフォーカス-「フォーカス」
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、d-リモネン、ボルネオール及びミルセン。
2)スポーツブースター-「スポーツ」
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、d-リモネン、テルピノレン、メントール、ゲラニオール及びビサボロール。
3)睡眠
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、β-カリオフィレン、フムレン、リナロール、及びミルセン。
4)疼痛緩和
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、d-リモネン、ゲラニオール、フムレン、ファルネセン、リナロール及びミルセン。
5)セーフガード(免疫系ブースター)-「免疫」
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、d-リモネン、β-カリオフィレン、a-フェランドレン、リナロール及びミルセン。
6)催淫性刺激剤(感受性)-「親密性」
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:α-ピネネン、d-リモネン、テルピノレン、β-カリオフィレン、フムレン、ファルネセン、リナロール及びミルセン。
7)リラックス
CBD充填顆粒は、以下の中から選択される少なくとも2種のテルペンの組合せをさらに含む:ファルネセン、β-カリオフィレン、ミルセン
8)「純粋なCBD」
少なくとも2種のテルペンの組合せを有するCBD充填顆粒。CBDは、これらの顆粒はいかなるカンナビゲロール(CBG)も含有しないので、「純粋」と言われている。
【0182】
実施例4.充填顆粒の調製の工業プロセスの例示
第1相:含浸
ステップ1-制御
大気温度:20°~30°の間
湿度測定:20%~35%の間
ステップ2-装置の始動
キシリトール(5000g)で作製された顆粒をコーティング装置に堆積させる。
装置のスイッチを入れる。混合速度は30~40rpmの間に含まれる(毎分回転数)。
ステップ3-テルペン/アルコール溶液のダイナマイゼーション
以下の化合物を混合する:
天然テルペン(約25g)
エチルアルコール(約75g)
テルペン及びアルコールをダイナマイゼーションで混合する:2~6時間/300~500の間の振盪。
ダイナマイズした溶液を4つのステップでコーティング装置に統合し、次いで:
10~30分間調合する
40℃~60℃の間に含まれる温度で30~60分間乾燥させる。
【0183】
第2相:スクラビング
ステップ1-主要な化合物の調製(2%~5%の間に希釈)
キシリトール粉末:約100g
蒸留水:25g~30g
アラビアガム:25g~30g
ステップ2-ガムの調製
約100gの乾燥粉末に対して:
アラビアガム:20g~30g
キシリトール粉末:70g~80g
キシリトール粉末及びアラビアガムをブレンドする。
約50mlの溶液に対して:
アラビアガム:5g
キシリトール粉末:20g
蒸留水:25g
キシリトール粉末及びアラビアガムをブレンドする
水を30℃~45℃まで加熱する
粉末を水と混合し、温度を維持する
ミックスをコーティング装置に注ぐ:1~5分間撹拌する。
100gの乾燥粉末をコーティング装置に注ぐ
約1分間~5分間調合する
20℃~30℃の間で約1時間乾燥させる。
【0184】
第3相:CBD-CBGコーティング
ステップ1-原料の用意
キシリトール粉末:2700g~3500gの間
蒸留水:1000g~1700gの間
CBD-CBG:約1400g
ステップ2-キシリトールシロップの調製
蒸留水をホット飲料機器に注ぐ
温度を65℃~85℃の間に調節する
キシリトール粉末を注ぐ
シロップの≪Brix≫をチェックする:60~90の間
ステップ3-CBD-CBGコーティング
このコーティングプロセスは40~70のステップを含む。各ステップは以下を含む:
コーティング装置に約100mlのキシリトールシロップ及び20gのCBD-CBGを注ぐ
約1~5分間を混合する
20℃~30℃の間で乾燥させる。
【0185】
第4相:キシリトールシロップコーティング
ステップ1-原料の分日
キシリトール粉末:1250~1900gの間
蒸留水:500~850gの間
バニラ香味料:5g~12gの間
ステップ2-キシリトールシロップの調製
ホット飲料機器に蒸留水を注ぐ
温度を65℃~85℃の間に調節する
キシリトール粉末を注ぐ
シロップの≪Brix≫をチェックする:60~90の間
ステップ3-キシリトールシロップのコーティング
顆粒をコーティング装置に再充填する
このコーティングプロセスは、10~30のステップを含む。各ステップは以下のサブステップを含む:
コーティング装置に約50mlのキシリトールシロップを注ぐ
約1~5分間混合する
20℃~30℃の間で乾燥させる
バニラ香味料を15~25番目の間のステップで統合する
【0186】
第5相:保護-輝き
ステップ1-原料の用意
カルナバワックス:0.9g~2.5gの間(5000gの顆粒に対して)
ステップ2-保護-輝き
顆粒をコーティング装置に再充填する
カルナバワックスをコーティング装置に注ぐ
約30~60分間調合する
20℃~30℃の温度で約30分間乾燥させる。
【0187】
実施例5.THC充填顆粒の調製の別の工業プロセスの例示
このプロセスは以下のステップを含む:
1.溶液(1)の調製、以下を含む:
THC(80%濃縮されたアサ油)
食品用銘柄エチルアルコール
テルペン
THC油をエタノールに組み込む、
テルペンをTHC及びエタノール溶液に組み込む、
次いで溶液をダイナマイゼーションでホモジナイズする
【0188】
2.糖及び水で作製された溶液(2)の調製
ポリオール及びレシチンを水中で希釈する、
水を70~75°摂氏の間に加熱する、
キシリトールを水に組み込む、
レシチンを水に組み込む、
溶液をダイナマイゼーションでホモジナイズする。
【0189】
3.溶液2の溶液1への組込み:
最終の溶液を超音波ホモジナイゼーションによりホモジナイズする、
100~200ミクロンの間のサイズの粒子の獲得まで作業を繰り返す。
【0190】
4.溶液の凍結乾燥:
溶液を冷凍乾燥して以下の技術により粉末を生成する:
溶液をトレイに分注する
冷凍庫乾燥器内でのインキュベーション:
9~12時間の冷凍
24~28時間の凍結乾燥
【0191】
5.打錠機への組込みのための粉末の調製及びホモジナイゼーション。
凍結乾燥された粉末を以下の割合で賦形剤(マンニトール、キシリトール…)と混合する:
43%の凍結乾燥された粉末
57%の賦形剤
粉末ホモジナイゼーションを乾式造粒、ハンマー造粒機又はホイール造粒機で行う。100~200ミクロンの間のサイズの粒子を得る。
【0192】
6.粉末成形
打錠機を使用して、3~4mmの間を含む直径の顆粒を形成する。
【0193】
7.顆粒の第1のコーティング
コーティングプロセスは10~30ステップを含む。
各ステップは以下のサブステップを含む:
約50mlのキシリトールシロップ(69%キシリトール~31%水)をコーティング機器に加える;
1~5分間撹拌する;
20°及び30°摂氏の間に乾燥させる。
【0194】
8.保護、光沢のための顆粒の第2のコーティング
顆粒をコーティング機器に再充填する;
カルナバワックスを顆粒に加える;
30分間~1時間の間で調合する。
参考文献
特許
US 9,095,563
WO 2017/189375
WO 2017/208072
WO 2017/180707
WO 2017/185038
WO 2018/129097
US 10,434,084
US 2018/344786
書誌参照
Blessing EM, Steenkamp MM, Manzanares J,Marmar CR. Cannabidiol as a Potential Treatment for Anxiety Disorders.Neurotherapeutics. 2015 Oct;12(4):825-36.
Bergamaschi MM, Queiroz RH, Zuardi AW,Crippa JA. Safety and side effects of cannabidiol, a Cannabis sativaconstituent. Curr Drug Saf. 2011 Sep 1;6(4):237-49.
Bartner LR, McGrath S, Rao S, Hyatt LK,Wittenburg LA. Pharmacokinetics of cannabidiol administered by 3 deliverymethods at 2 different dosages to healthy dogs. Can J Vet Res. 2018Jul;82(3):178-183.
【国際調査報告】