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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】歯間清掃具
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/02 20060101AFI20221107BHJP
   A61C 17/34 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61C15/02 501
A61C17/34 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513558
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 AU2020000085
(87)【国際公開番号】W WO2021035275
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】2019903109
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522074811
【氏名又は名称】ウェバー,ジェイミー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー,ジェイミー
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA03
3B202AB15
3B202BA03
3B202BC05
3B202BC08
3B202BE13
3B202EE07
(57)【要約】
歯間清掃具がハンドルを含む。清掃ヘッドアセンブリがハンドルに装着されている。清掃ヘッドアセンブリは、ハンドルに装着されるヘッドであって、空洞を画成するヘッドを含む。歯間清掃部材がヘッドに装着されて、空洞内へ延在し、歯間清掃部材は、歯間清掃要素を含む。プランジャーがヘッドに装着されており、プランジャーは、ヘッドに対して、プランジャーが空洞内へと少なくとも部分的に格納される動作位置と、プランジャーが空洞から延出する動作不能位置との間で、往復動式で変位できる。バネ機構が、プランジャーとヘッドとの間に置かれているため、動作位置へのプランジャーの動きは、バネ機構の偏倚力に抗している。プランジャーは、清掃要素を収容するように寸法決めされている、長手方向に延在する通路を画成する。歯間清掃部材は、歯間清掃要素が、プランジャーが動作位置にあるときには長手方向通路の遠位開口から延出しており及びプランジャーが動作不能位置にあるときにはプランジャー内に位置決めされるように、位置決めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルに装着される清掃ヘッドアセンブリであって:
前記ハンドルに装着されるヘッドであって、空洞を画成するヘッド、
前記ヘッドに装着されて前記空洞内へ延在する歯間清掃部材であって、歯間清掃要素を含む歯間清掃部材、並びに
前記ヘッドに装着されるプランジャーであって、前記プランジャーは、前記ヘッドに対して、前記プランジャーが前記空洞内へと少なくとも部分的に格納される動作位置と、前記プランジャーが前記空洞から延出する動作不能位置との間で、往復動式で変位でき、前記動作位置への前記プランジャーの動きが前記バネ機構の偏倚力に抗するように、前記プランジャーと前記ヘッドとの間にバネ機構が置かれており、前記プランジャーは、前記清掃要素を収容するように寸法決めされている、長手方向に延在する通路を画成しており、及び前記歯間清掃部材は、前記歯間清掃要素が、前記プランジャーが前記動作位置にあるときには前記長手方向通路の遠位開口から延出しており、前記プランジャーが前記動作不能位置にあるときには前記プランジャー内に位置決めされるように位置決めされている、プランジャー
を含む、清掃ヘッドアセンブリと
を含む、歯間清掃具。
【請求項2】
前記ハンドルは長尺状であり、及び使用者による把持を容易にするように構成されている把持部分と、前記把持部分から延在する延在部とを含み、前記ヘッドが前記延在部に装着されている、請求項1に記載の歯間清掃具。
【請求項3】
前記ハンドルの前記延在部は、前記ハンドルの前記把持部分から角度が付けられて延在している、請求項2に記載の歯間清掃具。
【請求項4】
前記ヘッドは遠位側面及び近位側面を有し、前記ヘッドの全体的な中心軸が、前記ヘッドの前記遠位側面及び近位側面を通って延在している、請求項1に記載の歯間清掃具。
【請求項5】
前記ヘッドは近位部材及び遠位部材を有し、前記遠位部材は前記近位部材に切り離し可能に接続されている、請求項4に記載の歯間清掃具。
【請求項6】
前記近位部材は、前記近位部材を通って延在して前記近位部材のそれぞれ近位側面及び遠位側面において開口する長尺状の通路の形態の前記空洞の一部を画成する、請求項5に記載の歯間清掃具。
【請求項7】
前記通路を画成する前記近位部材の内面には、前記近位側面の近くにおいて段が付けられて、遠位側に向く肩部を画成し、及び前記遠位部材の端壁は、前記近位部材の前記通路と同軸である通路を画成しており、近位側に向く肩部が前記遠位部材の前記端壁と前記近位部材の前記内面とによって画成されるように、前記遠位部材の前記通路は前記近位部材の前記通路よりも狭い、請求項5に記載の歯間清掃具。
【請求項8】
前記プランジャーは、フランジと、前記フランジから延在するノーズとを含み、前記フランジは、前記近位側に向く肩部に着座するように寸法決めされており、及び前記ノーズは、前記遠位部材の端壁の前記通路を通って延在するように寸法決めされており、前記プランジャーによって画成された前記通路は、前記フランジ及び前記ノーズを通って延在し、及び前記近位及び遠位部材の前記通路と同軸である、請求項6に記載の歯間清掃具。
【請求項9】
前記プランジャーによって画成された前記通路は、前記プランジャーの前記フランジ及び前記ノーズを通って延在する長手方向ボアであり、前記ボアは、前記近位及び遠位部材の前記通路と同軸である、請求項8に記載の歯間清掃具。
【請求項10】
前記プランジャーの前記ノーズはテーパが付けられている、請求項8に記載の歯間清掃具。
【請求項11】
前記バネ機構は、前記近位側に向く肩部と前記プランジャーの前記フランジとの間に置かれたコイルバネを含み、前記近位部材の前記通路内への前記プランジャーの格納が前記コイルバネの偏倚力に抗するようにし、及び前記動作不能位置への前記プランジャーの動きが前記コイルバネの作用下にあるようにする、請求項8に記載の歯間清掃具。
【請求項12】
前記歯間清掃部材は、前記空洞の近位端部において、前記ヘッドと解放自在に係合可能であるキャリアを含み、前記歯間清掃要素は、遠位側に延在するように、前記キャリアと係合されている、請求項1に記載の歯間清掃具。
【請求項13】
前記歯間清掃部材はキャリアを含み、並びに前記近位端部及び前記キャリアは、前記キャリアが前記近位部材にクリップ留めされ及びそこからクリップ留めを外されるように、クリップ機構を画成しており、前記歯間清掃要素は、遠位側に延在するように、前記キャリアと係合されている、請求項5に記載の歯間清掃具。
【請求項14】
前記キャリアは、前記キャリアが前記ヘッドと係合されているとき、前記空洞内へ延在するチューブ状部材を含み、前記歯間清掃要素の近位部分が前記チューブ状部材内に保持される、請求項12に記載の歯間清掃具。
【請求項15】
前記歯間清掃要素は歯間清掃ブラシであり、及び前記歯間清掃要素の前記近位部分は、前記チューブ状部材に受け入れられる前記歯間清掃ブラシのステムであり、清掃用突起物を備える前記歯間清掃ブラシの遠位部分は、前記チューブ状部材から延在し、前記遠位部分は、前記プランジャーの前記長手方向通路に受け入れられる、請求項14に記載の歯間清掃具。
【請求項16】
ハンドルと、
前記ハンドルに装着される清掃ヘッドアセンブリであって:
前記ハンドルに装着されるヘッドであって、空洞を画成するヘッド、
前記ヘッドに装着されて前記空洞内へ延在する歯間清掃部材であって、歯間清掃要素を保持するためのキャリアを含む歯間清掃部材、並びに
前記ヘッドに装着されるプランジャーであって、前記プランジャーは、前記ヘッドに対して、前記プランジャーが前記空洞内へと少なくとも部分的に格納される動作位置と、前記プランジャーが前記空洞から延出する動作不能位置との間で、往復動式で変位でき、前記動作位置への前記プランジャーの動きが前記バネ機構の偏倚力に抗するように、前記プランジャーと前記ヘッドとの間にバネ機構が置かれており、前記プランジャーは、前記清掃要素を収容するように寸法決めされている、長手方向に延在する通路を画成しており、及び前記歯間清掃部材は、前記歯間清掃要素が、前記プランジャーが前記動作位置にあるときには前記長手方向通路の遠位開口から延出しており、前記プランジャーが前記動作不能位置にあるときには前記プランジャー内に位置決めされるように、位置決めされている、プランジャー
を含む、清掃ヘッドアセンブリと
を含む、歯間清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、歯間清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
歯科衛生の分野は、歯を磨くための多数の解決策を提示している。歯ブラシは、多様なバリエーションで入手可能であり、且つ数々の手動及び電動の清掃具を含む。しかしながら、歯ブラシに関連する問題は、一般的に、歯と歯の間のバイオフィルム及び他の歯垢を除去しないことである。
【0003】
デンタルフロスは、接触点間の虫歯を予防する効果があり、細糸として歯間に入れられる。デンタルフロスに関連するいくつかの不都合な点は、傷つけるリスク、取り扱いの難しさ、並びに歯科用ブリッジ、固定式リテーナ及び一部の歯列矯正装置を用いているなどのいくつかの条件において使用することができないことである。さらに、デンタルフロスの使用は、バイオフィルム及びデブリを歯肉線に向かって圧縮し得る。
【0004】
ブラシ又はプローブなどの歯間具の使用も、歯間ケアの一般的な形式である。ブラシは、毛又は他の清掃用突起物を有し、これは、瓶洗浄用ブラシなどの毛のように配置され得る。突起物は、畝などのようにされるか、又は毛の形態にできるようにして、清掃効果をもたらすようにした、エラストマー材料によって特徴づけられ得る。これらの形態の歯間具は、デンタルフロスには好適ではない条件において使用できるため、デンタルフロスよりも効果的とし得る。また、上述したような、バイオフィルム及びデブリの圧縮を回避するために使用され得る。歯間ブラシは、様々な形状及び厚さで入手可能であり、且つ通常、ブラシを把持するためのハンドルと、歯間清掃に使用されるブラシ挿入体とを含む。
【0005】
ブラシ挿入体は、極めて摩耗されやすく、且つ定期的な交換が必要とされ得る。さらに、ブラシ挿入体の毛は、通常、ワイヤ体に取り付けられており、使用中に変形し得る。歯間ブラシの取り扱いには、ある程度の器用さ及び運動機能が必要とされ得、これらは老化と共に劣り得る。
【0006】
歯間清掃具の人間工学な適合性及び有効性を高めるために、様々な試みが行われてきている。
【0007】
欧州特許出願公開第2687124 A1号には、歯間ブラシ用の支持具が説明されている。この文献では、ハンドルと、ハンドルに回転自在に装着されたヘッドとが説明されている。ヘッドに歯間ブラシが装着されている。ヘッドは、ハンドルに対して、ブラシがハンドルと整列されている位置から、ブラシがハンドルに対して角度が付けられる位置まで、回転され得る。
【0008】
オーストラリア特許出願AU2015230466号には、歯間ブラシを組み込んだ歯間清掃具が説明されている。ブラシは、摺動ブロックを動かすことによって、曲げられたチューブから延出させたり、その内部へ格納したりすることができる。使用中、チューブの端は、歯と歯の間の隙間と位置合わせされ、且つブラシは、歯と歯の間に入ったり出たり往復動式で操作されている。
【0009】
国際出願PCT/EP2017/058276号には、清掃要素を本体から延出させたり格納させたりするために、作動され得るか又は曲げられ得る本体を有する歯間清掃具が説明されている。
【0010】
米国特許出願第15/524,909号には、本体と、ハンドルと、案内チャンネルとを有する歯間ブラシが説明されている。清掃本体を備える接続要素が、清掃動作を行うために、格納された位置と延出した位置との間で、動作要素によって案内チャンネル内で往復動式で変位され得る。
【0011】
国際出願PCT/EP2018/062516号には、互いの方へ向かって及び互いから離れるように旋回され得る第1の脚及び第2の脚を備える主要部分を有する歯間清掃具が説明されている。第1の脚の自由端には位置決め用補助具がある。第2の脚には歯間ブラシが装着されており、脚を操作することによって、位置決め用補助具を通して往復動式で案内され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の参照文献に説明されている清掃具はそれぞれ、清掃具を適切な動作箇所にした後で、何らかの形の操作を必要とする。そのようなさらなる操作は、単に清掃具を保持することに加えて、指や親指を使用する必要がある。これは、製造具を繰り返し使用することを煩わしくし得る。さらに、保持の他の、そのような次の操作は、清掃具の無関係な動きを生じ得、清掃ブラシ又は要素を不必要に曲げたり又は不適切に用いられたりし、清掃行為の有効性を低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
本発明の第1の態様によれば、歯間清掃具であって:
ハンドルと、
ハンドルに装着される清掃ヘッドアセンブリであって:
ハンドルに装着されるヘッドであって、空洞を画成するヘッド、
ヘッドに装着されて空洞内へ延在する歯間清掃部材であって、歯間清掃要素を含む歯間清掃部材、及び
ヘッドに装着されるプランジャーであって、プランジャーは、ヘッドに対して、プランジャーが空洞内へと少なくとも部分的に格納される動作位置と、プランジャーが空洞から延出する動作不能位置との間で往復動式で変位でき、動作位置へのプランジャーの動きがバネ機構の偏倚力に抗するように、プランジャーとヘッドとの間にバネ機構が置かれており、プランジャーは、清掃要素を収容するように寸法決めされている、長手方向に延在する通路を画成しており、及び歯間清掃部材は、歯間清掃要素が、プランジャーが動作位置にあるときには長手方向通路の遠位開口から延出しており、プランジャーが動作不能位置にあるときにはプランジャー内に位置決めされるように、位置決めされている、プランジャー
を含む、清掃ヘッドアセンブリと
を含む、歯間清掃具が提供される。
【0014】
それゆえ、歯間清掃具は、ひとたび清掃具が、清掃行為を実施するために、適切な動作箇所になったら、往復運動させて圧力を低下させることのみを必要とする。より詳細には、使用者は、歯間清掃具を保持する必要があるだけであり、指や親指を使用せずに、往復動式での清掃効果を達成できる。これは、清掃動作中にプランジャーが変位する可能性を回避し得るので、清掃具への損傷及び/又は使用者を傷つけること及び/又は効率の悪い清掃を回避する。歯間清掃具が、本発明の背景で言及した清掃具に関連する不都合な点を少なくとも改善するという結果となる。
【0015】
ハンドルは長尺状とし得る。ハンドルは、使用者による把持を容易にするように構成されている把持部分を含み得る。ハンドルは、把持部分から角度が付けられて延在する延在部を含み得る。
【0016】
ヘッドは延在部に装着され得る。ヘッドは、遠位側面及び近位側面を有し得る。ヘッドの全体的な中心軸が、ヘッドの遠位側面及び近位側面を通って延在し得る。一実施形態では、ヘッドは、全体的にシリンダー状とし得、中心軸が回転軸を規定している。しかしながら、例えば所望の人間工学な適合性、機能又は見た目の美しさに依存して、ヘッドは他の形状とし得ることを認識されたい。
【0017】
ヘッドは、近位部材又は部分及び遠位部材又は部分を有し得る。遠位部材は、近位部材に切り離し可能に接続され得る。例えば、近位部材はネジ付きシャンクを含み得、及び遠位部材はネジ付きソケットを含み得るため、遠位部材は、近位部材にねじ込まれ得る。
【0018】
近位部材は、近位部材を通って延在して近位部材のそれぞれ近位側面及び遠位側面で開口する長尺状の通路の形態にある空洞の一部を画成し得る。通路を画成する近位部材の内面には、近位側面の近くにおいて段が付けられており、遠位側に向く肩部を画成する。遠位部材の端壁が、近位部材の通路と同軸である通路を画成し得、近位側に向く肩部が、遠位部材の端壁と近位部材の内面とによって画成されるように、遠位部材の通路は近位部材の通路よりも狭い。
【0019】
プランジャーは、フランジと、フランジから延在するノーズとを含み得る。フランジは、近位側に向く肩部に着座するように寸法決めされ得る。ノーズは、遠位部材の端壁の通路を通って延在するように寸法決めされ得る。ノーズの自由遠位端部は、テーパが付けられ得る。
【0020】
プランジャーによって画成された通路は、フランジ及びノーズを通って延在する長手方向ボアとし得る。ボアは、近位及び遠位部材の通路と同軸とし得る。
【0021】
バネ機構は、近位側に向く肩部とプランジャーのフランジとの間に置かれたコイルバネを含み得る。それゆえ、近位部材の通路内へのプランジャーの格納は、コイルバネの偏倚力に抗しており、及び動作不能位置へのプランジャーの動きは、コイルバネの作用下にある。
【0022】
歯間清掃部材は、長尺状の通路の近位端部において、近位部材と解放自在に係合可能であるキャリアを含み得る。そのようにするために、近位部材及びキャリアは、キャリアが近位部材にクリップ留めされ及びそこからクリップ留めを外され得るように、クリップ機構を規定し得る。近位部材及びキャリアは、様々な異なる方法で互いに切り離し可能に接続され得る。例えば、キャリアは、近位部材にねじ込まれ得る。
【0023】
キャリアは、キャリアが近位部材にクリップ留めされているときに、長尺状の通路内へ、長尺状の通路と同軸に延在するチューブ状部材を含み得る。歯間清掃ブラシのステムの近位部分はチューブ状部材内に保持される一方で、毛、又は他の清掃用突起物がある遠位部分はチューブ状部材から延在している。遠位部分はプランジャーの長手方向ボアに受け入れられる。プランジャーは、プランジャーが動作不能位置にあるとき、遠位部分が全体的に長手方向ボア内に収納されるように寸法決めされている。キャリアが近位部材に対して固定され、且つプランジャーが近位部材に対して往復運動できると仮定すると、プランジャーが空洞内へ格納されるか又は空洞内に押し込まれると、もし遠位部分を妨害するものがなければ、歯間清掃ブラシの遠位部分はプランジャーから延出する。それゆえ、ノーズの遠位端部は、ボアが連続する歯と歯の間の隙間と全体的に位置合わせされるように、位置決めされ得る。その位置では、使用者は、単に、歯間清掃具を歯に押し当てることができ、及び清掃ブラシは隙間内に延在する。往復動式で圧力を加えることによって、使用者は、指や親指を使用する必要なく、歯と歯の間に清掃又はこすり落とし効果を達成できる。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、歯間清掃具であって:
ハンドルと、
ハンドルに装着される清掃ヘッドアセンブリであって:
ハンドルに装着されるヘッドであって、空洞を画成するヘッド、
ヘッドに装着されて空洞内へ延在する歯間清掃部材であって、歯間清掃要素を保持するためのキャリアを含む歯間清掃部材、並びに
ヘッドに装着されるプランジャーであって、プランジャーは、ヘッドに対して、プランジャーが空洞内へと少なくとも部分的に格納される動作位置と、プランジャーが空洞から延出する動作不能位置との間で往復動式で変位でき、動作位置へのプランジャーの動きがバネ機構の偏倚力に抗するように、プランジャーとヘッドとの間にバネ機構が置かれており、プランジャーは、清掃要素を収容するように寸法決めされている、長手方向に延在する通路を画成しており、及び歯間清掃部材は、歯間清掃要素が、プランジャーが動作位置にあるときには長手方向通路の遠位開口から延出しており、プランジャーが動作不能位置にあるときにはプランジャー内に位置決めされるように、位置決めされている、プランジャー
を含む、清掃ヘッドアセンブリと
を含む、歯間清掃具が提供される。
【0025】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。以下の説明の目的は、当業者に、本発明を実現する方法を説明することである。そのようなものとして、以下の説明は、添付の特許請求の範囲又は前項を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面の簡単な説明
図1】本発明による、歯間清掃具の実施形態の3次元の図を示す。
図2】歯間清掃具の部分的な分解図を示す。
図3】プランジャーが動作不能位置にある、歯間清掃具の清掃ヘッドアセンブリの側面図を示す。
図4】プランジャーが動作位置にある、歯間清掃具の清掃ヘッドアセンブリの側面図を示す。
図5】歯間清掃具の清掃ヘッドアセンブリの上面図を示す。
図6】歯間清掃具の清掃ヘッドアセンブリの縦断面図を示す。
図7】歯間清掃具の近位部材に装着された歯間清掃部材のキャリアの詳細な図を示す。
図8】歯間清掃具の遠位部材に装着されたプランジャーの詳細な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
図面では、参照符号10が、全体的に、本発明による歯間清掃具の実施形態を示す。
【0028】
歯間清掃具10はハンドル12を含む。ハンドル12は、従来の歯ブラシと同様に構成され得る。すなわち、ハンドルは、操作のための適切な人間工学的特性を提供するように構成され得る。ハンドル12は把持部分14を含む。把持部分14は、使用者による部分14の把持を向上させるための好適な挿入体16を含み得る。ハンドル12は、人間工学的効率のために把持部分14から角度を付けて延在する延在部18を含む。
【0029】
ハンドル12には清掃ヘッドアセンブリ20が装着されている。清掃ヘッドアセンブリ20は、延在部18に装着されたヘッド22を含む。ヘッド22は空洞24(図6)を画成している。歯間清掃部材26がヘッド22に装着されて、空洞24内へと延在する。歯間清掃部材26は歯間清掃要素28を含む。
【0030】
ヘッド22にはプランジャー30が装着されている。プランジャー30は、プランジャー30が空洞24内へ少なくとも部分的に格納されている動作位置(図4)と、プランジャー30が空洞24から延出している動作不能位置(図3)との間で、ヘッド22に対して往復動式で変位できる。プランジャー30とヘッド22との間にはバネ機構32(図6)が置かれているため、動作位置へのプランジャー30の動きは、バネ機構32の偏倚力に抗するものである。プランジャー30は、長手方向に延在する通路又はボア34を画成しており、これは、清掃要素28を収容するように寸法決めされている。歯間清掃部材26は、歯間清掃要素28が、プランジャー30が動作位置にあるときにはボア34の遠位開口35から延出しており、プランジャー30が動作不能位置にあるときにはプランジャー30内に位置決めされるように、位置決めされている。それゆえ、歯間清掃要素26は、プランジャー30内へと自動的に格納されて、使用後に清掃要素26を保護し得る。
【0031】
ヘッド22は、ヘッド22の遠位側面及び近位側面を通って延在する、全体的な中心軸36(図6)を有する。この例では、ヘッド22は、全体的に円錐台状である。それゆえ、軸36は回転軸とし得る。ヘッド22は、例えば所望の人間工学な適合性、機能又は美的な外観に依存して、他の形状を有し得ることを認識されたい。
【0032】
ヘッド22は、近位部材38及び遠位部材40を有する。遠位部材40は、近位部材38に切り離し可能に接続される。この例では、近位部材40はネジ付きシャンク42を含み、及び遠位部材40はネジ付きソケット44を含む。近位及び遠位部材38、40には様々な他の形態の切り離し自在な接続が好適であろうことが認識されるであろう。
【0033】
近位部材38は、近位部材38を通って延在して近位部材38のそれぞれ近位及び遠位側面で開口する長尺状の通路46の形態にある空洞24の一部を画成する。通路46を画成する近位部材38の内面48は、近位側面の近くにおいて段が付けられて、遠位側に向く肩部50を画成する。遠位部材40の端壁52は、通路46と同軸である通路54を画成する。通路54は通路46よりも狭いため、近位側に向く肩部56が、端壁52と内面48とによって画成される。
【0034】
プランジャー30は、フランジ58と、フランジ58から延在するノーズ60とを含む。フランジ58は、近位側に向く肩部56に着座するように寸法決めされる。ノーズ60は、端壁52の通路54を通って延在するように寸法決めされる。プランジャー30の自由遠位端部62はテーパが付けられている。これにより、使用時に、ノーズ60の歯間への位置設定を容易にする。
【0035】
長手方向ボア34は、フランジ58及びノーズ60を通って延在し、ノーズ60は遠位開口35を画成している。ボア34は、通路46及び54と同軸である。
【0036】
バネ機構32は、遠位側に向く肩部50とフランジ58との間に置かれたコイルバネ66を含む。それゆえ、近位部材38の通路46内へのプランジャー30の格納は、コイルバネ66の偏倚力に抗するものであり、且つ遠位部材40からのプランジャー30の延出は、コイルバネ66の作用下にある。使用者が、長手方向ボア34が歯と歯の間の隙間と全体的に位置合わせされる位置にノーズ60の遠位端部62を置いて、歯に圧力を加えることができ、ノーズ62をコイルバネ66の偏倚力に抗して引っ込めさせるという結果になる。その圧力を解放すると、ノーズ62は、コイルバネ66の作用下で、自動的にヘッド22から延出する。
【0037】
歯間清掃部材26は、長尺状の通路46の近位端部において、近位部材38と解放自在に係合可能であるキャリア68を含む。そのようにするために、近位部材38及びキャリア68は、キャリア68が近位部材38にクリップ留めされ及びそこからクリップ留めを外され得るように、クリップ機構71を規定する。
【0038】
図6から明らかなように、キャリア68はクリップ本体70を含む。クリップ本体70が動作位置にあるとき、クリップハンドル72が把持部分14の方へ向かって延在している。クリップ部材74は中心軸36に対してほぼ平行に延在する。キャリア68は、弾性的に可撓性のある材料のユニタリーの一体形構造であるため、クリップ部材74は、材料の偏倚力に抗して、ハンドル72の方へ向かって旋回できるか又は撓むことができる。近位部材38は、スロット付き凹部76(図5)を画成し、そこにハンドル72を収容するため、ハンドル72及びクリップ本体70は、部材38の近位面と同一平面になる。近位部材38は、肩部50に凹状のキャッチ構造78(図7)を含む。クリップ部材74は、クリップアーム75及びリップ80を含む。リップ80は、クリップアーム75に対して外向き及び近位側にテーパが付けられる。キャッチ構造78及びリップ80は、クリップ本体70が通路46内に押し込まれるとき、リップ80が最初に内向きに駆動され、その後、キャッチ構造78内へ勢いよく入って、キャリア68を近位部材38に締結するように、位置決めされる。
【0039】
近位部材38は、スロット付き凹部76に対向する解放ノッチ82を画成する。解放ノッチ82は、キャリアが通路46内に押し込まれるときに、クリップ部材74を受け入れるように寸法決めされる。近位部材38は、スロット付き凹部76に対面する内部傾斜面84を含み、解放ノッチ82の側面を画成する。傾斜面84は、近位部材38の近位側面から内向きに傾斜し、及びキャッチ構造78で終端する。それゆえ、クリップ本体70が通路46内に押し込まれるとき、リップ80は、キャッチ構造78にスナップ嵌めする前に、傾斜面84に沿って摺動し得る。キャリア78を取り外すために、クリップハンドル72を矢印73(図7)の方向に持ち上げて、クリップ部材74を、傾斜面84と肩部50とによって画成された縁の周りで回転させながら、クリップ本体70を傾斜面84の方へ向けて傾け得る。この動作は、凹状のキャッチ構造78からリップ80を解放する働きをする。
【0040】
キャリア68は、クリップ本体70から延在し及びクリップハンドル72とクリップ部材74との間に置かれるチューブ86の形態のチューブ状部材を含む。歯間清掃要素28の近位部分88はチューブ86内に保持される。歯間清掃要素28は歯間清掃ブラシ92である。それゆえ、近位部分88は、チューブ86内に保持される歯間清掃ブラシ92のステム90である。ブラシ92の遠位部分94は、毛96などの歯間清掃用突起物を備えている。他の形態の清掃用突起物が遠位部分94に配置され得ることが容易に認識されるであろう。
【0041】
遠位部分94は、プランジャー30の長手方向ボア34に受け入れられる。プランジャー30は、プランジャー30が動作不能位置にあるとき、例えば図6及び図8に示すように、遠位部分94が全体的に長手方向ボア34内に収納されるように寸法決めされる。キャリア68が近位部材38に対して固定されており、及びプランジャー30が、近位部材38に対して往復運動できると仮定すると、上述の通り、圧力を加えることによってプランジャー30が空洞24内に押し込まれると、もし遠位部分94を妨害するものがなければ、遠位部分94はプランジャーから延出する。それゆえ、ノーズ60の遠位端部62は、ボア34が、連続する歯と歯の間の隙間又は空間と全体的に位置合わせされように、及び開口35が隙間にぴったり合う状態で、位置決めされ得る。その位置では、使用者が、単に、連続する歯に対して清掃具10を押し当てたり解放したりすることができ、その結果、遠位部分94が隙間内で往復動式で変位されるため、歯と歯の間に清掃又はこすり落とし効果をもたらす。そのような往復動式での変位は、指や親指を使用せずに達成され得るため、年配の又は体の弱い使用者には問題となり得る何らかの形での手の器用さを求める必要が無いことが認識されるであろう。
【0042】
プランジャー30のノーズ60は、長手方向ボア34と連通する1つ以上の横方向開口98を画成する(図3)。好ましくは、遠位部分94の清掃を容易にするために、2つ以上の開口98がある。開口98はスロット付きにされて、プランジャー30が動作不能位置にあるとき、遠位部分94の長さ部分に沿って少なくとも部分的に延在し得る。一実施形態では、水又は洗浄液がプランジャー30を通過できるようにするために、互いに横方向に位置合わせされた2つの開口があるため、遠位部分94を洗浄及び/又はフラッシングする。
【0043】
清掃具10を使用する歯間清掃行為は、単に、ノーズ60を適切な位置に置くこと、並びに清掃具全体を、清掃中の隙間に押し当てて解放する必要があることが認識されるであろう。これは、本明細書の背景で説明した清掃具と対照をなす。それらの清掃具は、一般的に、清掃要素の必要な往復運動を達成するために、指や親指を使用する必要がある。そのような動作は、清掃要素が隙間との位置合わせから外れるように動いて、清掃具を曲げる及び/又は使用者を傷つける及び/又は非効率的な清掃となる可能性があるような、清掃具の動きとなり得る。清掃具10を用いて、ひとたびノーズ60が適切に位置決めされたら、清掃具10の操作には一般的に主要筋群のみを使用する必要があるため、清掃中の隙間と位置合わせされた清掃要素、例えばブラシ92の保持が、容易にされる。
【0044】
清掃具10は、異なる歯科パターンに合わせるために、異なる形態の清掃部材26が供給され得る。例えば、清掃要素28は、使用者による要求に応じ、異なる歯の隙間のために異なる厚さで供給され得る。それゆえ、清掃部材26は、例えばひとたび毛96が摩耗したら、交換するために使い捨てできるように構成され得る。その代わりに、歯間清掃ブラシ92のステム90は、清掃ブラシ92が取り外されて交換され得るように、チューブ86内に切り離し可能又は取り外し可能な状態で保持され得る。異なるサイズの清掃ブラシ92に合わせるために、異なる寸法にされた長手方向ボア34を有する異なるプランジャー30も提供され得ることが想定される。
【0045】
添付の特許請求の範囲は、上記の説明に組み込まれるとみなされる。
【0046】
本明細書全体を通して、いずれかの利点、嘱望、目的などへの言及は、累積的、複合的及び/又は集合的であるとみなされるべきではなく、及び保証として述べられるというよりも、好ましい又は望ましいとみなされるべきである。
【0047】
本明細書全体を通して、別段の指示がない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」(及びそれらの変形例)又は関連の用語、例えば「含む(includes)」(及びその変形例)は、排他的ではなく、包括的に使用されるため、述べた整数又は整数の群は、1つ以上の他の述べられていない整数又は整数の群を含んでもよい。
【0048】
いずれかの数字又は範囲が本明細書で説明されるとき、明示的に別段の定めをした場合を除き、その数字又は範囲は近似値である。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で別段の指示がない限り、その範囲内にあるそれぞれ別々の各値を個別に指す簡潔な方法としての機能を果たすものとし、及びそのような別々の値によって定義されたそれぞれ別々の値及びそれぞれ別々の部分的な範囲が、本明細書で個別に列挙されたかのように、本明細書に組み込まれる。
【0049】
方向又は向きを示す語、例えば、限定されるものではないが、「前」、「後ろ」、「背部」などは、便宜的に使用される。本発明人は、様々な実施形態が、販売するために提示されているときなどの非動作形態において使用され得ることを想定する。それゆえ、そのような語は、本質的に説明であり、限定ではないとみなされる。さらに、語「近位」及びその派生語の使用は、本発明によれば、ハンドル、又は使用者による作業点に最接近して位置決めされる装置の側又は領域を指すものとする。この場合、用語は、「遠位」及びその派生語で言及されるいずれかの側又は領域に関しては、使用者の歯から最も遠い領域を指す。
【0050】
用語「及び/又は」、例えば、「A及び/又はB」は、「A及びB」又は「A又はB」のいずれかを意味すると理解され、且つ双方の意味又はいずれかの意味を明白に支持するように受け取られる。
【0051】
上記で用いられた用語法は、説明のためであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。説明した実施形態は、本発明の範囲を限定せず、本発明の説明を意図する。本発明は、当業者に簡単に思いつくような様々な修正及び追加を用いて実施されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】