(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】真空掃除機ブラシロール
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20221107BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L9/28 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513582
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2019073503
(87)【国際公開番号】W WO2021043391
(87)【国際公開日】2021-03-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レフラー、ジェンス
(72)【発明者】
【氏名】ウェナーストロム、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】クリンテマイヤー、アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3B057
3B061
【Fターム(参考)】
3B057DE06
3B061AD03
3B061AD12
(57)【要約】
本体(110)と、ロボットを清掃される表面にわたって前方方向に移動させるように構成された駆動手段(120)と、本体の下側に配置された吸引開口(132)と、本体の下側及び前方方向に対して吸引開口の前に配置されたローラ(140)とを含む自律的洗浄ロボット(100)が開示される。ローラは表面に前空気通路(F)を画定するように構成されるとともに、前空気通路における空気流を制限する前空気バリアを形成するように配置された剛毛(142)を含む。前空気バリアはローラの全回転にわたって実質的に均一であるように構成され、剛毛は、ローラのそばを通る粒子(P)に向かって、及びさらに吸引開口内へと空気流を向けるようにさらに配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的洗浄ロボットであって、
本体と、
前記自律的洗浄ロボットを清掃される表面にわたって前方方向に移動させるように構成された駆動手段と、
前記本体の下側に配置された吸引開口と、
前記本体の前記下側及び前記前方方向に対して前記吸引開口の前に配置されたローラと
を含み、
前記ローラが前記表面に前空気通路を画定するように構成され、
前記ローラが、前記前空気通路における空気流を制限する前空気バリアを形成するように配置された剛毛を含み、前記前空気バリアが前記ローラの全回転にわたって実質的に均一であるように構成され、前記剛毛が、前記ローラのそばを通る粒子に向かって、及びさらに前記吸引開口内へと前記空気流を向けるようにさらに配置される、自律的洗浄ロボット。
【請求項2】
前記表面の方を指す剛毛の数が、前記ローラの全長の少なくとも50%に対応する前記ローラの長さ部分にわたって分布するように、前記剛毛が分布する、請求項1に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項3】
前記剛毛が、実質的に前記ローラのエンベロープ表面全体にわたって均一に分布する、請求項1に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項4】
前記剛毛が、1000~20000本の剛毛/cm
2、例えば10000~18000本の剛毛/cm
2、例えば12000~17000本の剛毛/cm
2の密度で配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項5】
前記自律的洗浄ロボットが、シーリングエッジであって、前記前方方向に対して前記吸引開口の後ろに配置されるとともに、前記表面と前記シーリングエッジとの間に後空気通路を画定するために前記表面から間隔をあけて配されるように構成されたシーリングエッジをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項6】
前記シーリングエッジが、前記後空気通路の流れ抵抗が前記前空気通路の流れ抵抗より高くなるように配置される、請求項5に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項7】
前記表面と前記シーリングエッジとの間の間隙が、前記表面と前記前方方向に対して前記吸引開口の前にある前記本体との間の間隙に対して小さいか等しい、請求項5又は6に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項8】
前記シーリングエッジと前記表面との間の前記間隙が0~7mmである、請求項7に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項9】
前記自律的洗浄ロボットが、内面を有するローラハウジングをさらに含み、前記内面が、前記ローラと上空気通路を形成するために、前記ローラの、清掃される前記表面から離れる方を向いている部分に沿って、前記ローラの周りに部分的に配置され、前記上空気通路が前記前空気通路より高い流れ抵抗を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項10】
前記ローラが、そのエンベロープ表面の、清掃されることになる前記表面の方を向く部分が、前記吸引開口に向かって移動させられるように回転可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項11】
前記剛毛が前記ローラのコアの表面から突出し、
前記コアが8~40mm、例えば15~25mmの範囲の直径を有し、
前記剛毛が、3~15mm、例えば3~10mm、例えば3~7mmの範囲の長さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項12】
前記ローラが、前記前方方向に見て前記本体の前3分の1に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の自律的洗浄ロボット。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の家庭用の自律的真空洗浄ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明性の創造的概念は、真空掃除機の分野に、特に家庭用の、特に自律的真空掃除機ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自律的真空掃除機ロボットは、ゴミ、例えば粉塵、破片及び他の粒子を床表面から除去しつつ床表面を移動する清掃デバイスの一種である。ロボットは、典型的には、シャーシであって、車輪と、粉塵及び粒子を吸引開口に向かって払うことを目的として回転させられるブラシローラとを備えたシャーシを含み、吸引開口から、粉塵及び粒子が、吸引気流により吸引チャネルを通じてロボットの内部へ搬送される。
【0003】
粉塵及び粒子が気流により捕捉されるとともに吸引開口内へ運ばれることを確実にするのに十分強い気流を提供することが望ましい。同時に、エネルギー消費及び騒音レベルの両方の点で電力効率の良いロボットを提供することが望ましい。したがって、粉塵の拾い上げと電力効率との間には概してトレードオフがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記を考慮して、上記の懸念に対処する技術提供することが本発明性の創造的概念の目的である。この目的及び以下において明らかとなる他の目的は、独立請求項において定義された自律的洗浄ロボットにより達成される。好ましい実施形態は従属請求項において定義される。
【0005】
したがって、態様によると、本体と、ロボットを清掃される表面にわたって前方方向に移動させるように構成された駆動手段と、本体の下側に配置された吸引開口と、本体の下側及び前方方向に対して吸引開口の前に配置されたローラとを含む自律的洗浄ロボットが提供される。ローラは表面に前空気通路を画定するように構成されてもよいとともに、前空気通路における空気流を制限する空気バリアを形成するように配置された剛毛を含み得る。空気バリアは、ローラの全回転にわたって実質的に均一であってもよく、剛毛は、ローラのそばを通る粒子に向かって、及びさらに吸引開口内へと空気流を向けるように配置され得る。
【0006】
本発明性の創造的概念は、前空気通路における気流の可能な限り多くを清掃される表面に向けることが望ましいという認識を含み、その理由は、粉塵の拾い上げは、概して、表面上を通過する空気の流量及び/又は速度の増加と共に増加する傾向があるからである。本発明性の創造的概念は、いくつかの利点と関係がある。第1に、剛毛は、前空気通路における気流を制限する空気バリアを形成するように配置される。これは、電力消費及び騒音の大まかな減少を可能にし、その理由は、吸引気流を発生させるファンが低下した電力レベルで作動し得るからである。第2に、剛毛は、ローラのそばを通る粒子に向かって空気流を向けるように配置される。これは、例えば、間隙又は通路がバリアにおいて形成されるように、ローラが粒子上を通過する際に粒子により曲げられるか脇へよけられる剛毛により達成されてもよく、局所的な流れ通路が粒子の位置で形成されることが可能になり、この流れ通路を通じて気流は集中させられ得るとともに、ロボットの内部に向かって粒子を運ぶことを容易にする比較的高速で通過し得る。
【0007】
剛毛は、ローラの全回転にわたって実質的に均一である空気バリアを形成するように配置され得る。これは、例えば、剛毛をローラのエンベロープ表面にわたって均一に、又は少なくとも、表面の方を指す剛毛の数がローラの全回転中に実質的に一定となるように分布させることにより達成され得る。均一なバリアは、ローラの回転中にロボットの性能及びそれが作動する吸引条件が一定となることを可能にする。有利には、これは、特に回転中に表面を打つ傾向のある剛毛列及び/又はゴム羽根を含む先行技術のローラと比べて、滑らかな運転及び騒音の減少を可能にする。
【0008】
剛毛の分布密度、すなわち単位面積当たりの剛毛の数を増加させた結果は、所与の時間に表面を通過する剛毛の数は同じままでありながら、ローラは低下した速度で作動させることができるというものである。これにより、電力消費及び騒音レベルの低下が可能となる。
【0009】
「シーリング」とも呼ばれ得る「空気バリア」により、かなりの量の空気が吸引チャネルに向かって通過するのを防ぐが気密シールを必要としない特徴部を意味する。空気バリアは、空気が吸引チャネルへと進む途中に通る空気通路における流れ抵抗により特徴付けられ得る。流れ抵抗は、同様に、剛毛がローラ上に配置される密度、剛毛の長さ、及び剛毛と清掃されることになる表面との間の任意の間隙により定義され得る。剛毛の密度、すなわち、ローラのコアの単位面積当たりの剛毛の数を増加させることは、剛毛間を通過する空気が受ける流れ抵抗を増加させ得る。さらに、ローラと、例えば清掃されることになる表面との間に間隙を導入することが流れ抵抗を低下させ得る一方で、剛毛の長さを低減させることは、より狭い通路、したがって増加した流れ抵抗をもたらし得る。したがって、ローラのバリア機能を損ない得る追加的な間隙が形成されないように表面に係合するように配置されたより多くの数のより短い剛毛を使用することが望ましい。「気流を制限する」という用語は、したがって、好ましくは前空気通路を通過する空気のほとんどがローラを、すなわち剛毛間を通過しなければならないように表面に係合することにより、ロボットの作動中に隣接する表面、例えば床表面との空気バリア又はシールを形成するという剛毛の性能を指す。
【0010】
剛毛が「粒子に向かって気流を向ける」ように配置されるということは、粒子に向かって前空気通路における気流の少なくとも一部を集中させる能力と解釈される。粒子は、剛毛の間隔及び長さとの関連でとりわけ粒子のサイズに依存して、いくつかの方法でローラと相互作用し得る。好ましくは、粒子は、剛毛を互いから離れるように押す又は曲げ、それにより粒子を捕捉するために気流が通される局所的通路を形成するように、剛毛の長さ及び隣接する剛毛の間隔に対して十分に大きい。さらに、粒子は前空気通路に適合するのに、すなわち剛毛内へ及びさらに吸引開口に向かって押されるのに十分に小さい。概して、粒子が、剛毛の長さ及び/又はローラのコアと床表面との間の間隔を越えないサイズのものであることが求められる。
【0011】
本発明の開示との関連において説明されたデバイスは、デバイスが、例えば所定の又はランダムなパターンに従い工作物の表面の周りを自動的に移動することができるという事実から自律的洗浄ロボットと呼ばれることが多い。デバイスは粉塵、破片、砂利、砂、毛、及び他の粒子から表面をきれいにするために概して使用され得る。
【0012】
既に言及されたとおり、剛毛はローラのエンベロープ表面にわたって非均一なやり方で配置されてもよい。剛毛は例えば、長さ部分の、ローラが回転させられるときに表面の方を向く部分のみを覆うように配置され得る。好ましくは、剛毛は、長さ部分の、表面の方を向く実質的な部分に沿って延在する空気バリアを形成するように配置される。したがって、一実施形態によると、剛毛は、増加したシーリング及びより少ない騒音を提供するために、表面の方を指す剛毛の数がローラの全長の少なくとも50%、例えば少なくとも75%に対応するローラの長さ部分にわたって分布するように分布し得る。
【0013】
代替的に、剛毛は、ローラのエンベロープ表面全体又は実質的にローラのエンベロープ表面全体にわたって均一に分布し得る。
【0014】
短毛又はひげ状体として形成され得る剛毛は、それらがコアの表面から実質的に直立して立ち、ローラの半径方向を指すようにローラのコアに締結され得る。好ましくは、剛毛は3~15mm、例えば3~10mm又は3~7mmの長さを有する。特定の例において、剛毛は5.5mmの長さを有し得る。さらに、剛毛は1000~20000本の剛毛/cm2、例えば10000~18000又は12000~17000/cm2の密度で配置され得る。2つの特定の例において、剛毛は、2000/cm2(より硬いブラシロール用)及び13200/cm2(よりやわらかいブラシロール用)の密度を有しても、より低い及びより高い密度の剛毛の混合であってもよい。剛毛は、0.03~0.15mm、例えば0.05mmなどの直径をさらに有し得る。いくつかの例において、コア(すなわち剛毛の無いローラ)は8~40mm、例えば、例えば15~25mmの区間の直径を有し得る。
【0015】
一実施形態によると、ロボットは、前方方向に対して吸引開口の後ろに配置されたシーリングエッジをさらに含み得る。シーリングエッジは、表面とシーリングエッジとの間に後空気通路を画定するために表面から間隔をあけて配置され得る。したがって、ロボットに吸引されるとともに吸引空気流を形成する空気は、少なくとも2つの異なる道、ローラを通じた前空気通路又は、ローラの後ろの後空気通路のいずれかをとる。好ましくは、前空気通路に空気を通し、それにより粉塵の拾い上げを増加させるために、流れ抵抗は、前空気通路におけるよりも後空気通路においてより高い。これは、シーリングエッジと清掃されることになる表面との間の間隙を減らすことにより達成され得る。ロボットがその前進運動中に主に作動している場合、シーリングエッジと表面との間の間隙はなおさらに減少し得る。
【0016】
一実施形態によると、ロボットは、ローラハウジングであって、ローラと上空気通路を形成するために、ローラの、清掃される表面から離れる方を向いている部分に沿って、ローラの周りに部分的に配置された内面を備えたローラハウジングをさらに含み得る。したがって、ロボット内に吸引された空気は、少なくとも3つの異なる道、すなわち、前空気通路、後空気通路、及び上空気通路をとり得る。好ましくは、空気のほとんどを前空気通路に通すために、上空気通路における流れ抵抗は前空気通路におけるものよりも高い。これは、内面とローラとの間の距離を低減させることにより、及びさらに、内面が延在するローラの円周方向距離を増加させることにより上空気通路の長さを増加させることにより達成され得る。
【0017】
一実施形態によると、ローラは、そのエンベロープ表面の、清掃されることになる表面の方を向く部分が、吸引開口に向かって移動させられるように回転可能である。換言すると、ローラは、ロボットが前方方向に移動するとき、ロボットの車輪の回転と同じ方向に回転可能であり得る。好ましくは、ローラが粉塵及び粒子の上を単に転がるのではなく粉塵及び粒子を吸引開口に向かって払うことを可能にする速度でローラが回転させられる。
【0018】
本発明性の創造的概念の上記の並びに追加的な目的、特徴及び利点は、以下の実施形態の例示的で非限定的な詳細な説明を通じてより良好に理解される。添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態による自律的洗浄ロボットの上面図を示す。
【
図2】一実施形態による自律的洗浄ロボットの断面図を示す。
【
図3】一実施形態による自律的洗浄ロボットのローラの断面図である。
【
図4】一実施形態による自律的洗浄ロボットのローラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面の同様の要素には同様の参照符号が使用される。別段の指示がない限り、図面は概略的であり、概し正確な縮尺ではない。
【0021】
図1は、本体110、駆動手段120、121、吸引開口(図示せず)、吸引ユニット112及びローラ140を含む一実施形態による家庭用の自律的洗浄ロボット100の上面図である。本体110は、ロボットの内部に配置された制御電子機器、粉塵ボックス及びファンユニットなどの機能ユニットを保護する及び囲むために外側カバーを有するシャーシを形成し得る。さらに、シャーシは駆動手段120のための支持を提供することができ、これは、本発明の例において2つの動輪120及びシャーシの下側に配置された支持車輪121により表される。動輪120の駆動は、より良い操舵及び移動の制御のために個別のモータにより実施され得る。
【0022】
ローラ140は、シャーシの下側に、作動中に床の表面と係合するように配置され得る。好ましくは、ローラ140は、前方方向に見て本体の前3分の1に配置される。ローラ140はコアと複数の剛毛とを含んでもよく、これは以下の図との関連においてより詳細に説明される。
【0023】
作動中、ロボット100は、好ましくは
図1及び2における矢印により示された前方方向に清掃されることになる表面にわたって自律的に移動し得る。前方方向に移動するとき、破片、粉塵及び他の粒子が、ローラ140の剛毛により係合され得るとともに、表面上を通過する気流によりロボット100の内部へ吸引され得る。ローラ140は好ましくは車輪120と同じ方向に、及び剛毛がロボット100の本体110における吸引開口132に向かって粒子を払うことを可能にする速度で回転することができる。
【0024】
図2は、
図1との関連において検討された洗浄ロボットと同様に構成され得る、一実施形態による洗浄ロボット100の断面図である。したがって、ロボット100は、吸引気流を発生させるとともに粉塵及び粒子を吸引気流から濾過して取り除くための吸引ユニット112を収容する本体、又はシャーシ110を含み得る。吸引気流は吸引開口132を通って吸引チャネル130に入り、ロボット100の内部へ至る。吸引開口132は、矢印により示された前進方向で見たとき、ローラ140の少なくともわずかに後ろに配置され得る。
【0025】
吸引開口132との関連において、及びシャーシ110の下側に、ローラ140は粉塵及び粒子を吸引チャネル130内へ運ぶことを円滑にするように配置され得る。ローラ140は、複数の剛毛142が取り付けられ得る実質的に円筒形であってもよい空気不浸透性コア144を含んでもよい。剛毛142は、一端でコアに取り付けられてもよく、他端はローラ140の半径方向に沿ってコア144から離れるようになっている。剛毛は、前空気通路Fにおける空気流をコア144と表面との間に制限する空気バリアを形成するように配置され得る。好ましくは、ローラ140は、前空気通路における空気が吸引チャネル130に向かう途中に剛毛142を通過するように、作動中に床表面に係合するように配置される。剛毛142を単位面積当たりの剛毛の数に関して十分に密に配置することにより、かなりの量の空気が前空気通路Fを通過するのを防ぐ、表面に対するシーリングが達成され得る。
【0026】
シャーシ110は、シャーシ110の下側及び前方方向に対して吸引開口132の後ろに配置されるシーリングエッジ150をさらに含み得る。シーリングエッジ150は、シャーシ110と表面との間の間隙を減少させ、それにより、吸引開口132に入り吸引チャネル130に向かう空気のための後空気通路Rを画定するために提供されてもよい。好ましくは、前空気通路Fにおけるよりも高い流れ抵抗を後空気通路Rにおいて提供するために、シャーシ110と表面との間の間隙はローラ140の前よりもローラ140の後ろでより小さい。ローラ140の後ろの間隙は例えば0~7mmであり得る。例において、前空気通路Fにおける流れ抵抗よりも高い流れ抵抗を後空気通路Rにおいて提供し、したがって、ロボット100の内部を通過する空気のほとんどを後空気通路Rよりむしろ前空気通路Fを通過させるように、シーリングエッジ150は表面に当接するように配置される。
【0027】
さらなる空気通路がローラ140の上側に画定され得る。この空気通路は、したがって上空気通路Uと呼ばれてもよく、ローラハウジング160の内面の間に画定され得る。上空気通路Uに沿った流れ抵抗は、通路の長さを増加させること及び/又は内面とローラ140との間の間隔を減少させることにより増加し得る。前空気通路Fより高い流れ抵抗を有する上空気通路を使用することが有利であり、前空気通路Fの気流ほとんどを制限し、それにより空気を清掃されることになる表面に向かって流すことが可能になる。
【0028】
図3は、
図1及び2との関連において上で検討された実施形態と同様に構成され得る一実施形態によるローラの断面である。ローラ140は、実質的に円筒形のコア144であって、それがその長さ軸Aの周りで回転可能であるとともに作動中に床表面から間隔を空けて配されるように、シャーシにおいて取り付けられ得る実質的に円筒形のコア144を含み得る。さらに、ローラ140は、空気不浸透性コア144上に突出するやり方で配置された複数の剛毛142を含む。剛毛は、ある時間内で所与のポイントについて表面に向けられる剛毛の数が一定であるように分布する。さらに、本発明の図に示されるとおり、剛毛142は、表面の方を指す剛毛の数がローラ140の長さ全体に沿って分布するように、コア144の長さ軸Aに沿って均等に分布し得る。本発明の例において、剛毛はナイロン、ポリプロピレン又は毛で形成され得る。
【0029】
剛毛142は、それらがローラ140の下を通る粒子Pを通すように配置される。より具体的には、剛毛142は、開口がバリアに形成されるように、粒子Pにより曲げられても脇へ押しやられてもよく、空気流が粒子Pに、さらに吸引開口内へと向けられることを可能にする。本発明の図において示されるとおり、粒子Pはコア144と表面との間の間隙により画定された間隙を通過するのに十分小さく、剛毛142を側方へ曲げてバリアを通じた局所的気流を作り出すのに十分大きい。
【0030】
図4は、
図1~3を参照して説明された実施形態と同様であり得る一実施形態によるローラ140の斜視図である。本発明の例において、剛毛142は、1つ又はいくつかのらせん状領域146がローラ140の長さ軸Aに巻き付いているのを除き、ローラ140全体にわたって実質的に均一に分布する。らせん状領域146は空気バリアにおいて局所的間隙を形成し、これはローラ140が回転するとらせん状配置構成を原因として長さ軸Aに沿って移動する。間隙は例えば、前空気チャネルを通る空気流をわずかに増加させるために提供され得る。表面の特徴に依存して空気流を増加させること及び、ロボットと表面との間の真空を生じる摩擦を減少させることが望ましい場合もある。
【0031】
当業者は上述の例示的実施形態に限定されない。対照的に、多くの修正及び変更が添付の特許請求の範囲において可能である。追加的に、開示された例に対する変更は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から特許請求された発明性のある概念を実施する際に当業者により理解及び達成され得る。特定の対応策が互いに異なる従属請求項に挙げられているという事実だけでは、これらの対応策の組合せが有利に使用され得ないということを示さない。
【国際調査報告】