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特表2022-547476ポリウレタン系断熱体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】ポリウレタン系断熱体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20221107BHJP
   B29C 39/44 20060101ALI20221107BHJP
   B29C 44/60 20060101ALI20221107BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20221107BHJP
   B29C 44/42 20060101ALI20221107BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20221107BHJP
   B29K 75/00 20060101ALN20221107BHJP
【FI】
C08G18/00 F
B29C39/44
B29C44/60
B29C44/00 D
B29C44/42
C08G101:00
B29K75:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022514515
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2020074178
(87)【国際公開番号】W WO2021043700
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】19195825.5
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520204744
【氏名又は名称】コベストロ・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・アンド・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライスマイヤー マリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ハーン クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】アルベルス ラインハルト
【テーマコード(参考)】
4F204
4F214
4J034
【Fターム(参考)】
4F204AA42
4F204AB02A
4F204AC05
4F204AG20
4F204AJ03
4F204AM28
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4F204EA01
4F204EB01
4F204EF01
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4F204EK09
4F204EK10
4F204EK17
4F214AA42
4F214AB02A
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4F214UL27
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4J034DG04
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4J034HA01
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4J034HB08
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4J034HC03
4J034HC06
4J034HC09
4J034HC12
4J034HC13
4J034HC22
4J034HC34
4J034HC35
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4J034HC61
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4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KD11
4J034KD12
4J034KE02
4J034NA06
4J034QB11
4J034QC01
4J034QD03
4J034RA14
(57)【要約】
本発明は、バリアフィルムを備えた、硬質微細連続気泡構造ポリウレタン/ポリイソシアヌレート発泡体に基づく断熱体、及びその製造方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型のキャビティ内の微細連続気泡構造ポリウレタン/ポリイソシアヌレート発泡体に基づく断熱体を製造する方法であって、
a.任意で予め成形した挿入体を、前記金型の前記キャビティ内に任意で挿入することと、
b.前記キャビティ内、又は前記挿入体が存在する場合は、該挿入体上若しくは該挿入体内にバリアフィルムを挿入することと、
c.8bar~30barの圧力を前記キャビティ内にかけることと、
d.超臨界COを含有するポリウレタン反応性混合物を、加圧したキャビティ内に注入することと、
e.前記注入後の測定で1秒~40秒後に周囲圧力に減圧することと、
f.前記ポリウレタン反応性混合物を硬化させることと、
g.0.001mbar~0.5mbarの真空を前記キャビティ内に適用すること、
h.前記バリアフィルム中の任意の穴を封止することと、
i.最後に、得られた断熱体を脱型することと、
を含む、方法。
【請求項2】
ガス捕捉材料を、工程b)と工程c)との間、及び/又は、工程f)と工程g)との間に導入する、請求項1に記載のポリウレタン系断熱体を製造する方法。
【請求項3】
前記ポリウレタン反応性混合物が、以下の成分:
A)以下の成分A1)~成分A6)を含有するイソシアネート反応性成分と、
A1)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオール、及びポリエーテルエステルポリオールからなる群より選択される、2.5超の官能価fを有する少なくとも1種のポリオール成分であって、成分A1)中の末端OH官能基の総数に対する成分A1)中に存在する全ての一級OH官能基の割合が少なくとも30%である、ポリオール成分、
A2)ツェレビチノフ活性水素を有する少なくとも1つの触媒成分、
A3)少なくとも1つの連続気泡化化合物、
A4)超臨界CO
A5)超臨界COを除く任意の発泡剤、及び、
A6)任意の助剤及び/又は添加剤、
B)少なくとも1つのポリイソシアネート成分と、
を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法であって、
成分A1)からのOH基のモル数に対する成分B)からのNCO基のモル数の比が80~400となるように、成分B)を成分A)に対して用いる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好適なイソシアネート活性成分とイソシアネート成分との反応、及びそれに続く真空排気によって製造される、真空排気された硬質微細連続気泡構造ポリウレタン/ポリイソシアヌレート(PUR/PIR)発泡体と、ガス透過性を弱め、硬質連続気泡構造PUR/PIR発泡体を包むバリア材料とに基づく断熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質PUR/PIR発泡体は昔から知られている。その実質的な適用領域は断熱である。断熱用硬質PUR/PIR発泡体を含有する真空断熱パネル(VIP)の使用は、重要性が高まりつつある。発泡体の品質は、真空断熱に使用される発泡体の断熱特性に決定的な影響を及ぼす。一方では、気泡サイズが非常に小さく、かつ、非常に均一であることが有利であり、他方では、発泡体を真空排気しやすくするために連続気泡の割合が高いことが有利である。
【0003】
硬質PUR/PIR発泡体の製造においては、発泡剤を含有し得るイソシアネート反応性成分をイソシアネートと反応させる。イソシアネートと存在する任意の水との反応により、発泡剤として二酸化炭素が形成され得る。イソシアネート反応性成分又は反応混合物に、発泡剤として直接COを添加することも知られている。
【0004】
特許文献1には、CO含有反応混合物を急激に減圧させることが記載されている。この特許出願は、二酸化炭素含有ポリウレタン反応性混合物を、二酸化炭素の平衡溶液圧力を超える圧力から標準圧力へと急激に減圧させる、ポリウレタンブロック発泡体の製造方法に関する。液状のポリウレタン反応性混合物は、溶解二酸化炭素の放出によって発泡する。発泡した混合物を基材に適用し、続いて硬化させて、ブロック発泡体を得る。二酸化炭素は、最初は、平衡溶液圧力を実質的に超える圧力で、反応性混合物、又はポリオール及びイソシアネートのうち少なくとも1つの成分に完全に溶解している。続いて、圧力を平衡溶液圧力に近い圧力に下げ、そこで圧力を一時的に平衡溶液圧力より低い圧力まで下げて気泡微小分散を形成することによって少量の二酸化炭素を放出し、成分を任意で混合し、放出された二酸化炭素が完全に再溶解する前に、圧力を標準圧力まで急激に下げる。
【0005】
特許文献2及び特許文献3には、超臨界発泡剤としてCOを使用する微細独立気泡構造ウレタン含有発泡体を製造する方法が開示されている。いずれの場合も、ポリオール相及び超臨界COからのマイクロエマルジョンの生成が方法の成功にとって決定的である。このマイクロエマルジョンは、好適な界面活性剤成分の使用によって確立されるものである。
【0006】
特許文献4には、超臨界発泡剤としてCOを使用するウレタン含有発泡体を製造する方法が記載されている。この製造方法は多段階プロセスであり、まず、超臨界条件下でポリオール成分をCOで飽和させる必要があり、続いて、反応混合物に対して少なくとも100barの圧力をかける必要がある。製造された発泡体は、気泡サイズが小さく、空隙率が高いと言われている。しかしながら、高い連続気泡含量を有する発泡体は、プロピレンオキシド系ポリエーテルを用い、特定の連続気泡化(cell-opening)界面活性剤を使用した場合にしか得られない。特許文献4に記載された方法では、密度が100kg/mを大幅に超える発泡体が得られ、反応器における多段階プロセス(飽和、反応、硬化)の合計時間は1時間より大幅に長く、その間、超臨界条件を維持する必要がある。
【0007】
特許文献5には、ポリオール配合物、及び非常に特殊なポリオール配合物から硬質微細連続気泡構造PUR/PIR発泡体を製造する方法が開示されている。この方法は、見掛け密度が小さく、製造方法が簡易な発泡体が得られるという特徴を有する。特許文献5には、記載された硬質PUR/PIR発泡体に陰圧をかけると、特に低い熱伝導率が得られることが更に開示されている。
【0008】
特許文献6には、ポリウレタン(PU)発泡体において低い熱伝導率(8mW・m-1・K-1~14mW・m-1・K-1)を達成するために、可及的低真空(1mbar~500mbar)を使用することに関する。装置、製造条件、及び長い真空排気時間の点での複雑さ、並びにコストが非常に高くなるため、ガス圧力を更に下げることはしない。列挙された例では、PU発泡体を製造するのに39分を要し、これは、実用上長すぎる。この例では、2mbarのガス圧力で、13mW・m-1・K-1のラムダ値しか達成していないため、2mbar~500mbarの真空を確立することによって13mW・m-1・K-1未満の熱伝導率を得ることができるとは考えられない。
【0009】
特許文献7には、断熱体、及び断熱体を含有する冷却装置が開示されている。多段階プロセスでは、まず硬質ポリウレタン発泡体を製造し、乾燥し、仕上げを行い、バリアフィルムで包み、続いて少なくとも300Paまで真空排気する。次工程で、得られた真空断熱パネルを硬質発泡体で包む。細孔サイズに関する情報は報告されていない。
【0010】
非特許文献1には、連続気泡構造発泡体を含有する真空排気した断熱パネルが開示されている。この発泡体は、350μmを超える細孔サイズを有する。
【0011】
断熱体を製造する従来技術で知られている方法は、過剰に長い処理時間を示し、及び/又は微細気泡構造発泡体が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2001/98389号
【特許文献2】国際公開第2011/054868号
【特許文献3】国際公開第2011/054873号
【特許文献4】国際公開第2015/109488号
【特許文献5】国際公開第2018/162372号
【特許文献6】国際公開第2018/018571号
【特許文献7】特開平08-303940号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】The research paper "Evacuated insulation panel", Kenneth Mason Publications, Hampshire, UK, vol. 388, no. 57, 1 August 1996, ISSN: 0374-4353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明は、微細連続気泡構造を有し、上述の従来技術の問題が起こるとしてもわずかしか起こらない硬質PUR/PIR発泡体に基づく断熱体の製造を、短い処理時間で可能にする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
驚くべきことに、この目的は、以下でより具体的に説明する本発明による方法によって達成することができた。
【0016】
本発明は、金型のキャビティ内の微細連続気泡構造ポリウレタン/ポリイソシアヌレート発泡体に基づく断熱体を製造する方法であって、
a.任意で予め成形され得る挿入体を、金型のキャビティ内に任意で挿入することと、
b.キャビティ内、又は挿入体が存在する場合は、該挿入体内若しくは該挿入体上にバリアフィルムを挿入することと、
c.8bar~30barの圧力をキャビティ内にかけることと、
d.超臨界COを含有するポリウレタン反応性混合物を、加圧したキャビティ内に注入することと、
e.注入後の測定で1秒~40秒後に周囲圧力に減圧することと、
f.ポリウレタン反応性混合物を硬化させることと、
g.0.001mbar~0.5mbarの真空をキャビティ内に適用すること、
h.バリアフィルム中の任意の穴/開口を封止することと、
i.最後に、得られた断熱体を脱型することと、
を含む、方法を提供する。
【0017】
本発明による方法では、35kg/m~300kg/mの見掛け密度と、90%を超える連続気泡含量とを有し、気泡が180μm未満の平均径を有する硬質ポリウレタン発泡体を製造することが可能となる。
【0018】
本発明によるポリウレタン系断熱体を製造する方法においては、ガス捕捉材料(「ゲッター」材料)を、工程b)と工程c)との間、及び/又は、工程f)と工程g)との間に導入することが好ましい。ガス捕捉材料は、存在する任意の残留ガス及び水分と結合することができる。ガス捕捉剤は、特にバリウム、ジルコニウム、バリウム/リチウム、又はジルコニウム/バナジウム/フランシウムに基づく合金からなる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、又はバナジウムの合金、及び列挙した1つ以上の金属の合金が特に好ましいが、金属酸化物、例えば、約80重量%~90重量%のCaO、約10重量%~12.5重量%のCo、及び約3重量%~5重量%のバリウムに基づくガス捕捉剤等を用いることもできる。ガス捕捉剤は、緩い粉末として、又は圧縮粉末として、又は担体内/担体上で用いることができる。本出願の目的のために、「ガス捕捉剤材料」及び「ゲッター材料」という用語は同義的である。
【0019】
挿入体は、例えば、パイプ断熱材のハーフシェル、金属又はプラスチックで形成された、ボイラー、冷蔵庫、冷蔵庫のドア、又は冷凍庫の筺体とすることができる。さらに、挿入体は、例えば、金属若しくはプラスチックで形成された壁、又は板金部品とすることができる。
【0020】
本発明による方法では、超臨界COを使用して、硬質微細連続気泡構造PUR/PIR発泡体に基づく断熱体を製造することが可能となり、ここで、バリアフィルムを金型のキャビティに直接挿入することができる。
【0021】
断熱体中の発泡体が、小さな気泡サイズと組み合わせて非常に高い連続気泡含量を有することは、この発泡体特性が陰圧の適用による発泡体の熱伝導率の低下を可能とする或る特定の用途において興味深い。
【0022】
得られる断熱体は、真空断熱パネルとしても知られている。この真空断熱パネルは、芯材と、気密外包材としてのバリアフィルムとからなる。用いる外包材が非常に高い気密性を有することが重要である。したがって、本発明による真空断熱パネルは、ポリウレタン反応性混合物の導入前に金型のキャビティに導入するバリアフィルムとして、通常、プラスチック又は金属で形成された1つ以上のフィルム、特に、1つ以上の金属蒸着層、又は金属酸化物蒸着若しくは酸化ケイ素蒸着層を備えたプラスチックフィルムで被覆される。好適なプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、及び/又はポリプロピレンの層を含む積層フィルム又は共押出フィルムが挙げられる。気密性がより高いため、金属プラスチックフィルム、特にアルミニウム複合フィルムをバリアフィルムとして用いることが好ましい。バリアフィルムは、好ましくは10μm~500μmの範囲、好ましくは50μm~200μmの範囲の厚さを有する。金属層の厚さは、好ましくは0.1μm~15μmの範囲である。
【0023】
用いるポリウレタン反応性混合物は、以下の成分:
A)以下の成分A1)~成分A6)を含有するイソシアネート反応性成分と、
A1)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリカーボネートポリオール、及びポリエーテルエステルポリオールからなる群より選択される、2.5超の官能価fを有する少なくとも1つのポリオール成分であって、成分A1)中の末端OH官能基の総数に対する成分A1)中に存在する全ての一級OH官能基の割合が少なくとも30%である、ポリオール成分、
A2)ツェレビチノフ活性水素を有する少なくとも1つの触媒成分、
A3)少なくとも1つの連続気泡化化合物、
A4)超臨界CO
A5)超臨界COを除く任意の発泡剤、及び、
A6)任意の助剤及び/又は添加剤、
B)少なくとも1つのポリイソシアネート成分と、
を含有する混合物であることが特に好ましく、
成分A1)からのOH基のモル数に対する成分B)からのNCO基のモル数の比に100を掛けたものが80~400となるように、成分B)を成分A)に対して用いる、方法。
【0024】
本出願で使用される用語は、以下のように定義される。
【0025】
イソシアネートインデックス(インデックスとしても知られる)は、実際に用いたイソシアネート基の物質量[mol]と、実際に用いたイソシアネート反応性基の物質量[mol]との比(quotient:商)に100を掛けたものを意味すると理解される。
インデックス=(イソシアネート基のモル数/イソシアネート反応性基のモル数)×100
【0026】
本出願の文脈において、成分混合物の「官能価」、すなわち「f」は、言及する混合物のそれぞれの数平均官能価を意味すると理解される。よって、例えば、ポリオール成分A1)の官能価は、存在する全てのイソシアネート反応性官能基に対する、成分A1)中に存在するポリオール混合物の数平均官能価を意味すると理解される。
【0027】
本出願の文脈において、「モル重量」又は「モル質量」、すなわち「M」は、それぞれの場合において、数重量平均モル質量を意味すると理解される。
【0028】
単一のポリオールを添加する場合、OH価(ヒドロキシル価としても知られている)は、このポリオールのOH価を特定する。混合物について報告されたOH価は、個々の成分のOH価からそれぞれのモル比で計算された混合物の数平均OH価に関連している。OH価は、ミリグラムでの水酸化カリウムの量を示し、これは、アセチル化中に1グラムの物質が結合する酢酸の量に相当する。本発明の文脈において、OH価は、DIN 53240-2規格(2007年11月現在)に従って求められる。
【0029】
イソシアネート反応性成分A)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエーテルポリカーボネートポリオールからなる群より選択される少なくとも1種のポリオール成分A1)を含有する。
【0030】
成分A)において用いられる全てのポリオールの末端OH官能基の総数に対する、一級OH官能基の割合は、少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、特に好ましくは少なくとも38%である。
【0031】
ポリオール成分A1)は、2.5超、好ましくは2.6以上6.5以下、特に好ましくは2.8以上6.1以下の官能価fを有するという更なる特徴を有する。
【0032】
ポリオール成分A1)は、好ましくは280mgKOH/g~600mgKOH/g、特に好ましくは300mgKOH/g~580mgKOH/g、特に好ましくは350mgKOH/g~540mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0033】
本出願の文脈において、「ポリエーテルポリオール」は、様々なポリエーテルポリオールの混合物とすることもできる。これは、本明細書において列挙される他のポリオールにも同じように適用される。
【0034】
本発明に従って使用可能なポリエーテルポリオールは、ポリウレタン合成において用いることができ、当業者に既知のポリエーテルポリオールである。
【0035】
使用可能なポリエーテルポリオールの例は、カチオン開環によるテトラヒドロフランの重合を介して得られるタイプのポリテトラメチレングリコールポリエーテルである。
【0036】
同様に好適なポリエーテルポリオールは、スチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及び/又はエピクロロヒドリンの、二官能性又は多官能性出発分子への付加物である。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加が特に好ましい。好適な出発分子は、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチルジグリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、エチレンジアミン、トルエンジアミン、トリエタノールアミン、ビスフェノール、特に、4,4’-メチレンビスフェノール、4,4’-(1-メチルエチリデン)ビスフェノール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、並びにかかるポリオールとジカルボン酸との低分子量ヒドロキシル含有エステル、及びかかるポリオールのオリゴエーテルである。
【0037】
イソシアネート反応性成分A)は、その総重量に対して、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも70重量%のポリエーテルポリオールを含有することが好ましい。好ましい実施の形態においては、成分A1)は、100重量%までの範囲でポリエーテルポリオールからなる。
【0038】
使用可能なポリエーテルエステルポリオールは、エーテル基、エステル基及びOH基を含む化合物である。ポリエーテルエステルポリオールを製造するために、最大12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは4個以上6個以下の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸が適しており、これらは単独で又は混合物で使用される。例としては、スベリン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、マロン酸、フタル酸、ピメリン酸及びセバシン酸、特にグルタル酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸及びイソテレフタル酸が含まれる。有機ジカルボン酸に加えて、これらの酸の誘導体、例えば、これらの酸の無水物、並びにこれらの酸の1個以上4個以下の炭素原子を有する低分子量単官能性アルコールとのエステル及びモノエステルを使用することもできる。上述のバイオベースの出発材料、特に脂肪酸/脂肪酸誘導体(オレイン酸、大豆油等)の割合の使用も同様に可能であり、例えば、ポリオール配合物の貯蔵安定性、寸法安定性、燃焼挙動及び発泡体の圧縮強度に関して利点を有し得る。
【0039】
多価アルコール等の出発分子のアルコキシル化によって得られるポリエーテルポリオールは、ポリエーテルエステルポリオールを調製するために使用される更なる成分である。出発分子は少なくとも二官能性であるが、任意で、より高い官能性、特に三官能性の出発分子を部分的に含むこともできる。
【0040】
出発分子には、例えば、好ましくは18g/mol以上400g/mol以下、好ましくは62g/mol以上200g/mol以下の数平均分子量Mnを有するジオール、例えば1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンテンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール及び2-ブチン-1,4-ジオール等、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ジヘキシレングリコール、トリヘキシレングリコール、テトラヘキシレングリコール等のエーテルジオール、並びにジエチレングリコール等のアルキレングリコールのオリゴマー混合物が含まれる。OH以外の官能性を有する出発分子を、単独で又は混合物で使用することもできる。
【0041】
ジオールに加えて、2個を超えるツェレビチノフ(Zerewitinoff)活性水素を有する化合物、特に2を超え8以下、特に3以上6以下の数平均官能価を有する化合物、例えば、1,1,1-トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、グリセロール、ソルビタン、及びペンタエリスリトール、並びに、更には、好ましくは62g/mol以上400g/mol以下、特に92g/mol以上200g/mol以下の平均モル質量Mnを有する、トリオール又はテトラオール出発ポリエチレンオキシドポリオールを、ポリエーテルを製造する出発分子として併用することもできる。
【0042】
ポリエーテルエステルポリオールはまた、有機ジカルボン酸及びそれらの誘導体と、ツェレビチノフ活性水素を有する成分、特にジオール及びポリオールとの反応によって得られる反応生成物のアルコキシル化、特にエトキシル化及び/又はプロポキシル化によって調製され得る。使用することができるこれらの酸の誘導体には、例えば、それらの無水物、例えば、無水フタル酸が含まれる。
【0043】
好適なポリエステルポリオールは、とりわけ、ジオール、更にはトリオール及びテトラオールと、ジカルボン酸、更にはトリカルボン酸及びテトラカルボン酸、又はヒドロキシカルボン酸若しくはラクトンとの重縮合物である。ポリエステルの製造には、遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物又は対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステルを使用することも可能である。
【0044】
好適なジオールの例は、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール等、並びに、更には1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び異性体、ネオペンチルグリコール又はネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートである。加えて、トリメチロールプロパン、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールベンゼン、又はトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等のポリオールも用いることができる。
【0045】
また、一価アルカノールも併用することができる。
【0046】
使用し得るポリカルボン酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、コハク酸、2-メチルコハク酸、3,3-ジエチルグルタル酸、2,2-ジメチルコハク酸、ドデカン二酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、クエン酸、又はトリメリット酸が挙げられる。対応する無水物を酸源として使用することも可能である。
【0047】
安息香酸及びアルカンカルボン酸等のモノカルボン酸の追加併用も可能である。
【0048】
末端ヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールの調製において反応関与物として併用され得るヒドロキシカルボン酸は、例えば、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシステアリン酸等である。好適なラクトンとしては、カプロラクトン、ブチロラクトン、及び同族体が挙げられる。
【0049】
また、ポリエステルポリオールの製造に適した化合物としては、特にバイオベースの出発材料及び/又はそれらの誘導体、例えば、ヒマシ油、ポリヒドロキシ脂肪酸、リシノール酸、ヒドロキシル変性油、ブドウ種子油、ブラッククミン油、カボチャ種子油、ルリジサ種子油、大豆油、小麦胚芽油、菜種油、ヒマワリ種子油、落花生油、杏仁油、ピスタチオ油、アーモンド油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、アボカド油、シーバックソーン油、ゴマ油、麻油、ヘーゼルナッツ油、プリムラ油、ワイルドローズ油、ベニバナ油、クルミ油、脂肪酸、ヒドロキシル変性及びエポキシ化脂肪酸、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸及びγ-リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、ティムノドン酸、クルパノドン酸及びセルボン酸に基づく脂肪酸が挙げられる。リシノール酸と多官能性アルコール、例えば、グリセロールとのエステルが特に好ましい。そのようなバイオベースの酸と他のカルボン酸、例えば、フタル酸との混合物の使用も好ましい。
【0050】
使用し得るポリカーボネートポリオールは、ヒドロキシル基を有するポリカーボネート、例えば、ポリカーボネートジオールである。これは、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル、若しくはホスゲン等の炭酸誘導体と、ポリオール、好ましくはジオールとの反応を介して、又はアルキレンオキシド、例えばプロピレンオキシドとCOとの共重合を介して得ることができる。
【0051】
そのようなジオールの例は、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール及び1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール及び1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールA、並びに上述のタイプのラクトン変性ジオールである。
【0052】
純粋なポリカーボネートジオールの代わりに又はそれに加えて、例えば、アルキレンオキシド、例えば、プロピレンオキシドとCOとの共重合を介して得ることができるポリエーテルポリカーボネートジオールも使用可能である。
【0053】
ポリオールを調製する方法は、例えば、Ionescuによって"Chemistry and Technology of Polyols for Polyurethanes", Rapra Technology Limited, Shawbury 2005の第55頁以降(チャプター4:弾性ポリウレタン用のオリゴポリオール(Oligo-Polyols for Elastic Polyurethanes))、第263頁以降(チャプター8:弾性ポリウレタン用のポリエステルポリオール(Polyester Polyols for Elastic Polyurethanes))及び、特に第321頁以降(チャプター13:硬質ポリウレタン発泡体用のポリエーテルポリオール(Polyether Polyols for Rigid Polyurethane Foams))及び第419頁以降(チャプター16:硬質ポリウレタン発泡体用のポリエステルポリオール(Polyester Polyols for Rigid Polyurethane Foams))に記載されている。適切なポリマーリサイクル素材の解糖により、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールを得ることも可能である。適切なポリエーテルポリカーボネートポリオール及びその製造は、例えば、欧州特許出願公開第2910585号の[0024]~[0041]に記載されている。ポリカーボネートポリオールの例及びその製造は、とりわけ、欧州特許出願公開第1359177号に見出すことができる。適切なポリエーテルエステルポリオールの製造は、とりわけ、国際公開第2010/043624号及び欧州特許出願公開第1923417号に記載されている。
【0054】
アルコキシル化に使用するアルキレンオキシドがエチレンオキシドを高い割合で含むと、一級OH官能基の割合が高いポリエーテルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、及びポリエーテルエステルポリオールが得られる。成分A1)のポリオール中に存在するアルキレンオキシド構造の全体に対する、エチレンオキシド構造のモル比は、特に少なくとも50モル%である。同様に、100モル%のエチレンオキシドの使用が好ましい実施の形態である。
【0055】
イソシアネート反応性成分A)は、低分子量のイソシアネート反応性化合物を更に含み得て、特に二官能性又は三官能性のアミン及びアルコール、特に好ましくは400g/mol未満、好ましくは60g/mol~300g/molのモル質量Mを有するジオール及び/又はトリオール、例えば、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリセロールを使用することができる。そのような低分子量のイソシアネート反応性化合物が硬質ポリウレタン発泡体の製造のために、例えば鎖延長剤及び/又は架橋剤として使用され、成分A1)の定義にも含まれない場合に、これらの化合物は、有利には、成分A)の総重量に対して最大5重量%の量で使用される。
【0056】
また、成分A)は、更なるイソシアネート反応性化合物、例えば、グラフトポリオール、ポリアミン、ポリアミノアルコール、及びポリチオールを含有することができる。上述のイソシアネート反応性成分が、混合官能基を有するかかる化合物も含むことが理解されるだろう。
【0057】
好ましいイソシアネート反応性成分A)は、少なくとも65重量%までの範囲、特に少なくとも80重量%までの範囲、特に好ましくは少なくとも90重量%までの範囲で、280mgKOH/g~600mgKOH/gのヒドロキシル価を有し、2.8以上6.0以下の官能価を有するポリオール成分A1)からなり、成分A)中の一級OH官能基の割合は、(成分A)中の全ての末端OH官能基に対して)少なくとも35%である。
【0058】
イソシアネート反応性成分A)は、少なくとも1つ以上の連続気泡化化合物A3)を含有することができる。連続気泡化化合物は、例えば、プラスチックハンドブック(Kunststoff-Handbuch)、第7巻、ポリウレタン、Carl Hanser Verlag、Munich/Vienna、第3版、1993年、104頁~127頁に記載されている。これらは、例えば、シリコーン、例えばポリエーテル-ポリジメチルシロキサンコポリマー等、又は有機ポリマー、例えばポリブタジエンに基づくもの(例えば、Evonik IndustriesのOrtegol 500及び501)、界面活性剤、例えば商品名Sermul EA266(Elementis Specialties、オランダ)で得られるエトキシル化硫酸化イソトリデシルアルコールのナトリウム塩、及び、更には様々な成分の混合物、例えばアミン安定化高分子不飽和炭化水素と、フタル酸エステルとの混合物である。ポリブタジエンに基づく連続気泡化剤が好ましい。連続気泡化成分は、イソシアネート反応性成分A)に対して、1重量%以下の量で用いることが好ましい。特に好ましくは、ポリブタジエンに基づく有機ポリマーを、いずれの場合も成分A)の総重量に対して、0.1重量%~1.0重量%、特に好ましくは、0.25重量%~0.75重量%で使用する。
【0059】
本発明による方法において用い得る助剤及び添加剤A6)は、従来技術において、かつ、当業者にとって既知の常用の助剤及び添加剤である。助剤及び添加剤としては、例えば、表面活性物質、安定化剤、特に泡安定化剤、気泡調節剤、充填剤、染料、顔料、難燃剤、帯電防止剤、抗加水分解剤、及び/又は静真菌性物質及び静菌性物質が挙げられる。
【0060】
既知の連続気泡化化合物の幾つか、例えばシリコーンは、表面活性物質、安定化剤、又は気泡調節剤としての役割を同時に担うこともできる。この場合、これらの成分の量を、連続気泡化化合物について上で列挙した好ましい量よりも多くすることも可能である。
【0061】
ポリエーテル-ポリジメチルシロキサンコポリマー、好ましくは、オリゴジメチルシロキサン末端基を有するポリエチレンオキシド-ポリエーテルがしばしば使用され、ここで、ジメチルシロキサン単位数は、好ましくは5以下である。
【0062】
用い得る安定化剤としては、パラフィン、ポリブタジエン、脂肪アルコール、及びエステル、例えばカルボン酸のエステル等の飽和炭化水素及び不飽和炭化水素も挙げられる。
【0063】
安定化剤として、界面活性剤、例えば、アルコキシル化アルカノール、例えば炭素数6以上30以下の直鎖状又は分岐状アルカノールと、5以上100以下のアルキレンオキシド単位を有するポリアルキレングリコールとのエーテル等、アルコキシル化アルキルフェノール、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化ソルビタンのカルボン酸エステル(特にポリソルベート80)、脂肪酸エステル、ポリアルキレンアミン、アルキル硫酸塩、ホスファチジルイノシトール、フッ素化界面活性剤、ポリシロキサン基を含む界面活性剤、及び/又はビス(2-エチル-1-ヘキシル)スルホコハク酸塩も用いることができる。フッ素化界面活性剤は、過フッ素化されていてもよく、又は部分的にフッ素化されていてもよい。その例は、部分的にフッ素化されたエトキシル化アルカノール又はカルボン酸である。
【0064】
成分A)は、成分A)の総重量に対して、好ましくは、合計で5重量%以下の界面活性剤、特に好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%未満、特に好ましくは1.6重量%以下の界面活性剤を含有する。
【0065】
触媒A2)は、硬質PUR/PIR発泡体の製造に使用される。通常触媒として使用される化合物は、成分中のヒドロキシル基又はイソシアネート反応性基を含む化合物と、成分Bのイソシアネート基との反応を加速させる。
【0066】
触媒は、ツェレビチノフ活性水素を含むことによりイソシアネートと反応することができる官能基を有する少なくとも1つの触媒活性アミン化合物(いわゆる「組込み型触媒(incorporable catalysts)」)を含有することが好ましい。用い得る組込み型触媒の例は、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、ビス(N,N-ジメチルアミノエトキシエチル)カルバメート、ジメチルアミノプロピル尿素、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノプロピルエーテル)、N,N,N-トリメチル-N-ヒドロキシエチルビス(アミノエチルエーテル)、ジエチルエタノールアミン、ビス(N,N-ジメチル-3-アミノプロピル)アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジメチルアミノプロピル-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、ジメチル-2-(2-アミノエトキシエタノール)、及び(1,3-ビス(ジメチルアミノ)プロパン-2-オール)、N,N-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)-N-イソプロパノールアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)-2-ヒドロキシエチルアミン、N,N,N-トリメチル-N-(3-アミノプロピル)ビス(アミノエチルエーテル)、3-ジメチルアミノイソプロピルジイソプロパノールアミン、又はこれらの混合物である。
【0067】
好ましい実施の形態においては、上述の触媒は、成分A)の総重量に対して、0.01重量%以上2重量%未満の量で用いられる。
【0068】
1つ以上の更なる触媒化合物、特に、PUR/PIR化学で既知の触媒活性化合物を用いることもできる。かかる化合物としては、更なるアミン化合物だけでなく、例えば、酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)、ラウリン酸スズ(II)、二酢酸ジブチルスズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、二酢酸ジオクチルスズ、トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)-s-ヘキサヒドロトリアジン、水酸化テトラメチルアンモニウム、酢酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩も挙げられる。
【0069】
触媒は、通常、成分A)の重量に対して、0.001重量%~5重量%、特に0.05重量%~2.5重量%の量で用いられる。組込み型触媒と非組込み型触媒(non-incorporable catalysts)との両方を触媒として用いることが特に好ましい。組込み型アミン化合物と触媒活性塩とを組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0070】
硬質PUR/PIR発泡体の製造では、超臨界二酸化炭素(A4)が用いられ、任意で、追加の発泡剤成分A5)が使用される。成分A)100重量部に対して、0.5重量部~30重量部の追加の発泡剤A5)を用いることが好ましい。用いる追加の発泡剤は、好ましくは物理的発泡剤である。本発明の文脈において、「物理的発泡剤」は、その物理的特性のために揮発性であり、イソシアネート成分に対して非反応性の化合物を意味すると理解される。
【0071】
炭化水素(例えば、n-ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ブタン、イソブタン、プロパン)、エーテル(例えば、メチラール)、ハロゲン化エーテル、炭素数1~8の過フッ素化炭化水素及び部分フッ素化炭化水素、例えば、パーフルオロヘキサン、HFC 245fa(1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン)、HFC 365mfc(1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン)、HFC 134a、又はこれらの混合物、並びに、更には(ハイドロ)フッ素化オレフィン、例えば、HFO 1233zd(E)(トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン)若しくはHFO 1336mzz(Z)(シス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)、又は3MのFA 188(1,1,1,2,3,4,5,5,5-ノナフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ペンタ-2-エン)等の添加剤、及び、更にはこれらの混合物から選択される物理的発泡剤を使用することが好ましい。
【0072】
上述の物理的発泡剤に加えて又は、更にはその代わりとして、化学的発泡剤を使用することもできる。化学的発泡剤は、特に好ましくは水及び/又はギ酸である。
【0073】
成分B)は、ポリイソシアネート、すなわち、2以上のNCO官能価を有するイソシアネートである。そのような適切なポリイソシアネートの例には、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及び/又は2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス(4,4’-イソシアナトシクロヘキシル)メタン又はそれらの任意の所望の異性体含量の混合物、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート及び/又は2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又は高級同族体、1,3-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)ベンゼン及び/又は1,4-ビス(2-イソシアナトプロパ-2-イル)ベンゼン(TMXDI)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)、並びに、更にはC1~C6-アルキル基を有する2,6-ジイソシアナトヘキサン酸アルキル(リジンジイソシアネート)が含まれる。
【0074】
イソシアネート成分B)として使用される材料は、好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートの異性体(「モノメリックMDI」)(「mMDI」と略す)とそのオリゴマー(「オリゴメリックMDI」)との混合物である。「ポリメリックMDI」(pMDI)という用語は、通常、モノメリックMDIとオリゴメリックMDIとの混合物に対して使用される。MDIのオリゴマーは、比較的多数の環を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、すなわち、比較的多数の環を有し、2超のNCO官能価fを有し、以下の構造式:C1510[CNO](式中、nは0超の整数であり、好ましくは1、2、3、及び4である)を有する、ジフェニルメチレンジイソシアネートの同族体の混合物である。高級核同族体(higher-nuclear homologs)(C1510[CNO]、mは4以上の整数)も同様に有機ポリイソシアネートa)の混合物中に存在することができる。イソシアネート成分B)として、ポリウレタンの製造において既知の更なる脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、及び特に芳香族ポリイソシアネート、特にTDIを最大で20重量%、より好ましくは最大で10重量%含むmMDI及び/又はpMDIの混合物も同様に好ましい。
【0075】
上述のポリイソシアネートに加えて、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、カルボジイミド構造、ウレトンイミン構造、アロファネート構造、ビウレット構造、アミド構造、イミノオキサジアジンジオン構造及び/又はオキサジアジントリオン構造を有する変性ジイソシアネート、並びに、更には1分子当たり3個以上のNCO基を有する非変性ポリイソシアネート、例えば、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)又はトリフェニルメタン4,4’,4’’-トリイソシアネートを一部併用することも可能である。
【0076】
上述のポリイソシアネートの代わりに又はそれに加えて、好適なNCOプレポリマーを有機イソシアネート成分B)として使用することもできる。プレポリマーは、1つ以上のポリイソシアネートと1つ以上の上述のポリオールとの反応によって製造可能である。
【0077】
イソシアネートは、2以上のNCO官能価を有するイソシアネートと、62g/mol以上8000g/mol以下の分子量を有し、1.5以上6以下のOH官能価を有するポリオールとを反応させることによって得られるプレポリマーとすることができる。
【0078】
NCO含量は、好ましくは29.0重量%以上32.0重量%以下であり、好ましくは25℃で80mPa・s以上2000mPa・s以下、特に好ましくは100mPa・s以上800mPa・s以下の粘度(25℃でDIN 53019に従って求められる動的粘度)を有する。
【0079】
ポリイソシアネート成分B)中のNCO基の数と成分A)中のイソシアネート反応性基の数とは、互いの数値比で、例えば、50:100以上500:100以下とすることができる。硬質ポリウレタン発泡体は、通常、配合物中のイソシアネートインデックスが80~150、好ましくは90~130、特に好ましくは95~110となるような量で、成分A)と成分B)とを反応させることによって製造される。この範囲では、ウレタン基が好ましくは形成される。別の好ましい実施の形態においては、イソシアネートインデックスは150~400である。この範囲では、発泡体は、例えば固有の発泡体難燃性をもたらすイソシアヌレート官能基を高い割合で含む。
【0080】
反応混合物の成分の混合は、高圧混合ヘッド内の圧力下で行うことができる。本発明に従って製造されたPUR/PIR断熱体の好適な適用分野としては、特に、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫及びボイラー、冷却容器及び冷却ボックス等の装置、並びにパイプの工業的断熱が挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0081】
用いた基準/分析機器:
見掛け密度の測定:Foams composed of rubber and plastics - determination of apparent density(ISO 845:2006);独国版EN ISO 845:2009
【0082】
連続気泡含量の測定:Determination of volume fraction of open and closed cells(ISO 4590:2002);独国版EN ISO 4590:2003
【0083】
圧縮強度の測定:Rigid foams - determination of pressure properties(ISO 844:2014);独国版EN ISO 844:2014
【0084】
OH価の測定:DIN 53240-2、2007年11月版に従ったDetermination of hydroxyl number - part 2: Method with catalyst
【0085】
気泡サイズの測定:VHX5000光学顕微鏡を使用した光学顕微鏡評価;
分析対象の試験片を、それぞれ直径5mmの円形領域にわたる3つの異なるポイントで試験する。ここでの解像度は、選択した領域が100個を超える気泡を捕捉するように選択する。続いて、無料で入手できるソフトウェアImageJを使用して全ての気泡を評価し、取得したECD値(円相当径)を使用してD90値(気泡の90%がこの値よりも小さくなる値)及び平均気泡径を計算する。
【0086】
表1に示す官能価fは、配合物中に存在するポリオールの混合物の数平均官能価に関する。
【0087】
表1に示す発泡体製造時間は、COとポリオール配合物とを混合した時点と、硬化したPU発泡体の離型/真空排気の時点との間の時間を記載している。
【0088】
熱伝導率の測定:
1)動的熱線法による熱伝導率値の測定:
白金線(直径100μm)を試料に埋め込み、発熱体及び温度センサーとして同時に機能させる。測定装置は、圧力センサー(Baratron(商標)、MKS Instruments Deutschland GmbH、ミュンヘン)によって内部圧力が測定される真空チャンバーに組み込まれている。必要なガス圧力は、ニードルバルブを介して窒素ガスを制御充填することによって確立する。
【0089】
測定中、一定の電力で白金線を加熱する。この熱線の時間の経過に伴う平均温度プロファイルは、温度依存性熱線抵抗を介して取得することができる。熱線抵抗は、熱線と直列に接続された分流抵抗器における電圧降下と、熱線上の電圧測定端子における電圧降下とを同時に測定することによって測定する。2つのマルチメータ(HP3457A型、Hewlett-Packard、米国パロアルト)を電圧計として使用した。この温度プロファイルは、試料の熱伝導率に依存する。試料の熱伝導率は、試料と熱線との間の熱接触抵抗、及び軸方向の熱損失を考慮して、この時間依存性温度曲線に分析ソリューション(siehe Ebert H.-P. et al., High Temp. - High Press., 1993, 25, 391-402)を適合させることによって決定される。発泡体は、23℃で50mm×50mm×100mmのサイズを有する。
【0090】
2)DIN 52616(11/1977)に従った熱流測定プレート機器を使用した熱伝導率測定。発泡体は、10℃及び/又は23℃で200mm×200mm×30mmのサイズを有する。
【0091】
CO及びn-ペンタンで発泡させたポリウレタン発泡を、以下の表1に記載した配合に従って製造した。特に明記しない限り、規定の量は重量分率として理解される。以下の物質及び材料を使用した:
ポリオール1:トリメチロールプロパン及び酸化プロピレンに基づく、ヒドロキシル価が800mgKOH/g、官能価が3、かつ、25℃での粘度が6100mPa・sのポリエーテルポリオール
ポリオール2:トリメチロールプロパン及び酸化エチレンに基づく、ヒドロキシル価が550mgKOH/g、官能価が3、かつ、25℃での粘度が505mPa・sのポリエーテルポリオール
ポリオール3:トリメチロールプロパン及び酸化プロピレンに基づく、ヒドロキシル価が550mgKOH/g、官能価が3、かつ、25℃での粘度が1800mPa・sのポリエーテルポリオール
ポリオール4:1,2-プロパンジオール及び酸化プロピレンに基づく、ヒドロキシル価が56mgKOH/g、官能価が2、かつ、25℃での粘度が310mPa・sのポリエーテルポリオール
ポリオール5:1,2-プロパンジオール及び酸化プロピレンに基づく、ヒドロキシル価が112mgKOH/g、官能価が2、かつ、25℃での粘度が140mPa・sのポリエーテルポリオール
ポリオール6:グリセロール及びプロピレンオキシドに基づく、ヒドロキシル価が231mgKOH/g、官能価が3、かつ、20℃での粘度が350mPa・sのポリエーテルポリオール
Tegostab B 8443:発泡安定化剤(Evonik)
Ortegol 500:連続気泡化剤(Evonik)
Ortegol 501:連続気泡化剤(Evonik)
Desmorapid PU 1792:触媒、25%酢酸カリウムのジエチレングリコール溶液(Covestro)
Dabco NE1070:触媒、3-(ジメチルアミノ)プロピル尿素(Air Products)
n-ペンタン:発泡剤
イソシアネート:20℃で約290mPa・sの粘度を有する、モノメリックMDIとポリメリックMDIとの混合物(Desmodur 44V20L、Covestro)
バリアフィルム:ポリエチレンテレフタレートと、ポリエチレンと、アルミニウムとからなる多層フィルム。
【0092】
PU系断熱体の製造、例1(本発明)並びに例3、例4、及び例5(比較):
ポリオール配合物を、以下の表1に記載したポリオール、安定化剤、及び触媒から高圧プラントにおいて製造した。この配合物を、160barの圧力、及び50℃の温度(超臨界条件)で、静的ミキサーを用いて発泡剤COと混合した。この混合物を、高圧混合ヘッド内で、160barの圧力、及び35℃の温度で搬送されるイソシアネートと混合した。このようにして得られた反応混合物を、50℃の金型温度で閉金型の加圧キャビティに注入した。金型にはバリアフィルムを設けることができる。注入の完了後(いわゆるショット時間(shot time))、圧力を一定時間維持し(いわゆるクリーム時間(cream time))、次いで2秒未満にわたって周囲圧力に減圧した(いわゆる緩和時間(relaxation time))。正確な配合とプラントパラメータを表1にまとめ、断熱体、特に発泡体の物理的試験の結果を表2に示す。
【0093】
ポリウレタン成形発泡体の製造、例6(比較):
ポリウレタン系成形発泡体を製造するために、以下の表1に記載するポリオール、安定化剤、及び触媒、並びに、更には発泡剤からポリオール配合物を製造した。反応混合物を製造するために、Pendraulik撹拌機を使用してイソシアネートを23℃で7秒間混合し、金型に導入し、直ちに金型を閉じた。5分後、金型を開け、成形体を脱型した。正確な配合を表1にまとめ、成形発泡体の物理的試験の結果を表2に示す。
【0094】
例2(比較):
全てのデータは、特許文献6の実施例2から取得し、比較のため表1及び表2に挿入する。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
実施例1から、本発明において記載した方法によって製造した断熱体は、ラムダ値が低いことが分かる。必要となるプロセス工程は、比較例3よりも1つ少ない。比較例3では、製造した発泡体は、更にラミネートし、真空排気する必要があると考えられる。
【0098】
特許文献6に記載の実施例2(ここでは、比較例2)から、本発明の実施例1よりもプロセス時間が顕著に長く、熱伝導率は13mW・m-1・K-1と、本発明の実施例1よりも顕著に高いことが分かる。
【0099】
比較例3から、真空排気及びバリアフィルム以外は同等の条件下で製造した発泡体は、ラムダ値が顕著に高いことが分かる。
【0100】
比較例4で製造した発泡体も、独立気泡構造を有するにも関わらず、実施例1よりも顕著に高いラムダ値を示す。比較例5において示すように、見掛け密度が71kg/mから45kg/mへと低下し、独立気泡構造を有していても、ラムダ値は、実施例1よりも顕著に高いままである。
【0101】
比較例6で製造した発泡体は、独立気泡構造を有し、発泡剤としてペンタンで発泡させたにも関わらず、本発明の実施例1よりも顕著に高いラムダ値を示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型のキャビティ内の微細連続気泡構造ポリウレタン/ポリイソシアヌレート発泡体に基づく断熱体を製造する方法であって、
a.任意で予め成形した挿入体を、前記金型の前記キャビティ内に任意で挿入することと、
b.前記キャビティ内、又は前記挿入体が存在する場合は、該挿入体上若しくは該挿入体内にバリアフィルムを挿入することと、
c.8bar~30barの圧力を前記キャビティ内にかけることと、
d.超臨界CO2を含有するポリウレタン反応性混合物を、加圧したキャビティ内に注入することと、
e.前記注入後の測定で1秒~40秒後に周囲圧力に減圧することと、
f.前記ポリウレタン反応性混合物を硬化させることと、
g.0.001mbar~0.5mbarの真空を前記キャビティ内に適用すること、
h.前記バリアフィルム中の任意の穴を封止することと、
i.最後に、得られた断熱体を脱型することと、
を含む、方法。
【国際調査報告】