(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】多発性硬化症疾患活動性を予測するためのバイオマーカー
(51)【国際特許分類】
G01N 33/68 20060101AFI20221107BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20221107BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20221107BHJP
G16H 10/40 20180101ALI20221107BHJP
C07K 14/435 20060101ALN20221107BHJP
【FI】
G01N33/68
G01N33/53 D
C12M1/34 Z
G16H10/40
C07K14/435
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515004
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020049375
(87)【国際公開番号】W WO2021046329
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522086375
【氏名又は名称】オクターブ バイオサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】カトリブ アマル
(72)【発明者】
【氏名】ルビオ ダ コスタ ファティマ
(72)【発明者】
【氏名】ベシク マイケル ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ゲーマン ビクター マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クレシ フェルハン
(72)【発明者】
【氏名】ハグストローム ウィリアム エイ.
【テーマコード(参考)】
2G045
4B029
4H045
5L099
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA25
2G045CA26
2G045DA36
4B029AA07
4B029BB15
4B029FA12
4H045AA10
4H045AA30
4H045CA40
4H045EA50
5L099AA03
(57)【要約】
ヒト対象の疾患活動性を決定するためのバイオマーカーパネルのバイオマーカーの定量的発現値を分析するための方法が本明細書で開示される。さらに、マーカーの定量的発現値を測定するためのキット、ならびにマーカーの定量的発現値に基づいてヒト対象の疾患活動性を決定するための予測モデルのコンピューターシステム及びソフトウェア実施形態が本明細書で開示される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法であって、以下を含む、前記方法:
複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していることであって、前記複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、
グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、
バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、
バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、
バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、
バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、
バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、
バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、
バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、
バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、
グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、
バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、
バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、
バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、
バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、
バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、
バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、
バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、
バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、
バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、
グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、
バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、
バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、
バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、
バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である、
前記取得するか、または取得していること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項2】
前記複数のバイオマーカーが、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1が、NEFLであり、バイオマーカー2が、MOGであり、バイオマーカー3が、CD6であり、バイオマーカー4が、CXCL9であり、バイオマーカー5が、OPGであり、バイオマーカー6が、OPNであり、バイオマーカー7が、CXCL13であり、バイオマーカー8が、GFAPである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予測モデルの性能が、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記予測モデルの性能が、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記予測モデルの性能が、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記予測モデルの性能が、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記予測モデルの性能が、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予測モデルの性能が、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記予測モデルの性能が、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記予測モデルの性能が、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記予測モデルの性能が、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記予測モデルの性能が、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法であって、以下を含む、前記方法:
NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項18】
前記複数のバイオマーカーが、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のバイオマーカーが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
対象の定量的データを生成するための方法であって、
前記対象から得られたサンプルに、少なくとも1つのイムノアッセイを実行して、前記定量的データを含むデータセットを生成すること
を含み、
前記定量的データが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む少なくとも8つのタンパク質バイオマーカーを表し、
前記対象が、多発性硬化症を有するか、または有すると疑われる、
前記方法。
【請求項21】
前記定量的データが、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bを含む少なくとも追加の9つのタンパク質バイオマーカーをさらに表す、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記定量的データが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2を含む少なくとも追加の4つのタンパク質バイオマーカーをさらに表す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記対象の多発性硬化症活動性を決定すること
をさらに含み、前記決定が、前記定量的データに予測モデルを適用することを含む、
請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
決定を適用することが、前記予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記参照スコアが、
A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での前記患者、
B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または
C)健常患者、
のうちのいずれかに対応する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法であって、以下を含む、前記方法:
NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー、
CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー、
CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー、
COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー
を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項27】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、OPNを含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、MOGを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、CDCP1をさらに含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、COL4A1をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、PRTG及びCNTN2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、GH及びVCANを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記複数のバイオマーカーが、タンパク質バイオマーカーである、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記多発性硬化症疾患活動性が、
通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク
のいずれか1つである、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記通常の疾患活動性が、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、前記わずかな疾患活動性が、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記MSの重症度が、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記MS状態が、多発性硬化症の悪化または静止状態である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法であって、以下を含む、前記方法:
複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していることであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む、前記取得するか、または取得していること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項36】
対象から得られたサンプルのバイオマーカー分画を調製するための方法であって、以下を含む、前記方法:
(a)前記サンプルからバイオマーカーを抽出すること、
(b)(a)の後に、前記抽出バイオマーカーの分画を生成することであって、(b)の後の前記抽出バイオマーカーの前記分画が、複数のバイオマーカーを含み、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む、前記生成すること、
(c)(b)で生成された前記抽出バイオマーカーの前記分画の前記複数のバイオマーカーを分析すること。
【請求項37】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFLを含まない、請求項35または36に記載の方法。
【請求項42】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記多発性硬化症活動性が、疾患活動性のシフトである、請求項37~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー3つ組であり、前記バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記バイオマーカー3つ組が、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー4つ組であり、前記バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記バイオマーカー4つ組が、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記多発性硬化症活動性が、多発性硬化症の存在または非存在である、請求項46~53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項37に記載の方法。
【請求項56】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項57】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項37に記載の方法。
【請求項58】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項41に記載の方法。
【請求項59】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項41に記載の方法。
【請求項60】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項41に記載の方法。
【請求項61】
前記多発性硬化症活動性が、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である、請求項55~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項35または36に記載の方法。
【請求項63】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項35または36に記載の方法。
【請求項64】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項35または36に記載の方法。
【請求項65】
前記多発性硬化症活動性が、疾患進行である、請求項62~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記予測に基づいて前記対象を分類することをさらに含む、請求項1~19及び26~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することが、前記予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む、請求項1~19及び26~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記参照スコアが、
A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での前記患者、
B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または
C)健常患者
のうちのいずれかに対応する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記複数のバイオマーカーの発現レベルが、前記対象から得られたテストサンプルから決定される、請求項1~19及び26~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記テストサンプルが、血液または血清サンプルである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記対象が、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
前記データセットを取得するか、または取得していることが、前記複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するイムノアッセイを実施することを含む、請求項1~19及び26~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記イムノアッセイが、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記イムノアッセイを実施することが、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、前記対象に施すための治療法を選択することをさらに含む、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に前記対象に施された治療法の治療有効性を判定することをさらに含む、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記予測を、以前の時点で前記対象について判定された以前の予測と比較することを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療法が前記予測と前記以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを判定することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療法に前記予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定することをさらに含む、請求項1~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記多発性硬化症の鑑別診断が、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCIS(clinically isolated syndrome)のうちの少なくとも1つを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体であって、プロセッサーにより実行される場合に、前記プロセッサーに以下をさせる命令を含む、前記非一時的コンピューター可読媒体:
複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得することであって、前記複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、
グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、
バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、
バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、
バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、
バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、
バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、
バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、
バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、
バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、
グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、
バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、
バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、
バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、
バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、
バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、
バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、
バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、
バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、
バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、
グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、
バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、
バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、
バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、
バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である、
前記取得すること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項85】
前記複数のバイオマーカーが、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1が、NEFLであり、バイオマーカー2が、MOGであり、バイオマーカー3が、CD6であり、バイオマーカー4が、CXCL9であり、バイオマーカー5が、OPGであり、バイオマーカー6が、OPNであり、バイオマーカー7が、CXCL13であり、バイオマーカー8が、GFAPである、請求項84に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項86】
前記予測モデルの性能が、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項84または85に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項87】
前記予測モデルの性能が、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項84または85に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項88】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項84に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項89】
前記予測モデルの性能が、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項88に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項90】
前記予測モデルの性能が、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項88に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項91】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項85に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項92】
前記予測モデルの性能が、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項91に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項93】
前記予測モデルの性能が、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項91に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項94】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項84に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項95】
前記予測モデルの性能が、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項94に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項96】
前記予測モデルの性能が、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項94に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項97】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項91に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項98】
前記予測モデルの性能が、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項97に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項99】
前記予測モデルの性能が、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項97に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項100】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体であって、プロセッサーにより実行される場合に、前記プロセッサーに以下のステップを実行させる命令を含む、前記非一時的コンピューター可読媒体:
NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得しているステップ、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するステップ。
【請求項101】
前記複数のバイオマーカーが、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む、請求項100に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項102】
前記複数のバイオマーカーが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む、請求項100または101に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項103】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体であって、プロセッサーにより実行される場合に、前記プロセッサーに以下をさせる命令を含む、前記非一時的コンピューター可読媒体:
NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー、
CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー、
CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー、
COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー
を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得すること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項104】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、OPNを含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、MOGを含む、請求項103に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項105】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、CDCP1をさらに含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、COL4A1をさらに含む、請求項104に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項106】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、PRTG及びCNTN2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、GH及びVCANを含む、請求項104に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項107】
前記複数のバイオマーカーが、タンパク質バイオマーカーである、請求項84~106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記多発性硬化症疾患活動性が、通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク、のいずれか1つである、請求項84~107のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項109】
前記通常の疾患活動性が、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、前記わずかな疾患活動性が、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である、請求項108に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項110】
前記MSの重症度が、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する、請求項108に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項111】
前記MS状態が、多発性硬化症の悪化または静止状態である、請求項108に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項112】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体であって、前記非一時的コンピューター可読媒体が、プロセッサーにより実行される場合に、前記プロセッサーに以下をさせる命令を含む、前記非一時的コンピューター可読媒体:
複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得することであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む、前記取得すること、ならびに
前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること。
【請求項113】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む、請求項112に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項114】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項115】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項116】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項117】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFLを含まない、請求項112に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項118】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項119】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項120】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項121】
前記多発性硬化症活動性が、疾患活動性のシフトである、請求項113~120のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項122】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項123】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項124】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項125】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項126】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー3つ組であり、前記バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項127】
前記バイオマーカー3つ組が、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項126に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項128】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー4つ組であり、前記バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項129】
前記バイオマーカー4つ組が、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される、請求項128に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項130】
前記多発性硬化症活動性が、多発性硬化症の存在または非存在である、請求項122~129のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項131】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項132】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項133】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項113に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項134】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項135】
バイオマーカー3つ組が、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項136】
バイオマーカー4つ組が、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項117に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項137】
前記多発性硬化症活動性が、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である、請求項131~136のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項138】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項112に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項139】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項112に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項140】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項112に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項141】
前記多発性硬化症活動性が、疾患進行である、請求項138~140のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項142】
前記予測に基づいて前記対象を分類することをさらに含む、請求項84~141のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項143】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することが、前記予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む、請求項84~142のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項144】
前記参照スコアが、
A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での前記患者、
B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または
C)健常患者
のいずれかに対応する、請求項143に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項145】
前記複数のバイオマーカーの発現レベルが、前記対象から得られたテストサンプルから決定される、請求項84~144のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項146】
前記テストサンプルが、血液または血清サンプルである、請求項145に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項147】
前記対象が、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された、請求項145または146に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項148】
前記データセットが、実施されたイムノアッセイから取得される、請求項84~147のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項149】
前記イムノアッセイが、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである、請求項148に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項150】
イムノアッセイを実施することが、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む、請求項148に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項151】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む、請求項150に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項152】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む、請求項150に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項153】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、前記対象に施すための治療法を選択することをさらに含む、請求項84~152のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項154】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に前記対象に施された治療法の治療有効性を判定することをさらに含む、請求項84~152のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項155】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記予測を、以前の時点で前記対象について判定された以前の予測と比較することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項156】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療が前記予測と前記以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを判定することを含む、請求項155に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項157】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療に前記予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む、請求項155に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項158】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定することをさらに含む、請求項84~152のいずれか1項に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項159】
前記多発性硬化症の鑑別診断が、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む、請求項158に記載の非一時的コンピューター可読媒体。
【請求項160】
対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットであって、以下を含む、前記キット:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセットであって、
前記複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、
グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、
バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、
バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、
バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、
バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、
バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、
バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、
バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、
バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、
グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、
バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、
バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、
バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、
バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、
バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、
バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、
バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、
バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、
バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、
グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、
バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、
バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、
バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、
バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である、
前記試薬のセット、ならびに
前記テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する前記試薬のセットを使用するための使用説明書。
【請求項161】
前記複数のバイオマーカーが、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1が、NEFLであり、バイオマーカー2が、MOGであり、バイオマーカー3が、CD6であり、バイオマーカー4が、CXCL9であり、バイオマーカー5が、OPGであり、バイオマーカー6が、OPNであり、バイオマーカー7が、CXCL13であり、バイオマーカー8が、GFAPである、請求項160に記載のキット。
【請求項162】
予測モデルの性能が、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項160または161に記載のキット。
【請求項163】
予測モデルの性能が、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項160または161に記載のキット。
【請求項164】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項160に記載のキット。
【請求項165】
予測モデルの性能が、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項164に記載のキット。
【請求項166】
予測モデルの性能が、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項164に記載のキット。
【請求項167】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項160に記載のキット。
【請求項168】
予測モデルの性能が、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項167に記載のキット。
【請求項169】
予測モデルの性能が、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項167に記載のキット。
【請求項170】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項160に記載のキット。
【請求項171】
予測モデルの性能が、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項170に記載のキット。
【請求項172】
予測モデルの性能が、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項170に記載のキット。
【請求項173】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項167に記載のキット。
【請求項174】
予測モデルの性能が、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項173に記載のキット。
【請求項175】
予測モデルの性能が、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項173に記載のキット。
【請求項176】
対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットであって、以下を含む、前記キット:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む、前記試薬のセット、ならびに
前記テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する前記試薬のセットを使用するための使用説明書。
【請求項177】
前記複数のバイオマーカーが、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む、請求項176に記載のキット。
【請求項178】
前記複数のバイオマーカーが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む、請求項177に記載のキット。
【請求項179】
対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットであって、以下を含む、前記キット:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、
NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー、
CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー、
CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー、
COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー
を含む、前記試薬のセット、ならびに
前記テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する前記試薬のセットを使用するための使用説明書。
【請求項180】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、OPNを含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、MOGを含む、請求項179に記載のキット。
【請求項181】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、CDCP1をさらに含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、COL4A1をさらに含む、請求項180に記載のキット。
【請求項182】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、PRTG及びCNTN2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、GH及びVCANを含む、請求項181に記載のキット。
【請求項183】
前記複数のバイオマーカーが、タンパク質バイオマーカーである、請求項160~181のいずれか1項に記載のキット。
【請求項184】
前記多発性硬化症疾患活動性が、
通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク
のいずれか1つである、請求項160~183のいずれか1項に記載のキット。
【請求項185】
前記通常の疾患活動性が、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、前記わずかな疾患活動性が、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である、請求項184に記載のキット。
【請求項186】
前記MSの重症度が、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する、請求項184に記載のキット。
【請求項187】
前記MS状態が、多発性硬化症の悪化または静止状態である、請求項184に記載のキット。
【請求項188】
対象の多発性硬化症活動性を決定するためのキットであって、以下を含む、前記キット:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む、前記試薬のセット、ならびに
前記テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する前記試薬のセットを使用するための使用説明書。
【請求項189】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む、請求項188に記載のキット。
【請求項190】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項189に記載のキット。
【請求項191】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項192】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項193】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFLを含まない、請求項188に記載のキット。
【請求項194】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項193に記載のキット。
【請求項195】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項193に記載のキット。
【請求項196】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項193に記載のキット。
【請求項197】
前記多発性硬化症活動性が、疾患活動性のシフトである、請求項189~196のいずれか1項に記載のキット。
【請求項198】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項189に記載のキット。
【請求項199】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項200】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項201】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項193に記載のキット。
【請求項202】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー3つ組であり、前記バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項193に記載のキット。
【請求項203】
前記バイオマーカー3つ組が、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項202に記載のキット。
【請求項204】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー4つ組であり、前記バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項193に記載のキット。
【請求項205】
前記バイオマーカー4つ組が、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される、請求項204に記載のキット。
【請求項206】
前記多発性硬化症活動性が、多発性硬化症の存在または非存在である、請求項198~205のいずれか1項に記載のキット。
【請求項207】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項189に記載のキット。
【請求項208】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項209】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項189に記載のキット。
【請求項210】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項193に記載のキット。
【請求項211】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項193に記載のキット。
【請求項212】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項193に記載のキット。
【請求項213】
前記多発性硬化症活動性が、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である、請求項207~212のいずれか1項に記載のキット。
【請求項214】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項188に記載のキット。
【請求項215】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項188に記載のキット。
【請求項216】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項188に記載のキット。
【請求項217】
前記多発性硬化症活動性が、疾患進行である、請求項214~216のいずれか1項に記載のキット。
【請求項218】
前記使用説明書が、前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、前記多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための使用説明書をさらに含む、請求項160~217のいずれか1項に記載のキット。
【請求項219】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することが、前記予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む、請求項218に記載のキット。
【請求項220】
前記参照スコアが、
A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での前記患者、
B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または
C)健常患者
のいずれかに対応する、請求項219に記載のキット。
【請求項221】
前記テストサンプルが、血液または血清サンプルである、請求項160~220のいずれか1項に記載のキット。
【請求項222】
前記対象が、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された、請求項160~221のいずれか1項に記載のキット。
【請求項223】
前記試薬のセットを使用するための前記使用説明書が、前記複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するイムノアッセイを実施するための使用説明書を含む、請求項160~222のいずれか1項に記載のキット。
【請求項224】
前記イムノアッセイが、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEXxMAPマルチプレックスアッセイである、請求項223に記載のキット。
【請求項225】
前記イムノアッセイを実施することが、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む、請求項223または224に記載のキット。
【請求項226】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む、請求項225に記載のキット。
【請求項227】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む、請求項225に記載のキット。
【請求項228】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、前記対象に施すための治療法を選択するための使用説明書をさらに含む、請求項218~227のいずれか1項に記載のキット。
【請求項229】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に前記対象に施された治療法の治療有効性を判定するための使用説明書をさらに含む、請求項218~227のいずれか1項に記載のキット。
【請求項230】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記予測を、以前の時点で前記対象について判定された以前の予測と比較することを含む、請求項229に記載のキット。
【請求項231】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療が前記予測と前記以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを判定することを含む、請求項230に記載のキット。
【請求項232】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療に前記予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む、請求項230に記載のキット。
【請求項233】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定するための使用説明書をさらに含む、請求項218~227のいずれか1項に記載のキット。
【請求項234】
前記多発性硬化症の鑑別診断が、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む、請求項233に記載のキット。
【請求項235】
対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのシステムであって、以下を含む、前記システム:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用される試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、
グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、
バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、
バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、
バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、
バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、
バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、
バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、
バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、
バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、
グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、
バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、
バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、
バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、
バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、
バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、
バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、
バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、
バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、
バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、
グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、
バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、
バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、
バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、
バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である、
前記試薬のセット、ならびに
前記セットの1つ以上の試薬及び前記テストサンプルの混合物を受け取るように、かつ前記テストサンプルの前記バイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに
前記テストサンプルの前記複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、前記装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム。
【請求項236】
前記複数のバイオマーカーが、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1が、NEFLであり、バイオマーカー2が、MOGであり、バイオマーカー3が、CD6であり、バイオマーカー4が、CXCL9であり、バイオマーカー5が、OPGであり、バイオマーカー6が、OPNであり、バイオマーカー7が、CXCL13であり、バイオマーカー8が、GFAPである、請求項227に記載のシステム。
【請求項237】
前記予測モデルの性能が、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項227または236に記載のシステム。
【請求項238】
前記予測モデルの性能が、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項227または236に記載のシステム。
【請求項239】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項227に記載のシステム。
【請求項240】
前記予測モデルの性能が、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項239に記載のシステム。
【請求項241】
前記予測モデルの性能が、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項239に記載のシステム。
【請求項242】
前記複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9が、CDCP1であり、バイオマーカー10が、CCL20であり、バイオマーカー11が、IL-12Bであり、バイオマーカー12が、APLP1であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14が、COL4A1であり、バイオマーカー15が、SERPINA9であり、バイオマーカー16が、FLRT2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13Bである、請求項236に記載のシステム。
【請求項243】
前記予測モデルの性能が、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項242に記載のシステム。
【請求項244】
前記予測モデルの性能が、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項242に記載のシステム。
【請求項245】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項227に記載のシステム。
【請求項246】
前記予測モデルの性能が、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項245に記載のシステム。
【請求項247】
前記予測モデルの性能が、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項245に記載のシステム。
【請求項248】
前記複数のバイオマーカーが、グループ3の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー18が、GHであり、バイオマーカー19が、VCANであり、バイオマーカー20が、PRTGであり、バイオマーカー21が、CNTN2である、請求項242に記載のシステム。
【請求項249】
前記予測モデルの性能が、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする、請求項248に記載のシステム。
【請求項250】
前記予測モデルの性能が、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする、請求項248に記載のシステム。
【請求項251】
対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのシステムであって、以下を含む、前記システム:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用される試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む、前記試薬のセット、ならびに
前記セットの1つ以上の試薬及び前記テストサンプルの混合物を受け取るように、かつ前記テストサンプルの前記バイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに
前記テストサンプルの前記複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、前記装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム。
【請求項252】
前記複数のバイオマーカーが、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む、請求項251に記載のシステム。
【請求項253】
前記複数のバイオマーカーが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む、請求項252に記載のシステム。
【請求項254】
対象の多発性硬化症活動性を決定するためのシステムであって、以下を含む、前記システム:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用される試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、
NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー、
CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー、
CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー、
COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー
を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること
を含む、前記試薬のセット、ならびに
前記セットの1つ以上の試薬及び前記テストサンプルの混合物を受け取るように、かつ前記テストサンプルの前記バイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに
前記テストサンプルの前記複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、前記装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム。
【請求項255】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、OPNを含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、MOGを含む、請求項254に記載のシステム。
【請求項256】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、前記1つ以上の免疫調節バイオマーカーが、CDCP1をさらに含み、前記1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーが、COL4A1をさらに含む、請求項255に記載のシステム。
【請求項257】
前記1つ以上の神経変性バイオマーカーが、PRTG及びCNTN2をさらに含み、前記1つ以上の炎症バイオマーカーが、GH及びVCANを含む、請求項256に記載のシステム。
【請求項258】
前記複数のバイオマーカーが、タンパク質バイオマーカーである、請求項227~257に記載のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項259】
前記多発性硬化症疾患活動性が、
通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク
のいずれか1つである、請求項227~258のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項260】
前記通常の疾患活動性が、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、前記わずかな疾患活動性が、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である、請求項259に記載のシステム。
【請求項261】
前記MSの重症度が、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する、請求項259に記載のシステム。
【請求項262】
前記MS状態が、多発性硬化症の悪化または静止状態である、請求項259に記載のシステム。
【請求項263】
対象の多発性硬化症活動性を決定するためのシステムであって、以下を含む、前記システム:
前記対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用される試薬のセットであって、前記複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む、前記試薬のセット、ならにに
前記セットの1つ以上の試薬及び前記テストサンプルの混合物を受け取るように、かつ前記テストサンプルの前記バイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに
前記テストサンプルの前記複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ前記複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、前記装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム。
【請求項264】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む、請求項259に記載のシステム。
【請求項265】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項264に記載のシステム。
【請求項266】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項267】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項268】
前記2つ以上のバイオマーカーが、NEFLを含まない、請求項259に記載のシステム。
【請求項269】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項268に記載のシステム。
【請求項270】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項268に記載のシステム。
【請求項271】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項268に記載のシステム。
【請求項272】
前記多発性硬化症活動性が、疾患活動性のシフトである、請求項264~271のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項273】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項264に記載のシステム。
【請求項274】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項275】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項276】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項268に記載のシステム。
【請求項277】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー3つ組であり、前記バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項268に記載のシステム。
【請求項278】
前記バイオマーカー3つ組が、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される、請求項277に記載のシステム。
【請求項279】
前記2つ以上のバイオマーカーが、バイオマーカー4つ組であり、前記バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーが、MOGである、請求項268に記載のシステム。
【請求項280】
前記バイオマーカー4つ組が、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される、請求項279に記載のシステム。
【請求項281】
前記多発性硬化症活動性が、多発性硬化症の存在または非存在である、請求項273~280のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項282】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項264に記載のシステム。
【請求項283】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項284】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項264に記載のシステム。
【請求項285】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項268に記載のシステム。
【請求項286】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項268に記載のシステム。
【請求項287】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である、請求項268に記載のシステム。
【請求項288】
前記多発性硬化症活動性が、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である、請求項282~287のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項289】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である、請求項263に記載のシステム。
【請求項290】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項263に記載のシステム。
【請求項291】
前記2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である、請求項263に記載のシステム。
【請求項292】
前記多発性硬化症活動性が、疾患進行である、請求項289~291のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項293】
前記多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することが、前記予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む、請求項227~292のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項294】
前記参照スコアが、
A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での前記患者、
B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または
C)健常患者
のいずれかに対応する、請求項293に記載のシステム。
【請求項295】
前記テストサンプルが、血液または血清サンプルである、請求項227~294のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項296】
前記対象が、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された、請求項227~294のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項297】
前記装置が、前記複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するイムノアッセイを実施するように構成される、請求項227~296のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項298】
前記イムノアッセイが、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEXxMAPマルチプレックスアッセイである、請求項297に記載のシステム。
【請求項299】
前記イムノアッセイを実施することが、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む、請求項297または298に記載のシステム。
【請求項300】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む、請求項299に記載のシステム。
【請求項301】
前記抗体が、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む、請求項299に記載のシステム。
【請求項302】
前記コンピューターシステムが、前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、前記対象に施すための治療法を選択するようにさらに構成される、請求項235~301のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項303】
前記コンピューターシステムが、前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に前記対象に施された治療法の治療有効性を判定するようにさらに構成される、請求項235~301のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項304】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記予測を、以前の時点で前記対象について判定された以前の予測と比較することを含む、請求項303に記載のシステム。
【請求項305】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療が前記予測と前記以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを判定することを含む、請求項304に記載のシステム。
【請求項306】
前記治療法の治療有効性を判定することが、前記治療に前記予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む、請求項304に記載のシステム。
【請求項307】
前記コンピューターシステムが、前記多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定するようにさらに構成される、請求項235~301のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項308】
前記多発性硬化症の鑑別診断が、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む、請求項307に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月5日に出願された米国仮特許出願第62/896,430号の利益及び優先権を主張し、この開示全体は、あらゆる目的のために全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
多変量バイオマーカーパネルを使用して多発性硬化症疾患活動性を予測するための方法が本明細書で開示される。さらに、多変量バイオマーカーパネルを使用して多発性硬化症疾患活動性を予測するための非一時的コンピューター可読媒体が本明細書で開示される。さらに、多発性硬化症疾患活動性を予測するために有益である多変量バイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセットを含むキットが本明細書で開示される。さらに、多変量バイオマーカーパネルを使用して多発性硬化症疾患活動性を予測するためのシステムが本明細書で開示される。
【0003】
疾患活動性を検出するための多変量バイオマーカーパネルの利点は、次のとおりである:
●感度の向上:マルチバイオマーカーテストは、特に、個々のバイオマーカーが検出することができない偽陰性を排除することにより、性能(AUC、精度)を向上させる。
●わずかな疾患活動性:多変量モデルは、個々のバイオマーカーのみよりも、1つのガドリニウム(Gd)病変を有するサンプルを区別するのに役立ち得る。
●特異性:個々のバイオマーカーは、多くの場合、他の神経学的状態で異なって発現される。マルチバイオマーカーテストは、多発性硬化症に特有の疾患活動性/進行を区別するのに役立つであろう。
●予測力:バイオマーカーレベルのシフトを組み込む多変量モデルは、活動性病変の漸増または漸減に向かって進む患者を同定する(w/個々のバイオマーカーのみよりも強力な性能を示す)。
【0004】
対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法が本明細書で開示され、方法は、複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること(複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である)、ならびに、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること、を含む。
【0005】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1は、NEFLであり、バイオマーカー2は、MOGであり、バイオマーカー3は、CD6であり、バイオマーカー4は、CXCL9であり、バイオマーカー5は、OPGであり、バイオマーカー6は、OPNであり、バイオマーカー7は、CXCL13であり、バイオマーカー8は、GFAPである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0006】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、さらに、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0007】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法が本明細書に開示され、方法は、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること;ならびに、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること、を含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む。
【0008】
さらに、対象の定量的データを生成するための方法が本明細書に開示され、方法は、対象から得られたサンプルに、少なくとも1つのイムノアッセイを実行して、定量的データを含むデータセットを生成することを含み、定量的データは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む少なくとも8つのタンパク質バイオマーカーを表し、対象は、多発性硬化症を有するか、または有すると疑われる。様々な実施形態では、定量的データは、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bを含む少なくとも追加の9つのタンパク質バイオマーカーをさらに表す。様々な実施形態では、定量的データが、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2を含む少なくとも追加の4つのタンパク質バイオマーカーをさらに表す。様々な実施形態では、方法は、対象の多発性硬化症活動性を決定すること、をさらに含み、決定が、定量的データに予測モデルを適用することを含む。様々な実施形態では、決定を適用することが、さらに、予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む。様々な実施形態では、参照スコアは、A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での患者、B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または、C)健常患者、のいずれかに対応する。
【0009】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法が本明細書で開示され、方法は、NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー;CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー;CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー;COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー;を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること、ならびに、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること、を含む。
【0010】
様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、OPNを含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、MOGを含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、CDCP1をさらに含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、COL4A1をさらに含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、PRTG及びCNTN2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、GH及びVCANを含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、タンパク質バイオマーカーである。
【0011】
様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性は、通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク、のいずれか1つである。様々な実施形態では、通常の疾患活動性は、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、わずかな疾患活動性は、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である。様々な実施形態では、MSの重症度は、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する。様々な実施形態では、MS状態は、多発性硬化症の悪化または静止状態である。
【0012】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための方法が本明細書に開示され、方法は、複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していること(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む)、ならびに、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成すること、を含む。
【0013】
さらに、対象から得られたサンプルからバイオマーカー分画を調製するための方法が本明細書で開示され、方法は、(a)サンプルからバイオマーカーを抽出すること;(b)(a)の後の抽出バイオマーカーの分画を生成すること((b)の後の抽出バイオマーカーの分画は、複数のバイオマーカーを含み、複数のバイオマーカーは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む);(c)(b)で生成された抽出バイオマーカーの分画の複数のバイオマーカーを分析すること、を含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFLを含まない。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患活動性のシフトである。
【0014】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー3つ組であり、バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー3つ組は、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー4つ組であり、バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー4つ組は、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、多発性硬化症の存在または非存在である。
【0015】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である。
【0016】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患進行である。
【0017】
様々な実施形態では、方法は、予測に基づいて対象を分類することをさらに含む。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することは、予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む。様々な実施形態では、参照スコアは、A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での患者、B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または、C)健常患者、のいずれかに対応する。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーの発現レベルは、対象から得られたテストサンプルから決定される。様々な実施形態では、テストサンプルは、血液または血清サンプルである。様々な実施形態では、対象は、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された。様々な実施形態では、データセットを取得することまたは取得していることは、複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するためにイムノアッセイを実施することを含む。様々な実施形態では、イムノアッセイは、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである。様々な実施形態では、イムノアッセイを実施することは、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む。
【0018】
様々な実施形態では、方法は、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、対象に施すための治療法を選択することをさらに含む。様々な実施形態では、方法は、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に対象に投与された治療有効性を判定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測を、以前の時点で対象について判定された以前の予測と比較することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測と以前の予測との間の差異に応じた有効性を治療法が示すことを判定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性が治療法にないことを判定することを含む。様々な実施形態では、方法は、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定すること、をさらに含む。様々な実施形態では、多発性硬化症の鑑別診断は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCIS(clinically isolated syndrome)のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体が本明細書で開示され、非一時的コンピューター可読媒体は、プロセッサーにより実行される場合、プロセッサーに、複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得させ(複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である)、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成させる命令を含む。
【0020】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1は、NEFLであり、バイオマーカー2は、MOGであり、バイオマーカー3は、CD6であり、バイオマーカー4は、CXCL9であり、バイオマーカー5は、OPGであり、バイオマーカー6は、OPNであり、バイオマーカー7は、CXCL13であり、バイオマーカー8は、GFAPである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0021】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0022】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0023】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、さらに、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0024】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体が本明細書で開示され、非一時的コンピューター可読媒体は、プロセッサーにより実行される場合、プロセッサーに、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得しているステップ、ならびに、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するステップ、を実行させる命令を含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む。
【0025】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体が本明細書で開示され、非一時的コンピューター可読媒体は、プロセッサーにより実行される場合、プロセッサーに、NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー;CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー;CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー;COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー、を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得させ、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成させる命令を含む。
【0026】
様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、OPNを含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、MOGを含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、CDCP1をさらに含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、COL4A1をさらに含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、PRTG及びCNTN2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、GH及びVCANを含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、タンパク質バイオマーカーである。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性は、通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク、のいずれか1つである。様々な実施形態では、通常の疾患活動性は、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、わずかな疾患活動性は、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である。様々な実施形態では、MSの重症度は、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する。様々な実施形態では、MS状態は、多発性硬化症の悪化または静止状態である。
【0027】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するための非一時的コンピューター可読媒体が本明細書で開示され、非一時的コンピューター可読媒体は、プロセッサーにより実行される場合、プロセッサーに、複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得させ(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む)、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成させる命令を含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む。
【0028】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFLを含まない。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患活動性のシフトである。
【0029】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー3つ組であり、バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー3つ組は、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー4つ組であり、バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー4つ組は、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、多発性硬化症の存在または非存在である。
【0030】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、バイオマーカー3つ組は、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、バイオマーカー4つ組は、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である。
【0031】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患進行である。
【0032】
様々な実施形態では、ステップは、予測に基づいて対象を分類することをさらに含む。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することは、予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む。様々な実施形態では、参照スコアは、A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での患者、B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または、C)健常患者、のいずれかに対応する。
【0033】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーの発現レベルは、対象から得られたテストサンプルから決定される。様々な実施形態では、テストサンプルは、血液または血清サンプルである。様々な実施形態では、対象は、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された。様々な実施形態では、データセットは、実施されたイムノアッセイから得られる。様々な実施形態では、イムノアッセイは、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである。様々な実施形態では、イムノアッセイを実施することは、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む。
【0034】
様々な実施形態では、ステップは、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、対象に施すための治療法を選択することをさらに含む。様々な実施形態では、ステップは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に対象に投与された治療有効性を判定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測を、以前の時点で対象について判定された以前の予測と比較することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療が予測と以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを判定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療に予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む。様々な実施形態では、ステップは、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定すること、をさらに含む。様々な実施形態では、多発性硬化症の鑑別診断は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む。
【0035】
さらに、対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットが本明細書で開示され、キットは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセット(複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である)、ならびに、テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する試薬のセットを使用するための使用説明書、を含む。
【0036】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1は、NEFLであり、バイオマーカー2は、MOGであり、バイオマーカー3は、CD6であり、バイオマーカー4は、CXCL9であり、バイオマーカー5は、OPGであり、バイオマーカー6は、OPNであり、バイオマーカー7は、CXCL13であり、バイオマーカー8は、GFAPである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0037】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルは、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0038】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、さらに、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0039】
さらに、対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットが本明細書で開示され、キットは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む)、ならびに、テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する試薬のセットを使用するための使用説明書、を含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む。
【0040】
さらに、対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのキットが本明細書で開示され、キットは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー;CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー;CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー;COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー;を含む)、ならびに、テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する試薬のセットを使用するための使用説明書、を含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、OPNを含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、MOGを含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、CDCP1をさらに含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、COL4A1をさらに含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、PRTG及びCNTN2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、GH及びVCANを含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、タンパク質バイオマーカーである。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性は、通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク、のいずれか1つである。様々な実施形態では、通常の疾患活動性は、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、わずかな疾患活動性は、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である。様々な実施形態では、MSの重症度は、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する。様々な実施形態では、MS状態は、多発性硬化症の悪化または静止状態である。
【0041】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を決定するためのキットが本明細書で開示され、キットは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するための試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む)、ならびに、テストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを決定する試薬のセットを使用するための使用説明書、を含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFLを含まない。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患活動性のシフトである。
【0042】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー3つ組であり、バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー3つ組は、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー4つ組であり、バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー4つ組は、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、多発性硬化症の存在または非存在である。
【0043】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である。
【0044】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患進行である。
【0045】
様々な実施形態では、使用説明書が、複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための使用説明書をさらに含む。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することは、予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む。様々な実施形態では、参照スコアは、A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での患者、B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または、C)健常患者、のいずれかに対応する。様々な実施形態では、テストサンプルは、血液または血清サンプルである。様々な実施形態では、対象は、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された。様々な実施形態では、試薬のセットを使用するための使用説明書は、複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するためにイムノアッセイを実施するための使用説明書を含む。様々な実施形態では、イムノアッセイは、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである。様々な実施形態では、イムノアッセイを実施することは、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む。
【0046】
様々な実施形態では、キットは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、対象に施すための治療法を選択するための使用説明書を含む。様々な実施形態では、キットは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に対象に投与された治療有効性を判定するための使用説明書を含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測を、以前の時点で対象について判定された以前の予測と比較することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療が予測と以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを決定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療に予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む。様々な実施形態では、キットは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定するための使用説明書を含む。様々な実施形態では、多発性硬化症の鑑別診断は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む。
【0047】
さらに、対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのシステムが本明細書に開示され、システムは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用された試薬のセット(複数のバイオマーカーが、グループ1、グループ2、及びグループ3から選択される少なくとも1つのグループの各バイオマーカーを含み、グループ1が、バイオマーカー1、バイオマーカー2、バイオマーカー3、バイオマーカー4、バイオマーカー5、バイオマーカー6、バイオマーカー7、及びバイオマーカー8を含み、バイオマーカー1が、NEFL、MOG、CADM3、またはGFAPであり、バイオマーカー2が、MOG、CADM3、KLK6、BCAN、OMG、またはGFAPであり、バイオマーカー3が、CD6、CD5、CRTAM、CD244、またはTNFRSF9であり、バイオマーカー4が、CXCL9、CXCL10、IL-12B、CXCL11、またはGFAPであり、バイオマーカー5が、OPG、TFF3、またはENPP2であり、バイオマーカー6が、OPN、OMD、MEPE、またはGFAPであり、バイオマーカー7が、CXCL13、NOS3、またはMMP-2であり、バイオマーカー8が、GFAP、NEFL、OPN、CXCL9、MOG、またはCHI3L1であり、グループ2が、バイオマーカー9、バイオマーカー10、バイオマーカー11、バイオマーカー12、バイオマーカー13、バイオマーカー14、バイオマーカー15、バイオマーカー16、及びバイオマーカー17を含み、バイオマーカー9が、CDCP1、IL-18BP、IL-18、GFAP、またはMSR1であり、バイオマーカー10が、CCL20、CCL3、またはTWEAKであり、バイオマーカー11が、IL-12B、IL12A、またはCXCL9であり、バイオマーカー12が、APLP1、SEZ6L、BCAN、DPP6、NCAN、またはKLK6であり、バイオマーカー13が、TNFRSF10A、TNFRSF11A、SPON2、CHI3L1、またはIFI30であり、バイオマーカー14が、COL4A1、IL6、NOTCH3、またはPCDH17であり、バイオマーカー15が、SERPINA9、TNFRSF9、またはCNTN4であり、バイオマーカー16が、FLRT2、DDR1、NTRK2、CDH6、MMP-2であり、バイオマーカー17が、TNFSF13B、CXCL16、ALCAM、またはIL-18であり、グループ3が、バイオマーカー18、バイオマーカー19、バイオマーカー20、及びバイオマーカー21を含み、バイオマーカー18が、GH、GH2、またはIGFBP-1であり、バイオマーカー19が、VCAN、TINAGL1、CANT1、NECTIN2、MMP-9、またはNPDC1であり、バイオマーカー20が、PRTG、NTRK2、NTRK3、またはCNTN4であり、バイオマーカー21が、CNTN2、DPP6、GDNFR-α3、またはSCARF2である)、ならびに、セットの1つ以上の試薬及びテストサンプルの混合物を受け取るように、かつテストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに、テストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム、を含む。
【0048】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ1の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー1は、NEFLであり、バイオマーカー2は、MOGであり、バイオマーカー3は、CD6であり、バイオマーカー4は、CXCL9であり、バイオマーカー5は、OPGであり、バイオマーカー6は、OPNであり、バイオマーカー7は、CXCL13であり、バイオマーカー8は、GFAPである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.667~0.869の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.617~0.861の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0049】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.595~0.761の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.523~0.769の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0050】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーが、グループ2の各バイオマーカーをさらに含み、バイオマーカー9は、CDCP1であり、バイオマーカー10は、CCL20であり、バイオマーカー11は、IL-12Bであり、バイオマーカー12は、APLP1であり、バイオマーカー13は、TNFRSF10Aであり、バイオマーカー14は、COL4A1であり、バイオマーカー15は、SERPINA9であり、バイオマーカー16は、FLRT2であり、バイオマーカー17は、TNFSF13Bである。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.693~0.892の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.613~0.843の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0051】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.566~0.644の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.370~0.742の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0052】
様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、さらに、グループ3の各バイオマーカーを含み、バイオマーカー18は、GHであり、バイオマーカー19は、VCANであり、バイオマーカー20は、PRTGであり、バイオマーカー21は、CNTN2である。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.686~0.889の範囲に及ぶ曲線下面積(AUC)を特徴とする。様々な実施形態では、予測モデルの性能は、0.648~0.835の範囲に及ぶ陽性適中率を特徴とする。
【0053】
さらに、対象の多発性硬化症疾患活動性を評価するためのシステムが本明細書に開示され、システムは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用された試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAPを含む)、ならびに、セットの1つ以上の試薬及びテストサンプルの混合物を受け取るように、かつテストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに、テストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム、を含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13Bをさらに含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2をさらに含む。
【0054】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を評価するためのシステムが本明細書で開示され、システムは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用された試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、APLP1、OPG、SERPINA9、PRTG、GFAP、CNTN2、及びFLRT2からなる群より選択される1つ以上の神経変性バイオマーカー;CCL20、GH、CXCL13、IL-12B、VCAN、TNFRSF10A、TNFSF13B、CD6、及びCXCL9からなる群より選択される1つ以上の炎症バイオマーカー;CDCP1及びOPNからなる群より選択される1つ以上の免疫調節バイオマーカー;COL4A1及びMOGからなる群より選択される1つ以上のミエリン完全性バイオマーカー;を含む複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するか、または取得していることを含む)、ならびに、セットの1つ以上の試薬及びテストサンプルの混合物を受け取るように、かつテストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに、テストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム、を含む。
【0055】
様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、NEFL、OPG、及びGFAPを含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CXCL13、CD6、及びCXCL9を含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、OPNを含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、MOGを含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、APLP1、SERPINA9、及びFLRT2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、CCL20、IL-12B、TNFRSF10A、及びTNFSF13Bをさらに含み、1つ以上の免疫調節バイオマーカーは、CDCP1をさらに含み、1つ以上のミエリン完全性バイオマーカーは、COL4A1をさらに含む。様々な実施形態では、1つ以上の神経変性バイオマーカーは、PRTG及びCNTN2をさらに含み、1つ以上の炎症バイオマーカーは、GH及びVCANを含む。様々な実施形態では、複数のバイオマーカーは、タンパク質バイオマーカーである。様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性は、通常の疾患活動性の存在、わずかな疾患活動性の存在、疾患活動性のシフト(増加もしくは減少)、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、再発率、MS状態、MS療法への応答、MS障害の程度、またはMSを発症するリスク、のいずれか1つである。様々な実施形態では、通常の疾患活動性は、1つ以上のガドリニウム増強MRI病変の存在または非存在であり、わずかな疾患活動性は、1つのガドリニウム増強MRI病変の存在である。様々な実施形態では、MSの重症度は、ガドリニウム増強MRI病変の数に対応する。様々な実施形態では、MS状態は、多発性硬化症の悪化または静止状態である。
【0056】
さらに、対象の多発性硬化症活動性を評価するためのシステムが本明細書で開示され、システムは、対象由来のテストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するために使用された試薬のセット(複数のバイオマーカーが、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含む)、ならびに、セットの1つ以上の試薬及びテストサンプルの混合物を受け取るように、かつテストサンプルのバイオマーカーの発現レベルを測定するように構成された装置、ならびに、テストサンプルの複数のバイオマーカーの発現レベルを含むデータセットを取得するための、かつ複数のバイオマーカーの発現レベルに予測モデルを適用することにより多発性硬化症疾患活動性の予測を生成するための、装置に通信可能に接続されたコンピューターシステム、を含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFL及び少なくとも1つの他のバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びCD6、B)NEFL及びMOG、C)NEFL及びCXCL9、ならびに、D)NEFL及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CD6、及びCXCL9、ならびに、B)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、B)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、C)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、ならびに、D)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、NEFLを含まない。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びIL-12B、B)CXCL9及びCD6、C)MOG及びCXCL9、D)MOG及びCD6、E)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、F)CD6及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、IL-12B、及びAPLP1、B)MOG、CD6、及びCXCL9、C)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、D)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、IL-12B、APLP1、B)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、C)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、D)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、E)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAN、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患活動性のシフトである。
【0057】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びCNTN2、ならびに、C)NEFL及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、B)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びCDCP1、B)MOG及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG及びCXCL9、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー3つ組であり、バイオマーカー3つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー3つ組は、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CCL20、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、バイオマーカー4つ組であり、バイオマーカー4つ組のうちの1つのバイオマーカーは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー4つ組は、A)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2、のいずれか1つから選択される。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、多発性硬化症の存在または非存在である。
【0058】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL及びTNFSF13B、B)NEFL及びSERPINA9、ならびに、C)NEFL及びGH、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、ならびに、C)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、B)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG及びTNFSF13B、B)MOG及びCXCL9、ならびに、C)MOG及びIL-12B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、B)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、C)MOG、OPG、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、B)MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、C)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13B、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー4つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、ガドリニウム増強病変の予測数に基づく疾患重症度である。
【0059】
様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、C)APLP1及びGFAP、D)NEFL及びMOG、または、E)CXCL9及びOPG、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー対である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーが、A)GFAP、NEFL、及びMOG、B)NEFL、MOG、及びGH、C)NEFL、MOG、及びSERPINA9、D)CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、E)CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、2つ以上のバイオマーカーは、A)GFAP、NEFL、MOG、及びIL12B、B)GFAP、NEFL、MOG、及びPRTG、C)GFAP、NEFL、MOG、及びAPLP1、D)NEFL、MOG、GH、及びSERPINA9、E)NEFL、MOG、GH、及びTNFRSF10A、F)MOG、CXCL9、OPG、及びSERPINA9、または、G)CD6、IL12B、APLP1、及びCCL20、のいずれか1つから選択されるバイオマーカー3つ組である。様々な実施形態では、多発性硬化症活動性は、疾患進行である。
【0060】
様々な実施形態では、多発性硬化症疾患活動性の予測を生成することは、予測モデルにより出力されたスコアを参照スコアと比較することを含む。様々な実施形態では、参照スコアは、A)患者が疾患活動性を示さなかったベースライン時点での患者、B)臨床的に診断された、疾患活動性のない患者、または、C)健常患者、のいずれかに対応する。
【0061】
様々な実施形態では、テストサンプルは、血液または血清サンプルである。様々な実施形態では、対象は、多発性硬化症を有するか、多発性硬化症を有すると疑われるか、または以前に多発性硬化症と診断された。様々な実施形態では、装置は、複数のバイオマーカーの発現レベルを決定するためにイムノアッセイを実施するように構成される。様々な実施形態では、イムノアッセイは、近接伸長アッセイ(PEA)またはLUMINEX xMAPマルチプレックスアッセイである。様々な実施形態では、イムノアッセイを実施することは、抗体を含む複数の試薬とテストサンプルを接触させることを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のうちの1つを含む。様々な実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方を含む。
【0062】
様々な実施形態では、コンピューターシステムは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、対象に施すための治療法を選択するように構成される。様々な実施形態では、コンピューターシステムは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、以前に対象に投与された治療法の治療有効性を判定するように構成される。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、予測を、以前の時点で対象について判定された以前の予測と比較することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療が予測と以前の予測との間の差異に応じた有効性を示すことを決定することを含む。様々な実施形態では、治療法の治療有効性を判定することは、治療に予測と前記以前の予測との間の差異がないことに応じた有効性がないことを判定することを含む。様々な実施形態では、コンピューターシステムは、さらに、多発性硬化症疾患活動性の予測に基づいて、多発性硬化症の鑑別診断を決定するように構成される。様々な実施形態では、多発性硬化症の鑑別診断は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISのいずれか1つを含む。
【0063】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付図面に関してよりよく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1A】一実施形態による、活動性の予測システムを介して対象の疾患活動性を評価するための環境の概要を示す。
【
図1B】一実施形態による、活動性の予測システムの例示的なブロック図である。
【
図1C】一実施形態による、トレーニングデータの例示的なセットを示す。
【
図2A】F6研究のサンプルを使用した特徴の逐次前進的選択を示す。
【
図2B】F4研究のサンプルを使用した特徴の逐次前進的選択を示す。
【
図3A】ニューロフィラメント光を単一の特徴として使用する単変量モデルと比較した、多変量モデル(トレーニング及びテスト)のROC曲線を示す。
【
図4A】放射線学的に定義された疾患活動性の存在/非存在の横断的分類のためのバイオマーカーの逐次前進的選択を示す。
【
図4B】疾患活動性(わずか、通常、及び極度の疾患活動性)を予測するためのトレーニング済みモデルのROC曲線を示す。
【
図4C】「わずか」の疾患モデル、「通常」の疾患モデル、及び「極度」の疾患モデルのそれぞれの混同行列を示す。
【
図4D】予測された病変数に従って疾患の重症度を予測するためのバイオマーカーの逐次前進的選択を示す。
【
図5A】年間再発率(ARR)を予測するためのモデルを構築するための特徴の逐次前進的選択を示す。
【
図5B】年間再発率を高(≧0.8)または低(<0.3)として予測するためのトレーニング済みモデルのROC曲線を示す。
【
図6A】2つの別個の患者コホートの悪化対静止の病状を分類するためのモデルを構築するための特徴の逐次前進的選択を示す。
【
図6B】臨床的に定義された疾患を悪化対静止として予測するためのトレーニングされたモデルのROC曲線を示す。
【
図7】総合障害度評価尺度(EDSS)による絶対定量化データ上の特徴の逐次前進的選択を示す。
【
図8】
図1A、1B、及び1Cに示されるエンティティを実装するための例示的なコンピューターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
詳細な説明
I.定義
特許請求の範囲及び明細書で使用される用語は、別途明記のない限り、以下に記載されるように定義される。
【0066】
「対象」という用語は、in vivo、ex vivo、またはin vitro、男性または女性を問わず、ヒトまたは非ヒトの細胞、組織、または生物を包含する。
【0067】
「哺乳動物」という用語は、ヒト及び非ヒトの両方を包含し、ヒト、非ヒト霊長動物、イヌ、ネコ、ネズミ、ウシ、ウマ、及びブタを含むが、これらに限定されない。
【0068】
「サンプル」という用語は、静脈穿刺、排泄、射精、マッサージ、生検、針吸引、洗浄サンプル、掻き取り、外科的切開、もしくは介入、または当該技術分野で既知の他の手段を含む手段により対象から採取された、単一の細胞もしくは複数の細胞もしくは細胞のフラグメントまたは血液サンプルなどの体液のアリコートを含み得る。体液のアリコートの例としては、羊水、房水、胆汁、リンパ液、乳汁、間質液、血液、血漿、耳垢(イヤーワックス)、カウパー液(尿道球腺液)、乳糜、糜汁、女性の精液、経血、粘液、唾液、尿、嘔吐物、涙、膣液、汗、血清、精液、血清、皮脂、膿汁、胸膜液、脳脊髄液、滑液、細胞内液、及び硝子体液が挙げられる。
【0069】
「疾患活動性」という用語は、多発性硬化症、パーキンソン病、リューイ体疾患、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症、フリードライヒ運動失調症、バッテン病を含む任意の神経変性疾患の疾患活動性を包含する。
【0070】
「多発性硬化症」または「MS」という用語は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISを含む多発性硬化症の全ての形態を包含する。
【0071】
本明細書で使用される「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、多発性硬化症(MS)の診断、MSの存在または非存在(例えば、通常の疾患、わずかな疾患)、疾患活動性のシフト(例えば、増加もしくは減少)、疾患進行、MSの重症度、MSと関連する再発もしくは再燃事象、将来もしくは差し迫った再発もしくは再燃事象、再発率(例えば、年間再発率)、MS状態(例えば、悪化もしくは静止)、病状の証拠がないことの確認、治療法に対する多発性硬化症と診断された対象の応答、多発性硬化症の障害の程度、対象がその後に多発性硬化症を発症するリスク(例えば、可能性)、以前の測定値と比較した多発性硬化症の変化(例えば、ベースライン測定値に対する患者の縦断的変化)、疾患活動性の情報を与える測定可能なもの、または再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行型多発性硬化症(SPMS)、一次性進行型多発性硬化症(PPMS)、進行性再発型多発性硬化症(PRMS)、及びCISを含む多発性硬化症のタイプの鑑別診断のいずれかを指す。
【0072】
一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、多発性硬化症(MS)の診断を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MS(例えば、通常の疾患、わずかな疾患)の存在または非存在を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、疾患活動性のシフト(例えば、増加または減少)を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MSの重症度を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MSと関連する再発または再燃事象を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、将来のまたは切迫した再発または再燃事象を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、再発率(例えば、年間再発率)を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MS状態(例えば、悪化または静止)を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、疾患状態の証拠がないことの確認を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、治療法に対する多発性硬化症と診断された対象の応答を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、多発性硬化症の障害の程度を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、対象がその後に多発性硬化症を発症するリスク(例えば、可能性)を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、以前の測定値と比較した多発性硬化症の変化(例えば、ベースライン測定値に対する患者の縦断的変化)を指す。一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、疾患活動性に情報を与える測定可能なものを指す。
【0073】
様々な実施形態では、MS疾患活動性の情報を与える測定可能なものは、わずかな疾患活動性(例えば、特定数のガドリニウム増強病変、例えば、ちょうど1つの病変の存在または非存在)、通常の疾患活動性(例えば、1つ以上のガドリニウム増強病変の存在または非存在)、疾患活動性のシフト(例えば、活性なガドリニウム増強病変の出現または消失)、疾患活動性の重症度(例えば、より多くのガドリニウム増強病変が疾患重症度の増加を示す、ガドリニウム増強病変の数)の評価基準を含む。一実施形態では、MS疾患活動性の情報を与える評価基準は、わずかな疾患活動性の評価基準を含む(例えば、特定数のガドリニウム増強病変、例えば、ちょうど1つの病変、の存在または非存在)。一実施形態では、MS疾患活動性の情報を与える評価基準は、通常の疾患活動性の評価基準(例えば、1つ以上のガドリニウム増強病変の存在または非存在)を含む。一実施形態では、MS疾患活動性に情報を与える評価基準は、疾患活動性のシフトの評価基準(例えば、活性なガドリニウム増強病変の出現または消失)を含む。一実施形態では、MS疾患活動性に情報を与える評価基準は、疾患活動性の重症度の評価基準を含む(例えば、ガドリニウム増強病変が多いほど疾患重症度が高いことを示す、ガドリニウム増強病変の数)。
【0074】
一実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MSの進行(例えば、MS疾患進行)を指す。一実施形態では、MS疾患活動性に情報を与える評価基準は、疾患進行の評価基準(例えば、総合障害度評価尺度(EDSS)を使用する疾患進行)を含む。いくつかの実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」または「多発性硬化症の疾患活動性」という用語は、MSの進行(例えば、MS疾患進行)を含まない。具体的には、本明細書に開示のそのような実施形態では、「多発性硬化症疾患活動性」を予測するために使用されるバイオマーカーパネルは、「多発性硬化症疾患進行」を予測するために使用されるバイオマーカーパネルとは異なる。
【0075】
「マーカー(複数可)」及び「バイオマーカー(複数可)」という用語は、脂質、リポタンパク質、タンパク質、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、ペプチド、核酸、遺伝子、及びオリゴヌクレオチド、ならびにそれに関連する複合体、代謝物、変異、バリアント、多型、改変体、フラグメント、サブユニット、分解産物、要素、及び他の分析物またはサンプル由来の評価基準を包含するが、これらに限定されない。マーカーは、そのような変異、コピー数の変動、及び/もしくは転写バリアントが予測モデルの生成に有用であるか、または関連マーカー(例えば、タンパク質もしくは核酸の非変異バージョン、代替転写物など)を使用して開発された予測モデルに有用である状況において、変異タンパク質、変異核酸、コピー数の変動、及び/または転写バリアントも含み得る。
【0076】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、具体的には、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び所望の生物学的活性を示す限り、抗原結合している抗体フラグメント、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、を網羅する。
【0077】
本明細書で使用される「抗体フラグメント」、及びその全ての文法的バリアントは、抗原結合部位またはインタクト抗体の可変領域を含むインタクト抗体の部分として定義され、部分は、インタクト抗体のFc領域の定常重鎖ドメイン(すなわち、抗体アイソタイプに応じて、CH2、CH3、及びCH4)を含まない。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、及びFvフラグメント;ダイアボディ;連続的なアミノ酸残基の1つの連続する配列からなる1次構造を有するポリペプチドである任意の抗体フラグメント(本明細書では「単鎖抗体フラグメント」または「単鎖ポリペプチド」と呼ばれる)が挙げられる。
【0078】
「バイオマーカーパネル」という用語は、多発性硬化症疾患活動性を予測するため情報を与えるバイオマーカーのセットを指す。例えば、バイオマーカーパネルのバイオマーカーのセットの発現レベルは、多発性硬化症疾患活動性を予測するため、例えば、MSの再発を予測するために情報を与え得る。様々な実施形態では、バイオマーカーパネルは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25のバイオマーカーを含み得る。
【0079】
「サンプルと関連するデータセットを取得すること」という用語は、少なくとも1つのサンプルから決定されたデータのセットを取得することを包含する。データセットを取得することは、サンプルを取得すること、及び、データを実験的に決定するためにサンプルを処理することを包含する。このフレーズは、例えば、データセットを実験的に決定するために、サンプルを処理しているサードパーティーから、データのセットを受け取ることも包含する。さらに、その語句は、少なくとも1つのデータベース、または少なくとも1つの刊行物またはデータベース及び刊行物の組み合わせからのマイニングデータを包含する。データセットは、ストレージメモリーに格納されることを含む様々な既知の手段を介して当業者が取得することができる。
【0080】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈に別途明示のない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0081】
II.システム環境の概要
図1Aは、一実施形態による、対象の疾患活動性を評価するためのシステム環境100の概要を示す。システム環境100は、マーカー定量化アッセイ120及び活性予測システム130を導入するためのコンテキストを提供する。
【0082】
様々な実施形態では、テストサンプルは、対象110から取得される。サンプルは、個人または第3者、例えば、医療専門家が入手することができる。医療専門家の例としては、医師、救急医療技術者、看護士、緊急救援隊員、心理学者、フレボトミスト、医学物理学者、上級看護師、外科医、歯科医、及び当業者に既知の他の任意の明白な医療専門家が挙げられる。
【0083】
テストサンプルは、マーカー定量化アッセイ120を実施することにより、1つ以上のマーカーの値を決定するためにテストされる。マーカー定量化アッセイ120は、テストサンプルの1つ以上のバイオマーカーの定量的発現値を決定する。マーカー定量化アッセイ120は、イムノアッセイ、より具体的には、マルチプレックスイムノアッセイであってよく、これらの例は、以下でさらに詳細に説明される。様々なバイオマーカーの発現レベルは、対象110から得られた単一のテストサンプルを使用した単一の実行で得ることができる。バイオマーカーの定量化発現値は、活性予測システム130に提供される。
【0084】
通常、活動性予測システム130は、
図8に関して以下で説明されるように、コンピューターシステム700として実行された1つ以上のコンピューターを含む。従って、様々な実施形態では、活性予測システム130に関して記載されたステップは、in silicoで実施される。活動性予測システム130は、マーカー定量化アッセイ120から受け取ったバイオマーカー発現値を分析して、対象110における疾患活動性の評価140を生成する。
【0085】
様々な実施形態では、マーカー定量化アッセイ120及び活動性予測システム130は、種々のパーティーが用いることができる。例えば、ファーストパーティーは、マーカー定量化アッセイ120を実行し、次に、活動性予測システム130を実装するセカンドパーティーに結果を提供する。例えば、ファーストパーティーは、対象110由来のテストサンプルを取得し、且つテストサンプルに対してアッセイ120を実施する臨床検査室であってよい。セカンドパーティーは、実施されたアッセイ120から生じるバイオマーカーの発現値を受け取り、活性予測システム130を使用して発現値を分析する。
【0086】
ここで、一実施形態による、活動性予測システム130のコンピューター論理構成要素を示すブロック図を示す
図1Bが参照される。具体的には、活動性予測システム130は、モデルトレーニングモジュール150、モデルデプロイモジュール160、及びトレーニングデータストア170を含んでもよい。
【0087】
以後、活動性予測システム130の構成要素のそれぞれは、2つのフェーズ:1)トレーニングフェーズ、及び、2)デプロイフェーズ、に関して記載される。より具体的には、トレーニングフェーズは、健常、静止状態、または寛解もしくは寛解の状態にあることが既知の個体、または、疾患活動性、悪化の状態、もしくは再発の状態にあることが既知の個体、から得られたバイオマーカーの定量的発現値を含むトレーニングデータに基づく1つ以上の予測モデルの構築及びトレーニングを指す。従って、予測モデルは、定量的バイオマーカー発現値に基づいて対象の疾患活動性を予測するようにトレーニングされる。デプロイフェーズでは、目的の対象の疾患活動性の予測を生成するために、予測モデルが、目的の対象から取得されたテストサンプルの定量的バイオマーカー発現値に適用される。
【0088】
いくつかの実施形態では、活動性予測システム130の構成要素は、トレーニングフェーズ及びデプロイフェーズのうちの1つに適用される。例えば、モデルトレーニングモジュール150及びトレーニングデータストア170(
図1Bの点線で示された)が、トレーニングフェーズで適用されるが、モデルデプロイモジュール160が、デプロイフェーズで適用される。様々な実施形態では、トレーニングフェーズ及びデプロイフェーズは、継続的にトレーニングされたモデルを可能にするために実行することができる。例えば、モデルトレーニングモジュール150は、モデルデプロイモジュール160が、その後でデプロイし得るモデルをトレーニングし得る。同じモデルは、モデルトレーニングモジュール150による追加のトレーニングを受け得る(例えば、取得される新しいトレーニングデータを使用して、例えば、継続的にトレーニングされる)。従って、モデルは、継続的にトレーニングされるので、デプロイ中にサンプルを分析する場合の予測能力の向上を示し得る。
【0089】
様々な実施形態では、活動性予測システム130の構成要素は、構成要素がトレーニングフェーズ中またはデプロイフェーズ中に適用されるかに応じて、様々なパーティーにより実施することができる。そのようなシナリオでは、予測モデルのトレーニング及びデプロイを、様々なパーティーにより実施される。例えば、トレーニングフェーズで適用されるモデルトレーニングモジュール150及びトレーニングデータストア170は、(例えば、予測モデルをトレーニングするために)ファーストパーティーが用いることができ、デプロイフェーズで適用されたモデルデプロイモジュール160は、(例えば、予測モデルをデプロイするために)セカンドパーティーが実施することができる。
【0090】
III.予測モデル
IIIA.予測モデルのトレーニング
トレーニングフェーズでは、モデルトレーニングモジュール150は、バイオマーカーの発現値を含むトレーニングデータを使用して、1つ以上の予測モデルをトレーニングする。
図1Bを参照すると、トレーニングデータは、トレーニングデータストア170に格納されてもよい。様々な実施形態では、活動性予測システム130は、テストサンプル中のバイオマーカー発現値を分析することにより、バイオマーカーの発現値を含むトレーニングデータを生成する。様々な実施形態では、活動性予測システム130は、サードパーティーのバイオマーカーの発現値を含むトレーニングデータを取得する。サードパーティーは、バイオマーカーの発現値を決定するためにテストサンプルを分析していることがある。
【0091】
様々な実施形態では、バイオマーカーの発現値を含むトレーニングデータは、臨床対象から得られる。例えば、トレーニングデータは、臨床対象から取得されるテストサンプルから測定されたバイオマーカーの発現値であり得る。臨床対象に由来するバイオマーカーの発現値の例としては、臨床研究、例えば、多発性硬化症CLIMB研究(例えば、ブリガムアンドウィメンズ病院での多発性硬化症の包括的縦断的調査)、多発性硬化症の加速治療プロジェクト(ACP)、ならびにUCSF及びバーゼル大学病院コホート(UHBC)での発現、プロテオミクス、イメージング、臨床(EPIC)研究を介して取得されるバイオマーカー発現値が挙げられる。
【0092】
様々な実施形態では、トレーニングデータは、さらに、多発性硬化症疾患活動性などの疾患活動性を示す参照グラウンドトゥルースを含む。一例として、トレーニングデータは、多発性硬化症(MS)の存在または非存在、MSと関連する再発または再燃事象、再発率(例えば、年間再発率)、MS状態(例えば、悪化または静止)、治療法に対する多発性硬化症と診断された対象の応答、多発性硬化症の障害の程度、対象がその後に多発性硬化症を発症するリスク(例えば、可能性)、またはわずかな疾患活動性(例えば、特定数のガドリニウム増強病変の存在または非存在、例えば、1、2、3、もしくは4つの病変)の評価基準、または通常の疾患活動性の評価基準(例えば、1つ以上のガドリニウム増強病変の存在または非存在)を同定する参照グラウンドトゥルースを含む。
【0093】
一実施形態による、トレーニングデータ190の例示的なセットを示す
図1Cが参照される。
図1に示されるように、トレーニングデータ190は、複数の個体に対応するデータを含む(例えば、個体1、2、3、4...を示す列1)。各個体について、トレーニングデータ190は、対応する個体から得られた種々のバイオマーカーの定量的発現値(例えば、A1、B1、A2、B2など)を含む。いくつかの実施形態では、定量的発現値は、
図1に示されるマーカー定量化アッセイ120により決定される。
図1Cは、4人の個体及び2つの異なるマーカー(マーカーA及びマーカーB)を示し、トレーニングデータ190は、数十、数百、または数千の個体ならびに数十、数百、または数千のマーカーを含んでもよい。
【0094】
図1Cに示されるように、トレーニングデータの第1のトレーニング例(例えば、1行目)は、個体1ならびに対応する、マーカーA(例えば、A1)の定量的発現値及びマーカーB(例えば、B1)の定量的発現値を指す。同様に、トレーニングデータの第2のトレーニング例(例えば、2行目)は、個体2ならびに対応する、マーカーA(例えば、A2)の定量的発現値及びマーカーB(例えば、B2)の定量的発現値を指す。個体3及び4は、
図1Cに示されるような対応するマーカー値を有する。
【0095】
図1Cに示されるように、トレーニングデータ190は、さらに、対応する個体が、疾患活動性に関して正または負の表示を有するかどうかを識別する参照グラウンドトゥルース(「表示」列)を含む。一例として、各指標は、患者の疾患活動性の指標であり得る。例えば、最初のトレーニング例(例えば、1行目)を参照すると、「陽性」の表示は、個体1の疾患活動性の存在を反映し得る。例えば、個体1のMRIスキャンは、1つ以上のガドリニウム増強病変の存在が明らかにしていることがある。同様に、陰性の結果の表示(例えば、個体3または個体4)は、対応する個体の疾患活動性の否定的な兆候を反映する。例えば、個体3及び4のMRIスキャンは、ガドリニウム増強病変の欠如が明らかにしていることがある。
【0096】
いくつかの実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、トレーニングデータストア170からトレーニングデータを検索し、トレーニングデータをトレーニングセット及びテストセットにランダム分割する。例として、トレーニングデータの80%は、トレーニングセットに分割されてもよく、残りの20%は、テストセットに分割することができる。トレーニングセット及びテストセットの他の比率が実装されてもよい。そのため、トレーニングセットは、予測モデルのトレーニングに使用されるが、テストセットは、予測モデルの検証に使用される。
【0097】
様々な実施形態では、予測モデルは、回帰モデル(例えば、線形回帰、ロジスティック回帰、または多項式回帰)、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ナイーブベイズモデル、k平均法、またはニューラルネットワーク(例えば:フィードフォワードネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)、オートエンコーダーニューラルネットワーク、敵対的生成ネットワーク、もしくは回帰型ネットワーク(例えば、長・短期記憶ネットワーク(LSTM)、双方向回帰型ネットワーク、ディープ双方向回帰型ネットワーク))、またはそれらの任意の組み合わせのいずれか1つである。例えば、予測モデルは、線形回帰及び判定木の両方を含むスタック分類器であり得る。
【0098】
予測モデルは、機械学習の実装方法、例えば、線形回帰アルゴリズム、ロジスティック回帰アルゴリズム、決定木アルゴリズム、サポートベクターマシン分類、ナイーブベイズ分類、k近傍法分類、ランダムフォレストアルゴリズム、深層学習アルゴリズム、勾配ブースティングアルゴリズム、ならびに次元削減手法、例えば、多様体学習、主成分分析、因子分析、オートエンコーダー正則化、及び独立成分分析、またはそれらの組み合わせのいずれか1つ、を使用してトレーニングすることができる。様々な実施形態では、細胞疾患モデルは、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、半教師あり学習アルゴリズム(例えば、部分教師)、弱教師、転移、マルチタスク学習、またはそれらの任意の組み合わせを使用してトレーニングされる。
【0099】
様々な実施形態では、予測モデルは、ハイパーパラメーターまたはモデルパラメーターなどの1つ以上のパラメーターを有する。ハイパーパラメーターは、通常、トレーニングの前に確立される。ハイパーパラメーターの例としては、学習率、決定木の深さまたはリーフ、ディープニューラルネットワークの隠れ層の数、k平均法のクラスター数、回帰モデルのペナルティ、及びコスト関数と関連する正則化パラメーターが挙げられる。モデルパラメーターは、通常、トレーニング中に調整される。モデルパラメーターの例としては、ニューラルネットワークのレイヤー内のノードと関連する加重、サポートベクターマシン内のサポートベクター、及び回帰モデル内の係数が挙げられる。細胞性疾患モデルのモデルパラメーターは、細胞性疾患モデルの予測能力を向上させるために、トレーニングデータを使用してトレーニング(例えば、調整)される。
【0100】
モデルトレーニングモジュール150は、1つ以上の予測モデルをトレーニングし、各予測モデルは、入力として、1つ以上のバイオマーカーを受け取る。様々な実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、入力として、2つのバイオマーカーの発現値を受け取る予測モデルを構築する。様々な実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、入力として、3つのバイオマーカーの発現値を受け取る予測モデルを構築する。様々な実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、入力として、4つのバイオマーカーの発現値を受け取る予測モデルを構築する。いくつかの実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、4つを超えるバイオマーカーの予測モデルを構築する。例えば、予測モデルは、入力として、8つのバイオマーカーの発現値を受け取る(例えば、表2でティア1として分類された8つのバイオマーカー、または表10で対応する代替バイオマーカーのいずれか)。別の例として、予測モデルは、入力として、17のバイオマーカーの発現値を受け取る(例えば、表2でティア1もしくはティア2として分類された17のバイオマーカー、または表10で対応する代替バイオマーカーのいずれか)。別の例として、予測モデルは、入力として、21のバイオマーカーの発現値を受け取る(例えば、表2でティア1、ティア2、もしくはティア3として分類された21のバイオマーカー、または表10で対応する代替バイオマーカーのいずれか)。
【0101】
様々な実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、予測モデルをトレーニングするために使用されるべきバイオマーカーのセットを同定する。モデルトレーニングモジュール150は、疾患活動性を予測するために有望である候補バイオマーカーのリストから始めてもよい。一実施形態では、候補バイオマーカーは、文献キュレーションプロセスを通じて同定されたバイオマーカーであってよい。いくつかの実施形態では、候補バイオマーカーは、疾患活動性(例えば、MSの存在、悪化状態など)に対して陽性である個体から得られたテストサンプルにおける発現値が、疾患活動性が陰性である個体から得られたテストサンプルのバイオマーカーの発現値と比較して統計的に有意であるバイオマーカーであり得る。
【0102】
一実施形態では、モデルトレーニングモジュール150は、バイオマーカーパネルに含まれるべきバイオマーカーのセットを同定するために特徴選択プロセスを実施する。例えば、モデルトレーニングモジュール150は、バイオマーカーの発現値及び特定の評価項目(例えば、疾患活動性)を予測する際のそれらの重要性に基づいて、逐次前進的特徴選択を実施する。例えば、特定の疾患活動性評価項目と高度に相関していると判定された候補バイオマーカーは、非常に重要であるとみなされ、それ故、疾患活動性評価項目と高度に相関していない他のバイオマーカーと比較して、バイオマーカーパネルに含まれる可能性がある。
【0103】
いくつかの実施形態では、疾患活動性評価項目に対する各バイオマーカーの重要性は、ランダムフォレスト(RF)、勾配ブースティング(GBM)、極度の勾配ブースティング(XGB)、またはLASSOアルゴリズムのうちの1つを含む方法を使用することにより決定される。例えば、ランダムフォレストアルゴリズムを使用する場合、モデルトレーニングモジュール150は、各候補バイオマーカーの重要性を示す可変重要度プロットを生成し得る。具体的には、ランダムフォレストアルゴリズムは、各候補バイオマーカーに対し、1)モデル精度の平均減少、ならびに、2)各候補バイオマーカーが、ランダムフォレストのノード及びリーフの均一性にどの程度寄与するかの評価基準であるジニ係数の平均減少、を提供してもよい。1つのシナリオでは、各候補バイオマーカーの重要性は、モデル精度の平均減少及びジニ係数の平均減少の一方または両方に依存している。影響値に基づいて各候補バイオマーカーの重要性をランク付けするために、GBM、XGB、及びLASSOのそれぞれを使用することもできる。従って、モデルトレーニングモジュール150は、RF、GBM、XGB、またはLASSOを含む方法の1つを使用して、候補バイオマーカーのそれぞれのランキングを生成し得る。
【0104】
各予測モデルは、入力として、各個体のマーカーの定量的発現値を使用して繰り返しトレーニングされる。例えば、再度
図1Cを参照すると、1回の反復は、特定の個体(例えば、個体1)のバイオマーカー(例えば、「A1」及び「B1」)の定量的発現値を含むトレーニング例(例えば、トレーニングデータの行)を提供することを含む。各予測モデルは、指標(例えば、正または負の結果)を含む参照グラウンドトゥルースデータでトレーニングされる。様々な実施形態では、トレーニングの反復にわたって、各予測モデルは、予測モデルにより出力されたMS活動性の予測及びグラウンドトゥルースデータ間の予測誤差を最小化するようにトレーニングされる(例えば、パラメーターが調整される)。様々な実施形態では、予測誤差は、損失関数に基づいて計算され、その例にとしては、L1正則化(ラッソ回帰)損失関数、L2正則化(リッジ回帰)損失関数、またはL1及びL2正則化の組み合わせ(ElasticNet)が挙げられる。
【0105】
III.B.予測モデルのデプロイ
デプロイフェーズ中、モデルデプロイモジュール160(
図1Bに示されるように)は、トレーニングされた予測モデルを適用することにより、目的の対象から得られたテストサンプルからの定量的バイオマーカー発現値を分析する。いくつかの実施形態では、対象は、以前に疾患と診断されておらず、従って、予測モデルのデプロイにより、対象に由来する定量的バイオマーカー発現値に基づく疾患のin silico診断が可能になる。いくつかの実施形態では、対象は、以前に疾患と診断されている。本明細書では、予測モデルのデプロイにより、対象に由来する定量的なバイオマーカー発現値に基づいて、疾患活動性のin silico予測が可能になる。
【0106】
様々な実施形態では、定量的バイオマーカー発現値は、予測モデルへの入力として提供される。予測モデルは、定量的なバイオマーカーの発現値を分析し、疾患活動性の評価を出力する。
【0107】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、対象の疾患活動性に情報を与え得る予測スコアである。様々な実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、疾患活動性の評価基準を決定するために、1つ以上の参照スコアと比較される。参照スコアは、以前に決定されたスコアを指し、さらに、以下に、罹患患者または非罹患患者に対応する「健常スコア」または「罹患スコア」と記載される。例えば、1つ以上のスコアは、健常患者、患者が疾患活動性を示さなかった前の時点での患者自身のベースライン(例えば、縦断的分析)、疾患と臨床的に診断されたが、疾患活動性または閾値スコア(例えば、カットオフ)を示さない患者、に対応する「健常スコア」であってよい。別の例として、1つ以上のスコアは、罹患患者に対応する「罹患スコア」、前の時点での疾患活動性を示す患者自身のスコア、または閾値スコア(例えば、カットオフ)であり得る。一例として、閾値スコアは、健常患者に対応することができ、健常患者のバイオマーカーの発現値を使用して予測モデルをトレーニングすることにより生成することができる。別の例として、閾値スコアは、罹患患者に対応することができ、罹患患者のバイオマーカーの発現値を使用して予測モデルをトレーニングすることにより生成することができる。
【0108】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、疾患の存在または非存在に対応する。一実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、健常スコアと比較することができる。対象の予測スコアが、健常スコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、疾患を有すると分類することができる。一実施形態では、予測モデルにより出力された罹患スコアは、健常スコアと比較することができる。対象の予測スコアが、罹患スコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、疾患を有さないと分類することができる。いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、健常スコア及び罹患スコアの両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、健常スコアと比較して有意差があり(例えば、p値<0.05)、且つ、疾患と診断されている患者の罹患スコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、疾患を有すると分類することができる。様々な実施形態では、対象の分類に応じて、対象は、処置を受け得る。換言すれば、評価は、対象の処置を導き得る。例えば、対象が疾患を有すると分類される場合、対象は、疾患を処置するための治療的介入を投与することができる。
【0109】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、わずかな疾患の存在または非存在に対応する。一実施形態では、予測モデルにより出力される予測スコアは、わずかな疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンで特定数のガドリニウム増強病変、例えば、ちょうど1つの病変)と比較することができる。対象の予測スコアが、わずかな疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値<0.05)場合、対象は、わずかな疾患を有すると分類することができる。対象の予測スコアが、わずかな疾患の存在がないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、わずかな疾患を有すると分類することができる。一実施形態では、予測スコアにより出力される予測スコアは、わずかな疾患のない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と比較される。対象の予測スコアが、わずかな疾患を有さない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、わずかな疾患を有さないと分類することができる。あるいは、対象の予測スコアが、わずかな疾患を有さない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、わずかな疾患を有すると分類することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力される予測スコアは、わずかな疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンで特定数のガドリニウム増強病変)及びわずかな疾患のない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)の両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、わずかな疾患を有さないスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と比較して有意差があり(例えば、p値<0.05)、且つ、わずかな疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンで特定数のガドリニウム増強病変、例えば、ちょうど1つのガドリニウム増強病変)と比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、わずかな疾患を有すると分類することができる。
【0111】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、通常の疾患の存在または非存在に対応する。一実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、通常の疾患(例えば、MRIスキャンで1つ以上のガドリニウム増強病変)の存在があると以前に判定された個体に対応するスコアと比較することができる。対象の予測スコアが、通常の疾患の存在がないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、通常の疾患を有すると分類することができる。対象の予測スコアが、通常の疾患の存在がないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、通常の疾患を有さないと分類することができる。一実施形態では、予測スコアにより出力された予測スコアは、通常の疾患のない個体に対応するスコアと比較される(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)。対象の予測スコアが、通常の疾患を有さない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、通常の疾患を有さないと分類することができる。対象の予測スコアが、通常の疾患を有さない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、通常の疾患を有すると分類することができる。いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力される予測スコアは、通常の疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンで1つ以上のガドリニウム増強病変)及び通常の疾患のない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)の両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、通常の疾患を有さない個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変がゼロ)と比較して有意差があり(例えば、p値<0.05)、且つ、通常の疾患の存在があると以前に判定された個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンで1つ以上のガドリニウム増強病変)と比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、通常の疾患を有すると分類することができる。
【0112】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、ガドリニウム増強病変の数の予測される増加または減少に基づく疾患活動性の方向シフトに対応する。一実施形態では、予測モデルにより出力される予測スコアは、疾患活動性の増加(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数の増加)を経験していると以前に判定された個体に対応するスコアと比較することができる。対象の予測スコアが、疾患活動性の増加を経験していないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、疾患活動性の増加のみられる可能性が高いと分類することができる。対象の予測スコアが、疾患活動性の増加を経験していないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、疾患活動性の増加のみられる可能性が低いと分類することができる。一実施形態では、予測スコアにより出力される予測スコアは、疾患活動性の減少(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数が漸減)を経験していると以前に判定された個体に対応するスコアと比較される。対象の予測スコアが、疾患活動性の減少を経験している個体に対応するスコアと有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、疾患活動性の減少を経験する可能性が高いと分類することができる。対象の予測スコアが、疾患活動性の減少を経験している個体に対応するスコアと有意差がある(例えば、p値>0.05)場合、対象は、疾患活動性の減少を経験する可能性が高いと分類することができる。いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力される予測スコアは、疾患活動性の増加を経験していると以前に判定された個体と対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数の漸増)及び疾患活動性の減少を経験している個体を対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数の漸減)の両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、疾患活動性の減少を経験している個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数の漸減)と比較して有意差があり(例えば、p値<0.05)、且つ、疾患活動性の増加を経験している個体に対応するスコア(例えば、MRIスキャンでガドリニウム増強病変数の漸増)と比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、疾患活動性の増加を経験する可能性が高いと分類することができる。様々な実施形態では、対象の予測スコアが、疾患活動性の増加を経験している個体に対応するスコア及び疾患活動性の減少を経験している個体に対応するスコアの両方と比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、疾患活動性の増加または減少のいずれかがみられる可能性が低い(例えば、対象の疾患活動性が安定している)と分類することができる。
【0113】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、対象における疾患の状態に対応する。例えば、疾患が、MSの場合、対象の疾患の状態は、静止対悪化のものである。一実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、静止状態にあると以前に判定された(例えば、臨床的に静止状態にあると以前に判定された)個体に対応するスコアと比較することができる。対象の予測スコアが、静止状態にないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、静止状態にあると分類することができる。対象の予測スコアが、静止状態にあると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、静止状態にないものとして分類することができる。一実施形態では、予測スコアにより出力された予測スコアは、悪化状態にあると以前に判定された個体に対応するスコアと比較される。対象の予測スコアが、悪化状態にあると以前に判定された個体に対応するスコアと有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、悪化状態にあると分類することができる。対象の予測スコアが、悪化状態にあると以前に判定された個体に対応するスコアと有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、悪化状態にないものとして分類することができる。いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、静止状態にあると以前に判定された個体に対応するスコア及び悪化状態にある個体に対応するスコアの両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、静止状態の個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)、且つ、悪化状態にあると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、悪化状態にあると分類することができる。
【0114】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、対象に提供される治療法への起こり得る応答に対応する。一実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、治療法に応答すると以前に判定された(例えば、治療法に応答すると臨床的に以前に判定された)個体に対応するスコアと比較することができる。対象の予測スコアが、治療法に応答しないと以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、応答者であると分類することができる。対象の予測スコアが、治療法に応答すると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、応答者であると分類することができる。一実施形態では、予測スコアにより出力された予測スコアは、非応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアと比較される。対象の予測スコアが、非応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアと有意差がない(例えば、p値>0.05)場合、対象は、非応答者として分類することができる。対象の予測スコアが、応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアと有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、非応答者として分類することができる。いくつかの実施形態では、予測モデルにより出力された予測スコアは、応答者であると以前に判定された個体に対応するスコア及び非応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアの両方と比較される。例えば、対象の予測スコアが、非応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差があり(例えば、p値<0.05)、且つ、応答者であると以前に判定された個体に対応するスコアと比較して有意差がある(例えば、p値>0.05)場合、対象は、応答者であると分類することができる。
【0115】
一実施形態では、疾患活動性の評価は、疾患進行の評価であり、多発性硬化症と診断された対象におけるMS障害の程度に対応し得る。一実施形態では、MS障害の程度は、EDSSに対応する。様々な実施形態では、対象に対応する評価(例えば、予測スコア)は、複数のスコアと比較される。各スコアは、障害の程度で臨床的に分類されている個体のグループに対応し得る。例えば、最初のスコアは、EDSSのスコア1で臨床的に分類された個体に対応し得る。追加のスコアは、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、及び10.0のスコアで臨床的に分類されている個体のグループに対応し得る。1つのシナリオでは、予測モデルにより出力された対象の予測スコアが、1つのグループと有意差がない(例えば、p値>0.05)、且つ、他の全てのグループと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、EDSSスコアのものと分類され得る。対象は、分類に基づく臨床プロトコールに従って処置されてもよい。
【0116】
一実施形態では、疾患活動性の評価は、対象がその後に疾患を発症するリスク(例えば、可能性)に対応する。様々な実施形態では、対象に対応する評価(例えば、予測スコア)は、複数のスコアと比較される。各スコアは、MSを発症する特定のリスクで臨床的に分類されているリスクグループ内の個体のグループに対応し得る。一例として、リスクグループは、高リスクグループ、中リスクグループ、及び低リスクグループに分けられ得る。1つのシナリオでは、対象の予測スコアが、1つのグループと有意差がなく(例えば、p値>0.05)、且つ、他のグループと比較して有意差がある(例えば、p値<0.05)場合、対象は、リスクグループに分類され得る。従って、対象は、MSを発症するリスク/可能性の予測に基づいて、ライフスタイル及び/または処置の変更を行うことができる。
【0117】
様々な実施形態では、予測モデルにより予測される疾患活動性の評価基準は、患者の疾患活動性を管理するための追加の有用性を提供する。一例として、予測モデルにより予測される疾患活動性の評価基準は、候補治療薬を選択するため、または以前に投与された治療薬の効果を決定するために有用である。
【0118】
様々な実施形態では、患者の予測モデルにより予測される疾患活動性の評価基準は、患者に投与された治療薬が有効性を示しているかどうかを判定するために、疾患活動性の以前の評価基準と比較することができる。一例として、疾患活動性の以前の評価基準は、同じ患者に対し判定された予測(例えば、疾患活動性のベースライン評価基準)であってよい。従って、この例では、疾患活動性の評価基準及び疾患活動性の以前の評価基準の比較は、治療法を使用した処置を受けている患者の縦断的分析である。そのようなものであるから、疾患活動性の評価基準及び疾患活動性の以前の評価基準間の差異または差異の欠如は、治療薬が効果を有するか、または効果がないという指標を示し得る。別の例として、疾患活動性の以前の評価基準は、患者集団(例えば、患者の参照セット)に対して決定された評価基準であってよい。この例では、疾患活動性の評価基準及び疾患活動性の以前の評価基準の比較により、患者が、患者集団の疾患活動性の以前の評価基準と比較して、治療薬による効果を経験しているかどうか(疾患活動性の評価基準により証明)が明らかになり得る。
【0119】
様々な実施形態では、疾患活動性の評価基準及び疾患活動性の以前の評価基準間の比較が、現在投与されている治療薬が効果を示さないか、または効果を所望の程度示さないことを示す場合、患者の処置の変更を行うことができる。一実施形態では、患者の応答をもたらすために、現在投与されている治療薬の処置投与を変更することができる。例えば、現在投与されている治療薬は、投薬量を増加させることができる。一実施形態では、候補治療薬は、患者への投与のために選択することができる。様々な実施形態では、候補治療薬は、現在投与されている治療薬の代わりに患者に投与することができるか、または候補治療薬は、現在投与されている治療薬に加えて、患者に投与することができる。
【0120】
別の例として、疾患活動性の評価基準は、症状及び投薬の追跡、看護介入、検査室モニタリング、ならびに管理された縦断的MRIレポートをサポートするのに有用である。そのようなシナリオでは、疾患活動性の評価基準により、計画外の医療利用(例えば、計画外の診療所への訪問)を低減させ、それにより、患者及び医師の満足度を向上させることができる。
【0121】
IV.バイオマーカーパネル
様々な実施形態では、疾患活動性の評価は、単変量バイオマーカーパネルを実装することを含む。従って、単変量バイオマーカーパネルは、1つのバイオマーカーを含む。他の実施形態では、疾患活動性の評価は、多変量バイオマーカーパネルの実装を含む。そのような実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、複数のバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、2つのバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50のバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、2つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、3つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、4つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、7つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、8つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、17つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、21つのバイオマーカーを含む。
【0122】
本明細書に記載の様々な実施形態では、バイオマーカーパネルは、MS疾患進行などの疾患進行の評価または予測のために実装される。様々な実施形態では、疾患進行の評価は、単変量バイオマーカーパネルを実装することを含む。従って、単変量バイオマーカーパネルは、1つのバイオマーカーを含む。他の実施形態では、疾患進行の評価は、多変量バイオマーカーパネルの実装を含む。そのような実施形態では、疾患進行を評価するための多変量バイオマーカーパネルは、複数のバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、疾患進行を評価するための多変量バイオマーカーパネルは、2つのバイオマーカーを含む。様々な実施形態では、疾患進行を評価するための多変量バイオマーカーパネルは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50のバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、2つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、3つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、4つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、7つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、8つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、17つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、多変量バイオマーカーパネルは、21つのバイオマーカーを含む。
【0123】
一実施形態では、バイオマーカーパネル内のバイオマーカーは、以下のうちの1つ以上を含み得る:6Ckine、アディポネクチン、アドレノメデュリン(ADM)、α1アンチトリプシン(AAT)、α1ミクログロブリン(A1Micro)、α2マクログロブリン(A2Macro)、αフェトプロテイン(AFP)、アンフィレグリン(AR)、アンギオゲニン、アンジオポエチン1(ANG-1)、アンジオポエチン2(ANG-2)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)、抗ロイコプロテイナーゼ(ALP)、抗トロンビンIII(ATIII)、アポリポタンパク質A(Apo-A)、アポリポタンパク質D(Apo-D)、アポリポタンパク質E(Apo-E)、AXL受容体型チロシンキナーゼ(AXL)、B細胞活性化因子(BAFF)、Bリンパ球走化性因子(BLC)、βアミロイド(1-40)(AB-40)、βアミロイド(1-42)(AB-42)、β2ミクログロブリン(B2M)、βセルリン(BTC)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、C反応性タンパク質(CRP)、カドヘリン1(E-Cad)、カルビンジン、がん抗原125(CA-125)、がん抗原15-3(CA15-3)、がん抗原19-9(CA19-9)、炭酸アンヒドラーゼ9(CA-9)、癌胎児性抗原(CEA)、癌胎児性抗原関連細胞接着分子1(CEACAM1)、カテプシンD、CD40リガンド(CD40-L)、CD163、セルロプラスミン、ケモカインCC-4(HCC-4)、クロモグラニンA(CgA)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、クラステリン(CLU)、補体C3(C3)、補体因子H(CFH)、補体因子H関連タンパク質1(CFHR1)、シスタチンB、シスタチンC、デコリン、Dickkopf関連タンパク質1(DKK-1)、ドーパミンβヒドロキシラーゼ(DBH)、E-セレクチン、EN-RAGE、エオタキシン1、エオタキシン2、エオタキシン3、上皮成長因子(EGF)、上皮成長因子受容体(EGFR)、エピレグリン(EPR)、上皮由来好中球活性化タンパク質78(ENA-78)、エリスロポイエチン(EPO)、第VII因子、Fasリガンド(FasL)、FASLG受容体(FAS)、フェリチン(FRTN)、フィブリノーゲン、フィブリン1C(Fib1C)、フィコリン3、卵胞刺激ホルモン(FSH)、胃抑制ポリペプチド(GIP)、ゲルゾリン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、グリコーゲンホスホリラーゼアイソザイムBB(GPBB)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、成長分化因子15(GDF-15)、成長ホルモン(GH)、成長調節αタンパク質(GRO-α)、ハプトグロビン、熱ショックタンパク質70(HSP-70)、ヘパリン結合EGF様成長因子(HB-EGF)、肝細胞成長因子(HGF)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ(hCG)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンE(IgE)、免疫グロブリンM(IgM)、インスリン、インスリン様成長因子結合タンパク質2(IGFBP2)、細胞間接着分子1(ICAM-1)、インターフェロンα(IFN-α)、インターフェロンγ(IFN-γ)、インターフェロンγ誘導性タンパク質10(IP-10)、インターフェロン誘導性T細胞α化学誘引物質(ITAC)、インターロイキン1α(IL-1α)、インターロイキン1β(IL-1β)、インターロイキン1受容体拮抗薬(IL1ra)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン2受容体α(IL2受容体α)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン6受容体(IL6r)、インターロイキン6受容体サブユニットβ(IL6Rβ)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン12サブユニットp40(IL12p40)、インターロイキン12サブユニットp70(IL12p70)、インターロイキン13(IL13)、インターロイキン15(IL15)、インターロイキン16(IL16)、インターロイキン17(IL17)、インターロイキン18(IL18)、インターロイキン18結合タンパク質(IL18bp)、インターロイキン22(IL22)、インターロイキン23(IL23)、インターロイキン31(IL31)、腎障害分子1(KIM-1)、ラクトフェリン(LTF)、トランスフォーミング成長因子-β1の潜伏関連ペプチド(LAP TGF b1)、レプチン、レプチン受容体(レプチンR)、ロイシンリッチα2糖タンパク質(LRG1)、黄体形成ホルモン(LH)、マクロファージコロニー刺激因子1(M-CSF)、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)、マクロファージ炎症性タンパク質1β(MIP-1β)、マクロファージ炎症性タンパク質3α(MIP-3α)、マクロファージ炎症性タンパク質3β(MIP-3β)、マクロファージ遊走阻止因子(MIF)、マクロファージ刺激タンパク質(MSP)、マスト幹細胞成長因子受容体(SCFR)、マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP-1)、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP-2)、マトリックスメタロプロテイナーゼ3(MMP-3)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP-7)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP-9)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9トータル(MMP-9トータル)、マトリックスメタロプロテイナーゼ10(MMP-10)、マイクロアルブミン、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、単球走化性タンパク質2(MCP-2)、単球走化性タンパク質3(MCP-3)、単球走化性タンパク質4(MCP-4)、γインターフェロンにより誘導されるモノカイン(MIG)、骨髄前駆細胞阻害因子1(MPIF-1)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、ミオグロビン、神経成長因子β(NGF-β)、ニューロフィラメント重ポリペプチド(NF-H)、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、ニューロン細胞接着分子(NrCAM)、ニューロピリン-1、好中球活性化ペプチド2(NAP-2)、オメンチン、オステオカルシン、オステオポンチン、オステオプロテゲリン(OPG)、P-セレクチン、膵臓ポリペプチド(PPP)、膵臓分泌トリプシン阻害剤(TATI)、パラオキソナーゼ-1(PON1)、ペプシノーゲン-I(PGI)、ペリオスチン、色素上皮由来因子(PEDF)、胎盤成長因子(PLGF)、プラスミノーゲン活性化因子阻害薬1(PAI-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM-1)、血小板由来成長因子BB(PDGF-BB)、プロラクチン(PRL)、前立腺特異的抗原フリー(PSA-f)、プロテインDJ-1(DJ-1)、肺及び活性化調節ケモカイン(PARC)、肺サーファクタントタンパク質D(SP-D)、終末糖化産物受容体(RAGE)、レジスチン、S100カルシウム結合タンパク質B(S100B)、血清アミロイドAタンパク質(SAA)、血清アミロイドP成分(SAP)、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、ソルチリン、ST2、幹細胞因子(SCF)、間質細胞由来因子1(SDF-1)、スーパーオキシドジスムターゼ1可溶性(SOD-1)、T細胞特異的タンパク質RANTES(RANTES)、Tリンパ球分泌タンパク質I309(I309)、タム・ホルスフォール糖タンパク質(THP)、テネイシンC(TN-C)、テトラネクチン、トロンビン活性化イブリノリシス(TAFI)、トロンボスポンジン1、胸腺及び活性化調節ケモカイン(TARC)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン結合グロブリン(TBG)、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤1(TIMP-1)、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤2(TIMP-2)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド受容体3(TRAIL-R3)、トランスフェリン受容体タンパク質1(TFR1)、トランスフォーミング成長因子β3(TGF-β3)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、腫瘍壊死因子β(TNF-β)、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー12(Tweak)、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー13(APRIL)、腫瘍壊死因子受容体I(TNF-RI)、腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)、血管細胞接着分子1(VCAM-1)、血管内皮増殖因子(VEGF)、内臓脂肪組織由来のセルピンA12(Vaspin)、ビスファチン、ビタミンD結合タンパク質(VDBP)、ビトロネクチン、フォンウィルブランド因子(vWF)、またはYKL-40。
【0124】
いくつかの実施形態では、バイオマーカーパネルのバイオマーカーは、表8~10に示されるバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、ニューロフィラメント軽ポリペプチド鎖(NEFL)、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)、分化抗原群6(CD6)、ケモカイン(CXCモチーフ)リガンド9(CXCL9)、オステオプロテゲリン(OPG)、オステオポンチン(OPN)、マトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP-9)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、CUBドメイン含有タンパク質1(CDCP1)、CCモチーフケモカインリガンド20(CCL20/MIP-3α)、インターロイキン12サブユニットβ(IL-12B)、アミロイドβ前駆体様タンパク質1(APLP1)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10A(TNFRSF10A)、コラーゲン、タイプIV、α1(COL4A1)、セルピンファミリーAメンバー9(SERPINA9)、フィブロネクチンロイシンリッチ膜貫通タンパク質2(FLRT2)、ケモカイン(CXCモチーフ)リガンド13(CXCL13)、成長ホルモン(GH)、バーシカンコアタンパク質(VCAN)、プロトゲニン(PRTG)、コンタクチン2(CNTN2)のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、さらに、成長ホルモン(GH2)、インターロイキン18(IL18)、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP-2)、γ-インターフェロン誘導性リソソームチオールレダクターゼ(IFI30)、及びキチナーゼ3様タンパク質1(CHI3L1/YkL40)を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、以下のうちの1つ以上を含み得る:細胞接着分子3(CADM3)、カリクレイン関連ペプチダーゼ6(KLK6)、ブレビカン(BCAN)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、CD5分子(CD5)、細胞毒性及び制御性T細胞(CRTAM)、CD244分子(CD244)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(TNFRSF9)、プロテイナーゼ3(PRTN3)、フォリスタチン様3(FSTL3)、CXCモチーフケモカインリガンド10(CXCL10)、CXCモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、インターロイキン18結合タンパク質(IL-18BP)、マクロファージスカベンジャー受容体1(MSR1)、CCモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー12(TWEAK)、トレフォイル因子3(TFF3)、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2(ENPP2)、インスリン様成長因子結合タンパク質1(IGFBP-1)、インターロイキン12A(IL12A)、発作関連6ホモログ様(SEZ6L)、ジペプチジルペプチダーゼ様6(DPP6)、ニューロカン(NCAN)、尿細管間質性腎炎抗原様1(TINAGL1)、カルシウム活性化ヌクレオチダーゼ1(CANT1)、ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2)、神経増殖、分化、及び制御タンパク質1(NPDC1)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー11A(TNFRSF11A)、コンタクチン4(CNTN4)、神経栄養性受容体型チロシンキナーゼ2(NTRK2)、神経栄養性受容体型チロシンキナーゼ3(NTRK3)、カドヘリン6(CDH6)、癌胎児性抗原関連細胞接着分子8(CEACAM8)、有糸分裂停止欠損1様1(MAD1L1)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、オステオモジュリン(OMD)、マトリックス細胞外ホスホ糖タンパク質(MEPE)、GDNFファミリー受容体α3(GDNFR-α3)、スカベンジャー受容体クラスFメンバー2(SCARF2)、CD40リガンド(IgM)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNF-R2)、プログラム細胞死1リガンド(PD-L1)、Notch3(NOTCH3)、コンタクチン1(CNTN1)、オンコスタチンM(OSM)、トランスフォーミング成長因子α(TGF-α)、ペプチドグリカン認識タンパク質1(PGLYRP1)、一酸化窒素シンターゼ3(NOS3)。
【0126】
特定の実施形態では、予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカーパネルは、表1のティアA、表2のティア1、または表10の対応する代替バイオマーカーのいずれかとして同定されるバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーパネルは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、MMP-9、及びGFAP(表1のティアA)を含む。別の例として、バイオマーカーパネルは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、及びGFAP(表2のティア1)を含む。
【0127】
特定の実施形態では、予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカーパネルは、表1のティアB、表2のティア2、または表10の対応する代替バイオマーカーのいずれかとして同定されるバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーパネルは、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びCXCL13(表1のティアB)を含む。別の例として、バイオマーカーパネルは、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13B(表2のティア2)を含む。
【0128】
特定の実施形態では、予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカーパネルは、表1のティアC、表3のティア2、または表10の対応する代替バイオマーカーのいずれかとして同定されるバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーパネルは、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2(表1のティアC及び表2のティア3)を含む。
【0129】
特定の実施形態では、予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカーパネルは、表1のティアA及びティアB、表2のティア1及びティア2、または表10の対応する代替バイオマーカーのいずれかとして同定されるバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーパネルは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、MMP-9、GFAP、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びCXCL13(表1のティアA及びB)を含む。別の例として、バイオマーカーパネルには、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、及びTNFSF13B(表2のティア1及び2)を含む。
【0130】
特定の実施形態では、予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカーパネルは、表1のティアA、ティアB、もしくはティアC、表2のティア1、ティア2、もしくはティア3、または表10の対応する代替バイオマーカーのいずれかとして同定されるバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーパネルは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、MMP-9、GFAP、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、CXCL13、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2(表1のティアA、B、及びC)を含む。別の例として、バイオマーカーパネルは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20/MIP-3α、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、CNTN2、GH2、IL18、MMP-2、IFI30、及びCHI3L1/YkL40(表2のティア1、2、及び3)を含む。
【0131】
様々な実施形態では、予測(例えば、疾患活動性の予測または疾患進行の予測)を生成するためのバイオマーカーパネルは、予測バイオマーカーの最小セット、例えば、バイオマーカー対、バイオマーカー3つ組、またはバイオマーカー4つ組、を含む。様々な実施形態では、バイオマーカー対、バイオマーカー3つ組、またはバイオマーカー4つ組のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、NEFLである。様々な実施形態では、バイオマーカー対、バイオマーカー3つ組、またはバイオマーカー4つ組のバイオマーカーのうちの少なくとも1つは、MOGである。様々な実施形態では、バイオマーカー対、バイオマーカー3つ組、またはバイオマーカー4つ組は、NEFLを含まない。そのような実施形態では、NEFLを含まないバイオマーカー対、バイオマーカー3つ組、またはバイオマーカー4つ組は、MOGを含む。
【0132】
予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカー対の例としては、1)NEFL及びMOG、2)NEFL及びCD6、3)NEFL及びCXCL9、4)NEFL及びTNFRSF10A、5)MOG及びIL-12B、6)CXCL9及びCD6、7)MOG及びCXCL9、8)MOG及びCD6、9)CXCL9及びCOL4A1、ならびに、10)CD6及びVCANが挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー対の追加の例としては、1)NEFL及びTNFSF13B、2)NEFL及びCNTN2、3)NEFL及びCXCL9、4)MOG及びCDCP1、5)MOG及びTNFSF13B、ならびに、6)MOG及びCXCL9が挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー対の追加の例としては、1)NEFL及びTNFSF13B、2)NEFL及びSERPINA9、3)NEFL及びGH、4)MOG及びTNFSF13B、5)MOG及びCXCL9、ならびに、6)MOG及びIL-12Bが挙げられる。
【0133】
予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカー3つ組の例としては、1)MOG、IL-12B、及びAPLP1、2)MOG、CD6、及びCXCL9、3)CXCL9、COL4A1、及びVCAN、4)NEFL、CD6、及びCXCL9、5)NEFL、TNFRSF10A、及びCOL4A1、6)MOG、IL-12B、及びCNTN2、ならびに、7)CD6、CCL20、及びVCANが挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー3つ組の追加の例としては、1)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、2)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、3)NEFL、TNFRSF10A、及びTNFSF13B、4)MOG、CXCL9、及びTNFSF13B、5)MOG、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、6)MOG、CCL20、及びTNFSF13Bが挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー3つ組の追加の例としては、1)NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13B、2)NEFL、CNTN2、及びTNFSF13B、3)NEFL、APLP1、及びTNFSF13B、4)MOB、CXCL9、及びTNFSF13B、5)MOG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、6)MOG、OPG、及びTNFSF13Bが挙げられる。
【0134】
予測(例えば、MS疾患活動性の予測またはMS疾患進行の予測)を生成するのに有用なバイオマーカー4つ組の例としては、1)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、2)NEFL、CXCL9、TNFRSF10A、及びCOL4A1、3)MOG、CXCL9、IL-12B、及びAPLP1、4)CXCL9、COL4A1、OPG、及びVCAN、5)CXCL9、OPG、APLP1、及びOPN、6)NEFL、CD6、CXCL9、及びCXCL13、7)NEFL、MOG、CD6、及びCXCL9、8)NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20、9)MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2、ならびに、10)CD6、COL4A1、CCL20、及びVCAが挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー4つ組の追加の例としては、1)NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13B、2)NEFL、COL4A1、CNTN2、及びTNFSF13B、3)NEFL、TNFRSF10A、APLP1、及びTNFSF13B、4)MOG、CXCL9、APLP1、及びTNFSF13B、5)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、ならびに、6)MOG、CXCL9、OPG、及びCNTN2が挙げられる。多発性硬化症疾患活動性を予測するバイオマーカー4つ組の追加の例としては、1)NEFL、CCL20、SERPINA9、及びTNFSF13B、2)NEFL、APLP1、SERPINA9、及びTNFSF13B、3)NEFL、CCL20、APLP1、及びTNFSF13B、4)MOG、CXCL9、OPG、及びTNFSF13B、5)MOG、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13B、ならびに、6)MOG、CXCL9、SERPINA9、及びTNFSF13Bが挙げられる。
【0135】
V.バイオマーカー
本明細書に開示のバイオマーカーの調節異常は、疾患活動性、例えば、多発性硬化症、パーキンソン病、レビー小体病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症、フリードライヒ運動失調症、バッテン病などを含む神経変性疾患の疾患活動性、の発生及び/または進行に寄与し得る。バイオマーカー、及びバイオマーカーの対応する分類は、以下の表11に示される。カテゴリーの例としては、神経変性、ミエリンの完全性、神経突起伸長及び神経新生、炎症、免疫調節、細胞調節、細胞接着、脳腸軸、代謝、ならびに神経調節のカテゴリーが挙げられる。さらに、特定の場所(例えば、脳、脳関門、または血液)及び細胞型におけるバイオマーカー及びそれらの関与は、表12、13A、及び13Bに示される。
【0136】
NEFLは、微小環境における軸索損傷を反映する68kDaのバイオマーカーである。換言すれば、NEFLは、多くの場合、軸索変性の代用として役立つ。さらに、NEFLは、MAP2、プロテインキナーゼN1、及び結節性硬化症(TSC1)などの他のバイオマーカーと相互作用する。
【0137】
COL4A1は、細胞増殖、遊走、細胞外マトリックス形成、ならびに、内皮細胞増殖、遊走、及び管形成の阻害に関与する26kDaのバイオマーカーである。COL4A1は、海馬の胚性ニューロンの伸長に関与しており、さらに、ミエリンの完全性に関与している。IV型コラーゲンは、糸球体基底膜(GBM)の主要な成分であり、ラミニン、プロテオグリカン、及びエンタクチン/ニドゲンと一緒に金網メッシュワークを形成する。それは、血管新生及び腫瘍形成を阻害するC末端NC1ドメインを含む。C末端の半分は、抗血管新生活性を有することが判明している。IV型コラージュは、内皮細胞の増殖、遊走、及び管形成も阻害し、低酸素誘導性因子1α及びERK1/2及びp38MAPK活性化の発現も阻害する。COL4A1変異は、虚血性及び出血性の両方の脳卒中、片頭痛、白質軟化症、腎症、血尿、慢性筋けいれん、ならびに、先天性白内障、緑内障、及びアクセンフェルト・リーガー症候群を含む前眼部疾患を含む幅広い表現型に関連している。Case Rep Neurol.2015 May-Aug;7(2):142-147.Published online 2015 Jun 2.doi:10.1159/000431309。
【0138】
APLP1は、皮質発達中のシナプス成熟及び神経突起伸長の調節に関与する72kDaのバイオマーカーである。APLP1は、アミロイド様タンパク質1及び2、またはAPLP1及びAPLP2の2つのホモログの1つである。APLP1のコード遺伝子は、高度に保存されたアミロイド前駆体タンパク質遺伝子ファミリーのメンバーである。コードされたタンパク質は、アミロイドβA4前駆体タンパク質の切断と同様の方法でセクレターゼにより切断される膜結合糖タンパク質である。この切断により、転写活性化因子として作用し得る細胞内細胞質フラグメントが遊離する。APLP1は、皮質発達中のシナプス成熟にも関与し得る。ヘパリン及びコラーゲンIなどの細胞外マトリックスの構成要素に結合することにより神経突起伸長を調節し得る。APLP1は、ヒトで広範囲に発現される。APLP1に起因する機能は、神経突起伸長及びシナプス形成、軸索に沿ったタンパク質輸送、細胞接着、カルシウム代謝、ニューロン損傷、シナプス機能障害、ならびにシグナル伝達を含む。
【0139】
MMP2(72kDa)及びMMP9(78~92kDa)は、細胞外マトリックスの分解に関与するタンパク質分解酵素の一種であるゼラチナーゼである。MMP2及びMMP9は、胚の発達、生殖、及び組織リモデリングなどの生理学的プロセスに関与する。血清MMP-2及びMMP-9は、異なる多発性硬化症のサブタイプで上昇する。Avolio,C.,et al.Serum MMP-2 and MMP-9 are elevated in different multiple sclerosis subtypes,J.Neuroimmunol.Mar;136(1-2):46-53。末梢及び脳間の主要な構造的インターフェースとしての血液脳関門の完全性は、MSにおいて重要な役割を果たしているようである。血液脳関門の完全性の破壊因子として、タンパク質分解マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、例えば、MMP2及び/またはMMP9、の分泌を低減させることは、MSに重大な影響を有し得る。Proschinger et al.“Influence of combined functional resistance and endurance exercise over 12 weeks on matrix metalloproteinase-2 serum concentration in persons with relapsing-remitting multiple sclerosis-a community-based randomized controlled trial.”BMC Neurol 19,314(2019)。
【0140】
FLRT2は、74kDaのバイオマーカーであり、細胞接着及び/または受容体シグナル伝達で機能するフィブロネクチンロイシンリッチ膜貫通タンパク質ファミリーのメンバーである。FLRT2は、脳ならびに心臓及びいくつかの他の臓器にも発現しており、線維芽細胞成長因子媒介性シグナル伝達カスケードに関与している。心臓では、それは、胚形成中の心臓基底膜の正常な組織化、ならびに正常な胚性心外膜及び心臓の形態形成に必要である。神経学の文脈では、FLRT2は、細胞間接着、細胞移動、及び軸索誘導で機能する。それは、UNC5Dとの相互作用を介して、脳の発達中に皮質ニューロンの遊走に関与し得る。FLRT2は、グルタミン酸興奮毒性、神経細胞死、ならびに、シナプス形成及び可塑性にも関与している。
【0141】
VCAN(>200kDaのバイオマーカー)は、細胞の運動性、細胞の成長及び分化、細胞の接着、細胞の増殖、細胞の遊走、ならびに血管新生に関与している。VCANは、さらに、ミエリン保護、星状細胞興奮毒性に関与しており、炎症性メディエーター分泌物である。VCANは、炎症性白血球の表面の接着分子との相互作用、及び炎症性細胞の動員に関与するケモカインとの相互作用を介した炎症の重要な要因である。成人の中枢神経系では、バーシカンは、神経周囲網にみられ、それは、シナプス結合を安定させ得る。バーシカンは、中枢神経系の損傷後の神経系の再生及び軸索の成長も阻害し得る。
【0142】
本明細書では、B細胞活性化因子(BAFF)とも呼ばれるTNFSF13Bは、T細胞非依存性B細胞活性化及び異所性リンパ小胞形成に関与するバイオマーカーである。
【0143】
CHI3L1は、炎症、自然免疫系、組織リモデリング、及び細胞が環境の変化に応答して、対処する能力に関与する40kDaのバイオマーカーである。さらに、CHIL3L1は、Tヘルパー細胞2型(Th2)の炎症応答及びIL-13誘導性炎症に関与して、アレルゲン感作、炎症細胞のアポトーシス、樹状細胞の蓄積、及びM2マクロファージ分化が調節される。CHI3L1は、マクロファージの細菌死滅に寄与すること、細菌播種を制御すること、及び宿主耐性を増強させることにより、結腸粘膜及びリンパ器官への病原性腸内細菌の侵入、結腸上皮細胞でのAKT1シグナル伝達経路の活性化とそれに続くIL8産生、肺での抗菌応答を促進する。CHI3L1は、肺の高酸素誘発性損傷、炎症、及び上皮アポトーシスも調節する。
【0144】
IL-12Bは、IL-12ヘテロダイマーの1つのサブユニットを表す40kDaのバイオマーカーである。IL-12A(35kDa)は、IL-12ヘテロダイマーの他のサブユニットを表す。IL-12Bは、自然免疫及び獲得免疫、ならびにメモリー/エフェクターTh1細胞の調節、に関与している。IL-12Bは、活性化されたT細胞及びNK細胞の成長因子である。IL-12Bは、IL23Aと会合して、自然免疫及び獲得免疫で機能するヘテロ二量体サイトカインであるIL-23インターロイキンを形成する。インターロイキン23受容体(IL23R)及びIL-12/23(IL12B)のp40サブユニットをコードする遺伝子の多型は、多発性硬化症(MS)のリスクに関与している。Huang et al.,“Meta-analysis of the IL23R and IL12B polymorphisms in multiple sclerosis.”Int.J.of Neuroscience,126:3,205-212(2016)。
【0145】
IFI30は、リソソーム分解を予定されたタンパク質の完全なアンフォールディングを促進することにより、抗原プロセシングに関与する30~35kDaのバイオマーカーである。IFI30は、ジスルフィド結合のエンドサイトーシスによる還元により、ジスルフィド結合含有抗原由来のMHCクラスIl制限エピトープの生成を促進する。IFI30は、また、CD8+T細胞または交差提示によるジスルフィド結合を含有する外因性抗原のMHCクラスI制限認識も促進する。IFI30は、抗原提示細胞で構成的に発現し、炎症性サイトカインにより誘導される。
【0146】
SERPINA9は、セリンプロテアーゼ阻害剤のセルピンファミリーのメンバーである42kDaのバイオマーカーである。SERPINA9は、ニューロンの損傷に関与している。SERPINA9の発現は、胚中心B細胞及びリンパ系悪性腫瘍に限定されている可能性がある。SERPINA9は、トリプシン様プロテアーゼの効率的な阻害剤として胚中心でin vivoで機能する可能性がある。
【0147】
IL18は、免疫応答及び炎症プロセスに関与している。IL18は、主に、極性化Tヘルパー1(Th1)細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞の免疫応答に関与する炎症性サイトカインである。それは、初期のTh1サイトカイン応答の阻害剤として役立つ。さらに、それは、T細胞及びNK細胞でIFN-γ産生を誘導する能力を通じて、Th-1応答に関与する。CSF及び血清中のIL-18は、病変を増強していない患者にみられるレベルと比較して有意に高かった。結果は、特に、疾患の活動期の、MSの免疫病原性におけるIL-18の関与を示唆する。Losy,J.,et al.IL-18 in patients with multiple sclerosis.Acta Neurologica Scandinavica,104:171-173(2001)。さらに、より高いIL-18血清レベル及びIL-18の2つの多型の大幅に異なる頻度が、MS患者でみられた。Jahanbani-Ardakani,H.et al.,Interleukin 18 polymorphisms and its serum level in patients with multiple sclerosis,Ann Indian Acad Neurol;22:474-76(2019)。
【0148】
CDCP1は、T細胞の遊走、細胞接着、及び細胞マトリックス会合に関与する90~140kDaのバイオマーカーである。CDCP1は、リン酸化を介して、足場対遊走または増殖対分化の調節に関与し得る。CDCP1は、間葉系幹細胞及び神経幹細胞を連想させる表現型を有する細胞で発現される。さらに、CDCP1は、CD6のリガンドであり、特定のT細胞で発現される受容体分子であり、遊走及び走化性に関与し得る。
【0149】
CNTN2は、細胞接着、増殖、遊走、ニューロンの軸索誘導、ニューロンの損傷、及び軸索樹状突起の再配列に関与する113kDaのバイオマーカーである。CNTN2は、細胞接着分子の免疫グロブリンスーパーファミリーの一部であるコンタクチンファミリーのタンパク質のメンバーである。CNTN2は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)に固定された神経細胞膜タンパク質であり、発達中の小脳のニューロンの増殖、遊走、及び軸索誘導に関与する。CNTN2遺伝子の変異は、成人のミオクローヌスてんかんに関連し得る。別の膜貫通タンパク質と共に、CNTNAP2は、傍節領域で電位依存性カリウムチャネルを維持することにより、ランヴィエの絞輪の軸索ドメインの組織化に寄与する。
【0150】
GFAPは、脱髄、変性、及び神経軸索損傷に関与する50kDaのバイオマーカーである。アストログリアの活性化は、免疫カスケードの活性化と関連しており、MSで観察される脱髄及び神経軸索損傷に関与すると考えられる。グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)は、グリア性瘢痕の主成分である。GFAPは、発達中に星状細胞を他のグリア細胞から区別するためのマーカーとして使用される。GFAP及びNEFLの両方のより高い血清濃度は、より高いEDSS、より高齢、より長い疾患期間、進行性疾患経過及びMRI病理と関連していた。Hogel,H.,et al,.Serum glial fibrillary acidic protein correlates with multiple sclerosis disease severity.Multiple Sclerosis Journal,26(13)2018。
【0151】
MOGは、オリゴデンドロサイト細胞表面及びミエリン鞘の最外表面に発現される28kDaの膜タンパク質である。この局在化により、それは、細胞表面受容体または細胞接着分子として役立つ、免疫媒介性脱髄に関与する主要な標的抗原である。このタンパク質は、ミエリン鞘の完成及び維持、ならびに細胞間コミュニケーションに関与し得る。MOGと関連する疾患は、ナルコレプシー及び風疹を含む。関連する経路では、神経幹細胞分化経路及び系統特異的マーカーがある。MOG遺伝子のパラログは、BTN1A1である。
【0152】
CD6は、中枢神経系の発達に関与する90~130kDaのバイオマーカーである。CD6は、血液脳関門の破れ及びT細胞媒介性急性炎症性応答に関与する細胞接着分子である。最近の研究は、自己反応性T細胞が一体的に関与される疾患である多発性硬化症(MS)のリスク遺伝子としてのCD6が特定されている。De Jager,PL.,et al.,Meta-analysis of genome scans and replication identify CD6,IRF8 and TNFRSF1A as new multiple sclerosis susceptibility loci.Nat Genet.2009;41(7):776-782。CD6は、Tリンパ球の外膜にみられ、血液脳関門を通過する白血球の遊走に関与している。
【0153】
CXCL9は、免疫応答及び炎症プロセスに関与する12kDaのバイオマーカーである。CXCL9は、免疫及び炎症性応答に関与する細胞の成長、移動、または活性化状態に影響を与えるサイトカインである。CXCL9(MIG)は、受容体に結合する時、CXCR3が、T細胞に対する走化性活性を誘発し且つ炎症応答に関与するケモカインである。CXCL9は、構成的に発現されないが、IFN-γにより誘導される。CXCL9は、C型肝炎、皮膚の炎症、関節リウマチ、及び咽頭炎などのいくつかの炎症関連疾患に関与していると説明されている。この観察結果と一致しているのは、ELR-CXCケモカイン、CXCL9、CXCL10、及びCXCL11の上方調節であり、これらは、Th1細胞の移動により誘発されるEAE罹患マウスのCNSで上方調節される。Lovett-Racke,A.et al.Th1 versus Th17:Are T cell cytokines relevant in multiple sclerosis? Biochimca et Biophysica Acta(BBA)-Molecular Basis of Disease.1812(2):246-251(2011)。
【0154】
CXCL13は、細胞増殖、細胞再生、再生、及び炎症性応答に関与するバイオマーカーである。CXCL13は、CXCケモカインファミリーに属し、B細胞に対して選択的に走化性がある。それは、B細胞の組織化を調節するケモカイン受容体CXCR5と相互作用する。CXCL13の血清レベルは、多発性硬化症に関与している。Festa,E.et al.Serum levels of CXCL13 are elevated in active multiple sclerosis.Multiple Sclerosis Journal,15(11):1271-1279(2009)。
【0155】
CCL20は、樹状細胞の軸索誘導及び走化性に関与する11kDaのバイオマーカーである。CCL20は、免疫調節及び炎症プロセス(例えば、急性炎症反応)に関与するケモカインであり、ヒト脳の脈絡叢の上皮細胞で発現される。それは、CCR6の同族リガンドとして役立つ。
【0156】
OPGは、炎症、細胞アポトーシス、及びT細胞活性化プロセスに関与する55~60kDaのバイオマーカーである。OPGは、サイトカインTNFSF11(RANKL)及びおそらくTNFSF10(TRAIL)のおとり受容体であり、TNF受容体スーパーファミリーに属する。OPGは、エストロゲン及びカルシウム濃度の漸増により上方調節され、それは、炎症、自然免疫、ならびに細胞の生存及び分化における転写調節に関与し、例えば、TNFSF11に結合するOPGは、破骨細胞前駆細胞の成熟破骨細胞への分化を阻害し、OPGは、骨粗鬆症の処置に実験的に使用されている。OPGは、いくつかの炎症関連疾患、例えば、関節リウマチ、炎症性腸疾患、及び歯周炎、に関与していると説明されている。
【0157】
OPNは、炎症及び免疫調節に関与する33~44kDaのバイオマーカーである。OPNは、細胞性免疫、炎症、組織修復、及び細胞生存において機能する多面的インテグリン結合タンパク質である。OPNは、バイオミネラリゼーションでも関与する。
【0158】
PRTGは、神経新生、ニューロトロフィン結合、ニューロンの生存、及び脱髄に関与する180kDaのバイオマーカーである。それは、前後軸の伸長に関与し得る。PRTGは、膜タンパク質であり、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。これは主に、神経痛、脱髄性疾患、及び失読症と何らかの関連がある発達タンパク質であると考えられる。
【0159】
TNFRSF10Aは、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである50kDaのバイオマーカーである。TNFRSF10Aは、炎症及び神経変性プロセスに関与している。この受容体は、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TNFSF10/TRAIL)により活性化され、それにより、細胞死シグナルを伝達し、細胞アポトーシスを誘導する。
【0160】
ソマトトロピンまたはソマトロピンとしても既知のGHは、ヒト及び他の動物の成長、細胞繁殖、及び再生を刺激する神経内分泌マーカーである。それは、エネルギー恒常性及び代謝を調節する。特定の種類の細胞にのみ特異的なマイトジェンの一種である。以前の研究は、重症のMS患者の血清で減少することが示されている。Gironi,M.,et al.Growth hormone and Disease Severity in Early Stage of Multiple Sclerosis.Multiple Sclerosis International 2013:(2013)。
【0161】
成長ホルモン2、胎盤特異的成長ホルモン、及び成長ホルモンバリアントとしても既知のGH2は、筋芽細胞の成長制御、分化、及び増殖に関与するバイオマーカーである。それは、エネルギー恒常性及び代謝を調節する。それは、妊娠中に胎盤により産生及び分泌され、妊娠期の成長ホルモンの主要な形態である。
【0162】
VCAM-1は、80kDaの膜貫通型バイオマーカーであり、通常は、血管で発現し、血管内皮への細胞の接着を媒介する。VCAM-1は、複数の免疫グロブリンドメインを特徴とする。VCAM-1は、多発性硬化症に関与している。Peterson,J.et al.,VCAM-1-Positive Microglia Target Oligodendrocytes at the Border of Multiple Sclerosis Lesions,Journal of Neuropathology & Experimental Neurology,Volume 61,Issue 6,June 2002,Pages 539-546.Matsuda,M.et al.Increased levels of soluble vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)in the cerebrospinal fluid and sera of patients with multiple sclerosis and human T lymphotropic virus type-1-associated myelopathy.J.Neuroimmunology,59(1-2):35-40(1995)。
【0163】
様々な実施形態では、バイオマーカーパネルは、さらに、本明細書に記載されるさらなる追加のバイオマーカーを含んでもよい。様々な実施形態では、これらのさらなる追加のバイオマーカーは、上記のバイオマーカーの代替可能なバイオマーカーとして役立つ。様々な実施形態では、さらなる追加のバイオマーカーは、以下を含む:細胞接着分子3(CADM3)、カリクレイン関連ペプチダーゼ6(KLK6)、ブレビカン(BCAN)、オリゴデンドロサイトミエリン糖タンパク質(OMG)、CD5分子(CD5)、細胞毒性及び調節性T細胞分子(CRTAM)、CD244分子(CD244)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(TNFRSF9)、プロテイナーゼ3(PRTN3)、フォリスタチン様3(FSTL3)、CXCモチーフケモカインリガンド10(CXCL10)、CXCモチーフケモカインリガンド11(CXCL11)、インターロイキン18結合タンパク質(IL-18BP)、マクロファージスカベンジャー受容体1(MSR1)、CCモチーフケモカインリガンド3(CCL3)、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー12(TWEAK)、トレフォイル因子3(TFF3)、エクトヌクレオチドピロホスファターゼ/ホスホジエステラーゼ2(ENPP2)、インスリン様成長因子結合タンパク質1(IGFBP-1)、インターロイキン12A(IL12A)、発作関連6ホモログ様(SEZ6L)、ジペプチジルペプチダーゼ様6(DPP6)、ニューロカン(NCAN)、尿細管間質性腎炎抗原様1(TINAGL1)、カルシウム活性化ヌクレオチダーゼ1(CANT1)、ネクチン細胞接着分子2(NECTIN2)、神経増殖、分化及び制御タンパク質1(NPDC1)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー11A(TNFRSF11A)、コンタクチン4(CNTN4)、神経栄養性受容体型チロシンキナーゼ2(NTRK2)、神経栄養性受容体型チロシンキナーゼ3(NTRK3)、カドヘリン6(CDH6)、癌胎児性抗原関連細胞接着分子8(CEACAM8)、有糸分裂停止欠損1様1(MAD1L1)、IgA受容体のFcフラグメント(FCAR)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、オステオモジュリン(OMD)、マトリックス細胞外ホスホ糖タンパク質(MEPE)、GDNFファミリー受容体α3(GDNFR-α3)、スカベンジャー受容体クラスFメンバー2(SCARF2)、CD40リガンド(IgM)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー1B(TNF-R2)、プログラム細胞死1リガンド(PD-L1)、Notch3(NOTCH3)、コンタクチン1(CNTN1)、オンコスタチンM(OSM)、トランスフォーミング成長因子α(TGF-α)、ペプチドグリカン認識タンパク質1(PGLYRP1)、一酸化窒素シンターゼ3(NOS3)、ディスコイジンドメイン受容体型チロシンキナーゼ1(DDR1)、CXCモチーフケモカインリガンド16(CXCL16)、CD166抗原(ALCAM)、スポンジン2(SPON2)、及びプロトカドヘリン17(PCDH17)。
【0164】
CADM3は、細胞間接着に関与し、IGSF4、NECTIN1、NECTIN3、及びEPB41L1のいずれかと相互作用する。CADM3は、接着結合の組織化、異好性細胞間接着、同種親和性細胞接着、及びタンパク質局在化の生物学的プロセスに関与している。
【0165】
KLK6は、αシヌクレイン、アミロイド前駆体タンパク質、ミエリン塩基性タンパク質、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質、及びフィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、及びコラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質に対して活性を示すセリンプロテアーゼである。KLK6は、アミロイド前駆体タンパク質の代謝プロセス、CNS発達、髄鞘形成、タンパク質の自動処理、細胞分化及びニューロン発達の調節、創傷への応答、及び組織再生の生物学的プロセスに関与している。
【0166】
BCANは、プロテオグリカンであり、レクチカンタンパク質ファミリーのメンバーである。BCANは、細胞接着、CNS発達、コンドロイチン硫酸生合成及び異化作用プロセス、細胞外マトリックス組織化、及び軸索シナプス成熟の生物学的プロセスに関与している。
【0167】
OMGは、中枢神経系の髄鞘形成に関与する細胞接着分子である。OMGは、細胞接着、軸索形成の調節、及びニューロン投射再生の生物学的プロセスに関与している。
【0168】
CD5は、Tリンパ球などの細胞の表面に発現することができるシグナル伝達分子である。CD5は、アポトーシスシグナル伝達経路、細胞認識、T細胞増殖、及びT細胞共刺激の生物学的プロセスに関与している。
【0169】
CRTAMは、免疫グロブリンスーパーファミリー膜貫通タンパク質であり、獲得免疫応答、細胞認識、刺激または細胞の検出、及び免疫応答の調節の生物学的プロセスに関与している。CRTAMは、さらに、様々なT細胞サブセットの活性化、分化、及び組織保持を調節する異好性細胞間接着に関与している。
【0170】
CD244は、ナチュラルキラー細胞で発現されるシグナル伝達リンパ球活性化分子のメンバーである。CD244は、免疫応答(獲得及び自然)、白血球遊走、サイトカイン分泌の調節、及びシグナル伝達の生物学的プロセスに関与している。CD244は、多種多様な免疫細胞の活性化及び分化を調節し、それにより、自然及び獲得免疫応答の両方の調節及び相互連関に関与している。
【0171】
TNFRSF9は、腫瘍壊死因子受容体ファミリーメンバーであり、TNFRシグナル伝達経路、細胞増殖、及びアポトーシスプロセスの生物学的プロセスに関与している。TNFRSF9は、活性化T細胞により発現される。
【0172】
PRTN3は、好中球顆粒球により発現されるセリンプロテアーゼである。PRTN3は、抗菌性体液性応答、血液凝固、好中球活性、タンパク質分解、及びサイトカイン媒介性シグナル伝達経路の生物学的プロセスに関与している。
【0173】
FSTL3は、フォリスタチンモジュールタンパク質ファミリーの分泌型糖タンパク質である。FSTL3は、アクチビン/フィブロネクチン結合、器官発達、骨形成、骨化、及び細胞間接着の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0174】
CXCL10及びCXCL11は、それぞれ、CXCケモカインファミリーのサイトカインである。CXCL10及びCXCL11は、免疫応答、炎症性応答、細胞シグナル伝達、走化性、T細胞動員、及び細胞増殖の生物学的プロセスに関与している。
【0175】
IL-18BPは、炎症性サイトカインIL18の阻害剤として役立つタンパク質である。IL-18BPは、サイトカイン刺激、IL-18媒介性シグナル伝達経路、及び免疫応答の生物学的プロセスに関与している。
【0176】
MSR1は、マクロファージにより発現される膜糖タンパク質である。MSR1は、エンドサイトーシス及びコレステロールの輸送及び貯蔵の生物学的プロセスに関与しており、アテローム発生中の動脈壁へのコレステロールの病理学的沈着に関与し得る。
【0177】
CCL3は、CCR1、CCR4、及びCCR5に結合する炎症性及びケモキネシス特性を有するモノカインである。CCL3は、細胞遊走(例えば、リンパ球及びマクロファージの走化性)、カルシウム媒介性シグナル伝達、細胞間シグナル伝達、サイトカイン分泌、及び炎症性応答の生物学的プロセスに関与している。
【0178】
TWEAKは、腫瘍壊死因子リガンドファミリーのサイトカインである。TWEAKは、血管新生、細胞分化、免疫応答、シグナル伝達、アポトーシス、及びTNF媒介性シグナル伝達経路の生物学的プロセスに関与している。TWEAKは、さらに、内皮細胞の増殖及び遊走を促進する。
【0179】
TFF3は、杯細胞により通常産生され且つ胃腸管に関与する6kDaの糖タンパク質である。TFF3は、胃腸上皮の維持及び治癒、ならびにグルコース代謝プロセスの調節の生物学的プロセスに関与している。
【0180】
ENPP2は、脂質シグナル伝達分子であるリゾホスファチジン酸の産生に関与するホスホジエステラーゼである。ENPP2は、リゾリン脂質を加水分解し、細胞運動、走化性、免疫応答、及び血管新生の生物学的プロセスに関与している。
【0181】
IGFBP-1は、インスリン様成長因子結合タンパク質ファミリーのメンバーである。それは、インスリン様成長因子(IGF)I及びIIに結合する。IGFBP-1は、老化、細胞代謝プロセス、細胞成長、シグナル伝達、及び組織再生の生物学的プロセスに関与している。
【0182】
IL-12Aは、他のIL-12Bサブユニットと共に、一緒にIL-12ヘテロダイマーを形成するサブユニットである。IL-12Aは、細胞遊走、細胞増殖、細胞接着、細胞分化、免疫細胞(例えば、T細胞、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞)活性化の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0183】
SEZ6Lは、主に、小胞体膜内に位置するタンパク質であり、それは、ニューロンの小胞体機能を調節する。SEZ6Lは、シナプス成熟、成人の運動行動、及びプロテインキナーゼCシグナル伝達の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0184】
DPP6は、セリンプロテアーゼのペプチダーゼS9Bファミリーのメンバーである膜タンパク質である。DPP6は、カリウムチャネルの調節及び原形質膜へのタンパク質の局在化の生物学的プロセスに関与しており、筋萎縮性側索硬化症への感受性に影響を与え得る。
【0185】
NCANは、レクチカン/コンドロイチン硫酸プロテオグリカンファミリーのメンバーであるタンパク質である。NCANは、細胞接着、CNS発達、ECM組織化、ならびにコンドロイチン硫酸及びデルマタンの合成の生物学的プロセスに関与している。NCANは、神経細胞接着分子に結合することにより、発達中の神経細胞接着及び神経突起成長に関与している。
【0186】
TINAGL1は、細胞接着、増殖、遊走、及び分化の生物学的プロセスに関与する細胞外マトリックスタンパク質である。TINAGL1は、さらに、エンドサイトーシス及びエンドソーム輸送に関与する。
【0187】
CANT1は、ウリジンジホスファートの選好のカルシウム依存性ヌクレオチダーゼである。CANT1は、カルシウムイオン結合の調節、好中球の脱顆粒、NF-κBシグナル伝達の調節、及びプロテオグリカン生合成プロセスの生物学的プロセスに関与している。CANT1は、ヌクレオチドの代謝などの代謝プロセスを調節する。
【0188】
NECTIN2は、接着結合の構成要素として役立つ膜糖タンパク質である。NECTIN2は、細胞間接着(接着結合組織を介して)、細胞骨格組織、ウイルス受容体活性、ならびにNK細胞及びT細胞活性の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0189】
NPDC1は、主に、脳で発現されるタンパク質である。NPDC1は、免疫応答の調節ならびに神経細胞の発達及び増殖の生物学的プロセスに関与している。NPDC1は、神経及び非神経細胞の発がん性形質転換を抑制し、神経細胞増殖を下方調節する。
【0190】
TNFRSF11Aは、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。TNFRSF11Aは、細胞間シグナル伝達、免疫応答、単球走化性、及びTNF媒介性シグナル伝達経路の生物学的プロセスに関与している。さらに、TNFSF11Aは、破骨細胞形成に関与する。
【0191】
CNTN4は、免疫グロブリンのコンタクチンファミリーのメンバーである。CNTN4は、軸索誘導及び発達、シナプス形成、神経系発達中の細胞表面相互作用、脳の発達、ニューロン細胞間接着、ニューロン投射、ニューロン分化、及びシナプス可塑性の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0192】
NTKR2は、脳由来の神経向性因子に結合する受容体型チロシンキナーゼ(神経栄因子チロシン受容体キナーゼファミリーの一部)である。NTKR2は、ニューロンの生存、増殖、遊走、分化、シナプス形成、及びシナプス可塑性の生物学的プロセスに関与している。
【0193】
NTKR3は、ニューロトロフィン3に結合する受容体型チロシンキナーゼ(神経栄因子チロシン受容体キナーゼファミリーの一部)である。NTKR3は、GTPase及びMAPK活動性の調節、星状細胞分化の調節、神経系の発達、及びニューロン遊走の生物学的プロセスに関与している。
【0194】
CDH6は、細胞間接着を媒介するカドヘリンスーパーファミリーのメンバーである。CDH6は、細胞間接着(接着結合組織)、細胞形態形成、及びNotchシグナル伝達経路の生物学的プロセスに関与している。CDH6は、CD6との相互作用を介して、異型の細胞間接触及び同型の細胞間接触の両方を媒介する。CDH6は、さらに、軸索伸長及び軸索誘導に関与している。
【0195】
CEACAM8は、癌胎児性抗原(CEA)スーパーファミリーに属する細胞表面糖タンパク質である。CEACAM8は、免疫応答の調節、白血球遊走、好中球脱顆粒、及び細胞間接着の生物学的プロセスに関与している。
【0196】
MAD1L1は、有糸分裂紡錘体アセンブリチェックポイントタンパク質である。MAD1L1は、細胞分裂及び有糸分裂細胞周期チェックポイントの生物学的プロセスに関与している。
【0197】
FCARは、好中球、単球、及びマクロファージなどの免疫細胞の表面にある膜貫通糖タンパク質である。FCARは、免疫応答の調節、好中球の活性化/脱顆粒、及びサイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン、TNF)への応答の生物学的プロセスに関与している。
【0198】
MPOは、好中球顆粒球で発現されるヘムタンパク質(酵素)である。MPOは、免疫応答、好中球脱顆粒、及びクロマチン/ヘム/ヘパリンの結合の生物学的プロセスに関与している。
【0199】
OMDは、バイオミネラリゼーションプロセス及び骨芽細胞の結合に関与していることが示唆される。OMDは、細胞接着の生物学的プロセス及び骨の石灰化の調節に関与している。
【0200】
MEPEは、小さなインテグリン結合リガンドであるN結合型糖タンパク質(SIBLING)ファミリーのカルシウム結合リンタンパク質である。MEPEは、細胞外マトリックスの結合/調節、生体鉱物組織の発達、骨格系の発達、ならびに骨及び軟骨の石灰化の生物学的プロセスに関与している。MEPEは、腎臓のリン酸塩排泄に関与し、腸のリン酸塩吸収を阻害する。MEPEは、さらに、歯髄幹細胞の増殖及び分化に関与している。
【0201】
GDNFR-α3は、グリア細胞株由来神経栄養因子であり、GDNF受容体ファミリーのメンバーであり、アルテミン(ARTN)に結合する。GDNFR-α3は、軸索誘導、神経系発達、ニューロン遊走、GDNF受容体活性、ならびにシグナル伝達受容体活性及び結合の生物学的プロセスに関与している。
【0202】
SCARF2は、スカベンジャー受容体タイプFファミリーのメンバーである。SCARF2は、接着タンパク質であり、スカベンジャー受容体活性及び細胞間接着の生物学的プロセスに関与している。
【0203】
CD40リガンドは、活性化T細胞及び分子のTNFスーパーファミリーのメンバーで1次発現される。CD40リガンドは、B細胞の分化及び増殖、炎症性応答、白血球細胞間接着、血小板活性化、T細胞共刺激、及びTNF媒介性シグナル伝達経路の生物学的プロセスに関与している。
【0204】
TNF-R2は、腫瘍壊死因子αに結合する膜受容体である。TNF-R2は、TNF媒介性シグナル伝達経路、好中球脱顆粒、神経炎症性応答の調節、及び細胞シグナル伝達の生物学的プロセスに関与している。TNF-R2は、抗酸化経路を刺激することにより、アポトーシスからニューロンを保護し、抗酸化経路を刺激することにより、アポトーシスからニューロンを保護する。
【0205】
PD-L1は、PD-1に結合するリガンドであり、がん免疫療法のチェックポイント阻害薬研究における重要な標的である。PD-L1は、免疫応答、インターフェロン調節、T細胞増殖、T細胞共刺激、細胞遊走、及びサイトカイン産生の生物学的プロセスに関与している。
【0206】
NOTCH3は、Notchシグナル伝達経路に関与するNOTCH受容体ファミリーのタンパク質である。NOTCH3は、遺伝子活性化、カルシウムイオン結合、シグナル伝達受容体活性、ニューロンの運命決定、及び脳の発達の生物学的プロセスに関与している。さらに、NOTCH3は、細胞運命決定を調節する。
【0207】
CNTN1は、細胞接着に関与する神経細胞膜タンパク質である。CNTN1は、ニューロン投射発達、脳の発達、細胞接着、及びNotchシグナル伝達の生物学的プロセスに関与している。
【0208】
OSMは、インターロイキン6サイトカインファミリーのサイトカインである。OSMは、免疫応答、細胞増殖/分裂、炎症性応答、及びサイトカイン活性(例えば、MAPK及びSTAT経路)の調節の生物学的プロセスに関与している。
【0209】
TGFAは、マイトジェンポリペプチドであり、表皮成長因子ファミリーの一部である。TGFAは、成長因子活性、シグナル伝達経路(例えば、MAPK、EGF)、細胞分裂/増殖、及びシグナル伝達の生物学的プロセスに関与している。
【0210】
PGLYRP1は、ペプチドグリカン結合タンパク質であり、自然免疫応答、炎症性応答、好中球脱顆粒、及びペプチドグリカン免疫受容体活性の生物学的プロセスに関与している。
【0211】
NOS3は、一酸化窒素の生成を調節する。NOS3は、血管新生、血管リモデリング、内皮細胞遊走、血管拡張、血管平滑筋弛緩、及び血小板の活性化による血液凝固の促進の生物学的プロセスに関与している。
【0212】
DDR1は、細胞外マトリックスへの細胞接着、細胞外マトリックスのリモデリング、細胞移動、分化、ならびに生存及び細胞増殖を調節する。さらに、DDR1は、平滑筋の細胞遊走を促進する。
【0213】
CXCL166は、免疫調節に関与し、マクロファージのスカベンジャー受容体として役立つ。
【0214】
IL6は、B細胞、リンパ球、及び単球の分化に関与するサイトカインである。
【0215】
ALCAMは、軸索誘導、胚性及び人工多能性幹細胞の分化経路、及び系統特異的マーカー、ならびにL1CAM相互作用に関与している。
【0216】
NTRK2は、ニューロンの生存、増殖、遊走、分化、ならびにシナプス形成及び可塑性の調節を通じて、中枢及び末梢神経系の発達及び成熟に関与している。
【0217】
SPON2は、海馬の胚性ニューロンの伸長に関与している。
【0218】
NTRK3は、神経系の調節及び心臓の発達に関与している。
【0219】
PCDH17は、脳内の特定の細胞間結合の確立及び機能に関与している。
【0220】
VI.アッセイ
図1Aに示されるように、システム環境100は、1つ以上のバイオマーカーの発現レベルを評価するためのマーカー定量化アッセイ120を実装することを含む。
1つ以上のマーカーのアッセイ(例えば、マーカー定量化アッセイ120)の例としては、DNAアッセイ、マイクロアレイ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、RT-PCR、サザンブロット、ノーザンブロット、抗体結合アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、タンパク質アッセイ、ウェスタンブロット、ネフェロメトリー、濁度測定、クロマトグラフィー、質量分析、例として、限定されないが、RIA、免疫蛍光、免疫化学発光、免疫電気化学発光、または競合免疫アッセイを含む免疫アッセイ、免疫沈降、及び以下の実施例のセクションに記載のアッセイが挙げられる。アッセイの情報は、定量的であり、本発明のコンピューターシステムに送ることができる。情報は、また、観察パターンまたは蛍光などの定性的なものであり得、これは、定量的測定値に、ユーザーが変換するか、またはリーダーもしくはコンピューターシステムが自動的に変換することができる。
【0221】
マルチプレックスアッセイを含むスクリーニングで、マーカーを定量化するために設計された様々なイムノアッセイを使用することができる。サンプルまたはその分画中の標的マーカーの濃度を測定することは、様々な特定のアッセイにより達成することができる。例えば、従来のサンドイッチタイプのアッセイは、アレイ、ELISA、RIAなどの形式で使用することができる。他のイムノアッセイとしては、抗体結合の簡単な測定を提供するオクタロニープレートが挙げられる。さらに、ウェスタンブロットは、必要に応じてマーカーに固有の検出システムを使用して、便利な標識方法を使用して、フィルター上のタンパク質ゲルまたはタンパク質スポットで実施することができる。
【0222】
ポリペプチド(例えば、マーカー)に特異的に結合する抗体を使用するタンパク質ベースの分析は、対象から得られたテストサンプル中のマーカーレベルを定量化するために使用することができる。様々な実施形態では、マーカーに結合する抗体は、モノクローナル抗体であり得る。様々な実施形態では、マーカーに結合する抗体は、ポリクローナル抗体であり得る。マーカーの多重分析では、1つ以上のマーカー親和性試薬、例えば、抗体、を含有するアレイを生成することができる。マーカーに対する抗体を含む、そのようなアレイを構築することができる。検出は、マーカー親和性試薬の1つまたはパネル、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、またはそれ以上のマーカーに特異的な親和性試薬のパネルまたはカクテル、を利用し得る。
【0223】
様々な実施形態では、マルチプレックスアッセイは、標的バイオマーカーに結合し、その後のバイオマーカーの定量化を可能にするオリゴヌクレオチド標識抗体プローブの使用を含む。オリゴヌクレオチド標識抗体プローブを含むマルチプレックスアッセイの一例は、近接伸長アッセイ(PEA)技術(Olink Proteomics)である。要約すると、オリゴヌクレオチド標識抗体の対は、バイオマーカーに結合し、2つのオリゴヌクレオチド配列は、互いに相補的である。従って、両方の抗体が標的バイオマーカーに結合する場合にのみ、オリゴヌクレオチド配列は互いにハイブリダイズするであろう。ミスマッチオリゴヌクレオチド配列(抗体の非特異的結合または抗体の交差反応性により生じる)は、ハイブリダイズせず、それ故、読み出しは行われないであろう。ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド配列は、核酸の伸長及び増幅を経た後、マイクロ流体qPCRを使用して定量化される。定量化されたレベルは、それぞれのバイオマーカーの定量的発現値と相関する。
【0224】
様々な実施形態では、マルチプレックスアッセイは、バイオマーカーの結合及び検出を可能にするビーズコンジュゲート抗体(例えば、捕捉抗体)の使用を含む。ビーズコンジュゲート抗体を含むマルチプレックスアッセイの一例は、LuminexのxMAP(登録商標)技術である。ここでは、ビーズ結合抗体は、ビオチン化検出抗体と共にサンプルに添加される。両方の抗体は、目的のバイオマーカーに特異的であり、それ故、抗体-抗原サンドイッチを形成する。さらに、ストレプトアビジンが添加され、これが、ビオチン化検出抗体に結合し、複合体の検出を可能にする。Luminex 200(商標)またはFlexMap(登録商標)アナライザーは、サンプル中のバイオマーカーの量を同定及び定量化するために用いられる。様々な実施形態では、マルチプレックスアッセイは、LuminexのxMAP(登録商標)技術、例えば、Myriad Rules Based Medicine(RBM),Incによるマルチ分析物プロファイル(MAP)技術、に対する改善を表す。
【0225】
様々な実施形態では、マーカー定量化アッセイ120(例えば、イムノアッセイ)の実装の前に、対象から得られたサンプルを処理することができる。様々な実施形態では、サンプルの1つ以上のバイオマーカーの発現レベルをより正確に評価するために、サンプルを処理することにより、マーカー定量化アッセイ120の実装が可能になる。
【0226】
様々な実施形態では、対象由来のサンプルは、サンプルからバイオマーカーを抽出するために処理することができる。一実施形態では、サンプルは、サンプルの他の部分からバイオマーカーを分離するために、相分離を受けることができる。例えば、サンプルは、バイオマーカーからサンプル中のより大きな及び/またはより密度の高いエンティティ(例えば、細胞及び他の巨大分子)を分離するために、遠心分離(例えば、ペレット化または密度勾配遠心分離)を受け得る。他の例としては、サンプルの他の部分からバイオマーカーを相分離する濾過(例えば、限外濾過)が挙げられる。
【0227】
様々な実施形態では、対象由来のサンプルは、サンプル中にあったバイオマーカーの分画を含むサブサンプルを生成するために、処理することができる。様々な実施形態では、バイオマーカーの分画を生成することは、タンパク質分別手順を実施することを含み得る。タンパク質分画手順の一例としては、クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過、イオン交換、疎水性クロマトグラフィー、またはアフィニティークロマトグラフィー)が挙げられる。特定の実施形態では、タンパク質分別手順は、バイオマーカーが特定の抗体により結合されるアフィニティー精製または免疫沈降を含む。そのような抗体は、磁性粒子もしくはナノ粒子またはプレートなどの支持体上に固定化することができる。
【0228】
様々な実施形態では、対象由来のサンプルは、サンプルからバイオマーカーを抽出するために処理され、さらに、抽出バイオマーカーの分画を含むサブサンプルを生成するために処理される。全体として、これにより、特に目的のバイオマーカーの精製されたサブサンプルが可能になる。従って、特に目的のバイオマーカーの発現レベルを評価するためのアッセイ(例えば、イムノアッセイ)を実装することは、より正確でより高品質であり得る。様々な実施形態では、特定のバイオマーカーは、バイオマーカーパネルのバイオマーカーであり得、この実施形態は、本明細書に記載される。例として、バイオマーカーパネルのバイオマーカーは、NEFL、MOG、CD6、CXCL9、OPG、OPN、CXCL13、GFAP、CDCP1、CCL20、IL-12B、APLP1、TNFRSF10A、COL4A1、SERPINA9、FLRT2、TNFSF13B、GH、VCAN、PRTG、及びCNTN2のうちの2つ以上を含み得る。
【0229】
VII.治療薬及び治療薬のための組成物
様々な実施形態では、治療薬は、個体からサンプルを取得し且つ得られたサンプルの1つ以上のマーカーの定量的発現値を決定する前及び/または後に個体に提供される。一例として、定量的発現値を受け取る予測モデルは、個体が多発性硬化症と診断され、治療薬が提供されることを予測する。別の例では、予測モデルは、提供された治療薬が、以前に診断された個体の多発性硬化症に対して治療有効性を示していることを予測する。
【0230】
様々な実施形態では、治療薬は、生物学的、例えば、サイトカイン、抗体、可溶性サイトカイン受容体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAなどである。そのような生物学的薬剤は、生物学的薬剤のムテイン及び誘導体を包含し、これらの誘導体は、例えば、当該技術分野で既知の、融合タンパク質、PEG化誘導体、コレステロールコンジュゲート誘導体などを含むことができる。サイトカイン及びサイトカイン受容体のアンタゴニスト、例えば、トラップ及びモノクローナルアンタゴニスト、例えば、IL-1Ra、IL-1トラップ、sIL-4Raなども含まれる。本明細書に記載の活性薬と生物学的に類似または生物学的に同等の薬物も含まれる。
【0231】
多発性硬化症の治療薬は、コルチコステロイド、血漿交換、オクレリズマブ(Ocrevus(登録商標))、IFN-β(Avonex(登録商標)、Betaseron(登録商標)、Rebif(登録商標)、Extavia(登録商標)、Plegridy(登録商標))、グラチラマーアセタート(Copaxone(登録商標)、Glatopa(登録商標))、抗VLA4(Tysabri、ナタリズマブ)、ジメチルフマラート(Tecfidera(登録商標)、Vumerity(登録商標))、テリフルノミド(Aubagio(登録商標))、モノメチルフマラート(Bafiertam(商標))、オザニモド(Zeposia(登録商標))、シポニモド(Mayzent(登録商標))、フィンゴリモド(Gilenya(登録商標))、抗CD52抗体(例えば、アレムツズマブ(Lemtrada(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、メトトレキサート、クラドリビン(Mavenclad(登録商標)、シンバスタチン、及びシクロホスファミド)を含む。治療薬に加えて、またはそれに代わるものとして、多発性硬化症の他の処置は、ライフスタイルの変更、例えば、理学療法または食事の変更、を含む。方法は、1つ以上の治療薬及び/または追加の処置の併用療法も提供し、組み合わせは、相加的または相乗的利益も提供し得る。
【0232】
個体に投与される医薬組成物は、上記の治療薬などの活性薬を含む。有効成分は、治療上有効な量、すなわち、疾患またはそれにより媒介される病状を処置するために投与される場合の十分な量、で存在する。組成物は、送達及び有効性を増強する、例えば、活性成分の送達及び安定性を増強する、様々な他の薬剤も含み得る。従って、例えば、組成物は、所望の製剤に応じて、薬学的に許容される非毒性の担体または希釈剤も含み得、これは、動物またはヒト投与用の医薬組成物を製剤化するために一般に使用されるビヒクルとして定義される。希釈剤は、組み合わせの生物学的活性に影響を与えないように選択される。そのような希釈剤の例は、蒸留水、緩衝水、生理食塩水、PBS、リンゲル液、デキストロース溶液、及びハンクス液である。さらに、医薬組成物または製剤は、他の担体、アジュバント、または非毒性、非治療的、非免疫原性安定剤、賦形剤などを含み得る。組成物は、生理学的条件、例えば、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤、湿潤剤、ならびに洗剤に近い追加の物質も含み得る。組成物は、抗酸化剤などの様々な安定剤のいずれかも含み得る。
【0233】
本明細書に記載の医薬組成物は、様々な異なる方法で投与することができる。例としては、経口、鼻腔内、直腸、局所、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下(subcutaneous)、皮下(subdermal)、経皮、髄腔内、または頭蓋内の方法を介して、薬学的に許容される担体を含有する組成物を投与することが挙げられる。
【0234】
そのような医薬組成物は、予防のために(例えば、多発性硬化症患者の診断前)または処置のために(例えば、多発性硬化症患者の診断後)投与されてもよい。本発明の文脈で使用される疾患または障害の予防(Preventing)、予防(prophylaxis)、または予防(prevention)は、多発性硬化症または多発性硬化症の症状の一部もしくは全ての発生もしくは発症を予防するか、あるいは、疾患または障害の発症の可能性を低下させる組成物の投与を指す。多発性硬化症の処置(treating)、処置(treatment)、または治療法は、本発明による処置の投与により疾患の進行を遅らせること、停止させること、または後退させることを意味するものとする。好ましい実施形態では、多発性硬化症を処置することは、理想的には、疾患自体を排除する点まで、疾患の進行を後退させることを意味する。
【0235】
VIII.対象の疾患活動性
本明細書に記載の方法は、予測モデルへの入力としてバイオマーカーの定量的発現レベルを適用することにより、対象の疾患活動性を評価することに焦点を合わせている。様々な実施形態では、対象は、疾患活動性の予測された評価に基づいてカテゴリーに分類される。対象を分類するために、対象の予測は、以前に臨床的に診断されたカテゴリーに分類されている個体の結果と比較されてもよい。例えば、個体は、MSの診断(例えば、MSの存在)、静止または悪化状態の分類、総合障害度評価尺度(EDSS)による障害のレベルでの分類、治療法への臨床応答の同定、及びMSを発症するリスクの臨床的同定、のうちの1つに臨床的に分類されてもよい。臨床カテゴリーは、MS機能複合体(MSFC)、時間測定25フィート歩行(T25Fw)、9ホールペグテスト(9HPT)、またはPDDS/MSSS(患者由来の障害状態尺度)のいずれかを使用して決定することもできる。個体は、特定数のガドリニウム増強病変(例えば、わずかな疾患活動性)または少なくとも1つのガドリニウム増強病変の存在(例えば、通常の疾患活動性)などのMS疾患活動性に対し測定可能なものに基づいて臨床的に分類され得る。臨床的分類は、T2病変(新規または拡大)、ゆっくりと拡大する病変、縁の拡大する病変、脳実質分画(BPF)及び変化百分率、灰白質分画、白質分画、視床容積、皮質である灰白質容積、深部灰白質容積、または補助特徴(例えば、ドーソン指)の放射線技師のメモを含む放射線測定に基づいて行うこともできる。以前の個体の分類は、臨床基準に基づいて発生し得る。
【0236】
MSの臨床診断は、様々な方法で行うことができる。一例として、MSの臨床診断は、MSの結果として形成される病変またはプラークを同定するために、脳及び脊髄の磁気共鳴画像法(MRI)を介して行うことができる。マクドナルド基準は、診断を行う際に用いることができる。MSの臨床診断は、MSの存在による髄液中の抗体濃度の異常を観察する腰椎穿刺(脊椎穿刺)により行うこともできる。MSの臨床診断は、誘発電位テスト(神経系のニューロンにより生成された電気シグナルが、刺激に応答して記録される)により行うこともできる。伝達障害は、MSの存在を示す。
【0237】
静止状態対悪化状態のMSと以前に診断された患者の臨床分類は、様々な要因に依存し得る。すなわち、患者は、MSと関連する新しい疾患(例えば、臨床的鬱病または視神経炎などの共存症または症状)を呈した後、悪化状態に臨床的に分類することができる。別の例として、患者は、症状の著しい悪化を呈する場合、悪化した状態に臨床的に分類される。例は、バランス及び/または運動能の悪化、視力、目の痛み、疲労、及び/または心臓関連問題を含んでもよい。MSと以前に診断された患者は、新しい疾患または症状の変化もしくは悪化を呈さない場合、静止状態に臨床的に分類することができる。
【0238】
以前にMSと診断された患者が治療法に応答していることの判定は、様々な臨床可変要素に依存し得る。例えば、治療法への応答は、再発の発生または欠如に基づいて判定することができる。再発が生じなければ、患者は、治療法に応答したとみなすことができる。治療法への応答は、再発の総数、最初の再発までの時間、患者のEDSSスコア、患者のEDSSスコアの変化(例えば、治療法への応答がないことに対応するスコアの増加)、MRI状態の変化(例えば、追加の病変またはプラークの発生は、治療法への応答の欠如に対応する)に基づいて判定することもできる。
【0239】
患者は、疾患進行の評価基準となり得る障害のレベルに臨床的に分類することができる。例えば、EDSSは、患者のMSの重症度を判断するために使用することができる。それ故、患者は、0.5ポイント間隔で、1.0~10.0のEDSSスコアに対応するカテゴリーに分類される。通常、EDSSスコア1.0~4.5は、補助なし歩行が可能なMS患者を指す。EDSSスコア5.0~9.5は、歩行能力が損なわれているMS患者を指し、スコアが高いほど、障害の程度が高くなる。
【0240】
IX.コンピューターの実装
個体の多発性硬化症活動性を評価する方法を含む本発明の方法は、いくつかの実施形態では、1つ以上のコンピューターで実施される。
【0241】
例えば、予測モデル及びデータベースストレージの構築及びデプロイは、ハードウェアもしくはソフトウェア、またはその両方の組み合わせで実装することができる。本発明の一実施形態では、機械可読ストレージ媒体が提供され、媒体は、機械可読データでコードされたデータストレージ材料を含み、該データを使用するための命令がプログラムされた機械を使用する場合、本発明の予測モデルのデータセット及び実行及び結果のいずれかを表示することが可能である。そのようなデータは、患者のモニタリング、処置の考慮事項などの様々な目的に使用することができる。本発明は、プロセッサー、データストレージシステム(揮発性及び不揮発性メモリー及び/またはストレージ要素を含む)、グラフィックアダプター、ポインティングデバイス、ネットワークアダプター、少なくとも1つの入力デバイス、ならびに少なくとも1つの出力デバイスを含むプログラム可能なコンピューター上で実行されるコンピュータープログラムに実装することができる。ディスプレイは、グラフィックアダプターに接続されている。プログラムコードは、上記の機能を実行し、出力情報を生成するために入力データに適用される。出力情報は、既知の方法で1つ以上の出力デバイスに適用される。コンピューターは、例えば、従来の設計のパーソナルコンピューター、マイクロコンピューター、またはワークステーションであり得る。
【0242】
各プログラムは、コンピューターシステムと通信するために、高レベルの手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装することができる。しかし、プログラムは、必要に応じて、アセンブリまたは機械語で実装することができる。いずれの場合でも、言語は、コンパイル済みまたはインタプリタ言語であり得る。コンピューターを構成及び操作するための、そのような各コンピュータープログラムは、好ましくは、ストレージ媒体またはデバイスが本明細書に記載の手順を実施するコンピューターにより読み取られる時、汎用または特殊目的のプログラム可能なコンピューターにより可読なストレージ媒体またはデバイス(例えば、ROMまたは磁気ディスケット)で格納される。コンピュータープログラムで構成されたシステムは、コンピューター可読ストレージ媒体として実装されるとみなすこともでき、そのように構成されたストレージ媒体は、コンピューターを特定の事前定義された方法で操作させて、本明細書に記載の機能を実施する。
【0243】
シグネチャーパターン及びそのデータベースは、使用を容易にするために様々な媒体で提供することができる。「媒体」は、本発明のシグネチャーパターン情報を含有する製品を指す。本発明のデータベースは、コンピューター可読媒体、例えば、コンピューターにより直接読み取ってアクセスすることができる任意の媒体、に記録することができる。そのような媒体は、以下が含まれるが、これらに限定されない:磁気ストレージ媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクストレージ媒体、及び磁気テープ;光ストレージ媒体、例えば、CD-ROM;電気ストレージ媒体、例えば、RAM及びROM;ならびにこれらのカテゴリーのハイブリッド、例えば、磁気/光学ストレージ媒体。現在既知のコンピューター可読媒体のどれが、本データベース情報の記録を含む製品を作成するために使用することができるかを、当業者は容易にプロセス理解し得る。「記録された」とは、当該技術分野で知られているような方法を使用して、コンピューター可読媒体に情報を格納するためのプロセスを指す。任意の便利なデータストレージ構造は、格納された情報にアクセスするために使用される手段に基づいて選択することができる。様々なデータプロセッサープログラム及びフォーマットは、ストレージ、例えば、ワードプロセッシングテキストファイル、データベースフォーマットなど、に使用することができる。
【0244】
いくつかの実施形態では、個体の多発性硬化症活動性を評価する方法を含む本発明の方法は、分散コンピューティングシステム環境(例えば、クラウドコンピューティング環境)の1つ以上のコンピューターで実施される。この説明では、「クラウドコンピューティング」は、構成可能なコンピューティングリソースの共有セットへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義されている。クラウドコンピューティングは、構成可能なコンピューティングリソースの共有セットへのオンデマンドアクセスを提供するために用いることができる。構成可能なコンピューティングリソースの共有セットは、仮想化を介して容易に供給し、少ない管理労力またはサービスプロバイダーとのやり取りでリリースし、次に、それに応じて拡大縮小することができる。クラウドコンピューティングモデルは、例えば、オンデマンドセルフサービス、幅広いネットワークアクセス、リソースの共用、スピーディな拡張性、サービスが計測可能であることなどの様々な特性で構成することができる。クラウドコンピューティングモデルは、例えば、サービスとして提供されるソフトウェア(「SaaS」)、サービスとして提供されるプラットフォーム(「PaaS」)、及びサービスとして提供されるインフラストラクチャー(「laaS」)などの様々なサービスモデルを公開することもできる。クラウドコンピューティングモデルは、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなどの様々なデプロイモデルを使用してデプロイすることもできる。この説明及び特許請求の範囲では、「クラウドコンピューティング環境」は、クラウドコンピューティングが用いられる環境である。
【0245】
VIII.A.例示的なコンピューター
図8は、
図1及び3に示されるエンティティを実装するための例示的なコンピューター800を示す。コンピューター800は、チップセット804に接続された少なくとも1つのプロセッサー802を含む。チップセット804は、メモリーコントローラーハブ820及び入力/出力(I/O)コントローラーハブ822を含む。メモリー806及びグラフィックアダプター812は、メモリーコントローラーハブ820に接続され、ディスプレイ818は、グラフィックアダプター812に接続される。ストレージデバイス808、入力デバイス814、及びネットワークアダプター816は、I/Oコントローラーハブ822に接続されている。コンピューター800の他の実施形態は、異なるアーキテクチャを有する。
【0246】
ストレージデバイス808は、非一時的なコンピューター可読ストレージ媒体、例えば、ハードドライブ、コンパクトディスク読み取り専用メモリー(CD-ROM)、DVD、またはソリッドステートメモリーデバイス、である。メモリー806は、プロセッサー802により使用される命令及びデータを保持する。入力インターフェース814は、タッチスクリーンインターフェース、マウス、トラックボール、もしくは他のタイプのポインティングデバイス、キーボード、またはそれらのいくつかの組み合わせであり、コンピューター800にデータを入力するために使用される。いくつかの実施形態では、コンピューター800は、ユーザーからのジェスチャを介して入力インターフェース814から入力(例えば、コマンド)を受け取るように構成されてもよい。グラフィックアダプター812は、ディスプレイ818に、画像及び他の情報を表示する。ネットワークアダプター816は、コンピューター800を1つ以上のコンピューターネットワークに接続する。
【0247】
コンピューター800は、本明細書に記載の機能を提供するためのコンピュータープログラムモジュールを実行するように構成される。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、特定の機能を提供するために使用されるコンピュータープログラムロジックを指す。従って、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアで実装することができる。一実施形態では、プログラムモジュールは、ストレージデバイス808に格納され、メモリー806にロードされ、プロセッサー802により実行される。
【0248】
図1のエンティティにより使用されるコンピューター800のタイプは、実施形態及びエンティティが必要とする処理能力に応じて変化し得る。例えば、活動性予測システム130は、サーバファームのようなネットワークを介して互いに通信する単一のコンピューター800または複数のコンピューター800で実行し得る。コンピューター800は、グラフィックアダプター812及びディスプレイ818などの上記の構成要素の一部がない可能性がある。
【0249】
X.キットの実装
個体の疾患活動性(例えば、多発性硬化症活動性)を評価するためのキットも本明細書で開示される。そのようなキットは、1つまたはバイオマーカーの発現レベルを検出するための試薬及び検出された発現レベルに基づいて疾患活動性を評価するための使用説明書を含み得る。
【0250】
検出試薬は、キットの一部として提供することができる。従って、本発明は、さらに、生物学的テストサンプル中の目的のバイオマーカーのパネルの存在を検出するためのキットを提供する。キットは、対象からのテストサンプルを分析する少なくとも1つのタンパク質検出アッセイ(例えば、イムノアッセイ)を介してデータセットを生成するための試薬のセットを含み得る。様々な実施形態では、試薬のセットは、表8~10のいずれか1つからのバイオマーカーの定量的発現レベルの検出を可能にする。特定の実施形態では、試薬のセットは、表1のティアA、ティアB、またはティアCバイオマーカーとして分類されたバイオマーカーの定量的発現レベルの検出を可能にする。特定の実施形態では、試薬のセットは、表2のティア1、ティア2、またはティア3バイオマーカーとして分類されたバイオマーカーの定量的発現レベルの検出を可能にする。特定の態様では、試薬は、マーカーのうちの1つ以上に結合する1つ以上の抗体を含む。抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってよい。一部の態様では、試薬は、緩衝液及び検出剤を含むELISAを実施するための試薬を含み得る。
【0251】
キットは、試薬のセットの使用説明書を含み得る。例えば、キットは、少なくとも1つのバイオマーカー検出アッセイ、例えば、イムノアッセイ、タンパク質結合アッセイ、抗体ベースのアッセイ、抗原結合タンパク質ベースのアッセイ、タンパク質ベースのアレイ、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、フローサイトメトリー、プロテインアレイ、ブロット、ウェスタンブロット、比濁法、濁度測定、クロマトグラフィー、質量分析、酵素活性、近接伸長アッセイ、ならびに、RIA、免疫蛍光、免疫化学発光、免疫電気化学発光、免疫電気泳動、競合イムノアッセイ、及び免疫沈降から選択されるイムノアッセイを実施するための使用説明書を含み得る。
【0252】
様々な実施形態では、キットは、本明細書に開示の方法を実践するための使用説明書(例えば、疾患活動性の評価を予測する予測モデルをトレーニングまたはデプロイするための方法)を含む。これらの使用説明書は、様々な形式で本キット内に存在し得、これらのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの使用説明書が存在し得る1つの形態は、好適な媒体または基板上にプリントされたもの、例えば、情報がプリントされる1枚または複数枚の紙として、キットの包装中に、添付文書中等に存在する。さらに別の手段は、情報が記録されているコンピューター可読媒体、例えば、ディスケット、CD、ハードドライブ、ネットワークデータストレージなど、であろう。存在し得るさらに別の手段は、削除されたサイトの情報にアクセスするために、インターネットを介して使用することができるウェブサイトアドレスである。任意の便利な手段が、キットに存在し得る。
【0253】
XI.システム
さらに、疾患活動性を評価するためのバイオマーカーの定量的発現レベルを分析するためのシステムが本明細書で開示される。様々な実施形態では、そのようなシステムは、バイオマーカーパネルにおけるバイオマーカーの発現レベルを検出するための試薬のセット、可溶性メディエーターの発現レベルを測定するために、試薬のセット及び対象から得られたテストサンプルの混合物を受け取るように構成された装置、ならびに測定された発現レベルを取得するために、及び、疾患活動性を評価する予測モデルを実装するために、装置に通信可能に接続されたコンピューターシステムを含み得る。
【0254】
試薬のセットにより、バイオマーカーパネルでのバイオマーカーの定量的発現レベルの検出が可能になる。様々な実施形態では、試薬のセットは、上記のようなアッセイまたはイムノアッセイなどのアッセイを実施するために使用される試薬を含む。例えば、試薬は、バイオマーカーのうちの1つ以上に結合する1つ以上の抗体を含む。抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってよい。別の例として、試薬は、緩衝液及び検出剤を含むELISAを実施するための試薬を含み得る。
【0255】
装置は、試薬及びテストサンプルの混合物中のバイオマーカーの発現レベルを検出するように構成される。例えば、装置は、免疫学的アッセイまたは核酸検出のためのアッセイを通じて、バイオマーカーの定量的発現レベルを決定し得る。試薬及びテストサンプルの混合物は、様々な導管を介して装置に提供されてもよく、この例としては、ウェルプレート(例えば、96ウェルプレート)のウェル、バイアル、チューブ、及び統合された流体回路が挙げられる。従って、装置は、試薬テストサンプル混合物を含む容器を受け取り、バイオマーカーの定量的発現値を生成するために読み取りを実施し得る開口部(例えば、スロット、空洞、開口部、スライドトレイ)を有してもよい。装置の例としては、プレートリーダー(例えば、発光プレートリーダー、吸光度プレートリーダー、蛍光プレートリーダー)、分光計、及び分光光度計が挙げられる。
【0256】
図8に記載の例示的なコンピューター800などのコンピューターシステムは、バイオマーカーの定量的発現値を受け取るために、装置と通信する。コンピューターシステムは、疾患活動性の評価を予測するために、in silicoで、バイオマーカーの定量的発現値を分析する予測モデルを実装している。
【実施例】
【0257】
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の例である。実施例は、例示目的のみで提供され、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。使用された数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保する取り組みがなされているが、若干の実験誤差及び偏差は許容されるべきである。
【0258】
実施例1:ヒト臨床研究
以下を含む複数のヒト臨床研究が、このバイオマーカーパネルの開発に使用された:ACP=加速治療プロジェクト(研究コード:F2)、CLIMB=ブリガムアンドウィメンズ病院での多発性硬化症の包括的縦断的調査(研究コード:F3A、F3B、F3C、及びF4)、EPIC=UCSFでの発現、プロテオミクス、イメージング、臨床(研究コード:F5)、及びUHBC=バーゼル大学病院コホート(研究コード:F6)。ACP(n=124)は、臨床的に定義された悪化事象に焦点を当て、AIM1(n=60)及びF4(対になっていない)(n=326)は、年間再発率(ARR)に焦点を当てている。AIM3(対になっていない)(n=58)、F4(対になっていない)(n=326)、及びF5 EPIC(n=180)は、ガドリニウム(Gd)増強MRI病変評価項目の横断的な視点に焦点を当てるが、AIM3(対になっている)(n=58)、F4(対になっている)(n=196)、及びF6(n=205)は、縦断的分析を通じて同じことを行う(例えば、ベースライン正常を確立するために患者対を考慮する)。さらに、いくつかのシナリオでは、同じ評価項目を有する様々な研究由来のサンプルを組み合わせて、バイオマーカー分析を実施した。例えば、ガドリニウム増強病変の存在または非存在という共通の評価項目を有する研究コードF4及び研究コードF5を組み合わせて、バイオマーカー分析を実施した。3つの大まかなカテゴリーのそれぞれでは、各サンプルは、7つの研究パラダイムにわたって等しく重点を置かれた(すなわち、より多くのサンプルを有する研究が、比例してより重点を置かれた)。分析のための研究コード及び他の情報は、以下の表8A及び8Bに文書化される。全体として、2つのイムノアッセイプラットフォーム(ルールに基づく医学(RBM)及びOlinkバイオマーカーパネル)を使用して、1000を超える個々のサンプルにわたる1300を超えるタンパク質をスクリーニングした。ガドリニウム増強病変の存在/非存在、臨床的再発状態、EDSS、年間再発率、及びT2量を含む複数の評価項目を調査した。
【0259】
実施例2:単変量分析
個々のバイオマーカーの単変量分析のために、3つの異なる統計的評価基準を計算した。
1)単変量集団-標準的な統計的テストのp値
●p値を、従来のノルムの逆数の関数を使用してt統計量に変換し、次に、Staufferの方法を使用して、それぞれのサンプルサイズに基づいて統計量を組み合わせた。次に、累積検出力を反映する最終的なp値/テスト統計量を、[0,1]の尺度になるように正規化した。
2)単変量分離-ROC曲線の真陽性率及び偽陽性率の積分のAUC値
●AUCのものを、選択されたデータセットの個々のマーカー毎に計算した。次に、それらを、[0,1]の尺度に正規化し、その後、それらの加重和(以下のサンプルサイズに基づく)を使用して、累積分離力を0~1の単一値に変換した。
3)単変量回帰-病変負荷間のOLSの調整済みR2乗値(上部病変数(例えば、5病変)を削除して、外れ値を除外する)及び正規化されたタンパク質発現値の分布
●トレーニング/テスト分割の混合コホートに加えて、独立して各コホートで、これを実行した。
【0260】
実施例3:多変量分析
多変量バイオマーカー分析のために、以下を実施した。
1)多変量バイオマーカーのランク付け-様々な特徴サイズの確率的勾配降下モデルの、数百万のシミュレートされたサポートベクターマシン、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、線形判別分析、及び精度加重集計重要度を組み合わせた。グリッド検索では、ハイパーパラメーター調整(例えば、正則化または数値ソルバー手法の選択)を使い果たした。前進的選択多変量モデルの構築を何千回もシミュレートし、次に、データセットの様々な交差検定されたスライスで最も一般に選択されたバイオマーカーを合計する。最適化メトリックによる、繰り返し組み込まれた特徴の前進的選択(例えば、AUC、分類のFl、及び調整済み-R2、回帰のRMSE)。複数のデータコホートが関与するので、各研究の重要性は、サンプルサイズで重み付けされ、Gdを主要評価項目としてランク付けして、次に、空間的に制約された21プレックスを完成させた。次に、特定の特徴が逐次的に除去された。特徴を除去した後も、残りの特徴は、依然として、各評価項目/研究の予測力を有する。交差検定及びブートストラップを使用して、過剰適合を低減させた。可能な場合は、テストホールドアウトセットを使用した。
2)直交シグナルの改善を調査する2変量(2特徴)モデル
3)相互作用項(積、比、2次項)
【0261】
結果の反復可能性を確保するには:
●モデルをCLIMBデータセットでトレーニングし、EPICデータセットでテストした(バッチ正規化及び人口統計調整の前/後)
●AIM3及びF4間の対になっているサンプル(ベースライン正規化シグナル)
【0262】
実施例4:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量APLP1バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、APLP1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0263】
実施例5:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CCL20バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CCL20の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0264】
実施例6:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CD6バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CD6の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0265】
実施例7:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CDCP1バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CDCP1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0266】
実施例8:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CNTN2バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CNTN2の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0267】
実施例9:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量COL4A1バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、COL4A1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0268】
実施例10:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CXCL9バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CXCL9の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0269】
実施例11:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量FLRT2バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CDCP1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0270】
実施例12:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量成長ホルモンバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、成長ホルモン(GH)の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0271】
実施例13:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量IFI30バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、IFI30の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0272】
実施例15:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量MOGバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、MOGの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0273】
実施例16:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量NEFLバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、NEFLの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0274】
実施例17:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量OPGバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、OPGの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0275】
実施例18:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量OPNバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、OPNの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0276】
実施例19:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量PRTGバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、PRTGの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0277】
実施例20:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量SERPINA9バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、SERPINA9の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0278】
実施例21:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量TNFRSF10Aバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、TNFRSF10Aの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0279】
実施例22:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量VCANバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、VCANの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0280】
実施例23:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CHI3L1バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CHI3L1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0281】
実施例24:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量CXCL13バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、CXCL13の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0282】
実施例25:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量成長ホルモン2バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、成長ホルモン2(GH2)の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0283】
実施例26:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量IL-12Bバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、IL-12Bの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0284】
実施例27:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量IL18バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、IL18の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0285】
実施例28:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量MMP-2バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、MMP-2の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0286】
実施例29:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量MMP-9バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、MMP-9の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0287】
実施例30:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量VCAM-1バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、VCAM-1の単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0288】
実施例31:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量TNFSF13Bバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、TNFSF13Bの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0289】
実施例32:多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量GFAPバイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、GFAPの単変量分析を実施した。単変量分析の統計的評価基準(p値、曲線下面積(AUC)、及び相関値(R2乗))を以下に示す。
【0290】
実施例33:様々なタイプの多発性硬化症疾患活動性を予測するための単変量バイオマーカー分析
実施例2に記載の方法に従って、様々なヒト臨床研究で、様々なバイオマーカーの単変量分析を実施した。統計的p値及びR
2値は、様々なMS疾患活動性評価項目と関連する個々のバイオマーカーのそれぞれについて示される。
【0291】
実施例34:モデルのトレーニング及び検証-ベースラインの正規化シフト
2つの異なる集団(F4及びF6)でのGd分析のベースライン正規化シフトを予測するように、線形回帰モデル(L2リッジ正則化)をトレーニングした。ここで、ベースライン(両方の血清がMRIの近くに採取された)と比較して現れるGd増強MRI病変の有り無しの両方でサンプル対を分類するために、モデルをトレーニングした。
【0292】
ロジスティック回帰分類アルゴリズムを、Gdカウントの正対負のシフトに適用した。予測因子が(対応するMRIでGd活動性のないベースラインサンプルからの)バイオマーカータンパク質レベルのシフトであるので、人口統計学的補正は必要ない。その理由は、患者内の変動が考慮されるからである。データセットを、トレーニング及び5分割交差検証セットに分け、モデルのパラメーターは、モデルを最適化するためにハイパーチューンされており;カスタムアッセイパネルの全てのバイオマーカー(以下の表2のティア1、2、及び3)は、モデルの特徴として含まれていた。Gdシフトを分類するための5分割交差検証から得られた受信者操作特性曲線の下面積(AUROC)は、0.958+/-0.034である。
【0293】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、F6及びF4研究の逐次前進的選択性能プロファイルを示す。
【0294】
次に、4特徴モデルの独立したトレーニング/テストホールドアウトをトレーニング及びテストした。ここで、ロジスティック回帰(L1正則化)モデルをF6データでトレーニングし、F4データでテストした。モデルの特徴空間は、分析の上位4つの特徴に制限される。ロジスティック回帰分類アルゴリズムを、Gdカウントの正対負のシフトに適用した。予測因子が(Gd活動性のないベースラインからの)バイオマーカータンパク質レベルのシフトであるので、人口統計学的補正は必要ない。その理由は、患者内の変動が考慮されるからである。トレーニング及びテストセットの両方に同じモデル係数を利用するために、再実行されたサンプルの重複セットを使用して、ブリッジ正規化をデータセットに適用した。モデルを最適化するために、モデルのパラメーターをハイパーチューンし;カスタムアッセイパネルの全てのバイオマーカーは、モデルの特徴として含まれている。多変量予測性能(血清ニューロフィラメント軽鎖、またはsNfLの単変量性能と比較)を評価するため、この分析を行った。これは、
図3Aに示される。モデルは、AUROC:0.91(sNfL-0.88)、精度:0.84(sNfL-0.77)、感度:0.76(sNfL-0.70)、特異度:0.91(sNfL-0.83)、及びユーデンの統計=0.67(sNfL-0.53)の性能を示した。
図3Bは、多変量分類器の対応する混同行列を示し、これは、高い真陽性率(TPR)=0.757及び高い真陰性率(TNR)=0.905を確立する。
【0295】
実施例35:モデルのトレーニング及び検証-疾患の存在/非存在の横断的分類
Gdカウントに基づいて疾患の存在/非存在を予測するように、ロジスティック回帰モデル(L1正則化)をトレーニングした。具体的には、わずかな疾患(MRI毎に1つの病変を有するか、または有さないことに相当)、通常の疾患(病変を有するか、または有さないことに相当)、及び極度の疾患(3つ以上の病変を有するか、または有さないことに相当)のいずれかを予測するように、モデルをトレーニングした。F4由来の321サンプル、F5由来の180サンプル、及びF6由来の155サンプルを使用して、モデルを構築した。
図4Aは、逐次前進的選択性能プロファイルを示す。
【0296】
モデルを構築するために、ブリッジの正規化及び人口統計学的補正を、3つの研究のマージから生じるデータセットに適用した。データセットを、トレーニング及び5分割交差検証セットに分割しており、モデルを最適化するために、モデルのパラメーターをハイパーチューンし、カスタムアッセイパネルの全てのバイオマーカーは、モデルの特徴として含まれている。
図4Bは、3つのモデルのROC曲線を示す。具体的には、5分割交差検定から生じるAUROCは、「わずか」のモデルの場合、0.741±0.017;「通常」のモデルの場合、0.785±0.004;「極度」のモデルの場合、0.903±0.009である。
さらに、
図4Cは、各モデルの正規化混同行列を示す。Gd+分類の比較は、1)単変量NFLモデル、2)NFLを含む多変量モデル、及び3)NFLを除く多変量モデル、を使用して、以下に示される。
【0297】
実施例36:モデルのトレーニング及び検証-病変数を予測することによる、疾患の重症度の予測
F4由来の321サンプル、F5由来の180サンプル、及びF6由来の155サンプルを使用して、線形回帰モデル(L2正則化)をトレーニング及びテストした。リッジ回帰アルゴリズムを、Gd数に適用した。ブリッジの正規化及び人口統計学的補正を、3つの研究のマージから生じるデータセットに適用した。データセットをトレーニング及び5分割交差検証セットに分割し;カスタムアッセイパネルの全てのバイオマーカーがモデルの特徴として含まれており、特徴のどの組み合わせが、より高いモデルパフォーマンスをもたらすかを推定するために、前進的適合手順を適用している。
図4Dは、特徴の逐次前進的選択を示す。予測対実際のGd病変数の対応する最良の回帰プロット(すなわち、この分析におけるMS疾患活動性負荷の代用)が生成された。R
2に基づく最高のパフォーマンスは、7つの特徴(NEFL、MOG、CDCP1、OPG、APLP1、及びCOL4A1)を使用して得られる:0.219±0.050。スピアマンrスコアを調べると、最良のモデルが、4つの特徴(NEFL、CDCP1、APLP1、及びTNFSF13B)から得られ、スピアマンrスコア0.496±0.038が得られる。
【0298】
実施例37:モデルのトレーニング及び検証-年間再発率の予測
282のサンプル(ARRが0.3未満の161の低いサンプル及びARRが0.8を超える121の高いサンプル)で、ロジスティック回帰モデル(Elasticnet0.2)をトレーニング及びテストした。
図5Aは、特徴の逐次前進的選択を示す。特徴を前進的に適合させ且つパラメーターをハイパーチューニングした後に、ロジスティック回帰分類アルゴリズムを適用すると、最良のモデルは、以下の5つの特徴:NEFL、MOG、CDCP1、IL-12B、及びTNFRSF10Aを備えた、0.672+/-0.053のAUROCを示す。
図5Bは、ARRを予測するためのROC曲線を示す。
【0299】
実施例38:モデルのトレーニング及び検証-臨床的に定義された再発の予測
L2正則化(C=1.0)及び均衡のとれたクラスの重みを有するLBFGSソルバーを使用して、ロジスティック回帰モデルを構築した。再発状態は、患者が採血から90日以内に再発しているかどうかにより、ACP研究(「悪化」対「静止」)及びF6において臨床的に定義された基準により設定される。ACP及びF6間のブリッジングサンプルがないので、2つの研究の2つの独立した分析を実施した。両方の研究のNPX値を人口統計学的に修正し、MRIから30日以上経過したF6の研究を(Gd研究との一貫性のために)除外した。
【0300】
図6Aは、F6研究(n=155、再発のない136人の患者、過去90日間に再発のある19人)及びACP研究(n=124、64の静止MSサンプル、60の悪化MSサンプル)を使用した特徴の逐次前進的選択を示す。プロットが左から右に移動するにつれて、新しい特徴が、累積的に合計に追加される。
図6Bは、それぞれのモデルの性能を示す。具体的には、F6研究でトレーニングされたモデルは、0.915±0.053のAUROCを示し、ACP研究でトレーニングされたモデルは、0.845±0.061のAUROCを示した。
【0301】
実施例39:モデルのトレーニング及び検証-疾患進行の予測
図7は、総合障害度評価尺度(EDSS)による絶対定量化データ上の特徴の逐次前進的選択を示す。ここで、全てのデータが利用可能な163のサンプルに対するバイオマーカー及びその絶対定量測定値を考慮した。サンプルは、F6(バーゼル大学)研究コホート由来のものであった。各タンパク質では、血清測定値は、それぞれの評価項目(EDSS、T2加重病変容積)と直接相関していた。MRIから30日以内にある血清採取のみが、X線撮影での評価項目(すなわちT2強調病変体積)として考慮された。5分割交差検定を使用して、ロジスティックモデル(L2正則化)のトレーニング及びテストを行い、性能を評価した。使用された最適化メトリックは、R
2(ピアソンのR相関の2乗)であり、標準化された係数が示される。以下の値は、様々なバイオマーカーのEDSS R
2を示す。注目すべきは、生の血清GFAPは、R
2値0.201でEDSSと相関し、生の血清OPGは、R
2値0.204でEDSSと相関する。
【0302】
以下に示される値は、F6バーゼルコホートのn=205サンプルの絶対定量化(pg/mLの対数変換) 対 相対定量化(正規化タンパク質発現、またはNPX)データを表す。AvN1は、初期の研究開発をガイドするために、絶対定量化及び試験パネルで測定されたNPX値間の相関に対応するピアソンのR
2値を表す。N2vN1は、絶対定量化の基礎となる相対NPX(値対濃度をマッピングするために、標準曲線が適合される前)及び以前に測定された試験パネルNPX間の同じメトリックを表す。*GFAPは、試験アッセイがその時点で存在しなかったので、対応する相対定量測定値を有さない。この例は、パネル上のマーカーからの定量的情報が、ソース形式に関係なく、MSの疾患活動性を予測するために使用され得ることを示すのに役立つ。
【0303】
実施例40:多発性硬化症疾患活動性を予測するための多変量バイオマーカーパネル(ティア A、ティア B、ティア Cバイオマーカー)
バイオマーカーは、様々な評価項目(例えば、わずかな疾患(例えば、0~1Gdの増強病変)、通常の疾患(例えば、0~少なくとも1Gdの増強病変)、年間再発率及び悪化対静止)との相関関係に従って、多変量カスタムパネルに対し選択される。
【0304】
実施例3に記載の方法に従って、様々なヒトの臨床研究で、バイオマーカーパネルの多変量分析を実施した。特に、バイオマーカーを、様々なティア(例えば、ティアA、ティアB、及びティアC)に分類した。バイオマーカーパネルを、1つ以上のティア(例えば、ティアAのみ、ティアBのみ、ティアCのみ、ティアA+B、またはティアA+B+C)から構築した。この多変量の例で評価された21の合計バイオマーカーは、以下のとおりである:
【0305】
(表1)ティアA、B、及びCにグループ化された21のバイオマーカーパネル
【0306】
線形回帰モデル(L1正則化)を各データセットでトレーニング及び相互検証した(AIM1-ARR、ACP-E対Q、独立して(主要評価項目Gdについて、正規化を通してブリッジングサンプルとブレンドされたF4+F5を除く))。分類の問題で可能な場合、疾患活動性を、わずか(0対1のGd病変)、通常(0対任意のGd病変)、及び極度(0対3+の病変)に分けた。AUC/PPVを報告するために、同じモデル構築方策をパネル上のマーカーの徐々に大きくなるサブセット/ティアでリデプロイした。多変量分析の統計的評価基準(曲線下面積(AUC)及び陽性適中率(PPV))が以下に示される。
【0307】
通常、ティアA、ティアB、及びティアCのそれぞれのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネル(合計21のバイオマーカー)は、様々な疾患活動性評価項目(例えば、わずかな疾患活動性、通常の疾患活動性、極度の疾患活動性、年間再発率、または病状)にわたる予測能力の改善を示した予測モデルに相当した。具体的には、これらの様々な疾患活動性評価項目にわたるAUCは、0.771~0.961の範囲であったが、PPVは、0.687~0.895の範囲であった。ティアA及びBのバイオマーカー(合計17のバイオマーカー)を用いるバイオマーカーパネルは、0.737~0.968の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは、0.620~0.896の範囲であった。ティアAのみのバイオマーカー(合計8のバイオマーカー)を用いるバイオマーカーパネルは、0.763~0.880の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは、0.716~0.871の範囲であった。ティアBのみのバイオマーカーまたはティアCのみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、予測を維持したが、ティアAバイオマーカーまたはティアA+AもしくはティアA+B+Cの組み合わせを用いるバイオマーカーパネルよりも予測性が著しく低かった。具体的には、ティアBのみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、0.562~0.841の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは0.462から0.999の範囲であった。ティアCのみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、0.589~0.779の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは、0.410~0.781の範囲であった。
【0308】
実施例41;多発性硬化症疾患活動性を予測するための多変量バイオマーカーパネル
実施例3に記載の方法に従って、様々なヒトの臨床研究で、バイオマーカーパネルの多変量分析を実施した。特に、バイオマーカーを、様々なティア(例えば、ティア1、ティア2、及びティア3)に分類した。バイオマーカーパネルを、1つ以上のティア(例えば、ティア1のみ、ティア2のみ、ティア3のみ、ティア1+2、またはティア1+2+3)から構築した。この多変量の実施例で評価された21の総バイオマーカーは、表2に示される21のバイオマーカーである。21のバイオマーカーのいずれかの代わりに使用することができる追加のバックアップバイオマーカーは、表2ではティア4バイオマーカーとして同定される。
【0309】
(表2)多発性硬化症疾患活動性の予測に使用されるティア型バイオマーカー
【0310】
線形回帰モデル(L1正則化)を各データセットでトレーニング及び相互検証した(AIM1-ARR、ACP-E対Q、独立して(主要評価項目Gdについて、正規化を通してブリッジングサンプルとブレンドされたF4+F5を除く))。分類の問題で可能な場合、疾患活動性を、わずか(0対1のGd病変)、通常(0対任意のGd病変)、及び極度(0対3+の病変)に分けた。AUC/PPVを報告するために、同じモデル構築方策をパネル上のマーカーの徐々に大きくなるサブセット/ティアでリデプロイした。多変量分析の統計的評価基準(曲線下面積(AUC)及び陽性適中率(PPV))が以下に示される。
【0311】
通常、ティア1、ティア2、及びティア3のそれぞれのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネル(合計21のバイオマーカー)は、異なる疾患活動性評価項目(例えば、わずかな疾患活動性、通常の疾患活動性、極度の疾患活動性、年間再発率、または病状)にわたる予測能力の改善を示した予測モデルに相当した。具体的には、これらの様々な疾患活動性評価項目にわたるAUCは、0.686~0.889の範囲であったが、PPVは、0.648~0.835の範囲であった。ティア1及び2のバイオマーカー(合計17のバイオマーカー)を用いるバイオマーカーパネルは、0.693~0.892の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは、0.613~0.843の範囲であった。ティア1のみのバイオマーカー(合計8のバイオマーカー)を用いるバイオマーカーパネルは、0.667~0.869の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは、0.617~0.861の範囲であった。ティア2のみのバイオマーカーまたはティア3のみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、予測を維持したが、ティア1バイオマーカーまたはティア1+2もしくはティア1+2+3の組み合わせを用いるバイオマーカーパネルよりも予測性が著しく低かった。具体的には、ティア2のみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、0.595~0.761の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは0.462~0.769の範囲であった。ティア3のみのバイオマーカーを用いるバイオマーカーパネルは、0.566~0.626の範囲の様々な疾患評価項目にわたるAUC値を達成したが、PPVは0.370~0.634の範囲であった。
【0312】
実施例42:多発性硬化症疾患活動性の方向シフトを予測するための追加の多変量(対、3つ組、及び4つ組)バイオマーカーパネル
様々なヒトの臨床研究にわたって、バイオマーカーの最小セット(例えば、対、3つ組、及び4つ組)の多変量分析を実行した。具体的には、バイオマーカーの最小セットを、MS疾患活動性の方向シフトを予測する能力について分析した(例えば、疾患活動性の漸増または漸減(ガドリニウム増強病変の数により測定))。
【0313】
縦断的患者サンプルのバイオマーカーの最小予測セットを分析するために、バイオマーカー対、3つ組、及び4つ組の組み合わせを、シフト(ベースライン正規化、ペアワイズ差)分析で分析して、Gd増強病変の増加または減少を予測した。分析の包括的な手順は、次のとおりである:
1.バイオマーカーのリストを読む。
2.データレイクから、各研究のこれらのバイオマーカーのデータ及びそれに付随する人口統計学的及び臨床的特徴を読み込む。
3.関連MRIスキャンから、閾値時間(例えば、30日以上)を超えて収集された全てのサンプルを除外した。
4.病変活動性の漸増または漸減を有するサンプルの全ての対の間のNPX値の差を計算する。
a.1つのサンプルが、真のベースライン正規化アプローチに対し、0のGd病変を有する関連MRIを有する、サンプル対のみを除去する。
5.各研究について:
a.漸増/漸減またはNon-Gad+→Gad+/Gad+→Non-Gad+を評価項目として使用し、
b.5分割交差検定の分割を実施し、
c.過去の多変量分析で良好に作用したロジスティック回帰モデル構成を選択し、
d.2つ、3つ、及び4つのタンパク質の全ての組み合わせから特徴マトリックスを作成する(ベースライン正規化がそれをプロセスに織り込むので、共変量として人口統計学的/臨床的特徴は必要ない)。
e.5つの分割のうちの4つで、ロジスティック回帰モデルのコピーをトレーニングし、5番目で、性能を評価する。
6.5つの及び3つの研究で、各モデルのAUROCを平均する。性能の標準偏差を取って、不確実性のメトリックを計算する(PPVの繰り返し)。
7.モデルをAUROCについてソートし、最も高い性能の特徴セットに対応するモデルの各研究に対しROC曲線を作成する。
本発明者らは、上記の分析を2つの方法で実行した。
上記の分析を、2つの方法で実行した:
A.バイオマーカーの完全なリストを含み、
B.最高性能のバイオマーカー(NEFL)を除いた追跡分析。
【0314】
以下の表3及び4は、2つ、3つ、または4つのバイオマーカーを含むバイオマーカーパネルが、MS疾患活動性の方向シフトを予測することを示す。
【0315】
特に、バイオマーカー対では、NEFL及びCD6バイオマーカーを含むパネルは、受信者操作特性曲線下面積(AUROC)0.860及び平均PPV 0.77を達成した。さらに、NEFL及びCXCL9バイオマーカーを含むバイオマーカーパネルは、0.85のAUROC及び0.74の平均PPVを達成した。追加のバイオマーカー対(NEFLを含まない)も予測可能であった。例えば、MOG及びCXCL9を含むバイオマーカーパネルは、0.761のAUROC及び0.686のPPVを達成した。CD6及びCXCL9を含むバイオマーカーパネルは、0.766のAUROC及び0.699のPPVを達成した。MOG及びCD6を含むバイオマーカーパネルは、0.745のAUROC及び0.705のPPVを達成した。
【0316】
特に、バイオマーカー3つ組では、NEFL、CXCL9、及びCD6を含むパネルは、0.885のAUROC及び0.79の平均PPVを達成した。さらに、MOG、CD6、及びCXCL9を含むバイオマーカーパネルは、0.798のAUROC及び0.71のPPVを達成した。
【0317】
特に、バイオマーカー4つ組では、NEFL、MOG、CXCL9、及びCD6を含むバイオマーカーパネルは、0.884のAUROC及び0.763のPPVを達成した。NEFL、CXCL9、CD6、及びCXCL13を含むバイオマーカーパネルは、0.889のAUROC及び0.764のPPVを達成した。NEFL、TNFRSF10A、COL4A1、及びCCL20を含むバイオマーカーパネルは、0.836のAUROC及び0.725のPPVを達成した。追加のバイオマーカー4つ組(NEFLを含まない)も予測性を示した。例えば、MOG、CXCL9、IL-12B、及びAPLP1の組み合わせは、0.795のAUROC及び0.67のPPVを達成した。CXCL9、OPG、APLP1、及びOPNの組み合わせは、0.741のAUROC及び0.65のPPVを達成した。MOG、IL-12B、OPN、及びCNTN2の組み合わせは、0.765のAUROC及び0.69のPPVを達成した。
【0318】
(表3)ベースライン正規化シフト予測:MS疾患活動性のシフト(例えば、増加または減少)を予測するためのバイオマーカーパネル
【0319】
(表4)MS疾患活動性の減少を予測するためのバイオマーカーパネル
【0320】
実施例43:多発性硬化症の存在または非存在を予測するための追加の多変量(対、3つ組、及び4つ組)バイオマーカーパネル
様々なヒトの臨床研究にわたって、バイオマーカーの最小セット(例えば、対、3つ組、及び4つ組)の多変量分析を実行した。具体的には、バイオマーカーの最小セットを、通常のMS疾患の存在または非存在の分類を予測する能力について分析した(例えば、少なくとも1つのGd増強病変により示される存在及び0のGd増強病変により示される非存在)。
【0321】
バイオマーカーの最小予測セットを分析するために、バイオマーカー対、3つ組、及び4つ組の組み合わせを横断的分析で分析して、Gd増強病変(「通常の疾患活動性」またはGDA)の存在または非存在を予測した。分析の包括的な手順は、次のとおりである:
1.バイオマーカーのリストを読む。
2.データレイクから、各研究のこれらのバイオマーカーのデータ及びそれに付随する人口統計学的及び臨床的特徴を読み込む。
3.関連MRIスキャンから閾値時間を超えて(例えば、30日を超えて)収集された全てのサンプルを除外する。
4.最適化された人口統計的及び臨床的調整を実施する。
A.所与の研究のGdサンプル(疾患活動性が全くない)のみを使用して、人口統計的/臨床的特徴の最適なサブセット及び個々のバイオマーカー値のNPXレベル間で、OLS回帰を実行して、外れ値を除外する。
a.罹病期間:MS診断からの年数。
b.年齢:年数での患者の年齢。
c.サンプルの年齢:正式に分析される前のサンプルの保管期間。
d.Delta血液マイナス診断:MRI及びそれぞれの血液サンプルの間の日数(が30以内でなければならない)。
B.この手順から残差を抽出し、それをモデル構築手順への入力として使用する。
5.各研究について:
a.GDA評価項目を構築し、
b.5分割交差検定の分割を実施し、
c.過去の多変量分析で良好に作用したロジスティック回帰モデル構成を選択し、
d.2つ、3つ、及び4つのタンパク質の全ての組み合わせから特徴マトリックスを作成し(共変量としての人口統計学的/臨床的特徴は全くない)、
e.5つの分割のうちの4つで、ロジスティック回帰モデルのコピーをトレーニングし、5番目で、性能を評価する。
6.5つの分割及び3つの研究で、各モデルのAUROCを平均する。
7.モデルをAUROCについてソートし、最も高い性能の特徴セットに対応するモデルの各研究に対しROC曲線を作成する。
上記の分析を、2つの方法で実行した:
A.バイオマーカーの完全なリストを含み、
B.最高性能のバイオマーカー(NEFL)を除いた追跡分析。
【0322】
以下の表5は、2つ、3つ、または4つのバイオマーカーを含むバイオマーカーパネルが、MSの存在または非存在を予測することを示す。特に、バイオマーカー対では、NEFL及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.788のAUROC及び0.708のPPVを達成し、NEFL及びCNTN2を含むパネルは、0.777のAUROC及び0.732のPPVを達成し、NEFL及びCXCL9のパネルは、0.777のAUROC及び0.713のPPVを達成した。追加のバイオマーカー対(NEFLなし)も、多発性硬化症の存在または非存在を予測した。MOG及びCDCP1を含むパネルは、0.672のAUROC及び0.597のPPVを達成し、MOG及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.672のAUROC及び0.599のPPVを達成し、MOG及びCXCL9を含むパネルは、0.670のAUROC及び0.606のPPVを達成した。
【0323】
特に、バイオマーカー3つ組では、NEFL、CNTN2、及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.794のAUROC及び0.745のPPVを達成した。ここで、バイオマーカー3つ組のCNTN2を、APLP1またはTNFRSF10Aのいずれかで置換すると、0.794及び0.792の同様のAUROC値を達成した。NEFLなしのバイオマーカー3つ組では、MOG、CXCL9、及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.690のAUROC及び0.623のPPVを達成し、MOG、OPG、及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.685のAUROC及び0.637のPPVを達成し、MOG、CCL20、及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.685のAUROC及び0.664のPPVを達成した。APLP1、CCL20、及びCNTN2は、バイオマーカー3つ組を超えてシグナルを改善するのに役立つ次のタンパク質である。バイオマーカー4つ組では、NEFL、TNFRSF10A、CNTN2、及びTNFSF13Bを含むパネルは、0.798のAUROC及び0.742のPPVを達成した。
【0324】
(表5)MRIから30日以内の1回の採血で、血清中のタンパク質シグネチャーに基づいて、関連MRIがガドリニウム増強病変の存在または非存在を有するかどうかを判定するためのバイオマーカーパネル
【0325】
実施例44:多発性硬化症の重症度を予測するための追加の多変量(対、3つ組、及び4つ組)バイオマーカーパネル
実施例3に記載の方法による様々なヒトの臨床研究にわたって、バイオマーカーの最小セット(例えば、対、3つ組、及び4つ組)の多変量分析を実行した。具体的には、バイオマーカーの最小限のセットを、Gd増強病変数を予測する能力(例えば、わずかなMS疾患の評価基準)について分析した。
【0326】
以下の手順で、横断的分析及びシフト分析と同様に、回帰分析を実施した。
1.バイオマーカーのリストを読む。
2.データレイクから、各研究のこれらのバイオマーカーのデータ及びそれに付随する人口統計学的及び臨床的特徴を読み込む。
3.関連MRIスキャンから、閾値時間(例えば、30日以上)を超えて収集された全てのサンプルを除外した。
4.最適化された人口統計及び臨床調整を実施する。
A.所与の研究のGdサンプル(疾患活動性が全くない)のみを使用して、人口統計的/臨床的特徴の最適なサブセット及び個々のバイオマーカー値のNPXレベル間で、OLS回帰を実行して、外れ値を除外する。
a.罹病期間:MS診断からの年数。
b.年齢:年数での患者の年齢。
c.サンプルの年齢:正式に分析される前のサンプルの保管期間。
d.Delta血液マイナス診断:MRI及びそれぞれの血液サンプルの間の日数(が30以内でなければならない)。
B.この手順から残差を抽出し、それをモデル構築手順への入力として使用する。
5.各研究について:
a.回帰の評価項目としてGd病変数(最大5でクリップ)を使用し、
b.5分割交差検定の分割を実施し、
c.過去の多変量分析で良好に作用したリッジ回帰モデル構成を選択し、
d.2つ、3つ、及び4つのタンパク質の全ての組み合わせから特徴マトリックスを作成し(共変量としての人口統計学的/臨床的特徴は全くない)、
e.5つの分割のうちの4つで、リッジ回帰モデルのコピーをトレーニングし、5番目で、性能を評価する。
6.5つの分割及び3つの研究で、各モデルの調整済みR2を平均する。
7.モデルを調整済みR2についてソートし、最も高い性能の特徴セットに対応するモデルの各研究に対し予測及び評価項目間に相関プロットを作成する。
上記の分析を、2つの方法で実行した:
A.バイオマーカーの完全なリストを含み、
B.最高性能のバイオマーカー(NEFL)を除いた追跡分析。
【0327】
以下の表6は、2つ、3つ、または4つのバイオマーカーを含むバイオマーカーパネルが、わずかなMS疾患活動性の決定を通常予測することを示す。
【0328】
特に、バイオマーカー対では、NEFL及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.524を達成し、NEFL及びSERPINA9を含むパネルは、スピアマンのR係数値0.501を達成し、NEFL及びGHを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.505を達成した。わずかなMS疾患活動性を判定するために、追加のバイオマーカー対(NEFLなし)も予測した。例えば、MOG及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.286を達成し、MOG及びCXCL9を含むパネルは、スピアマンのR係数値0.290を達成した。
【0329】
バイオマーカー3つ組では、NEFL、SERPINA9、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.533を達成し、NEFL、CNTN2、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.525を達成し、NEFL、APLP1、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.537を達成した。さらに、MOG、CXCL9、及びTNFSF13Bのパネルは、スピアマンのR係数値0.306を達成し、MOG、CCL20、及びCOL4A1のパネルは、スピアマンのR係数値0.210を達成し、CXCL13、APLP1、及びFLRT2のパネルは、スピアマンのR係数値0.143を達成した。
【0330】
バイオマーカー4つ組では、NEFL、CXCL13、CCL20、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.520を達成した。さらに、NEFL、CXCL13、CXCL9、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.513を達成し、NEFL、CXCL13、SERPINA9、及びTNFSF13Bを含むパネルは、スピアマンのR係数値0.513を達成した。MOG、CXCL9、OPG、SERPINA9、及びTNFSF13Bのバイオマーカー4つ組(NEFLを含まない)は、スピアマンのR係数値0.302を達成した。
【0331】
(表6)MRIから30日以内の1回の採血で、関連MRIが血清中のタンパク質シグネチャーに基づいている病変数を予測するためのバイオマーカーパネル
【0332】
実施例45:多発性硬化症の疾患進行を予測するための追加の多変量(対、3つ組、及び4つ組)バイオマーカーパネル
実施例3に記載の方法によるバーゼル大学病院のn=205のサンプルで、バイオマーカーの最小セット(例えば、対、3つ組、及び4つ組)の多変量分析を実行した。具体的には、疾患進行の主要疾患評価項目を予測する能力について、バイオマーカーの最小セットを分析した(例えば、血清タンパク質測定の総合障害度評価尺度(EDSS)との関連)。全てのセットは、数学的な組み合わせ(例えば、ロジスティック回帰モデルまたは決定木)を使用して、個々のバイオマーカーレベルを多変量スコアに組み合わせる。
【0333】
タンパク質サブセットの対、3つ組、及び4つ組の全ての網羅的な組み合わせにわたって、5分割交差検証(平均及び不確実性を推定する)で、リッジ(L2)正則化線形モデルを評価した。次に、性能をスピアマンR2についてソートした(上記の理論的根拠毎に)、この手順を以下に対して繰り返した:
1.タンパク質濃度の対数変換のみで構築されたモデル
2.タンパク質濃度の対数変換、ならびに、適格な特徴として組み込まれた年齢、性別、及び罹患期間の共変量で構築されたモデル
3.疾患活動性(すなわち、対応するMRIに0のGd病変を含有)が存在しないサンプルに含まれる人口統計情報(年齢、性別、及び疾患期間)のみから各バイオマーカー濃度を予測するために、残差がOLS回帰手順から抽出された後の、タンパク質濃度の対数変換で構築されたモデル。
【0334】
以下の表7は、MRIから30日以内の1回の採血で、関連MRIが血清中のタンパク質シグネチャーに基づいている病変数を予測するEDSSの回帰に従って、最高の性能を発揮する最小限の予測バイオマーカーセット(例えば、対、3つ組、及び4つ組)を記録する。注目すべきことに、GFAP、NEFL、及びMOGのバイオマーカー3つ組は、全体的に最高の調整済みR2を示した(フィールド-GFAPで最高の単変量の特徴を超える測定可能な改善を有する)。さらに、A)GFAP及びMOG、B)GFAP及びNEFL、ならびに、C)APLP1及びGFAPのバイオマーカー対、ならびに、バイオマーカー4つ組、GFAP、NEFL、MOG、及びIL-12B/PRTG/APLP1は、予測性も示した。
【0335】
共変量(年齢、性別、疾患期間)調整済みLog(pg/mL)を含む最良のバイオマーカーセットは、全体的に最高の調整済みR2を示したNEFL及びMOGのバイオマーカー対を含む。バイオマーカー3つ組、NEFL、MOG、及びGH、ならびに、NEFL、MOG、及びSERPINA9は、改善された方法でEDSSも予測する。バイオマーカー4つ組、NEFL、MOG、GH、SERPINA9、ならびに、NEFL、MOG、GH、TNFRSF10Aも、さらに改善される。さらに、バイオマーカー3つ組、CXCL9、OPG、及びSERPINA9は、疾患進行の予測であり、さらに、MOGがバイオマーカー4つ組として追加される場合、改善される。
【0336】
調整済み人口統計(年齢、性別、疾患期間)を有する最良のバイオマーカーセットは、バイオマーカー対、CXCL9及びOPG、ならびに、バイオマーカー3つ組、CXCL9、OPG、及びTNFRSF10A、を含む。バイオマーカー4つ組、CD6、IL-12B、APLP1、及びCCL20は、人口統計学的に調整済みモデルの中で最も高いピアソンR2相関を形成する。
【0337】
(表7)MRIから30日以内の1回の採血で、関連MRIが血清中のタンパク質シグネチャーに基づいていた疾患進行を予測する(例えば、病変数を予測する)ためのバイオマーカーパネル
【0338】
追加の表
(表8A)バイオマーカーの分析のための研究コード
【0339】
【0340】
(表9)多発性硬化症疾患活動性の予測に使用される追加のバイオマーカー
【0341】
(表10)多発性硬化症疾患活動性の予測に使用される代替可能なバイオマーカー
【0342】
【0343】
(表12)特定の場所(脳、脳関門、血液)でのバイオマーカーの関与
数値指標は、1~5の尺度であり、1は、対応するバイオマーカーが、その場所で最小限みられることを示し、5は、対応するバイオマーカーが、その場所で多くみられることを示す。
【0344】
(表13A)特定の細胞型におけるバイオマーカーの関与
数値指標は、1~4の尺度であり、1は、対応するバイオマーカーが、その細胞型で最小限みられることを示し、4は、対応するバイオマーカーが、その細胞型で多くみられることを示す。
【0345】
(表13B)特定の細胞型におけるバイオマーカーの関与
数値指標は、1~4の尺度であり、1は、対応するバイオマーカーが、その細胞型で最小限みられることを示し、4は、対応するバイオマーカーが、その細胞型で大量にみられることを示す。
【国際調査報告】