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特表2022-547521線維芽細胞及び線維芽細胞-免疫細胞の組み合わせによる、糖尿病及び合併症に関連する神経学的損傷の治療
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】線維芽細胞及び線維芽細胞-免疫細胞の組み合わせによる、糖尿病及び合併症に関連する神経学的損傷の治療
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/33 20150101AFI20221107BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 35/28 20150101ALI20221107BHJP
   C12N 5/0775 20100101ALN20221107BHJP
   C12N 5/0789 20100101ALN20221107BHJP
   C07K 14/545 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/57 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/525 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/74 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/50 20060101ALN20221107BHJP
   C07K 14/49 20060101ALN20221107BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALN20221107BHJP
【FI】
A61K35/33
A61P25/00
A61K35/28
C12N5/0775
C12N5/0789
C07K14/545
C07K14/57
C07K14/525
C07K14/705
C07K14/74
C07K14/50
C07K14/49
C12Q1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515489
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 US2020049949
(87)【国際公開番号】W WO2021050549
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/897,428
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516071686
【氏名又は名称】フィジーン、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】FIGENE, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イチム、トーマス
【テーマコード(参考)】
4B063
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QQ79
4B063QR48
4B063QR73
4B063QR77
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AC14
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087MA16
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA01
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA61
4H045CA50
4H045DA03
4H045DA14
4H045DA18
4H045DA50
4H045EA20
(57)【要約】
開示の実施形態には、1種類以上の型の免疫細胞とともに培養された線維芽細胞及び/又は線維芽細胞を投与することによる脳震盪下及び/又は脳震盪性損傷の処置が含まれる。1つの特定の実施形態において、線維芽細胞は患者特異的T細胞の存在下で単球と共に培養され、次いで、T細胞は患者に再投与される。1つの特定の実施形態において、線維芽細胞-免疫細胞混合物に由来する製品は、細胞溶解物、アポトーシス体、エキソソーム、及び/又は他の微小胞から構成される。一実施形態では、線維芽細胞及び/又は線維芽細胞に由来する生成物が1つ又は複数の頭部損傷に続いて投与される。他の実施形態において、生成物は、神経回復及び/又は神経保護介入と組み合わせて投与される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)頭部及び/又は頸部損傷後に1つ以上の上昇した炎症マーカーを有する個体を任意に同定することと、b)治療的に十分な量の再生細胞及び/又は前記再生細胞に由来する1つ以上の生成物の投与と、c)必要に応じて、前記再生細胞及び/又は前記細胞に由来する製品の反復投与と、を含む、個体における脳震盪下又は脳震盪性脳損傷の治療法。
【請求項2】
前記頭部損傷後に評価される前記炎症マーカーは、a)C反応性タンパク、b)インターロイキン-1、c)インターロイキン-6、d)インターロイキン-8、e)インターロイキン-33、f)赤血球沈降比、g)TNF-α、h)インターフェロンγ、及び、i)それらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上昇は、標準的な実験室値又は一般集団における値と比較して少なくとも20%高い濃度を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記再生細胞は、線維芽細胞である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記線維芽細胞は、Oct-4、Nanog、Sox-2、KLF4、c-Myc、Rex-1、GDF-3、LIF受容体、CD105、CD117、CD344ステラ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記線維芽細胞は、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、CD141、PDGFr-α、HLA-A、HLA-B、HLA-C、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記線維芽細胞は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD45、CD13、CD49c、CD66b、CD73、CD105、CD90、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現しない、請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記線維芽細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、HLA-DR、HLA-DP、HLA-DQ、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現しない、請求項4~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記再生細胞は、線維芽細胞と造血幹細胞との組み合わせである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記造血幹細胞は、免疫不全宿主において多系統再構成が可能である、9記載の方法。
【請求項11】
前記造血幹細胞は、c-kitタンパク質を発現する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記造血幹細胞は、Sca-1タンパク質を発現する、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記造血幹細胞は、CD34を発現する、請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記造血幹細胞は、CD133を発現する、請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記造血幹細胞は、系統マーカーの発現を欠く、請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記造血幹細胞は、CD38の発現を欠く、請求項9~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記造血幹細胞は、c-kit及びSca-1の発現について陽性であり、系統マーカーの発現を実質的に欠く、請求項9~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記造血幹細胞は、a)末梢血;b)動員末梢血;c)骨髄;d)臍帯血;e)脂肪間質血管分画;f)前駆細胞、又は、g)その組合せに由来する、請求項9~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記再生細胞は、間葉幹細胞及び線維芽細胞を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記間葉幹細胞は、プラスチック接着性である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記間葉系幹細胞は、a)CD73、b)CD90、c)CD105、及び、d)それらの組み合わせからなる群から選択されるマーカを発現する、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記間葉系幹細胞は、a)CD14、b)CD45、c)CD34、及び、d)それらの組み合わせからなる群から選択されるマーカの発現を欠く、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記間葉系幹細胞は、a)骨髄、b)末梢血、c)脂肪組織、d)動員末梢血、e)臍帯血、f)ワートンゼリー、g)臍帯組織、h)骨格筋組織、i)上皮下臍帯、j)子宮内膜組織、k)月経血、l)卵管組織、及び、m)それらの組み合わせからなる群より選択される組織に由来する、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記臍帯組織由来の前記間葉幹細胞は、a)酸化低密度リポタンパク質受容体1、b)ケモカイン受容体リガンド3、c)顆粒球走化性タンパク質、及び、d)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記臍帯組織由来の前記間葉幹細胞は、a)CD117、b)CD31、c)CD34、d)CD45、及び、e)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現しない、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記臍帯組織由来の前記間葉幹細胞は、ヒト線維芽細胞と比較して、増加したレベルのインターロイキン8及び/又はレチクロン1を発現する、請求項23~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記臍帯組織由来の間葉系幹細胞は、少なくとも骨格筋、血管平滑筋、周皮細胞又は血管内皮表現型の細胞に分化する可能性を有する、請求項23~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記臍帯組織由来の前記間葉幹細胞は、a)CD10、b)CD13、c)CD44、d)CD73、e)CD90、及び、f)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項23~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記臍帯組織間葉系幹細胞は、培養において自己再生及び増殖が可能な血液を実質的に含まない臍帯組織から単離された臍帯組織細胞である、請求項23~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記臍帯組織間葉系幹細胞は、他の表現型の細胞に分化する能力を有する、請求項23~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記他の表現型は、a)骨細胞性、b)脂肪生成、c)軟骨形成分化、又は、d)それらの組み合わせを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記索組織由来の間葉系幹細胞は、培養において少なくとも20回の倍加を受け得るか、又は受けた、請求項23~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記索組織由来の間葉系幹細胞は、継代時に正常な核型を維持する、請求項23~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記索組織由来の間葉系幹細胞は、A)CD10、b)CD13、c)CD44、d)CD73、e)CD90、f)PDGFr-α、g)PD-L2、h)HLA-A,B,C、及び、i)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカを発現する、請求項23~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記臍帯組織間葉系幹細胞は、a)CD31;b)CD34;c)CD45;d)CD80;e)CD86;f)CD117;g)CD141;h)CD178;i)B7-H2;j)HLA-G;k)HLA-DR,DP,DQ;及びl)これらの組み合わせからなる群より選択される1以上のマーカーを発現しない、請求項23~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記臍帯組織由来細胞は、a)MCP-1、b)MIP1beta、c)IL-6、d)IL-8、e)GCP-2、f)HGF、g)KGF、h)FGF、i)HB-EGF、j)BDNFと、k)TPO、l)ランテス、m)TIMP1、n)それらの組み合わせからなる群から選択される因子を分泌する、請求項23~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記臍帯組織由来細胞は、a)TRA1-60、b)TRA1-81、c)SSEA3、d)SSEA4、e)ナノグ、及び、f)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項23~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記臍帯組織由来細胞は、アルカリホスファターゼ染色について陽性である、請求項23~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記臍帯組織由来細胞は、a)外胚葉;b)中胚葉;c)内胚葉;及び、d)それらの組み合わせからなる群より選択される1つ以上の系統に分化することができる、請求項23~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記骨髄由来の間葉系幹細胞は、a)CD73、b)CD90、c)CD105、及び、d)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを有する、請求項23~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記骨髄由来の間葉系幹細胞は、a)LFA-3、b)ICAM-1、c)PECAM-1、d)P-セレクチン、e)L-セレクチン、f)CD49b/CD29、g)CD49c/CD29、h)CD49d/CD29、i)CD29、j)CD18、k)CD61、l)6-19、m)トロンボモジュリン、n)テロメラーゼ、o)CD10、p)CD13、q)インテグリンβ、及び、r)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを有する、請求項23~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記骨髄由来の間葉系幹細胞は、間葉系幹細胞前駆細胞である、請求項23~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記間葉系前駆細胞は、STRO-1を含む細胞を濃縮した骨髄間葉系幹細胞の集団である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記間葉系前駆細胞は、STRO-1及びVCAM-1の両方を発現する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記STRO-1発現細胞は、A)CBFA-1、b)II型コラーゲン、c)PPAR.gamma2、d)オステオポンチン、e)オステオカルシン、f)副甲状腺ホルモン受容体、g)レプチン、h)H-ALBP、i)アグリカン、j)Ki67、k)グリコホリンA、及び、l)それらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのマーカについて陰性である、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記骨髄間葉系幹細胞は、CD14、CD34、及び/又は、CD45の発現を欠く、請求項23に記載の方法。
【請求項47】
前記STRO-1発現細胞は、a)VACM-1、b)TKY-1、c)CD146、d)STRO-2、及び、d)それらの組み合わせからなる群から選択されるマーカに対して陽性である、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記骨髄間葉系幹細胞は、a)CD13、b)CD34、c)CD56、d)CD117、及び、e)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項23~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記骨髄間葉系幹細胞は、CD10を発現しない、請求項46又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記骨髄間葉系幹細胞は、CD2、CD5、CD14、CD19、CD33、CD45、及び、DRIIの1つ又は複数を発現しない、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記骨髄間葉系幹細胞は、CD13、CD34、CD56、CD90、CD117、及び、ネスチンの1つ又は複数を発現し、CD2、CD3、CD10、CD14、CD16、CD31、CD33、CD45、及び、CD64の1つ又は複数を発現しない、請求項23~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記骨格筋幹細胞は、a)CD13;b)CD34;c)CD56;d)CD117;及びe)それらの組み合わせからなる群から選択されるマーカーを発現する、請求項23~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記骨格筋間葉系幹細胞は、CD10を発現しない、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
骨格筋間葉系幹細胞は、CD2、CD5、CD14、CD19、CD33、CD45、及び、DRIIの1つ又は複数を発現しない、請求項52又は53記載の方法。
【請求項55】
前記骨髄間葉系幹細胞は、CD13、CD34、CD56、CD90、CD117、及び、ネスチンの1つ又は複数を発現し、CD2、CD3、CD10、CD14、CD16、CD31、CD33、CD45、及び、CD64の1つ又は複数を発現しない、請求項46又は48~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、a)CD29;b)CD73;c)CD90;d)CD166;e)SSEA4;f)CD9;g)CD44;h)CD146;i)CD105;及び、j)これらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現する、請求項23~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、a)CD45;b)CD34;c)CD14;d)CD79;e)CD106;f)CD86;g)CD80;h)CD19;i)CD117;j)Stro-1;k)HLA-DR;及び、l)これらの組合せからなる群より選択されるマーカーを発現しない、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、CD29、CD73、CD90、CD166、SSEA4、CD9、CD44、CD146、及び、CD105の1以上を発現する、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、CD45、CD34、CD14、CD79、CD106、CD86、CD80、CD19、CD117、Stro-1、及び、HLA-DRの1以上を発現しない、請求項56~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、SOX2に対して陽性である、請求項56~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、OCT4に対して陽性である、請求項56~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記上皮下臍帯由来の間葉系幹細胞は、OCT4及びSOX2に対して陽性である、請求項56~61のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、令和1年9月9日に出願された米国仮特許出願第62/897428号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
開示の実施形態は、少なくとも細胞生物学、分子生物学、神経学、生理学、生物化学、免疫学、及び、医学の分野を包含する。
【背景技術】
【0003】
慢性外傷性脳症(CTE)は、もともとボクシングのスポーツの中で「パンチドランク症候群」という名称で記載されてきた。多発性発作と反復頭部打撲を伴うプロボクサーは、慢性外傷性脳症(CTE)を起こしやすいことが知られている。頭部打撲を繰り返すと、脳の回転加速、びまん性軸索損傷、その他の神経病理学的特徴が生じる。CTEには、振戦、構音障害、パーキンソニズムなどの運動変化;精神遅滞や記憶障害などの認知機能変化;爆発的行動、病的空想、病的中毒、及び、[1-6]などの精神医学的変化が含まれる。
【0004】
英国では、少なくとも17%のボクサーが、CTEによる歩行及び協調運動の障害、不明瞭な発語及び振戦のほか、認知障害及び神経行動障害を引き起こす脳機能障害を有すると考えられている[7]。ある研究では、通常のMR画像診断では明らかにされていない顕微鏡的白質変化に感受性のある拡散テンソル画像(DTI)[8,9]を、実行機能と記憶の神経心理学的検査とともにトラクトベース空間統計(tract-based spatial statistics、TBSS)と併用して、男性アマチュアボクサー31人と年齢をマッチングさせた対照31人の集団ならびに知的能力(IQ)を追加的にマッチングさせた19人のサブグループを調査した。参加者は、神経学的検査及び従来のMRにおいて正常な所見を有することが分かった。アマチュアボクサーは、IQを考慮した場合、神経心理学的検査に欠陥を示さなかった。分数異方性は有意に減少したが、拡散率測定値はボクサー群の中心白質路に沿って増加した。これらの変化は、一部には対戦回数と関連していた。本研究は、TBSSがアマチュアボクサーにおける個々の対戦歴に部分的に関連する広範な白質障害を明らかにしたことを実証した。これらの所見は偶発的TBI患者の所見と酷似しており、アマチュアボクサーでも同様の組織学的変化を示している[10]。
【0005】
ボクシングに加えて、Jockeysはまた、CTEに罹患することが報告されており、1976年の刊行物において、Fosterらは、5人のナショナルハントの騎手(National Hunt jockeys)がてんかんを伴う外傷後脳障害、及び有意な知的及び心理的悪化を伴う2人を有することが見出されたことを報告した[11]。同様の状況を有するジョッキーの他の報告が記載されている[12]。CTEの原因としては、むち打ち症[13]、揺さぶられっ子症候群[14]、レスリング[15]、軍隊戦闘[16、17]、サッカー[18-22]、ラグビー[23]、サッカー[24、25]、刑務所頭部外傷[26]、ショットガン負傷[27]、総合格闘技[28]などがあり、他にも数多くのことが言及されている。
【0006】
JAMA誌の1つの研究は、研究のために脳が寄付された202人のフットボール選手の症例シリーズを調査した。情報提供者による神経病理学的評価及び電話での後ろ向き臨床評価(頭部外傷歴を含む)を盲検下で実施した。オンラインアンケートにより、運動歴及び軍事歴を確認した。定義された診断基準に基づくCTEを含む神経変性疾患の神経病理学的診断;CTEの神経病理学的重症度(I期~IV期、又は、軽症[I期及びII期]と重症[III期及びIV期]に二分される);情報提供者が報告した運動歴、及び2014年以降に死亡した選手については、行動、気分、認知症状などの臨床像、認知症。死亡した元サッカー選手202名(死亡時年齢中央値66歳[四分位範囲47~76歳])のうち、CTEと神経病理学的に診断された選手は177名(87%;死亡時年齢中央値67歳[四分位範囲52~77歳];サッカー参加平均年数15.1[SD、5.2])で、前高校2名中0名、高校14名中3名(21%)、大学53名中48名(91%)、セミプロ14名中9名(64%)、カナダサッカーリーグ8名中7名(88%)、ナショナルサッカーリーグ111名中110名(99%)であった。CTEの神経病理学的重症度は最高レベルの遊びにわたって分布しており、前高校選手3人全員が軽度の病理を有し、前大学(27人[56%])、半プロ(5人[56%])、プロ(101人[86%])選手の大半が重度の病理を有していた。軽度のCTE病理を有する27人の参加者のうち、26人(96%)に行動又は気分の症状又はその両方が認められ、23人(85%)に認知症状が認められ、9人(33%)に認知症の徴候が認められた。重度のCTE病理を有する参加者84例のうち、75例(89%)に行動又は気分の症状又はその両方が認められ、80例(95%)に認知症状が認められ、71例(85%)に認知症の徴候が認められた。研究のために脳を提供した死体フットボール選手の便宜試料では、高い割合でCTEの神経病理学的エビデンスが認められ、CTEがフットボールへの事前参加に関連している可能性が示唆された[29]。
【0007】
別の研究では、著者らが神経病理学的に確認されたCTEを有するタックルフットボール選手における、慢性外傷性脳症(CTE)の病理学的重症度及び神経行動学的症状発現年齢に対する、タックルフットボールへの初回暴露年齢の影響を検討した。サンプルは、神経病理学的検査のために脳を提供した246人のサッカー選手を含んでいた。211例はCTEと診断され(211例中126例は神経変性疾患を併発していなかった)、35例はCTEを併発していなかった。インフォームド・インタビューでは、初回曝露の年齢、認知及び行動/気分症状の発症年齢を確認した。分析は、10年間及び再生期間を説明した。曝露年齢は、CTEの病理学的重症度、アルツハイマー病又はレビー小体病理と関連していなかった。CTEの211人の参加者では、1年ごとに若い参加者が2.44年までに報告された認知症状発症(p<0.0001)及び2.50年までに行動/気分症状(p<0.0001)を予測して、より早期にタックルフットボールを演じ始めた。12年以前の曝露年齢はそれぞれ13.39歳と13.28歳までに、より早期の認知(p<0.0001)と行動/気分(p<0.0001)症状発症を予測した。認知症の参加者では、曝露年齢が若いことがより早期の機能障害発症に対応していた。CTE同様の参加者126例でも同様の効果が観察された。CTEを有さない参加者では、効果の大きさは同等であった。死亡したタクルフットボール選手のこのサンプルではより若い年齢でのタックルフットボールへの曝露がCTE病理学的重症度と関連しなかったが、より早期の神経行動学的症状発症を予測した。サッカーに取り組む若者の暴露は、終末期の神経病理学に対する回復力を低下させる可能性がある[30]。
【0008】
本開示は、CTE及び他のタイプの亜凝集性関連及び脳震盪関連の神経学的損傷の効果的な治療又は予防を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、頭部外傷の領域に関するものであり、より詳細には、CTEの治療のための再生医療の分野を含む慢性外傷性脳症(CTE)の分野に関するものである。
【0010】
開示されているのは、変化した状態及び慢性外傷性脳症(CTE)のような病態をもたらす、任意の種類の免疫細胞及び/又は幹細胞とともに培養された線維芽細胞及び/又は線維芽細胞を用いた、脳震盪性及び/又は脳震盪性脳損傷の治療のための、新規で有用かつ非明白な方法論及び物質組成物である。本開示の1つの実施形態において、細胞の組み合わせは、a)酸化ストレスを減少させるために;b)炎症を抑制するために;c)神経形成を増強するために;及び/又は、d)軸索の再成長を刺激するために投与される。一実施形態において、線維芽細胞(例えば、臍帯及び/又は他の周産期組織(例えば)に由来する)を、患者特異的T細胞の存在下で免疫細胞(例えば、単球)とともに培養し、続いて、T細胞を患者に再投与する。別の実施形態では、線維芽細胞は骨髄由来である。さらに別の実施形態では、線維芽細胞は脂肪由来である。一実施形態において、線維芽細胞-免疫細胞混合物に由来する生成物は、細胞溶解物、アポトーシス体、エキソソーム、及び他の微小胞から構成される。一実施形態では、線維芽細胞及び/又は線維芽細胞に由来する製品が任意の種類の1つ以上の頭部損傷に続いて投与される。他の実施形態において、製品は、任意の細胞の投与と同時にであろうとなかろうと、神経回復及び/又は神経保護介入と共に投与される。
【0011】
上記は以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴及び技術的利点をかなり広く概説した。本明細書の特許請求の範囲の主題を形成する追加の特徴及び利点を以下に説明する。開示された概念及び特定の実施形態は、本設計の同じ目的を実行するために他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。また、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に記載される精神及び範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本明細書に開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴は、さらなる目的及び利点とともに、動作の構成及び方法の両方に関して、添付の図面と関連して考慮される場合、以下の説明からより良く理解される。しかしながら、各図は、例示及び説明の目的のためだけに提供され、本開示の限定の定義として意図されないことが明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0013】
図1図1は、線維芽細胞が脳由来神経栄養因子(BDNF)を産生する際に単球と相乗作用することを示す。左から右への棒は対照、線維芽細胞単独、単球単独、線維芽細胞と単球の混合物である。
【0014】
図2図2は、線維芽細胞がBDNFを産生する際にCD34と相乗作用することを示す。左から右への棒は、対照、線維芽細胞単独、CD34単独、及び線維芽細胞とCD34の混合物である。
【0015】
図3図3は、線維芽細胞がBDNFを産生する際にMSCと相乗作用することを実証する。左から右への棒は、コントロール、線維芽細胞単独、MSC単独、及び線維芽細胞とMSCとの混合物である。
【0016】
図4図4は、線維芽細胞が単球と相乗作用してニューロン死を阻害することを示す。左から右への棒は対照、線維芽細胞単独、単球単独、線維芽細胞と単球の混合物である。
【0017】
図5図5は、線維芽細胞がCD34と相乗作用してニューロン死を阻害することを示す。左から右への棒は、対照、線維芽細胞単独、CD34単独、及び線維芽細胞とCD34の混合物である。
【0018】
図6図6は、線維芽細胞がMSCと相乗作用してニューロン死を阻害することを示す。左から右への棒は、コントロール、線維芽細胞単独、MSC単独、及び線維芽細胞とMSCとの混合物である。
【0019】
図7図7は、線維芽細胞が単球と相乗的に神経形成を刺激することを示す。左から右への棒は対照、線維芽細胞単独、単球単独、線維芽細胞と単球の混合物である。
【0020】
図8図8は、線維芽細胞がCD34と相乗作用して神経形成を刺激することを示す。左から右への棒は、対照、線維芽細胞単独、CD34単独、及び線維芽細胞とCD34の混合物である。
【0021】
図9図9は、線維芽細胞がMSCと相乗作用して神経形成を刺激することを実証する。左から右への棒は、コントロール、線維芽細胞単独、MSC単独、及び線維芽細胞とMSCとの混合物である。
【0022】
図10図10は、線維芽細胞ならし培地がニューロンを損傷から保護することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
I.定義例
長年の特許法条約に従い、用語「a」及び「an」という語は特許請求の範囲を含む、本明細書中で使用される場合、「1つ又は複数の」ことを意味し、開示の一部の実施形態は、開示の1つ又は複数の要素、方法ステップ、及び/又は方法から成るか、又は本質的に成ることができる。本明細書中に記載されるいずれの方法又は組成物も、本明細書中に記載される任意の他の方法又は組成物に関して使用され得ることが意図される。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「約」又は「およそ」は、参照量、レベル、数、頻度、パーセンテージ、寸法、量、重量、又は長さに対して30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%ほど変化する量、レベル、数、パーセンテージ、サイズ、パーセンテージ、寸法、量、重量又は長さを指す。特定の実施形態では、用語「約」又は「約」が数値に先行する場合、15%、10%、5%、又は1%の範囲をプラス又はマイナスする値を示す。生物学的システム又はプロセスに関して、この用語は、値の5倍以内、及び2倍以内などの大きさのオーダー内を意味することができる。特に明記しない限り、用語「約」は、特定の数値に対する許容誤差範囲内に手段する。
【0025】
用語「投与される」又は「投与する」は、本明細書中で使用される場合、組成物が個体に対して意図される効果を有するように、組成物を個体に提供する任意の方法をいう。例えば、投与の1つの方法はカテーテル、アプリケーターガン、シリンジなどの医療デバイスを使用する間接機構によるものであるが、これらに限定されない。第2の例示的な投与方法は直接機構、例えば、局所組織投与、経口摂取、経皮パッチ、局所、吸入、坐薬などによる。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「同種異系」は同じ種の1つ以上の個体由来であるが、天然の設定において免疫学的に不適合であるか、又は免疫学的に不適合であり得る、別の身体由来の組織又は細胞又は他の物質をいう。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「同種移植」はドナーからレシピエントへの器官、組織、及び/又は細胞の移植をいい、ここで、ドナー及びレシピエントは異なる個体であるが、同じ種のものである。このような手順によって移植された組織は、同種移植片又は同種移植と呼ばれる。
【0028】
本明細書中で使用される、用語「同種刺激性」及び「同種反応物性」は、同種抗原、又は異種HLAハプロタイプを発現する「同種抗原」もしくは細胞に応答する免疫系の刺激及び反応物を意味する。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「自己」とは、同じ個体の身体に由来するか、又はそれから移入される組織又は細胞又は他の物質(すなわち、自己献血;自己骨髄移植)をいう。
【0030】
本明細書中で使用される場合、用語「自己移植」は個体における身体のある部分から同じ個体における別の部分への器官、組織、及び/又は細胞の移植をいう(すなわち、ドナー及びレシピエントは、同じ個体である)。このような「自家」手技によって移植された組織は、自家移植片又は自家移植と呼ばれる。
【0031】
用語「生物学的に活性である」は、構造的、調節的又は生化学的機能を有する任意の分子を指す。例えば、生物学的活性は例えば、タンパク質活性を欠く細胞における野生型増殖の回復によって決定され得る。タンパク質活性を欠く細胞は多くの方法(すなわち、例えば、点変異及びフレームシフト変異)によって産生され得る;相補性は、タンパク質活性を欠く細胞を、タンパク質、その誘導体、又はその一部を発現する発現ベクターでトランスフェクトすることによって達成される。他の場合において、遺伝子産物のフラグメント(例えば、タンパク質)はそれが全長遺伝子産物の活性を保持する場合、生物学的に活性であると考えられ得る(又は機能的に活性であると呼ばれ得る)が、それは全長遺伝子産物の活性が減少したが検出可能なレベルであり得る。
【0032】
「細胞培養物」は、静止、老化、又は(活発に)分裂しているかどうかにかかわらず、生存細胞を含有する人工in vitro系である。細胞培養において、細胞は37℃の温度のような適切な温度で、及び典型的には酸素及びCO2を含む大気中で増殖及び維持されるが、他の場合にはこれらは変更される。培養条件は各細胞型について広範に変動し得るが、特定の細胞型についての条件の変動は発現される異なる表現型を生じ得る。培養系において最も一般的に変化する因子は増殖培地である。増殖培地は、栄養素、増殖因子の濃度、及び他の成分の存在において変化し得る。培地を補充するために使用される増殖因子はしばしば、ウシ血清のような動物血液に由来する。
【0033】
「備える」は、記載されたステップ又は要素、又はステップ又は要素のグループの包含を意味するが、他のステップ又は要素、又はステップ又は要素のグループの排除を意味しないことが理解されるのであろう。"consisting of"とは"consisting of"という語句の後に続くものを含むことを意味し、これに限定されるものではない。したがって、"consisting of"という語句は列挙された要素が必須又は必須であること、及び他の要素が存在しないことを示す。「から本質的になる」とは、語句の後に列挙される任意の要素を含むことを意味し、列挙される要素についての開示において特定される活性又は作用を妨害しないか、又はそれに寄与しない他の要素に限定される。したがって、用語「から本質的になる」は列挙された要素が必要又は必須であることを示すが、他の要素は任意ではなく、列挙された要素の活動又は作用に影響を及ぼすかどうかに応じて存在しても存在しなくてもよい。
【0034】
本明細書で使用される用語「薬物」、「薬剤」又は「化合物」は、所望の効果を達成する、投与することができる任意の薬理学的に活性な物質を指す。薬物又は化合物は、合成又は天然に存在する、非ペプチド、タンパク質又はペプチド、オリゴヌクレオチド、又はヌクレオチド(DNA及び/又はRNA)、多糖又は糖であり得る。
【0035】
本明細書で使用される用語「個体」は、医療施設に収容されてもされなくてもよく、医療施設の外来患者として治療されてもよい、ヒト又は動物を指す。個体は、インターネットを介して1つ以上の医療組成物を受けていてもよい。個体はヒト又は非ヒト動物の任意の年齢を含み得、したがって、成人及び幼児(すなわち、子供)ならびに乳児の両方を含む。用語「個体」が医学的治療の必要性を意味することは意図されておらず、従って、個人は、臨床的なものであろうと基礎科学の研究を支持するものであろうと、自発的に又は非自発的に実験の一部であろう。用語「対象」又は「個体」は、哺乳動物、例えば、ヒト、実験動物(例えば、霊長類、ラット、マウス、ウサギ)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、七面鳥、及びニワトリ)、家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、及びげっ歯類)、ウマ、ならびにトランスジェニック非ヒト動物を含む、方法又は材料の対象である任意の生物又は動物対象を指す。
【0036】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「関連する実施形態」、「特定の実施形態」、「追加の実施形態」、又は「さらなる実施形態」、又はそれらの組み合わせへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構成、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを手段する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における前述の語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、特別な特徴、構造又は特質は1以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられ得る。
【0037】
本明細書中で使用される用語「薬学的に」又は「薬理学的に許容される」は、動物又はヒトに投与された場合に、有害な、アレルギー性の、又は他の不都合な反応を生じない分子実体及び組成物をいう。
【0038】
本明細書中で使用される用語「薬学的に受容可能なキャリア」は水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレン、グリコールなど)、それらの適切な混合物、ならびに植物油、コーティング、等張性及び吸収遅延剤、リポソーム、商業的に入手可能な洗浄剤などを含むが、これらに限定されない、任意の及び全ての溶媒、又は分散媒体を含む。補助的な生物活性成分もまた、このようなキャリアに組み込まれ得る。
【0039】
治療された被験体と比較して、治療されていない被験体における任意の症状の発現を参照する場合、用語「減少」、「抑制」、「減少」、「減少」、「予防」及び文法的等価物(「より低い」、「より小さい」などを含む)は、治療された被験体における症状の量及び/又は大きさが、任意の医学的に訓練された職員によって臨床的に関連すると認識される任意の量によって、治療された被験体における症状の量及び/又は大きさよりも低いことを意味する。一実施形態では、治療対象における症状の量及び/又は大きさは未治療対象における症状の量及び/又は大きさよりも少なくとも10%低く、少なくとも25%低く、少なくとも50%低く、少なくとも75%低く、及び/又は少なくとも90%低い。
【0040】
II.実施形態
本開示は、損傷及び/又は疾患を含む、脳に関連する医学的状態の治療及び予防を包含する。本開示の特定の方法は、神経学的損傷を処置又は予防する。医学的状態は神経学的障害である可能性がある。外傷性脳損傷を含め、あらゆる種類の脳損傷を治療又は予防することができる。損傷は、血腫、出血、震盪、浮腫、これらの混合物などを含み得る。外傷性脳損傷の種類には、脳挫傷、セカンドインパクト症候群、Coup-Contrecoup脳損傷、揺さぶられっ子症候群、及び/又は穿通性損傷がある。
【0041】
医学的状態は、場合によっては単一の損傷又は繰り返される損傷の結果であり得る。損傷は、仕事及び/又はスポーツの結果を含む、物理的接触によるものであり得る。いずれの損傷も、その個人の一生の間に、何らかの1つ以上の症状が発現する前の年、数カ月、数日、又は数週間を含めて、回起こっていた可能性がある。特定の実施形態では医学的状態が慢性外傷性脳症(CTE)であり、これにはプギリスティカ(pugilistica)認知症が含まれる。個人は、サッカー、ボクシング、レスリング、サッカー、ホッケー、ラクロス、バスケットボール、野球、ソフトボール、ラグビーなどにレクリエーション的又はプロフェッショナルに関与するものを含むアスリートであってもよい。運動選手はスポーツのために、そして予防を必要とするために、損傷の危険にさらされ得る。個人は、建設作業員、第1の対応者、倉庫作業員など、自分の仕事に関連する頭部損傷などの医学的状態を有することがある。いかなる種類の労働者であっても、その職業及び予防の必要があるため、負傷の危険にさらされるおそれがある。
【0042】
特定の実施形態では、本開示が例えば、間葉幹細胞、単球、及び/又は造血幹細胞などの他の細胞との線維芽細胞及び線維芽細胞の投与が1つ又は複数の再生因子の産生の増強を可能にする一連の生化学反応及び細胞反応を引き起こし、場合によってはCTEの発症に関連する、震盪性及び/又は亜密着性損傷に罹患している個体における再生/保護/予防に有用であるという、新規の、有用な、及び予想外の発見を包含する。より具体的には、本発明が線維芽細胞、及び/又は線維芽細胞と1つ以上の他の組成物(細胞を含む)との組合せを使用して、CTEの結果としての進行性ニューロン喪失、認知喪失、及びミクログリア活性化を阻害する手段を提供する。1つの実施形態において、CTEを有する個体におけるニューロンの機能を増強する及び/又はニューロンを保護する手段として、有効量の線維芽細胞の投与がある。
【0043】
いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、個体について自己様式で利用される。別の実施形態において、同種異系線維芽細胞は、本開示の方法の実施のために利用される。線維芽細胞の様々な供給源が開示の方法の実施のために使用され得るが、これにはa)包皮;b)脂肪組織;c)皮膚生検;d)骨髄;e)胎盤;f)臍帯;g)羊水;h)臍帯血;i)耳垂皮膚;j)胚性線維芽細胞;k)形成外科関連副産物;及び/又は、l)爪マトリックスが含まれる。
【0044】
1つの実施形態において、本開示は、治療的使用の前の線維芽細胞の活性化の使用、及び/又は線維芽細胞の「再生アジュバント」として作用する1つ以上の薬剤の投与を包含する。特定の実施形態では、製剤中の細胞が培養単層中で増殖する場合、典型的な線維芽細胞形態を示す。具体的には細胞が細長い延長部を有する細長い紡錘形又は紡錘形の外観を示し得るか、又は細胞は細胞質の前縁を有し得る、より大きく平坦な星状細胞として現れ得る。これらの形態の混合物も観察することができる。細胞は、例として、線維芽細胞特異的マーカー、CD90(Thy-1)、35kDa細胞表面糖タンパク質、及び細胞外マトリックスタンパク質、コラーゲンを含む、正常な線維芽細胞に特徴的なタンパク質を発現し得る。線維芽細胞投薬処方物は、標準的な組織培養手順を使用して、各個体自身の皮膚の生検から増殖された、自己線維芽細胞の懸濁液から構成される自己細胞治療生成物である。1つの実施形態において、本開示の線維芽細胞はまた、組織修復及び/又は再生のための他の細胞型を生成するために使用され得る。
【0045】
本開示の実施形態は、それを必要とする個体に、1つ以上の型の免疫細胞と共に培養された線維芽細胞及び/又は線維芽細胞を投与することによる、衝突下及び/又は震盪性の脳損傷の処置又は予防のための方法を含む。1つの特定の実施形態では、線維芽細胞がT細胞(レシピエント個体に対して自己又は同種又は異種)の存在下で単球とともに培養され、続いて、T細胞が個体に投与される。特定の実施形態において、線維芽細胞-免疫細胞混合物に由来する生成物は、細胞溶解物、アポトーシス体、エキソソーム、及び/又は他の微小胞から構成される。一実施形態では、線維芽細胞及び/又は線維芽細胞に由来する製品が1つ又は複数の頭部損傷に続いて投与される。他の実施形態において、生成物は、神経回復及び/又は神経保護介入と組み合わせて投与される。
【0046】
本開示の実施形態は、治療有効量の再生細胞及び/又は再生細胞に由来する1つ以上の製品を投与する工程;ならびに、必要であれば、前記再生細胞及び/又は前記細胞に由来する製品の投与を繰り返す工程を包含する、個体における震盪下又は震盪性脳損傷を処置又は予防する方法を包含する。再生細胞は、1つ以上の型の免疫細胞及び/又は1つ以上の型の幹細胞とともに培養された線維芽細胞であってよい。特定の場合において、線維芽細胞は単球、間葉幹細胞、及び/又は造血幹細胞とともに培養されており、いくつかの場合において、この方法の任意の工程での線維芽細胞からの産物は、それを必要とする個体に提供される。場合によっては、個体が頭部及び/又は頸部損傷に続いて1つ以上の炎症マーカーの上昇を有すると同定される。
【0047】
線維芽細胞及び/又はそれに由来する産物がそれを必要とする個体に送達される実施形態において、線維芽細胞は、天然に再生性であり得るか、又は再生性であるように操作され得る。このような場合、線維芽細胞は1以上の特異的マーカーを発現し、かつ/又は1以上の特異的マーカーを欠くことができる。例えば、線維芽細胞は、Oct-4、Nanog、Sox-2、KLF4、c-Myc、Rex-1、GDF-3、LIF受容体、CD105、CD117、CD344ステラ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現し得る。線維芽細胞は、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、CD141、PDGFr-α、HLA-A、HLA-B、HLA-C、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーを追加的又は代替的に発現することができる。線維芽細胞は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD45、CD13、CD49c、CD66b、CD73、CD105、CD90、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーの発現を追加的又は代替的に欠くことができる。線維芽細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、HLA-DR、HLA-DP、HLA-DQ、及びこれらの組合せからなる群より選択されるマーカーの発現を追加的又は代替的に欠くことができる。
【0048】
特定の実施形態では、本明細書に包含される任意の方法で使用される任意の細胞が再生細胞であり、そのような細胞は線維芽細胞と造血幹細胞(及び/又は間葉幹細胞)、任意選択で任意の種類の免疫細胞との組合せを含むことができる。造血幹細胞は、免疫不全宿主において多系統の再構成が可能であり得る。造血幹細胞はc-kitタンパク質、Sca-1タンパク質、CD34、及び/又はCD133を発現することができ、それらは、1つ又は複数の系統マーカーの発現を欠くことがある;それらはCD38の発現を欠くことがある;それらはc-kit及びSca-1の発現に対して陽性であり得、かつ1つ又は複数の系統マーカーの発現を実質的に欠くことがある。
【0049】
間葉幹細胞が利用される場合、それらは1つ以上のマーカーを発現し得、そしてそれらは1つ以上のマーカーの発現を欠失し得る。特定の場合において、それらは、a)CD73;b)CD90;c)CD105;及びd)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーを発現し;及び/又はそれらはa)CD14;b)CD45;c)CD34;及びd)それらの組み合わせからなる群より選択されるマーカーの発現を欠くことができる。
【0050】
特定の実施形態において、間葉幹細胞は特定の組織に由来し、その結果、1つ以上のマーカーを発現し得、そしてそれらは、1つ以上のマーカーの発現を欠失し得る。具体的な場合には、それらはa)骨髄;b)末梢血;c)脂肪組織;d)動員された末梢血;e)臍帯血;f)Whartonゼリー;g)臍帯組織;h)骨格筋組織;i)上皮下臍帯;j)子宮内膜組織;k)月経血;l)卵管組織;及びm)これらの組合せからなる群より選択される組織由来であってよい
【0051】
本開示において利用される線維芽細胞は一実施形態において、レシピエント自身の組織(例えば、皮膚)(自己調製物の場合)、又は健康なドナーの組織(例えば、皮膚)(同種調製物の場合)の生検からの増殖によって生成される。いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、若年ドナーから使用される。別の実施形態において、線維芽細胞は増強された増殖及びヘイフリック限界の克服を可能にするために、1つ以上の遺伝子でトランスフェクトされる。細胞の誘導に続いて、標準的な細胞培養技術を用いて培養を拡大することができる。皮膚組織(真皮及び表皮層)は、例えば、被験者の耳介後領域から生検することができる。一実施形態では、出発物質が標準的な無菌操作を用いて収集された3つの3mmパンチ皮膚生検材料から構成される。生検材料を、処置する医師によって収集し、滅菌リン酸緩衝食塩水(PBS)を含むバイアルに入れる。生検材料は、2~8℃の冷蔵荷送人で製造施設に送り返される。一実施形態では、製造施設に到着した後、生検が検査され、受け入れられると、製造エリアに直接移送される。プロセスの開始時に、次いで、生検組織は、酵素消化の前に洗浄される。洗浄後、Liberase Digestive Enzyme Solutionを細かく切ることなく添加し、生検組織を37.0±2℃で1時間インキュベートする。生検組織消化の時間は、培養中の細胞の生存率及び増殖速度に影響を及ぼし得る重要なプロセスパラメータである。リベラーゼはLonza Walkersville,Inc.(Walkersville,Md)から処方され、Roche Diagnostics Corp.(Indianapolis,IN)から処方されていない、コラゲナーゼ/中性プロテアーゼ酵素カクテルである。あるいは、他の市販のコラゲナーゼ(例えば、Serva Collagenase NB6(Helidelburg,Germany))が使用され得る。消化後、開始増殖培地(IMDM、GA、10%ウシ胎仔血清(FBS))を添加して酵素を中和し、細胞を遠心分離によってペレット化し、5.0mLの開始増殖培地に再懸濁する。あるいは遠心分離は行われず、酵素の完全な不活性化は開始増殖培地のみの添加によって生じる。細胞増殖及び増殖の開始のために、細胞懸濁液をT-175細胞培養フラスコに播種する前に、増殖開始培地を添加する。T-75フラスコの代わりにT-75、T-150、T-185又はT-225フラスコを使用することができる。細胞を37±2.0℃で5.0±1.0% COと共にインキュベートし、3~5日毎に新鮮な完全増殖培地を供給する。このプロセスにおける全ての供給は完全増殖培地の半分を除去し、そして同じ体積を新鮮な培地で置換することによって行われる。あるいは、完全な供給を行うことができる。継代前30日を超えて細胞をT-175フラスコに残してはならない。コンフルエンスは培養分裂の間の適切な播種密度を確実にするために、プロセス全体を通してモニターされる。細胞コンフルエンスがT-175フラスコ中で40%以上である場合、使用済み培地を除去し、細胞を洗浄し、トリプシン-EDTAで処理してフラスコ中の接着細胞を溶液中に放出させることによって、細胞を継代する。次いで、細胞をトリプシン処理し、T-500フラスコに播種して、細胞増殖を続ける。あるいは、1つ又は2つのT-300フラスコ、1つの層セルスタック(1CS)、1つの層セルファクトリ(1CF)又は2つの層セルスタック(2CS)を、T-500フラスコの代わりに使用することができる。各継代及び採取前に形態を評価して、プロセス全体にわたる培養純度全体にわたる培養純度をモニターする。形態学は、観察されたサンプルを、細胞培養物の形態学的試験のための視覚的標準と比較することによって評価される。細胞は、培養された単層中で増殖する場合、典型的な線維芽細胞形態を示す。細胞は、細長い延長部を有する細長い紡錘形又は紡錘形の外観を示すか、又は細胞質の前縁を有し得る、より大きく平坦な星状細胞として現れ得る。これらの形態の混合物も観察することができる。コンフルエントでない領域の線維芽細胞は同様の形状であり得るが、ランダムに配向され得る。細胞培養物中のケラチノサイトの存在も評価する。角化細胞は丸く不規則な形状に見え、そしてより高いコンフルエンスではそれらはコブルストーン形成に組織化されて見える。より低いコンフルエンスでは、ケラチノサイトが小さなコロニーにおいて観察可能である。細胞を37±2.0℃で5.0±1.0%COと共にインキュベートし、T-500フラスコ中で3~5日毎に、10層セルスタック(10CS)中で5~7日毎に継代する。細胞は継代前に10日間以上T-500フラスコ中に留まってはならない。バルク原薬の安全性に関する品質管理(QC)放出試験には、無菌試験及びエンドトキシン試験が含まれる。T-500フラスコ中の細胞コンフルエンスが約95%である場合、細胞を10CS培養容器に継代する。あるいは、2つの5層セルスタック(5CS)又は10層セルファクトリ(10CF)が10CS.10CSの代わりに使用され得る。10CSへの通過は使用済み培地を除去し、細胞を洗浄し、トリプシン-EDTAで処理して、フラスコ中の接着細胞を溶液中に放出することによって行われる。次いで、細胞を10CSに移す。追加の完全増殖培地を加えてトリプシンを中和し、T-500フラスコからの細胞を、新鮮な完全増殖培地を含む2Lボトルにピペットで移す。2Lボトルの内容物を10CSに移し、全ての層に播種する。次に、細胞を37±2.0℃で5.0±1.0% COと共にインキュベートし、5~7日毎に新鮮な完全増殖培地を供給する。細胞は継代前20日間以上10CS中に留まるべきではない。一実施形態では、継代された真皮線維芽細胞が増殖した線維芽細胞をタンパク質を含まない培地中で一定期間インキュベートすることによって、培養培地中に存在する免疫原性タンパク質を実質的に含まないようにされ、一次収穫10CS中の細胞集密が95%以上である場合、細胞が収穫される。回収は使用済み培地を除去し、細胞を洗浄し、トリプシン-EDTAで処理して接着細胞を溶液中に放出させ、追加の完全増殖培地を添加してトリプシンを中和することによって行う。細胞を遠心分離によって収集し、再懸濁し、そしてインプロセスQC試験を行って、総生存細胞数及び細胞生存率を決定する。
【0052】
特定の実施形態では、約5000万~5億個の線維芽細胞が対象に投与される。例えば、約5000万~約1億の線維芽細胞、約5000万~約2億の線維芽細胞、約5000万~約3億の線維芽細胞、約5000万~約4億の線維芽細胞、約1億~約2億の線維芽細胞、約1億~約3億の線維芽細胞、約1億~約4億の線維芽細胞、約1億~約5億の線維芽細胞、約2億~約3億の線維芽細胞、約2億~約4億の線維芽細胞、約2億の線維芽細胞。約2億~約5億の繊維芽細胞、約3億~約4億の繊維芽細胞、約3億~約5億の繊維芽細胞、約4億~約5億の繊維芽細胞、約5000万の繊維芽細胞、約1億の繊維芽細胞。約1億5000万個の線維芽細胞、約2億個の線維芽細胞、約2億5000万個の線維芽細胞、約3億個の線維芽細胞、約3億5000万個の線維芽細胞、約4億個の線維芽細胞、約4億5000万個の線維芽細胞、又は、約5億個の線維芽細胞が、対象に投与され得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、線維芽細胞エキソソームは、任意の種類の細胞からのIL-17産生を減少させるために使用される。本発明における使用のためのエキソソームは、以下のように精製され得る:1つの実施形態において、線維芽細胞は線維芽細胞の生存能力及び増殖能力を保存するために、当該分野で公知の手段を使用して培養される。本開示は実験的又は生物学的使用のために、個別化された自己エキソソーム調製物及び確立された細胞株から得られたエキソソーム調製物の両方に適用され得る。1つの実施形態において、本開示はより具体的には膜小胞を調製するための、特に、潜在的な生物学的汚染物質から膜小胞を分離するためのクロマトグラフィー分離方法の使用に基づき、ここで、前記微小胞はエキソソームであり、そして前記エキソソームを生成するために利用される細胞は線維芽細胞である。
【0054】
本開示の実施のために、特定の実施形態は線維芽細胞を単独で、又は間葉幹細胞(MSC)と組み合わせて、CTEを予防し、かつ/又はCTEを逆転させるのに十分な濃度で静脈内投与することである。
【0055】
いくつかの実施形態における「間葉系幹細胞」又は「MSC」は(1)プラスチックに接着し、(2)CD73、CD90、及びCD105抗原を発現し、一方CD14、CD34、CD45、及びHLA-DR陰性であり、(3)骨形成、軟骨形成及び脂肪形成系統への分化能を有する細胞を指す。間葉様特性を有する他の細胞は、「間葉系幹細胞」の定義の中に含まれ、前記細胞がa)再生活性、b)成長因子の産生、c)直接的に、又は内因性宿主修復機構の誘発を介して、治癒反応を誘導する能力の少なくとも1つを有するという条件を有する。本明細書中で使用される場合、「間葉間質細胞」又は間葉幹細胞は、交換可能に使用され得る。
【0056】
MSCは限定されるわけではないが、骨髄、脂肪組織、羊水、子宮内膜、栄養膜由来組織、臍帯血、Whartonゼリー、胎盤、羊膜組織、多能性幹細胞に由来するもの、及び/又は歯を含む任意の組織に由来することができる。「MSC」のいくつかの定義において、細胞は組織からの最初の単離の際にCD34陽性であるが、表現型及び機能について記載される細胞に類似する細胞を含む。本明細書中で使用される場合、「MSC」は、NGF-R、PDGF-R、EGF-R、IGF-R、CD29、CD49a、CD56、CD63、CD73、CD105、CD106、CD140b、CD146、CD271、MSCA-1、SSEA4、STRO-1及びSTRO-3、ならびにそれらの任意の組み合わせからなるリストから選択される細胞表面マーカーを使用して組織から単離され、そして増殖の前又は後のいずれかでISCT基準を満たす細胞を含み得る。さらに、本明細書中で使用される「MSC」は、骨髄間質幹細胞(BMSSC)、骨髄単離多能性成人前駆細胞(MAPC)、間葉系成人幹細胞(MASCS)、MultiStem(登録商標),Prochymal(登録商標)、間葉系前駆細胞(MPCs)、歯髄幹細胞(DPSCs)、PLX細胞、PLX-PAD、AlloStem(登録商標),Astrostem(登録商標)、Ixmyelocel-T、MSC-NTF、NurOwn(登録商標)、Stempeucel(登録商標)、StempeucelCLI、StempeucelOA、HiQCell、Hearticellgram-AMI、Revascor(登録商標),Cardiorel(登録商標),Cartistem(登録商標),Pneumostem(登録商標),Promostem(登録商標)、Homeo-GH、AC607、PDA001、SB623、AC607、子宮内膜再生細胞(ERC)、脂肪由来幹細胞及び再生細胞(ADRC)として文献中に記載されている細胞を含む。
【0057】
MSCは、投与自体によって増殖及び利用されてもよく、又は条件培地を得るために増殖培地中で培養されてもよく、用語「増殖培地」は一般に、臍由来細胞の培養に十分な培地を指す。特に、本明細書中の本発明の細胞の培養のための1つの特定の培地は、ダルベッコの改変必須培地(本明細書中でDMEMとも略される)を含む。特に好ましいのは、DMEM-低グルコース(本明細書中ではDMEM-LGも)(Invitrogen,Carlsbad,CA)である。DMEM低グルコースは好ましくは15%(v/v)ウシ胎仔血清(例えば、規定ウシ胎仔血清、Hyclone、Logan Utah)、抗生物質/抗真菌薬(好ましくは、ペニシリン(100単位/ミリリットル)、ストレプトマイシン(100ミリグラム/ミリリットル)、及びアンホテリシンB(0.25マイクログラム/ミリリットル)、(Invitrogen、Carlsbad、CA)、ならびに0.001%(v/v)2-メルカプトエタノール(Sigma、St.Louis Mo)で補充される。いくつかの場合において、異なる増殖培地が使用されるか、又は異なる補充物が提供され、そしてこれらは、通常、増殖培地への補充物として本文中に示される。
【0058】
また、本発明に関連して、本明細書で使用される用語「標準増殖条件」は、5%のCOを含む標準大気中で37℃で細胞を培養することを指すことができる。相対湿度を約100%に維持する。前述の条件は培養に有益であるが、このような条件は細胞を培養するために当業者が利用可能な選択肢、例えば、体温、CO、相対湿度、酸素、増殖培地などを変化させることによって変化させることができることを理解されたい。
【0059】
間葉系幹細胞(「MSC」)はもともとは胚性中胚葉に由来し、その後、成体骨髄及び他の成体組織から単離された。これらは筋肉、骨、軟骨、脂肪、骨髄間質、及び/又は腱を形成するために、場合によっては分化させることができる。中胚葉はまた、心筋、平滑筋、又は内皮と造血前駆細胞からなる血島を生じうる内臓中胚葉に分化する。これまでに記載された間葉幹細胞の分化能は、最もよく特徴付けられた間葉幹細胞を含む間葉起源の細胞に限定される(Pittengerら、Science(1999)284:143-147及び米国特許第5,827,740号(SH2 SH4 CD29 CD44 CD71 CD90 CD106 CD120a CD124 CD14 CD34 CD45)を参照のこと。)。本開示は、本明細書に包含される様々な間葉幹細胞の使用を包含する。
【0060】
一実施形態では、MSCドナーロットが臍帯組織から生成される。臍帯組織MSCを生成する手段は以前に公開されており、参考として援用される[31~37]。用語「臍組織由来細胞(UTC)」は、例えば、米国特許第7,510,873号。米国特許第7,413,734号。米国特許第7,524,489号、No.7,560,276に記載されているような細胞を指す。UTCは、任意の哺乳動物起源(例えば、ヒト、ラット、霊長類、ブタなど)であり得る。本開示の一実施形態では、UTCはヒト臍に由来する。線維芽細胞、間葉系幹細胞、または腸骨稜骨髄細胞であるヒト細胞と相対する臍帯由来細胞は、以下のうちの1つまたは複数の遺伝子の発現が低下している:低身長ホメオボックス2;ケモカイン(c-X-cモチーフ)リガンド2(間質細胞由来因子1);エラスチン(大動脈弁上狭窄、ウィリアムズ-ベウレン症候群);cDNA DKFZp586M2022(クローンDKFZp586M2022由来);間葉系ホメオボックス2(成長停止特異的ホメオボックス);sine oculisホメオボックス1(ショウジョウバエ);ZFKP586B2420タンパク質;形態形成の関連アクチベーター;ニューラリン1に類似;テトラネクチン(プラスミノーゲン結合タンパク質);src相同性3(SH3)及びシステインリッチドメイン;コレステロール25-ヒドロキシラーゼ;ラント関連転写因子3;インターロイキン11受容体、α;プロコラーゲンc-エンドペプチダーゼエンハンサー;フリズルドホモログ7(ショウジョウバエ);仮想遺伝子BC008967;コラーゲン、VIII型、α1;テナシン(c)ヘキサブラキオン、イロコウ蛋白質5、インテグリン、インテグリン、β8、神経芽細胞腫、腫瘍形成能抑制、36kDa、インスリン様成長因子結合蛋白質2、クローンMAMMA1001744、カリウム中間体/小コンダクタンスカルシウム活性化チャネル、サブファミリーN、β7、インテグリン、PDZ結合モチーフを有する転写共活性化因子(TAZ)、sine oculisホメオボックスホモログ2(Drosophila)、KIA1034蛋白質、小胞関連膜蛋白質5(myobrevin)、EGF含有フィブリン様細胞外マトリックスタンパク質1、初期成長応答3、遠位非ホメオボックス5、仮想蛋白質FLJ20373、アルド-ケトレダクターゼファミリー1 メンバーC3(3-アルファヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、II型);PDZ結合モチーフ(TAZ);プロエンケファリン;インテグリン、ベータ様1(EGF様反復ドメインを有する);ホモ・サピエンスmRNA全長挿入cDNAクローンEUROIMAGE 1968422;EphA3;KIAA367蛋白質;ナトリウム利尿ペプチド受容体c/グアニル酸シクラーゼc(アトリオアトリウレットペプチド受容体c);仮想蛋白質FLJ14054;ホモサピエンスmRNA;cDNA DKFZp564B222(クローンDKFZp564B222由来);BCL2/アデノウイルスE1B 19kDa相互作用蛋白質3様;AE結合蛋白質1;及びチトクロームCオキシダーゼサブユニットVIIaポリペプチド1(筋肉)。さらに、これらの単離されたヒト臍帯由来細胞はインターロイキン8;レチクロン1;ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド1(メロノーマ成長刺激活性、アルファ);ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド6(顆粒球走化性タンパク質2);ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド3;及び腫瘍壊死因子、アルファ誘導タンパク質3の各々についての遺伝子を発現し、ここで、発現は、線維芽細胞、間葉幹細胞、腸骨稜骨髄細胞、又は胎盤由来細胞であるヒト細胞のそれと比較して増加される。この細胞は培養において自己複製及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する可能性を有する。
【0061】
ヒト臍帯組織から臍帯組織間葉系幹細胞を誘導する方法が提供される。この細胞は培養において自己複製及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する可能性を有する。この方法は(a)ヒト臍組織を得ること;(b)実質的に全ての血液を除去して実質的に血液を含まない臍組織を得ること;(c)機械的又は酵素的処理によって組織を解離すること、又はその両方;(d)培養培地中で組織を再懸濁すること;及び(e)培養において自己再生及び増殖が可能であり、他の表現型の細胞に分化する能力を有するヒト臍由来細胞の増殖を可能にする増殖条件を提供することを含む。
【0062】
組織は、膣から、又は他の経路(例えば、外科的帝王切開)を介して送達されるかどうかにかかわらず、任意の完了した妊娠、出産、又は出産期間未満から得ることができる。組織バンクから組織を得ることもまた、本開示の範囲内であると考えられる。
【0063】
組織は、当該技術分野で公知の任意の手段によって実質的に血流を含まないようにされる。例えば、血液は、例えば、吸引又は排出による大量の血液除去の前又は後に、洗浄、リンス、及び希釈などによって物理的に除去することができる。血球を実質的に含まない組織を得る他の手段には、酵素的又は化学的処理が含まれ得る。
【0064】
臍組織の解離は、機械的破壊を含む当技術分野で公知の種々の技術のいずれかによって達成することができ、例えば、組織をはさみで無菌的に切断することができ、又は外科用メスを用いて切断することができ、又はそわなければ、ヒト組織からの無傷又は生存細胞の回収に適合する任意の様式で、そのような組織を細かく、ブレンド、粉砕、又はホモジナイズすることができる。
【0065】
本実施形態において、単離手順はまた、酵素消化プロセスを利用する。多くの酵素が培養物中での増殖を容易にするために、複雑な組織マトリックスから個々の細胞を単離するために有用であることが、当該分野で公知である。上記のように、組織からの細胞単離に使用するための広範囲の消化酵素は、当業者に利用可能である。弱消化酵素(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ及び中性プロテアーゼ、ディスパーゼ)から強消化酵素(例えば、パパイン及びトリプシン)までの範囲で、このような酵素は商業的に入手可能である。本明細書と適合する酵素の非網羅的なリストには、粘液溶解酵素活性、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、又はエラスターゼなど)、及びデオキシリボヌクレアーゼが含まれる。特定の実施形態は、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ及び/又は粘液溶解活性から選択される酵素活性である。例えば、コラゲナーゼは、組織から種々の細胞を単離するために有用であることが知られている。デオキシリボヌクレアーゼは一本鎖DNAを消化することができ、単離中の細胞凝集を最小限にすることができる。酵素は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。セリンプロテアーゼは使用される他の酵素を分解し得るので、好ましくは他の酵素の使用に続いて、配列で使用される。セリンプロテアーゼとの接触の温度及び時間をモニターしなければならない。セリンプロテアーゼは血清中のα2ミクログロブリンで阻害することができ、したがって、消化に使用される培地は、好ましくは無血清である。EDTA及びDNaseが一般に使用され、収率又は効率を改善することができる。好ましい方法は例えば、コラゲナーゼ及びディスパーゼ、又はコラゲナーゼ、ディスパーゼ、及びヒアルロニダーゼによる酵素処理を含み、このような方法が提供され、特定の好ましい実施形態において、コラゲナーゼ及び中性プロテアーゼディスパーゼの混合物が、解離ステップにおいて使用される。より好ましいのは、Clostridium histolyticum由来の少なくとも1つのコラゲナーゼ、ならびにプロテアーゼ活性、ディスパーゼ及びサーモリシンのいずれかの存在下での消化を用いる方法である。さらにより好ましいのは、コラゲナーゼ及びディスパーゼ酵素活性の両方による消化を用いる方法である。コラゲナーゼ及びディスパーゼ活性に加えてヒアルロニダーゼ活性による消化を含む方法も好ましい。当業者は、種々の組織供給源から細胞を単離するための多くのこのような酵素処理が当該分野で公知であることを理解する。例えば、LIBERASE BLENDZYME(Roche)シリーズのコラゲナーゼ及び中性プロテアーゼの酵素組み合わせは、非常に有用であり、本方法において使用され得る。他の酵素源が知られており、当業者はまた、そのような酵素をその天然源から直接得ることができる。当業者はまた、本発明の細胞を単離する際のそれらの有用性について、新規の、又は追加の酵素又は酵素の組み合わせを評価するために十分に装備されている。好ましい酵素処理は、0.5、1、1.5、又は2時間以上である。他の好ましい態様において、組織は、解離工程の酵素処理中に37℃でインキュベートされる。消化物を希釈することはまた、細胞が粘性消化物内に捕捉され得るので、細胞の収率を改善し得る。酵素の使用は現在のところ好ましいが、本明細書中に提供されるような単離方法には必要ではない。機械的分離のみに基づく方法は上記のように、臍から本細胞を単離するのに成功し得る。細胞は、組織が本明細書中で上記したような任意の培養培地に解離された後に再懸濁され得る。細胞は組織又は他の破片から細胞を分離するために、遠心分離工程に続いて再懸濁され得る。再懸濁は、再懸濁の機械的方法、又は単に細胞への培養培地の添加を含み得る。増殖条件を提供することは、培養培地、サプリメント、大気条件、及び細胞の相対湿度に関して広範囲の選択肢を可能にする。特定の温度は37℃であるが、温度は他の培養条件及び細胞又は培養物の所望の使用に応じて、約35℃~39℃の範囲であり得る。
【0066】
増殖培地と共に提供される補足血清において利用可能である場合を除いて、外因性増殖因子を必要としない細胞を提供する特定の方法が、本明細書に包含される。特定の増殖因子の非存在下で増殖することができる臍細胞を誘導する方法もまた、本明細書中に提供される。この方法は上記の方法に類似しているが、それらは細胞が最終的に再懸濁され、そして増殖される培養培地中に、特定の増殖因子(このために、細胞は必要とされない)が存在しないことを必要とする。この意味で、この方法は、特定の増殖因子の非存在下で分裂することができる細胞に対して選択的である。特定の細胞は、いくつかの実施形態において、血清を添加しない化学的に規定された増殖培地中で増殖及び増殖することができる。このような場合、細胞は、細胞を支持及び維持するために培地に添加され得る特定の増殖因子を必要とし得る。無血清培地上での増殖のために添加される特定の因子は、FGF、EGF、IGF、及びPDGFのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、2つ、3つ、又は4つ全ての因子が無血清培地又は化学的に規定された培地に添加される。他の実施形態において、LIFは、細胞の増殖を支持又は改善するために無血清培地に添加される。
【0067】
また、細胞が、それらの雰囲気中で約5%~約20%の酸素の存在下で膨張し得る方法も提供される。L-バリンを必要とする細胞を得るための方法は、細胞をL-バリンの存在下で培養することを必要とする。細胞が得られた後、L-バリンの必要性を試験し、L-異性体を欠くD-バリン含有培地上で増殖させることによって確認することができる。
【0068】
老化状態に達する前に、細胞が少なくとも25、30、35、又は40回の倍加を受けることができる方法が提供される。1014以上の細胞に達するように倍加することができる細胞を誘導するための方法が提供される。好ましくは、少なくとも約1014、1015、1016、又は1017以上のセルを、文化において約10から約10セル/cmまでシードしたときに生成するのに十分に倍増できるセルを導出する方法である。特定の場合において、これらの細胞数は、80、70、又は60日以内に産生される。一実施形態では、臍帯組織間葉幹細胞を単離し、増殖させ、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、CD141、PDGFr-α、又はHLA-A、B、Cを含む群から選択される1つ以上のマーカーを有する。さらに、細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、又はHLA-DR、DP、DQの1つ又は複数を産生しない。
【0069】
MSC培養物の品質を決定するために、フローサイトメトリーを、SH-2、SH-3、SH-4 MSCマーカーの表面発現、及び汚染CD14陽性細胞及びCD-45陽性細胞の欠如について、すべての培養物について実施する。細胞を0.05%トリプシン-EDTAで分離し、DPBS+2%ウシアルブミンで洗浄し、1%パラホルムアルデヒド中で固定し、10%血清中でブロックし、一次SH-2、SH-3及びSH-4抗体、続いてPE結合抗マウスIgG(H+L)抗体と別々にインキュベートした。175cmフラスコ中のコンフルエントMSCをタイロード塩溶液で洗浄し、培地199(M199)と60分間インキュベートし、0.05%トリプシン-EDTA(Gibco)で分離する。10個のフラスコからの細胞を回分離し、MSCを40mlのM199+1%ヒト血清アルブミン(HSA;American Red Cross,Washington DC,USA)に再懸濁した。各10フラスコセットから採取したMSCを4℃で4時間まで保存し、採取の終わりに合わせた。計2~10’10/kgのMSCをM199+1%HSAに再懸濁し、460gで10分間20℃で遠心分離した。細胞ペレットを新鮮なM199+1%HSA培地に再懸濁し、460gで10分間、20℃でさらに3回遠心分離した。総収穫時間は、フラスコ当たりのMSC収量及び標的用量に基づいて2~4時間であった。回収したMSCを、10%DMSO(Research Industries,Salt Lake City,UT,USA)及び5%HSAの最終濃度で速度制御フリーザーを使用して、Cryocyte(Baxter,Deerfield,IL,USA)フリーズバッグ中で凍結保存した。注入当日、凍結保存したユニットを37℃の水浴中でベッドサイドで解凍し、5分以内に60mlのシリンジに移し、10~15分にわたって患者に静脈内注入した。患者には、アセトアミノフェン325~650mg及びジフェンヒドラミン12.5~25mgを経口投与する前投薬を行う。血圧、脈拍、呼吸数、温度及び酸素飽和度を、注入時及びその後15分ごとに3回モニターし、続いて2回ごとに6回モニターする。
【0070】
一実施形態では、MSCが骨髄由来MSCを利用する患者の治療に以前に利用されたプロトコルに従って生成される。具体的には、骨髄を、局所麻酔下(鎮静の有無にかかわらず)で後腸骨稜から吸引し(10~30ml)、ヘパリンナトリウム含有チューブに収集し、GMP(Good Manufacturing Practices)クリーンルームに移す。骨髄細胞を、洗浄液(例えば、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)、RPMI、又は自己血漿を補充したPBS)で洗浄し、そして25mlのパーコール(1.073g/ml)上に、約1~2×10細胞/mlの濃度で重層する。続いて、細胞を900gで約30分間、又は破片及び赤血球からの単核細胞の分離を達成するのに十分な回遠心分離する。次いで、前記細胞をPBSで洗浄し、10%FCSを含むDMEM中の175cm組織培養フラスコに1mL当たり約1×10細胞の濃度でプレートし、続いてフラスコに最低3000万個の骨髄単核細胞を負荷する。MSCを72時間接着させた後、3~4日毎に培地を交換する。接着細胞を0.05%トリプシン-EDTAで除去し、175cm当たり1’10の濃度で再プレーティングする。骨髄MSCは放射線関連神経変性症状を患う患者において、静脈内に、又は特定の実施形態ではくも膜下腔内に投与されてもよい。用量は当業者によって決定され得、そして種々の患者の特徴に依存するが、静脈内投与は1kgあたり1~1000万MSCの範囲の濃度で行われ得、好ましい用量は1kgあたり約2~500万細胞である。
【0071】
1つの実施形態において、造血幹細胞は、末梢血、骨髄、又は臍帯血から単離されたCD34+細胞である。具体的には造血幹細胞がヒト、マウス、ラットを含むがこれらに限定されない哺乳動物の血液系に由来してもよく、これらの造血幹細胞は哺乳動物の血液又は組織器官から単離することによって収集されてもよい。造血幹細胞は、当該分野で公知の任意の方法によってドナーから収集され得る。例えば、米国特許公報2013/0149286には、哺乳動物の死体から幹細胞を取得及び精製する手順が詳細に記載されている。幹細胞は、骨髄採取または末梢血幹細胞採取によってヒトから採取されてもよく、これらはいずれも当技術分野において周知の技術である。幹細胞がドナーの特定の組織などのソースから得られた後、幹細胞拡張技術を用いて培養されてもよい。幹細胞の膨張技術は、米国特許明細書(Krausらに対する米国特許第6,338,942号、名称「Selective expansion of target cell populations」、発行日:2002年1月15日;および米国特許第5,0002号、名称「Selective expansion of target cell populations」、発行日:2002年1月15日。Rodgersらに対する第6,335,195号、名称「Method for promoting hematopoietic and cell proliferation and differentiation」、発行日2002年1月1日、これらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの実施形態では、ドナーから得られた幹細胞は、幹細胞の集団を拡大するために培養される。他の好ましい実施形態では、ドナー源から採取された幹細胞は、そのような技術を用いて拡大されない。標準的な方法を用いて、幹細胞を細胞保存することができる。
【0072】
特定の型の幹細胞(例えば、多能性幹細胞)に関連するリスクがある、本開示のいくつかの実施形態において、幹細胞は移植の前に、膜、ならびにカプセルによってカプセル化され得る。利用可能な細胞カプセル化の多くの方法のいずれかが使用され得ることが意図される。いくつかの実施形態において、細胞は、個別にカプセル化される。いくつかの実施形態において、多くの細胞は、同じ膜内にカプセル化される。移植後に細胞が除去される実施形態では、単一の膜内など、多くの細胞を封入する比較的大型の構成が回収のための好都合な手段を提供することができる。幹細胞のマイクロカプセル化のための様々な実施形態において、多種多様な材料を使用することができる。このような材料としては、例えば、ポリマーカプセル、アルギン酸塩-ポリ-L-リジン-アルギン酸マイクロカプセル、ポリ-L-リジンアルギン酸バリウムカプセル、アルギン酸バリウムカプセル、ポリアクリロニトリル/ポリ塩化ビニル(PAN/PVC)中空繊維、及びポリエーテルスルホン(PES)中空繊維が挙げられる。幹細胞の投与のために使用され得る細胞のマイクロカプセル化のための技術は当業者に公知であり、例えば、Chang,P.ら、1999;Matthew,H.W.ら、1991;Yanagi,K.ら、1989;CaiZ.H.ら、1988;Chang,T.M、1992及び米国特許第5,639,275に記載される。(これは、例えば、生物学的に活性な分子を安定に発現する細胞の長期維持のための生体適合性カプセルを記載している。カプセル化のさらなる方法は、欧州特許公開第301,777号及び米国特許第4,353,888;4,744,933;4,749,620;4,814,274;5,084,350;5,089,272;5,578,442;5,639,275;及び5,676,943に記載されている。上記の全ては、幹細胞のカプセル化に関連する部分において、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態は幹細胞をポリマー(例えば、生体ポリマー又は合成ポリマー)に組み込む。生体高分子の例としてはフィブロネクチン、フィブリン、フィブリノーゲン、トロンビン、コラーゲン、及びプロテオグリカンが挙げられるが、これらに限定されない。他の因子(例えば、上記のサイトカイン)もまた、このポリマーに組み込まれ得る。本発明の他の実施形態において、幹細胞は、三次元ゲルの隙間に組み込まれ得る。大きなポリマー又はゲルは、典型的には外科的に移植される。十分に小さい粒子又は繊維に製剤化することができるポリマー又はゲルは、他の一般的な、より便利な、非外科的経路によって投与することができる。
【実施例
【0073】
以下の実施例は、本発明の好ましい具体例を示すために含める。以下の実施例に開示される技術は本発明の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技術を表し、したがって、本発明の実施のための好ましい形態を構成すると考えることができることを当業者は理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本発明の開示を考慮して、開示されかつ同様の結果を得られる特定の実施例において、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であることは理解できるのであろう。
【0074】
実施例1
線維芽細胞と線維芽細胞の組合せによる炎症に応答した神経再生サイトカインBDNFの刺激
線維芽細胞を単球、間葉系幹細胞、又は造血幹細胞のいずれかと1:1の比率で共培養した。細胞を、増加濃度のTNF-αの存在下で48時間培養し、炎症シグナル伝達を刺激した。BDNFの存在をELISAによって決定した。図1~3に見られるように、細胞の全ての組み合わせは、この神経保護性サイトカインの産生の相加的又は相乗的増加をもたらした。
【0075】
実施例2
線維芽細胞と線維芽細胞の組合せによる酸化ストレスに応答したニューロンアポトーシスの減少
線維芽細胞を単球、間葉系幹細胞、又は造血幹細胞のいずれかと1:1の比率で共培養した。細胞を、酸化ストレスを刺激するために、増加する濃度の過酸化水素の存在下で48時間培養した。細胞からの調整培地を、同じ濃度の過酸化水素中で培養したニューロンに48時間添加した。アポトーシスはアネキシンV染色を使用し、アポトーシス細胞の%として提示するフローサイトメトリーによって測定した。線維芽細胞は、単球(図4)、CD34(図5)、又はMSC(図6)と相乗作用して、ニューロン死を阻害する。
【0076】
実施例3
線維芽細胞と線維芽細胞の組み合わせによる神経前駆細胞増殖の刺激
線維芽細胞を単球、間葉系幹細胞、又は造血幹細胞のいずれかと1:1の比率で共培養した。細胞を、増加濃度のインターロイキン-1ベータの存在下で48時間培養し、マイトジェン因子の産生を刺激した。細胞からの調整培地を、培養した神経前駆細胞に48時間添加し、そして増殖を、48時間のチミジン取り込みによって測定した。線維芽細胞は、単球(図7)、CD34(図8)、又はMSC(図9)と相乗作用して、神経形成を刺激する。
【0077】
実施例4
線維芽細胞調整培地は、損傷から神経を保護する
SH-SY5Y骨髄生検由来株SK‐N‐SHの三重クローン化サブラインである細胞(Sigma)はドーパミン‐β‐ヒドロキシラーゼ活性を有し、グルタミン酸を神経伝達物質GABAに変換できることが知られている。これらの細胞は、約70%のアポトーシスをもたらす70mMグルコースで24時間処理した場合の神経毒性のモデルとして役立つ。線維芽細胞が神経保護作用を有するかどうかを評価するために、線維芽細胞調整培地の濃度増加をSH‐SY5Y細胞に加えた。
【0078】
線維芽細胞ならし培地を得るために、皮膚線維芽細胞(ATCC)を、10%ウシ胎仔血清及び非必須アミノ酸を含むOPTI-MEM培地中で24時間培養した。細胞を、5mlの培地でコンフルエンシーでT-75フラスコ中で培養した。24時間後に液体培地を抽出することによって、繊維芽細胞ならし培地を生成した。
【0079】
アネキシン-V染色によって評価されるように、ならし培地の投与によって、グルコース誘導ニューロン死の用量依存的減少が観察された(図10)。
【0080】
参考文献
すべての特許及び刊行物はあたかも各個々の刊行物が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
米国特許第4,353,888号
米国特許第4,744,933号
米国特許第4,749,620号
米国特許第4,814,274号
米国特許第5,084,350号
米国特許第5,089,272号
米国特許第5,578,442号
米国特許第5,639,275号
米国特許第5,676,943号
米国特許第5,827,740号
米国特許第7,413,734号
米国特許第7,510,873号
米国特許第7,524,489号
米国特許第7,560,276号
欧州特許公報番号301,777
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【0081】
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される設計の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び変更を本明細書で行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、本開示から容易に理解するように、本明細書で説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを、本開示に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲はその範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。
図1
図2
図3
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図10
【国際調査報告】