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特表2022-547530SMARCA2/4デグレーダに対する応答者を同定するための方法
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  • 特表-SMARCA2/4デグレーダに対する応答者を同定するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】SMARCA2/4デグレーダに対する応答者を同定するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20221107BHJP
   C12Q 1/6886 20180101ALI20221107BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20221107BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20221107BHJP
   G01N 33/574 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61K45/00
C12Q1/6886 Z
A61P13/08
A61P35/00
A61K31/501
A61K47/54
G01N33/574 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515603
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2020058449
(87)【国際公開番号】W WO2021048799
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201941036639
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512332149
【氏名又は名称】オーリジーン ディスカバリー テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AURIGENE DISCOVERY TECHNOLOGIES LIMITED
【住所又は居所原語表記】#39-40, KIADB Industrial Area, Electronic City Phase II, Hosur Road, Bangalore 560 100, India
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラ,ムラリドハラ
(72)【発明者】
【氏名】サティアム,リーナ カレ
(72)【発明者】
【氏名】サスマル,サンジタ
(72)【発明者】
【氏名】サマジュダル,スサンタ
【テーマコード(参考)】
4B063
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA19
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QQ53
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS34
4B063QX01
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C084AA17
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB261
4C084ZB262
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC41
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、本明細書に記載の腫瘍特異的変化の存在に基づくそのような処置に対し応答者である対象における、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる疾患または傷害の処置の方法に関する。本発明はまた、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対して応答する見込みがある対象における前立腺癌を処置するための方法も提供する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在するならば前記処置に対する応答者として対象を同定するステップ
を介して少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する応答者として対象を同定するステップ;および
b)処置に対し応答すると同定された対象に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを投与し、それにより疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法。
【請求項2】
対象が、1つの腫瘍特異的変化が存在するならばSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する中程度の応答者として同定される;または対象が、少なくとも2つの腫瘍特異的変化が存在するならばSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する高い応答者として同定される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
腫瘍特異的変化が:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
である、請求項1または2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
SMARCA2/4デグレーダが、式(I):
【化1】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;アリールは任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換され;各出現でのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換される複素環である;
Lは:
【化2】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aと接続されかつリンカーの右側は、標的リガンド(TL)と接続される;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10でありかつ「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は、
【化3】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rまたはハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)
請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IA):
【化4】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IB):
【化5】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IC):
【化6】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
SMARCA2/4デグレーダが、式(D):
【化7】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項12に記載の方法。
【請求項9】
疾患が、前立腺疾患である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前立腺疾患が、前立腺癌である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前立腺癌が、去勢抵抗性前立腺癌である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象が、去勢を受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
対象が、抗アンドロゲン療法を受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法であって:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)生体試料中の少なくとも1つの腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;および
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために試料中に存在する少なくとも1つの腫瘍特異的変化を有する患者を選択するステップ;および
d)選択された患者に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを投与するステップ
を含む、方法。
【請求項15】
腫瘍特異的変化が:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
SMARCA2/4デグレーダが、式(I):
【化8】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;アリールは任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換され;各出現でのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換される複素環である;
Lは:
【化9】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aと接続されかつリンカーの右側は、標的リガンド(TL)と接続される;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10でありかつ「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は:
【化10】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rまたはハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IA):
【化11】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IB):
【化12】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IC):
【化13】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
SMARCA2/4デグレーダが、式(ID):
【化14】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前立腺癌が、去勢抵抗性前立腺癌である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
患者が、去勢または抗アンドロゲン療法を受けている、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前立腺癌細胞を少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダと接触させるステップを含む、それを必要とする対象における前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法。
【請求項24】
接触させるステップが、対象に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを投与することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
SMARCA2/4デグレーダが、式(I):
【化15】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;アリールは任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換され;各出現でのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換される複素環である;
Lは:
【化16】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aと接続されかつリンカーの右側は、標的リガンド(TL)と接続される;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10でありかつ「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は:
【化17】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rまたはハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)
請求項23または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IA)、(IB)、(IC)または(ID):
【化18】
の化合物またはそれらの医薬適合性のある塩またはそれらの立体異性体である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前立腺癌細胞が、去勢抵抗性前立腺癌を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前立腺癌細胞が、前立腺腫瘍を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
対象が、去勢を受けている、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
対象が、抗アンドロゲン療法を受けている、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
SMARCA2/4デグレーダが:
【表1】
の化学構造を有する化合物またはそれらの医薬適合性のある塩もしくは立体異性体である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺疾患を有する対象を選択する方法であって:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)生体試料中の少なくとも1つの腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために試料中に存在する少なくとも1つの腫瘍特異的変化を有する患者を選択するステップ;および
d)選択された対象に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを投与するステップ
を含む、方法。
【請求項33】
腫瘍特異的変化が:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
である、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
SMARCA2/4デグレーダが、式(I):
【化19】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体である;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;アリールは任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換され;各出現でのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換された複素環である;
Lは:
【化20】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aと接続されかつリンカーの右側は、標的リガンド(TL)と接続される;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10でありかつ「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は:
【化21】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rまたはハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
SMARCA2/4デグレーダが、式(IA)、(IB)、(IC)または(ID):
【化22】
の化合物またはそれらの医薬適合性のある塩またはそれらの立体異性体である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前立腺疾患が、前立腺癌である、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前立腺癌が、去勢抵抗性前立腺癌である、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
対象が、去勢を受けている、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
対象が、抗アンドロゲン療法を受けている、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物であって、化合物が、式(I):
【化23】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;アリールは任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換され;各出現でのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換された複素環である;
Lは:
【化24】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aと接続されかつリンカーの右側は、標的リガンド(TL)と接続される;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10でありかつ「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は、
【化25】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rおよびハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)
化合物。
【請求項41】
化合物が、式(IA):
【化26】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される、請求項40に記載の使用のための化合物。
【請求項42】
化合物が、式(IB):
【化27】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される、請求項40に記載の使用のための化合物。
【請求項43】
化合物が、式(IC):
【化28】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される、請求項40に記載の使用のための化合物。
【請求項44】
化合物が、式(ID):
【化29】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される、請求項40に記載の使用のための化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年9月12日に出願されたインド仮特許出願第201941036639号の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対して応答する見込みがある対象における疾患または障害を処置するための方法に関する。本発明は、また、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する対象の応答性を決定する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
男性において最も一般的な癌である前立腺癌(PrCa)は、米国における男性の癌死の2番目の要因であり、世界中の男性の癌死の5番目の要因である。本発明は、前立腺癌細胞の感受性、したがって、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体の触媒サブユニットであるSMARCA2/4デグレーダに対する前立腺癌患者の治療応答性を予測するためのバイオマーカーの同定に基づく。特に、本発明は、SMARCA2/4機能の劣化が、a)アンドロゲン受容体(AR)の存在、b)腫瘍抑制遺伝子PTENにおける変異およびc)TMPRSS2-ERG遺伝子融合の存在、のうちの1つまたは複数の状態を有する前立腺癌細胞の増殖をブロックするという新規知見に基づく。SMARCA2/4デグレーダとの細胞感受性を予測するためのそのようなバイオマーカーが、これまで体系的に同定されていないので、本発明は、当技術分野において、現在の知識を超える重要な進歩を表す。
【0004】
アンドロゲン受容体(AR)は、テストステロンおよびジヒドロテストステロンのためのステロイド受容体転写因子である。ARは、PrCa、特に去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)において極めて重要な役割を果たす。アンドロゲン遮断療法は、ホルモン-ナイーブ前立腺癌を抑制できるが、前立腺癌は、ARを変化させ、アンドロゲンの去勢レベル下で生存するのに適合する。これらの機構は、AR点変異、AR過剰発現、アンドロゲン生合成の変化、リガンド結合なしでの構成的に活性のあるARスプライス変種、およびアンドロゲン補助因子の変化、を含む。CRPCにおけるARの研究は、ARが、依然としてCRPCにおいて活性であり、それは依然としてCRPCを処置するための潜在的な標的であることを明らかにした。エンザルタミドは、タキサンベースの化学療法の前後でCRPCを有する患者において有効な、第2世代抗アンドロゲンである。しかし、CRPCは、依然として不治であり、薬剤抵抗性を発達させる可能性がある。この抵抗性の機構を理解するは、CRPCのための新世代療法を可能にできる(Tan et al.Acta Pharmacol Sin.2015 Jan;36(1):3-23)。
【0005】
研究は、SWI/SNF複合体が、前立腺癌細胞株においてアンドロゲン受容体媒介遺伝子発現および増殖を調節することを示している(Jin et al.,Biochem Biophys Res Commun.2018,Oct 28;505(2):618-623)。しかし、SWI/SNF複合体の成分を標的化する治療剤についての利用可能なデータはない。
【0006】
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の欠失、TMPRSS2-ERG転座、SPOP変異、ならびにMyc増幅を含むがこれらに限定されない遺伝子変化およびエピジェネティックな変化は、PrCaにおける疾患進行を促進する。PTENの喪失およびPI3K/AKTシグナル伝達の過反応は、PrCaと病理学的に関連する腫瘍ドライバーとして認識される。約30%の原発腫瘍および最大70%の転移性癌は、PTEN遺伝子座でヘテロ接合性の喪失を示す。同様に、遺伝子改変マウス(GEM)は、PrCaにおけるPTENシグナル伝達の主要な役割を明らかにした。Ptenの前立腺特異的欠失(PtenPC-/-)は、長期潜伏の後に前立腺腺癌の発症をもたらす。さらに、Ptenの喪失は、Tp53またはNkx3.1の欠失およびERGまたはKrasG12Dの過剰発現などの、他のシグナル変化と機能的に協働して、マウスにおいて完全に症状の出ている疾患を生じる。全体として、これらの結果は、前立腺腫瘍形成におけるPTENの機能的重要性を強調する。しかし、薬理学的標的化PTENまたはPI3K/AKT経路は、依然として疾患介入における主要なハードルである。
【0007】
刊行物(Ding et al.,J Clin Invest.2019;129(2):759-773)は、低PTEN発現を有する腫瘍における、より高いSMARCA4発現が、悪化した臨床転帰と関連していたことを示している。遺伝子改変マウス(GEM)およびオルガノイドアッセイは、PTENの除去が細胞をSMARCA4枯渇に感作させたことを確認した。機構的に、PTEN喪失は、AKT-GSK3b-FBXW7軸の阻害を通じてSMARCA4タンパク質を安定化した。PTEN不足PrCa細胞における増加したSMARCA4発現は、腫瘍形成前トランスクリプトームを駆動する配置へのクロマチンリモデリングをもたらし、細胞をSMARCA4にさらに依存させるようにした。さらに、それらは、前臨床モデルにおいて、BRG1アンタゴニストが、PTEN不足前立腺腫瘍の進行を選択的に阻害したことを示した。しかし、SMARCA4の報告されたブロモドメイン阻害剤を使用して、我々は、多くのグループによるSMARCA2/4阻害剤の使用による抗増殖活性の欠如と一致する、PTEN欠損前立腺癌細胞株の感受性を観察できなかった。
【0008】
全前立腺癌の約半分は、転写因子ERGとアンドロゲン調節遺伝子TMPRSS2の間の転座を保持する。結果として、ERGは、それが通常は発現されない前立腺において高レベルで発現される。いくらかのマウスモデルは、前立腺癌の発症における因果的役割を示すが、腫瘍形成におけるTMPRSS2-ERGの正確な役割は不明であり、その機能を治療的に標的化することを困難にしている。加えて、転写因子は、小分子を用いて薬理学的に標的化することが歴史的に困難であった。
【0009】
最近の研究(Sandoval et al.,2018,Molecular Cell 71,1-13)は、ERG転写因子のSWI/SNF複合体への結合が、ゲノムワイドな再標的化および遺伝子調節を駆動することを示している。それらは、また、SWI/SNF複合体(存在するSMARCA2およびSMARCA4内に存在する)のATPase活性が、細胞株およびオルガノイドモデルにおけるERG媒介標的遺伝子調節に必要であることを示し、前立腺癌におけるERGとBAF複合体の間の相互依存を論証する。しかし、前立腺癌を標的化する治療的アプローチとしてのSMARCA2/4の選択的分解を説明する報告はない。
【0010】
上述した知見は、前立腺癌におけるARの役割、PTEN欠失およびTMPRSS2-ERG融合の存在、ならびに前立腺癌の進行を支持するこれらの変化についての機能的SMARCA2/4を含む機能的SWI/SNF複合体の要件を強調している。しかし、SMARCA2/4の分解が、統合的致死関係の結果として抗増殖活性をもたらす可能性があることを示す報告はない。
【0011】
患者の遺伝子プロファイルが任意の特定の治療的処置に対する患者の応答性を決定できることを示唆する文献において、多くの報告がある。多くの療法が癌に罹患している個体に対し利用可能であるという事実を考慮すると、特定の薬剤に対する応答に影響する患者の遺伝的要因の決定を使用して、そのような患者に個別化された治療計画を提供できた。そのように個別化された治療計画は、代替の効果が低い治療計画に関連する可能性がある、関連する副作用を最小にしながら、患者に対する最大の治療的有用性を達成する可能性を与える。したがって、患者が治療的処置に対し応答する見込みがあるかどうかを予測するために使用できる要因を同定する必要がある。特に、癌生物学的の分野において、そのような予測因子を決定すること、および前立腺癌における主要な統合的致死ノードに関連する発見を治療的に活用することは、重要である。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、SMARCA2/4デグレーダ(式(I)の化合物)によるSMARCA2/4機能の阻害が、アンドロゲン受容体(AR)の依存性、PTENにおける変異、各遺伝子における変異の不活性化または変異の不活性化以外の代替機構を通じた各遺伝子の発現の喪失のいずれかによるTMPRSS2-ERG遺伝子融合の存在の間で、腫瘍特異的変化を保持する前立腺癌細胞の増殖を遮断するという、新規知見に基づく。本発明は、アンドロゲン受容体、PTEN、TMPRSS2およびERGにおける腫瘍特異的変化が、SMARCA2/4デグレーダによる細胞感受性を予測することが現在までに体系的に同定されていないので、当技術分野における現在の知識を超える有意な進歩を提供する。本発明は、腫瘍特異的変化または変更に基づくSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する対象の応答性の決定のための方法を提供する。
【0013】
一態様において、本発明は:
a)i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、上記処置に対する応答者として対象を同定するステップ
を介して、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する応答者として対象を同定するステップ;および
b)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを、処置に対して応答すると同定された対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0014】
一態様において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のための応答者として対象を同定するステップ;
c)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)生体試料中の少なくとも1つの腫瘍特異的変化の存在を決定するステップであって;腫瘍特異的変化が
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
を含む、ステップ;
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために存在する少なくとも1つの腫瘍特異的変化を有する患者を選択するステップ;ならびに
d)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを選択された患者に投与するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】正常なRWPE細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの効果
図2】本明細書に記載の腫瘍特異的変化が存在しないDU145細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性
図3A】腫瘍特異的変化PTEN-変異(-)、AR依存性(+)、TMPPSS2-ERG融合(-)を満たしている22RV1細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性
図3B】腫瘍特異的変化PTEN-変異(+)、AR依存性(-)、TMPPSS2-ERG融合(-)を満たしているPC3細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性
図4A】腫瘍特異的変化PTEN-変異(-)、AR依存性(+)、TMPPSS2-ERG融合(-)を満たしているVcap細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性
図4B】腫瘍特異的変化PTEN-変異(+)、AR依存性(+)、TMPPSS2-ERG融合(-)を満たしているLnCap細胞における本発明のSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性
【発明を実施するための形態】
【0017】
各実施形態は、本発明の説明のために提供され、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書に記載の化合物、組成物、および方法に種々の変更および変形を行うことができることは、当業者に明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴を別の実施形態に適用し、さらに別の実施形態を生じることができる。したがって、本発明が、そのような変更および変形およびそれらの等価物を含むことが意図される。本発明の他の目的、特徴および態様は、以下の詳細な説明に開示されるか、それから明らかである。本考察が、代表的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広い態様を限定するものとして解釈されないことは、当業者により理解される。
【0018】
特定の態様において、本発明は:
a)i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、上記処置に対する応答者として対象を同定するステップ
を介して、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のための応答者として対象を同定するステップ;および
b)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを、処置に対し応答すると同定された対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0019】
特定の実施形態において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のための応答者として対象を同定するステップ;
c)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0020】
特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供し、
a.対象を、1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する中程度の応答者として同定する;および
b.対象を、少なくとも2つの腫瘍特異的変化が存在する場合、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する高い応答者として同定する。
【0021】
特定の実施形態において、本発明の腫瘍特異的変化は:
a)アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
b)ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
c)結果としてTMPRSS2とERG遺伝子の間の転座となるゲノム再配列
である。
【0022】
特定の実施形態において、腫瘍特異的変化は:
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびに:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;およびTMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
の少なくとも1つ
である。
【0023】
特定の実施形態において、腫瘍特異的変化は:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;ならびに:
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異ならびにTMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
の少なくとも1つ
である。
【0024】
特定の実施形態において、腫瘍特異的変化は:
TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列;ならびに:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;ならびにホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異
の少なくとも1つ
である。
【0025】
特定の実施形態において、本発明において説明される方法は、さらに:
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびに
TMPRSS2のためのERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
の任意の1つを含む癌に罹患している対象を決定することを含む。
【0026】
特定の実施形態において、本発明は、
a)i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.腫瘍特異的変化の存在を決定するステップであって;腫瘍特異的変化が
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびに
TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
から選択される、ステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、上記処置に対する応答者として対象を同定するステップ
を介して、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のための応答者として対象を同定するステップ;ならびに
b)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを、処置に対して応答すると同定された対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0027】
特定の実施形態において、アンドロゲン受容体(AR)は、野生型ARである。特定の実施形態において、アンドロゲン受容体(AR)は、変異ARである。
【0028】
特定の実施形態において、アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、または過剰発現は、条件Aと呼ばれる。
【0029】
特定の実施形態において、ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失または有害な変異は、条件Bと呼ばれる。
【0030】
特定の実施形態において、TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列は、条件Cと呼ばれる。
【0031】
特定の実施形態において、条件Aと呼ばれる腫瘍特異的変化はまた、構成的に活性なAR変種の発現、腫瘍内アンドロゲン合成、および別の要因による混合AR活性化も含む。特定の実施形態において、条件Aは、脱調節(ARの過剰発現を引き起こす)、ARの変異(機能の獲得)、代替スプライシング(ARを構成的に活性化させる)、共アクチベータ機能獲得または共リプレッサ機能の喪失、ならびに細胞内分泌アンドロゲン合成である。
【0032】
特定の実施形態において、条件Aは、機能AR変異の獲得または機能AR変異の喪失である。
【0033】
特定の実施形態において、アンドロゲン受容体(AR)における腫瘍特異的変化は:
i.ARのアミノ末端活性化ドメイン(NTD);
ii.ARのDNA結合ドメイン(DBD);
iii.ARのヒンジ領域(HR)および(IV);または
iv.ARのカルボキシルリガンド結合ドメイン(LBD)
に存在する。
【0034】
特定の実施形態において、AR遺伝子における変異は:アミノ酸置換または未成熟終止コドンをもたらす単一点変異;多くの場合フレームシフトおよび未成熟反芻をもたらすヌクレオチド挿入または欠失;完全なまたは部分的な遺伝子欠失;ならびに代替スプライシングを引き起こすイントロン変異、から選択される。
【0035】
特定の実施形態において、アンドロゲン受容体における腫瘍特異的変化は、DNAおよび/またはRNA系変異、挿入欠失、コピー数多型、生体試料、例えば、血漿、血清、尿、および唾液などからの遺伝子融合を含むがこれらに限定されない、追加の腫瘍特異的変化と一緒になった、RNA系アンドロゲン受容体(AR)スプライシング変種(AR-Vs)であり、AR-V1、AR-V2、AR-V3、AR-V4、AR-V5、AR-V6、AR-V7、AR-V567es、AR-V9、またはAR-V12を含むが、これらに限定されない。
【0036】
特定の実施形態において、変異ARは、スプライス変種および/または切断型のARである。追加の実施形態において、変異ARは、C末端喪失を有する、そのためリガンド結合ドメイン(LBD)を欠く、スプライス変種および/または切断型のARであり得る。代表的な変異は、例えば、E43G、L54S、Q58L、L57Q、Q64R、AQ86、Q112H、G142V、E166S、K180R、L192F、Q198G、E211E、D221H、N222D、T227C、M266T、P269S、A251V、E253K、S296R、P334F、P340L、A356V、P390L、G414S、W433L、T438P、T438I、L444S、G449D、G451D、G456S、G457D、R484C、T497I、A498T、P499P、V508L、G524S、G524D、D528G、AL547、ΔΡ554、T573A、L574P、K580R、A586V、A587S、L594M、K609E、R629Q、K630T、S646D、S647N、E665D、Q670R、I672T、G683A、V716M、V715M、L701H、L720E、A721T、V730M、R726L、L744V、A748V、M749I、G750S、F754L、T755A、V757A、S759P、Y763C、W741C、F747L、N756A、V757I、R760K、W741X、AG743、W751X、S782N、R786X、W796O、L797P、Q798E、S791P、I799P、L830P、R846G、Q867X、H874Y、T877A、T877S、V866M、L880Q、L872P、D879G、M886I、A896T、Q902R、F891L、G909Q、Q919R、D890N、M895V、およびK910Rを含む。例えば、アミノ酸置換は:T877A(T878A)、D879G(D878G)、W741C、W741L、M749L、R629Q、G142V、P533S、T575A、H874YまたはF876Lである。これらの点変異は、以下のステロイド受容体タンパク質の3つの主要な領域に分類され得る:
【0037】
1)LBD変異(T877A、D879G、W741C.W741L、M749L、H874Y、F876L)およびLBDにおける変異は、リガンド結合の喪失、リガンド認識の喪失、アンタゴニストのアゴニストへの切り替え、および/またはリガンド交雑性をもたらすリガンド結合ポケットもしくは立体配座中のアミノ酸R基における受容体タンパク質立体配座変化もしくは変更による、変更したリガンド結合を有する可能性がある。
【0038】
2)受容体のトランス活性化の能力、転写機構または補助因子/レギュレータとの相互作用に影響する可能性があり、DNA結合、遺伝子発現の調節、または核転移などの受容体機能の変更をもたらすNTDまたはヒンジ領域変異(R629Q、G142V、P533S);または
【0039】
3)遺伝子発現を調節する受容体の能力に影響する可能性があるDBD変異(T575A)。例は、以下を含む:アンドロゲン受容体におけるH874Y変異は、22Rv1およびCWR22RV1細胞におけるエストラジオール、プロゲステロン、ヒドロコルチゾン、フルタミド、およびビカルタミドの結合を可能にすることが示されている;D878Gは、DHTの喪失ならびにテストステロン結合および活性を与えることが示されている;W741C変異は、アゴニストとしてビカルタミドおよびフルタミドを与える;F876Lは、ARN-509およびエンザルタミドをアンタゴニストからアゴニストに変化させる;M749Lは、エストラジオールに対する過感受性を与える;T575Aは、AR-非特異的モチーフ、すなわちGREへの優先的な結合をもたらす;R629Qは、DHTを有する機能の獲得をもたらす。
【0040】
特定の実施形態において、スプライス変種は、エクソンスキッピング、隠蔽スプライシングドナー/アクセプタの使用、および隠蔽エクソン包含を含む。同定されている変種は、AR-V1、AR-V2、AR-V3、AR-V4.AR-V5、AR-V6、ARV7、AR-V567es、AR-V7、AR-V9、AR-V12、AR-V13およびAR-V14を含む。(例えば、米国特許出願第2011/0110926号、米国特許第8,133,724号、および米国特許出願第2013/0130241号を参照)。一般に、アンドロゲン受容体変種は、いくらかまたはすべてのLBDおよび/またはリガンド結合を与えるアンドロゲン受容体タンパク質のカルボキシル末端のその部分を欠く。
【0041】
他の実施形態において、AR腫瘍特異的変化は、AR-T878Aまたは他の関連する変異、コピー数増加、RNA過剰発現などである。
【0042】
特定の実施形態において、AR遺伝子における変異は、単一点変異である。いくらかの他の実施形態において、変異ARは、T877A(T878A)、D879G、(D878G)、W741C、W741L、M749L、R629Q、G142V、P533S、T575A、H874YまたはF876Lなどの点変異を有し得る。
【0043】
特定の実施形態において、本発明は:対象からの生体試料における1つまたは複数のアンドロゲン受容体遺伝子スプライス変種(AR-Vs)および変異、挿入欠失、コピー数多型、遺伝子融合などの追加の腫瘍特異的変化の存在をアッセイすることを含む方法を提供する。
【0044】
特定の実施形態において、本発明の腫瘍特異的変化は、AR増幅を含む。特定の実施形態において、AR増幅は、アンドロゲン抑制療法の後に生じる腫瘍特異的変化である。そのようなAR増幅は、随時AR過剰発現と関連し得る。
【0045】
特定の実施形態において、腫瘍特異的変化は、PTEN遺伝子の機能喪失変異である。
【0046】
特定の実施形態において、PTEN遺伝子における変異は、エクソン1、エクソン2,エクソン3、エクソン4、エクソン5、エクソン6、エクソン7、エクソン8またはエクソン9における変異を含む。いくらかの実施形態において、PTEN遺伝子における変異は、G20STOP、R55G、T38G、E91Q、R387STOP、H118Y、I101A、I135V、Q150G、Q110STOP、P95S、A164STOP、564、c.761-765del、c.672-673Ins、c.224Ins、D223N、E201STOP、D326N、H272Y、T348I、K344RまたはT382Sを含む。
【0047】
特定の実施形態において、PTEN遺伝子における変異は、エクソン5またはエクソン8における変異を含む。いくらかの実施形態において、PTEN遺伝子における変異は、E91Q、R387STOP、H118Y、I101A、I135V、Q150G、Q110STOP、P95S、A164STOP、E201STOP、D326NまたはH272Yを含む。
【0048】
特定の実施形態において、本発明の腫瘍特異的変化は、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)の転写制御領域からの5’位およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’位を有する遺伝子融合であり、遺伝子融合の存在は、対象における前立腺癌を示す。
【0049】
特定の実施形態において、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)は、TMPRSS2またはPSAである。特定のこの実施形態において、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)は、TMPRSS2である。
【0050】
特定の実施形態において、ETSファミリーメンバー遺伝子は、ERG、ETVl(ER81)、FLIl、ETSl、ETS2、ELKl、ETV6(TELl)5ETV7(TEL2)、GABPα、ELFl、ETV4(ElAF;PEA3)、ETV5(ERM)、ERF、PEA3/E1AF、PU.l、ESE1/ESX、SAPl(ELK4)、ETV3(METS)、EWS/FLI1、ESEl、ESE2(ELF5)、ESE3、PDEF、NET(ELK3;SAP2)、NERF(ELF2)またはFEVである。特定の実施形態において、ETSファミリーメンバー遺伝子は、ERGである。
【0051】
特定の実施形態において、アンドロゲン調節遺伝子(ARG)の転写制御領域からの5’位およびETSファミリーメンバー遺伝子からの3’位を有する遺伝子融合は、前立腺におけるERGの過剰発現を引き起こす。
【0052】
いくらかの実施形態において、生体試料は、血液、血漿、血清、尿、痰、髄液、脳脊髄液、胸水、乳頭吸引液、リンパ液、気道、腸、および泌尿生殖路の液体、涙液、唾液、母乳、リンパ系からの液体、精液、脳脊髄液、臓器内系液、腹水(ascetic fluid)、腫瘍嚢胞液、羊水の試料、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、生体試料は、血液、血漿、血清、尿、痰、髄液、脳脊髄液、胸水、リンパ液、気道、腸、および泌尿生殖路の液体、唾液、リンパ系からの液体、精液、脳脊髄液、腹水、腹水(ascetic fluid)、腫瘍嚢胞液、羊水の試料、またはそれらの組み合わせである。
【0053】
特定の実施形態において、本発明の腫瘍特異的変化は、限定されないが、次世代シーケンシング(NGS)、免疫組織化学、質量分析法(MS)、液体クロマトグラフィ質量分析法(LC-MS)、定量PCR、RNAシーケンシング(RNAseq)または蛍光活性化セルソーティング(FACS)分析、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)分析の方法を使用することにより決定される。特定の実施形態において、腫瘍特異的変化は、次世代シーケンシング(NGS)を使用することにより決定される。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のための応答者として対象を同定するステップ;ならびに
c)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを対象に投与し、それによって前立腺癌を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における前立腺癌を処置する方法を提供する。
【0055】
特定の態様において、本発明は:
a)i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、上記処置に対する応答者として対象を同定するステップ
を介して、別の治療剤と組み合わせて少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する応答者として対象を同定するステップ;ならびに
b)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを、処置に対して応答すると同定された対象に投与し、それによって疾患または障害を処置するステップ
を含む、それを必要とする対象における疾患または障害を処置する方法を提供する。
【0056】
一実施形態において、潜在的な治療剤は、生物学的薬剤、免疫チェックポイントモジュレータ、および細胞毒性剤などの化学療法剤を含むが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書において使用されるように、免疫チェックポイントモジュレータは、PD-1、PD-L1またはCTLA-4の活性に拮抗するアンタゴニスト分子である。代表的な免疫チェックポイントモジュレータは:
i.ペリブロリズマブ(以前はMK-3475またはラムブロリズマブ、キートルーダ(登録商標))、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標)、ピジリズマブ、AMP-224、AMP-514、PDR001、およびセミプリマブなどのPD-1阻害剤。
ii.アテゾリズマブ(テセントリク(登録商標))、アベルマブ(ベバンチオ(登録商標))、デュルバルマブ(イミフィンジ(登録商標))、BMS-936559、CK-301(Iwai,et ak,Journal of Biomedical Science,(2017)24:26)などのPD-L1阻害剤
iii.好ましくは、約10mg/kgの投与量で投与されるヒト抗CTLA4抗体であるMDX-010またはMDX-101としても既知であるイピリミマブ、および、好ましくは、約15mg/kgの投与量で投与されるヒト抗CTLA4抗体であるトレメリムマブなどのCTLA4アンタゴニスト
を含むが、これらに限定されないアンタゴニスト分子である。2009年12月にオンライン出版されているSammartino,et a,Clinical Kidney Journal,3(2):135-137(2010)も参照されたい。
【0058】
一実施形態において、化学療法剤は、癌の処置において有用な化合物である。一実施形態において、本発明の化合物、またはその医薬適合性のある組成物は、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、ジスルフィラム、没食子酸エピガロカテキン、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、17-AAG(ゲルダナマイシン)、ラディシコール、乳酸デヒドロゲナーゼA(LDH-A)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、アストラゼネカ)、スニチニブ(sunitib)(SUTENT(登録商標)、ファイザー/Sugen)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、ノバルティス)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、ノバルティス)、フィナスネート(finasunate)(VATALANIB(登録商標)、ノバルティス)、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、5-FU(5-フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、ワイス)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、グラクソ・スミスクライン)、ロナファーニブ(SCH66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、アストラゼネカ)、AG1478、アルキル化剤類、例えば、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド;スルホン酸アルキル類、例えば、ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファン;アジリジン類、例えば、ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、およびウレドーパ(uredopa);アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミンを含むエチレンイミン類およびメチルメラミン類;アセトゲニン類(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(トポテカンおよびイリノテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビセレシン合成類縁体類を含む);クリプトフィシン類(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);副腎皮質ステロイド類(プレドニゾンおよびプレドニゾロンを含む);酢酸シプロテロン;5a-レダクターゼ類(フィナステリドおよびデュタステリドを含む);ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、モセチノスタットドラスタチン;アルデスロイキン、タルクデュオカルマイシン(合成類縁体類である、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン(pancrati statin);サルコジクチイン;スポンジスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード類、例えば、クロラムブシル、クロマファジン(chlomaphazine)、クロロホスファミド(chlorophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソウレア類、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン;抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンγ1Iおよびカリケアマイシンcoll(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.1994 33:183-186);ジネマイシンAを含むジネマイシン;ビスホスホネート、例えば、クロドロネート;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団および関連の色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン類、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン類、例えば、マイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン類、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗剤類、例えば、メトトレキサートおよび5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類縁体類、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類縁体類、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類縁体類、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン類、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤類、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補充薬、例えば、フロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エルフォミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;メイタンシノイド類、例えば、メイタンシンおよびアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダムノール(mopidamnol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、ユージーン、Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T-2毒素、ベラクリンA(verracurin A)、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(パクリタキセル;ブリストル-マイヤーズ・スクイブ・オンコロジー、プリンストン、N.J.)、ABRAXANE(登録商標)(クレモフォールフリー)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners、シャンバーグ、Ill.)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル、ドキセタキセル(doxetaxel);Sanofi-Aventis);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類縁体類、例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド類、例えば、レチノイン酸;ならびに上記のいずれかの医薬適合性のある塩、酸および誘導体を含む、化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0059】
一実施形態において、生物剤は、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(A VASTEST(登録商標)、ジェネンテック);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、イムクローン);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、アムジェン)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、ジェネンテック/Biogen Idee)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、ジェネンテック)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、ジェネンテック)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬物コンジュゲート、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、ワイス)などの抗体を含む。本発明の化合物と組み合わせる薬剤としての治療潜在性を有する追加のヒト化モノクローナル抗体は:アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピニューズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ(motovizumab)、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌマビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ(pascolizumab)、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、パキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリビズマブ(reslivizumab)、レスリズマブ、レシビズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シプリズマブ、ソンツズマブ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツクシツズマブ(tucusituzumab)、ウマビズマブ(umavizumab)、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、ビジリズマブ、およびインターロイキン-12 p40タンパク質を認識するように遺伝子的に修飾された組換えの排他的にヒト配列の全長IgGiλ抗体である抗インターロイキン-12(ABT-874/J695、ワイス・リサーチ・アンド・アボット・ラボラトリーズ)を含む。
【0060】
特定の実施形態において、本発明は、少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを使用することにより、腫瘍の進行を阻害する、そのサイズを縮小する、それを凝集する、その体積を低減する、および/または、ほかに、その増殖を阻害するための方法に関する。また、本明細書において、基礎疾患、例えば、前立腺癌を処置し、それによって対象の生存を延長するための方法が提供される。
【0061】
特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する応答者である対象における腫瘍の増殖を阻害する方法を提供し、その方法は、上記対象に、有効量のSMARCA2/4デグレーダを投与することを含む。
【0062】
特定の実施形態において、本発明は、腫瘍の増殖を阻害する方法を提供し、腫瘍の増殖は、腫瘍体積により測定されるように、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、または100%だけ低減される。
【0063】
特定の実施形態において、本発明は、腫瘍の増殖を阻害する方法を提供し、腫瘍の増殖は、腫瘍の実寸により測定されるように、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、または100%だけ低減される。
【0064】
特定の実施形態において、本発明は、腫瘍の増殖を阻害する方法を提供し、腫瘍の増殖は、そのタイプの腫瘍に対する腫瘍マーカーの発現レベルにより測定されるように、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、34%、36%、38%、40%、42%、44%、46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、または100%だけ低減される。
【0065】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌の増殖を阻害する方法を提供する。特定の実施形態において、本発明は、去勢抵抗性前立腺癌の増殖を阻害する方法を提供する。
【0066】
したがって、本発明はまた、それを必要とする、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対し応答すると同定された、それを必要とする対象における前立腺癌を処置する方法を提供し、その方法は、有効量のMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む。
【0067】
特定の実施形態において、前立腺癌または去勢抵抗性前立腺癌の処置のための方法が、開示される。
【0068】
アンドロゲン受容体活性および遺伝子発現プロファイリングは、前立腺癌において研究されている。バイオマーカーを探す際、アップレギュレートされた遺伝子を同定し、この遺伝子産物が候補バイオマーカーであり得るかを試験することから開始する。遺伝子発現プロファイリングおよびその発現を治療抵抗性の機構と関連付けることは、Holzbeierlein et al,Am.J.Path.164(1)、pp217-227、2004により説明されている。特定の遺伝子の発現の増強または低下が同定されている一方で、特定の遺伝子におけるゲノム異常もまた、前立腺癌において発生する可能性があり、これらは:再配置(ETS転写因子、RAF、KRAS);変異(アンドロゲン受容体、PIK3CA、AKT、RAF、KRAS);増幅(アンドロゲン受容体、PIK3CA、MYC、AURKA);喪失(PTEN、RBI)を含む。他の既知の腫瘍特異的変化は、SPOP、FOXA1、AURKA、MED12、MAGI-1およびCHD1遺伝子において生じる。ETS融合は、PrCaの50%以上で見られ、標的治療またはバイオマーカーが、例えば、PARPもしくはDNAPKの阻害を標的することまたはETS融合について患者の試料を分析することに有用であり得る。癌遺伝子発現、RAF/RAF、MYC、ならびに腫瘍抑制遺伝子RBIは、有用なバイオマーカーであり得る。
【0069】
アンドロゲン受容体は、前立腺癌細胞の性質および挙動の中心となる遺伝子の大きなレパートリーを調節することが既知である。長鎖ノンコーディングRNA、例えば、PCGEM1およびPRNCR1の過剰発現は、前立腺癌の感受性と関連し、かつ相関している。近年、PCGEM1およびPRNCR1の両方が、CRPCにおいて高度に過剰発現され、それらが、リガンド依存性およびリガンド非依存性AR媒介遺伝子活性化プログラムの両方に結合しそれらを活性化し、前立腺癌細胞における未チェックの増殖をもたらす可能性があることが報告された。(Yang et al.Nature 2013,500(7464):598-602)。
【0070】
特定の実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法を提供し、疾患または傷害は:
a)アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
b)ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびに
c)TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
から選択される少なくとも1つの腫瘍特異的変化を含む。
【0071】
特定の実施形態において、対象は、前立腺疾患に罹患している。
【0072】
特定の実施形態において、前立腺疾患は、前立腺癌である。
【0073】
特定の実施形態において、前立腺疾患は、去勢抵抗性前立腺癌である。
【0074】
特定の実施形態において、対象は、去勢を受けている。
【0075】
特定の実施形態において、対象は、抗アンドロゲン療法を受けている。
【0076】
特定の実施形態において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)生体試料中の少なくとも1つの腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
c)試料中に存在する少なくとも1つの腫瘍特異的変化を有する対象を、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために選択するステップ;および
d)治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを選択された対象に投与するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺疾患を有する対象を選択する方法を提供する。
【0077】
本発明において使用される化合物
特定の実施形態において、本発明は、治療的有効量のSMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む、本明細書に記載(described)の方法にしたがって処置に対して応答すると同定された、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法を提供し、SMARCA2/4デグレーダは、式(I):
【0078】
【化1】
【0079】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその塩により表される;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(Rまたはアリールであり;アリールは、任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COORおよび-OCORの少なくとも1つで置換されており;出現ごとのRは、水素およびアルキルから選択される;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素およびアルキルから選択される;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロおよびアルキルの少なくとも1つで置換された複素環である;
Lは:
【0080】
【化2】
【0081】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aに接続しており、リンカーの右側は、標的リガンド(TL)に接続している;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10であり、「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は、
【0082】
【化3】
【0083】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシルおよびハロアルキルから選択される;
は、-O-Rおよびハロから選択され;Rは、水素、アルキル、アシルおよびNaから選択される;ならびに
は、水素またはアルキルである)。
【0084】
本発明のさらに別の実施形態において、治療的有効量のSMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む、本明細書に記載の方法にしたがって処置に対して応答すると同定された、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法が提供され;SMARCA2/4デグレーダは、式(IA):
【0085】
【化4】
【0086】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、R、環A、Lおよび標的リガンドは、式(I)において定義されたものと同じである)。
【0087】
本発明のさらに別の実施形態において、治療的有効量のSMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む、本明細書に記載の方法にしたがって処置に対して応答すると同定された、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法が提供され;SMARCA2/4デグレーダは、式(IB):
【0088】
【化5】
【0089】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、環A、Lおよび標的リガンドは、式(I)において定義されたものと同じである)。
【0090】
本発明のさらに別の実施形態において、治療的有効量のSMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む、本明細書に記載の方法にしたがって処置に対して応答すると同定された、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法が提供され;SMARCA2/4デグレーダは、式(IC):
【0091】
【化6】
【0092】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、Lおよび標的リガンドは、式(I)において定義されたものと同じである)。
【0093】
本発明のさらに別の実施形態において、治療的有効量のSMARCA2/4デグレーダを対象に投与することを含む、本明細書に記載の方法にしたがって処置に対して応答すると同定された、それを必要とする対象における疾患または傷害を処置する方法が提供され;SMARCA2/4デグレーダは、式(ID):
【0094】
【化7】
【0095】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、Lおよび標的リガンドは、式(I)において定義されたものと同じである)。
【0096】
本明細書に記載の方法の特定の実施形態において、SMARCA2/4デグレーダは:
【0097】
【表1】
【0098】
の化学構造を有する化合物またはそれらの医薬適合性のある塩もしくは立体異性体である。
【0099】
特定の実施形態において、本発明は:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)腫瘍特異的変化が以下を含む、1つまたは複数の腫瘍特異的変化が存在するかどうかを決定するステップ;ならびに
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する患者を選択するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法を提供する。
【0100】
特定の実施形態において、本発明は:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)腫瘍特異的変化が以下を含む、1つまたは複数の腫瘍特異的変化が存在するかどうかを決定するステップ;ならびに
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する患者を選択するステップ;ならびに
d)選択された患者に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを含む処置を投与するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法を提供する。
【0101】
特定の実施形態において、本発明は:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)1つまたは複数の腫瘍特異的変化が存在するかどうかを決定するステップであって、腫瘍特異的変化が、
アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;または
TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
を含む、ステップ;ならびに
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する患者を選択するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法を提供する。
【0102】
特定の実施形態において、本発明は、別の治療剤と組み合わせてSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺癌を有する患者を選択する方法を提供し、その方法は:
a)患者から生体試料を分離するステップ;
b)腫瘍特異的変化が以下を含む、1つまたは複数の腫瘍特異的変化が存在するかどうかを決定するステップ;ならびに
c)別の治療剤と組み合わせてSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する患者を選択するステップ;ならびに
d)選択された患者に別の治療剤と組み合わせて治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを含む処置を投与するステップ
を含む。
【0103】
特定の実施形態において、本発明は、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺疾患を有する対象を選択する方法を提供し、その方法は、インビトロである。
【0104】
一実施形態において、本発明は:
i.対象から生体試料を分離するステップ;
ii.アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;
ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびに
TMPRSS2遺伝子とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
から選択される腫瘍特異的変化の存在を決定するステップ;
iii.少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する場合、その対象に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを投与するステップ
を含む、対象における前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
【0105】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞を少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダと接触させるステップを含む、前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、SMARCA2/4デグレーダは、式(I)の化合物により表される。
【0106】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞を少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダと接触させるステップを含む、1つまたは複数の腫瘍特異的変化を保持する前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、SMARCA2/4デグレーダは、式(I)の化合物により表される。
【0107】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞を少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダと接触させるステップを含む、前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、SMARCA2/4デグレーダは、表-Aに記載の化合物である。
【0108】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞を少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダと接触させるステップを含む、1つまたは複数の腫瘍特異的変化を保持する前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、SMARCA2/4デグレーダは、表-Aに記載の化合物である。
【0109】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、前立腺癌細胞は、対象における前立腺腫瘍を構成する。
【0110】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌細胞の増殖を阻害する方法を提供し、その方法は、インビトロである。
【0111】
特定の実施形態において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)1つまたは複数の腫瘍特異的変化が生体試料中に存在するかどうかを決定するステップ;
c)SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する対象を選択するステップ;ならびに
d)選択された対象に治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを含む処置を投与するステップ
を含む、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺疾患を有する対象を選択する方法を提供する。
【0112】
特定の実施形態において、本発明は:
a)対象から生体試料を分離するステップ;
b)1つまたは複数の腫瘍特異的変化が生体試料中に存在するかどうかを決定するステップ;
c)別の治療剤と組み合わせてSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために、その試料中に少なくとも1つの腫瘍特異的変化が存在する対象を選択するステップ;ならびに
d)選択された対象に別の治療剤と組み合わせて治療的有効量の少なくとも1つのSMARCA2/4デグレーダを含む処置を投与するステップ
を含む、別の治療剤と組み合わせてSMARCA2/4デグレーダを用いる処置のために前立腺疾患を有する対象を選択する方法を提供する。
【0113】
特定の実施形態において、SMARCA2/4デグレーダは、式(IA)、(IB)、(IC)または(ID):
【0114】
【化8】
【0115】
の化合物またはそれらの医薬適合性のある塩またはそれらの立体異性体である。
【0116】
特定の実施形態において、本発明は、前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物を提供し、化合物は、式(I):
【0117】
【化9】
【0118】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される;
(式中、
は、水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、-COOR、-CON(R、またはアリールであり;式中、アリールは、任意で、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、アルキル、アミノ、-ONa、-COOR、または-OCORの少なくとも1つで独立して置換されており;出現ごとのRは、水素またはアルキルである;
は、-NRまたは-ORであり;RおよびRは独立して、水素またはアルキルである;
環Aは、任意でヒドロキシ、ハロまたはアルキルの少なくとも1つで独立して置換された複素環である;
Lは:
【0119】
【化10】
【0120】
の化学構造を有するリンカーである;
式中、
リンカーの左側は、環Aに接続しており、リンカーの右側は、標的リガンド(TL)に接続している;
は、水素またはアルキルである;
は、アルキルである;
「n」は、0~10であり、「p」は、1~5である;
標的リガンド(TL)は、
【0121】
【化11】
【0122】
である;
式中、
は、水素、アルキル、アシル、またはハロアルキルである;
は、-O-Rまたはハロであり;Rは、水素、アルキル、アシル、またはNaである;ならびに
は、水素またはアルキルである)。
【0123】
特定の実施形態において、前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物であって、その化合物は、式(IA):
【0124】
【化12】
【0125】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される。
【0126】
特定の実施形態において、前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物であって、その化合物は、式(IB):
【0127】
【化13】
【0128】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される。
【0129】
特定の実施形態において、前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物であって、その化合物は、式(IC):
【0130】
【化14】
【0131】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される。
【0132】
特定の実施形態において、前立腺癌を有する対象を選択する方法における使用のための化合物であって、その化合物は、式(ID):
【0133】
【化15】
【0134】
の化合物またはその医薬適合性のある塩またはその立体異性体により表される。
【0135】
定義:
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他のものを規定しない限り、複数の参照を含むことに留意する必要がある。したがって、例えば、「バイオマーカー」への言及は、2つまたはそれ以上のバイオマーカーの混合物などを含む。
【0136】
本発明において使用されるように、用語「包含する」、「包含している」、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」およびそれらの任意の変形は、要素または要素のリストを包含する、含む、または含有するプロセス、方法、プロダクト-バイ-プロセス、または組成物が、それらの要素のみを含むだけでなく、そのようなプロセス、方法、プロダクト-バイ-プロセス、または組成物を明確に列記されていないか、固有ではない他の要素を含むことができるような、非独占的な包含をカバーすると意図される。
【0137】
本明細書において使用されるように、「腫瘍特異的変化」は、DNA配列、mRNA配列、タンパク質配列における変化、遺伝子発現(mRNAまたはタンパク質存在量のいずれか)における変化、またはそれらの組み合わせをもたらすゲノムにおける任意の変化を指す。腫瘍特異的変化は、有害な変異(例えば、遺伝子機能または遺伝子発現のいずれかを減少または消失させる変異)、機能喪失変異、機能獲得変異などを含むが、これらに限定されない。腫瘍特異的変化は、感染した宿主細胞(例えば、ヒトパピローマウイルス)のゲノム中へのウイルス遺伝子物質の挿入を含む。腫瘍特異的変化はまた、マイクロサテライトまたはDNAの他の反復的な領域(例えば、ショートタンデムリピートまたは単純配列反復)も含む。
【0138】
本明細書において使用されるように、任意の特定の遺伝子または遺伝生産物に関する成句「機能変異の獲得」は、変更された遺伝子産物が新規分子機能または新規遺伝子発現パターンを保持する、変異のタイプを指す。
【0139】
本明細書において使用されるように、「機能の喪失」(LOF)変異は、遺伝子の変異または対立遺伝子を指し、その結果は、遺伝子産物(エンコードされたタンパク質など)が、細胞または生物(ヒト細胞またはヒトを含む)において正常よりも少ない機能を有するか、機能がないことである。対立遺伝子が、機能の完全な喪失(ヌル対立遺伝子)を有する場合、それは、無定形変異と呼ばれる場合が多い。機能喪失変異と関連する表現型は、劣性であることが多い。
【0140】
本明細書において使用されるように、遺伝子(例えば、発癌性ドライバー遺伝子)を指す場合の用語「過剰発現」は、正常レベルと比較して遺伝子に対応するmRNA、タンパク質、またはそれらの組み合わせにおける任意の増加を指す。例えば、用語「AR遺伝子の過剰発現」は、AR遺伝子に対応するmRNAレベル、タンパク質レベル、またはそれらの組み合わせにおける任意の増加を指す。
【0141】
本明細書において使用されるように、用語「TMPRSS2とERG遺伝子のゲノム再配列」は、前立腺癌と関連するTMPRSS2とERG遺伝子の間の遺伝子融合を指し、かつTMPRSS2とERG遺伝子の間の任意の再配列を含み得る。そのようなゲノム再配列は、TMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらす可能性がある。
【0142】
本明細書において使用されるように、用語、医薬品または薬剤の組み合わせの「治療的有効量」は、あらゆる医学的処置に適用可能な合理的利益/リスク比で、処置される対象に対し治療効果を与える薬剤(複数可)の量を指すことを意図している。治療効果は、客観的(すなわち、いくらかの試験またはマーカーにより測定可能である)または主観的(すなわち、対象が効果の兆候を与えるか、効果を感じる)であり得る。治療的有効量は一般に、複数の単位用量を含んでよい投与計画において投与される。任意の特定の医薬品について、治療的有効量(および/または有効な投与計画内の適切な単位用量)は、例えば、投与経路、他の医薬品との組み合わせに応じて変わり得る。また、任意の特定対象に対する特定の治療的有効量(および/または単位用量)は、処置される疾患および障害の重症度;使用される特定の医薬品の活性;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、健康全般、性別および食事;投与時間、投与経路、および/または使用される特定の医薬品の排泄もしくは代謝の頻度;処置の期間を含む種々の要因;ならびに医術において周知であるような同様の要因に依存する可能性がある。
【0143】
本明細書において使用されるような、用語「処置」(また、「処置する」または「処置している」)は、1つもしくは複数の症候または特定の疾患、障害、病的現象および/または健康状態の特徴を部分的または完全に緩和する、寛解させる、軽減する、阻害する、その発症を遅延させる、その重症度を低減するおよび/またはその発生率を低減する、医薬品、レメディ、または薬品の任意の投与を指す。そのような処置は、関連する疾患、傷害および/もしくは健康状態の兆候を示さない対象ならびに/または疾患、傷害および/もしくは健康状態の初期の兆候のみを示す対象のものである可能性がある。代わりにまたは追加で、そのような処置は、関連する疾患、傷害および/または健康状態の1つまたは複数の確立された兆候を示す対象のものである可能性がある。
【0144】
本明細書において使用されるように、用語「任意の」または「任意で」は、後で説明されるイベントもしくは状況が発生する可能性があることまたは発生する可能性がないこと、ならびに、説明は、イベントもしくは状況が発生する事例および発生しない事例を含むことを意味する。例えば、「任意で置換されたアルキル」は、置換されている可能性があるアルキルおよびアルキルが置換されていないイベントまたは状況を指す。
【0145】
用語「置換された」は、骨格の1つまたは複数の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「置換された」は、そのような置換が置換された原子および置換基の許可された原子価に一致するという、ならびに置換が、例えば、転位、環化、除去などによるそのような変化を自然発生的に受けない安定な化合物をもたらすという、暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。本明細書において使用されるように、用語「置換された」は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むと企図される。幅広い態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基を含む。許容される置換基は、適切な有機化合物について、1つまたは複数であり、同じであるまたは異なっていてよい。本発明の目的のため、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有する可能性がある。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、オキソ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含み得る。置換基が、必要に応じて、置換基自体を置換できることは、当業者に理解されるであろう。「非置換」として別段の記載がない限り、本明細書における化学的部分への言及は、置換された変形を含むと理解される。例えば、「アリール」基または部分への言及は、置換された変形および非置換の変形の両方を暗に含む。
【0146】
本明細書において使用されるように、用語「アルキル」は、飽和脂肪族基を指し、C~C10直鎖アルキル基またはC~C10分岐鎖アルキル基を含むが、これらに限定されない。好ましくは、「アルキル」基は、C~C直鎖アルキル基またはC~C分岐鎖アルキル基を指す。最も好ましくは、「アルキル」基は、C~C直鎖アルキル基またはC~C分岐鎖アルキル基を指す。「アルキル」の例は、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオ-ペンチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、3-オクチルおよび4-オクチルを含むが、これらに限定されない。「アルキル」基は、任意で置換されてよい。
【0147】
本明細書において使用されるように、用語「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されたアルキルを指し、ハロおよびアルキル基は、上記で定義されたものである。「ハロアルキル」の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチルを含むが、これらに限定されない。
【0148】
本明細書において使用されるように、用語「ヒドロキシルアルキル」または「ヒドロキシアルキル」は、上記で定義されたようなアルキル基を指し、1つまたは複数のアルキル基の水素原子は、ヒドロキシル基で置き換えられている。ヒドロキシルアルキル部分の例は、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(CH)CHOHを含むが、これらに限定されない。
【0149】
本明細書において使用されるように、用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族の飽和または部分飽和の架橋二環式、スピロ環式、単環式または多環式の、O、N、S、S(O)、S(O)、NHおよびC(O)から選択される少なくとも1つのヘテロ原子またはヘテロ基を有し、残りの環原子が独立して炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される3~15員の環系を指す。用語「ヘテロシクロアルキル」はまた、O、N、S、S(O)、S(O)、NHおよびC(O)から選択される少なくとも1つのヘテロ原子またはヘテロ基を有する架橋二環式環系を指す。「ヘテロシクロアルキル」の例は、そのアゼチジニル、オキセタニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4-ジオキサニル、ジオキシドチオモルホリニル、オキサピペラジニル、オキサピペリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニル、インドリニル、インドリニルメチル、イソインドリニル、オキソイソインドリニル、ジオキソイソインドリニル、アザ-ビシクロオクタニル、ジアザビシクロオクタニル、アゾシニル、クロマニル、イソクロマニルキサンテニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニルを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル置換基の結合は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかを介して生じ得る。ヘテロシクロアルキル基は、1つまたは複数の上記の基により1つまたは複数の適切な基で任意に置換できる。好ましくは、「ヘテロシクロアルキル」は、そのアゼチジニル、オキセタニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、およびチオモルホリニルからなる群より選択される5員環~6員環を指す。すべてのヘテロシクロアルキルは、1つまたは複数の上記の基により任意に置換される。
【0150】
本明細書において使用されるように、用語「ヘテロアリール」は、単独でまたは他の用語(複数可)と組み合わせて、全部で5~14個の環原子を含む完全に不飽和の環系を意味する。少なくとも1つの環原子は、ヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子/基は炭素、酸素、窒素または硫黄から独立して選択される。ヘテロアリールは、一緒に融合されたまたは共有結合された1つの環(単環式)または複数の環(二環式、三環式または多環式)であり得る。好ましくは、「ヘテロアリール」は、5員環~6員環である。環は、N、OおよびSから選択される1~4個の追加のヘテロ原子を含む可能性があり、N原子は、任意で四級化される。ヘテロアリール部分の任意の適切な環の位置は、定義された化学構造に共有結合される可能性がある。「ヘテロアリール」の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、シンノリニル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1H-テトラゾリル、オキサジアゾイル、トリアゾリル、ピリジル、3-フルオロピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル;ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアジニル、フタラジニル、チアントレン、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、9H-カルバゾリル、α-カルボリニル、インドリジニル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル、プリニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾトリアジアゾリル、カルバゾリル、ジベンゾチエニル、アクリジニルなどを含むが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、任意でさらに置換されてよい。
【0151】
本明細書において使用されるように、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、かつ直鎖または分岐またはそれらの組み合わせであり得る、炭素鎖を指す。「アルケニル」の例は、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1-プロペニル、2-ブテニルおよび2-メチル-2-ブテニルを含むが、これらに限定されない。
【0152】
本明細書において使用されるように、用語「アミノ」は、-NH基を指す。
【0153】
本明細書において使用されるように、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、単独でまたは他の用語(複数可)と組み合わせて、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0154】
本明細書において使用されるように、用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、単独でまたは他の用語(複数可)と組み合わせて、-OHを意味する。
【0155】
本明細書において使用されるように、用語「オキソ」は、=O基を指す。
【0156】
本明細書において使用されるように、用語「アルコキシ」は、-O-アルキルを指し、アルキル基は、上で定義されたものである。代表的なC~C10アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシまたはt-ブトキシを含むが、これらに限定されない。アルコキシ基は、1つまたは複数の適切な基で任意に置換できる。
【0157】
本明細書において使用されるように、用語「アリール」は、任意で置換された単環式、二環式または多環式の、約6~14個の炭素原子の芳香族炭化水素環系である。C~C14アリール基の例は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニルおよびアセナフチルを含むが、これらに限定されない。アリール基は、非置換であり得るか、1つまたは複数の適切な基で置換できる。
【0158】
用語「アシル」は、基R-CO-または-CO-Rを指し、Rは、上で定義された任意で置換されたアルキルである。「アシル」基の例は、CHCO-、CHCHCO-、CHCHCHCO-または(CHCHCO-を含むが、これらに限定されない。用語「-O-アシル」は、-O-CO-Rを指し、Rは、上で定義されたようなアルキルである。
【0159】
本明細書において使用されるような用語「ヘテロ原子」は、硫黄、窒素または酸素原子を示す。
【0160】
用語「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトを示す。本発明の一実施形態において、対象は、前立腺疾患に罹患している任意の対象を指す。本発明の別の実施形態において、用語「対象」は、前立腺癌に罹患している任意の対象を指す。本発明の別の実施形態において、用語「対象」は、去勢抵抗性前立腺癌に罹患している任意の対象を指す。本発明の別の実施形態において、用語「対象」は、去勢を受けている任意の対象を指す。本発明の別の実施形態において、用語「対象」は、抗アンドロゲン療法を受けている任意の対象を指す。別の実施形態において、用語「対象」は、SMARCA2/4デグレーダ第1選択療法を受けている去勢抵抗性前立腺癌に罹患している任意の対象を指す。別の実施形態において、用語「対象」は、SMARCA2/4デグレーダおよび任意の他の治療剤の併用療法を受けている去勢抵抗性前立腺癌に罹患している任意の対象を指す。
【0161】
用語、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する「中程度の応答者」は、本発明の対象に言及する場合、本発明の腫瘍特異的変化の任意の1つを保持する対象を意味するものとする。
【0162】
用語、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する「高い応答者」は、本発明の対象に言及する場合、本発明の腫瘍特異的変化の少なくとも2つを保持する対象を意味するものとする。例えば、対象は、以下の変化:
i.アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;ならびにホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;
ii.ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)における機能の喪失もしくは有害な変異;ならびにTMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列;
ならびに
iii.アンドロゲン受容体(AR)遺伝子の変異、増幅、もしくは過剰発現;ならびにTMPRSS2とERG遺伝子の間の転座をもたらすゲノム再配列
が生じる場合、SMARCA2/4デグレーダを用いる処置に対する「高い応答者」と呼ばれてよい。
【0163】
実験
本発明の化合物の調製のための合成手順は、その全体が本明細書に組み込まれる、国際特許出願第PCT/IB2019/053443号において説明された。
【0164】
実施例-1:
Cell Titer Glo(登録商標)(プロメガ)アッセイによる細胞におけるSMARCA2/4デグレーダの抗増殖活性の測定
前立腺癌細胞株、Vcap(ATCC#CRL-2876)、LNCaP-FGC(ATCC CRL-1740)、22RV1(ATCC CRL-2505)、PC-3(ATCC CRL-1435)、DU-145(ATCC HTB-81)およびRWPE-1(ATCC CRL-11609)を、それぞれの完全培地を使用して96ウェルプレート黒色透明平底プレート(コーニング、カタログ番号3904)に播種した。同時に、細胞を0日目測定のために播種した。
【0165】
翌日、本発明の化合物43を、DMSO(シグマカタログ番号D2650)で作成した10mM原液から細胞に加えた。DMSOのみを、溶媒対照として使用した。0日目のプレートを、50μlのCell Titer Glo(登録商標)試薬(プロメガ、カタログ番号G7572)を使用して、化合物添加の日に終了した。6日間インキュベートした22RV1を除いて、化合物を、8日間インキュベートした。新しい化合物を、4日目に培地に補充した。化合物インキュベーションの後、アッセイを、50μlのCellTiter Glo(登録商標)試薬を使用して終了した。CellTiter Glo(登録商標)発光試薬は、細胞数および代謝活性の指標であるATPの存在量の定量に基づいて生細胞の数を決定する。発光読み取りを、蛍光プレートリーダーで行った。
【0166】
0日目のCTG測定値は、時間ゼロ(Tz)として指定され、溶媒対照における最終CTG測定値は、対照増殖DMSO(C)として指定され、9つの濃度レベルでの薬剤の存在下での試験増殖は、(Ti)として指定される。
【0167】
測定値[時間ゼロ(Tz)、増殖対照DMSO(C)および9つの濃度レベルでの薬剤の存在下での試験増殖(Ti)]を使用して、増殖率を、各薬剤濃度レベルで算出する。応答率を:
Ti≧Tzの場合の濃度について[(Ti-Tz)/(C-Tz)]×100、
Ti<Tzの場合の濃度について[(Ti-Tz)/Tz]×100、
として算出する。
【0168】
3つの用量応答パラメータを、実験剤ごとに算出する。50%の増殖阻害(GI50)は、[(Ti-Tz)/(C-Tz)]×100=50から算出され、これは、薬物インキュベーション中の対照細胞での正味の発光増加(測定されたATP)における50%減少をもたらす薬剤濃度である。結果を表-IIに与える。
【0169】
処置後の細胞の正味の損失を示唆するLC50(開始時のものと比較して、薬剤処置の最後で測定されたATPにおける50%減少をもたらす薬剤濃度)は、[(Ti-Tz)/Tz]×100=50から算出される。
【0170】
SMARCA2/4デグレーダに対する前立腺癌細胞株の感受性の測定
本発明の化合物43を、正常細胞および前立腺癌細胞を提示するいくらかの細胞株に対して分析した。本発明において使用される細胞株は、以下に示されるARの存在、PTEN変異またはTMPRSS2-ERG融合などの1つまたは複数の腫瘍特異的変化を保持している。
【0171】
【表2】
「+」記号は、各細胞株における特定の腫瘍特異的変化の存在を示唆する。
「-」記号は、各細胞株における特定の腫瘍特異的変化の不在を示唆する。
【0172】
正常細胞(RWPE)において、化合物が、阻害および細胞死滅を示さなかったことが観察された(図1)。腫瘍特異的変化が全く存在しない前立腺癌細胞株DU145において、細胞増殖の阻害も細胞死滅も観察されず、したがってDU145は、SMARCA2/4デグレーダに応答しないか、応答が小さいと決定された(図2)。上記腫瘍特異的変化の1つが存在する細胞株である22RV1およびPC3の増殖は、細胞死滅がないか中程度で強力に抑制された(図3Aおよび3B)。そして、増殖および細胞死滅の両方は、上記3つの腫瘍特異的変化の2つを有する細胞株であるVCapおよびLnCapFGCにおいて強力に影響された(図4Aおよび4B)。
【0173】
これらの観察は、SMARCA2/4デグレーダに対する前立腺癌細胞株の感受性を決定するためのバイオマーカーとしての、AR依存性、PTEN変異およびTMPRSS2-ERG遺伝子融合の存在、の使用を支持する。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
【国際調査報告】