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特表2022-547532ナトリウムチャネルブロッカーを含む徐放性熱硬化性ゲルおよびそれを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】ナトリウムチャネルブロッカーを含む徐放性熱硬化性ゲルおよびそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/407 20060101AFI20221107BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20221107BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221107BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20221107BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61K31/407
A61K47/34
A61P25/04
A61P29/02
A61K47/18
A61K47/10
A61K47/20
A61K47/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515625
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 US2020049826
(87)【国際公開番号】W WO2021050470
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/897,555
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/932,076
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/958,212
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/026,369
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.クレモフォール
(71)【出願人】
【識別番号】522091232
【氏名又は名称】パシラ・セラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pacira Therapeutics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジョシ,ウジワル
(72)【発明者】
【氏名】ジョ,アミ
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,ジョン デレク
(72)【発明者】
【氏名】センター,レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】ボディック,ニール
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076CC01
4C076DD09E
4C076DD52E
4C076DD55E
4C076DD60E
4C076EE24M
4C076FF12
4C076FF15
4C076FF31
4C076GG09
4C076GG43
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA16
4C086MA52
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA12
4C086ZA08
(57)【要約】
本開示は、フナピドおよびトリブロック重合体の温度感受性ヒドロゲル製剤を含む組成物、ならびに急性痛または外科的処置に伴う痛みを管理するための組成物の使用方法および製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、
a)0.2~2%w/wの濃度のフナピド;
b)5%~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:
(i)ここで、各乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)重合体ブロックは400~2550Daの分子量(MW)を有し、ポリエチレングリコール(PEG)重合体ブロックは1000~3000DaのMWを有し;そして
(ii)ここで、PLGAは、40%~100%の乳酸(LA)および60%~0%のグリコール酸(GA)を含む;
c)1%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒;および
d)1%~20%w/wの濃度の溶解度向上剤、を含む組成物。
【請求項2】
各PLGA重合体ブロックが、1000~2450DaのMWを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
各PLGA重合体ブロックが、1400~2450DaのMWを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
PEG重合体ブロックが、1000~1600DaのMWを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
PEG重合体ブロックが、1400~1600DaのMWを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
フナピドの濃度が、0.2%~1.8%w/wである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
フナピドの濃度が、0.65%w/wである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
フナピドの濃度が、1.3%w/wである、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
極性有機溶媒の濃度が、1.5%~20%w/wである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
極性有機溶媒の濃度が、1%~10.5%w/wである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
極性有機溶媒が、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリコフロール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
極性有機溶媒が、DMAである、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
溶解度向上剤の濃度が、5%~20%w/wである、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
溶解度向上剤の濃度が、10%~11%w/wである、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
溶解度向上剤が、プロピレングリコール(PG)、クレモフォールEL、クレモフォールRH60、エタノール、グリセリン、PEG300、PEG400、ポリソルベート、ビタミンE-TPGS、PLGA-PEGジブロック共重合体、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、ポロキサマー188、ポロクソマー407、ポリビニルピロリドン(PVP)、グリセロールホルマール、ソルトールHS、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
溶解度向上剤が、PEG400である、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
PLGAが、40%の乳酸(LA)および60%のグリコール酸(GA)(LA:GA比40:60)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
PLGAが、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
PLGAが、100%の乳酸(LA)および0%のグリコール酸(GA)(LA:GA比100:0)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体の濃度が、8%~25%w/wである、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体の濃度が、19%~20%w/wである、請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
総トリブロック重合体系の総分子量が、2500~7000Daである、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
総トリブロック重合体系の総分子量が、4000~7000Daである、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体が、1000Da-1000Da-1000DaのPLGA-PEG-PLGAである、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体が、1500Da-1500Da-1500DaのPLGA-PEG-PLGAである、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体が、2450Da-1500Da-2450DaのPLGA-PEG-PLGAである、請求項1~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
製剤が、
a)1.3%w/wの濃度のフナピド;
b)19%~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:
(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして
(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む;
c)1.7%w/wの濃度のDMA;および
d)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
製剤が、
a)0.65%w/wの濃度のフナピド;
b)19%~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:
(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして
(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む;
c)1.7%w/wの濃度のDMA;および
d)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
5ml~40mlの用量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
5mlの用量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
10mlの用量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
20mlの用量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
40mlの用量を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
予防または処置を必要とする対象において外科手術後痛を予防または処置する方法であって、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項35】
組成物の有効量を外科的処置前に該患者に投与することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
組成物の有効量を外科的処置中に該患者に投与することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
組成物の有効量を外科的処置後に該患者に投与することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
予防または処置を必要とする対象において痛みを予防または処置する方法であって、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項39】
痛みが、急性痛である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
急性痛が、傷害、歯科治療、分娩・出産、外科的処置またはこれらのいずれかの組み合わせに起因するものである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
有効量により鎮痛神経ブロックを誘導する、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
鎮痛神経ブロックが、上肢神経ブロック、下肢神経ブロック、顔面神経ブロック、頸背部神経ブロック、胸郭・腹部ブロック、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
上肢神経ブロックが、斜角筋間神経ブロック、鎖骨上神経ブロック、腕神経叢ブロック、鎖骨下神経ブロック、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
下肢神経ブロックが、下腹神経叢ブロック、腰神経叢ブロック、大腿神経ブロック、内転筋管神経ブロック、伏在神経ブロック、膝窩・坐骨神経ブロック、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
顔面神経ブロックが、三叉神経ブロック、眼神経ブロック、眼窩上神経ブロック、上顎神経ブロック、蝶形骨口蓋神経ブロック、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
頸背部神経ブロックが、頸部硬膜外ブロック、胸部硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、尾部ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
胸郭・腹部ブロックが、傍脊椎ブロック、肋間神経ブロック、腹横筋膜面ブロック、腹直筋鞘ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
外科的処置が、診断用外科的処置、切断用外科的処置、一時緩和用外科的処置、再建用外科的処置、移植用外科的処置、建設的外科的処置、またはこれらのいずれかの組み合わせである、34~37および40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
外科的処置が、上肢の外科的処置、下肢の外科的処置、腹部の外科的処置、心胸郭の外科的処置、頭頸部の外科的処置、背部の外科的処置、筋骨格の外科的処置、整形の外科的処置、眼の外科的処置、耳、鼻および咽頭の外科的処置、血管の外科的処置、歯科用外科的処置、またはこれらのいずれかの組み合わせである、34~37および40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
上肢の外科的処置が、腕、前腕、手、手首、肘、肩、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
上肢の外科的処置が、腕、前腕、手、手首、肘、肩、またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上の骨の外科的処置である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
一つまたはそれ以上の骨が、橈骨、尺骨、上腕骨、手根骨、中手骨もしくは指の骨、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
下肢の外科的処置が、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置である、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
下肢の外科的処置が、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上の骨の外科的処置である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
一つまたはそれ以上の骨が、寛骨臼、大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨、足根骨、中足骨、土踏まずまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
外科的処置が、腹壁、胸壁またはこれらの組み合わせのいずれか一つの外科的処置である、請求項34~37および40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
外科的処置が、臓器の外科的処置である、請求項34~37および40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
臓器が、心臓、肺、肝臓、脾臓、脳、胃、小腸、大腸、胆嚢、胆管、リンパ管、膀胱、前立腺、膵臓、副腎、甲状腺、皮膚、子宮、輸卵管、卵巣、細精管、精巣、またはこれらのいずれかの組み合わせである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
外科的処置が、臓器の修復、除去または移植である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
外科的処置が、臓器内または臓器の近くから腫瘍または癌組織を除去するためのものである、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
対象が、哺乳動物である、請求項34~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
対象が、ヒト、マウス、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ウシまたはラクダ類である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
対象が、ヒトである、請求項61~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
組成物の有効量が、神経周囲に、硬膜外に、皮下に、皮内に、経口で、筋肉内にまたは静脈内に投与される、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
組成物の有効量が、神経周囲に投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
組成物の有効量が、傷害または外科的処置の部位(複数可)の創傷に直接点滴注入することにより投与される、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
製剤の有効量が、傷害または外科的処置の部位(複数可)に浸潤することにより投与される、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物の製造方法であって、
i)
a)ある量のPLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体;
b)ある量の水;
c)ある量のフナピド;
d)ある量の極性有機溶媒;および
e)ある量の溶解度向上剤、を混ぜ合わせ、溶解して混合物を形成すること;
ii)
(i)の混合物を1~30℃で攪拌すること;
iii)
(ii)の清澄な溶液を無菌フィルターで濾過すること;および
iv)
(iii)の濾過された溶液を≦-20℃で集め、凍結させること、
を含む方法。
【請求項69】
工程i)が、
1)1~30℃で、ある量のPLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体(a)をある量の水(b)に配合し溶解して、重合体溶液を形成すること;
2)別の容器において、ある量のフナピド(c)を、ある量の極性有機溶媒(d)およびある量の溶解度向上剤(e)に溶解して、フナピド溶液を形成すること;および
3)(1)の溶解されたフナピド溶液を(2)の重合体溶液と混ぜ合わせて、混合物を形成すること、を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
(3)の混ぜ合わせが、8~12℃の温度で行われる、請求項68~69のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月18日出願の米国仮出願第63/026,369号;2020年1月7日出願の米国仮出願第62/958,212号;2019年11月7日出願の第62/932,076号;および2019年9月9日出願の第62/897,555号の優先権を主張し、その全内容は引用により本明細書に包含される。
【0002】
(発明の分野)
本開示には、トリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドを含む、痛みを処置または管理するための組成物および方法が記載される。
【背景技術】
【0003】
米国では、毎年7000万件の外科的処置が行われていると推定される(Owings 1998)。外科的処置を受けた患者の80%を超える患者が急性の外科手術後痛を経験しており、そのうちの約75%の患者が痛みの重症度を中等度、重度、極度と報告している(Chou 2016)。50%を超える症例で、患者は処置の後に痛みの十分な緩和を受けていないと報告している(Chou 2016)。外科手術後痛を充分に制御できないと、クオリティ・オブ・ライフ、機能および機能回復に対する良くない効果、外科手術後合併症の危険性、および永続的な外科手術後痛の危険性を含む、短期および長期の両方に影響を受け得る。
【0004】
運動機能を実質的に損なわずに局所鎮痛効果が延長されている非オピオイド性の感覚遮断に対応するため、外科手術後痛を管理するうえで実質的な満たされない要求(アンメットニーズ)が存在する。整形手術では、成人の中で2番目に高いオピオイド処方率を生み出し、多くの患者が手術の前後でオピオイドを使用し(Smith 2018)、これが潜在的な依存症へと導く。運動機能を実質的に損なうことなく長期に痛みを緩和する処置により、オピオイドの必要性を減少させ、より早期の歩行運動および理学療法を可能にし、患者は、手術後もっと早くに退院することができるようになる。
【0005】
フナピドは、小分子の電位開口型ナトリウムチャネル(Nav)阻害物質であり、Nav1.7に優先的に拮抗する。Nav1.7は、SCN9A遺伝子の変異に起因するヒトの表現型に基づく痛みシグナル伝達に関与しており、その機能喪失は先天性無痛(CIP)となる一方で、その機能獲得は痛覚過敏を引き起こす(Yang 2004, Fertleman 2006, Goldberg 2007)。Nav1.7を拮抗(アンタゴナイズ)することは、運動機能を実質的に損なうことなく、外科手術後痛から無痛状態にするのに十分である。単回の注射で持続的な痛みを緩和する医薬組成物に対するアンメットニーズが存在する。本明細書では、フナピドを含む温度感受性ヒドロゲル製剤であって、標的注射部位(末梢神経)において少なくとも3~5日間局所的な物理的近接性と高い局所薬物濃度を維持し、かつ運動機能を実質的に損なうことなく少なくとも3~5日間の外科手術後痛の緩和を提供することができる製剤が開示される。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.2~2%w/wの濃度のフナピド; b)5%~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)重合体ブロックは、400~2550Daの分子量(MW)を有し、ポリエチレングリコール(PEG)重合体ブロックは、1000~3000DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、40%~100%の乳酸(LA)および60%~0%のグリコール酸(GA)を含む; c)1%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒;およびd)1%~20%w/wの濃度の溶解度向上剤、を含む組成物を提供する。
【0007】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、PLGA重合体およびPEG重合体の分子量値は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて数平均(Mn)基準で報告される組成物を提供する。
【0008】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1000~2450Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックのMWが1400~2450Da)を含むことができる。
【0009】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000~1600Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックのMWが1400~1600Da)を含むことができる。
【0010】
本発明の組成物は、0.2%~1.8%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.2%~1.5%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.2%~1%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、1%~2%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、1%~1.5%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、1.5%~2%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.65%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、1.3%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。
【0011】
本発明の組成物は、1%~5%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、5%~10%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、10%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.5%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1%~10.5%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.5%~2%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.5%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.7%w/wの濃度の極性有機溶媒を含むことができる。極性有機溶媒は、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリコフロール、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。極性有機溶媒はDMAであり得る。
【0012】
本発明の組成物は、5%~20%w/wの濃度の溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10%~11%w/wの濃度の溶解度向上剤を含むことができる。溶解度向上剤は、プロピレングリコール(PG)、クレモフォールEL、クレモフォールRH60、エタノール、グリセリン、PEG300、PEG400、ポリソルベート、ビタミンE-TPGS、PLGA-PEGジブロック共重合体、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、ポロキサマー188(poloxamer)、ポロクソマー(poloxomer)407、ポリビニルピロリドン(PVP)、グリセロールホルマール、およびソルトールHS、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。好ましい溶解度向上剤は、ポリソルベート、PLGA-PEGジブロック共重合体、クレモフォールEL、PEG300、PEG400、およびソルトールHSを含む。好ましい一態様において、溶解度向上剤はPEG400であり得る。
【0013】
本発明の組成物は、40%の乳酸および60%のグリコール酸(LA:GA比40:60)を含むPLGAを含むことができる。本発明の組成物は、50%の乳酸および50%のグリコール酸(LA:GA比50:50)を含むPLGAを含むことができる。本発明の組成物は、100%の乳酸および0%のグリコール酸(LA:GA比100:0)を含むPLGAを含むことができる。
【0014】
本発明の組成物は、8%~25%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19%~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。
【0015】
本明細書に開示される組成物の総トリブロック重合体系の総分子量は2500~7000Daであり得る。総トリブロック重合体系の総分子量は4000~7000Daであり得る。総トリブロック重合体系の総分子量は6000~7000Daであり得る。総トリブロック重合体系の総分子量は6600~7000Daを超えない。総トリブロック重合体系の総分子量は6000Daであり得る。
【0016】
本明細書に開示される組成物は、400Da-3000Da-400DaのPLGA-PEG-PLGAであり得るPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、1000Da-1000Da-1000DaのPLGA-PEG-PLGAであり得るPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、1500Da-1500Da-1500DaのPLGA-PEG-PLGAであり得るPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、2000Da-2000Da-2000DaのPLGA-PEG-PLGAであり得るPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、2450Da-1500Da-2450DaのPLGA-PEG-PLGAであり得るPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。
【0017】
本発明の組成物は、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19%~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGA乳酸:グリコール酸比(LA:GA比)は50:50である; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含むことができる。
【0018】
本発明の組成物は、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19%~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGA乳酸:グリコール酸比(LA:GA比)は50:50である; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含むことができる。
【0019】
本発明の組成物は、5ml~40mlの総用量を有することができる。本発明の組成物は、5mlの総用量を有することができる。本発明の組成物は、10mlの総用量を有することができる。本発明の組成物は、15mlの総用量を有することができる。本発明の組成物の総用量は20mlであり得る。本発明の組成物は、25mlの総用量を有することができる。本発明の組成物は、30mlの総用量を有することができる。本発明の組成物は、40mlの総用量を有することができる。
【0020】
本開示は、処置を必要とする患者において外科手術後痛を処置する方法であって、本明細書に開示されるいずれかの組成物の有効量を該患者に投与することを含む方法を提供する。本明細書の方法は、本発明のいずれかの組成物の有効量を、外科的処置前に該患者に投与することを含む。本発明の外科手術後痛を処置する方法は、本発明の組成物の有効量を、外科的処置中に該患者に投与することを含む。本発明の外科手術後痛を処置する方法は、本発明の組成物の有効量を、外科的処置後に該患者に投与することを含むことができる。本発明の外科手術後痛を処置する方法は、本発明の組成物の有効量を、外科的処置前に該患者に投与することを含むことができる。
【0021】
本開示は、予防または処置を必要とする患者において痛みを予防または処置する方法であって、本明細書に開示される組成物の有効量を投与することを含む方法を提供する。痛みは急性痛であり得る。急性痛は、傷害、歯科治療、分娩・出産、外科的処置またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つに起因するものであり得る。
【0022】
有効量により、鎮痛神経ブロックを誘導する。鎮痛神経ブロックは、上肢神経ブロック、下肢神経ブロック、顔面神経ブロック、頸背部(neck and back)神経ブロック、胸郭・腹部ブロック、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。上肢神経ブロックは、斜角筋間神経ブロック、鎖骨上神経ブロック、腕神経叢ブロック、鎖骨下神経ブロックのいずれかの一つまたはそれ以上、またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。下肢神経ブロックは、下腹神経叢ブロック、腰神経叢ブロック、大腿神経ブロック、内転筋管神経ブロック、伏在神経ブロック、膝窩・坐骨神経ブロックのいずれかの一つまたはそれ以上、またこれらのいずれかの組み合わせであり得る。顔面神経ブロックは、三叉神経ブロック、眼神経ブロック、眼窩上神経ブロック、上顎神経ブロック、蝶形骨口蓋神経ブロックのいずれかの一つまたはそれ以上、またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。頸背部神経ブロックは、頸部硬膜外ブロック、胸部硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、尾部ブロック(caudal block)のいずれかの一つまたはそれ以上またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。胸郭・腹部ブロックは、傍脊椎ブロック、肋間ブロック、腹横筋膜面ブロック、腹直筋鞘ブロックのいずれかの一つまたはそれ以上またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。
【0023】
外科的処置は、診断用外科的処置、切断用外科的処置、一時緩和用外科的処置、再建用外科的処置、移植用外科的処置、建設的外科的処置、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれかの一つであり得る。
【0024】
外科的処置は、上肢の外科的処置、下肢の外科的処置、腹部の外科的処置、心胸郭の外科的処置、頭頸部の外科的処置、背部の外科的処置、筋骨格の外科的処置、整形の外科的処置、眼の外科的処置、耳、鼻および咽頭の外科的処置、血管の外科的処置、歯科用外科的処置、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0025】
上肢の外科的処置は、腕、前腕、手、手首、肘、肩またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つの外科的処置であり得る。上肢の外科的処置は、腕、前腕、手、手首、肘、肩またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上の骨の外科的処置であり得る。一つまたはそれ以上の骨は、橈骨、尺骨、上腕骨、手根骨、中手骨もしくは指の骨またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つを含むことができる。
【0026】
下肢の外科的処置は、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つの外科的処置である。下肢の外科的処置は、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上骨の外科的処置であり得る。一つまたはそれ以上の骨は、寛骨臼、大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨、足根骨、中足骨、土踏まずまたはこれらの組み合わせのいずれか一つを含むことができる。
【0027】
外科的処置は、腹壁、胸壁またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つの外科的処置であり得る。外科的処置は、臓器の外科的処置であり得る。臓器は、心臓、肺、肝臓、脾臓、脳、胃、小腸、大腸、胆嚢、胆管、リンパ管、膀胱、前立腺、膵臓、副腎、甲状腺、皮膚、子宮、輸卵管、卵巣、細精管、精巣、またはこれらのいずれかの組み合わせであり得る。外科的処置は、臓器の修復、除去または移植のいずれかの一つのためのものであり得る。臓器外科的処置は、臓器内または臓器の近くから腫瘍または癌組織を除去するためのものであり得る。
【0028】
処置を必要とする対象は哺乳動物であり得る。対象はヒト、マウス、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ウシまたはラクダ類であり得る。対象はヒトであり得る。
【0029】
本発明の組成物の有効量は、神経周囲に、硬膜外に、皮下に、皮内に、経口で、筋肉内にまたは静脈内に投与される。本発明の組成物の有効量は、優先的に神経周囲に投与される。本発明の組成物の有効量は、傷害または外科的処置の部位(複数可)の創傷に直接点滴注入されることにより投与される。本発明の製剤の有効量は、傷害または外科的処置の部位(複数可)に浸潤されることにより投与される。
【0030】
本開示は、本明細書に開示されるいずれかの組成物を製造する方法であって、i):a)ある量のPLGA-PEG-PLGAトリ-ブロック重合体; b)ある量の水; c)ある量のフナピド; d)ある量の極性有機溶媒;およびe)ある量の溶解度向上剤を混ぜ合わせ、溶解して混合物を形成すること; ii)(i)の混合物を1~30℃で攪拌すること; iii)(ii)の清澄な溶液を無菌フィルターで濾過すること;およびiv)(iii)の濾過された溶液を集め、≦-20℃で凍結させること、を含む方法を提供する。
【0031】
本明細書に開示されるいずれかの組成物を製造する方法であって、i):1)1~30℃で、ある量のPLGA-PEG-PLGAトリ-ブロック重合体(a)をある量の水(b)に配合し溶解して、重合体溶液を形成する工程; 2)別の容器において、ある量のフナピド(c)をある量の極性有機溶媒(d)およびある量の溶解度向上剤(e)に溶解して、フナピド溶液を形成する工程;および3)(2)のフナピド溶液を(1)の重合体溶液と混ぜ合わせ、溶解して、混合物を形成する工程、を含むことができる。本明細書に開示されるいずれかの組成物を製造する方法において、混合物の攪拌温度は1~30℃であり得る。好ましい温度範囲は、5~25℃、5~20℃および5~15℃を含む。好ましい一態様において、温度は、8~12℃の範囲である。
【0032】
上記の態様のいずれかを、いずれかの他の態様と組み合わせることができる。
【0033】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、文脈上明らかにそうでない場合を除き、単数形は複数形も含み、例として、用語「a」、「an」および「the」は単数又は複数であると理解され、用語「または」は包含的であると理解される。例として、「要素」は一つまたはそれ以上の要素を意味する。本明細書を通じて、単語「comprising」、または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、定められた要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程のグループを含むことを意味し、他の要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程のグループを除外しないものと理解されるであろう。「約」とは、定められた値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%以内と理解することができる。文脈から明確でない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、「約」という用語によって修飾される。
【0034】
本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、適当な方法および材料は以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が引用により包含される。本明細書で引用される文献は、請求される発明の先行技術であることを認めない。矛盾が生じた場合は、定義を含む本明細書がコントロールする。また、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、限定を意図するものではない。本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1a-1b. フナピド-トリブロック重合体製剤のインビトロおよびインビボでの放出。図1Aは、本開示のフナピド-トリブロック重合体製剤(FX301)のインビトロ放出プロフィールを示す。放出された累積薬物(y軸)のパーセンテージは、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。結果は、IVRについて三回分析された一つの製剤の分析を含む一つの実験からのものである。統計的な有意性はSDエラーバーで示す。図1Bは、外科手術後ブタモデルにおいてFX301の坐骨神経ブロック適用後に達成されたフナピドの血漿PKプロファイルを示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。破線は、フナピドのNav1.7を阻害するインビトロでのIC50値を示す。結果は3匹の動物代表的なものである。統計的な有意性は、平均の標準誤差(SEM)エラーバーで示す。
【0036】
図2図2. 初期製剤のインビトロ放出プロファイル。図2は、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出されたAPIの%(y軸)として測定した、表2に示す六つの異なる製剤のインビトロ放出プロファイルを示す。結果は、示された各製剤について、単一の複製を用いたインビトロ放出分析による単一の実験の代表的なものである。
【0037】
図3図3. 初期製剤を用いて実施したラットPK試験。図3は、表2に示す六つの異なる製剤で処理したラットにおけるフナピドの血漿薬物動態を示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。結果は、群あたり3匹の動物の代表的なものである。統計的な有意性はSEMエラーバーで示す。
【0038】
図4図4. より高い重合体濃度を含む製剤のインビトロ放出プロファイル。図4は、表3に示す各製剤について、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出されたAPIの%(y軸)として測定した、より高い重合体濃度を含む異なる製剤のインビトロ放出プロファイルを示す。結果は、分析された各製剤の単一の実験の代表的なものである。
【0039】
図5図5. より高い重合体濃度を含む製剤を用いて実施したラットPK試験。図5は、表3に示す異なる製剤で処理したラットにおけるフナピドの血漿薬物動態を示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。結果は、3匹の動物の代表的なものである。統計的有意性はSEMエラーバーで示す。
【0040】
図6図6. ポリソルベート80を含む製剤と含まない製剤のインビトロ放出(放出されたAPIの%)プロファイルを比較する。図6は、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出されたAPIの%(y軸)として測定した、表4に示すポリソルベート80を含むかまたは含まない異なる製剤のインビトロ放出プロフィールを示す。結果は、分析された各製剤の単一の実験の代表的なものである。
【0041】
図7図7. ポリソルベート80を含む製剤と含まない製剤のインビトロ放出(放出質量)プロファイルを比較する。図7は、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出されたAPIの総質量(g)(y軸)として測定された、表4に示すポリソルベート80を含むかまたは含まない異なる重合体製剤のインビトロ放出プロファイルを示す。結果は、分析された各製剤の単一の実験の代表的なものである。
【0042】
図8図8. NB0032-021-01(9.6%PEG400+16.4%PLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50))を用いて実施したブタPK試験。図8は、5mLの用量を用いて、ポリソルベート80を含まない製剤(神経周囲注射により投与)にインビボで曝露するためにブタで行ったPK試験からの血漿薬物動態プロファイルを示す。破線は、Nav1.7を阻害するフナピドのインビトロIC50値(50nM)である。
【0043】
図9図9. DMAを含む製剤と含まない製剤のインビトロ放出(放出されたAPIの%)プロファイルを比較する。図9は、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出された%API(y軸)として測定した、表6に示すDMAを含むかまたは含まない異なる製剤のインビトロ放出プロファイルを示す。結果は、分析された各製剤の単一の実験の代表的なものである。
【0044】
図10図10. DMAを含む製剤と含まない製剤に関するラットPK試験。図10は、表6に示す異なる製剤の300μlの用量で処理したラットにおけるフナピドの血漿薬物動態を示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。インビトロIC50値は破線で示した。結果は、群あたり3匹の動物の代表的なものである。統計的な有意性はSEMエラーバーで示す。
【0045】
図11図11. ブタにおけるフナピド-トリブロック重合体製剤(FX301)の全身性PKプロファイル。図11は、FX301製剤の10mlの用量で処理したブタにおけるフナピドの血漿薬物動態プロファイルを示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。破線は、フナピドのNav1.7を阻害するインビトロIC50値を示す。結果は、3匹の動物の代表的なものである。統計的有意性はSEMエラーバーで示す。
【0046】
図12図12. 低MW重合体および高MW重合体で作ったフナピド-トリブロック重合体製剤(FX301)のインビトロ放出プロファイル。図12は、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての放出されたAPIの%(y軸)として測定した、表7に示す19.2%低分子量(低MW)(3600Da)重合体製剤および19.2%高分子量(高MW)(5400Da)重合体製剤のインビトロ放出プロフィールを示す。結果は、高MW群の単一の実験および低MW群の単一の実験を示すものである。
【0047】
図13図13. 低MW重合体および高MW重合体で調製した製剤を用いて実施したラットPK試験。図13は、表7に示す19.2%低分子量(低MW)(3600Da)重合体製剤または19.2%高分子量(高MW)(5400Da)重合体製剤で処理したラットにおけるフナピドの血漿薬物動態を示す。フナピドの血漿中濃度(nM)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定する。破線は、Nav1.7を阻害するフナピドのインビトロIC50値を示す。結果は、群あたり3匹の動物の代表的なものである。統計的有意性はSEMエラーバーで示す。
【0048】
図14図14. 5600~6400Daの範囲のMWを有するPLGA-PEG-PLGA重合体(LA:GAが50:50である全ての重合体)を用いて作製したFX301のインビトロ放出プロファイル。図14は、時間(時間(hours))(x-軸)の関数としての放出されたAPI%(y-軸)として測定した、表8に示すPLGA-PEG-PLGA重合体(ここで、PEG重合体ブロックMWは約1500Daであり、PLGAブロックMW(50%乳酸および50%グリコール酸を含むすべての重合体(LA:GA 50:50))における変動により総MWが変動する)で作ったFX301のインビトロ薬剤放出プロファイルを示し、示す。結果は、示された各製剤について、三回行ったインビトロ放出分析による単一の実験を示すものである。統計的な有意性はSDエラーバーで示す。
【0049】
図15図15A~15C. ブタの外科手術後痛モデルにおけるFX301による末梢神経ブロックの有効性および薬物動態。5日間馴化した後、合計18匹のブタを麻酔し、次に、超音波誘導下で坐骨神経に近接して、10mLのビヒクル(n=6)、FX301(13mg/mL;総用量130mg)(n=6)、またはリポソームブピバカイン(13.3mg/mL;総用量133mg)(n=6)を注射した。次に、注射直後に同側後足の背側領域に5cmの長さの切開を行うことにより手術痛を誘発させた。図15Aは、von Frey試験による平均±SEM逃避活動力(Withdrawal Force)を示す。図15Bは、平均±SEM GBSスコアを示す。図15Cは、オープンフィールド試験における5分間にわたる平均±SEM総歩行距離を示す。バーは、示されているように各処置群を表し、エラーバーはSEMを示す。一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定を用いて、処置群とビヒクル群の比較を行った;*p<0.05 vs ビヒクル;**p<0.01 vs ビヒクル;ブピバカイン; ##p<0.01 vs リポソームブピバカイン;####p<0.001 vs リポソームブピバカイン(一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定)。+p<0.05 vs ベースライン(反復測定ANOVA)。*** p<0.005; * * * * p<0.001 vs ビヒクル;#p<0.05 vs リポソームのもの。
【0050】
図16図16. 血漿中フナピド濃度対時間プロファイル。図16は、タンデム質量分析検出付き高速液体クロマトグラフィーを用いて、FX301で処理したブタの血漿中で定量化したフナピドを示す。血漿中フナピド濃度(ng/ml)(y軸)は、時間(時間(hours))(x軸)の関数として測定した。データはn=3匹の動物の代表的なものであり、エラーバーはSEMを示す。
【0051】
図17図17A~17B. FX301は、少なくとも3日間、フナピドを局所的に送達する。図17Aは、時間(時間(hours))(x軸)の関数としての血漿中濃度(ng/ml)(y軸)として測定した全身性フナピド濃度プロファイルを示す。図17Bは、時間(日)(x軸)の関数としての総濃度(ng/g)(y軸)として測定した局所筋肉中フナピド濃度を示す。
【0052】
(本発明の詳細な説明)
Nav1.7は、感覚ニューロンに沿った活動電位の産生および伝導に重要な役割を果たす電位開口型ナトリウムチャネルである(Dib-Flajj SD, et al. Nat Rev Neurosci. 2013; 14: 49-62)。遺伝性疼痛症候群からの遺伝学的証拠から、Nav1.7が痛みを処置するための治療上の標的として検証されている(Cox JJ, et al. Nature. 2006;444:894-98; Fertleman CR, et al. Neuron. 2006;52:767-74; Yang Y, et al. J Med Genet. 2004;41:171-74; Cummins TR, et al. J Neurosci. 2004;24:8232-36)。Nav1.7は運動ニューロンよりも感覚ニューロンから優先的に発現されるため(Dib-Hajj SD, et al. Nat Rev Neurosci. 2013;14:49-62)、Nav1.7を標的とすることは、運動機能を実質的に損なわずに、効果的な痛みの緩和が得られる可能性を秘めている。したがって、痛みを管理するため、Nav1.7を標的とする組成物および方法に対する当技術分野における要求が存在する。本開示は、これらの要求に対処するものである。
【0053】
本明細書には、外科手術後痛の管理のための、優先的Nav1.7アンタゴニスト(フナピド(funapide))の送達のための温度感受性ヒドロゲル技術が開示されている。ヒドロゲルは、主にPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体からなる。トリブロック重合体は水に溶解すると、ナノサイズのミセルに自己形成する。環境温度では、製剤は、薬物が担持され得る重合体ミセルを含む溶液相に存在する。体温にまで温まると、ミセルの疎水性ドメイン間の相互作用が熱力学的に好適になり、ミセルはネットワークを形成し、それによりミセル溶液からワセリンと類似する粘度を有する粘性ゲルへと相転移する。この過程は、冷めると完全に逆の現象が起こり得る。この溶液からゲル相への変換により、溶液として注射し易く、投与されると粘性ゲル相に素早く変化し、これにより物理的なデポ剤の滞留と単純な薬物拡散による薬物放出制御が可能となる。疎水性薬物は、製剤がまだ液体(臨界ゲル化温度より下)のままで、ミセルの疎水性コア内にカプセル化することができる。次いで、カプセル化された薬物は、製剤のゲルデポ剤から数日にわたって放出される。
【0054】
フナピドの構造は、当技術分野でよく知られており、例えば、米国特許第8,450,358号、第9,480,677号、第10,118,932号および第10,513,526号(引用により本明細書に包含される)で知られている。
【0055】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に配合さしたフナピドの組成物であって、a)フナピド ;b)PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体; c)極性有機溶媒;およびd)溶解度向上剤、を含む組成物を提供する。本開示の組成物において、組成上の質量のバランスは水を含む。
【0056】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)約0.1~5%w/wの濃度のフナピド; b)5%~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは約300~3000DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは約700~3500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、40%~100%の乳酸および60%~0%のグリコール酸を含む; c)約1%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒;およびd)1%~20%w/wの濃度の溶解度向上剤、を含む生成物を提供する。
【0057】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.2~2%w/wの濃度のフナピド; b)5%~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは400~2550DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1000~3000DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、40%~100%の乳酸および60%~0%のグリコール酸を含む; c)1%~20%w/wの濃度の極性有機溶媒;およびd)1%~20%w/wの濃度の溶解度向上剤、を含む組成物を提供する。
【0058】
本発明の組成物は、0.1~2%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.2~2%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.2~1.8%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.2~1.5%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.65~1.3%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.5~1.0%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、0.65%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。本発明の組成物は、1.3%w/wの濃度のフナピドを含むことができる。
【0059】
本発明の組成物は、5~30%w/wの濃度のLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、5~25%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、5~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、5~15%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、5~10%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8~30%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8~25%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8%~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8~15%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8~10%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、5~8%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、8%~10%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、10~15%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、15~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、20~25%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。
【0060】
本発明の組成物は、15~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.1~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.2~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.5~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.8~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.0~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.0~19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.2~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.5~20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、25~30%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、30~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、25~35%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。
【0061】
本発明の組成物は、19.0%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.1%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.25%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.3%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.4%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.6%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.7%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.8%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、19.9%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。本発明の組成物は、20%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体を含むことができる。
【0062】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、PLGA重合体およびPEG重合体の分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)方法を用いて測定され、値は数平均(Mn)として報告される組成物を提供する。
【0063】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが400~2550Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが400~750Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが750~1000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1000~1250Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1250~1500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1500~1750Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1750~2000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2000~2250Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2250~2500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2500~2550Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが400~1000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックブロックはMWが1000~2450Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1400~2450Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1500~2250Daである)を含むことができる。
【0064】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが400Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが750Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが1500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2450Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(各PLGA重合体ブロックはMWが2550Daである)を含むことができる。
【0065】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000~3000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000~1500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1500~2000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2000~2500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2500~3000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000~1300Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1300~1600Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1600~1900Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1900~2200Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2200~2500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2500~2750Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2750~3000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000~1600Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1400~1600Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1600~2000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2000~2400Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2000~2800Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2800~3000Daである)を含むことができる。
【0066】
本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1000Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1250Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1500Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが1850Daである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが2000DAである)を含むことができる。本発明の組成物は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体(PEG重合体ブロックはMWが3000Daである)を含むことができる。
【0067】
本発明の組成物は、40%~100%の乳酸(LA)および60%~0%のグリコール酸(GA)を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~90%の乳酸および50%~10%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~80%の乳酸および50%~20%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~75%の乳酸および50%~25%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~70%の乳酸および50%~30%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~65%の乳酸および50%~35%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、50%~60%の乳酸および50%~40%のグリコール酸を有するPLGA重合体を含むことができる。
【0068】
本発明の組成物は、50%の乳酸および50%のグリコール酸(LA:GA比50:50)を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、40%の乳酸および60%のグリコール酸(LA:GA比40:60)を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、43%の乳酸および57%のグリコール酸(LA:GA比43:57)を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、75%の乳酸および25%のグリコール酸(LA:GA比75:25)を有するPLGA重合体を含むことができる。本発明の組成物は、90%の乳酸および10%のグリコール酸(LA:GA比90:10)を有するPLGA重合体を含むことができる。
【0069】
本発明の組成物は、1~20%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1~10.5%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、10~20%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1~5%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1~3%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1~2%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.5~3%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、 1.5~2%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。
【0070】
本発明の組成物は、3%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、2.5%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、2.4%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、2.3%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.8%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、1.7%w/wである極性有機溶媒を含むことができる。
【0071】
本発明の組成物は、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリコフロール、およびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)のいずれかの一つである極性有機溶媒を含むことができる。本発明の組成物は、DMAである極性有機溶媒を含むことができる。
【0072】
本発明の組成物は、1~7.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~10.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~12.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~15%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~17.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1.5~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、2~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、2.5~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、3~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、5~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~3%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~2%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1~1.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1.5~2%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、1.7~2%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、2~2.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、2~3%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、2~5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、3~5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、5~10%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10~15%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、15~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、15~17%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、17~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、5~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、6~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、5~7%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、7~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、7~9%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、9~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10~11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、11~15%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、11~13%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、13~16%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、16~19%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、19~20%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。
【0073】
本発明の組成物は、1.7%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、6%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、6.2%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、6.4%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、6.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.3%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.4%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.6%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.7%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.8%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、8.9%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、9.1%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、9.2%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、9.4%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、9.6%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10.3%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10.4%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10.5%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、10.6%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、11%w/wである溶解度向上剤を含むことができる。
【0074】
本発明の組成物は、プロピレングリコール(PG)、クレモフォールEL、クレモフォールRH60、エタノール、グリセリン、PEG300、PEG400、ポリソルベート、ビタミンE-TPGS、PLGA-PEGジブロック共重合体、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、ポロキサマー188、ポロクソマー(poloxomer)407、ポリビニルピロリドン(PVP)、グリセロールホルマール、およびソルトールHSのいずれかの一つである溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、PEG400である溶解度向上剤を含むことができる。本発明の組成物は、ポリソルベート80である溶解度向上剤を含むことができる。
【0075】
本発明の組成物は、2000~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、2500~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、3000~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系のを含むことができる。本発明の組成物は、3500~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、4000~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、4000~5000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明は、5000~6000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、6000~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、5000~7000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、2600~6400Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、4300~6400Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、6600~7000Daを超えない総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。本発明の組成物は、6000Daである総分子量の総トリブロック重合体系を含むができる。本発明の組成物は、6000Da未満の総分子量の総トリブロック重合体系を含むことができる。
【0076】
本発明の組成物は、400Da-3000Da-400DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、400Da-3050Da-400DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、750Da-1850Da-750DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、750Da-2500Da-750DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、1000Da-1000DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、1500Da-1500DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、2000Da-2000DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、2550Da-1550Da-2550DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。
【0077】
本発明の組成物は、2450Da-1500Da-2450DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、1700Da-1500Da-1700DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、1600Da-1500Da-1600DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。本発明の組成物は、1600Da-1000Da-1600DaであるPLGA-PEG-PLGAを含むことができる。
【0078】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む]; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0079】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd) 10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0080】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd) 10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0081】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0082】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0083】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0084】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG-400、を含む組成物を提供する。
【0085】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0086】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19.0~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0087】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19~19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd) 10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0088】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0089】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0090】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0091】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0092】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0093】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体は1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0094】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500DaのMWを有し、PEG重合体は1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0095】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0096】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.2%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0097】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)0.65%w/wの濃度のフナピド; b)19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比50:50)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0098】
本開示は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物であって、a)1.3%w/wの濃度のフナピド; b)19~19.5%w/wの濃度のPLGA-PEG-PLGAトリブロック共重合体:(i)ここで、各PLGA重合体ブロックは1500Da~2250DaのMWを有し、PEG重合体ブロックは1500DaのMWを有し;そして、(ii)ここで、PLGAは、50%の乳酸(LA)および50%のグリコール酸(GA)(LA:GA比43:57)を含む; c)1.7%w/wの濃度のDMA;およびd)10.5%w/wの濃度のPEG400、を含む組成物を提供する。
【0099】
本明細書に開示される組成物のトリ-ブロック重合体の重合体成分、PLGAおよびPEGの分子量は、重量平均(Mw)および数平均(Mn)として報告することができる。粘度および透明性について、本明細書で報告される分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されるMnとして報告される。重合体分子量は、GPCにより測定される場合、装置のメーカー、カラムの種類やメーカー、試薬、実験室の環境、使用される標準物質を含む、方法やシステムの違いによってかなり変動することがある。
【0100】
本発明の組成物は、0.5ml~50ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、1ml~50ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、5ml~40ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、5ml~10ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、10ml~20ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、20ml~30ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物は、30ml~40ml(またはその中のいずれかの整数)の用量を有することができる。本発明の組成物の総用量は0.5mlであり得る。本発明の組成物の総用量は1mlであり得る。本組成物の総用量は5mlであり得る。本発明の組成物の総用量は10mlであり得る。本発明の組成物の総用量は15mlであり得る。本発明の組成物の総用量は20mlであり得る。本発明の組成物の総用量は25mlであり得る。本発明の組成物の総用は30mlであり得る。本発明の組成物の総用量は35mlであり得る。本発明の組成物の総用量は40mlであり得る。
【0101】
本開示は、PCL-PEG-PCLトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物を提供する。本開示は、PLGA-PEG-PLGA[ここで、PLGAは100%の乳酸(LA)および0%のグリコール酸(GA)(LA:GA比100:0)を含む]と同じであるPDLLA-PEG-PDLLAトリブロック共重合体中に製剤化されたフナピドの組成物を提供する。
【0102】
本開示は、処置を必要とする対象において外科手術後痛を処置する方法であって、外科的処置前、外科的処置中、または外科的処置後に、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を該対象に投与することを含む方法を提供する。
【0103】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分~8時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の15分~8時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の30分~8時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~6時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~3時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~4時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~2時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の2~4時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の4~6時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の6~8時間前に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分、15分、30分または1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間もしくは8時間前に該対象に投与することを含むことができる。
【0104】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置中に該対象に投与することを含むことができる。
【0105】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分~240時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の15分~240時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の30分~240時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~240時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~6時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~3時間後に該対象に投与することができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~4時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~2時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の2~4時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の4~6時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の6~8時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の8~10時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の10~12時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の12~24時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の24~48時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の48~72時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の72~96時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の96~120時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の120~144時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の144~168時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の168~192時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の192~216時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の216~240時間後に該対象に投与することを含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分、15分、30分または1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、168時間、192時間、216時間もしくは240時間後に該対象に投与することを含むことができる。
【0106】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分~1時間または1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1分~1時間または1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。
【0107】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~6時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~3時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~4時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~2時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の2~4時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の4~6時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の6~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分、15分、30分または1時間、3時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間もしくは8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1分、15分、30分または1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。
【0108】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分~1時間または1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1分~1時間または1~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の1~8時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の1~6時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置の次の外科的処置の1~4時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の1~3時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の1~2時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。
【0109】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1分~1時間または1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の1分~2時間または2~4時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の4~6時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の6~8時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の8~10時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の10~12時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の12~24時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。
【0110】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の24~48時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の48~72時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の71~96時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の96~120時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の122~144時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の144~168時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の168~192時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の192~216時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の216~240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、外科的処置の1~8時間前に該対象に投与すること、および本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、該外科的処置に続く外科的処置の1分、15分、30分または1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、168時間、192時間、216時間もしくは240時間後に該対象に投与すること、を含むことができる。
【0111】
本開示は、処置を必要とする対象において痛みを処置する方法であって、本明細書に開示されるいずれかの組成物の有効量を、該対象に投与することを含む方法を提供する。痛みは急性痛であり得る。急性痛は、傷害、歯科治療または分娩・出産、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つに起因するものであり得る。本明細書において、用語「急性痛」は、6ヶ月未満、好ましくは3ヶ月未満の持続期間を有する痛みを指す広義で使用される。当業者には理解されるであろうが、急性痛は、特定の原因(例えば、傷害、歯科治療、分娩・出産など)に起因することができるものであり、典型的には、特定の原因が処理された後に鎮静するものである。
【0112】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を該患者に投与することを含み、ここで、該有効量により鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により外科的処置前に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により外科的処置中に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により外科的処置後に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により傷害後に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により外科的処置後に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により歯科治療前に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により歯科治療中に鎮痛神経ブロックを誘導する。該有効量により分娩・出産(必要に応じて帝王切開を含む)中に鎮痛神経ブロックを誘導する。
【0113】
鎮痛神経ブロックは、上肢神経ブロック、下肢神経ブロック、顔面神経ブロック、頸背部神経ブロック、胸郭・腹部ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。上肢神経ブロックは、斜角筋間神経ブロック、鎖骨上神経ブロック、腕神経叢ブロックおよび鎖骨下神経ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。下肢神経ブロックは、下腹神経叢ブロック、腰神経叢ブロック、大腿神経ブロック、内転筋管神経ブロック、膝窩・坐骨神経ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。顔面神経ブロックは、三叉神経ブロック、眼神経ブロック、眼窩上神経ブロック、上顎神経ブロック、蝶形骨口蓋神経ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。頸背部神経ブロックは、頸部硬膜外ブロック、胸部硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロック、尾部ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。胸郭・腹部ブロックは、傍脊椎ブロック、肋間神経ブロックおよび腹横筋膜面ブロック、腹直筋鞘ブロックまたはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0114】
外科的処置は、診断用外科的処置、切断用外科的処置、一時緩和用外科的処置、再建用外科的処置、移植用外科的処置、建設的外科的処置またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0115】
外科的処置は、上肢の外科的処置、下肢の外科的処置、腹部の外科的処置、心胸郭の外科的処置、頭頸部の外科的処置、背部の外科的処置、筋骨格の外科的処置、整形の外科的処置、眼の外科的処置、耳、鼻および咽頭の外科的処置、血管の外科的処置、歯科用外科的処置またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0116】
外科的処置は、上肢の外科的処置および下肢の外科的処置、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。上肢の外科的処置は、腕、前腕、手、手首、肘、肩、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置のいずれか一つであり得る。上肢の外科的処置は、腕、前腕、手、手首、肘、肩、またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上の骨の外科的処置であり得る。一つまたはそれ以上の骨は、橈骨、尺骨、上腕骨、手根骨、中手骨もしくは指の骨またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つを含むことができる。
【0117】
肘および肩の外科的処置は、骨折手術、全肩置換術(total shoulder replacement)、逆肩置換術(reverse shoulder replacement)、肩関節鏡手術(shoulder arthroscopy)、肘関節鏡手術(elbow arthroscopy)、肩回旋筋腱板修復、テニス肘およびゴルファー肘の手術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。手および手首の外科的処置は、骨折手術、手根管開放術、手首関節鏡手術(wrist arthroscopy)、手首関節置換術(wrist joint replacement)、手首固定術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0118】
下肢の外科的処置は、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置のいずれか一つである。下肢の外科的処置は、臀部、大腿、膝、足首、足、またはこれらのいずれかの組み合わせの一つまたはそれ以上の骨の外科的処置であり得る。一つまたはそれ以上の骨は、寛骨臼、大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨、足根骨、中足骨、土踏まずまたはこれらの組み合わせのいずれか一つを含むことができる。
【0119】
下肢の外科的処置は、関節鏡手術(関節の内側を診る診断用道具および処置方法)、骨固定術(bone fusion)、観血的整復骨折設定(open-reduction fracture setting)、外科的切除(すなわちバニオン、嚢胞、爪、などの外科的切除)、腱および靱帯の修復またはこれらの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0120】
腹部の外科的処置は、胃、小腸、脾臓、虫垂および結腸(または直腸)の外科的処置のいずれか一つであり得る。腹部の外科的処置は、虫垂切除術、胆嚢摘出術、結腸/肛門直腸手術、結腸/大腸摘出術、ヘルニア手術、小腸摘出術またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0121】
心胸郭の外科的処置は、肺または心臓の外科的処置のいずれか一つであり得る。心胸郭の外科的処置は、呼吸器系、心血管系、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置のいずれか一つであり得る。心胸郭の外科的処置は、開胸術、肺葉切除術、肺切除術、肺移植手術、胸膜癒着予防手術、蓄膿予防手術、胸腔内の血液を除去する手術(特に外傷性心臓移植後)、肺虚脱(気胸症)の原因となる小さな風船様の組織(ブレブ)を除去する手術、楔状摘出術、大動脈手術、心房細動手術(ハイブリッド迷路法(hybrid-maze procedure))、頸動脈内膜剥離術、冠動脈バイパス手術(CABG)、心臓弁修復/置換手術、非手術型心臓弁置換術、僧帽弁修復術、低侵襲心臓手術、ロボティック胸部手術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0122】
頭頸部の外科的処置は、挟まれた神経、強烈なめまいおよび動揺病、脊髄への圧迫、上部脊髄問題、頭頸部損傷、副鼻腔痛、慢性耳感染、いびきおよび睡眠時無呼吸、扁桃問題、顎問題および変形、甲状腺状態、またはこれらのいずれかの組み合わせに対する手術のいずれか一つであり得る。
【0123】
背部の外科的処置は、脊柱の欠損または損傷を矯正または修復する外科的処置であり得る。背部の外科的処置は、椎間板ヘルニアまたは破裂椎間板、脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、脊椎骨折、変性椎間板疾患、またはこれらのいずれかの組み合わせの矯正または修復のための外科的処置のいずれか一つであり得る。
【0124】
整形の外科的処置は、関節鏡手術、軟組織修復術、関節置換術、関節再手術(revision joint surgery)、骨折修復術、病巣清掃術、骨の融合術(fusion of bones)、脊椎融合術(spine fusion)、骨切断術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。整形の外科的処置は、膝関節鏡手術および半月板切除術、肩関節鏡手術および 除圧術、手根管開放術、膝関節鏡手術および軟骨形成術、サポートインプラントの除去術、膝関節鏡手術および前十字靱帯再建術、膝置換術、大腿骨頸部骨折の修復術、転子部骨折の修復術、臀部置換術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0125】
眼の外科的処置は、眼形成手術、角膜、網膜および眼筋肉、屈折矯正手術、緑内障手術、またはこれらのいずれかの組み合わせの外科的処置のいずれか一つであり得る。
【0126】
血管の外科的処置は、大動脈瘤修復、大動静脈瘻修復、大動脈消化管瘻修復、動静脈瘻手術、動静脈奇形手術、バイパス手術、頸動脈血管形成術およびステント術、頸動脈ステント術、頸動脈内膜剥離術、腹腔動脈バイパス、冠血管血管形成術およびステント、血管内再建、静脈内レーザー療法、エクスビボ腎動脈再建、下大静脈(ivc)フィルター再生、下大静脈(ivc)置換、レーザー切断、腸間膜動脈バイパス、開放型血管再建、高周波アブレーション、腎動脈血管形成術、腎動脈バイパス、腎動脈内膜切除術、動脈瘤修復ステント術、内視鏡的筋膜下交通枝切離手術、胸管塞栓術(thoracic duct embolization)、胸郭出口除圧術、血栓除去術、血管ステント術、静脈摘出、大静脈再建、椎骨動脈再建、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0127】
歯科用外科的処置は、歯内療法、根管手術、歯根尖切除術、義歯手術、歯科矯正手術、歯周療法学手術、口腔顎顔面手術、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0128】
外科的処置は、腹壁、胸壁またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つの外科的処置であり得る。腹壁の外科的処置は、腹壁の再建および修復のための外科的処置であり得る。腹壁の外科的処置は、腹壁ヘルニアのための外科的処置であり得る。
【0129】
外科的処置は、臓器の外科的処置であり得る。臓器は、心臓、肺、肝臓、脾臓、脳、胃、小腸、大腸、胆嚢、胆管、リンパ管、膀胱、前立腺、膵臓、副腎、甲状腺、皮膚、子宮、輸卵管、卵巣、細精管、精巣、またはこれらのいずれかの組み合わせのいずれか一つであり得る。外科的処置は、臓器の修復、除去または移植のいずれか一つのためのものであり得る。臓器の外科的処置は、臓器内または臓器近傍の腫瘍または癌組織を除去するためのものであり得る。
【0130】
外科的処置は、上肢の外科的処置および下肢の外科的処置のいずれか一つであり得る。外科的処置は、バニオン切除術、膝関節全置換術、前十字靱帯再建術、肩関節形成術(全または逆の)、肩回旋筋腱板修復またはこれらの組み合わせのいずれか一つであり得る。
【0131】
それを必要とする対象は、外科的処置を受けることになっている、受けている、または受けた対象であり得て、ヒトであり得る。対象は、哺乳動物であり得る。対象は、ヒト、マウス、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ウシ、またはラクダ類であり得る。対象は、ヒトであり得る。
【0132】
本発明の組成物の有効量は、神経周囲に、硬膜外に、皮下に、皮内に、経口で、筋肉内にまたは静脈内に投与され得る。本発明の製剤の有効量は、神経周囲に投与され得る。本発明の製剤の有効量は、外科的処置の部位近くの創傷に直接点滴注入することによって投与される。本発明の製剤の有効量は、外科的処置の部位に浸潤することによって投与される。
【0133】
用量
【0134】
本開示は、管理を必要とする対象における、運動機能を実質的に損なわずに、傷害、創傷または外科的処置によって引き起こされる痛みを管理するための方法に使用するための、本開示の組成物の有効量を提供する。痛みを管理することは、a)痛みの強度を減少させること、およびb)組成物の投与後に救助用抗疼痛薬を投与する必要性を予防すること、またはその投与する時間を増加させること、のいずれか一つまたはすべてとして定義することができる。
【0135】
痛みを管理することは、傷害、創傷または外科的処置を受けた対象において、数値評価スケール(NRS)スケールで測定される痛みの強度を減少させることとして定義することができる。NRSスケールは、それを必要とする対象の痛みの強度を、定義の11ポイント(0~10)、21ポイント(0~20)および101ポイント(0~100)スケール(Jensen & Karoly 2001)で評価するためのものであり、ここで、スコア0は「痛みなし」、スコア10、20および100は「想像できる最悪の痛み、スコア0とスケール上の最高点の間のスコアは昇順に軽度から中程度の痛みである」ことを意味する。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、NRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目における「想像できる最悪の痛み」を意味するスコアから、外科手術後/傷害後24時間から7日の間の時間における「痛みなし」を意味するスコアまで減少させる量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、NRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目における「想像できる最悪の痛み」を意味するスコアから、外科手術後/傷害後24時間から外科手術後7日の間の時間における「軽度の痛み」を意味するスコアまで減少させる量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、NRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目における「想像できる最悪の痛み」を意味するスコアから、外科手術後/傷害後24時間から外科手術後7日の間の時間における「中等度の痛み」を意味するスコアまで減少させる量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、NRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目における「中等度の痛み」を意味するスコアから、外科手術後/傷害後24時間から外科手術後7日の間の時間における「軽度の痛み」を意味するスコアまで減少させる量である。
【0136】
本明細書に開示される組成物の「有効量」または「治療有効量」は、それを必要とする対象に投与すると、該対象において痛みを減少もしくは抑制するか、または痛みを管理可能にする組成物の量である。本明細書に開示される組成物の「有効量」または「治療有効量」は、それを必要とする対象において痛みの強度を、11ポイントNRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目におけるスコア10から、外科手術後/傷害後の24時間から7日の間の時間におけるスコア0まで減少させる、組成物の量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、11-ポイントNRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目におけるスコア10から、外科手術後/傷害後24時間から7日の間の時間におけるスコア0~5まで減少させる量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みの強度を、11-ポイントNRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目におけるスコア8~10から、外科手術後/傷害後24時間から7日の間の時間におけるスコア5~7まで減少させる量である。有効量は、それを必要とする対象において痛みに強度を、11-ポイントNRSスケールで測定される、外科手術後/傷害後0日目におけるスコア6~10から、外科手術後/傷害後の24時間から7日の間の時間におけるスコア0~5まで減少させる量である。
【0137】
傷害、創傷または外科的処置を受けた対象における運動機能の喪失は、運動強度、具体的には、膝の伸展および屈曲、足首の背屈ならびに足首の足底屈の強度を評価することによって測定することができる。
【0138】
傷害、創傷または外科的処置を受けた対象に対して、本発明の組成物の投与後に救助用抗疼痛薬を投与する必要性を予防すること、またはその投与する時間を増加させることは、対象が抗疼痛薬を併用せずにいられる外科手術後/傷害後の時間を決定することによって評価することができる。抗疼痛薬は、オピオイド薬であり得る。オピオイド薬は、オキシコドン、モルヒネ、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、メペリジンおよびメサドンまたはこれらの組み合わせのいずれか一つであり得る。本明細書に開示される組成物の有効量は、外科手術後/傷害後1週間未満でオピオイド薬を投与する必要性を予防する量であり得る。本明細書に開示される組成物の有効量は、外科手術後/傷害後4週間未満でオピオイド薬を投与する必要性を予防する量であり得る。
【0139】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含むことができ、ここで、該組成物の有効量は1~20mg/mlであり得る。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含むことができ、ここで、該組成物の有効量は1.5~20mg/mlであり得る。本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含むことができ、ここで、該フナピド組成物の有効量は2~20mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は6~13mg/mlであり得る。本発明の組成物の有効量は2~5mg/mlでありる。本発明のフナピド組成物の有効量は5~10mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10~15mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は15~20mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は3~6mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は6~13mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は6.5~13mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10~13mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は13~16mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は16~19mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は19~20mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は6.5mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は13mg/mlであり得る。
【0140】
本発明の処置する方法は、本開示のいずれかのフナピド組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含むことができ、ここで、該フナピド組成物の有効量は5~40mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は5~10mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10~15mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は15~20mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は20~25mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は25~30mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は30~35mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は35~40mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10~20mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は20~30mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は30~40mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は5mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は20mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は30mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は40mlの用量であり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は10mlの用量中、6.5mg/mlであり得る。本発明のフナピド組成物の有効量は20mlの用量中、13mg/mlであり得る。
【0141】
本開示は、処置を必要とする対象において外科手術後痛を処置する方法であって、該対象は哺乳動物であり得る方法を提供する。本開示は、処置を必要とする対象において痛みを処置する方法であって、該対象は哺乳動物であり得る方法を提供する。該対象は、ヒト、マウス、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ウシまたはラクダ類であり得る。該対象はヒトであり得る。ヒト対象は男性であり得る。ヒト対象は女性であり得る。
【0142】
本発明のフナピド組成物の有効量は、神経周囲に、硬膜外に、皮下に、皮内に、経口で、筋肉内にまたは静脈内に投与され得る。本発明の製剤の有効量は、神経周囲に投与され得る。本発明の製剤の有効量は、外科的処置の部位の近くの創傷に直接点滴注入することによって投与される。本発明の製剤の有効量は、外科的処置の部位に浸潤することによって投与される。
【0143】
超音波プローブは、本発明のフナピド組成物の有効量を、それを必要とする対象の手術部位または傷害部位より遠位の神経の近くの部位に投与するために使用することができ、ここで、標的神経は、超音波ガイドプローブを用いて手術部位または傷害部位に神経支配を与える。
【0144】
本開示で提供される結果では、本明細書に開示される組成物からのフナピドの一貫した持続放出動態を実証している(図1A)。本開示で提供される結果では、本明細書に開示される組成物での処置により、手術を受けた対象において比較的長い活動持続時間で逃避活動力(Withdrawal Force)の有意な増加をもたらすことを実証している(図15A)。ブタへの単回の神経周囲注射後:全身性PKプロファイルにより、組成物からのフナピドの持続放出が確認された(図17A)。鎮痛プロファイルと一致して、神経の周りの注射部位で高い局所濃度が維持される(図17B)。本開示で提供される結果では、本明細書で開示される組成物により、優先的なNav1.7アンタゴニストであるフナピドを最大7日間局所的に送達することを実証している。
【0145】
本開示で提供される結果では、本明細書に開示される組成物により、注入後36時間まで外科的切開に続く逃避閾値を増加させ、注入後12時間までより少ない痛み関連行動と一致した行動スコアを改善したことを実証している。本明細書に開示される組成物を投与された対象において、運動活性の機能障害は観察されず、注射後2時間および24時間での総歩行距離には有意な変化がなかった。本明細書に開示される組成物を単回投与した後、72時間で高い局所フナピド濃度が存在した。フナピドの血漿プロファイルは、試験中、ゆっくりとした徐放性と一致した。本明細書に開示されるこれらの結果は、処置または管理を必要とする対象における外科手術後痛の処置および管理のための方法において、運動機能を実質的に損なわないつつ、本明細書に開示される組成物を使用することを支持するものである。
【0146】
本開示は、本明細書に開示されるいずれかの組成物を製造する方法を提供する。本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法は、i):a)ある量のPLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体; b)ある量の水; c)ある量のフナピド; d)ある量の極性有機溶媒;およぼe)ある量の溶解度向上剤、を混ぜ合わせて溶解して、混合物を形成すること; ii)(i)の混合物を1~30℃で撹拌すること; iii)(ii)の清澄な溶液を無菌フィルターで濾過すること;およびiv)(iii)の濾過された溶液を≦-20℃で集めて凍結させること、を含む。
【0147】
本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法において、溶解されたフナピド溶液は、続いて重合体溶液と混ぜ合わせられて、8~12℃で攪拌される。
【0148】
本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法は、工程i)において、1)1~30℃で、ある量のPLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体(a)をある量の水(b)に配合し溶解して、重合体溶液を形成すること;2)別の容器において、ある量のフナピド(c)をある量の極性有機溶媒(d)とある量の溶解度向上剤(e)に溶解して、フナピド溶液を形成すること;および3)(2)の溶解されたフナピド溶液を(1)の重合体溶液と混ぜ合わせて溶解して、混合物を形成すること、を含むことができる。本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法において、混合物を攪拌する温度は8~12℃であり得る。
【0149】
本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法において、フナピド、PLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体、極性有機溶媒、溶解度向上剤および水の配合および溶解は、無菌充填仕上げ工程への取り込みに適合する制御された環境条件下で行われる。本明細書に開示されるいずれかの組成物の製造方法において、無菌フィルターは、0.5/0.2μmの無菌フィルターである。
【0150】
本開示は、限定的に解釈されるべきでない以下の実施例によってさらに説明される。本願を通じて引用される全ての文献、特許、および公開特許出願の内容ならびに図面は、全ての目的のために、引用により本明細書に包含される。本明細書は、以下に続く実施例においてさらに説明される。
【実施例
【0151】
実施例1:フナピド-PLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体製剤(FX301)。
【0152】
PLGA-PEG-PLGAのトリブロック重合体中に製剤化されたフナピドの一製剤(以下、FX301と称する)は、1.7%ジメチルアセトアミド(DMA)+10.5%ポリエチレングリコール400(PEG400)+19.2%重合体+水からなる。リード製剤(lead formulation)に使用した重合体は、1500-1500-1500 PLGA-PEG-PLGA(LA:GA 50:50)である。フナピドは、温度感受性ヒドロゲル製剤中に最大20mg/mLの薬物濃度まで担持させることができる。本明細書では、最終的なFX301製剤のインビトロ放出プロファイルと、外科手術後のブタモデルにおける神経ブロック適用後に達成されたAPIの全身性PKプロファイルが記載されている(図1)。本書で開示されている結果では、ヒドロゲル製剤からのNav1.7アンタゴニストの制御された徐放性に一致した放出プロファイルを示している。これにより、高濃度の薬物を神経にて局所的に放出し、薬物の単純な溶液で達成できるよりも長い期間にわたって標的被覆を維持させる。
【0153】
実施例2:FX301の製剤開発・最適化の概要
【0154】
本明細書では、重合体特性、薬物負荷、および処理条件に焦点を当てた指名製剤につながる製剤開発およびスクリーニングについて説明し、100を超えるユニークな製剤(表1)を調製し評価した。
【表1】
【0155】
【表2】
【0156】
【表3】
【0157】
【表4】
【0158】
【表5】
【0159】
【表6】
【0160】
【表7】
【0161】
【表8】
【0162】
初期の製剤化は、分子量範囲が約6kDaのトリブロックPLGA-PEG-PLGA重合体の使用に重点を置いた。重合体の分子量が高いため、これらの重合体の一部は12~15%までしか溶解しなかった。これらの重合体で作った製剤(表2に要約されている)は、不十分な薬物負荷につながる。第二に、インビトロ放出アッセイ(図2に示される)を用いて特徴付けたこれらの製剤からの薬物放出は速く、製剤から得られたインビボ薬物曝露(図3)もまた低く、短命であった。
【0163】
【表9】
【0164】
本明細書に開示されている初期の製剤化からのインビトロ・インビボデータからの結果では、インビボ試験においてより高い用量を達成するためには、薬物負荷の増加が不可欠であることを示した。製剤中の重合体濃度を増加させて、より高い薬物カプセル化を達成させた。やや疎水性の低い重合体(PLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50)など、重合体組成およびMWの詳細については表3を参照)は、16%~20%で溶解させることが可能であった。PLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50)でこのような高い重合体濃度を達成したため、PLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50)をリード重合体として選択した。製剤中のAPIの溶解度をさらに向上させるために、PEG400のパーセンテージも約10%に増加させた。表3に見られるように、より高い重合体濃度とより高いPEG400を使用すると、結果として製剤中の薬物負荷がより高くなった。しかしながら、インビトロ放出プロファイル(図4)は依然として最適以下であり、インビボ薬物曝露(図5)は、これらの製剤を用いても依然としてIC50 濃度をはるかに下回っていた。
【0165】
【表10】
【0166】
薬物の放出をさらに遅くするために、ポリソルベート80を製剤から除去した。ポリソルベート80は界面活性剤であり、親水性分子であるため、製剤のゲル化工程を妨害し、その結果、薬物の速やかな放出を引き起こす可能性がある。ポリソルベート80を使用して調製した製剤と、使用せずに調製した製剤を表4にまとめた。本明細書に開示されているインビトロ放出データの結果は、ポリソルベート80を含まない製剤が、ポリソルベート80を含む製剤よりもはるかに遅いインビトロ放出プロファイル(図6および図7)を示したことを示している。ポリソルベート80を含まない製剤からのAPIのインビボ曝露は、3日間一貫した薬物曝露を示したが、APIの全身性レベルは依然としてIC50濃度(50nM)未満であった(図8)。
【0167】
【表11】
【0168】
【表12】
【0169】
薬物曝露をさらに増加させるために、製剤中の薬物負荷は、製剤に1.7%DMA(ジメチルアセトアミド)を添加することによって増加させた。DMAは、このAPIの優れた薬物可溶化剤として実験的に同定された。製剤に1.7%のDMAを添加することにより、薬物負荷を約1.5%の薬物負荷に増加させた。1.7%DMAと10.5%PEG400で作った製剤の薬物負荷情報を表6に示す。本明細書に記載の結果では、DMAの添加が薬物負荷を増加させつつ、製剤のインビトロ放出に影響を与えないことを示している(図9に示す)。これらの製剤を、ラットPKモデル(図10に示す)およびブタPKモデル(図11に示す)におけるインビボ曝露について評価した。本明細書に開示されている結果では、両方のPK試験により、より高い薬物負荷を有する製剤について有意に高い薬物曝露を示すことを示している。
【0170】
【表13】
【0171】
この時点で、1.7%DMA+10.5%PEG400+19.3%重合体がリード製剤として同定された。しかしながら、この製剤、すなわちPLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50)に使用されるリード重合体は、重合体のバッチに応じて、PLGA分子量が変動し得る。これらの変動は、実際のMWが必ずしも正確な名目上の標的分子量でないかもしれないことを意味する。わずかに長いPLGA鎖を有する重合体バッチは、より高いMW(約5400Da)を有することができ、わずかに短いPLGA鎖を有する重合体バッチは、わずかに低いMW(約3600Da)を有するであろう。重合体MWにおける通常の変動が製剤性能に及ぼす影響を理解するために、高MW重合体および低MW重合体を有する製剤を作った。図12に見られるように、両方のMW製剤からのインビトロ放出プロフィールは類似している。次に、薬物負荷、ゲル化の開始およびゲル化温度のような他の製品属性(表7に示す)は、製剤間で同等である。最後に、製剤は、ラットPK試験(図13に示す)において、薬物曝露および持続時間についてもスクリーニングした。本明細書に記載の結果では、選択された名目上の重合体であるPLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500,LA:GA 50:50)が、3600~5400DaのMW重量範囲内で一貫した製剤を生成することを示している。
【0172】
【表14】
【0173】
重合体のスケールアップに伴い、本明細書に記載の試験は、FX301に適していることが見出された、さらに高いMW重量の重合体のケースがあったことを示している。PEGブロックは、これがPEG出発材料によって確立されるため、約1500Daで一貫していたが、PLGA側鎖長は、PLGA-PEG-PLGAトリブロック重合体を作るために使用された合成経路のプロセス変動に基づいて2050~2450Daの範囲であった。この拡大した範囲にわたる重合体を調製し、製剤を調整し評価した。これらの製剤の特性は、製品性能として許容できるものであり、表8に詳細を示す。これらの製剤の放出プロファイルは、図14に提供する。
【0174】
【表15】
【0175】
製剤の開発中に他の重合体系もスクリーニングし、表9に列挙する。
【表16】
【0176】
本開示の結果では、トリブロック重合体系の溶解度、ならびに重合体溶液への薬物(フナピド)の溶解度および溶解速度(配合中)が、以下のパラメーターの組み合わせに依存することを示している:トリブロック重合体の各重合体ブロックの分子量、トリブロック重合体の総分子量、および組成物中のトリブロック重合体、薬物、溶媒および溶解度向上剤の相対的な最終濃度。本明細書に記載の試験では、本明細書に開示されている組成物の特定のパラメーターの変更が、本明細書に記載の組成物からの重合体溶解度、ゲル化温度、薬物負荷量および薬物のインビトロ放出速度にどのように影響するかを示している。
【0177】
実施例3:ブタの外科手術後痛モデルにおけるFX301による末梢神経ブロックの有効性と薬物動態
【0178】
紹介
FX301を液体状態で末梢神経部位の近くに注射し、体温で粘性のある柔軟なゲルを形成させ、これは神経の外側をコーティングして感覚神経シグナルの伝播をブロックする。本明細書には、ブタの検証された外科手術後痛モデルにおいて坐骨神経ブロックとして送達されるFX301の有効性および薬物動態プロファイルを評価する研究が記載されている。
【0179】
ブタ試験から発生されたデータの概要(ブタに手術前に、13mg/mL、総量10mLを投与)。
【0180】
ブタの検証された外科手術後痛モデルにおいて、超音波ガイド坐骨神経ブロックを介して送達されたFX301の有効性とPKプロファイルの評価
【0181】
合計18匹の若齢雄ブタを、3つの試験群:ビヒクル(n=6)、FX301(n=6)、およびリポソームブピバカイン(n=6)のうちの1つに割り当てた。さらに3匹のブタをFX301で処理し、フナピドの局所および全身性曝露を評価した。5日間の馴化の後、ブタに10mlのビヒクル、FX301(13mg/mL;総容量130mg)、またはリポソームブピバカイン(13.3mg/mL;総容量133mg)を超音波誘導下で坐骨神経に近接して注射した。外科手術後痛は、後足の背側領域に5cmの長さの外科的切開を行うことによって誘発させた。痛みは、ベースライン時、および注射後1時間、4時間、8時間、12時間、24時間、36時間、48時間、および72時間で適用したvon Frey testingおよび一般行動スコアリング(GBS)の両方を用いて評価した。自発運動活性(5分間の総歩行距離)のオープンフィールド試験を、ベースライン時ならびに注射後2時間および24時間で実施した。一元配置分散分析とそれに続くテューキー検定を用いて、処置群とビヒクル群の比較を行い;p値<0.05を、統計的に有意であると見なした。PK分析用血漿サンプルは、ベースライン時、ならびに注射後1時間、4時間、8時間、12時間、24時間、36時間、48時間、および72時間で採取した。注射した部位からの局所筋肉サンプルを、ベースラインと注射後72時間で採取した。タンデム質量分析検出を備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて、血漿および筋肉ホモジネートサンプル中のフナピドを定量化した。
【0182】
本明細書に記載のvon Frey試験からの結果では、比較的長い活動持続時間を有するFX301による処理後の逃避活動力(Withdrawal Force)の増加を示した。ビヒクルと比較して、注射後8時間までFX301またはリポソームブピバカインで処理した動物において、逃避活動力が有意に高かった(図15A)。本明細書に記載の結果では、FX301とビヒクル処理動物との間の有意差が注射後36時間まで持続したこと;36時間で、FX301で処理した動物の平均±SEM逃避活動力力が、ビヒクルまたはリポソームブピバカインで処理した動物の引き抜き力より有意に高かった(ビヒクル:0.76±0.08g;FX301:7.33±1.33g;リポソームブピバカイン:2.73±1.16g;p<0.001 FX301 vs ビヒクルおよびp<0.01 FX301 vs リポソームブピバカイン)、ことを示している。本明細書に記載の結果では、GBSスコアがビヒクルで処理した動物で最も高く、これはこの群においてより大きな痛みおよび苦痛に関連する行動を示していることを示している。本明細書に記載の結果では、FX301またはリポソームブピバカインによる処理により、注射後の最初の12時間を通じて、ビヒクルと比較してGBSスコアの有意な減少をもたらしたことを示している(図15B)。本明細書に記載の、注射後2時間および24時間での自発運動活性のオープンフィールド試験からの結果では、ビヒクルによる処理により、5分にわたる総歩行距離によって評価した自発運動活性のいかなる変化ももたらさなかったことを示した(図15C)。本明細書に記載の結果では、FX301による処理により総歩行距離に有意に影響しなかったこと;総歩行距離の減少が注射後2時間で観察されたが、これはベースラインまたはビヒクルと比較して統計的に有意でなかったこと、を示している。FX301処置された動物において、注射後24時間で、総歩行距離の減少は明らかでなかった。一方、リポソームブピバカインで処理した動物では、注射後2時間および24時間で、ベースラインと比較して総歩行距離の有意な減少を経験した。
【0183】
本明細書に記載の結果では、平均血漿中Cmaxは68.58ng/mLであり、対応する平均Tmaxは28.00時間であったことを示している(表10)。平均AUClast(時間ゼロから最後の定量化可能な濃度までの平均AUC)およびAUCinf(時間ゼロから無限大までのAUC)は、それぞれ2462h・ng/mLおよび2634h・ng/mLであった。高い血漿中濃度は、注射後72時間を通じて維持された(図16)。注射後72時間での各動物の筋肉中のFX301の測定濃度は606,629.60ng/g、1176.99ng/g、5001.73ng/gであった。注射後72時間での筋肉中のフナピドの測定濃度の平均値は204,269.4ng/gであった。
【0184】
【表17】
【0185】
本明細書に記載の結果では、FX301が、注入後36時間まで外科的切開後の逃避閾値を増加させ、注入後12時間までより少ない痛み関連行動と一致した行動スコアを改善したことを示している。FX301では運動活性の機能障害は観察されず、注射後2時間および24時間で総歩行距離に有意な変化が観察されなかった。FX301の単回投与後、72時間で高い局所フナピド濃度が存在した。フナピドの血漿プロファイルは、試験期間中、薬物の制御された徐放性と一致したままであった。これらの結果は、外科手術後痛に対するFX301の開発および使用を支持するものです。
【0186】
実施例4:FX301で処理した動物における全身性および局所フナピド濃度
【0187】
インビトロ薬物放出プロファイルは、ヒドロゲル製剤からのフナピドの一貫した持続放出動態を示している(図1A)。本明細書に記載の結果では、ブタにおける単回の神経周囲注射後に、全身性PKプロファイルにより新規製剤からの持続放出を確認することを示している(図17A)。神経周辺の注射部位では高い局所濃度が維持され、鎮痛プロファイルと一致した(図17B)。これらのデータは、FX301が優先的なNav1.7アンタゴニストであるフナピドを最大7日間局所的に送達することを示している。
【0188】
本明細書に記載の結果では、本明細書に開示されているトリブロックPLGA-PEG-PLGA重合体中のフナピドの組成物が、長時間のフナピドの高い局所濃度をもたらすフナピドの一貫した持続放出を提供することを示している。本明細書に記載の結果では、本明細書に開示されているトリブロックPLGA-PEG-PLGA重合体中のフナピドの組成物による処理により、逃避活動力の有意な改善、痛みおよびストレス行動の減少を示すGBSスコアの減少、ならびに運動機能の維持をもたらすことを示している。本明細書に開示されているこれらの結果では、処置または管理を必要とする対象における外科手術後痛の処理および管理の方法における、本開示の組成物の使用を支持するものである。
【0189】
実施例5:FX301医薬品(DP)製造過程
【0190】
本明細書では、本開示のPLGA-PEG-PLGAのトリブロック重合体中に製剤化されたフナピドの組成物を製造するための過程を記載する。FX301 DPは、19~25%(w/w)PLGA-PEG-PLGA(1500-1500-1500Da, LA:GA 50:50)、1~2%(w/w)DMA、10~11%(w/w)PEG400、および水中に製剤化された0.5~1.5%(w/v)フナピドからなる無菌注射可能な溶液である。DMAとPEG400は、DSであるフナピドをその結晶形から溶解させる薬物可溶化剤として使用する。PLGA-PEG-PLGAは、薬物物質のミセルカプセル化および温度感受性ヒドロゲルの形成に対して、注射部位での持続放出および物理的持続時間を付与する機能性賦形剤である。製剤化プロセスを示すフローチャートは、図18に提供する。これにより、現在の末梢神経ブロックの投与操作に類似した低粘性溶液を注射し、その後、体内に注射すると速やかにゲルデポ剤に移行することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
【国際調査報告】