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特表2022-547568電気機械のための内部接続部及びピンを有するステータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】電気機械のための内部接続部及びピンを有するステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/28 20060101AFI20221107BHJP
   H02K 15/085 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
H02K3/28 J
H02K15/085
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515989
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2020075014
(87)【国際公開番号】W WO2021048088
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】102019124463.3
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521219051
【氏名又は名称】ヴァレオ、シーメンス、イーオートモーティブ、ジャーマニー、ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VALEO SIEMENS EAUTOMOTIVE GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ボリス、ドッツ
【テーマコード(参考)】
5H603
5H615
【Fターム(参考)】
5H603AA03
5H603AA09
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB03
5H603CB11
5H603CB18
5H603CC04
5H603CC17
5H603CD02
5H603CD05
5H603CD11
5H603CD12
5H603CD22
5H603CD28
5H603CE02
5H603CE05
5H603EE01
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB05
5H615BB14
5H615PP01
5H615PP14
5H615QQ03
5H615QQ06
5H615QQ07
5H615QQ12
5H615SS16
(57)【要約】
電気機械(401)のためのステータ(1)であって、
- スロット(51、52、53、54、55、56、57、58)においてステータ中心点(M)から異なる距離に同心円上に配置される複数のピン(2、21、22、23、24、25)であって、各同心円がレイヤー(L1、L2、L3、L4)を形成する、複数のピン(21、22、23、24、31、32、33、34)を備え、
- 異なるレイヤー(L1、L2、L3、L4)において4つのピン(21、22、23、24、25)がそれぞれ互いに直列に接続されて巻線(41)を形成し、
- 巻線(41)の第1ピン(21)は、4n-3レイヤー(L1)において第1スロット(51)に位置し、nは自然数であり、
- 巻線(41)の第2ピン(22)は、4n-2レイヤー(L2)において第2スロット(52)に位置し、第2スロット(52)は、ステータ(1)の第1周方向において第1スロット(51)から第1半径方向距離(71)にあり、
- 巻線(41)の第3ピン(23)は、4nレイヤー(L4)において第1スロット(51)に位置し、
- 巻線(41)の第4ピン(24)は、4n-1レイヤー(L3)において第2スロット(52)に位置する、ステータ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械(401)のためのステータ(1)であって、
- スロット(51、52、53、54、55、56、57、58)においてステータ中心点(M)から異なる距離に同心円上に配置される複数のピン(2、21、22、23、24、25)であって、各同心円がレイヤー(L1、L2、L3、L4)を形成する、複数のピン(21、22、23、24、31、32、33、34)を備え、
- 異なるレイヤー(L1、L2、L3、L4)において4つのピン(21、22、23、24、25)がそれぞれ互いに直列に接続されて巻線(41)を形成し、
- 前記巻線(41)の第1ピン(21)は、4n-3レイヤー(L1)において第1スロット(51)に位置し、nは自然数であり、
- 前記巻線(41)の第2ピン(22)は、4n-2レイヤー(L2)において第2スロット(52)に位置し、前記第2スロット(52)は、前記ステータ(1)の第1周方向において前記第1スロット(51)から第1半径方向距離(71)にあり、
- 前記巻線(41)の第3ピン(23)は、4nレイヤー(L4)において前記第1スロット(51)に位置し、
- 前記巻線(41)の第4ピン(24)は、4n-1レイヤー(L3)において前記第2スロット(52)に位置する、
ステータ(1)。
【請求項2】
前記ステータ(1)は、第1端面(7)及び第2端面(9)を有し;
- 前記第1ピン(21)及び前記第2ピン(22)は、第1タイプの接続部(61)によって、前記第2端面(9)において互いに接続され;
- 前記第2ピン(22)及び前記第3ピン(23)は、第2タイプの接続部(62)によって、前記第1端面(7)において互いに接続され;
- 前記第3ピン(23)及び前記第4ピン(24)は、第3タイプの接続部(63)によって、前記第2端面(9)において互いに接続され;
- 前記第1タイプの接続部、前記第2タイプの接続部及び前記第3タイプの接続部はお互いに異なる、
請求項1に記載のステータ(1)。
【請求項3】
前記ステータは、少なくとも2つの巻線(41、42、43、44)を有し、少なくとも前記第2スロット(52、54、56)における前記第4ピン(24)は、第4タイプの接続部(64)によって、第3スロット(53)における前記4n-3レイヤー(L1)での第5ピン(25)に接続されている、請求項1又は2に記載のステータ(1)。
【請求項4】
前記ステータ(1)は複数の巻線(41、42、43、44)を有し、当該複数の巻線(41、42、43、44)は、前記ステータ(1)の全周にわたって延び、それによって部分-コイルを形成する、請求項3に記載のステータ(1)。
【請求項5】
2つの部分-コイルのそれぞれのピン(28、31)は、第5タイプの接続部(65)によって互いに接続され、コイル(201、202)を形成する、請求項4に記載のステータ(1)。
【請求項6】
前記部分-コイルは6つのコイルを形成し、それらに対して6つの位相が割り当てられて、異なる位相に割り当てられる2つのコイルがそれぞれ隣り合うスロット(51-58、91-98)に位置する、請求項5に記載のステータ(1)。
【請求項7】
2つのコイル(201、202)のピン(26、26a)のそれぞれの入力部(81、101、111、87、107、117)は、第6タイプの接続部によって互いに接続されている、請求項5に記載のステータ(1)。
【請求項8】
前記2つのコイル(201、202)のピン(38、38a)のそれぞれの出力部(83、103、113、85、105、115)は互いに接続され、結果として前記2つのコイル(201、202)は並列に接続されて、特に1つの位相に割り当てられる、請求項7に記載のステータ(1)。
【請求項9】
前記第2タイプの接続部(62)は、第2ピン(22、32)及び第3ピン(23、33)から形成される第1ダブルピン(211)を備え、前記第1ダブルピン(211)は、それぞれの溶接ポイント(221、225)を有する2つの内側に曲がったピン脚部(61b、63a)を持ち、第1半径方向距離(71)を橋渡す、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項10】
前記第4タイプの接続部(64)は、前記第4ピン(24、27、34)及び前記第5ピン(21、25、35)から形成される第2ダブルピン(213)を備え、前記第2ダブルピン(213)は、それぞれの溶接ポイント(221、227)を有する2つの外側に曲がったピン脚部(61a、63b)を持ち、第1半径方向距離(71)を橋渡す、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項11】
前記第5タイプの接続部(65)は、第2端部ピン(28)及び第3端部ピン(31)から形成される第3ダブルピン(214)を備え、前記第3ダブルピン(214)は、それぞれの溶接ポイント(227、221)を有する2つのピン脚部(63b、61b)を持ち、第3半径方向距離(75)を橋渡し、当該2つのピン脚部(63b、61b)は反時計回りに曲がる、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項12】
第7タイプの接続部(67)が、第6端部ピン(28a)及び第7端部ピン(31a)から形成される第4ダブルピン(215)を備え、前記第4ダブルピン(215)は、それぞれの溶接ポイント(223、227)を有する2つのピン脚部(63b、61b)を持ち、第2半径方向距離(73)を橋渡し、当該2つのピン脚部(63b、61b)は反時計回りに曲がる、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項13】
シングルピン(219、220)が、第1端部ピン(26)又は第4端部ピン(38)又は第5端部ピン(26a)又は第8端部ピン(38)を含み、時計回りに曲がって溶接ポイント(223、225)を有するピン脚部(61a、63a)を持つ、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項14】
前記第1タイプの接続部(61)は、前記第1ダブルピン(211)の又は前記第3ダブルピン(214)の又は第4ダブルピン(215)の前記ピン脚部(61b)における第1溶接ポイント(221)と、前記第2ダブルピン(213)の又はシングルピン(219)の前記ピン脚部(61a)における第2溶接ポイント(223)と、の間の溶接した接続部によって形成される、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項15】
前記第3タイプの接続部(63)は、前記第1ダブルピン(211)の又はシングルピン(220)の前記ピン脚部(63a)における第3溶接ポイント(225)と、前記第2ダブルピン(213)の又は前記第3ダブルピン(214)の又は前記第4ダブルピン(215)の前記ピン脚部(63b)における第2溶接ポイント(227)と、の間の溶接した接続部によって形成される、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)。
【請求項16】
請求項1~15のうちのいずれか一項に記載のステータ(1)を有する電気機械(401)を持つ車両(403)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、電気機械、特に電動機、のためのピンを有するステータに関する。
【発明の概要】
【0002】
先行技術
電気機械は、車両の駆動用の電動機として一般に知られており且つますます使用されている。電気機械は、ステータとロータから構成される。
【0003】
ステータは複数のスロットを含み、当該複数のスロットにおいて巻線がガイドされる。巻線は、ピンと呼ばれるものの形態で分離した銅棒で形成されうる。ロータはステータにおいて配置され且つロータシャフトに接続される。
【0004】
そのようなピンモータ、Uピンモータ又はヘアピンモータは、例えば、US9,136,738B2から知られている。
【0005】
課題及び解決策
本発明の目的は、製造が容易な、ピンにより構成される巻線を有するステータを提供することである。
【0006】
発明によれば、電気機械のためのステータは複数のピンを備え、当該複数のピンは、スロットにおいてステータ中心点から異なる距離にある同心円上に配置され、各同心円がレイヤーを形成し、異なるレイヤーにおいて4つのピンがそれぞれ互いに直列に接続されて巻線を形成し、巻線の第1ピンは、4n-3レイヤーにおいて第1スロットに位置し、nは自然数であり;巻線の第2ピンは、4n-2レイヤーにおいて第2スロットに位置し、第2スロットは、ステータの第1周方向において第1スロットから第1半径方向距離にあり、巻線の第3ピンは、4nレイヤーにおいて第1スロットに位置し、巻線の第4ピンは、4n-1レイヤーにおいて第2スロットに位置する。
【0007】
発明による巻線を有するステータは、容易に製造されることができ、効率的な電磁場を発生させる。それらのタイプの接続部は、スロットにおけるピン間に導電性の接続部を生成する。そのタイプの接続部はピンに対する導体の溶接であってもよく、ピンは既に、Uピンと呼ばれるダブルピンの形であってもよく、それによってステータ内に挿入される場合に既に接続部を生成する。また、互いに向けて曲げられるピンの端部の一緒の溶接は、あるタイプの接続部を構成する。
【0008】
レイヤーは、ステータ中心点に関して外側から内側に向かって、増える順に番号をつけられることができる。
【0009】
好ましくは、ステータは、第1端面及び第2端面を有することができ、第1ピン及び第2ピンが第1タイプの接続部によって第2端面において互いに接続され、第2ピン及び第3ピンが第2タイプの接続部によって第1端面において互いに接続され、第3ピン及び第4ピンが第3タイプの接続部によって第2端面において互いに接続され、第1タイプの接続部、第2タイプの接続部及び第3タイプの接続部はお互いに異なる。
【0010】
異なるタイプの接続部は、改良された製造を可能にする。異なる端面におけるそれらのタイプの接続部の位置を交互にすることは、スロット間にあるステータ歯の周りに巻線を効率的に形成することを可能にする。
【0011】
ステータ内部又は外部に関してピン脚部が異なる方向に曲げられているために、ステータの同じ端面における複数タイプの接続部も異なりうる。
【0012】
ステータの異なる端面又は同じ端面における上述のタイプの接続部の組み合わせも可能である。ステータの、同じ端面における同じタイプの接続部及び異なる端面における異なるタイプの接続部は、簡単かつ迅速な製造を可能にする。例えば、ステータの一つの端面において、ダブルピン或いはUピンと呼ばれる予め曲げられるピンのタイプのおかげで接続部が作られ、ステータの他の端面において、複数のシングルピン又はダブルピンのそれぞれの側が互いに対して溶接される。溶接ポイントは、ピンの脚部又はダブルピンにおいてあってもよい。
【0013】
発明の一実施形態において、ステータは、少なくとも2つの巻線を有してもよく、少なくとも第2スロットにおける第4ピンは、第4タイプの接続部によって、第3スロットにおける4n-3レイヤーでの第5ピンに接続されてもよい。
【0014】
さらに好ましくは、ステータが複数の巻線を含むことが可能であり、当該複数の巻線はステータの全周にわたって延び、それによって部分-コイルを形成する。
【0015】
これは、巻線が対称性を有し、当該対称性が一様な回転界磁を作ることを意味する。
【0016】
更なる実施形態において、2つの部分-コイルのそれぞれのピンは、第5タイプの接続部によって互いに接続されてもよい。
【0017】
これらのピンは、端部ピンと呼ばれるものであってもよく、なぜならばそれらは部分-コイルの終端を示すからである。好ましくは、第2端部ピン及び第3端部ピンが、第5タイプの接続部によって互いに接続されることが可能である。
【0018】
第5タイプの接続部は、例えば、特別に曲げられたピンによって実現されてもよい。
【0019】
好ましくは、少なくとも2つの部分-コイルがコイルを形成することが可能である。相互接続は、例えば、2つの端部ピンによって、すなわち第4端部ピン及び第8端部ピンによって、実現されてもよい。ステータのスロットの全ての1/4以内において、つまりステータ周囲の1/4以内で、コイルは相互接続されることが可能である。
【0020】
さらに好ましくは、2つのコイルのピンのそれぞれの入力部が、第6タイプの接続部によって互いに接続されことが可能である。
【0021】
第6タイプの接続部は、ピンに取り付けた導体によって又は導電性リングによって作られてもよい。
【0022】
2つのコイルは並列に接続されてもよく、さらに同相で給電されてもよい。その並列接続は、第1端部ピンと第5端部ピンをペアで接続することによって又は第4端部ピンと第8端部ピンをペアで接続することによって、実現されてもよい。
【0023】
発明の好ましい実施形態において、部分-コイルは6つのコイルを形成してもよく、それらに対して6つの位相が割り当てられてもよく、それによって異なる位相に割り当てられる2つのコイルがそれぞれ隣り合うスロットにおいて位置する。
【0024】
さらに、2つの位相がそれぞれほぼ同じ電流及び電圧プロファイルを持つことが可能であり、その結果、6相インバータが3相モータのみを制御することが可能である。この構成は、インバータにおけるスイッチング素子の電流分割を可能にする。
【0025】
発明の一実施形態において、2つのコイルのピンのそれぞれの入力部は、第6タイプの接続部(66)によって互いに接続されてもよい。
【0026】
好ましくは、2つのコイルのピンのそれぞれの出力部が互いに接続されることが可能であり、結果として2つのコイルが並列に接続されること、特に1つの位相に割り当てられること、が可能である。
【0027】
このように、隣り合うスロットの2つのコイルは並列に接続されて、1相によって給電されてもよく、その結果、3相電気機械のための巻線を有するステータがもたらされる。
【0028】
発明の一実施形態において、第2タイプの接続部が、第2ピン及び第3ピンから形成される第1ダブルピンを備えることが可能であり、第1ダブルピンは、それぞれの溶接ポイントを有する2つの内側に曲がったピン脚部を持ち、第1半径方向距離を橋渡す。
【0029】
ダブルピンは一つの端面からステータ内に挿入されてもよく、他の端面においてさらにダブルピンと溶接されてもよい。
【0030】
好ましくは、第4タイプの接続部が、第4ピン及び第5ピンから形成される第2ダブルピンを備えることが可能であり、第2ダブルピンは、それぞれの溶接ポイントを有する2つの外側に曲がったピン脚部を持ち、第1半径方向距離を橋渡す。
【0031】
その第1距離は、橋渡されるスロットの数を表す。ダブルピンが異なるレイヤーをつなぐため、橋渡される実際の空間距離は、レイヤーにおけるピンの位置に依存する。
【0032】
さらに好ましくは、第5タイプの接続部が、第2端部ピン及び第3端部ピンから形成される第3ダブルピンを含み、第3ダブルピンが、それぞれの溶接ポイントを有し反時計回りに曲がっている2つのピン脚部を持ち、第3半径方向距離を橋渡す。
【0033】
第3半径方向距離は、第1半径方向距離よりも少なくとも1スロット長くてもよい。
【0034】
一実施形態において、第7タイプの接続部が、第6端部ピン及び第7端部ピンから形成される第4ダブルピンを備えることが可能であり、第4ダブルピンは、反時計回りに曲がった2つのピン脚部を持ち、第2半径方向距離を橋渡す。
【0035】
第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも少なくとも1スロット短くてもよい。
【0036】
好ましくは、シングルピンが、第1端部ピン又は第4端部ピン又は第5端部ピン又は第8端部ピンを含み、時計回りに曲がって溶接ポイントを有するピン脚部を持ってもよい。
【0037】
一実施形態において、第1タイプの接続部が、第1ダブルピンの又は第3ダブルピンの又は第4ダブルピンのピン脚部における第1溶接ポイントと、第2ダブルピンの又はシングルピンのピン脚部おける第2溶接ポイントとの間の溶接した接続部によって形成されることが可能である。
【0038】
好ましくは、第3タイプの接続部は、第1ダブルピンの又はシングルピンのピン脚部における第3溶接ポイントと、第2ダブルピンの又は第3ダブルピンの又は第4ダブルピンのピン脚部における第2溶接ポイントとの間の溶接した接続部によって形成されてもよい。
【0039】
発明によれば、車両は、好ましい実施形態のうちの1つによるステータを備えた電気機械を備える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図の説明
図1図1はステータを示す。
図2図2は、8スロット及び4レイヤーを有するステータを示す。
図3図3は、第1部分-コイルの巻線パターンを示す。
図4図4は、第2部分-コイルの巻線パターンを示す。
図5図5は、2つの部分-コイル、及び前記部分-コイルの互いに対する接続部を、ひいてはコイルを、を有するステータを示す。
図6図6は、2つのコイルを有するステータを示し、当該2つのコイルは2つのそれぞれの部分-コイルから構成される。
図7図7は、さらに2つのコイルを持つステータを示す。
図8図8は、さらに2つのコイルを持つステータを示す。
図9図9は、6つのコイルを持つステータを示す。
図10図10は、2つのコイルの巻線パターンを示す。
図11図11は、シングルピンを示す。
図12図12は、更なるシングルピンを示す。
図13図13は、第1ダブルピンを示す。
図14図14は、第2ダブルピンを示す。
図15図15は、第3ダブルピンを示す。
図16図16は、第4ダブルピンを示す。
図17図17は、ステータを有する電気機械を、特に電動機を、有する車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、複数のスロット5を有するステータ1を示し、当該複数のスロット5においてピン2、3が案内される。ステータは、第1端面7と第2端面9を有する。第1端面7には、電気機械の動作のためのエネルギー源にピンを接続するための部分-コイルの入力部81、87、101、107、111、117と出力部83、85、103、105、113、115が示されている。入力部と出力部はそれぞれステーターの最外側レイヤー又は最内側レイヤーに配置される。もちろん、電気機械の動作にはロータも必要である。接続の目的のために、ピン同士を近接させ、短接続線を可能にする。
【0042】
図2は、4レイヤーにおけるスロット51、52、53、54、55、56、57、58とピン21、22、23、24、26、27を有するステータ1を示し、8スロットのみを図示している。それらのピンはスロットにおいて配置されている。1つのスロットにおいてピンが互いに隣り合って並んでおり;図2の例では、1つのスロットにおいて4つのピンが互いに隣り合って並んでいる。したがって、1つのスロット内の4つのピンは、ステータの中心点Mを中心とする異なる同心円上にあり、したがってその円は個々のレイヤーL1、L2、L3、L4を形成する。2つのそれぞれのスロットの間には距離71がある。この距離71は、図2に示す全てのスロット間で同一である。
【0043】
図3は、図2からのステータ1を示す。ピンは依然として同心円上に、つまりレイヤー状に、配置されているが、より良い説明のためにその同心円は描かれていない。図3は、どのピンが直列に互いに接続されているかを示す。第1ピン21は、レイヤーL1における第1スロット51に配置されている。この第1ピン51は、点線で図示した第1タイプの接続部61によって、スロット52における第2ピン22に接続されている。第2ピン22は、レイヤーL2に配置されている。第2ピン22は、短破線で示された第2タイプの接続部62によって、スロット51における第3ピン23に接続されている。第3ピン23は、第1スロット51において、すなわち、第1ピン21と同じスロットにおいて、順に配置されている。しかし、第3ピン23は、レイヤーL4に存在する。その結果、スロット51には、第3ピン23と第1ピン21との間に、さらに2つのピンのためのスペースが依然としてある。第3ピン23は、実線で示された第3タイプの接続部63を介して、第4ピン24に接続されている。第4ピン24は、第2ピン22と同じスロット52にある。第4ピン24は、第1ピン21のすぐ隣にあるレイヤーL3に存在する。その結果、スロット52には、2つのピン22、24に隣り合うレイヤーL1及びL4に、さらに2つのピンのためにスペースが依然としてある。第1ピン、第2ピン、第3ピン及び第4ピンの接続は第1巻線41を形成する。
【0044】
第4ピン24は、破線で示された第4タイプの接続部64を介して、第3スロット53におけるレイヤーL1において第5ピン25に接続されている。第5ピン25で、ステータにおける後続ピンの上述の直列接続が再び始まり、第5ピン25は第1ピン21と同様であるが、スロットが90度オフセットされている。第1ピン21は、第4タイプの接続部64を介して、第4ピンと同様のピン27に接続されている。ピン27は、順に、第3タイプの接続部63を介して第1端部ピン26に接続され、当該第1端部ピンは入力部81を有し、図12を参照する。
【0045】
スロット53及び54における更なるピンに対する第5ピン25の直列接続は、第2巻線42を形成する。これらのピン間の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63は、第1巻線41のピンのそれぞれの第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63と同じである。
【0046】
2つの巻線41、42は、第4タイプの接続部64によって接続されている。直列接続の継続は、スロット55、56において第3巻線43を形成する。巻線41、42、43、44は、それぞれ第4タイプの接続部64によって接続されている。したがって、それぞれの巻線間の第4タイプの接続部64は同一である。また、巻線43のピン間の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63は、第1及び第2巻線41、42の第1、第2及び第3タイプの接続部61、62、63と同じである。
【0047】
第4巻線44は、特別な特徴を構成し、3つの他のコイルの直列接続の始まり及び終わりに形成される。第1巻線41の第1ピン21は、第4タイプの接続部64を介して、スロット58におけるピン28に接続される。このピン27は、第3タイプの接続部63を介して、端部ピン26に接続される。回路と巻線41、42、43の接続部の後、2つのさらなるピンが図3に示すパターンに従って接続され、最後のピン28が第2端部ピンとして構成され、それはこれにより部分-コイルが完成させる。スロットは、互いから同一距離71にある。
【0048】
図4は、図3からのステータ1を示し、図3のスロットの直近に位置する8つのスロット91、92、93、94、95、96、97、98を示す。
【0049】
ピン31、32、33、34、35は、図3のピン21、22、23、24、25と同様に接続される。そのタイプの接続部も図3と同じであり、同じ参照符号で明確にしている。図3について説明したのと同じように、巻線45、46、47及び48は、第4タイプの接続部64によって、時計回りに形成されて互いに接続される。第1ピン31は、順に第3端部ピン31となる。
【0050】
巻線48のレイヤーL1におけるスロット98での第4ピンは、第4端部ピン38であり、エネルギー源の接続のための出力部83を有する。4つの巻線45、46、47、48は、第2部分-コイルを形成する。
【0051】
図5は、図3及び図4からの第1及び第2部分-コイルを通るピン構成を示し、当該第1及び第2部分-コイルは黒四角で示されている。図において、同じ参照符号は同じピン、スロット及び接続部を示す。レイヤーL2、スロット58における第1部分-コイルの巻線44の第2端部ピン28及びレイヤーL3、スロット91における第1巻線45の第3端部ピン31は、第5タイプの接続部65によって接続されている。このように2つの部分-コイルは、ステータの周囲における異なる方向への2つの放射状回路の後、入力部81としての第1端部ピン26と出力部83としての第4端部ピン38とを有する第1コイルを形成する。そのため、部分-コイルの始点と終点をそれぞれ示す端部ピン26、28、31、38を見ることができる。
【0052】
図6は、図3及び図4からの第1及び第2部分-コイルを通るピン構成を示し、それらは黒四角で示されている。図中、同じ参照符号は同じピン、スロット及び接続を示す。さらに、図3及び図4の原理による2つのさらなる部分-コイルが白地に黒の四角として示されているが、それらはそれぞれ第1コイルと比較して5スロット分オフセットされており、それぞれ第2及び第3部分-コイルを形成する。これらの2つの部分-コイルが、レイヤーL2、スロット98における第6端部ピン28aとレイヤーL3、スロット57における第7端部ピン31aとの間で第7タイプの接続部67により接続され、第2コイルを形成する。
【0053】
図6は、このように、各々が2つの部分-コイルからなる2つの並列コイルを示す。コイルの入力部及び出力部も同様に示される。第1コイルの入力部81はスロット57に配置され、出力部83はスロット98に配置されている。第2コイルの入力部87は、スロット91に配置され、出力部85はスロット58に配置されている。そのため、2つのコイルの入力部及び出力部は、最外側レイヤー又は最内側レイヤーにおける隣り合うスロットにある。第2半径方向距離73は、例えば、第1半径方向距離71よりも1スロット分短い。さらに、第3半径方向距離75は、第1半径方向距離よりも1スロット長くなっている。
【0054】
図7は、白ドットのついた黒い四角と黒ドットのついた白い四角において、第3コイルと第4コイルを通じたピン構成を示す。これは、図3、4及び5で確立された巻線パターンによって生成され、それは、後者の図に示されたピン及び接続部に比べ、2スロット分時計回りにオフセットされている。第3コイルの入力部101と出力部103及び第4コイルの入力部107と出力部105も同様に示される。そのため、2つのコイルの入力部及び出力部は、最外側レイヤー又は最内側レイヤーにおける隣り合うスロットにある。
【0055】
図8は、第5コイルと第6コイルを通じたピン構成を示す。これは、図3、4及び5で確立された巻線パターンによって生成され、後者の図に示されたピンと接続部に比べ、4スロット分時計回りにオフセットされている。
【0056】
第5コイルの入力部111と出力部113及び第6コイルの入力部117と出力部115も同様に示される。そのため、2つのコイルの入力部及び出力部は最外側レイヤー又は最内側レイヤーにおける隣り合うスロットにある。
【0057】
図9は、図6図7及び図8の組み合わせの形態での6つのコイルを通じたピン構成を示す。特に入力部81、87、101、107、111、117及び出力部83、85、103、105、113、115の位置から、全ての入力部がステータの1/8以内で相互に接続できることが明らかである。さらに、全ての出力部も、ステータの1/8以内で相互に接続できる。
【0058】
図10は2つのコイル201、202を示し、当該2つのコイル201、202の各々は2つの部分-コイルで構成される。同じ参照符号が他の図との関係を確立する。コイルに対する部分-コイルの接続及びインバータに対するそれぞれのコイルの接続は、例えば図10で見ることができる。第1コイル201のピン26は、第1端部ピン26を構成し、入力部81を有する。実線矢印による黒く塗りつぶされたピンの直列接続は、ステータの周りの単一の放射状回路をほぼ完成させ、第1部分-コイルを含む第1回路を形成する。第1端部ピン26は第1部分-コイルの始点にあり、第2端部ピン28は終点にある。
【0059】
第2部分-コイルは、ダッシュ線矢印によって水平ダッシュとして示されるピンを接続することにより、形成される。その部分-コイルは、第3端部ピン31で始まり、第4端部ピン38で終わる。第4端部ピン38は、例えば、出力部83を経由して、インバータに接続される。第5タイプの接続部65は、第1部分-コイルの第2端部ピン28と、第2部分コイルの第3端部ピン31と、の間に配置されている。2つの端部ピン31、28と第5タイプの接続部65が図15に示される。第1コイル201の両回路は、異なる方向に、例えばまずは時計回りに且つそして反時計回りに、行われる。
【0060】
第2コイル202のピン26aは、第5端部ピン26aを構成し、入力部87を有する。実線矢印による黒く塗りつぶされたピンの直列接続は、ステータの周りの単一の放射状回路をほぼ完成させ、第2コイル202の第1部分-コイルを含む第1回路を形成する。第5端部ピン26aが第2部分-コイルの始点にあり、第6端部ピン28aが終点にある。
【0061】
第2部分-コイルは、ダッシュ線矢印による水平ダッシュとして示されるピンを接続することによって、形成される。その部分-コイルは、第7端部ピン31aで始まり、第8端部ピン38aで終わる。第8端部ピン38aは、例えば、出力部85を経由してインバータに接続される。第7タイプの接続部67は、第1部分-コイルの第6端部ピン28aと第2部分-コイルの第7端部ピン38aとの間に配置されている。2つの端部ピン28a、38a及び第7タイプの接続部67は図16に示される。
【0062】
2つのコイルの流れ方向は自由に選択できるが、それらは同じ流れ方向である。
【0063】
図11は、シングルピン219又はIピンを示す。ステータのスロットに配置される実際のピン38、38aは、その中央に配置される。参照符号は先行する図面と同じである。それらのピンは、ステータ中心点から見て、第1端面7が上になるように示されている。出力部83、85、103、105、113、115は最上端部に配置されている。シングルピン219は、レイヤー1において、第4又は第8端部ピン38、38aに使用される。最下端部では、端部ピンが、第2溶接ポイント223を有するピン脚部61aを持つ。
【0064】
図12は、シングルピン220又はIピンを示す。ステータのスロットに配置される実際のピン26、26aは、その中心部に配置される。参照符号は先行する図面と同じである。それらのピンは、ステータ中心点から見て、第1端面7が上になるように示されている。シングルピン220は、レイヤー4において、第1及び第5端部ピン26、26aに用いられる。最下端部では、端部ピンが、第3溶接ポイント225を有するピン脚部63aを持つ。入力部81、87、101、107、111、117は最上端部に配置されている。
【0065】
図13は、第2ピン22、32と第3ピン23、33との間にそのタイプの接続部62を確立する第1ダブルピン211又はUピンを示す。そのダブルピンは、スロット間に第1距離71を橋渡しすることができる。最下端部において、そのダブルピンは、溶接ポイント225、221を有する内側に曲がった2つのピン脚部63a、61bを持つ。
【0066】
図14は、ピン24、34、27とピン21、25、35との間にそのタイプの接続部64を確立する第2ダブルピン213又はUピンを示す。ダブルピンは、スロット間に第1距離71を橋渡しすることができる。最下端部において、そのダブルピンは、溶接ポイント227、223を有する外側に曲がった2つのピン脚部63b、61aを持つ。
【0067】
第1距離71は、橋渡しされるスロットの数に関してのみ同一である。ダブルピンは異なるレイヤーを接続するので、橋渡しされる実際の空間距離は異なる。
【0068】
図15は、第2端部ピン28と第3端部ピン31との間にそのタイプの接続部65を確立する第3ダブルピン214又はUピンを示す。ダブルピンは、したがって距離71よりも1スロットだけ大きい、第3距離75を橋渡しすることができる。下端部において、そのダブルピンは、それぞれの溶接ポイント227、221を有する曲がった2つのピン脚部63b、61bを持つ。
【0069】
図16は、第6端部ピン28aと第7端部ピン31aとの間にそのタイプの接続部67を確立する第4ダブルピン215又はUピンを示す。そのダブルピンは、したがって距離71よりも1スロット分小さい、第2距離73を橋渡しすることができる。最下端部において、そのダブルピンは、それぞれの溶接ポイント221、227を有する2つの曲がったピン脚部61b、63bを持つ。
【0070】
図11図16における各種のシングルピン及びダブルピンは同様のピン脚部を有する。接続部61は、図10の巻線パターンに従って、ピン脚部61a、61bにおいて溶接ポイント221、223を一緒に溶接することによって形成される。接続部63は、図10の巻線パターンに従って、ピン脚部63a、63bにおいて溶接ポイント225、227を一緒に溶接することによって形成される。
【0071】
第1タイプの接続部61は、このようにして、ピン脚部61a、61b及び溶接ポイント221及び223を介して形成される。第3タイプの接続部63は、このようにして、ピン脚部63a、63b及び溶接ポイント225及び227を介して形成される。
【0072】
図17は、車両403の、例えばハイブリッド車両又は電気車両の、例示的な実施形態の基本図であり、当該車両403は、車両403を駆動するためのステータ1の例示的な実施形態を有する電気機械401を、特に電動機を、備える。また、車両403は、電気機械401に直流電源から交流を供給するインバータ405を含んでいてもよい。
【0073】
符号の一覧
1 ステータ
2、21、22、23、24、25 ピン
31、32、33、34、35 ピン
5、51、52、53、54、55、56 スロット
57、58、91、92、93、94、95 スロット
96、97、98 スロット
7 第1端面
9 第2端面
26、26a、28、28a、31、31a、38、38a 端部ピン
41-48 巻線
61 第1タイプの接続部
62 第2タイプの接続部
63 第3タイプの接続部
64 第4タイプの接続部
65 第5タイプの接続部
66 第6タイプの接続部
67 第7タイプの接続部
61a、61b、63a、63b ピン脚部
71 第1距離
73 第2距離
75 第3距離
401 電気機械
81、87、101、107、111、117 入力部
83、85、103、105、113、115 出力部
201 第1コイル
202 第2コイル
211、213、214、215 ダブルピン
219、220 シングルピン
221、223、225、227 溶接ポイント
403 車両
405 インバータ
L1、L2、L3、L4 レイヤー
M ステータ中心点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】