(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】空間データ投影のための技術
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20221107BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20221107BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
H04N5/74 Z
A63G31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516091
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020049684
(87)【国際公開番号】W WO2021050416
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミン アーロン チャンドラー
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058AA18
5C058BA18
5C058BA35
5C058EA27
5C058EA51
5C058EA54
5C182AA04
5C182AA31
5C182AB14
5C182AB15
5C182AB33
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA23
5C182BA25
5C182BA27
5C182BA47
5C182BB01
(57)【要約】
複数の光ビームを放出するように構成された投影装置を含むシステムが提供され、個々の光ビームは、環境内で固有の経路で放出され、個々の光ビームは、固有の経路に対応するデータを送信するように構成された変調パターンを有する。また、システムは、複数の光ビームのうち少なくとも1つの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、検出された個々の光ビームの変調パターンを識別し、変調パターンを用いて送信された位置データに基づいて応答命令を生成するように構成された受信プロセッサと、生成された応答命令に基づいて応答を出力するように構成された出力装置とを有する受信機装置を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ビームを放出するように構成された投影装置であって、個々の光ビームの各々は、環境内で固有の経路で放出され、前記個々の光ビームの各々は、前記固有の経路に対応する位置データを送信するように構成された変調パターンを有する、投影装置と、
受信機装置と、
を備える空間投影システムであって、
前記受信機装置は、
前記複数の光ビームのうちの少なくとも1つの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、
前記検出された個々の光ビームの変調パターンを識別し、前記変調パターンを用いて送信された位置データに基づいて応答命令を生成するように構成された受信機プロセッサと、
前記生成された応答命令に基づいて応答を出力するように構成された出力装置と、
を備える、空間投影システム。
【請求項2】
前記受信機装置は、スクリーンを有する表示装置を備え、前記応答は、前記生成された応答命令に基づいて前記スクリーン上に画像を表示することを含む、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項3】
前記表示装置は眼鏡を有し、前記眼鏡は、前記眼鏡を着用している来客に前記画像が見えるように、前記眼鏡の少なくとも1つのレンズ上に前記画像を表示するように構成されている、請求項2に記載の空間投影システム。
【請求項4】
前記受信機装置は、前記生成された応答命令に基づいて、特殊効果を出力するように構成されている、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項5】
前記受信機装置は、空中ドローンを備え、前記空中ドローンは、前記生成された応答命令に基づいて、飛行経路をたどる、特殊効果を起動する、特殊効果を発する、又はこれらの何らかの組み合わせを行うように構成されている、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項6】
前記複数の光ビームは、第1の光ビーム群及び第2の光ビーム群を備え、前記第1の光ビーム群に対応する光ビームの各々は、前記第1の光ビーム群の光ビームの各々のそれぞれの固有の経路が通過するように構成された第1の領域を示す第1の変調パターンを有し、前記第2の光ビーム群に対応する光ビームの各々は、前記第2の光ビーム群の光ビームの各々のそれぞれの固有の経路が通過するように構成された第2の領域を示す第2の変調パターンを有する、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項7】
前記受信機プロセッサは、前記第1の変調パターンに基づいて第1の応答命令セットを生成し、前記第2の変調パターンに基づいて第2の応答命令セットを生成するように構成され、前記出力装置は、前記受信機装置が前記第1の領域内に配置されている場合に前記第1の応答命令セットに基づいて第1の応答を出力し、前記受信機装置が前記第2の領域内に配置されている場合に前記第2の応答命令セットに基づいて第2の応答を出力するように構成されている、請求項6に記載の空間投影システム。
【請求項8】
前記投影装置は赤外光源を備え、前記複数の光ビームは赤外光を含む、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項9】
前記投影装置は、前記複数の光ビームの個々の光ビームの各々の前記変調パターンを生成するために光源からの光を選択的に反射するように、少なくとも1つのマイクロミラーを作動させるように構成されたデジタルマイクロミラー組立体を備える、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項10】
前記受信機装置の受信機記憶装置は、前記受信機プロセッサのための少なくとも1つの復号命令セットを含み、前記少なくとも1つの復号命令セットは、周波数の範囲内の検出された光ビームに対応し、前記少なくとも1つの復号命令セットは、前記受信機プロセッサに前記周波数の範囲内の前記検出された光ビームの前記変調パターンを復号させるように構成されている、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項11】
追加の複数の光ビームを放出するように構成された追加の投影装置を備え、前記追加の複数の光ビームは、追加の変調パターンを有し、前記投影装置は、第1の周波数の範囲内の周波数で前記複数の光ビームを放出するように構成され、前記追加の投影装置は、第2の周波数の範囲内の周波数で前記追加の複数の光ビームを放出するように構成されている、請求項1に記載の空間投影システム。
【請求項12】
前記受信機プロセッサは、前記受信機装置の位置を決定し、前記受信機装置の位置に少なくとも部分的に基づいて前記応答命令を生成するように構成され、前記プロセッサは、前記第1の周波数の範囲内の少なくとも1つの検出された光ビームの前記変調パターン、及び前記第2の周波数の範囲内の少なくとも1つの追加の検出された光ビームの前記追加の変調パターンに少なくとも部分的に基づいて、前記受信機装置の位置を決定するように構成されている、請求項11に記載の空間投影システム。
【請求項13】
前記追加の投影装置は、前記複数の光ビームの方向から角度方向にオフセットされた方向に前記追加の複数の光ビームを放出するように構成されている、請求項11に記載の空間投影システム。
【請求項14】
各々がそれぞれの領域に対応する複数の画像データ命令セットを生成するように構成されたシステム制御装置と、
複数の光ビームを同時に放射するように構成された投影装置であって、前記複数の光ビームの個々の光ビームは、前記個々の光ビームが通過するように構成されている前記領域に対応する前記画像データ命令セットに基づく画像データを送信するように構成された変調パターンを有する、投影装置と、
受信機装置と、
を備える空間投影システムであって、
前記受信機装置は、
前記複数の光ビームの前記個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、
前記検出された個々の光ビームの前記変調パターンに基づいて、前記画像データを決定するように構成されたプロセッサと、
前記画像データに基づいて画像を表示するように構成された表示装置と、
を備える空間投影システム。
【請求項15】
前記表示装置は眼鏡を備え、前記眼鏡は、前記眼鏡を着用している来客に前記画像が見えるように、前記眼鏡の少なくとも1つのレンズ上に前記画像を表示するように構成されている、請求項14に記載の空間投影システム。
【請求項16】
前記画像は、テキスト画像、写真画像、ビデオ画像、又はそれらの組み合わせを含む、請求項14に記載の空間投影システム。
【請求項17】
前記投影装置は、前記個々の光ビームにおける前記変調パターンを生成するために光源からの光を選択的に反射するように、少なくとも1つのマイクロミラーを作動させるように構成されたデジタルマイクロミラー組立体を備える、請求項14に記載の空間投影システム。
【請求項18】
前記投影装置は、前記領域のそれぞれの鉛直方向上方に位置する、請求項14に記載の空間投影システム。
【請求項19】
投影装置によって複数の光ビームを放出するステップであって、前記複数の光ビームの個々の光ビームの各々は、それぞれの領域に対応するデータを送信するように構成された固有の変調パターンを有する、ステップと、
前記複数の光ビームの個々の光ビームを受信機装置によって検出するステップと、
前記検出された光ビームの固有の変調パターンによって受信機装置が受信したデータに基づいて応答命令を生成するステップと、
前記応答命令に基づく応答を出力装置によって出力するステップと、
を含む空間投影方法。
【請求項20】
前記出力装置は眼鏡を備え、前記応答は、前記眼鏡を着用している来客に画像が見えるように、前記眼鏡の少なくとも1つのレンズ上に前記画像を表示することを含み、前記画像は、テキスト画像、写真画像、ビデオ画像、又はそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の空間投影方法。
【請求項21】
複数の光ビームを放出するように構成された投影装置であって、個々の光ビームの各々は、環境内で固有の経路で放出され、前記個々の光ビームの各々は、前記固有の経路に対応する位置データを送信するように構成された変調パターンを有する、投影装置と、
受信機装置であって、前記受信機装置は、
前記変調パターンを示すセンサデータを生成するために、前記複数の光ビームの少なくとも1つの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、
前記センサデータを送信するように構成された通信回路と、
を備える、受信機装置と、
前記センサデータを受信し、前記環境内の前記受信機装置の位置を決定するように構成されたシステム制御装置と、
を備える、空間投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年9月12日出願の米国仮出願第62/899,562号「TECHNIQUES FOR SPATIAL DATA PROJECTION」の利益を主張するものであり、その開示内容は全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的に、遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、例えば、デジタルライトプロセッシングを用いた、空間データ投影のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、読み手に、以下に記載する本開示の種々の態様に関連し得る種々の態様を紹介することを意図している。この考察は、読み手に対して本開示の種々の態様をより理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【0004】
テーマパーク又は遊園地アトラクションは、ますます人気が高まっており、様々な遊園地アトラクションは、来客に固有の没入体験を提供するために作られている。特定の遊園地アトラクションは、来客に固有の没入体験を提供するのを助けるための仮想現実又は拡張現実デバイスを使用する間に、来客が自由に動き回ることを可能にする。来客がアトラクション内を移動する際に、遊園地アトラクション内での来客の位置に基づいて、来客が見る画像(例えば、ビデオフィード、写真、もしくはテキスト又は画像に基づく命令)を更新することが望ましい場合がある。従来、来客の位置を追跡してディスプレイを更新するには、オンボードカメラを備えたヘッドマウントディスプレイ、又は外部の較正された追跡システムが必要であった。しかながら、これらのヘッドマウントディスプレイは、一般的に高価で、消費電力が大きく、重量も重いため、没入感が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、現在、このような遊園地アトラクションを改善することが望ましいと認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当初請求された主題の範囲に見合った特定の実施形態が以下に要約される。これらの実施形態は、請求された主題の範囲を制限することを意図したものではなく、むしろこれらの実施形態は、主題の可能な形態の簡潔な要約を提供することのみを意図したものである。実際、主題は、以下に記載された実施形態とは類似、又は異なる可能性がある様々な形態を包含する場合がある。
【0007】
一実施形態によれば、システムは、複数の光ビームを放出するように構成された投影装置を含む。個々の光ビームは、環境内で固有の経路で放出される。さらに、個々の光ビームは、固有の経路に対応するデータを送信するように構成された変調パターンを有する。また、システムは、複数の光ビームのうちの少なくとも1つの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、検出された個々の光ビームの変調パターンを識別し、変調パターンを用いて送信された位置データに基づいて応答命令を生成するように構成された受信機プロセッサと、生成された応答命令に基づいて応答を出力するように構成された出力装置とを有する受信機装置を含む。
【0008】
一実施形態によれば、システムは、複数の画像データ命令セットを生成するように構成されたシステム制御装置を含む。各画像データ命令セットは、それぞれの領域に対応する。また、システムは、複数の光ビームを同時に放出するように構成された投影装置を含む。複数の光ビームの個々の光ビームは、個々の光ビームが通過するように構成されている領域に対応する画像データ命令セットに基づく画像データを送信するように構成された変調パターンを有する。システムは、複数の光ビームのうちの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、検出された個々の光ビームの変調パターンに基づいて、画像データを決定するように構成されたプロセッサと、画像データに基づいて画像を表示するように構成された表示装置とを有する受信機装置をさらに含む。
【0009】
一実施形態によれば、方法は、投影装置によって複数の光ビームを放出するステップを含む。複数の光ビームの個々の光ビームの各々は、それぞれの領域に対応するデータを送信するように構成された固有の変調パターンを有する。本方法は、複数の光ビームの個々の光ビームを受信機装置によって検出するステップをさらに含む。また、本方法は、検出された光ビームの固有の変調パターンによって受信機装置が受信したデータに基づいて応答命令を生成するステップを含む。さらに、本方法は、応答命令に基づく応答を出力装置によって出力するステップを含む。
【0010】
一実施形態によれば、システムは、複数の光ビームを放出するように構成された投影装置を含む。個々の光ビームの各々は、環境内で固有の経路で放出される。さらに、個々の光ビームの各々は、固有の経路に対応する位置データを送信するように構成された変調パターンを有する。また、システムは、変調パターンを示すセンサデータを生成するために、複数の光ビームの少なくとも1つの個々の光ビームを検出するように構成されたセンサと、センサデータを送信するように構成された通信回路とを有する受信機装置をさらに含む。システムは、センサデータを受信し、環境内の受信機装置の位置を決定するように構成されたシステム制御装置をさらに含む。
【0011】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同様の符号が同様の要素を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一態様による、遊園地アトラクションのための空間データ投影システムの一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の一態様による、空間データ投影システムの一実施形態のブロック図である。
【
図3】本開示の一態様による、受信機デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図4】本開示の一態様による、第1の光ビーム群及び第2の光ビーム群を遊園地アトラクションに放出する投影装置の一実施形態の上面図である。
【
図5】本開示の一態様による、複数の投影装置を有する空間データ投影システムの一実施形態の上面図である。
【
図6】本開示の一態様による、空間データ投影システムを動作させるための方法の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴を本明細書で説明することができるというわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0014】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上があることを意味することが意図されている。用語「~を備える」、「~を含む」、及び「~を有する」は、包括的であり、かつ、記載された要素以外のさらなる要素がある場合があることを意味することが意図されている。加えて、本開示の「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、記載された特徴部も組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることが意図されていないことを理解されたい。
【0015】
本明細書では、投影光、例えば、デジタルライトプロセッシング(DLP)技術を用いて投影された光を用いて、位置追跡及び/又は通信を可能にするシステム及び方法が提供される。本技術は、投影された光のフィールド内での物体の自己位置特定を容易にすることができる。すなわち、投影された光のフィールド内に位置する物体が位置情報を伝送する光ビームを検出するように、光を投影することができる。一実施形態では、1又は2以上の受信機装置は、搭載された光センサを使用して、光の固有の経路に特有の情報を伝送する投影光を検出する。受信機装置(例えば、拡張現実表示眼鏡、玩具、ワンド、又はドローン)は、受信機装置の位置を能動的に追跡することなく、遊園地アトラクション内で、位置特有の画像又は命令を受信すること、又は位置特有の特殊効果を起動することができる。投影光は、特定の光路に沿ってピクセルデータを伝送し、異なる光路は、異なるピクセルデータを伝送することができる。一実施形態では、開示された技術は、来客デバイスで生成された能動的な通信又は位置情報を使用することなく又は外部のカメラベースの追跡システムを使用することなく、位置特有のデータの伝送を可能にする。そのため、本システム及び方法は、オンボードカメラ又は外部の較正された追跡システムを備える従来のヘッドマウントディスプレイを必要としない。代わりに、本システム及び方法は、遊園地アトラクションの領域内で複数の光ビームを放出する1又は2以上の投影装置(例えば、投影機)を含むことができ、複数の光ビームの各光ビームは、固有の経路及び固有の経路を示す固有の変調パターンを有する。受信機装置を装着した来客がアトラクション内を移動すると、受信機装置は、複数の光ビームの個々の光ビームを遮断して検出することができる。受信機装置は、検出された光ビームに関連する固有の変調パターンに少なくとも部分的に基づいて、アトラクション内の受信機装置の位置を決定又は識別するように構成することができる。
【0016】
具体的には、受信機装置は、センサが個々の光ビームの固有の経路に位置する場合に個々の光ビームを検出するように構成された光学センサを含むことができる。本明細書で提示されるように、個々の光ビームは、個々の光ビームの固有の経路を示す、それぞれの固有の変調パターンを有することができる。受信機装置のプロセッサは、個々の光ビームの検出時にオンボードセンサから生成されたデータに基づいて、固有の変調パターンを識別するように構成される。本明細書で提示されるように、固有の変調パターンは、投影装置から同時に放出される他の光ビームで放出された他の変調パターンと区別できる変調パターンとすることができる。変調パターンは、プロセッサが、識別された変調パターンに少なくとも部分的に基づいて受信機装置の位置を決定できるように、固有の経路に沿って遊園地アトラクションのそれぞれの領域に対応する位置データを送信するように構成することができる。プロセッサは、識別された変調パターンに基づいて応答命令を生成することができる。さらに、受信機装置の出力装置は、位置特有の画像又は命令を受信機装置の表示装置に出力すること又は応答命令に基づいて位置特有の特殊効果を起動することができる。
【0017】
このように、遊園地アトラクション内に位置する来客の受信機装置又は他の受信機装置を含むシステムは、投影された光を受動的に検出し、検出された光に基づいて、場所又は位置情報を決定することができ、その結果、受信機装置及び/又はシステムによる追加のアクションを起動することができる。これは、位置を決定するために対象装置からの能動的な通信を必要とする又は装置自体を画像ベースで追跡する位置検出技術とは異なる。検出された光は、位置を決定できる情報を含むことができ、特定の実施形態では、位置特有のデータ又は命令を含むことができる。さらに、開示された技術は、光センサ、及び限定されたプロセッサ/メモリ機能又はその機能無しなど、受信機装置のための比較的安価な構成要素を使用して実施することができる。これは、来客に配布する又は玩具の一部として提供することができる装置から、よりコストのかかるハードウェア要素を取り除くという利点をもたらす。
【0018】
図1は、遊園地アトラクション12に配置された投影装置10を有する空間データ投影システムの一実施形態の斜視図である。投影装置10は、複数の光ビーム14を放出するように構成されている。複数の光ビーム14の各光ビームは、遊園地アトラクション12の様々な部分に向かって、固有の経路24に沿って放出される。例えば、投影装置10は、遊園地アトラクション12内の環境18の前壁16に配置することができ、複数の光ビーム14を環境18へ放出するように配向することができる。いくつかの実施形態では、投影装置は、環境の天井に配置される。複数の光ビーム14は、個々の光ビーム26が環境18の幅(すなわち、環境の左壁20から環境の右壁22まで)に広がるように放出させることができる。さらに、複数の光ビーム14は、複数の光ビーム14のうちの少なくとも一部の光ビームのそれぞれの固有の経路24が投影装置10から遊園地アトラクション12内の環境18の後壁まで進むように、放出させることができる。いくつかの実施形態では、複数の光ビーム14は、個々の光ビーム26が環境18の高さに広がるように放出させることができる。いくつかの実施形態では、複数の光ビーム14の個々の光ビーム26のうちの少なくとも一部は、識別可能な又は固有の変調パターンで放出される。変調パターンは、それぞれの個々の光ビーム26の固有の経路に沿って、遊園地アトラクション12のそれぞれの領域に対応する位置データを送信するように構成することができる。一実施形態では、投影装置10は、非可視又は可視周波数で投影する。例えば、非可視周波数を使用することは、非浸入的であり、従って、アトラクション12の没入感に貢献することができる。
【0019】
遊園地アトラクション12の来客28は、受信機装置30を有することができる。受信機装置30(例えば、拡張現実表示眼鏡、ワンド、又はドローン)は、センサを含み、センサは、センサが個々の光ビーム26の固有の経路24に配置された場合に、センサによって遮断された個々の光ビーム26を検出するように構成される。受信機装置30のプロセッサは、検出された個々の光ビーム26の固有の変調パターンを識別するように構成される。識別された固有の変調パターンに基づいて、プロセッサ、又はプロセッサ30と無線通信しているデバイスは、受信機装置30の識別された固有の変調パターンを特定の位置関連データと関連付けすることができる。例えば、プロセッサは、受信機装置30を部屋18内の予め決定された位置と関連付けするために、ルックアップテーブルにアクセスすること又は識別された固有の変調パターンを処理することができる。個々の光ビーム26は、固有の経路24に沿った複数の潜在的な位置に関連付けることができるので、この決定は、より高い強度が投影装置10に近い位置に関連付けられるような強度成分、及び/又は、位相成分を含むこともできる。さらに、異なる位置にある他の投影装置10から受け取った光を使用して、部屋18内での位置を三角測量することができる。
【0020】
プロセッサは、固有の変調パターンを用いて送信された位置データに基づいて応答命令を生成することができ、受信機装置30の出力装置は、生成された応答命令に基づいて応答40を出力する(例えば、位置特有の画像又は命令を表示する、又は位置特有の特殊効果を起動する)ように構成することができる。例えば、第1の来客32は、遊園地アトラクション12の環境のコーナー34の近くに立つことができ、第2の来客36は、遊園地アトラクション12の環境18のセンター38の近くに立つことができる。遊園地アトラクション12のイベントの間、来客28の各々は、環境18のセンター38に移動することを要求される場合がある。第1の来客32は環境18のコーナー34の近くに立っているので、第1の来客に対応する第1の受信機装置46は、第1の受信機装置を介して、第1の来客32に環境18のセンター38に移動するように第1の命令42を出力することができる。第2の来客36は既に環境18のセンター38に位置しているので、第2の来客に対応する第2の受信機装置48は、第2の受信機装置を介して、第2の来客36に環境18のセンター38に留まるように第2の命令44を出力することができる。別の例では、受信機装置30は、環境18内の来客28の位置に基づいて様々な色に光るように構成されたワンドとすることができる。来客28が環境18のコーナー34から環境のセンター38に向かって移動すると、ワンドは赤色から緑色に変色することができる。
【0021】
各受信機装置30は、スクリーンを有する表示装置を含むことができる。出力又は応答は、出力装置を介して表示装置のスクリーンに表示されるように構成された画像を含むことができる。例えば、受信機装置30は、遊園地アトラクションの来客が着用するように構成された一対の拡張現実眼鏡(AR眼鏡)とすることができる。表示装置は、AR眼鏡のレンズを含むことができ、出力装置は、応答40(例えば、画像又は命令)がAR眼鏡を着用している来客28に見えるように、応答40をレンズに投影するように構成されたAR投影装置を含むことができる。応答40は、テキスト画像(例えば、環境のセンターに移動させるためのテキストベースのメッセージ)を含むことができる。しかしながら、応答40は、写真画像、ビデオ画像、又はそれらの何らかの組み合わせを含むことができる。例えば、一部の来客28(例えば、子供、外国人来客など)は、テキストベースのメッセージを理解できない場合がある。従って、応答40は、写真画像(例えば、来客を環境のセンターに導くために、目標の目的地を指すように構成された矢印)を含むことができる。
【0022】
来客28が遊園地アトラクション12内を移動する際に、受信機装置30は、遊園地アトラクション12内の来客28の位置に基づいて応答40を更新することができる。具体的には、受信機装置30が遊園地アトラクション12の中を進む際に、センサは、センサによって遮断された異なる個々の光ビームを検出することができる。センサによって検出された異なる個々の光ビームの各々は、固有の変調パターンを有することができる。受信機装置30は、検出された固有の変調パターンに基づいて応答40を生成するように構成されているので、受信機装置30は、受信機装置30が遊園地アトラクション12の中を進む際に、センサによって検出された変化する固有の変調パターンに基づいて、応答40(例えば、画像)を更新することができる。受信機装置30は、遊園地アトラクション12内の来客28に対応する受信機装置30の位置に基づいて、任意の数の応答40を出力するように構成することができる。
【0023】
一実施形態では、受信機装置30は、空中ドローンと共に使用される。空中ドローンは、遊園地アトラクション12の周りの飛行経路をたどるように構成することができる。空中ドローンは、複数の光ビーム14を検出するように構成されたセンサを有することができる。複数の光ビーム14を用いて送られる固有の変調パターンに基づいて、空中ドローンは、特別な効果を起動又は発するように構成することができる。例えば、空中ドローンは、第1の固有の変調パターンに応答して赤く光り、第2の変調パターンに応答して紙吹雪を発するように構成することができる。一実施形態では、受信機装置30は、移動式セットピースに組み込むことができる。
【0024】
図2は、空間データ投影システム50の一実施形態のブロック図である。空間データ投影システム50の受信機装置30は、投影装置10から放出され、受信機装置30のセンサ52(例えば、光センサ)によって検出された固有の変調パターンに基づいて、応答40を生成するように構成される。遊園地制御システム54は、通信回路58a,58bを介して命令56を投影装置10に伝達するように構成される。通信回路58a,58bは、アンテナ、無線送受信機回路、及び信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/Dコンバータ、マルチプレクサアンプ)、又はそれらの組み合わせを含むことができ、赤外線(IR)無線通信、衛星通信、放送ラジオ、マイクロ波ラジオ、Bluetooth、Zigbee、Wifi、UHF、NFCなどを介して、無線通信経路上で通信するように構成することができる。
【0025】
遊園地制御システム54は、プロセッサ62及びメモリ64を含むシステム制御装置60を有することができる。プロセッサ62は、1又は2以上の処理装置を含むことができ、メモリ64は、1又は2以上の有形の、非一時的な機械可読媒体である。例示的に、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、あるいは、機械実行可能な命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用することができ、プロセッサ62又は他のプロセッサベースの装置(例えば、モバイル装置)によってアクセスされることができる他の媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリ64は、様々な制御システム信号(例えば、命令56)を出力するためにプロセッサ62によって実行可能なシステム制御装置命令66を格納するように構成される。例えば、プロセッサ62は、システム制御装置命令66を実行して、投影装置10を起動するための命令56と共に1又は複数の制御システム信号68を出力することができる。いくつかの実施形態では、命令56は、投影装置10から放出される複数の光ビーム14を用いて出力される変調パターンを制御するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、システム制御装置60は、複数の画像データ命令セット70を生成するように構成される。複数の画像データ命令セット70は、制御信号58を介して伝達することができ、投影装置10に特定の固有の変調パターンを放出させるように構成される。システム制御装置60は、遊園地アトラクションのそれぞれの領域に関する画像データ命令セット72を生成するように構成することができる。例えば、遊園地アトラクションは、3つの領域に分割することができる。システム制御装置60は、3つの領域の各々に関する画像データ命令セット72a、72b、72cを生成することができる。第1の画像データ命令セット72aは、投影装置10が第1の光ビーム群74aを放出するように、通信回路58a、58bを介して投影装置10に伝達することができ、第1の光ビーム群74aの各光ビームは、第1の固有の変調パターンを有する。同様に、システム制御装置60は、各々が投影装置10に伝達されるように構成される第2の画像データ命令セット72b及び第3の画像データ命令セット72cを生成することができ、投影装置10は、それぞれ第2及び第3の固有の変調パターンを有する第2の光ビーム群74b及び第3の光ビーム群74cを放出するようになっている。第1の固有の変調パターンは、受信機装置30(例えば、AR眼鏡、ワンド、空中ドローン)を青色に光らせることができる。第2及び第3の変調パターンは、受信機装置30をそれぞれ緑色及び赤色に光らせることができる。従って、来客に対応する受信機装置30は、来客が受信機装置30と一緒に第1、第2、及び第3の画像データ命令セット72a、72b、72cに対応する遊園地アトラクションの3つの領域を進む際に、青色から緑色そして赤色に変色することができる。
【0027】
上述したように、投影装置10は、通信回路58a,58bを介してシステム制御装置60から制御システム信号68を受信するように構成されている。投影装置10は、制御システム信号68を受信するように構成された通信回路58bを有する。さらに、投影装置10は、複数の光ビーム14を生成するように構成された光源76を含む。いくつかの実施形態では、光源76は、複数の赤外光ビームを放出するように構成された赤外光源である。いくつかの実施形態では、複数の光ビーム14は、可視光ビーム、紫外光ビーム、又はそれらの何らかの組み合わせとすることができる。光源76は、1又は複数の制御システム信号68に少なくとも部分的に基づいて個々の光ビームを放出するように構成された複数のダイオードを含むことができる。
【0028】
さらに、投影装置は、デジタルマイクロミラーシステム78を含むことができる。デジタルマイクロミラーシステム78は、システム制御装置60からの1又は複数の制御システム信号68に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成することができる。デジタルマイクロミラーシステム78は、異なる向きの間で作動し、光源76から放出された複数の光ビーム14を反射するように構成された、複数のミラーを含むことができる。複数のミラーは、1又は複数の制御システム信号68に少なくとも部分的に基づいて、複数の光ビーム14の各光ビームに関する固有の変調パターンを生成するために、複数の光ビーム14を選択的に反射するように構成することができる。複数のミラーは、固有の変調パターンがバイナリコードを送るように、複数の光ビーム14を選択的に反射することができる。
【0029】
受信機装置30は、投影装置10から放出された複数の光ビーム14の個々の光ビーム26を検出するように構成されている。具体的には、センサ52は、個々の光ビーム26に対応する固有の経路内に又はそれに沿って配置された場合に、複数の光ビーム14の個々の1又は複数の光ビーム26を検出するように構成される。センサ52は、検出された個々の光ビーム26に関連するデータ80を、受信機装置30の受信プロセッサ82に出力するように構成することができる。いくつかの実施形態では、固有の変調パターンは、バイナリコードを送るように構成される。個々の光ビーム26の検出は、バイナリ「1」を示すことができ、個々の光ビーム26の検出の空白(gap)(例えば、センサ52が個々の光ビーム26を検出しない)は、バイナリ「0」を示すことができる。しかしながら、個々の光ビーム26を用いて固有の変調パターンを送るために、何らかの適切なコード又は通信方法を使用することができる。
【0030】
受信機装置は、検出された個々の光ビーム26に関連するデータ80を受信し、個々の光ビーム26を用いて放出された固有の変調パターンを識別するように構成された、受信機プロセッサ82及び受信機記憶装置86を有する受信機制御装置84を含むことができる。受信機記憶装置86は、投影装置10から放出される可能性のある変調パターンに対応する複数の応答を記憶することができる。受信機プロセッサ82は、検出された個々の光ビーム26からの識別された変調パターンと、受信機記憶装置86に記憶された複数の応答とに基づいて、応答命令90を生成するように構成することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、投影装置10は、複数の光ビーム14を様々な周波数で放出するように構成される。受信機記憶装置86は、受信機プロセッサ82のための復号命令セットを有することができる。復号命令セットは、所定の周波数の範囲(例えば、300GHzから3000GHz)内の検出された個々の光ビーム26に対応することができ、少なくとも1つの復号命令は、受信機プロセッサ82に、周波数の範囲内の検出された個々の光ビーム26の固有の変調パターンを復号させ、復号された固有の変調パターンに基づいて応答命令90を生成させるように構成される。いくつかの実施形態では、復号命令は、受信機装置30によって様々とすることができる。例えば、遊園地アトラクションは、大人用の第1の受信機装置30及び子供用の第2の受信機装置30を有することができる。第1の受信機装置30は、第1の受信機記憶装置に記憶された第1の復号命令セットを有し、第2の受信機装置30は、第2の受信機記憶装置に記憶された第2の復号命令セットを有することができる。さらに、投影装置10は、第1の周波数範囲内の周波数を有する第1の個々の光ビームを用いて遊園地アトラクションの第1の領域に第1の固有の変調パターンを出力するように構成することができる。また、投射装置10は、第2の周波数範囲内の周波数を有する第2の個々の光ビームを用いて遊園地アトラクションの第2の領域に第2の固有の変調パターンを出力するように構成することができる。第1の固有の変調パターンは、遊園地アトラクションの第1の領域において、第1の受信機装置(例えば、大人用の受信機装置)の発光を停止させ、第2の固有の変調パターンは、第2の受信機装置(例えば、子供用の受信機装置)の発光を開始させるように構成することができる。従って、受信機装置30は、受信機記憶装置86に格納された復号命令に基づいて応答を出力するように構成することができる。
【0032】
さらに、受信機プロセッサ82は、応答命令90を受信機装置30の出力装置94に出力するように構成することができる。出力装置94は、生成された応答命令90に基づいて応答を出力するように構成される。応答は、表示装置96を用いて画像又は命令を表示すること、特殊効果を起動すること、又は他の適切な応答を含むことができる。いくつかの実施形態では、受信機装置30は、表示装置96(例えば、AR眼鏡)を含む。生成された応答命令90は、表示装置96に、受信機装置30に対応する来客28のための画像を表示させるように構成することができる。上述したように、表示された画像は、遊園地アトラクション内の受信機装置30の位置に基づくことができる。さらに、表示された画像は、受信機装置30の受信機記憶装置86に格納された復号命令に基づくことができる。
【0033】
一実施形態では、受信機装置30は、プロセッサ82、メモリ84、及び/又は出力装置94のうちの1又は2以上を使用することなく実施できることを理解されたい。すなわち、1つの構成では、受信機装置30は、センサ52と、センサ52からの検出された光データを装置識別情報と共に制御システム54に伝達するための通信回路とを含むことができる。制御システム54は、位置情報及び/又は他の命令を用いて、検出された光データと受信機装置30との関連付けを行うことができる。
【0034】
図3は、受信機装置30の一実施形態の斜視図である。受信機装置30は、拡張現実表示眼鏡(AR眼鏡)、ワンド、ドローン、又は投影装置10から放出される個々の光ビーム26を検出するように構成された他の適切な装置とすることができる。図示された実施形態では、受信機装置30は、一対のAR眼鏡である。受信機装置30は、複数の光ビーム14の個々の光ビーム26を検出するように構成されたセンサ52を含む。センサ52は、AR眼鏡のフレーム98に結合することができる。さらに、センサ52は、AR眼鏡のフレーム98の前方部100に結合することができる。センサ52は、赤外光センサ、可視光センサ、又は紫外光センサとすることができる。センサ52の種類(例えば、赤外光、紫外光、可視光)は、投影装置10を介して放出される個々の光ビーム26の光の種類に対応するように設定される。
【0035】
受信機装置30は、受信機プロセッサ82及び受信機記憶装置86を有する受信機制御装置84を含む。受信機制御装置84は、AR眼鏡のフレーム98に結合することができる。上述したように、受信機プロセッサ82は、検出された個々の光ビーム26の固有の変調パターン102を識別し、識別された固有の変調パターン102に基づいて応答命令を生成するように構成される。さらに、受信機プロセッサ82は、応答命令を出力装置94に出力するように構成される。
【0036】
出力装置94は、生成された応答命令に基づいて、応答を出力する(例えば、位置特有の画像又は命令を表示する、又は位置特有の特殊効果を起動する)ように構成される。図示された実施形態では、出力装置94は、表示装置96を含む。このように、応答は、位置特有の画像を表示装置96に表示するように構成することができる。表示装置は、AR眼鏡のフレーム98に結合されたスクリーン又はマイクロディスプレイを含むことができる。スクリーン又はマイクロディスプレイは、AR眼鏡を着用している来客が位置特有の画像を見ることができるように、AR眼鏡の左レンズ104、右レンズ106、又は両方のレンズに結合することができる。いくつかの実施形態では、左レンズ104及び右レンズ106は、スクリーン又はマイクロディスプレイである。
【0037】
いくつかの実施形態では、出力装置94は、生成された応答命令に基づいて複数の応答を出力するように構成される。例えば、出力装置94は、表示装置96に位置特有の画像を表示することに加えて、AR眼鏡を光らせる又は点灯させるように構成することができる。
【0038】
図4は、第1の光ビーム群74a及び第2の光ビーム群74bを遊園地アトラクション12に放出する投影装置10の一実施形態の上面図である。いくつかの実施形態では、複数の光ビーム14の個々の光ビーム26は、複数の光ビーム群に分割される。同じ群の光ビームに対応する個々の光ビーム26の各々は、固有の変調パターンを共有することができる。例えば、複数の光ビーム14は、第1の光ビーム群74a及び第2の光ビーム群74bを含むことができる。第1の光ビーム群74aは、第1の光ビーム群74aの個々の光ビーム26の各々のそれぞれの固有の経路が通過するように構成された遊園地アトラクション12の第1の領域108を示す、第1の変調パターンを含むことができる。すなわち、第1の光ビーム群74aは、遊園地アトラクション12の環境18の第1の領域108(例えば、左部分)に向かって放出された個々の光ビーム26の各々を含むことができる。第2の光ビーム群74bは、第2の光ビーム群74bの個々の光ビーム26の各々のそれぞれの固有の経路が通過するように構成された遊園地アトラクション12の第2の領域110を示す第2の変調パターンを含むことができる。すなわち、第2の光ビーム群は、遊園地アトラクション12の環境18の第2の領域110(例えば、右部分)に向かって放出された個々の光ビームの各々を含むことができる。
【0039】
受信機装置30の受信機プロセッサ82は、光ビームの群の各々に関して異なる応答命令を生成するように構成することができる。このように、受信機プロセッサ82は、第1の光ビーム群74aに対応する第1の変調パターンに基づいて第1の応答命令セットを生成し、第2の光ビーム群74bに対応する第2の変調パターンに基づいて第2の応答命令セットを生成することができる。さらに、受信機装置30は、受信機装置が遊園地アトラクション12の第1の領域108内に位置する場合に、第1の応答命令セットを受信することに応答して、出力装置を介して第1の応答(例えば、来客の滞在命令)を出力することができる。さらに、受信機装置30は、受信機装置が遊園地アトラクション12の第2の領域110内に位置している場合に、第2の応答命令セットを受信することに応答して、出力装置を介して第2の応答(例えば、来客が環境のセンターに移動させるための命令)を出力することができる。
【0040】
図5は、複数の投影装置10を有する空間データ投影システム50の一実施形態の上面図である。いくつかの実施形態では、空間データ投影システム50は、追加の複数の光ビーム114を遊園地アトラクション12に放出するように構成された少なくとも1つの追加の投影装置112を含む。追加の投影装置112は、追加の複数の光ビーム114の追加の個々の光ビーム116が、複数の光ビーム14の個々の光ビーム26から角度方向にオフセットした方向に放出されるように配置することができる。例えば、投影装置10は、遊園地アトラクション12の環境18の前壁16に配置することができ、追加の投影装置112は、遊園地アトラクション12の環境18の左壁20に配置することができる。
【0041】
追加の複数の光ビーム114は、追加の個々の光ビーム116を用いて送られる追加の固有の変調パターンを含むことができる。受信機プロセッサは、個々の光ビーム26及び追加の個々の光ビーム116の両方を検出することによって、少なくとも2つの角度(例えば、x方向118及びy方向120)に対する受信機装置の位置を決定することができる。受信機プロセッサは、個々の光ビーム26のみを検出する場合、x方向118に関する受信機装置30の位置のみを決定することができる。すなわち、追加の個々の光ビーム116を介して受信した追加の固有の変調パターンのデータを、検出された個々の光ビーム26から受信した固有の変調パターンと組み合わせて使用して、受信プロセッサは、遊園地アトラクションの環境18におけるx方向118(例えば、横方向の位置)及びy方向120(例えば、縦方向の位置)に対する受信機装置の位置を決定することができる。
【0042】
受信機プロセッサ82は、個々の光ビーム26がx方向118にわたって変化するそれぞれの固有の経路をたどるので、個々の光ビーム26のみを検出する場合、x方向118に関する受信機装置30の位置のみを決定することができる。従って、受信機装置30は、検出された個々の光ビーム26と、検出された個々の光ビーム26に関連する対応するx方向の位置とに基づいて、受信機装置30の横方向の位置を決定することができる。しかしながら、個々の光ビーム26が、y-方向120と実質的に整列した固有の経路をたどる場合、個々の光ビーム26は、受信機装置30に明確なy-方向データを提供しない場合があり、y-方向120に対する受信機装置30の位置は、個々の光ビーム26のみを検出することによって決定されない場合がある。
【0043】
しかしながら、追加の複数の光ビーム114は、複数の光ビーム14に対して実質的に垂直に放出することができる。従って、追加の複数の光ビーム114の追加の個々の光ビーム116は、Y方向120に沿って変化するそれぞれの固有の経路をたどることができる。従って、受信機装置30は、検出された追加の個々の光ビーム116と、検出された追加の個々の光ビーム116に関連する対応するY方向の位置とに基づいて、受信機装置30の縦方向の位置を決定することができる。結果的に、受信機装置30は、個々の光ビーム26によって伝達される固有の変調パターンに基づいて、x方向に関する受信機装置30の横方向の位置を決定し、追加の個々の光ビーム116を用いて伝達される追加の固有の変調パターンに基づいて、y方向に関する受信機装置30の縦方向の位置を決定することができる。
【0044】
受信機装置30のセンサは、複数の光ビーム14及び追加の複数の光ビーム114を検出するように構成することができる。複数の光ビーム14と追加の複数の光ビーム114とを区別するために、投影装置10及び追加の投影装置112は、異なる周波数範囲内でそれぞれの光ビームを放出するように構成することができる。例えば、投影装置10は、第1の周波数範囲内の周波数(例えば、300GHzから3000GHz)で複数の光ビーム14を放出するように構成することができ、追加の投影装置112は、重複しない第2の周波数範囲内の周波数(例えば、3000GHz-6000GHz)で追加の複数の光ビーム114を放出するように構成することができる。センサは、第1の周波数範囲及び第2の周波数範囲の両方で個々の光ビームを検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、受信機装置30は、第1の周波数範囲内の光ビームを検出するように構成された第1のセンサと、第2の周波数範囲内の光ビームを検出するように構成された第2のセンサとを含む。第1のセンサ、第2のセンサ、又はその両方は、複数の光ビーム14の検出された個々の光ビーム26、追加の複数の光ビーム114の追加の個々の光ビーム116、又はその両方に対応する位置データをプロセッサに出力するように構成することができる。
【0045】
受信機装置30のプロセッサは、第1のセンサ、第2のセンサ、又はその両方から出力された位置データに少なくとも部分的に基づいて、受信機装置30の位置を決定し、応答命令を生成するように構成される。プロセッサは、受信機装置30の位置(すなわち、x方向、y方向、又はその両方に関する)を決定し、第1の周波数範囲内の検出された個々の光ビーム26に対応する固有の変調パターン、第2の周波数範囲内の追加光ビーム116に対応する追加の固有の変調パターン、又はその両方に少なくとも部分的に基づいて、応答命令を生成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、受信機装置30は、個々の光ビーム26のみからの固有の変調パターンに基づいて、受信機装置30の横方向及び縦方向の位置を決定するように構成することができる。固有の変調パターンは、経時的に変化するように構成することができる。受信機装置30のプロセッサは、受信機装置30のセンサが個々の光ビーム26を検出する時間に少なくとも部分的に基づいて、受信機装置30の縦方向の位置を決定するように構成することができる。受信機記憶装置は、固有の変調パターンに関連する時間データを記憶するように構成することができる。時間データは、特定の固有の変調パターンに対応する縦方向の位置と、個々の光ビームが検出される時間とを含むことができる。時間データ及び検出された個々の光ビームに基づいて、受信機プロセッサは、受信機装置30の横方向及び縦方向の位置を決定することができる。
【0047】
図6は、空間データ投影システムを動作させるための方法の一実施形態のフローチャート128である。本方法は、投影装置によって複数の光ビームを放出するステップを含み、複数の光ビームの各光ビームは、遊園地アトラクションのそれぞれの領域に対応するデータを送信するように構成された固有の変調パターンを含む(ブロック130)。データは、それぞれの光ビームが通過する遊園地アトラクションのそれぞれの領域に対応することができる。
【0048】
本方法は、受信機装置によって複数の光ビームの個々の光ビームを検出するステップをさらに含む(ブロック132)。受信機装置は、拡張現実表示眼鏡(AR眼鏡)、ワンド、ドローン、又は、投影装置から放出された個々の光ビームを検出するように構成された他の適切な装置を含むことができる。
【0049】
本方法は、検出された個々の光ビームの固有の変調パターンから受け取ったデータに基づいて、応答命令を生成するステップを含む(ブロック134)。上述したように、データは、遊園地アトラクションのそれぞれの領域に対応することができる。いくつかの実施形態では、データは、位置データを含む。プロセッサは、位置データに基づいて、遊園地アトラクション内の受信機装置の位置又は場所を決定することができる。さらに、プロセッサは、受信機装置の位置又は場所に基づいて、出力装置に応答を出力させるように構成された応答命令を生成することができる。別の実施形態では、データは、通信回路を介して出力装置に直接伝達することができる命令を含む。命令は、出力装置に応答を出力させるように構成することができる。
【0050】
本方法は、出力装置によって、生成された応答命令に基づく応答を出力することをさらに含む(ブロック136)。いくつかの実施形態では、出力装置は眼鏡を含む。さらに、応答は、眼鏡を着用している来客に画像が見えるように、眼鏡の少なくとも1つのレンズに画像を表示することを含むことができる。さらに、画像は、テキスト画像、写真画像、ビデオ画像、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0051】
本明細書では、開示された実施形態の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば多くの修正及び変更を想起するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神の範囲に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0052】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0053】
10 投影装置
12 遊園地アトラクション
14 複数の光ビーム
16 前壁
18 環境
20 左壁
22 右壁
24 固有の経路
26 個々の光ビーム
28 来客
30 受信機装置
32 第1の来客
36 第2の来客
38 センター
40 応答
42 第1の命令
44 第2の命令
46 第1の受信機装置
48 第2の受信機装置
【国際調査報告】