(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】先進的な大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器
(51)【国際特許分類】
F28B 9/02 20060101AFI20221107BHJP
F28B 1/06 20060101ALI20221107BHJP
F28B 7/00 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
F28B9/02
F28B1/06
F28B7/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516242
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020022259
(87)【国際公開番号】W WO2021050105
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518276368
【氏名又は名称】エバプコ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Evapco, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】バグラー,トーマス ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】リベール,ジャン-ピエール
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】アスロン,トビー
(72)【発明者】
【氏名】セクストン,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデブラント,ベン
(57)【要約】
独立して熱交換器セクションのフレームに積み込まれて支持されている複数の熱交換器パネルを備える大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器である。熱交換器パネル内に凝縮器管の下端部に蒸気を供給するとともに、同じ管内に形成された凝縮液を受け入れるために、各熱交換器パネルの下部の長さに沿って下部ボンネットが延在している。管の上部は、上部ボンネットに接続されている。未凝縮蒸気及び非凝縮液が凝縮器管から上部ボンネットに吸引される。蒸気分配マニホールドが、熱交換器セクションのフレームから熱交換器パネルの長手方向軸に垂直で且つ熱交換器パネルの中心部の下方に吊り下げられ、各下部ボンネットの中心部にある単一の蒸気入口を介して各熱交換器パネルに蒸気を供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用蒸気生産設備に接続される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器であって、
単一又は複数の凝縮器ストリートを備え、
各凝縮器ストリートは、1列の凝縮器モジュールを備え、
各凝縮器モジュールは、熱交換器セクションに支持された複数の熱交換器パネルを通じて空気を引き込む単一のファン又は複数のファンを有するプレナムセクションを備え、
各熱交換器パネルは、長手方向軸と、当該長手方向軸に対して直交する交差軸とを有し、
各熱交換器パネルは、複数の管と、各管の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、少なくとも前記管のサブセットの下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットとを備え、
各下部ボンネットは、単一の蒸気入口を有し、
各凝縮器ストリートは、複数の熱交換器パネルの中間部において、前記熱交換器セクションから吊り下げられるとともに、前記複数の熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直である軸に沿って配置され、複数の熱交換器パネルの下方で凝縮器ストリートの長さにわたって延在する、蒸気分配マニホールドを備え、
前記蒸気分配マニホールドは、第1の端部と第2の端部とを有するシリンダを備え、
前記シリンダは、前記第1の端部から遠位の第2の端部で閉塞され、その上面に複数の接続部を備え、
前記複数の接続部のそれぞれは、対応する前記単一の蒸気入口に接続されるように構成されている、
大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項2】
各熱交換器パネルは、前記熱交換器パネル内の全ての管が前記管の下端部から蒸気を受け取る第1段の凝縮器を備える、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項3】
各熱交換器パネルは、二次凝縮器セクションと、一次凝縮器セクションと、前記二次凝縮器セクション及び前記一次凝縮器セクションの各管の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、前記一次凝縮器セクションの各管の下端部に接続されて流体連通する一次下部ボンネットと、前記二次凝縮器セクションの各管の下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットの内部二次チャンバと、前記一次下部ボンネットの上側に接続された二次下部ボンネットとを備え、各々の前記一次下部ボンネットは、単一のステム入口を有する、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項4】
各熱交換器パネルは、前記二次凝縮器セクションに隣接する2つの一次凝縮器セクションを備える、請求項3に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項5】
前記二次凝縮器セクションは、前記熱交換器パネルに沿って中心部に配置され、両端部が一次凝縮器に隣接する、請求項4に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項6】
前記蒸気分配マニホールドのシリンダは、第1の端部がタービン排気ダクトに取り付けられている、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項7】
前記蒸気分配マニホールドは、両端部が閉塞され、底面に蒸気竪管に対する単一の接続部を有する、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項8】
各熱交換器パネルは、複数の可撓性を有する吊り下げ支持体によって前記熱交換器セクションのフレームから独立して吊り下げられている、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項9】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、同じ方向に配向されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項10】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直方向に配向されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項11】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直に対して同じ角度で、同じ方向に配向されている、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項12】
単一の熱交換器セクションの一方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して一方向に傾斜し、単一の熱交換器セクションの他方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して反対方向に傾斜している、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項13】
前記プレナムセクションは、ファンデッキの骨格に載置され、前記熱交換器セクションで全ての熱交換器パネルにわたって空気を吸い込む単一のファンを備える、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項14】
前記プレナムセクションは、ファンデッキの骨格に載置された複数のファンデッキプレートを備え、各ファンデッキプレートは、複数のファンを備える、請求項1~8のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項15】
各ファンは、2以下の熱交換器パネルにわたって空気を吸引する、請求項14に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項16】
各可撓性を有する吊り下げ支持体は、接続スリーブに両端部を接続された中央ロッドを備え、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第1の接続スリーブは、前記熱交換器セクションのフレームに接続され、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第2の接続スリーブは、前記熱交換器パネルの管シートに接続されている、請求項8に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項17】
前記熱交換器パネルにおける前記複数の管は、2.0m~2.8mの長さ、120mmの断面高さ、及び4~10mmの断面幅を有する、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項18】
前記複数の管は、5.2~7mmの断面幅を有する、請求項17に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項19】
前記複数の管は、6.0mmの断面幅を有する、請求項18に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項20】
前記熱交換器パネルにおける前記複数の管は、当該管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、前記フィンは、9~10mmの高さを有し、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置されている、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項21】
前記熱交換器パネルにおける前記複数の管は、当該管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、前記フィンは、隣接する管間の空間にわたって18mm~20mmの高さを有して隣接する管に接触し、前記フィンは、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置されている、請求項3に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項22】
請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の組立方法であって、
熱交換器セクションのフレーム及び前記熱交換器パネルを備える熱交換器セクションを地上で組み立てるステップと、
前記熱交換器パネルの直下で隣接する蒸気分配マニホールドセクションを吊り下げ可能な地上からの高さで前記熱交換器セクションを支持するステップと、
ファンデッキ及びファンアセンブリを備えるプレナムセクションを地上で組み立てるステップと、
組み立てられた前記熱交換器セクション及び前記蒸気分配マニホールドセクションを持ち上げて、対応する下部構造体の上に配置するステップと、
隣接する蒸気分配マニホールドセクションを互いに取り付けるステップと、
組み立てられた前記プレナムセクションを持ち上げて前記熱交換器セクションの上に配置するステップと、
を含む、組立方法。
【請求項23】
産業用蒸気生産設備に接続される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器であって、
単一又は複数の凝縮器ストリートを備え、
各凝縮器ストリートは、1列の凝縮器モジュールを備え、
各凝縮器モジュールは、熱交換器セクションに支持された複数の熱交換器パネルを通じて空気を引き込む単一のファン又は複数のファンを有するプレナムセクションを備え、
各熱交換器パネルは、長手方向軸と、当該長手方向軸に対して直交する交差軸とを有し、
各熱交換器パネルは、複数の凝縮器管と、各凝縮器管の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、各凝縮器管の下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットとを備え、
各下部ボンネットは、単一の蒸気入口を有し、
各凝縮器ストリートは、前記熱交換器パネルの中間部において、前記熱交換器セクションの下部側から吊り下げられるとともに、当該下部側に直接的に隣接し、前記複数の熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直である軸に沿って配置され、前記凝縮器ストリートの長さにわたって延在する、単一の蒸気分配マニホールドを備え、
前記蒸気分配マニホールドは、第1の端部がタービン排気ダクトに取り付けられ、前記第1の端部から遠位の第2の端部が閉塞されたシリンダを備え、
前記シリンダは、その上面に、前記下部ボンネットの入口に接続されるように構成された複数の接続部を備える、
大規模現場組立型産業用蒸気凝縮器。
【請求項24】
各熱交換器パネルは、前記熱交換器パネル内の全ての管が当該管の下端部から蒸気を受ける1段のみを備える、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項25】
前記上部ボンネットは、前記凝縮器管から非凝縮性ガスを受け取るように構成されている、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項26】
各熱交換器パネルは、複数の可撓性を有する吊り下げ支持体によって前記凝縮器モジュールのフレームから吊り下げられている、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項27】
各可撓性を有する吊り下げ支持体は、接続スリーブに両端部を接続された中央ロッドを備え、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第1の接続スリーブは、前記凝縮器モジュールのフレームに接続され、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第2の接続スリーブは、前記熱交換器パネルの管シートに接続されている、請求項26に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項28】
前記複数の凝縮器管は、2.0m~2.8mの長さ、120mmの断面高さ、及び4~10mmの断面幅を有する、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項29】
前記凝縮器管は、5.2~7mmの断面幅を有する、請求項28に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項30】
前記凝縮器管は、6.0mmの断面幅を有する、請求項29に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項31】
前記複数の凝縮器管は、当該凝縮器管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、前記フィンは、9~10mmの高さを有し、1インチあたり5~12個のフィンで間隔を空けて配置されている、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項32】
前記複数の凝縮器管は、当該凝縮器管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、前記フィンは、隣接する管間の空間にわたって18mm~20mmの高さを有して隣接する管に接触し、前記フィンは、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置されている、請求項23に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項33】
請求項23に記載の大規模な現場架設型空冷式凝縮器の組立方法であって、
熱交換器セクションフレーム及び前記熱交換器パネルを備える熱交換器セクションを地上で組み立てるステップと、
前記熱交換器パネルの直下で隣接する蒸気分配マニホールドセクションを吊り下げるのに十分な地上からの高さで前記熱交換器セクションを支持するステップと、
ファンデッキ及びファンアセンブリを備えるプレナムセクションを地上で組み立てるステップと、
組み立てられた前記熱交換器セクション及び前記蒸気分配マニホールドセクションを持ち上げて、対応する下部構造体の上に配置するステップと、
隣接する蒸気分配マニホールドセクションを互いに接続するステップと、
組み立てられた前記プレナムセクションを持ち上げて前記熱交換器セクションの上に配置するステップと、
を含む、組立方法。
【請求項34】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、同じ方向に配向されている、請求項23~32のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項35】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直方向に配向されている、請求項23~32のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項36】
単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直に対して同じ角度で、同じ方向に配向されている、請求項23~32のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項37】
単一の熱交換器セクションの一方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して一方向に傾斜し、単一の熱交換器セクションの他方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して反対方向に傾斜している、請求項23~32のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項38】
前記プレナムセクションは、ファンデッキの骨格に載置された複数のファンデッキプレートを備え、各ファンデッキプレートは、複数のファンを備え、各ファンは、2以下の熱交換器パネルにわたって空気を吸い込む、請求項23~32のいずれか1つに記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【請求項39】
前記上部ボンネットは、前記凝縮器管から非凝縮性ガスを受け取るように構成されている、請求項1に記載の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器は、1つのファンに対して1つのAフレームで、大型ファンの上方でAフレーム内に配置された熱交換器バンドルで構成されている。各管バンドルは、典型的には、35~45個の垂直方向に配向された扁平フィン付き管を含み、各管は、長さ約11m×高さ200mm、半円形の前縁部及び後縁部、18~22mmの外幅を有する。各Aフレームには、通常、片側あたり5~7本の管バンドルが含まれている。
【0003】
また、上述の典型的なAフレームACCは、第1段又は「一次」凝縮器バンドル(KondensorのK-管バンドルと呼ばれることもある)と第2段又は「二次」凝縮器バンドル(DephlegmatorのD管バンドルと呼ばれることもある)との両方を含む。熱交換器の約80%から90%は、第1段又は一次凝縮器である。蒸気は、一次凝縮器の上部から入り、凝縮液及び一部の蒸気は、下部から出る。第1段において、蒸気及び凝縮液は、熱交換器バンドルの下方を移動する。このプロセスは、一般に並流凝縮段と呼ばれる。第1段の構成は、熱的に効率的であるが、非凝縮性ガスを除去する手段を備えていない。非凝縮性ガスを第1段の管バンドルから掃き出すために、熱交換器バンドルの10%から20%が第2段又は二次凝縮器として構成され、通常一次凝縮器の間に点在し、下部凝縮マニホールドから蒸気を取り込む。この配置では、蒸気と非凝縮性ガスとが第1段の凝縮器を通り、二次凝縮器の下部に引き込まれる。混合ガスが二次凝縮器を上昇するにつれて、残りの蒸気が凝縮され、非凝縮性ガスが上部に集中し、凝縮液が下部に排出される。この過程は、一般に逆流式凝縮段と呼ばれる。二次凝縮器の上部は、システムから非凝縮性ガスを除去する真空マニホールドに取り付けられている。
【0004】
標準的な従来技術のACCの配置に対する変形例が、例えば、米国特許出願第2015/0204611号及び米国特許出願第2015/0330709号に開示されている。これらの出願は、同じフィン付き管を示しているが、劇的に短くされ、一連の小さなAフレーム、典型的には1つのファンに対して5~6個のAフレームに配置されている。その理由の1つは、蒸気側の圧力損失を低減させることにある。蒸気側の圧力損失は、夏場は全体の容量に与える影響が小さいが、冬場はより大きな影響を与える。また、別の理由は、工場で各々の管バンドルに上部蒸気マニホールドダクトを溶接して出荷することで、現場での高価な溶接作業を省くことにある。このように、工場で蒸気マニホールドを取り付け、管バンドルと一緒に出荷することで、コンテナにマニホールドを収納するための管長を短くすることができる。
【0005】
従来技術のACCの配置に対する付加的な変形例が、例えば、米国特許出願第2017/0363357号及び米国特許出願第2017/0363358号に開示されている。これらの出願は、10mm以下の断面高さを有するACCで使用するための新規な管構造を開示している。また、米国特許出願第2017/0363357号は、一次凝縮器バンドルがバンドルの長手方向軸に沿って水平に配置され、二次バンドルが交差軸に平行に配置される熱交換器バンドルを有する新規なACCの配置を開示している。米国特許出願第2017/0363358号は、全ての管バンドルが二次バンドルであるACCの配置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書に提示される発明は、発電所等のための大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の新規且つ改良された設計であり、従来技術のACCを超える著しい改良及び利点を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、熱交換器パネルは、熱交換器パネルの中央部に配置された一体型の二次凝縮器セクションが、一次凝縮器セクションに挟まれるように構成されている。一次凝縮器セクションは、互いに同一であってもなくてもよい。熱交換器パネルの下部の長さに沿って下部ボンネットが延在し、下部ボンネットは、一次凝縮器管の下端部に蒸気を送るために下部管シートの下部側に接続されている。この配置において、第1段の凝縮は、逆流運転で行われる。管の上部は、上部管シートに接続され、上部管シートは、上側が上部ボンネットに接続されている。未凝縮蒸気及び非凝縮液は、一次凝縮器管から上部ボンネットに流入し、熱交換器パネルの中心部に向かって流れ、二次凝縮器セクションの管の上部に入るようになっている。この配置において、第2段の凝縮が並流運転で行われる。非凝縮液及び凝縮液は、二次管の下部から下部ボンネット内の二次チャンバ内に流れ込む。非凝縮液及び凝縮液は、出口ノズルを介して下部ボンネットの二次チャンバから引き抜かれ、凝縮液は、一次凝縮器セクションから集められた水と合流するように送られる。
【0008】
代替実施形態によれば、熱交換器パネルは、熱交換器パネルの全ての管が下部ボンネットから蒸気を受け、凝縮液を送り、非凝縮液が上部ボンネットを介して引き抜かれる1段凝縮器熱交換器パネルとして構成されている。より具体的には、下部ボンネットは、多段式の実施形態と同様に熱交換器パネルの下部長さに沿って延在し、下部管シートの下側に接続されるが、1段式の実施形態において、下部ボンネットは、熱交換器パネルの全ての管の下端部に蒸気を送る。多段式の実施形態と同様に、全ての管の上部は、上部管シートに接続され、上部管シートは、その上側が上部ボンネットに接続されている。未凝縮蒸気及び非凝縮液は、熱交換器パネル内の全ての管から上部ボンネット内に流入し、更なる処理のために上部ボンネットから引き離される。凝縮液は、全ての管の下部から下部ボンネットに流入し、蒸気分配マニホールドに流れ込む。
【0009】
本発明の様々な実施形態によれば、各熱交換器パネルは、独立して熱交換器セクションの骨格に積み込まれて支持されてもよい。一実施形態によれば、隣接するパネルは、好ましくは隣接するパネル間に関係又は相互作用がないが、Aフレーム又はVフレーム型の配置に類似した配置で、反対方向に垂直に対して傾斜してもよい。別の実施形態によれば、各熱交換器パネルは、垂直方向に配向され、各隣接パネル間に斜めに配置された任意の空気偏向又はシールを備えてもよい。更なる実施形態によれば、全ての熱交換器パネルが、垂直に対して斜めに、全て同じ方向に傾斜してもよい。更に別の実施形態によれば、熱交換器セクションの一方の側の全ての熱交換器パネルが、垂直に対して一方向に傾斜してもよく、熱交換器セクションの他方の側の全ての熱交換器パネルが、垂直に対して反対方向に傾斜してもよい。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ACCの各セル又はモジュールは、単一の大型ファンが同じモジュール内の全ての熱交換器パネルにわたって空気流を作り出すプレナムセクションモジュールを有する。
【0011】
本発明の他の実施形態によれば、プレナムセクションモジュールは、ファンデッキの骨格に配置された複数の長手方向のファンデッキプレートを備えてもよい。各ファンデッキプレートは、複数のファンを備える。この実施形態の様々な態様によれば、ファンデッキプレートは、その長手方向軸が同じACCのモジュール内の熱交換器パネルの長手方向軸と平行又は垂直になるように整列されてもよい。
【0012】
本発明の更なる実施形態によれば、下部蒸気分配マニホールドは、複数のACCのセル/モジュールの下を一列に延在し、ACCの各セル又はモジュールの熱交換器パネルは、その蒸気を専用の上部蒸気分配マニホールドに送る単一の竪管によって供給され、好ましくは熱交換器セクション支持骨格の下方から、熱交換器パネルの長手方向軸に垂直で且つ各熱交換器パネルの中心部の下に吊り下げられた両端閉塞型の大型水平シリンダを備える。上部蒸気分配マニホールドは、各熱交換器パネルの中心部の一箇所で、各熱交換器パネルの下部ボンネットに蒸気を供給する。
【0013】
本発明の更なる実施形態によれば、各セルの熱交換モジュールのフレームと熱交換器パネルとは、地上で予め組み立てられる。次いで、熱交換モジュールのフレームは、熱交換モジュールのフレームの下側から上部蒸気分配マニホールドを吊り下げる可能な高さの組立冶具に支持される。別途、対応する熱交換モジュールのファンデッキとファンセットとを備えるプレナムセクションが、同様に地上で組み立てられる。順次又は同時に、対応する熱交換モジュールの下部構造体が、最終的な場所に組み立てられてもよい。次に、上部蒸気分配マニホールドが吊り下げられた熱交換モジュールが、その全体が持ち上げられ、下部構造体の上に配置され、その後、完成したプレナムセクションのサブアセンブリが同様に持ち上げられ、配置されてもよい。
【0014】
本発明の代替実施形態によれば、複数のセルのための複数の上部蒸気分配マニホールドが、複数の凝縮器モジュールから吊り下げられてその長さだけ延在する単一の組立型蒸気マニホールドに結合される。この実施形態によれば、下部蒸気マニホールド及び竪管が排除され、組立型蒸気マニホールドが、それ自体が組立型蒸気マニホールドのレベルで組立てられているタービン排気ダクトから蒸気を直接的に供給される。組立型蒸気マニホールドは、各熱交換器パネルの中心部の1箇所で下部ボンネットに蒸気を供給する。
【0015】
この新規なACCの設計は、従来技術の断面構成及び面積(例えば、200mm×18~22mm)を有する管で使用されてもよい。また、この新規なACCの設計は、米国特許出願第2017/0363357号及び米国特許出願第2017/0363358号(200mm×10mm以下)に記載の設計を有する管で使用されてもよく、これらの開示は、その全体が本明細書に組み入れられる。
【0016】
更なる代替実施形態によれば、本発明の新規なACCの設計は、オフセットフィンを有する100mm×5mm~7mmの管で使用されてもよい。
【0017】
更なる実施形態によれば、本発明の新規なACCの設計は、200mm×5mm~7mmの管又は200mm×17~20mmの管で使用されてもよい。当該管は、好ましくは5~12フィン/インチ(fpi)、好ましくは9~12fpi、最も好ましくは9.8フィン/インチで配置された「アローヘッド」型フィンを有する。
【0018】
更なる実施形態によれば、本発明の新規なACCの設計は、9.8フィン/インチで配置された「アローヘッド」型フィンを有する120mm×5mm~7mmの管で使用されてもよい。更に別の実施形態によれば、本発明の新規なACCの設計は、1インチあたり9.8枚のフィンが配置された「アローヘッド」型フィンを有する140mm×5mm~7mmの管で使用されてもよい。120mm及び140mmの構成は、200mm構成と全く同じ容量の増加をもたらさないが、両方共、200mm設計と比較して材料及び重量が減少する。
【0019】
上述したアローヘッド型フィンの構造の開示については、2017年2月6日に出願された米国特許出願第15/425,454号の開示が、その全体として本明細書に組み込まれる。
【0020】
更に別の実施形態によれば、本発明の新規なACCの設計は、オフセットフィンとほぼ同様に機能し、より入手しやすく、製造が容易な「ルーバー」フィンを有する管で使用されてもよい。
【0021】
本明細書におけるフィンのタイプ及び寸法の説明は、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書に記載された本発明の管は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意のタイプのフィンで使用されてもよい。
【0022】
従って、本発明によれば、産業用蒸気生産設備に接続される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器であって、単一又は複数の凝縮器ストリートを備え、各凝縮器ストリートは、1列の凝縮器モジュールを備え、各凝縮器モジュールは、熱交換器セクションに支持された複数の熱交換器パネルを通じて空気を引き込む単一のファン又は複数のファンを有するプレナムセクションを備え、各熱交換器パネルは、長手方向軸と、当該長手方向軸に対して直交する交差軸とを有し、各熱交換器パネルは、複数の管と、各管の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、少なくとも前記管のサブセットの下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットとを備え、下部ボンネットは、単一の蒸気入口を有し、各凝縮器ストリートは、複数の熱交換器パネルの中間部において、熱交換器セクションから吊り下げられるとともに、複数の熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直である軸に沿って配置され、複数の熱交換器パネルの下方で凝縮器ストリートの長さにわたって延在する、蒸気分配マニホールドを備え、蒸気分配マニホールドは、第1の端部と第2の端部とを有するシリンダを備え、シリンダは、第1の端部から遠位の第2の端部で閉塞され、その上面に複数の接続部を備え、複数の接続部のそれぞれは、対応する単一の蒸気入口に接続されるよう構成されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、更に、各熱交換器パネルは、熱交換器パネル内の全ての管が当該管の下端部から蒸気を受ける第1段の凝縮器を備える、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、更に、上部ボンネットは、凝縮器管から非凝縮性ガスを受け取るとともに任意に非凝縮蒸気を受け取るように構成され、前記管に蒸気を供給しない、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、更に、各熱交換器パネルは、二次凝縮器セクションと、一次凝縮器セクションと、二次凝縮器セクション及び一次凝縮器セクションの各管の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、一次凝縮器セクションの各管の下端部に接続されて流体連通する一次下部ボンネットと、二次凝縮器セクションの各管の下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットの内部二次チャンバと、一次下部ボンネットの上側に接続された二次下部ボンネットとを備え、各々の一次下部ボンネットは、単一のステム入口を有する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、更に、各熱交換器パネルは、前記二次凝縮器セクションに隣接する2つの一次凝縮器セクションを備える、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、更に、二次凝縮器セクションは、前記熱交換器パネルに沿って中心部に配置され、一次凝縮器セクションによって両端部を挟まれる、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、更に、蒸気分配マニホールドのシリンダは、第1の端部がタービン排気ダクトに取り付けられている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、更に、蒸気分配マニホールドは、両端部が閉塞され、底面に蒸気竪管に対する単一の接続部を有する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、更に、各熱交換器パネルは、複数の可撓性を有する吊り下げ支持体によって熱交換器セクションのフレームから独立して吊り下げられている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、更に、単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、同じ方向に配向されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、更に、単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直方向に配向されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、更に、単一の熱交換器セクションにおける全ての熱交換器パネルは、垂直に対して同じ角度で、同じ方向に配向されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、更に、単一の熱交換器セクションの一方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して一方向に傾斜し、単一の熱交換器セクションの他方の側の全ての熱交換器パネルは、垂直に対して反対方向に傾斜している、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、更に、プレナムセクションは、ファンデッキの骨格に載置され、熱交換器セクションの全ての熱交換器パネルにわたって空気を引き込む単一のファンを備える、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、更に、プレナムセクションは、ファンデッキの骨格に載置された複数のファンデッキプレートを備え、各ファンデッキプレートは、複数のファンを備える、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、更に、各ファンは、2以下の熱交換器パネルにわたって空気を吸引する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、更に、各可撓性を有する吊り下げ支持体は、接続スリーブに両端部を接続された中央ロッドを備え、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第1の接続スリーブは、熱交換器セクションのフレームに接続され、各可撓性を有する吊り下げ支持体の第2の接続スリーブは、熱交換器パネルの管シートに接続されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、更に、熱交換器パネルの複数の管は、2.0m~2.8mの長さ、120mmの断面高さ、4~10mmの断面幅を有する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、更に、複数の管は、5.2~7mmの断面幅を有する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、更に、複数の管は、6.0mmの断面幅を有する、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、更に、熱交換器パネルにおける複数の管は、当該管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、当該フィンは、9~10mmの高さを有し、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、更に、熱交換器パネルにおける複数の管は、当該管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、当該フィンは、隣接する管の間の空間にわたって18mm~20mmの高さを有して隣接する管に接触し、1インチあたり5~12個のフィンの間隔で配置されている、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器が提供される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、更に、熱交換器セクションのフレーム及び熱交換器パネルを備える熱交換器セクションを地上で組み立てるステップと、熱交換器パネルの直下で隣接する蒸気分配マニホールドセクションを吊り下げる可能な地上からの高さで熱交換器セクションを支持するステップと、ファンデッキ及びファンアセンブリを備えるプレナムセクションを地上で組み立てるステップと、組み立てられた熱交換器セクション及び蒸気分配マニホールドセクションを持ち上げて、対応する下部構造体の上に配置するステップと、隣接する蒸気分配マニホールドセクションを互いに取り付けステップと、組み立てられたプレナムセクションを持ち上げて熱交換器セクションの上に配置するステップと、を含む大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の組み立て方法が提供される。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、更に、任意に産業用蒸気生産設備に接続される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器であって、単一又は複数の凝縮器ストリートを備え、各凝縮器ストリートは、1列の凝縮器モジュールを備え、各凝縮器モジュールは、熱交換器セクションに支持された複数の熱交換器パネルを通じて空気を引き込む単一のファン又は複数のファンを有するプレナムセクションを備え、各熱交換器パネルは、長手方向軸と、当該長手方向軸に対して直交する交差軸とを有し、各熱交換器パネルは、複数の凝縮器管と、各凝縮器の上端部に接続されて流体連通する上部ボンネットと、各凝縮器管の下端部に接続されて流体連通する下部ボンネットとを備え、各下部ボンネットは、単一の蒸気入口を有し、各凝縮器ストリートは、熱交換器パネルの中間部において、熱交換器セクションの下部側から吊り下げられるとともに、当該下部側に直接的に隣接し、複数の熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直である軸に沿って配置され、凝縮器ストリートの長さにわたって延在する、単一の蒸気分配マニホールドを備え、蒸気分配マニホールドは、第1の端部がタービン排気ダクトに取り付けられ、第1の端部から遠位の第2の端部が閉塞されたシリンダを備え、シリンダは、その上面に、下部ボンネットの入口に接続されるよう構成された複数の接続部を備える、大規模現場組立型産業用蒸気凝縮器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】従来の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の熱交換部の斜視図である。
【
図2】従来の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の熱交換部の部分的な分解拡大図であって、蒸気分配マニホールドに対する管の向きを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る二段熱交換器パネルの側面図である。
【
図4】
図3に示された熱交換器パネルの上面図である。
【
図5】
図3に示された熱交換器パネルの底面図である。
【
図6】
図3に示された熱交換器パネルの、線C-Cに沿った断面図である。
【
図7】
図3に示された熱交換器パネルの、線D-Dに沿った断面図である。
【
図8】
図3に示された熱交換器パネルの、線E-Eに沿った断面図である。
【
図9】本発明の代替実施形態に係る二段熱交換器パネル及び上部蒸気分配マニホールドの側面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る平坦な遮蔽板を有する
図9に示されるタイプの下部ボンネットの断面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る曲がった遮蔽板を有する
図9に示されるタイプの下部ボンネットの断面図である。
【
図13A】新規な蒸気供給及び分配構成を有する、本発明の実施形態に係る大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の側面図である。
【
図13B】
図13Aに示される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の平面図である。
【
図14】
図13A及び
図13Bに示された大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の1つのセルの拡大側面図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る二次下部ボンネットからの(二段凝縮器パネルの場合の)オプションの凝縮器管を備える上部蒸気分配マニホールド及び熱交換器パネルへのその接続部の立面図である。
【
図17】
図13~
図15に示された大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の1つのセルの更なる拡大側面図であって、二対の熱交換器パネルの端面図である。
【
図18A】低温位置にある本発明の実施形態に係るハンガーロッドを示す一組の設計図である。
【
図19A】低温位置にある本発明の異なる実施形態に係るハンガーロッドを示す一組の設計図である。
【
図20A】吊り下げられた上部蒸気分配マニホールドを備える、単一の予め組み立てられた凝縮器モジュールの上部斜視図である。
【
図20B】吊り下げられた上部蒸気分配マニホールドを備える、単一の予め組み立てられた凝縮器モジュールの下部斜視図である。
【
図21A】
図20A及び
図20Bに示された凝縮器モジュールに対応する単一のセルのためのファンデッキ及びファン(プレナム)サブアセンブリの上部斜視図である。
【
図21B】
図20A及び
図20Bに示された凝縮器モジュールに対応する単一のセルのためのファンデッキ及びファン(プレナム)サブアセンブリの下部透視図である。
【
図22】
図20A及び20Bに示される凝縮器モジュールに対応する単一のセルのためのタワーフレームの斜視図である。
【
図24】
図23のタワーフレーム及び凝縮器モジュール上に設置された
図21A及び
図21Bのファンデッキ及びファン(プレナム)サブアセンブリの配置を示す図である。
【
図25】タービン蒸気ダクトに直接接続された組立型蒸気分配マニホールドを有する、本発明の代替実施形態に係る大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の側面図である。
【
図26】タービン蒸気ダクトに直接的に接続された組立型蒸気分配マニホールドを有する、本発明の第2の代替実施形態に係る大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の側面図である。
【
図28】本発明の代替実施形態の立面図であって、熱交換モジュール内の全ての熱交換器パネルが垂直方向に配向され、空気偏向シールがパネルの各隣接対の間に位置している図である。
【
図29】本発明の他の実施形態の立面図であって、熱交換モジュールの一方の側の全ての熱交換器パネルが一方向に垂直に対して傾斜しており、熱交換モジュールの他方の側の全ての熱交換器パネルが反対方向に垂直に対して傾斜している図である。
【
図30】本発明の一実施形態に係るファンデッキプレートの図であって、各プレナムセクションモジュールが複数のファンデッキプレートを支持し、各ファンデッキプレートが複数のファンを支持する図である。
【
図31】本発明の一実施形態の図であって、ファンデッキが熱交換モジュールの上方のファンデッキ構造体上に支持された複数のファンデッキプレートを備え、各ファンデッキプレートが複数のファンを備え、複数のファンデッキプレートが、それらの長手方向軸が熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直に配置されている図である。
【
図32】本発明の別の実施形態の図であって、ファンデッキが熱交換モジュールの上方のファンデッキ構造体上に支持された複数のファンデッキプレートを備え、各ファンデッキプレートが複数のファンを備え、複数のファンデッキプレートが、それらの長手方向軸が熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直に配置されている図である。
【
図33】本発明の実施形態のファンデッキプレートで使用することができるファンのタイプの例を示す図である。
【
図34】本発明の代替実施形態に係る一段熱交換器パネル及び上部蒸気分配マニホールドの側立面図である。
【
図35】端部竪管を介して地上タービン排気ダクトに接続された組立型蒸気分配マニホールドを有する、本発明の代替実施形態に係る大規模現場組立型空冷式産業用蒸気凝縮器の平面図である。
【
図36】
図35の実施形態の、セクションA-Aに沿った立面図である。
【
図37】
図35の実施形態の、セクションB-Bに沿った立面図である。
【0047】
添付の図面における特徴には、以下の参照数字が付されている。
2 熱交換器パネル 12 上部ボンネット
4 一次凝縮器セクション 14 下部管シート
6 二次凝縮器セクション 15 持ち上げ/支持アングル
7 管 16 下部ボンネット
8 凝縮器バンドル 18 ステム入口/凝縮液出口
10 上部管シート 20 遮蔽板
21 穿孔 50 ハンガー
22 波形エッジ 54 ハンガーロッド
24 二次下部ボンネット 56 ハンガースリーブ
26 ノズル(二次下部ボンネット用) 58 ハンガー固定ディスク又はノブ
27 ACC凝縮器モジュール(セル) 60 ハンガー凹部
28 上部蒸気マニホールド 62 下部構造モジュール
29 Y字状ノズル 64 プレナムセクションモジュール
30 竪管(LSMからUSM) 66 組立型蒸気分配マニホールド
31 タービン排気ダクト 68 組立型タービン排気ダクト
32 下部蒸気分配マニホールド 70 空気偏向シール
34 ACCセルのストリート/セル列 72 ファンデッキプレート
36 (熱交換器セクションの)フレーム 74 小型ファン
37 熱交換モジュール 76 地上タービン排気ダクト
40 偏向遮蔽板 78 端部竪管(GLTEDからESDM)
42 凝縮液配管
【発明を実施するための形態】
【0048】
図3~
図8を参照して、本発明の第1の実施形態に係る熱交換器パネル2は、一体化され中央部に配置された二次凝縮器セクション6に隣接する2つの一次凝縮器セクション4を備えている。各熱交換器パネル2は、複数の異なる凝縮器バンドル8を備え、凝縮器バンドル8の第1のサブセットが中央部に配置された二次凝縮器セクション6を構成し、異なる凝縮器バンドル8の第2のサブセットが隣接する一次凝縮器セクション4を構成している。一次凝縮器セクション及び二次凝縮器セクションの管7の寸法及び構造は、好ましくは同一である。一次凝縮器セクション4及び二次凝縮器セクション6の両方の全ての管7は、その上部において上部管シート10に接続されている。上部管シート10の上には、熱交換器パネル2の上部の長さにわたって中空の上部ボンネット12が載っている。一次凝縮器セクション4及び二次凝縮器セクション6の全ての管7の下部は、下部管シート14に接続されている。下部管シート14は、下部ボンネット16の上部を形成している。下部ボンネット16は、同様に、熱交換器パネル2の長さにわたって延在している。下部ボンネット16は、一次凝縮器セクション4の管7と直接的に流体連通しているが、二次凝縮器セクション6の管とは流体連通していない。下部ボンネット16は、その長さの中心部に、熱交換器パネル2のための全ての蒸気を受けるとともに一次凝縮器セクション4から集められた凝縮液の出口として機能する単一の蒸気入口/凝縮液出口18を備えている。下部ボンネット16の下部は、熱交換器パネル2の中央部にある蒸気入口/凝縮液出口18に向かって、下部ボンネット16の両端部から水平に対して1度以上5度以下、好ましくは約3度の角度で下方に傾斜していることが好ましい。好適な実施形態によれば、
図9~
図12を参照して、下部ボンネット16は、蒸気流から凝縮液流を仕切るための遮蔽板20を備えてもよい。遮蔽板20は、遮蔽板20の上に落ちる凝縮液が遮蔽板の下の空間に入り、入口/出口18に向かって遮蔽板の下を流れることを可能にするために、穿孔21及び/又は波形エッジ22を有し、或いは、他の開口又は構成を有してもよい。下部ボンネット16の端部から見たとき、遮蔽板20は、蒸気の流れに対して下部ボンネット16が提供する断面を最大化するように、ほぼ水平な角度(横断方向に水平から12度の間)で固定される。遮蔽板20は、
図11に示すように平坦であってもよいし、
図12に示すように曲げられてもよい。
【0049】
上部管シート10及び下部管シート14には、熱交換器2を持ち上げ及び/又は支持するための持ち上げ/支持アングル15が取り付けられてもよい。
【0050】
内部二次チャンバ又は二次下部ボンネット24は、二次凝縮器セクション6の管7のみと直接的に流体連通して下部ボンネット16の内部に取り付けられ、二次凝縮器セクション6の長さにわたって延在するが、好ましくはそれを超えないように取り付けられる。この二次下部ボンネット24には、非凝縮液及び凝縮液を引き出すためのノズル26が取り付けられている。
【0051】
図34に示す代替実施形態に係る一段凝縮器によれば、二次凝縮器セクション又は二次下部ボンネットは存在せず、下部ボンネット16は、熱交換器パネル2内の全ての管と直接的に流体連通している。この実施形態によれば、下部ボンネット16は、下部管シート14の下側に接続された熱交換器パネル2の下部長さに沿って延在している。下部ボンネット16は、熱交換器パネル2内の凝縮器バンドル8の全ての管の下端部に蒸気を供給する。全ての管の上端部は、上部管シート10に接続されている。この上部管シート10は、その上側が上部ボンネット12に接続されている。未凝縮蒸気及び非凝縮液は、熱交換器パネル2内の全ての管7から上部ボンネット12に流入し、更なる処理のために上部ボンネット12から引き離される。凝縮液は、全ての管7の下部から下部ボンネット16内に流れ出し、蒸気分配マニホールド内に流れ込む。
【0052】
熱交換器パネル2のための蒸気入口/凝縮液出口18、及び同じACCセル/モジュール27内の全ての熱交換器パネルのための蒸気入口/凝縮液出口18は、熱交換器パネル2の下に吊り下げられ、熱交換器パネル2の長手方向軸の中間部で垂直に延在する大きなシリンダ又は上部蒸気分配マニホールド28に接続されている。例えば、
図13~
図15、
図20A、及び
図20Bを参照。上部蒸気分配マニホールド28は、セル/モジュール27の幅を横切って延在し、両端部が閉塞されている。上部蒸気分配マニホールド28は、その下部中央部で、下部蒸気分配マニホールド32に下部が接続されている単一の竪管30に接続されている。上部蒸気分配マニホールド28には、上部蒸気分配マニホールド28の上面が各熱交換器パネル2の中心部より下を通る位置において、隣接する一対の熱交換器パネル2のそれぞれの下部にある蒸気入口/凝縮液出口18に接続されるY字状ノズル29が取り付けられている。
【0053】
この構造によれば、各ACCセル27は、単一の竪管30から蒸気を受ける。単一の竪管30は、各熱交換器パネル2の中心部の真下に吊り下げられた単一の上部蒸気分配マニホールド28に蒸気を供給する。上部蒸気分配マニホールド28は、単一の蒸気入口/凝縮液出口18を介してセル27内の各熱交換器パネル2に蒸気を供給する。
【0054】
したがって、産業プロセスからの蒸気は、地上又はその付近で、或いは現場のレイアウトに適した任意の高さで、タービン排気ダクト31に沿って移動する。排気ダクト31は、本発明のACCに近づくと、ACCの各ストリート(セルの列)34に対して1つずつある複数のサブダクト(下部蒸気分配マニホールド32)に分岐する。各下部蒸気分配マニホールド32は、各セルのストリート34の下に延在し、各セル27の中心部で単一の竪管30を上方に延在させる。例えば、
図13A及び
図13Bを参照。単一の竪管30は、凝縮器モジュール37のフレーム36から吊り下げられた上部蒸気分配マニホールド28の下部に接続する(
図13~
図15)。上部蒸気分配マニホールド28は、複数のY字状ノズル29を介して、熱交換器パネル2の隣接する各対のボンネット入口/出口18に蒸気を供給する(
図15~
図17)。蒸気は、下部ボンネット16に沿って移動して、一次凝縮器セクション4の管7内を上昇し、一次凝縮器セクション4のフィン付き管7を空気が通過する際に凝縮する。凝縮液は、一次凝縮器セクション4の同じ管7を蒸気に逆流して移動し、下部ボンネット16内に集まり、最終的に上部蒸気分配マニホールド28、下部蒸気分配マニホールド32、及びタービン排気ダクト31を通じて凝縮液回収タンク(図示せず)に排出される。好適な実施形態によれば、下部ボンネット16と上部蒸気分配マニホールド28との間の接続部には、排液/落下する凝縮液を流入する蒸気から分離するための偏向遮蔽板40を取り付けてもよい。
【0055】
未凝縮蒸気及び非凝縮液は、上部ボンネット12に集められ、熱交換器パネル2の中央部に引き寄せられ、そこで形成される凝縮液と並流で二次凝縮器セクション6の管7を移動する。非凝縮液は、下部ボンネット16の内側に位置する二次下部ボンネット24に引き込まれ、出口ノズル26から排出される。二次凝縮器セクション6で形成された付加的な凝縮液は、二次下部ボンネット24に集まり、同様に出口ノズル26を通じて移動した後、凝縮液配管42を通じて上部蒸気分配マニホールド28に移動し、一次凝縮器セクション4から集められた水と合流する。
【0056】
本発明の別の特徴によれば、熱交換器パネル2は、熱負荷及び天候に基づいて熱交換器パネル2の伸縮を可能にする複数の可撓性を有するハンガー50によって凝縮器モジュール37のフレーム36から吊り下げられている。
図17は、ハンガー50が凝縮器モジュール37のフレーム36に接続される様子を示している。
図18A、
図18B、
図19A、及び
図19B は、ハンガーの2つの実施形態の詳細を示している。各実施形態によれば、ハンガー50は、熱交換器パネル2がその重量を支持しつつ伸縮することができるように構成されている。各熱交換器パネル2に対して4つのハンガー50が使用される。一実施形態によれば、ハンガー50は、両端部にスリーブ56を有するロッド54で構成されている。スリーブ56は、ロッド54上に取り付けられ、ロッド54の両端部にある固定ディスク又はノブ58によって、それぞれの端部から外れることが抑えられている。この固定ディスク又はノブ58は、それぞれのスリーブの内面上の対応する形状の凹部60に取り付けられるが、この凹部はスリーブの端部まで延在しないようになっている。ハンガー50の一端部は、凝縮器モジュール37のフレーム36に接続され、ハンガー50の他端部は、上部管シート10又は下部管シート14上の持ち上げ/支持アングル15又は他の取り付け点に取り付けられる。スリーブ56は、好ましくは、建設中に正しいハンガーの長さを設定できるように調整可能である。一旦設定されると、熱交換器パネル2の移動は、ハンガー50の上部及び下部のボールジョイントとハンガー50の角度変位とに対応する。
【0057】
複数の熱交換器パネル2は、それぞれ独立して、熱交換モジュールのフレーム36に積み込まれて支持されてもよい。複数の熱交換器パネル2は、様々な構成のいずれかに従って、熱交換モジュールのフレーム36に支持されてもよい。
図13~
図17、
図23~
図27は、隣接する熱交換器パネル2が垂直に対して反対方向に傾斜した状態で、熱交換器パネル2が熱交換モジュールのフレーム36に独立して支持された状態を示している。
図28は、各熱交換器パネル2が、各熱交換器パネルが垂直に配向された状態で熱交換モジュール内に独立して支持され、任意の空気偏向シール70が、1つの熱交換器パネル2の下部と隣接する熱交換器パネル2の上部との間で傾斜して配置されている代替実施形態を示している。
図29は、熱交換モジュールの一方の側の各熱交換器パネル2が垂直に対して一方向に傾斜しており、熱交換モジュールの他方の側の各熱交換器パネル2が垂直に対して反対方向に傾斜しており、隣接する各対の熱交換器パネル2の間に任意の空気偏向シール70が垂直に配置されている、更なる代替実施形態を示している。
【0058】
図25~
図27に示される本発明の代替実施形態によれば、本発明の空冷式凝縮器は、複数の上部蒸気分配マニホールド28、下部蒸気分配マニホールド32、及び竪管30に代えて、組立型タービン排気ダクト68に直接的に接続された複数の組立型蒸気分配マニホールド66を備えてもよい。各組立型蒸気分配マニホールドは、前記長さにわたって延在し、凝縮器セル27のストリート/列34に沿って複数の熱交換モジュールの熱交換器パネルに給気する。組立型蒸気分配マニホールド66は、上部蒸気分配マニホールド28が熱交換モジュールのフレームから吊り下げられているのと同じ方法で、熱交換モジュールのフレームから吊り下げられてもよい。同様に、組立型蒸気分配マニホールド66は、熱交換器パネルの長手方向軸に対して垂直に延在し、複数のY字状ノズルを介して熱交換器パネルの中心部で、熱交換器パネルの隣接する各対のボンネット入口/出口に接続される。この実施形態によれば、下部蒸気分配マニホールド32及び竪管30が排除され、組立型蒸気マニホールドは、それ自体が組立型蒸気マニホールドのレベルで組み立てられているタービン排気ダクトから直接的に給気される。
【0059】
図35~
図37に示す本発明の更なる代替実施形態によれば、複数の組立型蒸気分配マニホールド66は、端部竪管78を介して地上タービン排気ダクト76に接続されてもよい。
【0060】
本発明の好適な実施形態によれば、本発明のACCは、モジュール方式で構成される。様々な実施形態によれば、下部構造体62、凝縮器モジュール37、及びプレナムセクション64は、地上で別々に且つ同時に組み立てられてもよい。一実施形態によれば、熱交換モジュールのフレームは、上部蒸気分配マニホールド28を熱交換モジュールフレームの下側から吊り下げるのに十分な高さだけ、棒状に作製された下部構造体上で持ち上げてもよい。次いで、熱交換器パネル2は、好ましくは地上又はそのすぐ上で、凝縮器モジュール37のフレーム36内に降ろされ、上部蒸気分配マニホールド28に取り付けられる(
図20A及び
図20Bを参照)。完成したら、上部蒸気分配マニホールド28が取り付けられた組み立て済みの凝縮器モジュール37が、持ち上げられ、対応する完成した下部構造体62の上に置かれる(
図22及び
図23)。
【0061】
プレナムセクションフレームと、プレナムセクションフレームに支持されたファンデッキと、ファンと、ファンシュラウドとを備える各ACCモジュール27のプレナムセクション64は、例えば、
図13A、
図13B、
図14、
図15、
図21、
図21B、
図24-29に図示されるように、単一の大型ファンを備え、地上で組み立てられてもよい。また、各ACCモジュール27のプレナムセクション64は、
図30~
図32に示されるように、それぞれが複数の小型ファン74を一列に支持する複数の細長いファンデッキプレート72を備え、(地上で)組み立てられてもよい。各ファンデッキプレート72は、好ましくは、標準的な輸送コンテナに収まる大きさである。従って、ファン74は、工場でファンデッキプレート72に取り付けられ、最終組立場所に出荷されてもよい。ファン74の一例が
図33に示されている。様々な実施形態によれば、ファンモータは、NEMA規格又は電子整流式であってもよい。複数のファンデッキプレートの実施形態の好適な態様によれば、各ファンは2以上の熱交換器パネルにわたって空気を引き込み、ファンの交換は著しく単純化され、1以上のファンの損失は性能に大きな違いを生じない。
【0062】
完成した対応するプレナムセクション64(
図21A及び
図21B又は
図31及び
図32)は、持ち上げられて凝縮器モジュール37の上に静止する(
図24)。また、プレナムセクションの骨格(いかなるファン又はファンデッキプレートも存在しない)は、凝縮器モジュール37の上に持ち上げられてもよく、ファンデッキプレート72は、プレナムセクションの骨格が凝縮器モジュール37の上に静止された後に、プレナムセクション64の骨格の上に持ち上げられてもよい。本明細書に記載された組立は、同一平面で行われるものとして記載されているが、計画及び建設スキームが許すのであれば、様々なモジュールの組立は、それらの最終位置で行われてもよい。
【0063】
本明細書におけるあらゆる特徴及び代替実施形態は、それが互換性のない実施形態を除いて、本明細書に記載されたあらゆる他の特徴及び実施形態と協働し、それらを組み合わせて使用することを意図及び企図されている。すなわち、本明細書に記載の各熱交換モジュールの配置(例えば、単段、多段)、本明細書に記載の各熱交換器パネルの配置、(例えば、全て垂直、全て一方向に傾斜、それぞれ交互に傾斜)、本明細書に記載された各管タイプ及び各フィンタイプ、本明細書に記載された各蒸気マニホールドの配置、及び各ファンの配置(単一のファン、複数のファン)は、それらが互換性のある実施形態のあらゆる組み合わせで様々なACCアセンブリで使用されることが意図され、本発明者らは、その発明が説明目的のために、明細書及び図面に反映される実施形態の例示的組み合わせに限定されることは想定していない。
【国際調査報告】