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特表2022-547615局所的な熱影響部を有するゴルフクラブヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】局所的な熱影響部を有するゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20221107BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20221107BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516395
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-16
(86)【国際出願番号】 US2020050763
(87)【国際公開番号】W WO2021051097
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/900,378
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. ストック
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダブリュ. シモーネ
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
(57)【要約】
局所的な熱処理を有するゴルフクラブヘッドが本明細書に記載される。他の実施形態が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェースプレートおよび本体であって、前記本体は、ソールと、クラウンと、ヒール端と、トウ端と、を備え、
前記ソールは、アドレスにおいて地面にあり、
前記クラウンは、前記ソールの反対側にあり、
前記ヒール端は、前記トウ端の反対側にあり、前記ソールおよび前記クラウンに対して垂直であり、
前記フェースプレートは、前記クラウンおよび前記ソールから等距離であるとともに前記ヒール端および前記トウ端から等距離である幾何中心を備え、
前記フェースプレートは、ロフト面を画定し、前記ロフト面は、前記地面と交差しているとともに前記幾何中心に正接している、前記フェースプレートおよび前記本体と、
高さおよび幅を有する参照形状であって、
前記参照形状は、前記幾何中心から前記クラウンおよび前記トウ端に向けて延在し、
前記参照形状の前記高さは、クラウン・ソール方向において前記ロフト面内で測定される前記フェースプレートの全体の高さの約25%であり、
前記参照形状の前記幅は、ヒール端・トウ端方向において前記ロフト面に対して垂直に測定される前記フェースプレートの全体の幅の約25%であり、
前記参照形状は、特性時間閾値をさらに備え、前記参照形状内において、1つ又は複数の位置は、前記特性時間閾値よりも高い特性時間値を含み、
第1の熱影響部は、前記1つ又は複数の位置に、または前記1つ又は複数の位置の近くに形成されており、形成後の各熱影響部の位置は、前記特性時間閾値以下の特性時間値を含む、前記参照形状と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記フェースプレートの前記幾何中心は、X’軸およびY’軸を有する座標系について原点をさらに画定し、
前記X’軸は、前記クラブヘッドの前記ヒールから前記トウへの方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、前記Y’軸は、前記クラブヘッドの前記クラウンから前記ソールへ、前記X’軸に対して垂直な方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、中心・高トウ象限を含む4つのフェースプレート象限領域を形成しており、
前記参照形状は、前記フェースプレートの前記幾何中心から延在するとともに前記中心・高トウ象限でのみ境界付けられた直線の参照形状である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約20度~約80度の角度が付けられている、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約45度~約50度の角度が付けられている、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記直線の参照形状に沿って、少なくとも前記第1の熱影響部、第2の熱影響部、第3の熱影響部、および第4の熱影響部が存在しており、前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部は、非熱影響フェースプレート領域のマイクロ構造とは異なるマイクロ構造を有する、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部の前記マイクロ構造は、非熱影響フェースプレート領域の前記マイクロ構造よりも小さい結晶粒界を備える針状また指状の構造である、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記第1の熱影響部は、外部フェースプレート表面積の16.5%以下に及んでいる、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、互いに実質的に共線的である、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、前記フェースプレート・本体移行領域に沿ったいかなる位置にも存在していない、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
フェースプレートおよび本体であって、前記本体は、ソールと、クラウンと、ヒール端と、トウ端と、を備え、
前記ソールは、アドレスにおいて地面にあり、
前記クラウンは、前記ソールの反対側にあり、
前記ヒール端は、前記トウ端の反対側にあり、前記ソールおよび前記クラウンに対して垂直であり、
前記フェースプレートは、前記クラウンおよび前記ソールから等距離であるとともに前記ヒール端および前記トウ端から等距離である幾何中心を備え、
前記フェースプレートは、ロフト面を画定し、前記ロフト面は、前記地面と交差しているとともに前記幾何中心に正接している、前記フェースプレートおよび前記本体と、
高さおよび幅を有する参照形状であって、
前記参照形状は、前記幾何中心から前記クラウンおよび前記トウ端に向けて延在し、
前記参照形状の前記高さは、クラウン・ソール方向において前記ロフト面内で測定される前記フェースプレートの全体の高さの約5%~約25%であり、
前記参照形状の前記幅は、ヒール端・トウ端方向において前記ロフト面に対して垂直に測定される前記フェースプレートの全体の幅の約5%~約25%であり、
前記参照形状は、特性時間閾値をさらに備え、前記参照形状内において、1つ又は複数の位置は、前記特性時間閾値よりも高い特性時間値を含み、
第1の熱影響部は、前記1つ又は複数の位置に、または前記1つ又は複数の位置の近くに形成されており、形成後の各熱影響部の位置は、前記特性時間閾値以下の特性時間値を含む、前記参照形状と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記フェースプレートの前記幾何中心は、X’軸およびY’軸を有する座標系について原点をさらに画定し、
前記X’軸は、前記クラブヘッドの前記ヒールから前記トウへの方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、前記Y’軸は、前記クラブヘッドの前記クラウンから前記ソールへ、前記X’軸に対して垂直な方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、中心・高トウ象限を含む4つのフェースプレート象限領域を形成しており、
前記参照形状は、前記フェースプレートの前記幾何中心から延在するとともに前記中心・高トウ象限でのみ境界付けられた直線の参照形状である、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約20度~約80度の角度が付けられている、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約45度~約50度の角度が付けられている、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記直線の参照形状に沿って、少なくとも前記第1の熱影響部、第2の熱影響部、第3の熱影響部、および第4の熱影響部が存在しており、前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部は、非熱影響フェースプレート領域のマイクロ構造とは異なるマイクロ構造を有する、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記熱影響部の前記マイクロ構造は、針状また指状の構造であり、非熱影響フェースプレート領域の前記マイクロ構造よりも小さい結晶粒界を形成している、請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1の熱影響部は、外部フェースプレート表面積の16.5%以下に及んでいる、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、互いに共線的である、請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、前記フェースプレート・本体移行領域に沿ったいかなる位置にも存在していない、請求項17に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記ゴルフクラブヘッドは、ドライバー型クラブヘッドである、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記ゴルフクラブヘッドは、10度未満のロフト角を有するドライバー型クラブヘッドである、請求項11に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ゴルフクラブに関する。特に、本開示は、1つ又は複数の局所的な熱影響部(HAZ)を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/900,378号の利益を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
特性時間(CT)は、ゴルフボールがインパクト中にフェースプレートと接触しているマイクロ秒の時間量の測定値である。特性時間要件は、全米ゴルフ協会(USGA)および英国ゴルフ協会(R&A)が、クラブヘッドの適合性を決定するためにゴルフ用品製造に対して課す多くのルールのうちの1つである。多くの場合、ゴルフクラブヘッドの特性時間の特性は均一ではなく、フェースプレートにわたって実質的に変化する。この変化は、クラブヘッド性能の不一致をもたらす可能性があり、より詳細には、ボールインパクトがフェースプレートのどこで生じるかに応じて異なるボール速度を生成し得る。フェースプレートにわたるボールインパクトの位置におけるこれらの小さな変化は、生成されたボール速度およびボール飛行距離の顕著な変化につながる可能性があり、それによって、ゴルファーにとってゲームを予測できないものにする。
【0004】
ゴルフクラブヘッドの特性時間の特性の変化は、非対称の外周形状および/または可変のフェースプレート特徴(すなわち、厚さ、材料、テクスチャ、フェース・本体移行など)を有するフェースプレートによってもたらされ得る。ゴルフクラブヘッド、より詳細にはフェースプレートを形成するために使用される材料の厚さを低減することは、多くの理由で有益であり得る。これらの理由の内、より薄いフェースプレートは、重量を低減することができ、柔軟性を増加させることができ、使用される材料の量を低減することができる。ゴルフクラブヘッドのある領域において重量を低減することにより、その重量を(必要に応じて)再分配して、クラブヘッド性能を向上させることができる。
【0005】
フェースプレートからの重量を再分配することにより、柔軟性の増加、およびゴルフボールへのエネルギー移動の増加をもたらし得る。(薄いフェースプレートの結果として生じる)この柔軟性の増加は、フェースプレートにわたってより変化するCTをもたらし得る。当該技術において、フェースプレートにわたるCT変化を低減するためにCTを局所的に変更することを可能にする、再現性の高い、効率的で、且つ手頃な製造方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】アドレス位置におけるゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図2】アドレス位置において、CT参照測定位置を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図3】アドレス位置において、矩形の参照形状を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図4】アドレス位置において、楕円形の参照形状を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図5】アドレス位置において、複数の直線の参照形状を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図6】アドレス位置において、楕円形の参照形状および1つ又は複数のHAZ部を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図7】アドレス位置において、直線の参照形状および1つ又は複数のHAZ部を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図8】アドレス位置において、矩形の参照形状および1つ又は複数のHAZ部を有するゴルフクラブヘッドの正面図を示す。
図9】HAZ部の例示的な構造および/または実施形態の一部の構造的態様を示す。
図10】ゴルフクラブヘッドアセンブリを形成するためのプロセスの概略図である。
図11】HAZ部を有するテストクラブ、HAZ部を有さないコントロールクラブ、およびHAZ部を有さない1度ロフトが立ったコントロールクラブについて、(マイル毎時の)ボール速度を比較するチャートである。
図12】HAZ部を有するテストクラブ、HAZ部を有さないコントロールクラブ、およびHAZ部を有さない1度ロフトが立ったコントロールクラブについて、打ち出し角を比較するチャートである。
図13】HAZ部を有するテストクラブ、HAZ部を有さないコントロールクラブ、およびHAZ部を有さない1度ロフトが立ったコントロールクラブについて、スピン量(rpm)を比較するチャートである。
【0007】
詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、本開示の他の態様が明らかになるであろう。
【0008】
図の簡略化および明確化のために、図面は、一般的な種類の構造を示し、周知の特徴および技術の説明および詳細は、本開示を不必要に不明瞭にするのを回避するために省略されることがある。さらに、図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本開示の実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対して誇張されることがある。異なる図中の同じ参照番号は、同じ要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で提示されるのは、フェースプレート全体にわたってCTの一定のまたは妥当な許容誤差変化を可能にするための1つ又は複数の熱影響部(HAZ)を有するフェースプレートを備えるゴルフクラブヘッド、特にウッド型ゴルフクラブヘッドである。熱影響部は、フェースプレートの特徴および特性をその全体で、一括で変更することなく、フェースプレートの特定の部、部分、または領域を局所的に変更する溶接ビードを介して形成されてよい。熱影響部を形成するための溶接ビード(またはスポット溶接)を介したフェースプレートの特定の部または領域の局所的な変更は、その領域または部のマイクロ構造を変更してもよい。対象の領域または部でのマイクロ構造の変更は、ゴルフボールによってインパクトされるときのその領域または部の特性時間の特徴を変更してもよい。
【0010】
特性時間の特性がヒール・トウ方向およびクラウン・ソール方向の両方で、フェースプレートにわたって変化するため、熱処理および/またはHAZの対象となるフェースプレートの領域は、ホットスポット(すなわち、USGAおよびR&AのCT限界であるか、それに近似するか、もしくはそれに近いフェースプレートの部分)をゴルフクラブヘッドが有することを回避するための特性時間閾値に近似する領域、製造ばらつきのために非準拠のCTを潜在的に有するクラブヘッドの領域、および/または、繰り返しのクラブヘッドの使用および摩耗により準拠から外れるフェースプレートの特定の領域であってもよい。(溶接ビードまたはスポット溶接を介した)局所的な熱影響部処理を有するフェースプレートの結果として、処理部は、同じ材料の非熱影響部とは異なる材料特性(すなわち、CTを変更するための異なるマイクロ構造)を有してもよい。調整のために対象とされるこれらの部、領域、または部分は、概して、参照形状によって画定されてもよい。さらに、本明細書で記載されるゴルフクラブヘッドを製造する方法が以下で概説される。
【0011】
明細書および特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、存在する場合には、同様の要素の間を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または経時的順番を記述するものではない。そのように使用される用語は、本明細書で記載される実施形態が、例えば、本明細書で図示または他の方法で記載されている順序以外の順序で操作可能であるように、適切な状況下で相互に交換可能であることが理解されるべきである。さらに、「含む(include)」および「有する(have)」という用語、ならびにその任意の変形は、非排他的な包含を含むことを意図しており、そのため、要素のリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置は、それらの要素に必ずしも限定されるわけではなく、明示的にリストされていないか、またはこのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。
【0012】
明細書および特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「上」、「下」などの用語は、存在する場合には、説明目的のために使用され、必ずしも永久的な相対位置を説明するものではない。そのように使用される用語は、本明細書で記載される装置、方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、本明細書で図示または他の方法で記載されている向き以外の向きで操作可能であるように、適切な状況下で相互に交換可能であることが理解されるべきである。
【0013】
本明細書で記載される「ドライバー型ゴルフクラブヘッド」という用語は、ロフト角、クラブヘッド体積、クラブヘッド重量、またはクラブヘッド材料のうちの1つ又は複数によって定義されてよい。
【0014】
1.ロフト角
多くの実施形態では、ドライバー型クラブヘッドのロフト角は、約16度未満、約15度未満、約14度未満、約13度未満、約12度未満、約11度未満、約10度未満、約9度未満、約8度未満、または約7度未満であってもよい。
【0015】
2.体積
さらに、多くの実施形態では、ドライバー型クラブヘッドの体積は、約400cc超、約425cc超、約450cc超、約475cc超、約500cc超、約525cc超、約550cc超、約575cc超、約600cc超、約625cc超、約650cc超、約675cc超、または約700cc超であってもよい。いくつかの実施形態では、ドライバー型クラブヘッドの体積は、約400cc~600cc、約425cc~約500cc、約500cc~約600cc、約500cc~約650cc、約550cc~約700cc、約600cc~約650cc、約600cc~約700cc、または約600cc~約800ccであってもよい。
【0016】
3.重量
いくつかの実施形態では、ドライバー型クラブヘッドは、170グラム~250グラムの重量(または質量)を有してもよい。他の実施形態では、ドライバー型クラブヘッドは、170グラム~175グラム、175グラム~180グラム、180グラム~185グラム、185グラム~190グラム、190グラム~195グラム、195グラム~200グラム、200グラム~205グラム、205グラム~210グラム、210グラム~215グラム、215グラム~220グラム、220グラム~225グラム、225グラム~230グラム、230グラム~235グラム、235グラム~240グラム、240グラム~245グラム、または245グラム~250グラムであってもよい。いくつかの実施形態では、ドライバー型クラブヘッドの重量は、170グラム、171グラム、172グラム、173グラム、174グラム、175グラム、176グラム、177グラム、178グラム、179グラム、180グラム、181グラム、182グラム、183グラム、184グラム、185グラム、186グラム、187グラム、188グラム、189グラム、190グラム、191グラム、192グラム、193グラム、194グラム、195グラム、196グラム、197グラム、198グラム、199グラム、200グラム、201グラム、202グラム、203グラム、204グラム、205グラム、206グラム、207グラム、208グラム、209グラム、210グラム、211グラム、212グラム、213グラム、214グラム、215グラム、216グラム、217グラム、218グラム、219グラム、220グラム、221グラム、222グラム、223グラム、224グラム、225グラム、226グラム、227グラム、228グラム、229グラム、230グラム、231グラム、232グラム、233グラム、234グラム、235グラム、236グラム、237グラム、238グラム、239グラム、240グラム、241グラム、242グラム、243グラム、244グラム、245グラム、246グラム、247グラム、248グラム、249グラム、または250グラムであってもよい。
【0017】
4.材料
ドライバー型ゴルフクラブヘッドの材料は、従来のゴルフクラブヘッドを構築するために使用される任意の材料から構築されてもよい。例えば、ドライバー型ゴルフクラブヘッドの材料は、以下、すなわち、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、またはドライバー型ゴルフクラブヘッドを作製するための任意の他の既知の金属もしくは複合材料のいずれか1つまたは組合せから構築されてもよい。多くの実施形態では、ドライバー型ゴルフクラブヘッドは、チタンおよび/または複合材料から構築されてもよい。
【0018】
本明細書で記載される「フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッド」という用語は、ロフト角、クラブヘッド体積、クラブヘッド重量、またはクラブヘッド材料のうちの1つ又は複数によって定義されてよい。
【0019】
1.ロフト角
多くの実施形態では、フェアウェイウッド型クラブヘッドのロフト角は、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満であってもよい。さらに、多くの実施形態では、クラブヘッドのロフト角は、約12度超、約13度超、約14度超、約15度超、約16度超、約17度超、約18度超、約19度超、または約20度超であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フェアウェイウッド型クラブヘッドのロフト角は、12度~35度、15度~35度、20度~35度、または12度~30度であってもよい。
【0020】
2.体積
多くの実施形態では、フェアウェイウッド型クラブヘッドの体積は、約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、または約200cc未満であってもよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積は、約150cc~200cc、約150cc~250cc、約150cc~300cc、約150cc~350cc、約150cc~400cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250cc~350cc、または約275cc~375ccであってもよい。
【0021】
3.重量
多くの実施形態では、フェアウェイウッド型クラブヘッドは、170グラム~215グラムの重量を有してもよい。他の実施形態では、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドは、170グラム~175グラム、175グラム~180グラム、180グラム~185グラム、185グラム~190グラム、190グラム~195グラム、195グラム~200グラム、200グラム~205グラム、205グラム~210グラム、または210グラム~215グラムであってもよい。いくつかの実施形態では、フェアウェイウッド型クラブヘッドの重量は、170グラム、171グラム、172グラム、173グラム、174グラム、175グラム、176グラム、177グラム、178グラム、179グラム、180グラム、181グラム、182グラム、183グラム、184グラム、185グラム、186グラム、187グラム、188グラム、189グラム、190グラム、191グラム、192グラム、193グラム、194グラム、195グラム、196グラム、197グラム、198グラム、199グラム、200グラム、201グラム、202グラム、203グラム、204グラム、205グラム、206グラム、207グラム、208グラム、209グラム、210グラム、211グラム、212グラム、213グラム、214グラム、または215グラムであってもよい。
【0022】
4.材料
フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドの材料は、従来のゴルフクラブヘッドを構築するために使用される任意の材料から構築されてもよい。例えば、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドの材料は、以下、すなわち、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、鋼合金、またはフェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドを作製するための任意の他の既知の金属もしくは複合材料のいずれか1つまたは組合せから構築されてもよい。多くの実施形態では、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッドは、チタンおよび/または複合材料から構築されている。
【0023】
本明細書で記載される「ハイブリッド型ゴルフクラブヘッド」という用語は、ロフト角、クラブヘッド体積、クラブヘッド重量、またはクラブヘッド材料のうちの1つ又は複数によって定義されてよい。
【0024】
5.ロフト角
多くの実施形態では、ハイブリッド型ゴルフクラブヘッドのロフト角は、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、または約30度未満であってもよい。さらに、多くの実施形態では、ハイブリッド型クラブヘッドのロフト角は、約16度超、約17度超、約18度超、約19度超、約20度超、約21度超、約22度超、約23度超、約24度超、または約25度超であってもよい。
【0025】
6.体積
多くの実施形態では、ハイブリッド型クラブヘッドの体積は、約200cc未満、約175cc未満、約150cc未満、約125cc未満、約100cc未満、または約75cc未満であってもよい。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積は、約100cc~150cc、約75cc~150cc、約100cc~125cc、または約75cc~125ccであってもよい。
【0026】
7.重量
多くの実施形態では、ハイブリッド型クラブヘッドは、190グラム~240グラムの重量を有してもよい。他の実施形態では、ハイブリッド型ゴルフクラブヘッドは、190グラム~195グラム、195グラム~200グラム、200グラム~205グラム、205グラム~210グラム、210グラム~215グラム、215グラム~220グラム、220グラム~225グラム、225グラム~230グラム、230グラム~235グラム、または235グラム~240グラムであってもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッド型クラブヘッドの重量は、190グラム、191グラム、192グラム、193グラム、194グラム、195グラム、196グラム、197グラム、198グラム、199グラム、200グラム、201グラム、202グラム、203グラム、204グラム、205グラム、206グラム、207グラム、208グラム、209グラム、210グラム、211グラム、212グラム、213グラム、214グラム、215グラム、216グラム、217グラム、218グラム、219グラム、220グラム、221グラム、222グラム、223グラム、224グラム、225グラム、226グラム、227グラム、228グラム、229グラム、230グラム、231グラム、232グラム、233グラム、234グラム、235グラム、236グラム、237グラム、238グラム、239グラム、または240グラムであってもよい。
【0027】
8.材料
ハイブリッド型ゴルフクラブヘッドの材料は、従来のゴルフクラブヘッドを構築するために使用される任意の材料から構築されてもよい。例えば、ハイブリッド型ゴルフクラブヘッドの材料は、以下、すなわち、8620合金鋼、S25C鋼、炭素鋼、マルエージング鋼、17-4ステンレス鋼、1380ステンレス鋼、303ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、鋼合金、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金、ADC-12、チタン、チタン合金、鋼合金、またはハイブリッド型ゴルフクラブヘッドを作製するための任意の他の既知の金属もしくは複合体のいずれか1つまたは組合せから構築されてもよい。多くの実施形態では、ハイブリッド型ゴルフクラブヘッドは、チタン合金および/または複合材料から構築されてもよい。
【0028】
本明細書で記載される「スポット溶接」という用語は、特定の位置において材料に溶接ビードを適用して、物理的粒子構造を等軸の円形マイクロ構造からデンドライトマイクロ構造に変化させる熱影響部を生成することとして定義されてよく、ここで、材料マイクロ構造は、スポット溶接から離れると等軸の円形マイクロ構造に戻るように変形する。
【0029】
本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されているか、または以下の図面に示されている、構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行可能である。
【0030】
フェースプレートにわたる一定のCTを提供するのを助けるための参照形状を備えるゴルフクラブヘッドが以下に記載される。参照形状は、特定の領域のCT特性を低減/限定する能力を提供する熱影響部(HAZ)を備え、それによって、フェースにわたって所定の許容誤差内であるCTを生成する。より具体的には、ゴルフクラブヘッド、特に、ゴルフクラブヘッドのフェースプレートにわたって一定の(または所定の許容誤差内の)CTを可能にするための少なくとも1つの熱影響部(HAZ)を有するフェースプレートを備えるゴルフクラブヘッド(ドライバー、フェアウェイウッド、またはハイブリッド)が本明細書で記載される。上述のように、熱影響部は、フェースプレートの特徴および特性をその全体で、一括で変更することなく、フェースプレートの特定の部、部分、または領域を変更するスポット溶接または溶接ビードを介して形成されてもよい。熱影響部を形成するための(スポット溶接または溶接ビードを介した)フェースプレートの特定の部または領域の局所的な変更は、その領域または部のマイクロ構造を(デンドライトマイクロ構造に)変更してもよく、したがって、処理された位置の特性時間の特徴を変更してもよい。
【0031】
例えば、概して、最大の特性時間測定値を有するゴルフクラブヘッドの部分は、典型的には、(1)フェースプレートの幾何中心に向かって、(2)フェースプレートの幾何中心からフェースプレートのトウに向かってオフセットされて、(3)幾何中心からフェースプレートの上部端に向かってオフセットされて、またはそれらの組合せで見出されてよい。これらの領域は、潜在的に、CT閾値(すなわち、USGAおよびR&AのCT限界)であるか、それに近いか、またはそれに近似する特性時間測定値を有してよい。
【0032】
より均一なCTを有する(すなわち、「CTホットスポット」がない)フェースプレートを形成するために、局所的な熱影響部のための対象の領域は、参照形状によって特徴付けられてよい。参照形状の外周の内側で、または外周上で、スポット溶接または溶接ビードを介して局所的な熱影響部が形成されてよい。参照形状内の熱影響部は、局所的にCTを変更するための、参照形状の外側の非熱影響部とは異なる材料特性(すなわち、異なるまたは(デンドライト)マイクロ構造)を有してもよい。
【0033】
(ゴルフクラブヘッド)
本明細書で記載されるゴルフクラブヘッドは、上記で定義されるようなドライバー型クラブヘッド、フェアウェイウッド型ゴルフクラブ、またはハイブリッド型クラブヘッドであってもよい。多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ウッド型ゴルフクラブヘッド(すなわち、ドライバー型ゴルフクラブヘッド、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッド、またはハイブリッド型ゴルフクラブヘッド)であってもよい。ドライバー型ゴルフクラブヘッド、フェアウェイウッド型ゴルフクラブヘッド、およびハイブリッド型ゴルフクラブヘッドは、上述のように、ロフト角、ヘッド体積、および/またはヘッド重量によって特徴付けられてよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、もしくは鋼合金(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7-4、Ti6-4、T-9S)、アルミニウム合金、または複合材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドのフェースプレートは、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、もしくは鋼合金(例えば、455鋼、475鋼、431鋼、17-4ステンレス鋼、マルエージング鋼)、チタン合金(例えば、Ti7-4、Ti6-4、T-9S)、アルミニウム合金、または複合材料で形成されてもよい。
【0035】
(ゴルフクラブヘッドの組成およびセットアップ)
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、(「本体」とも称されてよい)クラブヘッド本体124を備える。クラブヘッド本体124は、トウ部106、ヒール部105、上部108、ソール部109、後方部125、およびフェースプレート102を受け入れるように構成されたフェースプレート開口部を形成している。フェースプレート102は、ゴルフボールとのインパクトに適合した面を提供してもよい。後方部125は、フェースプレート102から後方に離間している。ソール部109は、フェースプレート102と後方部125との間にあり、アドレス位置において地面118(またはプレー面)上に置かれているとして定義される。上部108は、ソール部109の反対側に形成されてよい。フェースプレート102は、ソール部109、上部108、ヒール部105、およびヒール部105の反対側にあるトウ部106によって定義される。
【0036】
前述のように、ゴルフクラブヘッド100は、「アドレス位置」にあるように構成されてよい。別途、記載または述べられない限り、ゴルフクラブヘッド100は、全ての参照測定値、比、および/または記述的パラメータについてアドレス位置にある。アドレス位置は、(1)ゴルフクラブヘッドのソール部が、プレー面に接触し平行である地面118上に置かれ、(2)打撃面が、地面に対して実質的に垂直であってよい状態にあることと称されてもよい。
【0037】
クラブヘッド100のフェースプレート102は、幾何中心104を画定する。いくつかの実施形態では、幾何中心104は、フェースプレート外周の幾何中心点、およびフェース高さの中間点に位置付けられてもよい。同じ例または他の例では、幾何中心はまた、フェースプレート上の溝の領域によって画定されてもよい設計されたインパクト部に対して中心に置かれてもよい。別のアプローチとして、フェースプレート102の幾何中心は、全米ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ管理機関の定義に従って位置付けられてもよい。例えば、フェースプレート102の幾何中心は、USGAのゴルフクラブヘッドの柔軟性を測定するための手順(USGA-TPX3004、改訂1.0.0、2008年5月1日)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/ Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/で利用可能)(「柔軟性手順」)のセクション6.1に従って決定されてもよい。
【0038】
クラブヘッド100は、フェースプレート102の幾何中心104に正接するロフト面をさらに画定する。フェース高さは、クラウン部108の近くのフェースプレート外周の上部端と、ソール部109の近くのフェースプレート外周の下部端との間でロフト面に平行に測定されてよい。これらの実施形態では、フェースプレート102の外周は、フェースプレートの外縁に沿って位置付けられてよく、ここで、曲率は、フェースプレート102のバルジおよび/またはロールからそれている。
【0039】
フェースプレート102の幾何中心104は、フェースプレート102の幾何中心に位置付けられた原点を有する座標系をさらに画定し、座標系は、X’軸103、Y’軸107、およびZ’軸を有する。X’軸103は、クラブヘッド100のヒール105からトウ106への方向にフェースプレート102の幾何中心104を通って延在する。Y’軸107は、クラブヘッド100のクラウン108からソール109へ、X’軸103に対して垂直な方向にフェースプレート102の幾何中心104を通って延在し、Z’軸は、クラブヘッド100の前端から後端へX’軸103およびY’軸107に対して垂直な方向にフェースプレート102の幾何中心104を通って延在する。
【0040】
座標系は、X’軸103およびY’軸107を通って延在するX’Y’面101を画定する。X’Y’面101は、ホーゼル軸(図示せず)に平行に延在し、ロフト面からのクラブヘッド100のロフト角に対応する角度で位置している。さらに、X’軸103は、X’Y’面に対して垂直な方向から見たときにホーゼル軸に対して60度の角度で位置してもよい。これらの実施形態または他の実施形態では、クラブヘッドは、X’Y’面101に対して垂直な方向からフェースプレート102を見たときに正面(図1)から見られてもよい。
【0041】
ゴルフクラブヘッド100がアドレス位置にあるとき、ゴルフクラブヘッド100は、フェースプレート102の外周、X’軸103、およびY’軸107によって境界付けられる4つの象限(すなわち、第1の象限、第2の象限、第3の象限、および第4の象限)に分割されてよい。1つ又は複数の象限内で、参照形状126がフェースプレート102上へ投影されてよく、参照形状126は、概して特性時間閾値または対象特性時間よりも大きい特性時間値を有する領域を変更するためのHAZ部を包含してもよい。多くの実施形態では、参照形状126はその全体において、第1の象限、第2の象限、第3の象限、または第4の象限内で境界付けられ、または位置付けられてよい。代替的な実施形態では、参照形状126は、1つ以上の象限、2つ以上の象限、または3つ以上の象限内へ延在してもよい。他の実施形態では、参照形状126は、象限境界に沿って(すなわち、X’軸またはY’軸に沿って)1つ又は複数の象限内へ延在してもよい。
【0042】
ほとんどの実施形態では、1つ又は複数のHAZ部は、高トウ象限内に位置付けられてよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のHAZ部は、低トウ象限および高トウ象限の両方に位置付けられてよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のHAZ部は、高トウ象限および高ヒール象限の両方に位置付けられてよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のHAZ部は、高トウ象限および低ヒール象限の両方にあってもよい。代替的な実施形態では、1つ又は複数のHAZ部は、全ての象限にあってもよく、および/または、幾何中心の周囲に群がってもよい。
【0043】
参照形状126は、任意の形状の形態を取ってよく、好ましくは、クラブヘッド100の本体部内へ延在しない(すなわち、フェースプレート102上のみに位置付けられている)。例えば、多くの実施形態では、参照形状126は実質的に、三角形、正方形、矩形、多角形、半円形、曲線形などであってもよい。概して、参照形状は、概して特性時間閾値または対象特性時間値よりも大きい特性時間値を有する領域を備える。
【0044】
閾値、設計された、または対象の特性時間測定値よりも大きいフェースプレート102上の1つ又は複数の特性時間値は、製造業者の違いによって、(1)(戦略的に選択された位置で測定値を取ることによって、クラブヘッドの最大の特性時間値の位置および値を識別しようとする)熱探索プロセスを介して特性時間を測定するための標準USGAテスト方法を介してか、または(2)CTデータの集約を通じて、関連する既知の領域を識別することによって、検出されまたは位置付けられてよい。CT閾値に近似する特性時間値を有するゴルフクラブヘッドの領域、エリア、および/または位置の検出または識別について、ゴルフクラブヘッドの所与の領域、エリア、および/または位置は、熱影響部(HAZ)を生成するために、局所的な溶接ビード(またはスポット溶接)が課されてもよく、または局所的な溶接ビード(またはスポット溶接)を構成されてもよい。
【0045】
これは、非均一なマイクロ構造を有するフェースプレート102を生成する(図6図9参照)。熱影響部を生成するために局所的な溶接ビードまたはスポット溶接をフェースプレート102上の関連する所与の領域に課すことで、処理部のCT特性が変更されてよい。言い換えると、CT閾値に近似するか、またはそれよりも大きいフェースプレート領域(または位置)は、溶接ビードまたはスポット溶接を受けて、(より高い強度領域および/または硬化領域を局所的に生成するために)処理された領域のマイクロ構造を、その領域のCT特性が対象のCT閾値以下の値に従って減少する程度まで局所的に変更する熱影響部を生成してもよい。したがって、高いCT領域を有するフェースプレート領域に適応するためにクラブヘッドの輪郭を変更する(すなわち、フェースの厚さの増加、フェースプレートの変化するフェース厚さ輪郭の修正、クラブヘッド強化要素の導入など)代わりに、適用されたHAZ構造は、クラブヘッドに対する一括の(または大規模な)設計修正への依拠を低減し、代替的に、フェースプレート102に対するマイクロ構造(または小規模な)修正の局所的な変更に焦点を当てる。
【0046】
I.実施形態
以下で記載されるゴルフクラブヘッド100の多くの実施形態では、熱影響部は、フェースプレート102の特定の領域で見出されてよく、さらに、熱影響部は、参照形状126内で境界を成すか、または参照形状126内に全体的に位置付けられてよい。上述のようにおよび以下で詳細に論じられるように、参照形状内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0047】
多くの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100はまた、図1図8によって示されるようなX’Y’面101およびフェースプレート102に対して垂直な方向で見られてもよい。X’Y’面101およびフェースプレート102に対して概して垂直な方向にゴルフクラブヘッドを見ると、ゴルフクラブヘッド100は、ヒール105・トウ106方向にフェースプレート102の幾何中心104を通って延在するX’軸103、および上部・下部(またはクラウン108・ソール109)方向に幾何中心104を通って延在するY’軸107を有する座標系によって画定されてもよい。
【0048】
X’軸103は、ゴルフクラブヘッドを上方領域110および下方領域111に水平に分割する。ゴルフクラブヘッドの上方領域110は、X’軸103、クラウン108、およびクラブヘッドの最大のヒール・トウ幅によって境界付けられている。ゴルフクラブヘッドの下方領域111は、X’軸103、ソール109、およびゴルフクラブヘッドの最大のヒール・トウ幅によって境界付けられている。Y’軸107は、クラブヘッドを左領域112および右領域113に垂直に分離する。左領域112は、Y’軸およびゴルフクラブヘッドのトウ端によって境界付けられてよい。右領域は、Y’軸107およびゴルフクラブヘッド100のヒール105によって境界付けられてよい。さらに、X’軸103およびY’軸107は、互いに垂直であり、4つのフェースプレート象限領域を形成している。
【0049】
4つのフェースプレート象限領域は、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置において地面118上に置かれているときの、中心・高トウ象限114、中心・低トウ象限115、中心・高ヒール象限116、および中心・低ヒール象限117として画定されてよい。中心・高トウ象限114は、幾何中心104から延在し、上方の左のフェースプレート領域に及ぶ。中心・低トウ象限115は、幾何中心104から延在し、下方の左のフェースプレート領域に及ぶ。中心・高ヒール象限116は、幾何中心104から延在し、上方の右のフェースプレート領域に及ぶ。中心・低ヒール象限117は、幾何中心104から延在し、下方の右のフェースプレート領域に及ぶ。
【0050】
1つ又は複数のフェースプレート象限領域114、115、116、117は、対象特性時間値であるか、それを超えるか、またはそれに近似する特性時間値を含んでもよい。多くの実施形態では、注目の象限は、中心・高トウ象限114であってよい。これは、この領域が、製造の許容誤差および/またはばらつきに起因する重要なCT閾値に近似する1つ又は複数の位置を備える重要な領域として識別され得るためである。
【0051】
図2によって示されるように、図1および図2のセットアップ(またはアドレス)位置は同様である。図2は、フェースプレート特性時間値が対象の特性時間限界にあるか、それに近似するか、またはそれを超えるかどうかを識別するために、中心・高トウ象限114内の複数の潜在的な位置の点をさらにマッピングする。概して、CT読み取り値は典型的には、中心・高トウにおいて、これが関連する既知の象限であるために強調される。例示的なセクションでさらに提供される表1は、HAZがないそれぞれのフェースプレートについて中心・高トウ象限114内のクラブヘッド上の対応するマッピング位置の点における(マイクロ秒の)およそのCT読み取り値の平均を提供する。言い換えると、図2および表1のフェースプレート102は、均一なマイクロ構造を有する。
【0052】
図6によってさらに示されるように、フェースプレート102上に形成された第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接120は、上述の熱影響部内のフェースプレート102のマイクロ構造を局所的に変化させる。スポット溶接によってもたらされる熱影響部のマイクロ構造は、溶接(またはHAZ)領域でフェースプレート強度を硬化するか、または増加させるために、より小さい結晶粒界を生成する針状または指状の構造であるデンドライト構造を形成している。この局所的な硬化は、フェースプレートの柔軟性が制限されるような領域の特性時間の減少と直接的に相関する。溶接プールおよび熱影響部の外側の位置(すなわち、スポット溶接によって影響を受けない位置)は、熱影響部の結晶粒界に対してより大きい結晶粒界を有する均質なマイクロ構造を有する。多くの実施形態では、スポット溶接によって画定されるHAZ構造は、非スポット溶接フェースプレートと比較して、デンドライトマイクロ構造が2%~6%増加したフェースプレートを生成する。
【0053】
以下の例によって明らかなように、中心・高トウ象限内で均一なマイクロ構造または非HAZ構造を有するフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドは、クラウン・ソール方向およびヒール・トウ方向に最大20μs変化する特性時間値を有し得る。さらに、別の点に直接隣接して測定される点は、最大16μs変化し得る。ゴルフボールインパクトの位置に応じて、幅広い特性時間の特性を有するフェースプレート102を有するゴルフクラブヘッドを有することは、生成されるボール速度に悪影響を及ぼし得る。多くのゴルフクラブヘッドの実施形態では、所与の象限がより均一である(すなわち、ヒール・トウおよびクラウン・ソール方向に変化がより少ない)特性時間の特性を有することが望まれる。
【0054】
高い度合の変化を有し、および/または、設計されたCTパラメータを満たすかもしくはそれを超える象限の識別について、象限、より詳細には注目の位置、したがってHAZ部上へ参照形状が投影されてよい。参照形状は、注目の位置を取り囲んでもよく、または部分的に包含してもよい。以下で記載されるように、多くの実施形態では、参照形状は、フェースプレート102のCT特性に応じて、注目の大きい領域または注目の小さい領域を包含してもよい。
【0055】
(矩形の参照形状)
多くの実施形態では、熱影響部は、フェースプレートの特定の領域で見出されてよく、さらに、熱影響部は、参照形状内で境界を成すか、または参照形状内に全体的に位置付けられてよい。参照形状内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0056】
図3によって示されるように、多くの実施形態では、注目の領域(すなわち、設計されたCTパラメータを満たすかまたはそれを超える1つ又は複数のフェースプレートCT測定値)を包含する参照形状126は、実質的に矩形であってもよい。代替的には、参照形状126は、フェースプレート102の幾何中心104から、中心・高トウ象限114内の点まで延在してもよい正方形の形態であってもよい。
【0057】
矩形(または正方形)の参照形状126は、クラウン・ソール方向において、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約50%延在する、ロフト面内で測定される高さを有してよい。多くの実施形態では、矩形の参照形状126の高さは、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、または約45%~約50%であってもよい。
【0058】
代替的な実施形態では、矩形の参照形状126は、クラウン・ソール方向において、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの最大の高さを有してもよい。多くの実施形態では、矩形の参照形状126の最大の高さは、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、矩形の参照形状の最大の高さは、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、矩形の参照形状の最大の高さは、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0059】
矩形(または正方形)の参照形状126は、ヒール・トウ方向において、フェースプレート102の全体の幅の約5%~約25%の、ロフト面内で測定される幅を有してもよい。多くの実施形態では、矩形の参照形状126の幅は、フェースプレート102の全体の幅の約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、または約20%~約25%であってもよい。
【0060】
代替的な実施形態では、矩形の参照形状は、ヒール・トウ方向において、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの最大の幅を有してもよい。多くの実施形態では、矩形の参照形状126の最大の幅は、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、矩形の参照形状126の最大の幅は、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、矩形の参照形状126の最大の幅は、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0061】
(楕円形の参照形状)
上述のように、熱影響部は、フェースプレート102の特定の領域で見出されてもよく、さらに、熱影響部は、参照形状126内で境界を成すか、または参照形状126内に全体的に位置付けられてよい。参照形状内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状126は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0062】
図4によって示されるように、多くの実施形態では、HAZ領域を適用するための注目の領域(すなわち、設計されたCTパラメータを満たすかまたはそれを超える1つ又は複数のフェースプレートCT測定値)を包含する参照形状126は、実質的に楕円形であってもよい。参照形状126、より詳細には楕円形の参照形状126は、フェースプレート102の幾何中心104から、中心・高トウ象限114内の点まで延在してもよい。
【0063】
例示的な楕円形の参照形状は、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約50%であってよい、ロフト面内で測定され、楕円の中心を通る短軸127を有してもよい。多くの実施形態では、楕円形の参照形状126の短軸は、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、または約45%~約50%であってもよい。
【0064】
代替的な実施形態では、楕円形の参照形状126は、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの短軸127を有してもよい。多くの実施形態では、楕円形の参照形状126の短軸127測定寸法は、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、楕円形の参照形状の短軸127は、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、楕円形の参照形状の短軸127は、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0065】
楕円形の参照形状126は、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約25%であってよい、ロフト面内で測定される長軸128を有してもよい。多くの実施形態では、楕円形の参照形状126の長軸128は、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、または約20%~約25%であってよい。
【0066】
代替的な実施形態では、楕円形の参照形状126は、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの長軸128を有してもよい。多くの実施形態では、楕円形の参照形状126の長軸128は、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、楕円形の参照形状126の長軸128は、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、楕円形の参照形状126の長軸128は、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0067】
多くの実施形態では、楕円形の参照形状126の長軸128は、x軸103に対して角度が付けられていてもよい。楕円形の参照形状の長軸128とx軸103との間の角度は、20度~80度であってもよい。多くの実施形態では、楕円形の参照形状126とx軸103との間に形成された角度は、注目の位置に基づいて変わってもよい。いくつかの実施形態では、長軸およびx軸の角度は、約20度~約25度、約30度~約35度、約35度~約40度、約40度~約45度、約45度~約50度、約50度~約55度、約55度~約60度、約60度~約65度、約65度~約70度、約70度~約75度、または約75度~約80度であってもよい。多くの実施形態では、形成された角度は、約45度であってもよい。
【0068】
(直線の参照形状)
上述のように、熱影響部は、フェースプレートの特定の領域で見出されてもよく、さらに、熱影響部は、参照形状126内で境界を成すか、または参照形状126内に全体的に位置付けられてよい。参照形状126内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0069】
図5によって示されるように、多くの実施形態では、注目の領域(すなわち、設計されたCTパラメータを満たすかまたはそれを超える1つ又は複数のフェースプレートCT測定値)を包含する参照形状は、実質的に直線であってもよい。参照形状、より詳細には直線の参照形状126は、フェースプレート102の幾何中心104から、中心・高トウ象限114内の点まで延在してもよい。多くの実施形態では、1つ又は複数のHAZ部(または溶接ビード)が、直線の参照形状126に沿って適用されている。
【0070】
多くの実施形態では、直線の参照形状126は、x軸103に対して角度が付けられていてもよい。直線の参照形状126とx軸103との間の角度は、20度~80度であってもよい。多くの実施形態では、直線の参照形状126とx軸との間に形成された角度は、注目の位置に基づいて変わってもよい。いくつかの実施形態では、直線の参照形状126とx軸103との間に形成された角度は、約20度~約25度、約30度~約35度、約35度~約40度、約40度~約45度、約45度~約50度、約50度~約55度、約55度~約60度、約60度~約65度、約65度~約70度、約70度~約75度、または約75度~約80度であってもよい。多くの実施形態では、形成された角度は、約45度であってもよい。
【0071】
直線の参照形状126は、クラウン・ソール方向において、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約50%の最大の高さを有してもよい、ロフト面内で測定される高さを有してもよい。多くの実施形態では、直線の参照形状の高さは、フェースプレート102の全体の高さの約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、または約45%~約50%であってもよい。
【0072】
代替的な実施形態では、直線の参照形状126は、クラウン・ソール方向において、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの最大の高さを有してもよい。多くの実施形態では、直線の参照形状126の最大の高さは、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、直線の参照形状126の最大の高さは、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1.0インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、直線の参照形状126の最大の高さは、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0073】
直線の参照形状126は、ヒール・トウ方向において、フェースプレート102の全体の幅の約5%~約25%であってよい、ロフト面内で測定される最大の幅を有してもよい。多くの実施形態では、直線の参照形状126の幅は、フェースプレート102の全体の幅の約5%~約10%、約10%~約15%、約15%~約20%、または約20%~約25%であってもよい。
【0074】
代替的な実施形態では、直線の参照形状126は、ヒール・トウ方向において、ロフト面内で測定される約0インチ~1.05インチの最大の幅を有してもよい。多くの実施形態では、直線の参照形状126の最大の幅は、約0インチ~約0.25インチ、約0.25インチ~約0.5インチ、約0.5インチ~約0.75インチ、約0.75インチ~1.00インチ、または約1.00インチ~約1.05インチであってもよい。他の実施形態では、直線の参照形状126の最大の幅は、約0インチ超であってもよく、約0.25インチ超であってもよく、約0.5インチ超であってもよく、約0.75インチ超であってもよく、または約1インチ超であってもよい。代替的な実施形態では、直線の参照形状126の最大の幅は、約1.05インチ未満であってもよく、約1.0インチ未満であってもよく、約0.75インチ未満であってもよく、約0.5インチ未満であってもよく、または約0.25インチ未満であってもよい。
【0075】
前述したように、上述の参照形状126は、関連する領域の周囲で境界を生成するために、フェースプレート102上に投影される。関連するこれらの領域は典型的には、CT値が高く、概して中心・高トウ象限114で見出され得る領域である。中心・高トウ象限114内では、図2および表1を具体的に参照すると、所定の測定位置の点(すなわち、CT測定領域)において、1インチ×1インチの領域内でCTが最大約15μsも変わり得ることが見られる。さらに、隣接するフェースプレート位置の点において、CTが最大11μsも変わり得る。この変化は、繰り返しのインパクト(すなわち、摩耗)で時間の経過とともにさらに増加し得る。変化を低減するために、局所的な領域内で、隣接する測定位置に影響することなく、HAZ部は、参照形状126内で、または参照形状126の境界でスポット溶接および/または溶接ビードを介して形成されてもよい。
【0076】
(1つ又は複数のHAZ部を有する参照形状)
上述のように、熱影響部は、フェースプレートの1つ又は複数の領域で見出されてもよく、さらに、熱影響部は、参照形状内で境界を成すか、または参照形状内に全体的に位置付けられてよい。参照形状内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0077】
上述のように、HAZ部は、フェースプレートのマイクロ構造を変更する溶接ビードによってもたらされる領域である。図6に示されるように、2つのスポット溶接(すなわち、第1のスポット溶接は「第1の溶接ビード」とも称されてよく、第2のスポット溶接は「第2の溶接ビード」とも称されてよい)は、フェースプレート102の外面上に形成されている。言い換えると、第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接120は、インパクト中にゴルフボールに直接的に接触するフェースプレート102の(外)面に適用されてよい。他の実施形態では、第1および第2のスポット溶接119、120は、フェースプレート102の外面に形成/適用される必要はなく、逆に、第1および第2のスポット溶接119、120は、オープンなクラウンまたはオープンなソール設計で(すなわち、ゴルフクラブヘッドの本体が、クラブヘッドの内部へのアクセスを提供する)フェースプレート102の後面に適用されてもよい。多くの実施形態では、第1のスポット溶接119は、フェースプレートの幾何中心に位置付けられてよく、第2のスポット溶接120は、幾何中心から離間しており、中心・高トウ象限に単独で位置付けられている。
【0078】
前述のように、1つ又は複数のスポット溶接は、フェースプレート102にわたってマイクロ構造を一括で変更することなく、フェースプレート102上の特定の領域のマイクロ構造に局所的に影響する。図6の1つ又は複数のスポット溶接は概して、直径によって定義されてよい。フェースプレート102と接触している1つ又は複数のスポット溶接の直径は、約0.125インチ~約0.75インチであってもよい。多くの実施形態では、1つ又は複数のスポット溶接の直径は、約0.125インチ~約0.225インチ、約0.225インチ~約0.325インチ、約0.325インチ~約0.425インチ、約0.425インチ~約0.525インチ、約0.525インチ~約0.625インチ、または約0.625インチ~約0.75インチであってもよい。他の実施形態では、1つ又は複数のスポット溶接の直径は、約0.1インチ、0.150インチ、0.2インチ、0.250インチ、0.3インチ、0.350インチ、0.4インチ、0.450インチ、0.5インチ、0.550インチ、0.6インチ、0.650インチ、0.7インチ、または0.750インチであってもよい。代替的な実施形態では、1つ又は複数のスポット溶接の直径は、約0.750インチ未満であってもよく、約0.7インチ未満であってもよく、約0.65インチ未満であってもよく、0.6インチ未満であってもよく、約0.55インチ未満であってもよく、約0.50インチ未満であってもよく、約0.45インチ未満であってもよく、約0.40インチ未満であってもよく、約0.35インチ未満であってもよく、約0.30インチ未満であってもよく、約0.20インチ未満であってもよく、または約0.15インチ未満であってもよい。
【0079】
スポット溶接によって形成された熱影響部は、スポット溶接の直径の約20%~約50%であってもよい。多くの実施形態では、スポット溶接は、スポット溶接の直径の約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%の熱影響部(すなわち、マイクロ構造が変化する位置)を形成してもよい。他の実施形態では、スポット溶接は、スポット溶接の直径の約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、または約25%未満の熱影響部を形成してもよい。熱影響部は、金属マトリクスの部分が高い溶接温度に曝された結果としてマイクロ構造が変化したフェースプレート102の非溶融領域である。スポット溶接の残りの領域は、溶接プール領域(すなわち、フェースプレート102がその溶融点に達し、フィラー材料が注入される準備ができ得る領域)として、図9に示される例として定義されてよい。図9は単に、溶接ビード(またはスポット溶接)とHAZ部との間の参照を例示する。溶接ビードは、加熱を介してフェースプレート面の外部に配置されてよい。ビード部は、仕上げ技術(研磨、研削、ポリッシングなど)を介して除去されるが、形成されたHAZ部は依然として、構造内に容易に存在している。
【0080】
前述のように、図6は、上述の熱影響部内のフェースプレート102のマイクロ構造を局所的に変化させるためにフェースプレート102に適用された第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接120を示す。スポット溶接によってもたらされる熱影響部のマイクロ構造は、溶接(またはHAZ)領域でフェースプレート強度を硬化するか、または増加させるために、より小さい結晶粒界を生成する針状または指状の構造であるデンドライト構造を形成している。この局所的な硬化は、フェースプレートの柔軟性が制限されるような領域の特性時間の減少と直接的に相関する。溶接プールおよび熱影響部の外側の位置(すなわち、スポット溶接によって影響を受けない位置)は、熱影響部の結晶粒界に対してより大きい結晶粒界を有する均質なマイクロ構造を有する。多くの実施形態では、スポット溶接によって画定されるHAZ構造は、非スポット溶接フェースプレートと比較して、デンドライトマイクロ構造が2%~6%増加したフェースプレートを生成する。
【0081】
この特定の実施形態では、第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接は、上述の参照形状126上におよび/または参照形状126内に位置付けられており、離間しており、互いに触れていない。多くの実施形態では、第1のスポット溶接119の中心および第2のスポット溶接120の中心は、約0.1インチ~1インチ離間している。例えば、多くの実施形態では、第1のスポット溶接119の中心および第2のスポット溶接120の中心は、0.1インチ、0.15インチ、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.35インチ、0.4インチ、0.45インチ、0.5インチ、0.55インチ、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、0.80インチ、0.85インチ、0.90インチ、0.95インチ、または1.0インチ互いに離間してもよい。他の実施形態では、第1のスポット溶接の中心と第2のスポット溶接120の中心との間の離間距離は、1.0インチ未満であってもよく、0.95インチ未満であってもよく、0.90インチ未満であってもよく、0.85インチ未満であってもよく、0.80インチ未満であってもよく、0.75インチ未満であってもよく、0.70インチ未満であってもよく、0.65インチ未満であってもよく、0.60インチ未満であってもよく、0.55インチ未満であってもよく、0.50インチ未満であってもよく、0.45インチ未満であってもよく、0.40インチ未満であってもよく、0.35インチ未満であってもよく、0.30インチ未満であってもよく、0.20インチ未満であってもよく、または0.150インチ未満であってもよい。
【0082】
多くの実施形態では、第2のスポット溶接120は、X軸に沿っておよび/またはトウに向かって最大約0.84インチ幾何中心からオフセットされてもよい。代替的な実施形態では、第2のスポット溶接120は、X軸方向に沿っておよび/またはトウに向かって約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、0.40インチ、0.41インチ、0.42インチ、0.43インチ、0.44インチ、0.45インチ、0.46インチ、0.47インチ、0.48インチ、0.49インチ、0.50インチ、0.51インチ、0.52インチ、0.53インチ、0.54インチ、0.55インチ、0.56インチ、0.57インチ、0.58インチ、0.59インチ、0.60インチ、0.61インチ、0.62インチ、0.63インチ、0.64インチ、0.65インチ、0.66インチ、0.67インチ、0.68インチ、0.69インチ、0.70インチ、0.71インチ、0.72インチ、0.73インチ、0.74インチ、0.75インチ、0.76インチ、0.77インチ、0.78インチ、0.79インチ、0.80インチ、0.81インチ、0.82インチ、0.83インチ、または0.84インチ幾何中心からオフセットされてもよい。
【0083】
同じ実施形態または他の実施形態では、第2のスポット溶接120は、クラウンまたはフェースプレートの上部端に向かって最大約0.42インチ幾何中心からオフセットされてもよい。第2のスポット溶接120は、Y軸方向に沿っておよび/またはクラウンに向かって約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、0.40インチ、0.41インチ、または0.42インチ幾何中心からオフセットされてもよい。多くの実施形態では、第1および第2のスポット溶接は離間しており、フェース・本体移行領域に接触または当接していない。
【0084】
多くの実施形態では、図6に示されるように、第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接120は、互いに共線的である。代替的な実施形態では、第1のスポット溶接119および第2のスポット溶接は、共線的である必要はない。示されるクラブヘッドのフェースプレート表面積に基づいて、フェースプレートの表面積の約0.5%~1.0%が単一の溶接ビードに接触してもよい。外部フェースプレート表面積の16.5%以下が、任意の溶接と接触してもよい。
【0085】
(1つ又は複数のHAZ部を有する直線の参照形状)
熱影響部は、フェースプレートの特定の領域で見出されてもよく、さらに、熱影響部は、参照形状内で境界を成すか、または参照形状内に全体的に位置付けられてよい。参照形状内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0086】
上述のように、HAZ部はまた、参照形状に沿って直線的に配置されてもよい。上述のように、参照形状126は、フェースプレート102上に投影されてよく、より詳細には、直線の参照形状126は、フェースプレート102上の複数の関連する点上に投影されてよい。関連するこれらの点は典型的には、CT値が高く、概して中心・高トウ象限114で見出され得る領域である。中心・高トウ象限114内では、以下の例を具体的に参照すると、フェースプレート測定位置の点(すなわち、CT測定領域)において、1インチ×1インチの領域内でCTが最大約15μsも変わり得ることが見られる。さらに、隣接するフェースプレート位置の点において、CTが最大11μsも変わり得る。この変化は、繰り返しのインパクト(すなわち、摩耗)で時間の経過とともにさらに増加し得る。変化を低減するために、局所的な領域内で、隣接する測定位置に影響することなく、HAZ部は、スポット溶接および/または溶接ビードを介して形成されてもよい。
【0087】
図7に示されるように、複数のスポット溶接121(すなわち、複数のスポット溶接は「複数の溶接ビード」とも称されてよい)は、フェースプレート102の外面上に形成されている。言い換えると、複数のスポット溶接121は、インパクト中にゴルフボールに直接的に接触するフェースプレート102の(外)面に適用されてよい。他の実施形態では、複数のスポット溶接121は、フェースプレート102の外面に形成/適用される必要はなく、逆に、複数のスポット溶接121は、オープンなクラウンまたはオープンなソール設計で(すなわち、ゴルフクラブヘッドの本体が、クラブヘッドの内部へのアクセスを提供する)フェースプレート102の後面に適用されてもよい。
【0088】
多くの実施形態では、複数のスポット溶接は、2つ以上のスポット溶接、3つ以上のスポット溶接、4つ以上のスポット溶接、5つ以上のスポット溶接、6つ以上のスポット溶接、7つ以上のスポット溶接、8つ以上のスポット溶接、9つ以上のスポット溶接、10個以上のスポット溶接、11個以上のスポット溶接、または12個以上のスポット溶接と称されてもよい。複数のスポット溶接は概して、直線の参照形状に沿って形成されてよい。いくつかの実施形態では、精度誤差により、複数のスポット溶接は、直線の参照形状126からわずかにオフセットされてもよい。
【0089】
前述のように、複数のスポット溶接121は、フェースプレート102にわたってマイクロ構造を一括で変更することなく、フェースプレート102上の特定の領域のマイクロ構造に局所的に影響する。図7によって示される複数のスポット溶接は概して、直径によって定義されてよい。フェースプレート102と接触している複数のスポット溶接121の直径は、約0.125インチ~約0.75インチであってもよい。多くの実施形態では、複数のスポット溶接の直径は、約0.125インチ~約0.225インチ、約0.225インチ~約0.325インチ、約0.325インチ~約0.425インチ、約0.425インチ~約0.525インチ、約0.525インチ~約0.625インチ、または約0.625インチ~約0.75インチであってもよい。他の実施形態では、複数のスポット溶接121の直径は、約0.1インチ、0.150インチ、0.2インチ、0.250インチ、0.3インチ、0.350インチ、0.4インチ、0.450インチ、0.5インチ、0.550インチ、0.6インチ、0.650インチ、0.7インチ、または0.750インチであってもよい。代替的な実施形態では、複数のスポット溶接121の直径は、約0.750インチ未満であってもよく、約0.7インチ未満であってもよく、約0.65インチ未満であってもよく、0.6インチ未満であってもよく、約0.55インチ未満であってもよく、約0.50インチ未満であってもよく、約0.45インチ未満であってもよく、約0.40インチ未満であってもよく、約0.35インチ未満であってもよく、約0.30インチ未満であってもよく、約0.20インチ未満であってもよく、または約0.15インチ未満であってもよい。
【0090】
複数のスポット溶接121によって形成された熱影響部は、複数のスポット溶接の各々の直径の約20%~約50%であってもよい。多くの実施形態では、スポット溶接は、スポット溶接の直径の約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%の熱影響部(すなわち、マイクロ構造が変化する位置)を形成してもよい。他の実施形態では、複数のスポット溶接121は、スポット溶接の直径の約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、または約25%未満の熱影響部を形成してもよい。熱影響部は、高い溶接温度に曝された結果としてマイクロ構造が変化したフェースプレート102の非溶融領域である。スポット溶接の残りの領域は、溶接プール領域(すなわち、フェースプレート102がその溶融点に達し、フィラー材料が注入される準備ができ得る領域)として、図9に示される例として定義されてよい。
【0091】
図7によってさらに示され、上述したように、フェースプレート102上に形成された複数のスポット溶接は、上述の熱影響部内のフェースプレート102のマイクロ構造を局所的に変化させる。スポット溶接によってもたらされる熱影響部のマイクロ構造は、溶接(またはHAZ)領域でフェースプレート102の強度を硬化するか、または増加させるために、より小さい結晶粒界サイズを生成する針状または指状の構造であるデンドライト構造を形成している。この局所的な硬化は、フェースプレートの柔軟性が低減されるような領域の特性時間の減少と直接的に相関する。溶接プールおよび熱影響部の外側の位置(すなわち、スポット溶接によって影響を受けない位置)は、熱影響部の結晶粒界に対してより大きい結晶粒界を有する均質なマイクロ構造を有する。
【0092】
この特定の実施形態では、複数のスポット溶接121は、直線の参照形状126に沿って位置付けられており、フェースプレート102の幾何中心104から中心・高トウ象限内の点へ延在し、クラブヘッドの本体部内へ延在しない。この例示的な実施形態では、複数のスポット溶接121の各々は、複数のスポット溶接の別のスポット溶接に接触しているか、または触れている。他の実施形態では、複数のスポット溶接は、別のスポット溶接に触れている必要はなく、または接触している必要はない。これらの実施形態では、複数のスポット溶接は、各々のスポット溶接から約0.1インチ~1インチ離間してもよい。例えば、多くの実施形態では、複数のスポット溶接は、0.1インチ、0.15インチ、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.35インチ、0.4インチ、0.45インチ、0.5インチ、0.55インチ、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、0.80インチ、0.85インチ、0.90インチ、0.95インチ、または1.0インチ互いに離間してもよい。
【0093】
複数のスポット溶接121のうち(X軸に沿っておよび/またはトウに向かって)幾何中心から最も遠いスポット溶接は、最大約0.84インチ離間してもよい。代替的な実施形態では、複数のスポット溶接121のうち最も遠いスポット溶接は、X軸103方向に沿っておよび/またはトウに向かって、約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、0.40インチ、0.41インチ、0.42インチ、0.43インチ、0.44インチ、0.45インチ、0.46インチ、0.47インチ、0.48インチ、0.49インチ、0.50インチ、0.51インチ、0.52インチ、0.53インチ、0.54インチ、0.55インチ、0.56インチ、0.57インチ、0.58インチ、0.59インチ、0.60インチ、0.61インチ、0.62インチ、0.63インチ、0.64インチ、0.65インチ、0.66インチ、0.67インチ、0.68インチ、0.69インチ、0.70インチ、0.71インチ、0.72インチ、0.73インチ、0.74インチ、0.75インチ、0.76インチ、0.77インチ、0.78インチ、0.79インチ、0.80インチ、0.81インチ、0.82インチ、0.83インチ、または0.84インチ幾何中心から離間してもよい。
【0094】
同じ実施形態または他の実施形態では、複数のスポット溶接121のうちY軸107に沿って幾何中心から最も遠いスポット溶接は、クラウンまたはフェースプレートの上部端に向かって最大約0.42インチ幾何中心から離間してもよい。最も遠いスポット溶接は、Y軸方向に沿っておよび/またはクラウンに向かって、約0.01インチ、0.02インチ、0.03インチ、0.04インチ、0.05インチ、0.06インチ、0.07インチ、0.08インチ、0.09インチ、0.10インチ、0.11インチ、0.12インチ、0.13インチ、0.14インチ、0.15インチ、0.16インチ、0.17インチ、0.18インチ、0.19インチ、0.20インチ、0.21インチ、0.22インチ、0.23インチ、0.24インチ、0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、0.35インチ、0.36インチ、0.37インチ、0.38インチ、0.39インチ、0.40インチ、0.41インチ、または0.42インチ幾何中心から離間してもよい。多くの実施形態では、複数のスポット溶接121は離間しており、フェース・本体移行領域に接触または当接していない。
【0095】
多くの実施形態では、図7に示されるように、複数のスポット溶接は、互いに共線的である。代替的な実施形態では、複数のスポット溶接は、共線的である必要はなく、直線の参照線からわずかにオフセットされている(すなわち、非共線的である)。図7の例示的な実施形態に示されるクラブヘッドのフェースプレート表面積に基づいて、フェースプレートの表面積の約0.5%~1.0%が単一の溶接ビードに接触してもよい。外部フェースプレート表面積の16.5%以下が、任意の溶接と接触してもよい。
【0096】
(1つ又は複数のHAZ部を有する矩形の参照形状)
熱影響部は、フェースプレートの特定の領域で見出されてもよく、さらに、熱影響部は、参照形状126内で境界を成すか、または参照形状126内に全体的に位置付けられてよい。参照形状126内の溶接ビードまたはスポット溶接の堆積は、(非スポット溶接領域とは異なる)デンドライトマイクロ構造を形成するHAZ領域を生成する。CT特性が閾値の値以上である領域において、関連する位置にスポット溶接を配置することにより、デンドライトマイクロ構造特性に起因するCT低減をもたらす。参照形状126は、CT調整の対象となる領域の周囲および/またはその領域にわたる外形を生成するため、個々のCT修正の位置の識別をより容易に助けてもよい。
【0097】
前述のように、参照形状126は、関連する領域の周囲で境界を生成するために、フェースプレート102上に投影される。関連するこれらのエリアは典型的には、CT値が高く、概して中心・高トウ象限114で見出され得る領域である。中心・高トウ象限114内では、図2を具体的に参照すると、フェースプレート位置の点(すなわち、CT測定領域)で、1インチ×1インチの領域内でCTが最大約15μsも変わり得ることが見られる。さらに、隣接するフェースプレート位置の点において、CTが最大11μsも変わり得る。この変化は、繰り返しのインパクト(すなわち、摩耗)で時間の経過とともにさらに増加し得る。変化を低減するために、局所的な領域内で、隣接する測定位置に影響することなく、HAZ部は、スポット溶接および/または溶接ビードを介して形成されてもよい。
【0098】
図8に示されるように、少なくとも4つのスポット溶接(すなわち、第1のスポット溶接119、第2のスポット溶接120、第3のスポット溶接122、および第4のスポット溶接123は、それぞれ、第1の溶接ビード、第2の溶接ビード、第3の溶接ビード、および第4の溶接ビードとも称されてよい)が、フェースプレート102の外面上に形成されている。言い換えると、第1のスポット溶接119、第2のスポット溶接120、第3のスポット溶接122、および第4のスポット溶接123は、インパクト中にゴルフボールに直接的に接触するフェースプレート102の(外)面に適用されてよい。他の実施形態では、第1、第2、第3、および第4のスポット溶接119、120、122、123は、フェースプレート102の外面に形成/適用される必要はなく、逆に、第1、第2、第3、および第4のスポット溶接119、120、122、および123は、オープンなクラウンまたはオープンなソール設計で(すなわち、ゴルフクラブヘッドが、クラブヘッドの内部へのアクセスを提供する)フェースプレート102の後面に適用されてもよい。
【0099】
前述のように、スポット溶接119、120、122、および123は、フェースプレート102にわたってマイクロ構造を一括で変更することなく、フェースプレート102上の特定の領域のマイクロ構造に局所的に影響を及ぼし得る。図8に例示される4つ以上のスポット溶接は概して、直径によって定義されてよい。フェースプレート102と接触している4つ以上のスポット溶接119、120、122、および123の直径は、約0.125インチ~約0.75インチであってもよい。多くの実施形態では、1つ以上のスポット溶接の直径は、約0.125インチ~約0.225インチ、約0.225インチ~約0.325インチ、約0.325インチ~約0.425インチ、約0.425インチ~約0.525インチ、約0.525インチ~約0.625インチ、または約0.625インチ~約0.75インチであってもよい。他の実施形態では、4つ以上のスポット溶接の直径は、約0.1インチ、0.150インチ、0.2インチ、0.250インチ、0.3インチ、0.350インチ、0.4インチ、0.450インチ、0.5インチ、0.550インチ、0.6インチ、0.650インチ、0.7インチ、または0.750インチであってもよい。代替的な実施形態では、4つ以上のスポット溶接の直径は、約0.750インチ未満であってもよく、約0.7インチ未満であってもよく、約0.65インチ未満であってもよく、0.6インチ未満であってもよく、約0.55インチ未満であってもよく、約0.50インチ未満であってもよく、約0.45インチ未満であってもよく、約0.40インチ未満であってもよく、約0.35インチ未満であってもよく、約0.30インチ未満であってもよく、約0.20インチ未満であってもよく、または約0.15インチ未満であってもよい。
【0100】
単一のスポット溶接によって形成された熱影響部は、スポット溶接の直径の約20%~約50%であってもよい。多くの実施形態では、スポット溶接は、スポット溶接の直径の約20%~約25%、約25%~約30%、約30%~約35%、約35%~約40%、約40%~約45%、約45%~約50%の熱影響部(すなわち、マイクロ構造が変化する位置)を形成してもよい。他の実施形態では、スポット溶接は、スポット溶接の直径の約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、または約25%未満の熱影響部を形成してもよい。熱影響部は、高い溶接温度に曝された結果としてマイクロ構造の変化したフェースプレート102の非溶融領域である。スポット溶接の残りの領域は、溶接プール領域(すなわち、フェースプレート102がその溶融点に達し、フィラー材料が注入される準備ができ得る領域)として、図9に示される例として定義されてよい。
【0101】
図8によってさらに示されるように、フェースプレート102上に形成された第1のスポット溶接119、第2のスポット溶接120、第3のスポット溶接122、および第4のスポット溶接123は、上述の熱影響部内のフェースプレート102のマイクロ構造を局所的に変化させる。スポット溶接によってもたらされる熱影響部のマイクロ構造は、フェースプレート102の溶接(またはHAZ)領域で強度を硬化するか、または増加させるために、より小さい結晶粒界を生成する針状または指状の構造であるデンドライト構造を形成している。この局所的な硬化は、フェースプレートの柔軟性が低減されるような領域の特性時間の減少と直接的に相関する。溶接プールおよび熱影響部の外側の位置(すなわち、スポット溶接によって影響を受けない位置)は、熱影響部(すなわち、剛性が低く、柔軟性がより高い領域)の結晶粒界に対してより大きい結晶粒界を有する均質なマイクロ構造を有する。
【0102】
この特定の実施形態では、第1のスポット溶接119、第2のスポット溶接120、第3のスポット溶接122、および第4のスポット溶接123は、関連する位置において、矩形の参照形状126上におよび/または矩形の参照形状126内に位置付けられており、互いに離間してもよく、互いに触れていない。多くの実施形態では、第1のスポット溶接119の中心、第2のスポット溶接120の中心、第3のスポット溶接122の中心、および第4のスポット溶接123の中心の間の離間距離は変わってもよい。多くの実施形態では、離間距離は、約0.1インチ~1インチであってもよい。例えば、多くの実施形態では、第1のスポット溶接119の中心から第2のスポット溶接120の中心、第3のスポット溶接122の中心、および第4のスポット溶接123の中心のうちの少なくとも1つまでは、0.1インチ、0.15インチ、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.35インチ、0.4インチ、0.45インチ、0.5インチ、0.55インチ、0.60インチ、0.65インチ、0.70インチ、0.75インチ、0.80インチ、0.85インチ、0.90インチ、0.95インチ、または1.0インチ互いに離間してもよい。他の実施形態では、第1のスポット溶接119の中心と、第2のスポット溶接120の中心、第3のスポット溶接122の中心、および第4のスポット溶接123の中心のうちの少なくとも1つとの間の離間距離は、1.0インチ未満であってもよく、0.95インチ未満であってもよく、0.90インチ未満であってもよく、0.85インチ未満であってもよく、0.80インチ未満であってもよく、0.75インチ未満であってもよく、0.70インチ未満であってもよく、0.65インチ未満であってもよく、0.60インチ未満であってもよく、0.55インチ未満であってもよく、0.50インチ未満であってもよく、0.45インチ未満であってもよく、0.40インチ未満であってもよく、0.35インチ未満であってもよく、0.30インチ未満であってもよく、0.20インチ未満であってもよく、または0.150インチ未満であってもよい。多くの実施形態では、第1、第2、第3、および第4のスポット溶接は離間しており、フェース・本体移行領域に接触または当接していない。
【0103】
多くの実施形態では、図8に示されるように、少なくとも2つのスポット溶接は、互いに共線的である。同じ実施形態または代替的な実施形態では、少なくとも2つのスポット溶接は、互いに共線的でない。図8の例に示されるクラブヘッドのフェースプレート表面積に基づいて、フェースプレートの表面積の約0.5%~1.0%が単一の溶接ビードに接触してもよい。外部フェースプレート表面積の16.5%以下が、任意の溶接と接触してもよい。
【0104】
(製造方法)
図10は、ゴルフクラブヘッド100を形成し、および/または組み立てるためのプロセスを示す。第1のステップ200で、フェースプレート102は、ゴルフクラブヘッド100の本体に対して位置合わせされてよい。第2のステップ300は、クラブヘッド100の本体にフェースプレート102を溶接することを伴う。第3のステップ400で、クラブヘッドおよびフェースプレートは、一連の溶解および/またはエージングステップを通じて、フェースプレート材料のソルバス温度、ソルバス温度よりも高い温度、またはソルバス温度よりも低い温度まで加熱されてよい。第4のステップ500で、クラブヘッドおよびフェースプレートは、空冷される。
【0105】
一旦、クラブヘッドが冷やされると、第5のステップ600は、フェースプレート上の関連する少なくとも1つの領域を識別することを伴う。関連するこの領域は典型的には、意図的に設計された期間よりも長い期間、インパクトにおいてフェースプレート上にゴルフボールが留まる位置を決定することによって、識別されるかまたは見出されてよい。その場所は、(1)(戦略的に選択された位置で測定値を取ることによって、クラブヘッドの最大の特性時間値の位置および値を識別しようとする)熱探索プロセスを介して特性時間を測定するための標準USGAテスト方法によって、または(2)CTデータのクラブヘッド集約を通じて、関連する既知の領域を識別することによって、識別されるかまたは見出されてよい。
【0106】
フェースプレート上の関連する少なくとも1つの領域が識別されると、プラズマ溶接またはレーザー溶接を介したスポット溶接が、1秒~5秒の時間範囲で、500℃~650℃の所定の温度で関連する少なくとも1つの領域に適用され、それによって、HAZ領域を形成してもよい。このステップ700は、任意のフェースプレート仕上げステップの前に完了してもよい。例えば、局所的な熱処理は、スムージングまたはテクスチャリングプロセス、コーティング/美的プロセス、ならびにフェースプレートおよび/またはクラブヘッド全体の熱ポリッシングプロセスの前に完了してもよい。
【0107】
最終的に、第7のステップ800で、スポット溶接によって形成されるフィラー材料が、滑らかなフェースプレート面を生成するためにフェースプレートから研磨、スムージング、および/または除去されてもよい。言い換えると、スポット溶接の結果としてのフェースプレート上の余分な材料は、フェースプレートに追加される質量がないように、ポリッシングの前に除去されてよい。上述のようなスポット溶接の除去の後、巨視的に見ると、フェースプレートは、変更されていないように見えるが、微視的に見ると、フェースプレートマイクロ構造の部分は、デンドライト構造を有するように変更されている。
【0108】
(実施例1)
本明細書で記載されるゴルフクラブヘッドの実施形態の有効性を分析して、クラブヘッドの特性時間、ボール速度、打ち出し角、およびスピン特性に関する定量化可能な情報を得るために、3つのクラブのロボットテスト実験が行われた。具体的には、HAZ部を有さないコントロールクラブ、およびHAZ部を有さない1度ロフトが立ったコントロールクラブに対して図7の実施形態がベンチマークされた。
【0109】
テストされた図7のゴルフクラブヘッドは、約8.95度のロフト角、D4.2のスイングウェイト、317.9グラムの総クラブヘッド重量(グリップ+シャフト+ヘッド)、および204.5グラムの完成したヘッド重量を有するドライバー型ゴルフクラブヘッドであった。コントロールクラブは、約9.1度のロフト角、D4.1のスイングウェイト、317.6グラムの総クラブヘッド重量(グリップ+シャフト+ヘッド)、および204.6グラムの完成したヘッド重量を有するドライバー型ゴルフクラブヘッドであった。
【0110】
1度ロフトが立ったコントロールクラブは、約8.1度のロフト角、D4.1のスイングウェイト、317.6グラムの総クラブヘッド重量(グリップ+シャフト+ヘッド)、および204.6グラムの完成したヘッド重量を有するクラブヘッドを有するように(調整可能なホーゼルを介して)ロフトを立てられた。
【0111】
さらに、コントロールクラブ上の様々な位置で、中心・高トウ象限の様々な特性時間測定値が記録された。以下の表(表1)は、記録された値をまとめている。(0インチ、0インチ)の点の位置での測定位置は、ゴルフクラブヘッドの幾何中心(または原点)で定義される。表で右から左に移動すると、水平参照位置が調整され、したがって、クラブヘッドのトウのより近くに移動する。表で下部から上部に移動すると、垂直参照位置が調整され、したがって、クラブヘッドのクラウンに向けて移動する。
【0112】
【表1】
【0113】
比較の目的のため、テストされた図7の実施形態で、中心・高トウ特性時間値も測定され、表2に示されている。表1および表2を比較すると、フェースプレート上の重要な位置(すなわち、中心・高トウ象限)において、スポット溶接前(表1)およびスポット溶接後(表2)の特性時間測定値は、平均約4%または12μs減少したことが見られる。
【0114】
【表2】
【0115】
典型的には、特性時間結果の減少はまた、ボール速度の減少をもたらす。しかしながら、これは、そのケースではなかった。具体的には、図11を参照すると、中心、トウ、およびヒールインパクト全てにわたって、テストされたクラブのボール速度は、コントロールクラブおよびロフトが立ったコントロールクラブに対して増加したことが見られる。さらに、図12および図13で、テストされたクラブヘッドは、約9%低いスピンで約8%低く打ち出されたことが見られる。
【0116】
この現象は、インパクト速度および局所的なフェースプレート硬化の両方によるものであったことが結論付けられた。特性時間テストは、ゴルフボールがインパクト時にフェースプレートと接触して留まる時間を測定する、低い(または遅い)インパクトテストである。代替的には、ボール速度データは典型的には、ゴルフボールとの高速のインパクトで取られる。このため、HAZ部(より詳細には、フェースプレート応答)を有する本明細書で記載されるクラブヘッドは、低インパクト設定および高インパクト設定に従って変わる。
【0117】
例えば、熱影響部が存在する特性時間測定位置において、熱影響部は、隣接する(非HAZ場所)よりも小さい結晶粒界に起因してより堅い。熱影響部は、フェースプレートが大きく曲がることを可能にしないため、より堅い領域により、(特定の位置において)CTの減少をもたらす。このため、ゴルフボールは、インパクト時にフェースプレートと長く接触して留まらない。しかしながら、全体としてのシステムがより堅いとき、(フルスイングなどの)高インパクトで、熱影響部は、増加したボール速度を生成し、したがって、特定の領域での減少したフェース曲げおよび/または湾曲により、フェース湾曲時に、インパクト時のゴルフボールへのエネルギー移動は失われない。
【0118】
1つ以上のクレームされた要素の置換は、再構築を構成し、修理ではない。さらに、利益、他の利点、および課題に対する解決策を、特定の実施形態に関して記載してきた。しかしながら、利益、利点、課題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせ、またはより明らかにさせ得る任意の要素は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重要な、必須の、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0119】
ゴルフに対するルールは、しばしば変更され得る(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)などのゴルフ標準組織および/または管理機関によって、新しい規則が適用され得るか、または古いルールが削除もしくは修正され得る)ため、本明細書で記載される装置、方法、および製造物品に関するゴルフ用品は、任意の特定の時におけるゴルフのルールに適合しまたは適合しなくてもよい。したがって、本明細書で記載される装置、方法、および製造物品に関するゴルフ用品は、適合または適合しないゴルフ用品として、宣伝され、売り出され、および/または売却されてもよい。本明細書で記載される装置、方法、および製造物品は、この点について限定されない。
【0120】
さらに、本明細書で開示される実施形態および限定は、実施形態および/または限定が、(1)特許請求の範囲において明確に請求されておらず、且つ(2)均等論の下で、特許請求の範囲において明示された要素および/または限定と均等または潜在的に均等である場合、デディケーションの法理(Doctrine of dedication)の下で公衆に供されるものではない。
【0121】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲で記載されている。
【0122】
項目1.フェースプレートおよび本体であって、前記本体は、ソールと、クラウンと、ヒール端と、トウ端と、を備え、前記ソールは、アドレスにおいて地面にあり、前記クラウンは、前記ソールの反対側にあり、前記ヒール端は、前記トウ端の反対側にあり、前記ソールおよび前記クラウンに対して垂直であり、前記フェースプレートは、前記クラウンおよび前記ソールから等距離であるとともに前記ヒール端および前記トウ端から等距離である幾何中心を備え、前記フェースプレートは、ロフト面を画定し、前記ロフト面は、前記地面と交差しているとともに前記幾何中心に正接している、前記フェースプレートおよび前記本体と、高さおよび幅を有する参照形状であって、前記参照形状は、前記幾何中心から前記クラウンおよび前記トウ端に向けて延在し、前記参照形状の前記高さは、クラウン・ソール方向において前記ロフト面内で測定される前記フェースプレートの全体の高さの約25%であり、前記参照形状の前記幅は、ヒール端・トウ端方向において前記ロフト面に対して垂直に測定される前記フェースプレートの全体の幅の約25%であり、前記参照形状は、特性時間閾値をさらに備え、前記参照形状内において、1つ又は複数の位置は、前記特性時間閾値よりも高い特性時間値を含み、第1の熱影響部は、前記1つ又は複数の位置に、または前記1つ又は複数の位置の近くに形成されており、形成後の各熱影響部の位置は、前記特性時間閾値以下の特性時間値を含む、前記参照形状と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0123】
項目2.前記フェースプレートの前記幾何中心は、X’軸およびY’軸を有する座標系について原点をさらに画定し、前記X’軸は、前記クラブヘッドの前記ヒールから前記トウへの方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、前記Y’軸は、前記クラブヘッドの前記クラウンから前記ソールへ、前記X’軸に対して垂直な方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、中心・高トウ象限を含む4つのフェースプレート象限領域を形成しており、前記参照形状は、前記フェースプレートの前記幾何中心から延在するとともに前記中心・高トウ象限でのみ境界付けられた直線の参照形状である、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0124】
項目3.前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約20度~約80度の角度が付けられている、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0125】
項目4.前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約45度~約50度の角度が付けられている、項目3に記載のゴルフクラブヘッド。
【0126】
項目5.前記直線の参照形状に沿って、少なくとも前記第1の熱影響部、第2の熱影響部、第3の熱影響部、および第4の熱影響部が存在しており、前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部は、非熱影響フェースプレート領域のマイクロ構造とは異なるマイクロ構造を有する、項目2に記載のゴルフクラブヘッド。
【0127】
項目6.前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部の前記マイクロ構造は、非熱影響フェースプレート領域の前記マイクロ構造よりも小さい結晶粒界を備える針状また指状の構造である、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
【0128】
項目7.前記第1の熱影響部は、外部フェースプレート表面積の16.5%以下に及んでいる、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0129】
項目8.前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、互いに実質的に共線的である、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
【0130】
項目9.前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、前記フェースプレート・本体移行領域に沿ったいかなる位置にも存在していない、項目8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0131】
項目10.フェースプレートおよび本体であって、前記本体は、ソールと、クラウンと、ヒール端と、トウ端と、を備え、前記ソールは、アドレスにおいて地面にあり、前記クラウンは、前記ソールの反対側にあり、前記ヒール端は、前記トウ端の反対側にあり、前記ソールおよび前記クラウンに対して垂直であり、前記フェースプレートは、前記クラウンおよび前記ソールから等距離であるとともに前記ヒール端および前記トウ端から等距離である幾何中心を備え、前記フェースプレートは、ロフト面を画定し、前記ロフト面は、前記地面と交差しているとともに前記幾何中心に正接している、前記フェースプレートおよび前記本体と、高さおよび幅を有する参照形状であって、前記参照形状は、前記幾何中心から前記クラウンおよび前記トウ端に向けて延在し、前記参照形状の前記高さは、クラウン・ソール方向において前記ロフト面内で測定される前記フェースプレートの全体の高さの約5%~約25%であり、前記参照形状の前記幅は、ヒール端・トウ端方向において前記ロフト面に対して垂直に測定される前記フェースプレートの全体の幅の約5%~約25%であり、前記参照形状は、特性時間閾値をさらに備え、前記参照形状内において、1つ又は複数の位置は、前記特性時間閾値よりも高い特性時間値を含み、第1の熱影響部は、前記1つ又は複数の位置に、または前記1つ又は複数の位置の近くに形成されており、形成後の各熱影響部の位置は、前記特性時間閾値以下の特性時間値を含む、前記参照形状と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0132】
項目11.前記フェースプレートの前記幾何中心は、X’軸およびY’軸を有する座標系について原点をさらに画定し、前記X’軸は、前記クラブヘッドの前記ヒールから前記トウへの方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、前記Y’軸は、前記クラブヘッドの前記クラウンから前記ソールへ、前記X’軸に対して垂直な方向に前記フェースプレートの前記幾何中心を通って延在し、中心・高トウ象限を含む4つのフェースプレート象限領域を形成しており、前記参照形状は、前記フェースプレートの前記幾何中心から延在するとともに前記中心・高トウ象限でのみ境界付けられた直線の参照形状である、項目10に記載のゴルフクラブヘッド。
【0133】
項目12.前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約20度~約80度の角度が付けられている、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0134】
項目13.前記直線の参照形状は、前記X’軸に対して約45度~約50度の角度が付けられている、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0135】
項目14.前記直線の参照形状に沿って、少なくとも前記第1の熱影響部、第2の熱影響部、第3の熱影響部、および第4の熱影響部が存在しており、前記第1、第2、第3、および第4の熱影響部は、非熱影響フェースプレート領域のマイクロ構造とは異なるマイクロ構造を有する、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0136】
項目15.前記熱影響部の前記マイクロ構造は、針状また指状の構造であり、非熱影響フェースプレート領域の前記マイクロ構造よりも小さい結晶粒界を形成している、項目14に記載のゴルフクラブヘッド。
【0137】
項目16.前記第1の熱影響部は、外部フェースプレート表面積の16.5%以下に及んでいる、項目10に記載のゴルフクラブヘッド。
【0138】
項目17.前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、互いに共線的である、項目14に記載のゴルフクラブヘッド。
【0139】
項目18.前記第1の熱影響部、前記第2の熱影響部、前記第3の熱影響部、および前記第4の熱影響部は、前記フェースプレート・本体移行領域に沿ったいかなる位置にも存在していない、項目17に記載のゴルフクラブヘッド。
【0140】
項目19.前記ゴルフクラブヘッドは、ドライバー型クラブヘッドである、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
【0141】
項目20.前記ゴルフクラブヘッドは、10度未満のロフト角を有するドライバー型クラブヘッドである、項目11に記載のゴルフクラブヘッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】