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特表2022-547628常時治療のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】常時治療のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20221107BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20221107BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20221107BHJP
   A61M 16/06 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/16 130
A61M16/00 305A
A61M16/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516728
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 IB2020058479
(87)【国際公開番号】W WO2021048820
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】62/899,833
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522102697
【氏名又は名称】レズメド センサー テクノロジーズ リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521504913
【氏名又は名称】レズメド ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レン、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ショルディス、レドモンド
(72)【発明者】
【氏名】ブラストン、ルーク
(72)【発明者】
【氏名】コステロ、マイケル、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コフィ、サム
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PS00
4C038PS01
4C038PS03
4C038PS07
4C038SS04
4C038SS08
4C038SS09
4C038ST05
4C038ST09
4C038SU01
4C038SU17
4C038SV01
4C038SV03
4C038SV05
4C038SX05
(57)【要約】
ある方法が、ユーザの第1の睡眠セッションと関連付けられた第1の生理学的データを第1のセンサから受け取ることを含む。この方法は、ユーザの第1の睡眠セッションと関連付けられた第2の生理学的データをセンサから受け取ることも含む。この方法は、第1の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、そのユーザの第1の組の睡眠セッションと関連付けられた第1の組の睡眠関連パラメータを判断することも含む。この方法は、第2の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、そのユーザの第2の組の第1の睡眠セッションと関連付けられた睡眠関連パラメータを判断することも含む。この方法は、第1の組の睡眠関連パラメータと第2の組の睡眠関連パラメータとの間での比較に少なくとも部分的に基づいて第2のセンサを較正することも含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第1の生理学的データを第1のセンサから受け取ることと、
ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第2の生理学的データを第2のセンサから受け取ることと、
前記第1の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記睡眠セッションと関連付けられた第1の組の睡眠関連パラメータを判断することと、
前記第2の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記睡眠セッションと関連付けられた第2の組の睡眠関連パラメータを判断することと、
前記第1の組の睡眠関連パラメータと前記第2の組の睡眠関連パラメータとの間での比較に少なくとも部分的に基づいて前記第2のセンサを較正することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1のセンサが呼吸療法システムに物理的に連結または統合されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記呼吸療法システムが、加圧空気を供給するように構成された呼吸デバイスと、導管を介して前記呼吸デバイスに連結されたユーザインターフェースと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセンサが、圧力センサまたは流量センサである、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のセンサが、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているときに前記第1の生理学的データを生成するように構成され、前記第2のセンサが、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているとき、および前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していないときに前記第2の生理学的データを生成するように構成されている、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のセンサが、モーションセンサ、音響センサ、RFセンサ、PPGセンサ、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のセンサを較正することが、前記第2のセンサの1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記センサの前記1つ以上のパラメータが、前記センサの信号の周波数、位相、力、振幅、強度、変調、前記センサの1つ以上のアンテナのビームパターン、オンとオフ、前記センサの1つ以上のアンテナのビーム形成、物理位置、前記センサの物理位置、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のセンサを較正することが、前記機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられた第1の呼吸信号を含み、前記第2の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられた第2の呼吸信号を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のセンサの前記較正の前に、前記第2の呼吸信号が前記第1の呼吸信号と一致せず、前記第2のセンサの前記較正の後に、前記第2の呼吸信号が前記第1の呼吸信号と一致する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のセンサが、前記呼吸療法システムとは別々かつ別個であるユーザデバイスに物理的に連結または統合されている、請求項2から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の組の睡眠関連パラメータ、前記第2の組の睡眠関連パラメータ、またはその両方の明示を前記ユーザに伝えることをさらに含む、請求項3から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記明示が、前記第1の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分と前記第2の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分との比較を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記明示が、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合している前記睡眠セッションの第1の部分における前記ユーザの睡眠の質と、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していない前記睡眠セッションの前記第2の部分における前記ユーザの睡眠の質と、を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨を前記ユーザに伝えることをさらに含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する前記推奨が、前記ユーザが就床する時刻、前記ユーザが覚醒する時刻、前記睡眠セッションの持続時間、前記睡眠セッション中に前記ユーザが前記マスクを着用している時間、またはそれらの任意の組み合わせを変更する推奨を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記明示が、前記睡眠セッション中の前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠品質基準と、前記睡眠品質基準の改善を支援するために前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨と、を含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記明示が、前記ユーザが前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整を実施したことに対応する前記睡眠品質基準の予想数量改善をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整が、前記呼吸療法システムの平均使用時間を増やす推奨を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記睡眠セッション中の前記ユーザの同床者と関連付けられた第3の生理学的データを受け取ることと、
前記睡眠セッション中の前記同床者と関連付けられた第3の組の睡眠関連パラメータを判断することと、
前記第3の組の睡眠関連パラメータうちの少なくとも1つの明示を、前記ユーザ、同床者、またはその両者に伝えることと、をさらに含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記明示が、前記同床者の前記第3の組の睡眠関連パラメータのうちの少なくとも1つを改善するのを支援するために、前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記明示が、前記ユーザの前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整を前記ユーザが実施したことに対応する前記同床者の前記第3の組の睡眠関連パラメータのうちの前記少なくとも1つの予想数量改善をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の組の睡眠関連パラメータ、前記第2の組の睡眠関連パラメータ、またはその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記呼吸療法システムの1つ以上のパラメータを変更することをさらに含む、請求項2から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上のパラメータを変更することが、前記呼吸デバイスのランプ時間の変更、前記呼吸デバイスの圧力設定の変更、前記ユーザが前記睡眠セッションから目覚めたという判断を受けての圧力設定の変更、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の組の睡眠関連パラメータが、睡眠スコア、流れ信号、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、睡眠状態、前記呼吸器デバイスの圧力設定、心拍数、心拍数変動、前記ユーザの動き、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の組の睡眠関連パラメータが、睡眠スコア、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、睡眠状態、心拍数、心拍数変動、前記ユーザの動き、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記事象が、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、混合性無呼吸、低呼吸、いびき、周期性四肢運動、下肢静止不能症候群、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項26または請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
1つ以上のプロセッサを備える制御システムと、
機械可読命令を記憶したメモリと、を備え、
前記制御システムが前記メモリに連結され、前記メモリ内の前記機械実行可能命令が前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されると、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法が実施される、システム。
【請求項30】
1つ以上の明示を前記ユーザに伝えるためのシステムであって、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された制御システムを備える、システム。
【請求項31】
コンピュータによって実行されると、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記コンピュータプログラム製品が、非一時的なコンピュータ可読媒体である、請求項31に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
(i)加圧空気を供給し、(ii)睡眠セッション中の前記呼吸デバイスのユーザと関連付けられた第1の生理学的データを生成する、ように構成された呼吸デバイスと、
導管を介して前記呼吸器デバイスに連結されたユーザインターフェースであって、前記供給された加圧空気を前記ユーザの気道に方向付けるのを支援するために、前記睡眠セッション中の前記ユーザと係合するように構成されたユーザインターフェースと、
前記睡眠セッション中の前記呼吸器デバイスの前記ユーザと関連付けられた第2の生理学的データを生成するように構成されたセンサと、
機械可読命令を記憶するメモリと、
前記第1の生理学的データを分析して、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第1の組の睡眠関連パラメータを判断し、
前記第2の生理学的データを分析して、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第2の組の睡眠関連パラメータを判断し、
前記第1の組の睡眠関連パラメータと前記第2の組の睡眠関連パラメータとの比較に少なくとも部分的に基づいて前記センサを較正する、目的で前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、を備えるシステム。
【請求項34】
前記第1の組の睡眠関連パラメータが、睡眠スコア、流れ信号、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、睡眠状態、前記呼吸器デバイスの圧力設定、心拍数、心拍数変動、前記ユーザの動き、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記第2の組の睡眠関連パラメータが、睡眠スコア、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、睡眠状態、心拍数、心拍数変動、前記ユーザの動き、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記事象が、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、混合性無呼吸、低呼吸、いびき、周期性四肢運動、下肢静止不能症候群、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項34または請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第1の事象パターンを含み、前記第2の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第2の事象パターンを含む、請求項33から36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記センサの前記較正の前に、前記第2の事象パターンが前記第1の事象パターンと一致せず、前記センサの前記較正の後に、前記第2の事象パターンが前記第1の事象パターンと一致する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの1時間当たりの第1の平均事象数を示す第1の睡眠スコアを含み、前記第2の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの1時間当たりの第2の平均事象数を示す第2の睡眠スコアを含む、請求項33から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記センサの前記較正の前に、1時間当たりの前記第2の平均事象数が1時間当たりの前記第1の平均事象数と一致せず、前記センサの前記較正の後に、1時間当たりの前記第2の平均事象数が1時間当たりの前記第1の平均事象数と一致する、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第1の呼吸信号を含み、前記第2の組の睡眠関連パラメータが、前記睡眠セッション中の前記ユーザの第2の呼吸信号を含む、請求項33から40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記センサの前記較正の前に、前記第2の呼吸信号が前記第1の呼吸信号と一致せず、前記センサの前記較正の後に、前記第2の呼吸信号が前記第1の呼吸信号と一致する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の生理学的データが、前記呼吸器デバイス、前記マスク、前記チューブ、またはそれらの任意の組み合わせ内の圧力測定値、空気流、またはその両方から導出される、請求項33から42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記呼吸デバイスが、圧力センサ、流量センサ、またはその両方を含む、請求項33から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記第2の生理学的データが、前記ユーザのモーションの測定値から導出される、請求項33から44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
前記センサが1つ以上のモーションセンサを含み、前記ユーザのモーションの前記測定値が、前記1つ以上のモーションセンサを使用して生成される、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記センサを較正することが、前記センサの1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項33から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記センサを較正することが、前記機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記センサの前記1つ以上のパラメータが、前記センサの信号の周波数、位相、力、振幅、強度、変調、前記センサの1つ以上のアンテナのビームパターン、オンとオフ、前記センサの1つ以上のアンテナのビーム形成、物理位置、前記センサの物理位置、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項47または請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記センサが、前記呼吸器デバイスとは別々かつ別個である外部デバイスに連結されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項51】
前記センサが、マイクロフォン、カメラ、マイクロフォン、スピーカ、RF受信機、RF送信機、赤外線センサ、PPGセンサ、圧電センサ、圧力センサ、静電容量センサ、力センサ、歪みゲージセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項33から50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
睡眠セッション中のユーザと係合するように構成されたユーザインターフェースと、
導管を介して前記ユーザインターフェースに連結された呼吸デバイスであって、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているときに、前記睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられた第1の生理学的データを生成するように構成された呼吸デバイスと、
前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているとき、および前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していないときに、前記睡眠セッション中の前記呼吸器デバイスの前記ユーザと関連付けられた第2の生理学的データを生成するように構成されたセンサと、
機械可読命令を記憶するメモリと、
前記第1の生理学的データ、前記第2の生理学的データ、またはその両方を分析して、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合している前記睡眠セッションの第1の部分における前記ユーザの第1の組の睡眠関連パラメータを判断し、
前記第2の生理学的データを分析して、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していない前記睡眠セッションの第2の部分における前記ユーザの第2の組の睡眠関連パラメータを判断し、
前記第1の組の睡眠関連パラメータと関連付けられ、かつ前記第2の組の睡眠関連パラメータと関連付けられたレポートを生成する、目的で前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、を備えるシステム。
【請求項53】
前記レポートが、前記第1の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分と前記第2の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分との比較を含む、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記第1の生理学的データ、前記第2の生理学的データ、前記生成されたレポート、またはそれらの任意の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて前記呼吸デバイスの1つ以上のパラメータを変更するようにさらに構成されている、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記1つ以上のパラメータの前記変更が、前記呼吸デバイスのランプ時間の変更、前記睡眠セッション中の圧力設定の変更、前記ユーザが前記睡眠セッションから目覚めたという判断を受けての圧力設定の変更、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記レポートが、前記マスクが前記ユーザと係合している前記睡眠セッションの前記第1の部分における前記ユーザの睡眠の質と、前記マスクが前記ユーザと係合していない前記睡眠セッションの前記第2の部分における前記ユーザの睡眠の質と、を示す、請求項52から54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記生成されたレポートが、前記呼吸器デバイスの使用に関する推奨を含む、請求項52から56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記生成されたレポートが、前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨を含む、請求項52から57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する前記推奨が、(i)前記ユーザが就床する時刻と、(ii)前記ユーザが覚醒する時刻と、(iii)前記睡眠セッションの持続時間と、(iv)前記睡眠セッション中に前記ユーザが前記マスクを着用している時間と、(v)それらの任意の組み合わせと、を変更する推奨を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記レポートが、(i)前記睡眠セッション中の前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠品質基準と、(ii)前記睡眠品質基準の改善を支援するために前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨と、を含む、請求項52から59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記レポートが、(iii)前記ユーザが前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整を実施したことに対応する前記睡眠品質基準の予想数量改善をさらに含む、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整が、1睡眠セッションあたりの前記呼吸デバイスの平均使用時間を増やす推奨を含む、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記センサまたは別のセンサが、前記睡眠セッション中の前記呼吸デバイスの前記ユーザの同床者と関連付けられた第3の生理学的データを生成するように構成され、前記生成されたレポートが、前記睡眠セッション中の同床者の睡眠の質を示す睡眠品質基準を含む、請求項52から62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記レポートが、前記同床者の前記睡眠品質基準を改善するのを支援するために前記ユーザの1つ以上の睡眠習慣を調整する推奨をさらに含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記レポートが、前記ユーザの前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整を前記ユーザが実施したことに対応する前記同床者の前記睡眠品質基準の予想数量改善をさらに含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記ユーザの前記1つ以上の睡眠習慣に対する前記推奨調整が、1睡眠セッションあたりの前記呼吸器デバイスの平均使用時間を増やす推奨を含む、請求項64または請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記制御システムが、機械可読命令を実行して、(i)前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合している前記睡眠セッションの前記第1の部分において生成された前記第1の生理学的データ、および(ii)前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合している前記睡眠セッションの前記第1の部分において生成された前記第2の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて前記センサを較正するようにさらに構成されている、請求項52から66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記センサを較正することが、前記センサの1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記センサを較正することが、前記機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更することを含む、請求項67または請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記センサの前記1つ以上のパラメータが、前記センサの信号の周波数、位相、力、振幅、強度、変調、前記センサの1つ以上のアンテナのビームパターン、オンとオフ、前記センサの1つ以上のアンテナのビーム形成、物理位置、前記センサの物理位置、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記センサが、前記呼吸デバイスとは別々かつ別個である外部デバイスに連結されている、請求項52から70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
呼吸療法システムのユーザインターフェースがユーザと係合しているときに、睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられた呼吸器データを受け取ることと、
前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているとき、および前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していないときに、前記睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられたセンサデータを受け取ることと、
過去の呼吸器データおよび現在の呼吸器データを含む前記呼吸器データと、過去のセンサデータおよび現在のセンサデータを含む前記センサデータと、を蓄積することと、
機械学習アルゴリズムが、(i)前記現在の呼吸器データおよび前記現在のセンサデータを入力情報として受け取り、(ii)前記ユーザが所定の期間中に経験する予想活動レベルを出力情報として決定するように構成されるように、前記過去の呼吸器データおよび前記過去のセンサデータで前記機械学習アルゴリズムをトレーニングすることと、を含む方法。
【請求項73】
前記所定の期間が、前記睡眠セッションの終了後の約1時間から約12時間の間である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記予想活動レベルが、予想歩数、予想燃焼カロリー数、またはその両方を含む、請求項72または請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記機械学習アルゴリズムが、標準化されたテストに対して前記ユーザが前記睡眠セッション後に経験する反応時間の予想値を出力情報として決定するようにさらにトレーニングされる、請求項72から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記機械学習アルゴリズムが、前記睡眠セッション後に前記ユーザが経験する予想主観的眠気スコアを出力情報として決定するようにさらにトレーニングされる、請求項72から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記睡眠セッション後に前記ユーザから主観的フィードバックを受け取ることをさらに含み、前記機械学習アルゴリズムの前記トレーニングが、前記ユーザからの主観的フィードバックで前記機械学習アルゴリズムをトレーニングすることを含む、請求項72から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
睡眠セッション中のユーザと係合するように構成されたユーザインターフェースと、
導管を介して前記ユーザインターフェースに連結された呼吸デバイスであって、前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているときに、前記睡眠セッション中の前記ユーザと関連付けられた呼吸器データを生成するように構成された呼吸デバイスと、
前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合しているとき、および前記ユーザインターフェースが前記ユーザと係合していないときに、前記睡眠セッション中の前記呼吸器デバイスの前記ユーザと関連付けられたセンサデータを生成するように構成されたセンサと、
機械可読命令を記憶するメモリと、
過去の呼吸器データおよび現在の呼吸器データを含む前記呼吸器データと、過去のセンサデータおよび現在のセンサデータを含む前記センサデータと、を蓄積し、
機械学習アルゴリズムが、(i)前記現在の呼吸器データおよび前記現在のセンサデータを入力情報として受け取り、(ii)前記ユーザが所定の期間中に経験する予想活動レベルを出力情報として決定するように構成されるように、前記過去の呼吸器データおよび前記過去のセンサデータで前記機械学習アルゴリズムをトレーニングする、目的で前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、を備えるシステム。
【請求項79】
前記所定の期間が、前記睡眠セッションの終了後の約1時間から約12時間の間である、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記予想活動レベルが、予想歩数、予想燃焼カロリー数、またはその両方を含む、請求項78または請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記機械学習アルゴリズムをトレーニングし、標準化されたテストに対して前記ユーザが前記睡眠セッション後に経験する反応時間の予想値を出力情報として決定するようにさらに構成されている、請求項78から80のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項82】
前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記機械学習アルゴリズムをトレーニングし、前記睡眠セッション後に前記ユーザが経験する予想主観的眠気スコアを出力情報として決定するようにさらに構成されている、請求項78から請求項81のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項83】
前記制御システムが、前記機械可読命令を実行して、前記睡眠セッションに関する主観的フィードバックを前記ユーザに求めるプロンプトをディスプレイデバイスに表示させるようにさらに構成されている、請求項78から82のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記機械学習アルゴリズムの前記トレーニングが、前記プロンプトを受けて前記ユーザから受信した主観的フィードバックで前記機械学習アルゴリズムをトレーニングすることを含む、請求項83に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/899,833号の便益およびその優先権を主張するものであり、同仮出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は概して、睡眠セッション中のユーザの睡眠関連パラメータを判断するシステムおよび方法に関し、より詳細には、2つ以上の別々かつ別個のセンサを用いて、睡眠セッション中のユーザの2セット以上の睡眠関連パラメータを判断するシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
多くの人が、例えば、いびき、無呼吸、低呼吸、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増、呼吸困難、喘息発作、てんかん挿間症、発作、またはそれらの任意の組み合わせなど、睡眠に起こる1つ以上の事象と関連付けられた睡眠関連の呼吸障害を患っている。このような患者には、睡眠中に気道が狭まったり潰れたりしないよう支援するために、加圧空気を送達する呼吸療法システム(例えば、連続気道陽圧(CPAP)システム)を用いた治療が施されることが多い。この呼吸療法システムは、睡眠セッションと関連付けられた生理学的データを生成することができ、ひいてはこのデータを使用して、睡眠関連パラメータを判断すること、および/または睡眠の質を示すレポートを生成することができる。しかし、睡眠セッションの一部分でユーザが呼吸療法システムを使用しない(例えば、ユーザがユーザインターフェースを取り外す)と、その睡眠セッションに対して生成された生理学的データに空白が生じる。本開示は、これらの問題などを解決することを目的とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの実装形態によれば、ある方法が、ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第1の生理学的データを第1のセンサから受け取ることを含む。この方法は、ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第2の生理学的データを第2のセンサから受け取ることも含む。この方法は、第1の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第1の組の睡眠関連パラメータを判断することも含む。この方法は、第2の生理学的データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠セッションと関連付けられた第2の組の睡眠関連パラメータを判断することも含む。この方法は、第1の組の睡眠関連パラメータと第2の組の睡眠関連パラメータとの間での比較に少なくとも部分的に基づいて第2のセンサを較正することも含む。
【0005】
本開示のいくつかの実装形態によれば、あるシステムが、呼吸デバイスと、ユーザインターフェースと、センサと、メモリと、制御システムと、を含む。呼吸デバイスは、加圧空気を供給し、呼吸器デバイスのユーザと関連付けられた睡眠セッション中の第1の生理学的データを生成するように構成されている。ユーザインターフェースは、導管を介して呼吸デバイスに連結されている。ユーザインターフェースは、睡眠セッション中のユーザと係合して、供給された加圧空気をユーザの気道に導くのを支援するように構成されている。センサは、呼吸デバイスのユーザと関連付けられた睡眠セッション中の第2の生理学的データを生成するように構成されている。メモリは、機械可読命令を記憶する。制御システムは、機械可読命令を実行して、第1の生理学的データを分析し、睡眠セッション中のユーザの第1の組の睡眠関連パラメータを判断するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。この制御システムは、第2の生理学的データを分析して、睡眠セッション中のユーザの第2の組の睡眠関連パラメータを判断するようにさらに構成されている。この制御システムは、第1の組の睡眠関連パラメータと第2の組の睡眠関連パラメータとの比較に少なくとも部分的に基づいてセンサを較正するようにさらに構成されている。
【0006】
本開示のいくつかの実装形態によれば、あるシステムが、ユーザインターフェースと、呼吸デバイスと、センサと、メモリと、制御システムと、を含む。ユーザインターフェースは、睡眠セッション中のユーザと係合するように構成されたマスクである。呼吸デバイスは、導管を介してユーザインターフェースに連結されている。この呼吸デバイスは、ユーザインターフェースがユーザと係合しているときに、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた第1の生理学的データを生成するように構成されている。センサは、ユーザインターフェースがユーザと係合しているとき、およびユーザインターフェースがユーザと係合していないときに、睡眠セッション中の呼吸デバイスのユーザと関連付けられた第2の生理学的データを生成するように構成されている。メモリは、機械可読命令を記憶する。制御システムは、これらの機械可読命令を実行して、第1の生理学的データ、第2の生理学的データ、またはその両方を分析し、ユーザインターフェースがユーザと係合している睡眠セッションの第1の部分のときにそのユーザの第1の組の睡眠関連パラメータを判断するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。制御システムは、第2の生理学的データを分析して、ユーザインターフェースがユーザと係合していない睡眠セッションの第2の部分のときにそのユーザの第2の組の睡眠関連パラメータを判断するようにさらに構成されている。制御システムは、第1の組の睡眠関連パラメータと関連付けられ、第2の組の睡眠関連パラメータと関連付けられたレポートを生成するようにさらに構成されている。
【0007】
本開示のいくつかの実装形態によれば、ある方法が、呼吸療法システムのユーザインターフェースがユーザと係合したときに、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた呼吸器データを受け取ることを含む。この方法は、ユーザインターフェースがユーザと係合しているとき、およびユーザインターフェースがユーザと係合していないときに、睡眠セッション中のユーザと関連付けられたセンサデータを受け取ることも含む。この方法は、過去の呼吸器データおよび現在の呼吸器データを含む呼吸器データと、過去のセンサデータおよび現在のセンサデータを含むセンサデータと、を蓄積することも含む。この方法は、機械学習アルゴリズムが、(i)現在の呼吸器データおよび現在のセンサデータを入力情報として受け取り、(ii)ユーザが所定の期間中に経験する予想活動レベルを出力情報として決定するように構成されるように、過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータで機械学習アルゴリズムをトレーニングすることを含む。
【0008】
本開示のいくつかの実装形態によれば、あるシステムが、ユーザインターフェースと、呼吸デバイスと、センサと、メモリと、制御システムと、を含む。ユーザインターフェースは、睡眠セッション中のユーザと係合するように構成されている。呼吸デバイスは、導管を介してユーザインターフェースに連結されている。呼吸デバイスは、ユーザインターフェースがユーザと係合しているときに、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた呼吸器データを生成するように構成されている。センサは、ユーザインターフェースがユーザと係合しているとき、およびユーザインターフェースがユーザと係合していないときに、睡眠セッション中の呼吸デバイスのユーザと関連付けられたセンサデータを生成するように構成されている。メモリは、機械可読命令を記憶する。制御システムは、これらの機械可読命令を実行して、過去の呼吸器データおよび現在の呼吸器データを含む呼吸器データと、過去のセンサデータおよび現在のセンサデータを含むセンサデータと、を蓄積するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。制御システムは、機械学習アルゴリズムが、(i)現在の呼吸器データおよび現在のセンサデータを入力情報として受け取り、(ii)ユーザが所定の期間中に経験する予想活動レベルを出力情報として決定する、ように構成されるように過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータで機械学習アルゴリズムをトレーニングするようにさらに構成されている。
【0009】
上記の要旨は、本発明の各実施形態または各態様を示すことを意図していない。本発明のさらなる特徴および便益は、下記の詳細な説明および図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた生理学的データを生成するためのシステムの機能ブロック図である。
図2】本開示のいくつかの実装形態に係る、図1のシステム、ユーザ、および同床者の斜視図である。
図3】本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた睡眠関連パラメータを判断する方法の処理フロー図である。
図4】本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッションと関連付けられたレポートを生成する方法の処理フロー図である。
図5】本開示のいくつかの実装形態に係る、過去の呼吸器デバイスデータおよび過去のセンサデータに基づいて機械学習アルゴリズムをトレーニングする方法の処理フロー図である。
図6】本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッションの例示的な時系列を表している。
図7】本開示のいくつかの実装形態に係る、図3の睡眠セッションと関連付けられた例示的な睡眠経過図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、様々な変更および代替形態が可能であるが、本開示の具体的な実装形態および実施形態が図面に例として示されており、本明細書において詳述される。ただしそれは、開示された特定の形態に本開示を限定することを意図するものではなく、本開示は、添付の請求項によって定義される本開示の精神および範囲内に属するすべての改変物、均等物、および代替物を網羅するということを理解すべきである。
【0012】
多くの人が、睡眠関連障害および/または呼吸障害を患っている。睡眠関連障害および/または呼吸障害の例としては、周期性四肢運動障害(PLMD)、下肢静止不能症候群(RLS)、睡眠呼吸障害(SDB)、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、無呼吸、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、呼吸不全、肥満過呼吸症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)、および胸壁障害などが挙げられる。
【0013】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠呼吸障害(SDB)の一形態であり、異常に小さな上気道と、舌、軟口蓋、中咽頭後壁の領域における筋緊張の通常損失との組み合わせによる睡眠中の上気道の閉塞や遮断などの事象によって特徴付けられる。より一般的には、無呼吸とは概して、空気の閉塞によって生じる呼吸の休止(閉塞性睡眠時無呼吸)または呼吸機能の停止(中枢性無呼吸と称されることが多い)のことである。閉塞性睡眠時無呼吸の発生時には、約15秒から約30秒にわたって呼吸が停止するのが典型的である。
【0014】
他のタイプの無呼吸としては、低呼吸、過呼吸、および高炭酸ガス血症が挙げられる。低呼吸は概して、気道の閉塞ではなく、気道の狭窄によって生じる遅い呼吸または浅い呼吸によって特徴付けられる。過呼吸は概して、呼吸の深さおよび/または速度の増大によって特徴付けられる。高炭酸ガス血症は概して、血流中の二酸化炭素量の急増または過剰によって特徴付けられ、不十分な呼吸によって生じるのが典型的である。
【0015】
チェーン・ストークス呼吸(CSR)は、別の形態の睡眠呼吸障害である。CSRは、患者の呼吸調節器の疾患であり、CSRサイクルとして知られる換気の漸増および漸減が交互に周期的に続く。CSRは、動脈血の脱酸素および再曝気の繰り返しによって特徴付けられる。
【0016】
肥満過換気症候群(OHS)は、低換気の原因が他に明確に無い状態における、重症肥満および覚醒時慢性高炭酸ガス血症の組み合わせとして定義される。症状には、呼吸困難、起床時の頭痛と過剰な日中の眠気が含まれる。
【0017】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、空気の移動に対する抵抗の増加、呼吸の呼気相の延長、肺の正常な弾力性の喪失など、ある特性を共通して有する下気道疾患群のいずれかを包含する。
【0018】
神経筋疾患(NMD)は、内在筋病理を直接介してまたは神経病理を間接的に介して筋肉機能を損なう多数の疾病および病気を包含する。胸壁障害は、胸郭変形の1つのグループであり、呼吸筋肉と胸郭との間の連結の無効性の原因となる。
【0019】
これらを始めとする疾患は、睡眠中に起こる特定事象(例えば、いびき、無呼吸、低呼吸、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増、呼吸困難、喘息発作、てんかん挿間症、発作、またはそれらの任意の組み合わせ)によって特徴付けられる。
【0020】
無呼吸-低呼吸指数(AHI)とは、睡眠セッション中の無呼吸の深刻度を示すのに使用される指数のことである。AHIは、睡眠セッション中にユーザが経験した無呼吸および/または低呼吸事象の数を、その睡眠セッションにおける全睡眠時間数で除算することによって求められる。この事象は、例えば、少なくとも10秒以上続く呼吸の一時停止であり得る。5未満のAHIは正常とみなされる。5以上15未満のAHIは、軽度の睡眠時無呼吸を示すものととみなされる。15以上30未満のAHIは、中等度の睡眠時無呼吸を示すものとみなされる。30以上のAHIは、重度の睡眠時無呼吸を示すものとみなされる。小児では、1よりも大きいAHIが異常とみなされる。睡眠時無呼吸は、AHIが正常であるとき、またはAHIが正常もしくは軽度であるときに、「制御されている」とみなすことができる。AHIは、酸素飽和度と組み合わせて、閉塞性睡眠時無呼吸の深刻度を示すのに使用することもできる。
【0021】
図1を参照すると、システム100は、制御システム110と、呼吸療法システム120と、1つ以上のセンサ130と、外部デバイス170と、を含む。本明細書に記載のとおり、システム100は概して、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた第1の組の生理学的データを、呼吸システム120を使用して生成し、第2の組の生理学的データを、呼吸システム120に対して外部であるセンサ130のうちの1つ以上を使用して生成するのに使用することができ、ひいては、これらの生理学的データを分析して、第1の組の睡眠関連パラメータおよび第2の組の睡眠関連パラメータを判断することができる。
【0022】
制御システム110は、1つ以上のプロセッサ112(以下、プロセッサ112)を含む。制御システム110は概して、システム100の様々な構成要素を制御(例えば、作動)し、かつ/またはシステム100の構成要素によって取得および/または生成されたデータを分析するのに使用される。プロセッサ112は、汎用または特殊用途のプロセッサまたはマイクロプロセッサであり得る。図1には1個のプロセッサ112が示されているが、制御システム110は、単一のハウジング内に存在し得るか、互いに離れて所在し得る任意の適切な数のプロセッサ(例えば、1個のプロセッサ、2個のプロセッサ、5個のプロセッサ、10個のプロセッサなど)を含み得る。制御システム110は、例えば、外部デバイス170のハウジング、呼吸システム120の一部分(例えば、ハウジング)、および/またはセンサ130うちの1つ以上のハウジングに連結すること、および/またはそれらの内部に位置付けることができる。制御システム110は、(1つのかかるハウジング内に)集中させるか、(物理的に別個である2つ以上のかかるハウジング内に)分散させることができる。制御システム110を格納する2つ以上のハウジングを含むかかる実装形態においては、かかるハウジングが、互いに近接して、かつ/または遠隔で所在することができる。
【0023】
メモリデバイス114は、制御システム110のプロセッサ112によって実行可能な機械可読命令を記憶する。メモリデバイス114は、例えば、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリデバイスなど、任意の適切なコンピュータ可読ストレージデバイスまたはメディアであり得る。図1には1つのメモリデバイス114が示されているが、システム100は、任意の適切な数のメモリデバイス114(例えば、1個のメモリデバイス、2個のメモリデバイス、5個のメモリデバイス、10個のメモリデバイスなど)を含み得る。メモリデバイス114は、呼吸デバイス122のハウジング、外部デバイス170のハウジング、センサ130うちの1つ以上のハウジング、またはそれらの任意の組み合わせに連結すること、および/またはそれらの内部に位置付けることができる。制御システム110と同様に、メモリデバイス114は、(1つのかかるハウジング内に)集中させるか、(物理的に異なる2つ以上のかかるハウジング内に)分散させることができる。
【0024】
いくつかの実装形態においては、メモリデバイス114(図1)が、ユーザと関連付けられたユーザプロファイルを記憶する。ユーザプロファイルは、例えば、ユーザと関連付けられた人口統計情報、ユーザと関連付けられたバイオメトリック情報、ユーザと関連付けられた医療情報、自己申告によるユーザフィードバック、ユーザと関連付けられた睡眠パラメータ(例えば、1つ以上の以前の睡眠セッションから記録された睡眠関連パラメータ)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。人口統計情報は、例えば、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの人種、家族の不眠症歴、ユーザの雇用状況、ユーザの教育状況、ユーザの社会経済的状況、またはそれらの任意の組み合わせを示す情報を含み得る。医療情報は、例えば、ユーザと関連付けられた1つ以上の病状、ユーザによる薬の使用状況、またはその両方を示すものを含み得る。医療情報データは、反復睡眠潜時検査(MSLT)の検査結果またはスコアおよび/もしくはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)のスコアまたは値をさらに含み得る。自己申告によるユーザフィードバックは、自己申告による主観的な睡眠スコア(劣悪、普通、良好など)、自己申告によるユーザの主観的なストレスレベル、自己申告によるユーザの主観的な疲労レベル、自己申告によるユーザの主観的な健康状態、ユーザが経験した最近のライフイベント、またはそれらの任意の組み合わせを示す情報を含み得る。
【0025】
電子インターフェース119は、1つ以上のセンサ130からデータ(例えば、生理学的データおよび/またはオーディオデータ)を受け取るように構成されており、そのデータは、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することができる。電子インターフェース119は、有線接続または無線接続を用いて(例えば、RF通信プロトコル、WiFi通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、セルラーネットワークなどを用いて)1つ以上のセンサ130と通信することができる。電子インターフェース119は、アンテナ、受信機(例えば、RF受信機)、送信機(例えば、RF送信機)、トランシーバ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。電子インターフェース119は、本明細書に記載のプロセッサ112およびメモリデバイス114と同一または同様であるもう1つのプロセッサおよび/またはもう1つのメモリデバイスも含み得る。いくつかの実装形態においては、電子インターフェース119が、外部デバイス170に連結または統合されている。他の実装形態においては、電子インターフェース119が、制御システム110および/またはメモリデバイス114に連結されているか、それらと(例えば、ハウジング内で)統合されている。
【0026】
(呼吸療法システムとも称される)呼吸システム120は、(本明細書において呼吸デバイス122とも称される)呼吸圧力療法デバイス122と、ユーザインターフェース124と、(チューブまたは空気回路とも称される)導管126と、ディスプレイデバイス128と、加湿タンク129と、を含む。いくつかの実装形態においては、制御システム110、メモリデバイス114、ディスプレイデバイス128、センサ130のうちの1つ以上、および加湿タンク129が、呼吸デバイス122の一部である。呼吸圧力療法とは、(例えば、タンクベンチレータや陽陰圧体外式人工呼吸器(cuirass)などの陰圧療法とは異なり、)ユーザの呼吸サイクル全体を通じて大気に対して名目上陽である制御された目標圧力で、ユーザの気道の入口に空気供給を印加することを指す。呼吸システム120は一般に、1つ以上の睡眠関連呼吸障害(例えば、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、または混合性睡眠時無呼吸)に罹患している個人を治療するのに使用される。
【0027】
呼吸デバイス122は一般に、(例えば、1つ以上のコンプレッサを駆動する1つ以上のモータを使用して)ユーザに送達される加圧空気を生成するのに使用される。いくつかの実装形態においては、呼吸デバイス122が、ユーザに送達される連続的な一定の空気圧を生成する。他の実装形態においては、呼吸デバイス122が、2つ以上の所定の圧力(例えば、第1の所定の空気圧および第2の所定の空気圧)を生成する。さらに他の実施形態においては、呼吸デバイス122が、所定の範囲内の様々な異なる空気圧を生成するように構成されている。例えば、呼吸デバイス122は、少なくとも約6cmHO、少なくとも約10cmHO、少なくとも約20cmHO、約6cmHOから約10cmHO、約7cmHOから約12cmHOなどを送達することができる。呼吸デバイス122は、(周囲圧力に対して)陽圧を維持しながら、例えば、約-20L/分と約150L/分との間の所定の流量で加圧空気を送達することもできる。
【0028】
ユーザインターフェース124は、ユーザの顔の一部分と係合し、呼吸デバイス122からユーザの気道に加圧空気を送達して、睡眠中に気道が狭窄および/または閉塞しないように支援する。これにより、睡眠中のユーザの酸素摂取量も増加し得る。適用される療法に応じて、ユーザインターフェース124は、例えばユーザの顔の領域または部分との密着を形成し得、これにより、周囲圧力に対して約10cmHOの陽圧など、周囲圧力に対して十分に異なり、治療効果をもたらせる圧力でのガスの送達を促進する。酸素送達などの、他の療法の形態において、ユーザインターフェースは、約10cmHOの陽圧において気道へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まない場合がある。
【0029】
図2に示すとおり、いくつかの実装形態においては、ユーザインターフェース124が、ユーザの鼻および口を覆う顔面マスクである。代替として、ユーザインターフェース124は、ユーザの鼻に空気を提供する鼻マスク、またはユーザの鼻孔に空気を直接送達する鼻ピローマスクであり得る。ユーザインターフェース124は、ユーザの一部分(例えば顔)にインターフェースを位置付け、かつ/または安定させるための複数のストラップ(例えば面ファスナを含む)と、ユーザインターフェース124とユーザとの間での気密密着を提供するのを支援する形状適合性クッション(例えば、シリコーン、プラスチック、発泡体など)と、を含み得る。ユーザインターフェース124は、ユーザ210によって吐き出された二酸化炭素および他の気体を逃がせるようにするためのうちの1つ以上の通気孔も含み得る。他の実装形態においては、ユーザインターフェース124が、加圧空気をユーザの口内へと方向付けるためのマウスピース(例えば、ユーザの歯に適合するように成形されたナイトガードマウスピース、下顎骨位置変更デバイスなど)である。
【0030】
(空気回路またはチューブとも称される)導管126は、呼吸デバイス122およびユーザインターフェース124など、呼吸システム120の2つの構成要素間で空気が流れるようにする。いくつかの実装形態においては、この導管に吸気および呼気用の別々の枝管が存在し得る。他の実装形態においては、単枝型導管が吸気および呼気の両方に使用される。
【0031】
呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、ディスプレイデバイス128、および加湿タンク129のうちの1つ以上が、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、流量センサ、より一般的には、本明細書に記載されている他のセンサ130のいずれか)を含み得る。これらの1つ以上のセンサは、例えば、呼吸デバイス122によって供給される加圧空気の空気圧および/または流量を測定するのに使用することができる。
【0032】
ディスプレイデバイス128は概して、静止画、動画、もしくはその両方を含む画像(単数または複数)、および/または呼吸デバイス122に関する情報を表示するのに使用される。例えば、ディスプレイデバイス128は、呼吸デバイス122の状態に関する情報(例えば、呼吸デバイス122がオンかオフか、呼吸デバイス122によって送達されている空気の圧力、呼吸デバイス122によって送達されている空気の温度など)および/または他の情報(例えば、(myAirスコアとも称される)睡眠スコア、現在の日付/時刻、ユーザ210の個人情報など)を提供することができる。いくつかの実装形態においては、ディスプレイデバイス128が、入力インターフェースとして画像(単数または複数)を表示するように構成されたグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)の働きをする。ディスプレイデバイス128は、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等であり得る。入力インターフェースは、例えば、タッチスクリーンまたは接触感知基板、マウス、キーボード、または呼吸デバイス122とやりとりする人間ユーザによって行われる入力を感知するように構成された任意のセンサシステムであり得る。
【0033】
加湿タンク129は、呼吸デバイス122に連結または統合されており、呼吸デバイス122から送達された加圧空気を加湿するのに使用できる貯水器を含む。呼吸デバイス122は、ユーザに提供された加圧空気を加湿するために加湿タンク129内の水を加熱するヒータを含み得る。加えて、いくつかの実装形態においては、導管126が、ユーザに送達された加圧空気を加熱する加熱要素(例えば、導管126に連結され、かつ/または埋め込まれたもの)も含み得る。
【0034】
呼吸システム120は、例えば、連続気道陽圧(CPAP)システム、自動気道陽圧システム(APAP)、二相性または可変気道陽圧システム(BPAPまたはVPAP)、またはそれらの任意の組み合わせなどのベンチレータまたは気道陽圧(PAP)システムとして使用することができる。CPAPシステムは、(例えば、睡眠医によって判断される)所定の空気圧をユーザに送達する。APAPシステムは、例えば、ユーザと関連付けられた呼吸データに基づいて、ユーザに送達される空気圧を自動的に変化させる。BPAPまたはVPAPシステムは、第1の所定圧力(例えば、吸気気道陽圧またはIPAP)および第1の所定圧力より低い第2の所定圧力(例えば、呼気気道陽圧またはEPAP)を送達するように構成されている。
【0035】
図2を参照すると、いくつかの実装形態に係るシステム100(図1)の一部分が表されている。呼吸システム120のユーザ210および同床者220がベッド230に居り、マットレス232に横たわっている。ユーザインターフェース124(例えばフルフェイスマスク)は、睡眠セッション中のユーザ210によって着用され得る。ユーザインターフェース124は、導管126を介して呼吸デバイス122に流体的に連結および/または接続されている。呼吸デバイス122は、導管126およびユーザインターフェース124を介してユーザ210に加圧空気を送達してユーザ210の喉における空気圧を高め、睡眠中に気道が閉塞および/または狭窄しないように支援する。呼吸デバイス122は、図2に示すとおり、ベッド230に直に隣接するナイトスタンド240上か、より一般的には、ベッド230および/またはユーザ210に概ね隣接する任意の表面または構造物上に位置付けることができる。
【0036】
改めて図1を参照すると、システム100の1つ以上のセンサ130は、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、モーションセンサ138、マイクロフォン140、スピーカ142、無線周波(RF)受信機146、RF送信機148、カメラ150、赤外線センサ152、光電式(PPG)センサ154、心電図(ECG)センサ156、脳波(EEG)センサ158、静電容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、筋電図(EMG)センサ166、酸素センサ168、分析物センサ174、水分センサ176、LiDARセンサ178、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一般に、1つまたはセンサ130のそれぞれが、メモリデバイス114または1つ以上の他のメモリデバイスに受信および記憶されたセンサデータを出力するように構成されている。
【0037】
1つ以上のセンサ130は、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、モーションセンサ138、マイクロフォン140、スピーカ142、RF受信機146、RF送信機148、カメラ150、赤外線センサ152、光電式(PPG)センサ154、心電図(ECG)センサ156、脳波(EEG)センサ158、静電容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、筋電図(EMG)センサ166、酸素センサ168、分析物センサ174、水分センサ176、およびLiDARセンサ178のそれぞれを含むものとして図示および記載されているが、1つ以上のセンサ130は、本明細書に記載および/図示されたセンサのそれぞれの任意の組み合わせおよび任意の個数を含み得るのが、より一般的である。
【0038】
1つ以上のセンサ130は、例えば、生理学的データ、オーディオデータ、またはその両方を生成するのに使用することができる。センサ130のうちの1つ以上によって生成された生理学的データは、制御システム110により、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた睡眠/覚醒信号および1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。睡眠/覚醒信号は、覚醒、リラックスした覚醒、微小覚醒、急速眼球運動(レム)段階、第1のノンレム段階(「N1」と称されることが多い)、第2のノンレム段階(「N2」と称されることが多い)、第3のノンレム段階(「N3」と称されることが多い)、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の睡眠状態を示すことができる。睡眠/覚醒信号には、ユーザの就床時刻、ユーザの起床時刻、ユーザの入眠試行時刻などを示すタイムスタンプを付与することもできる。睡眠/覚醒信号は、睡眠セッション中に、例えば、1秒につき1サンプル、30秒につき1サンプル、1分につき1サンプルなど所定のサンプリングレートでセンサ(単数または複数)130によって測定することができる。睡眠/覚醒信号に基づいて睡眠セッション中のユーザについて判断できる1つ以上の睡眠関連パラメータの例としては、全就床時間、全睡眠時間、入眠潜時、中途覚醒パラメータ、睡眠効率、断片化指数、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0039】
1つ以上のセンサ130によって生成された生理学的データおよび/またはオーディオデータは、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた呼吸信号を判断するのに使用することもできる。呼吸信号は概して、睡眠セッション中のユーザの呼吸または気息を示す。呼吸信号は、例えば、呼吸数、呼吸数変動、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、呼吸デバイス122の圧力設定、またはそれらの任意の組み合わせを示すことができる。この事象(単数または複数)は、いびき、無呼吸、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、混合性無呼吸、低呼吸、(例えばユーザインターフェース124からの)マスクの漏れ、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増、呼吸困難、喘息発作、てんかん挿間症、発作、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0040】
圧力センサ132は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる圧力データを出力する。いくつかの実装形態においては、圧力センサ132が、呼吸システム120のユーザの呼吸(例えば、吸気および/もしくは呼気)ならびに/または周囲圧力を示すセンサデータを生成する空気圧センサ(例えば大気圧センサ)である。かかる実装形態においては、圧力センサ132が、呼吸デバイス122に連結または統合することができる。圧力センサ132は、例えば、静電容量センサ、電磁センサ、圧電センサ、歪みゲージセンサ、光学センサ、電位差センサ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。一例においては、圧力センサ132が、ユーザの血圧を判断するのに使用することができる。
【0041】
流量センサ134は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる流量データを出力する。流量センサ134は、呼吸デバイス122からの空気流量、導管126を通過する空気流量、ユーザインターフェース124を通過する空気流量、またはそれらの任意の組み合わせを判断するのに使用される。かかる実装形態においては、流量センサ134が、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、または導管126に連結または統合することができる。流量センサ134は、例えば、回転流量計(例えば、ホール効果流量計)、タービン流量計、オリフィス流量計、超音波流量計、熱線センサ、渦流センサ、膜センサ、またはそれらの任意の組み合わせなどの質量流量センサであり得る。
【0042】
温度センサ136は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる温度データを出力する。いくつかの実装形態においては、温度センサ136が、ユーザ210(図2)の核心体温、ユーザ210の皮膚温度、呼吸デバイス122から、および/または導管126を通過して流れる空気の温度、ユーザインターフェース124内の温度、周囲温度、またはそれらの任意の組み合わせを示す温度データを生成する。温度センサ136は、例えば、熱電対センサ、サーミスタセンサ、シリコンバンドギャップ温度センサもしくは半導体ベースのセンサ、抵抗温度検出器、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0043】
マイクロフォン140は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできるオーディオデータを出力する。マイクロフォン140によって生成されたオーディオデータは、睡眠セッション中の1つ以上の音(単数または複数)(例えば、ユーザ210からの音)として再現可能である。マイクロフォン140からのオーディオデータは、本明細書でさらに詳述するとおり、睡眠セッション中のユーザが経験した事象を(例えば、制御システム110を使用して)特定するのに使用することもできる。マイクロフォン140は、呼吸デバイス122、使用インターフェース124、導管126、または外部デバイス170に連結または統合することができる。
【0044】
スピーカ142は、システム100のユーザ(例えば、図2のユーザ210)にとって可聴である音波を出力する。スピーカ142は、例えば、目覚まし時計として使用すること、または(例えば、事象を受けて)ユーザ210にアラートまたはメッセージを再生する目的で使用することができる。いくつかの実装形態においては、スピーカ142が、マイクロフォン140によって生成されたオーディオデータをユーザに伝えるのに使用することができる。スピーカ142は、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、または外部デバイス170に連結または統合することができる。
【0045】
マイクロフォン140およびスピーカ142は、別々のデバイスとして使用することができる。一部の実装形態においては、マイクロフォン140およびスピーカ142を、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるWO2018/050913に記載のとおり、音響センサ141に組み入れることができる。かかる実装形態においては、スピーカ142が、所定の間隔で音波を生成または放出し、マイクロフォン140が、スピーカ142から放出された音波の反射を検出する。スピーカ142が生成または放出する音波は、ユーザ210または同床者220(図2)の睡眠を妨げないように、人間の耳には聞こえない周波数(例えば、20Hz未満または約18kHz超)を有する。マイクロフォン140および/またはスピーカ142からのデータに少なくとも部分的に基づいて、制御システム110は、ユーザ210(図2)の位置および/または本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断することができる。
【0046】
いくつかの実装形態においては、センサ130が、(i)マイクロフォン140と同一または同様であり、音響センサ141に統合されている第1のマイクロフォンと、(ii)マイクロフォン140と同一または同様だが、音響センサ141に統合されている第1のマイクロフォンとは別々かつ別個である第2のマイクロフォンと、を含む。
【0047】
RF送信機148は、所定の周波数および/または所定の振幅(例えば、高周波帯域内、低周波帯域内、長波信号、短波信号など)を有する電波を生成および/または放射する。RF受信機146は、RF送信機148から放射された電波の反射を検出し、このデータは、制御システム110によって分析することにより、mユーザ210(図2)の位置および/または本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断することができる。RF受信機(RF受信機146およびRF送信機148のどちらか、または別のRFペア)は、制御システム110、呼吸デバイス122、1つ以上のセンサ130、外部デバイス170、またはそれらの任意の組み合わせの間での無線通信に使用することもできる。RF受信機146およびRF送信機148は、図1において別々かつ別個の要素として示されているが、いくつかの実装形態においては、RF受信機146およびRF送信機148がRFセンサ147の一部として組み合わせられている。一部のかかる実装形態においては、RFセンサ147が制御回路を含む。RF通信の具体的な形式は、WiFiやBluetooth(登録商標)等であり得る。
【0048】
いくつかの実装形態においては、RFセンサ147がメッシュシステムの一部である。メッシュシステムの一例がWiFiメッシュシステムであり、このシステムは、メッシュノード、メッシュルータ(単数または複数)、およびメッシュゲートウェイ(単数または複数)を含み得、これらのそれぞれが移動式/可動式または固定式であり得る。かかる実装形態においては、WiFiメッシュシステムが、WiFiルータおよび/またはWiFiコントローラ、ならびに1つ以上の衛星(例えばアクセスポイント)を含み、これらのそれぞれが、RFセンサ147と同一または同様であるRFセンサを含む。WiFiルータおよび衛星は、WiFi信号を使用して互いに常時通信する。WiFiメッシュシステムは、物体や人が移動して信号を部分的に妨害することによってルータと衛星(単数または複数)との間で生じるWiFi信号の変化(例えば、受信信号強度の差)に基づいてモーションデータを生成するのに使用することができる。このモーションデータは、モーション、呼吸、心拍数、歩行、転倒、挙動など、またはそれらの任意の組み合わせを示し得る。
【0049】
カメラ150は、メモリデバイス114に記憶できる1つ以上の画像(例えば、静止画、動画、熱画像、またはそれらの組み合わせ)として再現可能な画像データを出力する。カメラ150からの画像データは、制御システム110により、本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに使用することができる。例えば、カメラ150からの画像データを使用して、ユーザの位置を特定し、ユーザ210がベッド230(図2)に入る時刻を判断し、ユーザ210がベッド230から出る時刻を判断するのに使用することができる。
【0050】
赤外線(IR)センサ152は、メモリデバイス114に記憶できる1つ以上の赤外線画像(例えば、静止画、動画、またはその両方)として再現可能な赤外線画像データを出力する。IRセンサ152からの赤外線データは、ユーザ210の温度および/またはユーザ210の移動を含む、睡眠セッション中の1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。IRセンサ152は、ユーザ210の存在、位置、および/または移動を測定する際に、カメラ150と組み合わせて使用することもできる。IRセンサ152が、例えば、約700nmと約1mmとの間の波長を有する赤外光を検出することができるのに対し、カメラ150は、約380nmと約740nmとの間の波長を有する可視光を検出することができる。
【0051】
PPGセンサ154は、例えば、心拍数、心拍数変動、心周期、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、推定血圧パラメータ(単数または複数)、またはそれらの任意の組み合わせなど1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用できる、ユーザ210(図2)と関連付けられた生理学的データを出力する。PPGセンサ154は、ユーザ210が着用すること、ユーザ210が着用する衣類および/または織地に埋め込むこと、ユーザインターフェース124および/またはその関連ヘッドギア(例えばストラップなど)に埋め込むことおよび/または連結すること、などができる。
【0052】
ECGセンサ156は、ユーザ210の心臓の電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。いくつかの実装形態においては、ECGセンサ156が、睡眠セッション中のユーザ210の一部分の上または周囲に位置付けられている1つ以上の電極を含む。ECGセンサ156からの生理学的データは、例えば、本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに使用することができる。
【0053】
EEGセンサ158は、ユーザ210の脳の電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。EEGセンサ158は、睡眠セッション中のユーザ210の頭皮の上または周囲に位置付けられている1つ以上の電極を含む。EEGセンサ158からの生理学的データは、例えば、睡眠セッション中の任意の所与の時期におけるユーザ210の睡眠状態を判断するのに使用することができる。EEGセンサ158は、ユーザインターフェース124および/またはその関連ヘッドギア(例えばストラップなど)に統合することができる。
【0054】
静電容量センサ160、力センサ162、および歪みゲージセンサ164は、メモリデバイス114に記憶でき、かつ本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに制御システム110が使用できるデータを出力する。EMGセンサ166は、1つ以上の筋肉によって生み出された電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。酸素センサ168は、(例えば、導管126内またはユーザインターフェース124における)気体の酸素濃度を示す酸素データを出力する。酸素センサ168は、例えば、超音波酸素センサ、電気酸素センサ、化学酸素センサ、光学式酸素センサ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実装形態においては、1つ以上のセンサ130が、ガルバニック皮膚反応(GSR)センサ、血流センサ、呼吸センサ、脈拍センサ、血圧計センサ、オキシメトリセンサ、またはそれらの任意の組み合わせも含む。
【0055】
分析物センサ174は、ユーザ210の吐出息における分析物の存在を検出するのに使用することができる。分析物センサ174によって出力されたデータは、メモリデバイス114に記憶することができ、ユーザ210の息に含まれる任意の分析物の同一性および濃度を判断するために制御システム110によって使用することができる。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174が、ユーザ210の口付近に位置付けられ、ユーザ210の口から吐き出された息に含まれる分析物を検出する。例えば、ユーザインターフェース124が、ユーザ210の鼻および口を覆う顔面マスクである場合、分析物センサ174は、ユーザ210の口呼吸を監視するためにその顔面マスク内に位置付けられ得る。ユーザインターフェース124が鼻マスクまたは鼻枕マスクである場合など、他の実装形態においては、分析物センサ174が、ユーザの鼻を通じて吐き出される息に含まれる分析物を検出するために、ユーザ210の鼻付近に位置付けられ得る。さらに他の実装形態においては、ユーザインターフェース124が鼻マスクまたは鼻枕マスクである場合に、分析物センサ174が、ユーザ210の口付近に位置付けられ得る。この実装形態においては、分析物センサ174を、ユーザ210の口から不用意に空気が漏れていないかどうかを検出するのに使用することができる。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174が、炭素系化学物質または化合物を検出するのに使用できる揮発性有機化合物(VOC)センサである。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174を、ユーザ210が鼻または口のどちらで呼吸しているかを検出するのに使用することもできる。例えば、ユーザ210の口付近または(ユーザインターフェース124が顔面マスクである実装形態において)顔面マスク内に位置付けられた分析物センサ174によって出力されたデータによって分析物の存在が検出された場合、制御システム110は、ユーザ210が口で呼吸しているという指標としてこのデータを使用することができる。
【0056】
水分センサ176は、メモリデバイス114に記憶でき、かつ制御システム110が使用できるデータを出力する。水分センサ176は、ユーザを取り巻く様々な領域(例えば、導管126またはユーザインターフェース124の内部、ユーザ210の顔付近、導管126とユーザインターフェース124との間の接続部付近、導管126と呼吸デバイス122との間の接続部付近など)において水分を検出するのに使用することができる。そのため、いくつかの実装形態においては、水分センサ176を、呼吸デバイス122からの加圧空気の湿度を監視するために、ユーザインターフェース124に連結または統合すること、または導管126に統合することができる。他の実装形態においては、水分センサ176が、水分レベルを監視する必要がある任意の領域付近に配置されている。水分センサ176は、例えば寝室内の空気など、ユーザ210を取り巻く周囲環境の湿度を監視するのに使用することもできる。
【0057】
光検出および測距(LiDAR)センサ178は、深度感知に使用することができる。このタイプの光学センサ(例えばレーザセンサ)は、物体を検出し、生活空間など周囲環境の3次元(3D)マップを作成するのに使用することができる。LiDARは一般に、パルスレーザを利用して飛行時間を計測する。LiDARは、3Dレーザスキャンとも称される。かかるセンサの一使用例においては、LiDARセンサ166を有する固定または(スマートフォンなどの)モバイルデバイスが、センサから5メートル以上離れた領域を測定およびマッピングすることができる。LiDARデータは、例えば電磁式RADARセンサによって推定されたポイントクラウドデータと融合させることができる。LiDARセンサ(単数または複数)178は、人工知能(AI)を使用して、(RADARに対して高反射性であり得る)ガラス窓など、RADARシステムにとっての問題をもたらし得る空間内の特徴を検出および分類することにより、RADARシステムのジオフェンスを自動的に作成することもできる。LiDARは、人の身長に加え、人が座ったとき、倒れたときなどに生じる身長の変化を推定するのに使用することもできる。LiDARは、環境の3Dメッシュ表現を形成するのに使用され得る。さらなる用途では、電波が通過する固体表面(例えば電波透過性材料)にLiDARが反射し得ることにより、異なるタイプの障害物の分類が可能となる。
【0058】
図1では別々に示されているが、1つ以上のセンサ130の任意の組み合わせを、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、加湿タンク129、制御システム110、外部デバイス170、またはそれらの任意の組み合わせを含むシステム100の構成要素のうちの任意の1つ以上に統合および/または連結することができる。例えば、マイクロフォン140およびスピーカ142は、外部デバイス170に統合および/または連結され、圧力センサ130および/または流量センサ132は、呼吸デバイス122に統合および/または連結される。いくつかの実装形態においては、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つが、呼吸デバイス122、制御システム110、または外部デバイス170に連結されておらず、睡眠セッション中のユーザ210に概ね隣接して位置付けられている(例えば、ユーザ210の一部分の上に位置付けられているか接触している、ユーザ210によって着用されている、ナイトスタンドに連結されているか位置付けられている、マットレスに連結されている、天井に連結されている、など)。
【0059】
例えば、図2に示すとおり、センサ130のうちの1つ以上が、ベッド230およびユーザ210に隣接するナイトスタンド240上の第1の位置250Aに所在し得る。代替として、センサ130のうちの1つ以上が、マットレス232の上および/または内部の第2の位置250Bに所在し得る(例えば、センサがマットレス232に連結および/または統合されている)。さらには、センサ130のうちの1つ以上が、ベッド230上の第3の位置250Cに所在し得る(例えば、二次センサ(単数または複数)140が、ベッド230のフレーム上のヘッドボード、フットボード、または他の箇所に連結および/または統合されている)。センサ130のうちの1つ以上が、ベッド230および/またはユーザ210に概ね隣接している壁または天井の第4の位置250Dにも所在し得る。センサ130のうちの1つ以上は、第5の位置250Eに所在して、センサ130のうちの1つ以上が呼吸システム120の呼吸デバイス122のハウジングに連結されるように、ならびに/またはそのハウジングの上および/もしくは内部に位置付けられるようにすることもできる。さらに、センサ130のうちの1つ以上は、第6の位置250Fに所在して、そのセンサがユーザ210に連結されるように、および/またはユーザ210の上に位置付けられる(例えば、そのセンサ(単数または複数)が、睡眠セッション中のユーザ210が着用する織地または衣類に埋め込まれるか連結される)ようにすることもできる。センサ130のうちの以上は、センサ(単数または複数)140が1つ以上の睡眠セッション中のユーザ210および/または同床者220と関連付けられた生理学的データを生成できるようにユーザ210に対して任意の適切な箇所に位置付けられるのが、より一般的である。
【0060】
改めて図1を参照すると、外部デバイス170は、プロセッサ172と、メモリ174と、ディスプレイデバイス176と、を含む。外部デバイス170は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等のモバイルデバイスであり得る。プロセッサ172は、制御システム110のプロセッサ112と同一または同様である。同様に、メモリ174は、制御システム110のメモリデバイス114と同一または同様である。ディスプレイデバイス176は概して、静止画、動画、またはその両方を含む画像(単数または複数)を表示するのに使用される。いくつかの実装形態においては、ディスプレイデバイス176が、画像(単数または複数)および入力インターフェースを表示するように構成されたグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)の働きをする。ディスプレイデバイス176は、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等であり得る。入力インターフェースは、例えば、タッチスクリーンまたは接触感知基板、マウス、キーボード、または外部デバイス170とやりとりする人間ユーザによって行われる入力を感知するように構成された任意のセンサシステムであり得る。
【0061】
制御システム110およびメモリデバイス114は、システム100の別々かつ別個の構成要素として図1に記載および図示されているが、いくつかの実装形態においては、制御システム110および/またはメモリデバイス114が、外部デバイス170および/または呼吸デバイス122に統合されている。代替として、いくつかの実装形態においては、制御システム110またはその一部分(例えばプロセッサ112)がクラウドに所在し得(例えば、サーバに統合され、モノのインターネット(IoT)デバイスに統合され、クラウドに接続され、エッジクラウド処理を受け得るなど)、1つ以上のサーバ(例えば、リモートサーバ、ローカルサーバなど、またはそれらの任意の組み合わせ)に所在し得る。
【0062】
システム100は、上記構成要素のすべてを含むものとして示されているが、生理学的データを生成し、睡眠関連パラメータを判断するシステムには、それよりも多い構成要素または少ない構成要素が含まれ得る。例えば、第1の代替システムは、制御システム110と、呼吸システム120と、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つと、を含む。別例として、第2の代替システムは、呼吸システム120と、1つ以上のセンサ130のうちの複数と、外部デバイス170と、を含む。さらなる別例として、第3の代替システムは、制御システム110と、1つ以上の二次センサ140のうちの複数と、を含む。そのため、本明細書に表示および記載されている構成要素の任意の部分(単数または複数)を使用して、かつ/または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて、睡眠セッションと関連付けられた睡眠関連パラメータを判断するための様々なシステムを形成することができる。
【0063】
多くの場合、呼吸システム120のユーザは、睡眠セッションの一部分(例えば、8時間の睡眠セッションの中の1時間、8時間の睡眠セッションの中の2時間、8時間の睡眠セッションの中の4時間、8時間の睡眠セッションの中の6時間など)のみユーザインターフェース124を着用する。例えば、ユーザはまず、ユーザインターフェース124のマスクを着用して入眠し、覚醒してユーザインターフェース124を外し、その後再び入眠し得る。その他に、ユーザが、睡眠セッション中にユーザインターフェース124を全く着用しない(例えば、ユーザが1日おきにしか呼吸システム120を使用しない)場合もある。ユーザが呼吸システム120を積極的に使用しないと、呼吸システム120内のセンサ(単数または複数)が、(例えば、睡眠関連パラメータを判断したり、睡眠の質を示すレポートを生成したりするための)生理学的データを取得することができない。言い換えれば、睡眠セッション全体にわたって呼吸システム120を使用しないと、その睡眠セッションの生理学的データに空白が生まれ(るか、生理学的データが全く存在せず)、ユーザ、その治療医、および他の関係者(例えば、家族、同床者など)を、そのユーザが呼吸システム120の規定の使用法を遵守していないときの睡眠の質(または睡眠の欠如)が明示されないまま放置することになる。ユーザは、呼吸システム120を規定どおりに使用した場合よりも、このシステムを使用しない場合の方が質の悪い睡眠を経験するのが典型的である。このような睡眠の質の違いを判断および定量化することは、ユーザがシステムを利用して、規定の使用法を守るよう促し、かつ/または動機付けるのに有用である。
【0064】
呼吸システム120に物理的に連結または統合されたセンサを使用して取得される同一または同様のタイプの生理学的データは、独立した外部センサ(例えば、呼吸システム120とは別々かつ別個であるモバイルデバイスに統合されたセンサ)を使用して生成または取得することもできる。この独立センサには、呼吸システム120が使用されていないとき、および/または電源が切られているときでも、睡眠セッション中の生理学的データを記録するのに使用できるという利点がある。ただし、センサ機器のばらつきにより、センサによって取得または生成される生理学的データは、呼吸療法システムによって取得または生成される生理学的データとは異なり得る。例えば、呼吸療法システムが、圧力センサおよび/または流量センサを使用してユーザの呼吸信号または呼吸数を判断し得る一方で、外部センサはマイクロフォンを使用して呼吸数を判断し得る。センサにばらつきがあることから、睡眠関連パラメータを判断すること、および/または睡眠の質を示すレポートを作成するために、呼吸療法システムによって取得された生理学的データと独立したセンサ(単数または複数)によって取得された生理学的データとを正確に比較することは困難であることが多い。
【0065】
図3を参照すると、睡眠セッション中のユーザの睡眠関連パラメータを判断するための方法300が表されている。本明細書に記載されている方法300のステップのうちの1つ以上は、システム100(図1および図2)を使用して実施することができる。
【0066】
方法300のステップ301は、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた第1の生理学的データを生成または取得することを含む。第1の生理学的データは、本明細書に記載されている1つ以上のセンサ130のうち第1の1つ、または1つ以上のセンサ130の第1の群によって生成される。例えば、ステップ301は、呼吸システム120(図1)に物理的に連結または統合されている空気圧センサ130および/または流量センサ132を使用して、第1の生理学的データを生成または取得することを含み得る。第1のセンサを使用してステップ301で生成または取得された第1の生理学的データは、本明細書に記載されている生理学的データのいずれかを含み得る。例えば、第1の生理学的データは、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126(図1)、またはそれらの任意の組み合わせ内の空気圧(例えば、空気圧センサ130を使用)、空気流(例えば、流量センサ132を使用)、またはその両方の測定値から導出することができる。
【0067】
方法300のステップ302は、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた第2の生理学的データを生成または取得することを含む。例えば、ステップ302は、第1のセンサ(ステップ301)とは別々かつ別個である1つ以上のセンサ130の第2の1つまたは第2の組を使用して第2の生理学的データを生成または取得することを含み得る。第2のセンサを使用してステップ302の実行中に生成または取得される第2の生理学的データは、第1の生理学的データとは異なるタイプの生理学的データであり得る(例えば、第1の生理学的データは圧力および/または空気流量から導出され、第2の生理学的データはユーザのモーションまたは音の測定値から導出される)。一般に、ステップ302の実行中に行われる第2の生理学的データの生成およびステップ301の実行中に行われる第1の生理学的データの生成は略同時であることから、第1の生理学的データ(ステップ301)および第2の生理学的データ(ステップ302)は、睡眠セッション中(ユーザが呼吸システム120を使用しているとき)の時間の少なくとも一部分にわたって比較することができる。
【0068】
第1の生理学的データを生成するためのステップ301の実行中に使用される第1のセンサ(例えば、呼吸システム120に連結または統合された圧力センサ132および/または流量センサ134)とは異なり、いくつかの実装形態においては、第2の生理学的データを生成または取得するためのステップ302の実行中に使用されるセンサ(単数または複数)が、呼吸システム120に連結または統合されていない。すなわち、ステップ302で第2の生理学的データに対して使用される第2のセンサ(単数または複数)は、呼吸システム120とは別々かつ別個である。本明細書に記載のとおり、第2のセンサ(単数または複数)は、独立したスタンドアロンセンサとしてユーザ210に概ね隣接して位置付ける(例えば、ベッド230、マットレス232、ナイトスタンド240、天井などに位置付けるか連結する)か、外部デバイス170に統合または連結することができる。代替として、ステップ302の実行中に使用される第2のセンサ(単数または複数)は、呼吸システム120の呼吸デバイス122のハウジングに連結することができる。一部のかかる代替実装形態においては、ステップ302の実行中に使用される第2のセンサ(単数または複数)が、呼吸システム120によって生成された加圧空気の圧力または流れを測定していない。
【0069】
方法300(図3)のステップ303は、第1の生理学的データを分析して、睡眠セッション中のユーザの第1の組の睡眠関連パラメータを判断すること(ステップ301)を含む。例えば、第1の生理学的データ(ステップ301)は、制御システム110のメモリデバイス114に記憶することができ(図1)、メモリデバイス114に記憶された機械可読命令は、第1の生理学的データを分析するためにプロセッサ112によって実行することができる。第1の組の睡眠関連パラメータは、例えば、第1の睡眠スコア、第1の流れ信号、第1の呼吸信号、第1の呼吸数、第1の吸気振幅、第1の呼気振幅、第1の吸気対呼気比、1時間当たりの第1の事象数、1時間当たりの第1の平均事象数、第1の事象パターン、第1の睡眠状態、呼吸器デバイス122の第1の圧力設定、第1の心拍数、第1の心拍数変動、ユーザ210の第1の移動、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0070】
方法300(図3)のステップ304は、第2の生理学的データ(ステップ302)を分析して、睡眠セッション中のユーザの第2の組の睡眠関連パラメータを判断することを含む。例えば、第2の生理学的データ(ステップ302)は、制御システム110のメモリデバイス114に記憶することができ、メモリデバイス114に記憶された機械可読命令は、第2の生理学的データを分析するためにプロセッサ112(図1)によって実行することができる。第2の組の睡眠関連パラメータは、例えば、第2の睡眠スコア、第2の流れ信号、第2の呼吸信号、第2の呼吸数、第2の吸気振幅、第2の呼気振幅、第2の吸気対呼気比、1時間当たりの第2の事象数、1時間当たりの第2の平均事象数、第2の事象パターン、第2の睡眠状態、呼吸器デバイス122の第2の圧力設定、第2の心拍数、第2の心拍数変動、ユーザ210の第2の移動、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。方法300のステップ303およびステップ304は、略同時または順番に実行することができる(例えば、ステップ303が完了してからステップ304が開始される、ステップ304が完了してからステップ303が開始される、など)。
【0071】
方法300のステップ305は、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)および/または第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)に少なくとも部分的に基づいて、第2の生理学的データを生成するのに使用される第2のセンサ(単数または複数)を較正することを含む。具体的には、ステップ305は、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)とを比較することを含む。本明細書に記載のとおり、第1のセンサ(単数または複数)(例えば、圧力センサ132および/または流量センサ134)は第2のセンサ(単数または複数)と異なるため、第1の生理学的データ(ステップ301)と第2の生理学的データ(ステップ302)との間でばらつきが存在し得、これにより、睡眠セッション中の任意の所与の時期において、判断された第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と判断された第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間でばらつきが生じる。例えば、第2のセンサ(単数または複数)を較正する前に、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)は、第1の事象パターン、1時間当たりの第1の平均事象数、第1の呼吸信号、またはそれらの任意の組み合わせを含み得、第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)は、第1の事象パターン、第1の平均事象数、または第1の呼吸信号のうちの1つ以上に一致しない第2の事象パターン、1時間当たり第2の平均事象数、第2の呼吸信号、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。別例として、第2のセンサ(単数または複数)からのデータにおけるノイズ(ステップ302)により、制御システム110は、(例えば、第1の生理学的データの分析に基づいて)ユーザが事象(単数または複数)を経験済みでも実際に経験中でなくても、第2の生理学的データの分析に基づき、本明細書に記載されている事象のうちの1つをユーザが経験済みまたは経験中であると判断し得る。
【0072】
いくつかの実装形態においては、ステップ305が、そのセンサ(単数または複数)の1つ以上のパラメータを、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間での比較に少なくとも部分的に基づいて変更することを含む。第2のセンサ(単数または複数)の1つ以上のパラメータを変更することは、ステップ302の実行中に第2のセンサ(単数または複数)によって生成される第2の生理学的データに影響する。例えば、これらのパラメータを変更することは、記録されたデータにおける外れデータ点および/または他のノイズの除去に役立ち得る。この1つ以上のパラメータの分析および/または変更は、線形および非線形変換演算、リサンプリング、テンプレートマッチング、自己相関および相互相関、モルフォロジ処理などを含み得る。さらに、いくつかの実装形態においては、この1つ以上のパラメータの分析および/または変更が、特性評価および調整、その後の再特性評価を含み得る。かかる特性評価および調整は、生理学的および/または他の信号を読み取ること、または両方のセンサ(例えば、第1のセンサおよび二次センサ(単数または複数))によって認識でき、種々のセンサにとっての基準となれる既知の信号を注入すること、を伴い得る。変更可能な第2のセンサ(単数または複数)の1つ以上のセンサパラメータは、センサの信号の周波数、位相、パワー、振幅、強度、変調、ビームパターン、センサの1つ以上のアンテナのオンとオフ、ビーム形成、センサの1つ以上のアンテナの物理位置、センサの物理位置、スペクトル形状、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実装形態においては、この1つ以上のセンサパラメータが、制御システム110によって自動的に変更される。他の実装形態においては、制御システム110が、この1つ以上のパラメータを変更する(例えば、センサを物理的に位置付け直す)ようユーザに促すための指示または他の合図を(例えば、外部デバイス170のディスプレイデバイス176、CPAPシステム120のディスプレイデバイス128、またはその両方を使用して)表示させる。
【0073】
いくつかの実装形態においては、ステップ305が、ステップ304の実行中に第2の生理学的データを分析する際に制御システム110(図1)のプロセッサ112によって実行される機械可読命令の1つ以上のパラメータを、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間での比較に少なくとも部分的に基づいて変更することを含む。機械可読命令のパラメータを変更することにより、ステップ304の実行中に第2の組の睡眠関連パラメータがどのように判断されるかが調整される。例えば、睡眠関連パラメータが少なくとも2タイプの生理学的データ(例えば、モーションセンサ138からのモーションデータおよびカメラ150からの画像データ)に基づいて判断される場合には、メモリデバイス114に記憶された機械可読命令のパラメータを、生理学的データの各タイプに異なる重みを付けられるように変更することができる。いくつかの実装形態においては、ステップ305が、第2のセンサの1つ以上のパラメータを変更することと、制御システム110のメモリデバイス114に記憶された機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更することと、を含む。
【0074】
方法300のステップ301~305は、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)内のパラメータのうちの1つ以上が、第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)内のパラメータのうちの1つ以上と一致、略一致、または対応する(例えば、第2の組の睡眠関連パラメータが第1の組の睡眠関連パラメータから所定の標準偏差内となる)まで、1回以上繰り返すことができる。例えば、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)が第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)と一致しない方法300の第1の反復においては、二次センサ(単数または複数)140が、ステップ305の実行中に(例えば、センサの1つ以上のパラメータを変更すること、機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更すること、またはその両方によって)較正される。ステップ301~304は、方法300の第2の反復において繰り返すことができる。第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)が第2の反復中に第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)とまだ十分に一致しない場合には、ステップ305が、方法300の第1の反復中に変更された同じパラメータを変更することによって、あるいは第2のセンサ(単数または複数)の種々のパラメータおよび/もしくは機械可読命令、またはその両方を変更することによって第2のセンサ(単数または複数)を再度較正することを含む。このようにして、方法300は、ステップ305の実行中に実行された較正によって、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)が以降の反復(単数または複数)において第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)と一致または対応するまで、所定の間隔(例えば、0.01秒ごと、0.1秒ごと、2秒ごと、10秒ごと、60秒ごと、5分ごと、30分ごと、60分ごと、など)で複数回(例えば、5回、20回、50回、200回、1000回など)繰り返すことができる。
【0075】
いくつかの実装形態においては、方法300が、ステップ305の実行中に、機械学習アルゴリズムを使用して二次センサ(単数または複数)140を較正することを含む。かかる実装形態においては、(i)第2のセンサ(単数または複数)の1つ以上のパラメータに対する変更(単数または複数)および/または機械可読命令と、(ii)第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間での比較と、を示す情報が、制御システム110のメモリデバイス114(図1)に記憶されている。この情報は、方法300の複数の反復の過程で機械学習アルゴリズムによって使用することができ、例えば、1つ以上のパラメータに対するどの変更または変更の組み合わせが、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間の違いに対して対応する効果を及ぼすかを判断することにより、第2のセンサ(単数または複数)の較正に役立てることができる。特定のセンサもしくは機械可読命令パラメータまたはパラメータ変更がこれらの組の睡眠関連パラメータの違いに影響しないと機械学習アルゴリズムが判断した場合には、これらのパラメータが、その後の方法300の反復において変更されない。そのため、機械学習アルゴリズムを使用することにより、第2のセンサ(単数または複数)を較正するのに必要とされる方法300の反復回数(ステップ305の実行中におけるパラメータ変更)を減らすことができる。
【0076】
方法300を使用して第2のセンサ(単数または複数)が較正されると、第1のセンサ(単数または複数)を含む呼吸システム120(図1)が、例えば圧力センサ132および/または流量センサ134を介して第1の生理学的データのセット(ステップ301)をもはや生成していなくても、システム100は第2の睡眠関連パラメータ(ステップ304)を引き続き判断することができる。第2のセンサ(単数または複数)が方法300を使用して較正されたため、第2の組の睡眠関連パラメータが、呼吸システム120を使用して取得される第1の組の睡眠関連パラメータと同一または同様である睡眠セッションを示す情報を引き続き提供するという利点がある。例えば、ユーザ210(図2)が睡眠セッションの第1の部分のときはユーザインターフェース124を着用していたが、その後、睡眠セッションの第2の部分のときにユーザインターフェース124を取り外した場合に、呼吸システム120が睡眠セッション全体を通してユーザ210によって使用されていなくても、システム100はユーザ210の睡眠関連パラメータを引き続き判断する。
【0077】
図4を参照すると、睡眠セッションと関連付けられたレポートを生成する方法400が表されている。本明細書に記載されている方法400のステップのうちの1つ以上は、システム100(図1)を使用して実施することができる。
【0078】
方法400のステップ401は、睡眠セッション中、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース124)がユーザと係合しているときに、そのユーザと関連付けられた第1の生理学的データを生成または取得することを含む。ステップ401は、1つまたは複数の第1のセンサ(例えば、呼吸器デバイス122に統合および/または連結されている圧力センサ132および/または流量センサ134)を使用して第1の生理学的データを取得できるという点で、方法300のステップ301(図3)と同様である。ステップ401は、呼吸システム120のユーザインターフェース124が睡眠セッション中のユーザ210(図2)と係合しているときに限って第1の生理学的データが生成または取得されるという点がステップ301(図3)と異なる。そのため、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合していない睡眠セッション部分のときには、第1の生理学的データが生成または取得されない。
【0079】
いくつかの実装形態においては、ステップ401が、第1の生理学的データ(ステップ401)または第2の生理学的データ(ステップ402)を生成するのに使用されたセンサと同じまたは異なるセンサ(単数または複数)を使用して、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合しているかどうかを判断することを含む。例えば、圧力センサ132および/または流量センサ134が、ユーザインターフェース124への空気圧および/または空気流の欠如を検出した場合、これは、ユーザインターフェース124がユーザ210(図2)と係合していないことを示し得る。別例として、マスク124は、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合しているかどうかを判断するのに使用できる1つ以上のセンサを含み得る。さらなる例においては、カメラ150(図1)からの画像データを、物体認識アルゴリズム、顔認識アルゴリズム、またはその両方を使用して分析して、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合しているかどうかを判断することができる。
【0080】
方法400のステップ402は、睡眠セッション中、ユーザインターフェースがユーザと係合しているとき、およびユーザインターフェースがユーザと係合していないときに、そのユーザと関連付けられた第2の生理学的データを生成または取得することを含む。ステップ402は、第2の生理学的データが、呼吸システム120に連結または統合されたセンサ(単数または複数)(例えば、外部デバイス170に連結または統合されているセンサ)とは別々かつ別個であるシステム100(図1)のセンサ130のうちの少なくとも1つによって取得できるという点で、方法300のステップ302(図3)と同様である。ステップ402は、システム120に統合されていない異なるセンサを使用することに加え、睡眠セッションの全体または一部分においてユーザインターフェース124がユーザ210(図2)と係合しているかどうかに関係なく第2の生理学的データが取得されるという点でも、ステップ401とは異なる。
【0081】
方法400のステップ403は、第1の生理学的データ(ステップ401)、第2の生理学的データ(ステップ402)、またはその両方を分析して、ユーザインターフェースがユーザと係合している睡眠セッションの第1の部分における第1の組の睡眠関連パラメータを判断することを含む。例えば、第1の生理学的データ(ステップ401)および/または第2の生理学的データ(ステップ402)は、制御システム110(図1)のメモリデバイス114に記憶することができ、メモリデバイス114に記憶された機械可読命令が、第1および/または第2の生理学的データを分析するためにプロセッサ112によって実行される。ステップ403の実行中に判断された第1の組の睡眠関連パラメータは、本明細書に記載されている方法300(図3)のステップ303における第1の組の睡眠関連パラメータと概して同一または同様であるが、ステップ403の実行中に判断された第1の組の睡眠関連パラメータが、ユーザインターフェース124がユーザ210(図2)と係合している睡眠セッションの第1の部分に限られるという点が異なる。
【0082】
方法400のステップ404は、第2の生理学的データ(ステップ402)を分析して、ユーザインターフェースがユーザと係合していない睡眠セッションの第2の部分における第2の組の睡眠関連パラメータを判断することを含む。例えば、第2の生理学的データ(ステップ402)は、制御システム110(図1)のメモリデバイス114に記憶することができ、メモリデバイス114に記憶された機械可読命令が、第2の生理学的データを分析するためにプロセッサ112によって実行される。第1の組の睡眠関連パラメータは、ユーザインターフェースが係合していない睡眠セッションの第1の部分に限られるため、ステップ404の実行中に第2の組の睡眠関連パラメータを判断するのに第1の生理学的データが使用されることはない。
【0083】
睡眠セッションの第1の部分(ステップ403)および/または睡眠セッションの第2の部分(ステップ404)は、睡眠セッション中の連続時間、または不連続時間の組み合わせを含み得る。例えば、ユーザ210(図2)が、睡眠セッションの最初の3時間はユーザインターフェース124を着用し、睡眠セッションの次の2時間はユーザインターフェース124を取り外し、睡眠セッションの最後の2時間(合計7時間)はユーザインターフェース124を再び着用した場合、第1の部分は5時間を含み、第2の部分は2時間を含む。いくつかの実装形態においては、第1の部分または第2の部分は、睡眠セッション全体を含む(例えば、ユーザ210が、睡眠セッション全体にわたってユーザインターフェース124を着用するか、睡眠セッション全体にわたってユーザインターフェース124を全く着用しない)。
【0084】
方法400のステップ405は、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ403)および第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ404)と関連付けられたレポートを生成することを含む。例えば、制御システム110のメモリデバイス114(図1)は、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ403)および第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ404)を分析してレポートを生成するためにプロセッサ112によって実行できる機械可読命令を含み得る。生成された睡眠セッションのレポートは、制御システム110のメモリデバイス114に記憶すること、睡眠セッション後(例えば、ユーザが目覚めたとき)に外部デバイス170のディスプレイデバイス176および/または呼吸システム120のディスプレイデバイス128に表示すること、第三者(例えば、治療医、CPAP装置技術者)に送信すること、またはそれらの任意の組み合わせを行うことができる。生成されたレポートをメモリデバイス114に記憶することにより、システム100は、本明細書にさらに記載されているとおり、複数の睡眠セッションのレポートを比較して、傾向を判断し、推奨および/または予想を提供することができる。
【0085】
いくつかの実装形態においては、ステップ405の実行中に生成されたレポートが、第1の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分(ステップ403)と第2の組の睡眠関連パラメータの少なくとも一部分との比較(ステップ404)を含み得る。他の実装形態においては、このレポートが、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合している睡眠セッションの第1の部分におけるユーザ210の睡眠の質と、ユーザインターフェース124がユーザと係合していない睡眠セッションの第2の部分におけるユーザ210の睡眠の質と、を示し得る。本明細書に記載のとおり、ユーザインターフェース124が係合していないときには、ユーザインターフェース124が係合しているときの睡眠の質と比較して、ユーザの睡眠の質が低いのが典型的である。このレポートは、睡眠の質の違いを定量化してユーザに伝えることによって呼吸システム120の規定の使用法への遵守を促したり、呼吸システム120の規定の使用法が不要になったことを明示したりすることができる。
【0086】
例えば、このレポートは、睡眠セッションの第1の部分および第2の部分における睡眠の質を示す睡眠スコアまたは基準を含み得る。一般に、睡眠スコアは0から100の数値(例えば整数)で表すことができ、100というスコアは質の高い睡眠を示し、0というスコアは質の低い睡眠を示し、1から99のスコアはその間の様々な質を表す。睡眠スコアは、例えば、睡眠セッション中の事象の数またはタイプ、睡眠セッションの持続時間、睡眠セッション中の1つ以上の睡眠状態の持続時間(例えば、レム睡眠および/またはノンレム睡眠の相対的持続時間)、睡眠セッション中のユーザの移動量、本明細書に記載されているその他の睡眠関連パラメータおよび/もしくは事象のいずれか、またはそれらの組み合わせに基づいて判断することができる。睡眠スコアは、呼吸システム120の使用または不使用がユーザの睡眠スコアにどのように影響を及ぼしたかを表す方法でユーザ210に表示したり伝えたりすることもできる。
【0087】
いくつかの実装形態においては、ステップ405の実行中に生成されたレポートが、呼吸システム120の規定の使用法に基づいたユーザ210の睡眠遵守スコア基準を含み得る。呼吸システム120の規定の使用法を示す情報は、制御システム110のメモリデバイス114(図1)に記憶することができる。睡眠遵守スコア基準は、ユーザ210が睡眠セッション中に規定の使用法をどれだけ忠実に遵守したかを示す。睡眠遵守スコア基準は、0から100の数字(例えば整数)、百分率、または他の指標(例えば、不良、普通、良好、優良など)を用いて表現することができる。例えば、ユーザ210が睡眠セッションの少なくとも80%の期間でマスク124を着用することになっており、そのユーザが睡眠セッションの50%の期間でユーザインターフェース124を着用した場合、睡眠遵守スコア基準は62.5と表現することができる。睡眠遵守スコア基準は、呼吸システム120の規定の使用法を遵守するようユーザ210を動機付けたり促したりする上で、および/または治療医に情報を提供する上で役立ち得る。睡眠遵守スコア基準(例えば、治療品質指標)についてのさらなる詳細が、2017年4月20日に出願され、2017年11月2日にUS2017/0311879として公開された出願番号第15,520,663号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
上記のとおり、いくつかの実装形態においては、生成されたレポートが、睡眠の質を示す睡眠スコアまたは基準を含む。かかる実装形態においては、生成されたレポートが、睡眠品質スコアの向上を支援することを目的とした、上記の睡眠習慣のうちの1つ以上に対する調整に関する推奨も含み得る。例えば、この推奨は、睡眠スコアを上げるために、ユーザの就床時刻を変更し、睡眠セッションの持続時間を増やすことをユーザに示し得る。このレポートは、ユーザが1つ以上の睡眠習慣に対する推奨調整を実施したことに対応する睡眠品質スコアまたは基準の予想数量改善をさらに含み得る。例えば、レポートの睡眠スコアが質の低い睡眠を示している場合、このレポートは、睡眠セッション持続時間を(例えば、5時間から7時間へと)増やし、ユーザがマスク124を着用する時間を(例えば、睡眠セッションの50%から少なくとも90%へと)を増やすことを推奨し、睡眠スコアの数量改善(例えば、スコア50からスコア90への上昇)を予想し得る。この数量予想は、例えば、制御システム110のメモリデバイス114に記憶されている過去の生成レポートに基づいて判断することができる。
【0089】
いくつかの実装形態においては、ユーザ210がまだCPAPシステム120を使用していなくても、この睡眠品質スコアまたは基準の予想数量改善を判断することができる。ある個人が睡眠関連の呼吸障害と診断され、呼吸療法システムを処方された後、当人が呼吸療法システムを取得するのに数週間を要することが多く、場合によっては数か月を要する。場合によっては、この遅延期間中にその個人の経過観察が行われなかったり、呼吸システムを使用することについてその個人の考えが変わったりし得る(例えば、ユーザが呼吸療法システムの画像を見て、あまりにも邪魔または使いにくいと思い得る)。(例えば、外部デバイス170に統合された)このセンサを使用して睡眠セッション中に第2の生理学的データを生成することにより、システム100は、睡眠スコアを判断し、ユーザ210が呼吸システム120を使用した場合の睡眠品質スコアの数量改善を予想して、ユーザ210が処方に従い、呼吸システム120を取得および使用するよう刺激したり、促したり、動機付けたりするのを支援できるようになる。
【0090】
いくつかの実装形態においては、ステップ405の実行中に生成されたレポートが、呼吸システム120の呼吸デバイス122(図1)の使用に関する推奨および/またはユーザの睡眠習慣に対する調整に関する推奨を含み得る。例えば、生成されたレポートは、ユーザの就床時刻、ユーザの覚醒時刻、睡眠セッションの持続時間、睡眠セッション中のユーザがユーザインターフェース124を着用する時間(例えば、睡眠セッションの持続時間の少なくとも33%、睡眠セッションの少なくとも66%、睡眠セッションの少なくとも75%、睡眠セッションの90%など)、またはそれらの任意の組み合わせを変更する推奨を含み得る。CPAPシステム120の呼吸器デバイス122の使用に関する推奨は、異なる呼吸システム(例えば、より高い圧力を送達できるCPAPシステム)または種々の呼吸システム構成要素(例えば、異なるユーザインターフェースタイプ)を使用する推奨も含み得る。
【0091】
ステップ405の実行中に生成されたレポートは、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間での比較に基づいて、呼吸システム120が睡眠の質を改善しているかどうかを確認するのに使用することもできる。例えば、第1の組の睡眠関連パラメータ(ステップ303)と第2の組の睡眠関連パラメータ(ステップ304)との間にほとんど違いがないことをレポートが示した場合、これは、ユーザ210が呼吸システム120をもはや必要としないことを示し得る。レポートでの比較を用いて、ユーザの睡眠に悪影響を及ぼしている可能性がありながら、呼吸システム120によって治療されていない他の要因(例えば、未診断の健康状態、環境条件など)を特定するのを支援することもできる。
【0092】
方法400(図4)のステップ406は、第1の生理学的データ(ステップ401)、第2の生理学的データ(ステップ402)、生成されたレポート(ステップ405)、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて、呼吸システム120の呼吸デバイス122の1つ以上のパラメータを変更することを含む。ステップ406は、例えば、呼吸デバイス122のランプ時間の変更、睡眠セッション中の圧力設定の変更、ユーザが睡眠セッションから目覚めたという判断を受けての圧力設定の変更、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0093】
方法400のステップ407は、方法300のステップ305(図3)と同一または同様であり、ステップ402の実行中に第2の生理学的データを生成または取得するのに使用される第2のセンサ(単数または複数)を較正することを含む。ステップ407は、第2のセンサ(単数または複数)の1つ以上のパラメータを変更すること、メモリデバイス114に記憶されており、制御システム110のプロセッサ112によって実行される機械可読命令の1つ以上のパラメータを変更すること、またはその両方を含み得る。
【0094】
方法400については、ユーザ210(図2)と関連付けられた第1および第2の生理学的データ(ステップ401および402)を取得するものと説明してきたが、いくつかの実装形態においては、方法400が、睡眠セッション中の同床者220(図2)と関連付けられた第3の生理学的データを生成または取得することも含み得る。かかる実装形態においては、1つ以上の二次センサ140および/または呼吸システム120のうちの1つを、制御システム110のメモリデバイス114に記憶できる同床者220の第3の生理学的データを生成または取得するのに使用することができる。第3の生理学的データを生成または取得するのに使用されるセンサは、ステップ402の実行中に第2の生理学的データを生成または取得するのに使用されるものと同じセンサまたは異なるセンサであり得る。
【0095】
同床者220と関連付けられた第3の生理学的データを含む実装形態においては、ステップ405の実行中に生成されたレポートが、睡眠セッション中の同床者220の睡眠の質を示す睡眠品質スコアまたは基準を含み得る。同床者220は、睡眠関連の呼吸障害を患っていなくても、呼吸システム120のユーザ210よりも低い睡眠スコアを有し得る。例えば、ユーザ210のいびきが、同床者220の睡眠を乱し得る。別例として、ユーザ210が着用したユーザインターフェース124からの空気漏れが、同床者220の睡眠を乱し得る騒音(単数または複数)を引き起こし得る。そのため、ステップ405の実行中に生成されたレポートは、同床者220の睡眠品質基準を改善するのを支援することを目的とした、呼吸システム120のユーザ210の1つ以上の睡眠習慣に対する調整に関する推奨を含み得る。例えば、このレポートは、ユーザ210による、1睡眠セッションあたりの呼吸デバイス122の平均使用時間/を増加または減少させる推奨を含み得る。このレポートは、ユーザ210が1つ以上の睡眠習慣に対する推奨調整を実施したことに対応する同床者220の睡眠品質基準の予想数量改善をさらに含み得る。
【0096】
いくつかの実装形態においては、生成されたレポートが、ユーザ210によって着用されるユーザインターフェース124についての推奨も含み得る。例えば、このレポートは、マスクとユーザ210との間のフィット感またはインターフェースの改善を支援するための異なるマスクサイズ、または異なるマスクタイプ(例えば、鼻マスク、フルマスク、クレードルマスクなど)を推奨することができる。
【0097】
図5を参照すると、機械学習アルゴリズムをトレーニングする方法500が表されている。本明細書に記載されている方法500のステップのうちの1つ以上が、システム100(図1)を使用して実施可能である。
【0098】
方法500のステップ501は、睡眠セッション中、ユーザインターフェースがユーザと係合しているときに、呼吸デバイスを使用して、そのユーザと関連付けられた呼吸器データを生成または取得することを含む。ステップ501は、第1の生理学的データが、呼吸システム120の呼吸デバイス122に統合されているシステム100の1つ以上の二次センサ130(図1)のうちの1つを使用して取得できるという点で、方法400のステップ401(図4)と同様である。例えば、ユーザインターフェース124がユーザ210(図2)と係合していないときには、呼吸デバイス122内の圧力センサ132および/または空気流量センサ134が第1の生理学的データを生成または取得しない。いくつかの実装形態においては、方法400(図4)のステップ401と同様に、ステップ501が、ユーザインターフェース124がユーザ210と係合しているかどうかを判断することを含む。
【0099】
方法500のステップ502は、睡眠セッション中、ユーザインターフェースがユーザと係合しているとき、およびユーザインターフェースがユーザと係合していないときに、そのユーザと関連付けられたセンサデータを生成または取得することを含む。ステップ502は、第2の生理学的データが、呼吸システム120に連結または統合されたセンサ(単数または複数)(例えば、外部デバイス170に連結または統合されたセンサ)とは別々かつ別個であるシステム100(図1)のセンサ130のうちの異なる1つ以上によって取得できるという点で、方法400のステップ402(図4)と同様である。
【0100】
方法500のステップ503は、呼吸器データおよびセンサデータを蓄積することを含む。蓄積された呼吸器データは、ステップ501の実行中に現在生成または取得されている第1の生理学的データ(以下、現在の呼吸器データ)と、方法500の以前の反復から過去に記録された第1の生理学的データ(以下、過去の呼吸器データ)と、を含む。同様に、蓄積されたセンサデータは、ステップ502の実行中に現在生成または取得されている第2の生理学的データ(以下、現在のセンサデータ)と、方法500の以前の反復から過去に記録された第2の生理学的データ(以下、過去のセンサデータ)と、を含む。過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータは、複数の睡眠セッションにわたって生成することができ、制御システム110(図1)のメモリデバイス114に記憶することができる。過去の呼吸器データおよび/または過去のセンサデータは、メモリデバイス114に無期限または所定の期間(例えば、1週間、1か月間、6か月間、1年間、3年間など)保存した後、自動的に削除することができる。
【0101】
方法500のステップ504は、ステップ503の実行中に蓄積された過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータを使用して機械学習アルゴリズム(MLA)をトレーニングすることを含む。MLAは、現在の呼吸器データ(ステップ501)および現在のセンサデータ(ステップ502)を入力情報として受け取り、予想活動レベル、反応時間の予想値、予想される主観的眠気睡眠、またはそれらの任意の組み合わせを出力情報として決定できるようにトレーニングされる。すなわち、MLAは、過去の呼吸器データと過去のセンサデータをトレーニングデータセットとして使用してトレーニングされる。過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータは、MLAのトレーニングデータセットを更新するために、継続的に蓄積または更新することができる(ステップ503)。MLAは、例えば、深層学習アルゴリズムまたはニューラルネットワークであり得、プロセッサ112によって実行可能な制御システム110のメモリデバイス114に機械可読命令として記憶することができる。
【0102】
方法500のステップ505は、睡眠セッションに続く所定の期間にユーザが経験するであろう予想活動レベルを判断することを含む。MLAは、過去の呼吸器データおよびセンサデータを使用してステップ504の実行中にトレーニングされた後、現在の呼吸器データ(ステップ501)および/または現在のセンサデータを入力情報として受け取り(ステップ502)、所定の期間の予想活動レベルを出力情報として決定することができる。この所定の期間は、睡眠セッション終了後の約0.1時間から約24時間、睡眠セッション後の約3時間から約16時間、睡眠セッション後の約8時間から約14時間、睡眠セッション後の約12時間、睡眠セッション後の約24時間から約1週間、睡眠セッション後の約12時間から約1か月後などであり得る。
【0103】
ユーザ210が呼吸療法システムの規定の使用法を遵守すると、睡眠の質が向上し、1日を通しての活動量(例えば歩数)の増大、安静時の心拍数の低減、心拍数変動の低減、(例えば、カロリー燃焼量の増大による)体重の減少、食生活の改善(例えば、カロリー摂取量の減少)、頭痛回数の減少、またはそれらの任意の組み合わせにつながるのが典型的である。トレーニングされたMLA(ステップ504)を使用してステップ505の実行中に判断された予想活動レベルは、所定の期間(例えば、睡眠セッション終了後の12時間)中の予想歩数、予想燃焼カロリー数、予想安静時心拍数、予想心拍数変動、予想頭痛回数、予想体重減少、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ステップ505の実行中に判断された予想活動レベルは、モバイルデバイスのディスプレイデバイス176、呼吸システム120のディスプレイデバイス128、またはその両方を使用して、ユーザ210に表示または伝達することができる。判断された予想活動レベルをユーザ210に伝達することは、ユーザ210が呼吸システム120の規定の使用法を遵守することを促したり動機付けしたりするのを支援することができる。
【0104】
方法500のステップ506は、標準化されたテストに対してユーザが睡眠セッション後に経験する反応時間の予想値を、トレーニングされたMLA(ステップ504)を使用してこの所定の期間中に判断することを含む。睡眠の質が高かった人は、睡眠の低が質かった人よりも冴えており、眠くなりにくい。反応時間は、例えば、クリック反応時間テスト、タップ反応時間テスト、スピードテスト、認識テスト、解決テスト、処理テスト、解読テスト、棒反応テスト、電光板反応テスト、またはそれらの任意の組み合わせなど、標準化されたテストを使用して、刺激に対する個人の反応の素早さを測定または評価する。ステップ506の実行中に判断された予想反応時間は、モバイルデバイスのディスプレイデバイス176、呼吸システム120のディスプレイデバイス128、またはその両方を使用して、ユーザ210に表示または伝達され得る。判断された予想反応時間をユーザ210に伝達することは、ユーザ210が呼吸システム120の規定の使用法を遵守することを促したり動機付けたりするのを支援することができる。
【0105】
方法500のステップ507は、トレーニングされたMLAを使用して、睡眠セッション後にユーザが経験するであろう予想主観的眠気スコアを判断することを含む(ステップ504)。主観的眠気スコアは、睡眠セッション後のユーザ210の主観的感覚に基づいており、0から100の数値(例えば整数)で表すこと、または他の指標(例えば、極度または非常に眠い、適度に眠い、どちらでもない、眠くないなど)を使用して表すことができる。ステップ507の実行中に判断された予想主観的眠気スコアは、モバイルデバイスのディスプレイデバイス176、呼吸システム120のディスプレイデバイス128、またはその両方を使用して、ユーザ210に表示または伝達され得る。予想主観的眠気スコアをユーザ210に伝達することは、ユーザ210が呼吸システム120の規定の使用法を遵守することを促したり動機付けたりするのを支援することができる。
【0106】
方法500のステップ508は、ユーザの主観的感覚に関する被験者フィードバックをユーザに求めるプロンプトを表示することを含む。ユーザの主観的感覚は、例えば、記述用語(例えば、悪い、まあまあ、神経的、良い、大変良い、眠い、疲れた、休まった、冴えているなど)、数値(例えば、0から10の整数で、10は最高の主観的感覚を示し、0は最低の主観的感覚を示す)、またはその両方を使用して表すことができる。このプロンプトは、外部デバイス170(図1)のディスプレイデバイス176、呼吸システム120のディスプレイデバイス128、またはその両方を使用して表示することができる。このプロンプトは概して、被験者フィードバックを提供するようユーザ210に指示し、英数字テキストおよび/または他の指標としてユーザ210に視覚的に表示または伝達され得る。代替として、このプロンプトは、(例えば、スピーカ148と同一または同様である外部デバイス170に連結または統合されたスピーカを使用して)ユーザ210に聴覚的に伝えることができる。
【0107】
同様に、ユーザ210からの被験者フィードバックは、外部デバイス170のディスプレイデバイス176によって受け取ることができる。例えば、求められた被験者フィードバックは、ディスプレイデバイス176上に表示された1つ以上の指標を(例えば、クリックまたはタップして)選択すること、(例えば、ディスプレイデバイス176上に表示されたタッチキーボードを使用して)英数字テキストを入力すること、(例えば、マイクロフォン146と同一または同様である外部デバイス170に連結または統合されているマイクロフォンを用いた)音声入力を使用すること、またはそれらの任意の組み合わせを使用すること、によって提供することができる。
【0108】
本明細書に記載されているMLAは、このプロンプトを受け、ステップ508の実行中に提供された被験者フィードバックを使用して、ステップ504の実行中にトレーニングすることができる。複数の睡眠セッションにわたって提供された被験者フィードバックは、上記の過去の呼吸器データおよび過去のセンサデータと同一または同様の方法でMLAをトレーニングするための過去の被験者フィードバックとして、制御システム110(図1)のメモリデバイス114に記憶することができる。このMLAは、本明細書に記載されている睡眠スコアまたは基準と、ステップ508の実行中に提供された被験者フィードバックとの組み合わせである(例えば、数値または記述文として表される)生活の質の基準を判断するようにトレーニングすることができる。
【0109】
本明細書においては、方法300、方法400、および方法500を、睡眠セッション中の生理学的データを収集するものとして記載してきたが、これらの方法は、ユーザが日中起きているときに同一または同様の生理学的データを生成または取得する目的で(例えば、システム100を使用して)実施できるのが、より一般的である。かかる実装形態においては、生理学的データを生成するためのセンサが、日中の少なくとも一部分を通して、(例えば、ユーザ210のポケットの中など、)ユーザ210に概して隣接して位置または所在できる外部デバイス170に連結または統合することができる。睡眠セッション外で生成または取得されたそのユーザの生理学的データは、睡眠セッション中に生成または取得された生理学的データと比較すること、または睡眠セッションの範囲外で生成または取得された、過去に記録された生理学的データと比較することができる。これらの比較は、例えば、方法500(図5)のステップ504の実行中にMLAをトレーニングして、活動レベルを予想する(ステップ505)、反応時間の値を予想する(ステップ506)、主観的睡眠スコアを予想する(ステップ507)、またはそれらの任意の組み合わせを行うのに使用することができる。
【0110】
本明細書で使用されている睡眠セッションは、例えば、初回の開始時刻および終了時刻に基づいていくつかの方法で定義することができる。図6を参照すると、ある睡眠セッションの例示的な時系列600が表されている。時系列600は、就床時刻(tbed)と、入眠時刻(tGTS)と、初回就眠時間(tsleep)と、第1の微小覚醒MAおよび第2の微小覚醒MAと、覚醒時刻(twake)と、起床時刻(trise)と、を含む。
【0111】
本明細書においては、睡眠セッションを複数の方法で定義することができる。例えば、睡眠セッションを、初回の開始時刻および終了時刻によって定義することができる。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、ユーザが眠っている持続時間であり、すなわち睡眠セッションは、開始時刻と終了時刻とを有し、睡眠セッション中はユーザが終了時刻まで覚醒しない。すなわち、ユーザが覚醒している時間は、睡眠セッションに含まれない。睡眠セッションの第1の定義からは、ユーザが一晩で複数回覚醒および入眠した場合、それらの覚醒期間によって隔てられたそれぞれの睡眠期間が睡眠セッションとなる。
【0112】
代替として、いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、開始時刻と終了時刻とを有し、その睡眠セッション中は、ユーザが覚醒している連続時間が覚醒持続時間閾値未満である限り、そのユーザは、睡眠セッションが終了せずに覚醒することができる。覚醒持続時間閾値は、睡眠セッションの百分率と定義することができる。覚醒持続時間閾値は、例えば、睡眠セッションの約20パーセント、睡眠セッション持続時間の約15パーセント、睡眠セッション持続時間の約10パーセント、睡眠セッション持続時間の約5パーセント、睡眠セッション持続時間の約2パーセント等、または他の任意の閾値パーセントであり得る。いくつかの実装形態においては、覚醒持続時間閾値が、例えば、約1時間、約30分、約15分、約10分、約5分、約2分など、または他の任意の量の時間と定義される。
【0113】
いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、ユーザが最初に就床した夜の時刻から、ユーザが最後に起床した翌朝の時刻までの総時間と定義される。別の言い方をすれば、睡眠セッションは、(ユーザが寝る前に最初にテレビを見たりスマートフォンをいじったりすることを意図した場合ではなく)ユーザが寝るという意図を持って最初に就床した、現在の夜と称せる第1の日付(例えば、2020年9月7日月曜日)の第1の時刻(例えば午後10:00)に始まり、ユーザがその翌朝に再び寝ないという意図を持って最初に起床した、翌朝と称せる第2の日付(例えば2020年9月8日火曜日)の第2の時刻(例えば午前7:00)に終わる時間と定義することができる。
【0114】
いくつかの実装形態においては、ユーザが睡眠セッションの開始を手動で定義し、かつ/または睡眠セッションを手動で終了させることができる。例えば、ユーザは、外部デバイス170(図1)のディスプレイデバイス172に表示される1つ以上のユーザ選択可能要素を(例えば、クリックすること、またはタップすることによって)選択して、睡眠セッションを手動で開始または終了させることができる。
【0115】
図6を参照すると、就床時刻tbedは、ユーザが入眠する前に最初に就床(例えば、図2のベッド230)する(例えば、ユーザがベッドに横になったり座ったりする)時刻と関連付けられている。就床時刻tbedは、ユーザが寝るために就床する時刻と、ユーザが他の理由で(例えば、テレビを見るために)就床する時刻と、を区別するために、就床閾値持続時間に基づいて特定することができる。例えば、就床閾値持続時間は、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間などであり得る。本明細書においては、ベッドを参照して就床時刻tbedを説明しているが、就床時刻tbedは、ユーザが寝るために最初に何らかの箇所(例えば、ソファ、椅子、寝袋など)に就いた時刻を表し得るのが、より一般的である。
【0116】
入眠時刻(GTS)は、ユーザが、床に就いた後、最初に入眠を試行する時刻(tbed)と関連付けられている。例えば、ユーザは、床に就いた後、眠ろうとする前に、くつろぐために1つ以上の活動(例えば、読書、テレビ視聴、音楽鑑賞、外部デバイス170の使用など)をし得る。初回就眠時刻(tsleep)は、ユーザが最初に入眠した時刻である。例えば、初回就眠時刻(tsleep)は、ユーザが最初にノンレム睡眠段階に入った時刻であり得る。
【0117】
覚醒時刻twakeは、(例えば、ユーザが夜中に目覚めて眠りに戻るのではなく、)ユーザが眠りに戻ることなく目覚めた時期と関連付けられた時刻である。ユーザは、最初に入眠した後、短い持続時間(例えば、5秒、10秒、30秒、1分など)を有する、より多くの無意識の微小覚醒(例えば、微小覚醒MAおよびMA)のうちの1つを経験し得る。ユーザは、覚醒時刻twakeではなく、微小覚醒MAおよびMAのそれぞれを経て、再び眠る。同様に、ユーザは、最初に入眠した後、1つ以上の意識的な覚醒(例えば、トイレに行くために起きる、子供やペットの世話をする、夢中歩行するなど)を有し得る。ただし、ユーザは覚醒Aの後、眠りに戻る。そのため、覚醒時刻twakeは、例えば、(例えば、ユーザが少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間等にわたって覚醒している)覚醒閾値持続時間に基づいて定義することができる。
【0118】
同様に、起床時刻triseは、(例えば、ユーザが夜中にトイレに行くこと、子供やペットの世話をすること、夢中歩行することなどではなく、)睡眠セッションを終了するという意図を持ってユーザがベッドを後にし、離れた時刻と関連付けられている。言い換えれば、起床時刻triseは、ユーザが次の睡眠セッション(例えば、翌日の夜)までベッドに戻ることなく、最後にベッドを離れた時刻である。そのため、起床時刻triseは、例えば、(例えば、ユーザが少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間などにわたって離床している)起床閾値持続時間に基づいて定義することができる。睡眠セッション後の第2の就床時刻tbedも、(例えば、ユーザが少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間などにわたって離床している)起床閾値持続時間に基づいて定義することができる。
【0119】
上記のとおり、ユーザは、初回のtbedから最終のtriseまでの夜間にもう1回目覚めて離床し得る。いくつかの実装形態においては、事象(例えば、入眠または離床)後の所定の閾値持続時間に基づいて特定または判断される最終起床時刻twakeおよび/または最終起床時刻trise。かかる閾値持続時間は、ユーザに合わせてカスタマイズすることができる。夜就床し、朝覚醒および起床する標準的なユーザの場合には、約12時間から約18時間の間の任意の時間(ユーザが覚醒(twake)または起床(trise)してから就床(tbed)、入眠(tGTS)または就眠(tsleep)するまでの間)を用いることができる。ベッドで過ごす時間が長いユーザであれば、より短い閾値時間(例えば、約8時間から約14時間)が使用され得る。この閾値時間は、ユーザの睡眠挙動を監視するシステムに基づいて、最初に選択および/または後で調整され得る。
【0120】
全就床時間(TIB)は、就床時刻tbedから起床時刻triseまでの持続時間である。全睡眠時間(TST)は、初回就眠時刻から覚醒時刻までの持続時間から、その間の意識的または無意識的な覚醒および/または微小覚醒を除外した時間と関連付けられている。全睡眠時間(TST)は、全就床時間(TIB)よりも短く(例えば、1分短く、10分短く、1時間短くなど)なるのが一般的である。例えば、図6の時系列600を参照すると、全睡眠時間(TST)は、初回就眠時刻tsleepから覚醒時刻twakeまでであるが、第1の微小覚醒MA、第2の微小覚醒MA、および覚醒Aの持続時間が除外されている。図示のとおり、本例においては、全睡眠時間(TST)が全就床時間(TIB)よりも短い。
【0121】
いくつかの実装形態においては、全睡眠時間(TST)を、全持続睡眠時間(PTST)と定義することができる。かかる実施形態においては、全持続睡眠時間が、第1のノンレム段階(例えば、軽睡眠段階)の所定の初期部分または初期時間を除外している。例えば、この所定初期部分は、約30秒間から約20分間、約1分間から約10分間、約3分間から約5分間などであり得る。全持続睡眠時間は、持続した睡眠の測定値であり、睡眠/覚醒睡眠経過図を滑らかにする。例えば、ユーザの初回入眠時に、そのユーザは、非常に短い時間(例えば約30秒間)にわたる第1のノンレム段階に入り、短時間(例えば1分間)の覚醒段階に戻った後に、第1のノンレム段階に戻り得る。本例においては、全持続睡眠時間が、第1のノンレム段階の最初の事例(例えば約30秒間)を除外している。
【0122】
いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、就床時刻(tbed)に始まり、起床時刻(trise)に終わる時間、すなわち全就床時間(TIB)と定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、初回就眠時刻(tsleep)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、全睡眠時間(TST)と定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、入眠時刻(tGTS)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、入眠時刻(tGTS)に始まり、起床時刻(trise)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、就床時刻(tbed)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、初回就眠時刻(tsleep)に始まり、起床時刻(trise)に終わるものと定義されている。
【0123】
図7を参照すると、いくつかの実装形態に係る、時系列600(図6)に対応する例示的な睡眠経過図700が表されている。図示のとおり、睡眠経過図700は、睡眠/覚醒信号701と、覚醒段階軸710と、レム段階軸720と、軽睡眠段階軸730と、深睡眠段階軸740と、を含む。睡眠/覚醒信号701と軸710~740のうちの1つとの交点は、睡眠セッション中の任意の所与の時刻における睡眠段階を示している。
【0124】
睡眠/覚醒信号701は、ユーザと関連付けられた(例えば、本明細書に記載されているセンサ130のうちの1つ以上によって生成された)生理学的データに基づいて生成することができる。睡眠/覚醒信号は、覚醒、リラックスした覚醒、微小覚醒、レム段階、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、第3のノンレム段階、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の睡眠状態を示し得る。いくつかの実装形態においては、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、および第3のノンレム段階のうちの1つ以上をひとまとめにし、軽睡眠段階または深睡眠段階として分類することができる。例えば、軽睡眠段階は、第1のノンレム睡眠段階を含み得、深睡眠段階は、第2のノンレム睡眠段階と第3のノンレム睡眠段階とを含み得る。睡眠経過図700は、図7において、軽睡眠段階軸730と深睡眠段階軸740とを含むものとして示されているが、睡眠経過図700は、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、および第3のノンレム段階のそれぞれを表す軸を含み得る。他の実装形態においては、睡眠/覚醒信号が、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりの事象数、事象パターン、またはそれらの任意の組み合わせも示し得る。睡眠/覚醒信号について記述している情報は、メモリデバイス114に記憶することができる。
【0125】
睡眠経過図700は、例えば、入眠潜時(SOL)、中途覚醒(WASO)、睡眠効率(SE)、睡眠断片化指数、睡眠ブロック、またはそれらの任意の組み合わせなど、1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。
【0126】
入眠潜時(SOL)は、入眠時刻(tGTS)と初回就眠時刻(tsleep)との間の時間と定義される。言い換えれば、入眠潜時は、ユーザが最初に入眠を試行してから実際に入眠するまでに要した時間を示す。いくつかの実装形態においては、入眠潜時が持続的入眠潜時(persistent sleep onset latency:PSOL)と定義される。持続的入眠潜時は、入眠時刻から所定量の持続的睡眠までの持続時間と定義されるという点で、入眠潜時とは異なる。いくつかの実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、例えば、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、ならびに/または2分間以下の覚醒、第1のノンレム段階、および/もしくはその間の移動を伴うレム段階内の少なくとも10分間の睡眠、を含み得る。言い換えれば、持続的入眠潜時は、例えば、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、および/またはレム段階内での最大8分間の持続的睡眠を要する。他の実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、初回就眠時刻後の第1のノンレム段階内、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、および/またはレム段階内の少なくとも10分間の睡眠を含み得る。かかる実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、一切の微小覚醒を除外し得る(例えば、10秒間の微小覚醒後に、その10分間が再開されることはない)。
【0127】
中途覚醒(WASO)は、初回就眠時刻から覚醒時刻までの間でユーザが覚醒している全持続時間と関連付けられている。そのため、中途覚醒は、意識的か無意識的かを問わず、睡眠セッション中の短時間覚醒と微小覚醒と(例えば、図4に示す微小覚醒MAとMAと)を含む。いくつかの実装形態においては、中途覚醒(WASO)が、所定の長さ(例えば、10秒間超、30秒間超、60秒間超、約5分間超、約10分間超など)を有する全覚醒持続時間だけを含む持続的中途覚醒(PWASO)と定義される。
【0128】
睡眠効率(SE)は、全就床時間(TIB)と全睡眠時間(TST)との比率と判断される。例えば、全就床時間が8時間で、全睡眠時間が7.5時間であれば、その睡眠セッションの睡眠効率は93.75%である。睡眠効率は、ユーザの睡眠衛生を表す。例えば、ユーザが就床し、睡眠前に他の活動(例えば、テレビの視聴)に時間を費やすと、睡眠効率が低下する(例えば、そのユーザが罰則を受ける)。いくつかの実装形態においては、全就床時間(TIB)と、ユーザが入眠を試行する全時間と、に基づいて睡眠効率(SE)を計算することができる。かかる実装形態においては、ユーザが入眠を試行する全持続時間が、本明細書に記載されている入眠時刻(GTS)から起床時刻までの時間と定義される。例えば、全睡眠時間が8時間(例えば、午後11時から午前7時まで)、入眠時刻が午後10:45、起床時刻が午前7:15であれば、かかる実施形態においては、睡眠効率パラメータが約94%と計算される。
【0129】
断片化指標は、睡眠セッション中の覚醒回数に少なくとも部分的に基づいて判断される。例えば、ユーザが2回の微小覚醒(例えば、図7に示す微小覚醒MAおよび微小覚醒MA)を有していた場合には、断片化指標を2と表すことができる。いくつかの実装形態においては、この断片化指標が、所定範囲の整数間(例えば、0から10の間)でスケーリングされる。
【0130】
睡眠ブロックは、任意の睡眠段階(例えば、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、第3のノンレム段階、および/またはレム)と覚醒段階との間での移行と関連付けられる。睡眠ブロックは、例えば、30秒の分解能で計算することができる。
【0131】
いくつかの実装形態においては、本明細書に記載されているシステムおよび方法が、就床時刻(tbed)、入眠時刻(tGTS)、初回就眠時刻(tsleep)、1回以上の第1の微小覚醒(例えば、MAおよびMA)、覚醒時刻(twake)、起床時刻(trise)、またはそれらの任意の組み合わせを睡眠経過図の睡眠/起床信号に少なくとも部分的に基づいて判断または特定するために、睡眠/起床信号を含む睡眠経過図を生成または分析することを含み得る。
【0132】
他の実装形態においては、センサ130のうちの1つ以上を使用して、就床時刻(tbed)、入眠時刻(tGTS)、初回就眠時刻(tsleep)、1回以上の第1の微小覚醒(例えば、MAおよびMA)、覚醒時刻(twake)、起床時刻(trise)、またはそれらの任意の組み合わせを判断または特定することができ、ひいては睡眠セッションを定義することができる。例えば、就床時刻tbedは、モーションセンサ138、マイクロフォン140、カメラ150、またはそれらの任意の組み合わせなどによって生成されたデータに基づいて判断することができる。入眠時刻は、例えば、モーションセンサ138からのデータ(例えば、ユーザによる動きがないことを示すデータ)、カメラ150からのデータ(例えば、ユーザによる動きがないこと、および/またはユーザが照明を消したことを示すデータ)、マイクロフォン140からのデータ(例えば、使用がテレビを消したことを示すデータ)、外部デバイス170からのデータ(例えば、ユーザが外部デバイス170をもう使用していないことを示すデータ)、圧力センサ132および/または流量センサ134からのデータ(例えば、ユーザが呼吸デバイス122の電源を投入したことを示すデータ、ユーザがユーザインターフェース124を着用したことを示すデータなど)、またはそれらの任意の組み合わせなどに基づいて判断することができる。
【0133】
以下の請求項1~84のうちいずれかの1つ以上からの1つ以上の要素または態様またはステップあるいはその一部(単数または複数)をその他の請求項1~84のいずれかの1つ以上あるいはその組み合わせからの1つ以上の要素または態様またはステップあるいはその一部(単数または複数)と組み合わせることにより、本開示の1つ以上のさらなる実行および/または請求項を形成することができ得る。
【0134】
本開示について1つ以上の特定の実施形態または実装形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本開示の意図および範囲から逸脱すること無く多数の変更が可能であり得ることを認識する。これらの実装形態およびその明確な変更例はそれぞれ、本開示の意図および範囲に収まるものとして企図される。そして、本開示の各種態様によるさらなる実装形態が、本明細書に記載された実装形態のいずれかから任意の数の特徴を組み合わせ得ることも企図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】