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特表2022-547634ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法
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  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図1
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図2A
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図2B
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図3
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図4
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  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図6
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図7
  • 特表-ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】ナノ秒パルス電源における負荷電流を制限するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/18 20060101AFI20221107BHJP
【FI】
A61N1/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517188
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020053248
(87)【国際公開番号】W WO2021067255
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/909,187
(32)【優先日】2019-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518241986
【氏名又は名称】パルス バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pulse Biosciences,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フアン,チャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】シャハド,グレゴリー,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】クリーグ,ケネス,アール.
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053FF01
(57)【要約】
本明細書に記載されているのは、負荷アークによる損傷を防ぎながら、高電圧、高電流、サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒範囲)のパルス出力を生体物質(例えば、組織、細胞など)に印加するための装置および方法である。本明細書に記載される装置および方法のいくつかは、この目的を達成するように構成されている長さを有する、パルス電源電流と負荷との間で伝送線(例えば、同軸ケーブル、ツイストペアまたはパラレルペアケーブル)を使用することによって、大幅に負荷アークする場合に、負荷およびパルス電源電流を制限し得る。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置であって、
最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する少なくとも高電圧パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器と、
第1の端部において前記ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルであって、前記伝送ケーブルが、特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有し、前記伝送ケーブルが、前記最大パルス持続時間(ナノ秒)の半分を前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度(ナノ秒/フィート)で割ったものよりも大きい、前記第1の端部と第2の端部との間の長さを有する、伝送ケーブルと、
パルス送達出力であって、前記パルス送達出力が、前記伝送ケーブルの前記第2の端部に結合する、パルス送達出力と、を備える、装置。
【請求項2】
前記ナノ秒パルス発生器が、少なくとも200kV/μsの高電圧、高電流パルス出力を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ナノ秒パルス発生器の少なくとも一部を囲むハウジングをさらに備え、さらに、前記伝送ケーブルの少なくとも大部分が、前記ハウジング内に格納される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記伝送ケーブルの前記長さが、100フィートよりも大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング内の前記伝送ケーブルの前記長さが、5~420フィートである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記伝送ケーブルの前記長さが、前記最大パルス持続時間の0.51倍未満を、前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度で割ったものである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記伝送ケーブルの前記特徴的インピーダンスが、30オーム~175オームである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度が、1.2ナノ秒/フィート~1.6ナノ秒/フィートである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記パルス送達出力が、前記高電圧パルス出力を送達するように構成されているハンドピースを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記パルス送達出力が、前記高電圧パルス出力を送達するように構成されているハンドピースを備え、さらに、前記ハンドピースが、複数の組織貫通電極を有する取り外し可能な先端部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記パルス送達出力が、キュベット固定具を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ナノ秒パルス発生器によって生成された前記高電圧パルス出力が、15kVよりも大きい電圧および300Aよりも大きい出力電流を有するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記伝送ケーブルの前記第2の端部またはその近くの電流センサであって、前記電流センサが、前記伝送ケーブルと並列に接続されたパルス定格の低インダクタンス抵抗器と、前記パルス定格の低インダクタンス抵抗器を流れる電流を測定するように構成されている高帯域幅電流センサコイルと、を備える、電流センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
ナノ秒パルス電気エネルギーを生体物質に送達する方法であって、
最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する高電圧パルス出力を生成することと、
前記ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルの第1の端部から、前記伝送ケーブルの第2の端部におけるパルス送達出力に、前記伝送ケーブル上の特徴的パルス速度で前記パルス出力を伝送することと、を含み、
前記伝送ケーブルが、前記最大パルス持続時間の半分を前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さを有し、そのため、前記伝送ケーブルの前記第2の端部からのいかなる電気反射も、前記ナノ秒パルス発生器が前記高電圧パルス出力のスイッチを切る前に、前記ナノ秒パルス発生器に到達しない、方法。
【請求項15】
前記高電圧パルス出力を生成することが、50ナノ秒~1000ナノ秒の最大パルス持続時間、10kVよりも大きい電圧、および300Aよりも大きい出力電流を有する高電圧パルス出力をナノ秒パルス発生器から生成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記伝送ケーブルの前記第2の端部に結合されたパルス送達出力から組織内に前記パルス出力を送達することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス出力を送達することが、複数の組織貫通電極を有するハンドピースから前記パルス出力を送達することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パルス出力を送達することが、キュベット特徴から前記パルス出力を送達することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記高電圧パルス出力が、少なくとも200kV/μsの電圧を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記伝送ケーブルの前記第1の端部から前記伝送ケーブルの前記第2の端部に前記パルス出力を伝送することが、前記伝送ケーブルの前記長さの少なくとも100フィートを通して前記パルス出力を伝送することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記伝送ケーブルの前記第1の端部から前記伝送ケーブルの前記第2の端部に前記パルス出力を伝送することが、前記伝送ケーブルの前記長さの35~450フィートを通して前記パルス出力を伝送することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記伝送ケーブルの前記長さが、前記最大パルス持続時間の0.51倍未満を、前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度で割ったものである、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度が、1.2ナノ秒/フィート~1.6ナノ秒/フィートである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2019年10月1日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「APPARATUSES AND METHODS FOR LIMITING LOAD CURRENT IN NANOSECOND PULSED POWER SOURCES」と題された米国仮特許出願第62/909,187号の優先権を主張する。
【0002】
参照による援用
本明細書に記載されているすべての公開物および特許出願は、個々の公開物または特許出願ごとに参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本明細書に記載されるのは、長い伝送線(例えば、同軸ケーブル、ツイストペアまたはパラレルペア伝送線)を使用して負荷電流を制限し、分布インダクタンスおよび伝送線遅延を導入して、パルス電源の損傷を防止するパルス電源である。これらの装置(システムおよびデバイス)は、一般に、高電圧、高速(例えば、ナノ秒、ピコ秒など)のパルスに関する。特に、本明細書に記載されているのは、電気療法のための高電圧、ナノ秒パルス電場(ナノ秒PEF)を送達することができるナノ秒パルスシステムおよび装置である。
【背景技術】
【0004】
「ナノ秒パルス電場」(ナノ秒PEF)は、特に、生体物質(例えば、細胞および組織)の治療用を含む、医療および/または治療目的に適用され得る。ナノ秒PEFは、パルス持続時間が約1000ナノ秒(ns)未満(約0.1ナノ秒~1000ナノ秒など)の電場を含み得、高電圧であるピーク電圧(いくつかの変形例では、約5kV/cm、約10kV/cm、約20kV/cm、約50kV/cm、約100kV/cm、約250kV/cm、または約500kV/cm)を有し得る。このような高電圧で非常に短いパルスは、治療用医療デバイスに特有の問題を引き起こす。特に、高電圧で急速に変化する(例えば、ナノ秒以上のパルス)の送達は、負荷アークをもたらす可能性がある。負荷アークは、パルス電力が組織(負荷)に送達されるときに発生し得、電流(例えば、1kAよりも大きい電流)が負荷からパルスに戻されて伝送され得るときに高電圧パルス発生器に損傷を与え得る。負荷におけるアークが事実上、負荷における突然の予期しない短絡であるため、この高い短絡電流(1kA以上)は、アークからパルス発生器に戻されて反射されることになり、比較的高い印加電圧および電流は、パルス発生器の回路に損傷を与え得る大きなリターン電流を発生し得る。
【0005】
したがって、アークによって引き起こるものを含む、電気療法のための可変持続時間のナノ秒パルス電場の生成および送達を可能にするように構成されている、ナノ秒パルス電場の生成および送達のためのシステムを含む、デバイスおよび装置を提供することが望ましい。システム性能に実質的に影響を与えることなく、負荷アークによる装置への損傷を防止し得る装置、およびそれらを使用する方法を提供することがさらに望ましい。そのような装置および方法は、がん/腫瘍、皮膚障害、および他の用途の治療を含む、治療用ナノ秒PEFの成長分野において特に有用であろう。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載されているのは、負荷アークによる装置の損傷を防ぎながら、高電圧(いくつかの変形例では、高電流)、サブマイクロ秒(例えば、ナノ秒範囲)のパルス出力を生体物質(例えば、組織、細胞など)に印加するための装置(システム、デバイスなど)および方法である。本明細書に記載される装置および方法のいくつかは、比較的長い長さであり、特に、最大パルス持続時間の半分をケーブルの特徴的パルス速度で割った値よりも大きい長さを有する、パルス電源電流と負荷との間で伝送線(例えば、同軸ケーブル、ツイストペアまたはパラレルペアケーブル)を使用することによって、大幅に負荷アークする場合に、負荷およびパルス電源電流を制限し得る。本明細書で説明するように伝送線の長さを選択することによって、パルス電源(例えば、ナノ秒パルス発生器)の信頼性が改善され得る。本明細書で使用されるように、電磁場エネルギーなどの印加エネルギーに関して、「パルス幅」という用語は、「パルス持続時間」と交換可能であり得る。
【0007】
例えば、本明細書に記載されているのは、負荷アーク電流がパルス発生器に到達するのを制限または防止するように構成されている伝送ケーブルを含む、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置である。これらの装置のいずれかは、最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する少なくとも高電圧、高電流パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器と、第1の端部においてナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルであって、伝送ケーブルが、ケーブル上の特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有し、伝送ケーブルが、最大パルス持続時間の半分をケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい、第1の端部と第2の端部との間の長さを有し得る、伝送ケーブルと、パルス送達出力であって、パルス送達出力が、伝送ケーブルの第2の端部に結合する、パルス送達出力と、を含み得る。
【0008】
ナノ秒パルス発生器は、例えば、マルクス発生器スタックハイブリッド回路に基づく調整可能な高電圧ナノ秒パルス発生器であり得る。それは、複数の異なる段階を有し、その各々は、各段階における比較的高い充電電圧を可能にし、かつ単一のトリガを用いて全体的な出力電圧を許容する、電力MOSFETのスタックを各段階において含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国出願第15/148,334号(「High-voltage analog circuit pulser with feedback control」と題された米国公開第2017/0245928A1号)を参照されたい。
【0009】
例えば、ナノ秒パルス発生器は、少なくとも200kV/μsの高電圧、高電流パルス出力を提供するように構成され得る。ナノ秒パルス発生器によって生成された高電圧(いくつかの変形例では、高電流)パルス出力は、例えば、15kVよりも大きい電圧および300Aよりも大きい出力電流を有するように構成され得る。
【0010】
これらの装置のいずれも、通常は非常に長い(例えば、20フィート~420フィートの長さの)伝送ケーブルが、装置の他の部分と干渉するのを防止するために固定されるように構成され得る。例えば、伝送ケーブルは、パルス発生器内および/またはその周囲に巻かれ得る。いくつかの変形例では、伝送ケーブルは、そのごく一部(例えば、パルス送達出力に接続されている伝送ケーブルの第2の端部の1~7フィート)のみが露出されるように、ハウジング内に封入され得る。同じハウジングが、ナノ秒パルス発生器の全部または一部を囲むか、または別のハウジングが、ケーブルおよびパルス発生器を囲み得る。いくつかの変形例では、装置は、ナノ秒パルス発生器の少なくとも一部を囲むハウジングを含み、さらに、伝送ケーブルの少なくとも大部分(例えば、最後の1~10フィートを除くすべて)は、ハウジング内に格納される。
【0011】
伝送ケーブルは、高電流、高電圧、ナノ秒のパルスを伝送するように構成され得る。例えば、ケーブルは、31オームの特徴的インピーダンス(定格20kV)を有するTeledyne Reynolds 167-2669または178-8793ケーブルなどの高電圧同軸ケーブルであり得る。伝送ケーブルは、同軸ケーブル、ツイストペア、またはパラレルペアの伝送ケーブルタイプである。伝送ケーブルは、例えば、約30オーム~175オームの特徴的インピーダンスを有し得る。伝送ケーブルは、ケーブル上で約1.2フィート/ナノ秒~1.6ナノ秒/フィートの特徴的パルス速度を有し得る。
【0012】
上記のように、パルス発生器をパルス送達出力に接続する伝送ケーブルの最小長さは、より長いか、ケーブルの特徴的パルス速度の最大パルス持続時間の半分と等しいか、またはそれより長くてもよい。これにより、負荷側の短絡からの反射パルスの前に、パルス発生器がスイッチを切るのに十分な時間が与えられ得る。パルス持続時間は、例えば、約10ナノ秒~約1000ナノ秒(例えば、約50ナノ秒~約1000ナノ秒、約100ナノ秒~1000ナノ秒など)であり得る。装置(例えば、パルス発生器、および/またはパルス発生器用のコントローラ)は、パルス持続時間を約1000ナノ秒未満(例えば、約950ナノ秒未満、約900ナノ秒未満、約850ナノ秒未満、約800ナノ秒未満、約750ナノ秒未満など)に制限するように構成され得る。
【0013】
一般に、本明細書に記載の装置は、25~30フィートよりも大きい(例えば、70フィートよりも大きい、75フィートよりも大きい、100フィートよりも大きいなど)伝送ケーブルの長さを含み得、これは、例えば、約70フィート~450フィートを含み得る。
【0014】
一般に、治療デバイスにはより短いケーブル長さが好まれる。ケーブルが長くなると、通常、出力における電圧/電力がより低くなる。これは、ワイヤの抵抗によって必然的に電圧/電力が低下するためである。加えて、伝送線が長くなると、ピークパルス電圧が減衰し、負荷上のパルス立ち上がり時間が長くなり得る。ナノ秒パルス発生器とパルス送達出力との間を接続するために、本明細書に記載されているようなより長い伝送ケーブルを使用することは驚くべきことであり、直感に反する。特に、本明細書に記載されているような電気療法用の高電圧、ナノ秒パルス電場(ナノ秒PEF)などの治療装置の場合、ナノ秒パルス発生器とパルス送達出力との間の伝送ケーブルは、診療所または治療スイートよりも長くなり得る。ただし、突然の負荷端部の短絡または高電圧状態の間、ケーブルの分布インダクタンス、長さの増加(例えば、10フィート~35フィート)が、パルス発生器に反射して戻り、かつスイッチング部品に損傷を与える極端な電流(例えば、1kA以上)を大幅に減少し得ることが発見された。
【0015】
したがって、本明細書に記載の装置のいずれもまた、本明細書に記載の長いケーブルを管理するように構成され得る。例えば、ケーブル長さ大部分は固定され得(例えば、堅く接続され得)、片方または両方の端部の最後のxフィート(例えば、最後の10フィート、最後の9フィート、最後の8フィート、最後の7フィート、最後の6フィート、最後の5フィート、最後の4フィート、最後の3フィート、最後の2フィート、最後の1フィートなど)を除いて、線長に巻き戻ることから防止され得る。ケーブルの固定長さは、上記のようにハウジング内に配置され得る(またはハウジングを形成し得る)。固定長さとしては、追加の外部シールドおよび接地保護が挙げられる。
【0016】
伝送ケーブルの最大長さは、範囲内に制限され得る。例えば、いくつかの変形例では、伝送ケーブルの最大長さは、最大パルス持続時間の0.51倍未満を、ケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものであり得る。したがって、伝送ケーブルは、(例えば、アークによる)パルス送達出力からナノ秒パルス発生器に戻る電流がパルス電源に損傷を与えるのを防止するのに十分な長さであり得る。他の場合では、戻り電流が、スイッチが閉鎖されたときに(例えば、伝送ケーブルの第1の端部にパルスを印加している間に)パルス発生器に到達しようとする場合に、発生し得る。
【0017】
これらの装置のいずれにおいても、装置は、パルスが伝送ケーブルの長さに整合するように、パルス発生器の操作を制限するように構成され得る。例えば、装置は、ナノ秒パルス発生器が、1000ナノ秒以下の最大パルス持続時間で高電圧(いくつかの変形例では、高電流)パルス出力を提供するように制限されるように構成され得る。
【0018】
本明細書に記載の装置は、高電圧、高電流、ナノ秒のパルスを生体組織に送達するように構成されているパルス送達出力で操作するように構成され得る。例えば、パルス送達出力は、高電圧パルス出力を送達するように構成されているハンドピースを備え得る。いくつかの変形例では、ハンドピースは、複数の組織貫通電極を有する取り外し可能な先端部を含み得る。例えば、2019年1月14日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/247,469号(「TREATMENT TIP WITH PROTECTED ELECTRODES」)に記載されているハンドピースのいずれかは、使用され得る取り外し可能なチップを有するハンドピースの実施例を図示している。ハンドピースを使用して、生きている対象(例えば、インビボ)内の組織(例えば、皮膚、腫瘍など)または対象から取り出された組織(例えば、エクスビボ)を治療するための治療エネルギーを送達し得る。
【0019】
いくつかの変形例では、装置は、高電圧ナノ秒パルスを送達するためのキュベット(例えば、キュベット固定具)またはチャンバとして構成されているパルス送達出力を含み得る。これらの装置は、抽出された細胞および/または培養された細胞を含む、生体物質の単離された部分とともに使用され得る。例えば、これらの装置および方法は、エレクトロポレーションに使用され得る。
【0020】
本明細書に記載の装置のいずれもまた、負荷(例えば、ハンドピースおよび/または組織、キュベットなど)と高電圧ケーブルとの間にインピーダンス整合が存在することを確実にするように構成され得る。例えば、パルス送達出力は、負荷の抵抗を伝送ケーブルの特徴的抵抗に整合させるのを補助するための整合抵抗を含み得る。いくつかの変形例では、パルス送達出力は、ケーブルインピーダンス整合抵抗器を含むインターフェース特徴を含み得る。インターフェース特徴は、パルス送達出力に統合され得るか、またはパルス送達出力から分離され(かついくつかの変形例ではそれに接続され)得る。
【0021】
本明細書に記載の装置のいずれも、パルス送達出力で高精度の電流感知を提供するために、伝送ケーブルの第2の端部またはその近くに電流センサを含み得る。例えば、装置は、伝送ケーブルと並列に接続されたパルス定格の低インダクタンス抵抗器と、パルス定格の低インダクタンス抵抗器を通る電流を測定するように構成されている高帯域幅電流センサコイルと、を含む電流センサを含み得る。いくつかの変形例では、この電流センサは、パルス送達出力の一部、および/または伝送ケーブルとパルス送達出力との間のインターフェース特徴の一部であり得る。代替的または追加的に、これらの装置のいずれかは、電圧センサを使用して、パルス送達出力において電圧を感知するように構成され得る。
【0022】
例えば、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置は、1000ナノ秒以下の最大パルス持続時間を有する少なくとも200kV/μsの高電圧パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器と、第1の端部においてナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルであって、伝送ケーブルが、ケーブル上の特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有し、伝送ケーブルが、5~420フィートの、第1の端部と第2の端部との間の長さを有する、伝送ケーブルと、パルス送達出力であって、パルス送達出力が、伝送ケーブルの第2の端部に結合する、パルス送達出力と、を含み得る。例えば、一変形例では、システムは、10フィートの長さのハンドピースケーブルと、追加の10~15フィート以上の「内部」ケーブル(例えば、コンソール内)と、を含み得、これは、反射された負荷側の短絡/アークの立ち上がりエッジを遅くし、かつアークの損傷を軽減するのに十分であり得る。
【0023】
また、パルス発生器への損傷を防止しながら、本明細書に記載の装置のいずれかを使用して、パルス発生器から高電圧ナノ秒パルスを印加する方法も本明細書に記載されている。これらの方法は、ユーザ(例えば、医師、内科医、外科医、技術者、看護師など)がナノ秒パルス発生器の隣に立って、それを操作して、ハンドヘルドパルス送達出力ツール(例えば、ハンドヘルドハンドピース)を使用して、ナノ秒パルスエネルギーを患者に印加する治療室内の患者に、高電圧(場合によっては高電流)ナノ秒パルスを送達するための方法であり得る。
【0024】
例えば、ナノ秒パルス電気エネルギーを生体物質(患者の組織など)に送達する方法は、ナノ秒パルス発生器から最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する高電圧パルス出力を生成することと、ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルの第1の端部から、伝送ケーブルの第2の端部におけるパルス送達出力に、ケーブル上の特徴的パルス速度でパルス出力を伝送することと、を含み得、伝送ケーブルは、最大パルス持続時間の半分をケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい場合のある、第1の端部と第2の端部との間の長さを有し、そのため、伝送ケーブルの第2の端部からのいかなる電気反射も、ナノ秒パルス発生器が高電圧、高電流パルス出力のスイッチを切る前に、ナノ秒パルス発生器に到達しない。反射電流および電圧パルスの前縁が分散し、負荷側アークからの高電流のスルーレートが両方とも低下するため、最大パルス持続時間の半分よりも短いケーブル長さが使用され得、ピーク電流を十分に遅延させて、ターンオフ時間よりも遅く発生させ得る。アークによる高反射電流では、反射電流または反射電圧の前縁が、ボンドワイヤおよびパッケージングの寄生振動により、MOSFET内に損傷を与える可能性がある。この方法はまた、伝送ケーブルの第2の端部に結合されたパルス送達出力から組織内にパルス出力を送達すること(例えば、複数の組織貫通電極を有するハンドピースからのパルス出力を送達すること)を含み得る。
【0025】
いくつかの変形例では、この方法は、代替的に、例えば、単離された組織および/または細胞をエレクトロポレーションするために、キュベットチャンバを含むパルス送達出力からパルス出力を送達することを含み得る。
【0026】
高電圧、高電流、パルス出力は、例えば、少なくとも200kV/μsの電圧を有し得る。この方法はまた、または代替的に、ナノ秒パルス発生器の高電圧、高電流パルス出力を1000ナノ秒以下(例えば、約950ナノ秒未満、約900ナノ秒未満、約850ナノ秒未満、約800ナノ秒未満、約750ナノ秒未満など)、約10ナノ秒~1000ナノ秒などの最大パルス持続時間に制限することを含み得る。
【0027】
伝送ケーブルの第1の端部から伝送ケーブルの第2の端部にパルス出力を伝送することは、少なくとも100フィートの長さの伝送ケーブル(例えば、約35~420フィートの長さの伝送ケーブルなど)を通してパルス出力を伝送することを含み得る。上記のように、伝送ケーブルの長さは、最大パルス持続時間の0.51倍未満を、ケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものであり得る。ケーブル上の特徴的パルス速度は、例えば、1.2フィート/ナノ秒~1.6フィート/ナノ秒であり得る。
【0028】
これらの方法のいずれかは、伝送ケーブルと並列に接続されたパルス定格の低インダクタンス抵抗器を通る電流を測定するように構成されている高帯域幅電流センサコイルから、伝送ケーブルの第2の端部においてまたはその近くで電流を決定することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の新規の特徴は、以下の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、およびその添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【0030】
図1】高電圧、高電流のパルス出力、伝送線(伝送ケーブルなど)、および伝送ケーブルを介してパルス発生器に接続されたパルス送達出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器(またはパルス電源)を含む、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置の一実施例の概略図である。
図2A】本明細書に記載のナノ秒パルス電気エネルギーなどの電気エネルギーの高電圧の短いパルスを送達するための装置の一変形例の例示的な図である。
図2B図1Aに示されるような装置の概略図である。
図3】任意の負荷アークなしで、通常の操作中の10フィートの長さ、50オーム(50オームの特徴的インピーダンス)のケーブルのための、シミュレートされた負荷電圧(上、「V負荷」)、負荷電流(中央、「I負荷」)、およびパルス発生器電流(下、「I11」)のプロットを示している。この実施例におけるシミュレートされた印加パルスは、700ナノ秒のパルス幅(持続時間)を有する。
図4】アークが、パルスの開始直後に発生し、パルスの終了まで続く、図3の同じ10フィートの長さ、50オームのケーブルのための、負荷電圧(上、「V負荷」)、負荷電流(中、「I負荷」)、およびパルス発生器電流(下、「I11」)の例示のシミュレーションのプロットを示している。シミュレートされた印加パルスは、700ナノ秒のパルス幅(持続時間)を有する。
図5】アークが、パルスの開始直後に発生し、パルスの終了まで続く、50フィートの長さ、50オームのケーブルのための、負荷電圧(上、「V負荷」)、負荷電流(中、「I負荷」)、およびパルス発生器電流(下、「I11」)の例示のシミュレーションのプロットをさらに示している。
図6】アークが、パルスの開始直後に発生し、パルスの終了まで続く、250フィートの長さ、50オームのケーブルのための、負荷電圧(上、「V負荷」)、負荷電流(中、「I負荷」)、およびパルス発生器電流(下、「I11」)のシミュレーションのさらに別の実施例を示している。
図7】高電圧、高電流のパルス出力、伝送ケーブル、および伝送ケーブルを介してパルス発生器に接続されたパルス送達出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器(または(「パルス発生器」))を含む、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置の別の実施例の概略的に図示する。この実施例では、パルス送達出力は、チャンバ(例えば、キュベットチャンバ)として構成されている。
図8】本明細書に記載の生体物質(例えば、組織)にナノ秒パルス電気エネルギーを送達する1つの方法のステップの実施例を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
パルス電力がケーブルまたは伝送線を介して負荷に送達される場合、アークまたは短絡が負荷において発生すると、負荷電流が非常に急速に上昇し得、パルス電源に反射して戻ることになる。これは、パルス電源に、仕様よりも大きい高電流に遭遇させ得、1つ以上の繰り返しの負荷アーク事象が、内部スイッチおよびシステム全体の信頼性に影響を与え得る。これにより、装置、特にパルス発生器の回路が損傷する可能性がある。
【0032】
図1は、ナノ秒範囲(例えば、1000ナノ秒未満)で少なくとも高電圧、高電流パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器(パルス電源)11を含む、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置10の一実施例を概略的に図示する。パルス電源11は、伝送ケーブルの第1の端部において、ケーブル13などの伝送線に接続されている。ケーブルは、本明細書でより詳細に説明される長さLを有し得る。伝送ケーブルは、ケーブル上の特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有する。ケーブル上の特徴的パルス速度は、ケーブルの長さに沿ったパルスの伝播速度であり、ケーブルの速度係数に関する。これは、次に、ケーブルインダクタンスの平方根をケーブル容量で掛けたものを超えるものに関し、両方とも単位長さごとに表される。ケーブルの特性に応じて、これは、例えば、66%~84%の光速になり得、その結果、ケーブル上の特徴的パルス速度は、約1.6ナノ秒/フィート~1.2ナノ秒/フィートになり得る。次いで、伝送ケーブルは、負荷(パルス送達出力)15に接続され得る。図1では、出力は一般的な「負荷」として示されている。
【0033】
動作中、システムは、高電圧、高電流、ナノ秒の持続時間のパルス波形を印加し得る。以下でより詳細に記載されるように、負荷15においてアークが発生するとき、高電流がパルス送達出力または負荷15からケーブル13に沿ってパルス電源に伝播して戻り、パルス電源に損傷を与えることになる(特に、ナノ秒パルスを生成することに関与するパルス電源のスイッチが依然として閉鎖されている場合(例えば、伝送線(またはケーブル)13に沿ってパルスを送達する場合))。パルス持続時間が非常に短いため、これは、ケーブルの長さが、ケーブル上のパルス持続時間(pulse duration time)(例えば、パルス持続時間(pulse duration))および特徴的パルス速度に依存し得る最小距離よりも短い場合に発生し得る。したがって、以下に記載されるように、高電圧、高電流、ナノ秒のパルス電源を使用して、最大パルス持続時間の半分をケーブルの特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい、伝送ケーブルの第1の端部と伝送ケーブルの第2の端部との間の長さを有する伝送ケーブルを使用する場合、特に有利であり得る。ただし、いくつかの変形例では、伝送ケーブルの長さ(固定された内部ケーブル長さとハンドルケーブル長さの組み合わせを含む)を有することが有益であり得、それは、依然として長い(例えば、15フィート以上、20フィート以上、25フィート以上など)一方で、最大パルス持続時間の半分をケーブルの特徴的パルス速度で割ったもの未満である。本明細書に記載の装置のいずれにおいても、内部ケーブルは、装置のハウジング内に固定され得、10フィート以上(15フィート以上、20フィート以上、25フィート以上など)であり得る。
【0034】
図2A図2Bは、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための治療装置の実施例を示している。
【0035】
例えば、本明細書に記載されているのは、パルス送達出力における負荷アークから装置のナノ秒パルス電源部分の保護を提供し得る装置(例えば、ナノ秒パルス電場(ナノ秒PEF)装置)である。これらの装置は、例えば、約20ナノ秒以下の立ち上がり時間および立ち下がり時間、10~15kV(例えば、いくつかの変形例では18kV以上)のパルス電圧、および最大約500A(以上)のパルス電流を有する、50ナノ秒~1μsのパルス持続時間を提供するように構成され得る。
【0036】
本明細書に記載のナノ秒パルス電場(ナノ秒PEF)装置のいずれかは、マルクス高電圧パルス発生器の修正として構成されているパルス発生器(ナノ秒パルス発生器)を含み得る。この回路/システムアーキテクチャは、伝送ケーブルを介してナノ秒パルスを送達するために閉鎖され得る複数のMOSFETスイッチを含み得る。例示的なマルクス高電圧パルス発生器では、低電圧パルスタイミングおよびトリガ回路は、システム低電圧DC供給およびシステム入力制御信号と共通の回路を共有し得る。このパルス発生器を200kV/μsなどの高パルス電圧スルーレートで操作させる場合、負荷におけるアークにより、伝送ケーブルを介してパルス発生器に大量の電流が伝送され、それがパルスタイミング回路に干渉し得、パルス発生器の一部を形成するマイクロコントローラまたはMOSFETドライバICなどの電子機器を破壊し得る。
【0037】
図2Aは、ハンドピース102として構成されているパルス送達出力と、パルス発生器107と、フットスイッチ103と、ユーザインターフェース104と、を含む、ナノ秒パルス電気エネルギーなどの電気エネルギーの高電圧の短いパルスを送達するための装置(例えば、システム)100の一実施例を図示している。フットスイッチ103は、コネクタ106を介してハウジング105に接続されている。ハウジングは、パルス発生器および固定長さの伝送ケーブル(ボックス122の内側、破線の輪郭を有する)を含む電子部品を囲み得る。ハンドピース102は、電極(例えば、取り外し可能または交換可能な電極チップ121)を含み得、伝送ケーブル(図示せず)を介してパルス発生器107回路に接続する。
【0038】
この実施例における伝送ケーブルは、非常に長い長さ、例えば、5~420フィート(例えば、10フィート~420フィート、15フィート~240フィートなど)を有し得る。伝送ケーブルの大部分は、破線(ケーブルエンクロージャ)で示されるボックス122内にあり、固定された所定の長さを有する。いくつかの変形例では、固定長さのケーブルは、パルス発生器回路を少なくとも部分的に取り囲むことを含めて、ハウジングの全部または一部の周りに位置付け(例えば、巻き付け)られ得る。図2Aでは、伝送ケーブルの部分116は、ハウジングの外側に延長し、ハンドピース102に接続している。この部分は、1~10フィートの長さであり得る(したがって、伝送ケーブルの全長の5%未満、7%未満、10%未満、12%未満、15%未満などが、ハウジングの外側に延長し得、および/または調整可能であり得る)。いくつかの変形例では、伝送ケーブルの一部(「固定されていない」部分)は、ハウジングの外側に延長されるか、または延長可能であり得る。
【0039】
高電圧システム100はまた、貯蔵ドロワー108、入力(例えば、ボタン、キーボードなど)、およびモニタ(ユーザインターフェース)104を含み得る。追加の回路(例えば、制御回路、無線回路など)も含まれ得る。システムはまた、ハンドル110およびフェースプレート112を含み得る。
【0040】
人間のオペレータは、システムの以下の設定(例えば、パルス数、電流または電圧振幅、パルス持続時間、およびパルス周波数)のうちの1つ以上を、インターフェース104の数値キーパッドまたはタッチスクリーンにそれらを入力することによって、調整し得る。代替的または追加的に、ユーザは、所定のパラメータ設定を含む1つ以上の事前定義されたプロトコルから選択し得る。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は変動させることができる(例えば、1ナノ秒~1000ナノ秒などの定義された範囲内で)。マイクロコントローラ(例えば、ハウジング内、図示せず)は、システム100内のパルス制御素子に信号を送り得る。
【0041】
いくつかの変形例では、別個の低電圧ケーブルが、高電圧伝送ケーブルに含まれ(例えば、包まれ)得る。例えば、低電圧ケーブルは、伝送ケーブル(またはいくつかの変形例では、ハウジングから延長するか、または延長可能である伝送ケーブルの部分、例えば、伝送ケーブルの非固定部分)と一緒に巻き付けられて、パルス送達出力(例えば、ハンドピース102)に接続し得る。低電圧ケーブルは、ハンドピースとの間で制御信号および/または情報を渡し得、高電圧ケーブルは、患者に送達するために高電圧パルスエネルギーをチップに伝送する。
【0042】
図2Bは、図2Aに示されるようなシステム、例えば、ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するためのシステム100の概略図である。この実施例では、システムは、システム電力およびパルス発生器電力の両方(これらは別々に提供され得る)を提供するように構成されているシステム電源157を含む。システム100はまた、1つ以上のユーザインターフェース163から入力を受信するための治療コントローラ159と、パルスパラメータが目標範囲(複数可)内にあることを確認するためにシステムをサンプリングし得る高速デジタイザ161と、を含み得る。システムは、少なくとも200kV/μsの高電圧(場合によっては高電流)パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器107をさらに含み得る。ナノ秒パルス発生器は、システム相互接続サブシステム、低電圧パルストリガおよびタイミングサブシステム、ならびにパルス出力サブシステム(図示せず)を含み得る。パルス発生器は、修正されたマルクス高電圧パルス発生器であり得る。
【0043】
図2Bでは、システムはまた、複数の電磁干渉(EMI)フィルタリングされた、過渡保護された高電圧絶縁バリアを含むインターフェースボード167を含む。いくつかの変形例では、示されているように、治療コントローラ、システム電源、およびナノ秒パルス発生器はすべて、インターフェースボードに接続され、および/またはインターフェースボードを介して接続され得る。いくつかの変形例では、パルス発生器へのすべての電力、およびパルス発生器との間のすべての通信およびタイミング信号は、インターフェースボードの一部であり得る、EMIフィルタリングされた過渡保護された高電圧絶縁バリアを介して接続され得る。最後に、システムは、コンソール出力コネクタ155およびパルス送達出力(例えば、ハンドピース153)を含み得る。上記のように、パルス送達出力は、長い伝送ケーブル154によってパルス発生器に接続され得る(図2Aに示されるように、これは、伝送ケーブルの外部部分116およびはるかに長い固定内部部分(ボックス122内)を含み得る)。いくつかの変形例では、低電圧ケーブルもまた、ハウジング171内のシステムコントローラからハンドピースに接続され得る。この低電圧ケーブルは、少なくとも伝送ケーブルの外部部分と組み合わせ得る。
【0044】
したがって、ハンドピースは、パルス発生器107から高電圧(および任意選択的に高電流)パルス出力を受信し得る。ハンドピース153は、出力サブシステム151の一部であり得、伝送ケーブルに接続するように構成され得、伝送ケーブルに固定され得、および/または適切な高電圧コネクタを使用して、ある長さの伝送ケーブルを伝送ケーブルの残りの部分に接続するコネクタと結合するように構成され得る。
【0045】
負荷アークの問題は、図3および図4に図示される。図3は、高電圧ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するモデルシステム内の様々な位置での電流および電圧トレースのシミュレートされたセットの実施例を示している。例えば、図1に概略的に示されているようなシステムを使用して、負荷アークなし(図3)および負荷アークあり(図4)で負荷に送達された700ナノ秒(ns)のパルスをシミュレートした。これらの図の両方において、上のトレースは、負荷における電圧(V負荷、または負荷電圧)を示し、中央のトレースは、負荷における電流(I負荷、または負荷電流)を示し、下のトレースは、パルス電源(I11、またはパルス電源電流)の出力における電流を示している。図3に、シミュレートされた負荷電圧、負荷電流、および電源電流の波形を示している。このシミュレーションでは、任意の負荷アークを有しない通常の操作条件下で、パルス電源と負荷(負荷に接続されたパルス送達出力など)の間に10フィートの長さの50オーム(50オームの特徴的インピーダンス)の伝送ケーブルがあることを前提としている。このシミュレーションの結果は、700ナノ秒の持続時間のパルスに対して、約-327Aの電源ピーク電流I11(下のトレース、時間をミリ秒で示し、電流をAで示す)、約-327Aの負荷ピーク電流を有するI負荷(中央のトレース、時間をミリ秒で示し、電流をAで示す)を示している。パルス401の開始は、0.001ミリ秒で始まり、パルスは、700ナノ秒後に403において終了する。アークがない場合、負荷における電圧V負荷は、印加された電流に従う。
【0046】
図4には、図3と同様のトレースが示されているが、700ナノ秒のパルス401の開始の直後(100ナノ秒以内)に405において負荷アークがトリガされる。負荷アークを有する10フィート50オームケーブルのためのシミュレートされた負荷電圧、負荷電流、および電源電流の波形は、約-5.33kAの電源ピーク電流および約-5.46kAの負荷ピーク電流を示している。したがって、パルス発生器(下のトレース)における電流は、通常の(非アーク)場合と比較して非常に大きくなり、特に、パルスが送達されていて、したがってパルス発生器のスイッチが閉鎖されている期間の間に、パルス発生器に損傷を与え得、電流が回路に逆流することを可能にする。なお、パルス発生器は非常に高速なスイッチング用に構成されているため、この反射電流をブロックまたはフィルタリングするようにシステムを構成することは困難である。図4に表される条件では、パルスが終了した後でも、伝送ケーブルの両端部で反射が続くため、電源および負荷における電圧ならびに電流は振動し続ける。
【0047】
図5および図6は、負荷アークが存在する場合の連続的により長いケーブルの効果を図示している。例えば、図5は、同じシミュレートされた負荷アークが存在する場合、パルス発生器とパルス送達出力との間の伝送ケーブルが5倍長い場合(例えば、パルス電源と負荷と間の50フィート、50オームの伝送ケーブルである)の、シミュレートされた負荷電圧、負荷電流、および電源電流の波形を示している。この実施例に示されるように、電源ピーク電流は約-2.10kAであり、負荷ピーク電流は約-2.21kAであり、図4に示される10フィートの伝送ケーブルシミュレーションのピーク電流の半分未満である。アークは、負荷が700ナノ秒のパルスの開始を確認した直後の、トレース上に示されているように時間405に発生する。図3図4のように、下のトレースは、パルス発生器によって伝送線に印加された電流I11を示し、中央のトレースは、負荷における電流(例えば、パルス発生器によって伝送線に印加された)I負荷を示している。
【0048】
図6に示されるトレースでは、伝送ケーブルはさらに長く、250フィートの長さを有する(例えば、パルス電源と負荷との間の250フィート、50オームの伝送ケーブル)。図6は、負荷アークを伴うシミュレートされた負荷電圧、負荷電流、および電源電流の波形を示している。負荷が700ナノ秒パルスの開始を確認した直後のトレースに示されているように、負荷アークは時間405において開始する。伝送ケーブルが十分に長い場合(例えば、伝送ケーブルの長さが、最大パルス持続時間の半分をケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい場合)、電源ピーク電流は、図3に示されているように、アークなしで、通常の場合とほぼ同じになる。この実施例では、電源ピーク電流I11図6、下)は、約-322Aである一方で、負荷ピーク電流I負荷図6、中央)は、約-610Aである。したがって、長い伝送線は、負荷アーク状態の間、負荷電流および電源電流を大幅に制限することができる。この実施例では、伝送線が長いほど、アーク電流は低くなる。理想的な伝送線の長さは、電磁波の一方向の伝搬時間がパルス幅の半分になるようなものである。この理想的な伝送線の長さにおいて、電磁波がパルス電源に戻る(例えば、反射される)とき、電源内のスイッチはすでに通常の動作電流レベルにおいて開放される。図3図6に示されるシミュレーションでは、伝送ケーブルは、ケーブル上でおおよそ1.5フィート/ナノ秒の特徴的パルス速度を有する。したがって、700ナノ秒パルスの場合、1/2*700ナノ秒/1.5ナノ秒/fのケーブル長さは、約233フィートの最小ケーブル長さを与える。長いケーブル長さはまた、分布インダクタンスを提供し、反射電流の前縁を「分散」させ、それによって反射電流波形のピークを遅くさせる。分布インダクタンスによるパルス波形への影響は、離散または「集中素子」インダクタを使用して同じ効果を達成した場合に発生するよりも大幅に小さくなる。したがって、長さは、負荷に印加されるパルスの形状を過度に歪めない。
【0049】
したがって、アークによる損傷を防止するために長いケーブルを使用することは、少なくとも部分的にはパルス波形の歪みを最小限に抑えるために、結果として生じるアーク電流および反射をブロックする他の方法よりも優れている可能性がある。離散インダクタ部品または「集中素子」インダクタなどの離散回路素子は、高電流を防止するのに役立つが、印加されたパルスに許容できない歪みが生じ得る。
【0050】
したがって、一般的に、本明細書に記載の装置は、一般に、パルス発生器から負荷までのパルスを最長パルス幅の持続時間の少なくとも半分だけ遅延させ得るナノ秒パルス遅延素子を含み得る。長い伝送線の使用は、この考えの単純な実装であり、長い伝送線は、ごくわずかな歪みしか導入しないが、反射電流波形の立ち上がりエッジを「分散」させることを制限し、それによってパルス発生器におけるアーク損傷を軽減するのに役立つという利点を有する。ナノ秒パルスを歪めない(例えば、立ち上がり時間を大幅に短縮する)という条件で、ナノ秒パルスを遅延させることができる任意の他のパルス遅延回路が使用され得る。いくつかの変形例では、システムは、印加されたナノ秒パルスのパルス持続時間の半分を超えてパルスを遅延させ、かつ伝達ケーブルに入る前に事前歪みを印加されたナノ秒パルスに導入する、パルス遅延回路を含み得、そのため、負荷によって経験されるパルスは、ほぼ意図された形状および持続時間(例えば、速い立ち上がり時間を有する)であり、例えば、より「正方形」に見える。したがって、この事前歪みは、遅延回路によって導入された歪みを説明または修正し得る。事前歪みとしては、パルス持続時間を短縮することおよび/またはパルスを鋭利化することが挙げられる。したがって、パルス整形ネットワークまたは回路は、伝送線の前、後、または前と後の両方で、ただし負荷の前に使用され得る。
【0051】
本明細書に記載の装置および方法はまた、または代替的に、例えば、伝送線と電極との間のインピーダンス整合を含み得る。例えば、電極のサイズは、負荷およびパルス送達出力のインピーダンスを伝送線と整合するように構成され得る。代替的または追加的に、1つ以上の離散または分布インピーダンス素子が、伝送線の一部として含まれ得る。このような分布インピーダンス素子は、伝送線のインピーダンスを分布的な様式で変化させる「スタブ」の形態を取り得る。
【0052】
本明細書に記載の装置および方法のいずれにおいても、伝送ケーブルの長さは、最大長さ未満であり得る。いくつかの変形例では、最大長さは、アーク中に反射電流の立ち上がりエッジを分散させる必要性を決定され得る。例えば、伝送ケーブルの長さは、最大パルス持続時間の0.51倍未満を、ケーブル上の特徴的パルス速度で割ったものであり得る。伝送ケーブルが長すぎると、伝送線の分散によりピークパルス電圧が減衰し、負荷上のパルス立ち上がり時間が長くなることになる。したがって、伝送線の長さは、パルス電源が確実に処理できるレベルにアーク電流を制限するのに適切な最小長さと、印加されたパルスの重大な歪みを防止する最大長さとの間であり得る。
【0053】
上記の実施例は、通常、システムによって印加される最大パルス持続時間(およびいくつかの変形例では、システムが制限され得る)に基づく伝送ケーブルの最適な最小長さ、例えば、1000ナノ秒を示唆している。通常、提案された長さは、最大パルス持続時間のパルス持続時間のおおよそ半分をケーブル上の特徴的パルス速度で掛けたものである。この長さ以上では、負荷アークによってパルス発生器に見られる電流は完全にブロックされることになる。これは、パルス発生器が、開放したスイッチを有するため、任意の電流が伝送ケーブルからパルス発生器に戻るのを防止することになるためである。ただし、いくつかの変形例では、パルス発生器に送り返される逆行電流が、パルス発生器への損傷を防止するために、これらのより短い長さでの分散によって十分に(完全ではないにしても)減衰または制限され得るので、代わりに、より短い長さ(例えば、この長さの75%、この長さの80%、この長さの85%、この長さの90%、この長さの95%)が使用され得る。したがって、いくつかの変形例では、ケーブルの長さは、装置によって印加されるパルスの最大パルス持続時間のF倍を、ケーブルの特徴的パルス速度で割ったものであり得、ここで、Fは0.1~0.5(例えば、0.1、0.25、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475など)である。
【0054】
一般に、1000ナノ秒未満、例えば、100ナノ秒~1000ナノ秒のパルスの印加に制限されている装置、および1.5ナノ秒/フィート~1.2ナノ秒/フィートの特徴的パルス伝搬速度を有するケーブルの場合、伝送ケーブルの長さは、例えば、約60フィート~750フィートであり得る。例えば、以下の表1は、ケーブルの最大パルス持続時間と特徴的パルス速度の様々な組み合わせに対する最小ケーブル長さの実施例を図示している。
【0055】
表1:異なる最大パルス持続時間を使用した、異なる特徴的パルス速度を有するケーブルの最小伝送ケーブル長さの実施例。
【0056】
表1に示されるように、最大パルス持続時間がおおよそ1000ナノ秒のシステムの場合、ケーブルの特徴的パルス速度に応じて、最小伝送ケーブルの長さは、約333フィート~約417フィートであり得る。最大パルス持続時間が100ナノ秒である場合、ケーブルの長さは、約33フィート~約42フィートであり得る。したがって、100ナノ秒~1000ナノ秒で調整可能なシステムの場合、これらの範囲の間、例えば、約33~約420フィート(例えば、約45~420フィート、約75~450フィート、約100~450フィート、約200~450フィート、約300~450フィート、400フィートよりも大きい、415フィートよりも大きい、450フィートよりも大きいなど)の最大ケーブル長さを選択するのが最適な場合がある。
【0057】
上記のように、本明細書に記載の装置および方法のいずれかを、容器内(例えば、キュベット内)の生体物質のエレクトロポレーションに使用することができる。エレクトロポレーションは細胞膜修飾技術であり、通常1000V未満の中程度の電圧が、溶液中の細胞の懸濁液を保持する、小さなチャンバ、またはキュベットに印加される。この溶液は、多くの場合、細胞がヒトまたは動物の組織から採取されたときの生理液など、細胞の自然環境を模倣する細胞の周囲の環境を提示するように設計されている。チャンバまたはキュベットは、通常小さく、約15Ωの電気パルスインピーダンスを有する。通常、キュベットエレクトロポレーションパルス持続時間は、数マイクロ秒~数ミリ秒であり、これらのパルス持続時間では、電圧は、通常100Vの範囲にあり、結果として生じる電流は、約100/15=6.7Aである。
【0058】
ただし、ナノ秒の範囲にあるナノ秒PEFパルスがキュベットセル懸濁液に使用される場合、使用される電圧は、5kV~8kVなどの多くのkVになる可能性がある。追加として、ナノ秒範囲のパルスは、パルスをキュベットインピーダンスに伝送するケーブルの良好なインピーダンス整合を有しなければならない。15Ωの特徴的インピーダンスを有するケーブルが、製造して商業的に入手するのが難しい場合があるため、ケーブルの端部の負荷がケーブルのインピーダンスとほぼ同じになるようにする方法が有益な場合がある。パルス伝送ケーブルが負荷(セルサスペンションを有するキュベットを含む)に適合していない場合、パルスが歪んで、セルサスペンションに望ましい効果を達成しない場合がある。
【0059】
さらに、kV範囲(例えば、1~2kV超)のパルスの送達は、キュベットにおいてアークする危険性があり得る。例えば、細胞懸濁液が何らかの汚染を含有する場合、ナノ秒PEFパルスは、細胞懸濁液内にアークを引き起こし得、1kAよりも大きい電流が発生し得、パルスをアクティブに生成しているときにパルス発生器を損傷させ得る。
【0060】
本明細書に記載の装置は、数キロボルトのナノ秒パルスをキュベットに送達することを可能にし、かつ市販の高電圧同軸ケーブルを使用して、ナノ秒PEFパルス(31Ωの特徴的インピーダンスおよび20kVの定格であるTeledyne Reynolds 167-2669または178-8793など)を伝送する、分布回路を提供し得る。本明細書に記載の装置および方法はまた、負荷(キュベットを含むキュベット固定具)と高電圧ケーブルとの間のインピーダンス整合を保証し得、キュベットまたはキュベット固定具におけるアークを使用するパルス発生器への損傷を防止し得る。
【0061】
本明細書に記載の装置および方法はまた、負荷における(例えば、キュベットまたはハンドピースにおける)電圧および電流の高精度測定を提供し、キュベット細胞懸濁液における治療電圧および電流が意図されたパルスパラメータに適合することを保証し得る。
【0062】
上記のように、多くの高電圧/高電力パルス発生器の設計では、高電圧は、エネルギー貯蔵回路からパルス生成経路に急速に切り替えられる。典型的な高電圧/高電力パルス発生器の例は、マルクス発生器である。これは、高電圧コンデンサを並列に充電し、次いで、これらの充電されたコンデンサを、充電回路とは異なる回路を介して放電する直列回路に急速に切り替えるように設計されている。このようなパルス発生器へのアーク損傷は、アークによってスイッチング素子のパルス電流定格よりもはるかに高い電流を引き起こす場合に発生し得る。
【0063】
本明細書に記載の装置および方法は、アークがキュベットまたはキュベット固定具で発生した場合に、パルス発生器が接続モードになく、パルスを能動的に出力することを確実にするのに役立ち得る。上記のように、これは、パルス発生器出力とキュベット固定具との間に長いケーブルを使用することによって達成され得る。ケーブル長さは、パルス送達出力の終わり(パルス発生器が高電圧パルスをアクティブに出力していない場合)からパルス送達出力(例えば、キュベット固定具)までの時間遅延および分布インダクタンスを提供する。
【0064】
ケーブル上のパルスの速度は、v(フィート/秒)=1/√LCであり、式中、Lは、フィート当たりのケーブルインダクタンスであり、Cは、フィート当たりのケーブル静電容量である。典型的な31Ω同軸ケーブル(Teledyne Reynoldsモデル 178-8783 20kV 31Ω同軸ケーブルなど)の場合、このパルス速度は、67%の光速、つまり、1.5ナノ秒/フィートのケーブルである。さらに、ケーブルのインダクタンスは、電流の急激な変化が電流の変化に対抗する電圧をもたらすため、電流があまりにも急激に上昇するのを防止する。これは、古典的なインダクタ方程式Vインダクタ=L*di/dtにおいて示されており、つまり、インダクタを流れる電流が急速に変化する場合(di/dt、時間の経過に伴う電流の変化)、インダクタは、電流の変化に対抗する電圧を生成することになる。このインダクタンスは、長いケーブルで発生するように分布され、パルス波形の歪みを最小限に抑えて高いインダクタンスを提供できる。1つ以上のインダクタ部品によって提供されるような「集中」インダクタンスは、通常、パルス波形の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでの大きなオーバーシュートおよびアンダーシュートによって、深刻なパルス歪みを引き起こすだろう。
【0065】
パルス発生器からキュベット固定具までの伝送ケーブルは、時間遅延とケーブル分布インダクタンスとの組み合わせにより、アーク中の電流をより遅く上昇させ、高電流リターンパルスを遅延させるのに十分長いように選択され得、そのため、パルス発生器内部のパルス生成スイッチは、高電流パルスが負荷(キュベット固定具など)からパルス発生器に伝播するまでに安全な位置にある。
【0066】
図7は、負荷でのアークによるパルス発生器の損傷を防止するための長いケーブルを含む装置の概略図の例を図示している。図7では、装置は、伝送ケーブル703に接続され、次にキュベット707に接続される(または接続可能である)ナノ秒パルス発生器701を含む。図7では、接続は、最初に、インターフェース固定具705を介してキュベット707に行われる。
【0067】
ケーブルの特徴的インピーダンスは、ケーブルの導体に存在する高周波AC(またはRF)波形の電圧と電流との比率である。高電圧および/または高電流ナノ秒パルスを運ぶ長いケーブルの場合、負荷インピーダンス、この場合は、キュベットおよびキュベットインターフェース固定具は、最適には、ケーブルの特徴的インピーダンスに非常に近い(例えば、10%以内の)インピーダンスを有するべきである。「十分に整合した」負荷インピーダンスは、送達されるパルスを歪ませ、負荷において過電圧を引き起こし得、かつキュベットにおいてアークを発生させ得るケーブル上のパルス反射を防止し得る。したがって、図7に示される実施例では、15Ωの抵抗が公称15Ωのキュベットインピーダンスと直列に追加されているため、直列インピーダンスは31Ωのケーブルインピーダンスに近くなる。このインピーダンスは、図7のキュベット負荷と直列に示されている。これにより、キュベットへの電圧が50%低下し得るが、通常、キュベットは6kVよりも大きい電圧では使用できないため、この電圧を2倍にできるパルス発生器は、キュベットを電圧限界まで駆動するのに十分である。
【0068】
本明細書で説明する装置および方法のいずれも、図7に概略的に図示されているように、浮動電圧711および/または浮動電流709センサを使用し得る。コイルを通過するワイヤまたはシャントの電流を測定する電流センサコイルを使用して、負荷への電流を測定するのが一般的である。高電圧は、分割器の比率が高い分割器を使用して頻繁に測定される。例えば、15kVの電圧を測定する場合、典型的な設計では、150MΩの抵抗を15kΩの抵抗と直列に使用して、10,000:1の分割器を作製し得る。不利なことに、これは、測定機器への高電圧の結合をもたらし得る。代わりに、本明細書に記載されるように、キュベットの両端部の電圧は、並列の1kΩパルス定格の低インダクタンス抵抗器715(電圧感知抵抗器)を使用して測定され得、キュベットを流れる電流は、高帯域幅電流センサコイルを使用して測定され得る。任意のパルス定格の低インダクタンス抵抗器は、測定された電流をパルス送達出力(例えば、キュベット固定具)に解釈するときにそれを流れる電流が考慮される限り、使用され得る。コイルから電流シャントへの容量結合は0.5pFまで低くすることができるため、ナノ秒高電圧パルスでさえ、測定機器(通常はオシロスコープまたは高速パルス波形記録デバイス)への結合はほとんど有しない。
【0069】
上記のように、本明細書に記載の装置は、ナノ秒パルス発生器から、電気反射を防止するように適合されたケーブルを介して結合される電気出力などの出力に信号を伝送するために使用され得る。例えば、図8は、ナノ秒パルス電気エネルギーを生体物質(例えば、組織)に送達する方法の一実施例を図示している。任意選択的に、出力(ハンドピースなどの「パルス送達出力」)を、伝送ケーブル801を介してナノ秒パルス発生器に取り付けることができる。いくつかの変形例では、伝送ケーブルおよび/またはハンドピースがすでに取り付けられている場合がある。次いで、パルス送達出力を患者803に印加することができる。例えば、ユーザは、パルス送達出力を患者の組織に印加し得る。ユーザはまた、ナノ秒パルス発生器への入力/制御を操作し得る。
【0070】
ナノ秒パルス発生器は、約1000ナノ秒未満(例えば、100ナノ秒~1000ナノ秒)805の最大パルス持続時間を有する高電圧(いくつかの変形例では、高電流)出力を提供し得る。出力は、例えば、ナノ秒パルス発生器からの5kV、10kV、または15kVよりも大きい電圧および約300Aよりも大きい出力電流を有し得る。
【0071】
これらの方法のいずれにおいても、パルス出力は、ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルの第1の端部から、伝送ケーブルの第2の端部におけるパルス送達出力に、伝送ケーブル上の特徴的パルス速度で伝送され得、伝送ケーブルは、最大パルス持続時間の半分をケーブル870上の特徴的パルス速度で掛けたものよりも大きい、第1の端部と第2の端部との間の長さを有する。例えば、ハウジング内部のケーブル部分は、5~450フィートの長さを有し、そのため、伝送ケーブルの第2の端部からのいかなる電気反射も、ナノ秒パルス発生器が高電圧パルス出力のスイッチを切る前に、ナノ秒パルス発生器に到達しない。
【0072】
特徴または要素が、本明細書で別の特徴または要素「上にある」と言及される場合、それは他の特徴または要素上に直接存在することができ、または介在する特徴および/または要素も存在し得る。対照的に、機能または要素が、別の機能または要素に「直接存在する」と言及される場合、介在する機能または要素は存在しない。特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」または「結合されている」と言及される場合、それは他の特徴または要素に直接接続、取り付け、または結合され得、または介在する機能または要素が存在する場合がある。対照的に、機能または要素が別の機能または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接結合されている」と言及される場合、介在する機能または要素は存在しない。一実施形態に関して説明または示されているが、そのように説明または示されている特徴および要素は、他の実施形態に適用することができる。別の特徴に「隣接して」配設された構造または特徴への言及は、隣接する特徴と重複するか、またはその下にある部分を有し得ることも当業者には理解されるであろう。
【0073】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される場合、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書(特許請求の範囲を含む)で使用するとき、記載された特徴、ステップ、操作、素子、および/または部品の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、操作、素子、部品、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリストされたアイテムの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」と省略され得る。
【0074】
「下(under)」、「下(below)」、「下方(lower)」、「上(over)」、「上方(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、説明を容易にするために、図に示されるように、ある要素または特徴の、別の要素(複数可)または特徴(複数可)との関係を説明するために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる方向を包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図のデバイスが反転している場合、他の要素または特徴の「下(under)」または「下(beneath)」として記述されている要素は、他の要素または特徴の「上(over)」に向けられる。したがって、「下(under)」という例示的な用語は、上と下の両方の方向を包含することができる。デバイスは、他の方法で方向付けられ(90度または他の方向に回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈され得る。同様に、「上向き(upwardly)」、「下向き(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などの用語は、特に明記されていない限り、説明の目的でのみ本明細書で使用される。
【0075】
「第1の」および「第2の」という用語は、本明細書では様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために使用され得るが、文脈が別段の指示をしない限り、これらの特徴/要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用される場合がある。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論じる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ぶことができ、同様に、以下で論じる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ぶことができる。
【0076】
本明細書の明細書および特許請求の範囲で使用される場合、実施例で使用される場合を含み、特に明記されていない限り、すべての数は、その用語が明示的に表示されない場合でも、「約」または「おおよそ」という単語が前に付いているかのように読むことができる。「約」または「おおよそ」という言い回しは、大きさおよび/または位置を説明するときに、説明される値および/または位置が、値および/または位置の合理的な予想範囲内にあることを示すために使用され得る。例えば、数値は、記述された値(または値の範囲)の+/-0.1%、記述された値(または値の範囲)の+/-1%、記述された値(または値の範囲)の+/-2%、記述された値(または値の範囲)の+/-5%、記述された値(または値の範囲)の+/-10%などの値を有し得る。本明細書に与えられた任意の数値はまた、文脈が別段の指示をしない限り、その値の約またはおおよそを含むと理解されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙されている任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図している。また、当業者が適切に理解するように、値が開示されているとき、値「以下」、「値以上」、および値間の可能な範囲も開示されていることを理解されたい。例えば、値「X」が開示されている場合、「X以下」ならびに「X以上」(例えば、ここでXは数値である)も開示されている。また、用途全体を通じて、データはいくつかの様々なフォーマットで提供され、このデータは、終了点および開始点、ならびにデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表すことも理解されたい。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10および15の間と同時に、10および15超、10および15以上、10および15未満、10および15以下、および10および15に等しいことが開示されていると見なされると理解される。2つの特定のユニット間の各ユニットもまた開示されていることも理解される。例えば、10と15とが開示されている場合、11、12、13、および14もまた開示されている。
【0077】
様々な例示的な実施形態が上に記載されているが、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態に対していくつかの変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された様々な方法のステップが実行される順序は、代替の実施形態ではしばしば変更され得、他の代替の実施形態では、1つ以上の方法のステップは完全にスキップされ得る。様々なデバイスおよびシステムの実施形態のオプションの特徴は、いくつかの実施形態に含まれ得、他の実施形態には含まれ得ない。したがって、前述の説明は、主に例示的な目的で提供されており、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0078】
本明細書に含まれる実施例および例示は、限定ではなく例示として、主題が実施され得る特定の実施形態を示している。前述のように、他の実施形態を利用し、そこから導き出すことができ、その結果、構造的および論理的な置換ならびに変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行うことができる。本発明の主題のそのような実施形態は、実際、複数が開示されている場合、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明の概念に自発的に限定することを意図することなく、単に便宜のために「発明」という用語によって本明細書で個別にまたは集合的に言及され得る。したがって、特定の実施形態が本明細書で例示および説明されてきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成を、示された特定の実施形態の代わりに用いることができる。本開示は、様々な実施形態のありとあらゆる適応または変形を網羅することを意図している。上記の実施形態、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すると当業者には明らかであろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置であって、
最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する少なくとも高電圧パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器と、
第1の端部において前記ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルであって、前記伝送ケーブルが、特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有し、前記伝送ケーブルが、前記最大パルス持続時間(ナノ秒)のF倍を前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度(ナノ秒/フィート)で割ったものよりも大きい、前記第1の端部と第2の端部との間の長さを有し、Fが0.1~0.5である、伝送ケーブルと、
パルス送達出力であって、前記パルス送達出力が、前記伝送ケーブルの前記第2の端部に結合する、パルス送達出力と、を備える、装置。
【請求項2】
前記ナノ秒パルス発生器が、少なくとも200kV/μsの高電圧、高電流パルス出力を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ナノ秒パルス発生器の少なくとも一部を囲むハウジングをさらに備え、さらに、前記伝送ケーブルの少なくとも大部分が、前記ハウジング内に格納される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジング内に収容される内部ケーブル長が、10フィート以上である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記伝送ケーブルの前記長さの5~420フィートが、前記ナノ秒パルス発生器の少なくとも一部を囲むハウジング内にある、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記伝送ケーブルの前記長さが、前記ナノ秒パルス発生器に反射して戻される1kA以上の電流を減少させる分布インダクタンスを有するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記伝送ケーブルの前記特徴的インピーダンスが、30オーム~175オームである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度が、1.2ナノ秒/フィート~1.6ナノ秒/フィートである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記パルス送達出力が、前記高電圧パルス出力を送達するように構成されているハンドピースを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハンドピースが、複数の組織貫通電極を有する取り外し可能な先端部を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記パルス送達出力が、キュベット固定具を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ナノ秒パルス発生器によって生成された前記高電圧パルス出力が、5kVよりも大きい電圧および300Aよりも大きい出力電流を有するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記伝送ケーブルの前記第2の端部またはその近くの電流センサであって、前記電流センサが、前記伝送ケーブルと並列に接続されたパルス定格の低インダクタンス抵抗器と、前記パルス定格の低インダクタンス抵抗器を流れる電流を測定するように構成されている高帯域幅電流センサコイルと、を備える、電流センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
ナノ秒のパルス電気エネルギーを送達する方法であって、
最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する高電圧パルス出力を生成することと、
ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルの第1の端部から、前記伝送ケーブルの第2の端部におけるパルス送達出力に、前記伝送ケーブル上の特徴的パルス速度で前記パルス出力を伝送することと、を含み、
前記伝送ケーブルが、前記最大パルス持続時間のF倍を前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度で割ったものよりも大きい、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さを有し、Fが0.1~0.5であり、そのため、前記伝送ケーブルの前記第2の端部からのいかなる電気反射も、前記ナノ秒パルス発生器が前記高電圧パルス出力のスイッチを切る前に、前記ナノ秒パルス発生器に到達しない、方法。
【請求項15】
前記高電圧パルス出力を生成することが、50ナノ秒~1000ナノ秒の最大パルス持続時間、5kVよりも大きい電圧、および300Aよりも大きい出力電流を有する高電圧パルス出力を前記ナノ秒パルス発生器から生成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記伝送ケーブルの前記第2の端部に結合されたパルス送達出力から前記パルス出力を送達することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ナノ秒パルス発生器への損傷を防止するために、前記伝送ケーブルの前記長さの前記分布インダクタンスに基づいて、前記ナノ秒パルス発生器に反射して戻される1kA以上の電流を減少させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記パルス出力を送達することが、キュベット特徴から前記パルス出力を送達することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記高電圧パルス出力が、少なくとも200kV/μsの電圧を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記伝送ケーブルが、前記ナノ秒パルス発生器を囲むハウジング内に収容される内部ケーブル長と、前記ハウジングから延長されるかまたは延長可能な外部ケーブル長と、を含み、前記内部ケーブル長が、前記外部ケーブル長よりも長い、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記伝送ケーブルの前記第1の端部から前記伝送ケーブルの前記第2の端部に前記パルス出力を伝送することが、前記伝送ケーブルの前記長さの35~450フィートを通して前記パルス出力を伝送することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記伝送ケーブル上の前記特徴的パルス速度が、1.2ナノ秒/フィート~1.6ナノ秒/フィートである、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
ナノ秒パルス電気エネルギーを送達するための装置であって、
最大1000ナノ秒の最大パルス持続時間を有する少なくとも高電圧パルス出力を提供するように構成されているナノ秒パルス発生器と、
前記ナノ秒パルス発生器を少なくとも部分的に囲むハウジングと、
第1の端部において前記ナノ秒パルス発生器に結合された伝送ケーブルであって、前記伝送ケーブルが、特徴的インピーダンス(Z)および特徴的パルス速度(v)を有し、前記伝送ケーブルが、前記ハウジング内に収容される内部ケーブル長と、前記ハウジングから延長されるかまたは延長可能である外部ケーブル長と、を含む、伝送ケーブルを有し、前記伝送ケーブル長の大部分が、前記内部ケーブルの長さであり、これによって、前記伝送ケーブルの分布インダクタンスにより、前記ナノ秒パルス発生器の損傷を防止するために、前記パルス発生器に反射される1kA以上の電流が減少させる、伝送ケーブルと、
パルス送達出力であって、前記パルス送達出力が、前記伝送ケーブルの前記外部ケーブル長に結合する、パルス送達出力と、を備える、装置。
【請求項24】
前記内部ケーブル長が、10フィート以上である、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記内部ケーブル長が、固定されている、請求項23に記載の装置。
【国際調査報告】