(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-14
(54)【発明の名称】紫外線を使用する抗菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20221107BHJP
B82Y 20/00 20110101ALI20221107BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20221107BHJP
H01J 63/04 20060101ALI20221107BHJP
H01J 63/06 20060101ALI20221107BHJP
【FI】
A61L2/10
B82Y20/00
A61L9/20
H01J63/04
H01J63/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540613
(86)(22)【出願日】2020-09-02
(85)【翻訳文提出日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 US2020048988
(87)【国際公開番号】W WO2021046079
(87)【国際公開日】2021-03-11
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522330692
【氏名又は名称】ラックスハイジェニックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,スコット,ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マイケル,レイ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ジョン,ジェフリー
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA01
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK12
4C058KK23
4C058KK28
4C180AA07
4C180AA10
4C180DD03
4C180HH01
(57)【要約】
閃光装置、ランタン、またはランプなどの抗菌装置が本明細書で論じられる。抗菌装置は、200~230nmを含む紫外(UV)スペクトル(すなわち、150~250nm)の光を生成する。抗菌装置は、電子源と、抽出器と、ターゲット材料とを含む。電子源は、ターゲットによるか電子自体によるかにかかわらず、光子を放出させるのに十分なエネルギーの電子を提供する。抽出器は、電子源から電子を抽出する。ターゲット材料は、電子が向かう成分である。ターゲット材料は、所望の波長または所望の波長範囲内を有する光子を放出することができ、または電子に所望の波長または所望の波長範囲内を有する光子を放出させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌装置であって、
紫外線(UV)モジュールであって、
自由電子を提供するための電子源と、
前記電子源から前記自由電子を抽出し、前記自由電子をターゲット材料に向けて誘導する抽出器と、を備える、紫外線モジュールと、
150~250ナノメートル(nm)の波長範囲内の波長を有する光子を生成するか、または前記自由電子に生成させる前記ターゲット材料と、を備える、抗菌装置。
【請求項2】
前記波長範囲は200~230nmである、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項3】
前記ターゲット材料は、前記自由電子によって刺激されると前記光子を生成する量子ドットである、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項4】
前記ターゲット材料は、前記自由電子によって刺激または衝突されると前記光子を生成する欠陥または不純物を含む、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項5】
前記ターゲット材料は、前記自由電子によって衝突または刺激されると再結合して前記光子を生成する電子-電子正孔対を含む、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項6】
前記自由電子は、前記ターゲット材料に衝突する前に少なくとも4.95電子ボルト(eV)のエネルギーを有する、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項7】
前記ターゲット材料は、前記自由電子によって刺激されると前記光子を生成するワイドバンドギャップエネルギー材料である、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項8】
前記UVモジュールは、前記ターゲット材料から放出された前記光子を開口部、アパーチャ、または窓に向けて反射するための光学反射器をさらに備える、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項9】
前記光学反射器は、
前記電子源と前記ターゲット材料との間に配置され、光学反射器が、前記自由電子が前記ターゲット材料を通過することを可能にする、または、
前記伝送経路からオフセットされている、請求項8に記載の抗菌装置。
【請求項10】
前記ターゲット材料は、前記自由電子を減速させて前記光子を放出させる、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項11】
前記ターゲット材料はプラズマまたはシンチレータである、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項12】
前記電子源はカーボンナノチューブである、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項13】
前記UVモジュールは、前記電子源と前記ターゲット材料との間に空間をさらに備える、請求項1に記載の抗菌装置。
【請求項14】
前記空間は、真空、誘電体、またはその両方を含む、請求項13に記載の抗菌装置。
【請求項15】
前記自由電子が第1の量のエネルギーを含む、請求項13に記載の抗菌装置。
【請求項16】
前記空間は、前記自由電子が前記空間を横切って移動するのを支援するための電場または磁場を含む経路電極を含む、請求項15に記載の抗菌装置。
【請求項17】
前記経路電極は、前記自由電子が前記空間を横切って移動する際に、前記自由電子に、前記第1の量のエネルギーから第2のより大きな量のエネルギーまでエネルギーを増加させる、請求項16に記載の抗菌装置。
【請求項18】
前記経路電極は、前記自由電子に、前記空間を横切って前記第1の量のエネルギーから第2のより低い量のエネルギーまでエネルギーを減少させ、それによって前記自由電子が衝突したときに前記波長範囲内の波長を有する光子を前記自由電子に放出させる、請求項16に記載の抗菌装置。
【請求項19】
前記経路電極は、前記自由電子が前記空間を横切って移動する際に、前記自由電子に前記エネルギーを前記第1の量に維持させる、請求項16に記載の抗菌装置。
【請求項20】
前記UVモジュールは、前記電子源に前記自由電子を生成させるための加熱素子、化学刺激剤、または磁場発生器をさらに備える、請求項1に記載の抗菌装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年9月3日に出願された米国仮特許出願第62/895、164号の利益を主張する、2020年8月12日に出願された米国特許出願第16/991、359号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
現在の抗菌装置は、水銀、励起二量体(すなわち、エキシマ)、または励起錯体(すなわち、エキシプレックス、例えば、KrBr*、ArF*、またはKrF*)形成を使用して紫外線光を生成する。このプロセス中、電子は、励起されたエキシマまたはエキシプレックス状態から弱結合基底状態に遷移し、それによって光子の形態のエネルギーの放出を引き起こす。光子のエネルギー量は光子の電磁周波数に正比例し、これは波長に反比例する。
【0003】
本装置は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはその両方を含む、ヒト細胞またはその成分に有害な波長を有する光を生成し得る。本装置は、滅菌、消毒、または抗菌目的に必要とされるものよりも低い強度を有する光を生成することができる。したがって、抗菌装置の制限は、有害な波長、強度の低下などによるかどうかにかかわらず、有効性を制限する可能性がある。
【0004】
必要とされているのは、より効率的な抗菌装置である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【発明を実施するための形態】
【0006】
閃光装置、ランタン、またはランプなどの抗菌装置が本明細書で論じられる。抗菌装置は、200~230nmを含む150~250ナノメートル(nm)の所望の波長範囲内の波長を有する紫外線(UV)光を生成する。抗菌装置は、電子源と、抽出器と、ターゲット材料とを含む。電子源は、自由電子を提供する。自由電子は、ターゲット材料によるか電子自体によるかにかかわらず、所望の波長範囲内の波長を有する光子の放出を引き起こすために使用することができる。抽出器は、電子源から電子を抽出する。ターゲット材料は、自由電子が向かう成分である。ターゲット材料は、所望の波長範囲内の波長を有する光子を放出するか、または電子に所望の波長範囲内の波長を有する光子を放出させることができる。一例では、ターゲット材料は、電子源によって提供される自由電子によって衝突または刺激されると光子を放出する。別の例では、ターゲット材料は自由電子を減速させ、それによって電子に光子を放出させることができる。各減速事象で、電子はエネルギーを失うが、最小電子エネルギーに達するまでこれらの光子を生成することができる。
【0007】
抗菌装置は、電子源または選択材料によって提供される自由電子のエネルギーを制御して、所与の波長または波長範囲を有する光子を放出することができる。この制御は、抗菌装置が特定の波長を有するUV光を生成することを可能にする。UV光は、ヒト細胞(DNA、RNA、またはその両方を含む)に有害ではなく、表面、液体、空気、気体など、またはそれらの組み合わせもしくは多重を適切に消毒(必要に応じて滅菌する)するのに十分高い強度を有する。
【0008】
熱電子エミッタの温度、自由電子上の加速電圧、量子ドットの数および密度、ならびに量子ドット材料およびサイズを調整することによって、遠紫外光強度の任意の所望のレベルに達することができる。これにより、所望の範囲の任意の選択された波長、または消毒目的のために所望されるような波長の分布に対して、非常に暗い光強度から非常に明るい光強度までの範囲を生成することができる光源またはランプが作成される。
【0009】
図1Aは、閃光装置などの抗菌装置100を示す。
図1Bは、ランタンなどの別の抗菌装置120を示す。抗菌装置100は、UVモジュール106と、電源スイッチ104を有する本体102とを含む。抗菌装置100はまた、バッテリ108、コンバータ110、またはその両方を含むことができる。電源スイッチ104は、バッテリ110またはコンバータ110を介した外部電源のいずれかの電源からUVモジュール106への電気の流れを制御する。一例では、バッテリ108は、内部電源である。バッテリ108は、再充電可能であっても再充電可能でなくてもよい。バッテリ108は、取り外し可能であってもよいし、内部に固定されていてもよい。別の例では、コンバータ110は、電気コンセントなどの外部電源に接続することができる。コンバータ110は、AC電力をDC電力に変換する整流器を含むことができる。さらに別の例では、抗菌装置100は、バッテリ108とコンバータ110の両方を含むことができ、その結果、抗菌装置100は、内部電源を含みつつ、外部電源に接続することができる。したがって、抗菌装置100は、携帯可能、充電可能など、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0010】
UVモジュール106は、殺菌のためのUV光を生成する。
図2は、UVモジュール106を示す。UVモジュール106は、電子源202と、抽出器204と、ターゲット材料208とを含む。電子源202は、自由電子を提供する。自由電子は、イオン、原子、または分子に結合しておらず、印加された電場または磁場の影響下で自由に移動する電子である。自由電子は、ターゲットによるか自由電子自体によるかにかかわらず、所望の波長範囲(すなわち、200~230nmを含む150~250nm)内の波長を有する光子の放出を引き起こすために使用することができる。自由電子は、(例えば、加熱素子によって)電子源202を加熱することによって、電子源202に電磁場を印加すること(例えば、カーボンナノチューブまたは磁場発生器の存在下でアノード上の正電荷を増加させること)によって、化学刺激によって(例えば、化学刺激剤によって)など、またはそれらの組み合わせもしくは多重によって生成することができる。電子源202は、カソード(例えば、熱カソード、熱電子カソードなど)、フィラメント(例えば、高温フィラメント)、ナノチューブ、光電気エミッタなど、またはそれらの組み合わせもしくは多重を含むことができる。電子源202は、タングステン、六ホウ化ランタン、炭素など、またはそれらの組み合わせもしくは多重から構成することができる。
【0011】
ゲートなどの抽出器204は、電子源202から自由電子を抽出する。自由電子を抽出するために、抽出器204は、磁場を生成するか、正に帯電するか、または電子源202よりも大きな電位を有することができる。抽出器204は、抽出された自由電子が抽出器204を通過してターゲット材料208に向かって通過することを可能にするために、スリーブ、チューブ、ドーナツ形状などとすることができる。
【0012】
自由電子がターゲット材料208を刺激すると、ターゲット材料208は、所望の波長範囲(例えば、200~230nmを含む150~250nm)内の波長を有する光子を放出する。光子の波長は、ターゲット材料208の種類、自由電子がターゲット材料208に衝突するまたはこれを刺激するエネルギー、自由電子が減速するときに失われるエネルギーなど、またはそれらの組み合わせもしくは多重に基づくことができる。固体材料などのターゲット材料208は、自由電子または光源などによって刺激されるとリン光を発する。ターゲット材料208は、フッ化カルシウム、結晶性(例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなど)、量子ドット、蛍光体、シンチレータ(例えば、窒化ホウ素、フッ化バリウムなどを含むバルクフォトニック材料)、プラズマ、ワイドバンドギャップエネルギー材料(例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ダイヤモンドなど)など、またはそれらの組み合わせもしくは多重とすることができる。
【0013】
一例では、ターゲット材料208は、所望の範囲内の波長を有する光子を放出する。自由電子のエネルギーが8.226電子ボルト(eV)以上である場合、ターゲット材料208から放出される光子の波長は150nmである。自由電子のエネルギーが4.959eV以上である場合、ターゲット材料208から放出される光子の波長は250nmである。自由電子のエネルギーが6.199eV以上である場合、ターゲット材料208から放出される光子の波長は200nmである。自由電子のエネルギーが5.391eV以上である場合、ターゲット材料208から放出される光子の波長は230nmである。したがって、ターゲット材料208に衝突またはこれを刺激する際の自由電子のエネルギーは、5.3eV~12.5eVを含む少なくとも4.95eVとすることができる。ターゲット材料208は、自由電子のエネルギーを、ターゲット材料208からエネルギーを運び去る適切な数の光子に変換する。あるいは、自由電子エネルギー(FEE)は、所望の波長範囲内の波長(λ)を有する光子を放出させるのに必要なエネルギーに、所望の波長で放出される光子の数を乗じたもの以上とすることができる。すなわち、
FEE=(波長λの光子のエネルギー)×(光子の数)
【0014】
別の例では、ターゲット材料208は、単独でまたは一緒に、所望の波長範囲内の波長を有する光子を放出する1つまたは複数の材料から構成することができる。光子の波長は、サイズ、材料の種類など、またはそれらの組み合わせもしくは多重を含む、ターゲット材料208の1つまたは複数の特性に基づく。例えば、ターゲット材料208は量子ドットとすることができる。量子ドットは、ナノメートルサイズの半導体粒子(例えば、1~10nm)である。量子ドットは、1成分系(例えば、単一の周期群からの材料から構成される)、2成分系(例えば、2つの材料から構成され、各材料は異なる周期群からのものである)、3成分系(例えば、3つの材料から構成され、各材料は異なる周期群からのものである)、4成分系(例えば、4つの材料から構成され、各材料は異なる周期群からのものである)などとすることができる。例えば、量子ドットは、周期群IV(例えば、Si、Ge、Cなど)の材料から構成することができる。別の例として、量子ドットは、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、ヒ化インジウム、窒化ガリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、およびリン化インジウムを含むがこれらに限定されない周期群II~VI、III~V、IV~VIなどから作製することができる。
【0015】
サイズ、材料、またはその両方などの量子ドットの特性の違いは、光子の波長をシフトさせることができ、それによって量子ドットを製造または選択して、所望の波長範囲(例えば、200~230nmを含む150~250nm)内の特定の波長を有する光子を放出することができる。
【0016】
さらに別の例では、ターゲット材料208は、所望の波長範囲内の波長を有する光子を生成する欠陥または不純物、または再結合して所望の波長範囲内の波長を有する光子放射を生成する電子および電子正孔(すなわち、電子が存在しない)を有することができる。
【0017】
さらに別の例では、ターゲット材料208は、自由電子を減速させるように選択することができる。減速(すなわち、運動エネルギーの減少)は、制動放射を生成することなどによって、所望の波長範囲内の波長を有する光子を生成する。各減速事象で、電子はエネルギーを失うが、最小電子エネルギーに達するまでこれらの光子を生成することができる。例えば、ターゲット材料208は、自由電子を減速させるための電荷を有するプラズマとすることができる。プラズマは、自由電子によってより高いエネルギーレベルまで励起された原子の一部または全てを有することができ、その後、所望の波長範囲のエネルギーを放出する。プラズマは非マクスウェル型とすることができる。あるいは、ターゲット材料208は、自由電子を減速させる(すなわち、自由電子散乱)ための原子質量を有することができる。あるいは、ターゲット材料208は、自由電子を減速させる磁場または電場を生成する減速電極とすることができる。
【0018】
UVモジュール106はまた、電子源202とターゲット材料208との間に空間210を含むことができる。空間は、最大10cmを含む0.1nm以上とすることができる。空間210は、真空、誘電体(例えば、固体誘電体)、経路電極206など、またはそれらの組み合わせもしくは多重を含むことができる。
【0019】
経路電極206は、電子源202からターゲット材料208に向かってなど、空間210を横切る伝送経路218に沿った自由電子の移動を支援する。経路電極206は、自由電子が空間210を横切って移動する際に、自由電子のエネルギーを増加、減少、または維持することができる。例えば、自由電子の初期エネルギーは、望ましくない波長を有する光子を生成する可能性がある。しかしながら、自由電子のエネルギーは、ターゲット材料を刺激するとき、または制動放射を生成するときなど、所望の波長範囲内の波長を有する光子を生成するために、増加または減少にかかわらず、第2のエネルギーに変更することができる。
【0020】
UVモジュール106はまた、光学反射器216を含むことができる。光学反射器216は、ターゲット材料208から放出された光子を抗菌装置100から外向きに反射する。光子は、抗菌装置100の窓、開口部、アパーチャなどに向かって反射することができる。光学反射器216は、平坦、球面状、または放物面状とすることができる。光学反射器216は、アルミニウムまたは任意の他の適切な材料で構成することができる。一例では、
図2に示すように、光学反射器216は、自由電子の伝送経路218内にあり、自由電子がターゲット材料208まで通過することを可能にする。
【0021】
別の例では、
図3はUVモジュール300を示す。UVモジュール300は、ターゲット材料302が自由電子の伝送経路218に対して垂直ではない角度(例えば、10°、20°、30°、33°、45°などを含む1~89°)にあるときなど、UVモジュール300が自由電子の伝送経路218からオフセットされた光学反射器304を含むことを除いて、UVモジュール106と同様である。
【0022】
図2に戻ると、UVモジュール106はまた、水平偏向器212、垂直偏向器214、またはその両方(例えば、偏向ヨーク)を含むことができる。水平偏向器212は、自由電子が電子源202からターゲット材料208に向かって移動する際に、自由電子を左右に誘導または偏向することができる。垂直偏向器214は、自由電子が電子源202からターゲット材料208に向かって移動する際に、自由電子を上下に誘導することができる。
【0023】
水平偏向器212および垂直偏向器214は、UVモジュール106の他の構成要素と一直線になっているように示されているが、水平偏向器212および垂直偏向器214は、他の構成要素の外側にあってもよい(例えば、各偏向器は2つの板を有し、水平偏向器212の一方の板は空間210または経路電極206の左側にあり、一方の板は右側にあり、垂直偏向器214の一方の板は空間210または経路電極206の上側にあり、一方の板は下側にある)。
【0024】
水平偏向器212および垂直偏向器214は、抽出器204と経路電極206との間に配置されているように示されているが、水平偏向器212および垂直偏向器214は、UVモジュール106の任意の他の構成要素の前、間、または後に配置することができる。水平偏向器212および垂直偏向器214はまた、異なる位置に配置することができる。
【0025】
図1Aに戻ると、抗菌装置100は、光学トレイン112を含むことができる。光学トレイン112は、光子116を抗菌装置100のアパーチャ114に向けるために、レンズ、ミラー、フィルタなど、またはそれらの組み合わせもしくは多重を含むことができる。アパーチャ114は、光子または光が抗菌装置100から周囲環境に放出される開口部である。
【0026】
本発明の実施形態は、上述の方法およびその任意のステップ(それらの任意の組み合わせを含む)を実行するための命令を格納することができる非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。例えば、非一時的コンピュータ可読媒体は、1つまたは複数のプロセッサまたは同様のデバイスによる実行のための命令を格納することができる。
【0027】
本発明のさらなる実施形態はまた、任意の実施形態または実施例の機能を実行するために、記憶媒体(これは、上述したように、画像またはファイルを記憶するための記憶媒体と同じであっても異なっていてもよい)に記録または記憶された非一時的コンピュータ可読媒体などの、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行する1つまたは複数のユーザ構成要素を含むことができる。構成要素は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、またはプロセッサなどの他の回路のうちの1つまたは複数を含むことができ、別個のユーザ機器またはサーバまたは別個のコンピュータプロセッサのネットワークを含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、例えば記憶媒体から構成要素に提供されてもよい。
【0028】
特定の要素、態様、構成要素などは、抗菌装置の一実施形態または実施例に関連して説明されているが、それらの要素、態様、構成要素などは、そうすることが望ましいかまたは有利である場合などに、任意の他の抗菌装置と共に含むことができる。
【0029】
前述の説明は、説明の目的のために、本開示の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかしながら、本明細書に記載のシステムおよび方法を実施するために特定の詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。特定の実施形態または実施例の前述の説明は、例示および説明の目的で例として提示されている。それらは、本開示を網羅すること、または本開示を記載された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正および変形が可能である。実施形態または実施例は、本開示の原理および実際の用途を最もよく説明し、それによって当業者が本開示および企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態または実施例を最もよく利用することを可能にするために示され説明される。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることが意図される。
【国際調査報告】