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特表2022-547643エアロゾル発生物品およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20221108BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20221108BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561974
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 KR2021008975
(87)【国際公開番号】W WO2022035064
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0099767
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン セム
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨン スク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ラク ウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン ラエ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AA50
4B045AB11
4B045AB16
4B045BA02
4B045BA03
4B045BA05
4B045BB03
4B045BB06
4B045BB07
4B045BB10
4B045BC16
4B045BC22
4B045BC26
4B045BD05
4B045BD34
4B045BD38
(57)【要約】
喫味満足度を向上させると同時に、低コストで製造可能なエアロゾル発生物品およびその製造方法が提供される。本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品は、葉タバコ刻みを含み、エアロゾル発生装置により電気的に加熱されることによってエアロゾルを形成するエアロゾル形成基材部と、エアロゾル形成基材部の下流に位置して下流末端を形成するマウスピース部と、を含むことができる。葉タバコ刻みは、再構成タバコシートに比べて低価であるので、エアロゾル発生物品の製造コストを節減することができる。また、葉タバコ刻みは、再構成タバコシートとは異なって、副材料が少なく添加されるので、異臭味が低減され、これによって、ユーザの喫味満足度が向上することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置に挿入されてエアロゾルを発生させる物品であり、
葉タバコ刻みを含み、前記エアロゾル発生装置により電気的に加熱されることによってエアロゾルを形成するエアロゾル形成基材部と、
前記エアロゾル形成基材部の下流に位置して下流末端を形成するマウスピース部と、を含む、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル形成基材部は、前記葉タバコ刻みを除いて他のタバコ物質を含まない、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記エアロゾル形成基材部は、再構成タバコシートをさらに含み、
前記葉タバコ刻みと前記再構成タバコシート間の重量比は、6:4~9:1である、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記葉タバコ刻みの刻み幅は、1.0mm~1.4mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記エアロゾル形成基材部に含まれた前記葉タバコ刻みの含有量は、150mg~200mgである、請求項1から4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記葉タバコ刻みは、加香工程を含む製造工程を用いて製造されたものであり、
前記加香工程中に保湿剤が添加され、
前記保湿剤に含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、1:1~8:2である、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記葉タバコ刻みに含有された水分含有量は、前記葉タバコ刻みの総重量に対して12%~17%である、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記エアロゾル形成基材部は、前記葉タバコ刻みを包んでいるラッパーをさらに含み、
前記ラッパーの少なくとも一部には、接着剤が塗布されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記マウスピース部の吸引抵抗は、90mmWG~140mmWGである、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記エアロゾル形成基材部の下流に位置して前記エアロゾル形成基材部を支持する支持セグメントと、
前記支持セグメントと前記マウスピース部との間に位置し、前記形成されたエアロゾルを冷却させる冷却セグメントと、をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記エアロゾル形成基材部の上流に位置して前記エアロゾル発生物品の上流末端を形成する第1フィルターセグメントと、
前記エアロゾル形成基材部と前記マウスピース部との間に位置し、前記形成されたエアロゾルを通過させるチャネルを含む第2フィルターセグメントと、をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記エアロゾル形成基材部は、
前記葉タバコ刻みを含まずに、保湿剤を含む第1基材セグメントと、
前記第1基材セグメントの下流に位置し、前記葉タバコ刻みを含む第2基材セグメントと、を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記葉タバコ刻みは、1次加香工程と、該1次加香工程後に行われる2次加香工程と、を含む製造工程を用いて製造されたものであり、
前記2次加香工程中に添加される保湿剤の量は、葉タバコ刻みの全体重量に対して2重量%~4重量%である、請求項1から12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記葉タバコ刻みに含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、1:1~9:1である、請求項1から13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
エアロゾル発生装置に挿入されてエアロゾルを発生させる物品を製造する方法において、
葉タバコ原料を加工して葉タバコ刻みを製造する段階と、
前記製造された葉タバコ刻みを用いてエアロゾル形成基材部を形成する段階と、
前記形成されたエアロゾル形成基材部とマウスピース部とを結合する段階と、を含む、エアロゾル発生物品の製造方法。
【請求項16】
前記葉タバコ刻みを製造する段階は、
1.0mm~1.4mmの刻み幅で前記葉タバコ原料を裁刻する段階を含む、請求項15に記載のエアロゾル発生物品の製造方法。
【請求項17】
前記葉タバコ刻みを製造する段階は、
前記葉タバコ原料に保湿剤を添加して加香処理を行う段階を含み、
前記保湿剤に含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、1:1~8:2である、請求項15または16に記載のエアロゾル発生物品の製造方法。
【請求項18】
前記葉タバコ刻みを製造する段階は、
前記葉タバコ原料に1次加香処理を行う段階と、
前記1次加香処理された葉タバコ原料を裁刻する段階と、
前記裁刻された葉タバコ原料に対して2次加香処理を行って前記葉タバコ刻みを製造する段階と、を含み、
前記製造された葉タバコ刻みに含有された水分含有量は、前記葉タバコ刻みの総重量に対して13%~17%である、請求項15から17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品の製造方法。
【請求項19】
前記エアロゾル形成基材部を形成する段階は、
内面の少なくとも一部に接着剤が塗布されたラッピング材で前記製造された葉タバコ刻みをラッピングしてエアロゾル形成ロッドを製造する段階と、
前記製造されたエアロゾル形成ロッドを所定の長さで切断して前記エアロゾル形成基材部を形成する段階と、を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品の製造方法。
【請求項20】
前記葉タバコ刻みを製造する段階は、
少なくとも一つの裁刻ナイフを含む裁刻機を用いて前記葉タバコ原料を裁刻する段階を含み、
前記裁刻ナイフの切断刃は、四角形の鋸刃型からなる、請求項15から19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品およびその製造方法に関する。より詳細には、エアロゾル発生装置とともに使用されるエアロゾル発生物品であり、喫味満足度を向上させると同時に、低コストで製造可能なエアロゾル発生物品およびその物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統シガレットの短所を克服する代替物品に関する需要が増加している。例えば、燃焼によってエアロゾルを発生させるものではなく、加熱によってエアロゾルを発生させる装置と物品に関する需要が増加している。これによって、加熱式エアロゾル発生物品または加熱式エアロゾル発生装置に関する研究が活発に行われている。
【0003】
多くの加熱式エアロゾル発生物品は、再構成タバコ(reconstituted tobacco)シート(例えば、板状葉シート)をベースとして製造される。ところが、再構成タバコシートの高い製造コストが、エアロゾル発生物品の価格を上げる主な原因になっている。それだけでなく、再構成タバコシートの製造時に、必須的にパルプ、グアガムなどの副材料が添加されることになるが、このような副材料は、タバコ固有の味を低減させ、異臭味を誘発して、ユーザの喫味満足度を低下させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示のいくつかの実施例を通じて解決しようとする技術的課題は、喫味満足度を向上させると同時に、低コストで製造可能なエアロゾル発生物品およびその物品の製造方法を提供することにある。
【0005】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、以下の記載から本発明の属する技術分野における通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するための、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置に挿入されてエアロゾルを発生させる物品であり、葉タバコ刻みを含み、前記エアロゾル発生装置により電気的に加熱されることによってエアロゾルを形成するエアロゾル形成基材部と、前記エアロゾル形成基材部の下流に位置して下流末端を形成するマウスピース部と、を含むことができる。
【0007】
いくつかの 実施例において、前記エアロゾル形成基材部は、前記葉タバコ刻みを除いて他のタバコ物質を含まなくてもよい。
【0008】
いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みの刻み幅は、1.0mm~1.4mmでありうる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記エアロゾル形成基材部に含まれた前記葉タバコ刻みの含有量は、150mg~200mgでありうる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みは、加香工程を含む製造工程を用いて製造されたものであり、前記加香工程中に保湿剤が添加され、前記保湿剤に含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、1:1~8:2でありうる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みに含有された水分含有量は、前記葉タバコ刻みの総重量に対して12%~17%でありうる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記マウスピース部の吸引抵抗は、90mmWG~140mmWGでありうる。
【0013】
上記技術的課題を解決するための、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品の製造方法は、エアロゾル発生装置に挿入されてエアロゾルを発生させる物品を製造する方法において、葉タバコ原料を加工して葉タバコ刻みを製造する段階と、前記製造された葉タバコ刻みを用いてエアロゾル形成基材部を形成する段階と、前記形成されたエアロゾル形成基材部とマウスピース部とを結合する段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
上述した本開示の多様な実施例によれば、再構成タバコシートの代わりに、葉タバコ刻みを活用して電気加熱式エアロゾル発生物品を製造することができる。葉タバコ刻みは、再構成タバコシートより製造コストが非常に低いので、エアロゾル発生物品の値競争力を大きく向上することができる。
【0015】
また、再構成タバコシートの代わりに、葉タバコ刻みを活用することによって、喫煙時に異臭味が低減され、葉タバコ本来の味がユーザに伝達されうる。これによって、ユーザの喫味満足度を大きく向上することができる。
【0016】
また、葉タバコ刻み製造時に適切な刻み幅(例えば、略1.2mm)で葉タバコ原料を裁刻することによって、エアロゾル発生物品の製造時に端部脱落現象が減少し(すなわち、作業性が向上する)、霧化量を増大することができる。
【0017】
また、葉タバコ刻みを適切な含有量(例えば、略170mg)で投入することによって、エアロゾル発生物品の製造時に端部脱落現象が減少し、エアロゾル発生物品の値競争力とタバコ味を向上することができる。
【0018】
また、葉タバコ刻みの製造時に、グリセリンとプロピレングリコールを適切な割合(例えば、略7:3)で添加することによって、エアロゾル発生物品の霧化量を増大することができる。
【0019】
また、葉タバコ刻みの製造時に、葉タバコ刻みの水分を適切に調節(例えば、略14.5%)することで、エアロゾル発生物品の霧化量が増大し、作業性を向上することができる。
【0020】
また、葉タバコ刻みの製造工程中、2次加香時に、適切な量(例えば、刻みに対して約3%)の保湿剤を添加することによって、エアロゾル発生物品の霧化量がより増大し、異臭味が低減されうる。
【0021】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品が適用できる多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する図である。
図2】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品が適用できる多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する図である。
図3】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品が適用できる多様な類型のエアロゾル発生装置を例示する図である。
図4】本開示の第1実施例によるエアロゾル発生物品を概略的に示す例示的な構成図である。
図5】本開示の第2実施例によるエアロゾル発生物品を概略的に示す例示的な構成図である。
図6】本開示の第3実施例によるエアロゾル発生物品を概略的に示す例示的な構成図である。
図7】本開示の第4実施例によるエアロゾル発生物品を概略的に示す例示的な構成図である。
図8】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
図9】本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
図10図9に示された裁刻段階S27を説明するための例示的な図である。
図11】葉タバコ刻みの刻み幅による霧化量の変化を官能的に評価した結果を示す図である。
図12】葉タバコ刻みの含有量によるタバコ味と霧化量の変化を官能的に評価した結果を示す図である。
図13】グリセリンとプロピレングリコールの割合による霧化量の変化を官能的に評価した結果を示す図である。
図14】葉タバコ刻みの水分含有量による霧化量の変化を官能的に評価した結果を示す図である。
図15】実施例によるエアロゾル発生物品に対する総合官能評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施例を詳細に説明する。本開示の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施例を参照すると明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、単に本実施例は、本開示の技術的思想を完全にし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0024】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0025】
他の定義がない場合、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解される意味で使用できる。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解釈されない。本明細書で使用された用語は、実施例を説明するためのものであって、本開示を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は、文言において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0026】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続されてもよいが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」されてもよいと理解されなければならない。
【0027】
本開示で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0028】
まず、以下の実施例において使用されるいくつかの用語について明確にすることとする。
【0029】
以下の実施例において、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾル(aerosol)を形成できる物質を意味する。エアロゾルは、揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル形成基材は、固体または液状でありうる。
【0030】
例えば、固体のエアロゾル形成基材は、葉タバコ刻み、再構成タバコ(例えば、板状葉)などタバコ原料を基礎とする固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、タバコ物質、タバコ抽出物および/または多様な香味剤を基礎とする液状組成物を含むことができる。しかし、本開示の範囲が上記に列挙された例示に限定されるものではない。
【0031】
より具体的な例として、液状のエアロゾル形成基材は、プロピレングリコール(PG)およびグリセリン(GLY)のうち少なくとも一つを含むことができ、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つをさらに含むこともできる。他の例として、エアロゾル形成基材は、タバコ物質、水分および加香物質のうち少なくとも一つをさらに含むことができる。さらに他の例として、エアロゾル形成基材は、ケイヒ、カプサイシンなどの多様な添加物質をさらに含むこともできる。エアロゾル形成基材は、流動性が大きい液体物質だけでなく、ゼルまたは固形分形態の物質を含むこともできる。このように、エアロゾル形成基材の組成成分は、実施例によって多様に選択することができ、その組成比も、実施例によって変わることができる。以下の実施例において、液状は、液状のエアロゾル形成基材を称するものでありうる。
【0032】
以下の実施例において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通してユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味する。エアロゾル発生装置のいくつかの例示については、図1図3を参照することとする。ただし、図1図3に例示された装置の他にも、多様な類型のエアロゾル発生装置をさらに含むことができるので、本開示の範囲が上記に例示された装置に限定されるものではない。
【0033】
以下の実施例において、「エアロゾル発生物品」は、エアロゾルを発生させることができる物品を意味する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基材を含むことができる。エアロゾル発生物品は、例えばシガレットでありうるが、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではない。
【0034】
以下の実施例において、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通してユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き寄せる状況を意味する。
【0035】
以下の実施例において、「上流」(upstream)または「上流方向」は、ユーザの口部から遠ざかる方向を意味し、「下流」(downstream)または「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味する。上流および下流という用語は、喫煙物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いることができる。例えば、図4に例示されたエアロゾル発生物品100において、フィルター部120は、エアロゾル形成基材部110の下流または下流方向に位置し、エアロゾル形成基材部110は、フィルター部120の上流または上流方向に位置する。
【0036】
以下の実施例において、「長さ方向」は、エアロゾル発生物品の長軸方向(longitudinal direction)を意味し、「直径方向」は、エアロゾル発生物品の短軸方向を意味する。すなわち、「直径方向」は、「長さ方向」と垂直な方向を意味する。
【0037】
以下では、本開示の多様な実施例について添付の図面によって詳細に説明する。
【0038】
図1図3は、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品2000が適用できる多様な類型のエアロゾル発生装置1000を例示する。特に、図1図3は、エアロゾル発生物品2000がエアロゾル発生装置1000に挿入されている状態を例示している。
【0039】
図1に示されたように、エアロゾル発生装置1000は、バッテリー1100、制御部1200およびヒーター1300を含むことができる。いくつかの実施例において、図2および図3に示されたように、エアロゾル発生装置1000は、気化器1400をさらに含むことができる。また、エアロゾル発生装置1000の内部空間には、エアロゾル発生物品2000が挿入されることができる。ただし、図1図3に示されたエアロゾル発生装置1000には、本実施例と関連した構成要素のみが図示されている。したがって、図1図3に示された構成要素以外にも、他の汎用的な構成要素をエアロゾル発生装置1000にさらに含むことができることは、本実施例と関連した技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0040】
図1には、バッテリー1100、制御部1200およびヒーター1300が一列に配置されたことが例示されている。また、図2には、バッテリー1100、制御部1200、気化器1400およびヒーター1300が一列に配置されたことが例示されている。また、図3には、気化器1400およびヒーター1300が並列に配置されたことが例示されている。しかし、エアロゾル発生装置1000の内部構造は、図1図3に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル発生装置1000の設計によって、バッテリー1100、制御部1200、ヒーター1300および気化器1400の配置は変更されてもよい。
【0041】
エアロゾル発生物品2000がエアロゾル発生装置1000に挿入されると、エアロゾル発生装置1000は、ヒーター1300および/または気化器1400を作動させて、エアロゾルを発生させることができる。例えば、エアロゾル発生物品2000は、ヒーター1300により加熱されることによってエアロゾルを発生させることができる。ヒーター1300および/または気化器1400により発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品2000を通過してユーザの口部を通して吸入されることができる。
【0042】
バッテリー1100は、エアロゾル発生装置1000が動作するのに用いられる電力を供給することができる。例えば、バッテリー1100は、ヒーター1300または気化器1400が加熱されうるように電力を供給することができ、制御部1200が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリー1100は、エアロゾル発生装置1000に設置されたディスプレイ、センサー、モーターなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0043】
次に、制御部1200は、エアロゾル発生装置1000の動作を全般的に制御することができる。具体的に、制御部1200は、バッテリー1100、ヒーター1300および気化器1400だけでなく、エアロゾル発生装置1000に含まれた他の構成の動作を制御することができる。また、制御部1200は、エアロゾル発生装置1000の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置1000が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0044】
制御部1200は、少なくとも一つのプロセッサを含むことができる。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで具現されることもでき、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行できるプログラムが保存されたメモリーの組合せで具現されることもできる。また、他の形態のハードウェアで具現されることもできることは、本実施例の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0045】
いくつかの実施例において、制御部1200は、エアロゾル発生物品2000の基材タイプを認識することができる。具体的に、制御部1200は、エアロゾル発生物品2000に含まれたエアロゾル形成基材が再構成シートタイプであるかまたは葉タバコ刻みタイプであるかを認識することができる。例えば、制御部1200は、エアロゾル発生物品2000に付着した識別要素(例えば、上流末端に付着したアルミホイルなど)を用いて基材タイプを認識したり、ユーザの入力(例えば、ボタン選択など)に基づいて基材タイプを認識することができる。しかし、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではない。制御部1200は、認識結果に基づいてヒーター1300を制御することができる。具体的に、基材タイプが再構成シートタイプである場合、制御部1200は、再構成シートに適合した第1温度プロファイルに基づいてヒーター1300を動作させ、基材タイプが葉タバコ刻みタイプである場合、制御部1200は、葉タバコ刻みに適合した第2温度プロファイルに基づいてヒーター1300を動作させることができる。かくして、エアロゾル発生物品2000の基材タイプによる最適な喫味感がユーザに伝達されうる。
【0046】
次に、ヒーター1300は、バッテリー1100から供給された電力により加熱される。例えば、エアロゾル発生物品2000がエアロゾル発生装置1000に挿入されると、エアロゾル発生装置1000は、ヒーター1300を作動させてエアロゾル発生物品2000を加熱することができる。ヒーター1300は、エアロゾル発生物品の内部または外部に位置することができる。したがって、加熱したヒーター1300は、エアロゾル発生物品2000内のエアロゾル形成基材の温度を上昇させることができる。
【0047】
ヒーター1300は、電気抵抗性ヒーターでありうる。例えば、ヒーター1300には、電気伝導性トラック(track)が含まれ、電気伝導性トラックに電流が流れることで、ヒーター1300が加熱されうる。しかし、ヒーター1300は、上述した例に限定されず、目標温度まで加熱されうるものであれば、制限なしに使用することができる。ここで、目標温度は、エアロゾル発生装置1000に既に設定されていてもよく(例えば、温度プロファイルが既に保存されている場合)、ユーザにより所望な温度に設定されてもよい。
【0048】
なお、他の例として、ヒーター1300は、誘導加熱式ヒーターであってもよい。具体的に、ヒーター1300には、エアロゾル発生物品2000を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むことができ、エアロゾル発生物品2000は、誘導加熱式ヒーターにより加熱されるサセプタ物質を含むことができる。または、ヒーター1300が電気伝導性コイルおよびサセプタを含む組立体で構成され、ヒーター1300のサセプタが誘導加熱方式でエアロゾル発生物品2000を加熱することもできる。
【0049】
例えば、ヒーター1300は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状の加熱要素を含むことができ、加熱要素の形態によってエアロゾル発生物品2000の内部または外部を加熱することができる。
【0050】
また、エアロゾル発生装置1000には、ヒーター1300が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒーター1300は、エアロゾル発生物品2000の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2000の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒーター1300のうち一部は、エアロゾル発生物品2000の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル発生物品2000の外部に配置されてもよい。また、ヒーター1300の形状は、図1図3に示された形状に限定されず、多様な形状で製作することができる。
【0051】
次に、気化器1400は、液状組成物(すなわち、液状のエアロゾル形成基材)を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品2000を通過してユーザに伝達されうる。例えば、気化器1400により生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置1000の気流パスに沿って移動することができ、気流パスは、気化器1400により生成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品2000を通過してユーザに伝達されうるように構成することができる。
【0052】
いくつかの実施例による気化器1400は、液状貯蔵槽、液体伝達要素および加熱要素を含むことができる。しかし、これらに限定されるものではない。液状貯蔵槽、液体伝達要素および加熱要素は、独立的なモジュールとしてエアロゾル発生装置1000に含まれることもできる。以下、気化器1400の構成要素について簡略に説明することとする。
【0053】
液状貯蔵槽は、液状組成物を貯蔵することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香り成分のようなタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液状貯蔵槽は、気化器1400から着脱できるように製作することもでき、気化器1400と一体に製作することもできる。
【0054】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含むことができる。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むことができるが、これらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供できる成分を含むことができる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCおよびビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでありうるが、これらに制限されない。また、液状組成物は、グリセリンおよびプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0055】
次に、液体伝達要素は、液状貯蔵槽の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達要素は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミック、複数個のビーズが集合された多孔性構造体のような芯(wick)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
次に、加熱要素は、液体伝達要素により伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような導電性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達要素に巻き取られる構造で配置されてもよい。
【0057】
加熱要素は、電流供給により加熱されることができ、加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されることができる。
【0058】
参考として、気化器1400は、当該技術分野においてカトマイザー(cartomizer)、霧化器(atomizer)またはカートリッジ(cartridge)などの用語として称されることもできる。
【0059】
上記で記述したように、エアロゾル発生装置1000は、バッテリー1100、制御部1200、ヒーター1300および気化器1400以外にも、汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置1000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイおよび/または触覚情報の出力のためのモーターを含むことができる。また、エアロゾル発生装置1000は、少なくとも一つのセンサーを含むことができる。また、エアロゾル発生装置1000は、エアロゾル発生物品2000が挿入された状態でも、外部空気が流入したり、内部気体が流出することができる構造で製作することができる。
【0060】
図1図3には、図示されてはいないが、エアロゾル発生装置1000は、別途のクレードル(cradle)と共にシステムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置1000のバッテリー1100の充電に用いることができる。または、クレードルとエアロゾル発生装置1000が結合した状態でヒーター1300が加熱されることもできる。
【0061】
次に、エアロゾル発生物品2000は、エアロゾル発生装置1000に挿入されて電気的に加熱されることによってエアロゾルを発生させることができる。この際、エアロゾルは、外部空気が流入することによって、エアロゾル発生物品2000内で生成され、生成されたエアロゾルは、ユーザの口部を通して吸入されることができる。
【0062】
外部空気が流入する方式は、実施例によって変わることができる。一例として、外部空気は、エアロゾル発生装置1000に形成された少なくとも一つの空気通路を通して流入することができる。ここで、エアロゾル発生装置1000に形成された空気通路の開閉および/または空気通路のサイズは、ユーザにより調節されることもできる。このような場合、霧化量、喫煙感などはユーザにより調節することができる。他の例として、外部空気は、エアロゾル発生物品2000の表面に形成された少なくとも一つの孔(hole)を通してエアロゾル発生物品2000の内部に流入することもできる。
【0063】
エアロゾル発生物品2000は、エアロゾルを形成できる基材を含むことができ、エアロゾル形成基材は、タバコ物質を含むことができる。
【0064】
いくつかの実施例において、タバコ物質は、葉タバコ刻みを含むことができる。例えば、タバコ物質は、葉タバコ刻みのみで構成されてもよく、他の物質を含まなくてもよい。他の例として、タバコ物質は、葉タバコ刻みと再構成タバコシートを共に含むこともできる。葉タバコ刻みの製造コストは、他のタバコ物質(例えば、再構成タバコシート)に比べて非常に低いので、本実施例によれば、エアロゾル発生物品2000の製品価格を大きく節減することができる。本実施例とエアロゾル発生物品2000の細部構造については、図4以降の図面を参照してより詳細に説明することとする。
【0065】
以上、図1図3を参照して本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品2000が適用できる多様な類型のエアロゾル発生装置1000について説明した。以下では、このような装置1000に適用できるエアロゾル発生物品2000について説明することとする。
【0066】
図4図7は、多様な構造のエアロゾル発生物品を図示しているが、図示のように、エアロゾル発生物品の細部構造は、類型別に変わることができる。以下では、理解の便宜と明細書の明瞭さのために、エアロゾル発生物品の類型別に参照番号を異ならせて説明をすることとする。
【0067】
図4は、本開示の第1実施例によるエアロゾル発生物品100を概略的に示す例示的な構成図である。
【0068】
図4に示されたように、エアロゾル発生物品100は、エアロゾル形成基材部110、フィルター部120およびラッパー130を含むことができる。図4には、本開示の実施例に関連した構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら、図4に示された構成要素以外にも、他の汎用的な構成要素をさらに含むことができることが分かる。以下、エアロゾル発生物品100の各構成要素について説明することとする。
【0069】
エアロゾル形成基材部110は、エアロゾル形成基材を含むことができ、フィルター部120の上流に位置することができる。エアロゾル形成基材部110は、エアロゾル形成基材を包んでいるラッパーをさらに含むこともできる。エアロゾル形成基材部110とフィルター部120は、ラッパー130によりラッピングすることができる。明確に図示されてはいないが、エアロゾル形成基材部110とフィルター部120は、ティッピングラッパー(tipping wrapper)により連結することができる。しかし、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0070】
エアロゾル形成基材は、タバコ物質を含むことができる。また、エアロゾル形成基材は、タバコ物質以外の他の物質をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル形成基材は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つをさらに含むことができる。しかし、これらに限定されるものではない。また、エアロゾル形成基材は、風味剤、湿潤剤および/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有することができる。また、エアロゾル形成基材には、メントールまたは保湿剤などの加香液が添加されることもできる。
【0071】
いくつかの実施例において、タバコ物質は、葉タバコ刻みでありうる。例えば、エアロゾル形成基材は、葉タバコ刻みを除いて他のタバコ物質を含まなくてもよい。このような場合、再構成タバコシート(例えば、スラリー板状葉)が活用される場合に比べて材料コストが大きく節減され、また、異臭味が低減されることができる。具体的に、スラリー板状葉のような再構成タバコシートは、葉タバコ刻みに比べて製造費用が多くかかり、膨張性が良くないため、葉タバコ刻みに比べて多い量が要求される。それだけでなく、再構成タバコシートの製造時に、必須的にパルプ、グアガムなどの副材料が添加されるので、喫煙時に固有の異臭味が発生し、葉タバコ本来の味がユーザに伝達され得ない。したがって、再構成タバコシートを葉タバコ刻みに変える場合、材料コストが節減されると同時に、異臭味が低減されることができる。
【0072】
また、いくつかの実施例において、タバコ物質は、葉タバコ刻みと再構成タバコシート(例えば、スラリー板状葉またはその刻み)が適切な割合で混合されたものでありうる。例えば、タバコ物質は、葉タバコ刻みと再構成タバコシートが約6:4~9:1の重量比で混合されたものでありうる。好ましくは、前記重量比は、約7:3~9:1または約8:3~9:1であり、より好ましくは、約8:2でありうる。
【0073】
上記の実施例において、葉タバコ刻みの刻み幅、含有量、葉タバコ刻みの水分含有量などは、エアロゾル発生物品100の霧化量、作業性、製品価格などと密接に関連しているので、適切な値に設定することが好ましい。
【0074】
いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みの刻み幅は、略1.0mm~1.5mmでありうる。ここで、刻み幅は、葉タバコ刻みを製造するために、葉タバコ原料を裁刻するときの幅を意味する。好ましくは、前記刻み幅は、略1.0mm~1.4mmまたは1.1mm~1.5mmでありうる。より好ましくは、前記刻み幅は、略1.1mm~1.3mmまたは略1.2mmでありうる。このような数値範囲内で円滑な気流パスが確保されて霧化量(エアロゾル発生量)が増大し、また、製造工程中に葉タバコ刻みが抜け出す現象(いわゆる「端部脱落現象」)が緩和されることができる。もし、刻み幅があまり小さく設定された場合(例えば、0.7mm、0.9mmなど)には、エアロゾル形成基材部110内に空隙が減少して霧化量が大きく減少し、葉タバコ刻みが非常に細くなり、物品製造工程中に端部脱落現象が頻繁に発生する。また、刻み幅が非常に大きく設定された場合(例えば、1.5mm以上)には、均一な幅で葉タバコが切断されないため、霧化量が不均一になるか、減少する。本実施例に関しては、実験例1-1および1-2をさらに参照することとする。
【0075】
また、いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みの含有量は、略140mg~210mgでありうる。好ましくは、前記含有量は、略150mg~200mgまたは150mg~190mgでありうる。より好ましくは、前記含有量は、略160mg~180mg、165mg~175mg、または略170mgでありうる。このような数値範囲内で、円滑な気流パスとタバコ味が確保され、また、コスト節減効果が最大化されることができる。それだけでなく、製造工程中の端部脱落現象が減少して、作業性を大きく向上することができる。もし、葉タバコ刻みが過度に多く含まれる場合には、コスト節減効果が低下し、気流パスが詰まって霧化量が低下する。または、過量の葉タバコ刻みがエアロゾル形成基材部110に投入されてラッパーが損傷される問題が発生する。反対に、葉タバコ刻みが過度に少なく含まれる場合には、タバコ味が劣化し、エアロゾル形成基材部110の内部が緩くなって、端部脱落現象が頻繁に発生する。本実施例に関しては、実験例2-1および2-2をさらに参照することとする。
【0076】
また、いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みは、加香工程を含む刻み製造工程を用いて製造することができるが、加香工程中に保湿剤が添加されることができる。添加物のうち保湿剤の含有量は、略9%(重量%)~12%であることが好ましく、より好ましくは、略10%でありうる。また、保湿剤に含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、略1:1~8:2であることが好ましい。より好ましくは、前記重量比は、略3:2~8:2または2:1~8:2であり、より好ましくは、略2:1~8:3または略7:3でありうる。このような数値範囲内で霧化量が増大することが確認された。これと関連しては、実験3を参照することとする。
【0077】
また、いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みは、1次加香工程および2次加香工程を含む刻み製造工程を用いて製造することができるが(例えば、図9参照)、2次加香工程中に保湿剤が添加されることができる。保湿剤は、例えばグリセリンでありうるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。また、保湿剤の添加量は、裁刻された葉タバコ(すなわち、葉タバコ刻み)の全体重量に対して約1重量%~5重量%(例えば、刻み100kg当たりグリセリン約1~5kg)でありうる。好ましくは、前記添加量は、約2重量%~4重量%であり、より好ましくは、約3重量%でありうる。このような数値範囲内で、エアロゾル発生物品100の霧化量がより向上し、異臭味が大きく低減されることが確認された。これと関連しては、実験例6-1および6-2をさらに参照することとする。
【0078】
また、いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みに含有された水分含有量は、葉タバコ刻みの総重量に対して略11%(重量%)~18%でありうる。好ましくは、前記水分含有量は、略12%~17%または12%~16%でありうる。より好ましくは、前記水分含有量は、略13%~16%、13%~15%、14%~14.5%または略14%でありうる。このような数値範囲内で、円滑な気流パスが確保されて霧化量が増大することができ、また、端部脱落現象が緩和されることができる。もし、葉タバコ刻みに水分が過度に多く含まれる場合には、刻みのまとまり現象によって気流パスが詰まって霧化量が低下する。他方で、葉タバコ刻みに水分が過度に少なく含まれた場合には、葉タバコ刻みがまとまらず、散り散りになって端部脱落現象が頻繁に発生する。参考として、葉タバコ刻みの水分含有量は、刻みの製造工程中に調節することができるが、2次加香処理工程直後の刻み水分含有量は、エアロゾル形成基材部110の刻み水分含有量より略0.1~1%程度さらに高い。2次加香処理工程後の追加工程、エアロゾル発生物品100の製造工程または保管期間中に葉タバコ刻みの水分が低減するためである。本実施例に関しては、実験例3をさらに参照することとする。
【0079】
また、いくつかの実施例において、前記葉タバコ刻みに含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、約1:1~9:1であり、好ましくは、約3:2~8:2または約3:2~7:3でありうる。このような数値範囲内で、霧化量が増大することが確認された。
【0080】
なお、いくつかの実施例では、前記葉タバコ刻み周辺のラッパーの内側には、接着剤が塗布されていてもよい。ここで、接着剤は、接着機能を有する任意の物質を意味する。より具体的に、エアロゾル形成基材部110は、エアロゾル形成ロッドを切断することによって形成することができるが、エアロゾル形成ロッドを製造する過程中に、ラッパー(ラッピング材)内側の少なくとも一部に接着剤が塗布されることができる。例えば、エアロゾル形成ロッドは、葉タバコ刻みをラッピング材でラッピングすることで製造することができるが、葉タバコ刻みをラッピング材で包む前または包んだ後に、ラッピング材の内側に接着剤が塗布されることができる。接着剤は、エアロゾル形成基材部110またはエアロゾル形成ロッドの末端(または両末端)における端部脱落現象を防止することによって、作業性を向上させることができる。本実施例に関しては、図8の説明部分をさらに参照することとする。
【0081】
上述した葉タバコ刻みは、葉タバコ原料を加工することによって製造することができるが、このような製造方法では、以下で図9を参照して詳細に説明することとする。以下では、さらに、エアロゾル発生物品100の構成要素に関する説明を継続することとする。
【0082】
いくつかの実施例において、エアロゾル形成基材部110またはエアロゾル形成基材は、熱伝導物質により囲まれることができる。例えば、エアロゾル形成基材部110のラッパー内側に熱伝導物質が配置されてもよい。熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイルでありうるが、これに限定されるものではない。熱伝導物質は、エアロゾル形成基材に伝達される熱を均一に分散させてタバコ味を向上させることができる。いくつかの実施例において、熱伝導物質は、誘導加熱式ヒーターにより加熱されるサセプタとしての機能をすることもできる。
【0083】
次に、フィルター部120は、エアロゾル形成基材部110で発生したエアロゾルに対するフィルター役割を行うことができる。フィルター部120を通過したエアロゾルは、ユーザの口部を通して吸入されることができる。
【0084】
フィルター部120は、エアロゾル形成基材部110の下流端部に連結され、エアロゾル発生物品100の下流端末を形成することができる。フィルター部120の下流端末は、ユーザの唇と接触するマウスピース(部)としての役割を行うことができる。例えば、フィルター部120とエアロゾル形成基材部110は、円柱の形状を有し、長軸方向に整列され、フィルター部120の上流端部がエアロゾル形成基材部110の下流端部と連結されることができる。上記で記述したように、フィルター部120とエアロゾル形成基材部110は、ティッピングラッパーにより連結することができるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。
【0085】
フィルター部120は、フィルター物質を含むことができる。また、フィルター部120は、フィルター物質を包んでいるフィルターラッパーをさらに含むこともできる。フィルター物質は、例えばセルロースアセテート繊維(トウ)でありうるが、これに限定されるものではない。また、フィルター部120には、少なくとも一つのカプセル(不図示)が含まれることもできる。カプセルは、例えば、香り液を皮膜で包んだ球形または円筒形のカプセルでありうる。
【0086】
フィルター部120は、単一フィルター構造または多重フィルター構造を有することができる。また、フィルター部120は、複数のフィルター部の間に形成されたキャビティ(cavity)を含むこともできる。いくつかの実施例では、フィルター部120の下流端部がリセスフィルターで製作されてもよい。このように、フィルター部120の細部構造は、多様に変形することができる。
【0087】
いくつかの実施例において、フィルター部120またはマウスピース部の吸引抵抗は、90mmWG~140mmWGでありうる。このような数値範囲内で、エアロゾル発生物品100の吸い込み性と喫味感が改善されることが確認された。
【0088】
次に、ラッパー130は、エアロゾル発生物品100の構成要素を包んでいる多孔質または非多孔質のラッピング材でありうる。明確に図示されてはいないが、ラッパー130は、エアロゾル形成基材部110のラッパー、フィルター部120のフィルターラッパー、ティッピングラッパーなどの個別ラッパーに対応し、個別ラッパーを全部含むエアロゾル発生物品100のラッパーを称するものでありうる。
【0089】
いくつかの実施例において、ラッパー130の厚さは、略40μm~80μmであり、気孔度は、略5CU~50CUでありうる。しかし、本開示の範囲がこれに制限されるものではない。
【0090】
なお、エアロゾル発生物品100の長さ、厚さ、直径、形状などは、多様に設計することができる。いくつかの実施例において、エアロゾル発生物品100の直径は、略4mm~9mmの範囲以内であり、長さは、略45mm~50mmでありうる。しかし、本開示の範囲がこのような例示に限定されるものではない。
【0091】
以上、図4を参照して本開示の第1実施例によるエアロゾル発生物品100について説明した。以下では、図5を参照して本開示の第2実施例によるエアロゾル発生物品200について説明することとする。以下では、明細書の明瞭さのために、上記の実施例と重複する内容に関する説明は省略することとする。
【0092】
図5は、エアロゾル発生物品200を概略的に示す例示的な構成図である。
【0093】
図5に示されたように、エアロゾル発生物品200は、エアロゾル形成基材部210、第1フィルターセグメント220、第2フィルターセグメント230、マウスピース部240およびラッパー260を含むことができる。以下、エアロゾル発生物品200の各構成要素について説明する。
【0094】
エアロゾル形成基材部210は、図4に例示されたエアロゾル形成基材部110に対応するので、これに関する説明は省略することとする。
【0095】
次に、第1フィルターセグメント220は、内部に中空220Hまたはチャネル220Hを含むチューブ形態の構造物でありうる。第1フィルターセグメント120の外径は、略3mm~10mm、例えば約7mmでありうる。第1フィルターセグメント120に含まれた中空220Hの直径は、略2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用できるが、これに限定されない。
【0096】
第1フィルターセグメント120は、セルロースアセテートを用いて製造することができる。これによって、エアロゾル発生装置1000のヒーター1300がエアロゾル発生物品200に挿入される状況でエアロゾル形成基材部110の内部物質が後方に(すなわち、下流方向に)押される現象を防止(すなわち、エアロゾル形成基材部110を支持)することもでき、エアロゾルの冷却効果もまた発生することができる。第1フィルターセグメント120がエアロゾル形成基材部110を支持する役割を行う場合、第1フィルターセグメント120は、「支持セグメント」と称されることもできる。
【0097】
次に、第2フィルターセグメント230は、第1フィルターセグメント220と当接し、第1フィルターセグメント220とマウスピース部240との間に位置することができる。第2フィルターセグメント230は、ヒーター1300がエアロゾル形成基材部110を加熱することによって形成された高温のエアロゾルを冷却させる冷却部材としての役割を行うことができる。冷却部材としての役割を強調するために、第2フィルターセグメント230は、「冷却セグメント」と称されることもできる。第2フィルターセグメント230が高温のエアロゾルを冷却することによってエアロゾルの発生量が増大し、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸入できることになる。
【0098】
いくつかの実施例では、図5に示されたように、第2フィルターセグメント230は、第1フィルターセグメント220と同様に、内部に中空230Hまたはチャネル230Hを含むチューブ形態の構造物でありうる。中空230Hは、エアロゾルを通過させる通路としての役割を行うことができる。中空の断面形状は、多角形または円形でありうるが、中空のサイズおよび形状はこれらに制限されない。
【0099】
上述した実施例において、第2フィルターセグメント230の直径は、7mm~9mmであり、例えば、約7.9mmでありうる。また、第2フィルターセグメント230の内径は、約3.0mm~5.5mmであり、例えば約4.2mmでありうる。この際、第2フィルターセグメント230の内径は、第1フィルターセグメント220の内径より大きくてもよい。一例として、第1フィルターセグメント220の内径は、約2.5mmであり、第2フィルターセグメント230の内径は、約4.2mmでありうる。第1フィルターセグメント220の内径と第2フィルターセグメント230の内径が異なっているので、第1フィルターセグメント220の中空220Hと第2フィルターセグメント230の中空230H内で流動する主流煙が広がることができる。広がった主流煙は、エアロゾル発生物品200の下流方向への偏向性が減少するにつれて、第2フィルターセグメント230の内部に流動する外部空気との接触面積および時間が増加することになり、これによって、主流煙の冷却効果が向上することができる。
【0100】
第2フィルターセグメント230は、外部の気体が第2フィルターセグメント230の中空に流入することができる素材で製作されたり、穿孔を含むことができる。素材は、複数個の材料の混合物でありうる。素材は、例えばセルロースアセテートトウでありうるが、これに限定されない。
【0101】
いくつかの実施例では、第2フィルターセグメント230は、押出方式または繊維の製織方式を用いて製作することができる。第2フィルターセグメント230は、単位面積当たりの表面積(すなわち、エアロゾルと接触する表面積)を増やすために多様な形態で製作することができる。
【0102】
例えば、第2フィルターセグメント230は、ポリマー繊維を製織して製作することができる。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液が塗布されることもできる。または加香液が塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に製織して第2フィルターセグメント230を製作かることもできる。
【0103】
例えば、第2フィルターセグメント230は、高分子物質または生分解性高分子物質を用いて製造することができる。例えば、高分子物質は、ゼラチン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。また、生分解性高分子物質としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、セルロースアセテート、ポリεカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)およびデンプン系熱可塑性樹脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
いくつかの実施例では、第2フィルターセグメント230の外部に紙または高分子物質を素材とするラッパーで包む工程が追加で行われることもできる。ここで、高分子物質は、ゼラチン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0105】
いくつかの実施例では、第2フィルターセグメント230は、多孔性紙シートが巻き取られることによって形成されることもできる。すなわち、第2フィルターセグメント230の内部には、第2フィルターセグメント230の長さ方向に沿って気流(例えば、エアロゾル)が通過できるように、巻き取られた多孔性紙シートが位置することができる。
【0106】
次に、マウスピース部240は、エアロゾル発生物品200の下流末端を形成することによって上流から伝達されたエアロゾルをユーザに最終的に伝達するマウスピースとしての役割を行うことができる。いくつかの実施例において、マウスピース部240は、セルロースアセテートフィルターでありうる。図示されてはいないが、マウスピース部240は、リセスフィルターで製作することもできる。
【0107】
いくつかの実施例において、マウスピース部240には、少なくとも一つのカプセル(不図示)が含まれることもできる。前記カプセルは、例えば、香り液を皮膜で包んだ球形または円筒形のカプセルでありうる。前記カプセルの皮膜を形成する材料は、デンプンおよび/またはゲル化剤でありうる。例えば、ゲル化剤としては、ジェランガムやゼラチンが使用できる。また、前記カプセルの皮膜を形成する材料としてゲル化助剤をさらに用いることもできる。ここで、ゲル化助剤としては、例えば、塩化カルシウムが使用できる。また、前記カプセルの皮膜を形成する材料として可塑剤をさらに用いることもできる。ここで、可塑剤としては、グリセリンおよび/またはソルビトールを用いることができる。また、前記カプセルの皮膜を形成する材料として着色料をさらに用いることもできる。
【0108】
前記カプセルの内用液には、メントール、植物の精油などの香料が含まれてもよい。いくつかの実施例において、前記カプセルの内用液に含まれる香料の溶媒としては、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド(medium chain fatty acid triglyceride;MCTG)を用いることができる。また、内用液は、色素、乳化剤、増粘剤などの他の添加剤を含有することもできる。
【0109】
いくつかの実施例において、マウスピース部240は、フィルター自体に香料が噴射されたTJNS(Transfer Jet Nozzle System)フィルターでありうる。または、加香液が塗布された別途の繊維がマウスピース部240の内部に挿入されることもできる。
【0110】
いくつかの実施例において、マウスピース部240の吸引抵抗は、90mmWG~140mmWGでありうる。このような数値範囲内で、このような数値範囲内で、エアロゾル発生物品200の吸い込み性と喫味感が改善されることが確認された。
【0111】
次に、ラッパー260は、エアロゾル発生物品200の構成要素を包んでいる多孔質ラッピング材または非多孔質ラッピング材でありうる。一例として、ラッパー260の厚さは、約40μm~80μmであり、気孔度は、約5CU~50CUでありうるが、これに制限されない。ラッパー260は、エアロゾル形成基材部210、フィルターセグメント220~240の個別ラッパーに対応し、個別ラッパーを全部含むエアロゾル発生物品200のラッパーを称するものでありうる。
【0112】
以上、図5を参照して本開示の第2実施例によるエアロゾル発生物品200について説明した。以下では、図6を参照して本開示の第3実施例によるエアロゾル発生物品300について説明する。
【0113】
図6は、エアロゾル発生物品300を概略的に示す例示的な構成図である。
【0114】
図6を参照すると、エアロゾル発生物品300は、図4および図5を参照して説明したエアロゾル発生物品100、200とは異なって、エアロゾル形成基材部310の上流でエアロゾル形成基材部310と当接する第1フィルターセグメント350をさらに含むことができる。位置的特徴を強調するために、第1フィルターセグメント350は、「前端フィルターセグメント」と称されることもできる。
【0115】
エアロゾル形成基材部310は、図4または図5のエアロゾル形成基材部110、210に対応し、第2フィルターセグメント320は、図5の第1フィルターセグメント220または第2フィルターセグメント230に対応し、マウスピース部340およびラッパー360それぞれは、図5のマウスピース部240およびラッパー260に対応する。したがって、これに関する説明は省略し、第1フィルターセグメント350を中心に説明を継続することとする。
【0116】
第1フィルターセグメント350は、エアロゾル形成基材部310がエアロゾル発生物品300の外部に離脱することを防止することができ、また、喫煙中にエアロゾル形成基材部310から液化したエアロゾルがエアロゾル発生装置1000(図1図3参照)に流れて行くことを防止することができる。
【0117】
いくつかの実施例において、第1フィルターセグメント350は、セルロースアセテートで製作することができる。また、図6に示されたように、第1フィルターセグメント350は、上流側端部から下流側端部に向かって延長するチャネル350Hを含むこともできる。チャネル350Hは、例えば第1フィルターセグメント350の中央に位置することができるが、これらに限定されるものではない。第1フィルターセグメント350がチャネル350Hを含む場合、第1フィルターセグメント350の上流側端部に流入するエアロゾルが容易に第1フィルターセグメント350の下流側端部に抜け出すことができて、ユーザが容易にエアロゾルを吸入することができる。
【0118】
なお、図6は、チャネル350Hの断面形状が円形であることを例として図示しているが、チャネル350Hの断面形状は、これに制限されない。例えば、チャネル350Hの断面形状は、三葉などのような多葉形状でありうる。
【0119】
第1フィルターセグメント350の長さまたは直径は、エアロゾル発生物品300の形態によって多様に決定することができる。例えば、第1フィルターセグメント350の長さは、4mm~20mmの範囲内で適切に採用することができる。好ましくは、第1フィルターセグメント350の長さは、約7mmであるが、これに限定されない。また、例えば、第1フィルターセグメント350の直径は、4mm~10mmの範囲内で適切に採用することができる。好ましくは、第1フィルターセグメント350の直径は、約7mmであるが、これに限定されない。
【0120】
以上、図6を参照して本開示の第3実施例によるエアロゾル発生物品300について説明した。以下では、図7を参照して本開示の第4実施例によるエアロゾル発生物品400について説明することとする。
【0121】
図7は、エアロゾル発生物品400を概略的に示す例示的な構成図である。
【0122】
図7に示されたように、エアロゾル発生物品400は、エアロゾル形成基材部410、フィルターセグメント420、マウスピース部430およびラッパー440を含むことができる。また、エアロゾル形成基材部410は、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412を含むことができる。
【0123】
第1基材セグメント411は、タバコ物質を含まなくてもよい。すなわち、第1基材セグメント411は、タバコ物質が除外されたエアロゾル形成基材を含むことができる。例えば、第1基材セグメント411は、葉タバコ刻みを含まなくてもよい。また、第1基材セグメント411は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むことができるが、これらに限定されない。また、第1基材セグメント411は、風味剤、湿潤剤(すなわち、保湿剤)および/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有することができる。また、第1基材セグメント411は、メントールまたは保湿剤などの加香液を含有することができる。
【0124】
第1基材セグメント411は、巻き取られたシートを含むことができ、エアロゾル形成基材は、巻き取られたシートに含浸された状態で第1基材セグメント411に含まれ得る。また、風味剤、湿潤剤および/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質および加香液は、巻き取られたシートに吸収された状態で第1基材セグメント411に含まれ得る。
【0125】
巻き取られたシートは、高分子素材で構成されたシートでありうる。例えば、高分子素材は、紙、セルロースアセテート(cellulose acetate)、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(polylactic acid)のうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、巻き取られたシートは、高温に加熱されても、熱による異臭が発生しない紙シートでありうる。ただし、これに制限されるものではない。
【0126】
第1基材セグメント411の長さは、4mm~12mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これに限定されない。
【0127】
次に、第2基材セグメント412は、タバコ物質を含むことができる。例えば、第2基材セグメント412は、葉タバコ刻み、再構成タバコシートまたはこれらの組み合わせを含むことができる。また、第2基材セグメント412は、グリセリン、プロピレングリコールなどのようなエアロゾル形成基材をさらに含むことができる。また、第2基材セグメント412は、風味剤、湿潤剤および/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有することができる。また、第2基材セグメント412には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、第2基材セグメント412に噴射されることによって添加されることができる。
【0128】
第2基材セグメント412の長さは、6mm~18mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これに限定されない。
【0129】
なお、第1基材セグメント411は、タバコ物質が除外されたエアロゾル形成基材を含み、第2基材セグメント412は、タバコ物質が含まれたエアロゾル形成基材を含むので(すなわち、エアロゾル形成基材の成分と含有量が異なるので)、ユーザが好ましい喫煙感を感じるためには、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412が互いに異なる温度に加熱される必要がある。例えば、第1基材セグメント411に適合した温度で第2基材セグメント412が加熱される場合、ユーザが焦げた味を感じることがある。または第2基材セグメント412に適合した温度で第1基材セグメント411が加熱される場合、十分なエアロゾルが発生しないことがある。
【0130】
いくつかの実施例において、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412は、互いに異なるヒーターにより互いに異なる温度に加熱されることができる。例えば、第1基材セグメント411が第1ヒーターによりA℃で加熱されて、十分な量のエアロゾルが生成され、第2基材セグメント412が第2ヒーターによりB℃でタバコ物質を加熱する場合、ユーザが好ましい喫煙感を感じることができる。
【0131】
他のいくつかの実施例において、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412は、単一ヒーター(例えば、1300)により加熱されることができる。この場合、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412は、互いに異なる温度で加熱されにくい。したがって、第1基材セグメント411と第2基材セグメント412が一つのヒーターにより加熱されても、第1基材セグメント411および第2基材セグメント412がそれぞれ適切な温度に昇温されうるように、第1基材セグメント411または第2基材セグメント412のラッパーのうち少なくとも一つは、熱伝導性物質を含むことができる。
【0132】
第1基材セグメント411および第2基材セグメント412は、エアロゾル形成基材を含むことができ、エアロゾル形成基材には、保湿剤が含まれ得る。例えば、保湿剤には、グリセリン、プロピレングリコールまたはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されない。グリセリンとプロピレングリコールを組み合わせて保湿剤を構成する場合、グリセリン:プロピレングリコール=8:2の含有量で組み合わせることができる。しかし、組み合わせの比率は、上述した例に限定されない。
【0133】
第1基材セグメント411に含まれた保湿剤は、エアロゾルが生成される量に関与することができる。換言すれば、第1基材セグメント411に含まれた保湿剤の重量によって、エアロゾル発生物品400の全体霧化量を決定することができる。なお、第2基材セグメント412に含まれた保湿剤は、エアロゾル発生物品400の喫味感に関与することができる。換言すれば、第2基材セグメント412に含まれたタバコ物質と保湿剤によって、エアロゾル発生物品400の喫味感を決定することができる。
【0134】
エアロゾル発生物品400から十分な霧化量が発生するためには、第1基材セグメント411に十分な量の保湿剤が含まれなければならない。したがって、第1基材セグメント411には、第2基材セグメント412より多い量の保湿剤が含まれることが好ましい。しかし、第1基材セグメント411に過度な保湿剤が含まれる場合、エアロゾル発生物品400の外部に保湿剤が流出することもできる。これは、エアロゾル発生物品400の外観上、好ましくない。
【0135】
なお、いくつかの実施例では、第1基材セグメント411の少なくとも一部分および第2基材セグメント412の少なくとも一部分121がヒーター(例えば、1300)により加熱されることによってエアロゾルが形成されることができる。形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品400の下流に沿って移動し、最終的にユーザに伝達されうる。この際、第2基材セグメント412の下流部分は、ヒーターにより加熱されないことがあるが、このような場合、エアロゾルが前記下流の部分を通過することで、一部の物質がフィルタリングされる効果が現れることができる。ここで、フィルタリングは、エアロゾルに含まれた成分の一部がろ過されることだけでなく、エアロゾルに他の成分がさらに含まれることも含むことができる。すなわち、第2基材セグメント412の未加熱部分は、エアロゾル内の成分の変化を引き起こすことができる。例えば、エアロゾルが未加熱部分を通過することで、エアロゾル内の一部の成分がろ過されることもでき、未加熱部分に含まれた一部の成分がエアロゾル内にさらに含まれることもできる。したがって、エアロゾル発生物品400の外部に吐出されるエアロゾルは、最初に生成されたエアロゾルの成分と異なることができ、第2基材セグメント412が全部加熱されることと比較するとき、ユーザは、異なる喫煙感を感じることができる。
【0136】
次に、フィルターセグメント420は、エアロゾルの冷却効果を発生させることができる。したがって、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。例えば、フィルターセグメント420は、セルロースアセテートで製作され、内部に中空420Hを含むチューブ形態の構造物でありうる。例えば、フィルターセグメント420は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製作することができる。例えば、フィルターセグメント420の単糸デニールが5.0であり、トータルデニールが28,000でありうるが、これに限定されない。他の例として、フィルターセグメント420は、紙で製作され、内部に中空420Hを含むチューブ形態の構造物でありうる。
【0137】
フィルターセグメント420に含まれた中空の直径は、4mm~8mmの範囲内で適切な直径が採用できるが、これに限定されない。フィルターセグメント420の長さは、4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これに限定されない。
【0138】
フィルターセグメント420は、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を行うことができると、制限なしで使用することができ、冷却セグメント420と称されることもできる。また、フィルターセグメント420は、図5の第2フィルターセグメント230に対応するものであってもよい。
【0139】
次に、マウスピース部430は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製作することができる。例えば、マウスピース部430の単糸デニールが9.0であり、トータルデニールが25,000でありうるが、これに限定されない。マウスピース部430の長さは、4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これに限定されない。
【0140】
マウスピース部430とラッパー440は、それぞれ上記の実施例のマウスピース部120、240、340とラッパー130、260、360に対応するので、これに関する説明は省略することとする。
【0141】
以上、図7を参照して本開示の第4実施例によるエアロゾル発生物品400について説明した。以下では、図8図10を参照して上述したエアロゾル発生物品100~400など)と葉タバコ刻みの製造方法について説明することとする。以下の説明において、エアロゾル形成基材部、フィルター部、マウスピース部などは、上記で説明したエアロゾル形成基材部(例えば、110、210、310、410)、フィルター部(例えば、120)、マウスピース部(例えば、120、240、340、430)に対応するが、説明の便宜上、参照番号を省略することとする。フィルター部は、フィルターセグメント220、230、320、350、420に対応する。
【0142】
図8は、本開示のいくつかの実施例によるエアロゾル発生物品の製造方法を示す例示的なフローチャートである。ただし、これは、本開示の目的を達成するための好ましい実施例に過ぎず、必要に応じて一部の段階が追加されたり削除されることはもちろんである。
【0143】
図8に示されたように、前記製造方法は、葉タバコ刻みを製造する段階S20から始まることができる。本段階については、図9を参照して詳細に後述することとする。
【0144】
段階S40で、製造された葉タバコ刻みを用いてエアロゾル形成基材部を製造することができる。具体的に、葉タバコ刻みを含むエアロゾル形成基材をラッピング材(すなわち、ラッパー)でラッピングすることで製造されたエアロゾル形成ロッドを所定の長さで切断することによって、複数のエアロゾル形成基材部が形成されることができる。例えば、エアロゾル形成ロッドを切断して6個のエアロゾル形成基材部が形成されることができる。
【0145】
いくつかの実施例では、内面の少なくとも一部に接着剤が塗布されたラッピング材で葉タバコ刻みをラッピングしてエアロゾル形成ロッドを製造することができる。接着剤は、製造工程中に葉タバコ刻みが外部に抜け出すことを防止することによって、作業性を向上させることができる。例えば、エアロゾル形成ロッドを切断するとき、切断部位で葉タバコ刻みが抜け出すことが防止されることができる。または、エアロゾル形成基材部とフィルター部を結合するとき、葉タバコ刻みがエアロゾル形成基材部の上流末端から抜け出すことが防止されることができる。
【0146】
なお、エアロゾル形成基材部に含まれる葉タバコ刻みの含有量は、製造コストおよびタバコ味と密接に関連しているので、含有量を適切に調節することが重要である。
【0147】
いくつかの実施例では、葉タバコ刻みの含有量が略140mg~210mgでありうる。好ましくは、前記含有量は、略150mg~200mgまたは150mg~190mgでありうる。より好ましくは、前記含有量は、略160mg~180mg、165mg~175mg、または略170mgでありうる。このような数値範囲内で、円滑な気流パスとタバコ味が確保され、また、コスト節減効果が最大化されることができる。それだけでなく、製造工程中の端部脱落現象を減少することができる。これと関連しては、実験例2-1および2-2をさらに参照することとする。
【0148】
段階S60で、フィルター部を製造することができる。具体的に、フィルター物質をフィルターラッピング材でラッピングすることで製造されたフィルターロッドを所定の長さで切断することによって、複数のフィルター部を製造することができる。
【0149】
段階S60は、段階S20および段階S40と独立して行うことができる。
【0150】
段階S80で、エアロゾル形成基材部とフィルター部を結合してエアロゾル発生物品を製造することができる。例えば、ティッピングラッパーでエアロゾル形成基材部とフィルター部を連結することによって、エアロゾル発生物品を製造することができる。
【0151】
より具体的な例として、図6に例示されたエアロゾル発生物品300の場合、エアロゾル形成基材部310に第1フィルターセグメント350、第2フィルターセグメント320およびマウスピース部340を連結することで、エアロゾル発生物品300を製造することができる。
【0152】
なお、段階S20または段階S40~段階S80は、自動化された製造設備を用いて行うことができる。当該技術分野における従事者なら、このような製造設備について十分に熟知しているところ、これに関する説明は省略することとする。
【0153】
以下では、図9を参照して段階S20の葉タバコ刻みの製造工程について詳細に説明することとする。
【0154】
図9は、葉タバコ刻み製造段階S20の細部過程を示す例示的なフローチャートである。ただし、これは、理解の便宜を提供するために、段階S20の細部過程を概略的に示すものに過ぎず、多様な要因によって一部の段階が追加、削除(省略)または変形されることができ、その順序も変わることもできることに留意すべきである。
【0155】
図9に示されたように、段階S21で、葉タバコ原料を加工することができる。例えば、黄色腫、オリエント種、バーレー種などの葉タバコに対して除脈、スライシング、乾燥、コンディショニングなどの加工処理を行うことができる。
【0156】
段階S23で、加工された葉タバコに対して1次加香処理を行うことができる。1次加香処理は、葉タバコに内在した理化学的性質を改善し、嫌喫味を除去するために、添加香料を添加(投入)する工程を意味する。例えば、本段階では、添加香料を含む添加物を加工された葉タバコに均一に噴霧することができる。この際、前記添加物は、例えば保湿剤を含むことができる。また、保湿剤は、例えばグリセリンとプロピレングリコールを含むことができる。
【0157】
いくつかの実施例において、前記保湿剤の含有量は、略9%(重量%)~12%であることが好ましく、より好ましくは、略10%でありうる。
【0158】
また、いくつかの実施例において、保湿剤に含まれたグリセリンとプロピレングリコールの重量比は、略1:1~8:2でありうる。好ましくは、前記重量比は、略3:2~8:2または2:1~8:2であり、より好ましくは、略2:1~8:3または略7:3でありうる。このような数値範囲内で霧化量が増大することが確認された。これと関連しては、実験3を参照することとする。
【0159】
段階S25で、1次加香処理された葉タバコを配合することができる。例えば、加香調和または水分調和のために、1次加香処理された葉タバコをサイロ(silo)設備内で配合することができる。
【0160】
段階S27で、配合処理された葉タバコを所定の刻み幅によって裁刻することができる。例えば、一つ以上の裁刻ナイフを含む裁刻器を用いて所定の刻み幅によって葉タバコを裁刻することができる。この際、裁刻ナイフの形態、刻み幅などは、実施例によって変えることができる。
【0161】
いくつかの実施例において、裁刻ナイフの切断刃は、四角形の鋸刃型からなる。例えば、図10は、複数の裁刻ナイフ521を含む回転裁刻器520を用いて葉タバコ510が裁刻される工程を例示しているが、例示されたように、裁刻ナイフ521の切断刃は、一字形態でなく、四角形の鋸刃型からなる。このような場合、葉タバコを均一な長さで裁刻することができ、葉タバコ刻みが設定された刻み幅より長い長さを有することを効果的に防止することができる。ただし、他のいくつかの実施例では、裁刻ナイフの切断刃が一字形態からなる。
【0162】
いくつかの実施例において、前記葉タバコの刻み幅は、略1.0mm~1.5mmでありうる。好ましくは、前記刻み幅は、略1.0mm~1.4mmまたは1.1mm~1.5mmでありうる。より好ましくは、前記刻み幅は、略1.1mm~1.3mmまたは略1.2mmでありうる。このような数値範囲内で円滑な気流パスが確保されて、霧化量(エアロゾル発生量)を増大することができ、また、端部脱落現象が緩和されることが確認された。これと関しては、実験例1-1および1-2を参照することとする。
【0163】
いくつかの実施例では、本段階以降に、乾燥、冷却などの工程をさらに行ってもよい。
【0164】
段階S29で、裁刻された葉タバコに対して2次加香処理を行うことができ、その結果として、エアロゾル形成ロッドに含まれる葉タバコ刻みが生成されることができる。ここで、2次加香処理は、1次加香以後に行う加香工程であり、最終タバコ製品(例えば、エアロゾル発生物品)に香りを付与するための目的で行うことができる。例えば、添加香料を含む添加物を裁刻された葉タバコに投入することによって、2次加香処理を行うことができる。
【0165】
いくつかの実施例において、2次加香処理以降に葉タバコ刻みに含有された水分含有量は、葉タバコ刻みの総重量に対して略11.5%~17.5%でありうる。好ましくは、前記水分含有量は、略12%~17%または12%~16%でありうる。より好ましくは、前記水分含有量は、略13%~16%であり、さらに好ましくは、略14%~15%または略14.5%でありうる。このような数値範囲内で、円滑な気流パスが確保されて、霧化量が増大することが確認された。これと関しては、実験例3をさらに参照することとする。
【0166】
いくつかの実施例において、2次加香処理中に裁刻された葉タバコに保湿剤(例えば、グリセリン)が添加され、かつ、その添加量は、裁刻された葉タバコ(すなわち、葉タバコ刻み)の全体重量に対して約1重量%~5重量%(例えば、刻み100kg当たりグリセリン約1~5kg)でありうる。好ましくは、前記添加量は、約2重量%~4重量%であり、より好ましくは、約3重量%でありうる。このような数値範囲内で、エアロゾル発生物品の霧化量がさらに増大し、異臭味が大きく低減されることが確認された。これと関連しては、実験例6-1および6-2をさらに参照することとする。
【0167】
以上、図8図10を参照してエアロゾル発生物品と葉タバコ刻みの製造方法について説明した。以下では、実施例と比較例に基づいて本開示に言及された構成とそれによる効果をより詳細に説明することとする。しかし、以下の実施例は、本開示の多様な例示の一部に過ぎないので、本開示の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0168】
[比較例1]
図6に示されたエアロゾル発生物品300と同じ構造を有する加熱式エアロゾル発生物品(すなわち、シガレット)を製造した。具体的に、略270mgのスラリー板状葉を投入してエアロゾル形成基材部を製造し、スラリー板状葉の製造時にグリセリンを略10%の含有量で添加した。参考として、商業的に販売されるエアロゾル発生物品は、略270mgのスラリー板状葉刻みを含んでおり、製造時に略10%のグリセリンが添加される。
【0169】
[実施例1~5]
スラリー板状葉の代わりに葉タバコ刻みを用いて実施例1~5によるエアロゾル発生物品(物理的仕様は、比較例1と同一)を製造した。特に、下記の表1に記載された数値によって裁刻機を設定し、互いに異なる刻み幅を有する葉タバコ刻みを製造した。葉タバコ刻みの製造時に、略10%含有量で保湿剤(グリセリン:プロピレングリコール=7:3)を添加し、2次加香処理後、葉タバコ刻みの水分含有量が略14.5%になるように調節した。また、裁刻された葉タバコ刻みを略170mg投入し、吸引抵抗が略90mmWG~140mmWGのマウスピース側のフィルター(例えば、図6の340)を用いて実施例1~5によるエアロゾル発生物品を製造した。
【0170】
【表1】
【0171】
[実験例1-1:刻み幅による霧化量の評価]
比較例1および実施例1~5によるエアロゾル発生物品に対して霧化量に対する官能評価を行った。官能評価は、喫煙期間が5年以上である30人のパネルを対象に行われ、1点を最小点、5点を最大点として霧化量の点数を評価した。また、評価誤差を減らすために、最小および最大点数を除いてパネルの平均点数を当該物品の最終霧化量点数として算出した。霧化量に対する官能評価の結果は、図11に示されている。
【0172】
図11を参照すると、刻み幅が1.2mmである場合(例えば、実施例3)に、霧化量が最も優れていることが示され、特に、板状葉が投入された比較例1よりも霧化量が高く示された。また、刻み幅が小さくなるほど、霧化量は概して減少することが示されたが(例えば、実施例1および2)、これは、刻み幅が小さくなるほど、エアロゾル形成基材部の内部の空隙が減少して円滑な気流パスを確保しにくいためであると判断される。また、刻み幅が一定以上に大きくなっても、霧化量が減少することが示された(例えば、実施例4および5)。これは、刻み幅が一定以上(例えば、1.5mm以上)に設定された場合、葉タバコ刻みが均一に裁刻されないので、空隙(例えば、サイズ、分布)が不均一になり、霧化量の不均一性がパネルの霧化量の判断に否定的な影響を及ぼしたためであると判断される。
【0173】
このような評価結果によれば、ユーザが満足できる霧化量を確保するためには、葉タバコ刻みの刻み幅が0.9mm以上、1.5mm以下になることが好ましいことが分かる。
【0174】
[実験例1-2:刻み幅による端部脱落程度の評価]
実施例1~5によるエアロゾル発生物品の製造時に、葉タバコ刻みの端部脱落程度を測定した。また、接着剤の効果を調べてみるために、実施例2~4によるエアロゾル発生物品の製造時に、ラッピング材に接着剤を塗布し、端部脱落程度を測定する追加実験を進めた。実験結果は、下記の表2に記載されている。参考として、下記の表2で、端部脱落程度の測定単位(mg/cm)は、端部脱落現象によって離脱した葉タバコ刻みの重量をエアロゾル発生物品の断面積で割ったものを意味する。
【0175】
【表2】
【0176】
表2を参照すると、葉タバコ刻みの刻み幅が大きくなるほど、端部脱落程度が減少することが示された。これは、葉タバコ刻みが細いほど(すなわち、刻み幅が小さいほど)、外部に抜け出しやすく、その反対の場合には、抜け出しにくいためであると判断される。これにより、作業性向上のためには、葉タバコ刻みの刻み幅が0.9mm以上であることが好ましいことが分かる。
【0177】
また、ラッピング材に接着剤を塗布する場合、端部脱落程度が大きく減少することが示されたが、これは、接着剤の塗布時に、作業性が大きく向上することができることを意味する。
【0178】
[実施例6~9]
下記表3に記載されたように、葉タバコ刻みの含有量を異ならせて、実施例6~9によるエアロゾル発生物品を製造した。実施例6~9の葉タバコ刻みは、実施例3と同じ方式で製造された。
【0179】
【表3】
【0180】
[実験例2-1:刻み含有量による霧化量および異臭味(タバコ固有味)の評価]
実施例3、実施例6~9によるエアロゾル発生物品に対して葉タバコ刻みの含有量による霧化量と異臭味に対する官能評価を行った。評価方式は、上記実験例1-1と同じ方式で行われ、評価結果は、図12に示されている。
【0181】
図12を参照すると、実施例によるエアロゾル発生物品は、概して比較例1よりタバコ固有味が優れていることが示されたが、これは、板状葉の代わりに、葉タバコ刻みを適用する場合、異臭味が低減され、タバコ固有の味が向上することを意味する。
【0182】
ただし、葉タバコ刻みの含有量が略190mg以上であれば(例えば、実施例8、9)、霧化量が減少することが示されたが、これは、葉タバコ刻みが多く投入されるほど、気流パスが詰まるためであると判断される。
【0183】
また、葉タバコ刻みの含有量が一定以上を超えると、異臭味の低減効果が減少することが示されたが(例えば、実施例8、9)、これは、気流パスが円滑でないため、刻みの量が多くても、葉タバコ固有の味と香りがよく発現しないためであると判断される。これにより、葉タバコ刻みの含有量は、略150mg~190mg程度になることが効果的であることが分かる。参考として、このような含有量は、商業的に販売されるエアロゾル発生物品の板状葉含有量(例えば、270mg)より大きく低いことから、コスト節減の観点から非常に効果的である。
【0184】
[実験例2-2:刻み含有量による端部脱落程度の評価]
実施例3、実施例6~9によるエアロゾル発生物品の製造時に、葉タバコ刻みの端部脱落程度を測定した。また、接着剤の効果を調べてみるために、実施例3、7および8によるエアロゾル発生物品の製造時に、ラッピング材に接着剤を塗布し、端部脱落程度を測定する追加実験を進めた。実験結果は、下記の表4に記載されている。
【0185】
【表4】
【0186】
表4を参照すると、葉タバコ刻みの含有量が多くなるほど、端部脱落程度が減少する傾向にあることが示された。これは、葉タバコ刻みの含有量が多くなるほど、内部で強固にまとまって、外部に抜け出しにくいためであると判断される。これにより、作業性向上のためには、葉タバコ刻みの含有量が略150mg以上であることが好ましいことが分かる。
【0187】
また、ラッピング材に接着剤を塗布する場合、端部脱落程度が大きく減少することが示されたが、これは、接着剤の塗布時に、作業性が大きく向上することができることを意味する。
【0188】
[実施例10~12]
下記表5に記載されたように、葉タバコ刻みの1次加香処理工程で保湿剤(10%含有量)を添加するとき、グリセリン(Gly.)とプロピレングリコール(PG)の組成比を異ならせて、実施例10~12によるエアロゾル発生物品を製造した。葉タバコ刻みの含有量のような他の条件は、実施例3と同一にした。
【0189】
【表5】
【0190】
[実験例3:Gly.とPGの割合による霧化量の評価]
実施例3、実施例10~12によるエアロゾル発生物品に対してグリセリンとプロピレングリコールの組成比による霧化量に対する官能評価を行った。また、これを比較例1と比較した。評価方式は、上記実験例1-1と同じ方式で行われ、評価結果は、図13に示されている。
【0191】
図13を参照すると、グリセリンの組成比が増加するにつれて、概して霧化量が増加する傾向が示され、グリセリンとプロピレングリコールが7:3の割合で添加される場合(例えば、実施例3)には、比較例1よりも霧化量がさらに優れていることが示された。これは、グリセリンの含有量の増加が霧化量に肯定的な影響を及ぼすためであると判断される。
【0192】
グリセリンの組成比が保湿剤の約70%を越える場合(例えば、実施例12)には、霧化量が小幅に減少して、霧化量が比較例1と類似した程度になることが示された。
【0193】
なお、グリセリンの組成比は、作業性とも関連があることが確認されたが、グリセリンの組成比が高い場合(例えば、実施例12より高い場合)には、葉タバコ刻みがまとまって、作業性が多少劣化し、非常に低い場合にも(例えば、実施例10)、刻みの端部脱落現象によって作業性が劣化することが示された。
【0194】
このような実験結果によれば、霧化量と作業性を同時に向上させるためには、グリセリンとプロピレングリコールの組成比が略1:1~8:2の間にあることが好ましいことが分かる。
【0195】
[実施例13~16]
下記表6に記載されたように、葉タバコ刻みの水分含有量を異ならせて、実施例13~16によるエアロゾル発生物品を製造した。下記表6の水分含有量は、2次加香処理直後の水分含有量を意味するので、実際にエアロゾル発生物品内の刻みの水分含有量は、表6に記載されたより若干低いことがある。葉タバコ刻みの含有量のような他の条件は、実施例3と同一にした。
【0196】
【表6】
【0197】
[実験例4:刻みの水分含有量による霧化量の評価]
実施例3、実施例13~16によるエアロゾル発生物品に対して葉タバコ刻みの水分含有量による霧化量に対する官能評価を行った。また、これを比較例1と比較した。評価方式は、上記実験例1-1と同じ方式で行われ、評価結果は、図14に示されている。
【0198】
図14を参照すると、葉タバコ刻みの水分含有量が増加するにつれて、概して霧化量が増加することが示され、水分含有量が14.5%である場合(例えば、実施例3)には、比較例1よりも霧化量がさらに優れていることが示された。これは、葉タバコ刻みの水分含有量の増加が霧化量に肯定的な影響を及ぼすためであると判断される。
【0199】
ただし、葉タバコ刻みの水分含有量が略16%を超える場合(例えば、実施例16)には、霧化量がさらに減少することが示されたが、これは、水分含有量が高いほど、葉タバコ刻みが容易にかたまることができて、気流パスに否定的な影響を及ぼすためであると判断される。
【0200】
なお、葉タバコ刻みの水分含有量は、作業性とも関連があることが確認されたが、水分含有量が高い場合(例えば、実施例16)には、葉タバコ刻みがまとまって、作業性が多少劣化し、非常に低い場合にも(例えば、実施例13)、刻みの端部脱落現象によって作業性が多少劣化することが示された。
【0201】
このような実験結果によれば、霧化量と作業性を同時に向上させるためには、葉タバコ刻みの水分含有量(2次加香処理直後)が略12%~17%の間にあることが好ましいことが分かる。
【0202】
[実験例5-1:実施例3と比較例1に対する総合官能の評価]
実施例3と比較例1によるエアロゾル発生物品に対して総合官能評価を行った。霧化量、喫味強度、刺激性、吸い込み性および異臭味(タバコ固有味)を評価項目として官能評価を行い、評価方式は、上記実験例1-1と同じ方式で行われた。本実験例に対する評価結果は、図15に示されている。
【0203】
図15を参照すると、霧化量、吸い込み性および異臭味の項目で、実施例3によるエアロゾル発生物品が、比較例1より優れていることが示された。これは、適切な刻み幅を有する葉タバコ刻みを適切な含有量で投入し、葉タバコ刻みの水分含有量と保湿剤の組成比を適切に調節することによって、円滑な気流パスが確保されたためであると判断される。また、吸い込み性の場合、マウスピース側のフィルターの低い吸引抵抗が影響を及ぼしたと判断される。
【0204】
なお、喫味強度と刺激性の場合、比較例1によるエアロゾル発生物品が、実施例3より優れていることが示されたが、これは、葉タバコ刻みに添加されるプロピレングリコールの組成比が多少低いので示された現象と判断される。
【0205】
総合的には、実施例3によるエアロゾル発生物品が、比較例1より優れていることを確認できるが、これにより、葉タバコ刻みベースのエアロゾル発生物品が板状葉刻みベースの物品を十分に代替できることが分かる。それだけでなく、実施例によるエアロゾル発生物品は、板状葉刻みベースの物品(例えば、比較例1)より値競争力に優れているので、市場競争力が十分に存在することが分かる。
【0206】
[実験例5-2:実施例3と比較例1に対するエアロゾル成分分析]
より客観的かつ定量的な評価のために、実施例3および比較例1によるエアロゾル発生物品に対してエアロゾル成分分析を行った。具体的に、製造後2週が経過したエアロゾル発生物品の喫煙中に捕集される主流煙の煙成分に対して分析を進めた。成分分析のための煙捕集は、試料別4回ずつ、回別8パフを基準として反復実施され、3回ずつの捕集結果に対する平均値に基づいて成分分析結果を導き出した。また、温度が略20℃であり、湿度が略62.5%である喫煙室で非燃焼型自動喫煙装置を用いてHC(Health Canada)喫煙条件によって喫煙が行われた。本実験例による成分分析結果は、下記の表7に記載されている。
【0207】
【表7】
【0208】
表7を参照すると、実施例3によるエアロゾル発生物品のニコチンおよびタール送達量が、比較例1とほぼ似ていることが分かる。これは、葉タバコ刻みを加熱式エアロゾル発生物品に適用しても、ユーザが板状葉ベース物品と類似した喫味感を感じることができることを意味する。もちろん、官能評価をさらに考慮すると、葉タバコ刻みは、板状葉に比べて異臭味を低減させることができるので、実際にユーザが体感する喫味感は、葉タバコベース物品(例えば、実施例3)が、板状葉ベース物品(例えば、比較例1)より優れていると判断される。
【0209】
また、グリセリンと水分が小幅に増加したことが示されたが、これは、霧化量が増加したことを示すと判断される。また、プロピレングリコールは、小幅に減少したことが示されたが、これは、実施例3によるエアロゾル発生物品の喫味強度と刺激性が、比較例1より多少低いことを示すと判断される。
【0210】
参考として、葉タバコ刻みとスラリー板状葉刻みを約8:2の割合で混合して投入したことを除いて、実施例3と同じ条件のエアロゾル発生物品を製造し、製造されたエアロゾル発生物品に対して官能評価とエアロゾル成分分析を行ったが、実験結果が実施例3と似ていることが確認された。
【0211】
[実施例17~21]
下記表8に記載されたように、2次加香時に、グリセリン添加量を異ならせて、葉タバコ刻みを製造し、製造された葉タバコ刻みで実施例17~21によるエアロゾル発生物品を製造した。葉タバコ刻みの含有量のような他の条件は、実施例3と同一にした。参考として、実施例3の葉タバコ刻みの場合、2次加香時にグリセリンが添加されなかった。
【0212】
【表8】
【0213】
[実験例6-1:実施例17~21と比較例1に対する総合官能の評価]
実施例17~21によるエアロゾル発生物品に対して総合官能評価を行った。霧化量、喫味強度、刺激性、吸い込み性および異臭味(タバコ固有味)を評価項目として官能評価を行い、評価方式は、上記実験例1-1と同じ方式で行われた。本実験例に対する評価結果は、下記の表9に記載されている。
【0214】
【表9】
【0215】
表9を参照すると、霧化量、吸い込み性および異臭味の項目で、実施例によるエアロゾル発生物品が、比較例1より優れていることが示された。これは、2次加香時に適切な量の保湿剤を添加する場合、霧化量がさらに増大することができ、より高品質(例えば、異臭味が少なく、タバコ固有味に優れた刻み)の葉タバコ刻みを製造することができることを意味する。ただし、吸い込み性の場合は、マウスピース側のフィルターの低い吸引抵抗も、影響を及ぼしたと判断される。
【0216】
また、実施例中では、実施例19によるエアロゾル発生物品の評価点数が概して優れていることが示された。例えば、実施例19によるエアロゾル発生物品が、他の実施例に比べて霧化量に優れており、異臭味が少ないことが示された。これにより、2次加香時に略3%内外の保湿剤を添加することが好ましいことが分かる。
【0217】
官能評価結果を総合してみると、実施例によるエアロゾル発生物品が、比較例1より概して優れていることを確認できるが、これにより、葉タバコ刻みベースのエアロゾル発生物品が板状葉刻みベースの物品を十分に代替できることが分かる。
【0218】
[実験例6-2:実施例3、実施例19および比較例1に対するエアロゾル成分分析]
より客観的かつ定量的な評価のために、実施例3、実施例19および比較例1によるエアロゾル発生物品に対してエアロゾル成分分析を行った。実験方式は、上記実験例5-2と同じ方式で行われた。本実験例による成分分析結果は、下記の表10に記載されている。
【0219】
【表10】
【0220】
表10を参照すると、実施例19によるエアロゾル発生物品の場合、比較例1と実施例3に比べてグリセリン成分が大幅に増加したことが示されたが、これは、2次加香時に保湿剤を適切に添加すると、霧化量がさらに増大することができることを意味する。なお、ニコチンとプロピレングリコール成分は、比較例1と実施例3に比べて小幅に減少したことが示されたが、これは、実施例19によるエアロゾル発生物品の喫味強度と刺激性が、比較例1または実施例3より多少低いことを示すと判断される。
【0221】
以上、多様な実施例と比較例に基づいて葉タバコ刻みで製造されたエアロゾル発生物品の構成および効果について詳細に説明した。
【0222】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施例を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】