(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】バックシート配置を伴う吸収性用品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/514 20060101AFI20221108BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
A61F13/514 310
A61F13/49 315A
A61F13/514 321
A61F13/49 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513326
(86)(22)【出願日】2019-08-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2019072942
(87)【国際公開番号】W WO2021037353
(87)【国際公開日】2021-03-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェリカ・テレンティック
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・ヴィルヘルム・マイヤー・ノリアン
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル・アンデルソン
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・フレデリクス
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA12
3B200CA02
3B200CA05
3B200CA09
3B200DA01
3B200DD01
3B200DD07
(57)【要約】
吸収性用品(1)が、第1および第2の腰縁(2、4)と第1および第2の側縁(6、8)とを有し、吸収性用品(1)は、トップシート(9)と、バックシート配置(10)と、トップシート(9)とバックシート配置(10)との間に配置される吸収性部材(11)と、吸収性用品(1)の第1の側縁(6)から延びる第1の側方フラップ(12)、および、吸収性用品(1)の第2の側縁(8)から延びる第2の側方フラップ(13)であって、取付フラップである第1および第2の側方フラップ(12、13)と、バックシート配置(10)の第1および第2の側縁(20、21)に沿って延びる第1および第2の脚弾性部材(18、19)とを備える。第1および第2の側方フラップ(13)は、第1の腰縁(2)に配置される第1および第2のフラップ係留領域(22、23)の中でトップシート(9)とバックシート配置(10)との間に固定される。バックシート配置(10)は、吸収性用品(1)の側縁(6、8)に沿って延びる第1および第2の脚弾性係留部分(30、31)を備え、第1および第2の脚弾性係留部分(30、31)はバックシート材料の2つの層(32、33)を備え、第1および第2の脚弾性部材(18、19)はバックシート材料の2つの層(32、33)の間に配置され、各々の脚弾性係留部分(30、31)は、対応するフラップ係留領域(22、23)の内側縁(25)の横方向外側に全部または一部が配置され、第1および第2の脚弾性部材(18、19)は、第1の腰縁(2)からある距離において途切れ、それによって、第1の脚弾性自由部分(35、36)が第1の腰縁(2)に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の腰縁(2、4)と第1および第2の側縁(6、8)とを有する吸収性用品(1)であって、前記吸収性用品(1)の前および後の腰縁(2、4)は前記吸収性用品(1)の横方向(T)に延び、前記側縁(6、8)は前記吸収性用品(1)の縦方向(L)に延び、前記吸収性用品(1)は、
トップシート(9)と、
バックシート配置(10)と、
前記トップシート(9)と前記バックシート配置(10)との間に配置される吸収性部材(11)と、
前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)において前記第1の側縁(6)から延びる第1の側方フラップ(12)、および、前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)において前記第2の側縁(8)から延びる第2の側方フラップ(13)であって、取付フラップである第1および第2の側方フラップ(12、13)と、
前記吸収性用品(1)の前記縦方向(L)において、前記バックシート配置(10)の第1および第2の側縁(20、21)に沿って延びる第1および第2の脚弾性部材(18、19)と
を備え、
前記第1および第2の側方フラップ(13)は、前記第1の腰縁(2)に配置される第1および第2のフラップ係留領域(22、23)の中で前記トップシート(9)と前記バックシート配置(10)との間に固定される内側端部分(12'、13')をそれぞれ有し、各々のフラップ係留領域(22、23)は、前記フラップ係留領域(22、23)の内側縁(25)と外側縁(26)との間において、前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)に横方向延在部を有し、前記側方フラップ(12、13)の腰縁(27)と前記側方フラップ(12、13)の対応する脚縁(28)との間において、前記吸収性用品(1)の前記縦方向(L)に縦方向延在部を有し、
前記バックシート配置(10)は、前記吸収性用品(1)の前記側縁(6、8)に沿って延びる第1および第2の脚弾性係留部分(30、31)を備え、前記第1および第2の脚弾性係留部分(30、31)はバックシート材料の2つの層(32、33)を備え、前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は前記バックシート材料の2つの層(32、33)の間に配置され、各々の脚弾性係留部分(30、31)は、対応する前記フラップ係留領域(22、23)の前記内側縁(25)の横方向外側に全部または一部が配置され、前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は、前記第1の腰縁(2)からある距離において途切れ、それによって、第1の脚弾性自由部分(35、36)が前記第1の腰縁(2)に配置される、吸収性用品(1)。
【請求項2】
前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は、引張状態において前記第1および第2の脚弾性係留部分(30、31)に取り付けられる、請求項1に記載の吸収性用品(1)。
【請求項3】
前記第1の脚弾性自由部分(35、36)は、前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)が前記第1の腰縁(2)から引き込まれることで形成される、請求項2に記載の吸収性用品(1)。
【請求項4】
前記脚弾性係留部分(30、31)を形成する前記バックシート材料の2つの層(32、33)は、前記脚弾性係留部分(30、31)の中の第1の接合パターン(60)および前記脚弾性自由部分(35、36)の中の第2の接合パターン(61)で互いに取り付けられ、前記第1の接合パターン(60)は弾性係留パターン(60)であり、前記第2の接合パターン(61)は弾性解放パターン(61)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項5】
前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は、前記第1および第2のフラップ係留領域(22、23)の長さの0%~20%の範囲内で、好ましくは前記第1および第2のフラップ係留領域(22、23)の長さの0%~10%の範囲内で、前記第1および第2のフラップ係留領域(22、23)と重なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項6】
前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は複数の弾性紐を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項7】
前記トップシート(9)は前記脚弾性係留部分(30、31)と重なる、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項8】
前記脚弾性係留部分(30、31)を形成する前記バックシート材料の2つの層(32、33)は、接着剤を用いて互いに取り付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項9】
前記脚弾性係留部分(30、31)を形成する前記バックシート材料の2つの層(32、33)は、超音波溶接を用いて互いに取り付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項10】
前記バックシート配置(10)は内側層と外側層とを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項11】
前記脚弾性係留部分(30、31)は、前記バックシート配置(10)の折り畳み縁部分によって形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項12】
前記脚弾性係留部分(30、31)は、バックシート材料の第1のシートをバックシート材料の第2のシートと積層することで、または、バックシート材料の第1のシートをバックシート材料の第1および第2の帯片と積層することで形成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項13】
前記バックシート配置(10)は、高分子膜と繊維状不織シートとの積層を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項14】
前記繊維状不織シートは、前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)における前記高分子膜の幅より大きい、前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)における幅を有する、請求項13に記載の吸収性用品(1)。
【請求項15】
前記脚弾性係留部分(30、31)は繊維状不織材料によって形成される、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項16】
第3の側方フラップ(43)が、前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)において前記吸収性用品(1)の前記第1の側縁(6)から延び、第4の側方フラップ(44)が、前記吸収性用品(1)の前記横方向において前記吸収性用品(1)の前記第2の側縁(8)から延び、前記第3および第4の側方フラップ(43、44)は前記第2の腰縁(4)に配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項17】
前記第3および第4の側方フラップ(43、44)は、第3および第4のフラップ係留領域の中で前記トップシート(9)と前記バックシート配置(10)との間にしっかりと取り付けられる内側端部分をそれぞれ有し、各々のフラップ係留領域は、前記フラップ係留領域の内側縁と外側縁との間において、前記吸収性用品(1)の前記横方向に横方向延在部を有し、前記側方フラップ(43、44)の腰縁と前記側方フラップ(43、44)の対応する脚縁との間において、前記吸収性用品(1)の前記縦方向(L)に縦方向延在部を有する、請求項16に記載の吸収性用品(1)。
【請求項18】
前記脚弾性係留部分(30、31)は、前記第3および第4のフラップ係留領域の対応する前記内側縁の横方向外側に全部または一部が配置される、請求項17に記載の吸収性用品(1)。
【請求項19】
前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)は、前記第2の腰縁(4)からある距離において途切れ、それによって、第2の脚弾性自由部分(46、47)が前記第2の腰縁(4)に配置される、請求項16から18のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項20】
前記第2の脚弾性自由部分(46、47)は、前記第1および第2の脚弾性部材(18、19)が前記第2の腰縁(4)から引き込まれることで形成される、請求項19に記載の吸収性用品(1)。
【請求項21】
前記バックシート配置(10)は前記吸収性用品(1)の前記横方向(T)において伸長不可能である、請求項1から20のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項22】
前記第1の腰縁(2)は後腰縁であり、前記第2の腰縁(4)は前腰縁である、請求項1から21のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項23】
前記第1の腰縁は前腰縁であり、前記第2の腰縁は後腰縁である、請求項1から22のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【請求項24】
留め具(14、15)は前記側方フラップ(12、13; 43、44)のうちの少なくとも1つに配置される、請求項1から23のいずれか一項に記載の吸収性用品(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1および第2の腰縁と第1および第2の側縁とを有する吸収性用品であって、トップシートと、バックシート配置と、トップシートとバックシート配置との間に配置される吸収性部材と、用品の横方向において第1の側縁から延びる第1の側方フラップと、用品の横方向において第2の側縁から延びる第2の側方フラップと、吸収性用品の縦方向において、バックシート配置の第1および第2の側縁に沿って延びる第1および第2の脚弾性部材とを備える吸収性用品に関する。第1および第2の側方フラップは、腰縁の両方のうちの一方に配置される第1および第2のフラップ係留領域の中でトップシートとバックシート配置との間に固定される内側端部分をそれぞれ有し、各々のフラップ係留領域は、フラップ係留領域の内側縁と外側縁との間において、吸収性用品の横方向に横方向延在部を有し、側方フラップの第1の腰縁と側方フラップの対応する脚縁との間において、吸収性用品の縦方向に縦方向延在部を有する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ての吸収性用品、具体的には、パンツ状の様態で着用される使い捨ての吸収性おむつには、吸収性用品の脚縁に沿って配置される脚弾性体、および、腰縁に沿って配置される腰弾性体などの弾性要素が、選択された領域に一般的に設けられる。さらに、おむつには、使用者に付けるときに吸収性衣類を閉じるための留め具要素を備える側方フラップまたはベルト要素が設けられ得る。側方フラップを有する使い捨て用品は、長さ方向での製作方法で通常は製作され、用品は、製作されている用品の長さ方向と一致する機械方向において延びる連続的なウェブから連続的に製作される。連続的な脚弾性要素は、引き伸ばされ、進んでいくウェブと共に送り込まれ、最終的な吸収性用品において脚縁を形成するための用品の一部分に沿って、接着剤を用いて、または、超音波溶接もしくは熱溶接によって、トップシートウェブとバックシートウェブとの間において引き伸ばされた状態で間欠的に取り付けられる。側方フラップは、先行する吸収性用品の移動するウェブにおいて、各々の先行する吸収性用品の前端および/または後端に取り付けられ、接着剤を用いて、または、超音波溶接もしくは熱溶接によって、トップシートウェブとバックシートウェブとの間に取り付けられる。
【0003】
脚弾性要素が、脚縁だけに沿って最終的な吸収性用品に存在し、前腰縁および後腰縁の近くの吸収性用品の前本体部および後本体部に存在しないことが、概して望まれる。この理由のために、脚弾性要素は、機能的な脚弾性体が望まれる場合のみ、トップシートウェブおよびバックシートウェブに接合される。個々の吸収性用品が先行するウェブから切り落とされる最終的な製作ステップにおいて、引き伸ばされた脚弾性要素は、同時に切断され、それによって、脚弾性要素とトップシートウェブおよびバックシートウェブとの間の接合のない用品の領域の中で、腰縁から跳ね返ることになる。脚弾性要素の跳ね返り部分は、吸収性用品の前部分および/または後部分において、引き込まれた非取付端として用品に残る。しかしながら、具体的には脚弾性体が跳ね返り部分を伴う場合の、脚弾性要素の適用において、機能的な跳ね返り部分の提供が、側方フラップなどの他の要素の取付に悪影響をもたらす可能性があることが分かった。弾性要素のための適切な跳ね返りを提供するために、側方フラップ係留領域の横方向内側に、用品の脚弾性要素および接合のない跳ね返り領域を配置することが必要であった。また、側方フラップに十分な係留領域を提供するために、吸収性コアの横方向外側に配置されるトップシートおよびバックシートの一部分は、接合のない跳ね返り領域と側方フラップ係留領域との両方を並んで受け入れるのに十分な幅でなければならない。この要件は、トップシートとバックシートとのいずれかが、望まれるより大きい幅で設計される必要があり、吸収性コアが望まれるより小さい幅で設計される必要がある点において、この種類の吸収性用品の設計において厳しい制約をもたらしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許公開第3056176号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0058624(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、吸収性コアの幅、トップシート、およびバックシートをより自由に選択させることができ、吸収性用品の機能的な要件に適合される向上した構造を有する伸縮性のある吸収性用品に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
良好な機能性を有し、側方フラップなどの他の構成要素から独立した機能的な脚弾性体が設けられ得る使い捨ての吸収性用品が、請求項1の特徴によって少なくとも一部で達成され得る。本開示の変形が従属請求項において立案されている。
【0007】
本明細書で開示されているのは、第1および第2の腰縁と第1および第2の側縁とを有する吸収性用品であって、吸収性用品の前および後の腰縁は吸収性用品の横方向に延び、側縁は吸収性用品の縦方向に延びる、吸収性用品である。吸収性用品は、
トップシートと、
バックシート配置と、
トップシートとバックシート配置との間に配置される吸収性部材と、
吸収性用品の横方向において第1の側縁から延びる第1の側方フラップ、および、吸収性用品の横方向において第2の側縁から延びる第2の側方フラップであって、取付フラップである第1および第2の側方フラップと、
吸収性用品の縦方向において、バックシート配置の第1および第2の側縁に沿って延びる第1および第2の脚弾性部材と
を備え、
第1および第2の側方フラップは、第1の腰縁に配置される第1および第2のフラップ係留領域の中でトップシートとバックシート配置との間に固定される内側端部分をそれぞれ有し、各々のフラップ係留領域は、フラップ係留領域の内側縁と外側縁との間において、吸収性用品の横方向に横方向延在部を有し、側方フラップの腰縁と側方フラップの対応する脚縁との間において、吸収性用品の縦方向に縦方向延在部を有する。
【0008】
バックシート配置は、吸収性用品の側縁に沿って延びる第1および第2の脚弾性係留部分を備え、第1および第2の脚弾性係留部分はバックシート材料の2つの層を備え、第1および第2の脚弾性部材はバックシート材料の2つの層の間に配置され、各々の脚弾性係留部分は、対応するフラップ係留領域の内側縁の横方向外側に全部または一部が配置され、第1および第2の脚弾性部材は、第1の腰縁からある距離において途切れ、それによって、第1の脚弾性自由部分が第1の腰縁に配置される。
【0009】
第1および第2の脚弾性部材は、引張状態において第1および第2の脚弾性係留部分に取り付けられ得る。代替で、第1および第2の脚弾性部材は、例えば熱処理または機械的作業によって作動させられ得る種類のものであってもよい。このような脚弾性部材は、非引張状態で取り付けられてもよく、その後、脚弾性部材の選択された部分の中で作動させられてもよい。
【0010】
第1の脚弾性自由部分は、第1および第2の脚弾性部材が第1の腰縁から引き込まれることで形成され得る。第1の脚弾性自由部分からの脚弾性部材の引き込みは、バックシート配置の第1の脚弾性自由部分において、吸収性用品の縦方向に配置される接合のない跳ね返り通路または実質的に接合のない跳ね返り通路を用いて遂行され得る。
【0011】
引き込みの後、第1および第2の脚弾性部材は、吸収性用品の長さより小さい長さを吸収性用品の縦方向において有する。
【0012】
本明細書に開示されているように、脚弾性部材は、バックシート配置の脚弾性係留部分において遮断され、トップシートと直接的に接触していない。したがって、脚弾性要素はトップシートに直接的に接合されない。脚弾性部材の取付は、側方フラップの取付と干渉しない。これは、脚弾性部材の跳ね返り部分が、フラップ係留領域と重なるバックシート配置の一部分においてなど、どこが望まれる場合であっても、トップシートとバックシートとの間の側方フラップのしっかりとした係留に悪影響を与えることなく配置させることができることを意味する。
【0013】
吸収性用品に付けるときに引っ張られる取付フラップを構成する側方フラップは、横方向に加えられる引張力に曝されるときに落ちないことを確実にするために、トップシートとバックシートとの間にしっかりと係留される必要がある。側方フラップは、技術的に知られているような弾性または非弾性であり得る。
【0014】
本明細書に開示されているようなバックシート配置の提供は、切断された脚弾性要素の引き込みを可能にするために、トップシートとバックシートとの間に接合のない跳ね返り通路を残す先の吸収性用品における必要性を排除する。このような接合のない跳ね返り通路は、接合のない通路の延在に対して垂直に適用される引張力を受けるときに破れる可能性のある弱い領域を吸収性用品に構成する。側方フラップは、吸収性用品に付けるときに使用され、留め付けフラップまたは留め付けベルト部の形態であり得る。留め付けフラップは吸収性用品の本体部分に通常は留め付けられる。留め付けフラップが用品の後腰縁に置かれる場合、留め付けフラップは引き伸ばされて前方へ持って行かれ、吸収性用品の前部分に留め付けられる。留め付けフラップが吸収性用品の前腰縁に置かれる場合、留め付けフラップは後方へ持って行かれ、吸収性用品の後部分に留め付けられる。着用者の腰の周りで吸収性用品の良好なフィットを得るために、留め付けフラップは、腰弾性体、フラップ弾性体などの任意の横方向に延びる弾性要素を作用させるために、概して引張の下で適用される。側方フラップは、側方フラップに配置される第1の留め具要素を伴う機械的な留め具または接着剤の留め具などの留め具、または、側方フラップが留め付けられる本体部分に配置された相手の留め具要素または留め具受部が一般的に設けられる。留め付けベルト部品は、留め付けフラップと同様に引き伸ばされ、通常はそれらの外側端において一体に留め付けられる。そのために、留め付けベルト部品には、留め付けフラップと類似して、留め具要素が設けられてもよい。
【0015】
先の知られている吸収性用品において、接合のない跳ね返り通路が、吸収性用品の横方向において側方フラップ係留領域のすぐ内側に配置される。側方フラップが着用者への吸収性用品の適用の間に引き離されて引っ張られるとき、弱い非接合跳ね返り通路が引張応力に曝され、これは、吸収性用品における材料を跳ね返り通路に沿って断裂させることができる。
【0016】
本明細書に開示されているようなバックシート配置を用いることで、トップシートとバックシートとの間における跳ね返り通路への必要性が、完全に排除されている。本明細書に開示されているような吸収性用品において、バックシート配置と直接的に接触しているトップシートのすべての領域は、弱い領域が、トップシートおよびバックシート配置によって形成される積層に作り出されないように、互いに接合され得る。バックシートが、少なくとも吸収性部材の周辺の外側のすべての重なり部分において、トップシートに取り付けられることは、好ましいとされ得る。好ましくは、吸収性部材の端縁と吸収性用品の腰縁との間に接合のない領域がない。さらに、吸収性用品を付けるとき、破るための指示として作用する弱い部分を構成し得る接合のない通路がない。
【0017】
本明細書に開示されているようなバックシート配置の提供は、留め付けフラップまたは留め付けベルト部などの側方フラップの配置および係留を考慮する必要なく、吸収性用品の長さの任意の選択された部分において、用品における任意の適切な横方向位置に、脚弾性要素を置くための自由を提供する。さらに、側縁同士の間の吸収性用品の幅と、吸収性部材の幅とは、脚弾性要素のための跳ね返り通路が、以前の吸収性用品におけるように並んでではなく、側方フラップのための係留領域と重なって配置され得るため、フィット性および吸収性に関する吸収性用品の機能的要件を満たすように自由に選択させることができる。
【0018】
本明細書に開示されているような吸収性用品は、製造の容易性のために、長方形を有し得る。しかしながら、吸収性用品の側縁は、湾曲した脚縁を提供するために切り落とされてもよい。脚弾性要素は、吸収性用品が長方形を有するか、湾曲した脚縁で形成されるかに関わらず、脚縁に沿って真っ直ぐに配置され得る、または、湾曲した形で配置され得る。
【0019】
バックシート配置において脚弾性係留部分を形成するバックシート材料の2つの層は、脚弾性係留部分の中の第1の接合パターンおよび脚弾性自由部分の中の第2の接合パターンで互いに取り付けることができ、第1の接合パターンは弾性係留パターンであり、第2の接合パターンは弾性解放パターンである。弾性係留パターンは、バックシート配置における引き伸ばされた状態など、脚弾性体を機能的状態でしっかりと取り付けるように供する。弾性解放パターンは、バックシート材料の層を脚弾性自由部分の中で互いに結合するが、引き伸ばされた脚弾性体のバックシート材料の層同士の間への引き込みを禁止しない。したがって、弾性解放パターンは、切断された引き伸ばされた弾性体を脚弾性自由部分の中に跳ね返せる。
【0020】
第1および第2の脚弾性部材は、第1および第2のフラップ係留領域の長さの0%~20%の範囲内で、好ましくは第1および第2のフラップ係留領域の長さの0%~10%の範囲内で、第1および第2のフラップ係留領域と重なり得る。したがって、脚弾性部材は、第1および第2のフラップ係留領域の外側で途切れ得る、または、第1および第2のフラップ係留領域の下方に若干延び得る。
【0021】
第1および第2の脚弾性部材は、弾性バンド、弾性紐、発泡体など、技術的に知られている任意の適切な脚弾性体であり得る。第1および第2の脚弾性部材の各々は、複数の弾性紐またはバンドを備え得る。
【0022】
トップシートは、脚弾性係留部分と重なり得る、または、脚弾性係留部分の内側で途切れ得る。
【0023】
脚弾性係留部分を形成するバックシート材料の2つの層は、超音波溶接を用いて、または、接着剤と超音波溶接との組合せを用いて、互いに取り付けられ得る。
【0024】
バックシート配置は内側層と外側層とを備え得る。内側層と外側層とは概して同一の広がりを持ち得る、または、内側層は外側層より大きい幅を有する、または、外側層は内側層より大きい幅を有する。
【0025】
バックシート配置の内側層は障壁層とすることができ、バックシート配置の外側層は不織層とすることができる。
【0026】
バックシート配置の外側層は、スパンボンド材料を含み、任意選択でメルトブローン材料を含み得る。
【0027】
脚弾性係留部分は、脚弾性部材が折り畳みの中に配置されている状態で、バックシート配置の折り畳み縁部分によって形成され得る。この種類の構成は、積層された層の切り落とされた縁によって形成される対応する脚縁より柔らかくて緩衝性のある脚縁を折り畳みが形成することができるため、有利であり得る。
【0028】
脚弾性係留部分は、バックシート材料の第1のシートをバックシート材料の第2のシートと積層することで、または、バックシート材料の第1のシートをバックシート材料の第1および第2の帯片と積層することで形成され得る。このような構成は、異なる材料を弾性係留部分の外面および内面のために選択することができるため、有利であり得る。
【0029】
バックシート配置は、高分子膜および繊維状不織シートの積層を備え得る。繊維状不織シートは、脚弾性部材に沿って、吸収性用品の織物の外面もしくは外側カバー、および/または、柔らかい本体接触表面を提供することができる。高分子膜は液体障壁特性を提供することができる。高分子膜は、通気性液体障壁膜など、技術的に知られている任意の適切な液体障壁膜であり得る。
【0030】
高分子膜層が、弾性要素が適用されている縁折り畳みを有する不織層または不織帯片に積層されてもよい。高分子膜は、繊維状不織層の縁折り畳みによって定められるバックシート配置の側縁まで延びることのないように適用され得る。
【0031】
代替で、不織層が、高分子膜層の切り落とされた縁を覆うために、高分子膜層の表面にわたって折り畳まれてもよい。
【0032】
積層における不織シートは、吸収性用品の横方向における高分子膜の幅より大きい、吸収性用品の横方向における幅を有してもよい。したがって、不織シートは、平面の状態にあるとき、高分子膜を越えて横方向に延び得る。脚弾性係留部分は、高分子膜の外側に延びる不織シートの一部分における折り畳みによって完全に形成されてもよい。このような脚弾性係留部分は、柔らかく順応性があり、非常に通気性がある。代替で、脚弾性係留部分が高分子膜と不織層との両方を備えるように、高分子膜の横方向外側に延びる不織シートの一部分が高分子膜にわたって折り畳まれてもよい。
【0033】
本明細書に開示されているように、脚弾性係留部分は、不織材料の層における折り畳み部分として、または、不織材料の2つの別々の層の積層としてのいずれかで、繊維状不織材料のみによって形成され得る。繊維性の不織弾性係留部分は、脚弾性体に良好な通気性、柔軟性、および緩衝性を提供する。
【0034】
本明細書に開示されているような吸収性用品において、第3の側方フラップが第1の側縁から用品の横方向に延びてもよく、第4の側方フラップが第2の側縁から用品の横方向に延びてもよく、第3および第4の側方フラップは第2の腰縁に配置される。第3および第4の側方フラップは、第1の腰縁に配置される第1および第2の取付フラップと協働するように構成されている取付フラップであり得る。
【0035】
第3および第4の側方フラップは、第3および第4のフラップ係留領域の中でトップシートとバックシート配置との間にしっかりと取り付けられる内側端部分をそれぞれ有することができ、各々のフラップ係留領域は、フラップ係留領域の内側縁と外側縁との間において、吸収性用品の横方向に横方向延在部を有し、側方フラップの腰縁と側方フラップの対応する脚縁との間において、吸収性用品の縦方向に縦方向延在部を有する。
【0036】
脚弾性係留部分は、第3および第4のフラップ係留領域の対応する内側縁の横方向外側に全部または一部が配置され得る。
【0037】
第1および第2の脚弾性部材は、第2の腰縁からある距離において途切れてもよく、それによって、第2の脚弾性自由部分が第2の腰縁に配置される。
【0038】
第2の脚弾性自由部分は、第1および第2の脚弾性部材が第2の腰縁から引き込まれることで形成され得る。
【0039】
バックシート配置は、吸収性用品の横方向および/または縦方向において伸長不可能とすることができる。代替で、バックシート配置は、吸収性用品の横方向および/または縦方向において伸長可能または弾性的に伸長可能とすることができる。第1および第2の側方フラップを用いることで、吸収性用品が着用者の腰の周りでフィットするのを容易にすることができるため、バックシート配置は吸収性用品の横方向において伸長不可能であることが望ましい可能性がある。さらに、コスト節約の理由のため、伸長不可能バックシートを使用することが有利であり得る。
【0040】
第1の腰縁は後腰縁とすることができ、第2の腰縁は前腰縁とすることができる。したがって、第1および第2の側方フラップは、吸収性用品の後腰縁に配置され、吸収性用品の前部分において留め付けるように構成された取付フラップである。
【0041】
代替で、第1の腰縁は前腰縁とすることができ、第2の腰縁は後腰縁とすることができる。この構成であれば、第1および第2の側方フラップは、吸収性用品の後腰縁に配置され、吸収性用品の後部分において留め付けるように構成された取付フラップである。
【0042】
留め具は取付フラップのうちの少なくとも1つに配置され得る。留め具が設けられている取付フラップが後腰縁に配置されることが好ましいとされ得る。吸収性用品を着用者に付けるとき、取付フラップは着用者の腰の周りで横方向および上向きに引き伸ばされる。両方の取付フラップに留め具が設けられるとき、留め具は、取付フラップと反対である用品の端において用品の外側における受入領域に概して留め付けられる。1つだけの取付フラップに留め具が設けられるとき、取付フラップ同士は、ベルトの手法で互いに取り付けられるように構成され得る。
【0043】
留め具は、複数のループを有する表面などの受入面に取り付けられるように構成されたフック式の留め具など、技術的に知られている任意の種類の留め具であり得る。受入面は、バックシート配置の外側不織層であり得る、または、吸収性用品の外面に適用される特定のループ材料であり得る。代替で、留め具は、吸収性用品の反対の端に配置されている取付フラップに取り付けられてもよい。
【0044】
本明細書に開示されているような吸収性用品は、添付の図面を参照して以後においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】おむつの使用の間に着用者を向くように意図されている側方からの、おむつの形態での吸収性用品の平面図である。
【
図2】
図1における線II-IIに沿って切り取られた
図1のおむつを貫く断面図である。
【
図3】
図1においてIIIで指示されているような
図1における吸収性用品の角部分を示す図である。
【
図4】着用者への適用の間における
図1の吸収性用品を示す図である。
【
図6】異なる接合パターンによる弾性係留部分および弾性自由部分を備えるバックシート配置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示の異なる態様は、添付の図面を参照して以後においてより完全に説明される。しかしながら、本明細書に開示されている実施形態は、多くの異なる形態で実現でき、本明細書において述べられている態様に限定されるとして解釈されるべきではない。
【0047】
図面が概略的であることと、材料の層などの個々の構成要素が必ずしも同一の縮尺でないこととは、理解されるものである。
【0048】
図1、
図2、
図3、および
図4を最初に参照すると、おむつの形態での吸収性用品1が示されている。
【0049】
吸収性用品1は、第1の腰縁2と、第2の腰縁4と、第1および第2の側縁6、8とを有する。
図1に示されている吸収性用品1の第1の腰縁2は後腰縁であり、吸収性用品1の第2の腰縁4は前腰縁である。第1および第2の腰縁2、4は吸収性用品1の横方向Tに延び、側縁6、8は吸収性用品1の縦方向Lに延びる。
【0050】
図1~
図4に示されている吸収性用品1は、トップシート9と、バックシート配置10とを備える。吸収性部材11がトップシート9とバックシート配置10との間に配置されている。吸収性用品1は、縦方向において、前部分3と、後部分5と、前部分3と後部分5との間に位置させられた股部分7とに分けることができる。
【0051】
第1の側方フラップ12が、吸収性用品1の横方向Tにおいて第1の側縁6から延びて配置されており、第2の側方フラップ13が、吸収性用品の横方向において第2の側縁8から延びている。第1および第2の側方フラップ12、13は、取付フラップであり、吸収性用品1を
図4に示されているようなパンツ状の構成で固定するための留め具14、15が設けられている。
【0052】
第1および第2の脚弾性部材18、19が、吸収性用品の縦方向Lにおいて、バックシート配置10の第1および第2の側縁20、21に沿って延びている。
図1~
図4に示されている吸収性用品1において、バックシート配置の側縁20、21は、吸収性用品1の側縁6、8と一致しており、バックシート配置10の端縁2、4は吸収性用品1の端縁2、4と一致している。バックシート配置の端縁および側縁が吸収性用品の端縁および側縁と一致することは、本明細書に開示されているような吸収性用品の前提条件ではない。
【0053】
第1および第2の側方フラップ12、13は、第1および第2のフラップ係留領域22、23の中でトップシート9とバックシート配置10との間に固定される内側端部分12'、13'をそれぞれ有する。第1および第2のフラップ係留領域22、23は第1の腰縁2に配置されている。各々のフラップ係留領域22、23は、フラップ係留領域22、23の内側縁25と外側縁26との間において、吸収性用品1の横方向Tに横方向延在部を有し、側方フラップ12、13の腰縁27と側方フラップ12、13の対応する脚縁28との間において、吸収性用品1の縦方向Lに縦方向延在部を有する。
図1~
図4に示されている吸収性用品1において、第1および第2の側方フラップ12、13の腰縁27は、第1の腰縁2と一致しており、つまり、吸収性用品1の後腰縁と一致している。
【0054】
バックシート配置10は、吸収性用品の側縁6、8に沿って延びる第1および第2の脚弾性係留部分30、31を備える。第1および第2の脚弾性係留部分30、31は、バックシート材料の2つの層32、33をそれぞれ備え、第1および第2の脚弾性部材18、19はバックシート材料の2つの層32、33の間に配置されている。
図1および
図3では、脚弾性係留部分30、31および脚弾性部材18、19は、横方向においてフラップ係留領域22、23の内側縁25の完全に外側に配置されて示されている。第1および第2の脚弾性部材18、19は、第1の腰縁2からある距離において途切れており、それによって、第1の脚弾性自由部分35、36が第1の腰縁2に配置されている。第1の脚弾性自由部分35、36は、バックシート材料の2つの層32、33の間に配置されており、第1および第2のフラップ係留領域22、23の領域の中において、脚弾性部材18、19の端に配置されている。
【0055】
第1および第2の脚弾性部材18、19は、引張状態において第1および第2の脚弾性係留部分30、31に取り付けられている。吸収性用品1の製作の間、脚弾性部材18、19は、脚弾性部材18、19の切断の後でも脚弾性係留部分30、31の中に接合されたままとなるように、バックシート配置10に接合されている。製作の間に脚弾性係留部分30、31の外側に延びる脚弾性部材18、19の一部分は、製作の間、接合されないまま、または弱く接合されるだけであり、吸収性用品1が製作ウェブから最終的に切断されるとき、第1の腰縁2から跳ね返ることになる。したがって、第1の脚弾性自由部分35、36は、吸収性用品1の腰縁2、4に形成される跳ね返り通路を用いて形成されている。
【0056】
引き込みの後、第1および第2の脚弾性部材18、19は、吸収性用品1の全長より小さい長さを吸収性用品1の縦方向Lにおいて有する。
【0057】
本明細書に開示されているように、脚弾性部材18、19は、バックシート配置の脚弾性係留部分30、31において遮断され、トップシート9と直接的に接触していない。したがって、脚弾性部材18、19はトップシート9に直接的に接合されない。脚弾性部材18、19の取付は、トップシート9とバックシート配置10との間の取付平面と異なる平面において行われ、弾性のない領域に設けられる接合のないかまたは実質的に接合のない跳ね返り通路が第1および第2のフラップ係留領域22、23の平面と異なる平面に配置されるため、側方フラップ12、13の取付と干渉しない。本明細書に開示されているような吸収性用品において、トップシートとバックシートとの間の跳ね返り通路の必要性が、完全に排除されている。本明細書に開示されているような吸収性用品において、バックシート配置と直接的に接触しているトップシートのすべての領域は、弱い領域が、トップシートおよびバックシート配置によって形成される積層に作り出されないように、互いに接合され得る。バックシートが、少なくとも吸収性部材の周辺の外側のすべての重なり部分において、トップシートに取り付けられることは、好ましいとされ得る。好ましくは、吸収性部材の端縁と吸収性用品の腰縁との間に接合のない領域がない。さらに、吸収性用品を付けるとき、破るための指示として作用する弱い部分を構成し得る接合のない通路がない。
【0058】
図1~
図4に示されている吸収性用品1では、脚弾性係留部分30、31は、
図2において見られるように、バックシート配置10の折り畳み縁部分によって形成される。脚弾性係留部分は、脚弾性要素がバックシート配置の2つの層の間に取り付けられる限り、本明細書に開示されているような任意の他の方法でバックシート配置10に形成されてもよい。脚弾性係留部分のある代替の構成は、
図5a~
図5jに示されているものである。
【0059】
第1および第2の側方フラップ12、13は、吸収性用品に付けるときに引っ張られ、横方向に加えられる引張力に曝されるときに落ちないことを確実にするために、トップシート9とバックシート10との間にしっかりと係留される必要がある取付フラップである。第1および第2の側方フラップ12、13は、繊維状不織材料など、技術的に知られているような任意の適切な材料から作られ得る。第1および第2の側方フラップ12、13は、少なくとも吸収性用品1の横方向において、弾性であり得る、または、弾性的に伸縮可能であり得る。第1および第2の側方フラップ12、13は、通気性とすることができ、良好な身体との一致および快適性を提供するために、好ましくは柔らかく、順応性がある。
【0060】
図1~
図4に示されている第1および第2の側方フラップ12、13には、接着剤または機械的な留め具など、任意の適切な種類のものであり得る留め具要素14、15が設けられている。機械的な留め具の一般的な種類は、面ファスナの留め具である。
図1~
図4における吸収性用品1において、留め具要素14、15は、フック式の留め具として、つまり、ループ式の不織材料など、対応するループ式の留め具と係合することができる複数の突出要素を有する留め具として、見ることができる。この場合ではバックシート配置10の外側不織層である、吸収性用品1の前部分3の外側に位置付けられる受入領域40が、
図4に示されている。代替で、留め具要素14、15は、吸収性用品1の前部分3に配置される受入領域に取り付けられるように配置される接着剤留め具テープとして見られてもよい。本明細書に開示されているように、第1および第2の側方フラップ12、13は、代替で、反対の腰縁に配置される第3および第4の側方フラップに取り付けられるように配置されてもよい。したがって、後腰縁2に配置された第1および第2の側方フラップ12、13は、前腰縁4に配置された第3および第4の側方フラップ43、44に取り付けられるように構成されてもよい。さらに、第1および第2の側方フラップ12、13は、ベルトの手法で互いに留め付けることができるような十分な大きさである横方向延在部を有し得る。面ファスナ式の留め具構成において、フック式の留め具要素が受入面に配置できる一方で、ループ式の留め具要素が第1および/または第2の側方フラップに配置されることは、理解されるものである。
【0061】
本明細書に開示されているようなバックシート配置10の提供は、トップシートとバックシートとの間の接合のない領域によって形成される跳ね返り通路を有することを回避する一方で、選択された脚の弾性を提供することを可能にする。このような接合のない跳ね返り通路は、第1および第2の側方フラップ12、13が引き伸ばされて前方へ持って行かれ、
図4に示されているように、引張の下で吸収性用品1の前部分3に留め付けられるとき、接合のない通路の延在に対して垂直に加えられる引張力を受けるときに破れることができる弱い領域を吸収性用品1に構成する。
【0062】
先の知られている吸収性用品において、接合のない跳ね返り通路が、側方フラップの留め付けとの干渉を回避するために、吸収性用品の横方向において側方フラップ係留領域のすぐ内側に配置される。先行技術の側方フラップが着用者への吸収性用品の適用の間に引き離されて引っ張られるとき、弱い非接合跳ね返り通路が引張応力に曝され、これは、吸収性用品における材料を跳ね返り通路に沿って断裂させることができる。
【0063】
図に示されているように第3および第4の側方フラップ43、44は、本明細書に開示されているような吸収性用品にとって任意選択である。第3および第4の側方フラップ43、44は、第1および第2の側方フラップ12、13と概して同じ材料から作ることができる。第3および第4の側方フラップ43、44には、留め具要素が設けられてもよく、着用者への吸収性用品の留め付けに寄与するように配置され得る。第3および第4の側方フラップ43、44が留め付けフラップではない
図1~
図4における吸収性用品1などの吸収性用品では、第3および第4の側方フラップ43、44は、横方向の引張に概して曝されることがなく、着用者の腰の周りでの吸収性用品の引っ張られる留め付けに関与する側方フラップの場合ほど吸収性用品にしっかりと係留される必要がない。したがって、第1および第2の側方フラップ12、13と同じ手法でトップシート9とバックシート配置10との間に取り付けられることの代替で、第3および第4の側方フラップ43、44は、トップシート9の外側の着用者を向く表面、または、バックシート配置10の外側の衣類を向く表面に取り付けられてもよい。
【0064】
第3および第4の側方フラップ43、44が、第1および第2の側方フラップ13、14と同じ手法でトップシート9とバックシート配置10との間に取り付けられるとき、脚弾性部材18、19は、好ましくは、吸収性用品1の後部分5と同じ手法で適用され、つまり、前腰縁4においてバックシート配置10に跳ね返り通路を配置することで弾性自由部分46、47が作り出された状態で適用される。跳ね返り通路は、脚弾性部材18、19が間に適用されているバックシート材料の2つの層32、33の間に配置されている。
【0065】
図1~
図4における吸収性用品1は、任意選択の腰弾性部材45を備えるようにさらに示されている。腰弾性部材45は、後腰縁2に位置付けられ、後腰縁2の一部だけに沿って横方向に延びる。技術的に知られているように、任意の他の種類の腰弾性体が使用されてもよい。
【0066】
吸収性部材11は、トップシート9を通過した尿または他の体液などの液体を吸収するために、トップシート9とバックシート配置10との間に配置される。吸収性部材11は、単一の層の構造であり得る、または、
図2に示されているような層とされた構造であり得る。吸収性部材11は、適切な量の超吸収性材料を含み得る。このような超吸収性材料は、吸収性用品の分野においてよく知られており、ヒドロゲルの形成において大量の流体を吸収することができる水膨潤性および水不溶性の材料によって構成される。吸収性構成要素は、吸収性高分子材料の繊維または粒子の形態で、超吸収性材料を含むことができる。例えば、超吸収性材料は、表面架橋されて部分的に中和されたポリアクリレートであり得る。例えば超吸収性の繊維または粒子などの超吸収性材料は、セルロース軟毛パルプなどの他の吸収剤または液体摂取材料と混合されてもよい、および/または、吸収性部材11におけるポケットもしくは層に配置されてもよい。
【0067】
吸収性部材11は、完全性および強度など、吸収性部材11の特性を向上させるための構成要素をさらに備え得る。例えば、吸収性部材11は、バインダ繊維などのバインダを含み得る。化学的に強化された繊維などの弾性繊維が、セルロース繊維の湿り崩壊を弱めるために、吸収性部材11に存在してもよい。このような繊維は、吸収性流体が吸収性構成要素において分布され、吸収性用品の初期の湿り領域の外側の吸収性構成要素の部分においても超吸収性材料によって吸収され得るように、吸収性構成要素において液体を運ぶ毛細管ネットワークを保つのにも有用であり得る。
【0068】
図5を参照すると、本明細書に開示されているようないずれかの吸収性用品で使用され得る異なるバックシート配置10の脚弾性体の跳ね返り部分50を貫いての断面図がいくつか示されている。跳ね返り部分は、相互連結された用品の製作ウェブからの個々の用品の切断の前、つまり、引っ張られた弾性部材18が切断され、脚弾性自由部分を作り出すために跳ね返り部分50から引き込まれる前に、本明細書に開示されているような吸収性用品の製作の間に現れるとして示されている。
図5a~
図5jのすべてにおける破線は、構造用接着剤、熱接合、または超音波接合などの構造用接合の存在を示している。構造用接合が、バックシート配置10の層および構成要素を一緒に接合するために、ならびに、トップシート、側方フリップなどの吸収性用品の他の構成要素にバックシート配置を接合するために、使用される。
図5a~
図5jにおけるバックシート配置の脚弾性係留部分は、脚弾性部材18を脚弾性係留部分に係留するために構造用接合が存在することを除いて、
図5a~
図5jに示されている跳ね返り部分50と同じ外観を有する。
【0069】
図5a~
図5jに示されているすべてのバックシート配置10は、第1のシート材料55と第2のシート材料56とを備える。バックシート配置は、吸収性用品のトップシートの方を向く内側層である第1のシート材料55と、吸収性用品のトップシートから離れる方を向く外側層である第2のシート材料56とで、本明細書に開示されているような吸収性用品に組み込まれるように意図されている。第1のシート材料55は、液体不浸透性プラスチック膜、液体障壁材料で被覆されている不織シート、または、液体の浸透に耐える能力を有するある他の柔軟な材料など、液体障壁材料であり得る。液体を通さない障壁が通気性である場合、つまり、障壁シートを通じて水蒸気の通過を許容する場合、有利であり得る。第1のシート材料55は、伸縮可能、弾性的に伸縮可能、または非弾性であり得る。第2のシート材料56は、織物もしくは織物状の外観、および/または、織物もしくは織物状の感触を有し得る外側被覆シートであり得る。第2のシート材料56は、例えばエンボス加工されて縮小された光沢膜または繊維状不織材料といったプラスチック膜材料であり得る。繊維状不織材料は、良好な織物の外観および感触と、抑えた光沢とを有し、外側カバー層として好ましいとされ得る。しかしながら、本明細書に開示されているようなバックシート配置が、シート材料における側方の折り畳みに配置される弾性要素を有する単一のシート材料から成り得ることは、理解されるものである。このようなバックシート配置は、例えば、
図5a、
図5c、および
図5dにおける第1のシート材料55を省略することで、および、
図5eおよび
図5fにおける第2のシート材料56を省略することで、達成される。
【0070】
さらに、材料の第1および第2のシートは連続したシートとして示されているが、第1および第2のシート材料の一方は、バックシート配置の反対の側縁に沿って配置される脚弾性係留部分において使用されるバックシート材料の対応する帯片を伴うバックシート材料の帯片であり得る。
【0071】
図5aに示されているバックシート配置において、弾性部材18は第2のシート材料56において縁折り畳みに配置されており、第2のシート材料56は、バックシート材料の第1の層32とバックシート材料の第2の層33との両方を形成しており、それらバックシート材料の2つの層32、33の間に脚弾性部材18が適用されている。第2のシート材料56における縁折り畳みは、第2のシート材料56の折り畳み縁部分32が第1のシート材料55と第2のシート材料56との間に位置させられるように作られる。第1のシート材料55は第2のシート材料56に取り付けられ、第1のシート材料55がバックシート配置の側縁20から横方向において短い距離だけで途切れる点において、第2のシート材料とほとんど同一の広がりであり、側縁20は、第2のシート材料56における縁折り畳みによって定められる。この手法では、第1のシート材料55は脚弾性部材18にわたって延びる。
【0072】
図5bに示されているバックシート配置において、第1のシート材料55および第2のシート材料56は折り畳まれておらず、概して同一に広がり、脚弾性部材18が間に配置されるバックシート材料の第1および第2の層32、33を形成している。
【0073】
図5cに示されているバックシート配置は、第1のシート材料55が第2のシート材料56の折り畳み縁部分にわたって横方向に若干だけ延びている点において、
図5aに示されているバックシート配置10と異なる。したがって、第1のシート材料55は弾性要素にわたって延びていない。
【0074】
図5dに示されているバックシート配置は、第2のシート材料56の折り畳み縁部分が、第1のシート材料55から離れる方を向く第2のシート材料56の側に位置させられるように、第2のシート材料56における縁折り畳みが作られている点において、
図5cに示されているバックシート配置10と異なる。
【0075】
図5eに示されているバックシート配置において、弾性部材18は第1のシート材料55において縁折り畳みに配置されており、第1のシート材料55は、バックシート材料の第1の層32とバックシート材料の第2の層33との両方を形成しており、それらバックシート材料の2つの層32、33の間に脚弾性部材18が適用されている。第1のシート材料55における縁折り畳みは、第1のシート材料55の折り畳み縁部分33が第1のシート材料55と第2のシート材料56との間に位置させられるように作られる。第2のシート材料56は第1のシート材料55に取り付けられ、第2のシート材料56がバックシート配置10の側縁20から横方向において短い距離だけで途切れる点において、第1のシート材料とほとんど同一の広がりであり、側縁20は、第1のシート材料55における縁折り畳みによって定められる。この手法では、第2のシート材料56は脚弾性部材18にわたって延びる。
【0076】
図5fに示されているバックシート配置は、第1のシート材料55の折り畳み縁部分32が、第2のシート材料56から離れる方を向く第1のシート材料55の側に位置させられるように、第1のシート材料55における縁折り畳みが作られている点において、
図5eに示されているバックシート配置10と異なる。
【0077】
図5gに示されているバックシート配置では、脚弾性部材18は、第2のシート材料56から離れる方を向く第1のシート材料55の表面において第1のシート材料55の折り畳まれていない縁部分33に沿って配置され、第2のシート材料56の折り畳み縁部分32によって覆われ、折り畳み縁部分32は、第2のシート材料56から離れる方を向く第1のシート材料55の表面へと折り畳まれている。
【0078】
図5hに示されているバックシート配置は、脚弾性部材18が、第2のシート材料56の方を向く第1のシート材料55の表面に配置されている点において、
図5gに示されているバックシート配置と異なる。
【0079】
図5iおよび
図5jに示されているバックシート配置は、
図5gおよび
図5hに示されているバックシート配置の上下逆さまの変形である。したがって、
図5iにおいて、脚弾性部材18は、第1のシート材料55から離れる方を向く第2のシート材料56の表面に配置され、第1のシート材料55の折り畳み縁部分33によって覆われている。
図5jでは、脚弾性部材18は第1のシート材料55と第2のシート材料56との間に配置されている。
【0080】
図6を参照すると、脚弾性係留部分30を形成するバックシート材料の2つの層32、33は、脚弾性係留部分30の中では第1の接合パターン60で互いに取り付けられ、脚弾性自由部分35の中では第2の接合パターン61で互いと取り付けられ得る。第1の接合パターン60は弾性係留パターンであり、第2の接合パターン61は弾性解放パターンである。
【0081】
弾性係留パターン60は、バックシート配置10において引き伸ばされた機能的な状態で、脚弾性部材18の弾性要素18a~18dにしっかりと付着するように供する。弾性解放パターン61は、バックシート材料の層32、33を脚弾性自由部分35の中で互いに結合するが、引っ張られた脚弾性体のバックシート材料の層同士の間への引き込みを禁止しない。したがって、弾性解放パターンは、切断された引き伸ばされた弾性体を脚弾性自由部分の中に跳ね返せる。
【0082】
脚弾性係留部分30および弾性解放部分35を形成するバックシート材料の2つの層32、33は、接着剤を用いて互いに取り付けられ得る。そのため、接着剤は、弾性解放パターン61の面積の中より弾性係留パターン60の面積の中で、より大きな表面被覆で、および/または、より大きな基本重量で適用される。接合は、代替で、欧州特許公開第3056176号および米国特許出願公開第2016/0058624(A1)号において立案されているような熱溶接または超音波溶接を用いてもたらされてもよい。そのため、より密な接合パターンが、弾性解放部分35ではなく脚弾性係留部分30に作り出される。弾性解放パターン61におけるまばらに分布された接合点または接着剤は、弾性要素18a~18dが切断されるとき、引っ張られた弾性要素18a~18dに作用する引き込み力に対抗するには不十分である。結果として、切断された弾性要素18b~18dが弾性解放パターン61における任意の接合から解放され、弾性要素18b~18dによって示されているように、弾性要素18aによって図示されている位置から脚弾性係留部分30に向けて跳ね返る。
【0083】
弾性係留部分30および弾性解放部分35の外側での第1のシート材料55と第2のシート材料56との間の接合は、任意の適切な接合パターンおよび接合方法で行うことができる。
【0084】
図6における弾性部材18は、4つの弾性要素18a~18dを伴う複数の紐状の弾性部材として示されている。1~30個の弾性要素、2~20個の弾性要素、または5~15個の弾性要素など、任意の適切な数の弾性要素が使用され得ることは、理解されるものである。
【符号の説明】
【0085】
1 吸収性用品
2 端縁、第1の腰縁、後腰縁
3 前部分
4 端縁、第2の腰縁、前腰縁
5 後部分
6 第1の側縁
7 股部分
8 第2の側縁
9 トップシート
10 バックシート配置
11 吸収性部材
12 第1の側方フラップ
13 第2の側方フラップ
12'、13' 内側端部分
14、15 留め具、留め具要素
18 第1の脚弾性部材
18a、18b、18c、18d 弾性要素
19 第2の脚弾性部材
20 第1の側縁
21 第2の側縁
22 第1のフラップ係留領域
23 第2のフラップ係留領域
25 内側縁
26 外側縁
27 腰縁
28 脚縁
30 第1の脚弾性係留部分
31 第2の脚弾性係留部分
32、33 バックシート材料の層、折り畳み縁部分
35、36 第1の脚弾性自由部分
40 受入領域
43 第3の側方フラップ
44 第4の側方フラップ
46、47 弾性自由部分
50 跳ね返り部分
55 第1のシート材料、内側層
56 第2のシート材料、外側層
60 第1の接合パターン、弾性係留パターン
61 第2の接合パターン、弾性解放パターン
L 縦方向
T 横方向
【国際調査報告】