(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】2相流体化粧品組成物用の調整および塗布デバイス
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20221108BHJP
A61K 8/03 20060101ALI20221108BHJP
B01F 23/41 20220101ALI20221108BHJP
B01F 25/452 20220101ALI20221108BHJP
B01F 31/24 20220101ALI20221108BHJP
B01F 101/21 20220101ALN20221108BHJP
【FI】
A45D34/00 510B
A61K8/03
B01F23/41
B01F25/452
B01F31/24
B01F101:21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515893
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2020075456
(87)【国際公開番号】W WO2021048340
(87)【国際公開日】2021-03-18
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダン・モリニエ
【テーマコード(参考)】
4C083
4G035
4G036
【Fターム(参考)】
4C083CC05
4C083DD05
4G035AB40
4G035AC26
4G035AE13
4G036AB11
(57)【要約】
本発明は、2相流体化粧品組成物を調製および塗布するためのデバイス(10)に関し、このデバイスは、主軸に沿って延び、上記の化粧品組成物を収容することができる内部容積(30)を画定する容器(12)であって、上記内部容積へのアクセスを提供するネック(26)を備える、容器(12)と、容器の内部容積に収容された、混合部材(42)とを備え、混合部材が、複数の延ばされたフィラメント(60)を含み、上記のフィラメントの各フィラメントの第1の端部(62)が、容器のネックに結合され、フィラメントは上記のネックから内部容積の高さ(34)の少なくとも50%にわたって非ゼロの距離(66)だけ2つずつ分離されており、混合部材が、容器に対して回転して固定されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2相流体化粧品組成物用のパッケージングおよび塗布デバイス(10)であって、
主軸(20、44)に沿って延び且つ前記2相流体化粧品組成物を収容することができる内部容積(30)を画定する容器(12)であって、前記主軸上に配置され且つ前記内部容積へのアクセスを提供するネック(26)を備える、容器(12)と、
前記容器の前記内部容積に収容された、混合部材(42)と、
を含み、
前記混合部材が、複数の延ばされたフィラメント(60)を含み、前記フィラメントの各フィラメントの第1の端部(62)が、前記容器の前記ネックに結合され、前記フィラメントが、前記ネックから前記内部容積の高さ(34)の少なくとも50%にわたって非ゼロの距離(66)だけ2つずつ分離されており、
前記混合部材が、前記容器に対して回転して固定され、
前記パッケージングおよび塗布デバイスが、前記容器の前記ネックに挿入される先端部(40)をさらに備え、前記混合部材の前記フィラメント(60)の各フィラメントの前記第1の端部(62)が、前記先端部と一体になっており、前記先端部が、前記容器の前記内部容積(30)へのアクセスを提供する少なくとも1つの貫通開口(56)を備えることを特徴とする、パッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項2】
複数のフィラメント(60)が、少なくとも5個のフィラメント、好ましくは6~20個のフィラメントを含む、請求項1に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項3】
各フィラメント(60)が、前記主軸(20、44)の周りに実質的にらせん状のワインディングを有する、請求項1または2に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項4】
前記混合部材が、実質的に前記主軸上に配置されたヘッド(70)をさらに含み、前記フィラメントの各々の第2の端部(64)が前記ヘッドと一体になっている、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項5】
前記フィラメントが、前記主軸の周りに包絡面(72)を画定し、前記主軸(20、44)を通る平面と前記包絡面の交差が丸い輪郭を有するようになっている、請求項4に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項6】
前記主軸に直交する平面において、前記包絡面(72)と前記容器との間の最小距離(76)が、10mm以上である、請求項5に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項7】
前記混合部材が、前記ヘッド(70)を前記容器の前記ネック(26)に結合する、実質的にまっすぐな支柱(80)をさらに含み、前記フィラメント(60)が前記支柱の周りに配置される、請求項4から6のいずれか一項に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項8】
前記主軸に直交する平面において、少なくとも1つのフィラメント(60)の断面(68)が、実質的に卵形の形状を有し、前記卵形の最大寸法が、半径方向を向いている、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項9】
前記フィラメントの前記第1の端部(62)が、1つまたは複数の貫通開口(56)の周りに配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージングおよび塗布デバイス。
【請求項10】
前記容器の内側チャンバ(30)に収容された2相流体化粧品組成物をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)。
【請求項11】
前記2相流体化粧品組成物が、水性相と、有機相と、を含み、前記水性相が、前記2相流体化粧品組成物の50質量%~99質量%を表す、請求項11に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2相流体化粧品組成物を調整および塗布するためのデバイスに関し、このデバイスは、主軸に沿って延び、上記の化粧品組成物を収容することができる内部容積を画定する容器であって、主軸上に配置され、上記の内部容積へのアクセスを提供するネックを備える容器と、容器の内部容積に収容された混合部材とを備える。
【背景技術】
【0002】
「化粧品組成物」という用語は、本発明によれば、化粧製品に関する、2009年11月30日付の欧州議会および理事会の規則(EC)第1223/2009号において規定された製品を指す。
【0003】
2相化粧品組成物を使用することが一般的であり、これらの組成物は、2つの非混和性の相、すなわち一般に水性相と、油性相とを含む。
【0004】
上記の化粧品組成物の塗布は、エマルションの形態に2つの相をあらかじめ混合することを必要とする。エマルションは、たとえば皮膚へのまたはケラチン物質への2つの相の一様な塗布を可能にするために十分な質および安定性でなければならない。
【0005】
一般に、2つの相の組成物のエマルションは、塗布の前に容器を単に振ることによって実行される。得られるエマルションは、一般に、かなりの時間をかけて振って初めて最適となり、製品の使用を面倒なものにしている。
【0006】
詳細には本出願人名の文献、特許文献1から、容器に回転混合部材を備えることがわかる。容器内部の上記の部材の回転が、組成物の混合をもたらす。
【0007】
しかしながら、そのような可動混合部材は、調整および塗布デバイスの製造ならびに使用を複雑にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0311698号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、製造および使用するのが簡単であり、さらに2相化粧品組成物を使用前に容易にエマルションにすることができるデバイスを提案することを目的に有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この趣旨で、本発明は、上述のタイプの調整および塗布デバイスを目的に有し、混合部材は、複数の延ばされたフィラメントを含み、上記のフィラメントのうちの各フィラメントの第1の端部は、容器のネックに結合され、フィラメントは、上記のネックから内部容積の高さの少なくとも50%にわたって非ゼロの距離だけ2つずつ分離され、混合部材は、容器に対して回転して固定され、調整および塗布デバイスは、容器のネックに挿入される先端部をさらに備え、混合部材のフィラメントの各フィラメントの第1の端部は、上記の先端部と一体であり、上記の先端部は、容器の内部容積へのアクセスを提供する少なくとも1つの貫通開口(through-orifice)を備える。
【0011】
本発明のさらなる有利な態様によれば、調整および塗布デバイスは、単独でまたは任意の技術的に可能な組合せで採用される以下の特徴のうちの1つまたは複数を含む。
- 複数のフィラメントは、少なくとも5個のフィラメント、好ましくは6~20個のフィラメントを含む。
- 各フィラメントは、主軸を中心とする実質的にらせん状のワインディングを有する。
- 混合部材は、実質的に主軸上に配置されたヘッドをさらに含み、フィラメントの各々の第2の端部は上記のヘッドと一体になっている。
- フィラメントは、主軸を中心とする包絡面を画定し、主軸を通る平面と上記の包絡面の交差が丸い輪郭を有するようになっている。
- 主軸に直交する平面において、包絡面と容器との間の最小距離は、10mm以上である。
- 混合部材は、ヘッドを容器のネックに結合する、実質的にまっすぐな支柱をさらに含み、フィラメントは上記の支柱の周りに配置される。
- 主軸に直交する平面において、少なくとも1つのフィラメントの断面は、実質的に卵形の形状を有し、上記の卵形の最大寸法は、半径方向を向いている。
- フィラメントの第1の端部は、1つまたは複数の貫通開口の周りに配置される。
- 調整および塗布デバイスは、容器の内部容積に収容された2相流体化粧品組成物をさらに備える。
- 2相流体化粧品組成物は、水性相と、有機相とを含み、水性相は、上記の2相流体化粧品組成物の50質量%~99質量%を表す。
【0012】
本発明は、単に非制限的な例として、図面を参照して行われる以下の説明に鑑みて、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】混合部材を備える、本発明の実施形態による調整および塗布デバイスの縦断面図である。
【
図3】
図1および
図2のデバイスの混合部材の、縦断面としての詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態による調整および塗布デバイス10の縦断面図を示す。
【0015】
デバイス10は、具体的には容器12と、カバー14と、挿入物16とを含む。
【0016】
容器12は、第1の軸20に沿って延び、具体的には、底部22と、側壁24と、ネック26とを含み、上記のネックは、上側開口部28を実現している。ネック26は、具体的には内径29を有する。
【0017】
容器12は、内部容積30を画定し、上側開口部28は、上記の内部容積に通じている。
【0018】
図示の実施形態では、容器12は、実質的に第1の軸20を中心とする回転の形状を有し、上側開口部28は、具体的には上記の第1の軸を中心としている。
【0019】
ネック26は、好ましくは、上記のネックの外壁に配置されたスレッディング(threading)など、カバー14との組立て要素31を含む。
【0020】
好ましくは容器12は、1つの部品から形成される。好ましくは容器12は、ガラスなどの透明または半透明の材料から形成される。内部容積30はしたがって、側壁24を通して見える。
【0021】
内部容積30は、好ましくは細長い形状を有する。より正確には、第1の軸20に直交する、内部容積30の最大横断寸法32は、第1の軸20に沿った内部容積30の高さ34の50%以下であることが好ましい。
【0022】
好ましい実施形態によれば、デバイス10は、容器12の内部容積30に収容された2相流体化粧品組成物をさらに備える。「流体」という用語は、組成物が液状または粘性であることを意味する。具体的には2相流体化粧品組成物は、水性相と、油性相または有機相とを含み、上記の2つの相は、非混和性である。
【0023】
好ましくは、水性相は、上記の2相流体化粧品組成物の50質量%~99質量%を表す。具体的には、水性相は、2相流体化粧品組成物の好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%を表す。特定の実施形態では、水性相は、2相流体化粧品組成物の97質量%を表し、油性相は、2相流体化粧品組成物の3質量%を表す。
【0024】
本発明による混合デバイス10は、特に、比較的低い、具体的には20mPa.s(ミリパスカル秒)以下であるそれぞれの粘度、言い換えれば比粘度(specific viscosity)を有する水性相および油性相の混合およびエマルションに適している。
【0025】
2相流体化粧品組成物の水性相および油性相の粘度は、RHEOMAT RM180粘度計を使用して、別個に測定される。測定は、測定装置を備えたスピンドルM1を使用して、周囲温度(25℃)で24時間放置した後に行われる。測定は、制御された周囲温度(25℃)で行われる。2相流体化粧品組成物の水性相および油性相の粘度は、T0=30秒、およびT10=10分の攪拌で分析された。
【0026】
好ましくは、2相流体化粧品組成物の水性相は、T0=30秒では5mPa.s(ミリパスカル秒)未満の、具体的には1mPa.s~2.5mPa.sに含まれる、具体的には1.6mPa.sに近い粘度を有し、T10=10分では4mPa.s未満の、具体的には1mPa.s~2mPa.sに含まれる、具体的には1.2mPa.sに近い粘度を有する。
【0027】
好ましくは、2相流体化粧品組成物の油性相は、T0=30秒では20mPa.s(ミリパスカル秒)未満の、具体的には6mPa.s~16mPa.sに含まれる、具体的には11mPa.sに近い粘度を有する。2相流体化粧品組成物の油性相のT10=10分の粘度は、T0=30秒のそれの粘度と実質的に同一である。
【0028】
水性相および油性相が乳化された、乳化状態の2相流体化粧品組成物の粘度は、組成物の最も粘性のある層、すなわち油性相の粘度よりも小さい粘度を有する。
【0029】
2相流体化粧品組成物は、好ましくは、2相形態をとることができるスキンケアおよび/もしくはアイケア組成物、メイクアップ落とし製品、ローションまたは他の化粧品組成物である。
【0030】
カバー14は、上側開口部28を閉じるようにして、容器12のネック26に取外し可能な方法で組立て可能である。カバー14は、たとえば実質的に円筒形状を有し、スレッディング31と協働することができるタッピング36を含む。
【0031】
挿入物16は、好ましくは、容器12の剛性よりも小さい剛性を有する材料から作られる。より正確には、挿入物16は、少なくとも曲げおよび/またはねじれにおいて弾性的に変形可能であることが好ましい。挿入物16は、たとえば、特に2相流体化粧品組成物の油性相およびそれの成分に適している、ポリケトン(PK)タイプのポリマー材料から作られる。
【0032】
挿入物16は、第2の軸44に沿って隣接する先端部40および混合部材42を含む。好ましくは、先端部40および混合部材42は、1つの部品から形成される。
【0033】
図3および
図4においても見ることができる先端部40は、リング50と、リング52と、減量ワッシャ(reducing washer)54とを含む。
【0034】
リング50は、実質的に円筒の回転形状を有し、その1つの外径は、容器12のネック26の内径29に実質的に等しい。リング52は、リング50の第1の軸方向端部の周りに半径方向の突出部を形成する。
【0035】
図1に見られるように、リング50は、第1の軸20および第2の軸44が混同されるように、容器12のネック26に挿入される。リング52は、ネック26の上側端部に対して軸方向接合部を形成する。このように容器12に組み立てられた挿入物16は、第1の軸20および第2の軸44を中心として回転して、上記の容器に対して固定される。
【0036】
リング50の第2の軸方向端部は、減量ワッシャ54に隣接している。上記のワッシャ54は、容器12の内部容積30とデバイス10の外側との間に縮小されたサイズの通路を形成することを機能に有する。
【0037】
より正確には、ワッシャ54は、上記のワッシャに形成された少なくとも1つの貫通開口56を除いて、リング50の第2の端部を閉じる。第2の軸44に直交する平面における、上記の貫通開口56の最大寸法は、好ましくはネック26の内径29の50%以下、より好ましくは25%以下である。
【0038】
図4に見られるように、図示の実施形態では、ワッシャ54は、第2の軸44を中心としてある角度で規則的に分散された3つの別個の貫通開口56を含む。
【0039】
有利には、挿入物16は、リング50のワッシャ54に設けられた1つまたは複数の貫通開口56によって、ボトルをひっくり返す間に送出される調合物の適用量を修正する(calibrate)。具体的には、ワッシャ54は、2mm2~5mm2に含まれる、好ましくは3.3mm2に近い断面を各々が有する3つの貫通開口56を備える。
【0040】
挿入物16の混合部材42は、ワッシャ54に隣接しており、容器12の内部容積30に収容される。
【0041】
混合部材42は、第2の軸44に沿って測定される高さ58にわたって内部容積30内に延びる。高さ58は、内部容積30の高さ34の好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上であり、具体的には80%に近い。
【0042】
混合部材42は、内部容積30内に延びる複数のフィラメント60を含む。上記のフィラメント60の各フィラメントの第1の端部62は、リング50と反対側で、ワッシャ54と一体になっている。図示の実施形態では、
図4に見られるように、フィラメント60の第1の端部62は、貫通開口56の周りに配置される。
【0043】
各フィラメント60は、細長い形状を有し、第1の端部62と第2の端部64との間に延びている。「細長い形状」という用語は、各フィラメント60の第1の端部62と第2の端部64との間で、フィラメント60の各断面の最大寸法が、上記の第1の端部62と第2の端部64との間の上記のフィラメントの長さの10%未満、好ましくは5%未満であることを意味する。
【0044】
フィラメント60は、混合部材42の高さ58の少なくとも一部分にわたって、非ゼロの距離だけ2つずつ分離され、上記の部分は、内部容積30の高さ34の少なくとも50%を表す。
【0045】
好ましくは、混合部材42は、少なくとも5個のフィラメント60、より好ましくは6~20個のフィラメントを含む。
【0046】
図示の実施形態では、
図2に見られるように、混合部材42は、上記の第2の軸44を中心としてある角度で規則的に分散された、12個の実質的に同一のフィラメント60を含む。2つの角度的に隣接するフィラメント60は、第1の端部62と第2の端部64との間で非ゼロの距離66だけ分離される。フィラメント60はしたがって、上記の第2の軸44を中心とする中央の空間67を囲んでいる。
【0047】
第2の軸44に直交する平面では、各フィラメント60の断面68は、好ましくは実質的に卵形の形状を有し、上記の卵形の最大寸法は、上記の第2の軸44に対して半径方向を向いている。この形態は、より好ましくは、断面68が実質的卵状の輪郭を有し、上記の輪郭の一方の最も先細になった端部が、第2の軸44の方を向いている。
【0048】
好ましくは、各フィラメント60は、第2の軸44の周りに実質的にらせん状のワインディングを有する。具体的には、各フィラメント60について、第2の端部64は、第1の端部62に対して、20°~50°に含まれる、具体的には35°に近い角度だけ第2の軸44の周りで角度的にずれている。
【0049】
図示していない実施形態によれば、フィラメントの第2の端部は固定していない。図示の実施形態では、混合部材は、実質的に第2の軸44上に配置されたヘッド70をさらに含む。フィラメント60の各々の第2の端部64は、上記のヘッド70と一体になっている。
【0050】
好ましくは、ヘッド70は、容器12の底部22の方向を向いた弾頭(ogive)の形状を有する。
【0051】
フィラメント60は、第2の軸44を中心とする回転の包絡面72を画定する。上記の包絡面72は、丸い形状を有し、第1の端部62から最大直径74まで広がり、次いで第2の端部64まで細くなる。
【0052】
好ましくは、第1の軸20に直交する平面において、包絡面72と容器の側壁24との間の最小距離76は、10mm以上である。好ましくは、上記の最小距離76は、上記の最小距離における内部容積30の横断寸法の10%以上、より好ましくは20%以上である。
【0053】
好ましくは、2つの隣接するフィラメント60間の距離66は、第1の端部62と第2の端部64との間で最大値に達し、上記の最大値は、5mm以下であり、具体的には2mmに近い。
【0054】
図示の実施形態では、混合部材42は、ワッシャ54とヘッド70との間で、中央の空間67に延びる支柱80をさらに含む。支柱80は実質的にまっすぐであり、第2の軸44に沿って配置される。図示の実施形態では、
図4に見られるように、ワッシャ54の貫通開口56は、支柱80の周りに配置される。混合部材42の中央の支柱80は、具体的には混合部材42を、特に曲げにおいて堅くすることを可能にし、混合部材42を攪拌する間、それが備える容器12の内部の中心に、混合部材42が適切にとどまるようにする。さらに、フィラメント60によって画定される中央の空間67に配置されたこの支柱80は、2相流体化粧品組成物の相のエマルションをさらに促進することを可能にする。
【0055】
図示していない代替形態によれば、混合部材42は支柱がない。上記の支柱の有無が、具体的には、混合部材の堅さを変更することを可能にする。
【0056】
好ましくは、混合部材42は、ネック26によって容器12に挿入できるように構成される。最大直径74が上記のネックの内径29よりも大きい場合、フィラメント60は、挿入の間、特に半径方向に弾性的に変形することができる。容器12は、ガラスなどの硬質材料で単一ブロックにして作ることができる。
【0057】
パッケージングおよび塗布デバイス10を使用するための方法について次に説明する。
【0058】
初期状態では、カバー14は、容器12のネック26を閉じ、内部容積30は、上記で説明したような多量の2相流体化粧品組成物を収容している。
【0059】
使用者は、容器12をつかみ、実質的に第1の軸20に沿った方向の振る動作を容器12に加える。化粧品組成物は、したがって内部容積30の内側で振られ、混合部材42のフィラメント60間で動かされる。具体的には、化粧品組成物は、上記のフィラメント60の真ん中に位置する中央の空間67の内側から外側へ連続的に移る。
【0060】
フィラメント60間の繰り返される移動は、化粧品組成物にせん断をかけ、上記の組成物の2つの相の均質な(intimate)エマルションの形成を促進する。フィラメント60によって画定される内部空間67内に設けられた支柱80は、有利には、それの均質なエマルションを促進する2相化粧品組成物の相のせん断のこの現象を補強することを可能にする。
【0061】
使用者は、容器12の側壁24を通して化粧品組成物の状態を見る。満足のいくエマルションが得られると、使用者はカバー14をねじってはずし、化粧品組成物の適用量を使用者の手に注ぐ。先端部40の貫通開口56のサイズは、注がれる適用量の制御を改善するために、組成物の流量を制限するように構成される。
【0062】
化粧品組成物の相が、ある時間使用されなかった後に、分離した場合でも、使用者は上記の組成物を使用する前に、エマルションを容易に再構成することができる。
【0063】
具体的には、上記で説明したデバイス10は、混合部材42のない容器12が見込むよりも少ない振動サイクルの後に、化粧品組成物の2つの相の均質な混合を得ることを可能にする。
【符号の説明】
【0064】
10 デバイス
12 容器
14 カバー
16 挿入物
20 第1の軸、主軸
22 底部
24 側壁
26 ネック
28 上側開口部
29 内径
30 内部容積
31 組立て要素、スレッディング
32 最大横断寸法
34 内部容積の高さ
36 タッピング
40 先端部
42 混合部材
44 第2の軸、主軸
50 リング
52 リング
54 減量ワッシャ
56 貫通開口
58 混合部材の高さ
60 フィラメント
62 第1の端部
64 第2の端部
66 非ゼロの距離
67 中央の空間、内部空間
68 断面
70 ヘッド
72 包絡面
74 最大直径
76 最小距離
80 支柱
【国際調査報告】