(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材
(51)【国際特許分類】
G02F 1/167 20190101AFI20221108BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221108BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221108BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20221108BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
G02F1/167
G09F9/00 313
G09F9/00 324
G09F9/30 365
G02B5/00 A
G02F1/1335 500
G02B5/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515943
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2020012350
(87)【国際公開番号】W WO2021054686
(87)【国際公開日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】10-2019-0115633
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0124600
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】パク,チンギョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンスク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ムソン
(72)【発明者】
【氏名】パク,チョンオク
【テーマコード(参考)】
2H042
2H291
2K101
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H042AA10
2H042AA26
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2K101AA04
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2K101EB03
2K101EJ21
5C094AA13
5C094AA15
5C094AA60
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
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5G435AA00
5G435AA18
5G435BB05
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5G435DD11
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5G435FF13
5G435FF14
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5G435HH20
5G435LL17
(57)【要約】
実施例に係る電気泳動粒子は、カーボンブラックを含み、前記電気泳動粒子は、コア部と、前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、前記コア部の表面には突起部が形成され、前記コア部は、2以下の色度指数を有し、前記コア部は、90%~99%の光吸収率を有し、前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックを含む電気泳動粒子であって、
電気泳動粒子は、コア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記コア部は、2以下の色度指数を有し、
前記コア部は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、電気泳動粒子。
【請求項2】
前記コア部の表面には溝部がさらに形成され、
前記コア部の比表面積は、200m
2/g~650m
2/gである、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項3】
前記コア部は、複数のナノカーボンブラック粒子が凝集されて形成される、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項4】
前記コア部の表面には、水酸化基またはカルボキシル基に置換される表面処理層が形成され、
前記シェル部は、前記表面処理層上にコーティングされる、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項5】
前記第1基板と、
前記第1基板の上部面上に配置される第1電極と、
前記第1基板の上部に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部および収容部を含み、
前記収容部は、分散液および前記分散液内に分散される複数の電気泳動粒子を含み、
前記電気泳動粒子は、
カーボンブラックを含むコア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記電気泳動粒子は、2以下の色度指数を有し、
前記電気泳動粒子は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、光経路制御部材。
【請求項6】
前記コア部の表面には溝部がさらに形成され、
前記コア部の比表面積は、200m
2/g~650m
2/g である、請求項5に記載の電気泳動粒子。
【請求項7】
前記コア部は、複数のナノカーボンブラック粒子が凝集されて形成される、請求項5に記載の光経路制御部材。
【請求項8】
前記収納部は、
前記電圧が印加される場合、光遮断部として駆動し、
前記電圧が印加されない場合、光透過部として駆動する、請求項5に記載の光経路制御部材 。
【請求項9】
表示パネルと、
前記表示パネルの上部または下部に配置される光路制御部材と、を含み、
前記光路制御部材は、
第1基板と、
前記第1基板の上部面上に配置される第1電極と、
前記第1基板の上部に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部および収容部を含み、
前記収容部は、分散液および前記分散液内に分散される複数の電気泳動粒子を含み、
前記電気泳動粒子は、
カーボンブラックを含むコア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記電気泳動粒子は、2以下の色度指数を有し、
前記電気泳動粒子は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、ディスプレイ装置。
【請求項10】
前記パネルは、液晶表示パネルまたは有機発光ダイオードパネルを含む、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、向上した分散安定性および駆動速度を有する電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材に関する。
【背景技術】
【0002】
遮光フィルムは、光源からの光の伝達を遮断するものであって、携帯電話、ノートパソコン、タブレットPC、車両用ナビゲーション、車両用タッチなどに使用される表示装置であるディスプレイパネルの前面に付着されて、ディスプレイが画面を送出するときの光の入射角度に応じて光の視野角を調節して、ユーザーが必要な視野角度で鮮明な画質を表現できる目的で使用されている。
【0003】
また、遮光フィルムは、車両や建物の窓などに使用されて、外部光を一部遮蔽して眩しさを防止したり、外部から内部が見えないようにするのにも使用することかできる。
【0004】
即ち、遮光フィルムは、光の移動経路を制御して、特定の方向への光は遮断し、特定の方向への光は透過させる光経路制御部材であり得る。これにより、遮光フィルムによって光の透過角度を制御して、ユーザの視野角を制御することができる。
【0005】
一方、このような遮光フィルムは、周囲環境またはユーザの環境にかかわらず常に視野角を制御できる遮光フィルムと、周辺環境またはユーザの環境に応じてユーザが視野角制御をオンオフできるスイッチャブル遮光フィルムに区分され得る。
【0006】
一方、このようなオンオフ機能を有するスイッチャブル遮光フィルムの特性を制御する様々な要因があり、一例として、遮光パターンに含まれる電気泳動粒子の光吸収率および移動速度も遮光フィルムの特性と関連する。
【0007】
即ち、電気泳動粒子の分散安全性、電気泳動粒子の移動速度に応じて、スイッチャブル遮光フィルムの駆動特性が変化し、電気泳動粒子の光吸収率に応じてスイッチャブル遮光フィルムの厚さを制御することができる。
【0008】
したがって、向上した移動速度および光吸収率を有する電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
実施例は、コアおよびシェル構造から形成される電気泳動粒子におけるコアの表面粗さを増加させて、向上した移動速度および光吸収率を有する電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施例に係る電気泳動粒子は、カーボンブラックを含み、前記電気泳動粒子は、コア部と、前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、前記コア部の表面には突起部が形成され、前記コア部は、2以下の色度指数を有し、前記コア部は、90%~99%の光吸収率を有し、前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである。
【発明の効果】
【0011】
実施例に係る電気泳動粒子は、電気泳動粒子を構成するコア部の表面に溝および突出部のうち少なくとも一つが形成され、これによりコア部の表面粗さが増加し得る。これにより、コア部の粒径サイズを減少させなくても、コア部の比表面積を増加させることができる。
【0012】
したがって、コア部の外面にコーティングされるシェル部のコーティング面積を増加させることができるので、帯電特性を向上させることができ、これにより、電気泳動粒子の移動速度を向上させることができる。
【0013】
また、電気泳動粒子のサイズを減少させる必要がないので、小さい粒径サイズを有する電気泳動粒子が電解質内に多数分布して凝集されることを防止することができる。
【0014】
また、電気泳動粒子の光反射率を減少させて、収容部の高さを減少させることができる。
【0015】
したがって、電気泳動粒子の移動速度を向上させて、電気泳動粒子が適用されるスイッチャブルデバイスの駆動特性を向上させることができ、受け部の高さを減少させて、電気泳動粒子が適用されるスイッチャブルデバイスの厚さを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例に係る電気泳動粒子の断面図を示す図である。
【
図2】実施例に係る電気泳動粒子のコアの斜視図を示す図である。
【
図3】実施例および比較例に係るカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
【
図4】実施例および比較例に係るカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
【
図5】実施例および比較例に係るカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
【
図6】実施例に係る電気泳動粒子が適用される光経路制御部材の斜視図を示す図である。
【
図7】それぞれ実施例に係る光経路制御部材の第1基板および第1電極と第2基板および第2電極の斜視図を示す図である。
【
図8】それぞれ実施例に係る光経路制御部材の第1基板および第1電極と第2基板および第2電極の斜視図を示す図である。
【
図9】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図10】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図11】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図12】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図13】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図14】実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図15】他の実施例に係る光経路制御部材の第1基板の斜視図を示す図である。
【
図16】他の実施例に係る光経路制御部材の第2基板の斜視図を示す図である。
【
図17】
図15のA-A’領域を切断した断面図であって、第1基板上に第1電極が配置された断面図を示す図である。
【
図18】
図16のB-B’領域を切断した断面図であって、第1実施例に係る第2基板上に第2電極が配置された断面図を示す図である。
【
図19】
図15のA-A’領域を切断した断面図であって、第1基板上に第1電極が配置された他の断面図を示す図である。
【
図20】
図16のB-B’領域を切断した断面図であって、第2基板上に第2電極が配置された他の断面図を示す図である。
【
図21】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図22】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図23】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図24】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図25】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図26】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図27】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図28】他の実施例に係る光経路制御部材の多様な断面図を示す図である。
【
図29】実施例に係る光経路制御部材が適用される表示装置の断面図を示す図である。
【
図30】実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置の一実施例を説明するための図である。
【
図31】実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置の一実施例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して使用することができる。
【0018】
また、本発明の実施例で使用される用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に一般的に理解される意味として解釈することができ、事前に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮して、その意味を解釈できるであろう。
【0019】
また、本発明の実施例で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は、フレーズで特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」に記載される場合、A、B、Cに結合できるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0020】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されない 。
【0021】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にある別の構成要素によって「接続」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0022】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されることが記載される場合には、上(うえ)または下(した)は、二つの構成要素が互いに直接接触される場合のみならず、一つ以上の別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。
【0023】
また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準に上方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0024】
以下、図面を参照して、実施例に係る電気泳動粒子およびこれを含む光経路制御部材について説明する。 以下で説明する光経路制御部材は、電圧の印加による電気泳動粒子の移動に応じて多様なモードで駆動するスイッチャブルな光経路制御部材に関する。
【0025】
先に、
図1および
図2を参照して、実施例に係る電気泳動粒子を説明する。
【0026】
図1を参照すると、前記電気泳動粒子は、多層構造に形成され得る。詳しくは、前記電気泳動粒子10は、コア-シェル構造に形成され得る。即ち、前記電気泳動粒子は、コア部11および前記コア部11を囲んで配置されるシェル部12を含むことができる。
【0027】
前記コア部11は、黒色の物質を含むことができる。詳しくは、前記コア部11は、光を吸収する物質を含むことができる。例えば、前記コア部11は、カーボンブラック、酸化銅、酸化亜鉛、アニリンブラック、および活性炭のうち少なくとも1つの物質を含むことができる。詳しくは、前記コア部11は、カーボンブラックを含むことができる。
【0028】
図2を参照すると、前記コア部11の表面にはパターンが形成され得る。詳しくは、前記コア部11の表面には、前記コア部11の表面粗さを増加させるための複数のパターンが形成され得る。このようなパターンは、前記コア部11の表面に形成される溝および突出部のうち少なくとも1つのパターンとして定義され得る。即ち、前記コア部11の表面は、滑らかに形成されず、溝および/または突出部によって表面が一定のラフネスを有するように形成され得る。即ち、前記コア部11の表面には複数の溝が形成されたり、複数の突出部が形成されたり、または複数の溝および複数の突出部が形成され得る。
【0029】
前記コア部11の表面に形成される溝および/または突出部は、不規則な間隔、不均一な大きさおよび形状にコア部11の表面に形成され得る。即ち、前記コア部11の表面は、前記溝および/または突出部によって凹凸形状、凹凸パターン形状などに形成され得る。
【0030】
前記コア部11の表面に形成される溝および/または突出部は、多様な方法で形成され得る。一例として、前記コア部11の表面をアルカリ溶液等による化学的エッチング方法により、前記コア部11に球状の表面形状を形成することができる。
【0031】
または、前記コア部11を製造するとき、複数のナノ粒子、一例として、複数のナノサイズのカーボンブラック粒子を凝集してコア部11を形成し、これにより前記コア部11の表面形状は、全体的に凹凸形状に形成され得る。
【0032】
前記コア部11の表面に形成される溝および/または突出部は、前記コア部11の表面粗さを増加させることができる。また、前記コア部11の表面に形成される溝および/または突出部により、前記コア部11の比表面積が増加し得る。即ち、前記コア部11の粒径を維持しながらも、前記コア部11の比表面積が増加し得る。即ち、同じサイズの粒径を有するコア部と対比して、前記コア部11は、前記パターンによって前記コア部の比表面積がより大きいことがある。
【0033】
一例として、前記コア部11の比表面積は、約200m2/g~650m2/gであり得る。詳しくは、前記コア部11の粒径は、50nm~800nmであり、このとき、前記コア部11の比表面積は、約200m2/g~650m2/gであり得る。好ましくは、前記コア部11の粒径は、200nm~300nmであり得る。
【0034】
このような比表面積の増加は、以下で説明するシェル部のコーティング面積を増加させて、電気泳動粒子の分散安全性および移動速度を向上させることができる。
【0035】
また、前記コア部11は、前記コア部の表面に形成される複数の溝および/または突出部によって前記コア部の光吸収率を増加させ、光反射率を減少させることができる。
【0036】
詳しくは、前記コア部11に形成される複数の溝および/または突出部によって前記電気泳動粒子に入射する光吸収率を増加させながら、光反射率を減少させることができる。
【0037】
また、前記コア部11は、前記コア部の表面に形成される溝および/または突出部によって前記コア部の色度指数(L*)を向上させることができる。
【0038】
一方、前記コア部11の表面は、表面処理工程によって前記コア部11の表面を改質することができる。詳しくは、前記コア部11は、シェルコーティングを行う前に表面が改質されてコア11aおよび表面処理層11bに区分され得る。
【0039】
詳しくは、前記コア部11の外面には、前述したシェル部12が形成される。即ち、前記コア部11の外面には、前記シェル部12を構成する高分子物質がコーティングされ得る。詳しくは、前記シェル部12は、シランコーティングを通じて形成され得、前記コア部11の表面は、シランカップリング剤と反応性が容易な水酸化基(-OH)またはカルボキシル基(-COOH)に置換され得る。
【0040】
これにより、前記コア部11の表面は、水酸化基(-OH)またはカルボキシル基(-COOH)に置換されて改質され、前記コア部11の表面にシランコーティングを通じて前記シェル部12を形成することができる。
【0041】
前記コア部11は、多様な方法によって表面が改質され得る。例えば、前記カーボンブラックを含む前記コア部11を酢酸などの酸性溶液に入れて、酸性溶液とコア部の表面が反応することにより、前記コア部11の表面を水酸化器(-OH)に置換することができる。
【0042】
あるいは、前記水酸化基(-OH)に表面が置換された前記コア部11を少なくとも6個の炭素鎖を有する酸性溶液、一例として、オレイン酸に入れ、前記コア部と前記オレイン酸のエステル化反応により前記コア部11の表面をカルボキシル基(-COOH)に置換することができる。
【0043】
前記シェル部12は、前記コア部11の表面にコーティングされて、前記電気泳動粒子に表面電荷を付与することができる。
【0044】
詳しくは、表面が水酸化基またはカルボキシル基に置換されたコア部の表面にシランカップリング剤をコーティングし、シランと水酸化基またはシランとカルボキシル基との反応により、前記コア部11の表面に前記シェル部12がコーティングされ得る。
【0045】
これにより、前記電気泳動粒子は、分散液内で分散安定性を有することができ、表面電荷によって電圧が印加されるとき、分散液内で特定の極性方向に移動することができる。
【0046】
前記シェル部分が形成される前記シランコーティングは、前記コア部11の比表面積と関連することがある。即ち、前記コア部11の比表面積が大きくなるほど、これに比例して前記シランがコーティングできる面積が大きくなり得る。
【0047】
これにより、実施例に係る電気泳動粒子は、前記コア部11の比表面積を増加させ、これにより、前記コア部11の表面にコーティングされるシェル部12のコーティング面積を増加させることができる。したがって、前記コア部11の表面にコーティングされるシェル部12の面積を増加させて、シェル部による分散性および表面電荷特性を増加させることができる。
【0048】
以下、実施例および比較例に係る電気泳動粒子を通じて本発明をより詳しく説明する。このような実施例は、本発明をより詳しく説明するために例示として提示したものにすぎない。したがって、本発明は、このような実施例に限定されない。
【0049】
実施例1
【0050】
カーボンブラック粒子をアルカリ溶液を用いてカーボンブラック粒子の表面をエッチングした。
【0051】
図3は、化学的エッチング方法により表面がエッチングされたカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【0052】
次に、前記カーボンブラック粒子の比表面積を測定した後、前記カーボンブラック粒子の表面を改質した。詳しくは、前記カーボンブラック粒子を酢酸などの酸性溶液と反応させて、前記カーボンブラック粒子の表面を水酸化基(-OH)に置換した。
【0053】
次いで、前記カーボンブラック粒子をシランカップリング剤と反応させて、前記カーボンブラック粒子の表面に電荷コーティング層を形成して電気泳動粒子を製造した。
【0054】
次に、可視光領域の波長帯で前記電気泳動粒子の光吸収率、光反射率、色度指数(L*)、光学密度を測定した。
【0055】
実施例2
【0056】
複数のナノカーボンブラック粒子を凝集してカーボンブラックを形成した。
【0057】
図4は、ナノカーボンブラック粒子を凝集して形成したカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【0058】
次いで、前記カーボンブラック粒子の比表面積を測定した後、実施例1と同様にカーボンブラック粒子の表面を改質した後、カーボンブラック粒子の表面に電荷コーティング層を形成して電気泳動粒子を製造した。
【0059】
次に、可視光領域の波長帯で前記電気泳動粒子の光吸収率、光反射率、色度指数(L*)、光学密度を測定した。
【0060】
比較例1
【0061】
表面にパターンが形成されない球状のカーボンブラック粒子を用意した。
【0062】
図5は、表面パターンが形成されない球状のカーボンブラック粒子の走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【0063】
次いで、前記カーボンブラック粒子の比表面積を測定した後、実施例1と同様にカーボンブラック粒子の表面を改質した後、カーボンブラック粒子の表面に電荷コーティング層を形成して電気泳動粒子を製造した。
【0064】
次に、可視光領域の波長帯で前記電気泳動粒子の光吸収率、光反射率、色度指数(L*)、光学密度を測定した。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
表4を参照すると、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子のカーボンブラック粒子の比表面積は、比較例1に係る電気泳動粒子のカーボンブラック粒子の比表面積よりもさらに大きいことが分かる。
【0071】
これにより、前述したように、コアを構成するカーボンブラック粒子の比表面積が増加して、前記カーボンブラック粒子の外面にコーティングされる電荷コーティング層のコーティング面積が増加することが分かる。
【0072】
したがって、電気泳動粒子が分散液内での電荷による分散性および分散液内における移動速度が向上することが分かる。
【0073】
また、表1および表2を参照すると、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、比較例1に係る電気泳動粒子に比べて光反射率が小さく光吸収率が大きいことが分かる。
【0074】
即ち、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、400nm~700nmの可視光波長領域で90%以上、即ち、90%~99%の光吸収率を有し、10%以下の光反射率を有することが分かる。
【0075】
また、表3を参照すると、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、比較例に係る電気泳動粒子に比べて色度指数(L)値が小さいことが分かる。即ち、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、比較例に係る電気泳動粒子に比べて黒色に近いことが分かる。即ち、実施例に係る電気泳動粒子は、2以下の色度指数を有することが分かる。詳しくは、 より詳しくは、前記電気泳動粒子は、0~2の色度指数を有することが分かる。
【0076】
また、表5を参照すると、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、比較例1に係る電気泳動粒子に比べて光学密度が大きいことが分かる。
【0077】
したがって、光吸収率が増加して光反射率が減少するので、分散液内に添加される電気泳動粒子の量を減少させながらも同様の遮光効果を実現することができる。
【0078】
これにより、電気泳動粒子が分散液内で凝集される現象を防止することができるので、分散安定性を向上させることができ、移動速度を増加させて、電気泳動粒子が適用されるディスプレイ装置の駆動速度を向上させることができる。
【0079】
また、実施例1および実施例2に係る電気泳動粒子は、光学密度および色度指数が向上することに伴い、より少ない量の電気泳動粒子のみが要求されるので、電気泳動粒子が適用される光経路制御部材の光変換部の厚さを減少させて、光経路制御部材の全体的な厚さを減少させることができる。
【0080】
以下、
図6~
図14を参照して、前述した電気泳動粒子を含むスイッチャブルデバイスについて説明する。
【0081】
図6~
図8を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、第1基板110と、第2基板120と、第1電極210と、第2電極220と、光変換部300とを含むことができる。
【0082】
前記第1基板110は、前記第1電極210を支持することができる。前記第1基板110は、リジッドまたはフレキシブルであり得る。
【0083】
また、前記第1基板110は、透明であり得る。例えば、前記第1基板110は、光を透過できる透明基板を含むことができる。
【0084】
前記第1基板110は、ガラス、プラスチック、または延性の高分子フィルムを含むことができる。例えば、延性の高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリカーボネート(Polycabonate、PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer、ABS)、ポリメチルメタアクリルレート(Polymethyl Methacrylate、PMMA)、 ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate、PEN), ポリエーテルスルホン(Polyether Sulfone、PES)、環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Copolymer、COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide、PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene、PS)のいずれか一つからなることがあり、これは一例にすぎず、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0085】
また、前記第1基板110は、柔軟な特性を有するフレキシブル基板であり得る。
【0086】
さらに、前記第1基板110は、カーブド(curved)またはベンデッド(bended)基板であり得る。即ち、前記第1基板110を含む光経路制御部材もフレキシブル、カーブドまたはベンデッド特性を有するように形成され得る。これにより、実施例に係る光経路制御部材は、多様なデザインに変更が可能である。
【0087】
前記第1基板110は、約1mm以下の厚さを有することができる。
【0088】
前記第1電極210は、前記第1基板110の一面上に配置され得る。詳しくは、前記第1電極210は、前記第1基板110の上面上に配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記第1基板110と前記第2基板120との間に配置され得る。
【0089】
前記第1電極210は、透明な伝導性物質を含むことができる。例えば、前記第1電極210は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物(copper oxide)、錫酸化物(tin oxide)、亜鉛酸化物(zinc oxide)、チタン酸化物(titanium oxide) などの金属酸化物を含むことができる。
【0090】
前記第1電極210は、フィルム状に前記第1基板110上に配置され得る。また、前記第1電極210の光透過率は、約80%以上であり得る。
【0091】
前記第1電極210は、約10nm~約50nmの厚さを有することができる。
【0092】
あるいは、前記第1電極210は、低抵抗を実現するために多様な金属を含むことができる。例えば、前記第1電極210は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタチウム(Ti)およびこれらの合金のうち少なくとも1つの金属を含むことができる。
【0093】
あるいは、前記第1電極210は、複数の伝導性パターンを含むことができる。例えば、前記第1電極210は、互いに交差する複数のメッシュ線および前記メッシュ線によって形成される複数のメッシュ開口部を含むことができる。
【0094】
これにより、前記第1電極210が金属を含んでも、外部から前記第1電極が視認されず、視認性が向上し得る。また、前記開口部によって光透過率が増加して、実施例に係る光経路制御部材の輝度が向上し得る。
【0095】
前記第2基板120は、前記第1基板110上に配置され得る。詳しくは、前記第2基板120は、前記第1基板110上の前記第1電極210上に配置され得る。
【0096】
前記第2基板120は、光を透過することができる物質を含むことができる。前記第2基板120は、透明な物質を含むことができる。前記第2基板120は、前述した前記第1基板110と同一または類似の物質を含むことができる。
【0097】
例えば、前記第2基板120は、ガラス、プラスチックまたは延性の高分子フィルムを含むことができる。例えば、延性の高分子フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリカーボネート(Polycabonate、PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer、ABS)、ポリメチルメタアクリルレート(Polymethyl Methacrylate、PMMA)、 ポリエチレンナフタレート(Polyethylene Naphthalate、PEN), ポリエーテルスルホン(Polyether Sulfone、PES)、環状オレフィンポリマー(Cyclic Olefin Copolymer、COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide、PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene、PS)のいずれか一つからなることがあり、これは一例にすぎず、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0098】
また、前記第2基板120は、柔軟な特性を有するフレキシブル基板であり得る。
【0099】
さらに、前記第2基板120は、カーブド(curved)またはベンデッド(bended)基板であり得る。即ち、前記第2基板120を含む光経路制御部材もフレキシブル、カーブドまたはベンデッド特性を有するように形成され得る。これにより、実施例に係る光経路制御部材は、多様なデザインに変更が可能である。
【0100】
前記第2基板120は、約1mm以下の厚さを有することができる。
【0101】
前記第2電極220は、前記第2基板120の一面上に配置され得る。詳しくは、前記第2電極220は、前記第2基板120の下部面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第2基板120が前記第1基板110と対向する面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第1基板110上の前記第1電極210と対向して配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第1電極210と前記第2基板120との間に配置され得る。
【0102】
前記第2電極220は、透明な伝導性物質を含むことができる。例えば、前記第2電極220は、インジウム錫酸化物(indium tin oxide)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide)、銅酸化物(copper oxide)、錫酸化物(tin oxide)、亜鉛酸化物(zinc oxide)、チタン酸化物(titanium oxide)などの金属酸化物を含むことができる。
【0103】
前記第2電極220は、フィルム状に前記第1基板110上に配置され得る。また、前記第2電極220の光透過率は、約80%以上であり得る。
【0104】
前記第2電極220は、約10nm~約50nmの厚さを有することができる。
【0105】
あるいは、前記第2電極220は、低抵抗を実現するために多様な金属を含むことができる。例えば、前記第1電極120は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、金(Au)、チタチウム(Ti)およびこれらの合金のうち少なくとも1つの金属を含むことができる。
【0106】
あるいは、前記第2電極220は、複数の伝導性パターンを含むことができる。例えば、前記第2電極220は、互いに交差する複数のメッシュ線および前記メッシュ線によって形成される複数のメッシュ開口部を含むことができる。
【0107】
これにより、前記第2電極220が金属を含んでも、外部から前記第2電極が視認されず、視認性が向上し得る。また、前記開口部によって光透過率が増加して、実施例に係る光経路制御部材の輝度が向上し得る。
【0108】
前記光変換部300は、前記第1基板110と前記第2基板120との間に配置され得る。詳しくは、前記光変換部300は、前記第1電極210と前記第2電極220との間に配置され得る。
【0109】
図9~
図14を参照すると、前記光変換部300は、隔壁部310と収容部320とを含むことができる。
【0110】
前記隔壁部310は、前記複数の収容部320を区画する隔壁領域と定義され得、前記収容部320は、電圧の印加に応じて光遮断部および光透過部に可変する領域と定義され得る。
【0111】
前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに異なる幅に配置され得る。例えば、前記隔壁部310の幅は、前記収容部320の幅より大きいことがある。
【0112】
前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。詳しくは、前記隔壁部310と前記収容部320は、互いに交互に配置され得る。即ち、それぞれの隔壁部310は、互いに隣接する前記収容部320の間に配置され、それぞれの収容部320は、互いに隣接する前記隔壁部310の間に配置され得る。
【0113】
前記隔壁部310は、透明な物質を含むことができる。前記隔壁部310は、光を透過できる物質を含むことができる。
【0114】
前記隔壁部310は、樹脂物質を含むことができる。例えば、前記隔壁部310は、光硬化性樹脂物質を含むことができる。一例として、前記隔壁部310は、UV樹脂または透明なフォトレジスト樹脂を含むことができる。あるいは、前記隔壁部310は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂などを含むことができる。
【0115】
前記隔壁部310は、前記第1基板110または前記第2基板120のうちいずれか一つの基板に入射する光を他の基板方向に透過させることができる。
【0116】
例えば、
図9~
図14においては、前記第1基板110の下部方向から光が出射して、前記第1基板110に光が入射することができる。前記隔壁部310は、前記光を透過し、透過した光は、前記第2基板120方向に移動することができる。
【0117】
前記収容部320は、分散液320aおよび前述した電気泳動粒子10を含むことができる。詳しくは、前記収容部320には分散液320aが充填され、前記分散液320a内には複数の電気泳動粒子10が分散され得る。
【0118】
前記分散液320aは、前記電気泳動粒子10を分散させる物質であり得る。前記分散液320aは、透明な物質を含むことができる。前記分散液320aは、非極性溶媒を含むことができる。また、前記分散液320aは、光を透過できる物質を含むことができる。例えば、前記分散液320aは、ハロカーボン系オイル、パラフィン系オイルおよびイソプロピルアルコールのうち少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0119】
前記電気泳動粒子10は、前記分散液320a内に分散して配置され得る。詳しくは、前記複数の電気泳動粒子10は、前記分散液320a内で互いに離隔して配置され得る。
【0120】
前記電気泳動粒子10は、約50nm~約800nmの粒径に形成され得る。好ましくは、電気泳動粒子10は、約200nmから約300nmの粒径に形成され得る。前記電気泳動粒子10の粒径が約50nm未満の場合、前記電気泳動粒子10が凝集されて分散安全性が低下することがあり、前記電気泳動粒子10の粒径が約800nmを超える場合、前記電気泳動粒子の質量増加により、分散液内で移動速度が減少することがある。
【0121】
一方、前述したように、前記電気泳動粒子10は、コア部の比表面積を増加させ、コア部にコーティングされる高分子電荷コーティング層のコーティング面積を増加させて、電気泳動粒子10の粒径を維持しながらも、分散安全性および移動速度の増加を実現することができる。
【0122】
詳しくは、前記光経路部材の駆動速度は、下記数式1と定義され、前記分散液内における電気泳動粒子の移動速度は、下記数式2と定義され得る。
【0123】
【0124】
【0125】
数式1および数式2を参照すると、前記光経路制御部材の駆動速度は、前記電気泳動粒子の移動速度が大きくなるほど向上し、前記電気泳動粒子の移動速度は、表面電荷量に比例することが分かる。
【0126】
即ち、前記電気泳動粒子は、コアの比表面積増加により表面電荷量と関係する高分子電荷コーティング層のコーティング面積を増加させて、電気泳動粒子の表面電荷量を増加させることができる。
【0127】
これにより、電気泳動粒子の移動速度が増加し、前記電気泳動粒子が適用される光経路制御部材の駆動速度も短縮させることができる。
【0128】
前記受容部320は、前記電気泳動粒子10によって光透過率が変化することができる。詳しくは、前記受容部320は、前記電気泳動粒子10によって光透過率が変化して、光遮断部および光透過部に変化することができる。
【0129】
例えば、実施例に係る光経路部材は、前記第1電極210および前記第2電極220に印加される電圧によって第1モードから第2モードまたは第2モードから第1モードに変化することができる。
【0130】
詳しくは、実施例に係る光経路制御部材は、第1モードにおいては、前記収容部320が光遮断部となり、前記収容部320によって特定角度の光が遮断され得る。即ち、外部から眺めるユーザの視野角が狭くなることがある。
【0131】
また、実施例に係る光経路制御部材は、第2モードにおいては、前記収容部320が光透過部となり、実施例に係る光経路制御部材は、前記隔壁部310および前記収容部320ですべて光が透過することがある。即ち、外部から眺めるユーザの視野角が広くなることがある。
【0132】
前記第1モードから第2モードへの切り替え、即ち、前記受容部320が光遮断部から光透過部に変換されることは、前記収容部320の電気泳動粒子10の移動によって実現され得る。
【0133】
詳しくは、前記受容部320は、前記第1電極210および前記第2電極220と電気的に連結され得る。
【0134】
このとき、外部から光経路制御部材に電圧が印加されない場合、前記収容部320の前記電気泳動粒子10は、前記分散液320a内に均一に分散され、これにより、前記収容部は、前記電気泳動粒子10によって光が遮断され得る。これにより、前記第1モードにおいては、前記収容部320は、遮光部として駆動され得る。
【0135】
あるいは、外部から光経路制御部材に電圧が印加される場合、前記電気泳動粒子10が移動され得る。例えば、前記第1電極210および前記第2電極220を通じて伝達される電圧によって、前記電気泳動粒子10が前記受容部320の一端または他端方向に移動され得る。即ち、前記電気泳動粒子10は、前記第1電極または前記第2電極方向に移動され得る。
【0136】
詳しくは、第1電極210および/または第2電極220に電圧を印加する場合、前記第1電極210および前記第2電極220の間で電界(Eletric Field)が形成され、帯電した状態の電気泳動粒子10は、分散液320aを媒質として第1電極210および前記第2電極220のうち(+)極の電極方向に移動され得る。
【0137】
即ち、前記第1電極210および/または第2電極220に電圧が印加されない場合、
図10、
図12および
図14に示すように、前記電気泳動粒子10は、前記分散液320a内に均一に分散されて、前記収容部320は、光遮断部として駆動され得る。
【0138】
また、前記第1電極210および/または第2電極220に電圧が印加される場合、
図9、
図11および
図13に示すように、前記電気泳動粒子10は、前記分散液320a内で第1電極210方向に移動され得る、即ち、前記光吸収粒子320bが一方向に移動され、前記受容部320は、光透過部として駆動され得る。
【0139】
これにより、実施例に係る光経路制御部材は、ユーザの周辺環境などに応じて2つのモードで駆動され得る。即ち、ユーザが特定の視野度のみでの光透過を望む場合、前記収容部を光遮断部として駆動し、または、ユーザが広い視野角および高い輝度を要求する環境では、電圧を印加して前記収容部を光透過部として駆動することができる。
【0140】
したがって、実施例に係る光経路制御部材は、ユーザの要求に応じて2つのモードで実現可能であるので、ユーザの環境などに応じて拘束されず、光経路部材を適用することができる。
【0141】
一方、前記受容部320は、多様な形状に形成され得る。
【0142】
あるいは、
図9および
図10を参照すると、前記収容部320は、前記収容部320の一端から他端に延びて前記収容部320の幅が変化することがある。
【0143】
例えば、
図9および
図10を参照すると、前記受容部320は、台形状に形成され得る。詳しくは、前記収容部320は、前記第1電極210から前記第2電極220方向に延びて前記収容部320の幅が広くなるように形成され得る。
【0144】
即ち、前記収容部320の幅は、ユーザの視野面からその反対面方向に延びて幅が狭くなることがある。また、前記光透過部に電圧が印加される場合、前記収容部320の光吸収粒子は、前記収容部の幅が狭くなる方向に移動され得る。
【0145】
即ち、前記受容部320の幅は、光が入射する光入射部から光が出射する光出射部方向に延びて幅が広くなることがある。
【0146】
これにより、前記光吸収粒子は、前記視野面ではなく視野面の反対面方向に移動するので、視野面方向に出射する光の遮断を防止することができて、光経路部材の輝度を向上させることができる。
【0147】
また、前記光吸収粒子が幅の広い領域から狭い領域方向に移動されるので、光吸収粒子が容易に移動され得る。
【0148】
また、前記光吸収粒子が前記収容部の狭い領域に移動するので、ユーザの視野面方向に透過する光量を増加させて、正面輝度を向上させることができる。
【0149】
あるいは、これに反して、前記収容部320は、前記第1電極210から前記第2電極220方向に延びて前記収容部320の幅が狭くなるように形成され得る。
【0150】
即ち、前記収容部320の幅は、ユーザの視野面からその反対面方向に延びながら幅が広くなることがある。また、前記光透過部に電圧が印加される場合、前記収容部320の光吸収粒子は、前記収容部の幅が広がる方向に移動され得る。
【0151】
即ち、前記受容部320の幅は、光が入射する光入射部から光が出射する光出射部方向に延びて幅が狭くなることがある。
【0152】
これにより、前記光吸収粒子が移動する受容部の一面と第1電極との接触領域が増加して、光吸収粒子の移動速度、即ち、駆動速度を増加させることができる。
【0153】
一方、前記受容部320は、前記第1電極210または前記第2電極220と離隔して配置され得る。即ち、前記受容部320は、前記第1電極210および前記第2電極220のいずれか一つの電極とのみ接触して配置され得る。
【0154】
例えば、
図11および
図12を参照すると、前記受容部320は、前記第1電極210とは離隔することがある。
【0155】
前記収容部320と前記第2電極220が互いに離隔される領域には、前記隔壁部310と同一または類似の物質が配置され得る。
【0156】
また、前記収容部320は、一定の傾斜角度θを有して配置され得る。詳しくは、
図13および
図14を参照すると、前記受容部320は、前記第1電極210に対して0°超~90°未満の傾斜角度θを有して配置され得る。即ち、前記受容部320は、前記第1電極210の一面に対して0°超~90°未満の傾斜角度θを有し、前記第1電極210の上部方向に延びることができる。
【0157】
これにより、前記光経路部材が表示パネルとともに使用されるとき、表示パネルのパターンと光経路部材の収容部320との重なり現象によるモアレを防止して、ユーザの視認性を向上させることができる。
【0158】
詳しくは、前記表示パネルの場合、一方向に延びる画素パターンを含むことができる。これにより、前記画素パターンと光経路部材の収容部320のパターンが重なってモアレ現象を防止することができるが、前記収容部パターンを一定の角度で傾斜して配置することにより、このようなモアレ現象を防止することができる。
【0159】
即ち、前記受容部パターンと前記画素パターンは、互いに交差して配置され得、このとき、前記受容部パターンと前記画素パターンは、0°超~90°未満の角度で交差して配置され得る。
【0160】
以下、実施例および比較例に係る電気泳動粒子が適用される光経路制御部材を通じて本発明をより詳しく説明する。このような実施例は、本発明をより詳しく説明するために例示として提示したものにすぎない。したがって、本発明がこのような実施例に限定されるものではない。
【0161】
実施例3
【0162】
第1基板上に第1電極を形成し、第2基板の下部に第2電極を形成した後、第1、2の電極の間に隔壁部によって区画される複数の受け部を形成して光経路制御部材を形成した。
【0163】
このとき、前記受容部は、パラフィン系オイルおよびパラフィン系オイルに分散される実施例1の電気泳動粒子を含んでいた。
【0164】
次いて、光経路制御部材に直流5V電圧を印加し、収容部の透過率が可変する現象を観察した。
【0165】
実施例4
【0166】
収容部に実施例2の電気泳動粒子を分散したことを除き、実施例3と同様に光経路制御部材を形成した後、収容部の透過率が可変する現象を観察した。
【0167】
比較例2
【0168】
収容部に比較例1の電気泳動粒子を分散したことを除き、実施例3と同様に光経路制御部材を形成した後、収容部の透過率が可変する現象を観察した。
【0169】
【0170】
表6を参照すると、実施例3および実施例4の光経路制御部材は、比較例2の光経路制御材に比べて、駆動速度が速く、透過率可変率が向上することが分かる。
【0171】
即ち、実施例3および実施例4の光経路制御部材は、比表面積が改善された電気泳動粒子を含むことにより、電気泳動粒子の吸収率向上および反射率減少により透過率の可変率が増加できることが分かる。
【0172】
また、実施例3および実施例4の光経路制御部材は、比表面積が改善された電気泳動粒子を含むことにより、電気泳動粒子の移動速度を向上させて、光経路制御部材の駆動速度を向上させることができることが分かる。
【0173】
以下、
図15~
図28を参照して、他の実施例に係る光経路制御部材について説明する。他の実施例に係る光経路制御部材の説明においては、前述した実施例と同一の内容については説明を省略し、同一の構成については同一の図面符号を付与する。また、他の実施例に係る光経路制御部材は、前述した実施例に係る光経路制御部材と結合することができる。
【0174】
他の実施例に係る光経路制御部材は、基板に複数のパターンが形成され得る。
【0175】
図15を参照すると、前記第1基板110には複数のパターンが形成され得る。詳しくは、前記第1基板110のある一面上には複数の第1突出パターンP1が形成され得る。
【0176】
前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110と同じ物質を含むことができる。前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110と一体に形成され得る。
【0177】
前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110上で一方向に延びて配置され得る。
図2を参照すると、前記第1突出パターンP1は、矢印方向に前記第1基板110の短幅方向に延びて配置され得る。
【0178】
前記第1基板110上には、前記第1突出パターンP1が配置される第1領域1Aと、前記第1突出パターンP1が配置されない第2領域2Aとを含むことができる。詳しくは、前記第1突出パターンP1は、後述する前記光変換部300の収容部と重なる領域にのみ配置され得る。即ち、前記第1領域1Aは、前記収容部が配置される領域と重なり、前記第2領域は、前記光変換部300の隔壁部と配置される領域と重なり得る。
【0179】
また、
図16を参照すると、前記第2基板120には複数のパターンが形成され得る。詳しくは、前記第2基板120のある一面上には複数の第2突出パターンP2が形成され得る。
【0180】
前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120と同じ物質を含むことができる。前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120と一体に形成され得る。
【0181】
前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120上で一方向に延びて配置され得る。
図3を参照すると、前記第2突出パターンP2は、矢印方向に前記第2基板120の長幅方向に延びて配置され得る。即ち、前記第1突出パターンP1と前記第2突出パターンP2は、互いに異なる方向に延びて配置され得る。
【0182】
前記第2基板120上には、前記第2突出パターンP2が配置される前記第3領域3Aと、前記第2突出パターンP2が配置されない前記第4領域4Aとを含むことができる。詳しくは、前記第2突出パターンP2は、後述する前記光変換部300の収容部と重なる領域にのみ配置され得る。即ち、前記第3領域3Aは、前記収容部が配置される領域と重なり、前記第4領域は、前記光変換部300の隔壁部と配置される領域と重なり得る。
【0183】
即ち、前記第1基板110の前記第1領域1Aおよび前記第2基板120の前記第3領域3Aは、互いに重なり、前記第1基板110の前記第2領域2Aおよび前記第2基板120の前記第4領域4Aは、互いに重なり得る。
【0184】
図17を参照すると、前記第1電極210は、前記第1突出パターンP1と同一面上に配置され得る。即ち、前記第1電極210および前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の同一面上に配置され得る。
【0185】
詳しくは、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の前記第1領域上に配置され、前記第1電極210は、前記第1基板110の前記第2領域上に配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記光変換部300の前記受容部と重なる領域上に配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記第1基板の一面上で複数のパターン電極として配置され得る。
【0186】
また、
図18を参照すると、前記第2電極220は、前記第2突出パターンP2と同一面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220および前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の同一面上に配置され得る。
【0187】
詳しくは、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の前記第3領域上に配置され、前記第2電極220は、前記第2基板120の前記第4領域上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記光変換部300の前記受容部と重なる領域上に配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第2基板の一面上で複数のパターン電極として配置され得る。
【0188】
あるいは、
図19を参照すると、前記第1基板110の一面上には第1電極210が配置され得る。
【0189】
前記第1電極210は、前記第1突出パターンP1と互いに異なる面上に配置され得る。即ち、前記第1電極210および前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110と反対となる面上にそれぞれ配置され得る。
【0190】
詳しくは、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の一面上に配置され、前記第1電極210は、前記第1基板110の一面と反対となる他面上に配置され得る。
【0191】
また、前記第1電極210は、前記第1基板110の他面で面電極として配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記第1基板110の他面上で前記第1基板110の前記第1、2領域上にすべて配置され得る。
【0192】
これにより、前記第1電極210を別にパターニングする工程を省略することができる。
【0193】
また、
図20を参照すると、前記第2基板120の一面上には前記第2電極220が配置され得る。
【0194】
前記第2電極220は、前記第2突出パターンP2と互いに異なる面上に配置され得る。即ち、前記第2電極220および前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120と反対となる面上にそれぞれ配置され得る。
【0195】
詳しくは、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の一面上に配置され、前記第2電極220は、前記第2基板120の一面と反対となる他面上に配置され得る。
【0196】
また、前記第2電極220は、前記第2基板120の他面で面電極として配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記第2基板120の他面上で前記第2基板120の前記第3、4領域上にすべて配置され得る。
【0197】
これにより、前記第2電極220を別にパターニングする工程を省略することができる。
【0198】
前記第1基板110および前記第2基板120には、それぞれ前述した前記第1突出パターンP1と第2突出パターンP2とを含むことができる。
【0199】
図21~
図28を参照すると、前記パターンは、前記第1基板110、前記第2基板120および前記光変換部300などとの関係において多様な位置に配置され得る。
【0200】
図21および
図22を参照すると、前記第1突出パターンP1および前記第2突出パターンP2は、互いに対向して配置され得る。即ち、前記第1突出パターンP1は、前記光変換部300と前記第1基板110との間に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記光変換部300と前記第2基板120との間に配置され得る。
【0201】
前記第1基板110上には、前記第1電極210および前記第1突出パターンP1が配置され得る。前記第1電極210は、前記第1突出パターンP1の間に配置され、前記第1突出パターンP1は、前記第1電極210の間に配置され得る。
【0202】
前記第1突出パターンP1は、前記隔壁部310と重なる領域に配置され得る。また、前記第1電極210は、前記収容部320と重なる領域に配置され得る。
【0203】
前記第1電極210は、前記受容部と重なる領域上に配置され、前記受容部に電圧を印加することができる。
【0204】
前記第1突出パターンP1は、前記隔壁部310方向に移動する光を集光することができる。詳しくは、前記第1基板110の下部方向から出射して、前記光変換部300方向に入射することができる。前記第1突出パターンP1は、前記光変換部に移動する光を集光して光の直進性を高める役割をすることができる。即ち、前記第1突出パターンは、バックライトモジュールの第1プリズム基板の役割と同じ役割をすることができる。
【0205】
前記第2基板120上には、前記第2電極220および前記第2突出パターンP2が配置され得る。前記第2電極220は、前記第2突出パターンP2の間に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2電極220の間に配置され得る。
【0206】
前記第2突出パターンP2は、前記隔壁部310と重なる領域に配置され得る。また、前記第2電極220は、前記収容部320と重なる領域に配置され得る。
【0207】
前記第2電極220は、前記受容部と重なる領域上に配置され、前記受容部に電圧を印加することができる。
【0208】
前記第2突出パターンP2は、前記隔壁部310方向に移動する光を集光することができる。詳しくは、前記第2基板120の下部方向から出射して、前記光変換部300方向に入射することができる。前記第2突出パターンP2は、前記光変換部に移動する光を集光して光の直進性を高める役割をすることができる。即ち、前記第2突出パターンは、バックライトモジュールの第2プリズム基板の役割と同じ役割をすることができる。
【0209】
即ち、前記第1、2の突出パターンは、バックライトモジュールのプリズム基板の役割をすることができる。これにより、前記光経路制御部材を他の部材と結合してディスプレイ装置に適用するとき、光源を供給するバックライトモジュールのプリズム基板を省略することができる。
【0210】
したがって、光経路制御部材をディスプレイ装置に適用するとき、ディスプレイ装置に含まれる構成の一部を省略することができるので、ディスプレイ装置の厚さを減少させることができ、厚さの減少に応じて光透過率を増加させることができる。
【0211】
また、前記第1、2突出パターンにより、前記第1基板110上の光変換部と前記光変換部上の接着層との密着力を向上させることができる。即ち、前記第1、2突出パターンによって前記第1、2基板の表面粗さが増加することができ、これにより、前記光変換部および接着層と接触する接触面積が増加して、前記第1、2基板と前記光変換部および接着層との密着力を向上させることができる。
【0212】
または。
図23および
図24を参照すると、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の一面上に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の一面上に配置され得る。
【0213】
前記第1突出パターンP1は、前記第1電極210と異なる面上に配置され得る。詳しくは、前記第1電極210は、前記第1基板110の上部面に配置され、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の下部面に配置され得る。
【0214】
また、前記第2突出パターンP2は、前記第2電極220と異なる面上に配置され得る。詳しくは、前記第2電極220は、前記第2基板120の下部面に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の上部面に配置され得る。
【0215】
前記第1電極210および前記第2電極220は、それぞれ前記第1基板および前記第2基板の一面上で面電極として配置され得る。即ち、前記第1電極210および前記第2電極220は、前記光変換部の隔壁部310および収容部320と重なる領域に配置され得る。前記電極と突出パターンを基板の互いに異なる面上に配置することによって、前記第1、2電極を別にパターニングする工程を省略することができる。
【0216】
あるいは。
図25および
図26を参照すると、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の一面上に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の一面上に配置され得る。
【0217】
前記第1突出パターンP1は、前記第1電極210と異なる面上に配置され得る。詳しくは、前記第1電極210は、前記第1基板110の上部面に配置され、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の下部面に配置され得る。
【0218】
また、前記第2突出パターンP2は、前記第2電極220と同一面上に配置され得る。詳しくは、前記第2電極220および前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の下部面に配置され得る。
【0219】
即ち、前記第1電極210は、前記第2電極220および前記第2突出パターンP2と互いに対向して配置され得る。
【0220】
前記第1電極210は、前記第1基板の一面上に面電極として配置され得る。また、前記第2電極220は、前記第2基板の一面上で複数のパターン電極として配置され得る。即ち、前記第1電極210は、前記光変換部の隔壁部310および収容部320と重なる領域上に配置され、前記第2電極220は、前記光変換部の収容部320と重なる領域にのみ配置され得る。
【0221】
または。
図27および
図28を参照すると、前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の一面上に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の一面上に配置され得る。
【0222】
前記第1突出パターンP1は、前記第1電極210と同一面上に配置され得る。詳しくは、前記第1電極210および前記第1突出パターンP1は、前記第1基板110の上部面に配置され得る。
【0223】
また、前記第2突出パターンP2は、前記第2電極220と異なる面上に配置され得る。詳しくは、前記第2電極220は、前記第2基板120の下部面に配置され、前記第2突出パターンP2は、前記第2基板120の上部面に配置され得る。
【0224】
即ち、前記第2電極220は、前記第1電極210および前記第1突出パターンP1と互いに対向して配置され得る。
【0225】
前記第2電極220は、前記第2基板の一面上に面電極として配置され得る。また、前記第1電極210は、前記第1基板の一面上で複数のパターン電極として配置され得る。即ち、前記第2電極220は、前記光変換部の隔壁部310および収容部320と重なる領域上に配置され、前記第1電極210は、前記光変換部の収容部320と重なる領域にのみ配置され得る。
【0226】
他の実施例に係る光経路制御部材は、電極が配置される第1基板および第2基板のいずれか一面上に突出して形成される複数の突出パターンを含むことができる。
【0227】
詳しくは、前記第1基板には第1突出パターンが配置され、前記第2基板には前記第2突出パターンが配置され得る。前記第1、2突出パターンは、互いに異なる方向に延びて配置され、前記第1基板から前記第2基板方向に移動する光を集光する役割をすることができる。
【0228】
即ち、前記第1、2基板に形成される複数の突出パターンは、バックライトモジュールのプリズムシートと同様の機能をすることができる。
【0229】
したがって、前記光経路制御部材をバックライトモジュールと結合して使用するとき、前記バックライトモジュールから光を集光するプリズム基板を省略することができる。したがって、ディスプレイ装置の厚さを減少させることができ、プリズム基板を通過しながら発生する光損失が発生し得る。
【0230】
また、前記第1、2突出部材により、第1、2基板の表面粗さを増加させ、1、2基板と密着する光変換部および接着層との接触面積を増加させて、向上した密着力を有することができる。
【0231】
したがって、実施例に係る光経路制御部材およびこれを含むディスプレイ装置は、薄い厚さを実現することができ、向上した正面輝度および信頼性を有することができる。
【0232】
以下、
図29~
図31を参照して、実施例に係る光経路制御部材が適用される表示装置およびディスプレイ装置について説明する。
【0233】
図29を参照すると、実施例に係る光経路制御部材1000は、表示パネル2000上に配置され得る。
【0234】
前記表示パネル2000と前記光経路制御部材1000は、互いに接着して配置され得る。例えば、前記表示パネル2000と前記光経路制御部材1000は、接着部材1500を通じて互いに接着され得る。前記接着部材1500は透明であり得る。例えば、前記接着部材1500は、光学用透明接着物質を含む接着剤または接着層を含むことができる。
【0235】
前記接着部材1500は、離型フィルムを含むことができる。詳しくは、前記光経路部材と表示パネルを接着させるとき、離型フィルムを除去した後、前記光経路制御部材および表示パネルを接着させることができる。
【0236】
前記表示パネル2000は、第1’基板2100および第2’基板2200を含むことができる。前記表示パネル2000が液晶表示パネルである場合、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部に形成され得る。即ち、液晶パネルでユーザが眺める面を液晶パネルの上部と定義するとき、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部に配置され得る。前記表示パネル2000は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)と画素電極を含む第1’基板2100とカラーフィルタ層を含む第2’基板2200が液晶層を挟んで合着した構造に形成され得る。
【0237】
また、前記表示パネル2000は、薄膜トランジスタ、カラーフィルタおよびブラック電解質が第1’基板2100に形成され、第2’基板2200が液晶層を挟んで前記第1’基板2100と合着するCOT(color filter on transistor)構造の液晶表示パネルであり得る。即ち、前記第1’基板2100上に薄膜トランジスタを形成し、前記薄膜トランジスタ上に保護膜を形成し、前記保護膜上にカラーフィルタ層を形成することができる。また、前記第1’基板2100には、前記薄膜トランジスタと接触する画素電極を形成する。このとき、開口率を向上させ、マスク工程を簡略化するためにブラック電解質を省略し、共通電極がブラック電解質の役割を兼ねるように形成することもできる。
【0238】
また、前記表示パネル2000が液晶表示パネルである場合、前記表示装置は、前記表示パネル2000の背面で光を提供するバックライトユニットをさらに含むことができる。前記バックライトユニットは、前記光経路制御部材の下部に配置され得る。
【0239】
即ち、
図29のように、前記光経路制御部材は、前記液晶パネルの下部に配置され得る。
【0240】
あるいは、前記表示パネル2000が有機発光ダイオードパネルである場合、前記光経路制御部材は、前記有機発光ダイオードパネルの上部に形成され得る。即ち、有機発光ダイオードパネルでユーザが眺める面が前記有機発光ダイオードパネルの上部と定義されるとき、前記光経路制御部材は、前記有機発光ダイオードパネルの上部に配置され得る。前記表示パネル2000は、別の光源を必要としない自発光素子を含むことができる。前記表示パネル2000は、第1’基板2100上に薄膜トランジスタが形成され、前記薄膜トランジスタと接触する有機発光素子が形成され得る。前記有機発光素子は、陽極、陰極、および前記陽極と陰極との間に形成された有機発光層を含むことができる。また、前記有機発光素子上にインカプセルのための封止基板 の役割をする第2基板2200をさらに含むことができる。
【0241】
また、図面には示されていないが、前記光経路制御部材1000と前記表示パネル2000との間に偏光板がさらに配置され得る。前記偏光板は、線偏光板または外光反射防止偏光板であり得る。例えば、前記表示パネル2000が液晶表示パネルである場合、前記偏光板は、線偏光板であり得る。また、前記表示パネル2000が有機発光ダイオードパネルである場合、前記偏光板は、外光反射防止偏光板であり得る。
【0242】
また、光経路制御部材1000上には、反射防止層またはアンチグレアなどの追加の機能層1300がさらに配置され得る。詳しくは、前記機能層1300は、前記光経路制御部材の前記第1基板110の一面と接着することができる。図面には示されていないが、前記機能層1300は、前記光経路制御部材の第1基板110と接着層を通じて互いに接着され得る。また、前記機能層1300上には、前記機能層を保護する離型フィルムがさらに配置され得る。
【0243】
また、前記表示パネルと光経路制御部材との間にはタッチパネルがさらに配置され得る。
【0244】
図面上には、前記光経路制御部材が前記表示パネルの上部に配置されることが示されているが、実施例はこれに限定されず、前記光制御部材は、光調節が可能な位置、即ち、前記表示パネルの下部または前記表示パネルの第2基板および第1基板の間など、多様な位置に配置され得る。
【0245】
図30および
図31を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、車両に適用され得る。
【0246】
図30および
図31を参照すると、実施例に係る光経路制御部材は、ディスプレイを表示するディスプレイ装置に適用され得る。
【0247】
例えば、
図30のように光経路制御部材に電源が印加されない場合には、前記収容部が光遮断部として機能して、ディスプレイ装置が遮光モードで駆動され、
図31のように光経路制御部材に電源が印加される場合、前記受容部は、光透過部として機能して、ディスプレイ装置が公開モードで駆動され得る。
【0248】
これにより、ユーザが電源の印加に応じてディスプレイ装置をプライバシーモードまたは一般モードで容易に駆動することができる。
【0249】
また、図面には示されていないが。実施例に係る光経路制御部材が適用されるディスプレイ装置は、車両の内部にも適用され得る。
【0250】
例えば、実施例に係る光経路制御部材を含むディスプレイ装置は、車両の情報、車両の移動経路を確認する映像を表現することができる。前記ディスプレイ装置は、車両の運転席および助手席の間に配置され得る。
【0251】
また、実施例に係る光経路制御部材は、車両の速度、エンジン、および警告信号などを表示する計器盤に適用され得る。
【0252】
また、実施例に係る光経路制御部材は、車両の前面ガラス(FG)または左右の窓ガラスに適用され得る。
【0253】
上述した実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例において例示された特徴、構造、効果などは実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組合せまたは、変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0254】
また、以上、実施例を中心に説明したがこれは単なる例示に過ぎず、実施例を限定するものではなく、実施例が属する分野の通常の知識を有した者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示されていない様々な変形と応用が可能であることが理解できるだろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に係る差異点は、添付された請求の範囲で設定する実施例の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックを含む電気泳動粒子であって、
電気泳動粒子は、コア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記コア部は、2以下の色度指数を有し、
前記コア部は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、電気泳動粒子。
【請求項2】
前記電気泳動粒子の粒径は、200nm~300nmである、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項3】
前記コア部の表面には溝部がさらに形成され、
前記コア部の比表面積は、200m
2/g~650m
2/gである、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項4】
前記コア部は、複数のナノカーボンブラック粒子が凝集されて形成される、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項5】
前記コア部の表面には、水酸化基またはカルボキシル基に置換される表面処理層が形成され、
前記シェル部は、前記表面処理層上にコーティングされる、請求項1に記載の電気泳動粒子。
【請求項6】
第1基板と、
前記第1基板の上部面上に配置される第1電極と、
前記第1基板の上部に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部および収容部を含み、
前記収容部は、分散液および前記分散液内に分散される複数の電気泳動粒子を含み、
前記電気泳動粒子は、
カーボンブラックを含むコア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記電気泳動粒子は、2以下の色度指数を有し、
前記電気泳動粒子は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、光経路制御部材。
【請求項7】
前記コア部の表面には溝部がさらに形成され、
前記コア部の比表面積は、200m
2/g~650m
2/g である、請求項
6に記載の
光経路制御部材。
【請求項8】
前記コア部は、複数のナノカーボンブラック粒子が凝集されて形成される、請求項
6に記載の光経路制御部材。
【請求項9】
前記
収容部は、
電圧が印加される場合、光遮断部として駆動し、
電圧が印加されない場合、光透過部として駆動する、請求項
6に記載の光経路制御部材 。
【請求項10】
前記第1基板の一面上には第1突出パターンが形成され、
前記第2基板の一面上には第2突出パターンが形成される、請求項6に記載の光経路制御部材。
【請求項11】
前記第1基板は、第1突出パターンが配置される第1領域および前記第1突出パターンが配置されない第2領域を含み、
前記第2基板は、第2突出パターンが配置される第3領域および前記第2突出パターンが配置されない第4領域を含む、請求項10に記載の光経路制御部材。
【請求項12】
前記第1突出パターンと前記第2突出パターンは、互いに異なる方向に延びて配置される、請求項11に記載の光経路制御部材。
【請求項13】
前記第1電極と前記第1突出パターンは、前記第1基板の同一面上に配置され、
前記第2電極と前記第2突出パターンは、前記第1基板の同一面上に配置される、請求項11に記載の光経路制御部材。
【請求項14】
前記第1電極と前記第1突出パターンは、前記第1基板の他の面上に配置され、
前記第2電極と前記第2突出パターンは、前記第1基板の他の面上に配置される、請求項11に記載の光経路制御部材。
【請求項15】
前記第1電極は、前記第1突出パターンの間に配置され、
前記第2電極は、前記第2突出パターンの間に配置される、請求項10に記載の光経路制御部材。
【請求項16】
前記第1突出パターンおよび前記第2突出パターンは、前記隔壁部と重なり、
前記第1電極および前記第2電極は、受容部と重なる、請求項10に記載の光経路制御部材。
【請求項17】
表示パネルと、
前記表示パネルの上部または下部に配置される光路制御部材と、を含み、
前記光路制御部材は、
第1基板と、
前記第1基板の上部面上に配置される第1電極と、
前記第1基板の上部に配置される第2基板と、
前記第2基板の下部面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される光変換部と、を含み、
前記光変換部は、交互に配置される隔壁部および収容部を含み、
前記収容部は、分散液および前記分散液内に分散される複数の電気泳動粒子を含み、
前記電気泳動粒子は、
カーボンブラックを含むコア部と、
前記コア部の外面を囲んで配置されるシェル部と、を含み、
前記コア部の表面には突出部が形成され、
前記電気泳動粒子は、2以下の色度指数を有し、
前記電気泳動粒子は、90%~99%の光吸収率を有し、
前記電気泳動粒子の粒径は、50nm~800nmである、ディスプレイ装置。
【請求項18】
パネルは、液晶表示パネルまたは有機発光ダイオードパネルを含む、請求項
16に記載のディスプレイ装置。
【国際調査報告】