IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アー・ベー・ベー・パワー・グリッズ・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特表-絶縁ゲートバイポーラトランジスタ 図1
  • 特表-絶縁ゲートバイポーラトランジスタ 図2
  • 特表-絶縁ゲートバイポーラトランジスタ 図3
  • 特表-絶縁ゲートバイポーラトランジスタ 図4
  • 特表-絶縁ゲートバイポーラトランジスタ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20221108BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20221108BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20221108BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20221108BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H01L29/78 652J
H01L29/78 653A
H01L29/78 655A
H01L29/78 657D
H01L29/86 301F
H01L29/91 L
H01L29/78 652H
H01L29/78 652P
H01L29/06 301V
H01L29/06 301F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526210
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 EP2020081331
(87)【国際公開番号】W WO2021089808
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】19208174.3
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19210476.8
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウドレア,フローリン
(72)【発明者】
【氏名】アントニウ,マリナ
(72)【発明者】
【氏名】ロフィティス,ネオファイソス
(72)【発明者】
【氏名】コルバシェ,キアラ
(72)【発明者】
【氏名】デ-ミキエリス,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベムラパティ,ウママヘスワラ
(72)【発明者】
【氏名】バトシュトゥブナー,ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】ラヒモ,ムナフ
(57)【要約】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタであって、第1の導電型のソース層と、第2の導電型のベース層であって、ソース層およびベース層はソース電極と電気的に接触するベース層と、第1の導電型のドリフト層と、ドリフト層とコレクタ電極との間に配置され、コレクタ電極と電気的に接触する、第2の導電型のコレクタ層とを少なくとも備える、絶縁ゲートバイポーラトランジスタが開示される。絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、少なくとも2つのトレンチゲート電極と、少なくとも1つのトレンチショットキー電極と、電極底部に配置された第2の導電型の収集領域とをさらに備える。収集領域はドリフト層内に位置し、ドリフト層によって互いに横方向に分離される。ショットキー層は、接触領域において収集領域とのショットキーコンタクトを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エミッタ側(90)のソース電極(9)から、前記エミッタ側(90)とは反対のコレクタ側(97)のコレクタ電極(95)までの間に、少なくとも以下の層、すなわち、
-第1の導電型のソース層(2)と、
-前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のベース層(3)であって、前記ソース層(2)および前記ベース層(3)は前記ソース電極(9)と電気的に接触するベース層(3)と、
-前記第1の導電型のドリフト層(5)と、
-前記ドリフト層(5)と前記コレクタ電極(95)との間に配置され、前記コレクタ電極(95)と電気的に接触する、前記第2の導電型のコレクタ層(6)と、
-前記ベース層(3)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)であって、前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)の各々が前記ベース層(3)の側方に配置される導電性ゲート層(70、70’)と、前記ゲート層(70、70’)を任意のドープ層から分離するゲート絶縁層(72、72’)とを備える少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)と、を備え、
前記ソース層(2)、前記ベース層(3)、および前記ドリフト層(5)の間にチャネルが形成可能であり、前記ソース層(2)は、トレンチゲート電極(7、7’)の各々の1つに少なくとも配置されており、
-前記少なくとも2つのトレンチゲート電極のうちの1つに隣接し、前記ベース層(3)の側方に配置されて前記ベース層(3)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する導電性ショットキー層(20)であって、前記ソース電極(9)に電気的に接続されるショットキー層(20)と、前記ショットキー層(20)を前記ベース層(3)から分離するショットキー絶縁層(22)とを備える、少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)と、
-前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)のトレンチゲート電極底部および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)のトレンチショットキー電極底部に配置される前記第2の導電型の収集領域(30)であって、前記ドリフト層(5)内に位置し、前記ドリフト層(5)によって横方向に互いに分離される収集領域(30)と、によって特徴付けられ、
前記ショットキー層(20)は、接触領域において前記収集領域(30)とのショットキーコンタクトを形成する、
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項2】
前記コレクタ層(6)と前記ドリフト層(5)との間に、前記第1の導電型のバッファ層(10)が配置され、前記第2の導電型の前記収集領域(30)は、前記トレンチゲート電極(7、7’)および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)から前記バッファ層(10)まで前記ドリフト層(5)を通って垂直に延びることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項3】
前記第2の導電型の前記収集領域(30)は逆行性プロファイルを有することにより、前記接触領域における前記第2の導電型のドーピング濃度は、前記収集領域(30)の前記コレクタ側(97)における前記第2の導電型のドーピング濃度よりも低い、請求項1から2のいずれかに記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項4】
前記ドリフト層(5)よりも高いドーピング濃度を有する前記第1の導電型の強化層(4)をさらに備え、前記強化層(4)は、前記ベース層(3)と前記ドリフト層(5)との間に形成され、前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)は、前記強化層(4)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する、
請求項1から3のいずれかに記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、パワー半導体デバイスの分野に関する。特に、本発明は、請求項1および3のプリアンブルに記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
図1に示すトレンチ金属酸化膜半導体(MOS)セル設計を有する従来技術のIGBTは、例えば、ゲート絶縁層72によってpドープベース層3、n+ドープソース層2およびnドープドリフト層5から電気的に絶縁されたゲート層70を有するトレンチゲート電極7を有する。トレンチゲート電極7は、ベース層3と同一平面内かつその側方に配置され、ベース層3よりもドリフト層5の深部まで延在している。
【0003】
このようなトレンチゲート電極設計では、トレンチ設計が垂直方向の電子の注入を強化し、セル付近の電荷拡散(いわゆるJFET効果)からの欠点を被らない垂直MOSチャネルを提供するので、オン状態損失は平面ゲート設計の場合よりも低い。したがって、トレンチセルは、より低い損失に対してはるかに改善されたキャリア増強を示す。垂直チャネル設計に起因して、トレンチはまた、平面ゲート設計の場合よりもMOSチャネルからの電子拡散の改善に起因して、より少ない正孔ドレイン効果(PNP効果)を提供する。トレンチの底部には蓄積層があり、PINダイオード部分の強力な電荷増強を提供する。したがって、広いトレンチおよび/または深いトレンチが最適な性能を示す。トレンチ設計は、チャネル抵抗を低減するために大きなセル充填密度を提供する。しかしながら、トレンチ設計は、高いピーク電界に起因してトレンチの底部コーナ付近でより低いブロッキング能力を被る。トレンチ設計は、トレンチゲートの下に大きいMOS蓄積領域を有し、ミラー容量低減のためにトレンチ内にフィールド酸化物型層を適用することが困難な関連容量を有する。したがって、図1に示す従来技術の装置は、制御性が悪く、スイッチング損失が高くなる。さらに、トレンチ設計における高いセル密度は、高い短絡電流をもたらす。
【0004】
米国特許出願公開第2017271490号明細書は、第1の半導体領域と第2の電極との間の第3の電極と、第1の半導体領域と第2の電極との間の第4の電極と、第1の半導体領域と第2の電極との間および第3の電極と第4の電極との間の第2の半導体領域と、第2の半導体領域と第2の電極との間の第3の半導体領域と、第2の電極に電気的に接続されるように第1の半導体領域と第2の電極との間の第4の電極と、第1の電極と第1の半導体領域との間の第5の半導体領域とを含む半導体デバイスを開示している。第3の電極と、第1の半導体領域、第2の半導体領域、第3の半導体領域および第2の電極との間には、第1の絶縁膜が設けられる。第4の半導体領域と、第1の半導体領域、第2の半導体領域および第4の半導体領域との間には、第2の絶縁膜が設けられる。
【0005】
米国特許出願公開第2015263148号明細書は、第1の電極と、第2の電極と、第1の半導体層と、第1の半導体領域と、第2の半導体領域と、絶縁層とを含む半導体デバイスを開示している。第1の半導体層は、第1の電極と第2の電極との間に設けられ、第1の電極と接している。第1の半導体領域は、第1の半導体層と第2の電極との間に設けられ、第2の電極と接している。第2の半導体領域は、第1の半導体領域と第2の電極との間に設けられ、第2の電極と接している。第2の半導体領域の不純物濃度は、第1の半導体領域の不純物濃度よりも高い。絶縁層は、一端が第2の電極に接し、他端が第1の半導体層に位置する。絶縁層は、第1の電極から第2の電極に向かう第1の方向に第2の電極に沿って延在している。
【0006】
米国特許第6,417,554号明細書は、ラッチすることができず、トレンチゲートおよびトレンチゲートを取り囲む空乏領域へのショットキーコンタクトを備える三層IGBTを開示している。エミッタコンタクトは、空乏領域内に拡散されるベース拡散領域に接続される。空乏領域は、ゲートのオンおよびショットキーゲートからのキャリアの注入に応答して空乏領域内にキャリアを放出するエミッタ領域の上部に形成される。
【0007】
欧州特許出願公開第3471147号明細書は、少なくとも2つの第1のセルを含むIGBTを開示しており、その各々は、nドープされたソース層、pドープされたベース層、nドープされた強化層を有し、ベース層は、ソース層を強化層、nドープされたドリフト層およびpドープされたコレクタ層から分離する。第1のセルの側面には、2つのトレンチゲート電極が配置されている。トランジスタは、2つの隣接する第1のセルのトレンチゲート電極間に、エミッタ側にp+ドープウェルを有する少なくとも1つの第2のセルと、隣接するトレンチゲート電極からウェルを分離するさらなるnドープ強化層とを備える。絶縁体層スタックは、第2のセルおよび隣接するトレンチゲート電極を金属エミッタ電極から絶縁するためにエミッタ側の第2のセルの上に配置され、第1の絶縁層および第2の絶縁層からなり、絶縁体スタックは、ウェルの上の第1の層厚+第2の絶縁層厚の厚さ、およびゲート層の上の第2の絶縁層厚の厚さを有し、第1の絶縁層および第2の絶縁層の各厚さは少なくとも700nmである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、標準的な接触等価ソリューションに対して静的損失を低レベルに維持しながら、ターンオフ事象中に逃げる孔の劣化が改善された経路を有する電力半導体デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、例えば、請求項1または3の特徴を有する半導体デバイスによって解決される。本発明のさらなる発展は、従属請求項に明記されている。
【0010】
例示的には、本発明の一実施形態による絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、エミッタ側のソース電極から、エミッタ側とは反対のコレクタ側のコレクタ電極までの間に、少なくとも以下の層、すなわち、少なくとも第1の導電型のソース層と、第1の導電型とは異なる第2の導電型のベース層であって、ソース層およびベース層はソース電極と電気的に接触する、ベース層と、第1の導電型のドリフト層と、を備える。絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、ドリフト層とコレクタ電極との間に配置され、コレクタ電極と電気的に接触する、第2の導電型のコレクタ層と、ベース層を通ってドリフト層内に延在する少なくとも2つのトレンチゲート電極であって、少なくとも2つのトレンチゲート電極の各々がベース層の側方に配置される導電性ゲート層と、ゲート層を任意のドープ層から分離するゲート絶縁層とを備える少なくとも2つのトレンチゲート電極と、をさらに備え、ソース層、ベース層、およびドリフト層との間にチャネルが形成可能である。少なくとも1つのトレンチショットキー電極は、ベース層の側方に配置されてベース層を通ってドリフト層内に延在する導電性ショットキー層であって、ソース電極に電気的に接続されるショットキー層と、ショットキー層をベース層から分離するショットキー絶縁層とを備える。第2の導電型の収集領域は、少なくとも2つのトレンチゲート電極のトレンチゲート電極底部および少なくとも1つのトレンチショットキー電極のトレンチショットキー電極底部に配置される。収集領域は、ドリフト層内に位置し、ドリフト層によって互いに横方向に互いに分離され、ショットキー層は、接触領域において収集領域とのショットキーコンタクトを形成する。
【0011】
本発明によるさらなる利点は、従属請求項から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
本発明の実施形態の主題は、添付の図面を参照して以下の本文でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】トレンチゲート電極を有するIGBTを示す。
図2】本発明の一実施形態によるショットキーソース/カソード接点を有する別のIGBTを示す。
図3】本発明の別の実施形態によるショットキーソース/カソード接点を有する別のIGBTを示す。
図4】本発明の別の実施形態によるショットキーソース/カソード接点を有する別のIGBTを示す。
図5】本発明の別の実施形態によるショットキーソース/カソード接点を有する別のIGBTを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面で使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストに要約されている。一般に、同様のまたは同様に機能する部品には同じ参照符号が与えられる。記載された実施形態は、例として意図されており、本発明を限定するものではない。
【0014】
実施形態の詳細な説明
ここで、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0015】
例示的な実施形態は、本開示が徹底的であり、当業者に範囲を十分に伝えるように提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定のコンポーネント、デバイス、および方法の例など、多数の特定の詳細が記載される。特定の詳細を採用する必要がないこと、例示的な実施形態を多くの異なる形態で具体化できること、およびいずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細には説明されない。
【0016】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「備える」、「備えている」、「含む」、および「有する」という用語は包括的であり、したがって、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、および動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序がそれらの実行に必要であると解釈されるべきではない。
【0017】
追加のまたは代替のステップが使用されてもよいことも理解されたい。
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合、それは他の要素または層に対して直接上にある、係合される、接続される、または結合されてもよく、または介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「間に直接」、「隣接する」対「直接隣接する」など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0018】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、層および/または部分を説明するために第1、第2、第3などの用語が使用され得るが、これらの要素、コンポーネント、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されなくてもよい。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層または部分を別の領域、層または部分と区別するためにのみ使用され得る。「第1」、「第2」などの用語、および他の数値用語は、本明細書で使用される場合、文脈によって明確に示されない限り、順序または順番を意味しない。したがって、以下で説明する第1の要素、コンポーネント、領域、層または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層または部分と呼ぶことができる。
【0019】
「内側」、「外側」、「真下」、「下」、「下側」、「上」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図され得る。例えば、図中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上」に配向される。したがって、例示的な用語「下」は、上下両方の向きを包含し得る。デバイスは、他の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0020】
さらに、「備える(comprising)」という語は他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除するものではないことに留意されたい。また、異なる実施形態に関連して説明した要素を組み合わせてもよい。特許請求の範囲における参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0021】
図2に示す一実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、エミッタ側90のソース電極9から、エミッタ側90とは反対のコレクタ側97のコレクタ電極95までの間に、少なくとも以下の層、すなわち、
-第1の導電型のソース層2と、
-第1の導電型とは異なる第2の導電型のベース層3であって、ソース層2およびベース層3はソース電極9と電気的に接触するベース層3と、
-第1の導電型のドリフト層5と、を備える。一実施形態によれば、ドリフト層は、第1の導電型の低い、実質的に一定の、低いドーピング濃度を有するバルク材料から形成されてもよい。この文脈における「低ドーピング濃度」は、例えば、ソース層2のドーピング濃度よりも低いことを意味する。ここで、ドリフト層5の実質的に一定のドーピング濃度とは、ドーピング濃度がドリフト層5全体にわたって実質的に均一であることを意味するが、例えばエピタキシャル成長プロセスの変動により、ドリフト層内のドーピング濃度に1~5倍程度の変動が存在する可能性があることを排除するものではない。第1の導電型はn型であってもよく、バルク材料の低ドーピング濃度は、1*1012~5*1014/cmの範囲のパワーデバイス(600Vを超える電圧)用であってもよい。
【0022】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、
-ドリフト層5とコレクタ電極95との間に配置され、コレクタ電極95と電気的に接触する第2の導電型のコレクタ層6と、
-ベース層3を通ってドリフト層内に延在する少なくとも2つのトレンチゲート電極7、7’であって、各々が、ベース層3の側方に配置された導電性ゲート層70、70’と、ゲート層70、70’を任意のドープ層から分離するゲート絶縁層72、72’とを備える、少なくとも2つのトレンチゲート電極7、7’と、をさらに備える。
【0023】
ソース層2、ベース層3およびドリフト層5の間には、チャネルが形成可能である。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、
-ベース層3の側方に配置されてベース層3を通ってドリフト層5内に延在する導電性ショットキー層20であって、ソース電極9に電気的に接続されるショットキー層20と、ショットキー層20をベース層3から分離するショットキー絶縁層22とを備える少なくとも1つのトレンチショットキー電極15と、
-少なくとも2つのトレンチゲート電極7、7’のトレンチゲート電極底部および少なくとも1つのトレンチショットキー電極15のトレンチショットキー電極底部に配置された第2の導電型の収集領域30であって、ドリフト層5内に位置し、ドリフト層5によって横方向に分離されており、ショットキー層20は接触領域において収集領域30とのショットキーコンタクトを形成する、収集領域30と、をさらに備える。ショットキーコンタクトは、大きなバリア高さと、伝導帯または価電子帯の状態密度よりも低い低ドーピング濃度とを有する金属-半導体コンタクトである。これとは対照的に、オーミックコンタクトは、半導体のバルクまたは直列抵抗に対して無視できるコンタクト抵抗を有する金属-半導体コンタクトとして定義される。オーミックコンタクトはまた、オームの法則R*I=Uと同様に線形電流(I)-電圧(V)曲線を有する2つの導体間の接合部として定義することもできる。第2の導電型のベース層3は、第1の導電型のドリフト層5によって第2の導電型の収集領域30から分離される。
【0024】
本発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタを製造するために、例えば、以下の製造ステップが実行される。
【0025】
例えば図1に示すような、例えばpドープされたリングの形態の収集領域30を有するIGBTが提供される。ダミートレンチショットキー電極15内の、例えばゲート酸化物として形成されたショットキー絶縁層22は、トレンチショットキー電極15が底部で開口するように除去される。この文脈におけるダミートレンチとは、ゲートトレンチと分離され、ソース電極と接続されたトレンチである。トレンチの底部の開口部は、ショットキー層20と収集領域30との間の接触領域を形成する。第2の導電型の収集領域30は、ショットキー電極15の底部開口部を通してドーパント、例えばホウ素を注入することによって形成されてもよい。一実施形態では、収集領域の平均ドーピング濃度(pリングドーピング)は、5*e15/cm~5*e17/cmの範囲、例えば3*e17/cmであり得る。一実施形態では、接触領域内のショットキーコンタクトの平均ドーピング濃度は、1*e15/cm~5*e16/cmの範囲、例えば1*e16/cmであってもよい。第2の導電型の収集領域30を製造する別の方法は、第1の導電型のバルク材料上に収集領域30をエピタキシャル成長させることであってもよい。エピタキシャル成長の方法は、例えばスーパージャンクションIGBTに使用されるように、深い収集領域30に使用することができる。この文脈における「深さ」という用語は、イオン注入によってドーピングをもはや形成することができない深さ、例えば1μmより深い深さを指す。ここで、特定の位置の深さとは、エミッタ側90からのその位置の距離を意味する。スーパージャンクションは、パワーデバイスのオン抵抗および伝導損失を本質的に大幅に低減する理想的なデバイスに向けた大きなステップであった。スーパージャンクションは、新しい材料の使用による改善ではない。1次元(平面)構造を示す代わりに、複雑な2次元または3次元構造で製造されることは、維持層の革新的な設計概念によって導き出される改善である。スーパージャンクションデバイスは、電荷平衡の概念に基づいている。スーパージャンクションデバイスのドリフト領域は、逆バイアス下で周囲のn領域内の電荷を相殺する複数の、例えばp個のカラムを有する。結果として、組み合わされた構造が印加された逆電圧に対してはるかに高い抵抗を提供するので、ドリフト領域をより高くドープすることができる。n領域が高濃度にドープされるにつれて、単位面積当たりのオン抵抗が減少する。したがって、スーパージャンクション設計技術は、様々なパワーデバイスに適用可能であるが、従来の(平面)パワーデバイスに使用されるものとは異なる設計手法を必要とする。トレンチショットキー電極15の開口部によって、ショットキー層20と収集領域30との間にショットキー金属/半導体コンタクトが形成される。したがって、正孔の収集は、ショットキーコンタクトを介してIGBTのエミッタ/ソース/カソードに接続されたp型導電性領域(収集領域30)を介して生じる。エネルギーバンド図におけるショットキーバリアの高さおよびショットキーコンタクトの幅の形状は、この端子によって収集される正孔の量を制御するために、ショットキー層20、例えば金属層または金属層のスタックの表面または仕事関数におけるドーピング濃度を制御することによって調整することができる。したがって、ドリフト層5のエミッタ側90における電子注入も調整される。電荷蓄積が高いほど、オン電圧降下は小さくなる。したがって、ショットキーコンタクトは、正孔収集の制御、およびEoff、V、Vonのトレードオフのより良好な調整を可能にする。
【0026】
本明細書に記載されるすべての実施形態では、ショットキーコンタクトとの界面におけるドーピング濃度またはショットキー層20の仕事関数は、エミッタ側90で収集される正孔の量を制御し、したがってIGBTのエミッタ側のドリフト層5の部分における電子注入を制御するように調整することができる。固体物理学では、仕事関数は、固体から固体表面のすぐ外側の真空中の点まで電子を除去するのに必要な最小熱力学的仕事(すなわち、エネルギー)であるため、フェルミエネルギーと真空準位との間のエネルギー差として定義される。ショットキー層20の仕事関数は、金属と半導体の組み合わせに依存するショットキーバリア(金属-半導体接合部に形成される電子のポテンシャルエネルギーバリア)を克服するのに必要なエネルギーである。
【0027】
図3に示す別の実施形態では、コレクタ層6とドリフト層5との間に、第1の導電型のバッファ層10が配置され、第2の導電型の収集領域30は、トレンチゲート電極7、7’およびトレンチショットキー電極15からドリフト層5を通ってバッファ層10まで垂直に延在する。バッファ層10は、ドリフト層5よりもドーピング濃度が高い。この構造は、トレンチゲート電極底部およびショットキー電極底部に形成された収集領域30(例えばp層)と、トレンチの少なくとも一方に配置されたショットキーコンタクトとを有する完全なスーパージャンクションIGBT構造を形成する。図3の特定の実施形態では、強化層4が開示されているが、上記の実施形態と同様に、第2の導電型のベース層3が第1の導電型のドリフト層5によって第2の導電型の収集領域30から分離されている限り、強化層4はスキップされてもよい。強化層4は、ドリフト層5よりもドーピング濃度が高い。一実施形態では、強化層4の最大ドーピング濃度は、1*1015~5*1016/cmであり得る。
【0028】
例示的には、ドリフト層5のドーピング濃度は常に低い(具体的にバッファ層10や強化層4などの他の層のドーピング濃度に比べて低い)。ここで、ドリフト層5のドーピング濃度が実質的に一定であるとは、ドーピング濃度がドリフト層5全体にわたって実質的に均一であることを意味するが、製造上の理由により、ドリフト層5内のドーピング濃度に1~5倍程度の変動が存在する可能性があることを排除するものではない。
【0029】
別の実施形態では、図4に示すスプリットゲートIGBT構造において、収集領域30(p層)がドリフト層5内のゲートトレンチの下に形成される。収集領域30(p層)はバルク材料の表面上に形成されるため、ゲート構造、ベース層、ソース層などのデバイスの他の要素がバルク材料の上に形成される前に、これは、例えば表面への注入によってドープすることができる。
【0030】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、エミッタ側90のソース電極9から、エミッタ側90とは反対のコレクタ側97のコレクタ電極95までの間に、少なくとも以下の層、すなわち、
-第1の導電型のソース層2と、
-第1の導電型とは異なる第2の導電型のベース層3であって、ソース層2およびベース層3はソース電極9と電気的に接触するベース層3と、
-第1の導電型のドリフト層5と、
-ドリフト層5とコレクタ電極95との間に配置され、コレクタ電極95と電気的に接触する第2の導電型のコレクタ層6と、
-ベース層3よりもドリフト層5の深部まで延在する少なくとも2つのトレンチゲート電極7、7’であって、各々が、ベース層3の側方に配置された導電性ゲート層70、70’と、ゲート層70、70’を任意のドープ層から分離するフィールドプレート82、82’とを備え、ソース層2、ベース層3、およびドリフト層5の間にチャネルが形成可能である、少なくとも2つのトレンチゲート電極7、7’と、を備える。フィールドプレートは、ドレイン/コレクタ電極に高電圧が印加されたときにこれらのデバイスの最大電界を低減するために電界分布を操作および再成形するためにパワーデバイスに使用される。最大電界を低減することによって、フィールドプレートは絶縁破壊電圧を増加させ、したがってより高い電圧での動作を達成する。フィールドプレート82、82’は、酸化物として形成されてもよい。フィールドプレート82、82’の厚さは、0.2μmより大きくてもよい。
【0031】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、ドリフト層5内に配置され、フィールドプレート82、82’によってゲート層70、70’から電気的に絶縁された第2の導電型の収集領域30をさらに備え、収集領域30は、ソース電極9と電気的に接続され、接触領域においてソース電極9とショットキーコンタクトを形成する。
【0032】
別の実施形態では、第2の導電型の収集領域30は逆行性プロファイルを有し、その結果、接触領域における第2の導電型のドーピング濃度は、収集領域30のコレクタ側97における第2の導電型のドーピング濃度よりも低い。より低いドーピングは、ターンオフ中に正孔を収集するために表面にショットキーコンタクトを形成することができる。より深いドーピング濃度は、空乏領域がショットキー領域に達してデバイスを早期に破壊させるのを停止させるのに役立ち得る。したがって、収集領域30(pリング)は、ブロッキング状態で部分的に空乏化されないままであり得る。これは、ショットキーコンタクトを形成するためにドーピングを使用するすべてのpリング領域にあてはまり得る、すなわち、表面はより低いドーピングを有する可能性があり、空乏領域はブロッキング下でそれに到達することができない可能性がある。表面におけるより低いドーピングはまた、トレンチ底部開口部における電荷補償によって、すなわち、バックグラウンドドーピングを低下させるための反対極性の電荷の注入によって達成され得る。
【0033】
例えば図5に示すIGBTデバイスの別の例示的な実施形態では、ドリフト層5よりも高いドーピング濃度を有する第1の導電型の強化層4が形成され、強化層4はベース層3とドリフト層5との間に形成され、トレンチ電極7、7’およびショットキー電極15は強化層4を通ってドリフト層5内に延在する。強化層4を有することの1つの利点は、基本的なIGBT機能(MOSFETの単純なゲート駆動特性とバイポーラトランジスタの高電流および低飽和電圧能力との組み合わせ)が変更されない間にオン状態性能を高めることである。
【0034】
ゲート電極およびショットキー電極は、IGBTデバイスを平面視したときに、ストライプ状に形成されていてもよい。しかしながら、ショットキー電極は必ずしもストライプ状に形成される必要はなく、例えば正方形または円形などで活性領域のより小さい部分に形成されてもよく、その結果、ショットキーコンタクトを通る正孔の収集は複数の方向で行われる。この実施形態の1つの利点は、縮小された領域を通じた孔収集の改善された制御であり得る。
【0035】
IGBTデバイスの別の例示的な実施形態では、正孔の収集は、異なるp型導電層の同じ上に配置することができるショットキーコンタクトとオーミックコンタクトとの組み合わせを通じて生じる。ショットキーコンタクトおよびオーミックコンタクトの両方がエミッタに接続され、それらの面積の比は、オン状態電圧降下と安全動作面積との間の良好なトレードオフにとって重要である。オーミックコンタクトは、ショットキーコンタクトと同じメタライゼーションで作ることができ、ショットキーコンタクトよりも高濃度にドープされたp型層上に配置することができる、または異なるメタライゼーション層で作ることができる。
【0036】
IGBTデバイスの別の例示的な実施形態では、IGBTの構造は、図1によるIGBTの構造に対応するが、ソース層に接触しないデバイスの表面上のいくつかのソース接点は、ベース層3とショットキーコンタクトを形成する。この構造の1つの利点は、デバイスの表面上のショットキーコンタクトの形成が、既存のデバイス製造プロセスに容易に実装され得ることである。しかし、例えば本発明の一実施形態を形成しない図1に示すようなpリング構造を有さないデバイスであっても、デバイス表面のエミッタ/ソース接点に接続されたショットキーコンタクトは、ベース層を通じた正孔の収集の制御を強化し、Eoff、V、Vonの改善された調整を可能にする。
【0037】
「側方」とは、この説明では、2つの層/領域が同じ平面に配置され、その平面がエミッタ側に平行であることを意味するものとする。その平面内で、層は横方向に隣接して、左右にまたは互いに隣接して配置されるが、層は互いに距離を有してもよく、すなわち、別の層が2つの層の間に配置されてもよいが、それらはまた、互いに直接隣接してもよく、すなわち互いに接触してもよい。層の「側面」は、エミッタ側90に垂直な物体の側面である。
【0038】
「垂直」は、本明細書において、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのコレクタ側97とは反対のエミッタ側90に垂直な方向を表す。
【符号の説明】
【0039】
参照符号のリスト
2 ソース層
10 バッファ層
15 ショットキー電極
20 ショットキー層
22 ショットキー絶縁層
3 ベース層
30 収集領域
4 強化層
5 ドリフト層
6 コレクタ層
7,7’ トレンチゲート電極
70,70’ ゲート層
72,72’ ゲート絶縁層
82,82’ フィールドプレート
9 エミッタ電極
90 エミッタ側
95 コレクタ電極
97 コレクタ側
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタであって、エミッタ側(90)のソース電極(9)から、前記エミッタ側(90)とは反対のコレクタ側(97)のコレクタ電極(95)までの間に、少なくとも以下の層、すなわち、
-第1の導電型のソース層(2)と、
-前記第1の導電型とは異なる第2の導電型のベース層(3)であって、前記ソース層(2)および前記ベース層(3)は前記ソース電極(9)と電気的に接触するベース層(3)と、
-前記第1の導電型のドリフト層(5)と、
-前記ドリフト層(5)と前記コレクタ電極(95)との間に配置され、前記コレクタ電極(95)と電気的に接触する、前記第2の導電型のコレクタ層(6)と、を備え、
前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタはさらに、
-前記ベース層(3)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)であって、前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)の各々が前記ベース層(3)の側方に配置される導電性ゲート層(70、70’)と、前記ゲート層(70、70’)を任意のドープ層から分離するゲート絶縁層(72、72’)とを備える少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)を備え、
前記ソース層(2)、前記ベース層(3)、および前記ドリフト層(5)の間にチャネルが形成可能であり、前記ソース層(2)は、トレンチゲート電極(7、7’)の各々の1つに少なくとも配置されており、
-前記少なくとも2つのトレンチゲート電極のうちの1つに隣接し、前記ベース層(3)の側方に配置されて前記ベース層(3)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する導電性ショットキー層(20)であって、前記ソース電極(9)に電気的に接続されるショットキー層(20)と、前記ショットキー層(20)を前記ベース層(3)から分離するショットキー絶縁層(22)とを備える、少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)と、
-前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)のトレンチゲート電極底部および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)のトレンチショットキー電極底部に配置される前記第2の導電型の収集領域(30)であって、前記ドリフト層(5)内に位置し、前記ドリフト層(5)によって横方向に互いに分離される収集領域(30)と、によって特徴付けられ、
前記ショットキー層(20)は、接触領域において前記収集領域(30)とのショットキーコンタクトを形成する、
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項2】
前記コレクタ層(6)と前記ドリフト層(5)との間に、前記第1の導電型のバッファ層(10)が配置され、前記第2の導電型の前記収集領域(30)は、前記トレンチゲート電極(7、7’)および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)から前記バッファ層(10)まで前記ドリフト層(5)を通って垂直に延びることを特徴とする、請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項3】
前記第2の導電型の前記収集領域(30)は逆行性プロファイルを有することにより、前記接触領域における前記第2の導電型のドーピング濃度は、前記収集領域(30)の前記コレクタ側(97)における前記第2の導電型のドーピング濃度よりも低い、請求項1から2のいずれかに記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【請求項4】
前記ドリフト層(5)よりも高いドーピング濃度を有する前記第1の導電型の強化層(4)をさらに備え、前記強化層(4)は、前記ベース層(3)と前記ドリフト層(5)との間に形成され、前記少なくとも2つのトレンチゲート電極(7、7’)および前記少なくとも1つのトレンチショットキー電極(15)は、前記強化層(4)を通って前記ドリフト層(5)内に延在する、
請求項1から3のいずれかに記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
【国際調査報告】