(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20221108BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20221108BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20221108BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20221108BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20221108BHJP
【FI】
H01M50/262 E
H01M50/209
H01M50/249
H01M50/289
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526274
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2020125816
(87)【国際公開番号】W WO2021098495
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201911133282.1
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲海▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲ティン▼▲ティン▼
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA36
5H040AS04
5H040AT02
5H040AY04
5H040AY10
5H040CC59
(57)【要約】
本願は、電池パック及び車両を提供する。電池パックは、収容部を形成する筐体底壁及び筐体側壁を備える筐体と、収容部に設置され、複数の電池セルを備える電池ブロックと、収容部に設置され、電池ブロックの位置を制限するために用いられるフレーム構造と、を備え、電池セルのケース側壁は、第1の方向に沿って対向して設置された二つの第1の側壁及び第2の方向に沿って対向して設置された二つの第2の側壁を備え、第1の側壁の面積は、第2の側壁の面積よりも大きく、第1の方向及び第2の方向は、何れも筐体底壁に平行で且つ互いに垂直であり、フレーム構造は、それぞれ電池ブロックの第1の方向に沿った両端に位置する第1の梁及び第2の梁を備え、第1の梁及び第2の梁は、第2の方向に沿って延伸し、且つ第1の方向に沿って第1の側壁に対向して設置され、第1の梁は、筐体に取り外し不可能に接続され、第2の梁は、筐体に取り外し可能に接続される。本願の電池パックは、安全性能を向上させ、且つ耐用年数を延長することに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部(V)を形成する筐体底壁(11)と筐体側壁(12)とを備える筐体(10)と、
前記収容部(V)に設置され、複数の電池セル(30)を備える電池ブロックと、
前記収容部(V)に設置され、前記電池ブロックの位置を制限するために用いられるフレーム構造(20)と、を備え、
前記電池セル(30)のケース側壁(311)は、第1の方向(X)に沿って対向して設置された二つの第1の側壁(311A)及び第2の方向(Y)に沿って対向して設置された二つの第2の側壁(311B)を備え、前記第1の側壁(311A)の面積は、前記第2の側壁(311B)の面積よりも大きく、前記第1の方向(X)及び前記第2の方向(Y)は、何れも前記筐体底壁(11)に平行であり、且つ互いに垂直であり、
前記フレーム構造(20)は、それぞれ前記電池ブロックの前記第1の方向(X)に沿った両端に位置する第1の梁(21)及び第2の梁(22)を備え、前記第1の梁(21)及び前記第2の梁(22)は、前記第2の方向(Y)に沿って延伸し、且つ前記第1の方向(X)に沿って前記第1の側壁(311A)と対向して設置され、前記第1の梁(21)は、前記筐体(10)に取り外し不可能に接続され、前記第2の梁(22)は、前記筐体(10)に取り外し可能に接続される電池パック。
【請求項2】
前記第1の梁(21)は、前記筐体(10)に溶接される請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記第1の梁(21)は、
第1の梁頂壁(211)と、
前記第1の梁頂壁(211)の前記第1の方向(X)に沿った両端から前記筐体底壁(11)に向かって延伸する第1の梁側壁(212)と、
前記第1の梁側壁(212)の前記筐体底壁(11)に近い一端から前記第1の梁側壁(212)から離れた方向に延伸する第1の梁取付辺(213)と、を備え、
前記第1の梁(21)は、前記第1の梁取付辺(213)により前記筐体底壁(11)に取り外し不可能に接続される請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第2の梁(22)は、板状梁である請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第1の梁(21)は、板材を折り曲げて一体に形成され、前記板材の厚さは、前記第2の梁(22)の板厚の0.2~0.5倍である請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池パックは、さらに、前記第1の梁(21)と前記電池ブロックとの間に設置された第1の絶縁板(61)、及び/又は、前記第2の梁(22)と前記電池ブロックとの間に設置された第2の絶縁板(62)とを備える請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記フレーム構造(20)は、それぞれ前記電池ブロックの前記第2の方向(Y)に沿った両端に位置し、且つ前記筐体(10)に固定された第3の梁(23)及び第4の梁(24)を備え、
前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)は、前記第1の方向(X)に沿って延伸し、且つ前記第2の方向(Y)に沿って前記第2の側壁(311B)と対向して設置され、前記第2の梁(22)の前記第2の方向(Y)に沿った両端は、それぞれ前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)の前記第2の梁(22)に近い端部に取り外し可能に接続される請求項1~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記第3の梁(23)の前記第2の梁(22)に近い端部に、第3の梁端部切り欠き(232)が設置され、
前記第4の梁(24)の前記第2の梁(22)に近い端部に、第4の梁端部切り欠き(242)が設置され、
前記第2の梁(22)の前記第2の方向(Y)に沿った両端は、それぞれ前記第3の梁端部切り欠き(232)及び前記第4の梁端部切り欠き(242)内に設置され、且つ前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)にそれぞれ取り外し可能に接続される請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
前記第2の梁(22)の前記第2の方向(Y)に沿った中央部は、前記筐体(10)に取り外し可能に接続される請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項10】
前記フレーム構造(20)は、前記第2の梁(22)の前記第1の方向(X)に沿って前記電池ブロックから離れた側の中央部に固定的に設置されたバンプ(25)を備え、
前記第2の梁(22)の中央部は、前記バンプ(25)により前記筐体(10)に取り外し可能に接続される請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記収容部(V)に設置された第5の梁(50)を備え、
前記第5の梁(50)は、前記第2の方向(Y)に沿って延伸し、且つ前記第2の梁(22)と前記筐体側壁(12)との間に位置し、
前記第2の梁(22)は、前記第5の梁(50)と前記電池ブロックとの間に位置し、且つ前記第1の方向(X)において前記第5の梁(50)と間隔を有し、
前記第5の梁(50)は、前記筐体底壁(11)に固定的に接続され、
前記バンプ(25)は、前記第5の梁(50)に取り外し可能に接続される請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記収容部(V)に設置された第5の梁(50)を備え、
前記第5の梁(50)は、前記第2の方向(Y)に沿って延伸し、前記電池ブロックの前記第2の梁(22)が設置された一端に位置し、
前記第2の梁(22)は、前記第5の梁(50)と前記電池ブロックとの間に位置し、且つ前記第1の方向(X)において前記第5の梁(50)と間隔を有し、
前記第5の梁(50)は、前記筐体底壁(11)に固定的に接続される請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記フレーム構造(20)は、それぞれ前記電池ブロックの前記第2の方向(Y)に沿った両端に位置し、且つ前記筐体(10)に固定された第3の梁(23)及び第4の梁(24)を備え、
前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)は、前記第1の方向(X)に沿って延伸し、且つ前記第2の方向(Y)に沿って前記第2の側壁(311B)と対向して設置され、前記第2の梁(22)の前記第2の方向(Y)に沿った両端は、それぞれ前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)の前記第2の梁(22)に近い端部に取り外し可能に接続され、
前記第1の梁(21)、前記第2の梁(22)、前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)の第3の方向(Z)に沿った寸法は、前記第5の梁(50)の前記第3の方向(Z)に沿った寸法よりも大きく、前記第3の方向(Z)は、前記筐体底壁(11)に垂直である請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記フレーム構造(20)は、それぞれ前記電池ブロックの前記第2の方向(Y)に沿った両端に位置し、且つ前記筐体(10)に固定された第3の梁(23)及び第4の梁(24)を備え、
前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)は、前記第1の方向(X)に沿って延伸し、且つ前記第2の方向(Y)に沿って前記第2の側壁(311B)と対向して設置され、前記第2の梁(22)の前記第2の方向(Y)に沿った両端は、それぞれ前記第3の梁(23)及び前記第4の梁(24)の前記第2の梁(22)に近い端部に取り外し可能に接続され、
前記第3の梁(23)の前記第2の梁(22)に近い端部と前記第4の梁(24)の前記第2の梁(22)に近い端部とは、それぞれ前記第5の梁(50)の前記電池ブロックに近い側に当接する請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
前記第2の梁(22)の前記筐体底壁(11)に近い側に、前記第5の梁(50)を回避する第2の梁側部切り欠き(223)が設置され、前記間隔は、前記第2の梁側部切り欠き(223)と前記第5の梁(50)との間に形成される請求項12~14のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項16】
さらに前記間隔に設置された第3の絶縁板(63)を備える請求項12~15のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項17】
前記車両に動力を提供する動力源と、
前記動力源に電力を供給するように構成される請求項1~16のいずれか一項に記載の電池パックと、を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月19日に提出された名称が「電池パック及び車両」である中国特許出願201911133282.1の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、車両が採用する電池パックは、少なくとも一つの電池ブロックを備え、電池ブロックは、複数の電池セルを備え、電池セルは、一般的には二次リチウムイオン電池である。電池パックの使用過程は、二次リチウムイオン電池の複数回の充放電サイクル過程である。電池セルが充放電サイクルを行う過程において、電池セルの電極組立体中の正・負極シートは、活物質の構造が変化するか又は副反応が発生することにより電池セルの周期的な膨張をもたらす。電池の使用周期が長くなるに連れて、周期的に膨張する時に発生する膨張力は、徐々に増大する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パックに採用されたハードケース電池セルは一般的に角形構造であり、電池セルは、ケース及びトップカバーを備える。ケースは、トップカバーに対向するケース底壁と、トップカバーとケース底壁との間に設けられたケース側壁とを備える。ケース側壁は、一般的に対向して設置された二つの第1の側壁と、二つの第1の側壁の間に接続された対向して設置された二つの第2の側壁とを備え、第2の側壁の面積は第1の側壁の面積よりも小さい。膨張力の主な方向は、第1の側壁に垂直な方向に沿っている。したがって、膨張力が増加することにより、電池セルの第1の側壁に対し大きな影響を与える。電池モジュール形式の電池ブロックに対して、膨張力は、電池モジュールの端板に大きな圧力を形成する。膨張力の増加に抵抗するために、一般的に一定の構造強度の端板を採用することにより、電池セルの膨張変形が大きすぎ、サイクル過程における電池セルの性能に影響を与えることを回避する。同時に、端板の構造は、電池セルに対し過大な圧力を発生することができず、そうでなければ電池セルは、充放電サイクル中にリチウム析出現象が発生しやすく、電池セルのサイクル寿命を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1の態様は、電池パックを提供し、その電池パックは、
収容部を形成する筐体底壁及び筐体側壁を備える筐体と、
収容部に設置され、複数の電池セルを備える電池ブロックと、
収容部に設置され、電池ブロックの位置を制限するために用いられるフレーム構造と、を備え、
電池セルのケース側壁は、第1の方向に沿って対向して設置された二つの第1の側壁及び第2の方向に沿って対向して設置された二つの第2の側壁を備え、第1の側壁の面積は、第2の側壁の面積よりも大きく、第1の方向及び第2の方向は、何れも筐体底壁に平行であり、且つ互いに垂直であり、
フレーム構造は、それぞれ電池ブロックの第1の方向に沿った両端に位置する第1の梁及び第2の梁を備え、第1の梁及び第2の梁は、第2の方向に沿って延伸し、且つ第1の方向に沿って第1の側壁と対向して設置され、第1の梁は、筐体に取り外し不可能に接続され、第2の梁は、筐体に取り外し可能に接続される。
【0006】
いくつかの実施例において、第1の梁は、筐体に溶接される。
【0007】
いくつかの実施例において、第1の梁は、
第1の梁頂壁と、
第1の梁頂壁の第1の方向に沿った両端から筐体底壁に向かって延伸する第1の梁側壁と、
第1の梁側壁の筐体底壁に近い一端から第1の梁側壁から離れた方向に延伸する第1の梁取付辺と、を備え、
第1の梁は、第1の梁取付辺により筐体底壁に取り外し不可能に接続される。
【0008】
いくつかの実施例において、第2の梁は、板状梁である。
【0009】
いくつかの実施例において、第1の梁は、板材を折り曲げて一体に形成され、板材の厚さは、第2の梁の板厚の0.2~0.5倍である。
【0010】
いくつかの実施例において、電池パックは、さらに、
第1の梁と電池ブロックとの間に設置された第1の絶縁板、及び/又は、第2の梁と電池ブロックとの間に設置された第2の絶縁板と、を備える。
【0011】
いくつかの実施例において、フレーム構造は、それぞれ電池ブロックの第2の方向に沿った両端に位置し、且つ筐体に固定された第3の梁及び第4の梁を備え、第3の梁及び第4の梁は、第1の方向に沿って延伸し、且つ第2の方向に沿って第2の側壁と対向して設置され、第2の梁の第2の方向に沿った両端は、それぞれ第3の梁及び第4の梁の第2の梁に近い端部に取り外し可能に接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、
第3の梁の第2の梁に近い端部に、第3の梁端部切り欠きが設置され、
第4の梁の第2の梁に近い端部に、第4の梁端部切り欠きが設置され、
第2の梁の第2の方向に沿った両端は、それぞれ第3の梁端部切り欠き及び第4の梁端部切り欠きに設置され、且つ第3の梁及び第4の梁にそれぞれ取り外し可能に接続される。
【0013】
いくつかの実施例において、第2の梁の第2の方向に沿った中央部は、筐体に取り外し可能に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、フレーム構造は、第2の梁の第1の方向に沿って電池ブロックから離れた側の中央部に固定的に設置されたバンプを備え、第2の梁の中央部は、バンプにより筐体に取り外し可能に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、電池パックは、収容部に設置された第5の梁を備え、第5の梁は、第2の方向に沿って延伸し、且つ第2の梁と筐体側壁との間に位置し、第2の梁は、第5の梁と電池ブロックとの間に位置し、且つ第1の方向において第5の梁と間隔を有し、第5の梁は、筐体底壁に固定的に接続され、バンプは、第5の梁に取り外し可能に接続される。
【0016】
いくつかの実施例において、電池パックは、収容部に設置された第5の梁を備え、第5の梁は、第2の方向に沿って延伸し、電池ブロックの第2の梁が設置された一端に位置し、第2の梁は、第5の梁と電池ブロックとの間に位置し、且つ第1の方向において第5の梁と間隔を有し、第5の梁は、筐体底壁に固定的に接続される。
【0017】
いくつかの実施例において、フレーム構造は、それぞれ電池ブロックの第2の方向に沿った両端に位置し、且つ筐体に固定された第3の梁及び第4の梁を備え、第3の梁及び第4の梁は、第1の方向に沿って延伸し、且つ第2の方向に沿って第2の側壁と対向して設置され、第2の梁の第2の方向に沿った両端は、それぞれ第3の梁及び第4の梁の第2の梁に近い端部に取り外し可能に接続され、
第1の梁、第2の梁、第3の梁及び第4の梁の第3の方向に沿った寸法は、第5の梁の第3の方向に沿った寸法よりも大きく、第3の方向は、筐体底壁に垂直である。
【0018】
いくつかの実施例において、フレーム構造は、それぞれ電池ブロックの第2の方向に沿った両端に位置し、且つ筐体に固定された第3の梁及び第4の梁を備え、第3の梁及び第4の梁は、第1の方向に沿って延伸し、且つ第2の方向に沿って第2の側壁と対向して設置され、第2の梁の第2の方向に沿った両端は、それぞれ第3の梁及び第4の梁の第2の梁に近い端部に取り外し可能に接続され、
第3の梁の第2の梁に近い端部と第4の梁の第2の梁に近い端部とは、それぞれ第5の梁の電池ブロックに近い側に当接する。
【0019】
いくつかの実施例において、第2の梁の筐体底壁に近い側に、第5の梁を回避する第2の梁側部切り欠きが設置され、間隔は、第2の梁側部切り欠きと第5の梁との間に形成される。
【0020】
いくつかの実施例において、電池パックは、さらに間隔に設置された第3の絶縁板を備える。
【0021】
本願の第2の態様は、車両を提供し、それは、
車両に動力を提供する動力源と、
動力源に電力を供給するように構成される本願の第1の態様の電池パックと、を備える。
【0022】
本願の提供する電池パックに基づいて、電池パックの筐体内部の電池ブロックの電池セルの第1の側壁に垂直な第1の方向に沿った両端に、それぞれ取り外し不可能な第1の梁及び取り外し可能な第2の梁を設置して拘束し、第2の梁は、取り外し可能な構造であるため、筐体との間の制約が相対的に少なく、したがって、電池ブロックが膨張する時にそれを効果的に拘束すると同時に、電池セルの電極組立体の大きな面が受ける応力が大きすぎず、それにより電池パックの安全性能を向上させ、電池パックの耐用年数を延長することに役立つ。
【0023】
本願の車両は、本願の電池パックを備え、本願の電池パックと同様の利点を有する。
【0024】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例を詳細に説明することにより、本願の他の特徴及びその利点は明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで説明された図面は、本願へのさらなる理解を提供するために用いられ、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を説明するために用いられ、本願を不当に限定するものではない。
【0026】
【
図1】本願の実施例に係る電池パックの分解構造概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る電池パック(蓋体を含まない)の構造概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る電池パックの電池セルの分解構造概略図である。
【
図7】
図2に示す電池パックの筐体とフレーム構造の組み合わせ構造概略図である。
【
図9】
図8のA-A部の拡大断面構造概略図である。
【
図10】
図8のB-B部の拡大断面構造概略図である。
【
図11】
図2に示す電池パックの筐体とフレーム構造(第2の梁とバンプを含まない)の組み合わせ構造の構造概略図である。
【
図12】
図2に示す電池パックが電池ブロックが筐体及びフレーム構造(第2の梁とバンプを含まない)に取り付けられた組み合わせ構造の過程における構造概略図である。
【
図13】
図2に示す電池パックが電池ブロックが筐体及びフレーム構造(第2の梁とバンプを含まない)に取り付けられた組み合わせ構造における構造概略図である。
【
図14】
図2に示す電池パックが電池ブロックが筐体及びフレーム構造(第2の梁とバンプを含まない)に取り付けられた組み合わせ構造における構造概略図であり、ここで第2の梁及びバンプとフレーム構造の第3の梁及び第4の梁とが組み立てられる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下は、本願の実施例における図面を参照して、本願の実施例における技術案を明確で、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、単に本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。以下、少なくとも一つの例示的な実施例の説明は実際に例示的なものだけであり、本願及びその応用又は使用に対する任意の制限とするものではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、何れも本願の保護範囲に属する。
【0028】
特に具体的に説明しない限り、これらの実施例に説明された部材及びステップの相対的な配置、数学式及び数値は、本願の範囲を限定するものではない。同時に、説明しやすいために、図面に示された各部分の寸法は、実際の比例関係に応じて描画されるものではない。関連分野の当業者に知られている技術、方法及び装置を詳細に説明しない可能性があるが、適切な状況で、前記技術、方法及び装置は、権利化された明細書の一部と見なされるべきである。本明細書に示され且つ検討された全ての実施例において、任意の具体的な値は、例示的なものに解釈されるべきであり、限定するものではない。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有することができる。なお、類似する符号及びアルファベットは、以下の図面において類似する項目を示す。したがって、ある一項目が一つの図面において定義されると、その後の図面においてそれをさらに説明する必要がない。
【0029】
本願の説明において、理解すべきこととして、「第1」、 「第2」等の用語を使用して部品を限定することは、対応する部品を区別することを容易にするに過ぎず、特に断らない限り、上記用語は、特に意味がないため、本願の保護範囲を限定するものと理解すべきではない。
【0030】
本願の説明において、理解すべきこととして、例えば「前、後、上、下、左、右」、 「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等の方向用語で指示された方位又は位置関係は、本願の説明と説明の簡略化を容易にするに過ぎず、逆に説明しない場合、これらの方向用語は、指された装置又は素子が特定の方位を有するか又は特定の方位で構造し操作しなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本願の保護範囲を限定するものと理解すべきではない。方向用語としての「内、外」は各部材自体の輪郭に対する内外を指す。
【0031】
図1~
図14に示すように、本願の実施例は、電池パックを提供し、該電池パックは筐体10、フレーム構造20及び電池ブロックを備える。
【0032】
筐体10は、筐体底壁11と筐体側壁12とを備え、筐体底壁11と筐体側壁12とは収容部Vを形成する。
【0033】
電池ブロックは、収容部Vに設置され、複数の電池セル30を備える。
【0034】
図3及び
図12に示すように、電池セル30は、ケース31及びトップカバー34を備える。ケース31は、トップカバー34に対向するケース底壁と、トップカバー34とケース底壁との間に設置されたケース側壁311とを備える。ケース側壁311は、第1の方向Xに沿って対向して設置された二つの第1の側壁311Aと、第1の側壁311Aよりも面積が小さく第2の方向Yに沿って対向して設置された二つの第2の側壁311Bとを備える。
【0035】
図2に示すように、第1の方向X及び第2の方向Yは、何れも筐体底壁11に平行であり、且つ第1の方向Xは第2の方向Yに垂直である。第3の方向Zは、筐体底壁11に対して垂直である。
【0036】
いくつかの実施例において、第1の方向Xは、電池パックの幅方向であり、第2の方向Yは、電池パックの長さ方向であり、第3の方向Zは、電池パックの高さ方向である。
【0037】
図3に示すように、電池セル30は、さらに電極組立体32及びアダプタシート33を備え、電極組立体32とアダプタシート33は、ケース31とトップカバー34で囲まれた空間に位置する。ここで、電極組立体32のタブ321は、正極タブ及び負極タブを備え、正極タブ及び負極タブは、それぞれ二枚のアダプタシート33に電気的に接続され、二枚のアダプタシート33はそれぞれトップカバー34に設置された第1の電極端子35及び第2の電極端子36に電気的に接続され、第1の電極端子35及び第2の電極端子36は、電池セル30の外部と電気的に接続されて電気エネルギーを伝送するために用いられる。
【0038】
フレーム構造20は、収容部Vに設置され、電池ブロックの位置を制限するために用いられる。フレーム構造20は、それぞれ電池ブロックの第1の方向Xに沿った両端に位置する第1の梁21及び第2の梁22を備え、第1の梁21及び第2の梁22は、第2の方向Yに沿って延伸し、且つ第1の方向Xに沿って第1の側壁311Aと対向して設置され、第1の梁21と筐体10とは、取り外し不可能に接続され、第2の梁22は、筐体10に取り外し可能に接続される。
【0039】
固定的接続とは、接続された二つの接続部材が相対運動を行うことができない接続方式であり、具体的には取り外し可能な接続と取り外し不可能な接続に分けられ、取り外し可能な接続とは二つの接続部材を接続状態から取り外して分離する時に、二つの接続部材の自体構造が破壊されない接続方式、例えばネジ接続、キー接続、ピン接続などである。取り外し不可能な接続は、二つの接続部材を接続状態から取り外して分離する時に、二つの接続部材の自体構造が破壊される接続方式、例えば溶接、リベット接合、接着又はリベット接合と接着の組み合わせ等である。例えば、本願のいくつかの実施例において、第1の梁21は筐体10に溶接される。
【0040】
電池セル30の膨張力は、主にケース31内部の電極組立体32の膨張に由来し、電池セル30の第1の側壁311Aの面積が最大であり、又、電極組立体32の電池セル30の第1の側壁311Aにおける投影面積が最大であるため、電池セル30の第1の側壁311Aが受ける膨張力又は膨張変形は最大である。電池セル30の第1の側壁311Aに垂直な第1の方向Xに積層された電池セル30が多くなるほど、蓄積された膨張力又は膨張変形が大きくなる。電池セル30は、充放電サイクル過程においてその電極組立体32が膨張し、拘束されないと、膨張変形が非常に大きく、電池セル30の充放電サイクル性能に大きく影響する。電池セル30の第1の側壁311Aを過大に拘束すると、また電池セル30の第1の側壁311Aに対応する電極組立体32の大きな面が受ける応力は大きく、リチウムを析出しやすく、電池セル30の耐用年数に影響を与える。したがって、電池ブロックのレベルで電池セル30の第1の側壁311Aの自由膨張を拘束する設計を行う必要がある。
【0041】
本願の実施例において、電池パックの筐体10内の電池ブロックの第1の方向Xに沿った両端にそれぞれ取り外し不可能な第1の梁21及び取り外し可能な第2の梁22が設置されて拘束される。第2の梁22は取り外し可能な構造であるため、筐体10との間の制約が比較的少ない。したがって、電池ブロックが膨張する時にそれを効果的に拘束することを実現すると同時に、電池セル30の電極組立体の大きな面に受ける応力が大きすぎず、それにより電池パックの安全性能を向上させ、電池パックの耐用年数を延長することに役立つ。
【0042】
いくつかの実施例において、フレーム構造20は、さらにそれぞれ電池ブロックの第2の方向Yに沿った両端に位置し且つ筐体10に固定された第3の梁23及び第4の梁24を備え、第3の梁23及び第4の梁24は、第1の方向Xに沿って延伸し且つ第2の方向Yに沿って第2の側壁311Bに対向して設置され、第2の梁22の第2の方向Yに沿った両端はそれぞれ第3の梁23及び第4の梁24の第2の梁22に近い端部に取り外し可能に接続される。
【0043】
第3の梁23及び第4の梁24を設置することにより、電池ブロックの位置をよりよく制限し、電池パック全体の剛性を向上させることができる。
【0044】
電池セル30のケース底壁は、筐体底壁11に固定的に接続される。いくつかの実施例において、電池パック内部の電池ブロックは、モジュールなし設計を採用し、収容部Vの内部に取り外し不可能な第1の梁21を設置して電池ブロックの電池セル30の第1の側壁311Aに対応する一端(
図4における電池ブロックの右端)の外側に電池ブロックを拘束し、取り外し可能な第2の梁22を用いて電池ブロックの第1の梁21が位置する一端と対向する一端(
図4における電池ブロックの左端)の外側に電池ブロックを拘束する。第2の梁22が取り外された後に電池ブロックは、第1の梁21、第3の梁23及び第4の梁24で囲まれた空間に出入りしやすいため、この電池ブロックは、第2の梁22側からの出し入れが容易であり、それにより取り付け及び取り外しメンテナンスを行うことに役立つ。
【0045】
電池パックは、さらに蓋体40を備え、蓋体40は筐体10に係合されて、フレーム構造20及び電池ブロックを収容部Vに封止する。
【0046】
図2、
図4~
図14に示すように、いくつかの実施例において、フレーム構造20は、電池ブロックの四周に囲まれた第1の梁21、第2の梁22、第3の梁23及び第4の梁24を備える。第1の梁21及び第2の梁22は、第2の方向Yに延伸し、それぞれ電池ブロックの第1の方向Xに沿った両端に位置する。第3の梁23及び第4の梁24は、第1の方向Xに延伸し、それぞれ電池ブロックの第2の方向Yに沿った両端に位置する。第1の梁21、第3の梁23及び第4の梁24は、何れも筐体10に固定的に接続される。第2の梁22は、筐体10に取り外し可能に接続される。例えば、第1の梁21、第3の梁23及び第4の梁24は、何れも筐体10に溶接される。第2の梁は、ネジにより第3の梁23及び第4の梁24に接続されてもよく、筐体10に接続されてもよく、又は第3の梁23、第4の梁24及び筐体10に同時に接続されてもよい。
【0047】
電池セル30の第1の側壁311Aが電池パックの長さ方向に沿って設置される場合、電池セル30を電池パックの幅方向に沿って積み重ねることができる。電池セル30の第1の側壁311Aに垂直な方向における積層数は、第1の側壁311Aが電池パックの幅方向に沿って配置されたときの電池セル30の積層数よりも少ない。したがって、電池セル30の第1の側壁311Aの配置方向は、電池パックの長さ方向に沿っている場合、電池パックの膨張力を重畳する方向は主に電池パックの幅方向に沿っており、電池ブロックの全体の膨張変形及び膨張力が小さくなることに役立ち、それにより電池セル30の膨張力又は膨張変形を拘束するフレーム強度に対する要求をより低くすることができる。
【0048】
一般的に、電池パックの長さ方向は、車両の進行方向と一致しており、車両の進行方向が第2の方向Yである場合、第1の梁21と第2の梁22は、車両の進行方向に沿って設置された縦梁であり、第1の梁21と第2の梁22は、電池ブロックの両端に平行に間隔を隔てて設置される。
【0049】
他の実施例において、第1の方向Xが電池パックの長さ方向であり、第2の方向Yが電池パックの幅方向であり、第3の方向Zが電池パックの高さ方向であってもよい。
【0050】
図9に示すように、いくつかの実施例において、第1の梁21は、第1の梁頂壁211、第1の梁頂壁211から第1の方向Xの両端に沿って筐体底壁11に向かって延伸する第1の梁側壁212、及び第1の梁側壁212の筐体底壁11に近い一端から第1の梁側壁212から離れる方向に延伸する第1の梁取付辺213を備える。第1の梁21は、第1の梁取付辺213を介して筐体底壁11に取り外し不可能に接続されている。
【0051】
第1の梁取付辺213は、筐体底壁11に溶接される。溶接方式により第1の梁取付辺213と筐体底壁11を接続することで、第1の梁21の全体剛性を向上させることができる。
【0052】
本実施例における第1の梁21と筐体底壁11とは、密閉された幾何学的構造を構成することで、第1の梁21の剛性を向上させることに役立つ。
【0053】
いくつかの実施例において、第2の梁22は、板状梁である。第1の梁21は、板材を折り曲げて一体に形成され、板材の厚さは、第2の梁22の板厚の0.2~0.5倍である。ここで、第1の梁21を製造する板材料は、第2の梁22を製造する板材料と同じであるか又は類似する属性を有し、例えば何れも金属材料である。
【0054】
第1の梁21の構造及び第1の梁21を形成する板材の厚さ及び第2の梁22の板厚を適切に設定することで、取り付けられた後の第1の梁21と第2の梁22との間の剛性差が大きすぎることを防止することに役立ち、各電池セル30が均一に膨張することに役立つ。
【0055】
いくつかの実施例において、第1の梁21の板材は、金属板材であり、その厚さは、1.5mmであってもよく、第2の梁22は、金属板状梁であり、金属板状梁の厚さは、5mmである。第1の梁21の金属板材の厚さの設置及び金属板状梁の厚さの設置は、電池ブロックをよく拘束したうえで、電池ブロックが第1の方向Xに沿って対向する両端に受ける拘束力の大きさが一致することを実現し、電池セル30の局部的圧力が過大であることによるリチウム析出現象を発生せず、電池セル30の耐用年数を向上させることに役立つ。
【0056】
図14に示すように、第2の梁22の第2の方向Yに沿った両端は、それぞれ第3の梁23と第4の梁24の第2の梁22に近い端部に取り外し可能に接続される。第2の梁22は、第3の梁23及び第4の梁24にそれぞれ接続されることで、フレーム構造20の全体的な安定性を向上させることに役立つ。
【0057】
いくつかの実施例において、第3の梁23の第2の梁22に近い端部に、第3の梁端部切り欠き232が設置される。第4の梁24の第2の梁22に近い端部に、第4の梁端部切り欠き242が設置される。第2の梁22の第2の方向Yに沿った両端は、それぞれ第3の梁端部切り欠き232と第4の梁端部切り欠き242に設置され、且つ第3の梁23及び第4の梁24にそれぞれ取り外し可能に接続される。
【0058】
以上の設置は、第2の梁22と第4の梁24、第3の梁23との間の正確な位置決めを実現することに役立ち、それによりフレーム構造20の電池ブロックに対する正確な制限及び第2の梁22と第4の梁24及び第3の梁23との間の迅速な取り外し可能な接続を実現することに役立つ。
【0059】
図2、
図13及び
図14に示すように、いくつかの実施例において、第3の梁23の第2の梁22に近い端部において筐体底壁11から離れた側を、筐体底壁11に近い側よりも内側に窪ませて第3の梁端部切り欠き232を形成する。第4の梁24の第2の梁22に近い端部において筐体底壁11から離れた側を、筐体底壁11に近い側よりも内側に窪ませて第4の梁端部切り欠き242を形成する。第2の梁22の第2の方向Yに沿った両端のそれぞれにおいて筐体底壁11に近い側を、筐体底壁11から離れた側よりも内側に窪ませて第2の梁端部切り欠き222を形成する。ここで、第3の梁端部切り欠き232の端壁と第4の梁端部切り欠き242の端壁は、それぞれ第2の梁22の両端の筐体底壁11から離れた側に取り外し可能に接続され、第3の梁23及び第4の梁24の第2の梁22に近い端部の筐体底壁11に近い側は、それぞれ第2の梁22の両端の第2の梁端部切り欠き222の形状と係合する。
【0060】
図13及び
図14に示すように、第3の梁23の第3の梁端部切り欠き232における端壁に、第3の方向Zに沿って二つのネジ孔231が配置される。第4の梁24の第4の梁端部切り欠き242における端壁に、第3の方向Zに沿って二つのネジ孔241が配置される。第2の梁22の両端に、それぞれ第3の方向Zに沿って配置された二つの貫通孔221が設置され、それにより各貫通孔及び各ネジ孔と嵌合する四つのネジにより、第2の梁22を第3の梁23及び第4の梁24に取り外し可能に接続することができる。
【0061】
いくつかの実施例において、第2の梁22の第2の方向Yに沿った中央部は筐体10に取り外し可能に接続される。
【0062】
第2の梁22の中央部に、筐体10との接続点を増加させることで、第2の梁22と第1の梁21の剛性を均衡させ、電池ブロックの第1の方向Xに沿った両端に位置する電池セル30が充放電サイクル過程で受ける力を均衡させ、電池セル30の耐用年数を向上させることに役立つ。
【0063】
フレーム構造20は、第2の梁22の電池ブロックから離れた側の中央部に固定的に接続されたバンプ25を備え、第2の梁22の中央部は、バンプ25により筐体10に取り外し可能に接続される。バンプ25を設置して、第2の梁22と筐体10との取り外し可能な接続を容易にする。
【0064】
いくつかの実施例において、電池パックは、収容部Vに設置された第5の梁50を備える。第5の梁50は、第2の方向Yに沿って延伸し、電池ブロックの第2の梁22が設置された一端に位置する。第2の梁22は、第5の梁50と電池ブロックとの間に位置し、第1の方向Xにおいて第5の梁50と間隔を有している。第5の梁50は、筐体底壁11に固定的に接続される。
【0065】
第5の梁50の設置は、一方で筐体底壁11の第2の梁22を設置する箇所の剛性を向上させ、筐体底壁11及び筐体10の形状を保持して安定性を維持することに役立ち、それにより電池ブロックを保護することに役立つ。他方では、第5の梁50の設置は、通常、第2の梁22の電池ブロックに対する制限作用に影響せず、いくつかの極端な場合に、第2の梁22が電池ブロックから離れた側へ過大な変形を発生することを制限することができ、電池パック全体の構造の安定性を維持することに役立つ。
【0066】
バンプ25は、第5の梁50に取り外し可能に接続される。
図14に示すように、バンプ25は、第2の梁22の第1の方向Xに沿って電池ブロックから離れた側の中央部に固定的に接続される。バンプ25の中央部に、軸線が第3の方向Zに沿って延伸する貫通孔251が設置される。第5の梁50の頂端の中央部に、ネジ孔501が対応して設置され、第2の梁22と第3の梁23及び第4の梁24との位置を合わせた後、貫通孔251とネジ孔501とも位置合わせ、一つのネジで貫通孔251を貫通してネジ孔501と嵌合することで、バンプ25と第5の梁50との取り外し可能な接続を実現し、それにより第2の梁22と筐体10との取り外し可能な接続を実現することができる。
【0067】
図2、
図4~
図7、
図9~
図14に示すように、いくつかの実施例において、第1の梁21、第2の梁22、第3の梁23及び第4の梁24の第3の方向Zに沿った寸法は、第5の梁50の第3の方向Zに沿った寸法よりも大きい。この設置は、電池ブロックの着脱に有利である。
【0068】
図2、
図7、
図11~
図14に示すように、いくつかの実施例において、第3の梁23の第2の梁22に近い端部と第4の梁24の第2の梁22に近い端部とは、それぞれ第5の梁50の電池ブロックに近い側に当接する。該設置は、第2の梁22と第5の梁50との間の相対位置を正確に設置することに役立ち、フレーム構造20の全体的な剛性を向上させることに役立つ。
【0069】
図10及び
図14に示すように、いくつかの実施例において、第2の梁22の筐体底壁11に近い側に、第5の梁50を回避する第2の梁側部切り欠き223が設置される。該構造によって、第5の梁50を電池ブロックにより近づけ、第5の梁50が電池ブロックの負荷をよりよく担うことに役立ち、筐体10とフレーム構造20との組み合わせ構造の電池ブロックに対する支持能力を向上させることができる。
【0070】
図2及び
図14に示すように、いくつかの実施例において、電池パックは、さらに第1の絶縁板61及び/又は第2の絶縁板62を備える。第1の絶縁板61は、第1の梁21と電池ブロックとの間に設置される。第2の絶縁板62は、第2の梁22と電池ブロックとの間に設置される。
【0071】
図10に示すように、いくつかの実施例において、第2の梁22の筐体底壁11に近い側に第5の梁50を回避する第2の梁側部切り欠き223が設置され、第2の梁22と第5の梁50との間の間隔が第2の梁側部切り欠き223と第5の梁50との間に形成される。また、電池パックは、第2の梁22と第5の梁50との間の間隔に設置された第3の絶縁板63をさらに備える。
【0072】
第1の絶縁板61、第2の絶縁板62又は第3の絶縁板63を設置することは、何れも電池パックの安全性能を向上させることに役立つ。
【0073】
本実施例において、第3の梁23、第4の梁24及び第5の梁50の構造は、第1の梁21の構造と類似する。
【0074】
第3の梁23は、第3の梁頂壁、第3の梁頂壁の第2の方向Yに沿った両端から筐体底壁11に向かって延伸する第3の梁側壁、及び第3の梁側壁の筐体底壁11に近い一端から第3の梁側壁から離れた方向に延伸する第3の梁取付辺を備え、第3の梁23は、第3の梁取付辺により筐体底壁11に固定的に接続される。好ましくは、第3の梁取付辺は、筐体底壁11に溶接される。
【0075】
第4の梁24は、第4の梁頂壁、第4の梁頂壁の第2の方向Yに沿った両端から筐体底壁11に向かって延伸する第4の梁側壁、及び第4の梁側壁の筐体底壁11に近い一端から第4の梁側壁から離れた方向に延伸する第4の梁取付辺を備え、第4の梁24は、第4の梁取付辺により筐体底壁11に固定的に接続される。好ましくは、第4の梁取付辺は、筐体底壁11に溶接される。
【0076】
第5の梁50は、第5の梁頂壁、第5の梁頂壁の第1の方向Xに沿った両端から筐体底壁11に向かって延伸する第5の梁側壁、及び第5の梁側壁の筐体底壁11に近い一端から第5の梁側壁から離れた方向に延伸する第5の梁取付辺を備え、第5の梁50は、第5の梁取付辺により筐体底壁11に固定的に接続される。第5の梁取付辺は、筐体底壁11に溶接される。
【0077】
以下、
図12~
図14を参照して本願の実施例の電池パックの組立過程を説明する。
【0078】
電池ブロックを、
図11に示す電池パックの筐体10と、第2の梁22およびバンプ25を備えないフレーム構造との組み合わせ構造に組み合わせる。ここで、電池ブロックの電池セル30のケース底壁を接着剤により筐体底壁11に接着する方式で筐体10に固定することができる。電池ブロックを
図11に示す組み合わせ構造に取り付ける組み合わせ過程は
図12に示すように、電池ブロックを筐体10と
図11に示す組み合わせ構造に取り付けた後の組み合わせ構造は、
図13に示すとおりである。
【0079】
ネジにより第2の梁22と第3の梁23及び第4の梁24とを組み合わせ、又、ネジにより第2の梁22に固定的に設置されたバンプ25と第5の梁50とを組み合わせる。第2の梁22及びバンプ25と
図13に示す構造との組み合わせ過程における構造は、
図13に示すとおりであり、第2の梁22及びバンプ25と
図13に示す組み合わせ構造を組み合わせた後の組み合わせ構造は、
図2に示すとおりである。
【0080】
第1の絶縁板61が設置される場合、電池ブロックを
図11に示す組み合わせ構造に組み合わせる前又は組み合わせの過程で第1の絶縁板61を第1の梁21と電池セル30との間に設置する。
【0081】
第2の絶縁板62又は第3の絶縁板63を設置している場合、電池ブロックを
図11に示すような組み合わせ構造に組み合わせた後及び第2の梁22及びバンプ25と
図13に示す組み合わせ構造とを組み合わせる前に、第2の絶縁板62を電池ブロックと第2の梁22との間に配置するか又は第3の絶縁板63を第2の梁22と第5の梁50との間に配置する。
【0082】
以上の説明から分かるように、本願の実施例の電池パックにおいて、フレーム構造20により、電池ブロックの電池セル30の膨張力を電池ブロックの第1の方向Xに沿った両端に均等に逃がすことができ、電池セル30のサイクル寿命を向上させることに役立つ。
【0083】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、単に本願の技術案を説明するものであるが、それを限定するものではない。好ましい実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、本願の具体的な実施形態を修正するか又は一部の技術的特徴を同等置換することができ、それは何れも本願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】